文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは「わたしたちは、長年培ってきた「はかる」技術を社会に提供することを通じて、科学技術の発展、産業の高度化、人々の健康な生活に寄与し、豊かで持続的な社会づくりにグローバルに貢献する企業グループを目指します。」をグループ企業理念として掲げております。
当社グループの事業は、様々なアナログ情報を計測し、エレクトロニクス技術によりデジタル変換(数値化)して表示するA(アナログ)/D(デジタル)・D(デジタル)/A(アナログ)変換技術を原点としております。この原点を軸に、お客様による新しい価値の創出を支援するツールを提供してゆくことで、産業と社会の発展や人々の健康な生活に貢献していきたいと考えております。
当社グループは2025年5月に、2034年度までの長期ビジョンおよび2027年度を最終年度とする中期経営計画を策定しました。長期ビジョンでは、『Sensing the Future ~「はかる」を究め、世界を支える~』をスローガンとし、マーケット目線を最重要視する考えのもと、創業以来こだわりを持って育ててきた「はかる」技術を究め、グローバル市場を舞台として社会やお客様の課題解決に貢献する企業グループとなることを、10年後の私たちのあるべき姿としました。
長期ビジョンの基本戦略および経営目標は以下のとおりです。
<基本戦略>
① 社会課題解決に向けた事業ポートフォリオの改革
② マーケットインによる顧客への価値提供ができるビジネスモデルへ転換
③ “「はかる」を究め、世界を支える”を実現する新たな開発・生産機能の構築
④ ポートフォリオマネジメントの高度化
⑤ サステナビリティ経営の推進
<経営目標(2034年度)>
① 売上高 1,500億円
② 営業利益 300億円
③ 営業利益率 20.0%
また、長期ビジョンの実現に向けたSTEP1としての中期経営計画では、『事業価値の再定義と基盤の再構築』をテーマとし、現在の事業をあらためて見つめ直すとともに経営基盤を強固にする期間と位置付けています。長期ビジョンからバックキャストの考え方で設定した各事業の戦略およびグループ機能を強化するための施策を推進してまいります。
中期経営計画の基本戦略および経営指標は以下のとおりです。
<基本戦略>
① グローバルマーケティング機能の構築
② グローバル展開加速と事業ポートフォリオを意識した成長の実現
③ 事業成長を支える研究開発/生産機能の強化
④ 事業ポートフォリオマネジメントの運用
⑤ 環境変化に順応するサステナビリティ経営の実装
<経営指標(2027年度)>
① 売上高 800億円
② 営業利益 117億円
③ 営業利益率 14.6%
④ 配当性向 30%
長期ビジョンを基に中期経営計画を実行することで持続的な成長につなげ、さらなる企業価値向上を図ってまいります。
昨今、当社グループを取り巻く経営環境は、変化が激しく不確実性が高まっている状況にあります。そのような環境の中においても持続的な成長を実現するため、2034年度までの長期ビジョンおよび2027年度を最終年度とする中期経営計画を策定し、グループ一丸となって計画達成を目指してまいります。
半導体関連事業においては、AI、データセンター、自動運転等のアプリケーション拡大を背景に、引き続き中長期的な成長が見込まれております。高性能化や低消費電力化への要求が高まる中、微細化・構造化・複雑化といった技術革新が進展しており、当社グループにとって新たなビジネス機会が創出されています。
次世代装置の開発や既存顧客との関係強化、新工場建設の推進などを通じて、今後の需要増に的確に対応し、さらなる成長に向けた基盤強化を着実に進めてまいります。
医療・健康機器事業においては、医療DXや予防医療、デジタルヘルス分野における技術革新が進む中、AI・ビッグデータ解析による診断支援等が注目されています。こうした潮流を背景に、当社グループの医療・健康機器事業においても、引き続き需要の拡大が見込まれます。
今後は、地政学リスクや米国関税の影響も踏まえ、販売エリアや流通の拡大とともに生産性の向上、生産の最適化を図り業績の拡大を目指してまいります。
計測・計量機器事業においては、カーボンニュートラル社会やデジタル化社会への移行が加速する中、AI・IoT技術の進展により、より高度で精密な計測ニーズが高まっております。加えて、環境規制対応や人件費高騰への対処として、無人化・自動化・遠隔化といった開発・生産投資がグローバルに拡大しています。ファクトリーオートメーション市場やエネルギーシフトに対応する新製品開発を推進、米国や中国など海外の重点地域における販売、エンジニアリング、サービス対応を強化することによって業績拡大を目指してまいります。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「はかる」技術を通じて豊かで持続的な社会づくりにグローバルに貢献していくことをグループ企業理念としており、気候変動をはじめとするサステナビリティを巡る課題への対応について、収益機会にも繋がる重要な経営課題であるという認識のもと取り組みを進めてまいります。
(1) ガバナンス
持続可能な社会・環境の実現に向けた取り組みを通して、社内外のステークホルダーに貢献し、当社グループの存続及び中長期的な企業価値向上を図ることを目的とし、「サステナビリティ委員会」を設置しております。総務部担当取締役を委員長とし、社内取締役と主管部門長等で構成される同委員会はサステナビリティ経営を実践する上での基本方針の決定、並びに課題への対策を審議し、活動の管理・監督を行っております。また、サステナビリティ委員会は下部組織として「社会・環境部会」、「リスク管理部会」、「ガバナンス部会」という3つの部会を管轄しており、気候変動関連の対策実行部隊である部会活動の管理・監督も行っております。サステナビリティ委員会において審議された内容は、取締役会において取り組みの進捗・目標達成状況の監督、承認、助言等が行われるほか、委員会がとりまとめたサステナビリティに関する基本方針、活動などの情報を社内外のステークホルダーへ定期的に開示しております。
なお、当社のコーポレート・ガバナンス体制図は
〔サステナビリティ方針〕
当社グループは、最先端かつ多種多様な「はかる」技術を通じて、「計測・計量」「医療・健康」「半導体」分野での事業活動により社会課題の解決に貢献するとともに、環境保全や環境負荷低減の取り組みを積極的に推進することで、豊かで持続的な社会の実現と中長期的な企業価値の向上を目指します。
〔マテリアリティ(重要課題)〕
サステナビリティ方針の実現に向けて、下記の4つのマテリアリティを特定いたしました。
ESGの観点やSDGsの17ゴールを軸として自社の課題を広範囲に抽出し、社会・環境問題の解決に向け、当社グループの取るべき行動を整理しました。抽出した課題を「社内重要度」および「社外発信優先度」の両軸で評価し、さらに「経営理念との整合性」、「環境」、「社会」、「経済」、「教育/現場改善」への寄与度を点数評価し、高評価のものに絞り込みました。絞り込んだ課題に対し、行動項目も含めたマテリアリティ候補としてグループ化し、サステナビリティ委員会での審議を経て、取締役会での最終承認によりマテリアリティを決定いたしました。
①社会課題解決と経済の両輪を実現できる経営の高度化
環境負荷低減などに代表される社会課題解決の推進を当社グループの成長・発展の源泉とすることによって、社会性と経済性の両輪企業を目指します。
②地域・ステークホルダーとの連携強化により未来を豊かにするサステナビリティ企業への挑戦
連携の力による新たな価値の創造によって、地球・国・地域・ステークホルダーの未来に貢献するサステナビリティ企業を目指します。
③多様性・持続性のある人的資本経営の強化
当社グループの多様性溢れる社員一人ひとりの自己変革を促進する人的投資を加速化させることによって、社員から選ばれる高エンゲージメント企業を目指します。
④強固な企業基盤構築により顧客・企業価値の最大化
IT技術を当社グループのマネジメントシステムに組み入れることで顧客価値の最適化・最大化を図ると共に、透明性高い企業経営の更なる強化によって、顧客と社会から選ばれるグローバル企業を目指します。
(2)戦略
〔気候変動への取組〕
当社グループはTCFDが提唱するフレームワークに基づき、2つのシナリオを用いてシナリオ分析を行いました。国際エネルギー機関(IEA: International Energy Association)が作成した世界エネルギー展望(WEO: World Energy Outlook)および、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が作成した代表的濃度経路(RCP: Representative Concentration Pathways)を参考に、1.5℃/2℃シナリオと4℃シナリオを対象として定性的および定量的にリスク分析を行いました。1.5℃/2℃シナリオとは、脱炭素社会への移行が進んでいく想定、4℃シナリオとは、現状の排出規制などが維持される想定のシナリオを指しております。これらのシナリオ分析を行うことで、気候関連事項が、当社グループの事業、戦略、財務計画にどのように影響するかを分析いたしました。
シナリオ群をもとに、気候変動を起因とする影響のうち、当社グループの事業にとってリスクおよび機会である事象を定性的に分析いたしました。そのうち、大きな影響を及ぼす事象を次頁の表に示しております。分析の結果、1.5℃/2℃シナリオにおける移行リスクとしては炭素税やプラスチック規制などの政策による財務的影響や、顧客や投資家の意識変化による評判への影響が大きいと考えられるのに対し、4℃シナリオにおける物理リスクとしては自然災害への対応や気温上昇への対応による影響が大きいと考えられます。これらに対する当社グループの対応は、「社会・環境部会」と「リスク管理部会」において実施及び検討しております。
また、気候変動に関する事業上の機会を捉え、新たな需要に対応するため、当社は2024年11月に環境配慮性に優れた製品を自社で認定する「A&Dホロンエコプロダクツ認定制度」を導入いたしました。本制度はグループ全製品を対象とし、環境貢献の考え方に基づく認定基準を満たした製品を「エコプロダクツ」として認定するものです。2024年度においては10製品を認定いたしました。今後も環境配慮型製品の開発及び販売を推進することで環境負荷の低減及び地球環境の保全に貢献してまいります。
気候変動に関する主なリスク
気候変動に関する事業上の機会
〔人材の育成及び社内環境整備に関する方針〕
<人材に対する基本的な考え方>
当社グループは、「はかる」を通じて社会に貢献していくことを経営の基本方針としており、日々変わり続ける社会から必要とされ、お客様より選ばれる「はかる」ツールを提供していくため、人材こそが競争力の源泉であり、最も重要な財産であると考えております。
<人材育成方針>
当社グループは、人材の多様化とそれら人材の育成が中長期的な企業価値向上に繋がるものと考え、女性・外国人・中途社員の採用について積極的に取り組み、体系的かつ効果的な教育訓練を実施します。また企業の持続的な成長には、環境変化に素早く柔軟に対応していくことが求められることから「変化に柔軟に対応できる人材」「自ら考え行動できる人材」の育成を目指しております。
<社内環境整備方針>
当社グループは、人権の尊重を基本理念とする企業文化の下、安全衛生および健康増進活動を推進し、安心して働くことができる職場環境を整備するとともに、高い意欲で仕事に取り組むための施策を講じ、一人ひとりが自らの能力を最大限に発揮し、働きがいを実感できる職場環境づくりを行います。
上記方針の実現に向けて、主要子会社にて下記の施策に取り組んでおります。
①ダイバーシティ&インクルージョン
女性・外国人・シニア社員等の活躍を推進するため、多様な人材が能力を最大限発揮できる職場環境づくりに取り組んでおります。
・シニア社員の活躍推進(マイスター/エグゼクティブ制度)
60歳定年以降は嘱託再雇用制度を採用しております。技術分野における会社への貢献が著しい者を「マイスター」、マネジメント分野における貢献が著しい者を「エグゼクティブ」に認定し、貢献度を処遇に反映しております。
・女性社員の活躍推進
新規学卒者および中途採用における女性採用の強化、ならびに職種転換の推進により、女性社員の比率を高めることで将来的な女性管理職比率の向上につなげていきます。
②人事・教育制度
・公正な評価と人材育成
社員の行動と成果を適切に評価・処遇するため、目標管理制度を主体とした成績およびプロセスについて評価を行っております。プロセス評価では、社員の成長を段階的に促すため、評価要素として職務遂行能力を基準とした等級毎にコンピテンシー(安定して発揮される成果に結びつく行動)を設定しております。目標設定・成果評価に際しては、その理解を深めるため、上司・部下がその内容を相互に確認しております。また、管理職向けに評価制度の理解と評価エラー防止についての評価者研修も定期的に実施しております。
・自主性の尊重
社内公募制度の導入や自己申告制度の実施により、社員の自主性を尊重した配置転換の機会を設け就業意欲の向上へ繋がる人事制度の整備・運用に取組んでおります。
・教育訓練体系の整備
社員の能力向上を図るため、階層別教育、職務別教育、自己啓発教育等、教育訓練の体系を整備し、効果的な運用を行っております。
③働き方改革
社員が能力を最大限発揮するために働きやすい職場環境の整備と安全・健康に向けた取り組みを推進しております。
・育児休業の取得率向上
女性活躍推進法に基づく行動計画の目標に男性社員の育児休業取得率向上を設定し、対象者への制度説明・取得環境の整備を実施しております。
・時間外労働時間の短縮
水曜・金曜日をノー残業デーとし、定時退社を促しております。また、一定時間を超過した社員の上長に注意喚起し面談を実施しております。
・年次有給休暇の取得推進
年次有給休暇の一斉・計画的付与や半日単位での取得を可能とすることにより、取得を促進しております。
④健康経営
主要連結子会社である㈱エー・アンド・デイは、経営理念実現のため、「こころ」「からだ」「職場環境づくり」に重点を置いた健康経営宣言を制定し、「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に認定されました。
当社グループではサステナビリティ委員会が「リスク管理規程」に基づき全社的なリスクの総括管理を行っております。その下部組織として「リスク管理部会」を設置し、リスク管理に係る課題・対応策の協議を実施しております。気候変動関連リスクについては「社会・環境部会」が主体となって洗い出しを行い、リスク管理部会を経てサステナビリティ委員会に共有されます。サステナビリティ委員会において審議された内容は取締役会に都度報告され、取締役会の審議を踏まえ、当社グループの戦略に反映されております。
〔気候変動への取組〕
当社グループは経営戦略に気候変動関連リスクを考慮するため、気候変動をもたらす原因とされる温室効果ガス(GHG)、特に二酸化炭素(CO₂)の排出量を指標として、気候変動関連リスクを特定・評価・管理しております。当社グループでは、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目標としながらも、定量的目標として、2032年度までに36%削減(2022年度比)という目標を設定しております。具体的には、再生可能エネルギーの活用を進めながらも省エネに取り組むことで、排出量を差し引き0にすることを想定しております。なお、Scope3の排出量に関しては、今後算定を進めてまいります。
また、当社グループは環境配慮型製品の開発・普及を重要な取り組みと捉え、その具体的な進捗を図るため、グループ製品売上高に対するエコプロダクツの比率を重要な指標と位置付けております。この指標に関して、2024年度の16%から2027年度に20%とする中期目標を掲げ、目標達成に向け環境配慮型製品の開発・販売を推進しております。
※TCFDに基づく情報開示に関する詳細は、当社ホームページの
https://andholon.com/ir/library/sustainability/
〔人材の育成及び社内環境整備に関する指標〕
人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針にかかる指標及び目標については、サスティナビリティ委員会にて検討を行ってまいります。
(注)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異についての実績は、
当社グループでは、「リスク管理規程」に基づきサステナビリティ委員会がリスクの総括管理を行っております。また、リスク管理に関わる課題・対応策を協議するためサステナビリティ委員会の下部組織としてリスク管理部会を設置し、リスクマネジメントを推進しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における世界経済は、インフレ率の低下や個人消費の回復基調が続くなかで底堅い成長を維持したものの、長期化しているウクライナや中東地域等の地政学リスクに加え、米国の大規模な関税政策による各国経済に与える影響などにより、先行きに対する不透明感が強まっております。
このような状況のもと、現中期経営計画(2022年度〜2024年度)の最終年度となる当期においても、外部環境の変化に柔軟に対応するための各事業の取り組み推進やグループシナジー強化のための施策を継続してまいりました。
半導体関連事業においては、生成AI関連の先端半導体を中心とした需要拡大や各国におけるサプライチェーン強化のための継続的な設備投資を背景に当社グループ製品への需要も堅調に推移し、前年同期比増収増益となりました。
医療・健康機器事業においては、顧客・地域ごとの需要変動が大きくなるなか、海外での販売活動強化に係るコスト増が影響し前年同期比増収減益となりました。
計測・計量機器事業においては、DSP機器需要やアジア地域での計量機器需要が堅調に推移したことにより前年同期比増収増益となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は67,083百万円(前連結会計年度比8.3%増)、営業利益は8,813百万円(前連結会計年度比10.8%増)、経常利益は8,954百万円(前連結会計年度比8.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,468百万円(前連結会計年度比22.1%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが6,578百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△2,005百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△5,440百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が107百万円発生した結果、13,257百万円(前連結会計年度比5.4%減)となりました。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.実績には商品仕入を含んでおります。
当社グループは、原則として見込生産を行っておりますが、製品の一部には受注生産を行っているものがあります。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引は、相殺消去しております。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度の当社グループの売上高は、前連結会計年度に比べ8.3%増収の67,083百万円となりました。
半導体関連事業につきましては、堅調な需要が続くなかで期中の受注案件含めすべての顧客要求納期に対応できたことにより売上は増加しました。この結果、半導体関連事業の売上高は12,295百万円(前連結会計年度比19.0%増)となりました。
医療・健康機器事業につきましては、日本においては、大口顧客向け製品の出荷が低調に推移したことに加え、一部顧客向け製品の商流変更も影響し売上は減少しました。米州においては、家庭用血圧計需要の伸び悩みによって現地通貨ベースでの売上は前年を下回ったものの、為替の影響により円換算後の売上は増加しました。欧州においては、地域ごとの需要にばらつきが生じるなか、現地でのシェア維持、拡大に注力し売上は増加しました。この結果、医療・健康機器事業の売上高は24,122百万円(前連結会計年度比2.4%増)となりました。
計測・計量機器事業につきましては、日本においては、第3四半期まで弱含みだった計量機器の需要が持ち直したことや、DSP機器需要が好調に推移したことで売上は増加しました。米州においては、計量機器需要の取り込みやDSP機器需要が好調に推移したことで売上は増加しました。アジア・オセアニアにおいては、主に韓国・台湾・インドでの計量機器需要が堅調だったことにより売上が増加しました。この結果、計測・計量機器事業の売上高は30,665百万円(前連結会計年度比9.3%増)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価率については、生成AI関連の先端半導体を中心とした需要拡大及び継続的な生産工場の効率化やコストダウン等の原価低減活動が原価率低減に寄与しました。この結果、前連結会計年度と比べ0.4%減少の55.0%となりました。
販売費及び一般管理費は、営業活動費を中心とした諸経費の継続的な抑制を行った一方、賃上げ等による人件費の増加や、半導体関連事業における次世代製品開発に係る開発費の増加等により、前連結会計年度と比べ8.8%増加の21,390百万円となりました。研究開発費は高水準にありますが、これは当社グループの継続的な発展に不可欠な将来を見据えた投資と考えております。
(営業利益)
営業利益は、8,813百万円(前連結会計年度比10.8%増)となりました。半導体関連事業の営業利益は、新製品開発に伴う研究開発費などのコスト増が利益率に影響したものの、売上が高水準を維持したことにより、前連結会計年度比8.9%増益の4,124百万円となりました。医療・健康機器事業の営業利益は、顧客・地域ごとの需要変動が大きくなるなか、海外での販売活動強化に係るコスト増が影響し、前連結会計年度比3.4%減益の4,106百万円となりました。計測・計量機器事業の営業利益は、DSP機器需要やアジア地域での計量機器需要が堅調に推移したことにより、前連結会計年度比53.4%増益の2,704百万円となりました。また、上記のセグメント別の営業損益の他、全社費用等として2,123百万円が発生しております。
売上高営業利益率は13.1%となり、前連結会計年度より0.3%上昇しました。引き続き新技術や顧客のニーズを踏まえた高付加価値製品の投入、原価低減、経費削減等、利益率の上昇につながる施策に努めてまいります。
(経常利益)
営業外収益及び営業外費用については、円高により為替が不利に働いた一方、各国における金利が上昇する中、借入金の返済を促進したことにより利息収支が改善し、営業外収益は前連結会計年度比144百万円減少の624百万円、営業外費用は前連結会計年度比0百万円減少の483百万円となりました。これらの結果、経常利益は8,954百万円(前連結会計年度比8.7%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において、当社の顧問税理士法人より、当社の税務申告業務に関連して受領した補償金を中心に、特別利益が前連結会計年度比217百万円増加の218百万円となり、当社の連結子会社である株式会社ベスト測器で計上した減損損失を中心に、特別損失が前連結会計年度比211百万円減少の77百万円となったことにより、税金等調整前当期純利益は9,095百万円になりました。また法人税、住民税及び事業税を2,257百万円、法人税等調整額を343百万円、非支配株主に帰属する当期純利益を25百万円計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は6,468百万円(前連結会計年度比22.1%増)となりました。
(包括利益)
当期純利益は6,494百万円となった他、退職給付に係る調整額を中心にその他の包括利益が△74百万円となったことにより、包括利益は6,420百万円(前連結会計年度比4.3%増)となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、51,668百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,699百万円減少いたしました。これは、主に現金及び預金や受取手形、売掛金及び契約資産が減少したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は17,336百万円となり、前連結会計年度末に比べ281百万円減少いたしました。個々の要因は以下のとおりであります。
有形固定資産については、株式会社ホロンにおける新工場建設のための設備投資等があった一方、既存設備償却が進み、前連結会計年度末に比べ42百万円減少いたしました。
無形固定資産については、のれんを中心に、前連結会計年度末に比べ6百万円減少いたしました。
投資その他の資産については、事業提携を目的とした投資有価証券等の増加があった一方、繰延税金資産が減少したため、前連結会計年度末に比べ231百万円減少いたしました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は22,780百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,116百万円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金や短期借入金が減少したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は3,426百万円となり、前連結会計年度末に比べ900百万円減少いたしました。これは、主に長期借入金が減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は42,797百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,035百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が5,359百万円増加したことによるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は6,578百万円(前連結会計年度比8.6%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が9,095百万円、減価償却費が1,781百万円、売上債権の減少額が1,255百万円あった一方で、法人税等の支払額が2,660百万円、仕入債務の減少額が1,246百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,005百万円(前連結会計年度比0.1%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が1,525百万円、無形固定資産の取得による支出が493百万円あったことによるものであります。
フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したもの)は4,573百万円のプラスとなっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は5,440百万円(前連結会計年度比4.1%減)となりました。これは主に短期借入金の純減額2,499百万円、長期借入金の返済による支出が2,302百万円、配当金の支払額が1,108百万円あったことによるものであります。
必要運転資金及び設備投資を含む投資資金は、基本的には内部資金又は金融機関からの借入金により対応しております。外部資金は、その使途の実態に合わせ、長期及び短期での調達となっております。当連結会計年度末では、長期借入金1,998百万円(1年内返済予定分含む)、短期借入金10,811百万円の構成となっており、合わせて12,810百万円を計上しております。当連結会計年度末借入金残高の売上高に対する比率は19.1%(前連結会計年度末は27.1%)となっております。また、緊急時の資金調達手段の確保を目的として、一部の取引銀行と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、資金流動性を確保しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たって、当社経営陣は決算日における資産・負債の数値及び偶発債務の開示並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。また、経営陣は過去の実績や状況に応じ、合理的妥当性を有する要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数値についての判断の基礎としております。実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これら見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(財務上の特約が付された借入金契約)
1.シンジケートローン契約
2.コミットメントライン契約
当社グループは“はかる”を事業領域として様々な計測機器を開発しておりますが、顧客要求に応える機器開発及び未来を支える計測技術の追求を研究開発活動の基本としております。
研究開発スタッフは、当社グループ総従業員数の約16.5%の402名、当連結会計年度における研究開発費の総額は
当事業における研究開発費は
株式会社ホロンでは、半導体の回路原版(フォトマスク)が、設計通りに正しく作られているかを寸法測定するCD-SEMを開発しております。株式会社エー・アンド・デイでは、電子ビームを発生させる電子銃の開発にいち早く取り組んでおり、電子ビーム露光装置に組み込む基幹ユニットを提供しております。両社の世界最高水準の技術力を活かし、グローバル市場のニーズに応えるべく、次世代機をはじめとする新製品開発に注力いたしました。また、新工場の建設に着手し、新製品開発に一層注力できる体制の整備を進めてまいりました。
当事業における研究開発費は
正確で信頼性の高い医療用血圧計や生体情報モニタ、車イスに座ったままやベッドに寝たままでも測定ができる体重計などを中心とした機器、ソリューションを開発しております。医療環境やテクノロジーの変化を捉えながら、常に進化した製品やサービスをお届けし、医療効率や患者の生活の質向上をサポートし続けております。
当連結会計年度の成果としては、以下になります。
・携帯型自動血圧計用に直感的な操作でご利用いただける解析ソフト「TM-2487」を開発
・どなたにも使いやすいユニバーサル仕様のバリアフリースケール「AD-6105R」を開発
血圧計をはじめとした家庭向け健康機器、ソリューションを開発しております。血圧、体重、体温などご家庭で計測したデータは、ネットワークにつなげることで継続的な記録と管理が可能です。さらに遠隔医療の高度化に向けて、先進のICT機器を開発しております。世界中の人々の健康寿命の延伸、健康長寿社会の実現に貢献しております。
当連結会計年度の成果としては、以下になります。
・米国向けにセルラー通信機能を搭載した上腕式血圧計「UA-1020CEL」および体重計「UC-352CEL」を開発
・米国向けに上腕式血圧計:プレシジョン・チェック・シリーズ「UA-910BLE、UA-810BLE」および「UA-1040TBLE、UA-770BLE、UA-660」を開発
当事業における研究開発費は
音、振動、変位、強度などの物理量を高精度に計測し、分析する機器を開発しております。また計測と制御、そしてシミュレーションを一体化した独自のテクノロジーで、開発期間の短縮やコスト削減に貢献するソフトとハードを開発しております。近年ではカーボンニュートラルに貢献する製品に注力しております。
当連結会計年度の成果としては、以下になります。
・電動車で使用されるコンポーネントの温度管理(サーマルマネージメント)開発に活用できる温度エミュレータを開発
・AD/ADASでの使用が想定されるECU間通信方式である車載イーサネット開発向けのHILSボードを開発
・油圧、電動の疲労振動試験機に使用する新型コントローラー「CC-04」を開発
質量(重さ)をはかる機器を開発しており、電子天びんや台はかり、そのセンサ部分であるロードセルなど幅広いラインナップにより、さまざまなニーズにお応えしております。また、当社グループの機器は研究・試験施設だけでなく、自動化された生産ラインへ組み込まれることで、省エネ技術の一環として活用されており、世界中の幅広い分野でのエネルギー効率化に貢献しております。
当連結会計年度の成果としては、以下になります。
・最小表示0.1mg~0.01gまでの汎用天びん「FX/FZシリーズ(A&D Fortis)」を開発
・USB出力小型圧縮ボタン型ロードセル「LCC28-USBシリーズ」を開発
・検査間口580×300mm、搬送質量25kgの大型X線検査機「AD4991-6030」を開発