第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)基本理念・経営方針

当社グループは以下を経営理念として、社会や顧客の更なる発展に貢献し続けていくことを目指しております。

経営理念

社会への貢献

私たちは、コンピュータシステムによる情報技術の推進を通して、豊かな社会の発展に貢献します。

顧客サービス向上

私たちは、常にお客様のニーズにすばやく対応し、ベストソリューションの提供とサービス向上を通して、お客様と確かな信頼関係を築きます。

価値の共有

私たちは、健全な企業活動を通して、株主と価値を分かち合いながら社員の能力を十分発揮できる環境と幸福で豊かなライフステージの創出に努めます。

また、「至誠と創造」という社是のもと、社員一人ひとりが顧客や株主をはじめとするあらゆるステークホルダーに対して誠実に接するとともに、独立系のシステムインテグレーターとして自由な発想で新たな価値を創造していきます。

 

(2)中長期的な経営戦略

当社グループは経営理念および社是に基づいた経営を確実なものにするため、中期経営計画 ローリングプラン(2026年6月期~2028年6月期)を策定しております。

当計画では中期テーマとして「成長と更なるイノベーションの創出」、基本方針として「顧客・社会のDX推進の基盤となるサービスの拡充」「多様な人材の成長と活躍」「サステナビリティ経営の強化」を掲げました。業績目標の達成とともに、高い水準のガバナンスやサステナビリティへの取り組みを強化してまいります。

 

 

 中期経営計画 ローリングプラン(2026年6月期~2028年6月期)での中期テーマと基本方針

 

 

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(3)経営環境

今後につきましては、物価上昇や米国の関税政策、中東やウクライナをめぐる情勢等の影響が懸念され、経済環境は不透明な状況にあります。一方で、企業における競争力と成長力の強化に向けたデジタル革命や業務効率化などへの取り組みは継続されると考えられることから、IT投資は拡大するものと判断しております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

こうした経営環境に的確に対応すべく、当社グループでは中期経営計画ローリングプラン(2026年6月期~2028年6月期)を策定しました。当社グループでは「成長と更なるイノベーションの創出」を中期テーマとして掲げ、以下の課題認識のもと諸施策を実行し、企業価値の向上を目指してまいります。

また、経営環境ならびに上記の経営方針及び経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。

①顧客・社会のDX推進の基盤となるサービスの拡充

・クラウドインテグレーション事業への注力

本事業の主力であるAWS、Microsoft Azure、Google CloudおよびServiceNowを中心に、クラウド移行や移行後の最適化の利用支援を行うほか、AI関連サービスや海外のクラウドサービスについて、いち早く日本市場で事業化し新規顧客の獲得を図ります。当社グループでは、クラウド関連の技術者育成に積極的に投資し、クラウドベンダーから技術資格の受賞や認定の実績を積むことで関係を強化、顧客紹介を受けることで継続的な受注確保を目指します。

・新規事業へのチャレンジ

当社グループの技術力を活かしたサービス展開を企画、検討し新規事業へのチャレンジを継続的に行うことで、社会や顧客のDXを支援してまいります。

・品質・生産性向上の取り組み

当社グループが顧客から信頼を受け選ばれ続けるために、プロセスの標準化による高い品質と生産性の確保が重要な課題であると認識しております。当社グループではサービスの品質・生産性の向上のため、各プロジェクトに対し品質・期間・コスト・リスクコントロールの観点からプロジェクトマネジメントの強化を実施し、不採算案件の減少と継続的な品質の向上を図ってまいります。

②多様な人材の成長と活躍

・人材の確保

当社グループのサービス提供を支える優秀な人材を確保することは重要な課題と認識しており、高度な技術力や顧客との折衝能力、プロジェクトマネジメント力などを備えた技術者の積極的な採用を実施してまいります。技術者採用においては、資格保有者数などによるブランディングや働きやすい環境の整備などにより他社との差別化を図ることで、優秀な人材の確保に努めてまいります。

・スペシャリストの育成

当社グループの継続的事業展開と発展を支える高度な専門技術を持った人材を継続的に育成するため、技術向上に関連する投資を推し進め、競合他社との差別化及び新たな価値を創出してまいります。具体的には、戦略的に従業員の資格取得を推進するほか、プロジェクト管理などのマネジメント能力の強化につながる教育を継続的に行ってまいります。

・給与水準向上、働きやすい環境の整備

優秀な人材を確保するため、当社グループでは給与水準の向上を図るとともに、女性従業員比率、有給休暇取得率、育児休業取得率等の改善を行い働きやすい環境の整備を行ってまいります。

③サステナビリティ経営の強化

DX推進の機運が高まる昨今、当社グループに求められているのは、ITサービスによる課題解決にとどまらず、ITサービスによる変革やDX人材の育成であると考えております。

当社グループでは、ITサービス提供を通じた新たな価値の創出はもちろんのこと、事業の成長の源泉である多様な人材の成長と活躍、また社内外でのDX人材の育成に積極的に取り組んでまいります。同時に健全な企業経営や地球環境の保全等に努めることで、ステークホルダーとの相互発展およびサステナブルな社会への貢献を目指します。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、成長途上の段階にあると認識しており、事業規模・収益性を重視した経営指標を設定し、これらの達成を目指してまいります。中期経営計画 ローリングプラン(2026年6月期~2028年6月期)では、「売上高40,153百万円以上」「営業利益3,552百万円以上」「営業利益率8.8%以上」を掲げています。

 

 

2025年6月期

2026年6月期

(目標値)

 

2028年6月期

(中計値)

売上高

26,938百万円

32,000百万円

 

40,153百万円

営業利益

2,218百万円

2,686百万円

 

3,552百万円

売上高営業利益率

8.2%

8.4%

 

8.8%

(注)2026年6月期における目標値および2028年6月期における中計値は当連結会計年度末において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の詳細に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社グループでは2021年に、ITサービス事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献することを方針とした「サステナビリティ基本方針」を定めました。サステナビリティ基本方針による企業活動を推進することで、ステークホルダーの信頼にこたえ、持続的な成長と中長期的な企業価値の創出を目指します。また中期経営計画 ローリングプラン(2026年6月期~2028年6月期)では「サステナビリティ経営の強化」を重点項目として掲げており、サステナビリティへの取組を成長戦略のひとつと位置付けております。

当社グループはサステナビリティに関する施策を検討・実施するため、2021年に「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。代表取締役社長を委員長とし、当社取締役(社外取締役を除く)、経営企画部長、経理部長、総務部長、情報推進部長、法務部長、中核事業会社であるシステムサポートの本部長で構成され、原則、半年に1回開催しております。本委員会ではサステナビリティに関連する施策が企画、検討、立案され、サステナビリティ基本方針の実現に向けた活動を推進しております。本委員会の活動内容は取締役会へ報告され、取締役会はサステナビリティ基本方針の実現に向けた監督・指導を実施しております。

 

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 当連結会計年度においては、本委員会を2回開催し、以下について議論を行いました。また取締役会への報告を2回実施しております。

開催月

議題

2024年11月

・人的資本に関する目標設定について

・気候変動対策に関する報告

2025年5月

・委員会の体制について

・人的資本に関する目標設定について

・気候変動対策に関する取り組みの報告

 

 

(2)戦略

①気候変動

 当社グループでは、気候変動対応を持続的成長に不可欠かつ重要な経営課題と認識しております。気候変動が当社グループの事業に及ぼす影響を把握するため、TCFDの提言に基づくシナリオ分析を実施し、気候関連リスクと機会の特定を行い事業のレジリエンス強化に努めるとともに、社会のサステナブルな発展に貢献すべく、環境負荷軽減に取り組んでおります。

i.シナリオ分析の概要

 国際エネルギー機関(IEA)および、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)を参照し、今世紀末までに産業革命以前と比較して世界の平均気温上昇が「1.5℃」または「4℃」となる場合を想定した2つのシナリオを選定し、移行リスクと機会の評価には1.5℃シナリオを、物理リスクの評価には4℃シナリオの下、事業への影響を分析・評価しております。

 

 

ⅱ.リスクと機会の特定および評価の概要

 

リスク/機会の区分

時間軸

(注)1

気候変動がもたらす影響

影響度

(注)2

対応方針

 

法規制

・政策

短期~中期

炭素税導入による費用の増加

再生可能エネルギー導入等による温室効果ガス排出量削減

中期~長期

カーボンクレジット価格の上昇

再生可能エネルギー導入等による温室効果ガス排出量削減

短期~中期

報告義務強化による気候変動開示にかかるコストの増加

管理・開示体制整備、ツール導入

中期

省エネルギー規制強化による設備投資の増加

省エネルギー型設備の導入検討

中期~長期

報告義務への怠慢、虚偽の報告による法的責任と対応費用の発生

管理・開示体制整備、推進

技術

中期~長期

環境技術の進展・DX加速に伴う技術者獲得コストの増加

教育プログラムの充実、人材育成

中期~長期

気候変動関連サービス開発の遅れによるビジネス機会の逸失

顧客ニーズの把握・市場動向調査の強化

市場競争力

中期~長期

再生可能エネルギーの導入増加による電力コストの増加

省エネルギープランや設備の導入検討

中期~長期

環境対応型オフィスの需要増によるオフィス賃料の上昇

省エネルギープランや設備の導入検討

評判

中期~長期

気候変動対策の遅れや不足による顧客や投資家の評価の低下

管理・開示体制整備、推進

物理

急性

短期~長期

自社およびデータセンターの被災による復旧費用の発生

自社およびデータセンターのBCPの整備

短期~長期

自社およびサプライヤーの被災による事業の停滞/停止

ビジネスパートナーも含めたBCPの整備

短期~長期

激甚化する自然災害の復旧優先によるIT投資の抑制

ビジネスのエリア分散(全国展開)

慢性

短期~長期

気温上昇によるオフィス・データセンターの空調使用費用の増加

省エネルギープランや設備の導入検討

機会

製品およびサービス

中期~長期

森林保護規制によるペーパーレス化や異常気象対策としてのリモートワーク推進等のIT投資の拡大

事業領域およびサービスの拡大

市場

短期~長期

気候変動関連サービス開発による新たな収益獲得機会の出現

顧客ニーズの把握・市場動向調査の強化

短期~長期

BCPとしてのクラウドサービスやデータセンター需要の増加

事業領域およびサービスの拡大

レジリエンス

短期~中期

積極的な気候変動対策による顧客や投資家の評価の上昇

管理・開示体制整備、推進

(注)1.時間軸については、気候変動リスクおよび機会の顕在化が想定される時間軸を「短期・中期・長期」に分類し、それぞれ以下の時期と定義しております。
 短期:2028年迄、中期:2030年迄、長期:2050年迄

2.影響度については、気候変動リスクおよび機会の影響度を以下の定義に基づき、「大・中・小」に分類しております。
 大:業績の大幅な変動により、経営に大きな影響を与える可能性がある。あるいは、社員・施設の
   過半が稼働できない恐れがある。
 中:業績が変動し、事業運営に影響を与える可能性がある。社員・施設の3割程度が稼働できない恐
   れがある。
 小:業績に軽微な影響があるが、事業運営に大きな影響はない。社員・施設の一部に稼働できない
   恐れがある。

 

 

②人的資本

当社グループでは人材を事業成長の源泉と位置付け、「多様な人材の積極的な採用および登用」「人材の育成」「働きやすい職場環境」によって新たな企業価値の創出を目指しております。当社グループにおける人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は下記のとおりとなります。

ⅰ.人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針

当社グループでは持続的な事業発展のため、優秀な人材の確保および育成に積極的な投資を行っております。

a.人材の確保

DXの浸透等により、情報サービス業界における技術者不足は年々深刻化しています。当社グループでは、サービス提供を支える技術者を確保するため、各拠点に採用担当を配置し機動的な採用を行える体制とするなど積極的な採用活動を実施しています。その結果、2025年6月期においては新卒採用で135名、キャリア採用で150名が入社いたしました。なお採用においては、新卒採用とともにキャリア採用にも注力し、また女性の採用を増加させることで、人材の多様性確保を図っています。また継続的に給与の水準向上に取り組むことで人材の確保に努めております。

b.スペシャリストの育成

当社グループの事業展開と発展を支える高度な専門技術を持った人材を継続的に育成するため、技術向上に関連する投資を積極的に行っています。具体的には、戦略的に従業員の資格取得を推進するほか、プロジェクト管理などのマネジメント能力の強化につながる教育を実施しています。

ⅱ.社内環境整備に関する方針

当社グループでは、多様な人材が働きやすい環境の整備により、従業員一人ひとりがその能力を最大限に発揮することを目指し、さまざまな取り組みを行っています。

a.働き方改革

当社グループでは、アフターコロナでの在宅勤務の継続や、フレックスタイム制の導入等により、担当業務等により従業員一人ひとりが最適な働き方の選択ができるように努めております。

b.長時間労働の抑制

当社では、長時間労働の抑制のため、有給休暇取得奨励日を定めるほか、勤怠管理システムを利用した時間外労働申請や労働時間管理、経営層への情報共有を行っています。

c.人事制度

当社の人事制度は、従業員がやりがいをもち、成長するきっかけとなり、より高い成果を引き出せるような仕組みであることを目指しています。会社の方針に基づき、顧客に近い現場が主体的に考え行動することによって、事業の多様性と専門性を実現するため、マネージャ等の管理者に加え専門性を持った人材も重視しており、チャレンジする人、成長する意欲がある人、成果にコミットできる人をより評価する制度となっています。

d.従業員満足度等の調査

当社では従業員満足度、ストレスチェック、ハラスメントアンケートを含む総合サーベイを定期的に実施し結果に基づく改善を図り、人材確保や生産性向上に活かしております。

 

(3)リスク管理

当社グループではサステナビリティ委員会において、サステナビリティに関連するリスクおよび機会に関する議論を実施しております。具体的には、当社グループ全体および当社グループ事業に関わるサプライヤー・顧客などのバリューチェーンを含めた影響と、投資家や社会などの各種ステークホルダーから求められる価値を検証し、サステナビリティ関連リスク・機会の特定・評価を実施しております。

また、サステナビリティ委員会にて特定・評価されたサステナビリティ関連リスクに関しては、リスク管理委員会にも報告され、全社的なリスクとして管理を実施しております。

 

 

(4)指標及び目標

①気候変動

当社グループでは、気候変動が経営に及ぼす影響を評価・管理するため、2023年6月期よりGHGプロトコルに基づき温室効果ガス排出量の算定(Scope1およびScope2)を開始し、この度2025年7月に温室効果ガス排出量の削減目標を設定しております。今後目標達成に向けて、再生可能エネルギーの導入や、省エネルギーの徹底など各種削減活動を推進してまいります。

 

温室効果ガス排出量の実績 [単位:t-CO2]

 

2023年度

2024年度

Scope1排出量

25

27

Scope2排出量

311

314

Scope3排出量

11,005

温室効果ガス排出量の削減目標

 

2030年度

2050年度

Scope1+2排出量

42%削減(2023年度比)

100%削減

(注)1.Scope1:当社グループのオフィスで使用する都市ガスおよび社用車で使用するガソリンの消費による

直接排出

Scope2:当社グループのオフィスや施設の電気の使用や空調用等への熱の使用にともなう間接排出

Scope3:Scope1、Scope2以外の当社グループの事業に係る間接排出(他社の排出)

2.Scope3排出量は2024年度分より算定を開始しております。

3.当社グループでは、温室効果ガス排出量を毎年4月から翌年3月迄の期間で集計しております。

4.当社グループの温室効果ガス排出量の算定に関して、現時点では第三者検証は実施しておりません。

5.温室効果ガス排出量の2050年度削減目標において、各種削減活動を経た上での残余排出量については、カーボンクレジットの活用も予定しています。

 

②人的資本

当社グループでは、上記「(2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標に関し、当社および中核事業会社であるシステムサポートにおいては具体的な取り組みが進められているものの、全てのグループ会社では展開されておりません。このため、次の指標に関する目標及び実績は、当社およびシステムサポートのものを記載しております。

当社グループでは、管理職におけるキャリア採用者の比率の高さや、女性従業員の育児休業取得率の高さなどの特色を活かしながら、更なる女性活躍の推進、従業員の労働環境改善の実現を目指してまいります。

 

 

実績(2025年6月期)

目標(2027年6月期)(注)1

従業員における女性比率

30.4%

30.0%以上

男性従業員における育児休業取得率

83.3%

60.0%以上

有給休暇取得率 (注)2

75.1%

80.0%以上

従業員一人当たり研修時間

114時間/年

140時間/年

(注)1.本目標は2024年6月に設定しています。

2.有給休暇には、年次有給休暇と、年次で付与する当社独自の有給休暇が含まれます。

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関して投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクは事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)事業環境に関する事項

① 情報サービス産業における経営環境の変化について

近年、当社グループが所属する情報サービス産業においては競合商品とのサービスや価格競争の激化、クラウド化などの急速な技術革新、顧客の属する業界の経営環境の変化等によって、業容やニーズの変化が続いております。

情報サービス産業は、大型の施設や設備は不要であり、少人数で比較的簡単に新しく事業を始められることから参入障壁が低いという特徴があります。また、情報サービス産業は景気感応度が高く、日本経済が低迷する場合には顧客のIT投資も減少する傾向があります。

当社グループではこのような変化に適応するために、クラウドなど新技術を使った分野への事業領域の積極的な拡大や、計画的な採用活動を通じた新卒採用及び中途採用による専門性の高い技術を有する人材の確保に努めております。しかしながら著しい経済情勢の変化等により、当社グループを取り巻く事業環境が急激に変化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業活動に関する事項

① システム開発の契約の形態について

当社グループは顧客の個別ニーズに対応したシステムの開発を行っております。システムの開発の契約形態は、開発を請け負う請負契約、専門的な知識を活かし業務を実施する準委任契約、技術者を派遣する派遣契約があります。請負契約は当社グループのコスト管理次第で高い利益率を見込める可能性がある一方、準委任契約及び派遣契約は安定した利益率が見込めます。しかしながら、請負契約では当社グループの管理能力によってプロジェクトの採算性が大きく左右されるため、何らかの事情により当社グループのプロジェクト管理に支障が出た場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② プロジェクトの採算性について

近年は当社グループの方針として、大型案件が増加しており、より緻密なプロジェクト管理が求められております。当社グループが請負契約で受託したシステム開発は、独自の管理手法を用いて品質・期間・コスト・リスクコントロールの観点からプロジェクトマネジメントを行っております。開発案件の受託においてはプロジェクト計画書を作成し、リソースや採算面でのリスクの把握を管理本部でも行う仕組みにしており、一定金額以上の案件においては、見積り・提案、契約締結、検収などの各フェーズで、管理本部による進捗・採算状況のレビュー及び管理支援を行っております。

しかしながら案件が複雑化・大型化・短納期化するなかで、契約受注時に採算性が見込まれ、上記手法で管理を行っているプロジェクトであっても、開発中に大幅な仕様変更等が発生し、作業工数が当初の見積り以上に増加することにより、計画どおりの品質を確保できない場合や開発期間内に完了しないことによるコスト増加の可能性があります。そのため、受注時に必要工数やコストを正確に見積ることができなかった場合、低採算または採算割れとなるプロジェクトが発生する可能性があります。

その他では、開発経験の浅い従業員の教育及び新しい分野、技術の習得を目的とした受注案件についても短期的に低採算または採算割れとなる可能性があります。

上記を含めた小口案件については、各事業部門の管理者が自社の出来高管理システムによる進捗確認を適時行い、採算について管理を行っており、不採算が継続される場合には受注単価の調整などにより、採算性の改善を図っておりますが、想定以上に不採算の小口案件が積み重なった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、大型案件については、顧客と予め定めた期日までに作業を完了・納品できなかった場合には損害遅延金、最終的に作業完了・納品ができなかった場合には損害賠償が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ プロジェクト総原価の見積り変更による業績見通しへの影響について

当社グループが受託した開発案件については、契約に基づく開発作業を進めるにつれ顧客に対する履行義務が充足されると判断し、履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を認識しております。履行義務の充足に係る進捗度は主としてプロジェクトの総見積原価に対する連結会計年度末までの発生原価の割合(原価比例法)によって算定しております。

しかしながら、案件が複雑化・大型化・短納期化するなかで、当初計画からの仕様変更等により、人件費及び外注費に係る作業工数の見直しが必要となることがあります。当社グループでは、各プロジェクトの進捗管理を定期的に実施しており、計画に対して変更が生じれば即座に対応できる体制が構築されておりますが、仕様の変更等によりプロジェクト総原価の見積りを大幅に見直さざるをえない場合には、当社グループの業績見通しに影響を及ぼす可能性があります。

④ 主要販売先との取引について

システムの受託開発には主に、システムを実際に使用するエンドユーザーから受託するものと、他社のシステムインテグレーター(SIer)等を介して受託するものがあります。当社グループでは他のSIerを通さない分、利益率が高いエンドユーザーからの直接受託の割合を高める経営戦略を今後も継続してまいります。

なお、2025年6月期において、中核事業会社であるシステムサポート(上期のシステムサポート分含む)では、売上高が最も多い販売先が全体の売上に占める割合は6.6%であり、業績は特定の販売先の動向に大きく左右されない構造になっています。加えて、主要販売先と良好な人的ネットワークを形成し安定・継続した取引関係の構築に努めており、2024年6月期に売上計上があった顧客のうち2025年6月期にも引き続き売上計上があった顧客数の割合は85.1%であります。また、並行して新規販売先の開拓も行っています。

しかしながら主要販売先との関係構築や新規販売先の拡大が順調に進まなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 協力会社(パートナー)との連携体制について

当社グループは、事業運営に際して、協力会社等、さまざまなパートナーとの連携体制を構築しております。2025年6月期において、当社グループの総製造費用に占める外注費の割合は39.5%であり、事業の継続及び拡大において協力会社要員の存在は重要な位置付けを有しております。また、協力会社の起用においては、技術者間及び企業間の長期にわたる信頼関係をベースにしております。より多くのビジネスパートナーを抱えることができるほど案件を多く受託できるため、今後も技術力の高いビジネスパートナーを確保することが重要であると認識しております。

しかしながら、これらのパートナーを適宜、適正に確保できない、あるいは関係に変化が生じた場合、プロジェクトの立ち上げや遂行、サービスの提供に支障が発生する等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 人材確保・育成について

ⅰ.人材の確保、育成について

当社グループは高度な技術力の提供を通じて競合他社との差別化を図っておりますが、それを支えるのは技術要員であり、そのため優秀なシステムエンジニアの確保・育成が重要な課題であると考えております。

そのため当社グループでは採用活動に積極的に取り組むとともに、人材の育成と実務能力の向上を目的とした教育制度を充実させるほか、大規模プロジェクトをマネジメントできるプロジェクト管理能力の向上を目的とした社内研修も行っています。

また、具体的な人材配置においても社内外からの適材の手配を行っておりますが、案件の高度化・複雑化や全国的な労働力需給の逼迫により当社グループが必要とする人材の確保が難しい場合、失注や受注規模の縮小などによる売上減少など当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

ⅱ.長時間労働について

当社グループが提供するサービスやシステム開発の体制やプロセスの構造的な問題、属人性の高さから、長時間労働や過重労働が発生する可能性があります。当社グループでは、勤怠管理システムを利用した時間外労働申請や労働時間管理を徹底するほか、当社およびシステムサポート等では有給休暇取得奨励日を定め運用しています。こうした努力にも関わらず、過重労働やそれらを起因とした健康問題の発生やそれに伴う訴訟の提起、または生産性の低下などが生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ データセンター等の運用について

当社グループでは、データセンターを中心とした運用・保守サービスを提供するアウトソーシング事業を展開しております。

データセンターの展開においては、初期の設備投資のみならず、設備の老朽化対応、需要増加に対する設備増強など、サービスを安定的に維持・運用するための継続的な設備投資を要します。また、保有リソースに対し、顧客からの需要が低調な場合、設備の稼働率が低下し、採算が悪化する可能性があります。そのため、当社グループでは設備の増強・更新やセキュリティの強化などを行い、競争力の維持に努めております。

しかしながら、競争の激化等により設備の稼働状況が悪化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ データセンターにおける障害について

当社グループでは、ホスティングやハウジング等のデータセンターサービスを実施しております。サービスの安定的な維持・運用のため、当社グループのデータセンターは継続的に設備の増強・更新やセキュリティの強化、運用技術者教育の充実等の諸施策を講じております。

しかしながら、これら施策にもかかわらず設備の不具合、サイバー攻撃、運用ミス等が発生した場合、サービスの提供に重大な支障が生じ、損害賠償や信頼喪失等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑨ 新規事業について

当社グループは、システムの受託開発、データセンター運営・保守等のアウトソーシング、自社プロダクト(ソフトウエア)の開発・販売を主たる事業としていますが、収益源の多様化のため、当社グループのリスク許容度を慎重に検討しつつ、高い収益性を備え当社グループの技術力のシンボルとなり得る可能性のあるサービス等を積極的に展開する方針であります。

しかしながら、新事業の展開は大きな先行投資を伴うことがあり、今後、当社グループが展開する新事業が計画通りに進捗しない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑩ M&Aについて

当社グループでは、企業買収や資本提携による技術力の向上及び顧客分野の拡大を今後の経営戦略のひとつとしております。事前の法務・財務調査等を実施の上、適正な価格で取得することとしておりますが、当社グループがこれらの投資活動により想定したとおりの成果を得る保証はありません。

買収や資本提携時において、当初想定したシナジーが発生しなかった場合や、買収・資本提携先の収益見通しの悪化により減損の必要が生じた場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)その他の事項

① 情報セキュリティについて

当社グループは、業務遂行上、顧客、従業員などの個人情報やその他機密情報を保持しております。

当社グループではこれらの情報について、保護に細心の注意を払うとともに、取り扱いについて客観的に評価・検証するため内部監査の実施などの施策を推進しております。また、傘下のシステムサポート、イーネットソリューションズ、コミュニケーション・プランニングでは、ISO/IEC 27001(ISMS/情報セキュリティマネジメントシステム)認証を取得しており、各種ポリシーを定めた上で関連する規程類を整備するとともに、情報セキュリティに関する具体的な数値目標を定め、従業員への教育を定期的に実施しています。

しかしながら、これらの施策にもかかわらず、個人情報および機密情報等の流出が発生した場合には当社グループの信用低下や損害賠償金の支払が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 知的財産権について

情報サービス産業の発展に伴って製品及び技術が複雑化することにより、当社グループが提供するサービスまたは製品に対して第三者から知的財産権の侵害を理由とする訴訟提起または請求を受ける可能性があります。

そのため当社グループは、社内担当者による調査事務を行っているほか、特許事務所と関係を構築し、必要に応じ侵害調査を実施しております。また、当社グループが保有する知的財産については企業の重要な資産であるという認識のもと、必要性を十分に吟味したうえで出願を行い、また、特許事務所と連携を図りながら権利侵害に備えています。

しかしながら、もし当社グループが知的財産権に関し訴訟等を提起され、または当社グループが自らの知的財産権を保全するため訴訟等を提起しなければならない事態が生じた場合、時間、費用その他の経営資源が費やされ、また、訴訟等の結果によっては、当社グループが重要な技術を利用できなくなる可能性や損害賠償責任を負う可能性が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 投資の減損について

当社グループでは、投資価値の下落が著しく、かつ回復の可能性がないと判断した場合、投資の減損を計上しております。当社の連結子会社等の非上場会社の株式については、当該会社の財政状態の悪化によりその純資産価額が取得価額に対して著しく下落し、事業計画等によって回復可能性が十分な証拠によって裏付けられない場合には、回復の可能性がないものと判断しております。

そのため将来の市況悪化、連結子会社の業績不振等により現在の帳簿価額に反映されていない損失または投資簿価の回収不能が発生し、投資の減損が必要となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 自然災害について

当社グループの事業は広域にわたる大規模自然災害等に伴い、本社機能、当社グループが提供する重要なサービス、パートナー等が展開する事業の速やかな復旧または継続提供ができなくなった場合に影響を受ける可能性があります。当社グループではこれに備えて、事業継続計画(BCP)の策定、安否確認体制の構築、防災訓練などの対策を講じております。また、当社グループのデータセンターについては免震または耐震構造を採用し、自家発電による無停電電源装置を装備するとともに、強固なセキュリティを確保しております。

しかしながら、大規模自然災害の影響が当社グループの想定を超えて、上述の対策でもその影響を完全には遮断できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 感染症に関するリスク

当社グループは、感染症の拡大による政府発令の緊急事態宣言、事業所内におけるクラスター(感染者集団)といった脅威が顕在化することを想定し、緊急事態時に速やかに対応するため、新型コロナウイルス感染症に係る対応方針を制定しております。顧客、パートナー、従業員等の業務関係者の安全に配慮するとともに、従業員が在宅で勤務が行えるよう、システムの導入等に努めております。しかしながら、感染者発生による事業所の閉鎖、在宅勤務等により、事業及び受注活動への支障や生産性の低下が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 法規制及び事業の許認可について

当社グループでは、システムインテグレーション事業を中心に、派遣契約に基づき当社グループの従業員を顧客先に派遣する労働者派遣事業を営んでおり、厚生労働大臣より一般労働者派遣事業の許可を受けているため、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下「労働者派遣法」という。)などの関係法規の適用を受けます。

当社グループでは、従業員の教育や内部監査室によるモニタリングにより労働者派遣法の遵守に努めておりますが、派遣元事業主としての欠格事由に該当した場合や法令に違反した場合等には、当社グループの社会的信用の失墜を招くとともに、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 金利変動リスク、資金調達リスクについて

当社グループでは、資金調達を主に銀行借入により行うこととしているため、金利の変動による影響を受けます。金利上昇によるコストの増加を事業活動において吸収できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、現状、金融機関との関係は良好で、必要資金は問題なく調達できておりますが、将来も引き続き十分に調達可能であるという保証はありません。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復傾向にあるものの、物価上昇や米国の関税政策、中東やウクライナをめぐる情勢等の影響が懸念され、先行き不透明な状況が続いております。一方で当社グループが属する情報サービス業界では、顧客企業における事業拡大や競争力強化、業務効率化等を目的としたIT投資需要は力強く、また生成AIやIoT、クラウドサービスといった新技術の利用領域の多様化の流れが継続しております。

このような状況の中で、当連結会計年度の業績につきましては、中期経営計画で重点分野としているクラウドインテグレーション事業を中心に新規及び既存顧客の受注が好調に推移し、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

ⅰ.財政状態

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べて3,699百万円増加し、13,628百万円となりました。

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べて2,742百万円増加し、7,616百万円となりました。

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べて956百万円増加し、6,012百万円となりました。

ⅱ.経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高は26,938百万円(前年同期比22.3%増)、営業利益は2,218百万円(同32.8%増)、経常利益は2,244百万円(同28.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,457百万円(同19.0%増)となりました。

セグメントごとの経営業績は、次のとおりであります。なお、セグメントの売上高については、外部顧客への売上高を記載しております。

(クラウドインテグレーション事業)

顧客企業のDX需要の高まりを背景にAmazon Web Services(AWS)やServiceNow等のクラウドサービスの移行・利用に係る技術支援が好調に推移し、またクラウドサービスへの移行後のリセール(ライセンス等の再販)が拡大した結果、当連結会計年度における売上高は9,717百万円(前年同期比34.6%増)、セグメント利益は1,542百万円(同32.1%増)となりました。

(システムインテグレーション事業)

ERPパッケージ利用支援分野が堅調に推移した結果、当連結会計年度における売上高は13,362百万円(前年同期比13.5%増)、セグメント利益は126百万円(同830.5%増)となりました。

(アウトソーシング事業)

データセンター業務で月額利用料等のストック売上や顧客1社あたりの利用料が増加した一方、販売費及び一般管理費の配賦額が増加した影響を受け、当連結会計年度における売上高は2,392百万円(前年同期比17.1%増)、セグメント利益は233百万円(同18.9%減)となりました。

(プロダクト事業)

就業役者(勤怠・作業管理システム)及びSHIFTEE(クラウド型シフト管理システム)等の販売が堅調に推移した結果、当連結会計年度における売上高は923百万円(前年同期比19.9%増)、セグメント利益は249百万円(同31.0%増)となりました。

(海外事業)

事業譲受等によりシステムインテグレーション業務が増加した結果、当連結会計年度における売上高は542百万円(前年同期比144.9%増)、セグメント利益は114百万円(同96.2%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,587百万円増加し、当連結会計年度末は5,119百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は2,376百万円(前年同期比61.9%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,244百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は792百万円(前年同期比88.9%増)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出272百万円、有形固定資産の取得による支出270百万円、保険積立金の積立による支出132百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は4百万円(前年同期比99.1%減)となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,128百万円、配当金の支払額483百万円、長期借入金の返済による支出323百万円、自己株式の取得による支出268百万円、リース債務の返済による支出48百万円等によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

ⅰ.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年7月1日

至 2025年6月30日)

前年同期比(%)

クラウドインテグレーション(千円)

6,870,753

135.3

システムインテグレーション(千円)

10,198,598

112.4

アウトソーシング     (千円)

1,669,264

121.5

プロダクト        (千円)

338,368

129.8

海外           (千円)

342,585

245.4

合計    (千円)

19,419,570

121.9

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

ⅱ.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年7月1日

至 2025年6月30日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

クラウドインテグレーション

9,712,585

135.6

291,486

98.3

システムインテグレーション

13,339,114

114.5

224,112

91.2

アウトソーシング

2,385,377

118.4

15,619

67.6

プロダクト

889,286

108.8

47,747

58.6

海外

542,273

244.9

合計

26,868,638

122.9

578,966

89.5

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

ⅲ.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年7月1日

至 2025年6月30日)

前年同期比(%)

クラウドインテグレーション(千円)

9,717,655

134.6

システムインテグレーション(千円)

13,362,325

113.5

アウトソーシング     (千円)

2,392,868

117.1

プロダクト        (千円)

923,024

119.9

海外           (千円)

542,273

244.9

合計    (千円)

26,938,147

122.3

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

ⅰ.経営成績

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、26,938百万円(前年同期比22.3%増)となりました。これは主にクラウドインテグレーション事業で、ServiceNowやAWS、Google Cloud等でのアライアンス強化による利用支援の増加等に伴い、既存及び新規のエンドユーザーとの取引が増加するなどしたためであり、同事業の売上高は9,717百万円(前年同期比34.6%増)となりました。

(売上原価及び売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は19,434百万円(前年同期比21.9%増)となりました。これは主に、受注の拡大に伴う外注費や労務費の増加によるものです。また原価率について、高利益率であるServiceNowの受注が好調に推移したこと等により0.2ポイント改善した結果、売上総利益は7,503百万円(同23.2%増)となりました。

(販売費及び一般管理費並びに営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は5,285百万円(前年同期比19.6%増)となりました。これは主に事業拡大に向けた体制強化に伴う人件費や採用費、持株会社体制への移行準備やM&Aに伴う支払手数料等の増加によるものです。これらの結果、営業利益は2,218百万円(同32.8%増)となりました。

(営業外収益、営業外費用及び経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は受取手数料等により89百万円(前年同期比6.0%減)となりました。営業外費用は為替差損等により63百万円(同186.9%増)となりました。これらの結果、経常利益は2,244百万円(同28.7%増)となりました。

(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の特別利益は発生なし(前年同期は22百万円の発生)となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,457百万円(同19.0%増)となりました。

また、2026年6月期の目標とする経営指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照下さい。

ⅱ.財政状態

(資産)

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べて3,699百万円増加し、13,628百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末と比べて2,569百万円増加し、10,735百万円となりました。これは主に、現金及び預金が1,591百万円、売掛金が491百万円増加したこと等によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末と比べて1,129百万円増加し、2,892百万円となりました。これは主に、投資その他の資産のその他に含まれる保険積立金が297百万円、のれんが281百万円、繰延税金資産が249百万円、投資その他の資産のその他に含まれる長期前払費用が130百万円増加したこと等によるものであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べて2,742百万円増加し、7,616百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末と比べて1,814百万円増加し、6,081百万円となりました。これは主に、未払法人税等が378百万円、未払費用が345百万円、その他に含まれる未払消費税等が303百万円、1年内返済予定の長期借入金が252百万円、買掛金が204百万円、未払金が113百万円増加したこと等によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末と比べて928百万円増加し、1,534百万円となりました。これは主に、長期借入金が613百万円、その他に含まれる長期未払金が400百万円増加したこと等によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べて956百万円増加し、6,012百万円となりました。これは主に利益剰余金が974百万円増加したこと等によるものであります。

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、労務費及び外注費等の製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資やM&A、新規及び機能の追加等によるソフトウエアの開発費用等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,985百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,119百万円となっております。

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業運営等に関連する様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

⑤ 経営戦略の現状と見通し

経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

5【重要な契約等】

当社は、2024年8月7日開催の取締役会において、2025年1月1日を効力発生日として、会社分割(吸収分割)を行うことにより、持株会社体制へ移行することを決議し、当社の100%子会社である株式会社システムサポート分割準備会社(2025年1月1日付で商号を「株式会社システムサポート」に変更しております。)との間で吸収分割契約を締結いたしました。あわせて、当社は、2025年1月1日付で定款を変更し、「株式会社システムサポートホールディングス」に商号を変更するとともに、その事業目的を持株会社体制移行後の事業に合わせて変更いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

当社は、2025年6月19日開催の取締役会において、株式会社エコー・システムの全ての株式を取得し子会社化することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。なお、2025年7月1日付で当該株式の取得を完了しております。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりです。

 

6【研究開発活動】

当社グループにおける当連結会計年度の研究開発費の総額は42百万円となりました。

当社グループが所属する情報サービス産業においては、競合商品とのサービスや価格競争の激化、クラウド化などの急速な技術革新、顧客の属する業界の経営環境の変化等によって業容やニーズの変化が続いているため、研究開発は主に新技術の検証等を目的として継続的に取り組んでおります。当連結会計年度におきましては、特にクラウドやAI関連の技術の検証等に取り組みました。