第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは「わたしたちは、長年培ってきた「はかる」技術を社会に提供することを通じて、科学技術の発展、産業の高度化、人々の健康な生活に寄与し、豊かで持続的な社会づくりにグローバルに貢献する企業グループを目指します。」をグループ企業理念として掲げております。

当社グループの事業は、様々なアナログ情報を計測し、エレクトロニクス技術によりデジタル変換(数値化)して表示するA(アナログ)/D(デジタル)・D(デジタル)/A(アナログ)変換技術を原点としております。この原点を軸に、お客様による新しい価値の創出を支援するツールを提供してゆくことで、産業と社会の発展や人々の健康な生活に貢献していきたいと考えております。
 

(2)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは2025年5月に、2034年度までの長期ビジョンおよび2027年度を最終年度とする中期経営計画を策定しました。長期ビジョンでは、『Sensing the Future ~「はかる」を究め、世界を支える~』をスローガンとし、マーケット目線を最重要視する考えのもと、創業以来こだわりを持って育ててきた「はかる」技術を究め、グローバル市場を舞台として社会やお客様の課題解決に貢献する企業グループとなることを、10年後の私たちのあるべき姿としました。

長期ビジョンの基本戦略および経営目標は以下のとおりです。

<基本戦略>

① 社会課題解決に向けた事業ポートフォリオの改革

② マーケットインによる顧客への価値提供ができるビジネスモデルへ転換

③ “「はかる」を究め、世界を支える”を実現する新たな開発・生産機能の構築

④ ポートフォリオマネジメントの高度化

⑤ サステナビリティ経営の推進

<経営目標(2034年度)>

① 売上高    1,500億円

② 営業利益    300億円

③ 営業利益率    20.0%

 

また、長期ビジョンの実現に向けたSTEP1としての中期経営計画では、『事業価値の再定義と基盤の再構築』をテーマとし、現在の事業をあらためて見つめ直すとともに経営基盤を強固にする期間と位置付けています。長期ビジョンからバックキャストの考え方で設定した各事業の戦略およびグループ機能を強化するための施策を推進してまいります。

中期経営計画の基本戦略および経営指標は以下のとおりです。

<基本戦略>

① グローバルマーケティング機能の構築

② グローバル展開加速と事業ポートフォリオを意識した成長の実現

③ 事業成長を支える研究開発/生産機能の強化

④ 事業ポートフォリオマネジメントの運用

⑤ 環境変化に順応するサステナビリティ経営の実装

<経営指標(2027年度)>

① 売上高       800億円

② 営業利益      117億円

③ 営業利益率     14.6%

④ 配当性向       30%

 

長期ビジョンを基に中期経営計画を実行することで持続的な成長につなげ、さらなる企業価値向上を図ってまいります。

 

(3)会社の対処すべき課題

昨今、当社グループを取り巻く経営環境は、変化が激しく不確実性が高まっている状況にあります。そのような環境の中においても持続的な成長を実現するため、2034年度までの長期ビジョンおよび2027年度を最終年度とする中期経営計画を策定し、グループ一丸となって計画達成を目指してまいります。

半導体関連事業においては、AI、データセンター、自動運転等のアプリケーション拡大を背景に、引き続き中長期的な成長が見込まれております。高性能化や低消費電力化への要求が高まる中、微細化・構造化・複雑化といった技術革新が進展しており、当社グループにとって新たなビジネス機会が創出されています。

次世代装置の開発や既存顧客との関係強化、新工場建設の推進などを通じて、今後の需要増に的確に対応し、さらなる成長に向けた基盤強化を着実に進めてまいります。

医療・健康機器事業においては、医療DXや予防医療、デジタルヘルス分野における技術革新が進む中、AI・ビッグデータ解析による診断支援等が注目されています。こうした潮流を背景に、当社グループの医療・健康機器事業においても、引き続き需要の拡大が見込まれます。

今後は、地政学リスクや米国関税の影響も踏まえ、販売エリアや流通の拡大とともに生産性の向上、生産の最適化を図り業績の拡大を目指してまいります。

計測・計量機器事業においては、カーボンニュートラル社会やデジタル化社会への移行が加速する中、AI・IoT技術の進展により、より高度で精密な計測ニーズが高まっております。加えて、環境規制対応や人件費高騰への対処として、無人化・自動化・遠隔化といった開発・生産投資がグローバルに拡大しています。ファクトリーオートメーション市場やエネルギーシフトに対応する新製品開発を推進、米国や中国など海外の重点地域における販売、エンジニアリング、サービス対応を強化することによって業績拡大を目指してまいります。 

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループは、「はかる」技術を通じて豊かで持続的な社会づくりにグローバルに貢献していくことをグループ企業理念としており、気候変動をはじめとするサステナビリティを巡る課題への対応について、収益機会にも繋がる重要な経営課題であるという認識のもと取り組みを進めてまいります。

 

(1) ガバナンス

持続可能な社会・環境の実現に向けた取り組みを通して、社内外のステークホルダーに貢献し、当社グループの存続及び中長期的な企業価値向上を図ることを目的とし、「サステナビリティ委員会」を設置しております。総務部担当取締役を委員長とし、社内取締役と主管部門長等で構成される同委員会はサステナビリティ経営を実践する上での基本方針の決定、並びに課題への対策を審議し、活動の管理・監督を行っております。また、サステナビリティ委員会は下部組織として「社会・環境部会」、「リスク管理部会」、「ガバナンス部会」という3つの部会を管轄しており、気候変動関連の対策実行部隊である部会活動の管理・監督も行っております。サステナビリティ委員会において審議された内容は、取締役会において取り組みの進捗・目標達成状況の監督、承認、助言等が行われるほか、委員会がとりまとめたサステナビリティに関する基本方針、活動などの情報を社内外のステークホルダーへ定期的に開示しております。

なお、当社のコーポレート・ガバナンス体制図は「第4提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しております。

 

〔サステナビリティ方針〕

当社グループは、最先端かつ多種多様な「はかる」技術を通じて、「計測・計量」「医療・健康」「半導体」分野での事業活動により社会課題の解決に貢献するとともに、環境保全や環境負荷低減の取り組みを積極的に推進することで、豊かで持続的な社会の実現と中長期的な企業価値の向上を目指します。

 

〔マテリアリティ(重要課題)〕

サステナビリティ方針の実現に向けて、下記の4つのマテリアリティを特定いたしました。

ESGの観点やSDGsの17ゴールを軸として自社の課題を広範囲に抽出し、社会・環境問題の解決に向け、当社グループの取るべき行動を整理しました。抽出した課題を「社内重要度」および「社外発信優先度」の両軸で評価し、さらに「経営理念との整合性」、「環境」、「社会」、「経済」、「教育/現場改善」への寄与度を点数評価し、高評価のものに絞り込みました。絞り込んだ課題に対し、行動項目も含めたマテリアリティ候補としてグループ化し、サステナビリティ委員会での審議を経て、取締役会での最終承認によりマテリアリティを決定いたしました。

 

①社会課題解決と経済の両輪を実現できる経営の高度化

環境負荷低減などに代表される社会課題解決の推進を当社グループの成長・発展の源泉とすることによって、社会性と経済性の両輪企業を目指します。

②地域・ステークホルダーとの連携強化により未来を豊かにするサステナビリティ企業への挑戦

連携の力による新たな価値の創造によって、地球・国・地域・ステークホルダーの未来に貢献するサステナビリティ企業を目指します。

③多様性・持続性のある人的資本経営の強化

当社グループの多様性溢れる社員一人ひとりの自己変革を促進する人的投資を加速化させることによって、社員から選ばれる高エンゲージメント企業を目指します。

④強固な企業基盤構築により顧客・企業価値の最大化

IT技術を当社グループのマネジメントシステムに組み入れることで顧客価値の最適化・最大化を図ると共に、透明性高い企業経営の更なる強化によって、顧客と社会から選ばれるグローバル企業を目指します。

 

(2)戦略

〔気候変動への取組〕

当社グループはTCFDが提唱するフレームワークに基づき、2つのシナリオを用いてシナリオ分析を行いました。国際エネルギー機関(IEA: International Energy Association)が作成した世界エネルギー展望(WEO: World Energy Outlook)および、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が作成した代表的濃度経路(RCP: Representative Concentration Pathways)を参考に、1.5℃/2℃シナリオと4℃シナリオを対象として定性的および定量的にリスク分析を行いました。1.5℃/2℃シナリオとは、脱炭素社会への移行が進んでいく想定、4℃シナリオとは、現状の排出規制などが維持される想定のシナリオを指しております。これらのシナリオ分析を行うことで、気候関連事項が、当社グループの事業、戦略、財務計画にどのように影響するかを分析いたしました。

シナリオ群をもとに、気候変動を起因とする影響のうち、当社グループの事業にとってリスクおよび機会である事象を定性的に分析いたしました。そのうち、大きな影響を及ぼす事象を次頁の表に示しております。分析の結果、1.5℃/2℃シナリオにおける移行リスクとしては炭素税やプラスチック規制などの政策による財務的影響や、顧客や投資家の意識変化による評判への影響が大きいと考えられるのに対し、4℃シナリオにおける物理リスクとしては自然災害への対応や気温上昇への対応による影響が大きいと考えられます。これらに対する当社グループの対応は、「社会・環境部会」と「リスク管理部会」において実施及び検討しております。

また、気候変動に関する事業上の機会を捉え、新たな需要に対応するため、当社は2024年11月に環境配慮性に優れた製品を自社で認定する「A&Dホロンエコプロダクツ認定制度」を導入いたしました。本制度はグループ全製品を対象とし、環境貢献の考え方に基づく認定基準を満たした製品を「エコプロダクツ」として認定するものです。2024年度においては10製品を認定いたしました。今後も環境配慮型製品の開発及び販売を推進することで環境負荷の低減及び地球環境の保全に貢献してまいります。

 

気候変動に関する主なリスク

種類

 カテゴリー

主なリスク

対応方針

移行リスク

政策・規制

・自社、サプライヤーを課税対象に含む炭素税導入による、製造コスト及び調達コストの増加

・梱包材に用いる使い捨てプラスチック材の使用規制に伴う、代替資材への切り替えコストの発生

・設備の見直し等による使用電力量削減

・再生可能エネルギーの導入

・カーボンニュートラルへ向けた目標策定と削減計画の実施

・プラスチック使用量削減へ向けた取り組み促進

技術

・脱炭素や再エネ・省エネニーズの高まりに伴う、顧客要求等への対応遅れによる販売機会の逸失

・電動化の進展に伴う、油圧式試験機や内燃機関向け製品の需要低下

・販売地域において変化する顧客要求の早期情報収集と、それに対応した開発および販売推進

・試験機の電動化や電動車開発向け試験機の開発および販売推進

評判

・気候変動対策、情報開示が不十分とみなされた場合における、ステークホルダーからの評価・企業価値の低下

・2050年のカーボンニュートラルに向けた10年後における中間目標の設定、およびCO₂排出量削減への取り組み

・情報開示の充実

物理リスク

急性

・異常気象の激甚化による自社拠点への被害およびサプライチェーンへの影響

・事業継続計画(BCP)の策定・見直し

・安定的な調達へ向けた態勢整備

 

 

 

気候変動に関する事業上の機会

業界・産業

関連製品群

主な機会

対応方針

自動車

計量機器

DSP機器

・EV化進展に伴う二次電池の増産や航続距離伸長を目指した素材の需要が増加

・EVやFCVなどの環境対応車の開発加速による試験装置等の需要が増加

・電動化車両の重量増加に伴う新たな車両・タイヤ試験機需要の高まり

・二次電池生産時に使用される、生産ライン組込み用高精度計量センサーの提供を拡充

・アプリケーションの拡充を図り、電動車向け試験システムへの対応を推進

・高容量の力(ちから)センサを活用したタイヤ試験機の提供を推進

マテリアル

計測機器

計量機器

・CO₂の回収・有効利用・貯留(CCUS)に関わる開発の活発化に伴う需要が増加

・企業や個人の気候変動抑制に向けた意識の高まりにより、再生可能な天然素材への置換やリサイクル素材の開発が促進

・CCUS関連の研究開発向け評価装置(材料試験機・物性試験機)や分析機器(ガス分析計・分析天びん)の販売促進

・循環型素材を利用した容器や包材の評価装置(材料試験機・物性試験機)の販売促進

エネルギー

計測機器

DSP機器

・電力需給の効率化追求に伴う開発促進により、関連するソリューションの需要が増加

・水素やアンモニア等の代替燃料への置換促進により、関連する試験機等の需要が拡大

・電力システム等の運用効率向上に向けた取り組みに寄与する製品の開発・提供を推進(既存のiTestやHILS機器の活用)

・代替燃料対応のガス分析計や触媒を評価するシステム等のソリューションを提供

食品

計量機器

・食品の生産や加工過程での異物混入によるフードロスを防ぐため、チェック機能としての検査機器の需要が増加

・ウエイトチェッカ、金属検出機、X線検査機などライン検査装置の提供強化および、検査精度向上に向けたAI技術の活用

 

 

業界・産業

関連製品群

主な機会

対応方針

医療

医療機器

・遠隔医療の規制緩和進展に伴う新規市場の需要が増加

・低炭素素材の開発による環境負荷低減型製品が求められることで新たな需要が創出

・ヘルスケアデータのクラウド化に対応した新製品の開発推進

・軽量化・高強度化されたメディカル計量機器の開発推進

健康

健康機器

・気候変動抑制に向けた意識が高まり、環境配慮型製品の需要が増加

 

・二次電池などの再生エネルギー対応製品の開発推進

・部材削減に結びつく製品の開発推進(ホースレス血圧計など)

半導体

半導体関連

・DXの進展による半導体デバイスの高機能化や処理高速化ニーズの高まり

・EVや産業機器市場などを中心に高効率(省エネ・省電力)化の要求が高まり、パワー半導体の需要が増加

・半導体デバイスの微細化に対応するフォトマスク用寸法測定装置の開発推進 

・電子銃や電源、A/D・D/A変換器などの半導体関連機器の提供を拡充

 

 

 

〔人材の育成及び社内環境整備に関する方針〕

<人材に対する基本的な考え方>

当社グループは、「はかる」を通じて社会に貢献していくことを経営の基本方針としており、日々変わり続ける社会から必要とされ、お客様より選ばれる「はかる」ツールを提供していくため、人材こそが競争力の源泉であり、最も重要な財産であると考えております。

 

<人材育成方針>

当社グループは、人材の多様化とそれら人材の育成が中長期的な企業価値向上に繋がるものと考え、女性・外国人・中途社員の採用について積極的に取り組み、体系的かつ効果的な教育訓練を実施します。また企業の持続的な成長には、環境変化に素早く柔軟に対応していくことが求められることから「変化に柔軟に対応できる人材」「自ら考え行動できる人材」の育成を目指しております。

 

<社内環境整備方針>

当社グループは、人権の尊重を基本理念とする企業文化の下、安全衛生および健康増進活動を推進し、安心して働くことができる職場環境を整備するとともに、高い意欲で仕事に取り組むための施策を講じ、一人ひとりが自らの能力を最大限に発揮し、働きがいを実感できる職場環境づくりを行います。

 

上記方針の実現に向けて、主要子会社にて下記の施策に取り組んでおります。

 

①ダイバーシティ&インクルージョン

女性・外国人・シニア社員等の活躍を推進するため、多様な人材が能力を最大限発揮できる職場環境づくりに取り組んでおります。

・シニア社員の活躍推進(マイスター/エグゼクティブ制度)

 60歳定年以降は嘱託再雇用制度を採用しております。技術分野における会社への貢献が著しい者を「マイスター」、マネジメント分野における貢献が著しい者を「エグゼクティブ」に認定し、貢献度を処遇に反映しております。

・女性社員の活躍推進

 新規学卒者および中途採用における女性採用の強化、ならびに職種転換の推進により、女性社員の比率を高めることで将来的な女性管理職比率の向上につなげていきます。

 

②人事・教育制度

・公正な評価と人材育成

 社員の行動と成果を適切に評価・処遇するため、目標管理制度を主体とした成績およびプロセスについて評価を行っております。プロセス評価では、社員の成長を段階的に促すため、評価要素として職務遂行能力を基準とした等級毎にコンピテンシー(安定して発揮される成果に結びつく行動)を設定しております。目標設定・成果評価に際しては、その理解を深めるため、上司・部下がその内容を相互に確認しております。また、管理職向けに評価制度の理解と評価エラー防止についての評価者研修も定期的に実施しております。

・自主性の尊重

 社内公募制度の導入や自己申告制度の実施により、社員の自主性を尊重した配置転換の機会を設け就業意欲の向上へ繋がる人事制度の整備・運用に取組んでおります。

・教育訓練体系の整備

 社員の能力向上を図るため、階層別教育、職務別教育、自己啓発教育等、教育訓練の体系を整備し、効果的な運用を行っております。

 

③働き方改革

社員が能力を最大限発揮するために働きやすい職場環境の整備と安全・健康に向けた取り組みを推進しております。

・育児休業の取得率向上

女性活躍推進法に基づく行動計画の目標に男性社員の育児休業取得率向上を設定し、対象者への制度説明・取得環境の整備を実施しております。

・時間外労働時間の短縮

水曜・金曜日をノー残業デーとし、定時退社を促しております。また、一定時間を超過した社員の上長に注意喚起し面談を実施しております。

・年次有給休暇の取得推進

  年次有給休暇の一斉・計画的付与や半日単位での取得を可能とすることにより、取得を促進しております。

 

④健康経営

主要連結子会社である㈱エー・アンド・デイは、経営理念実現のため、「こころ」「からだ」「職場環境づくり」に重点を置いた健康経営宣言を制定し、「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に認定されました。

 

(3)リスク管理

当社グループではサステナビリティ委員会が「リスク管理規程」に基づき全社的なリスクの総括管理を行っております。その下部組織として「リスク管理部会」を設置し、リスク管理に係る課題・対応策の協議を実施しております。気候変動関連リスクについては「社会・環境部会」が主体となって洗い出しを行い、リスク管理部会を経てサステナビリティ委員会に共有されます。サステナビリティ委員会において審議された内容は取締役会に都度報告され、取締役会の審議を踏まえ、当社グループの戦略に反映されております。

 

(4)指標及び目標

〔気候変動への取組〕

当社グループは経営戦略に気候変動関連リスクを考慮するため、気候変動をもたらす原因とされる温室効果ガス(GHG)、特に二酸化炭素(CO₂)の排出量を指標として、気候変動関連リスクを特定・評価・管理しております。当社グループでは、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目標としながらも、定量的目標として、2032年度までに36%削減(2022年度比)という目標を設定しております。具体的には、再生可能エネルギーの活用を進めながらも省エネに取り組むことで、排出量を差し引き0にすることを想定しております。なお、Scope3の排出量に関しては、今後算定を進めてまいります。

また、当社グループは環境配慮型製品の開発・普及を重要な取り組みと捉え、その具体的な進捗を図るため、グループ製品売上高に対するエコプロダクツの比率を重要な指標と位置付けております。この指標に関して、2024年度の16%から2027年度に20%とする中期目標を掲げ、目標達成に向け環境配慮型製品の開発・販売を推進しております。

※TCFDに基づく情報開示に関する詳細は、当社ホームページの「サステナビリティの取り組み」をご参照ください。

 https://andholon.com/ir/library/sustainability/

 

〔人材の育成及び社内環境整備に関する指標〕

人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針にかかる指標及び目標については、サスティナビリティ委員会にて検討を行ってまいります。

(注)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異についての実績は、「第1企業の概況 5従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループでは、「リスク管理規程」に基づきサステナビリティ委員会がリスクの総括管理を行っております。また、リスク管理に関わる課題・対応策を協議するためサステナビリティ委員会の下部組織としてリスク管理部会を設置し、リスクマネジメントを推進しております。

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.地政学リスク

〔リスクの内容及び当該リスクが顕在化した場合の影響〕

  ロシア・ウクライナ情勢、米中関係、台湾情勢などを踏まえた各国・地域の経済安全保障政策の強化により、グローバルの環境は複雑さが増加しております。当社グループは、事業活動を展開する世界各国に製造・販売拠点を有しており、制裁や法規制に対し適切に対応できない場合、ブランドに対する社会的信用の失墜、売上減少、収益悪化につながる可能性があります。また、当社グループ従業員の安全及び保有資産が脅かされることで、事業継続に支障をきたす恐れがあります。

〔リスクへの対応〕

・各地域の政治・経済情勢や法規制の動向などについて、各拠点を通じて定期的にモニタリングし、事業への影響を迅速に把握できる体制を整えております。

・地政学リスクに起因する多岐に亘る事業活動リスクが顕在化した際には、経営危機管理規程に基づき迅速な初動対応を講じるとともに、対応体制を構築することで被害や損害を最小限とすることに努めております。

 

 

2.情報セキュリティリスク

〔リスクの内容及び当該リスクが顕在化した場合の影響〕

  近年、サイバー攻撃の巧妙化・高度化により不正アクセスによる企業保有情報が流出するリスクが高まっております。当社グループがサイバー攻撃や不正アクセスを受け、業務システムの誤作動や停止、保有する機密情報の流出が発生した場合、社会的信用の失墜、事業活動の混乱や停滞、取引先等への補償などの費用発生により、当社グループの事業継続に影響を及ぼす可能性があります。

〔リスクへの対応〕

・サイバー攻撃による不正アクセス及びランサムウェア対策のためセキィリティソフトウェア導入やデータバックアップ強化、社員への注意喚起などを実施し、セキュリティレベルを向上させる施策を順次進めております。

・企業保有情報の流出があった場合、流出した情報の内容・原因・影響範囲を調査し対策を進め、流出の事実を一般に公開する管理体制を整えるよう経営危機管理規程に規定しております。

 

 

3.環境規制、気候変動リスク

〔リスクの内容及び当該リスクが顕在化した場合の影響〕

 温室効果ガス排出規制の強化、カーボンプライシング導入などが具体的なリスクとして考えられますが、これらの対策が遅れた場合、社会的信用の失墜、取引停止や株価低迷等により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

〔リスクへの対応〕

リスクへの対応については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。

 

 

 

4.自然災害リスク

〔リスクの内容及び当該リスクが顕在化した場合の影響〕

 地震や気候変動に伴う大型台風、洪水等の自然災害、火災等による大規模事故の発生は、当社グループの事業活動に重大な影響を与える可能性があります。

 具体的には、以下のリスクが考えられます。これらのリスクにより、事業活動の継続性が確保できず、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

事業拠点の損害: 地震や洪水等の自然災害、火災等により、事業拠点が損害を受け、事業活動が停止または制限される可能性があります。

・情報システムの機能停止: 通信ネットワークの寸断等により、情報システムが機能停止し、業務遂行に支障をきたす可能性があります。

・サプライチェーンの分断: 販売・生産・物流インフラの機能停止等により、サプライチェーンが分断し、原材料の調達や製品の出荷が困難になる可能性があります。

〔リスクへの対応〕

・災害マニュアルの策定・訓練:地震、台風、洪水等、想定される災害ごとに詳細な対応手順を定めた災害マニュア ルを策定しております。従業員向けに定期的な避難訓練を実施し、災害発生時の行動を徹底しております。

・安否確認システムの導入:災害発生時に従業員の安否を迅速かつ確実に確認できるシステムを導入しております。緊急連絡先情報の登録や定期的な確認を行い、万が一の際にも迅速な対応を可能にしております。

・事業継続計画(BCP)の策定:災害発生時に事業活動を継続するためのBCPを策定しております。BCPに基づき、予防・減災対策や復旧対策の観点でハード・ソフト両面から対策の見直しを行い、災害対応力の強化を図っております。

 これらの取り組みを通じて、災害リスクを最小限に抑え、事業の継続性を確保してまいります。

 

 

5.法的規制(企業倫理・コンプライアンス)リスク

〔リスクの内容及び当該リスクが顕在化した場合の影響〕

 当社グループの事業は国内および海外において様々な法的規制を受けております。また、国際機関や各国政府により公正な競争を妨げる行為や贈賄防止等に対する法規制は厳格化されております。これらの法令および規制の遵守状況が不十分、または変更への対応が適切でない場合等には、当社グループの事業活動に制限を受けるリスクがあります。

 また、当社グループが現在または将来の法令および規制を遵守できなかった場合には、刑事罰・課徴金・民事訴訟による損失の発生、営業停止等の行政処分による社会的信用の失墜などにより業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

〔リスクへの対応〕

・当社グループでは、厳重な管理体制のもと、関連する法令・規制の調査・対応を適正に行う体制を構築しております。また、高い倫理観に基づき、良識に従った公正で適法な企業活動を実践するために、「A&Dホロングループ倫理憲章」のもとコンプライアンスの取組みに関する基本事項を定めた「コンプライアンス規程」を制定し、コンプライアンス担当役員の配置やコンプライアンス委員会の設置により、体制の整備および維持向上を推進しております。

 

 

6.財務リスク

〔リスクの内容及び当該リスクが顕在化した場合の影響〕

 当社グループの事業活動は、グローバルに展開しております。急激に為替レートが変動した場合、外貨建取引はその債権・債務の換算、売上高、損益において影響があります。連結財務諸表作成における海外連結子会社等の外貨建財務諸表の円換算額が変動するリスクがあります。

 また、金利の上昇についても、当社グループの損益に影響を与える可能性があります。

〔リスクへの対応〕

・外貨建て輸出入条件の見直し、グループファイナンスの実施による外部借入の圧縮など、影響の軽減に努めております。

 

 

 

7.人事・労務リスク

〔リスクの内容及び当該リスクが顕在化した場合の影響〕

 人口減少により今後ますます採用活動は難化することが予想され、必要な人員確保が困難となる可能性があります。特に、高度な技術や高い専門知識を持つ人材が不足した場合、当社グループの将来の成長を阻害し、他社との競争力に影響を与える可能性があります。

 働きやすい職場環境の維持、向上に努めておりますが、労働災害や健康被害、ハラスメント等が発生した場合には、業務パフォーマンスの悪化や労災補償、ブランド価値の毀損が発生し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

〔リスクへの対応〕

・採用プロセスの見直しや、外部パートナー企業との連携など多様な採用手法を組み合わせることで、幅広く必要な人材を確保します。また女性・シニア・外国人等の多様な人材が労働参加し活躍するための環境整備についても積極的に取り組みます。その他、人的資本経営の推進により魅力的な企業を目指してまいります。

・労働環境については、定期的に開催する安全衛生委員会において、労働災害の防止や、健康増進に向けた取り組みを検討し、安全衛生管理の継続的な改善を図ります。また、「A&Dホロングループ倫理憲章」を制定し、当社グループで働く全ての人材の人権が尊重される環境整備を進めるとともに、「コンプライアンス委員会」を設置し、当社グループにおけるコンプライアンスの徹底を図っております。

 

 

8.品質低下リスク

〔リスクの内容及び当該リスクが顕在化した場合の影響〕

 当社グループは、医療・健康機器から自動車・宇宙航空まで幅広く製品・サービスを提供しております。万が一、製品・サービスの欠陥、検査の不備や、大規模な製品事故が発生した場合、顧客に損害を与えるだけでなく、大規模なリコールや損害賠償等の費用負担が発生する可能性があります。

 また、当社グループに対する社会的信用の失墜により、売上の減少や損失の発生、ブランド価値の棄損に繋がるリスクがあります。

〔リスクへの対応〕

・当社グループは国際的な品質管理基準(ISO9001、ISO13485(医療機器産業)の認証の他、AS9100(宇宙航空産業))に準拠した品質マニュアルに従い、設計から製造・サービス提供までの品質管理体制を構築し、安全性のリスク最小化に努めております。

 

 

9.サプライチェーンリスク

〔リスクの内容及び当該リスクが顕在化した場合の影響〕

 半導体を始めとした原材料の高騰、入手困難などのサプライチェーンの混乱は収束に向かっているものの、一部の原材料においては未だに納品の長期化や価格高止まりが継続しております。サプライチェーンの混乱により、売上減少や収益悪化、事業継続に影響が生じる恐れがあります。

〔リスクへの対応〕

・当社グループは製品の安定供給を第一に考え、以下のような対策を講じております。

 ①部品調達の現地化、安全在庫の設定・確保

 ②長納期部品の先行手配

 ③入手が容易な部品への設計変更体制の構築

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 業績

当連結会計年度における世界経済は、インフレ率の低下や個人消費の回復基調が続くなかで底堅い成長を維持したものの、長期化しているウクライナや中東地域等の地政学リスクに加え、米国の大規模な関税政策による各国経済に与える影響などにより、先行きに対する不透明感が強まっております。

このような状況のもと、現中期経営計画(2022年度〜2024年度)の最終年度となる当期においても、外部環境の変化に柔軟に対応するための各事業の取り組み推進やグループシナジー強化のための施策を継続してまいりました。

半導体関連事業においては、生成AI関連の先端半導体を中心とした需要拡大や各国におけるサプライチェーン強化のための継続的な設備投資を背景に当社グループ製品への需要も堅調に推移し、前年同期比増収増益となりました。

医療・健康機器事業においては、顧客・地域ごとの需要変動が大きくなるなか、海外での販売活動強化に係るコスト増が影響し前年同期比増収減益となりました。

計測・計量機器事業においては、DSP機器需要やアジア地域での計量機器需要が堅調に推移したことにより前年同期比増収増益となりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は67,083百万円(前連結会計年度比8.3%増)、営業利益は8,813百万円(前連結会計年度比10.8%増)、経常利益は8,954百万円(前連結会計年度比8.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,468百万円(前連結会計年度比22.1%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが6,578百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△2,005百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△5,440百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が107百万円発生した結果、13,257百万円(前連結会計年度比5.4%減)となりました。

 

 ③ 生産、受注及び販売の実績

 

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

生産高(百万円)

前期比(%)

半導体関連事業

日本

9,667

139.8

米州

欧州

アジア・オセアニア

9,667

139.8

医療・健康機器事業

日本

5,846

99.4

米州

1,464

80.5

欧州

883

353.5

アジア・オセアニア

14,228

98.0

22,421

99.8

計測・計量機器事業

日本

20,090

106.0

米州

1,654

90.7

欧州

アジア・オセアニア

7,732

125.2

29,478

109.4

合計

61,567

109.3

 

(注) 1.金額は販売価格によっております。

2.実績には商品仕入を含んでおります。

 

b.受注実績

当社グループは、原則として見込生産を行っておりますが、製品の一部には受注生産を行っているものがあります。

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

受注高
(百万円)

前期比(%)

受注残高
(百万円)

前期比(%)

半導体関連事業

日本

12,660

158.3

9,794

102.0

米州

欧州

アジア・
オセアニア

12,660

158.3

9,794

102.0

医療・健康機器
事業

日本

1,294

61.7

322

58.1

米州

欧州

アジア・
オセアニア

139

88.7

3

32,487.1

1,433

63.5

326

58.7

計測・計量機器
事業

日本

8,571

109.1

4,822

131.8

米州

1,561

110.5

1,421

60.4

欧州

アジア・
オセアニア

870

99.2

27

63.3

11,003

108.4

6,271

103.5

合計

25,098

123.0

16,391

101.1

 

(注) 金額は販売価格によっております。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

販売高(百万円)

前期比(%)

半導体関連事業

日本

12,295

119.0

米州

欧州

アジア・オセアニア

12,295

119.0

医療・健康機器事業

日本

4,805

88.9

米州

10,003

102.5

欧州

8,820

110.0

アジア・オセアニア

493

130.7

24,122

102.4

計測・計量機器事業

日本

18,712

102.1

米州

5,719

135.5

欧州

649

107.9

アジア・オセアニア

5,583

113.8

30,665

109.3

合計

67,083

108.3

 

(注) セグメント間の取引は、相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

当連結会計年度の当社グループの売上高は、前連結会計年度に比べ8.3%増収67,083百万円となりました。

半導体関連事業につきましては、堅調な需要が続くなかで期中の受注案件含めすべての顧客要求納期に対応できたことにより売上は増加しました。この結果、半導体関連事業の売上高は12,295百万円(前連結会計年度比19.0%増)となりました。

医療・健康機器事業につきましては、日本においては、大口顧客向け製品の出荷が低調に推移したことに加え、一部顧客向け製品の商流変更も影響し売上は減少しました。米州においては、家庭用血圧計需要の伸び悩みによって現地通貨ベースでの売上は前年を下回ったものの、為替の影響により円換算後の売上は増加しました。欧州においては、地域ごとの需要にばらつきが生じるなか、現地でのシェア維持、拡大に注力し売上は増加しました。この結果、医療・健康機器事業の売上高は24,122百万円(前連結会計年度比2.4%増)となりました。

計測・計量機器事業につきましては、日本においては、第3四半期まで弱含みだった計量機器の需要が持ち直したことや、DSP機器需要が好調に推移したことで売上は増加しました。米州においては、計量機器需要の取り込みやDSP機器需要が好調に推移したことで売上は増加しました。アジア・オセアニアにおいては、主に韓国・台湾・インドでの計量機器需要が堅調だったことにより売上が増加しました。この結果、計測・計量機器事業の売上高は30,665百万円(前連結会計年度比9.3%増)となりました。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費)

売上原価率については、生成AI関連の先端半導体を中心とした需要拡大及び継続的な生産工場の効率化やコストダウン等の原価低減活動が原価率低減に寄与しました。この結果、前連結会計年度と比べ0.4%減少の55.0%となりました。

販売費及び一般管理費は、営業活動費を中心とした諸経費の継続的な抑制を行った一方、賃上げ等による人件費の増加や、半導体関連事業における次世代製品開発に係る開発費の増加等により、前連結会計年度と比べ8.8%増加21,390百万円となりました。研究開発費は高水準にありますが、これは当社グループの継続的な発展に不可欠な将来を見据えた投資と考えております。

 

(営業利益)

営業利益は、8,813百万円(前連結会計年度比10.8%増)となりました。半導体関連事業の営業利益は、新製品開発に伴う研究開発費などのコスト増が利益率に影響したものの、売上が高水準を維持したことにより、前連結会計年度比8.9%増益の4,124百万円となりました。医療・健康機器事業の営業利益は、顧客・地域ごとの需要変動が大きくなるなか、海外での販売活動強化に係るコスト増が影響し、前連結会計年度比3.4%減益の4,106百万円となりました。計測・計量機器事業の営業利益は、DSP機器需要やアジア地域での計量機器需要が堅調に推移したことにより、前連結会計年度比53.4%増益の2,704百万円となりました。また、上記のセグメント別の営業損益の他、全社費用等として2,123百万円が発生しております。

売上高営業利益率は13.1%となり、前連結会計年度より0.3%上昇しました。引き続き新技術や顧客のニーズを踏まえた高付加価値製品の投入、原価低減、経費削減等、利益率の上昇につながる施策に努めてまいります。

 

(経常利益)

営業外収益及び営業外費用については、円高により為替が不利に働いた一方、各国における金利が上昇する中、借入金の返済を促進したことにより利息収支が改善し、営業外収益は前連結会計年度比144百万円減少624百万円営業外費用は前連結会計年度比0百万円減少483百万円となりました。これらの結果、経常利益は8,954百万円(前連結会計年度比8.7%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度において、当社の顧問税理士法人より、当社の税務申告業務に関連して受領した補償金を中心に、特別利益が前連結会計年度比217百万円増加218百万円となり、当社の連結子会社である株式会社ベスト測器で計上した減損損失を中心に、特別損失が前連結会計年度比211百万円減少77百万円となったことにより、税金等調整前当期純利益は9,095百万円になりました。また法人税、住民税及び事業税を2,257百万円、法人税等調整額を343百万円、非支配株主に帰属する当期純利益を25百万円計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は6,468百万円(前連結会計年度比22.1%増)となりました。

 

(包括利益)

当期純利益は6,494百万円となった他、退職給付に係る調整額を中心にその他の包括利益が△74百万円となったことにより、包括利益は6,420百万円(前連結会計年度比4.3%増)となりました。

 

 

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、51,668百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,699百万円減少いたしました。これは、主に現金及び預金や受取手形、売掛金及び契約資産が減少したことによるものであります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は17,336百万円となり、前連結会計年度末に比べ281百万円減少いたしました。個々の要因は以下のとおりであります。

a  有形固定資産

有形固定資産については、株式会社ホロンにおける新工場建設のための設備投資等があった一方、既存設備償却が進み、前連結会計年度末に比べ42百万円減少いたしました。

b  無形固定資産

無形固定資産については、のれんを中心に、前連結会計年度末に比べ6百万円減少いたしました。

c  投資その他の資産

投資その他の資産については、事業提携を目的とした投資有価証券等の増加があった一方、繰延税金資産が減少したため、前連結会計年度末に比べ231百万円減少いたしました。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は22,780百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,116百万円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金や短期借入金が減少したこと等によるものであります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は3,426百万円となり、前連結会計年度末に比べ900百万円減少いたしました。これは、主に長期借入金が減少したこと等によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産の残高は42,797百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,035百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が5,359百万円増加したことによるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は6,578百万円(前連結会計年度比8.6%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が9,095百万円、減価償却費が1,781百万円、売上債権の減少額が1,255百万円あった一方で、法人税等の支払額が2,660百万円、仕入債務の減少額が1,246百万円あったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は2,005百万円(前連結会計年度比0.1%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が1,525百万円、無形固定資産の取得による支出が493百万円あったことによるものであります。

フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したもの)は4,573百万円のプラスとなっております。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は5,440百万円前連結会計年度比4.1%減)となりました。これは主に短期借入金の純減額2,499百万円、長期借入金の返済による支出が2,302百万円、配当金の支払額が1,108百万円あったことによるものであります。

 

必要運転資金及び設備投資を含む投資資金は、基本的には内部資金又は金融機関からの借入金により対応しております。外部資金は、その使途の実態に合わせ、長期及び短期での調達となっております。当連結会計年度末では、長期借入金1,998百万円(1年内返済予定分含む)、短期借入金10,811百万円の構成となっており、合わせて12,810百万円を計上しております。当連結会計年度末借入金残高の売上高に対する比率は19.1%(前連結会計年度末は27.1%)となっております。また、緊急時の資金調達手段の確保を目的として、一部の取引銀行と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、資金流動性を確保しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たって、当社経営陣は決算日における資産・負債の数値及び偶発債務の開示並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。また、経営陣は過去の実績や状況に応じ、合理的妥当性を有する要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数値についての判断の基礎としております。実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これら見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【重要な契約等】

(財務上の特約が付された借入金契約)

1.シンジケートローン契約

借入人

株式会社A&Dホロンホールディングス

借入先

アレンジャー:株式会社埼玉りそな銀行

参加金融機関:株式会社埼玉りそな銀行他7銀行

契約形態

シンジケーション方式コミットメントライン契約

期末残高

2,000百万円

契約締結日

2023年8月31

資金使途

既存借入借換資金及び一般運転資金

担保

なし

財務制限条項

①各事業年度の末日における単体及び連結の貸借対照表における純資産の部の金額を前年同期比75%以上に維持する。

②各事業年度における単体及び連結の損益計算書に示される経常損益が、契約締結期以降2期連続して損失とならないようにする。

 

 

2.コミットメントライン契約

借入人

株式会社A&Dホロンホールディングス

借入先

株式会社埼玉りそな銀行

株式会社三井住友銀行

株式会社みずほ銀行

株式会社足利銀行

契約形態

コミットメントライン契約

期末残高

800百万円

900百万円

1,000百万円

800百万円

契約締結日

2023年9月29

202410月1日

2023年8月31

2023年8月31

資金使途

一般運転資金

担保

なし

財務制限条項

①各事業年度の末日における単体及び連結の貸借対照表における純資産の部の金額を前年同期比75%以上に維持する。

②各事業年度における単体及び連結の損益計算書に示される経常損益が、損失とならないようにする。

①各事業年度の末日における単体及び連結の貸借対照表における純資産の部の金額を前年同期比75%以上に維持する。

②各事業年度における単体及び連結の損益計算書に示される経常損益が、契約締結期以降2期連続して損失とならないようにする。

 

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは“はかる”を事業領域として様々な計測機器を開発しておりますが、顧客要求に応える機器開発及び未来を支える計測技術の追求を研究開発活動の基本としております。

研究開発スタッフは、当社グループ総従業員数の約16.5%の402名、当連結会計年度における研究開発費の総額は5,963百万円であり、セグメント別の研究開発の状況は次のとおりであります。

 

(1) 半導体関連事業

当事業における研究開発費は1,437百万円であり、主要課題及び成果は次のとおりであります。

株式会社ホロンでは、半導体の回路原版(フォトマスク)が、設計通りに正しく作られているかを寸法測定するCD-SEMを開発しております。株式会社エー・アンド・デイでは、電子ビームを発生させる電子銃の開発にいち早く取り組んでおり、電子ビーム露光装置に組み込む基幹ユニットを提供しております。両社の世界最高水準の技術力を活かし、グローバル市場のニーズに応えるべく、次世代機をはじめとする新製品開発に注力いたしました。また、新工場の建設に着手し、新製品開発に一層注力できる体制の整備を進めてまいりました。

 

(2) 医療・健康機器事業

当事業における研究開発費は1,190百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。

① 医療機器

正確で信頼性の高い医療用血圧計や生体情報モニタ、車イスに座ったままやベッドに寝たままでも測定ができる体重計などを中心とした機器、ソリューションを開発しております。医療環境やテクノロジーの変化を捉えながら、常に進化した製品やサービスをお届けし、医療効率や患者の生活の質向上をサポートし続けております。

当連結会計年度の成果としては、以下になります。

・携帯型自動血圧計用に直感的な操作でご利用いただける解析ソフト「TM-2487」を開発

・どなたにも使いやすいユニバーサル仕様のバリアフリースケール「AD-6105R」を開発

②  健康機器

血圧計をはじめとした家庭向け健康機器、ソリューションを開発しております。血圧、体重、体温などご家庭で計測したデータは、ネットワークにつなげることで継続的な記録と管理が可能です。さらに遠隔医療の高度化に向けて、先進のICT機器を開発しております。世界中の人々の健康寿命の延伸、健康長寿社会の実現に貢献しております。

当連結会計年度の成果としては、以下になります。

・米国向けにセルラー通信機能を搭載した上腕式血圧計「UA-1020CEL」および体重計「UC-352CEL」を開発

・米国向けに上腕式血圧計:プレシジョン・チェック・シリーズ「UA-910BLE、UA-810BLE」および「UA-1040TBLE、UA-770BLE、UA-660」を開発

 

(3) 計測・計量機器事業

当事業における研究開発費は3,335百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。

①  計測機器

音、振動、変位、強度などの物理量を高精度に計測し、分析する機器を開発しております。また計測と制御、そしてシミュレーションを一体化した独自のテクノロジーで、開発期間の短縮やコスト削減に貢献するソフトとハードを開発しております。近年ではカーボンニュートラルに貢献する製品に注力しております。

当連結会計年度の成果としては、以下になります。

・電動車で使用されるコンポーネントの温度管理(サーマルマネージメント)開発に活用できる温度エミュレータを開発

・AD/ADASでの使用が想定されるECU間通信方式である車載イーサネット開発向けのHILSボードを開発

・油圧、電動の疲労振動試験機に使用する新型コントローラー「CC-04」を開発

②  計量機器

質量(重さ)をはかる機器を開発しており、電子天びんや台はかり、そのセンサ部分であるロードセルなど幅広いラインナップにより、さまざまなニーズにお応えしております。また、当社グループの機器は研究・試験施設だけでなく、自動化された生産ラインへ組み込まれることで、省エネ技術の一環として活用されており、世界中の幅広い分野でのエネルギー効率化に貢献しております。

当連結会計年度の成果としては、以下になります。

・最小表示0.1mg~0.01gまでの汎用天びん「FX/FZシリーズ(A&D Fortis)」を開発  

・USB出力小型圧縮ボタン型ロードセル「LCC28-USBシリーズ」を開発   

・検査間口580×300mm、搬送質量25kgの大型X線検査機「AD4991-6030」を開発