第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、時代のニーズに速やかに応えるための機敏な対応と、グローバルな視点で独創的な開発システムにより、プラスチックの可能性を追求し、いつもお客様の信頼に値する製品づくりに徹し、全てのステークホルダーに対し魅力ある企業であることを経営理念として掲げて参りました。今般、株式会社メプロホールディングス(以下「メプロホールディングス」という。)を買収したことで、樹脂と金属、2つのコア技術の融合により唯一無二の競争優位を確立し、成長を加速させるビジョンを掲げております。メプロホールディングスの買収の概要については、「5 重要な契約等(メプロホールディングス株式の取得)」に記載のとおりです。

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、中期経営計画「KCI2025」において、2026年3月期の売上高225億円、営業利益22億50百万円を達成目標としておりましたが、前述の買収を踏まえ、2026年3月期は売上高750億円、営業利益12億円を目標としております。

(3) 中長期的な経営戦略及び対処すべき課題

米国のトランプ政権による高関税政策による世界的なサプライチェーンの混乱、世界的なインフレや金利上昇、持続的な資源・エネルギー価格の上昇、ウクライナや中東における地政学リスクなど、今後の景気動向に対する懸念が依然として払拭されないまま推移しております。この様な先行きが不透明な状況におきましても、当社は変化する市場のニーズに柔軟に対応し、持続的に発展し続けることが当社グループの果たすべき重要な使命であると認識し、当社グループの経営資源を最大限に活用しつつ、以下の課題に取り組み、企業価値の更なる拡大を目指してまいります。

・買収成果の早期獲得

メプロホールディングスの組織文化等を尊重しつつも、上場会社として必要なガバナンス体制の浸透を図ると共に、相互連携を促進して、シナジー効果等の早期獲得を目指します。具体的には、業務品質の向上を目指すと共に、生産工程の機能を見直し、生産性・財務体質の改善を図ると同時に、顧客の相互紹介を通じた営業力の強化を図ります。

・モビリティ分野以外への進出

メプロホールディングスの買収により、売上高に占めるモビリティ分野の割合と金額が大きく増加いたしました。モビリティ分野は、当社グループの根幹をなす分野であり、この市場での競争を通じて収益力・技術力の強化を図って参りますが、そこで培った競争力を活用して、モビリティ以外の領域での新市場・顧客開拓を行い、将来的にはモビリティ分野への依存の低減を図ってまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

当社グループは、気候変動などの地球環境問題への配慮や人権の尊重、従業員の健康・労務環境の改善、リスクマネジメントの強化、健全かつ有効なコーポレートガバナンス基盤の構築などESG活動に、当社の事業活動を通じて積極的な取組みをすすめております。

”モノづくり”への飽くなき探求と品質への拘りを持ち社会変化に柔軟に対応することや、SDG'sに代表される社会課題の解決に貢献することにより、企業価値の向上を図りながら未来に向けた確実な成長(サステナブル・グロース)を目指すとともに、ステークホルダーの皆様との信頼関係の構築に努めてまいります。

(1)ガバナンス

当社は、経営の透明性及び効率性を確保し、事業環境の変化に迅速に対応できる組織体制を維持し、株式価値を持続的に向上させていくために、公正な経営システムを構築することを主眼とし、適時かつ積極的な情報開示を行うことが重要と考えております。

この基本方針のもと、当社では、以下のような企業統治体制を整備しております。

当社は、監査等委員会設置会社であり、監査等委員会は社外取締役である監査等委員3名で構成されております。また、当社の取締役会は監査等委員である取締役3名を含む7名で構成され、経営の基本方針をはじめとする重要事項を審議決定する機関と位置づけており、この取締役会をはじめとして重要な会議には、監査等委員である取締役が直接出席し、意思決定及び業務執行に対して適切な組織監査を行っております。さらに、グループ経営戦略の強化と迅速な業務執行を行うために、各部門を統括する取締役のもと、営業・生産・管理部門が密接な連携を保ち、そのもとに各実務部門である、営業・各工場・海外子会社等を配置する横断的な組織を構築し運営しております。

(2)戦略

・いつもお客様の信頼に値する製品づくりに徹し、全てのステークホルダーに対し魅力ある企業であり続けることを基本方針として、経営の透明性、効率性の確保、企業価値の持続的な向上及び公正な経営システムを構築することを主眼に、コーポレートガバナンス体制の強化・充実を推進し、適時かつ積極的な情報開示を行います。

・当社は、人類の普遍的な価値を追及すると同時に、社会創生と地域社会への貢献を行ってまいります。また、社員への手厚い教育サポートの提供や、働き甲斐の追及と事業活動を通じて、経済成長へ貢献してまいります。

(3)リスク管理

当社のリスクを会社に物理的、経済的もしくは信用上の損失または不利益を生じさせるすべての可能性を指すものと定義し、より一層のリスク管理の強化が重要であるとの認識から、グループ企業倫理憲章及び行動規範を定め、コンプライアンス宣言を行うとともに、全役員、全従業員にコンプライアンス手帳を配布し、社内ネットワークを通じて企業倫理精神の醸成を強く求めております。このように当社は、公正な企業活動を通じて広く社会への貢献に努め、株主・顧客・消費者各位、さらには従業員の負託に応えてまいる所存であります。

(4)指標及び目標

サステナブルな社会を目指すため、環境問題への対応は、企業が抱える重要な経営課題のひとつと考えております。当社は、環境保全と環境改善を企業の使命とし、また、人と地球に優しい企業の実現を経営理念とし、その双方の実現を目指して活動を進めてまいります。

1.全ての事業活動において生じる「水質・大気汚染」、「廃棄物」及び「エネルギー・天然資源の消費」を低減するため、環境マネジメントシステムを維持・改善し、環境保全に貢献します。

2.環境に関するあらゆる法令・条例を遵守します

3.環境保全の目標を立て、実施状況確認と定期的見直しを行い、継続的改善及び環境汚染の予防に努めます。

4.環境方針や環境保全活動を全従業員に周知し、意識向上を図ります。

5.環境方針を一般に開示します。

 

課題

具体的な取組み

具体的な目標

地球資源の有効活用

リサイクル材の活用

2030年度リサイクル材使用率20%

 

射出工程内不良率低減

2025年度不良率削減20%

 

 

工程内不良率1%以下達成

 

社内リサイクル率向上

2025年度リサイクル率15%向上

(対2022年度比)

 

副資材購入量削減

2025年度リユース材使用率5%

廃棄物の削減

工場内ゴミ分別の厳格化

2030年度20%削減(対2020年度比)

 

産業廃棄物のサーマル活用

 

GHG排出量の削減

エネルギー使用量の削減

2030年度20%削減(対2020年度比)

*GHG;温室効果ガス

再生可能エネルギー比率向上

 

 

ソーラー発電の工場への設置

 

軽量化、環境対応材による

新複合材成形設備導入、製品開発

2025年度までに環境対応製品開発10件を行う

製品開発の推進

微発泡成形製品の開発(軽量化)

 

 

物理発泡成形開発(軽量化)

 

 

バイオマスプラスチック加工開発

 

3つの「づくり」よる

安全性、品質保証製品

製品の品質保証と安全の管理体制を強化

重大品質事故「0」件

流出クレーム 年25%削減

 

品質マネジメントシステムの活用による品質管理

 

 

 

・人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた指標及び目標

1.人類の普遍的な価値を追及します。

2.社会創生と地域社会に貢献します。

3.働く社員の働き甲斐を追及します。

 

課題

具体的な取組み

具体的な目標

安心・安全な

安全委員会の開催

労働災害 0件

 労働環境の整備

残業管理制度改革の推進

2030年度 有休完全取得

 

有休取得推進

 

 

ハラスメント防止

 

 

ホットライン開設

 

差別防止と

女性活躍の推進

多様な人材の活躍推進

ダイバーシティ推進による

人事制度の見直し

2030年度 女性管理職比率20%

人材の確保、育成、定着

福利厚生充実

 

 

社員の処遇における属性によらない機会の平等な提供の推進

 

従業員等への

メンタルヘルスケア

メンタルヘルス休業者 0名

 健康投資の強化

健康管理

特殊健康診断 年2回(交代勤務者・有機溶剤など)

 

 

35歳以上人間ドック受診率向上(目標20%)

 

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの財政状態及び経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項には、次のようなものがあります。なお、当社は、当社グループにおける各種リスク発生の可能性を把握し、発生の回避及び発生時に迅速・的確な対応ができるようにするための体制の確立に努めてまいります。また、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 受注量の変動

当社グループの主事業は受注生産事業であり、得意先の発注方針、工法変更、競合他社との受注競争及び生産動向等により受注高が変動し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 主要取引先への依存度

当連結会計年度における売上高の約7割が、モビリティ事業に紐づくものとなっております。当社から直接販売するお客様は分かれておりますが、最終的に組付けられる製品で考えますと、特定企業グループの自動車向けが占める傾向が強く、最も高い企業グループが占める割合は概算で、連結売上高の3割程度となっており、当該企業グループによるリコールや不祥事が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、これまで培ってきた技術をベースとして新製品・新技術の開発や生産体制の整備を推進し、今般買収したメプロホールディングスとの顧客の相互紹介などを通じて、新たな需要の発掘や拡販活動を強化してまいります。

(3) 原材料価格の変動

当社グループの製品の主原料は、熱可塑性樹脂であり石油化学製品の価格が高騰し、それを製品価格に転嫁できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、複数の購買先を確保するなどして仕入価格の変動抑制に取り組んでおります。

(4) 製品の品質

品質管理には万全の体制をとっておりますが、予期せぬ製品の欠陥が発生し修理費用等を負担する可能性があります。当社グループでは、品質管理について基準を設け、常に徹底した管理、適切な対応に取り組んでおります。

(5) 資金調達

当社グループは、金融機関からの借入れを中心に、シンジケートローン等の方法により資金調達の多様化を図っていますが、契約内容には一定の財務制限条項が付されている場合があり、当該事由に抵触した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 為替レートの変動

当社グループは、日本に本社を置き事業運営を行っているため、各地域における現地通貨建て財務諸表を連結財務諸表等作成のため円換算しております。従って、為替レートの変動により換算に適用するレートが変動し、円換算後の損益が影響を受けることになります。

(7) 法的規制について

当社グループの事業は、事業を展開する各国において様々な法の規制を受けておりますが、予期せぬ法的規制の変更により、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、関係会社を通じて法律や規制の変更状況、政治や経済の状況変化の把握に努めております。

(8) 大規模な災害及び感染症等の影響

当社グループは、非常時に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、台風、地震、火災等の災害及び新型感染症等が、想定を大きく上回る規模で発生、流行し、当社グループの事業所の稼働が長期にわたり困難になるような場合や当社グループの顧客の属する業界に大きな影響が生じる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

(9) 固定資産の減損会計による影響

固定資産の減損会計の適用に伴い、経営環境の変化等により、固定資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、その回収可能性を反映させるよう帳簿価額を減額し、その減少額を減損損失として計上する可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における当社グループを取り巻く世界経済は、各国での物価高騰に対する金利上昇影響、資源価格の高止まりや地政学的リスク等があり、不確実性の高い状況が続いております。当社事業を取巻く国内外の市場は、物価高による実質賃金の減少により購買意欲の低減、日本での自動車メーカーの認証問題、タイでの金利上昇・ローン審査厳格化などもあり、依然として先行きが不透明なまま推移いたしました。

このような経済環境下、住宅投資や消費の低迷を受け、リビングスペース事業、アドバンスド&エッセンシャル事業は厳しい市況のなか、対前年度で減収となりましたが、国内のモビリティ事業では、新型モデルの量産が開始されたことなどが寄与し国内自動車部門は対前年度で増収となって補うことで、当連結会計年度における売上高は158億42百万円(前年同期比7.8%増)と前年比で増収となりました。営業利益においても、この増収の寄与が大きく増益基調にあり2億70百万円程度で着地する水準で推移して参りましたが、メプロホールディングス買収に伴う費用1億9百万円の負担により、当年度の連結業績は下記のようになりました。

 

売上高

15,842百万円

(対前期比 7.8% 増加)

営業利益

162百万円

(対前期比 1.8% 減少)

経常利益

97百万円

(対前期比 302.1% 増加)

親会社株主に帰属する当期純損失

132百万円

(前期は親会社に帰属する当期純損失243百万円)

 

 

セグメント別の業績は、次のとおりであります。

当社グループは製品別セグメントから構成されており、「モビリティ事業」、「リビングスペース事業」及び「アドバンスド&エッセンシャル事業」の3つを報告セグメントとしております。

・モビリティ事業

当事業の国内自動車部門におきましては、乗用車向けでメイン車種の生産台数が引き続き大きく伸長し、販売増加となりました。海外自動車部門におきましては、タイのECHOAUTOPARTS(THAILAND) CO.,LTD.で市況の回復が遅れていることにより、販売減少となりました。

この結果、売上高は110億90百万円(前年同期比15.3%増)、セグメント利益は5億8百万円(前年同期比66.7%増)となりました。

・リビングスペース事業

当事業の国内住宅設備部門におきましては、住宅用資材や人件費の高騰の影響が続いて住宅向け設備の需要が低調となりました。その結果、洗面化粧鏡を中心に販売減少となりました。オフィス用空調製品においても、同様の影響により、販売減少となりました。海外冷機部品部門におきましては、タイのTHAI KODAMA CO.,LTD.、ベトナムのTHAI KODAMA(VIETNAM) CO.,LTD.とも、需要が低調に推移したことなどにより販売減少となりました。

この結果、売上高は42億63百万円(前年同期比6.0%減)、セグメント利益は3億38百万円(前年同期比9.1%減)となりました。

・アドバンスド&エッセンシャル事業

当事業におきましては、ゲームソフト用パッケージ事業は、一部でモデル切り替えによる受注増がありましたが、全体では前年同期比に対し販売減となりました。新複合材製品事業においては、一部量産延期があり販売減少となりました。収益性に関しては、対象製品の収益性は維持しているものの、当期内の内外製比率変更による一過性の影響により、前年同四半期比で減少しました。

この結果、売上高は4億88百万円(前年同期比9.9%減)となり、セグメント利益は7百万円(前年同期比90.8%減)となりました。

 

当連結会計年度末の総資産は140億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億7百万円の減少となりました。

流動資産において、現金及び預金が借入金返済等により1億81百万円減少し、在庫圧縮等の取り組みにより原材料及び貯蔵品が2億67百万円減少しました。固定資産において、有形固定資産の新規取得もありましたが対応する減価償却により全体として2億20百万円減少しました。一方で、株価増加により投資有価証券は1億54百万円増加しました。

負債では、借入金4億42百万円の減少や、リース債務3億4百万円減少等により、7億37百万円減少しました。

純資産では、親会社株主に帰属する純損失1億32百万円の計上により利益剰余金が減少するも、為替換算調整勘定2億10百万円増加や、非支配株主持分2億13百万円増加等により、2億30百万円増加しました。

これらの結果、自己資本比率は28.8%(前連結会計年度末は27.7%)となりました。

 

 ②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より5億48百万円減少し、9億81百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは14億38百万円増加(前連結会計年度は14億13百万円増加)となりました。これは主に、減価償却費と棚卸資産減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは11億80百万円減少(前連結会計年度は18億62百万円減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは8億91百万円減少(前連結会計年度は6億10百万円増加)となりました。これは主に、借入金返済とリース債務返済によるものであります。

 

 ③生産、受注及び販売の状況

 イ.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

モビリティ事業

10,364,053

25.3%

リビングスペース事業

4,169,004

△20.0%

アドバンスド&エッセンシャル事業

414,859

△11.1%

合計

14,947,916

7.1%

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 ロ.受注状況

当社グループは受注による生産を行っておりますが、いずれも随時受注契約で、受注確定日と納入日は短期間のため記載を省略しております。

 

 ハ.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

モビリティ事業

11,090,193

15.3%

リビングスペース事業

4,263,591

△6.0%

アドバンスド&エッセンシャル事業

488,230

△9.9%

合計

15,842,015

7.8%

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

前連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

林テレンプ株式会社

1,115,126

7.6

2,328,467

14.7

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に貸倒引当金、棚卸資産、繰延税金資産、固定資産の減損損失及び退職給付に係る負債等であり、継続して評価を行っております。

当社は、以下の会計上の見積りが当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与えるものと考えております。

 

繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産の算定に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)1.繰延税金資産の回収可能性」に記載のとおりであります。

固定資産の減損処理

固定資産の減損処理に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)2.固定資産の減損損失」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a 経営成績等の分析

当連結会計年度における当社グループを取り巻く世界経済は、各国での物価高騰に対する金利上昇影響、資源価格の高止まりや地政学的リスク等があり、不確実性の高い状況が続いております。当社事業を取巻く国内外の市場は、物価高による実質賃金の減少により購買意欲の低減、日本での自動車メーカーの認証問題、タイでの金利上昇・ローン審査厳格化などもあり、依然として先行きが不透明なまま推移いたしました。

このような経済環境下、住宅投資や消費の低迷を受け、リビングスペース事業、アドバンスド&エッセンシャル事業は厳しい市況のなか、対前年度で減収となりましたが、国内のモビリティ事業では、新型モデルの量産が開始されたことなどが寄与し国内自動車部門は対前年度で増収となって補うことで、当連結会計年度における売上高は158億42百万円(前年同期比7.8%増)と前年比で増収となりました。営業利益においても、この増収の寄与が大きく増益基調にあり2億70百万円程度で着地する水準で推移して参りましたが、メプロホールディングス買収に伴う費用1億9百万円の負担により、最終的には、営業利益は1億62百万円(前年同期比1.8%減)での着地となりました。

この様な状況と経緯により、経常利益は97百万円(前年同期比302.1%増)、税金等調整前当期純利益は97百万円(前年同期比961.2%増)、親会社株主に帰属する当期純損失は1億32百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失2億43百万円)となりました。

 b 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について、主事業は受注生産事業であり、得意先の工法変更、外注政策、競業他社との受注競争及び生産動向等により受注高が大きく変動することがあります。また、当社グループの主力分野であるプラスチックス材料での住宅設備、自動車部品分野は、過当競争体質の状況下にあり、価格競争が激しく、当社グループにとって不利な受注価格になることがあります。

 c 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、営業活動による資金は14億38百万円の増加(前連結会計年度は14億13百万円の増加)となりました。これは主に、減価償却費と棚卸資産減少によるものであります。

投資活動による資金は11億80百万円の減少(前連結会計年度は18億62百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出によるものであります。

財務活動による資金は8億91百万円の減少(前連結会計年度は6億10百万円の増加)となりました。これは主に、これは主に、借入金返済とリース債務返済によるものであります。

今後、内部留保を超える設備投資は借入他外部調達にて対応予定であります。

 d 経営成績に重要な影響を与える要因

経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。

台風、地震、火災等の災害が、想定を大きく上回る規模で発生、流行し、当社グループの事業所の稼働が長期にわたり困難になるような場合や当社グループの顧客の属する業界に大きな影響が生じる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

これらの予測は非常に難しい状況ですが、当社グループは、非常時に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じており、非常時においては、機動的・予防的な財務施策により資金の流動性確保に努めるとともに、需要に応じた生産活動の徹底、設備投資の抑制や徹底的な固定費削減など緊急対策等を進め、これらの影響が最小限となるよう努めています。

 e 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標」に記載のとおりです。

当目標の達成に向けた取り組みについては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 中長期的な経営戦略及び対処すべき課題」に記載のとおりです。

 

5【重要な契約等】

(メプロホールディングスの株式の取得)

当社は、メプロホールディングスの全株式を取得して当社の連結子会社とすることに関し、2025年2月12日開催の取締役会において、エンデバー・ユナイテッド2号投資事業有限責任組合との間で株式等譲渡契約を締結し、エンデバー・ユナイテッド2号投資事業有限責任組合からメプロホールディングスの全株式を取得して子会社化すること、及びエンデバー・ユナイテッド2号投資事業有限責任組合がメプロホールディングスの子会社に対して有する債権を譲り受けることについて決議しました。また、2025年4月1日付で、株式等譲渡契約書に定めた一連の取引に関する契約を締結しております。

詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な後発事象)(取得による企業結合及び債務譲受)」に記載のとおりです。

 

(シンジケートローン契約)

当社は、2025年5月28日開催の取締役会において、シンジケートローン契約を締結することを決議し、2025年6月25日付で契約を締結しました。

詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な後発事象)(シンジケートローン契約)」に記載のとおりです。

 

6【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)は、技術開発力のある成形加工メーカーとして、独自技術の確立、拡大を基本理念としております。新材料・新商品開発は、樹脂材料及び設備機械メーカーとジョイントワークしつつ、新加工法の開発及び生産治具・自動省力機の設計・製作を積極的に進めております。更に近年、環境課題から脱炭素の取組みとして、CO2排出削減のため軽量かつ剛性でリサイクル可能な技術が開発上のキーアイテムとなっております。今後、樹脂とカーボンファイバーや環境素材といった多様な材料を融合する成形技術を、一昨年導入しました複合材設備で強化推進してまいります。

当連結会計年度における研究開発費は48百万円であります。

セグメントの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

(1) モビリティ事業

モビリティ分野では、軽量かつ高剛性でリサイクル可能な技術として、ガラスやカーボンファイバー素材の各種繊維強化コンポジット材による板金の樹脂化に取り組み、当社の新工法が大手自動車メーカーに採用され、金属代替部品として実用化を達成しております。

また、軽量化技術としては、従来から検討進めております化学発泡成形技術に加えて、物理発泡成形技術についても試作開発検討を進めております。更には環境面から熱・音マネジメントが要求される需要に対しても、今後のマルチマテリアル化を睨み、一層機能向上を狙った部材の開発にも引き続き取り組んでおります。

一方、高品位な意匠性を実現するためのフィルムによる加飾技術では、3次元フィルム加飾工法による高品位内装部材は採用、実用化されております。ここでの3次元フィルム技術の更なる進化としては、触感や透過といった機能性を高めた技術改良を進めており、採用の拡大を目指しております。

その他に当社の強みである真空成形技術の究極レベルを達成するため、高機能樹脂も駆使しながら技術革新に挑戦しております。

(2) リビングスペース事業

リビングスペース分野では、当社の主力製品である洗面キャビネットにおいて、設計まで遡った究極的なもの造り活動の成果として、コスト低減提案が採用され更なる展開を進めております。

また、本事業でも、既述の3次元フィルム技術の進化として、撥水・撥薬剤・抗菌の機能性を有した技術を追求しており、ここでも、新たな需要の開拓を進めております。

このように、更なる機能、品質向上を目的とした技術が確立し、新規製品の実現に向けて開発を加速しております。

(3) アドバンスド&エッセンシャル事業

従来のアミューズメント市場向けゲームソフトパッケージ等の開発に加えて、複合材技術、真空・圧空成形技術、3次元フィルム技術といった多様な技術開発力で、各種市場での需要に対応していきます。

IT製品やエネルギーインフラ市場向けとして、軽量かつ高精度の薄肉成形を可能とする各種カーボンファイバー素材成形の研究開発、医療・介護や植物工場向け市場に関しては、それらの機器部品に対応する真空・圧空成形技術、また、こだわり家電やその他移動体向けでは、3次元フィルム技術などを適用させ、市場開拓をすすめております。特に医療の分野では、今後、他社との協業を含めて、検査・試験用途機器の需要に対し取込みを進めております。