文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、2032年の「売上高1,000億円企業」へ向けた中期経営計画として、2022年から毎年3カ年の経営目標と成長シナリオをローリングしながら中期経営計画として作成し、発表してまいりました。
創業以来、絶え間ないイノベーションにより年平均二桁の成長と、高付加価値経営を継続しており、今後も続けていく所存です。
昨今、生成AIの進化と普及により、企業の業務効率化や新規事業の創出が大幅に加速しつつあり、国内の生成AI市場は今後さらに拡大し、2028年には8,000億円を超えると予測されています。
当社グループでは「AIとデジタルで未来を創造する」をテーマに、今後3年間の活動を進め、「売上高1,000億円企業」の目標達成に向けて更なる飛躍をとげるとともに、ステークホルダーとの連携を深め、ともに繁栄する企業を目指します。
売上高は年平均成長率10.0%以上の持続的な成長、営業利益率は12.9%を目標とする高成長・高収益経営を追求します。これを実現するため、お客様のデジタル化支援だけでなく当社自身の変革も図る「コムチュア・トランスフォーメーション(CX)」の推進、プラットフォーマーやツールベンダーとの連携を強化し、次なるステージに向けた成長を加速します。
成長領域であるデジタル領域の売上構成比を現在の70%から80%以上へと高める目標のもと、グループ会社のエディフィストラーニング株式会社を活用したリスキリングを継続し、Microsoft、Salesforce、SAP、データ分析の4つの重要な成長領域へのリソースシフトをグループ横断で推進します。
そのために、「ベンダー連携」を軸にした営業プロセスの徹底による受注および売上の拡大、事業モデルの変革やクロスセルによる「顧客基盤」、PM人材の育成に加え、適性の高い人材の積極的な採用やリスキリングなど「リソース」という3つの事業戦略を進めていきます。
加えて、成長加速のための戦略としてM&Aに積極的に取り組み、成長スピードの加速へと繋げます。さらに、優秀な人材の確保と継続的な待遇改善、エンゲージメントの向上、教育研修体系の更なる充実など人的投資も強化します。
新たな事業領域として、お客様向けの生成AIの活用支援や教育サービスの提供を拡大します。また、社内のデジタル化推進や基幹システムの刷新を進め、経営基盤の強化にも注力します。これらの取組みを通じ、持続可能な成長と高い収益性を維持し、今後に向けた連結業績の更なる向上を図ります。
中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)
経営理念
お客様には"感動"を 社員には"夢"を
サステナビリティ方針
社会課題の解決に対する貢献とともに持続的成長を果たしていくためには、様々なステークホルダーの価値観と事業活動が環境や社会に与える影響を踏まえた長期的な視野に立つ事業運営が求められます。
これらを踏まえ、当社グループではサステナビリティ方針を策定し、マテリアリティを特定しております。サステナビリティに対する課題の解決で社会とともに成長し、また成長戦略を通してステークホルダーとともに持続的に発展していくことを目指します。

事業戦略

(1) サステナビリティに関する考え方及び取組
当社グループは、「お客様には“感動”を、社員には“夢”を」という経営理念のもと、創業以来、「社会貢献」と「持続的成長」の両立を図ることで、持続的な社会の実現を目指してまいりました。
社会課題の解決への貢献と共に持続的成長を果たすためには、多様なステークホルダーの価値観や、事業活動が環境や社会に与える影響を踏まえた、長期的な視点に立った経営が求められます。当社グループでは、サステナビリティ全体を統括し推進する体制に加え、とりわけ重要な課題である「人的資本の充実」に向けた全社的な体制を整備することで成長のための事業基盤を強固なものとし、会社の成長戦略を通じてステークホルダーの皆様とともに持続的に発展していくことを目指しております。
サステナビリティに関する考え方及び取り組みについては以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
社長執行役員から指名された経営統括担当役員(コーポレートコミュニケーション)の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置し、サステナビリティ活動の方針・戦略の立案、推進状況のモニタリング等を実施しております。同委員会は四半期ごとに年4回(その他必要に応じて)開催し、その内容を社長執行役員及び取締役会に報告することで、年間を通じたガバナンス体制を確保しております。

サステナビリティ方針に基づきマテリアリティ(重要課題)を特定し、サステナビリティ委員会においてリスクと機会の識別・評価を実施しております。社会・環境の変化、やマテリアリティに関連するリスクのモニタリングを行い、適時に経営会議・取締役会に報告し、必要な指示を受けたうえで推進部門と連携し、迅速かつ適切な対応を行っております。
マテリアリティに対するリスクと機会の詳細は
(http://www.comture.com/company/sustainability/risk.html)に開示しております。
また、当社グループはマテリアリティ「気候変動・資源循環への対応」に対する取組みの一環として、気候変動が当社グループに与えるリスクと機会をTCFD提言のフレームワークに基づき整理し、次のようにリスク重要度の評価を行い開示いたしました。

TCFD提言に基づく気候変動関連についての情報は
(http://www.comture.com/company/sustainability/risk.html)に開示しております。
マテリアリティに対する関連課題と目標を中期経営計画の中で定め、具体的な取組みを進めております。
当事業年度のマテリアリティに対する成果・進捗については
(http://www.comture.com/company/sustainability/risk.html)に開示しております。
a. 気候変動および資源循環への対応
当社グループではデータセンターを保有していないことから、気候変動が中長期の事業活動に直接的な影響を及ぼす可能性は限定的であると判断しております。しかしながら、サステナビリティ方針に掲げる経済的・社会的課題の解決と社会価値の最大化に貢献する観点から、気候変動リスクに対しても適切な対応を講じるとともに、適宜情報開示を行うことで企業価値のさらなる向上に努めております。
これまでは、管理指標をCO2排出量総量としてきましたが、M&Aの実施や採用人数の増加に伴う事業所増加や移転等、社内環境が変化した際にも実態を正しく把握できるよう、当事業年度より一人当たりCO2排出量に改めました。2021年度より毎年5%削減を目標とし、中長期的な視点で排出量の削減に取り組んでおります。
また、資源循環・省資源の推進に向けた取り組みの一環としてペーパーレス化を推進しております。当事業年度は紙使用量削減に関する啓発活動に加え、経費精算システムのリニューアルによる証憑類の電子化および取引先との請求書発行・受領の電子化を実施し、導入前と比べて紙使用量を30%以上削減しました。さらに、組織単位での使用量をモニタリングし通知するなど、マネジメント体制強化にも努めております。今後もこれらの施策を継続し、さらなる省資源化を推進してまいります。
b. サプライチェーンにおける責任ある企業の行動ガイドライン
企業を取り巻く社会環境が大きく変化し多様化する中、企業が持続可能な社会の発展を支えるためには“責任ある行動”がより一層強く求められております。こうした社会要請に応えるべく、企業活動を通じた経済価値の創出にとどまらず、社会価値の向上にも貢献することを目的に、サステナビリティ推進行動ガイドラインを策定いたしました。当ガイドラインは当社グループ内にとどまらず、ビジネスパートナーに対しても遵守を求める方針のもと、主要なビジネスパートナーへの展開を開始しております。また、当ガイドラインの遵守状況を把握・評価する仕組みを構築し、企業としての健全な成長と社会的責任の遂行に努めております。
サステナビリティ推進行動ガイドラインについては
(http://www.comture.com/company/sustainability/risk.html)に開示しております。
c. 社会貢献活動の推進
当社グループは創業以来、“社会とともに繁栄する会社となること”を基本方針の一つとして掲げ、社会貢献活動に取り組んでまいりました。当事業年度は新たに以下の取り組みを開始しております。
・地域社会への貢献および次世代人材の育成を目的とした、中学生による企業訪問の受け入れ
・役職員に対する祝意(祝電、祝花、祝品等)の受取りを寄付に代えていただく取組み
・環境への配慮およびデジタル化推進の観点から役員就任挨拶状送付の廃止
今後も、事業活動を通じた社会への貢献に加え、これらの社会貢献活動の充実に努めてまいります。
なお、サステナビリティの戦略、指標及び目標の詳細については
(http://www.comture.com/company/sustainability/risk.html)に開示しております。
(2) 人的資本(人材の多様性を含む)の拡充に関する考え方及び取組
人材は当社グループにとって企業価値の源泉であり、持続的な成長を実現するうえで、人的資本の拡充は最重要課題の一つであると認識しております。人的資本の拡充に関する当社グループの基本的な考え方及び取組は以下のとおりです。
① 人的資本の拡充に対するガバナンス
社長執行役員から指名された経営統括担当役員(人事)の諮問機関として人事委員会を設置し、経営戦略と人材戦略の連携を図りながら、人的資本投資の強化に努めております。同委員会は毎月(年12回、その他必要に応じて)開催し、その内容を社長執行役員及び取締役会に報告することで、年間を通じたガバナンス体制を確保しております。

② 人的資本の拡充に対する戦略
当社グループでは企業価値を最大化するための要素として、「顧客満足度の向上」「社員満足度の向上」「優秀な人材の育成と確保」の3つの要素を重視し、以下の施策を推進しております。

a. 顧客満足度の向上
I. PM(プロジェクトマネージャー)育成による品質向上
独自のPM認定制度やPM研修プログラムを設けPM人材の育成に注力しておりますが、当事業年度はよりお客様へのサービス品質を向上させるため重点的に取り組みました。認定制度や研修プログラムの見直しを行ったほか、PMコミュニティを立ち上げ、ネットワーキング構築による成功事例や知識の共有機会を提供しました。また、若手PMへの指導・育成のため部門PMOを設置し、より実践的な育成を行いました。今後も継続してPM育成に取り組んでまいります。
II. リスキリングプログラム
レガシー領域から成長領域へのリソースシフトのため、リスキリングプログラムを継続的に実施しております。グループ会社のエディフィストラーニング株式会社の研修プログラムを活用し、半期ごとに30~40人にリスキルプログラムを実施し、デジタル領域へのリソースシフトをグループ横断で実施しております。当事業年度は年間で78人のリスキリングを実施し、そのうち42人のリソースシフトを完了しました。今後も継続してリスキルプログラムにより成長領域へのリソースシフトを実施してまいります。
b. 社員満足度の向上
I. 社員エンゲージメントの向上
エンゲージメントサーベイにより強みと課題を明確にし、アクションプランの策定と改善活動を推進しております。これらの取組みなどにより、当事業年度の退職率は5.5%と前年比で3.1ポイント改善しました。今後も、毎年の実施を通じて課題の実態把握とその改善に取り組んでまいります。
II. 健康経営への取組
「からだの健康」「こころの健康」「働き方改革」の3軸で、社員が心身ともに健康に働き続けることができる会社を目指しております。社長執行役員を健康経営最高責任者とし、組織横断で健康経営チームを編成し、関係各所と連携する体制を整備しております。
[コムチュアグループ健康経営推進体制]

当社グループの理念の実現につながる施策・指標及び目標を「健康経営戦略マップ」として策定いたしました。これらをもとに健康経営の施策を推進してまいります。

健康経営への取組みについては
(http://www.comture.com/company/sustainability/risk.html)に開示しております。
c. 優秀な人材の育成と確保
I. 昇給、人事制度の改定
当事業年度より新人事制度の運用を開始いたしました。多様なキャリアパスを実現するため、階層や役割ごとに求められる人材像を再定義し、管理職とスペシャリストで構成される複線型の等級制度へ移行しております。それにより、社員の自発的な挑戦と成長を促す仕組みを実現しております。
また、毎年5%以上の昇給にも継続的に取り組んでおり、当事業年度は5.0%の昇給を実施いたしました。今後も継続して、社員満足度の向上と定着化を図ってまいります。

II. 研修制度の充実、資格取得の推進
当事業年度は、研修体系を再構築し、役割・等級に応じた教育・研修機会を拡充いたしました。技術者の育成・技術力向上をより一層推進するため、1.5万コンテンツが利用可能なオンライン学習プラットフォームを全社員に導入いたしました。さらに、資格取得の受験料・更新料の会社負担や取得時の奨励金一時金支給を拡充し、資格取得支援制度を充実させました。

③ 人的資本の拡充に対するリスク管理
IT人材の確保が社会的な課題となる中、採用競争力の低下や離職率の上昇を最大のリスクとして捉え、従業員のエンゲージメント向上施策を強化しております。人事委員会、経営会議及び取締役会によるガバナンス体制を確保することでリスクの低減に努めてまいります。
また、リスク管理委員会においても人的資本リスクを重点リスクとして取り上げ、経営統括担当役員(人事)をリスクオーナーとし、施策の進捗及び今後の課題を委員会に報告しております。
④ 人的資本の拡充に対する指標及び目標
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、当社及びコムチュアネットワーク株式会社の合計で算出したものであります。
2.2022年4月に
以下において、事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。また、以下の記載は、本株式への投資に対するすべてを網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。
なお、本項目の記載内容については、特に断りのない限り本書提出日現在の事項であり、将来に関する事項は同提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 事業内容に関連するリスクについて
① 収益の認識基準とプロジェクトの採算管理に関するリスクについて
当社グループは、各種コンピュータシステムの提案、構築、保守及び運用に係る情報処理サービスの提供を行っております。顧客の課題やニーズに対して、コンサルティング・提案、システムの設計などの上流工程から入り、構築、保守及び運用までのシステムライフサイクルの全局面において最新のIT技術と業務知識に裏打ちされたトータルソリューションを提供することを基本としております。
顧客、他社のベンダーとの協同作業となる、基本設計フェーズなどの上流工程、および運用・総合テストなど川下工程については、その責任の所在から履行割合型の準委任契約を原則としております。なお、顧客の要求を受け、請負にて契約する場合でも、詳細設計・プログラム作成・結合テストの各フェーズについてのみ請負契約とし、それ以外のフェーズについては、履行割合型の準委任契約とすることを原則としております。
履行割合型の準委任契約でのプロジェクトは、主にサービス提供を行った工数に予め定められた単価を乗じる方法等により収益を認識しております。
他方、請負契約のプロジェクトは、一定規模以上のプロジェクトについて進捗度に応じて一定期間にわたり収益を認識し、それ以外のプロジェクトについて検収時点において一括して収益を認識しております。この進捗度は工事原価総額の見積額に対する実際発生原価の割合により測定しているため、進捗度の測定の際には原価総額を見積ることが必要となります。なお、原価総額の見積りの結果、将来の損失の発生が見込まれ損失金額を合理的に見積ることができる場合には、損失見込額を工事損失引当金として計上しております。
履行割合型の準委任契約を原則とすることにより、受注時の工数見積りの不確実性や開発期間の超過に伴う採算性の悪化のリスクを極小化しております。また、契約の締結に際し、長期間にわたる大型かつ包括的な請負契約を避けて複数の個別契約に分割して影響を極小化する、あるいは部分的に検収を受ける、仕様追加や変更に対して追加受注を受ける等の方針を採用しております。
但し、一部のプロジェクトについては、そのプロジェクトの内容・規模により請負契約を行う場合もあり、このような場合には、受注時点で想定した見積工数や開発期間を超過する可能性があります。そのため、請負契約を締結する場合には、顧客への見積提示前に品質監理部による見積会議において契約の妥当性を検証することにより、受注時の見積精度の向上を図るとともに、週次での事業本部による進捗会議に加えて、品質監理部による品質確保のための施策を行ってプロジェクトの進捗管理及び工程管理の徹底を図っております。また、月次の業績を点検する会議(業績点検会議)において、主にプロジェクトの採算面からの管理も実施しております。
しかしながら、見積時点では想定できなかった事態の発生等により見積りと実績が乖離した場合には、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、そうした事態が生じた場合、納期遅延の要因となり、債務不履行による損害賠償請求、契約の解除等につながるおそれがあるとともに、信用が損なわれ競争力が低下する可能性もあります。
さらに、システム構築に際してはシステム上の不具合等の発生を完全に防止することは困難であることから、当社グループの責任において不具合等を治癒するための追加的なコストが発生した場合、顧客の既存システムに影響を与えるようなシステムトラブル等が生じた場合、開発スケジュールや検収タイミングが遅延した場合及び債務不履行責任や契約不適合責任等の法的責任を負う場合等にも、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② デファクトスタンダード製品への依存度が高いことについて
グローバルなデファクトスタンダード(事実上の業界標準)のプラットフォームをベースにソリューションの提供をしております。クラウドソリューション事業において、Salesforce.com社やMicrosoft社が提供するクラウドサービスなどを中心に展開しております。デジタルソリューション事業においては、SAS社のデータ分析ツールなど、また、ビジネスソリューション事業では、SAP社のERPパッケージに係わるサービスを中心に展開しております。これらのプラットフォームが長期間に渡り市場占有率の高いものであると認識しておりますが、この状況が今後も継続される保証はありません。何らかの事情により、その優位性若しくは競争力が低下した場合、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 保守及び運用サービスにおけるリスクについて
プラットフォーム運用サービス事業は、当社グループの従業員等が顧客企業のシステム等の運用に関する各種要望に対応する業務であります。当該業務は一旦受注すると業務の性質上、継続受注する傾向にありますが、顧客の方針変更により契約内容が変更となる、あるいは何らかの理由により顧客との契約が終了する等した場合には、一時的に余剰人員が発生し、固定費負担が経営成績を圧迫する可能性があります。また、従業員等がオペレーションミス等で誤った処理を行った結果、顧客に損害が発生した場合には当社グループがその損害を負担し、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 法的規制等の影響について
当社グループが行う事業に関しては、「特許法」、「商標法」、「著作権法」、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」(以下「労働者派遣法」といいます。) 、「下請代金支払遅延等防止法」、「個人情報の保護に関する法律」及びその他関連法令の規制を受けております。また、主に人材を活用する事業であることから、「労働基準法」及び関連法令の遵守にも特に留意する必要があります。これらの法的規制は、社会状況の変化等に応じて、今後も適宜改正ないし解釈の変更等がなされる可能性があり、これらに的確に対応できなかった場合には、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、事業の契約形態には請負契約、準委任契約、および労働者派遣契約が存在しますが、現状では請負契約と準委任契約が大部分を占めております。請負契約は仕事の結果に責任を負うことになり、成果物についての契約不適合責任や製造物責任の追及を受ける可能性があります。請負契約と労働者派遣契約との違いを踏まえて適切な体制を整備するよう努めておりますが、請負により行われる事業と労働者派遣事業の区分に関する監督官庁による解釈等が変更された場合には、運営体制を変更する必要等が生じ、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 情報管理について
個人情報や顧客の機密情報を取扱う場合があります。顧客情報管理に関しては、秘密保持を含めた契約の締結及び情報管理を実践し、社員の入社時と毎年、秘密保持等に係る誓約書提出を義務付けし、各部門、個人毎に情報管理・指導を徹底しております。また、2004年2月に社団法人情報サービス産業協会の認定のもと「プライバシーマーク」の使用許諾を受け、2024年2月の定期更新でも合格認定を得ております。このように情報漏洩を未然に防ぐ措置を講じるよう努めておりますが、何らかの要因で顧客企業の情報や個人情報が漏洩した場合、信用失墜や損害賠償請求により、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 優秀な人材の確保について
事業運営に当たっては、経営資源としての優秀な人材の確保が必要不可欠なものと認識しております。現在の流動的な労働市場の中で、必要な人材の採用と人材育成に努めております。また、ビジネスパートナー制度を採用し、業務の一部を外注先に委託しており、総製造費用に占める外注費の割合は2024年3月期においては51.4%、2025年3月期においては49.8%となっております。今後、必要とする優秀な人材を採用できない場合や多くの退職者が生じた場合並びに当社グループが求める技術レベルを満たす外注要員がタイムリーに確保できない等の場合には、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 大規模な自然災害や感染症に関するリスクについて
大規模な地震、台風等の自然災害により、当社グループや顧客の建物、設備並びに従業員が被災した場合、或いは、インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症が流行した場合、従業員による出勤や業務遂行に支障が生じ、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、これらの自然災害や感染症の拡大が国内景気の動向や顧客の業績に影響する場合には、顧客のIT投資が抑制され、新規プロジェクトの減少や既存プロジェクトの規模の縮小等により、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ M&A及び資本業務提携について
M&A及び資本業務提携(以下、「M&A等」といいます。)を主要な経営戦略の一つと考えております。
M&A等を実施する場合、外部の専門家を利用して、デューデリジェンス及び株価算定を実施しております。これらの作業によって得られた情報を参考とし、また、被取得企業との協業によるシナジー効果も勘案して、取得原価を含む契約の諸条件を協議・検討したうえで、最終的に取締役会において契約内容の審議・承認を行っております。さらに、必要に応じて、外部の専門家を利用して、企業結合時に被取得企業から受け入れた識別可能資産及び負債に対する取得原価の配分作業を実施し、のれんの計上額を決定しております。
このように、M&A等の実行に際しては、対象企業に対してデューデリジェンス等を行い、各種リスク低減に努めておりますが、当初想定したシナジー、事業拡大等の効果が得られない可能性及び経営環境や事業の状況の著しい変化等により対象企業の超過収益力が棄損して経営成績が想定どおり進捗しない可能性等があります。その場合、のれんの減損損失等、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 経営成績の季節的な変動について
経営成績は、顧客の業績変動による影響を受けます。また、顧客のIT投資予算の規模・予算の消化スケジュールの影響も受けます。このため、売上高は、上半期に比較して下半期の割合が高くなる傾向があります。ただし、下半期の売上高が当該期の上半期の売上高を上回る保証はありません。また、販売費及び一般管理費のほとんどの科目が毎月ほぼ均等額が発生すること、新卒採用者の受け入れにより、上半期は不稼働時間の発生や研修費用の発生等で固定費が増加することから、経常利益も、上半期に比較して下半期の割合が高くなる傾向があります。
(注) 下半期の数値は、通期の数値より上半期の数値を差し引いたものであり、独立監査人による監査を受けておりません。
(3) 知的財産権について
他者が保有する知的財産権を巡る重要な法的紛争が生じた事実はありません。知的財産権に十分留意しながら事業を行っておりますが、今後、知的財産権を巡る法的紛争が発生する可能性があります。何らかの理由から当社グループが法的紛争の当事者となった場合、損害賠償や差止請求を受ける可能性、紛争相手の主張に理由があると否とを問わずその紛争解決に多大な時間と費用を要する可能性及び今後の事業戦略や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
また、連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
企業経営において、デジタル技術を駆使した戦略的な業務改革が重要視されており、デジタル領域への投資がますます増加しています。従来のシステムインテグレーションに加え、生成AIやローコードツールを活用したシステム開発の内製化支援やシステム運用業務のアウトソーシングなど、お客様のニーズは多様化し、拡大しています。
当社グループはこの潮流を長期的な成長機会と捉え、お客様のデジタル化を支援するだけでなく、当社自身の変革を目指す「コムチュア・トランスフォーメーション(CX)」を推進しています。2032年3月期に売上高1,000億円を目指すための戦略として、グローバルベンダー各社との連携強化を主軸に、当社独自のテンプレートやソリューションを付加価値として組み合わせて提供し、お客様のビジネスモデル変革の担い手として事業活動を進めています。
そのために、「コンサルティング本部」を「コンサルティング事業部」としてさらに強化し、提案力の向上とビジネス機会の創出に注力しています。これにより、既存のお客様向けのクロスセル提案に加え、新規のお客様の開拓活動を進めています。
市場環境が好調な一方で、エンジニアの確保が最優先課題です。中でも社員の待遇の向上は重要な課題の一つであり、前連結会計年度は平均8.1%、当連結会計年度も平均5.0%の昇給を実施しました。また、社員のエンゲージメント向上のため、人事制度の改定にも取り組みました。スペシャリスト向けのキャリアパスの新設、研修体系全体の拡充、貢献度やスキルに応じた報酬体系の導入などを通して、社員が自己成長を具体的に感じられる環境を整備しました。さらに、社員の健康と働きやすい職場環境の実現に向けた取り組みを推進し、「健康経営優良法人認定制度」において「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」の認定を取得しました。これらの取り組みの結果、エンゲージメントサーベイの「研修制度の充実度」のスコアが前年同期比で大きく向上し、退職率は5.5%と前年同期比で3.1ポイントの大幅な改善となりました。
人材採用面では、2024年4月に196名、2025年4月に192名の新卒社員を迎え入れ、2026年4月入社予定の新卒社員も最大200名の計画で採用を進めています。また、キャリア採用もエージェントとの連携やリファーラル採用の取り組みにより前年同期比で大きく増加しています。
さらに、エンジニアの価値向上のための人材育成にも注力しています。新卒社員に対しては4月から6月の3か月間を育成期間として集中的な研修を実施しています。また、前連結会計年度に引き続き、既存社員のマルチスキル化やスキルチェンジのためのリスキリングにも取り組んでいます。これらの研修には、グループ会社のIT研修会社であるエディフィストラーニング社のプログラムを活用し、全社的な人材育成を推進しています。さらに、協力会社との戦略的な強化、特に主要な協力会社のコアパートナー化を進めることで、即戦力となるエンジニアの優先的な提供体制を構築しています。
エンジニアの確保に加え、新しい事業領域への取り組みも進めています。生成AIはその一つです。日本マイクロソフト社と連携し、同社の生成AIであるMicrosoft Copilotの研修サービスを展開しており、当連結会計年度には約6,000名の方を集客しました。研修では、企業の意識改革や活用方法の学習を支援し、その後、SEによる業務への生成AIの組み込みと定着化をサポートしています。また、グループ全体でも生成AIを活用し業務改善を進めており、そのノウハウを導入支援や研修サービスを通じてお客様に提供しています。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は以下のとおりとなりました。
(百万円)
売上高は、デジタル関連ビジネスへの更なるシフト、プラットフォーマーやツールベンダー各社との連携の強化による営業活動の推進、金融関連の需要の増加に加え、キャリア採用の回復や退職率の改善、協力会社のエンジニアリソース増加などにより、前年同期比で6.3%の増収となりました。
売上総利益は、昇給や社員数の増加に伴う労務費の増加に加え、育成強化による新卒社員の研修コストも発生しましたが、成長領域へのシフトやサービス品質・生産性の向上などによる一人当たり売上高の伸長に加え、協力会社の稼働人数の増加もあり、前年同期比で4.9%の増益となりました。
営業利益は、グループの事業連携強化のためのオフィス集約に伴うコスト増加や、社員エンゲージメント向上のための全社イベントの開催費用、育成のための研修費用など人的資本投資が増加したことで、前年同期比で0.7%の増益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比で0.8%の増益となりました。
企業経営の健全性の指標である自己資本比率は72.1%となり、健全性の高い経営を実践しております。
事業別の業績についてですが、当社の事業は以下の5つの区分です。
事業別の売上高と売上総利益の状況は、以下の通りです。
クラウドソリューション事業は、日本マイクロソフト社などのベンダー各社との連携により、大手企業を中心とした社内の情報系システムのクラウド化、業務プロセスのデジタル化に向けたコンサルティング、ローコード開発ツールによる社内システム構築などの需要の増加により、売上高、売上総利益ともに増加いたしました。
デジタルソリューション事業は、データ分析ビジネスの拡大や、大量データを蓄積する環境構築などのデータマネジメントビジネスの拡大、クラウド環境の構築の需要の増加などにより、売上高、売上総利益ともに増加いたしました。
ビジネスソリューション事業は、SAP関連ビジネスの継続的な伸長、官公庁関連でのSAP周辺開発案件の拡大、金融関連のお客様向けのフロントシステム開発や業務の自動化の需要の増加などにより、売上高、売上総利益ともに増加いたしました。
プラットフォーム・運用サービス事業は、システム運用業務のアウトソーシングやセキュリティサポートなどの需要の増加により、売上高、売上総利益ともに増加いたしました。
デジタルラーニング事業は、Microsoft(AIなど)関連の研修需要の増加、研修運営アウトソーシングビジネスの伸長、講師の稼働率と価格の向上などにより、売上高、売上総利益ともに増加いたしました。
(百万円)
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
各種システムのコンサルティング、構築、保守、運用及び教育に係るサービスの提供を行っており、生産実績を定義することは困難であるため記載しておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 当社グループの事業は単一セグメントであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 当社グループの事業は単一セグメントであります。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて2,168百万円増加し、25,611百万円となりました。これは主に、償却によりのれんが338百万円減少した一方で、税金等調整前当期純利益の増加等により現金及び預金が757百万円、新基幹システム導入作業によりソフトウエア仮勘定が748百万円、売上高の増加等により受取手形及び売掛金が600百万円、大阪事務所の移転等により建物(純額)が194百万円、それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて505百万円増加し、7,143百万円となりました。これは主に、一部連結子会社の退職給付制度終了による退職金支給等により退職給付に係る負債が335百万円、社会保険料等の支払により未払費用が124百万円、それぞれ減少した一方で、課税所得の増加により未払法人税等が366百万円、従業員の貢献に報いるために賞与引当金が314百万円、見積りの変更等により資産除去債務が136百万円、売上原価の増加等により買掛金が105百万円、それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて1,662百万円増加し、18,468百万円となりました。これは主に、剰余金の配当1,514百万円を上回る親会社株主に帰属する当期純利益3,160百万円を計上したことによるものであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて757百万円増加し、12,881百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果獲得した資金は3,194百万円(前年同期比6.7%減)となりました。これは主に、法人税等の支払額が1,191百万円、売上債権の増加額が600百万円、退職給付に係る負債の減少額が335百万円、未払費用の減少額が124百万円あった一方で、税金等調整前当期純利益が4,586百万円、のれん償却額が338百万円、賞与引当金の増加額が314百万円、減価償却費が168百万円、仕入債務の増加額が105百万円あったことによるものであります。
投資活動の結果使用した資金は923百万円(前連結会計年度は449百万円の獲得)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出が698百万円、有形固定資産の取得による支出が211百万円あったことによるものであります。
財務活動の結果使用した資金は1,512百万円(前年同期比22.5%減)となりました。これは主に、配当金の支払額が1,512百万円あったことによるものであります。
資本の財源及び資金の流動性については、当連結会計年度末において総資産のおよそ50.3%の手元資金を保有していることから、十分な財源及び高い流動性を確保していると考えております。なお、本報告書提出日現在において、重要な資本的支出または重要な買収等の予定はありません。
(取得による企業結合)
2025年3月19日開催の取締役会において、株式会社ヒューマンインタラクティブテクノロジーの発行済株式の全てを取得して連結子会社化することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
(連結子会社の吸収合併について)
2024年10月16日開催の取締役会において、2025年4月1日を効力発生日として、当社を存続会社、当社の連結子会社であるタクトシステムズ株式会社を消滅会社とする吸収合併をすることを決議し、同日付で吸収合併契約を締結いたしました。詳細は、「第5経理の状況 2財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
特記すべき事項はありません。