第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、企業理念「美道五原則 髪・顔・装い・精神美・健康美」に基づく事業の拡大を図るとともに、事業を通じて社会課題の解決へ向けた貢献を目指しております。  

この基本方針のもと、2024年5月に「中期経営計画~Tsunageru2027~」を発表し、当社グループの果たすべき使命であるミッションを「豊かさと彩りあるライフスタイルを創造し続けます」とし、さらに、2030年をゴールとしたビジョンを「従業員が投資したくなる会社へ」と定めました。当社が持続的な成長をしていくためには、お客様から選ばれ続ける会社でなければなりません。その前提として、日々、お客様やお取引先様と接し、当社の状況を一番理解している従業員が、まず、投資したくなるような会社にならなければならないという思いが、このビジョンに込められております。

 

(2)当社のビジネス成長モデル

当社グループは、これまでも企業理念である美道に基づき、対象企業と従業員全員を受け入れる友好的な「Win-WinのM&A」を数多く成功させてきた事業投資会社であります。本中期経営計画期間においては、独自の技術やノウハウを持ち国内外の経済を支えつつも、後継者不足等に課題がある中小企業を対象とする、「事業承継型M&A」を積極的に推進してまいります。この「事業承継型M&A」においては、これまでのPMIの成功実績で培ってきた知的資産を活かし、経営管理面を全面的にバックアップいたします。対象会社が営業活動により専念し、持てる強みを最大限に発揮することで、当社グループとしての企業価値を向上させてまいります。

 

(3)中期経営計画の進捗状況

中期経営計画の初年度となる2025年3月期については、重点取り組み事項である「既存事業の収益安定化」策に注力し、各セグメントに応じて推進した施策が着実に機能した結果、計画を概ね達成することができました。

2年目となる2026年3月期においては、着実に成長軌道に乗せることを目指し、事業ポートフォリオの最適化を一層推進してまいります。既存事業の安定的な強化を図るとともに、ライフスタイル関連領域における新規事業の開拓を進め、さらなる成長に向けた収益基盤の構築と価値創造に取り組んでまいります。

これに伴い、前期に重点取り組みとして掲げていた「既存事業の収益安定化」は、中長期的視点での「事業ポートフォリオの最適化」へと再定義いたします。「人的資本をより活かす経営」及び「資本コストや株価を意識した経営」に関する取り組みについては、継続して推進してまいります。事業ポートフォリオの最適化を進めていく上で、必要となる人財力の強化に取り組むとともに、投資家との対話の拡充や情報発信力の向上を通じて、成長期待感の醸成につなげてまいります。

なお、2026年3月期においては、中期経営計画に沿った成長戦略の実行及び進捗の適切な管理・評価を行う観点から、報告セグメントの変更を行います。前期まで4つ及び「その他」に分かれていたセグメントを、「ニューバリューセグメント」と「コアバリューセグメント」の2つに再編し、それぞれの役割と戦略を明確化いたします。

「ニューバリューセグメント」については、当社の成長を牽引する領域と位置付け、2020年以降に開始した教育・リユース・フォト事業を対象とし、積極的な投資と事業拡大を進めてまいります。今後はさらに、成長ポテンシャルを有する新たな領域への投資を視野に入れ、継続的な事業拡大を目指します。

「コアバリューセグメント」については、安定した収益を担う既存事業群(和装宝飾、美容、ライフプラス(旧DSM)、リユース事業を除くその他の事業)と位置付け、成熟市場における効率化を進めるとともに、利益の安定化とキャッシュ・フローの最大化を図ってまいります。

 

(4)2026年3月期重点取り組み

中期経営計画の2年目にあたり、計画実現に向けた重要な時期と位置付け、経営基盤のさらなる強化を図るべく、以下の重点取り組みを対処すべき課題として、グループ一体となって取り組んでまいります。

 

事業ポートフォリオの最適化

新たに再編した戦略的セグメント体制のもと、それぞれの事業において競争優位性の強化に取り組み、持続的な企業価値の向上を目指します。各事業領域における商品力・サービス力の向上を図るとともに、当社グループの特徴である多様な業種展開を活かし、事業間の連携を深化させることで、シナジーの最大化を推進してまいります。更に、当社のビジネス成長モデルである「事業承継型M&A」を通じて、地域経済を支える中小企業との競争パートナーシップを推進し、事業ポートフォリオの戦略的拡充を図ってまいります。M&Aの実行後は、着実なPMIを推進し、グループ入りした会社の強みを更に引き出すことで、当社グループ全体としての競争力と企業価値のさらなる向上につなげてまいります。

 

 

人的資本をより活かす経営

  当社グループには、創業以来培ってきた顧客ネットワークと、そこに蓄積された豊富なノウハウがあります。これを最大限に活かすため、人財力の強化及びナレッジの共有による生産性向上を図ってまいります。具体的には、成長を支える人財の採用及び育成を推進するとともに、次世代マネジメント人財の計画的な育成を進めてまいります。また、従業員のモチベーションを高める制度や環境の整備にも注力し、企業としての持続的な成長を支える人的資本の最大活用を目指してまいります。

 

③資本コストや株価を意識した経営

  当社グループは、株主からの資金及び金融機関からの借入金を活用して事業を運営しており、その調達コストを上回る利益を安定的に生み出すことが、株主価値の向上には不可欠であると認識しております。こうした認識のもと、投資家との接点拡大に向けたIR活動の強化や、経営へのフィードバックを促す建設的な対話の推進、市場の理解促進を目的とした情報開示及び発信力の向上に取り組んでまいります。これらの施策を通じて、収益性の改善、資本効率の向上、並びに株価水準の持続的な向上を実現してまいります。

 

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループは、“持続的成長に向けた「経営基盤のさらなる充実」”を目標に据えるとともに、“人財投資によるGoodサイクルの実現“を目指しております。

当社グループは、ご縁を持つ皆さまとともに持続的に成長するために、サステナビリティ経営の視点を事業の成長戦略に取り入れ、企業価値の向上を図ります。

当社グループは、企業に求められる法的責任、経済的責任、社会貢献を重視し、中長期的な視点で持続的な成長に繋げます。

当社グループの最大の財産は「人」であり、当社グループの今を支え、これからの持続的な成長の源泉である「人財」の多様性をより一層奨励します。

 

◇ガバナンス

 <サステナビリティ推進体制>

当社グループでは、人的資本をはじめとする、企業の持続的成長に係る課題への全社的な取り組みを推進するため、サステナビリティ委員会を設置しております。委員長は代表取締役社長が務めております。また、同委員会は、管理部門担当取締役の他、社外取締役(非常勤)、社外監査役(非常勤)及び委員長が指名した役職員で構成されております。

同委員会では、取締役会に対して、サステナビリティに係る基本方針、指標や目標、施策等の企画・立案・提言を行うとともに、施策の実施状況や目標の達成状況のモニタリング、社内外への周知活動等を行います。

取締役会は、サステナビリティに関する重要な事項についてサステナビリティ委員会から定期的に報告を受け、必要に応じて指示や助言を行うことで、ガバナンスを機能させる体制としております。

 

◇戦略

  人的資本に関する取り組み

 

 当社グループでは、中期経営計画の実行に当たっては、適切なタイミングで必要な人財を採用すること、及び個々人の能力が適切に発揮できる環境を整備することが重要と考えております。そのため、当社グループでは、推進する人的資本に関する取り組みと、中長期の事業戦略における取り組みを一体的にとらえ、以下の「人的資本経営方針」を定めるとともに、それに基づく基本戦略として「人財育成方針」及び「社内環境整備方針」を規定しています。

また、経営戦略に則った人事戦略や組織づくりを統括する「グループ横断の人事機能の強化」を図ることで、従業員個人のキャリア形成を促進する職場環境の整備を実施してまいります。

 

<人的資本経営方針および基本戦略> 

人的資本経営方針 

当社グループは、お客様への新たな価値を提供し続けるために、多様な社員一人ひとりが、個々の能力を十分に発揮し、それぞれの部門で活躍できるよう取り組みます。

人財育成方針  

当社グループは、国籍、性別、年齢等を問わず、多様な社員の一人ひとりに公平に必要な能力開発の機会を提供するとともに、公正な評価と支援を行い、さらなる成長機会を創造します。

社内環境整備方針  

当社グループは、社員一人ひとりの多様な個性や志向を尊重し、個々人が仕事と生活の調和を図りながら、安心して十分に能力を発揮し活躍できるような環境や風土の整備に取り組みます。

 

 

また、上記の基本戦略に基づき、6つのテーマごとに人的資本経営に関する中期的課題、指標および目標を、次の通り設定します。 

 

<テーマ>           <主な中期的課題>

①人財確保           ・競争優位性の為の専門人財の確保  

                ・事業拡大を支える働き手の多様性・柔軟性の推進  

 ②人財育成          ・新入社員の早期育成  

                ・マネジメント人財の充実 

 ③ダイバーシティ推進     ・DE&Iの推進に向けた具体的な施策の立案・実行  

 ④エンゲージメント向上    ・従業員満足度、働きがいの向上  

                ・仕事と生活の調和が取れた働きやすい職場づくり 

 ⑤健康経営          ・社員の心と身体の健康づくり支援  

                ・長時間労働の是正や有給休暇の取得促進

 ⑥労働慣行とコンプライアンス ・法令、規程等の遵守  

                ・主体性に職場環境改善に取り組む組織風土づくり

 

 ①人財確保に関する取り組み

 当社グループにおいては、競争優位性確保のため、既存事業および事業拡大に対応した多様な人財を十分に確保していくことが重要な課題であると考えております。とりわけ当社グループでは、全国で約300カ所の店舗展開を行っており、美容室における技術職(スタイリスト)、学習塾における教務職(教室長・講師)、和装宝飾店舗における営業職(専門販売員)、本社部門における事務職など、必要とする人財は多岐にわたります。

当社グループが属する小売・サービス業は、人財流動化の波が大きい業種であることから、お客様へのサービス品質の維持・向上に併せて、各店舗の特性(業務内容・地域)に応じた競争優位性の確保のためにも、人財の確保は重要な取り組みと認識しております。

 

②人財育成に関する取り組み

 当社グループの中期経営計画の推進にあたっては、背景にある当社の企業理念や経営戦略を理解して行動できるマネジメント層および中堅若手幹部候補の人財育成強化が必要であると認識し、グループ全体で役職者研修を実施するなど各事業部門にて行う業務・専門教育にとどまらない人財開発に努めております。そのほか、社員の能力の最大化につながる体系的な研修制度の導入を検討してまいります。

 

③ダイバーシティ推進に関する取り組み 

当社グループの事業を取り巻く環境変化や社会経済状況の変化に迅速かつ柔軟に対応し成長を続けるためには、異なるバックグラウンドを有する人財の多様な視点や価値観を経営に取り入れ、事業創造やサービス変革を進めることが有用であると考えております。  

とりわけ当社グループでは数多くの女性社員が在籍し、当社においては女性社員比率が71.0%、女性管理職比率は17.1%、店長級を含めた女性準管理職は18.0%を占めており、それぞれの所属部門において素晴らしい成果を上げ、会社の成長や発展、企業価値向上に貢献しております。

当社グループではこれまでに、育児・介護休業制度や、リ・エントリー(再入社希望)制度、短時間正社員制度など、女性が働き続けやすい、女性が仕事を通じて活躍しやすい環境づくりに取り組んできましたが、より一層、人生の幸せと仕事のやりがいの両立が実現できる環境を整備し、性別に関係なく積極的にキャリア形成を目指すことのできる社内体制構築に取り組んでおります。

 

 ④エンゲージメント向上に関する取り組み  

社員一人ひとりが主体的に仕事に取り組み、能力を最大限発揮するためには、経営理念やミッション・バリュー、事業活動への理解といった企業の成長に加えて、個人の成長を促進しやすい組織体制の強化が必要であると認識しております。そこで、グループ全体で毎月退職理由の統計を取り、採用した人財が長きに渡って能力発揮できるよう、業務プロセスの改善や人事評価制度・育成内容のブラッシュアップなどを行っています。

  また、当社グループでは、取締役および執行役員に対する業績連動型株式報酬制度の運用や、全従業員に対する

 従業員持株会の奨励支援制度の運用を通じ、社員の資産形成サポートを行うと同時に、経営参画意識の醸成にも役

立てております。

このほか、業務を円滑に遂行するためには社員同士の相互理解や交流機会を促すことも有益であるとの考えか ら、タウンホールミーティングや座談会の開催など、社内コミュニケーション活性化に向けた取り組みの検討を行ってまいります。

 

 ⑤健康経営に関する取り組み  

社員一人ひとりが心身ともに健康で、何事にも情熱をもって挑戦し続けられるよう、安心して働ける環境を整備するため、健康診断やストレスチェック、特定保健指導やインフルエンザワクチン接種補助等のヘルスケアサービスを提供し、社員が心身の健康状態を保ち、能力を最大限発揮できる環境整備に努めております。  

 また、仕事と生活の調和が取れたメリハリのある働きやすい職場づくりを目指し、長時間労働の是正や有給休暇の取得促進にも取り組んでおります。 

 

⑥労働慣行とコンプライアンスに関する取り組み  

 採用・育成した人財が持てる能力を最大限に発揮するためには、信頼関係に基づき、より良い職場環境づくりに継続して取り組む組織風土が重要であると考えております。  

 当社グループでは、コンプライアンス・マニュアルの配布やコンプライアンス通信の定期発行によって、不正や法令違反等の行為を許さない経営メッセージを伝えるとともに、グループ役職員の行動規範を規定し、健全な組織風土の理解浸透に取り組んでおります。また、コンプライアンス委員会を設置し、当社グループにおけるコンプライアンス関連の重要事項の審議、社内の啓蒙・教育等の施策に係る事項を取り決めております。役職員の業務執行状況については、内部監査室が内部監査規程に基づき、業務が適法に運営されていることを監査しております。併せて、不正や違反等の早期把握と解決を図るための内部通報制度の積極的な活用啓蒙に努めており、通報への相談事案を踏まえた職場環境の整備改善に取り組んでおります。

 

◇リスク管理

当社グループでは、サステナビリティに係るリスク・機会が事業活動や収益等に与える影響を把握し、適切に対応するためサステナビリティ委員会において、情報共有およびディスカッションを行っております。

特定したリスク・機会に対しては、関係部門と連携しながら具体的な対応策や目標を事業戦略に反映し、サステナビリティ委員会にて進捗状況の管理やリスク・機会の再評価を行います。また、その内容を定期的に取締役会に報告することで、継続的な情報収集とリスク管理に努めます。

 

人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標

 

既存社員のスキル向上を目指し、事業や組織の中核を担う役職者育成の強化や、それぞれの社員が自立的に業務やキャリア形成に向き合うことができる環境の提供に努めてまいります。

目標:

・DE&Iの推進に向けた障がい者雇用の推進および入社後のフォロー体制の強化

・DE&Iの推進に向けたLGBTQ+の理解促進研修の実施

・グループ内人事担当者同士のナレッジ共有

・定期的なキャリア面談を通じた個別支援の継続

・サクセッションプランの継続

・人事制度の刷新

 

実績:今期立案した目標に対する実績を来期掲載いたします。

 

その他実績については「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」をご参照ください。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 業績変動のリスク

 当社グループの事業は成熟産業に属しており、特に和装品、宝飾品につきましては、高額品のため顧客にとって当社グループの商品を購入することは、多くの場合必要不可欠とは言えません。また、当社グループのターゲット市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。そのほか、消費性向及び商品トレンドの変化により売上高の減少、台風などの気象状況、地震による災害により、売上を見込んでいる時期の業績が伸び悩み、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 法的規制について

当社グループの一部の事業は、和装品、宝飾品、健康関連商品等の訪問販売を行い、「特定商取引に関する法律」の規制を受けており、当社グループとして法令遵守を徹底しております。将来、訪問販売に関する規制を強化するような法改正が行われる等により、家庭訪問による販売体制の効率性を維持できなくなった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 顧客情報の管理について

当社グループは、商品・サービスの販売の過程において多くの顧客情報を取り扱っております。当社グループといたしましては、社内教育による啓蒙や顧客情報の閲覧及び出力について制限を強化するなどのIT統制により、顧客情報管理の徹底に努めておりますが、顧客情報の流出により問題が発生した場合、将来的な事業展開、経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 金利市場の変動について

当社グループは、銀行借入等の有利子負債による資金調達を実施しており、金利情勢、その他金融市場の変動による金利市場の変動の影響を受けております。その結果、当社グループの業績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

⑤ M&A等の投資について

当社グループは、M&Aによる事業拡大を重要な成長戦略のひとつとして位置づけております。

M&Aを行う際には、対象会社の財務内容や契約関係等について、詳細なデューデリジェンスを行い極力リスクを回避するよう努めておりますが、M&Aを実施した後に、偶発債務や未認識債務が発生する可能性が考えられます。また、買収時に発生するのれん等については、その超過収益力の効果が発現すると見積もられる期間にわたり償却を行う必要があります。今後、新たにのれんが発生し、その償却費用が増加する可能性があり、また、対象会社の業績が大幅に悪化し、将来の期間にわたって損失が発生する状態が継続すると予想される場合には、減損処理を行う必要が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 感染症拡大によるリスクについて

当社グループは、日本国内のほぼ全域において小売店舗を設け、事業活動を展開しております。感染症の拡大(パンデミック)が国内において発生した場合、小売店舗が閉鎖される等、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当期における国内経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、不安定な国際情勢に伴う原材料価格の高騰や為替変動による物価上昇に加え、深刻な人手不足に起因する人件費の上昇が続き、景気の先行きは依然として不透明な状況が続きました。

このような経営環境のもと、当社グループは2024年5月に当社グループの果たす使命(ミッション)を「豊かさと彩りあるライフスタイルを創造し続けます」とし、2030年をゴールとするビジョンを「従業員が投資したくなる会社へ」と定めました。このビジョン実現に向けて「中期経営計画~Tsunageru2027~」を策定し、2025年3月期からの3年間を経営基盤のさらなる充実を図る期間と位置付けました。本計画では、①人的資本をより活かす経営、②既存事業の収益安定化、③資本コストや株価を意識した経営を重点取り組み事項とし、各施策を開始しました。初年度である当期においては、最終利益の黒字化を目標として掲げ、特に「既存事業の収益安定化」に注力し、重点施策として「営業体制の最適化」「不振事業の構造改革」「伸長事業の盤石化」に取り組みました。

 

当連結会計年度の連結業績については、各セグメントの状況に応じて取り組んだ施策が着実に機能した結果、全セグメントにおいて収益性が改善したことで増収増益を達成し、最終利益の黒字化を実現しました。

連結売上高については、収益安定化施策の一環で進めた不採算店舗の閉鎖や拠点統廃合の影響で、美容事業、DSM事業は減収となったものの、2023年12月にグループ入りした学習塾を運営する株式会社灯学舎の寄与により、教育事業が前年比26.3%と大きく伸長し、139億64百万円(前期比0.9%増)となりました。

損益面については、各重点施策の進展により全セグメントで前年実績を上回った結果、EBITDAは3億68百万円(前期比66.7%増)、営業利益は2億56百万円(前期比153.9%増)、経常利益は2億36百万円(前期比131.4%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、投資有価証券評価損の計上があったものの、41百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失28百万円)となりました。

 

セグメント別の業績は、次のとおりです。

 

・美容事業

美容事業においては、営業資源の有効活用に向け不採算店舗の閉鎖を進めたことで、前年比で8店舗減少しました。また、出店エリアの顧客層の変化に対しては、多様なサロン形態を有する強みを活かし、2024年5月に2店舗目となる店舗業態転換を実施したほか、独立志向の従業員に対してはFC化を提案する等、営業体制の最適化に取り組みました。以上の結果、売上高は17億76百万円(前期比8.0%減)となりました。損益面については、不採算店舗の閉鎖による固定費の削減、一人当たり生産性の向上を目指した現場オペレーションの改善等を進めた結果、セグメント利益は25百万円(前期比310.6%増)となりました。 

美容事業では、引き続き、社員教育の強化による一人当たり生産性の向上、付加メニュー提案強化等によるサ ービス単価の向上、出店エリアの顧客特性に合わせた店舗業態への転換やFC化等を引き続き推進していくことに加え、美容事業子会社である株式会社ヤマノプラスを当社に吸収合併を行う予定であり、この事業再編によって、人材の相互交流、商品・サービス提供力の向上など和装宝飾をはじめとした他事業とのシナジーを強化し、また管理業務の効率化を推進し、より一層の収益安定化を図ってまいります。

 

 

・和装宝飾事業

和装宝飾事業においては、着物のメンテナンスサービスの強化や展示販売会における集客強化等に注力した結果、堅調に推移しました。また、納品の遅れという課題については、納品の進捗管理体制の見直し等を行うことで徐々に解消され、第4四半期に商品の引渡しが集中した際も、計画通りに対応することができました。

売上高については、営業資源の有効活用に向け不採算店舗の閉鎖等により店舗数は10店舗減少しましたが、各店舗における販売施策が奏功し1店舗当りの平均売上高が上昇した結果、95億82百万円(前期比0.0%増)となりました。損益面については、新規顧客獲得に向けたキャンペーン施策が想定以上に好調だったことで粗利率がやや低下したものの、不採算店舗の閉鎖により固定費削減等が寄与し、セグメント利益は1億81百万円(前期比30.5%増)と大きく改善しました。

和装宝飾事業では、時代に沿った店頭商材の強化や「前楽結び着方教室」の開催を通じて、着物ファンの拡大 を推進しております。また、各店舗や各エリアにおいては「きもの会」を企画し、お客様が着物を着て楽しむ機会を積極的に提供しております。引き続き、お客様へのソフトと価値の提供を強化し顧客満足度の向上を図ってまいります。

 

・DSM事業

DSM事業においては、販売員や顧客の高齢化等により依然厳しい状況が続く中、拠点の統廃合を実施した影響や販売員稼働数の低下等もあり、売上高は8億34百万円(前期比4.0%減)となりました。一方、損益面では拠点統廃合による固定費の削減、コスト管理の更なる強化等を進めた結果、セグメント損失は31百万円(前期はセグメント損失49百万円)と改善いたしました。

DSM事業では、引き続き、顧客数を増やすための紹介キャンペーンの実施や休眠顧客の深耕開拓、さらに提案商品や動員企画の見直し等を図ることで販売員稼働数の向上に繋げるとともに、運営体制の効率化を図り収益改善に努めてまいります。

 

・教育事業

教育事業においては、株式会社マンツーマンアカデミー及び東京ガイダンス株式会社が前期に引き続き順調に推移いたしました。加えて、2023年12月に教育事業の3社目として新たにグループ入りした株式会社灯学舎が期初より寄与したことにより、売上高は14億53百万円(前期比26.3%増)と伸長しました。損益面については、既存2社が順調に推移し、コスト管理の適正化が図られ、セグメント利益は1億23百万円(前期比30.2%増)と大幅に増加し、事業の盤石化が進展いたしました。

教育事業では、「スクールIE」のブランド特色を活かし他社差別化を図るとともに、キャリアアップ研修の充実やさまざまな育成プログラム等を推進し、社員育成の仕組み化に注力しています。また、オンライン教育の充実を推進し、さらなる顧客満足度向上に繋げ、安定的な収益確保に努めてまいります。

 

・その他の事業

その他の事業については、株式会社ヤマノセイビングの前払い式特定取引業による手数料収益、一般社団法人日本技術技能教育協会の着物着付け教室の運営収益、及びリユース事業を営む株式会社OLD FLIPの収益が含まれています。売上高については店舗販売の増加により、売上高は3億18百万円(前期比3.7%増)となりました。損益面については株式会社OLD FLIPにおいて、収益改善に向けた構造改革を進めた結果、売上総利益率の改善、固定費の削減等により、セグメント損失は23百万円(前期はセグメント損失69百万円)と大きく改善いたしました。

株式会社OLD FLIPについては、拡大が期待されるリユース市場に対し、キャンペーン販売やSNSを活用したマーケティングの強化に加え、回収品に新たな付加価値を付けたアップサイクル商品の販売を強化し、収益の改善に取り組んでまいります。

 

 

 

なお、当連結会計年度の仕入実績及び販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

a. 仕入実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

前期比(%)

美容事業(千円)

133,377

84.6

和装宝飾事業(千円)

3,713,147

99.1

DSM事業(千円)

392,289

101.4

教育事業(千円)

43,363

125.7

その他の事業(千円)

48,301

69.5

合計(千円)

4,330,478

98.5

 

(注)  上記の金額は、連結消去前の金額によっております。

 

b. 販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

前期比(%)

美容事業(千円)

1,776,664

92.0

和装宝飾事業(千円)

9,582,243

100.0

DSM事業(千円)

834,054

96.0

教育事業(千円)

1,453,210

126.3

その他の事業(千円)

318,432

103.7

合計(千円)

13,964,604

100.9

 

(注)  セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて6億90百万円減少し79億56百万円となりました。これは主に現金及び預金が2億93百万円減少、売掛金が4億24百万円減少、商品が87百万円減少、ソフトウェア仮勘定が1億1百万円増加したことによるものです。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べて7億94百万円減少し66億28百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が2億13百万円減少、短期借入金が3億円減少、一年以内返済予定長期借入金が68百万円減少、前受金が1億39百万円減少、長期借入金が1億62百万円減少、リース債務が1億26百万円増加したことによるものです。

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1億3百万円増加し13億27百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益計上による利益剰余金41百万円、その他有価証券評価差額金61百万円の増加によるものです。

なお、セグメントごとの資産は、次のとおりであります。

 

・美容事業

美容事業の総資産は4億64百万円(前期比10.9%減)となりました。

これは主に、売掛金が26百万円減少、長期未収入金が9百万円減少、敷金保証金が20百万円減少したことなどによるものです。

・和装宝飾事業

和装宝飾事業の総資産は41億60百万円(前期比9.7%減)となりました。

これは主に、現金及び預金が1億54百万円減少、売掛金が3億87百万円減少、商品が81百万円減少、敷金保証金が23百万円減少したことなどによるものです。

・DSM事業

DSM事業の総資産は1億32百万円(前期比8.7%減)となりました。

これは主に、売掛金が11百万円減少、敷金保証金が3百万円減少したことによるものです。

・教育事業

教育事業の総資産は6億16百万円(前期比13.9%増)となりました。

これは主に、グループ預け金が1億円増加、無形固定資産が19百万円増加したことによるものです。

・その他の事業

その他の事業の総資産は8億85百万円(前期比3.4%減)となりました。

これは主に、現金及び預金が9百万円減少、グループ預け金が18百万円減少したことなどによるものです。

 

 

(3)キャッシュフロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2億93百万円減少し19億50百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、3億84百万円(前期は2億9百万円の収入)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益1億27百万円、売上債権が4億17百万円減少、仕入債務が2億39百万円減少、棚卸資産が87百万円減少、前受金が1億39百万円減少したことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は1億26百万円(前期は9百万円の収入)となりました。

これは主に、差入保証金の回収による収入76百万円、敷金及び保証金の差入による支出27百万円、貸付による支出52百万円、有形固定資産の取得による支出50百万円、無形固定資産の取得による支出32百万円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は、5億51百万円(前期は8億6百万円の支出)となりました。

これは主に、短期借入金の減少額3億円、長期借入れによる収入2億円、長期借入金の返済による支出4億31百万円によるものであります。

 

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性について

①資金需要

当社グループの運転資金需要は、営業活動に係る資金支出では、商品の仕入及び人件費並びに賃借料を始めとする販売費及び一般管理費があります。

また、投資活動に係る需要としては、新規出店や店舗改装費用が発生するほか、事業領域の拡大を図るために事業買収(M&A)等の投資を推進しており、それに伴う資金需要の発生が見込まれます。

 

②財政政策

当社グループは、運転資金につきましては、手許資金及び短期借入金により調達することとしておりますが、グループ内の資金効率化のため、当社と子会社との間で、キャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、資金余剰状態にある会社から資金需要が発生している会社への資金の流動性を確保しております。

またM&A等の投資に伴う資金については、金融機関からの借入を活用しており、取引金融機関からの資金調達に関しては問題なく実施可能と認識しております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【重要な契約等】

当社は、2025年3月26日開催の取締役会において、株式会社薬師スタジオの株式取得により子会社化することについて決議し、2025年4月1日付で取得いたしました。また2025年5月15日開催の取締役会において、株式会社ニューヨークジョーエクスチェンジの株式を取得することを決議し、2025年6月2日付で取得いたしました。

また当社は、2025年5月15日開催の取締役会決議に基づき、連結子会社である株式会社ヤマノプラス(以下、「ヤマノプラス」という。)との間で、2025年10月1日を合併期日とした合併契約を締結いたしました。

  詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等、(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」をご参照ください。

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。