第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

当社グループは、「地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになろう」というスローガンのもと、「地球人類の人間性向上のためのよりよい環境をつくり、よりよいきっかけを提供すること」というミッションを掲げ、事業活動を展開しております。事業活動を通じて社会の課題解決に貢献し、その存在対効果の最大化に向けて努力してまいります。

 

(2)経営環境及び経営戦略等

当社グループを取り巻く環境は、緩やかに回復傾向にあります。

ワクチンや治療薬の普及もあり、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが、2024年4月から季節性インフルエンザと同様の対応となるなど、飲食業界における経済活動は、コロナ禍以前の状態まで回復しております。

一方、急激な円安による物価高や賃金上昇圧力の増加などの新たな環境の変化により、当社グループの想定と実際の消費動向は乖離する可能性があります。また、コロナ禍において変化したお客様の行動様式への対応が遅れた場合には、既存事業のビジネスモデルの陳腐化による顧客離れを招き、当社連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループはこのような環境下においても、「地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになろう」というグループスローガンのもと、各事業分野においてお客様のありがとうを集める活動を展開してまいりました。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、純有利子負債(ネットD/Eレシオ)の基準を設定し、財務の健全性・安定性を維持しながら経営を行ってまいります。また、総資産営業利益率(ROA)や株主資本利益率(ROE)の指標についても基準を設定し、資産効率の向上及び株主資本の有効活用を図りながら、最適な事業ポートフォリオの構築に取り組んでまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当連結会計年度における、わが国経済は、経済活動や消費行動がコロナ禍以前へ回復するとともに、賃上げの動きの広がり等、雇用・所得環境の改善が進み、個人消費は回復基調で推移いたしました。

為替変動等につきましては、米国における政策金利の引き下げ、日本国内における物価上昇圧力に対する政策金利の上昇等により、日米金利差は縮小傾向にありますが、イスラエル・パレスチナ情勢、ロシア・ウクライナ情勢などの地政学的リスク等による影響が引き続き見られるとともに、エネルギーや原材料価格は依然として高い水準で推移しております。

このような環境のもと、当社グループは当連結会計年度においては、営業利益は、対前年を上回る利益を計上しておりますが、経常利益につきましては、為替の影響により、対前年比減益、親会社株主に帰属する当期純利益については、為替及び法人税等調整額の影響により対前年比減益となっております。飲食業界における経済活動はコロナ禍以前の水準まで回復しております。一方、急速な回復による需給関係の一時的な逼迫による物価高や賃金上昇圧力の高まりなどの新たな環境の変化に対応する必要があります。

このような状況の中2024年10月には、日本サブウェイ合同会社(2024年12月20日付でWATAMI FAST CASUAL MANAGEMENT合同会社に商号変更し、2025年4月3日付でWATAMI FAST CASUAL MANAGEMENT株式会社に組織変更)の持分を取得し、同社を子会社化するとともに、Subway International B.V.とマスターフランチャイズ契約を締結いたしました。今後、日本国内において、SUBWAY事業の直営店舗及びFC店舗を展開し、様々な業態(居酒屋業態、焼肉業態、テイクアウト・デリバリー業態、ハレの場を提供する業態等)とともにお客様の多様なニーズにさらに対応することで、外食事業の拡大を図ってまいります。

また、宅食事業は、これからの少子高齢化や多様な働き方によって高まる在宅需要に対応するため、冷凍総菜宅配サービスの拡大及びインフレ環境における低価格商品の販売など、利用者ニーズに応じた継続的な成長基盤の整備が必要であると考えております。

これら外食事業及び宅食事業の仕組みを支える商品開発・仕入・物流・製造などのMD体制につきましては、継続的な見直し及び改善を行い、他社との差別化並びに収益構造の改革に取り組み、リスクに対応した業態ポートフォリオの構築を進めてまいります。

財務面では、2021年度においてDBJ飲食・宿泊支援ファンド投資事業有限責任組合との間で株式投資契約書及び総株引受契約書を締結し、12,000百万円の優先株式を発行して手元流動性を高めるとともに、調達した資金を成長戦略へ投資することにより、厳しい環境下においても確実な成長と業績の更なる向上に取り組んでまいります。

主要な事業等の課題につきましては、以下のとおりであります。

 

① 国内外食事業

当社グループが主に展開する居酒屋事業は、マーケットの縮小傾向が続いており、お客様ニーズの多様化など厳しい事業環境にあります。加えて、お客様の飲食スタイルが大きく変化しており、店内飲食だけではなく、テイクアウト・デリバリーなど多様な利用ニーズに対応することが重要であると考えており、高い商品力と生産性を武器とし、外食事業の拡大に向けた収益源の多様化を図るとともに、今まで以上に高い付加価値を提供していくことで、顧客満足度の向上に努めてまいります。

 

② 宅食事業

宅食事業は、高齢化社会の進展とともにマーケットが拡大している一方、新規参入業者の増加など競争環境が激化しております。商品力の強化、エリア戦略の見直し、法人営業の強化とともに、尼崎市に建設した冷凍食品工場を梃子として、冷凍宅配事業の更なる展開や高品質で低価格の商品の提供を行うことにより、新規顧客の獲得による市場開拓、シェア拡大を図ってまいります。あわせて、製造工場における省人化投資を進めるなど、生産性のより一層の向上を図ってまいります。

 

③ 海外事業

海外事業は、日本食マーケットが拡大している一方、ニーズの多様化により競争環境も激化しております。加えて、お客様の飲食スタイルの変化、現在出店する商業施設のオーナー様のテナント入替ニーズにも的確に対応するため、日本の国内外食事業と商品開発体制などの連携を強化しながら、新業態の開発と出店を進めてまいります。また、競合店出店による集客力の低下、不動産施設費の高騰、人件費の上昇など収益環境が短期間で悪化する事例も散見されることから、戦略的なスクラップアンドビルドとあわせて、生産性の高い組織体質の継続的構築を進めてまいります。

また、シンガポールで食肉魚介類の調達、加工、卸売事業を展開しているLEADER FOOD グループのM&Aに続き、2024年4月には、米国のネバダ州で寿司の加工、卸売事業を展開しているSONNY SUSHI COMPANYから同事業を譲受けました。

シンガポールで調達、加工、卸売を行う現地法人を活用することで、海外サプライチェーン、調達力、販売力を強化するとともに、米国においても販売力の向上を図ります。

 

④ 人材・教育

DX推進による生産性向上を図る一方で、依然として人員の確保、教育が重要な経営課題です。この課題に対し、3年前より副社長自らが全国を巡り、社員と直接対話を重ねることで現場の課題や声を把握し、改善活動を進めてまいりました。国内外食事業においては、営業に必要なスキル研修の再開に加え、ビジネススキルの向上、上司と部下の円滑なコミュニケーション、ハラスメント対策、情報セキュリティ研修など、幅広いテーマでの教育を強化し、その結果、従業員満足度(ES)の大幅な向上が見られました。

2025年度は、全事業において研修体制を一層強化し、継続的な人材育成に取り組んでまいります。また、2025年度からは採用と教育を一体化した新たな組織体制を整備し、入社後の目標達成支援や早期離職の防止にもつなげていきます。加えて、当社グループの成長を支える中核人材の育成に向けて、教育・研修体制のさらなる強化や、業務効率化を目的とした省人化投資を進め、従業員が自己実現を図りながら、安心して長く働ける職場づくりを目指します。今後も、処遇改善や福利厚生の拡充、多様な働き方の推進、多様な人材を受け入れる柔軟な人事制度の構築を進め、変化する経営環境に柔軟に対応してまいります。

 

⑤ 中期経営計画の策定、公表

当社グループは2019年11月15日中期経営計画を策定、公表しました。

しかしながら、イスラエル・パレスチナ情勢、ロシア・ウクライナ情勢などの地政学的リスク等による影響が引き続き見られるとともに、物価や資源価格の高騰など、経済環境の不確実性が経営に与える状況が現時点においてもなお続いております。これら事情から、今後、適正かつ合理的な算出が可能になったタイミングを踏まえ、改めて、新中期経営計画を策定、公表いたします。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)ワタミグループが目指すサステナビリティ経営

 ワタミグループのミッションは、「地球人類の人間性向上のためのよりよい環境をつくり、よりよいきっかけを提供すること」です。

 その環境やきっかけを提供するというワタミの理念はSDGsの考え方に重なります。

 当社グループは、外食事業、宅食事業、原料調達から消費までのサプライチェーンを構成する事業、農業、エネルギー事業において、経済的・社会的・環境的ニーズの充足、従業員の幸せ、地域貢献などの持続可能な企業活動を通して、SDGsを達成します。

 自社グループで栽培した農産物(1次産業)を自社グループで加工(2次産業)し、お客様に提供する(3次産業)ことに加えて、環境負荷を軽減するための取り組みや再生可能エネルギー事業にも取り組むことで、再生可能エネルギーを利用した循環型6次産業モデルを構築し、経済的・社会的・環境的パフォーマンスを向上し続けることで「地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループ」を目指します。

 

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(2)当社グループのマテリアリティ

ワタミグループのマテリアリティ

KPI(中間目標)

2030年KGI(最終目標)

宅食事業:「いつまでも住み続けられる地域」に貢献

●事業活動から発生する廃棄物を再資源化し、地域資源循環社会を構築。

●弁当の宅配を通じて、高齢者の栄養補完で健康を守り、見守りを含む自治体との協定により安全を図る。宅食事業:「いつまでも住み続けられる地域」に貢献

タスクフォースチーム環境負荷ゼロ容器包装プロジェクト

●弁当容器回収リサイクルシステムを構築し、地域の廃棄物と焼却によるCO2の削減、海洋プラスチック汚染防止に努める。

●ワタミ全事業で使用する容器包装の脱プラスチックを図る。2024年度までに弁当容器回収率60%を達成する。

●外食:テイクアウト容器包装プラスチックを全て代替素材品に切り替える

●宅食:調理済製品容器(弁当容器)の回収率80%

農業事業・外食事業:

オーガニック農業生産の食材提供で、地球環境と生産者・消費者の健康を守る。

●ワタミファームは有機栽培土壌面積拡大で、持続可能な農業生産を推進する。

●外食店舗では、あらゆる出会いとふれあいの場と安らぎの空間の提供、そして安全安心な食材メニューで消費者の健康増進を図る。

タスクフォースチームオーガニックプロジェクト

●有機農業で生産した農畜産品で製品開発を行い、地球環境と生産者の健康保全と消費者の健康増進に貢献する。

●地球環境保全する有機農業による生産を、消費者に啓発し市場を拡大するために、農業体験ツアーを企画・実施する。

●循環型のビジネスモデルの確立

●商品購入者延べ100万人

●農業を通じた雇用と育成

RE100を2040年までに実現し、脱炭素社会構築に貢献する

●すべての店舗、工場、事業所で再エネ電力100%を実現する。

タスクフォースチームRE100プロジェクト

●2024年までに、外食店舗RE100店舗を継続的に増やし、営業活動を通して、消費者や地域社会に啓発を目的としたコミュニケーション活動を行う。

●2025年までに食品生産工場に太陽光発電設備を設け、再生エネルギーへの転換を図る

●2035年までに全ての事業所で再生エネルギー50%導入

●2040年までにRE100を達成

全ての従業員及びサプライチェーンで働く人たちの人権を尊重し、国籍や性別・年齢・障がいの有無に関わらず、平等で公正なそれぞれの能力を生かされた、働き甲斐のある職場にする。

●女性や障がい者、すべての人に働きやすい職場環境を整備し、子育て支援や介護など働き続けられる制度を整備する。

●従業員の能力開発や技術取得の機会を設ける。

●他企業と協働し、サプライチェーン全体で働く人たちの人権尊重を図る。

タスクフォースチームワタミ人権方針プロジェクト

●2022年にワタミ人権宣言を策定し、従業員やサプライチェーンで働く人たちへ啓発活動を行い人権尊重への意識の向上を図る。

●2024年までに人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、サプライチェーンも含めた人権に関する負の影響を特定・評価・予防・緩和・是正に努める。

●自社だけではなく、ワタミを支えるサプライヤー・国内外ビジネスパートナーに対しても人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築する。

●サプライチェーン・消費者・地域住民などステークホルダーとの対話を継続的に行い、ダイバーシティ・インクルージョンな組織づくりを行う。

ワタミモデル

(1次産業農業x2次産業加工x3次産業販売=6次産業)の食品ロスゼロ・リサイクル100%

●ワタミファーム生産の農畜産物は100%利活用する。

●食品工場の詰め残しを無くす。

●外食店舗の食べ残しを、お客様とのコミュニケーションにより、ゼロにする。

●各地で食品リサイクルループを構築し、商品廃棄ゼロを実現する。

タスクフォースチーム

食品ロスゼロ食品リサイクル100%プロジェクト

●2023年までに食品工場の食品ロスを半減する。

●2024年までに外食店舗の未利用食材ロスを半減させる

●2025年までに弁当工場を含む地域(福岡・山口・栃木)に食品リサイクルループを構築する。

●SDGs12.3:食品ロスを半減する

●SDGs12.5:食品廃棄を削減し、100%リサイクルループで持続可能な農業に貢献する。

●SDGs12.8:お客様に「食べ残しをしないライフスタイル」を啓発する。

 

(3)気候変動及び自然資本への対応

1.気候変動への対応

 近年、世界中で気候変動をはじめとする環境課題が深刻化しており、日本国内でも、異常気象による台風などの大規模な自然災害が発生するなど、経営に大きな影響をもたらす状況となっております。

 このような状況の下、ワタミグループは、気候変動をサステナビリティ経営上の最重要課題であると位置づけ、気候変動に伴うリスクや機会は、事業戦略に大きな影響を及ぼすものと認識しております。

 ワタミグループでは、2022年度に5つのマテリアリティを特定し、「脱炭素社会の実現」「循環型社会の実現」「自然共生社会の実現」を目指して、様々な活動に取り組んでおります。

 「低炭素社会の実現」に関しては、Scope1・2排出量の削減、RE100を達成するための再生可能エネルギー化100%の推進、エネルギー消費量の削減、フロン類の削減等に積極的に取り組んでおります。

 「脱炭素社会の実現」に関しては、「ワタミグループのカーボンニュートラル宣言」を宣言しており、エネルギー消費量の削減(省エネ活動)、再生可能エネルギーの100%への推進、脱フロンに向けたノンフロン機器の導入などを行い、Scope1・2・3の温室効果ガス排出量の削減と同時に、森林再生や有機農業により、温室効果ガス吸収効果の拡大も図り、脱炭素社会を目指してまいります。

 「循環型社会の実現」に関しては、外食店舗の廃棄物の分別や軽量により、廃棄物の排出量の削減を行います。また外食店舗、食品工場では食品リサイクルループの構築や食品ロスの削減活動も推進してまいります。宅食事業で行っている容器回収リサイクルは、プラスチックの自主回収による再資源化を行っております。これらによりサーキュラーエコノミーの推進を目指します。

 

2.自然資本への対応

 日本政府は、2022年12月に生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組」を受けて、昨年3月にそれに対応する「生物多様性国家戦略2023-2030」を閣議決定しました。これは生物多様性・自然資本を守り活用するための戦略であり、2030年のネイチャーポジティブ実現に向けた目標として定められました。ワタミグループは食品関連事業者として持続可能な6次産業であるワタミモデル(1次産業:農業、2次産業:食品製造業、3次産業:外食事業、宅食事業)を通し、自然資本と密接な関係にあります。そのため、自然との接点や依存関係、影響、リスクや機会などの自然関連課題を評価し、保全・回復に向けて取り組む必要があると認識しております。

 ワタミグループでは、2022年度より5つのマテリアリティを特定し、「脱炭素社会の実現」「循環型社会の実現」「自然共生社会の実現」を目指して、様々な活動に取り組んでおります。

 「自然共生社会」では、2025年4月1日に「生物多様性方針」を発表しました。事業活動を通して、生物多様性の恵みを大切にし、それを脅かす環境負荷を低減し、さらにネイチャーポジティブへの貢献に努めることで自然共生社会の実現を目指します。

 

(4)TCFD提言が推奨する4つの開示項目及びTNFDに沿った情報開示

1.TCFD提言が推奨する4つの開示項目

 「サスティナブル方針」の基本理念に基づき、グループの重点課題(マテリアリティ)を決定するうえで、年々激化する気候変動問題についても非常に重要な項目の一つとしてとらえております。

 「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」※1の最終報告書を受け、気候変動関連リスク及び機会に関する情報開示の準備を始めております。

 

※1 TCFDとは、G20の要請を受け、金融安定理事会(各国の金融関連省庁及び中央銀行からなる国際金融に関する監督業務を行う機関)により、気候関連の情報開示及び金融機関の対応をどのように行うかを検討するために設立された「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」を指します。

 

 TCFD提言は、すべての企業に対し、「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標と目標」の4つの項目に基づいて開示することを推奨しております。

 

 ワタミグループは、TCFD提言の4つの開示項目に沿って、気候関連情報を開示いたします。

開示項目

具体的な開示内容

ガバナンス

(a)取締役会が気候関連課題について報告を受けるプロセス、議題として取り上げる頻度、監視対象

(b)経営者の気候関連課題に対する責任、報告を受けるプロセス(委員会等)、モニタリング方法

リスク管理

(a)気候関連リスクの特定・評価プロセスの詳細、重要性の決定方法

(b)重要な気候関連リスクの管理プロセスの詳細、優先順位付けの方法

(c)全社リスク管理の仕組みへの統合状況

戦略

(a)短期・中期・長期のリスク・機会の詳細

(b)リスク・機会が事業・戦略・財務計画に及ぼす影響の内容・程度

(c)関連するシナリオに基づくリスク・機会及び財務影響とそれに対する戦略・レジリエンス

指標と目標

(a)気候関連リスク・機会の管理に用いる指標

(b)温室効果ガス排出量 Scope1・2・3

(c)気候関連リスク・機会の管理に用いる目標及び実績

 

 

2.TNFD提言における「4つの柱」に沿った情報開示

 「サスティナブル方針」の基本理念に基づき、グループの重点課題(マテリアリテイ)を決定するうえで、食品関連事業者として生物多様性の保全を非常に重要な項目の一つとして捉えております。

 「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」※1の最終報告書を受け、自然関連リスクおよび機会に関する情報開示を行っております。

 

※1 TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:自然関連財務情報開示タスクフォース)とは、自然や生物多様性への危機的な状況と企業や組織によるリスクの管理と開示を支援するフレームワークを開発するために、2021年に設立された組織。2023年に開示のための提言書を公開した。

 

 ワタミグループは、TNFD提言の「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標と目標」の4つの柱に沿って、自然関連情報を開示します。

 

[一般要件]

 TNFD提言では、開示情報に一貫性を持たせるため、開示提言の4つの柱に対し、6項目からなる一般要件を適用することが求められております。

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①ガバナンス

(a)取締役会が気候関連課題や人的資本、自然資本を含むESGに関連する当社グループの課題・対応策について報告を受けるプロセス、議題として取り上げる頻度、監視対象(共通)

 当社グループは、会長兼社長CEOを議長とする4つの会議(経営戦略会議、従業員の幸せ実現会議、ブランド向上会議、SDGs会議)を開催しております。

 サスティナビリティ対応については、2019年に策定された、SDGsを経営の中核課題に取り入れた長期目標である「ワタミサスティナブル方針」に基づいて当社の環境・社会的課題に対しての取組みとして、社内4大会議の一角である、会長兼社長CEOを議長とする、従業員の幸せ実現会議、ブランド向上会議、SDGs会議をはじめとする体制を構築し、全社一丸となって推進しております。

 また、2019年にSDGs推進本部を設立し、本業の中でSDGsに取組むために、各事業本部から選出したメンバーによる社内組織横断タスクフォースチームを発足し、SDGsマテリアリティ(重要課題)を特定し、KPI(中間目標)・KGI(2030年目標)をたて、目標達成のために組織横断で取組んでおります。

 特に従業員の職場環境については、従業員の幸せ実現会議にて、従業員の健康増進、キャリア形成、キャリアアップへの支援等を通し、人的資本育成、お客様、一般市民、行政機関、お取引業者様などステークホルダーとのパートナーシップ、全従業員へのサスティナブル教育の徹底を通し、サスティナブル目標に向かって取組んでおります。

 取締役会は、会長兼社長CEOを議長とする4つの会議(経営戦略会議、従業員の幸せ実現会議、ブランド向上会議、SDGs会議)で協議・決議された内容の報告を受け、当社グループの環境課題への対応方針及び実行計画等についての論議・監督を行っております。

 

(b)経営者の気候関連課題・人的資本・自然資本を含むESGに対する責任、報告を受けるプロセス委員会等、モニタリング方法(共通)

 会長兼社長CEOは、4つの会議(経営戦略会議、従業員の幸せ実現会議、ブランド向上会議、SDGs会議)の長を担っており、環境課題に係る経営判断の最終責任を負っております。4つの会議(経営戦略会議、従業員の幸せ実現会議、ブランド向上会議、SDGs会議)で協議・決議された内容は、最終的に取締役会へ報告を行っております。

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(c)自然資本に関する人権尊重の取り組み

 当社グループは、「地球人類の人間性向上のためのよりよい環境をつくり、よりよいきっかけを提供すること」というグループミッションを掲げております。

 人として、あるいは会社として、人が成長できる環境、もしくはそのきっかけをひとつでも多く提供していきたいと考えております。その根底にあるのは基本的人権を守るということです。残念ながら人は決して平等ではありません。だからこそ貧困や飢餓のない社会、教育やジェンダーの平等、平和をテーマに、世界の人々や企業が力を合わせる必要があります。

 当社グループは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に従って、「ワタミグループ人権方針」を定め、事業活動で人権侵害(児童労働、強制労働、差別等)を容認しないという方針のもと、人権への負の影響を特定、是正、緩和、防止するためのデュー・ディリジェンスの仕組みを構築し適切かつ効果的に実施しております。

 本方針はワタミグループ全社に適用し、また、「ワタミサプライヤーガイドライン」を策定し、サプライヤーに対しても本方針への遵守を求め、サプライチェーンで発生しているリスクに対しても負の影響を防止又は軽減するように努めております。

 

②リスク管理

(a)気候関連リスク及び自然関連リスクの特定・評価プロセスの詳細、重要性の決定方法(共通)

 当社グループは、リスクを戦略の起点と位置づけ、「企業経営の目標達成に影響を与える不確実性であり、プラスとマイナスの両面がある」と定義しており、企業が適切に対応することで、持続的な成長につながると考えております。

 各事業及び各子会社の責任者はSDGs推進統括責任者として、サスティナブルな視点で事業を推進するために、各事業部にサスティナブルリーダー(SL)を任命しております。SLは、各業務によるサスティナブル影響(リスクや機会)の洗い出しを行い、SDGs課題や法令遵守などの外的要因も鑑み、著しい環境側面を特定し、目標展開や遵守評価、運用管理、調査研究などの4つの管理方法に定めます。目標展開すると決めた項目は「サスティナブル実施計画書」として計画を行います。その進捗をSL会議にて毎月報告を行い、その内容は会長兼社長CEOに毎月報告しております。

 

(b)重要な気候関連リスク及び自然環境リスクの管理プロセスの詳細、優先順位付けの方法

ⅰ)重要な気候関連リスクの管理プロセスの詳細、優先順位付けの方法

 当社グループは、気候変動に伴うリスクと機会は、自社の事業戦略に大きな影響を及ぼすとの認識のもと、下記のプロセスを通じて気候変動に伴うリスクと機会を特定し、その重要性を評価しました。

 はじめに、当社グループは、サプライチェーン・プロセスの活動項目である、原材料の調達から商品の製造、物流、販売、廃棄、リサイクルに至るまでのサプライチェーンの各段階ごとに、気候変動に伴うリスクと機会を網羅的に抽出しました。次に、網羅的に抽出した気候変動に伴うリスクと機会の中から、当社にとって重要な気候変動に伴うリスクと機会を特定しました。最後に、特定した気候変動に伴うリスクと機会について「自社にとっての影響度及び発生可能性」と「ステークホルダーにとっての影響度」の2つの評価基準に基づき、その重要性を評価しました。

 当社グループは、上記のプロセスを経て、特に重要と評価された気候変動に伴うリスクと機会について、取締役会による監督体制の下、当社における企業リスクの一つとして当社グループの戦略に反映し、対応しております。

 

ⅱ)重要な自然関連リスクの管理プロセスの詳細、優先順位付けの方法

 当社グループは、自然資本に関連する依存・影響・リスク・機会は、自社の事業戦略に大きな影響を及ぼすとの認識のもと、下記のプロセスを通じて自然資本に関連するリスクと機会を特定し、その重要性を評価しました。はじめに、当社グループは、バリューチェーン・プロセスの活動項目である、原材料の生産、調達から商品の製造、物流、販売、廃棄、リサイクルに至るまでのバリューチェーンの各段階における依存と影響を整理しました。次に、その結果から当社事業への影響が大きい項目についてリスク・機会を特定し、影響度評価を行いました。最後に、特定したリスクと機会について「自社にとっての影響度及び発生可能性」と「ステークホルダーにとっての影響度」の2つの評価基準に基づき、その重要性を評価しました。これらに対しては、分析結果を踏まえ、生物多様性方針を策定し、持続可能な経営戦略に組み込み、バリューチェーン全体のステークホルダーとの協働により負荷低減に取り組みます。

 

(c)全社リスク管理の仕組みへの統合状況(共通)

 当社グループは、リスクを全社的に管理する体制を構築することが重要であることを踏まえ、「グループリスク・コンプライアンス委員会」を設置しております。「グループリスク・コンプライアンス委員会」では、外部環境分析をもとに、環境課題に係るリスクを含めた企業リスクを識別・評価し、優先的に対応すべき企業リスクの絞り込みを行い、進捗のモニタリングを行っております。「グループリスク・コンプライアンス委員会」で論議・承認された内容は、取締役会による監督体制の下、当社グループの戦略に反映し、対応しております。

 

③戦略

(a)重要な気候変動リスクに関する戦略

ⅰ)短期・中期・長期のリスク・機会の詳細

 当社が認識している短期・中期・長期の気候関連リスクと機会、それらリスクと機会の当社の事業及び財務上の影響(定量評価)、並びに対応策については以下のとおりです。

 気候関連リスクと機会への対応策については年に1回、内容を確認し、対応状況の見直しを行ってまいります。

 

時間軸

期間

定義

短期

2030年

SDGsのゴール目標、またKGI(最終目標)の達成期間

中期

2040年

RE100の達成期間

長期

2050年

ワタミグループのカーボンニュートラル宣言の達成期間

 

※対象範囲:ワタミグループ(国内・海外)

※参考:「TCFDを活用した経営戦略立案のススメ ver3.0」環境省(2022年3月)

 

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ⅱ)リスク・機会が事業・戦略・財務計画に及ぼす影響の内容・程度

 当社グループは、気候変動が与えるリスク・機会とそのインパクトの把握、及び短期、中期、長期の世界を想定した当社グループの戦略のレジリエンスと、さらなる施策の必要性の検討を目的に、シナリオ分析を実施しております。

 シナリオ分析では、国際エネルギー機関IEA等の既存シナリオを参照の上、パリ協定の目標である「産業革命前からの全世界の平均気温の上昇を2℃未満に抑える」ことを想定したシナリオである1.5℃シナリオを用いて分析しております。

 

<シナリオ分析>

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 最重要マテリアリティの1つである「脱炭素社会の実現」に向け、当社グループの事業活動について、上記シナリオを前提に、気候変動がもたらす影響を分析し、その対応策を検討し、当社グループの戦略レジリエンス強靭性を検証しております。

ⅲ)関連するシナリオに基づくリスク・機会及び財務的影響とそれに対する戦略・レジリエンス

 当社グループの温室効果ガス排出量の多くは、購入した製品・サービスに伴う排出(スコープ3のカテゴリ1)及び他社から供給された電気、熱、蒸気の使用に伴う間接排出(スコープ2)とに由来しており、当社グループの温室効果ガス排出量削減の取り組みは、低炭素由来の原材料の調達及び再生可能エネルギー由来の電力の調達に重点を置くことが重要であると考えております。この現状を踏まえ、当社グループは、シナリオ分析により抽出した重要なリスク・機会の中でも、(1)炭素税の導入に伴うコスト増、(2)再生可能エネルギー調達価格の変化による影響、(3)異常気象の頻発化、激甚化による影響が、特に大きな影響を及ぼす可能性があると判断しました。そのため、当該3項目については詳細な分析を実施し、対応策を検討しました。

また、2030、2050年時点(再生可能エネルギー調達価格の変化による影響は、2035、2040年時点)を想定したシナリオにおける事業及び財務への影響のうち、特に日本国内における炭素税の導入及び再生可能エネルギー由来の電気料金の変動が、重要なパラメータ指標になると考えております。そのため、1.5℃シナリオのパラメータ(「(3)異常気象の頻発化、激甚化による影響」は、1.5℃シナリオ及び4℃シナリオにおける2つのパラメータ)について、当社グループの財務への影響を定量的に試算しております。また、宅食事業の弁当容器回収リサイクルが全ての配達エリアで実施できたことにより、お客様の家から家庭ゴミとして排出される容器が減少し、廃棄焼却されるGHGが減少しております。さらに温室効果ガスのオフセットとして、Jクレジット制度及び荷主と運輸事業者の連携による物流脱炭素化プロジェクト(水素を燃料とするトラック輸送)を立ち上げるなど、有機農業やバイオマスへの取り組みとCO2吸収効果による影響についても検討を進めております。

 

 当社グループは、2015年の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)において採択されたパリ協定の目標である1.5℃シナリオを想定し、中長期視点から高い戦略レジリエンスを強化してまいります。そのため、事業戦略や中期経営計画において、マイナスのリスクに対しては適切な回避策を策定する一方、プラスの機会に対しては、マーケット変化へ積極的に対応する等、新たな成長機会の獲得を目指してまいります。

 

(1)炭素税導入に伴うコスト増

 IEA2023NZEシナリオを参考に2030年、2050年時点での炭素税額を1.5℃シナリオで140ドル/tCO2、250ドル/tCO2と設定し、Scope1、2に関する炭素税導入による財務影響額を試算しました。

 その結果、当社グループの炭素排出量が2023年と同様の排出量の場合、2030年1.5℃シナリオでは6億1千3百万円、2050年1.5℃シナリオで10億9千4百万円のコスト増が想定されております。

 ただし、当社グループは2050年カーボンニュートラル宣言でのCO2排出量実質ゼロを実現することで、炭素税の負担は軽減されると見込んでおります。省エネルギー活動や再生可能エネルギーへの切り替え、森林再生や有機農業管理面積の拡大を行い、CO2吸収効果を拡大することにより、排出量削減に向けた取り組みを積極的に推進してまいります。

 

想定時期

排出量(tCO2)

炭素税パラメーター

財務影響金額

(円)

Scope1

排出量

(tCO2)

Scope2

排出量

(tCO2)

Scope1、2

排出量合計

(tCO2)

炭素税

(USD/tCO2)

出所

2030年

7,275

22,013

29,287

140

IEA2024

613,108,072

2050年

7,275

22,013

29,287

250

IEA2024

1,094,835,843

 

 

1.5℃シナリオによる炭素税試算

 

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(2)再生可能エネルギー調達価格の変化による影響

 1.5℃シナリオにおける再生可能エネルギーへの切り替えによる再生可能エネルギー調達のコストを試算しました。電力使用量は、2023年と同等とした場合とし、RE100に沿った中間目標である2035年に事業活動で消費する電力の50%の再生可能エネルギーの導入、最終目標である2040年に100%の再生可能エネルギー導入で試算しております。

 その結果、1.5℃シナリオにおける再生可能エネルギーへの切り替えによる再生可能エネルギーの調達コストは、2040年で最小4千8百万円、最大1億9千5百万円のコストが見込まれます。

 店舗や営業所、工場等での省エネ活動の推進を行い、排出量削減の取り組みを行ってまいります。また排出量削減以外にも、グループ会社のワタミエナジー株式会社の再生可能エネルギー事業での電力安定供給を図り、価値変動リスク低減を図ります。宅食や外食のセンター「ワタミ手づくり厨房」の屋根に設置された太陽光パネルで発電した電力のほかにも、関係している北海道厚真町のメガソーラーや秋田県の風力発電「風民」の自然エネルギーを調達し、外部調達依存度の低減を行っております。24年度には奈良県にて小水力発電の「水民」を共同出資し、建設を開始しております。

 

1.5℃シナリオにおける再生可能エネルギーへの切り替えによる調達コスト

想定時期

電力使用量

(kWh)

再エネ調達量

(RE100目標に沿った

再エネ化を想定)

再エネ由来の

電気料金調達額

(円/kWh)

再エネ調達金額

(円/kWh)

再エネ率(%)

再エネ

調達量

(kWh)

最小

最大

最小

最大

2023年

48,911,729

7

2,869,282

69,645,249

2035年

48,911,729

50

24,455,865

1

4

24,455,865

97,823,458

2040年

48,911,729

100

48,911,729

1

4

48,911,729

195,646,916

 

 

(3)異常気象の頻発化、激甚化による影響

 国土交通省「TCFD提言における物理的リスク評価の手引き」や気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会「気候変動を踏まえた治水計画の在り方提言」などを参考に高潮や洪水による建物が破損し、営業停止した場合の特別損失(機会損失)を想定しました。

 その結果、2030年時点では店舗(直営・FC含む)や営業所が2024年と同等の場合、1.5℃シナリオで1億9千4百万円、4℃シナリオで5億8千4百万円の特別損失(機会損失)、2050年には1.5℃シナリオで8億4千4百万円、4℃シナリオで25億3千3百万円の特別損失(機会損失)が見込まれます。

 当社グループの早期再開は、地域の市民の方に温かいお食事をご提供できることにもつながるため、食のインフラ企業として、洪水などの自然災害への対策を事前に検討しております。また有事の際には、地域の災害拠点として、外食店舗や宅食営業所を開放し、予備食材など地域の市民の方に提供することにより、各地域の社会貢献を続けてまいります。

今後もBCPの見直しなど、自然災害リスクが起きた場合の対応を講じてまいります。

 

洪水被害による営業停止による売り上げ機会の損失リスク増加想定

 

1.5℃シナリオ

4℃シナリオ

洪水発生頻度増(倍)

2

4

2030年までの累計リスク増分(円)

194,871,000

584,613,000

2050年までの累計リスク増分(円)

844,441,000

2,533,323,000

 

※想定洪水発生頻度:4℃シナリオ4倍、1.5℃シナリオ2倍

※検討拠点:2024年時点の宅食営業所(代理店含む)525営業所、外食店舗(FC含む)327店舗にて試算。

※洪水により営業停止による特別損失(機会損失)を算出。被害を受けた建物の修繕や洪水の影響で調達や配送での損失額は除外。

 

(b)自然関連のリスクに関する戦略

ⅰ)短期・中期・長期のリスク・機会の詳細

 当社が認識している短期・中期・長期の自然関連リスクと機会、それらリスクと機会の当社の事業及び財務上の影響(定性評価)、並びに対応策については以下のとおりです。

 自然関連リスクと機会への対応策については年に1回、内容を確認し、対応状況の見直しを行ってまいります。

 

※期間の定義

時間軸

期間

定義

短期

2027年

KPI(中間目標)の達成期間

中期

2030年

SDGsのゴール目標、またKGI(最終目標),

「自然損失の阻止と逆転」の達成期間

長期

2050年

昆明・モントリオール地球規模生物多様性枠組(GBF)で合意された「自然との共生」の達成期間

 

 TNFDのLEAPアプローチ※1を活用し、自社及びバリューチェーンの自然資本への依存と影響、リスクと機会を分析しました※2。

 

※1:自然との接点、自然との依存関係、影響、リスク、機会など、自然関連課題の評価のための統合的なアプローチとして、TNFDにより開発され・提供されている。スコーピングを経て、Locate(発見する)、Evaluate(診断する)、Assess(評価する)、Prepare(準備する)の4フェーズから構成される。

※2:分析の対象範囲は一般要件に記載

 

ⅱ)[Locate/Evaluate]自然との接点を見つける

(1)自然資本への依存と影響の把握

 対象のバリューチェーンの各段階について、ENCOREを用いて分析し、自社事業の特徴も考慮した最終的な自然への依存と影響の特定・評価結果をヒートマップにまとめました。分析の結果、直接操業の農業・畜産事業において自然への依存と影響が大きいことを確認しました。また、上流のサプライヤーの原料調達段階においては、SBTNが提供するHigh Impact Commodity List(以下、HICL)※を用いて自然リスクの高い原材料を特定しました。これらについては今後詳細の分析を進めてまいります。

 

※ SBTN(Science Based Targets Network)が提供するHigh Impact Commodity List(HICL)は、「自然への影響が特に大きいとされるコモディティ(原材料)」をまとめたリスト

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HICLに該当する主要原材料

牛肉

豚肉

鶏肉

乳製品

魚介類

コーヒー

アボガド

大豆

イモ

 

(2)優先地域の評価

 直接操業の農業・畜産および食品加工・製造事業の拠点(農場・工場)について評価ツールを用いて要注意地域※への該当有無を確認し、以下の拠点を特定しました。

 

※TNFD提言では次の5つの基準のうち1つ以上に該当する場所を要注意地域と定義している。

*生物多様性にとって重要な地域

*生態系の完全性が高い地域

*生態系の完全性が急速に低下している地域

*物理的な水リスクが高い地域

*先住民、地域社会、ステークホルダーへの便益を含む、生態系サービスの提供にとって重要な地域

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ⅲ)[Assess]自然関連のリスクと機会を評価する

 「ⅱ)[Locate/Evaluate]自然との接点を見つける (1)自然資本への依存と影響の把握」の結果から当社事業への影響が大きい項目についてリスク・機会を特定し、影響度評価を行いました。また対応策について検討しました。農業・畜産事業では、消費者の環境配慮製品へのニーズや規制等への対応の遅れによる収益低下や追加コスト発生等の移行リスク、異常気象による自然災害の被害等による収量減少に伴う収益低下等の物理的リスク、製造や飲食事業では、水不足による生産工程の停止・短縮等の物理的リスクを認識しました。一方で、農業事業では有機農業の実践による農地周辺の生態系の保護・復元・再生の機会、食品廃棄物の再利用による収益増加の機会、製造事業では、プラスチック容器包装の回収リサイクルにより海洋汚染を防止し生態系の保護・復元・再生につながる機会を認識しました。

 今後はシナリオ分析に取り組み、複数のシナリオにおけるリスクや機会を多角的に把握し、適切な戦略立案に活かしてまいります。

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(c)人材育成に関する方針

 ワタミグループは「地球人類の人間性向上のためのよりよい環境をつくり、よりよいきっかけを提供すること」というグループミッションを掲げております。人が成長できる環境、もしくはそのきっかけを一つでも多く提供できる企業でありたいという思いから取り組みを推進しておりますが、その根底にあるのは基本的人権を守るということです。ワタミが事業活動を展開する上で人権に対する負の影響が生じていると判明した場合には、是正に向けて適切な対応をすることにより人権の尊重に努めております。

 2022年には、ワタミ人権方針を策定、重点項目を設定し、達成に向け取り組んでまいりました。

 

(ワタミグループ人権方針)

1、基本的な考え方(尊重する人権)

 ワタミグループは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に沿って、国際人権章典、ILO宣言に定める人権を尊重し、OECD多国籍企業行動指針、UNGCの10原則を支持するように努めます。また、事業を行う国や地域の現地法を遵守し、現地法が脆弱又は国際法と矛盾する場合は、国際規範を最大限尊重します。

 

2、適用範囲

 本方針は、ワタミグループ全ての規程、規範の上位方針として位置づけます。ワタミグループは、本方針を、全ての役員と従業員に適用します。またワタミグループを支えているサプライヤー・ビジネスパートナーの皆様にも本方針を理解し、人権の尊重に努めていただくように求めます。

 

3、人権尊重の責任

 ワタミグループは、自らの事業活動において影響を受ける人々の人権を侵害しないこと、また事業活動を展開する上で人権に対する負の影響が生じていると判明した場合には、是正に向けて適切な対応をすることにより人権尊重の責任を果たしてまいります。

 

4、人権デュー・ディリジェンスの実施

 ワタミグループは、「ビジネスと人権に関する国連指導原則」に従って、事業活動で人権侵害(児童労働、強制労働、差別等)を容認しないという方針のもと、人権への負の影響を特定、是正、緩和、防止するためのデュー・ディリジェンスの仕組みを構築し適切かつ効果的に実施してまいります。

 

5、推進体制

 人権尊重のための方針は、経営の最高意思決定機関の取締役会が決定します。具体的な施策の実行にあたっては、全社横断のタスクチームを発足します。

 

6、対話・協議

 ワタミグループは、人権尊重の取り組みや進捗状況を定期的にウェブサイトなどで全てのステークホルダーに対して開示します。

 

7、情報開示

 ワタミグループは、人権尊重の取り組みや進捗状況を定期的にウェブサイトなどで全てのステークホルダーに対して開示します。

 

8、理解浸透・教育

 ワタミグループは、人権方針が浸透するようにすべての役員及び従業員に対して、研修会や社内のイントラネットなどを活用して適切な教育を行います。

 

9、人権における重点項目

 ワタミグループは、以下の人権課題の取り組みが、人権遵守における重点テーマと位置づけております。

 事業活動に大きな影響を持つ以下の取り組みから推進します。

・労働環境の改善     ・ハラスメントの防止       ・救済へアクセスする権利の確保

・ダイバーシティの推進  ・サプライチェーン上の人権尊重

 

 「ビジネスと人権に関する指導原則」では、自社内部で発生しうる人権に関するリスクのみならず、サプライチェーンで発生しているリスクに対しても負の影響を防止又は軽減するように努めることが求められております。

 そこで、ワタミグループでは、社会的責任の国際規格である「ISO26000」に基づき専門家のアドバイスを受け、ワタミサプライヤーガイドラインを策定、当ガイドラインのサプライヤー様への周知を図り、アンケート又は署名にて賛同いただけるように努めるとともに主要な御取引先様との人権活動に関する意見交換やフィードバックを行うなど、共同して取り組んでまいりました。結果、ワタミグループサプライヤーガイドライン同意書の回収率が95%以上となるなど、大きな成果を上げております。

 2024年度は、これら取り組みを一層強化、その進捗を公開し、情報を更新してまいります。

 

 このほか自社人権DDの取り組みを強化し、専門家のアドバイスをもとに、人権リスクをさらに幅広く、網羅し、対象範囲を広げて実施してまいります。

 

 また、自社アンケートをもとに、ハラスメント項目においても、負の影響を防止、軽減するための自社オリジナルのガイドラインを策定する計画です。

 

(従業員の幸せ日本一を目指して)

 ワタミグループは、理念を共有し、従業員一人ひとりがそれぞれの夢や目標を実現していく組織を目指すことが、会社の成長につながると考えております。また、「ワタミで働いていることに幸せを感じている」という社員の割合(幸せ満足度)95%以上を目指しており、グループ共通で「地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになろう」を合言葉に、従業員の幸せ日本一の職場づくりに努めております。

 

・ミッションツリー

 ミッションツリーとは、社員一人ひとりの人生と会社をどう重ねていくかという一つの大きなテーマを持った図です。根底にあるのは、個人の存在目的と会社の存在目的です。人間は誰もが自分の生きる目的を持っており、つまり「自分は何のために生きているか」「自分にとって大切なものは何か」、これが個人の存在目的です。これらをもっと大きく会社として形にしたものがミッションであり、会社の存在目的と重ねることで、ミッションを共有してほしいという意味があります。

 これを達成するための仕組みがワタミモデルであり、その上で「ワタミモデルを世界中に広げる」という目標に向けて、まずは戦略目標として「2048年1兆円グループ」を掲げ、毎日のPDCAを回そうという、逆算の考え方です。

 このミッションツリーの考え方から、新しく「理念集」も作成し、章立ても構成されております。

 

・理念集とワタミ夢ストリートの更新

 ワタミグループでは、各事業から、日頃より「理念集」を常に意識し、誰よりも活用している社員でプロジェクトを組み、全社員にとって「さらに使いやすく手に取りやすい」理念集を完成しました。社員一人ひとりがワタミの歴史や思いを改めて理解し、自分の言葉で話せるように、理念一覧や事業誕生の背景、最新の会長のメッセージなどを掲載しております。さらに、本社に来ていただくお客様と、ワタミの理念の接点として開設した「ワタミ夢ストリート」も更新しました。理念の基になった背景を細かく一覧にして展示したり、ワタミモデルの歴史やSDGsコーナーを増設したりと40年分の思いが詰まっております。この「ワタミ夢ストリート」を広げるためアンバサダー制度も導入します。

 

・夢手帳

 ワタミグループでは、「夢手帳」の考え方(夢や目標をカラーで描き、それらを達成するためにいま何をしなければいけないのかを、年間・月間・週間・日々の行動へと逆算して手帳に落とし込んでいく逆算方式)をもう一度社員に理解し、実践してもらうことに力を入れております。

 日々の振り返りに活用してもらうために、身近なところである「今日どんな行動を変えるのか」を考え、書くことにこだわって、まずは日記を書き始めることから夢手帳の活用を習慣化してほしいと考えております。

 

・ワタミモデル体現ツアー

 ワタミグループでは、ワタミモデルを日本中に世界中に広めるためには、まずは社員一人ひとりがワタミモデルを理解し、そして体験し、それらを自分の口で語れるようになるため、ワタミファームの収穫体験やワタミエナジーのにかほツアー、ワタミが支援する3つの公益財団の一つであるSAJのカンボジアツアーなどを実施しております。研修会や社内報でしか知ることができなかった現状を体験し、より一層会社の取り組みを理解します。

 

・夢を語る会

 ワタミグループでは、副社長清水邦晃が全国の社員約1,000人(店長・所長・主任職以下)を対象に、一人ひとりの社員と向き合いながら日頃の感謝を伝え、全国をまわる「夢を語る会」も2024年で4年目になります。半年に一度開催の全体会議や、課長以上を対象とした幹部理念研修で会長が伝えた話を、何度も繰り返し社員に伝える場としても、夢を語る会は重要な役割を担っております。さらに2024年は、夢手帳の使い方をもう一度理解してもらうことにも力を注ぎ、夢実現のための取り組みを行っております。

 

・新たなキャリアアップ制度を導入

 ワタミグループでは、今までのキャリアステップはマネジメントを行うことが前提でしたが、マネジメントだけではなく専門性の高い業務を遂行することによってキャリアを上げられる専門職コースを構築し、一人ひとりの夢に寄り添える制度を導入しました。現在は、仕入や商品開発など専門知識の必要な分野で16名が活躍しております。

 

・健康課題への推進

 ワタミグループではグループ全体で健康推進の取り組みをすることで、従業員一人ひとりの生産性を高められるよう努めており、健康経営優良法人(大規模法人部門)に認定されております。

 以下は取り組みの内容の一例となります。

 

健康診断100%受診を継続。

産業医が判定した健康リスクのある有所見者に対しての保健指導。

生活習慣病の発症リスクがある方への特定健康保健指導を実施。

私傷病や業務災害により長期休職や入院となった場合に備えて、休業補償や入院給付を受けられ民間保険に会社が全額負担で加入。

 

(d)ダイバーシティの推進

・多様性の確保についての考え方

 ワタミグループは、「SDGs日本一を実現し地球上で一番たくさんの”ありがとう”を集めます」という形でSDGs宣言をさせて頂いております。具体的にはワタミサスティナブル方針として、外食企業、宅食企業、原料調達から消費までのサプライチェーンを構成する事業、農業、エネルギー事業において、経済的・社会的・環境的ニーズの充足、従業員の幸せ、地域貢献などの持続可能な企業活動を通じて、SDGsを達成することを目指しております。

 ワタミモデル(再生可能エネルギーを利用した循環型6次産業モデル)をより深化させていくことがSDGs宣言の達成に繋がると考えており、宣言の達成に向け、幅広い各方面の知識・経験を結集させることが不可欠です。

 ワタミグループは、異なる経験・技能・属性(ジェンダーや国籍等)を反映した多様な視点や価値観が存在することが、持続的な成長を確保するうえでの強みとなり、SDGs宣言の実現に資するものと考え、人材の多様性の確保を推進いたします。

 

・多様性確保の状況

 ワタミグループは、タスクフォースチームを組織し多様性の確保に向けた取り組みを実施しております。

 

(1)女性活躍推進の取り組み

 ワタミグループは、女性活躍推進への取り組みに関する方針を具体化するため、経営的視点を伸長させるための教育や、女性がライフイベントを乗り越え働き続けていける制度の充実などに取り組んでおります。

 女性が将来にわたり活躍し続けるためには、結婚や出産などに合わせた人事施策が必要です。残業時間の削減、有給休暇の取得促進、インターバル制度や短時間勤務制度の導入などの取り組みを積極的に行い、女性が長く働くことができる環境を整え離職率の低減を図ってまいります。

取り組み

実績(2025年3月末日時点)

2024年度採用者における女性の採用割合

正社員33.7%

パートタイマー53.6%

2024年度管理職の男女比率

女性20.8%(66名)

男性79.2%(252名)

(注)提出会社の状況であります。

 

(2)中途採用者の管理職への登用

 ワタミグループは、様々なキャリアバックグラウンドを持つ人材の管理職への登用を進めております。

 なお、企業価値向上に資する適切な人材を性別や国籍、過去の経験や経歴を限定せずに登用するという方針に鑑みて、女性、外国人、中途採用者の採用に関して、自主的かつ測定可能な目標について定めておりませんが、更なる多様性の確保に向け現状よりの増加に努めてまいります。

 

・多様性の確保に向けた社内環境整備方針

 ワタミグループは、タスクフォースチームを組織し、多様性の確保に向けた取り組みを実施しており、従業員が出産・育児・介護などに携わりながら職場で継続的に能力が発揮できるよう、出産・育児・介護に関する支援・休職など各種制度、時間短縮勤務や深夜就労・残業の制限などを導入しております。また、健康診断受診率も2020年度には100%を達成し、健康に留意する必要がある従業員には運動プログラムや食事の在り方を提案するなど、健康の維持・管理の支援をしてまいります。

取り組み

実績(2025年3月末日時点)

育児休業取得率

女性 100%/男性 25.0%

(注)提出会社の状況であります。

 

・障がい者雇用の推進

 ワタミグループでは、障がいの有無を超え、ともに働く仲間として学び合い、ともに成長することを目標に、障がい者の雇用に取り組んでおります。障がい者の方に、働く場を提供するだけでなく、ワタミグループの一員として社会に貢献し、やりがいをもって仕事に取り組める環境をつくることが、最も大切だと考えております。現在、ワタミの外食店舗での清掃や仕込み、宅食営業所での事務補助、「ワタミ手づくり厨房」での製造・荷受け・事務補助などの仕事に従事しております。

取り組み

実績(2025年3月末日時点)

障がい者雇用率(法定雇用率2.3%)

2.7%

(注)提出会社の状況であります。

 

・シニア活躍推進

 ワタミグループでは、外食、宅食、食品工場などで60歳以上の方々が多数活躍しております。「高齢者が健康に働ける社会」の実現に向けて、これまでの経験や知識を活用していきいきと働く環境を提供してまいります。

取り組み

実績(2025年3月末日時点)

60歳以上の雇用者数

756名

(注)提出会社の状況であります。

 

(e)労働環境の改善に向けた社内環境整備に関する方針

・健康経営

 ワタミグループは、労働環境改善を経営の最重要課題に位置付け、2016年より外部有識者を交えた「コンプライアンス委員会」と「業務改善委員会」を設置し、コンプライアンス順守のモニタリングとともに労働環境改善の取り組みを進めてまいりました。2019年からは、取締役と人材開発本部、事業教育担当者が参加する「従業員幸せ会議」を毎月開催しております。2023年3月には、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人(大規模法人部門)2023」に認定されました。さらに「健康経営優良法人ホワイト500」の認定を目指します。

 

・新入社員へのサポート

 ワタミグループでは、入社後、職場の困りごとを上司以外の社員にも気軽に相談できるよう、本部の人材開発本部・教育部の先輩社員が新入社員をサポートできる体制として、メンター制度を導入しております。毎月、労働時間の確認や上司とのコミュニケーションについてなど新入社員が抱えている悩みや不安をヒアリングしてフォローアップを行っております。

 

・出産・育児・介護への支援

 従業員が安心して、出産・育児・介護などに携わりながら職場で継続的に能力が発揮できるよう、出産・育児・介護に関する支援や休職などの各種制度、時間短縮勤務や深夜就労・残業の制限等を導入しております。また、改正育児介護休業法に則り、男性の育児休業取得を推進しております。出産予定や復職予定の女性従業員のみならず、配偶者が出産予定の男性従業員に対しても本制度を伝え、産褥期や復職時に夫婦で協力して育児を行えるよう、会社としてサポートしております。

 

・業務の効率化への取り組み

 ワタミグループでは、外食店舗の営業がより効率的にできる取り組みとして、テーブル端末(商品注文システム)の導入、主力業態を中心にマニュアルの動画、従業員一人ひとりの勤務時間と作業割り当てをするための「ワークスケジュールシステム」の全店への導入など、事務作業や教育の面でのシステム化を推進しております。また、宅食事業では2022年度からまごころスタッフの会計業務などを手作業からスマートフォンで実施できるようにIT化を強化しております。

 

・勤務インターバル制度の導入

 ワタミグループでは、従業員の健康を守り、生活と仕事のバランスを保ちながら働き続けられるよう、2019年1月1日より、勤務間インターバル制度を導入しております。

制度の開始時期

2019年1月1日

インターバル期間

8時間

対象範囲

全従業員(パート・アルバイト含む)

 

・適切な労働時間管理と有給休暇の取得

 ワタミでは、人事部門にて日々勤務時間数を確認、配信することで、労働時間が長くなりそうな従業員の上長に対して注意喚起をし、長時間労働が発生することを未然に防げるように努めております。繁忙期には、本部の人員も交えて営業態勢を整えるなど、全社一丸となって運営と時間管理に取り組んでおります。

 有給休暇の取得も、年間で必ず5日間以上取得できるよう、人事部門で管理、発信することで、適切に休暇を取れる環境を整えております。

 

・ハラスメント研修の実施

 ハラスメント防止のため、各事業の研修会において、ハラスメント研修を年2回実施しております。また、パート・アルバイトにも研修内容を動画で共有し、ハラスメントの知識を習得することにより、社内の啓発を図っております。また、ワタミでは社外機関とハラスメント救済システム(ヘルプライン)を設置し、救済の場を設けております。

 ハラスメント(Harassment)とは相手の意に反する行為によって不快にさせたり、相手の人間としての尊厳を傷つけたり、脅したりすること。いわば「いじめ」「嫌がらせ」と同等の意味をもつ行為です。たとえ、相手を「傷つける」「いじめる」という意図がなくても、相手が不快な感情を抱けばハラスメントは成立します。

 

・メンタルサポートダイヤルの設置

 ワタミグループでは、心身の不調が原因となる遅刻や早退、就労が困難な欠勤、休職など、業務自体が行えないなど状態になる前に把握し、社員一人ひとりの仕事の生産性を高められるよう努めております。例えば、健康診断受診推進に関しては、受診率100%を継続するとともに、健康の維持管理の支援を行っております。また、社員本人だけではなく配偶者及びいずれかの被扶養者が利用できる「メンタルヘルス相談窓口(ワタミグループサポートダイヤル)では、希望に応じて、メンタル不調に関する電話でのカウンセリングやWEB相談、面談によるカウンセリングを受けることができます。今後も社員の健康維持に向けた取り組みを強化してまいります。

 

・「ワタミヘルプライン」の設置

 ワタミグループは、グループ内に存在し得る問題を広く受け付け、積極的に問題の解決に務めることができるよう、グループ全従業員(パート・アルバイトメンバーを含む)及びお取引先業者様に向けた「ワタミヘルプライン」を設置しております。受付窓口は、メールにて社内独立組織である「ワタミヘルプライン事務局」に直接連絡する窓口、そして、電話にて外部委託先である「三好総合法律事務所様」経由で連絡する窓口の計2つを設けております。また、海外においても、メール相談窓口を設置しております。これにより、グループ内に存在する問題の未然防止・早期発見の体制をさらに強化するとともに、引き続き制度の透明性・利便性の向上、通報者の保護の徹底に努めてまいります。

 

・「代表取締役会長兼社長CEOへの直通ダイヤル」を設置

 ワタミグループでは、2022年9月に代表取締役会長兼社長CEOへの直通ダイヤルを開設しました。全従業員が直接意見を伝えることができるようになり、将来に向けてよりよい環境づくりの向上に努めてまいります。

 

④指標及び目標

(a)気候関連リスク・機会の管理に用いる指標

 ワタミグループは、気候関連リスク・機会を管理するための指標として、Scope1・2・3温室効果ガス排出量を定め、その実現のため、有機栽培自社農場面積、事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギー比率、循環型社会を目指した容器回収率の指標を定めております。

 

(b)温室効果ガス排出量 Scope1・2・3

 ワタミグループ(一部連結子会社を除く)は、国内外食事業をはじめ、海外事業、お弁当宅配の宅食事業、外食や宅食事業を支える仕入・物流・食品工場部門、農業、電力小売事業などの事業を行っておりますが、さまざまな資源やエネルギーを使用することで、環境に影響を与えております。その環境負荷は、直接管理するものだけでなく、原材料の調達から商品の製造、物流、販売、廃棄、リサイクルに至るまでのサプライチェーンの各段階に及びます。各段階における環境影響を把握し、低減又は相殺する方法を検討していくための基礎となるのが、温室効果ガスのサプライチェーン排出量算定です。

 2022年度は、新型コロナウイルス感染症による規制が徐々に緩和され、業績が大きく改善しました。それに伴い、グループ全体の温室効果ガス排出量は増加しました。中でもスコープ3のカテゴリ1は売上増による仕入れ増の影響もあり、大幅な増加となりました。今後、さらに業績が伸びる見込みであることからサプライチェーンとも連携して脱炭素対策を講じる必要があり、現在、情報収集等の取り組みを始めております。一方、スコープ1、2は中国のゼロコロナ政策を受け、海外外食の直営店舗が撤退したことで減少しておりますが、国内外食、宅食、生産工場ともに売上増、稼働率増に伴い、増加しているため、省エネルギー機器やLEDの導入を行うなどしてグループ全体で排出量を抑制するように努めます。(算定から除いた会社:WATAMI USA GUAM、㈲当麻グリーンライフ、ワタミカミチク㈱)

 ワタミグループでは、環境負荷低減の取り組みを正しく評価・検証するために「2019年度実績」から毎年、サプライチェーンの上下流(原料調達から製造、物流、販売、廃棄等)にわたる事業活動に伴うGHG排出量の第三者検証を実施しております。国際的なGHG算定・報告基準「GHGプロトコル」に準拠し、「Scope1、2」についてソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社による第三者検証を受け、保証書を取得しました。第三者検証を受けることで、透明性のある情報開示を行い、社内外から信頼性の向上につなげてまいります。

 

・ワタミグループ Scope1・2・3温室効果ガス排出量実績

 

温室効果ガス排出量実績 排出量(t-CO2 e)

 

2021年度

2022年度

2023年度

Scope1・2・3排出量 合計

212,619

235,419

281,330

内訳

 

 

 

Scope1排出量

7,246

6,815

7,275

Scope2排出量

21,585

19,605

22,013

Scope3排出量 合計

183,788

209,000

252,043

 

 

(c)気候関連リスク・機会の管理に用いる目標及び実績

 ワタミグループは、気候関連リスク・機会を管理するための指標として、Scope1・2・3温室効果ガス排出量を定め、その実現のため、事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギー比率(RE100 2030年までに50% 2040年までに100%)及び循環型社会を目指し、2030年までに食品ロスゼロ、リサイクル100%の指標を定めております。

 これらの長期目標達成のため、当社グループは、1998年度から、再生可能エネルギーを供給するためワタミエナジー㈱を設立し、1999年度にはワタミ環境宣言、2018年度にはSDGs宣言、2018年に「RE100」(※)に加盟、2019年度にワタミサスティナブル方針を宣言しました。今後も、カーボンニュートラルの実現に向け、GHG削減のため、有機農業、容器リサイクル、バイオマス発電、再生可能エネルギーの調達促進に取り組みます。

 

※ 事業活動で使用する電力を、2050年までに100再生可能エネルギーにすることを目標とする国際的イニシアチブ。

 

・ワタミグループの気候関連リスク・機会の管理に用いる目標

指標

目標年度

目標内容

温室効果ガス排出量

2050年

「パリ協定」で掲げられた2050年までに地球温暖化零を目標に段階的かつ具体的な対策を講じてまいります。

事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギー比率

2040年

事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギー比率100%

2030年

事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギー比率50%

容器回収率

2030年

容器回収率80%

 

(d)自然関連リスク・機会の管理に用いる目標及び実績

指標及び目標

 

自然の変化の

要因

指標

単位

2024年度

(実績)

2025年度

(目標)

2026年度

(目標)

有機農場の面積

陸利用の変化

陸利用の変化の範囲

ha

530

550

650

プラ容器・包装資材の削減

汚染/汚染除去

プラスチック汚染

SKU

80

53

38

水使用量

汚染/汚染除去

廃水排出

KL

471

465

460

食品廃棄の削減(再生利用等実施)

汚染/汚染除去

廃棄物の発生と処理

46.3

60

63

プラ容器回収リサイクル

汚染/汚染除去

廃棄物の発生と処理

65.1

67

69

 

(e)人材育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績

 上記「③戦略」において記載した、人材育成及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する実績は次のとおりです。なお、当該指標に関する具体的な目標値については今後更なる現状の要因分析を進め、戦略の実現に向けた目標値を取りまとめてまいります。

指標

実績(2025年3月末日時点)

男性の育児休業取得率

25.0

年次有給休暇取得率

53.4

障がい者雇用率

2.7

管理職に占める女性の割合

20.8

(注)指標、実績は提出会社の状況であります。

 

(5)今後の取り組み

 昨今、天然資源や製品が一度きりの使い捨ての形で使用されることが前提となる、従来型の「リニア・エコノミー」は、大量採取による天然資源の枯渇、温室効果ガス排出による地球温暖化、大量の廃棄物による海洋汚染等、深刻な気候変動をもたらしております。

 ワタミグループは、飲食業を中核とする企業グループである強みを活かし、これらの気候変動に伴うリスクと機会に対応していくことが重要であると考え、

・再生可能エネルギーを利用した循環型6次産業モデルの推進

・気候変動に伴う物理リスクへの対応策の強化による強靭なサプライチェーンの実現

・消費者の消費行動の変化に対応した低炭素製品・サービスへの積極的対応

等に取り組んでまいります。

 今後も、当社グループは、取締役会による監督体制のもと、環境マネジメントにおけるガバナンスの強化を進め、中長期の目標達成に向けた実行計画の立案等、全社的な取り組みを進めてまいります。

 

3【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 [A.各事業領域共通のリスク]

①新規事業に関するリスク

当社グループは、「地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになろう」というスローガンのもと、事業活動を通じて、社会の課題解決に貢献することに挑戦し続けていきたいと考えております。新規事業については現時点で入手可能な情報に基づき、その拡大可能性を判断し事業展開を図ってまいりますが、潜在的なリスクも含まれており、当社が現時点で想定する状況に大きな変化があった場合は、事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

②仕入の変動要因に関するリスク

伝染病の蔓延や天候不順、仕入先の環境変化、外国為替相場の大幅な変動、さらには自然災害の発生等により食材の需給が逼迫し仕入単価が高騰した場合、当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。また、資源の枯渇が危惧される品種の漁獲量制限等により、全世界的に入荷が困難になった場合、当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③生産の変動要因に関するリスク

当社グループは、食料品材料セット・調理済み商品の製造工場として全国5箇所、冷凍食品の製造工場として尼崎に1箇所、計6箇所の製造拠点を設置しております。いずれも拠点の分散化が図られておりますが、食中毒や火災等によりセンター・工場が稼動不能の状態となった場合には、店舗等への食材供給や商品の供給に支障をきたす恐れがあり、その場合、当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

海外事業においては、香港において国内外食事業と同様の集中仕込センターを設置し、シンガポールにおいては卸売事業用の加工工場を保有しております。食中毒や火災等によりセンター・工場が稼動不能の状態となった場合には、店舗等への食材供給や商品の供給に支障をきたす恐れがあり、その場合、当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④人事労務に関するリスク

労働基準法等の法令違反、ハラスメント、就業規程等の社内規則からの逸脱等があった場合には、従業員の働きがいやモチベーションの低下をまねき、労働市場における需給が逼迫する中、それらを起因として優秀な人材の流出をもたらすとともに、人材の確保が困難となります。結果、当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、これらのリスクに対して、ハラスメント研修等社内教育の実施、内部監査部門による監査、グループリスク・コンプライアンス委員会による管理監督等を通してモニタリング体制を強化してまいります。また同時に「従業員の幸せに関する7つの項目」を人材戦略の柱として、当社グループの理念に向けた人事施策を策定しており、従業員の幸せ日本一を実現するべく、グループ一丸となって推進してまいります。

詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4)TCFD提言が推奨する4つの開示項目に沿った情報開示 ③戦略」の「(d)人材育成に関する方針」、「(e)ダイバーシティの推進」及び「(f)労働環境の改善に向けた社内環境整備に関する方針」をご参照ください。

 

⑤為替変動に関するリスク

当社グループは、外貨建て金融資産を保有し、またFC店を含め、海外で70店舗を展開しております。このため、為替相場の変動に伴い、為替差損益が発生し、当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、連結財務諸表の作成にあたり、海外のグループ会社の現地通貨建ての財務諸表を日本円に換算しております。このため、為替相場の変動により、当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑥特有の法規制に関するリスク

当社グループの国内外食事業については食品衛生法により規制を受けております。当社グループが飲食店を営業するためには、食品衛生管理者を置き、厚生労働省の定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければなりません。なお、食中毒を起こした場合、食品等の廃棄処分、営業許可の取り消し、営業の禁止、一定期間の営業停止等を命じられ、当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

海外事業においても各国における同様の法的規制を受けております。

 

  [B.各事業領域におけるリスク]

①国内外食事業に関するリスク

国内外食事業における居酒屋事業は、マーケットの縮小傾向が続いており、お客様ニーズの多様化など厳しい事業環境にあります。加えて、今般の新型コロナウイルス感染症の影響によりお客様の飲食スタイルは大きく変化し、イスラエル・パレスチナ情勢、ロシア・ウクライナ情勢などの地政学的リスク等の影響により、エネルギーや原材料価格は依然として高い水準を推移しております。お客様のニーズ、物価上昇圧力等に適切に対応できない場合には、当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対応するため、引き続き店内飲食だけではなく、テイクアウト・デリバリー業態を強化するとともに、焼肉業態、ハレの場を提供する業態に加え、今般、M&AしたSUBWAY事業の展開による成長戦略を推進してまいります。

 

②宅食事業に関するリスク

宅食事業は、高齢化社会の進展とともにマーケットが拡大している一方、新規参入業者の増加など競争環境も激化しており、競争環境に適切に対応できない場合には市場シェアの低下を招き、当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対応するため、商品力の強化、エリア戦略の見直しを継続的に行い、新規顧客の獲得による市場開拓、シェア拡大を図るとともに、新しい販売チャネルとして法人営業を全社的に取り組むとともに、製造工場における省人化投資を進めるなど、生産性の一段の向上を進めております。

 

③海外事業に関するリスク

海外事業は、日本食マーケットが拡大している一方、ニーズの細分化により競争環境も激化しております。加えて、物価上昇圧力の増加なども重なり、当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対応するためには、現在出店する商業施設のオーナー様のテナント入替ニーズ、お客様の飲食ニーズに的確に対応することが重要であると考えております。そのため、日本の国内外食事業と商品開発体制などの連携を強化して新業態の開発と出店を進めてまいります。また、競合店出店による集客力の低下、不動産施設費の高騰、人件費の上昇など収益環境が短期間で悪化する事態への対応として、戦略的なスクラップアンドビルドとあわせて、利益を捻出しやすい組織体質の継続的構築を進めてまいります。

また、シンガポールで食肉魚介類の調達、加工、卸売事業を展開しているLEADER FOOD グループのM&Aに続き、2024年4月には、米国のネバダ州で寿司の加工、卸売事業を展開しているSONNY SUSHI COMPANYから同事業を譲受けました。

シンガポールで調達、加工、卸売を行う現地法人を活用することで、海外サプライチェーン、調達力、販売力を強化するとともに、米国においても販売力の向上を図ります。

 

  [C.その他のリスク]

①感染症及び物価上昇等に関するリスク

経済活動や消費行動はコロナ禍以前へ回復する一方、為替変動等につきましては、米国における政策金利の引き下げ、日本国内における物価上昇圧力に対する政策金利の上昇等により、日米金利差は縮小傾向にありますが、イスラエル・パレスチナ情勢、ロシア・ウクライナ情勢などの地政学的リスク等による影響が引き続き見られるとともに、エネルギーや原材料価格は依然として高い水準で推移しております。

このような環境のなか当社グループは当連結会計年度においては、営業利益は対前年を上回る利益を計上しております。飲食業界における経済活動はコロナ禍前の水準まで回復しております。一方、急速な回復による需給関係の一時的な逼迫による物価高や賃金上昇圧力の増加などの新たな環境の変化により、当社グループの想定と実際の景気動向は乖離する可能性があり、当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対応するため、2024年10月には、日本サブウェイ合同会社(2024年12月20日付でWATAMI FAST CASUAL MANAGEMENT合同会社に商号変更し、2025年4月3日付でWATAMI FAST CASUAL MANAGEMENT株式会社に組織変更)の持分を取得し、同社を子会社化するとともに、Subway International B.V.とマスターフランチャイズ契約を締結いたしました。今後、日本国内において、SUBWAY事業の直営店舗及びFC店舗を展開し、様々な業態(居酒屋業態、焼肉業態、テイクアウト・デリバリー業態、ハレの場を提供する業態等)とともにお客様の多様なニーズにさらに対応することで、外食事業の拡大を図ってまいります。

また、宅食事業は、これからの少子高齢化や多様な働き方によって高まる在宅需要に対応するため、冷凍総菜宅配サービスの拡大及びインフレ環境における低価格商品の販売など、利用者ニーズに応じた継続的な成長基盤の整備が必要であると考えております。

これら外食事業及び宅食事業の仕組みを支える商品開発・仕入・物流・製造などのMD体制につきましては、継続的な見直し及び改善を行い、他社との差別化並びに収益構造の改革に取り組み、リスクに対応した業態ポートフォリオの構築を進めてまいります。

②固定資産の減損に関するリスク

国内外食事業及び海外事業では新規店舗の出店や改装に伴う自社保有の固定資産を利用して事業展開しているため、市場環境や経営環境が悪化して店舗の収益性が低下した場合には、固定資産の減損処理により、当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対応するため、出店及び改装時における投資リスクの評価や戦略的なスクラップアンドビルドによってリスクの軽減に努めております。

 

③差入保証金に関するリスク

当社グループは事業を展開するにあたり、物件オーナーと賃貸借契約を締結し保証金の差入をしております。

オーナーの破産等により保証金の回収不能が発生した場合、当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④TCFD提言に沿った情報開示

「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。

 

⑤システムに関するリスク

当社グループが行う販売活動、生産活動並びに各種事業活動は、POSシステム、販売管理システム、生産管理システム等のコンピュータシステムを活用しており、これらコンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを利用しております。通信ネットワークに生じる障害や、ネットワーク又はコンピュータシステム上のハードウエアもしくはソフトウエアの不具合・欠陥、データセンターの機能停止等により事業活動に支障が出る可能性があります。また、情報システムが適切に導入・更新されていないことによるシステム上の不具合、業務の非効率、生産性低下を招き、事業活動に支障が出る可能性があります。

 

⑥情報セキュリティに関するリスク

当社グループは、お客様、従業員等に関する多くの個人情報を店舗及び本部にて保有しております。これら個人情報につきましては、個人情報管理規程及び情報セキュリティ規程に基づき、個人情報保護を担当する責任者のもと、厳正に個人情報の漏洩防止に努めております。しかし、これらの個人情報が外部へ流出した場合には、当社グループのブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対しては社員への研修の強化、ITによる情報セキュリティの強化により対応するとともに、グループリスク・コンプライアンス委員会の監督指導のもと、適切に対処してまいります。

 

⑦海外展開に関するリスク

(カントリーリスクについての考え方)

当社グループは、海外展開を積極的に進め、事業規模を拡大していくことを経営戦略の1つとしており、シンガポール、米国、台湾、香港、フィリピン等において直営店の運営、フランチャイズ展開、製造加工販売等を行っております。これら当社グループの事業展開国における、政治、経済、法改正、商慣習の違い等から予測困難なリスクが発生した場合、当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対しては、海外現地法人が情報収集に努めるとともに、当社グループのリスク管理部門とも連携し、グループリスク・コンプライアンス委員会の監督指導のもと、適切に対処してまいります。

 

(グローバル・リスクマネジメントについての考え方)

当社グループは、海外においても、労務管理、安全衛生管理、法的規制、情報セキュリティ等の各リスクについて、各国のリスクマネジメント体制の構築を図っております。海外子会社及び関連会社にてリスクが顕在化・発生した場合には、事業継続の困難、訴訟リスクや社会的信頼の低下など、当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、各国の事業責任者、管理部門と連携し、グローバル・リスクマネジメントに努めております。

 

⑧M&Aに伴うのれん等の処理について

当社グループは、M&Aを行う際に対象会社の財務内容や収益力等について、デユーデリジェンスを行い、買収価格の決定、のれんの計上を行っております。対象会社の業績が悪化し、のれん計上時に作成した事業計画と著しい乖離が生じた場合、減損処理を行う必要が生じ、これにより当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、2025年3月末におけるのれんの残高は681百万円であります。当社は、親会社として各事業会社の事業計画を達成するべく、事業の拡大、生産性の向上に資するような支援を行ってまいります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

2024年2月6日(みなし取得日 2023年12月31日)に行われたLEADER FOOD PTE.LTD.、PREMIUM SEAFOOD SUPPLIES PTE.LTD.及びLEADER FOOD INDUSTRIES PTE.LTD.の3社との企業結合について、前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。

 

経営成績等の概要

(1)経営成績の状況

わが国経済は、経済活動や消費行動がコロナ禍以前へ回復するとともに、賃上げの動きの広がり等、雇用・所得環境の改善が進み、個人消費は回復基調で推移いたしました。

為替変動等につきましては、米国における政策金利の引き下げ、日本国内における物価上昇圧力に対する政策金利の上昇等により、日米金利差は縮小傾向にありますが、イスラエル・パレスチナ情勢、ロシア・ウクライナ情勢などの地政学的リスク等による影響が引き続き見られるとともに、エネルギーや原材料価格は依然として高い水準で推移しております。

このような環境のもと、当社グループは当連結会計年度においては、営業利益は対前年を上回る利益を計上しておりますが、経常利益につきましては、為替の影響により対前年比減益、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、為替及び法人税等調整額の影響により対前年比減益となっております。飲食業界における経済活動はコロナ禍以前の水準まで回復しております。一方、急速な回復による需給関係の一時的な逼迫による物価高や賃金上昇圧力の高まりなどの新たな環境の変化に対応する必要があります。

このような状況の中2024年10月には、日本サブウェイ合同会社(2024年12月20日付でWATAMI FAST CASUAL MANAGEMENT合同会社に商号変更し、2025年4月3日付でWATAMI FAST CASUAL MANAGEMENT株式会社に組織変更)の持分を取得し、同社を子会社化するとともに、Subway International B.V.とマスターフランチャイズ契約を締結いたしました。今後、日本国内において、SUBWAY事業の直営店舗及びフランチャイズ店舗を展開し、様々な業態(居酒屋業態、焼肉業態、テイクアウト・デリバリー業態、ハレの場を提供する業態等)とともにお客様の多様なニーズにさらに対応することで、外食事業の拡大を図ってまいります。

また、宅食事業は、これからの少子高齢化や多様な働き方によって高まる在宅需要に対応するため、冷凍総菜宅配サービスの拡大及びインフレ環境における低価格商品の販売など、利用者ニーズに応じた継続的な成長基盤の整備が必要であると考えております。

これら外食事業及び宅食事業の仕組みを支える商品開発・仕入・物流・製造などのMD体制につきましては、継続的な見直し及び改善を行い、他社との差別化並びに収益構造の改革に取り組み、リスクに対応した業態ポートフォリオの構築を進めてまいります。

財務面では、2021年度においてDBJ飲食・宿泊支援ファンド投資事業有限責任組合との間で株式投資契約書及び総株引受契約書を締結し、12,000百万円の優先株式を発行して手元流動性を高めるとともに、調達した資金を成長戦略へ投資することにより、厳しい環境下においても確実な成長と業績の改善に取り組んでまいります。当社グループはこのような環境下においても「地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになろう」というグループスローガンのもと、各事業分野においてお客様のありがとうを集める活動を展開してまいりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

①国内外食事業

国内外食事業におきましては、2024年10月に、日本サブウェイ合同会社(2024年12月20日付でWATAMI FAST CASUAL MANAGEMENT合同会社に商号変更し、2025年4月3日付でWATAMI FAST CASUAL MANAGEMENT株式会社に組織変更)の持分を取得し、同社を子会社化するとともに、Subway International B.V.とマスターフランチャイズ契約を締結いたしました。これに伴い、FC186店舗を引き継ぐとともに、FC店舗含め11店舗の新規出店、33店舗の撤退を行った結果、当連結会計年度末の店舗数は492店舗となりました。飲食業界における経済活動はコロナ禍以前の状態まで回復しており、売上高は34,392百万円(前期比107.3%)、セグメント利益は1,610百万円(前期比123.2%)の増収増益となりました。

今後、日本国内において、SUBWAY事業の直営店舗及びフランチャイズ店舗を展開し、様々な業態(居酒屋業態、焼肉業態、テイクアウト・デリバリー業態、ハレの場を提供する業態等)とともにお客様の多様なニーズにさらに対応することで、外食事業の拡大を図ってまいります。

 

②宅食事業

宅食事業におきましては、当連結会計年度末の営業拠点数は508ヶ所となりました。調理済み商品の累計お届け数は57,835千食(前期比94.5%)となっております。調理済み商品のお届け数が前年を下回りましたが、単価増、生産性向上の影響により、売上高は40,229百万円(前期比100.4%)、セグメント利益は4,724百万円(前期比116.3%)の増収増益となりました。

 

③海外事業

海外事業におきましては、16店舗の新規出店と2店舗の撤退を行い、当連結会計年度末の店舗数は70店舗となりました。生産性向上による販管費減少、為替変動の影響及び2024年2月にシンガポールのLeader FoodグループのM&Aを行い、2024年4月には米国のSONNY SUSHI COMPANYから事業を譲り受けたことにより売上高、営業利益とも増加しております。

その結果、海外事業における売上高は10,873百万円(前期比157.8%)、セグメント利益は137百万円(前期は168百万円の損失)の増収増益となりました。

 

④環境事業

環境事業におきましては、電力小売事業を中心に展開しております。仕入単価の増加により減益となりました。その結果、売上高は2,379百万円(前期比95.7%)、セグメント利益は194百万円(前期比35.2%)となりました。

 

⑤農業

農業におきましては、有機農産物の生産販売、酪農畜産、乳製品の販売を行っております。売上高は601百万円(前期比105.4%)、セグメント損失は150百万円(前期は143百万円の損失)となりました。

 

当連結会計年度における当社グループの成果は、国内外食事業におけるコロナ禍からの回復、インフレ環境等に対応した生産性向上への取り組み等により、売上高は、88,713百万円(前期比107.8%)となり、営業利益は4,568百万円(前期比121.7%)、経常利益は5,246百万円(前期比87.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,522百万円(前期比84.1%)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べて476百万円増加し、13,946百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況については下記のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は6,889百万円(前期は4,739百万円の収入)となりました。主な内訳は税金等調整前当期純利益が4,481百万円、減価償却費が2,223百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は6,556百万円(前期は3,063百万円の支出)となりました。主な内訳は定期預金の預入による支出が61,889百万円、定期預金の払戻による収入が53,832百万円、投資有価証券の取得による支出が1,506百万円、投資有価証券の償還による収入が5,159百万円、有形固定資産の取得による支出が1,366百万円、事業譲受による支出が883百万円、無形固定資産の取得による支出が119百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は13百万円(前期は59百万円の収入)となりました。主な内訳は短期借入金の返済による支出が113百万円、長期借入れによる収入が8,715百万円、長期借入金の返済による支出が6,209百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出が1,476百万円であります。

 

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。      (単位:百万円)

セグメントの名称

前連結会計年度

自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

 国内外食事業

32,046

34,392

 宅食事業

40,053

40,229

 海外事業

6,891

10,873

 環境事業

2,485

2,379

 農業

570

601

 その他

254

236

     合計

82,302

88,713

 (注)品目が多岐にわたるため、販売数量の記載を省略しております。

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)経営成績

売上高は、前連結会計年度(以下「前期」という。)比6,410百万円増加の88,713百万円となりました。この増加の主な要因は、国内外食事業におけるコロナ禍からの回復、インフレ環境等に対応した生産性向上への取り組み等によるものであります。

売上原価は、前期比4,102百万円増加の38,475百万円となり、売上総利益は、前期比2,308百万円増加の50,237百万円となりました。売上高の増加率に対して、売上原価の増加率が大きいのは、LEADER FOOD PTE.LTD.が卸売事業のため原価率が高いビジネスであること、環境事業の売上原価が資源高騰により増加したことによるものであります。

販売費及び一般管理費は、生産性向上により、前期比1,493百万円増加の45,668百万円となりました。

結果、営業利益は、前期比815百万円増加の4,568百万円となりました。

営業外損益は、営業外収益が前期比1,415百万円の減少、営業外費用は前期比128百万円の増加となりました。当期末は、当期首より円高で終わったため、為替差益が発生しなかったことによるものであります(前期は1,262百万円の為替差益が発生)。

結果、経常利益は、前期比728百万円減少の5,246百万円となりました。

特別損益は、特別損失が前期比737百万円の減少となりました。

法人税等は、法人税等調整額の影響(前期計上△732百万円、当期計上△75百万円)により前期比707百万円の増加、非支配株主に帰属する当期純損益は、前期比30百万円の減少となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比667百万円減少の3,522百万円となりました。

 

(2)財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)比7,263百万円増加の71,491百万円となりました。流動資産は、現金及び預金の増加等により前期末比7,721百万円増加の56,408百万円となりました。固定資産は、前期末比458百万円減少の15,083百万円となりました。固定資産のうち有形固定資産は、店舗設備等の減価償却等により前期末比840百万円減少の6,161百万円となりました。無形固定資産は、海外法人のM&Aや事業譲受等に伴うのれん及び識別可能資産の発生により、前期末比298百万円増加の2,107百万円となりました。投資その他の資産は、繰延税金資産の増加等により前期末比83百万円増加の6,814百万円となりました。

 

当連結会計年度末の負債の合計は、前期末比2,295百万円増加の44,357百万円となりました。流動負債は、短期借入金の増加に伴い、前期末比1,255百万円増加の18,964百万円、固定負債は、長期借入金等の増加により前期末比1,040百万円増加の25,392百万円となりました。このうち有利子負債(短期借入金、長期借入金、社債及びリース債務の合計額)は、前期末比1,711百万円増加の29,078百万円となりました。

 

当連結会計年度末の純資産の部は、利益剰余金の増加2,641百万円及び為替変動による為替換算調整勘定の増加2,246百万円等により、前期末比4,968百万円増加の27,134百万円となりました。当連結会計年度末の自己資本比率は37.5%に改善するとともに、流動比率は297.4%と財務安全性の水準を確保しております。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「経営成績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(4)資金の調達・管理

当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金調達は、内部資金の活用及び金融機関からの借入、リース取引により行っており、金融機関からの借入とリース取引は、国内、海外子会社のものを含め全て当社において一元管理しております。また、現預金残高と有利子負債残高を一定範囲にコントロールし、経営環境の変化に対応するための資金の流動性を確保しながら資金管理を行っております。設備投資の実施にあたっては、グループ連結営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則とします。短期・長期の財務バランスにも配慮して資金調達を実施します。

 

(5)資金需要の主な内容

国内外食事業、海外事業におきましては、新規出店や改装投資等になります。宅食事業におきましては、調理済商品の製造工場における省人化投資等になります。

 

(6)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは健全性・安定性の高い経営を維持し、資産効率の向上及び株主資本の有効活用が全てのステークホルダーの利益につながると考えており、純有利子負債比率(ネットD/Eレシオ)、総資産営業利益率(ROA)、株主資本利益率(ROE)を重要な指標と位置付けしております。

当連結会計年度における純有利子負債比率(ネットD/Eレシオ)は△62.23%、総資産営業利益率(ROA)は6.74%、株主資本利益率(ROE)は14.47%でした。

当面は連結営業利益計画の達成と合わせて、これらの指標の向上が最優先であると認識しております。そのうえでこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。

 

(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は異なる場合があります。重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

5【重要な契約等】

(持分取得による子会社化及びマスターフランチャイズ契約の締結)

 当社は、2024年10月25日開催の取締役会において、日本サブウェイ合同会社(2024年12月20日付でWATAMI FAST CASUAL MANAGEMENT合同会社に商号変更し、2025年4月3日付でWATAMI FAST CASUAL MANAGEMENT株式会社に組織変更)の持分を取得し、同社を子会社化すること並びに同社及びSubway International B.V.との間でマスターフランチャイズ契約を締結することを決議いたしました。

 

(マスターフランチャイズ契約)

 当社及び当社の連結子会社であるWATAMI FAST CASUAL MANAGEMENT株式会社は、Subway International B.Vとの間でマスターフランチャイズ契約を締結しております。

契約の相手方

Subway International B.V.

国籍

オランダ

契約の内容

SUBWAYの商標、サービスマークについての日本国内における独占的使用

SUBWAY店舗におけるサンドウィッチ等の調理、販売

日本国内における上記権利のサブ・ライセンス

契約期間

2024年10月25日から2034年10月24日

対価

イニシャルフィー(加盟金)12,500USD

ロイヤリティ 各店舗の週間売上高に一定の割合を乗じて算出した額の支払

宣伝販促費  各店舗の週間売上高に一定の割合を乗じて算出した額の支払

 

(サブフランチャイズ契約)

 当社の連結子会社であるWATAMI FAST CASUAL MANAGEMENT株式会社は、上記のマスターフランチャイズ契約に基づき、各フランチャイジーとの間でサブフランチャイズ契約を締結しております。

契約の内容

マスターフランチャイズ契約に基づく、SUBWAYの商標、サービスマーク等の使用の許可、店舗のデザイン、レイアウト、看板並びに店舗運営の業務マニュアル等のフランチャイズシステムのノウハウ提供

契約期間

開店日から10年間

対価

イニシャルフィー(加盟金)12,500USD

ロイヤリティ 各店舗の週間売上高に一定の割合を乗じて算出した額の支払

宣伝販促費  各店舗の週間売上高に一定の割合を乗じて算出した額の支払

 

(株式投資契約)

 当社は、2021年6月27日開催の第35期定時株主総会において、第三者割当の方法による優先株式の発行を決議し、A種優先株式を発行しております。本A種優先株式の発行に伴い、当社と割当先の間で株式投資契約を締結しております。概要等につきましては、以下のとおりであります。なお、A種優先株式の内容につきましては、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (1)株式の総数等 ②発行済株式」に記載しております。

相手方の名称

DBJ飲食・宿泊支援ファンド投資事業有限責任組合

相手方の住所

東京都千代田区

契約締結日

2021年5月24日

合意の内容

当社は、下記の行為を行う場合には、相手方の事前の書面による承諾を得るものとします。

(1)本契約締結日、現在、自らが行っている事業の全部若しくは重要な一部の中止若しくは廃止、重要な不動産の譲渡若しくは譲受け、事業全部の賃貸、事業全部の経営の委任、子会社若しくは関連会社に係る株式の取得若しくは売却(子会社又は関連会社の範囲の変更を伴うものに限る。)又は重要な知的所有権若しくはライセンスの売却、処分若しくは放棄。

(2)定款の重要な変更(ただし、本定款変更を除く。)。

(3)合併、会社分割、事業の譲渡、事業の譲受け、株式交換、株式移転、組織変更その他の重要な組織再編行為に関する一切の行為。

(4)解散。

(5)倒産手続開始の申出又は申立て。

(6)自己株式又は自己新株予約権の取得(ただし、本優先株式の取得条項又は取得請求権の行使に基づく本優先株式の取得を除く。)。

(7)発行会社の普通株式及び第1種優先株式(もしあれば。)を保有する株主に対する剰余金の配当。(但し、発行会社の各事業年度末日時点の分配可能額から、当該事業年度の翌事業年度中に見込まれる剰余金の配当額(普通株式に係る配当に限らず、本優先株式を含む種類株式に係る配当を含み、また、未払配当を含む。)

(8)会社法第450条に定める資本金の額の増加。

(9)会社法第451条に定める準備金の額の増加。

(10)代表取締役の変更(但し、健康上の不安等による辞任等のやむを得ない事情がある場合は、この限りではない。)

(11)債務保証又は債務引受けによる債務負担行為。(但し、子会社又は関連会社の負担する債務に係る債務保証又は債務引受けによるものは除く。)

(12)新たなスワップ取引、オプション取引その他のデリバティブ取引(ただし、実需に基づくもので、かつ「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準委員会企業会計基準第10号)におけるヘッジ会計の要件に該当するものを除く。)

(13)第三者への新たな出資又は貸付(但し、子会社又は関連会社に対するものは除く。)

(14)第三者の負担する債務を被担保債務として行う担保提供行為(但し、子会社又は関連会社の負担する債務を被担保債務として行うものは除く。)

(15)第1種優先株式の発行。

(16)本優先株式の経済的価値又は発行会社の支払能力に重大な悪影響を及ぼし得る行為。

合意の目的

DBJ飲食・宿泊支援ファンド投資事業有限責任組合は、株式会社日本政策投資銀行が、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた飲食・宿泊等の企業の支援を目的として設立したファンドです。当社としては、第三者割当増資による優先株式引受を通じて、コロナ禍という厳しい経営環境下においても、収益性向上を実現するための事業基盤の再構築を図ることができ、その結果、当社の中長期的な企業価値向上に寄与すると考えているため。

取締役会における検討状況その他の当該提出会社における当該合意に係る意思決定に至る過程

当社は、本A種優先株式第三者割当増資の実施を決定するまでに、その他の資金調達手法について比較検討を行いましたが、以下の理由から、本A種優先株式第三者割当増資の方法による資金調達を選択いたしました。公募増資による普通株式の発行については、十分な金額の資金を調達できるかの見通しが不透明であり、資金調達の機動性に欠けること、既存株主にとって株式の希薄化となることから、資金調達の手法としては適切ではないと判断いたしました。新株予約権付社債の発行については、発行時点で資金調達ができるメリットが存在するものの、発行後に株式への転換が行われないままであると、当社の負債比率が増加したままとなり、借入余力を圧迫すること、新株予約権行使により、既存株主の株式の希薄化が発生することから、資金調達の手法として適切ではないと判断いたしました。本A種優先株式第三者割当増資は、当社が、DBJ飲食・宿泊支援ファンド投資事業有限責任組合を引受先として資金を調達する方法であり、財務基盤の強化及び機動的な資金調達を実現する方法であります。また本A種優先株式は、当社の普通株式に転換する権利を有さず、既存株主の株式の希薄化を発生させることがないことから、上記の内容の合意が含まれていても本A種優先株式第三者割当増資が資金調達方法として最適であると判断し、株式投資契約を締結いたしました。

当該合意が当該提出会社の企業統治に及ぼす影響

本合意に基づき、当社が上記の行為を行う場合には、相手方の事前の書面による承諾を得ることとなっておりますが、現時点においては、当該合意が当社のガバナンスに与える影響については、軽微であると考えております。

 

6【研究開発活動】

 特記事項はありません。