当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは「Space within Your Reach~宇宙を普通の場所に~」というビジョンのもと、小型衛星技術のパイオニアとして、宇宙ビジネスの先頭に立ち続けることで、従来の宇宙利用の常識を打ち破り、地球上のあらゆる人々が当たり前のように宇宙を使う社会を目指しております。
(2)経営戦略等
1.事業セグメントのシナジー
当社グループでは、顧客のミッション機器(ペイロード)を搭載する小型衛星の開発・製造・打上げ・運用をサービスとして提供するアップストリーム(注1)側のAxelLiner事業、及び自社で開発した衛星を保有し、それらの衛星から得られる地球観測データに必要に応じて解析等による付加価値を加え、ソリューションとしてエンドユーザーに提供するダウンストリーム(注2)側のAxelGlobe事業を推進しております。アップストリーム側の事業とダウンストリーム側の事業の両者を推進している企業は世界的にも非常に珍しく、小型衛星においてはほとんど例のないものとなります。当社グループは、上記の経営方針に基づき、これらのAxelLiner事業とAxelGlobe事業を両輪として事業を拡大してまいります。
両事業を展開することで、AxelGlobe事業のコンステレーション構築に、AxelLiner事業における量産効果を得られることに加え、同事業で獲得した開発ノウハウや開発キャパシティを活用することができるようになり、また、「GRUS-1」を活用したAxelGlobe事業からのフィードバックで得たエンドユーザーのニーズを衛星ハードウエアだけでなく、衛星コンステレーションのアーキテクチャレベルまで落とし、AxelLiner事業の研究開発に活用することができるようになります。その結果、両事業の競争優位性が高まるものと考えております。
これらの事業基盤を支える小型衛星の開発・製造・運用技術に関しては、今後も継続的に研究開発を進めてまいります。AxelLiner事業においては、これまでも政府系の開発案件を複数受注しており、これらのプロジェクトを通じて、政府の宇宙開発の目標達成に貢献しながら小型衛星開発の知見を培っております。AxelGlobe事業に供する人工衛星の開発に関しては、ミッション機器についてはAxelGlobe事業本部にて開発し、AxelLiner事業本部がこれまでの衛星開発の中で培った技術を生かした小型衛星バスシステムと組み合わせることを前提としており、両事業が協力して次世代機の開発を行います。
(注)1.アップストリーム:宇宙空間へ宇宙機(人工衛星やロケットなど)を送るまでの地上での経済活動と宇宙空間における地上用途でない経済活動のこと。主たる事業内容としては、宇宙機の製造・打上げ、宇宙港や地上局を含む地上インフラ運営などが含まれる。
2.ダウンストリーム:アップストリームで打上げられた衛星を地上用途で活用したサービスに関連する経済活動のこと。衛星運用、衛星通信・放送、衛星データ販売、衛星データを活用したソリューション販売などが含まれる。
また、製造に関しては、当社グループでは、2023年7月に株式会社ミスミ、由紀ホールディングス株式会社、及びキャリムエンジニアリング株式会社と宇宙機製造アライアンス業務提携契約書を締結し、人工衛星製造の効率化、製造機調整も可能な並行製造の実現を目指し、従来の人工衛星製造の製造概念を変革することを目標に進めております。なお、当該契約を締結している3社に限らず、その他関連する企業とも連携を深め、プロジェクト開始から軌道上のデータ提供・運用開始までの時間短縮化・効率化を目指しております。
2. AxelLiner事業
AxelLiner事業では本格的な収益化に向けて、多様なミッションに対応可能な汎用バスシステムの確立並びにユーザーエクスペリエンス(UX)革新と衛星開発プロジェクトの短縮化・省力化の鍵となるソフトウエアの完成等の研究開発活動を推進し、世界的に官民双方で急速に高まる小型衛星利用ニーズに応えてまいります。
[1]多様なミッションに対応可能な汎用バスシステムの確立
AxelLiner事業においては、宇宙関連企業や政府系機関等の顧客が調達又は開発するミッション機器を搭載する専用人工衛星の開発・製造・運用が中心となります。従来であれば設計開始から打上げまで最低2~3年は必要となっていた新規衛星開発案件について、これまでの専用衛星開発の過程で培ってきた技術をベースに、バス部分には独自の汎用バスシステムの使用を目指し、最短1年での打上げの実現を目指しております。汎用バスシステムは、2024年3月に打上げた「PYXIS」で初めて搭載しました。なお、「PYXIS」は打上げ後、軌道投入に成功しましたが、電源供給系統の故障が発生し、通信が断絶したことから宇宙空間での実証実験は完了しておりません。太陽電池出力から充電制御回路にいたる電源供給系統の故障を引き起こしうる故障モードを分析し、その故障モードが発生しないように改修方針を策定し、外部有識者のレビューを経て、信頼性向上に向けた改修設計と評価試験を進めました。これらの改修を、2025年6月に打上げた「GRUS-3α」に適用し、現在軌道上で検証を行っているほか、今後当社が開発する人工衛星に反映してまいります。
[2]UX革新の鍵となるソフトウエアの完成
AxelLiner事業では顧客価値実現のために、事業設計から仕様決定、製造状況把握、軌道上運用に至るまでのプロジェクトのすべてのフェーズにおいて、顧客との窓口となるソフトウエアである「AxelLiner Terminal」を提供し、UXに革新をもたらすことを目指しております。
AxelLiner事業が変革するユーザーエクスペリエンスのイメージ
*LSP:打上げ事業者(Launch Service Provider)
従来、特に事業設計から仕様決定のフェーズにおいては検討のために大量の人的・時間的リソースを投入する必要がありました。
宇宙事業、特にコンステレーションを用いた事業展開を考える際に、顧客が自身のミッションを通じて提供したいサービス(品質、展開地域、コスト等)を成立させる構成(衛星性能、機数、投入軌道等)を検討することは一般に容易ではありませんが、この「AxelLiner Terminal」は顧客のミッション(地球観測や通信など宇宙で行いたいこと)を明確化する作業をデジタル化・省力化することを可能にします。
当社は、当該システムを通じて、顧客がシンプルな項目を入力するだけで独自ミッションを実現する人工衛星の構成、およそのコストやスケジュール等を把握できる環境を提供することを目指します。
これらの研究開発によって獲得した技術を活用し、宇宙空間でのコンポーネント実証ニーズを有する顧客に向けた「AxelLiner Laboratory」 (以下「AL Lab」という。)、実施したいミッションを有する顧客に対し、複数機のコンステレーションも含むそのニーズ実現を目的とした衛星及びその運用までを提供する「AxelLiner Professional」(以下「AL Pro」という。)という2種類のサービスを準備しています。
AL Lab
宇宙で使用するコンポーネントを軌道上で実証したいと考える顧客に向けたサービスです。
宇宙用コンポーネント開発事業者が顧客(衛星メーカー等)に製品を販売するには軌道上での動作実績を求められることが多く、これが当該事業者にとって大きなハードルとなっています。このため、経済産業省による宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業やJAXAによる革新的衛星技術実証プログラム等が企画され、宇宙用コンポーネントの軌道上実証機会が提供されてきましたが、実証頻度が2~3年に一度と低いため、製品の性能を素早く検証し、タイムリーに市場に出すことが難しいという課題がありました。当社グループでは宇宙産業向けのコンポーネントを開発したい企業、宇宙空間の特性を活用した実験をしたい企業などを対象にサービスを提供します。当社グループが開発中の汎用バスシステムをベースに、ミッション機器が搭載可能なスペースを分割して提供し、相乗りで打上げることで、1スペースあたりの提供価格の低減を実現します。また、大型のミッション機器の実証を目指す顧客に対しては、衛星自体を提供することも可能です。これらの実証機会を提供する衛星を定期的に打上げることから柔軟な実証時期の選択・変更を可能にするほか、衛星オペレータとして実証対象コンポーネントに対し、中立的な立場での軌道上評価ができる第三者的な認証を提供するなど、独自性の高い軌道上実証サービスの構築を目指します。
AL Pro
実現したいミッションを有する顧客に対し、当該顧客が開発又は調達するミッション機器を搭載した専用の小型衛星を開発し、打上げ、その後の運用までを当社グループがトータルに提供するサービスです。当社グループが開発中の汎用バスシステムを使用することによりカスタム要素を最小化することで、コストや開発期間を従来より大幅に抑えることができると考えています。
加えて当社グループでは過去の豊富な打上げロケットや地上局、保険の手配経験や周波数獲得、政府の許認可取得経験を生かし、顧客にサービスを提供することにより、顧客は煩雑な各種手配を自身で行う必要がありません。顧客は宇宙で稼働させるミッション機器の選定・手配又は開発を行い、当社グループは顧客から受領したミッション機器を衛星として組み込み、打上げや運用の実施を行い、得られたデータを顧客に送付することでサービスが完結します。
将来的には、上記のAL Lab、AL Proのプロジェクトの遂行において前述の「AxelLiner Terminal」を活用することで、プロジェクト期間短縮と省力化を図ってまいります。以上のように、AxelLiner事業においては、進展スピードの速い人工衛星関連技術の研究開発を汎用バスシステムの確立後も継続的に行っていくことが、当社グループの技術力の維持発展及び安定的な事業運営を達成する上での重要な鍵になると考えており、今後も継続的な研究開発投資を行ってまいります。
3. AxelGlobe事業
AxelGlobe事業においては、衛星機数増加による撮影能力の増強、高分解能衛星の投入、データ利用を加速させるための特定産業向けのソリューションの強化の3つの軸で成長を目指してまいります。
[1]中分解能衛星「GRUS」の撮影能力の増強
AxelGlobe事業のサービス強化については、2027年5月期には中分解能衛星「GRUS-3」を最大7機追加し、同一地点をほぼ同一時刻に毎日撮影可能なコンステレーションの構築・運用を行うことを計画しております。「GRUS-3」は地上分解能2.2mの画像の撮影が可能で、1機あたりの観測幅は28.3km、最長観測距離は1,356km、7機合わせて1日に最大230万km²を撮影する能力を有します。また、人の目が捉えることができる色彩のほか、植物の生育状況や沿岸域の藻場や地形などを観測できるセンサーを搭載しています。この撮影能力の増強により、特定のエリアを指定して撮影する当社のタスキング技術と組み合わせ、現在の5機体制では撮影し切れないような広い面積を短期間で観測したいといったニーズに応えるサービスの提供を可能にします。
なお、「GRUS-3」に使用する汎用バスシステムや望遠鏡の性能の検証のため、2025年6月24日(日本時間)に小型衛星「GRUS-3α」を打上げました。打上げ同日にファーストボイスを受信後、軌道上での健全性を確認するためのクリティカル運用も終了し、現在は初期運用を行っております。

2025年6月24日(日本時間)に打上げた「GRUS-3α」フライトモデルとミッションパッチ
(フライトモデルは当社グループのクリーンルームで撮影)
2025年6月24日(日本時間)に打上げられたFalcon 9 (左)と搭載されたGRUS-3αを含むペイロード ©SpaceX
2027年5月期に打上げ予定の「GRUS-3」の提供価値とミッションパッチ
[2]高分解能衛星の投入
2028年5月期以降、高分解能衛星3機による画像サービスをAxelGlobe事業のサービスラインナップに加えることを計画しております。この高分解能画像は、将来的には地上分解能50cm以下の実現を目指しており、現在商用で手に入る衛星画像の中でも大型衛星に比肩する高い分解能を持つことになります。高分解能画像サービスは官公庁を中心に様々な用途での利用が見込まれます。加えて、これら中分解能衛星と高分解能衛星を組み合わせて運用し、広域・高頻度の観測データから関心地点を特定・抽出し、高分解能の観測データからその地点の詳細な観測を行う協調運用(Tips&Cue)の実現を目指します。
現在このような協調運用を同一のプラットフォームで展開している事業者は存在しておらず、異なる種類のデータを組み合わせたシナジーを効かせたサービスを提供することで、地球観測プラットフォームとして高い競争優位性を持つと考えております。
[3]データ利用を加速させるための特定産業向けのソリューションの強化
衛星データを提供する事業者の数は増えており、衛星データ販売事業への参入障壁は下がってきておりますが、衛星データは地理空間情報データ(GISデータ)の一部であり、GISデータの取扱い経験が求められます。また近年ではコンピュータビジョンといった画像情報のソフトウエア等の取扱い経験も求められます。このため衛星データを届けるのではなく、解析等を実施し、その結果をサービスとして提供する、又は衛星データを含む複数のデータソースを組み合わせて解析した結果をサービスとして提供するような事業者が出てきています。現時点ではこのようなデータ解析の企業については、個々の案件に応じたコンサルティング性が高いものと考えております。
また、衛星は軌道上で物理法則に従った運動をしており、いつどこに存在していたかを一意に特定することができるため、ドローン等と異なり特定の場所を特定のタイミングで撮影したという事実を証明可能です。この特性と改ざん防止技術等とを組み合わせることにより、撮影した画像について、証拠能力を持たせることが可能となる特徴もあります。これらの特徴を活かしてより多くの産業での衛星データの利用促進を図るため、ソフト面での取組みも加速してまいります。具体的には、報道、金融、環境といった産業を中心に、ニーズに合わせ画像分析・情報抽出機能を組み合わせたり、撮影権をサービスに組み込むことにより、付加価値の高いソリューションとして顧客にサービス提供できるよう、研究開発及び事業パートナーとの協業を積極的に進めてまいります。
4.パイプライン
現在、AxelLiner事業は政府系機関案件を中心とした複数の一定期間にわたるパイプラインを有しております。また、AxelGlobe事業においては、政府系機関や地方自治体、国内外の民間企業の個別撮影オーダーをはじめ、複数の一定期間にわたるパイプラインを有しております。今後当社が受注を想定する主なプロジェクトは以下のとおりであります。
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事業 |
顧客 |
プロジェクト*1*2*3 |
プロジェクト 想定期間*1*2*3 |
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AxelLiner事業 |
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) |
地球規模の宇宙通信インフラ構築の衛星光通信ネットワーク技術の開発・実証 |
~2032年5月期 |
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AxelLiner事業 |
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) |
超小型衛星コンステレーション技術開発実証事業*4 |
~2027年5月期 |
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AxelGlobe事業 |
経済産業省 |
多種衛星のオンデマンドタスキング及びデータ生産・配信技術の研究開発 |
~2027年5月期 |
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AxelGlobe事業 |
防衛省 |
画像データの取得 (その11-2)*5 |
~2026年5月期 |
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AxelGlobe事業 |
民間企業 *6 |
宇宙状況把握(SSA; Space Situational Awareness) |
- |
*1:プロジェクトについては、契約締結済み又は一部契約締結済みのものが含まれております。
*2:ステージゲート審査(中間評価)、その他の事情により案件が頓挫した場合、その時点以降の未契約分の売上が計上されない可能性があります。
*3:契約締結済みのプロジェクトについては、ステージゲート審査(中間評価)、プロジェクトの失敗や中止等の事情により想定した金額及び時期で売上が計上されない可能性があります。また、単年ごとに契約を更新するプロジェクトについては、プログラム自体が取りやめられる場合には契約が更新されない可能性があります。
*4:本プロジェクトは、NEDOが実施する「超小型衛星の汎用バスの開発・実証支援」です。2021年度~2022年度は経済産業省が実施し、2023年度~2026年度はNEDOに引き継がれております。毎年度補助金の上限が通知される方式で、2026年度まで交付が決定しています。本プロジェクトによる収入は、営業外収益(補助金による収入)として計上されるものであります。金額は、本プロジェクトの補助対象経費の額に対して補助率が3分の2とされております。
*5:本プロジェクトは、防衛省情報本部「令和6年度契約分入札情報 第256号 画像データの取得(その11-2)」です。
*6:契約先の収益に係る情報のため個社名は非開示となります。本プロジェクトは、プロジェクト期間が決まっておりませんが、今後も継続的な役務提供が見込まれています。
また、本図表には将来情報が含まれています。
また、今後獲得を目指す主なプロジェクトとして、宇宙戦略基金(第一期、第二期)を活用した軌道上実証支援プロジェクト、安全保障領域のプロジェクト、JAXA「革新的衛星技術実証プログラム」、民間企業とのスラスター実証プロジェクトなどがあります。軌道上実証プロジェクトは、宇宙戦略基金(第一期)における「衛星サプライチェーン構築のための部品・コンポーネント開発・実証」というテーマが本プロジェクトに関連しており、本テーマは、当社自身が採択されるものではなく、採択された企業の実証ニーズがAL Labの顧客ターゲットになり得るという観点で、当社が獲得を目指すプロジェクトとして認識しております。現時点では口頭での協議を行っている初期段階で契約未締結の段階であり、実際に受注できることを保証するものではありませんが、既に複数の顧客ターゲットと軌道上実証支援に係る協議を開始しております。
JAXA「革新的衛星技術実証プログラム」は、具体的にプロジェクトは開始していないものの、政府系機関より公表済のプログラムであり、小型衛星開発において国内で実績のある当社が十分狙い得るプロジェクトとして想定しております。現時点で5号機までの実証テーマの公募が予定されております。
また、民間企業とのスラスター実証プロジェクトについては、実際に受注できることを保証するものではありませんが、現時点では契約等の条件について交渉を行っております。
(3) 経営環境
当社グループが属する経営環境には、以下のような特徴があります。
当社グループが属する民間宇宙利用の分野では、「最後のフロンティア」として次なる成長産業としての期待が強く、欧米を含めた世界各国での宇宙スタートアップの設立、政府主導のプログラムの組成及びユーザーとしての宇宙利用の拡大など、民間企業や民間投資を巻き込んだ宇宙開発・利用活動が活発化しています。日本においても民間事業者による宇宙開発・利用を推進していくため、2016年11月には「人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律(通称:宇宙活動法)」や「衛星リモートセンシング記録の適正な取扱いの確保に関する法律(通称:衛星リモートセンシング法)」が成立し、民間事業者による更なる宇宙ビジネスの拡大を推進すると同時に、安倍内閣総理大臣(当時)を本部長とする宇宙開発戦略本部による、宇宙ベンチャー成長のための1千億円の資金枠が設定されました。また直近では、2023年4月に自由民主党から日本政府に対し、宇宙関係予算の規模について年間1兆円を目指すべきであるという提言「宇宙の安全保障構想と新たな宇宙基本計画にむけて~国家宇宙戦略の策定とSXの実現~(令和5年3月28日)」がなされたほか、2023年12月には国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法の一部が改正され、10年で総額1兆円規模の支援を行うことを目指す宇宙戦略基金が組成。第一期、第二期それぞれで3,000億円が予算に組み入れられました。また、防衛省により令和7年度予算にて公表された衛星コンステレーションの構築(2,832億円)で光学衛星・SAR衛星の活用が明記され、安全保障分野も含めて宇宙産業の急速な拡大が予測されております。このような環境の中、当社グループの手がけるAxelLiner事業及びAxelGlobe事業においても、持続的な成長を見込んでおります。
当社グループのAxelLiner事業は、多様なミッションに対応可能な小型衛星を開発・製造・運用するサービスを提供することにより社会に存在する様々な宇宙利用ニーズに応える、いわゆる宇宙産業における製造分野の一つとされています。この人工衛星の分野については宇宙利用の拡大に伴い全世界で市場規模が拡大しており、2014年から2023年の10年間で340億米ドル規模だった小型衛星市場は、2024年から2033年の10年間で1,133億米ドルに成長すると見込まれております(Novaspace社 Prospects for the Small Satellite Market, 10th edition, 2024)。この内、AxelLiner事業が含まれる小型衛星製造の市場も2014年から2023年の10年間で238億米ドル規模から、2024年から2033年の10年間で797億米ドルと3倍以上に成長することが見込まれております。
サイズ別の小型衛星製造市場規模
*1:出所:Novaspace「Prospects for the Small Satellite Market, 10th edition, 2024」BY MASS CATEGORY, manufacturing value。ただし、記載内容は当該市場予想が合理的な根拠に基づくものと当社内で適切な検討を経たものでありますが、その予測統計モデルは、複数の予測手法と重要性による加重を組み合わせて設計されており、その達成を保証するものではありません。
*2:Total Addressable Market
*3:2024-2033年平均TAMは、当該期間の合計額より年数を除して算出(4,579=(34,249+11,545)/10)
我が国においても2023年に改訂された宇宙基本計画において、人工衛星製造を含む宇宙産業を日本経済における成長産業とするため、2020年に4兆円となっている市場規模を2030年代の早期に2倍の8兆円に倍増させることを目標とすると謳われており、政府が率先して研究開発補助や宇宙データ利用促進施策を推進するなど、特にスタートアップ企業向けに強力な支援が行われております。
また、当社グループが展開するAxelGlobe事業は、人工衛星のデータを利用・解析することにより、様々な業界で用いられる「地球観測衛星データサービス市場」の一つとされています。この「地球観測衛星データサービス市場」は全世界で市場規模が拡大しており、2023年には5,023百万米ドルだった市場が2033年には7,929百万米ドルまで拡大することが見込まれています。地球観測衛星データサービス市場の中でも光学衛星は最大規模を誇ります。当社の事業領域である中分解能及び今後当社が打上げを予定する高分解能衛星の市場規模と合わせると、2024年から2029年までの累計で約3.5兆円の市場規模に拡大すると見込まれております(Novaspace社 Earth Observation Data & Services Market 17th Edition, 2024)。
地球観測衛星データサービス市場規模の推移
*1:出所:Novaspace社「Earth Observation Data & Services Market 17th Edition, 2024」。市場規模には光学衛星、SAR衛星の市場規模を含みます。ただし、記載内容は当該市場予想が合理的な根拠に基づくものと当社内で適切な検討を経たものでありますが、各国の宇宙予算を算出・推計するために、政府公式発表に加え専門誌やマスメディアの情報、推計も含まれており、その達成を保証するものではありません。
*2:「Value Add Service(VAS)」は、アドバンスド・キャリブレーション(より高度な画像校正)や画像修正、付加的な分析サービス市場のこと。
*3:「Data」は、衛星画像市場及び衛星画像データの基礎加工プロセス市場のこと。
*4:2023-2033年平均成長率は当該期間の年数を除して算出(4.7%=(7,929/5,023)^(1/10)-1)
衛星タイプ別のデータ・分解能別の市場規模
*1:出所:Novaspace社「Earth Observation Data & Services Market 17th Edition, 2024」。出所に記載がある市場規模元データを1ドル150円で換算。ただし、記載内容は当該市場予想が合理的な根拠に基づくものと当社内で適切な検討を経たものでありますが、その達成を保証するものではありません。
*2:Commercial Data & VAS (Value Add Service) revenues
*3:1mから10m程度の地上分解能を中分解能 、1mから50㎝程度の地上分解能を高分解能、50㎝未満を超高分解能と定義。
我が国においても宇宙基本計画の中で「衛星利用による宇宙ソリューションビジネスの海外展開強化や、衛星データの利用拡大、担い手の拡充等を図っていく。」(宇宙基本計画、令和5年6月13日、p.25)、「官民によるリモートセンシングデータの利用を加速していくため、政府によるリモートセンシングデータのサービス調達を、民間に率先して一層推進する。」(宇宙基本計画、令和5年6月13日、p.28)と述べられており、データ利用省庁等によって構成される「衛星リモートセンシングデータ利用タスクフォース」の活動など、日本政府の支援の下、更なる発展が見込まれております。これは世界的な動きだけでなく、激甚化する災害への対応や少子高齢化・デジタル化に伴う業務効率化の要請に後押しされているものと考えております。
衛星データの利用に関しては、「衛星リモートセンシングデータ利用タスクフォース」に出席する省庁が宇宙を所管する内閣府だけでなく、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、防衛省など幅広い省庁からの出席者があることからもわかるように、業界横断的な幅広いユーザーニーズが存在します。これらのニーズのうち、当社グループがサービスを提供する中分解能衛星画像及びその解析データについては、その撮影面積の広さから、幅広い国土の管理及び農林水産業について特に強みを有しており、担い手の減少・集約管理のニーズに応える形で利用シーンが拡大する余地があると考えております。加えて今後参入を行う予定としている高分解能衛星画像においても近年の国際情勢の変化に伴い国内外の政府系機関を中心にニーズが高まっており、サービスイン以降、AxelGlobe事業の売上拡大に寄与するものと考えております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、2027年5月期に打上げ予定の「GRUS-3」等の開発・製造・運用技術、AxelLiner・AxelGlobe両事業における研究開発の先行投資により、継続的に営業損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローを計上している状況にあり、当連結会計年度末において継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。当該事象又は状況を解消し、かつ今後、当社グループが事業拡大を遂げていくために事業上及び財務上対処すべき課題並びに対処方針は以下のとおりであります。
①収益基盤の強化
当社グループの売上高の柱である、AxelLiner事業並びにAxelGlobe事業において、更なる収益基盤の強化は重要な経営課題と認識しております。そのためAxelLiner事業に関しては、多様なニーズに応えるべく、継続的な研究開発の実施により性能向上を図りながら、複数のプロジェクトを並行して推進できるよう、UX革新、及び衛星開発プロジェクトの短縮化と省力化の鍵となるソフトウエア「AxelLiner Terminal」の開発の加速及び衛星量産体制の着実な整備を進めてまいります。併せて営業体制を強化し、本格的に営業活動を推進してまいります。
AxelGlobe事業では、国内外において衛星画像販売代理店・衛星画像解析事業者とのパートナー契約を増やし、販路拡大を推進してまいります。加えて、これまで衛星データ活用が進んでいない業界向けの新プロダクト開発を当該業界の事業パートナーと共に積極的に推進し、ソリューションとしての利用普及を図ってまいります。
②人材の確保及び育成
当社グループのビジョン・ミッションに共感し高い意欲を持った優秀な人材の採用、及び人材育成は重要な事業上のテーマであると認識しています。そのため多様な働き方の整備、会社負担による婦人科健診の推奨・有給休暇付与の拡大・継続勤続年数に応じたボーナス休暇の付与などの福利厚生の充実、社内教育制度の充実、透明性のある評価制度の構築等、従業員が高いモチベーションをもって働くことのできる環境の整備を継続して推進してまいります。
③ガバナンス及び内部管理体制の強化
当社グループは、持続的成長を遂げるための業務執行とガバナンスのバランス、及び経営上のリスクを適切にコントロールするための内部管理体制の強化が重要であると認識しております。そのため、社外取締役等への報告体制の強化、内部監査担当、監査役及び会計監査人による実効性のある三様監査を実施するとともに、役職員向けのコンプライアンス研修の実施等を通じた個々人の知識・能力の向上や、定期的な内部監査を継続して実施してまいります。
④財務上の課題について
将来的に安定した事業収益化を目指す過程で、顧客基盤の拡充・人工衛星技術開発への継続的な先行投資が必要であり、そのための必要資金を機動的かつ確実に確保することが重要です。当社グループでは、現状、先行投資フェーズであり、継続的な投資を行っていることから、過去継続して営業赤字かつ営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスを計上しております。
当社グループではこれまで、第三者割当増資、金融機関からの借入、政府補助金等で資金調達を実施してきましたが、今後も機動的な資金調達の可能性を適宜検討してまいります。
当社グループでは手元流動性確保のため、総額62.4億円の第三者割当増資による調達を2023年12月に実施しております。また、以下のとおり第三者割当増資、金融機関からの借入等で資金調達を実施してきており、また今後も機動的な資金調達の可能性を適宜検討してまいります。
2023年6月:株式会社三井住友銀行と極度借入2,000,000千円の借入契約を締結
2023年12月:総額6,240,597千円の第三者割当増資による調達
2024年9月:株式会社みずほ銀行と借入枠2,000,000千円の借入契約を締結
2025年3月:株式会社三井住友銀行と4,000,000千円の借入契約を締結
2025年8月:東京証券取引所グロース市場に株式を上場。公募による新株式の発行により、7,128,010千円の資金調達を実施
(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、以下を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として定めています。
・売上高
当社グループ全体では、企業価値の継続的向上に向けて、利益の確保が重要であるため、経営指標として売上高を重視しております。
・総収入
中期的には当社グループ全体の収入において、補助金収入が一定の比率を占めることから、売上高と補助金収入を合算した総収入を当面は重要な指標として管理することとしています。
・衛星打上げ機数(AxelLiner事業)
AxelLiner事業においては、実証衛星としての打上げ機数を重視しており、2025年5月期から2028年5月期までの間に累積6機の人工衛星の打上げを目指しております。実証衛星の打上げ機数が増加することで、衛星開発の製造過程における知見・量産化技術を蓄積し、当社グループの人工衛星製造の開発効率・製造コストの低減に繋がります。
なお、AxelLiner事業において目指す多様なミッションに対応可能な汎用バスシステムの確立並びにUX革新及び衛星開発プロジェクトの短縮化と省力化の鍵となるソフトウエアが完成し、定期的に衛星打上げが実施可能になった後は、KPIとしてはプロジェクト件数を使用することを予定しております。
・衛星運用機数(AxelGlobe事業)
AxelGlobe事業では、衛星コンステレーションの運用機数を重視しており、2028年5月期末までに14機を運用することを目指しております。運用機数が増加することで、撮影頻度・撮影範囲の増加が可能となり、当社グループの収益への貢献度が比例的に増加いたします。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。なお、特に記載のない限り、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループはサステナビリティに関する重要事項について、経営会議にて審議し、必要に応じて当会議の決議に基づき取締役会に報告することにしております。取締役会の活動内容や活動状況については、「
(2)戦略
① サステナビリティに関する考え方
当社グループはビジョンである「Space within Your Reach~宇宙を普通の場所に~」を実現する過程で、宇宙ビジネスを営む企業である前に、地球上で活動する責任ある社会の一員であるとの認識のもと、将来にわたって人類が地球で生活し、地球を取り巻く宇宙空間を活用し続けられるようにするべく創出インパクトを考慮した事業活動を進めております。
今後も当社グループの小型衛星コンステレーションによる地球観測データの活用を国内外の産業へ普及させることにより、地上及び地球周辺領域といった人類の活動圏におけるさまざまな社会課題や自然環境における課題を解決し、持続可能な社会を追求してまいります。
② 具体的な取組
当社グループでは、スペースデブリ化を防ぐための高いレベルの衛星開発・製造・運用基準を自ら設定し、業界をリードする宇宙環境先進企業となることを目指しております。具体的には、当社グループでは地球環境に最大限配慮した宇宙機の製造手法、地球周回軌道上でのスペースデブリ防止化策などから構成される「Green Spacecraft Standard」というコンセプトを提唱しております。これは各国政府や国際機関が提示する一般的なガイドラインで要求されるよりも広い範囲で一段高い基準を設定しており、当社グループではすべての衛星についてこの基準を満たすよう今後の開発を進めてまいります。また、世界で宇宙事業を営むすべてのプレイヤーがこの基準に適合することができれば、宇宙の環境問題は解決に向けて大きく前進します。当社グループは、なるべく多くのプレイヤーがこの基準のコンセプトに賛同し、業界全体でサステナビリティに向けた取組が活発化するよう働きかけを強めてまいります。
また、2022年9月に、JAXAが公募した「革新的衛星技術実証4号機」に搭載する実証テーマとして、当社グループの「超小型衛星用膜面展開型デオービット機構の軌道上実証」が選定されております。当該実証テーマにおいては、近年の人工衛星の打上げ増加等の理由により深刻化しているスペースデブリ問題を解決することを目的として、衛星の運用終了後、早期に軌道高度を下げ、大気圏に突入させる(以下「デオービット」という。)ことで衛星を燃焼させるデオービット機構を開発しました。同機構は、2024年3月に打上げた「PYXIS」以降、当社グループが開発する汎用バスシステムに標準搭載しております。
③ 人材の育成に関する方針
当社グループの事業基盤の強化・拡大のためには、多様な人材の確保と育成が重要な事業課題であるとの認識のもと、外国籍社員の採用や女性管理職の課長職以上への登用、宇宙業界にとどまらない幅広いバックグラウンドや専門知識・知見を有する人材の活用に取り組んでおります。本書提出日現在において、具体的な指標を用いた目標数値等は定めておりませんが、今後、関連指標のデータ収集と分析を進め、適切な指標及び目標を設定してまいります。
④ 社内環境整備に関する方針
多様な人材を確保・育成していくには、柔軟な働き方を推進していくことが重要であり、そのための働き方の整備として「バーチャルオフィス制度(オフィス外で仕事すること)」の導入や透明性のある評価制度の構築などを進めております。なお、社内環境整備に関する指標について、具体的な取り組みを行っているものの、本書提出日現在において、具体的な指標を用いた目標数値等は設定しておりません。これらの取り組みの強化を通じて、持続可能な社会発展への貢献と、企業価値の向上を目指してまいります。
(3)リスク管理
当社グループは、コーポレート・ガバナンスの強化を図りながら、サステナビリティ関連のリスク及び機会の管理を取締役会主導で実施しております。取締役会やコンプライアンス・リスク管理委員会を通じて発見・分析されたサステナビリティ関連のリスク及び機会は、経営陣にも共有され、当該リスク及び機会に関連する部門の執行役員が具体的にその対応を実施しており、必要に応じて取締役会への報告も行われております。コンプライアンス・リスク管理委員会の活動内容については、「
(4)指標及び目標
当社グループでは、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めていないことから、サステナビリティ関連の指標及び目標の記載はいたしません。今後、現状把握を行った上で適切な指標の定義と目標設定を行い、その進捗管理に努めることで改善に取り組んでまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主なリスクは、以下のようなものがあります。
当社グループは、これらのリスクの発生可能性を十分に検討及び認識した上で、リスクを回避し、リスクが顕在化した場合には適切な対応を進める方針ですが、その対応を講じた結果には不確実性が伴います。したがって、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。
また、これらの主なリスクは、投資家の投資判断の過程で重要であると考えられる事項については、幅広く記載しておりますが、投資判断のためのリスクを全て網羅したものではなく、これら以外にも様々なリスクを伴っていることにご留意ください。
当社グループが属する宇宙産業全体としては、未だ市場草創期であることから、将来の市場規模及びその拡大の可能性には不確実性を伴います。また、当社グループが事業を展開する小型衛星関連サービスを含めて、宇宙関連技術や商業サービスの開発には長期間にわたる多額の研究開発費用を要し、さらに全ての研究やサービス開発が成功する保証はなく、様々な事情による遅延のリスクがあります。このように、当社グループの事業は性質上、様々な不確実性とリスクを有しており、当社株式への投資は、一般投資者による投資対象としては相対的にリスクが高いものといえます。
なお、本項における将来に関する事項については、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)衛星画像及びそのサービス市場の成長鈍化について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)
当社グループが事業を展開する世界の衛星画像及びサービス市場は、衛星画像市場が2023年1,913百万米ドルから年平均成長率約5%で成長し、2033年には3,005百万米ドルに達すると予測され、衛星画像を元に提供される衛星画像サービス市場が2023年3,110百万米ドルから年平均成長率約5%で成長し、2033年には4,924百万米ドルに達すると予測されており、今後も継続的な拡大が見込まれております(Novaspace社 Earth Observation Data & Services Market 17th Edition, 2024)。
当社グループにおいても、これまで衛星画像を利用したことのない新規顧客の開拓や、既存顧客との衛星画像の新規需要の開拓に取り組むことで、衛星画像及びその衛星画像サービス市場の成長を一層加速できると考えております。
しかしながら、景気減速その他様々な理由による衛星画像及びそのサービスを必要とする事業者の財政状態の悪化、衛星画像の急激な技術進化、衛星事業者に関する規制の動向、衛星画像の需要の減退をはじめとする市況変動等により、想定どおりに市場が成長しない可能性があります。また、顧客が政府系機関の場合には宇宙関連事業に投入可能な予算額の減少、国際情勢の変化により国防予算の縮小が生じる可能性があり、市場に十分な需要が生じない可能性があります。さらに、衛星画像に関して、当社が想定していない人工衛星画像以外の他分野の画像撮影技術の進化等により、想定どおりに衛星画像市場が成長しない可能性があります。
また、契約相手方との関係や競合相手、所在国の状況によっては、当社が希望する価格設定や契約条件の設定を行えない可能性があり、当社が期待するだけの需要を喚起できない可能性があります。
加えて、当社又はNovaspace社が策定する市場規模に関する予測は、様々な仮定や前提条件に基づいており、前提条件の内容等によってその計算結果は大きく異なります。このため、今後、当該仮定・前提条件が想定と異なる場合には、想定している市場成長率が鈍化し、当社グループの業績が想定どおりに成長しない可能性があります。
したがって、上記の予測どおりに衛星画像及び衛星画像サービス市場が拡大しなかった場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2)競合について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)
現在、国内・海外で小型地球観測衛星のコンステレーション構築計画を表明する企業は複数存在しており、また、今後の市場規模拡大に伴い、国内大手企業と海外企業が連携する事例なども増加していることから新規参入が相次ぐ可能性があります。また、AxelGlobe事業を展開する光学衛星分野については、主に海外においてすでに事業を展開している企業等が存在します。
しかしながら、当社グループは2008年の創業以来一貫して小型衛星事業に取り組んでおり、これまでに11機の小型衛星の開発・運用を行ってまいりました。これらを経て小型衛星ミッションのために最適化した独自の設計基準、宇宙でも利用可能な民生部品の積極的な活用による低コストの衛星開発手法、安定的な衛星運用ノウハウ、良質な衛星画像処理技術を確立してまいりました。これにより小型衛星の開発・製造・運用の短期間かつ低コストでの実施や、それらを源泉として低価格で高品質な衛星画像サービスの提供を可能とすることで、競合企業に対する優位性を構築し、AxelLiner事業とAxelGlobe事業のそれぞれにおいて競争力を向上させてきました。
今後も技術発展スピードの速い人工衛星関連技術の研究開発を継続的に行っていくとともに、ユーザー業界のニーズに合わせたソリューションの提供等、お客様目線に立ってサービスをより充実させていき、さらに知名度向上に向けた取り組みも積極的に行ってまいります。
しかしながら、競合他社が大幅な技術革新、より付加価値の高いビジネスモデルやソリューションの開発、政府系機関等からの補助金受領などにより競争力を高めた場合、又は想定以上の企業数の新規参入等により競争が激化した場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3)AxelLiner事業における受注見込の遅延の可能性について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:3年以内、影響度:大)
前記「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略等 2.AxelLiner事業」に記載のとおり、将来的にAxelLiner事業では本格的な収益化に向けて、多様なミッションに対応可能な汎用バスシステムの確立及びユーザーエクスペリエンス(UX)革新の鍵となるソフトウエアの「AxelLiner Terminal」完成等の研究開発活動を推進し、世界的に官民双方で急速に高まる小型衛星利用ニーズに対応する予定です。
当該ビジネスモデルの実現のためには、当社グループ独自の汎用バスシステムの確立及びAxelLiner Terminalの提供が重要です。しかしながら、本書提出日現在において、当社グループの想定する汎用バスシステムに必要な技術が実証できておりません。汎用バスシステムの技術開発については、2024年3月5日(日本時間)に実証衛星「PYXIS」を打上げ、軌道投入に成功しましたが、電源供給系統の故障が発生し、通信が断絶したことから宇宙空間での実証実験は完了しておりません。2025年6月24日(日本時間)に打上げ、初期運用中の「GRUS-3α」にて実証実験を実施しておりますが、システム又は機材の故障及び宇宙天気等の変化による自然災害等の影響で「GRUS-3α」での実証実験が当社の想定どおりに完了しない可能性があります。また、「GRUS-3α」で一定の実証が完了したとしても、今後もさらなる実証実験が必要です。
当社グループは、前記「第1 企業の概況 3 事業の内容 (2)基盤となる小型衛星に関する技術」に記載のとおり、必要となる技術開発を進めておりますが、汎用バスシステムの技術的確立の遅延、標準部品の選定と量産化の課題、AxelLiner Terminalの開発遅延・ソフトウエアの複雑性による安定稼働等、当社の想定どおりに実行されない場合には、当社グループの収益化に対して悪影響が及ぶ可能性があります。また、当社が十分に資金調達を行うことができない等の理由により、必要な開発資金を適宜投入する事が困難となり、当社グループの収益化に対して悪影響が及ぶ可能性があり、競争力を失う可能性があります。
また、汎用バスシステムの商用化及びAxelLiner Terminalの提供を開始したとしても、顧客の各種要因により衛星開発自体が進まない可能性、顧客側のコンポーネント製造に必要な資金手当てが困難になる可能性もあり、サービスの提供・継続が困難となる可能性があります。また、スピードの速い人工衛星関連技術の研究開発を継続的に実施する必要があり、汎用バスシステムの継続的な改修・AxelLiner TerminalのUX向上等のためには、各種研究開発費・人件費等多額の支出が継続的に必要となり、結果として支出が当社の想定を上回る可能性があります。
さらに、当社グループがサービスの提供のために外部業者と協力して進める場合、当該業者と契約条件を合意できない場合や当該業者によるサービスが想定どおりに提供されない場合等には、当社グループのサービス提供に支障が生じる可能性があります。加えて、今後、当社グループがサービス展開をできたとしても、競争が激化する場合や、当社グループが付加価値のあるサービスを競争力のある価格で提供できない場合には顧客を獲得できる保証はなく、また、当社グループが十分な利益を上げられるほどの単価を設定できる保証もありません。
また、当社グループは複数の世界各国の民間企業との間に、AxelLiner事業でのサービス提供について、基本合意書(以下「MOU」という。)等を締結しております。しかしながら、これらのMOU等の締結は、当社グループの将来の売上高を保証するものではありません。加えて、これらのMOU等について、当社グループが最終契約を締結できる保証はありません。また、最終契約を締結できたとしても、当該契約の内容は、MOU等の内容とは大幅に異なる可能性もあります。
さらに、当社グループが締結するMOU等には、相当期間の未来の内容について合意するものが存在し、仮にMOU等の内容どおりに最終契約締結に至ったとしても、将来の時点においては経済合理性を欠いている可能性もあります。
(4)政府系機関の顧客について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)
当社グループの既存顧客には、政府系機関が含まれ、売上高に占める割合は以下のとおりとなっており、当面の間、売上高の大部分を占める状況が継続する予測をしております。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自2023年6月1日 至2024年5月31日) |
当連結会計年度 (自2024年6月1日 至2025年5月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) |
1,239,099 |
58.7 |
1,147,285 |
72.3 |
|
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT) |
277,301 |
13.2 |
173,923 |
11.0 |
|
経済産業省 |
128,118 |
6.1 |
107,827 |
6.8 |
|
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA) |
115,829 |
5.5 |
- |
- |
政府系機関からの発注については、国家予算や地政学上のリスクに影響を受ける傾向があり、政府系機関からの意向により発注金額の縮小、プロジェクト内容の変更又は中止の可能性があります。
さらに、プロジェクト遂行中に、追加的な規制や要件の遵守を求められる可能性があり、契約対象であるプロジェクトが遅延する可能性、必要な支出に際して政府系機関との見解相違及び支出の必要性についての認識の齟齬が生じる可能性、当社グループの技術内容を含めた一定の事項について対外的に開示が要求される可能性、調達先の指定等の一定の要件を課される可能性があります。
加えて、政府系機関との契約においては、契約条件の遵守について政府系機関による調査権が認められており、当社グループがこれらの規制に違反した場合、契約の解約のみならず、行政処分等の対象となる場合があり、係る処分等が下された場合、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。この場合、利益の減少、法令や契約上の義務違反時の課徴金及び他のプロジェクトへの入札禁止等につながる可能性があり、当社が想定したとおりの収益を上げることができない可能性があります。
特に機密性の高い案件に当社グループが関与した場合、機密保持の観点で案件情報の開示が制約される可能性もあり、その場合は投資家への情報提供が十分に行えない可能性があります。
政府系機関のプロジェクトでは、開発フェーズごとに審査が設けられており、当社グループが初期フェーズを受注しているプロジェクトでも、競合入札事業者が存在する場合には、当社グループが当該プロジェクトの後続フェーズを受注できない可能性があります。
今後も、政府系機関が売上高の大部分を占めると予測しており、当社グループの収益の大部分を政府系機関に依存する状況が継続する可能性があります。当社グループは、AxelLiner事業、AxelGlobe事業それぞれにおいて、民間企業からの新規契約の獲得を通じて収益の分散化を推進していきますが、何らかの事情により、収益分散が予定どおり実現できない可能性も考えられます。
(5)事業の特性による外的要因リスクについて(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)
当社グループの業績はミッションの進捗、参加するコンソーシアム全体での計画の変更、新サービスの導入や拡大、サプライヤーの納期遅延や製品仕様変更、競争環境の変化、政府系案件の入札・受注状況、予期せぬ問題の発生など、当社グループの管理が及ばない要因によって、当社グループの収益は影響を受ける可能性があります。また、研究開発段階では、プロジェクトの進捗に伴う設計の変更、プロジェクトの計画の遅延が生じた場合、当社グループの収益に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(6)開発遅延について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)
当社グループでは、前記「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略等」に記載のとおり、AxelLiner事業における人工衛星の関連技術・宇宙機製造アライアンスによる衛星量産体制の整備やUX革新の鍵となるソフトウエア、AxelGlobe事業における中分解能衛星・高分解能衛星や衛星データ利用促進のためのシステムなど、必要な研究開発を進めておりますが、これらの開発に想定以上の期間を要する場合や開発に失敗するリスクも考えられます。
当社グループでは、重要な技術開発に係る進捗については、毎月の取締役会等で継続的に状況を確認・管理することとしており、開発スケジュールへ影響を及ぼさないよう調整を行う方針ですが、仮に開発遅延や失敗が生じた場合には、当社グループの予定しているサービス提供開始が遅延し、又はサービスとしての提供を断念する可能性があります。
また、予期しない事態の発生などにより、当社グループが開発し打上げた小型衛星が故障又は喪失した場合、原因究明やその後の開発再開に相応の時間を要することや生じた技術的問題に対応するため想定外の費用が生じる可能性もあります。さらに、顧客に提供するサービスにおける失敗や遅延が起きた場合には、既存顧客との契約解除、新規顧客の獲得が困難となる可能性や、加えて顧客からの契約に基づく損害賠償請求など、保険では補填できない損害を当社グループが被る可能性があります。これらの事態が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(7)サプライチェーンのリスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中~大)
当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略等」に記載のとおり、AxelGlobe事業にて今後打上げ予定の中分解能衛星・高分解能衛星に搭載するミッション機器、AxelLiner事業にて汎用バスシステムの研究開発をそれぞれ推進する予定であり、必要となる原材料、研究設備、外注先の供給不足が生じた場合には、研究開発のスケジュールに遅延が生じる可能性があります。当該研究開発の遅延に起因して、顧客に対してのサービス提供が遅延・中止される事により、当社グループの評判、事業、業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、衛星製造に関して、宇宙機製造アライアンス業務提携契約書を取引先と締結し、人工衛星製造の効率化、製造機調整も可能な並行製造の実現を目指しております。当社グループが製造する人工衛星を構成する機器(コンポーネント)の中には、固有の仕様性から製造開発しているメーカーが非常に限られているものも存在しております。当社グループではコンポーネントの調達に際しては、性能や軌道上の技術的信頼性だけでなく、安定供給の観点からも仕入先の選定を検討し、複数社からの調達可能性を重視しております。
しかしながら、仕入先企業においての燃料価格の高騰、災害や感染症の発生・拡大等により、調達先の製造能力、世界規模のサプライチェーンの混乱や特定企業の財務状態の悪化・技術開発スケジュールの遅延等により、供給に問題が発生するなどの事象が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
さらに、当社グループは、人工衛星の製造に係る部品の一部について、他社に委託しており、当該委託先が部品品質や安定供給を確立できない場合、当社グループの提供する人工衛星の製造に遅延が生じる可能性があります。委託先の部品品質や安定供給の状況を、事前に予想することは困難であり、当社グループが完全に管理することは出来ません。特に、部品の中でも長納期部品の納品遅延等が生じた場合、当社グループの製造工程に遅延が生じる可能性があります。
当社グループでは、調達先における納品状況などを定期的に確認し、サプライチェーンに関するリスクの低減に努めておりますが、これらの問題が発生した場合、想定どおりの部品提供、サービスの提供を受けることができない可能性があります。特に希少部品の納品遅延が生じた場合には、代替部品の選定に時間を要する可能性もあるため、当社グループの衛星開発・製造計画を変更せざるを得ない可能性があります。その際には、当社グループの評判、事業、業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(8)衛星の打上げにまつわるリスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)
当社グループでは、自社で小型衛星を開発・製造していますが、その打上げと軌道投入については外部のロケット打上げ事業者のサービスを利用しています。昨今の衛星に係る打上げの成功率は高くなっているものの、一定程度失敗が生じる可能性は避けることができず、また、打上げ時期について、打上げに必要な許認可の取得に想定以上の時間を要すること、打上げ時の天候や打上げ事業者側の都合等により遅延する可能性もあります。
これに対し、当社グループは衛星の打上げ事業者の選定に際しては、打上げ時期の当社グループ事業計画との整合性のみならず、打上げ実績及び打上げ頻度を重要な基準としており、また事業計画にあわせた打上げを実現するために打上げ業者とも定期的にコミュニケーションをとっております。加えて、打上げの失敗に係る損失を軽減するため、保険事業者が提供する打上げ保険にも加入をしております。
しかしながら実際に打上げが失敗し、又は打上げ時期が遅延した場合には、当初見込んでいた宇宙空間での小型衛星を利用した実証機会の喪失や、画像データの取得ができなくなることによる画像販売に関する機会損失が発生するなど、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
さらに、実証実験やAxelLiner事業におけるミッションの失敗や遅延等によって当社グループに対する評価が低下し、既存顧客との契約解除が増加し、新規顧客の獲得が困難となる可能性や、顧客からの損害賠償請求や契約に基づく補償請求など、保険では賄いきれない金額の損害を当社グループが負う可能性があります。これらの事態が発生した場合には、想定しているサービスの提供の時期が想定よりも大幅に遅れたり、提供を断念せざるを得なくなるなどにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
(9)軌道上での衛星の故障について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)
当社グループは創業以来11機の小型衛星の開発及び運用を通じて、設計寿命までの間ミッション運用を継続できる品質水準を担保するための手法・ノウハウを確立してまいりました。さらに、当社グループが運用する小型衛星については、比較的長期にわたって宇宙空間において運用することを想定しております。
しかしながら、製造工程中の瑕疵・欠陥部品等の内的要因、運用期間中の極めて厳しい宇宙環境にさらされることにより、想定外の太陽嵐やスペースデブリ等の宇宙環境に起因する外的要因、運用期間中の衛星管制上又は運用上の故障等で、人工衛星の機能不全又は機能低下を招く可能性があります。
当社グループでは衛星コンステレーションを構築することにより、運用中の衛星に故障が起きたとしても可能な限り短期間でバックアップを図る体制の構築を目指しておりますが、衛星運用中に上記のような不測の事態が起きた場合には、小型衛星設計段階での寿命を迎える前に、衛星の機能不全又は機能低下が引き起こされ、場合によっては稼働が停止することになります。
このような事態が生じた場合、地球観測衛星データ及び顧客が要求する水準の画像の提供が不可能になり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。さらに、当該衛星データからの収益が悪化することにより、衛星における営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなった場合には、減損損失等を計上する可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、初期運用中の実証衛星「GRUS-3α」について軌道上で故障が起きた場合には、上記「(3)AxelLiner事業における受注見込の遅延の可能性について」に記載したほか、既存顧客との契約解除、新規顧客の獲得が困難となる可能性があります。これらの事態が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(10)AxelGlobeウェブサイトの安全性について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)
当社グループが運営するウェブプラットフォームAxelGlobeでは、顧客の関心領域が登録されるため、これらの顧客の営業上の秘密情報の流出を防止するためにウェブサイトの稼働状況の監視体制の整備に加え、異常が生じた場合にはただちに検知する仕組みを構築しております。
しかしながら、万が一顧客情報が流出した場合には、当社グループが責任を問われる可能性があるほか、当社グループのサービスの信用力低下やイメージ悪化を招き、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(11)黒字化を達成及び維持できないリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:3年以内、影響度:大)
当社グループは、AxelLiner事業にて小型衛星の開発・製造・打上げ後の運用に関して、打上げ機の手配や許認可の取得等の非技術的な手続きも含めてワンストップで顧客向け衛星プロジェクトの開発・運用サービスを提供、AxelGlobe事業にて当社グループが運用する地球観測衛星コンステレーションが取得した衛星画像を販売、又はそれらの画像を加工・分析して情報を抽出し、ソリューションとして顧客にサービス提供しており、両事業とも宇宙技術開発を主軸としております。このような宇宙技術の研究開発には多額の初期投資が必要となる傾向があり、投資回収期間は長期となる特徴があります。したがって、期間損益において損失が先行する傾向にあり、当社グループにおいても継続的に営業損失及び当期純損失を計上している状況です。
当社グループは、AxelLiner事業及びAxelGlobe事業を通じて、将来の利益拡大を目指していますが、現在まで当期純損失を計上している状況であり、今後も研究開発に伴う投資が増加することにより、一定期間は損失が続く可能性があります。
また、既存の顧客契約の中途解約、想定顧客の獲得が遅延した場合、人工衛星製造の延期や研究開発プロジェクトの遅延、打上げの遅延や失敗が発生した場合には、想定どおりの収益達成や原価・経費管理が困難となり、黒字化達成が遅延し若しくは困難となり、又は黒字化達成後にそれを維持できなくなる可能性も想定されます。これらの要因により、当社グループの事業、業績及び財政状態に重要な影響が及ぶ可能性があります。
(12)「受注高」、「受注残高」の数値について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)
当社は本書において、セグメントごとの受注状況や将来の収益計上額を管理するための指標である「受注高」や「受注残高」を開示しております。今後、案件が進捗するに当たり契約条件や受注案件の計画の変更、又は定められた技術要件を満たさない等の事由により、サービス提供に応じて支払われる収入の一部が支払われない可能性があり、上記の「受注高」及び「受注残高」の一部が収益に計上されない可能性があります。
(13)特定の重要な外部パートナー及び顧客への依存について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期的に低下、影響度:大)
当社グループのAxelLiner事業の顧客であるNEDOに対する売上は、2025年5月期には72.3%を占めております。本件は「光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証」を受託していることによるもので、2029年5月期以降の当該特定顧客に対する依存度は減少する予定です。
足元、当社グループは政府系案件を受託することが多いため、今後も上記NEDO等の政府系機関への依存度が高くなる時期が発生することがあります。
こうした政府系機関とは、複数の受託案件を通して継続的かつ安定した関係を構築してきておりますが、政府動向による案件の消滅や当社戦略の変更による取引の停止・縮小等の要因により、当社グループの業績に一定の影響を及ぼす可能性があります。
(14)収益未確保の営業活動のリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:数年以内、影響度:大)
当社グループは、持続的な成長を達成するため、従来から小型衛星の開発活動に継続的に投資をする必要があると考えており、今後も継続して研究開発活動を促進していく方針であります。
結果として継続的な営業損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローを計上しておりますが、今後AxelLiner事業、AxelGlobe事業の両事業から生じる収益貢献により、営業損失が縮小、営業キャッシュ・フローが改善していく見込みです。
今後の研究開発活動については、その将来的な収益貢献に寄与する事を前提として、慎重に実施する予定ですが、想定していない開発コストの増加等が生じた場合、営業損益の黒字化に時間を要する可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、想定顧客の獲得に失敗した場合、技術開発や衛星製造における遅延、打上げの遅延や失敗が発生した場合等には、黒字化に時間を要する、若しくは困難となる可能性があります。
これらの要因により、当社グループの事業、業績及び財政状態に重要な影響が及ぶ可能性があります。
(15)人材の確保・育成について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)
当社グループの事業継続のために必要となるハードウエア及びソフトウエアの開発・製造・運用のために優秀なエンジニアを確保する必要がありますが、そのような人材の獲得競争が近年激化しております。
そのような環境の中、当社グループは外国籍社員にも働きやすい職場環境を整えることで、国内に限らず海外の市場からも積極的に人材を獲得して人材レベルを維持してまいりました。
しかしながら、当社グループが求める優秀な人材が必要な時期に十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、経常的な業務運営及び新規事業の拡大等に支障が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(16)内部管理体制の強化について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:数年以内、影響度:小)
当社グループの今後の事業運営及び業容拡大に対応するためには、内部管理体制について一層の充実を図ることが必要不可欠であると認識しておりますが、事業規模の拡大に応じた内部管理体制の整備に遅れが生じた場合には、適切な事業運営を行うことができず、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
このようなリスクに対して、当社グループの業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底のための内部管理体制を充実・強化していく方針であります。
(17)特定人物への依存について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)
当社の代表取締役である中村友哉は、創業者であり、創業以来最高経営責任者として、経営方針や事業戦略の決定をはじめ、当社グループの事業遂行において重要な役割を果たしております。当社グループは特定の人物に依存しない体制を構築すべく、役員への権限委譲や、取締役会などにおける情報の共有等を図っておりますが、何らかの理由により代表取締役の業務執行が困難になった場合やその他の経営陣及び重要な従業員が当社グループから離職する場合、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(18)法的規制の厳格化及び改正について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)
AxelGlobe事業のインフラを構成する地球観測衛星コンステレーションやAxelLiner事業において製造する人工衛星は、「宇宙活動法」「電波法」「外国為替及び外国貿易法(外為法)(輸出管理令を含む)」「衛星リモートセンシング法)」「宇宙物体登録条約」「無線通信規則(ITU Radio Regulations)」といった法規制の対象となっております。重要法令については以下のとおりであります。
宇宙活動法について、同法は人工衛星ごとに内閣総理大臣の許可を受けることとされているところ、当社グループは必要な許可を得ております。有効期限その他の期限はございませんが、人工衛星の管理を終了するときは、宇宙活動法第28条第1項に基づきあらかじめその旨を内閣総理大臣に届け出るとともに、終了措置を講じなければなりません。同法第30条第1項各号に該当する場合は、許可は取り消されますが、通常の人工衛星の運用を行う限りにおいては、該当する可能性は極めて低いと考えます。
電波法については、電波法第13条に基づき、無線局(人工衛星局及び地球局)に対する免許の有効期間は、免許の日から起算して5年を超えない範囲内において総務省令で定められており、再免許を受けることも可能となっております。電波法第5条に定める欠格事由(外国の法人又は団体、等)に該当する場合には、免許が与えられず、同法第75条第1項に定める取消事由ともされておりますが、当社グループの場合、無線局免許は非上場会社である子会社に付与されており、役員はいずれも日本国籍者であることからこれに該当する可能性は極めて低いといえます。
なお、「外為法(輸出管理令を含む)」については、当社グループが事業上影響を受ける可能性のある事象は打上げる衛星等の輸出手続きが主であり、現在該当する事象は発生しておりません。「衛星リモートセンシング法」については、現時点では、同法が適用される人工衛星を運用しておりませんが、2028年5月期に打上げ予定の高分解能衛星の打上げ後は、同衛星において同法が適用される可能性があります。
また、当社グループは、宇宙に関連する事業を行う上での様々な規制も受けます。当社グループでは、すでに打上げが完了した小型衛星「GRUS‐1」及び2025年6月24日(日本時間)に打上げた「GRUS-3α」に関して、適用法令上、必要となる許認可を取得しております。主な取得済みの許認可として、人工衛星の運用に関わる許可、無線免許に関わる許可、人工衛星に関わる許可(人工衛星の管理に係る許可、人工衛星の管理許可、宇宙物体登録)、輸出入管理に関わる許可(人工衛星及び測定機器類)の個別輸出許可、一般包括許可(輸出及び役務取引)、運用に関わる対応(監視システムソフトウエアライセンス、打上げ許可など)などがあります。上記以外にも、プロジェクト遂行に必要な許認可を事前に取得しておりますが、将来、当社グループの免許等が何らかの理由により取消し等になった場合には、当社グループの事業や業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、法令違反の要件及び主な許認可取消事由に該当する事象は発生しておりません。
本書提出日現在における、当社グループの事業活動に係る主な許認可等は以下のとおりであります。
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取得年月 |
許認可等の 名称 |
所管官庁等 |
許認可等の内容 |
有効期限 |
法令違反の要件及び主な許認可取消事由 |
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2018年12月 |
人工衛星の管理許可 (GRUS-1) |
内閣府 |
内閣総理大臣許可 (衛星18-005) |
- |
不正な手段による認可の取得や役員等の欠格条項に違反した場合は許可の取消 |
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2020年11月 |
人工衛星の管理許可 (GRUS-1B) |
内閣府 |
内閣総理大臣許可 (衛星20-016) |
- |
同上 |
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2020年11月 |
人工衛星の管理許可 (GRUS-1C) |
内閣府 |
内閣総理大臣許可 (衛星20-017) |
- |
同上 |
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2020年11月 |
人工衛星の管理許可 (GRUS-1D) |
内閣府 |
内閣総理大臣許可 (衛星20-018) |
- |
同上 |
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2020年11月 |
人工衛星の管理許可 (GRUS-1E) |
内閣府 |
内閣総理大臣許可 (衛星20-019) |
- |
同上 |
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2025年4月 |
人工衛星の管理許可 (PYXIS-R) ※GRUS-3αの研究開発名称 |
内閣府 |
内閣総理大臣許可 (衛星25-009) |
- |
同上 |
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取得年月 |
許認可等の 名称 |
所管官庁等 |
許認可等の内容 |
有効期限 |
法令違反の要件及び主な許認可取消事由 |
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2024年4月 |
無線局免許 (実験試験局) |
総務省 |
総務大臣免許 (関実第40571号) |
2029年5月9日 (5年毎の更新) |
免許人である株式会社アクセルスペースの代表者又は役員の三分の一以上若しくは議決権の三分の一以上を占めるものが、日本国籍を有しない人や外国法人となるときの免許の取消(外資規制)。 なお、親会社である株式会社アクセルスペースホールディングスはこの外資規制の対象にならないことを総務省に確認しております。 |
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2023年2月 |
無線局免許 (人工衛星局) |
総務省 |
総務大臣免許 (関宇第581号) |
2027年11月30日 (5年毎の更新(注1)) |
同上 |
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2023年2月 |
無線局免許 (人工衛星局) |
総務省 |
総務大臣免許 (関宇第591号) |
2027年11月30日 (注1) |
同上 |
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2023年2月 |
無線局免許 (人工衛星局) |
総務省 |
総務大臣免許 (関宇第592号) |
2027年11月30日 (注1) |
同上 |
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2023年2月 |
無線局免許 (人工衛星局) |
総務省 |
総務大臣免許 (関宇第593号) |
2027年11月30日 (注1) |
同上 |
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2023年2月 |
無線局免許 (人工衛星局) |
総務省 |
総務大臣免許 (関宇第594号) |
2027年11月30日 (注1) |
同上 |
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取得年月 |
許認可等の 名称 |
所管官庁等 |
許認可等の内容 |
有効期限 |
法令違反の要件及び主な許認可取消事由 |
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2024年3月 |
無線局免許 (地球局) |
総務省 |
総務大臣免許 (関地第60595号) |
2028年11月30日 |
同上 |
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2025年4月 |
無線局予備免許 (実験試験局) |
総務省 |
総務大臣免許 (関通陸三第24-00092227号) |
2025年10月1日 |
同上 |
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2019年7月 |
宇宙物体登録 |
内閣府 |
2018‐111Q |
- |
取消要件ではありませんが、停波・デオービット・軌道再突入時には「宇宙物体登録に係る届出マニュアル」変更届出が必要とされております。 |
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2022年11月 |
宇宙物体登録 |
内閣府 |
2022‐022B |
- |
同上 |
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2022年11月 |
宇宙物体登録 |
内閣府 |
2022‐022C |
- |
同上 |
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2022年11月 |
宇宙物体登録 |
内閣府 |
2022‐022D |
- |
同上 |
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2022年11月 |
宇宙物体登録 |
内閣府 |
2022‐022E |
- |
同上 |
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2024年9月 |
一般包括役務取引許可 |
経済産業省 |
BIT-M-WGL-24-S10097 |
2027年9月15日 |
許可条件を満たさなくなった場合又は国政的な平和及び安全の維持の観点から必要があると認めるときは許可の取消。 |
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2023年8月 |
一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム)取引許可証 |
経済産業省 |
MBIT-WGL-23- S10108 |
2026年8月9日 |
同上 |
(注)法律上の期間の上限は5年となっておりますが、電波法施行規則により、人工衛星局ごとではなく、すべての衛星局が一斉に更新期を迎えることになります(一斉再免許)。直近では2027年11月30日に一斉再免許が予定されております。
上記以外に、製造業者が遵守すべき法令として、民法、製造物責任法、関税法、知的財産関連法(知的財産基本法、特許法、著作権法、不正競争防止法等)の適用を受けており、これらの法令等に違反した場合や社会的要請に反した行動等により法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁・事業停止命令等を受けた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループはこれらの法令を遵守しており、今後も適宜所管官庁と適切に協議を重ねる等して適用法令を遵守してまいります。
しかし、今後新たな法令の制定や、既存法令の強化などが行われ、当社グループが運営する事業が規制の対象となるなど制約を受ける場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(19)知的財産の侵害について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)
当社グループは、特許権、著作権、商標権、その他知的財産権等の法令等の下、事業活動を行っており、現段階において事業及び業績に重大な影響を及ぼす訴訟を提起されている事実はありません。また、自社の技術やサービスに関わる特許権、商標権等の知的財産権を取得することにより自社の知的財産の保護を図るとともに、他者の知的財産権を侵害することのないよう知的財産調査を行う等、注意を払っております。
しかしながら、そうした対応にも関わらず、権利侵害が発生し、訴訟等の紛争に至った場合、社会的信用の失墜、対応にかかる多額の経費発生等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(20)訴訟、係争について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)
当社グループでは本書提出日現在において、業績に重大な影響を及ぼす訴訟や係争は生じておりません。ただし、今後何らかの事情によって、当社グループに関連する訴訟、係争が行われる可能性は否定できず、当該状況になった場合には、結果により当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(21)情報漏洩について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)
当社グループでは、社員及び顧客の個人情報を取り扱っておりますが、「個人情報の保護に関する法律」を遵守し、社員に対する情報セキュリティ研修の実施等により、厳格な個人情報の管理の徹底を図っております。さらに、当社グループでは、地球観測衛星データを含む重要情報を保有しており、当該情報がシステム障害や第三者による不正アクセス等により流出した場合、及び当該情報の不適切な取扱いが発生した場合は、社会的信用の低下や損害賠償その他対応に係るコスト負担等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
また、大規模なサイバー攻撃を受けた場合、当該情報が流出するのみならず、地球観測衛星データの取得・提供サービスの運用に障害が生じる可能性があります。
当社グループでは、上記リスクへの対策として、社内ネットワークに接続できる機器をセキュリティソフトウエア導入済のものに限定すること、アクセス制御における多段階認証、統合されたID管理、クラウドサービスやWebへのアクセスを制限・監視するツールの導入などにより、厳格な情報管理を行っております。
しかしながら、現在想定している対策を講じても新技術を用いた高度なサイバー攻撃など、現在想定している対策を超える事態の発生により、技術流出やサービスに障害が発生する可能性があります。
こうした事態が生じた場合、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し、顧客の維持・獲得が困難になるほか、競争力の低下、損害賠償、セキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生する可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(22)資金調達リスクについて(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:1年以内、影響度:大)
当社グループにおいては、事業活動を維持拡大するために、今後も多額の研究開発投資が必要となり、また、想定を上回る投資の増加、事業環境の変化へ対応可能な資金確保が事業上重要となります。
「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載の当社グループビジョンである「Space within Your Reach~宇宙を普通の場所に~」の実現のために、2027年5月期に打上げ予定の「GRUS-3」及び高分解能衛星の開発・製造・運用技術への先行投資等、AxelLiner事業、AxelGlobe事業の両事業の様々な領域での研究開発の必要性が生じ、継続的な外部からの資金調達が必要となる可能性があります。
しかしながら、当社グループが将来において想定する資金調達ができない場合や、希望する条件での資金調達ができない場合等には、当社グループがキャッシュ・フロー不足に陥る可能性、事業を拡大・成長させるために必要な投資を行うことができない可能性や、当社が財務制限条項を遵守できなくなる可能性があり、これにより事業計画の一部を遅延又は断念することになり、当社グループの競争力に悪影響が及ぶおそれがあります。
また、今後において継続的な外部からの資金調達が必要となる可能性があるところ、継続的な資金調達のために当社株主に希薄化をもたらす株式発行が繰り返し行われる可能性や借入による調達を行う場合には、財務制限条項その他の条項により、当社グループの事業活動が制約される可能性があります。
(23)継続企業の前提に関する重要事象等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:数年以内、影響度:低)
当社グループは、当連結会計年度において、継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
この主たる要因は、2027年5月期に打上げ予定の「GRUS-3」等の開発・製造・運用技術、AxelLiner事業、AxelGlobe事業の両事業における研究開発の先行投資により、投資回収までに期間を要するためであります。
このような事象又は状況を解消するために、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、当社グループでは手元流動性確保のため、以下のとおり第三者割当増資、金融機関からの借入等で資金調達を実施しております。
2023年6月:株式会社三井住友銀行と極度借入2,000,000千円の借入契約を締結
(当連結会計年度末の実行額:66,244千円)
2023年12月:総額6,240,597千円の第三者割当増資による調達
2024年9月:株式会社みずほ銀行と極度借入2,000,000千円の借入契約を締結
(当連結会計年度末の実行額:621,695千円)
2025年3月:株式会社三井住友銀行と4,000,000千円の借入契約を締結
(当連結会計年度末の実行額:4,000,000千円)
2025年8月:東京証券取引所グロース市場に株式を上場。公募による新株式の発行により、7,128,010千円の資金調達を実施
当連結会計年度末までの資金調達により当連結会計年度末における現金及び預金の残高は5,006,833千円となっており、当面の事業運営に必要な資金を確保しているため、継続企業の前提に重要な不確実性は認められないと判断しております。
今後も、公募増資を含めた株式市場からの資金調達や銀行からの融資等を通じて、資金調達手段の確保・拡充・多様化を進める予定です。
(24)財務制限条項について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:3年以内、影響度:大)
当社グループの借入金のうち、2024年9月26日契約の株式会社みずほ銀行からの総借入枠20億円、及び2025年3月26日契約の株式会社三井住友銀行からの借入40億円には、以下の財務制限条項が付されておりますが、当連結会計年度末時点で当該条項に抵触しておりません。しかしながら、当社が将来において財務制限条項に抵触した場合、当社の期限の利益を喪失させる権利を行使した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末において連結貸借対照表の純資産が3,027,944千円であり、連結貸借対照表の純資産を正の数値で維持しております。
(借入1) 主要な契約条件:
借入先:株式会社みずほ銀行
総借入枠:1,000,000千円
資金使途:設備資金
借入利率:基準金利+スプレッド
契約期間:7年
コミットメント期間:2024年9月30日~2026年9月30日
返済期限:2031年9月30日
担保設定:打上保険等で当社が有する保険金請求債権
財務制限条項:
a.2025年5月期決算以降、各年度の決算期末日における連結貸借対照表の純資産の金額を、正の値とすること。
b.2027年5月期決算以降、各年度の連結損益計算書の経常損益及び当期損益が、損失とならないようにすること。
c.2025年9月末日までに30億円以上のエクイティ調達を実施すること。
(借入2)主要な契約条件:
借入先:株式会社みずほ銀行
総借入枠:1,000,000千円
資金使途:運転資金
借入利率:基準金利
契約期間:1年(2回の期間1年の延長オプション)
返済期限:2025年9月30日
担保設定:無担保・無保証
財務制限条項:
a.2025年5月期決算以降、各年度の決算期末日における連結貸借対照表の純資産の金額を、正の値とすること。
b.2027年5月期決算以降、各年度の連結損益計算書の経常損益及び当期損益が、損失とならないようにすること。
c.2025年9月末日までに30億円以上のエクイティ調達を実施すること。
(借入3)主要な契約条件:
借入先:株式会社三井住友銀行
借入額:4,000,000千円
資金使途:運転資金
借入利率:基準金利+スプレッド
契約期間:4年
返済期間:2026年4月28日~2029年3月28日
最終返済期限:2029年3月28日
担保設定:無担保
財務制限条項:
a.2025年5月期決算以降、各四半期末日における連結貸借対照表の純資産の金額を、正の値とすること
b.2025年5月期決算以降、各四半期末日における連結貸借対照表の現預金の金額を、20億円以上に維持すること
c.2025年5月期決算以降、各事業年度末における投資キャッシュ・フローの金額を一定金額の範囲内にすること
d.2026年5月末日までに、株式公開を行うか、または30億円以上のエクイティ性の資金調達を行うこと
また、当社グループは今後も更なる成長のために旺盛な資金需要があり、その手段として追加的に金融機関からの借入その他の負債性の資金調達を行う可能性があります。係る資金調達を行う場合には、多額の支払利息の負担及び信用リスクの拡大により当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、借入契約等において、連結財務諸表における利益や純資産の維持、一定の現預金やキャッシュ・フローの確保等に関する財務制限条項が付されることがあり、仮に条項に違反した場合には、当該契約の期限の利益を喪失することが予測され、当社グループの存続に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(25)公募増資による調達資金使途について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:数年以内、影響度:中)
東京証券取引所グロース市場への上場に伴う公募増資により調達した資金の使途につきましては、主に自社人工衛星の開発・製造に係る運転資金等に充当する予定であります。しかし、当社グループが属する業界の急速な変化により、当初の計画どおりに資金を使用した場合でも、想定どおりの投資効果をあげられない可能性があります。また、当社グループを取り巻く経営環境の変化に伴い、当該資金が想定どおりの使途に充当されない可能性があります。当該リスクを踏まえ、当社グループを取り巻く経営環境の変化について適時その動向を注視し、公募増資による調達資金の使途が変更になった場合には、適時適切に開示を行います。
(26)有利子負債について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)
当社グループは、事業規模拡大に伴い必要となる「GRUS-3」や高分解能衛星をはじめとする自社衛星の開発・製造を行うための設備投資資金を、自己資金及び金融機関から調達した有利子負債等によって賄っております。当社グループの連結有利子負債残高は、当連結会計年度末において5,337,939千円となっており、総資産に占める有利子負債への依存度は、当連結会計年度末において56.1%となっております。なお、「第2 事業の状況 5 重要な契約等 (3)重要な資金の借入に関する契約」に記載のとおり、株式会社三井住友銀行より2025年3月26日付で4,000,000千円の借入契約を締結しているため、有利子負債依存度は高い水準にあります。現在の金利水準が変動する場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、今後金融情勢の急速な変化、急激な金利上昇等何らかの理由により十分な資金が調達できない場合には、当社グループの業績、財政状態及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、上記リスクに対して、金融機関との関係性を継続的に維持・強化し事業拡大に必要な融資の獲得と金利変動リスクを低減するとともに、現状では財務安全性を最優先に考え、資金使途を詳しく吟味したうえで、当社グループ全体の資金使途に応じて事業資金の調達・運用を実施しております。
(27)為替相場の変動について(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)
当社グループでは、衛星部品の一部を海外より購入しており、また衛星の打上げについて海外業者を利用しております。一方、売上については一部海外との取引があるものの、当社グループの資金調達は日本円が重要な部分を占めることが想定されるため、急激な為替相場の変動、特に円安が進んだ場合には、衛星部品の購入等で使用可能な金銭の額が実質的に目減りすることや、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(28)システムリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)
当社グループは、業務運営に必要な情報システムについて適正に管理し効率的な運用を図っておりますが、予期せぬサイバー攻撃、コンピュータウイルス、ソフトウエアやハードウエアの障害、自然災害、その他不測の事態が生じることなどによりシステムトラブルが発生した場合や、第三者によるデータの不正使用等が生じた場合には、当社グループの事業及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(29)配当政策について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:小)
当社グループは、株主に対する利益還元と、健全な財務体質及び競争力の強化を経営上の重要課題としております。現状において当社グループは成長過程にあり内部留保が充実しているとはいえないため、創業以来配当を行えておりません。また、現時点では将来の成長のための研究開発投資等に充当し、事業拡大を目指すことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。
将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
(30)自然災害等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)
大規模な地震や、台風、洪水及び宇宙天気の変動などの自然災害、伝染病の蔓延や事故、テロや戦争による国際政治の混迷、資本市場の混乱による経済危機等、不測の事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、衛星の打上げ施設や部品サプライヤーが自然災害等により損害を被った場合にも、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(31)税務上の繰越欠損金について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)
第6期事業年度末には、当社及び子会社に税務上の繰越欠損金が存在しており、将来における法人税等の税負担が軽減されることが予想されます。ただし、将来において当該繰越欠損金が解消又は失効した場合は、通常の税率に基づく税負担が生じることとなり、当社グループの親会社株主に帰属する当期純利益及びキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。
(32)業績の季節的変動について(顕在化の可能性:大、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)
当社グループの四半期ごとの収益は、受託案件の納品・検収タイミングやプロジェクトの進捗状況などの要因により大きく変動する可能性があり、特に第4四半期において売上高が多額となる傾向にあります。当社グループでは、当該季節的要因及び過年度実績を踏まえた業績予測・利益計画の策定に努めているものの、プロジェクトの計画遅延、予期せぬ問題の発生などにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(33)四半期或いは事業年度の収益変動による株価変動リスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)
当社グループの収益は、様々な要因により四半期或いは事業年度ごとに大きく変動する可能性があります。例えば、受注案件における進捗状況や打上げなどのイベントの発生、人工衛星の故障など予期せぬ問題の発生、経済や市況の悪化などの要因により、当社グループの収益は影響を受ける可能性があります。
また、政府系案件においては、プロジェクト期間中に実施される審査の結果や開発進捗を踏まえた計画変更の発生などにより、プロジェクトに関連する収益の減少が生じた場合、当社グループの収益に大きな影響を及ぼす可能性があります。
これらの収益変動の結果、収益が市場の期待を下回る水準となった場合、当社の株価は大きく下落する可能性があります。
(34)減損損失に関するリスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)
当社グループでは、事業の遂行において、人工衛星やその製造設備、ソフトウエアなどの無形固定資産などのさまざまな資産に投資を行う可能性があります。連結貸借対照表に計上された固定資産については、市場や競争環境の変化などの影響により、減損の兆候が認められ、減損損失の認識をすべきと判定される可能性があり、減損損失を計上する場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(35)株式価値の希薄化について(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)
当社グループの事業においては、将来の研究開発活動の拡大により、増資を含めた機動的な資金調達を実施していく可能性があります。その場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
また、当社グループでは当社及び子会社の取締役、当社及び子会社の従業員に対し、当社グループの長期的な業績向上のインセンティブとして、ストック・オプションを付与しております。当連結会計年度末において新株予約権による潜在株式数は5,452,000株であり、発行済株式総数43,390,000株の12.6%に相当しております。これらの新株予約権が行使された場合には、当社の株式価値が希薄する可能性があります。
(36)ベンチャーキャピタル等の株式所有割合に伴うリスクについて(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:数年以内、影響度:大)
当社の発行済株式総数に対するベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下「ベンチャーキャピタル等」という。)の所有割合は当連結会計年度末において59.5%であります。今後の当社株式の株価推移によっては、ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合には、株式市場における当社株式の需給バランスが短期的に損なわれ、当社の株価に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産につきましては、前連結会計年度末に比べ2,169,851千円増加し、9,523,131千円(前期比29.5%増)となりました。これは主に2027年5月期に打上げを予定している中分解能衛星「GRUS-3」の開発・製造のための部材の納品や発注に伴う前払などにより原材料及び貯蔵品が721,332千円、前渡金が1,580,100千円増加し、また本社オフィスの賃貸契約の締結により敷金及び保証金が89,223千円増加した一方で、契約資産が238,466千円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債につきましては、前連結会計年度末に比べ4,118,534千円増加し、6,495,187千円(前期比173.3%増)となりました。これは主に2024年9月26日に締結した株式会社みずほ銀行との借入契約や2025年3月26日に締結した株式会社三井住友銀行との借入契約の実行により長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が4,621,695千円増加した一方で、前受金が259,678千円、プロジェクト損失引当金が299,669千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1,948,683千円減少し、3,027,944千円(前期比39.2%減)となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純損失により利益剰余金が1,950,803千円減少したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当社グループは「Space within Your Reach~宇宙を普通の場所に~」をビジョンに掲げ、従来人々にとっ
て遠い存在であった宇宙が、日常的にかつ当たり前のように利活用されている社会の実現を目指しています。
当該ビジョンを達成するために、当社グループは、顧客ニーズに応じた小型衛星の開発・製造・各種手配か
ら運用までをワンストップで提供するAxelLiner事業、及び独自の地球観測衛星コンステレーションから得られるデータを用いて各種サービスを提供するAxelGlobe事業の2事業を運営しております。
当社グループが属する民間宇宙利用の分野では、「最後のフロンティア」として次なる成長産業としての期
待が強く、欧米を含めた世界各国での宇宙スタートアップの設立、政府が率先して主導のプログラムの組成及
びユーザーとしての宇宙利用の拡大など、民間企業や民間投資を巻き込んだ宇宙開発・利用活動が活発化して
います。当社グループの事業展開する宇宙業界では、 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)に設
置され、10年で1兆円という大規模な支援を行う「宇宙戦略基金」の第1期技術開発テーマが採択されており
ます。加えて、防衛省の令和7年度予算において「衛星コンステレーション」の構築に2,832億円が公表され
るなど、わが国において宇宙産業を成長産業とするための政府の取組みも具体化しております。
このような状況下において、当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べて523,840千円減少
し、1,586,835千円(前期比24.8%減)となり、売上原価は前連結会計年度に比べて900,957千円減少し、
1,479,071千円(前期比37.9%減)となりました。これにより、営業損失は、2,495,052千円(前期は
2,538,094千円の営業損失)となりました。
また、補助金収入735,948千円の計上等により、経常損失は1,824,228千円(前期は2,509,711千円の経常
損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,950,803千円(前期は3,174,278千円の親会社株主に帰属する
当期純損失)となりました。
各セグメントの経営成績は以下のとおりであります。
(a)AxelLiner事業
当セグメントにおきましては、政府系機関からの委託試験研究の進捗が貢献し、売上高は1,326,339千円(前期比22.8%減)、売上原価は1,206,090千円(前期比33.4%減)となり、また、NEDOからの「超小型衛星の汎用バスの開発・実証支援」の補助事業につき、補助金収入735,948千円の計上がありました。一方、原価改善、固定費削減等に取り組みましたが、セグメント損失は208,598千円(前期は1,233,831千円のセグメント損失)となりました。
(b)AxelGlobe事業
当セグメントにおきましては、主に既存顧客からの受注や経済産業省からの委託試験研究の進捗により、売
上高は260,496千円(前期比33.5%減)、売上原価は272,980千円(前期比52.1%減)となりました。一方、営業活動にともなう販売費及び一般管理費や2027年5月期に打上げを予定している中分解能衛星「GRUS-3」の開発のための研究開発費の計上によりセグメント損失は701,058千円(前期は614,153千円のセグメント損失)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ135,550千円減少し、当連結会計年度末には4,106,833千円(前期比3.2%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、減少した資金は、4,329,150千円(前期は2,579,367千円の支出)となりました。これは主に、増加要因として売上債権及び契約資産の減少額262,647千円があった一方で、減少要因として税金等調整前当期純損失1,947,017千円を計上したことや、原材料及び貯蔵品の増加額721,332千円及び前渡金の増加額1,580,100千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は188,109千円(前期は980,814千円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出88,789千円及び敷金及び保証金の差入による支出90,623千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、得られた資金は4,391,841千円(前期は6,434,453千円の収入)となりました。これは主に2024年9月26日に締結した株式会社みずほ銀行との借入契約や2025年3月26日に締結した株式会社三井住友銀行との借入契約の実行により長期借入れによる収入が4,561,695千円であったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
|
計上区分 |
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自2024年6月1日 至2025年5月31日) |
|||
|
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
||
|
売上高 |
AxelLiner事業 |
4,020,632 |
76.4 |
9,528,839 |
136.8 |
|
売上高 |
AxelGlobe事業 |
272,166 |
52.3 |
133,545 |
108.0 |
|
補助金 |
AxelLiner事業 |
― |
― |
1,783,678 |
66.1 |
|
|
合計 |
4,292,798 |
74.2 |
11,446,062 |
116.9 |
(注)1.当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。これはAxelLiner事業の受注高及び受注残高については、当連結会計年度にNEDOによる「光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証」等の政府系機関からの大型委託研究の契約更新があったことによるものです。一方、AxelGlobe事業の受注高及び受注残高については、前連結会計年度において、経済産業省からの委託試験研究である「多種衛星のオンデマンドタスキング及びデータ生産・配信技術の研究開発」に係る2年度分の受注があったことによるものです。
2.受注高は、当連結会計年度内に締結された契約金額をいいます。売上高の受注残高は、当連結会計年度末までの全期間における受注高の合計額のうち、当連結会計年度末までに収益に未計上のものをいいます。今後、案件が進捗するに当たり契約条件の変更、又は定められた技術要件を満たさない等の事由により、上記の受注残高の一部が収益に計上されない可能性があります。
3.補助金の受注残高については、第4期連結会計年度において当社を選定企業として選定する旨の選定結果通知書をNEDOから受けた、「宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業(超小型衛星の汎用バスの開発・実証支援)」に係る金額のうち、当連結会計年度末までに補助金収入に未計上のものをいいます。今後、案件の進捗や実証内容により受注残高の一部が補助金収入として計上されない可能性があります。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自2024年6月1日 至2025年5月31日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
AxelLiner事業(千円) |
1,326,339 |
77.2 |
|
AxelGlobe事業(千円) |
260,496 |
66.5 |
|
合計(千円) |
1,586,835 |
75.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは主に、AxelLiner事業において一定期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法を適用している政府系機関からの委託試験研究について、プロジェクトに係る原価計上額が減少したことに伴い、履行義務の充足に係る進捗度が低下したことによるものです。またAxelGlobe事業において、顧客数は増加している一方で、一部の既存顧客における一時的な納品量の減少があったことによるものです。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自2023年6月1日 至2024年5月31日) |
当連結会計年度 (自2024年6月1日 至2025年5月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) |
1,239,099 |
58.7 |
1,147,285 |
72.3 |
|
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT) |
277,301 |
13.1 |
173,923 |
11.0 |
(注)販売実績の総販売実績に対する割合が、100分の10未満の相手先については記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表作成のための会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは以下のとおりであります。
(一定期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法の適用)
当社グループでは、一部の売上について、一定期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法を適用しております。当該売上高は、原価総額の見積りに対する発生原価の割合(原価比例法)により算出した進捗率に収益総額を乗じて算出しておりますが、原価総額の見積りについては、契約変更や見積りの前提条件の変動によって影響を受ける可能性があり、原価総額の見積りが実際と異なった場合、翌連結会計年度以降の財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産グループについて、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損損失の認識の要否判定に用いられる割引前将来キャッシュ・フローの見積りは、事業計画を基礎としており、顧客との契約に基づく売上の計上時期及び計上金額に係る仮定が含まれております。将来予測は不確実性を伴い、割引前将来キャッシュ・フローの見積りに対して、実際に発生したキャッシュ・フローが見積りを大きく下回った場合、固定資産の減損損失が発生する可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べて523,840千円(24.8%)減少し、1,586,835千円となりました。これは主に、AxelLiner事業において一定期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法を適用している政府系機関からの委託試験研究について、プロジェクトに係る原価計上額が減少したことに伴い、履行義務の充足に係る進捗度が低下したことによるものです。
AxelGlobe事業において、顧客数は増加している一方で、一部の既存顧客に対する納品時期が翌期以降になったことや、一時的な納品量の減少等に伴い売上高は減少いたしました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べて900,957千円(37.9%)減少し、1,479,071千円となりました。これは主に、AxelLiner事業において政府系機関からの委託試験研究に係る原価計上額が減少したこと及びAxelGlobe事業において減価償却費の計上がなくなった影響によるものです。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて334,075千円(14.7%)増加し、2,602,816千円となりました。これは主に、AxelLiner事業の小型衛星の量産化を見据えた設計の汎用化、製造の効率化、運用の自律化・自動化についての実証である「超小型衛星の汎用バスの開発・実証支援」及びAxelGlobe事業の2027年5月期に打上げを予定している中分解能衛星「GRUS-3」等の研究開発費等によるものであります。
その結果、営業損失は2,495,052千円(前期は2,538,094千円の営業損失)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常損失)
当連結会計年度の営業外収益は、844,322千円となりました。これは主に、NEDOからの「超小型衛星の汎用バスの開発・実証支援」に関する補助金収入によるものであります。
営業外費用は、173,499千円となりました。これは主に、支払利息100,490千円及び資金調達費用60,000千円を計上したことによるものであります。
その結果、経常損失は1,824,228千円(前期は2,509,711千円の経常損失)となりました。
(特別利益、特別損失、税金等調整前当期純損失)
特別利益は、計上しておりません。また、特別損失は、減損損失122,788千円を計上しております。
その結果、税金等調整前当期純損失は1,947,017千円(前期は3,159,680千円の税金等調整前当期純損失)となりました。
(法人税等、親会社株主に帰属する当期純損失)
当連結会計年度における法人税等は、3,785千円となりました。
その結果、親会社株主に帰属する当期純損失は1,950,803千円(前期は3,174,278千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、セグメントごとの経営成績については「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループのキャッシュ・フローの分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループにおける主な資金需要としては、AxelLiner事業の運転資金及びAxelGlobe事業のインフラ設備である自社衛星「GRUS-3」及び高分解能衛星の開発・製造費用であります。これらの資金需要につきましては、自己資金を基本としつつ、必要に応じて株式発行による資金調達や金融機関からの借入等の最適な方法による資金調達にて対応する方針であります。
資金の流動性については、「3 事業等のリスク(22)資金調達リスクについて」及び「(24)財務制限条項について」に記載のとおりであります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載しております。
⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。
以下に、各期における重要な経営指標の分析を記載します。
a.売上高、総収入(売上高と補助金収入の合算額)
売上高は、前連結会計年度に比べて523,840千円(24.8%)減少し、1,586,835千円となりました。これは主に、AxelLiner事業において、一定期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法を適用している政府系機関からの委託試験研究について、プロジェクトに係る原価計上額が減少したことに伴い、履行義務の充足に係る進捗度が低下したことによるものです。
また、AxelGlobe事業においても、顧客数は増加している一方で、一部の既存顧客における一時的な納品量の減少に伴い売上高は減少いたしました。
総収入は、前連結会計年度に比べて158,517千円(7.3%)増加し、2,322,783千円となりました。これは売上高は減少した一方で、「超小型衛星の汎用バスの開発・実証支援」に係る補助金の計上があったことによるものです。
b.衛星打上げ機数(AxelLiner事業)
当連結会計年度において、打上げた衛星はありません。
c.衛星運用機数(AxelGlobe事業)
「GRUS-1A~E」の5機体制による運用を継続しておりましたが、現在は姿勢制御に不具合が発生したGRUS‐1Eの商用運用を停止しており、4機体制でコンステレーションを運用しております。なお、当社ウェブサイトで公表しているとおり、GRUS-1Eについては復旧作業を進めた結果、2025年3月31日時点で画像データの取得が可能な状態に復旧しており、本書提出日現在、商用運用の再開に向けた準備を進めております。
(1)重要な資産の貸与を受けている契約
|
契約会社名 |
契約締結先 |
目的物 |
契約締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
|
株式会社アクセルスペース (連結子会社) |
福井県民衛星技術研究組合 |
人工衛星1機 (GRUS-1D) |
2019年3月12日 |
人工衛星貸与 |
2019年3月12日から2026年3月21日まで |
(2)重要なサービスの提供を受けている契約
|
契約会社名 |
契約締結先 |
国名 |
サービス |
契約締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
|
株式会社アクセルスペース (連結子会社) |
スカパーJSAT株式会社 |
日本 |
地上局サービス |
2024年9月28日 (原契約は2018年9月28日) |
JSAT地上局(茨城)を利用した通信サービスの利用 |
2024年9月28日から2026年9月27日まで ※株式会社アクセルスペースに2年の更新オプション |
|
株式会社アクセルスペース (連結子会社) |
コングスバーグ・サテライト・サービス・エーエス(KSAT) |
ノルウェー |
地上局サービス |
2024年5月7日 (原契約は2021年2月9日 |
スバルバード地上局(ノルウェー)を利用した通信サービスの利用 |
2024年5月7日から2026年5月22日まで ※株式会社アクセルスペースに2年の更新オプション |
|
株式会社アクセルスペース (連結子会社) |
スペースエクスプロレーションテクノロジーズ(SpaceX) |
アメリカ |
打上げサービス |
2022年6月23日 |
衛星打上げ契約(1機分) |
2022年6月23日から打上げ業務終了まで。現時点では2028年1月1日から2028年3月31日の打上げ期間を予定 |
|
株式会社アクセルスペース (連結子会社) |
EXOLAUNCH GmbH |
ドイツ |
打上げサービス |
2024年3月29日 |
衛星打上げ契約(7機分) |
2026年1月1日から7月31日までの期間中の打上げを予定 |
|
株式会社アクセルスペース (連結子会社) |
スペースエクスプロレーションテクノロジーズ(SpaceX) |
アメリカ |
打上げサービス |
2025年2月13日 |
衛星打上げ契約(2機分) |
2025年2月13日から打上げ業務終了まで。現時点では2028年2月1日から4月1日の打上げ期間を予定 |
|
株式会社アクセルスペース (連結子会社) |
スペースエクスプロレーションテクノロジーズ(SpaceX) |
アメリカ |
打上げサービス |
2025年2月18日 |
衛星打上げ契約(2機分) |
2025年2月18日から打上げ業務終了まで。現時点では2028年1月1日から3月31日の打上げ期間を予定 |
|
株式会社アクセルスペース (連結子会社) |
株式会社ミスミ、由紀ホールディングス株式会社、キャリムエンジニアリング株式会社 |
日本 |
宇宙機製造サービス |
2023年7月28日 |
宇宙機製造アライアンスメンバー企業との契約 |
2023年7月28日から1年ごとに自動更新 |
|
株式会社アクセルスペース (連結子会社) |
由紀ホールディングス 株式会社 |
日本 |
製造委託 |
2023年8月22日 |
人工衛星の製造委託業務 |
2023年8月22日から2026年8月21日 |
|
株式会社アクセルスペース (連結子会社) |
株式会社ミスミ |
日本 |
部品販売・加工委託 |
2022年3月22日 |
AxelLiner事業に関する製品供給加工に関する協業 |
2022年3月22日から1年ごとに自動更新 |
|
株式会社アクセルスペースホールディングス(当社)及び 株式会社アクセルスペース (連結子会社) |
三井物産株式会社 及び 三井物産エアロスペース株式会社 |
日本 |
協業検討 |
2024年3月 |
安全保障関連事業に関する覚書 |
2024年3月27日から2026年3月31日 |
(3)重要な資金の借入に関する契約
当社は、2024年9月17日開催の取締役会において、株式会社みずほ銀行からの借入を実行することを決議し、2024年9月26日付で極度借入2,000,000千円の借入契約を締結しております。また、2025年3月17日開催の取締役会において、株式会社三井住友銀行からの借入を実行することを決議し、2025年3月26日付で4,000,000千円の借入契約を締結しております。
なお、当該借入契約の詳細については、「3 事業等のリスク (24)財務制限条項について」をご参照ください。
当社グループは、衛星データプラットフォームにおいて新たな価値を提供すべく、ソフトウエアの研究開発を行っております。また、人工衛星のハードウエアにおいても、新たなサービス提供の可能性を探るべく、人工衛星のバスシステム、コンポーネント及びミッションのそれぞれについて研究開発活動を行っております。
これらの研究開発活動は、それぞれの事業部において業務の一環として、小型衛星の設計・製造・運用技術に関する研究開発をAxelLiner事業本部で、衛星データプラットフォームのソフトウエアやデータ利用を加速させるためのソリューション開発に加えて小型衛星に搭載するミッション機器に関する研究開発をAxelGlobe事業本部で実施しております。
当連結会計年度において、販売費及び一般管理費に計上している研究開発費は
(1)AxelLiner事業
AxelLiner事業においては、小型衛星の製造事業者が増加傾向にある中、より速く、より低コストで製造する技術が競争優位性につながります。そのような環境の中、当社グループは、顧客の発注の都度ゼロベースで人工衛星の設計開発を行うのではなく、人工衛星のバス部分はなるべく同一のものを活用できるような汎用バスシステムの開発を進めております。同バスシステムが完成すれば、より短期間かつ低コストでの人工衛星の開発を実現しつつ、ミッション部については顧客ニーズに合わせた独自機器を搭載できる体制を確立することができます。
汎用バスシステムの詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営戦略等 2. AxelLiner事業」をご参照ください。
このような活動の結果、当セグメントにおける研究開発費の金額は
(2)AxelGlobe事業
AxelGlobe事業においては、ウェブプラットフォームにて「GRUS‐1」で撮影をした衛星画像を提供しておりますが、撮影されたデータがそのまま掲載されているのではなく、地上システムにて各種の処理を行った上で画像製品として提供しています。当該システムの巧拙が画像処理の速さや精度に影響を及ぼし、ひいてはサービスレベルとして現れます。そこで、当社グループは、より効率的に画像を処理するための画像処理システムを開発すべく、開発活動を行っております。
また、同事業においては、衛星画像の提供にとどまらず、衛星画像を解析してより付加価値の高い情報を顧客が得られるようにするために、AxelGlobeのウェブプラットフォーム上で解析を行えるような画像解析システムの開発活動のほか、環境・金融・報道等、特定の産業向けのニーズに合わせたソリューションの開発を行っております。加えて将来の高分解能衛星の実現に向けた開発活動を行っております。
このような活動の結果、当セグメントにおける研究開発費の金額は