第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループは、経営理念である「水とともに躍進し 人間らしさを求め 社会に貢献できる魅力ある企業」の実現をめざし、事業を展開しております。創業以来85年余にわたり実績を積み上げてきた上下水道用水処理機械設備・産業用水処理機械設備・有機性廃棄物資源化設備などの製造・販売・修繕・維持管理・運営をもとに、“水”に関わる分野の社会資本整備に加え、再エネ・省エネによる社会への貢献に積極的に取り組み、人と環境に優しい技術・製品を提供してまいりました。

当社グループの主要事業である上下水道事業においては、少子高齢化に伴う人口減少による収入不足、技術者不足や施設・設備の老朽化対策等、多くの課題を抱えております。これらの課題への取り組みに加え、脱炭素・資源循環型社会の実現に向けたエネルギー問題への対応、自然災害に対する防災・減災への対応等、当社グループが果たすべき役割はますます重要なものになっていると認識しております。

こうした状況の中、当社グループは社会・市場環境の変化を見据え、新たな価値の創出、持続的成長を図るために、「人と技術力で未来を拓く」をスローガンとした中期3ヵ年経営計画(令和6年度~令和8年度)を策定し、重点施策「成長戦略の推進」、「既存事業の収益力強化」、「企業価値向上に向けた経営基盤の強化」に取り組んでおります。

 

   (1)成長戦略の推進

  再エネ・省エネ、官民連携、海外水インフラの分野において、成長戦略の推進を図ります。

  (ⅰ)脱炭素社会実現に向けたバイオマス・省エネ技術の開発強化と事業展開

  (ⅱ)官民連携への体制強化と事業の推進

  (ⅲ)海外水インフラ市場における事業機会の創出

 

   (2)既存事業の収益力強化

   バルブ・環境・メンテナンス事業において、安定的な事業拡大とさらなる収益力強化を図ります。

  (ⅰ)顧客ニーズに応える技術開発・提案力の強化

  (ⅱ)製造プロセスの最適化と施工管理体制の強化

  (ⅲ)顧客対応力強化によるメンテナンス事業の拡充

 

   (3)企業価値向上に向けた経営基盤の強化

   企業価値を高め、将来にわたって持続可能に成長していくため、経営基盤の強化を図ります。

          (ⅰ)人的資本の充実と社員一人ひとりが活躍できる職場づくり

          (ⅱ)持続的成長につながるDXの推進

  (ⅲ)ガバナンス強化と環境に配慮した企業活動の推進

 

これらの着実な推進により水関連企業、さらに環境関連企業として国内外に貢献し、企業価値の向上を図ってまいります。

引き続き、世界的な金融引き締め、物価上昇、金融資本市場の変動の影響等にも一層留意する必要があり、当社グループを取り巻く事業環境も不透明な状況で推移することが予想されます。当社グループにおいては、日々変化する状況を注視し、これに応じた取り組みに努めてまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、「水とともに躍進し 人間らしさを求め 社会に貢献できる魅力ある企業」を経営理念とし、水に関わる環境に対する事業活動を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していくことが、課せられた社会的使命であると認識しております。

当社グループはこの社会的使命を果たすために、「環境:E」「社会:S」「ガバナンス:G」を軸とした事業活動により、企業価値の持続的な向上とサステナブルな社会の実現を推進するために、以下のサステナビリティ重点課題を設定し、関係部署により構成された会議体にて取り組んでおります。

    ①安心安全な社会インフラの構築

  ②環境保全への貢献

  ③社会の一員として責任のある行動

 

(1) サステナビリティへの対応

    ①ガバナンス

当社グループが持続的に成長し、長期的な企業価値を向上させ、もって株主の皆様に当社の株式を安心して長期的に保有していただくことを可能とするため、最良のコーポレートガバナンスを実現することを目的として「マエザワCG基本方針」を定め、同基本方針に則り取り組んでおります。

    ②リスク管理

当社グループは、経営危機に直面した時の対応について「リスク管理規程」を定め、同規程の趣旨に則り対応いたします。

 

(2) 気候変動への対応

  ①ガバナンス

当社グループは、気候変動への対応に向け、引き続き関係部署により構成された会議体にて議論・検討を進めております。

  ②戦略

当社グループは、TCFDの枠組みに則り、GHG排出量(Scope1、Scope2)の算出を継続して行っております。また、Scope1、Scope2の削減に向け、検討を進めてまいります。Scope3については、削減可能なカテゴリーの特定等、検討してまいります。

  ③リスク管理

当社グループは、TCFDの枠組みに則り、気候変動が事業に与える影響について、4℃シナリオと1.5~2℃シナリオを用い、リスク・機会の整理・特定、対策を以下の通りとりまとめました。

 

 

 

1.5~2℃ シナリオ

4℃ シナリオ

リスク

項目

電力費上昇、排出量規制の強化

自然災害のリスクの増大、夏場の作業効率低下

対策

省電力化、排出量の少ない原材料への切り替え

BCPに基づく対応強化、デジタル技術等を活用した業務効率化

機会

項目

再エネ・省エネ型の設備に対する需要増

気候変動に伴う災害等における修繕・更新需要の高まり

対策

再エネ・省エネ関連の技術開発の促進

予防保全対応や顧客ニーズをとらえた、更新提案の推進

 

 

 

  ④指標及び目標

当社グループは、TCFDの枠組みに則り、GHG排出量(Scope1、Scope2)を指標とし、平成25年度(2013年度)比で既に70%の削減を達成しております。2050年におけるScope1、Scope2排出量実質ゼロを目標とします。

また、当社グループのGHG排出量(Scope1、Scope2)については以下の通りであります。

 

平成25年度

 (2013年度)

(t-CO2)

令和3年度

 (2021年度)

(t-CO2)

令和4年度

 (2022年度)

(t-CO2)

令和5年度

 (2023年度)

(t-CO2)

2013年度→2023年度

削減率(%)

Scope1+Scope2

5,303

4,650

1,610

1,595

△70

  Scope1

1,535

1,375

1,262

1,258

△18

  Scope2

3,768

3,275

348

336

△91

 

※Scope2は、”マーケット基準”を適用。

※マーケット基準:電力を購入している契約内容を反映して算定する方法。

         再エネ電力や低炭素電力メニューを反映することが可能。

 

当社は所有する施設(埼玉製造所・本社・社員寮)において、令和4年度より東京電力エナジーパートナー株式会社が提供する「グリーンベーシックプラン」を導入し、当該施設での電気使用によるGHG排出量はマーケット基準において実質ゼロとなっております。

このため、令和4年度以降、Scope2排出量は大幅な削減となっております。

 

(3) 人的資本・多様性への対応

①戦略

当社グループは、人的資本への投資が持続的成長を支える原動力であると認識しており、企業価値の向上に資する人材の育成と確保を重要な経営課題と位置づけております。

多様性確保に向けた人材目標および人事ポリシー、教育体系に基づき、従来から講じてきた育成・人事制度の充実や働きやすい職場環境の整備に加え、組織・人事制度の変革に取り組むことで、従業員一人ひとりが主体的に挑戦し続ける風土を醸成し、企業価値の向上を継続できる組織を目指してまいります。

イ HRM推進部の新設

上記戦略を推進するため、令和7年4月に「HRM推進部」を新設しました。同部は人事部と連携し、人材の確保に向けた 戦略の立案・推進や、従業員の継続的な成長を支援する体系的な育成・教育プログラムの構築、多様性を活かした組織力の強化、働き方改革・ワークライフバランスの推進など、中長期的な課題に取り組んでまいります。

ロ 従業員のキャリア形成支援

a. 自己申告制度の運営とキャリア面談の実施

b. 年代・資格に応じたキャリア研修の実施

c. 外部専門家によるキャリア相談室の設置

ハ DX人材の育成

DX推進を担う人材に対してデジタル技術を活用した課題解決研修やスキル習得研修を実施するとともに、全社員を対象にITリテラシー向上のための研修を実施しております。

ニ 女性の採用

多様な人材の活躍が企業の持続的成長に不可欠との認識のもと、特に女性の活躍推進に取り組んでおります。

働きやすい職場環境の整備やキャリア形成支援制度などの施策の充実により、中長期的な女性社員比率と女性管理職比率の向上を目指し、積極的に女性採用を行っております。

ホ 仕事と家庭の両立支援

従業員一人ひとりがライフステージに応じて安心して働き続けられる環境づくりを重視しております。育児・介護と仕事の両立を支援するため、短時間勤務や時差出勤、各種休暇制度などの柔軟な働き方に対応した制度を整備し、社内への周知と利用促進を進めております。

 

ヘ 健康経営の推進

従業員の心身の健康を企業の持続的成長の基盤と位置づけ、健康経営に取り組んでおります。

a. 健康診断受診の徹底および保健指導による生活習慣病の早期発見・予防

b. ストレスチェックの実施、外部相談窓口の設置、管理職向け研修の実施によるメンタル不調の未然防止

c. 長時間勤務者への体調セルフチェックの実施による、健康リスクの早期把握と対応

d. ノー残業デーの実施、有給休暇取得の促進、時間単位の有給休暇制度の導入による、柔軟な働き方の支援

ト 奨学金返還支援制度の導入

若手社員の経済的・心理的負担を軽減し、安心して業務に専念できる環境を整えるとともに、優秀な人材の確保と定着を目的として、「奨学金返還支援制度」を導入しました。

②指標及び目標

上記戦略の実現に向け、次の指標を用いております。当該指標に対する当社(提出会社)の目標および実績は次のとおりであります。

指標

目標

実績

(当事業年度)

新入社員女性採用比率

30以上

22.2

男性育児休業取得率

70以上

70.0

有給休暇取得率

65以上

71.8

 

 

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 市場環境の変動

当社グループの事業は、公共事業が占める割合が高いため、国および地方公共団体の予期せぬ政策転換や財政状態の悪化による公共事業予算の削減ならびにコスト縮減や、予算の執行状況により、業績に影響を受ける可能性があります。

 

(2) 資機材価格の急激な変動

資機材価格が急激に高騰し、それを販売価格に反映させることが困難な場合には、業績に影響を受ける可能性があります。

 

(3) 退職給付費用及び債務

年金資産の時価の変動や運用利回りの状況、割引率等の退職給付債務算定に用いる前提に変更があった場合には、業績に影響を受ける可能性があります。特に、数理計算上の差異は、発生した連結会計年度に一括費用処理しているため、毎年、業績に影響を与えます。

上記リスクに対して、当社グループの年金資産の運用に関しては安全性を重視しております。また、運用機関による運用実績等を適切にモニタリング・評価を実施すべく、経営企画、財務、人事部門で構成する「前澤グループ企業年金運営委員会」を設置し、四半期ごとに運用機関各社の運用状況を確認しております。

 

(4) 業績の下期偏重による季節的な変動

当社グループの売上高は、下半期に完成する工事あるいは進捗度合が増す工事の割合が大きいため、上半期と下半期の売上高との間に、著しい相違があります。最近2連結会計年度の上半期及び下半期の実績は、下記のとおりであります。

 

項目

前連結会計年度

(自 令和5年6月1日

至 令和6年5月31日)

当連結会計年度

(自 令和6年6月1日

至 令和7年5月31日)

上半期
(百万円)

下半期
(百万円)

通期
(百万円)

上半期
(百万円)

下半期
(百万円)

通期
(百万円)

売上高
(構成比)

12,446

(     34.1%)

24,064

(   65.9%)

36,511

(     100.0%)

13,982

(     37.3%)

23,516

(    62.7%)

37,499

(     100.0%)

営業利益

390

4,485

4,875

499

4,154

4,654

 

 

(5) 自然災害等の大規模災害および感染症等による被害

地震、津波、台風等の自然災害や火災等の事故、通信ネットワークを含む情報システムの停止等および感染症が発生し、当社グループの事業活動が停滞または停止するような被害を受けた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 ① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善等により緩やかに回復している一方、物価上昇、金融資本市場の変動、米国の通商政策の動向が及ぼす影響等についても注視する必要があり、先行きの不透明さを抱えての推移となりました。

このような環境のもとで当社グループは、新市場および既存市場における受注の確保、拡大に取り組んでまいりました。その結果、当連結会計年度の業績は、受注高は40,678百万円(前期比4.8%増)、売上高は37,499百万円(前期比2.7%増)となりました。

損益につきましては、原価低減に努め、経常利益は4,768百万円(前期比4.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,077百万円(前期比12.8%減)となりました。

 

当連結会計年度におけるセグメントの業績を示すと次のとおりであります。

 〔環境事業〕

 環境事業につきましては、老朽化した施設の更新・再構築等にかかる需要に主眼をおいて、それらにかかる水処理機械設備の販売活動を推し進めました。また、産業廃水処理および有機性廃棄物資源化等の需要に対しソリューション営業を展開し、事業の基盤の充実に努めました。

 当連結会計年度は厳しい事業環境の中、提案営業の推進、各業務工程における管理強化に取り組み、受注高は15,727百万円(前期比4.4%増)、売上高は13,719百万円(前期比8.9%増)、セグメント利益は575百万円(前期比34.3%増)となりました。

 

 〔バルブ事業〕

 バルブ事業につきましては、浄水場、配水池、配水管、下水処理場、ポンプ場、農業用水幹線路、揚・排水機場等の整備、更新、耐震化にかかる各種弁・栓・門扉類の需要に対し、幅広く販売活動を展開しました。

当連結会計年度は、厳しい事業環境の中、提案営業の推進、生産の効率化に取り組み、受注高は12,776百万円(前期比7.5%増)、売上高は11,214百万円(前期比9.0%減)、セグメント利益は977百万円(前期比48.0%減)となりました。

 

 〔メンテナンス事業〕

 メンテナンス事業につきましては、上水道事業、下水道事業、農業用水・河川事業等の各分野における設備・機器のメンテナンスにかかる需要に対し、販売活動を推し進めました。

当連結会計年度は、施設老朽化に伴う更新・長寿命化のニーズへの対応に取り組み、受注高は12,174百万円(前期比2.7%増)、売上高は12,566百万円(前期比8.5%増)、セグメント利益は2,972百万円(前期比22.1%増)となりました。

 

 ② 財政状態の状況

 イ 資産

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,515百万円増加し、42,661百万円となりました。流動資産は562百万円増加29,903百万円、固定資産は953百万円増加12,757百万円となりました。主な増減項目といたしましては、有価証券が2,995百万円、建設仮勘定が566百万円増加し、受取手形、売掛金及び契約資産が1,439百万円、電子記録債権が1,084百万円減少いたしました。

 

 ロ 負債

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ508百万円減少し、12,742百万円となりました。流動負債は909百万円減少10,171百万円、固定負債は400百万円増加2,570百万円となりました。主な増減項目といたしましては、支払手形及び買掛金が973百万円、1年内返済予定の長期借入金が186百万円減少し、未払法人税等が401百万円、未払金が367百万円増加いたしました。

 

 ハ 純資産

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,023百万円増加し、29,919百万円となりました。主な増減項目といたしましては、利益剰余金が2,331百万円増加いたしました。

 

 ③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ153百万円減少し、10,305百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、プラス5,546百万円(前連結会計年度プラス765百万円)となりました。税金等調整前当期純利益4,582百万円、売上債権の減少2,524百万円などの資金増加項目が、仕入債務の減少1,167百万円、法人税等の支払額1,084百万円などの資金減少項目を上回ったことによります。

 

      (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出2,995百万円、有形固定資産の取得による支出1,164百万円などがあり、マイナス4,565百万円(前連結会計年度マイナス826百万円)となりました。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金による収入900百万円などがあったものの、長期借入金の返済による支出886百万円、配当金の支払額725百万円などがあり、マイナス1,135百万円(前連結会計年度マイナス946百万円)となりました。

 

 

 ④ 生産、受注及び販売の状況

   イ 生産実績

    当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 令和6年6月1日

至 令和7年5月31日)

生産高(百万円)

前年同期比(%)

環境事業

13,840

17.3

バルブ事業

12,008

△5.6

メンテナンス事業

12,452

10.5

合計

38,301

7.0

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は販売価格により表示しております。

 

 

   ロ 受注実績

     当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

  

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 令和6年6月1日

至 令和7年5月31日)

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

環境事業

15,727

4.4

22,317

9.9

バルブ事業

12,776

7.5

6,587

31.3

メンテナンス事業

12,174

2.7

3,192

△10.9

合計

40,678

4.8

32,097

11.0

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

   ハ 販売実績

   当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 令和6年6月1日

至 令和7年5月31日)

売上高(百万円)

前年同期比(%)

環境事業

13,719

8.9

バルブ事業

11,214

△9.0

メンテナンス事業

12,566

8.5

合計

37,499

2.7

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載されているとおりであります。

また、経営成績に影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載されているとおりであります。

 

 

 ③ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要の主なものは、原材料費、外注費、労務費、販売費及び一般管理費等に係る運転資金と、バルブ類の製造に係る木型・金型の更新、生産設備の更新並びにシステム投資等の設備投資資金であります。また、株主の皆様への利益還元を経営上の重要課題のひとつと考えており、配当につきましては、中長期的な配当性向の目安を30%としており、当該年度および今後の業績、財務状況等を勘案し、継続的にかつ安定的に配当を行いたいと考えております。

当社グループの事業は、公共事業が占める割合が高く、下半期に完成する工事あるいは進捗度合が増す工事の割合が多いため、資金繰りに季節的変動があります。

これらの資金需要に対応し、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保するために、自己資金に加え、必要に応じて金融機関からの短期借入、長期借入を実施することとしております。

 

 

5 【重要な契約等】

  (1) 主要な技術導入契約

 

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

前澤工業株式会社
(当社)

イクソム社

オーストラリア

MIEX®樹脂処理技術

特許及びノウハウに基づく製造販売について日本での独占ライセンス

令和5年7月より
令和8年7月まで

ランドストリー社

オランダ

OD用縦軸攪拌機

ノウハウに基づく製造販売について日本での独占ライセンスと外国での条件付ライセンス

令和6年11月より
令和7年11月まで

 

(注) イクソム社については、ロイヤリティとして売上高の一定率を支払う契約を含んでおります。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループの当連結会計年度における研究開発費の総額は423百万円であり、生活環境分野で使用される水処理装置及び機器メーカーとして、社会に貢献する製品やシステムの開発を進めております。

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

 

  (1) 環境事業

上水道分野では今後増加する浄水場の更新に適する製品やシステムの開発を行っており、令和6年度には急速ろ過設備においてろ材の支持やろ過水の集水のために設置される下部集水装置を開発し、販売を開始しております。この装置は連結部がない一体構造で施工性がよく、低損失で洗浄時の均一性が高いといった特徴を有しております。また、近年取り組んでいるAI技術の開発に関しましては、浄水場で保有しているかび臭物質等のデータを使用し、精度の高いかび臭予測モデルを構築させることができるようになり、この技術が国土交通省の上下水道一体革新的技術実証事業(AB-Crossプロジェクト)に採択されました。さらに、現在社会問題になっている有機フッ素化合物(PFAS)に関しましては、一般的に有効な除去方法である活性炭処理法において共存する有機物がPFAS除去に影響を与えることを確認しており、今後当社が保有する帯磁性イオン交換樹脂と組合せた活性炭処理法も引き続き検討してまいります。

下水道分野では下水処理場の脱炭素化に向けた開発を進めております。令和4年度から埼玉県新河岸川水循環センターで行っていた国土交通省のB-DASHプロジェクト「深槽曝気システムにおける省エネ型改築技術」は令和6年度で委託研究は終了しました。省エネルギーやコスト削減効果などの大きな成果を得ることができ、今後は本技術の普及拡大を目指すとともにさらなる脱炭素化への研究を継続してまいります。

下水汚泥を資源としたバイオマスの分野では、民需事業での家畜糞尿や食品残渣のエネルギー化技術を活用して、埼玉県から「下水汚泥堆肥試作業務委託」を受託し、下水汚泥の堆肥化に関する調査及び試験を開始しております。今後も脱炭素あるいは資源循環型に寄与する製品やシステムの実現に向けて、堆肥化技術のほかバイオガス関連の技術も含め実用化の検討を行ってまいります。

水質試験分野においては、令和6年度に水道法第20条に基づく登録水質検査機関の更新を行うことができております。今後も信頼性の高い分析を進めてまいります。水質試験は水処理システムの開発のためには重要な位置づけでもあり、今後も精度管理を徹底しながら、新たな分析手法・項目にも挑戦してまいります。

 

このセグメントの研究開発費は333百万円であります。

 

  (2) バルブ事業

バルブ事業では、引き続き「持続可能な上下水道」および「次世代水道・新世代下水道」をキーワードにバルブ・ゲート関連の開発を行っております。

管路における流体解析の精度を向上させ、より耐久性の高い製品の開発を目指しております。また、近年上下水道施設の浸水対策が課題となっていることから、バルブ・ゲート設備の耐水化について研究開発を行っております。

その他に、環境負荷低減に向けたコア技術の確立と、管路の耐震化に寄与する製品開発に取り組んでおります。

 

このセグメントの研究開発費は88百万円であります。