第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1) 経営方針

当社は、地域に根差し、地域の信頼を基盤に、「まちづくり」と「モノづくり」を通して地域の発展に貢献し続けていくべくサステナビリティを経営の軸とし、「安全第一」、「品質第一」、そして「お客様満足度第一」であることを経営の要諦として実践しております。人材が会社を支える礎。多様性を活かした人材育成に力を入れ、個々の能力と一丸となって進む組織力との融合がさらに高い付加価値を生む。一世紀を支え続けてきた骨太の創業精神という土壌の上に変化する時代に合わせてニーズを的確に捉え、企業価値の継続的向上に努めてまいります。

また、澄みわたる空気、深く藍い空、雪解けのせせらぎ。長野県南部の伊那盆地中央に位置する本社所在のここ駒ケ根市は、東に”南アルプス”、西に”中央アルプス”の雄大な峰々、まちの中心を南北に悠然と流れる”天竜川”を持つ、大自然に抱かれたまちです。このような大自然の香り漂う駒ケ根で、当社は大正9年に創業し、100年以上にわたって環境との共生を変わりなく続けてまいりました。豊かな緑に包まれた本社をはじめ各事業所・営業所は周辺環境と調和し、訪れる人々が心安らぐ環境づくりを従業員一同で進めてまいりました。「モノづくり」の精神を基本に、環境に優しい地域に密着した企業として、「製品づくり」から「建物づくり」、そして地域の生活を守り生活を豊かにする「社会資本づくり」へと取り組んでおります。「地域と共に」の姿勢は、信州にゆかりのある企業の品物でご好評をいただく当社の株主優待での取り扱いにも表れています。今後も、私たちを支え育んでいただいております地域・ステークホルダーの皆様、ならびにお客様に信頼されながら、この美しい大自然を汚すことなく、技術の研鑽に努めてまいります。具体的には、新中期経営計画「Vision2030」にてMVV展開(ミッション:地域企業として社会に貢献、ビジョン:成長戦略、バリュー:企業価値向上)をしてまいります。

【中期経営計画】

当社は、2025年4月~2028年3月までの中期経営計画を公表しました。「価値共創とサステナ」をパーパスとし、当社の持続的成長と企業価値の向上に繋げるVision2030を掲げ、2025年4月~2028年3月と2028年4月~2031年3月の2期に分けての計画としております。成長戦略として、

① 改善戦略(成長に向けての組織的な現状の課題を捉えて攻略する)

 ・フレキシブルな組織展開

 ・バックオフィス拡充

 ・役員と本部の役割明確化と機能強化

 ・役員評価制度の改訂

 差別化戦略(当社の強みをさらに明確化して戦略的に育成する)

 ・部門間シナジーの最大化

 ・R&D

 ・新商品開発

 ・重点エリア開発

 積極戦略(成長エンジンとなる事業に果敢に挑み将来の収益基盤を拡大する)

の3本柱を中心に組みました。経営環境を睨みながら順次成長戦略としての事業を推進してまいります。また、当社の資本コストはGAPモデルにより9%程度と認識しておりますが、ROEは2025年3月期では13.7%と十分に資本コストを上回る水準となっております。中期経営計画では14%とすることを目指しております。この資本コストを上回るROEを継続していくための3つの基本方針とは、

① 成長事業への積極投資

 資本効率の最適化を図って事業ポートフォリオを再構築し、持続可能な成長に繋がる事業へ積極投資をしていく。

② 資本効率の最大化

 キャッシュアロケーション方針による適切な資金配分で、収益性・成長率を最大化し、株主へ利益還元をしていく。

③ 非財務価値の向上

 ESGを推進しサステナビリティと共創の社会づくりを通して、能力を最大限発揮できるキャリア形成、成長を実現できる基盤環境整備をしていく。

2025年3月末の当社のPBRは0.98倍であります。ROEが13.7%と高水準であるにもかかわらずPERが7.58倍と低めであることから、成長戦略の追求と株主価値・企業価値の追求によりPERの改善を図ってまいります。以下、詳細は「中期経営計画2025」をご参照ください。

 https://yamaura.co.jp/ir/material/results/


 

(2) 経営環境

我が国経済は、企業収益の改善等により景気は緩やかな回復の動きが見られましたが、継続的な物価上昇、投資目的の国内外の大型な企業買収騒動や通商政策などの米国の政策動向等による影響も注視する必要があり、少なからずも多種業界の再編に通じるような動きも垣間見られる中、依然として先行き不透明な状況が続いています。建設業界においても、建設資材の価格高騰、納期遅延、人手不足に加え、今後の大型案件の縮小を見込んだ受注競争の激化などの影響で厳しい経営環境が続いています。このような状況のもと、将来にわたっての経営基盤となる地域への貢献、お客様から信頼される誠実施工を念頭に、各事業部でのドメインの強化と部門間連携を一層強め、DXを推進してヤマウラブランドの強化を図り、新規顧客の開拓推進、新規分野での受注の確保に努めてまいりました。その結果、製造業(食品・輸送用機器・精密他)、運輸業等の民間建築工事、水力発電関連設備の大型工事の受注も増加し、公共建築、国土強靭化計画を背景とした河川改修工事、道路工事の受注増、さらには首都圏等におけるマンションの販売も堅調であったことから、当社グループは堅調に推移しております。

 

(3) 経営戦略及び優先的に対処すべき課題

下記、経営成績をもとに将来の課題は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(建設事業)

受注高304億99百万円、前年同期比82億50百万円(21.3%)の減少、完成工事高286億36百万円、前年同期比9億39百万円(3.2%)の減収、営業利益43億58百万円、前年同期比8億8百万円(22.8%)の増益となりました。

(エンジニアリング事業)

受注高40億59百万円、前年同期比6億35百万円(13.5%)の減少、完成工事高40億5百万円、前年同期比4億49百万円(12.7%)の増収、営業利益6億68百万円、前年同期比83百万円(14.3%)の増益となりました。

(開発事業等)

開発事業等売上高29億99百万円、前年同期比14億43百万円(32.5%)の減収、営業利益2億25百万円、前年同期比1億97百万円(46.7%)の減益となりました。

(全体)

建設事業・エンジニアリング事業・開発事業と展開する当社事業の総合技術力は、お客様にとりましては大きな魅力となり得るものです。不動産の取得・活用から資金計画、機械設備も含めた建設の提案、設計、施工、アフターフォローまでをトータルサポート展開することにより、お客様の事業性の確立に貢献できるのが当社の最大の武器でもあります。当社の建築受注は設計施工の比率が約7割にも昇り、それを活かした提案の優位性を一層強めながら、総合力から生まれるシナジー効果をさらに有効に活かし、健全な財務体質を背景として収益力を高めてまいります。当社は、従来より財務基盤の強化を進めてまいりました。これにつきましては自己資本比率も75.5%という高水準にありますが、今後も資本効率を維持していくことも経営の重要な要素と考えております。

2025年3月期のROEは13.7%と高い水準で進展しましたが、今後は14%以上を目指してまいります。

そのためにも、受注の安定的増加と収益の増加とを将来にわたって確保していく計画を立て、下記の5点を推進して実行しております。

 

①DX(Digital Transformation)

資材・原材料価格の高騰が進む影響を最小限にとどめるため、ノウハウを蓄積してきた最新デジタル技術を可能な限り活用するとともに、積極的に導入も進めています。PC上で仮想建築を行いながら設計するBIM、三次元モデルで土木の設計を行うCIM、設計データどおりの施工に機器を自動制御するマシンコントロール、施工箇所の正確な位置情報を出すマシンガイダンス、現場測量を自動で行う3Dレーザースキャナー、VR、ARなどの技術です。これら最新のICTを駆使し、現場に隠れるムリ・ムダ・ムラをなくすIEを主としたKAIZEN活動の全社展開、また、自社開発の仮設資材等の軽量化・省力化による工数削減と原価削減を推進し、働き方改革にも大きな効果を上げています。さらにはCO2などGHG排出量の削減もDXにより推し進め、社会貢献に向けて尽力しております。

 

②ドメインの明確化・強化

建築、土木、エンジニアリング共にドメインの一層の強化を図っており、それぞれが当社のブランドとして実ってきています。今後は一層のブランド強化を目指して経営資源を投入して事業の柱に育成してまいります。

企業様向けの建築では、食品工場のHACCPにも対応する「オイシールド」、工場や倉庫建築の「イーファクト」、オフィスをイノベーション化する「アットワークス」という、ドメインを明確にした3ブランドを立ち上げております。エンジニアリング事業では、設備・装置・構造物・システムに関する技術情報を紹介する「インフラ技術ナビ」、製缶・板金・溶接・大型機械加工の設計・加工・組立て・検査まで一貫対応し、製缶加工や装置設計に関する技術情報を紹介する「製缶加工・装置受託センター.COM」、各種制御設備の設計・製作から総合監視システムの設計・構築、電気通信工事までの「制御・監視エンジニアリングセンター.COM」サイトをオープンしています。これらにより、建設事業、エンジニアリング事業ともに当社の特徴がお客様にもわかりやすく、訴求力を高めており、新規のお取引先の獲得に寄与しております。

 

③成長戦略

当社は創業105年を迎えて次なる一世紀に向け、企業価値の向上と持続可能な活動を目指して、新たなる成長を軌道に乗せる基盤づくりの新中期経営計画をスタートさせます。成長戦略として事業の柱である大型のプロジェクトとして、官民連携事業(産業団地分譲事業や公共施設の建設などのPFI事業)・ストックビジネスとしてのCREソリューション事業(企業価値向上に向け最適化させた不動産投資の提案)について立案と構想を策定しております。

 

④資本政策の充実

株主のご理解があっての経営戦略となりますので、以前から好評を頂いております株主優待に併せて「中期経営計画2025」にもありますようにDOE3%に向けたキャピタル面でも確実なる株主還元及び株主資本額が十分に得られる経営をしております。

 

⑤内部統制の更なる強化

グループガバナンスを強化し、取締役会、監査等委員会をはじめとする重要会議体の規程改訂から運営に至るまで多くの見直しを行い、継続的に内部統制が有効に機能していける仕組みづくりを構築しております。

当社グループが継続的な発展を遂げていくため、法令遵守、コンプライアンスの徹底のもと、ヤマウラブランドに信頼を置いていただき、外部利害関係者の皆様に、より満足いただけるよう安全第一・技術力ならびに品質第一・お客様満足度第一の精神のもと、提案力を高め且つ協力会社を含めて技能継承を行い、高品質な建物他製品をご提供して収益確保に努め、引き続き内部統制の効いた企業価値の向上及び社会貢献をしてまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは、地域に根差し「まちづくり」と「ものづくり」を通して地域に支えられて一世紀を超えて発展してきました。社会インフラの提供は、そこで暮らす人々へ、100年先までも快適で安心・安全な日常をお約束することを意味します。それこそが「私達の使命」として捉え、「価値共創とサステナ」を当社グループのパーパスとしました。100年先も「豊かに暮らせる街」「夢を感じる日常」をつくり、「地域の発展」「地域の安心」を生み出す街と日常をつくり、社会に貢献していきます。

その実現のための持続的な企業価値の向上を目指します。当社の企業価値の向上への基本的な考え方は以下のとおりです。


 

[ESG基本方針]

1.レジリエントで持続可能な社会への貢献

地球温暖化による近年の自然災害の激甚化に対し、当社の事業領域である「まちづくり」・「ものづくり」で社会へ貢献してまいります。

2.持続可能な地球環境のための実質ゼロ・カーボンへの貢献

脱炭素社会の実現に向けて、事業活動によるCO2排出量を早期にニュートラルに持っていき、社会へ貢献してまいります。

3.信頼と調和、健康都会的なシンバイオシス社会への貢献

企業活動の持続性と継続性は三方良しの「共生」があってこそであり、コンプライアンスを旨とするガバナンス姿勢で社会へ貢献してまいります。

 

Environment 環境に配慮した社会づくり

当社は一昨年、SBTi(中小企業版)の認証を得ました。GHG排出量削減目標を、2030年には2021年度比で38%削減(Scope1・2)を目標としています。その達成のための主な取り組みを紹介します。

1.事業所の使用電力のオール再エネ化

自社事業所に設置している「太陽光発電」と長野県企業局が運営する水力発電所などでつくられた 「信州Greenでんき」を活用することで、本社ならびに県内各支店他関連施設で使用する電力(年間1,000,000kWh以上)を100%再エネで賄っております。

2.車両のEV・ハイブリッド化

当社の保有(リースを含む)する車両は300台を超えます。これら車両は更新時にEV・ハイブリッド車に置き換えています。本社をはじめ各支店・事業所には、それぞれEV車用の充電設備も配備して、地方では欠かせない車両移動におけるGHG排出の削減に努めております。

3.アスファルトプラントのガス化

道路舗装に欠かせないアスファルトを製造するプラント設備を自社所有しています。従来はCO2排出が多い重油を燃料としており、GHG排出量削減には大きな課題でありました。この燃料をガス化するプロジェクトを2024年度からスタートしました。本施設が完成することで、大きくSBTiに提出したGHG削減目標に近づきます。


 

 

Social 社会に貢献し、人を大切にする企業づくり

①健康づくり

社員が幸福感を抱いて充実した生活が営める原点は健康にあります。

・生活習慣病予防健診を対象年齢全員、各種がん検診、脳ドックも38歳以上は全員実施

・長時間労働の削減

・全社員参加型の日々の運動等を目標とするヘルスケアチャレンジを実施

・社員及び配偶者への「がん検診」を実施

・社員食堂での健康バランス食事を提供するスマートミールを実施

等の多角的な施策を通じ、「live a happy life」の実現を目指してまいります。

 

②プロ人材づくり(資格取得)

国家資格などの公的資格取得の推進は、当社の長い歴史の中でも特に技術力を担保するために重要視しており、資格取得の支援はトータルサポート体制としております。

1.資格取得のための学習体制の支援

2.資格取得のための学費・模試などの支援(授業料・模試代金・登録費等)

3.資格取得後の報酬(お祝金・資格手当・賞与加算)

中でも技術士と一級建築士の取得は重点的に支援しております。

 

③エンゲージメントの向上

・個人のパーパスを明確にすることで自己肯定感を創出

・会社のパーパスに共感することで会社と社会との一体感を創出

・家庭のパーパスを家族と共有することで信頼と愛情の絆を深める

個人・会社・家庭のそれぞれのパーパスを持ち、ともにバランスをとって幸せになることがモチベーションアップへとつながり、生きがいにつながります。当社では、個々人の幸福な将来を想い、それぞれの1年後、10年後の目標に対する現在地を確認し、目標に届くための面談を全社員に行なっております。

 

④ ダイバーシティ&インクルージョン

地方での建設業への新規就労人口は非常に厳しい状況の中、採用の多角化、人材の定着化、定年の延長、女性の幹部候補育成、長時間労働の抑制、勤務間インターバル制等をこれまでも進めてまいりました。さらに、パート社員の正社員登用も制度化し、2024年4月には該当者の多くが正社員を希望し、正社員へ転換しました。地方という特性を考慮し、多様な働き方が選択できる環境の整備に努めております。

 

Governance 企業倫理の徹底 コーポレートガバナンス

① 内部通報制度

より一層の内部通報制度の実効性を高めるための見直し、再整備をしています。内部通報窓口を社内2か所、外部1か所に設け、コンプライアンス研修を全社員、階層別に繰り返し行い、制度の浸透を図りました。従前は制度が形がい化して通報が全くありませんでしたが、制度見直し後は2025年3月までの期間で内部通報窓口に4件の通報があり、対処しております。他に相談という形も別途あるなど一定の効果が現れています。これらの事象については、コンプライアンス・リスク管理委員会に報告され、対策を速やかにしております。

 

② ガバナンス

当社は気候変動に関連するリスクと機会をサステナビリティ委員会に報告し、審議しています。取締役会は、サステナビリティ委員会から気候変動関連の事項について報告を受け、気候変動関連の課題への取り組み状況の監督を行っております。


 

③ 戦略・リスク管理

気候変動関連の重要リスク・機会については、サステナビリティ委員会にて将来起こりうる可能性を2100年に気温上昇を1.5℃に抑えるという枠組みの中で当社に与える影響度を特定しています。当社では、これらの特定されたリスク・機会のうち、重要度評価で「中」または「大」のものについて重点的に対策をとってまいります。

 

リスク一覧

大分類

中分類

特定されたリスク

時間軸

重要度

1.5℃

リスク

移行

政策と法

・炭素税導入によるコスト増

・炭素税導入による排出量削減よる設備投資ニーズ縮小

・リサイクル・リユース等の規制強化に伴う廃棄物処理費の増加

中~長

技術・市場・評判

・ZEB、ZEH対応のための人材採用、育成、研究開発費の増加

中~長

物理

急性

・サプライヤーの被災による工事遅延

・工事現場被災による工事遅延、機会損失、コスト増

・自社事業所等被災による復旧コストの発生

短~長

慢性

・森林資源の育成環境変化による木材価格の上昇

・気温上昇に伴う労働生産性の低下

短~長

 

 

機会一覧

大分類

中分類

特定された機会

時間軸

重要度

1.5℃

機会

資源効率性

・サーキュラーエコノミー対応による売上増

中~長

エネルギー源・製品/サービス

・ZEBやZEHの新築条件化や、環境配慮物件のニーズ拡大に伴う建設工事の増加

短~長

・省エネリニューアル、リフォーム工事の売上増

短~長

・再生可能エネルギー産業向けの建設需要増

中~長

製品/サービス

・治山治水インフラ等、国土強靭化に資する建築、土木需要の増加

短~長

 

 

指標及び目標

2022年4月には、県内本社他各支店関連施設に、長野県公営水力等を利用した「信州Greenでんき(信州産のCO2フリー電力)」を導入しました。これにより年間使用電力量968,310kwh、CO2にして393tの排出量を削減いたしました。この結果、当社事業地盤である長野県内においては、消費電力のほとんどを再生可能エネルギーとしています。

また、当社では再生可能エネルギーの販売を事業としても行っており、既に稼働し売電をしている14ヶ所の太陽光発電、自社開発で自社施工の小水力発電、そして購入する信州GreenでんきのCO2フリー電力とを合わせ、2030年には当社の実質ゼロ・カーボンの達成を目指してまいります。

項目

対象

2030年目標

GHG排出量

Scope1・2

881t

Scope3

221,767t

再生可能エネルギー

再エネ電力利用率

74.2%

EV(営業車)導入率

50.0%

 

 

[人的資本]

人材の育成方針

「信頼される人づくり」が原点です。当社のパーパスに共感し、経営理念を体現する人間力ある社員、誠実な社員、向上意欲のある社員の育成に注力しております。

ヤマウラアカデミーという教育研修体系のもと、専門教育と一般教育とを兼ね備えたカリキュラムで、「入社3年で独り立ち」ができることを目標に、教える人の違いによる教え方のムラもない300本以上に上る自社制作の動画による基礎教育システムを導入しています。自分の担当業務はもとより他部門の業務も学び、当社全体の事業が分かることで、社内コミュニケーションも良好となり、円滑な業務環境が生まれ、働きやすさへとつながっていくことも大きなメリットとなっております。

良い環境の中でこそ人は「成長する」。当社の従業員が働きやすく、将来に向けてのモチベーションを上げて、個性豊かな発想を育んで能力を開花させるプロフェッショナル集団を育成しています。新入社員が入る独身寮「ベルナビオ(Bell Navio)」は、全寮制に近い体制で1年間を学びます。寮の中は自治組織で運営され、一人一人が何らかの役割を任命されて過ごしやすい集団生活づくりを体験していきます。社会へ参画することの重要性も学びながら人間力も培ってまいります。

BIM研修などの最新のITによる技術学習は入社時の集合研修の一環として行われ、デジタル人材として建設業のデジタル化への推進役となるように学んでまいります。

このように、全人格的な成長を目指していくことが当社の人材育成方針です。自律を促し、自己啓発をすることに喜びを感じるための環境づくりをしてまいります。

 

人材育成における重点項目

 健康づくり

社員が幸福感を抱いて充実した生活が営める原点は健康にあります。その健康の土台づくりを会社が積極的にサポートをすることによって、生き生きとした生活を営めるようにしております。

・生活習慣病予防健診を対象年齢全員、各種がん検診、脳ドックも38歳以上は全員実施

・長時間労働者は全員ストレスチェックを実施

・全社員参加型の日々の運動等を目標とするヘルスケアチャレンジを実施

・社員食堂での健康バランス食事を提供するスマートミールを実施

等の多角的な施策を通じ、「live a happy life」の実現を目指してまいります。

 

② 資格取得

国家資格などの公的資格取得の推進は、当社の長い歴史の中でも特に技術力を担保するために重要視しているものです。資格取得の支援はトータルサポート体制となっております。

1.資格取得のための学習体制の支援

2.資格取得のための学費・模試などの支援(授業料・模試代金・登録費等)

3.資格取得後の報酬(お祝金・資格手当・賞与加算)

中でも技術士と一級建築士の取得は重点的に支援しています。1回の受験で100万円以上となる学費も会社が支給するなど、個人としての負担が殆どなく知識と能力を身につけることができます。

項目

2024年度実績

2030年度目標

資格取得

技術士

18

30

一級建築士

55

80

 

 

③ エンゲージメントの向上

・個人のパーパスを明確にすることで自己肯定感を創出

・会社のパーパスに共感することで会社と社会との一体感を創出

・家庭のパーパスを家族と共有することで信頼と愛情の絆を深める

個人・会社・家庭のそれぞれのパーパスを持ち、ともにバランスをとって幸せになることが、モチベーションアップへとつながり、生きがいにつながります。個人・会社・家庭のいずれか一つでも何か悩みを抱えるとパフォーマンスが発揮できなくなってしまいます。当社では、個々人の幸福な将来を想い、それぞれの1年後、10年後の目標に対する現在地を確認し、目標に届くための面談を半期に一度全社員に行なっております。

社内報は月に1回発行し、各家庭に郵送し、ご家族が“ヤマウラの今”を常に知っていただけることで、一体感を共有できるようにしております。

 

④ ダイバーシティ&インクルージョン

地方での建設業への新規就労人口は非常に厳しいものがあります。そのような状況の中、当社としましては、採用の多角化、人材の定着化、定年の延長、女性の幹部候補育成、長時間労働の抑制、勤務間インターバル制等をこれまでも進めてまいりました。さらに、パート社員の正社員登用も制度化し、2024年4月からは多くのパート社員が総合職として登用しました。それぞれの生活状況、人材の多様化に応じて、働きやすい環境を整えてまいります。地方という特性を考慮し、多様な働き方が選択できる環境の整備をしてまいります。

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状態及び株価等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

(1) 事業環境の変化のリスク

想定を上回る建設需要の減少や主要資材の価格等の急激な上昇、不動産市場における需給状況や価格の大幅な変動等、建設事業・開発事業等に係る著しい環境変化が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

建設需要動向、資材等価格動向、不動産市況の先行管理を可能な限り行い、幅広いお客様のニーズを的確に捉えることができる受注体制・設計体制・施工体制を確保し、工期の短縮、購買機能の強化、また、適切な不動産の仕入れ等を実施することで環境変化へ柔軟に対応してまいります。

 

(2) 不適正品質のリスク

発注者の要求に満たない施工や設計と異なる施工、不適切な検査等により品質の問題が発生した場合は、損害賠償、社会的な信用の失墜、工事遅延等により、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

フロントローディングによる施工計画時の課題・懸念事項の入念な事前計画と確実な実施、日々の施工写真等の記録管理、現場パトロールによる書類も含めた工事全般のチェック等により、将来にわたる品質不具合の防止を行ってまいります。

 

(3) 現場事故・環境汚染リスク

安全・環境面に配慮し対策を施して工事を行っていますが、工事は市街地、山間地などの多様な周辺環境の中で行われ、現場内では多数の作業員が多種な作業を同時に行うため、第三者への加害事故や労働災害、環境汚染事故等が発生する可能性を有しております。このため、事故が発生した場合には、損害賠償、工事の遅延、指名停止等により、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

ISO45001で定めた手順・ルールの徹底、現場巡視、日々の安全活動の徹底・安全教育研修等を通じ、事故防止に努めてまいります。

 

(4) 保有資産の価格変動のリスク

当社グループが保有する販売用不動産、賃貸等不動産などの事業用不動産は、市況が悪化して地価や賃貸価格の下落が生じた場合、また、投資有価証券等の時価が著しく低下した場合、評価損や減損損失の計上等により、業績及び財務基盤に影響を及ぼす可能性があります。

財務基盤を強化し、中長期的な視野に立った保有意義や投資計画を立案し、投資先の経営状況や不動産市況、経済指標を定期的に確認し、価格変動による資産縮小リスクを回避してまいります。

 

(5) 取引先の信用リスク

取引先(発注者、協力会社、JV共同施工会社他)の信用不安に陥った場合には、工事代金の回収不能や施工遅延等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

取引先との接点を常に維持し、情報の感度を高め、経済情勢・業界動向も見極めつつ急激な変化にも対処してまいります。

 

(6) 法的規制等リスク

建設業界は、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、独占禁止法、さらには環境関連の法令等、さまざまな法的規制を受けており、新たな法規制の制定や法令の改廃等が増加し、それらへの的確な対応に不備が生じ、法令違反等が発生した場合には、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。

関連法令の改正動向を注視するとともに、社内体制の整備、及び教育の継続的実施等を通じ、最新の法対応への備えをすることで、法令違反の未然防止をしてまいります。

 

(7) コンプライアンスリスク

従業員による不正行為、人権を侵害する行為、または個人情報や営業秘密情報の漏えい等があった場合は、活力の低下、社会的な信用の失墜等により、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。

コンプライアンス教育は、eラーニングでの全社員の学習や階層別研修での集合教育等実施しておりますが、完全には未然防止はできません。内部通報制度も見直して、より実効性の高まるよう改善した結果、通報実績もあり、不正の未然防止への効果が高まりましたが、今後とも、内部統制の見直し、内部監査の見直し等を行い、より実効性のあるコンプライアンス強化を進めてまいります。

 

(8) 気候変動リスク

脱炭素社会への移行に向けて炭素税の導入、環境に負荷が掛からない原材料・資材等の仕入れやサービスの提供、また、気候変動の物理的リスクとして、平均気温の上昇や自然災害が激甚化した場合、サプライチェーンの被災、工事現場の被災等により、事業活動や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、SBTiの認証(中小企業版)も得て、気候変動に関するリスクと機会を分析・対応するとともに、サスティナビリティ推進活動に積極的に取り組むため、「サスティナビリティ委員会」を設置し、気候変動への対策を図ってまいります。

 

(9) 情報セキュリティリスク

ITシステムを活用し、建造物、顧客、経営、知的財産等に関する情報、個人情報など様々な情報を取り扱っています。これらの情報がサイバー攻撃や社員の過失等により漏えいした場合には、当社グループの社会的信用に影響を与え、損害賠償やシステム復旧費用等の発生により、業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

サイバー攻撃など新たなリスクに応じた技術的な対策と監視・検知の強化実施、情報システム管理規程の整備、そして教育・研修の徹底で情報セキュリティの強化を図ってまいります。

 

(10) 担い手不足リスク

建設業界においては、建設技術者・技能労働者が減少傾向であり、高齢化と労働者のさらなる減少が進むと、工期の遅れや人件費の上昇を招き、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

働き方改革を推進するため「4週8閉所」に取り組み、労働条件の改善を図るとともに、ICT施工やパワーアシストスーツの導入など労働者の負担軽減に努め、建設キャリアアップシステムでの人材育成等、建設業界の魅力向上に取り組んでまいります。

 

(11) 災害リスク

大雨や台風の災害等による影響を最小限にとどめる為の万全な対策をとっていますが、それらによる影響を完全に防止・軽減できる保証はありません。また、感染症による社員への感染拡大、サプライチェーンへの寸断等が発生した場合、及び大規模な災害が発生した場合は、工事の遅延による補償、一時的な復旧費用等の負担が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

不測事態を想定し、当社のBCPに沿った教育・訓練の継続実施、職場環境の整備、定期的な設備点検等の実施をすることで災害時の影響を最小限に留めてまいります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりです。

 

① 財政状態、経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、企業収益の改善等により景気は緩やかな回復の動きが見られましたが、継続的な物価上昇、通商政策や米国の政策動向等による影響を注視する必要があり、依然として先行きが不透明な状況が続いています。建設業界においても、建設資材の価格高騰、納期遅延、人手不足に加え、今後の大型案件の縮小を見込んだ受注競争の激化などの影響で厳しい経営環境が続いています。このような状況のもと、将来にわたっての経営基盤となる地域への貢献、お客様から信頼される誠実施工を念頭に、各事業部でのドメインの強化と部門間連携を一層強め、DXを推進してヤマウラブランドの強化を図り、新規顧客の開拓推進、新規分野での受注の確保に努めてまいりました。その結果、製造業(食品・輸送用機器・精密他)、運輸業等の民間建築工事、水力発電関連設備の大型工事の受注も増加し、公共建築、国土強靭化計画を背景とした河川改修工事、道路工事の受注増、更には首都圏等におけるマンションの販売も堅調であったことから、当社グループの連結業績は堅調に推移しております。このような状況のもと、将来にわたっての経営基盤となる地域への貢献、お客様から信頼される誠実施工を念頭に、ドメインの強化と部門間連携を一層強め、BIMをはじめとするICTの一層の強化を推進し、エリア拡大を図り受注確保に努めてまいりました。

当社グループの当連結会計年度における業績は、受注高(開発事業等含む)375億31百万円、前年同期比103億28百万円(21.6%)の減少売上高356億13百万円、前年同期比19億32百万円(5.1%)の減収営業利益38億91百万円、前年同期比4億36百万円(10.1%)の減益経常利益39億68百万円、前年同期比1億82百万円(4.4%)の減益親会社株主に帰属する当期純利益は30億2百万円、前年同期比26百万円(0.9%)の増益となりました。

 

事業部の種類別セグメントの実績は次のとおりであります。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 

建設事業

建設事業につきましては、山梨県でのエリア拡大に注力し大型食品関連等の工場新設の受注等、及び企業向け「オイシールド」、「イーファクト」、「アットワークス」の3ブランドの積極的なマーケティング戦略による新規企業顧客の獲得に努めました。また、好立地な分譲地の開発とハイグレードな自由設計住宅ファミレを始めとする住宅営業の強化、精密機器や食品関連等の工場・大型物流施設・医療介護施設・マンション・流通施設等の民間工事、並びにトンネル工事を含む水力発電設備建設工事、道路・河川改修工事など公共工事等の受注にも注力いたしました。特に、工場建築では2年連続長野県内施工実績ナンバーワンとなっておりグループの売上に貢献しており順調に推移しております。

その結果、受注高304億99百万円、前年同期比82億50百万円21.3%)の減少、完成工事高286億36百万円、前年同期比9億39百万円3.2%)の減収営業利益43億58百万円、前年同期比8億8百万円22.8%)の増益となりました。

 

エンジニアリング事業

エンジニアリング事業につきましては、創業以来培ってきた「水力発電設備や水処理機器・システムの開発」等の技術を集積し小水力発電設備の受注に積極的に取り組みました。さらに、土木部門と連携し水力発電所の設備建設工事も受注する等、大型の案件受注や新規顧客の開拓も推進しました。その他、長年の実績から信頼の厚い水害対策構造物、橋梁、合成床版、大型精密製缶等のインフラ関連の受注に注力いたしました。

受注高40億59百万円、前年同期比6億35百万円13.5%)の減少、完成工事高40億5百万円、前年同期比4億49百万円12.7%)の増収営業利益6億68百万円、前年同期比83百万円14.3%)の増益となりました。

 

開発事業等

開発事業等につきましては、土地価格や建築価格の高騰等、先行き不透明な事業環境を鑑み、新規開発案件には慎重に対応し、完成物件の販売促進、リノベーション、買取再販事業に重点的に取り組みました。

開発事業等売上高29億99百万円、前年同期比14億43百万円32.5%)の減収営業利益2億25百万円、前年同期比1億97百万円46.7%)の減益となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ8億9百万円減少し、当連結会計年度末には、資金が121億50百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は79百万円(前連結会計年度に比べ48億5百万円の減)となりました。これは税金等調整前当期純利益39億68百万円、売上債権の減少13億30百万円等があったものの、引当金の減少3億8百万円、仕入債務の減少15億90百万円、契約負債の減少13億27百万円及び法人税等の支払額15億59百万円等があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は6億6百万円(前連結会計年度に比べ32百万円の減)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出4億47百万円、投資有価証券の取得による支出1億54百万円等があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は2億83百万円となりました。これは、株主への配当による支出2億83百万円等があったことによるものです。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

当連結企業集団が営んでいる事業の大部分を占める建設事業及びエンジニアリング事業では生産実績を定義することが困難であり、また請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。

当連結企業集団においては建設事業及びエンジニアリング事業以外では受注生産形態をとっておりません。

したがって受注及び販売の状況についてはセグメントごとの業績に関連付けて記載しております。

当社グループは、連結ベースでの事業別受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高の状況は作成しておりません。

なお、当社単独の事業の状況は、以下のとおりです。

(1) 受注工事高及び施工高の状況

①  受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

 

項目

工事別

前期繰越

工事高

(千円)

当期受注

工事高

(千円)

(千円)

当期完成

工事高

(千円)

次期繰越工事高

当期施工高

(千円)

手持工事高

(千円)

うち施工高

(千円)

第65期

2023年4月1日

2024年3月31日

建設

建築

16,806,330

31,525,212

48,331,542

26,037,165

22,294,376

4.5

1,008,050

25,964,209

土木

2,387,435

7,224,755

9,612,190

3,538,753

6,073,436

2.7

166,943

3,669,537

小計

19,193,765

38,749,967

57,943,732

29,575,919

28,367,813

4.1

1,174,994

29,633,746

エンジニアリング

3,667,312

4,694,789

8,362,102

3,555,306

4,806,796

8.1

392,432

3,553,054

22,861,077

43,444,757

66,305,835

33,131,225

33,174,609

4.7

1,567,426

33,186,800

第66期

2024年4月1日

2025年3月31日

建設

建築

22,294,376

27,800,785

50,095,162

25,528,684

24,566,477

5.6

1,378,031

25,898,665

土木

6,073,436

2,698,982

8,772,419

3,108,043

5,664,375

4.4

251,516

3,192,616

小計

28,367,813

30,499,768

58,867,581

28,636,728

30,230,853

5.3

1,629,548

29,091,281

エンジニアリング

4,806,796

4,059,655

8,866,451

4,005,160

4,861,291

4.2

208,414

3,821,142

33,174,609

34,559,423

67,734,032

32,641,888

35,092,144

5.2

1,837,962

32,912,423

 

 

(注) 1  前期以前に受注した工事で契約の変更により請負金額を変更したものについては、当期受注工事高にその増減額を含めております。従って、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。

2  次期繰越工事高の手持工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致します。

3  次期繰越工事高のうち施工高は、未成工事支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。

 

 

 

②  受注工事高

 

期別

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

計(千円)

第65期

自  2023年4月1日

至  2024年3月31日

建設

建築

2,095,547

29,429,664

31,525,212

土木

7,016,716

208,038

7,224,755

小計

9,112,264

29,637,702

38,749,967

エンジニアリング

2,293,675

2,401,113

4,694,789

11,405,940

32,038,816

43,444,757

第66期

自  2024年4月1日

至  2025年3月31日

建設

建築

1,245,152

26,555,633

27,800,785

土木

2,517,385

181,597

2,698,982

小計

3,762,537

26,737,230

30,499,768

エンジニアリング

1,401,883

2,657,771

4,059,655

5,164,421

29,395,002

34,559,423

 

 

 

③  完成工事高

 

期別

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

計(千円)

第65期

自  2023年4月1日

至  2024年3月31日

建設

建築

757,352

25,279,813

26,037,165

土木

3,181,563

357,190

3,538,753

小計

3,938,915

25,637,004

29,575,919

エンジニアリング

868,512

2,686,793

3,555,306

4,807,428

28,323,797

33,131,225

第66期

自  2024年4月1日

至  2025年3月31日

建設

建築

1,498,555

24,030,128

25,528,684

土木

2,923,569

184,474

3,108,043

小計

4,422,124

24,214,603

28,636,728

エンジニアリング

1,039,928

2,965,231

4,005,160

5,462,053

27,179,835

32,641,888

 

 

1  完成工事のうち主なものは次のとおりです。

第65期の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なもの

建設事業

発注者

工事件名

施工場所

株式会社キッツマイクロフィルター

株式会社キッツマイクロフィルター第2工場増築工事

長野県

大和電機工業株式会社

大和電機工業株式会社松本事業所 第8工場増築工事

長野県

アイエイエム電子株式会社

アイエイエム電子株式会社新工場建設工事

長野県

株式会社エンプラ

株式会社エンプラ本社工場建替工事

長野県

ユウキ食品株式会社

ユウキ食品株式会社 伊那工場新築工事

長野県

株式会社チンタイバンク

コンフォーティア広丘野村Ⅱブレインマンション新築工事

長野県

野村ユニソン株式会社

野村ユニソン株式会社諏訪南工場増築工事

長野県

 

 

第66期の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なもの

建設事業

発注者

工事件名

施工場所

養命酒製造株式会社

くらすわの森 建設プロジェクト

長野県

IPDロジスティクス株式会社

IPDロジスティクス伊那保税倉庫新築工事

長野県

長野三和ポリエチレン株式会社

長野三和ポリエチレン株式会社工場新築工事

長野県

株式会社スズキ自販長野

㈱スズキ自販長野スズキアリーナ信州佐久移転新築工事

長野県

マルヤス機械株式会社

マルヤス機械株式会社箕輪第二工場新築工事

長野県

穂高広域施設組合

令和5年度(債務負担行為)あづみ野ランド大規模改修工事

長野県

株式会社フレッシュベジ加工

株式会社フレッシュベジ加工おやき製造工場新築工事

長野県

 

 

 

 

 

2  完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は次のとおりであります。

第65期

該当はありません。

第66期

該当はありません。

 

④  手持工事高(2025年3月31日現在)

 

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

合計(千円)

建設

建築

1,323,995

23,242,482

24,566,477

土木

5,656,075

8,300

5,664,375

小計

6,980,070

23,250,782

30,230,853

エンジニアリング

2,995,988

1,865,302

4,861,291

9,976,059

25,116,084

35,092,144

 

 

手持工事のうち請負金額2億円以上の主なものは次のとおりであります。

繰越工事

発注者

工事件名

完成予定

長野県企業局南信発電管理事務所

令和5年度中田切川地点発電所建設事業

2028年7月

日本発条株式会社

日本発条株式会社産機生産本部駒ヶ根工場第4生産棟新棟建築工事

2026年3月

甲信越福山通運株式会社

甲信越福山通運株式会社諏訪事業所新築工事

2026年1月

日世株式会社

日世株式会社新第二工場建設プロジェクト

2027年6月

長野県企業局南信発電管理事務所

与田切川上流地点発電所建設工事

2025年12月

日本発条株式会社

日発発条株式会社産機生産本部宮田工場増築工事

2025年7月

サン工業株式会社

サン工業株式会社第4工場新築工事

2026年3月

 

 

 

(2) 開発事業等の状況

①  開発事業等の売上実績

 

区分

第65期

自  2023年4月1日

至  2024年3月31日

(千円)

第66期

自  2024年4月1日

至  2025年3月31日

(千円)

開発事業その他

422,762

287,916

422,762

287,916

 

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の建設業を取り巻く事業環境として、公共投資は、国土強靭化対策などにより当面の間は底堅く推移するものと見込まれる一方、民間の設備投資は、人手不足や原材料価格の持続的高騰などの影響による世界経済の減速懸念、そして地政学上のリスクがひろがってきていることなどから予測が難しい状況にあります。また、米国の関税政策の影響も少なからずあり、今後の業績見通しは不透明かつ厳しさが増してくることが見込まれます。民間設備投資についても、慎重な姿勢・価格競争が依然として激しい状況で推移しております。当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりです。

 

経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、356億13百万円と前年同期と比べ19億32百万円(5.1%)の減収となりました。これは主に、厳しい環境のもと、地域密着型の堅実経営を目指し、BIM、CIM、マシンコントロール、マシンガイダンス、VR、AR、3Dレーザースキャナーを始めとするICT化を駆使した提案型営業の積極的な展開により、医療介護・マンション・流通・食品関連・水力発電設備及び道路・河川建設工事など公共工事等の受注に注力した結果であります。各セグメントの売上高の連結売上高に占める割合は、建設事業が80.4%と前年同期と比べ1.6ポイント(前年同期78.8%)の増加、エンジニアリング事業が11.2%と前年同期と比べ1.7ポイント(前年同期9.5%)の増加、開発事業等が8.4%と前年同期と比べ3.3ポイント(前年同期11.7%)の減少となりました。

 

(売上総利益)

当連結会計年度における売上総利益は、建設事業を中心に、BIMを駆使し、IEを主としたKAIZEN活動の全社展開や仮設資材等の軽量化・省力化による工数削減等にての原価削減に引き続き取り組んだ結果、70億78百万円と前年同期と比べ4億95百万円(6.5%)の減益となりました。また、売上総利益率は、19.9%と前年同期と比べ0.3ポイント(前年同期20.2%)の減少となりました。

 

(営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、支払手数料、人件費等の増加はありましたが、減価償却費、寄付金費等の減少があり、31億87百万円と前年同期と比べ58百万円(1.8%)の減少となりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、38億91百万円と前年同期と比べ4億36百万円(10.1%)の減収となりました。

 

(経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は、受取利息、受取配当金や貸倒引当戻入等にて96百万円と前年同期と比べ39百万円(68.2%)の増加となりました。

営業外費用は、支払利息等にて19百万円と前年同期と比べ2億14百万円(91.6%)の減少となりました。

以上の結果、連結会計年度の経常利益は、39億68百万円と前年同期と比べ1億82百万円(4.4%)の減益となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、30億2百万円と前年同期と比べ26百万円(0.9%)の増益となりました。

 

 

財政状況の分析

(資産の部)

当連結会計年度末の総資産は、308億35百万円となりました。これは、主に電子記録債権の減少によるものです。

 

(負債の部)

当連結会計年度末の負債は、75億66百万円となりました。これは主に工事未払金と契約負債の減少によるものです。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産残高は232億68百万円となりました。この結果、自己資本比率は11.5ポイント増加して75.5%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工事原価のほか、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものです。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの一時的な短期借入を基本とし、設備投資資金の調達につきましては、基本的に自己資金としております。

なお、当連結会計年度末における借入金残高はありません。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は121億50百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

5 【重要な契約等】

ライセンス契約

当社とライセンス契約ビルダーは、当社の開発したブレインシステムを利用して、ブレインマンション建設事業を行うライセンス契約を締結しております。

 

6 【研究開発活動】

建設事業(建築、土木)及びエンジニアリング事業において、社会の変化とお客様の多様なニーズに対応し、満足して頂けるよう環境に配慮し、品質及び生産性の向上を目的に、建設資材、設計、施工及び営業に関する技術の研究開発に積極的に推進しております。

当連結会計年度における研究開発活動に投入した費用は総額51,538千円で、主な研究テーマは次のとおりです。

 

(建設事業)

1  ブレインマンション

従来のハイクオリティーブレインマンションの仕様見直しを行い、機能・品質を維持しつつ更にローコスト化を狙いとして構造躯体の合理化、外観デザイン、設備配管・配線の合理化方法の開発を進めております。

2  YNP(Yamaura Newel Post)工法

ブレインマンションの基礎配筋に於ける躯体隅部配筋のユニット化ならびに基礎配筋構造の研究・開発を行い、YNP工法の建築技術性能証明も取得いたしました。

3  土木用断熱型枠

厳寒期でも躯体養生不要なコンクリート自体の水和熱を利用する遮熱養生工法の研究・開発を継続して進め、近時、全天候型養生方法も開発し特許取得もしております。

 

建設事業にての研究開発費の金額は34,856千円です。

 

(エンジニアリング事業)

自然再生エネルギー資源活用技術の研究開発

小水力発電を中心とした自然エネルギーを有効的かつ効率的に活用するためのシステム設計技術・機器等の開発実用化研究を進めております。前期においては、2012年7月から始まった再生エネルギー固定価格買取制度を背景に、従来から進めてきた小水力発電提案事業が推進され、IoTセンシング技術を用いた遠隔監視システムなども開発・納入しております。また、当社独自の監視カメラ装置の試作に関する研究開発も進めております。

 

エンジニアリング事業にての研究開発費の金額は16,682千円です。

 

(開発事業等)

研究開発活動は特段行われておりません。