第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社は「世界中のワクワクを当たり前に」をミッションに掲げ、「世界中の欲しいに応える、世界中に想いも届ける」ためのインフラとなり、社会の発展に貢献していくことを目指します。

 

(2) 経営戦略等

 当社は「世界中の欲しいに応える、世界中に想いも届ける」サービスを実現するため、世界中のカスタマーと国内ECサイトと常に向き合い課題に応じたソリューションを提供しています。テクノロジーの進歩によって、今後更に国境の壁がなくなる中、増加し続けるニーズと複雑化する課題に応え続けるために、以下の事項を中長期での成長戦略としております。

 

①国内ECサイトへのサービス浸透

 当社は「タグ1行で言語・決済・物流の課題を解決できる」というサービスの強みを活かして、日本国内で「WorldShoppingBIZ」の導入ショップを拡大しております。成長が続く市場において、ECカート事業者等のパートナー事業者との連携を更に強化することでWin-Winの関係を構築し、更なるサービスの浸透を図ります。

 

②海外カスタマーとECサイトを繋ぐバリューチェーンに沿った機能拡充

 当社は「海外カスタマーとECサイトを気持ちよく繋ぐ」をコンセプトにして、プロダクト・サービスを開発しております。集客から購入・配送・カスタマーサポートまでの一連のバリューチェーンをデザインすると共に、リピートを通じてその価値が循環するように取り組んでいきます。現在、ECサイト向けに海外カスタマーのアクセス・購入分析を可能にする「ショップダッシュボード」を提供しており、今後は海外カスタマー向けにマイページ機能を提供していきます。これらを通じて、当社が提供する越境ECプラットフォーム内でより多くの海外カスタマーとECサイトが繋がり、ECサイトのファンが増えていく仕組みを構築することで、更なる事業成長を目指していきます。

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③業務オペレーションのスケール化と、テクノロジーを活用した最適化・効率化

 当社は物流・購入・カスタマーサポート業務等について、国内外の委託先と連携してスケールアップに柔軟に対応できる体制を構築しています。

 また、スケールアップにより得られるデータ活用にも中長期的に注力していきます。当社サービスでは、国や地域の特性に応じた海外カスタマーの興味関心(Interest)や購買行動(Action)に関するデータと、各ECショップの商品販売データが関連付けられて蓄積されるという独自の強みを持っています。これらのデータを循環させることでカスタマー、ECショップ、そして当社を含むエコシステム全体の価値をさらに高めると共に、テクノロジーの活用により最適化と効率化を実現していきます。

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④ターゲット市場の拡大

イ 海外ECサイトへの事業展開

 当社は現在、日本国内のECサイトに対して世界中のカスタマーに向けた支援事業(Japan to Global)を提供しています。一方で世界各国には日本とは異なる魅力あるブランドやECサイトが多く存在しています。海外ECサイトへの事業展開は、市場環境や競争環境を考慮のうえ、自社での進出の他にM&Aや事業提携、またはそれらの組み合わせ等を含めて、柔軟なアプローチを検討していく方針です。

 

ロ エンタメ・ホビー商材の強化

 当社が提供するWorldShopping BIZは、ファッション関連のECサイトを中心に利用されています。一方で海外からは日本のエンタメ・ホビー関連商材への強い人気があるため、商品カテゴリーとしてエンタメ・ホビー関連のECサイトへの展開を強化していく方針です

 

(3) 経営環境

①越境EC市場の概況

 当社が事業を行う越境EC市場では、新型コロナウイルスによる渡航制限下において、国境を越えた購買体験が当たり前になるという変化が起きました。海外販売へ取り組む事業者の意識が高まり、渡航制限解除後も市場拡大が続いています。今後もデジタル化の更なる進展によって、特に日本では他国より低いEC化率の改善が見込まれる他、消費者の視点では、アジア圏を中心に所得水準の向上に伴う購買力増加によって市場拡大が見込まれています。また、訪日インバウンド旅行客の増加は旅アト消費に繋がる効果も期待されています。2022年12月eMarketer公表データによれば、世界の国内向けBtoC EC市場規模は、2022年の5.4兆ドルから2026年には7.6兆ドルへ成長すると予測されています。一方で、Facts&Factors発表データ(2021年推計値)によれば、世界の越境EC市場規模は2021年の0.7兆ドルから2030年に7.9兆ドルまで成長し、越境EC市場が国内向けBtoC EC市場を上回ると見込まれています。越境EC市場がより高い成長を実現すると予測される背景には、消費者目線で捉えれば自国にない商品への購買欲求の増大、自国よりも安価な購入機会の増加を通じて越境EC市場の認知度が上昇すると考えられるためです。また、EC事業者目線では、自国以外の顧客への販売機会増加、越境販売を容易にする物流サービスや支援サービスが充実すると考えられるためです。

 その中で、当社が提供する越境ECプラットフォーム事業は、日本国内のECサイトを訪れた海外カスタマーへの購買体験を提供しており、海外カスタマーの主な所在国はアジアが約50%、北米が約30%という特徴を有しています。

 訪日インバウンド旅行客の継続的な増加と、アジア圏カスタマーの購買力向上は当社に追い風になっていくと想定しております。また、2022年6月eMarketer公表データによれば、日本のEC化率12.9%は他の主要国(中国45.3%、英国35.9%、韓国30.1%)と比べて低い水準であり、日本政府が掲げるデジタル化推進の潮流も中期的にプラスの影響を及ぼすと考えています。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①継続的なサービス強化

 当社の事業が今後も高い成長率を持続していくために、海外カスタマー及びECショップにおける課題やニーズを的確に把握して、積極的にサービスの向上や機能強化を行うことが必要不可欠であると考えております。また、取扱高(GMV)が増加した場合も迅速な配送を実現するための体制強化が必要であると考えております。

 

②優秀な人材の確保と育成

 技術開発の革新スピードは早く、新たなサービスや競合他社がクロスボーダー領域に参入してくる可能性は高いと考えております。当社では、競合との優位性の確保及び事業の拡大を迅速に行うために全方位において優秀な人材の確保が必須と考えております。迅速な開発、物流強化、カスタマーサポート及び安定した組織拡大のために人材の確保と体制整備を行ってまいります。

 

③内部管理体制の強化

 当社は成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。また、国内及び海外の諸法令について継続的にアップデートし、適切に対応できる体制維持も、重要な課題となります。このため、当社としては、コーポレート部門の整備を推進し、外部専門家との連携を含めコーポレート・ガバナンスを充実していくことで、経営の公正性・透明性を確保し、リスク管理の徹底や業務の効率化を図ってまいります。

 

(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社のコーポレート・ミッションの実現及び持続的な成長と企業価値向上を表す指標として、売上高(※)及び営業利益を経営上重要な指標として位置付けております。

 また、売上高の達成状況を判断する上で、取扱高(GMV)・月間Activeショップ数・月間リピートカスタマー数を重要な指標としております。各指標の定義は「第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。

(※)手数料収入等から構成されるもの

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社は、企業価値をサステナブルに増大させるためには、経営の健全性、効率性、透明性を高め、経営環境の変化に迅速かつ柔軟に対応できる組織体制を構築することが重要な課題であると位置付け、コーポレート・ガバナンスの体制強化、充実に努めております。
 詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」をご参照下さい。

 

(2)戦略

(人的資本に関する戦略)

当社は「世界中のワクワクを当たり前に」をミッションに掲げ、「世界中の欲しいに応える、世界中に想いも届ける」ためのインフラとなり、社会の発展に貢献していくことを目指しております。その達成へ向けて持続的な成長を実現していく上で、人的資本に関する戦略が重要であると認識しており、「境界(ボーダー)を超える」「変化を一緒に楽しむ」「リスペクトする、感謝する」「責任感、主体性をもって動く」「挑戦した失敗と学びを称える」をコア・バリューとして掲げております。

当社事業が幅広いバリューチェーンに跨って価値を提供していることから、組織の垣根を越えた互助が重要であると位置づけ、事業の基本方針をOKR(Objective and Key Result:目標と主要成果を整理するフレームワーク)によって示すと共に、組織を跨いだ目標設定を行っています。これにより、組織を横断して協力・貢献し合うオーナーシップ文化が醸成され、社員と事業が共に成長していく環境を作っています。

当社は人材の能力開発を重視し、自己学習への支援制度や社内勉強会を通じて社員の成長を支援しています。多国籍の社員によるグローバルな視点を活かし、社内の交流会を通じたコミュニケーションを促進しています。また柔軟な働き方を推奨しており、リモートワーク制度やフレックス制度を導入し、日本国外でのリモートワークも認めています。これにより、社員が現地の文化や慣習に触れ、顧客や市場理解を深めることで、組織全体の競争力を向上させています。


(越境ECインフラへのアクセスに関する戦略)

当社は、「タグ1行で言語・決済・物流の課題を解決できる」という強みを活かして、安価で手軽な越境ECインフラをあらゆる販売者へ提供し、公平なアクセス実現に取り組んでいます。これまで自社での海外販売が困難であった事業者も、当社が提供する越境ECインフラを利用して海外販売に成功しております。

 

(3)リスク管理

当社は、リスク管理委員会においてサステナビリティの観点から各種リスク及び機会の評価及び対応を継続的に見直し、具体的な管理方法を協議しています。また、その協議結果を取締役会に報告する仕組みを構築しています。
 リスク管理の詳細は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」及び「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由イ e.及び③ 企業統治に関するその他の事項イ c.並びにロ」をご参照下さい。

 

(4)指標及び目標

(人的資本に関する戦略)

当社は、現在の人的資本規模に対して特定の数値的目標を採用するのが困難であるため、現時点では具体的な目標数値等は定めておりませんが、これらの取り組みの強化と見直しを通じて、国境を越えて活躍できる人材を積極的に確保・育成し、持続可能な社会発展への貢献と、企業価値の向上を目指してまいります。


(越境ECインフラへのアクセスに関する戦略)

当社が提供する越境ECインフラを利用して、海外販売へのアクセスを実現するショップが増大しております。2025年5月期において売上計上を実現した月間Activeショップ数は1,303ショップであり、今後の具体的な目標数字等は定めておりませんが、継続した取り組みを通じて持続可能な社会発展への貢献と、企業価値の向上を目指してまいります。

 

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経営の状況等に関する事項のうち、経営者が当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中における将来に係る事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。

 

(1)事業環境に関するリスクについて

①越境EC市場について (発生可能性:低 時期:特定時期なし 影響度:中)

 当社が事業を行う越境EC市場では、デジタル化の更なる進展によって、特に日本では他国より低いEC化率の改善が見込まれる他、消費者の視点ではアジア圏を中心に所得水準の向上に伴う購買力の増加が見込まれ、また訪日インバウンド旅行客の旅アト消費等を背景に安定成長が見込まれています。Facts&Factors発表データ(2021年推計値)によれば、世界の越境EC市場規模は2021年の0.7兆ドルから2030年に7.9兆ドルまで成長し、越境EC市場が国内向けBtoC EC市場を上回ると見込まれています。当社はその成長市場の中で独自のポジションを構築して事業展開していく計画です。しかしながら、今後の経済情勢や景気動向その他想定外の理由により、短期的に市場成長が鈍化する場合、若しくは急激な市場変化に当社が適切に対応できない場合は、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。これらのリスクを低減するために、当社では早期にリスクを認識して事業戦略を柔軟に転換できるよう努めてまいります。

 

②海外カスタマーの嗜好、購買行動等の変化について (発生可能性:低 時期:長期的 影響度:中)

 当社の事業は、国内EC事業者と海外カスタマーを直接繋ぐサービスであり、現在は主にオウンドECサイトで販売されている様々な商材を取扱っております。従来から存在する大手マーケットモール型のサービスに対して、今後は消費者の多様なニーズに応えるために、オウンドECサイトを起点とするサービスや、小規模な商材特化型マーケットプレイスが拡大していくと見込んでおりますが、海外カスタマーの嗜好、購買行動等が想定とは異なる場合は、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。当社サービスはマーケットモール型にも対応可能であるため、早期にリスクを認識して事業戦略を柔軟に転換できるよう努めてまいります。

 

③技術革新について (発生可能性:低 時期:特定時期なし 影響度:大)

 当社が事業を展開している越境EC市場では、技術革新や顧客ニーズの変化のスピードが非常に早く、事業者はその変化に柔軟に対応する必要があります。当社では海外も含めて積極的に情報を収集し、最新の技術や市場環境の変化に迅速に対応できるよう努めております。しかしながら、当社が技術革新や顧客ニーズの変化に対応できない場合、または変化の対応のためのシステムや人件費に多くの投資を要する場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

④為替及びマクロ環境リスクについて (発生可能性:中 時期:特定時期なし 影響度:中)

 当社は、アジア、北米等の海外カスタマー向けにサービスを提供しておりますが、取扱商品である日本国内ECサイトの商品は円貨建てにて決済がなされています。当社自身が直接的な為替変動によるリスクを負うことはありませんが、著しい為替変動が生じる場合は外貨建てベースでの海外カスタマーから見た商品価格が大きく変動するため、一時的に海外カスタマーの購買行動に影響を及ぼす可能性があります。また、海外での景気後退、政情変化、法規制等の変更、テロ・紛争等の発生、感染症等の流行や災害の発生等によって海外カスタマーの購買行動に変化があった場合も、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。当社はこれらのリスクを低減するために、常に情報収集と迅速な対応策の実施に努めております。

 

⑤競合環境について (発生可能性:中 時期:特定時期なし 影響度:中)

 当社の事業領域においては、JavaScriptタグ1行で越境販売を可能にするテクノロジーと、強固なオペレーション体制が必要であるため一定の参入障壁がありますが、国内外で類似サービスを提供する事業者が存在します。越境EC市場は拡大を続ける見通しですが、今後の事業拡大において競合環境が激化した場合は、サービスレベル向上のための追加投資や販促活動の強化等によるコスト増加を通して、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。なお、当社では海外対応できていない自社ECサイトへのサービス提供を強みとして、顧客のユーザビリティ向上や、顧客とECサイトをスムーズに繋ぐ点に価値を置き、差別化を追求しております。更にそれらを補強する知財戦略に創業期から取り組み、国内外で重層的に権利化をすることで優位性の維持に努めております。

 

(2)事業内容及び当社サービスに関するリスクについて

①法的規制等について (発生可能性:低 時期:長期的 影響度:大)

 当社の事業は、「個人情報の保護に関する法律」、「万国郵便条約に基づく禁制品(輸出禁制品)」「税法」等の規制を受けており、また取り扱う商品により「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「酒税法」「食品衛生法」等の規制を受けております。「製造物責任法」については、原則としてEC事業者若しくは製造業者が規制対象となります。

 当社では、国内外の弁護士や税理士等との定期的な情報交換を通じて、積極的な情報収集及び対応を検討して、リスクが顕在化する前に対策を取るように努めております。

 しかしながら、今後、各国各省庁等における現行の法解釈に何らかの変更が生じた場合、若しくは法改正や新たに当社の事業または営業方法を規制する法律等が制定・施行され、当社が適切に対応できない事態が生じた場合は、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

②個人情報の管理について (発生可能性:中 時期:特定時期なし 影響度:大)

 当社は事業を通じて取得した個人情報を保有しております。個人情報の管理は重要な責務と認識しており、厳重なアクセス管理を行うと共に、各種不正アクセス防止対策を行い、ネットワークセキュリティの向上に取り組んでおります。また国内外の個人情報保護法の規制やグローバルなデータプライバシー規制動向を継続的にモニタリングし、個人情報の取り扱いについて「プライバシーポリシー」を定め、運用しております。個人情報の取り扱いについてマニュアルを定め、役職員への定期的な研修を通じて、情報管理体制の強化を図っております。

 しかしながら、不測の事態により個人情報が漏洩する可能性は否定できず、そのような事態が発生した場合は当社の風評低下によるサービス利用者の減少や、当社への損害賠償請求等が発生し、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)事業運営体制に関するリスクについて

①業務提携について (発生可能性:低 時期:長期的 影響度:小)

 当社は事業拡大のためのECショップ構築ツールを提供するECカート事業者等の外部企業との連携は重要な経営戦略の一つと考えております。提携企業における事業戦略の変更等に伴って提携関係の維持が困難となった場合や、当社の計画に沿った顧客の導入及び立上げが困難となった場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。これらのリスクを低減するために、当社では特定の提携企業に集中して依存度が高まることのないよう事業展開をすることと共に、各提携先との良好な関係構築に努めております。

 

②人材の確保及び育成について (発生可能性:中 時期:長期的 影響度:中)

 当社は今後の事業拡大の中で、高品質かつ安定的なサービス提供及び更なる競争力の向上を実現するには、国籍を問わず優秀な人材を継続的に採用すると共に、育成・維持に努めていく必要性を強く認識しております。当社では社員紹介の推奨や採用広報活動の強化等、採用方法の多様化を図ると共に、多国籍な人材を受け入れるための福利厚生を充実させることを通じて、優秀な人材の確保と維持・育成に努めていますが、当社の計画に沿った採用・育成ができない場合には当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③外部委託について (発生可能性:中 時期:長期的 影響度:中)

 当社は物流業務や購入業務等の一部について、海外委託先を含め外部委託を活用して業務の効率化を図っています。現在、これらの外部委託先との関係は良好ですが、外部委託先の事業環境悪化等により委託手数料が高騰した場合や何らかの事情により外部委託先のサービス提供が困難になった場合等には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。当社では、これらのリスクを低減する目的及び今後の事業拡大に備えて、オペレーションの一部自動化や、事業継続の観点で代替先の確保等を進めています。

 

④内部管理体制について (発生可能性:低 時期:特定時期なし 影響度:中)

 当社は企業価値の最大化のため、コーポレート・ガバナンスの強化を重要な経営課題と考えております。業務の適正化及び財務報告の信頼性を確保するため、内部統制が有効に機能する体制を整備運用しておりますが、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかず、適切な事業運営が困難となり当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。当社では、事業規模の拡大に応じた人員体制の強化、及び業務プロセスの標準化・効率化を継続的に推進することで、内部統制機能の有効性を維持向上させるよう努めております。

 

⑤知的財産等について (発生可能性:低 時期:特定時期なし 影響度:中)

 当社は運営する事業に関する知的財産権の取得に創業期から継続的に努め、当社が用いる商標・技術等について慎重に権利の保護を図っています。当社保有特許に対する異議申し立てについて特許庁が却下した事例もあり、当社の特許が有効に機能していることも確認できております。しかしながら、当社の知的財産が第三者から侵害され保護されない事例が生じた場合や、保護するために多額に費用が発生する場合は、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は新たなサービスを開始する場合は原則として知的財産権の取得を検討することで第三者の知的財産権侵害を未然に防いでおりますが、当社が使用する技術等について第三者から知的財産権の侵害を主張され、その紛争解決のために多額の費用が発生する場合は、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥システムリスクについて (発生可能性:低 時期:特定時期なし 影響度:大)

 当社の事業は自社でサーバーを持たずにクラウド上で管理可能なサービスを中心に利用しており、データ監視ツールを用いて常時利用状況を把握することで、24時間365日安定したサービスを提供しております。また定期的に脆弱性診断を実施し、データのバックアップ管理も実施しています。しかしながら、災害や事故等の予期せぬトラブルが発生し、大規模なシステム障害が生じた場合や通信ネットワークが切断された場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑦自然災害、紛争等の予測困難な事情について (発生可能性:低 時期:特定時期なし 影響度:大)

 当社はインターネットや通信・物流等の各種サービスに必要な通信ネットワークや情報システム・インフラシステム等を構築・整備しております。自然災害(地震・台風・洪水・津波・竜巻・豪雨・大雪・火山活動等)をはじめ、火災や停電、テロ行為・紛争・感染症の流行等により通信ネットワーク・情報システム、交通・物流等のインフラシステムが正常に稼働しなくなった場合、当社の各種サービスの提供に支障をきたし、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑧新株予約権の行使による株式価値の希薄化について (発生可能性:中 時期:短期的 影響度:中)

 当社は役職員に対するインセンティブの付与を目的として新株予約権を付与しており、本書提出日現在、新株予約権による潜在株式は325,410株であり、発行済株式総数の13.5%に相当しております。これらの新株予約権が行使された場合には、当社株式が発行され、既存の株式が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態の状況

(資産)

 当事業年度末における流動資産は1,971,184千円となり、前事業年度末に比べ854,529千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が778,167千円、未収消費税等が39,202千円、預け金が22,009千円増加したことによるものであります。固定資産は156,599千円となり、前事業年度末に比べ35,884千円増加いたしました。これは主に工具、器具及び備品が2,426千円、繰延税金資産が32,063千円増加したことによるものであります。この結果、総資産は2,127,783千円となり、前事業年度末に比べ890,414千円増加いたしました。

 

(負債)

 当事業年度末における流動負債は1,000,214千円となり、前事業年度末に比べ39,293千円増加いたしました。これは主に買掛金が32,953千円、未払金が43,615千円減少した一方で、未払法人税等が85,302千円、契約負債が30,829千円増加したことによるものであります。固定負債は13,220千円となり、前事業年度末に比べ11,446千円減少いたしました。これは長期借入金が11,446千円減少したことによるものであります。この結果、負債合計は、1,013,434千円となり、前事業年度末に比べ27,847千円増加いたしました。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は1,114,348千円となり、前事業年度末に比べ862,566千円増加いたしました。これは資本金が308,430千円、資本準備金が308,430千円、繰越利益剰余金が245,706千円増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は52.4%(前事業年度末は20.3%)となりました。

 

② 経営成績の状況

 当社は「世界中のワクワクを当たり前に」をミッションに掲げ、海外カスタマー向け購入支援サービス「WorldShopping」と、国内ECサイト向け越境EC支援サービス「WorldShoppingBIZ」からなる越境ECプラットフォームをワンストップで提供しております。

 当事業年度における世界経済は、高インフレの落ち着き等を背景に堅調に推移しました。一方で、米国では金利の利下げが実施され、為替相場の変動リスクが高まっています。加えて米国の関税政策の動向、ウクライナ情勢、中東地域の不安定な状況により、依然として不透明な見通しが続いています。

 このような状況の下、当社では海外カスタマー向けサービス「WorldShopping」の認知拡大に向けたマーケティング施策として、インフルエンサーを活用した広告を打ち出し、台湾を中心とする中華圏での露出を強化いたしました。

 また受注増加に伴う物流増加に対応するため、新たに千葉県白井市に倉庫を開設いたしました。購入オペレーション増加にともない、前事業年度から引き続いて購入自動化の対応ショップを拡張させ、欠品等の機会損失なくリアルタイムで購入できる体制を強化しております。

 国内ECショップに対しては、当社と株式会社Resorzが共同で調査した「越境EC・ウェブインバウンド白書2025」を公開しました。引き続き越境EC支援を行っている各社と定期的にセミナーを共催し、新規導入ショップの獲得に繋げております。また既存導入ショップに対しては、リアルによる交流イベントを開催し、日本全国の小売店・観光地を対象とした訪日インバウンド支援サービス「インバウンドナビ」の提供を開始する等、ショップの売上成長に伴走しております。

 これらの取り組みの結果、第4四半期会計期間において「WorldShoppingBIZ」の月間Activeショップ数は、前年同四半期比152ショップ増加の1,303ショップとなり、月間リピートカスタマー数は前年同四半期比865名増加の5,940名となりました。また当事業年度における取扱高(GMV)は、前事業年度比1,478,174千円増加の6,473,936千円となりました。

 以上の結果、当事業年度における業績は、売上高1,412,184千円(前年同期比27.7%増)、営業利益322,779千円(前年同期比45.9%増)、経常利益310,350千円(前年同期比74.5%増)、当期純利益245,706千円(前年同期比50.4%増)となりました。

 なお、当社は越境ECプラットフォーム事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ778,167千円増加し、当事業年度末には1,463,296千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は188,794千円(前年同期比58.6%減)となりました。これは主に税引前当期純利益が310,350千円、未収消費税等の増加額39,202千円、預け金の増加額22,009千円、仕入債務の減少額32,953千円、未払金の減少額45,872千円、契約負債の増加額30,829千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は1,691千円(前年同期比44.4%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1,612千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は591,063千円(前年同期は19,618千円の使用)となりました。これは主に株式の発行による収入616,860千円等によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

  当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

  当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

c.取扱実績

 当事業年度における取扱実績は、次のとおりであります。なお、当社の報告セグメントは、越境ECプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載をしておりません。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2024年6月1日

 至 2025年5月31日)

取扱高(GMV)(千円)

前年同期比(%)

越境ECプラットフォーム事業

6,473,936

129.6

合計

6,473,936

129.6

 

d.販売実績

 当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。なお、当社の報告セグメントは、越境ECプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載をしておりません。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2024年6月1日

 至 2025年5月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

越境ECプラットフォーム事業

1,412,184

127.7

合計

1,412,184

127.7

(注)1.当社の事業は越境ECプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

2.主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、いずれの販売先についても当該割合が10%未満のため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成には資産・負債及び収益・費用の報告数値及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)経営成績

(売上高)

 当事業年度の売上高は1,412,184千円(前年同期比27.7%増)となりました。これは、「WorldShoppingBIZ」の月間Activeショップ数(第4四半期平均)が前年同四半期比13.2%増の1,303ショップとなったこと、また当事業年度における取扱高(GMV)が前事業年度比29.6%増の6,473,936千円となったことによるものです。当事業年度における地域別売上高比率は、アジアが53.2%、北米が30.1%、その他が16.7%(前事業年度は、アジアが53.8%、北米が30.6%、その他が15.6%)となっております。

 取扱高(GMV)、月間Activeショップ数のいずれにおいても、訪日インバウンド観光客の増加と円安によって海外カスタマーから日本への需要が高まる中で、当社のショップサクセス部隊による支援を実施したことで堅調に推移したものと考えております。

 

(売上原価、売上総利益)

 当事業年度の売上原価は454,000千円(前年同期比27.3%増)となりました。売上拡大に伴い、売上高原価比率は下がる構造である一方で、新倉庫拠点の立ち上げのコスト増により、当事業年度の売上高原価比率は32.1%と、前事業年度の32.2%からほぼ横ばいで推移しました。
 この結果、売上総利益は958,183千円(前年同期比27.8%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は635,404千円(前年同期比20.3%増)となりました。取扱高(GMV)の増加に伴い決済手数料が増加した他、販売促進策を強化した結果、営業利益は322,779千円(前年同期比45.9%増)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

 当事業年度の営業外収益は1,381千円となりました。主な要因は受取利息483千円、還付加算金777千円であります。営業外費用は13,810千円となりました。主な要因は支払手数料3,862千円、上場関連費用8,350千円であります。

 この結果、経常利益は310,350千円(前年同期比74.5%増)となりました。

 

(当期純利益)

 法人税等合計64,643千円を控除した結果、当期純利益は245,706千円(前年同期比50.4%増)となりました。

 なお、当社は越境ECプラットフォーム事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 当社は、事業運営上必要な資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金、長期運転資金の調達について、自己資金または金融機関からの借入を基本としております。当社は設備投資については「第3 設備の状況」に記載のとおり少額であり、必要資金は具体的には、プロダクト・サービス開発のための人員投資、サービスの認知と利用促進のための広告宣伝費及び販売促進費となります。

 なお、当事業年度末における借入金の残高は26,252千円であります。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,463,296千円であります。

 詳細については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご覧下さい。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社の運転資金需要のうち主なものは、当社サービスを新規開発、拡大していくためのプロダクト開発人員の人件費及び顧客獲得のための広告宣伝費であります。これらの資金需要に対しては、自己資金(カスタマーから前受金として受領後、ECショップへ支払うまでの余剰資金)、金融機関からの借入、エクイティファイナンス等で調達していくことを基本方針としております。

 

5【重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。