当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
当社グループは、「マンガ・ノベル・アニメ・ゲーム・WEB─―あらゆるメディアと多彩な才能をオーバーラップさせ世界に広がるIPを創り出し続ける。」という経営理念・経営方針のもと、業界の常識や、1つのメディアに縛られることなく、最適なメディアでコンテンツを生み出し、メディアミックスによって作品世界をさらに拡大・波及させていくことに挑戦し、業界・国境の垣根を越え、新しい才能とともにエンターテインメント業界の最前線へと駆け上がっていくことを目指しています。
(2)事業戦略
当社グループにおいては、編集体制の強化や、創出するIPのジャンル拡大等を行うことにより、新規IP創出力を拡大する方針です。また、併せて、当社グループが原作のライトノベルやマンガ等を刊行する作品のアニメ化を中心としたメディアミックスの拡大等により、コンテンツIP当たりの売上高の増加や、ヒットIPの長寿化を目指しております。また、海外における日本発のコンテンツIPへの需要拡大を取り込むため、当社グループの刊行する作品のライセンス先となる地域やパートナー企業の開拓を推進しております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの売上収益は、ソーシングや価値向上に主体的に取り組む自社IPから生み出される、マンガ・ライトノベル・アニメ等の「自社IP売上」と、ポケモンのゲーム攻略本等の書籍やサウンドトラックなどにかかる「他社IP売上」によって構成されております。当社グループとしてはこのうち、「自社IP売上」の源泉となる、長期にわたって収益貢献を続けることが期待される主力IP(年間売上25百万円超のIP)を増加させることを成長ドライバーと位置付けており、当該主力IP数及び主力IP売上を重視しております。
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2021年8月期 |
2022年8月期 |
2023年8月期 |
2024年8月期 |
2025年8月期 |
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主力IP数(点) |
40 |
46 |
49 |
57 |
57 |
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主力IP売上(百万円) |
4,327 |
5,563 |
5,497 |
6,330 |
6,646 |
また、企業価値の拡大を図るという観点から「営業利益」及び「当期利益」を、事業から生み出されるキャッシュを把握するという観点から「調整後EBITDA※1」を、それぞれ重視しております。
※1 調整後EBITDA=営業利益+減価償却費+償却費+減損損失+上場関連費用等
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2023年8月期 |
2024年8月期 |
2025年8月期 |
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調整後EBITDA(百万円) |
3,152 |
3,564 |
3,311 |
(4)経営環境
当社グループを取り巻く事業環境は、国内出版市場においては紙の商材が継続的に縮小を続けている一方で、電子商材(特に電子マンガ)は近年大幅に拡大しております。公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所によると、2024年(1月から12月まで)の紙と電子を合算した推定販売金額は前年比1.5%減の1兆5,716億円となり、その内訳は、紙の出版物については同5.2%減の1兆56億円、電子出版については同5.8%増の5,660億円となっております。
また、マンガ・アニメ等をはじめとする日本発のコンテンツIPは、海外においても近年人気が高まっており、今後も拡大が続いていくものと見込んでおります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①優秀な人材の確保・育成
当社グループのコンテンツIPは小説投稿サイトやSNSを通じて、当社グループの編集担当者の目利きにより発掘され、その後作品として刊行されます。そのため編集担当者には幅広い知識とスキルが求められます。
また、消費者ニーズを的確に捉えたコンテンツIPの創出とあわせて、IP数の増加への取り組みを重視しており、今後当社グループの成長を支える編集担当者の確保は非常に重要であるものと認識しております。
当社グループでは、中途採用を積極的に活用することに加え、定期的に新卒採用を実施することで、将来の成長を担う人材を確保できるよう努めております。また、採用後においても、当社グループで存分に力を発揮できるよう、業務を通じたトレーニングのほか、研修制度等の充実にも努めております。
②魅力的なコンテンツIPの創出
当社グループのビジネスモデルは魅力的なコンテンツIPに支えられております。魅力的なコンテンツIPの源泉はクリエイターが生み出すものであり、クリエイターとの関係構築は非常に重要であると認識しております。
当社グループとしましては、既存の取引関係があるクリエイターと良好な関係を継続することとあわせて、新規IPの創出の過程において新たなクリエイターとのつながりを持ち、関係性を深めていくよう努めております。
③海外展開
当社グループでは現在、ライセンスを中心として海外への販売を行っております。海外のコンテンツIP市場は今後高成長が見込まれることもあり、当社グループでは既存ライセンス国におけるライセンシー拡大や、ライセンス先の地域の拡大などに取り組んでまいります。
④財務体質の強化
当社グループは、継続的で安定した事業基盤の構築に向けて、高い収益性とキャッシュ・フロー創出力を重視した経営を徹底し、株主還元や成長投資とのバランスに留意しつつ、強固な財務体質を維持することが重要な課題であると考えております。
⑤内部管理体制の更なる強化
当社グループの更なる成長のためには、業務の効率化や、事業の規模やリスクに応じた内部管理体制の更なる強化が重要な課題であると認識しております。今後も、事業上のリスクを適切に把握・分析した上で、リスク管理規程やコンプライアンス規程等の改定、社内教育の充実等を通じて、適正な内部管理体制の整備に取り組んでまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1)ガバナンス
当社グループでは、サステナビリティ関連のリスク及び機会についても、その他の経営上のリスク及び機会と同様に捉えております。そのため、サステナビリティ関連のリスク及び機会についても、その他の経営上のリスク及び機会と同様に「リスク管理規程」に基づき、総括的に管理しております。
具体的には、定期的に開催される取締役会及びリスク・コンプライアンス委員会において、現在及び将来におけるリスクの状況及び取組について、議論を行い、対応策の検討を行っております。
今後につきましても、社会情勢や経営環境の変化に中長期的に適応すべく、サステナビリティに関する取組についての議論を取締役会及びリスク・コンプライアンス委員会で増やしていく方針です。
(2)戦略
当社グループは、サステナビリティに関する取組のうち、特に優秀な人材確保及び定着に関する取組を経営上重要な課題であると認識しております。
従業員は事業の成長を支える重要な存在であるとの認識のもと、性別、国籍、新卒・中途等の区別なく、経験、能力、多様な価値観を有する社員を積極的に採用しております。
人材育成に関しては、定期的な役職者向けの階層別研修を通じてモチベーションの向上や能力開発に取り組んでおります。また社内環境整備としては、テレワーク勤務、フレックスタイム制度などにより柔軟な働き方を可能とするとともに、各種福利厚生制度の拡充など、多様な人材が健康で、モチベーション高く、やりがいをもって働きやすい環境の整備に取り組んでおります。
(3)リスク管理
当社グループは、「
(4)指標及び目標
当社グループでは、サステナビリティに関連する指標及び目標は、組織が拡大中であることから定点観測が困難であり、現時点では定めておりませんが、取締役会及びリスク・コンプライアンス委員会において適宜情報共有を行い、現状分析及び対応策について議論しております。
特に人材については、幅広い視野を持った人材の活躍が持続可能な企業価値向上につながっていくことを認識しておりますので、今後、人材育成方針及び社内環境整備方針を含めた人的資本に関する指標及び目標についての策定も検討してまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性が内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
また、以下の記載は将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではなく、記載された事項以外の予見できないリスクも存在します。このようなリスクが現実化した場合には、当社グループの事業、経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。
1.事業に関するリスク
(1)Intellectual Property(以下、IP)市場の商品ニーズ、ユーザー嗜好の変化について
(顕在化可能性:中、影響度:大、顕在化の時期:未定)
当社グループのビジネス商材であるIP市場においては、近年のインターネット上でのメディア視聴の世界的な広がり、また、マンガ、アニメ等のコンテンツ消費の国際的な拡大などを背景として、市場規模が拡大しております。こうした中、当社グループでは、ニーズやトレンドの把握、IP数の拡大等に努めることで、コンテンツのユーザー数や当社グループの売上収益も順調に拡大を続けており、今後もこの傾向は継続するものと考えております。
しかしながら、関連する法規制、景気動向、個人の嗜好等の変化等により、関連市場の成長が鈍化し、それに伴い、当社グループのコンテンツのユーザー数の減少が起きる等、当社グループのビジネスモデルを長期的に維持できない場合や、これらの変化に対応した新しいビジネスモデルを十分に構築できない場合には、ユーザー数の減少を背景とした売上収益成長の鈍化等を通じて、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)法的規制及び業界慣行について
①再販売価格維持制度について(顕在化可能性:低、影響度:中、顕在化の時期:未定)
当社グループが製作・販売している紙の書籍等の著作物は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(以下、「独占禁止法」という。)第23条の規定により、再販売価格維持契約制度(以下、「再販制度」という。)が認められております。
再販制度とは、一般的にはメーカーが自社の製品を販売する際に、「卸売業者がその商品を小売業者に販売する価格」、「小売業者が消費者に販売する価格」を指定し、その価格(以下、「再販売価格」という。)を卸売業者、小売業者にそれぞれ遵守させる制度です。独占禁止法は、再販制度を不公正な取引方法の1つであるとして原則禁止しておりますが、著作物については再販制度が認められております。
公正取引委員会は2001年3月23日付「著作物再販制度の取扱いについて」において、「競争政策の観点からは同制度を廃止し、著作物の流通において競争が促進されるべき」としながらも、「同制度の廃止について国民的合意が形成されるに至っていない」と指摘しており、当面、当該再販制度が維持されることとなっております。
しかし、当該制度が廃止された場合、販売価格の値引きなどの価格競争に陥る可能性があるため、業界全体への影響も含め、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
②委託販売制度について(顕在化可能性:中、影響度:小、顕在化の時期:未定)
法的規制等には該当いたしませんが、再販制度と並んで出版業界における特殊な慣行として委託販売制度があります。委託販売制度とは、当社グループが取次及び書店に配本した出版物について、配本後も返品を受け入れることを条件とする販売制度です。
当社グループは発生し得ると考えられる予想返金額を、過去の返品率等を計算基礎として算出し、収益より控除するとともに、返金負債として計上しておりますが、今後の返品実績の動向によっては、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
③著作権、商標権、知的財産権等について(顕在化可能性:低、影響度:中、顕在化の時期:未定)
当社グループは、著作権、商標権、知的財産権等の法令等の下、事業活動を行っており、現段階において事業及び業績に重大な影響を及ぼす訴訟を提起されている事実はありません。
しかし、当社グループとクリエイターとの間において著作権に関するトラブルが生じた場合、又は当社グループと他社間において著作権又は商標権等に関するトラブルが発生した場合においては、訴訟等が発生する可能性があります。当社グループでは、知的財産権に関する専門の弁護士と顧問契約を締結し、常にトラブルが無いよう努めておりますが、万一訴訟等が発生し、当社グループの信頼を大きく毀損する事態に至った場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、著作権、商標権、知的財産権等の法令等に重大な変更や当社グループ事業に関係する重大な法令等の新設がある場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
④コンプライアンス体制について(顕在化可能性:低、影響度:大、顕在化の時期:未定)
当社グループでは、今後企業価値を高めていくためにはコンプライアンス体制が有効に機能することが重要であると考えております。そのため、コンプライアンスに関する社内規程を策定し、全役員及び全従業員を対象として年一回以上の社内研修を実施し、周知徹底を図っております。併せて、コンプライアンス体制の強化に取り組んでおります。
しかしながら、これらの取組みにも関わらずコンプライアンス上のリスクを完全に解消することは困難であり、今後の当社グループの事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの信頼を大きく毀損することとなり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
⑤青少年保護に関連する法令について(顕在化可能性:低、影響度:小、顕在化の時期:未定)
本書提出日現在、当社グループは「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」等の法令等の遵守に努めております。なお、当社グループの発売するコンテンツは「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」及び各地方公共団体が制定する青少年健全育成条例等が規制対象とする事業に該当しないと考えております。
しかしながら、当社グループではマンガを配信・出版する前に、東京都青少年の健全な育成に関する条例及び書店各社の規制を参考に定めた当社グループの基準への適合性を確認することで、表現の健全性を確保するように努めております。これらの法令が改正・解釈の変更または新たな法令の制定により、当社グループの事業が何らかの制約を受けることとなった場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
⑥その他法規制・動向について(顕在化可能性:低、影響度:中、顕在化の時期:未定)
当社グループが提供するサービスを規制するその他の法律として「個人情報の保護に関する法律」、「特定商取引に関する法律」、「資金決済に関する法律」、「下請代金支払遅延等防止法」、「電子消費者契約に関する民法の特例に関する法律」、「消費者契約法」及び「不当景品類及び不当表示防止法」等があります。
当社グループは、これらの規制に準拠したサービス運営を実施しており、今後も法令遵守体制の強化や社内教育の実施などを行ってまいりますが、新たな法規制の制定や改正が行われ、当社グループが運営するサービスが新たな法規制の対象となる場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
(3)競合他社の動向について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)
インターネット上の小説やマンガ等のコンテンツを書籍化するビジネスモデルにより、各社から大型のヒット作が相次ぎ出版されており、今後も当社グループと類似したビジネスへの新規参入等があると考えられます。
当社グループとしましては、当社グループならびに当社グループのサービスの知名度向上、及びクリエイター・ユーザーの満足度向上のための施策を継続的に実施することで、競合他社に対する優位性を確保することに努めてまいりますが、見込みどおりの効果が得られない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
(4)システムの安定的な稼働について(顕在化可能性:低、影響度:中、顕在化の時期:未定)
当社グループWebサイト及びアプリはウェブ上で運営されており、快適な状態でユーザーにサービスを提供するためにはシステムを安定的に稼働させ、問題が発生した場合には適時に解決する必要があると認識しております。そのため、新システムまたは機能導入時における十分な検証、及びシステム運用後においてはシステムを安定的に稼働させるための人員確保等に努めております。
しかし、当社グループが提供する各サービスへの急激なアクセス数の増加や災害等に起因したサーバーの停止に伴うシステムダウンが生じた場合、またはコンピュータ・ウイルスやクラッカーの侵入等によりシステム障害が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
(5)海外へのIPライセンス許諾について(顕在化可能性:低、影響度:小、顕在化の時期:未定)
当社グループは、国内のみならず海外の企業に対してもIPのライセンス許諾を行っております。海外へのIPライセンス許諾に際しては許諾先の地域での市場動向、政治・経済、法律・規制、社会情勢、その他の要因によって、海外での事業活動に悪影響を与える可能性があります。
対応策として各許諾先の地域の状況の情報収集を行い、早期把握に努めておりますが、上記の悪影響が顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
2.組織体制に関するリスク
(1)当社グループの成長戦略を担う人材の確保について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)
当社グループを取り巻く事業環境は大きく変わりつつあります。このような環境変化に適時的確に対応するためには、優秀な人材の確保が不可欠となりますが、必要な人材の確保が追いつかない場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
当社グループは、優秀な人材を採用し、それぞれの能力を最大かつ最適な形で発揮できることが持続的な成長を実現する原動力と考えております。そのために魅力的な企業風土の醸成、競争力ある処遇条件の維持、公平公正な人事評価制度の運用などに努めております。
(2)小規模組織における管理体制について(顕在化可能性:低、影響度:小、顕在化の時期:中期)
当社グループは、小規模な組織であり、現在の内部管理体制もこの規模に応じたものとなっております。当社グループでは今後、事業の拡大に応じた組織整備や内部管理体制の拡充を図る予定ですが、事業の拡大に応じた組織整備や内部管理体制の拡充が順調に進まなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
(3)内部管理体制の整備状況にかかるリスクについて(顕在化可能性:低、影響度:中、顕在化の時期:未定)
当社グループは、企業価値を継続的かつ安定的に高めていくためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、適切な内部管理体制の整備が必要不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な整備・運用、さらに法令・定款・社内規程等の遵守を徹底しておりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の整備が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
3.その他のリスク
(1)事故・災害について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:未定)
当社グループは、地震その他の大規模自然災害、火災、停電、テロ、感染症の流行、その他の事故・災害による影響を最小化するために、定期的な災害防止検査、設備点検、避難誘導体制の整備、適切な防災・避難訓練などの対策を行っておりますが、激甚な事故・災害が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
(2)風評被害について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)
当社グループの風評や評判は、当社グループのサービスを利用するユーザー、取引先、投資家、従業員及びその家族等のステークホルダーとの信頼関係を良好に築くために非常に重要です。当社グループは、サービス利用ユーザー及び取引先等に丁寧に対応し信頼関係の構築に努めております。また今後は、当社グループに対する理解を深めていただくように、適時適切な開示を行っていく方針です。
しかしながら、予期せぬ事態が発生した際に適切な対処が行えなかった場合はステークホルダーからの信頼を損なうことになり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
(3)新株予約権の行使による株式の希薄化について(顕在化可能性:高、影響度:小、顕在化の時期:短期)
当社グループは、取締役や従業員等に対して、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとして新株予約権を付与しているほか、今後も優秀な人材確保やその維持のために新株予約権その他のエクイティ・インセンティブプランを発行する可能性があります。これらの新株予約権が権利行使された場合等には、当社グループ株式が新たに発行または交付されることにより、既存の株主が有する株式及び議決権割合が希薄化する可能性があるとともに、かかる株式が一度に市場へ流入することとなった場合には、適切な株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
本書提出日の前月末日現在(2025年10月31日)でこれらの新株予約権の目的である潜在株式数は1,887,400株であり、発行済株式総数及び潜在株式数の合計21,887,400株の8.62%に相当します。
(4)配当政策について(顕在化可能性:低、影響度:小、顕在化の時期:中期)
当社グループは、株主への利益還元を経営の重要課題であると認識しております。利益配分につきましては、事業の更なる拡大及び、経営基盤の強化のために内部留保を確保しつつ、安定的な配当の継続を実施していくことを基本方針としております。
しかしながら、剰余金の配当に関しては業績も勘案しその内容を決定することとしているため、業績が悪化した場合、配当が減少又は配当を行わない可能性があります。
(5)減損について(顕在化可能性:低、影響度:大、顕在化の時期:未定)
当社グループが保有する資産のうち、減損リスクがあると考えられる資産として、のれん及び無形資産(商標権、ソフトウエア等)があります。
この中でも、のれん及び耐用年数が確定できない無形資産(商標権)については2025年8月を期末とする連結会計年度末現在において、それぞれ7,679百万円及び3,885百万円計上しており、総資産に占める割合が62.3%となっております。
当社グループはIFRSを採用しているため当該のれん及び耐用年数が確定できない無形資産の毎期の償却負担は発生しませんが、対象となる事業の収益力が低下し、減損損失を計上するに至った場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。現状の事業の収益力に基づく減損テストの結果を踏まえると、これらのリスクが顕在化する可能性は高くないと認識しておりますが、顕在化に備え収益性や健全性を確保してまいります。
(6)借入金及び財務制限条項について(顕在化可能性:低、影響度:小、顕在化の時期:未定)
当社グループは、2024年3月15日付で金融機関との間で金銭消費貸借契約を締結しております。当該契約には、財務制限条項が定められており、2024年8月期以降の各年度の決算期末における、連結財政状態計算書における資本合計の金額を、当該決算期の直前の決算期の末日又は2024年8月に終了する決算期の末日における連結財政状態計算書における資本合計の金額のいずれか大きい方の70%の金額かつ30億円以上に維持すること、連結の損益計算書上の営業損益又は純損益(契約関連資産償却前)に関して、営業損失又は純損失を計上しないことをそれぞれ求められております。これらの財務制限条項に抵触した場合には、借入金を一括返済する可能性があります。
当該リスクを低減するための取り組みとして、予算統制の強化に取り組んでおり、財務制限条項の見直し交渉も実施しておりますので、現時点においては当該リスクが顕在化する可能性は低いと判断しておりますが、リスクが顕在化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、「出版・映像・音楽・ゲーム・グッズなどあらゆるメディアと才能を結集し、新しい時代の総合エンターテインメントパブリッシャーを目指す」という経営ビジョンのもと、クリエイターの才能の発掘を通じてIPの創出を促進し、書籍出版やアニメ化など多様な作品の展開を行うことで、業界や国境を越える事業拡大を推進してまいりました。ライトノベル・コミックスをはじめとしたコンテンツIPを創出し、保有するIPを基軸として、メディアミックス展開や海外へのライセンスなどを含むIP価値最大化に取り組んでおります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、円安によるインバウンド需要や賃上げなどの雇用改善により、生産、貿易、消費などの経済活動が緩やかな回復傾向となっている一方、資源エネルギーの高騰による物価上昇の影響を受け、実質個人消費の回復ペースは鈍化しております。当社グループを取り巻く事業環境としては、紙の出版市場が縮小している一方で、電子出版へのシフトによってコンテンツ自体に対する需要は底堅く推移しており、このうち特に電子コミックス領域については高い成長がみられております。
このような環境の中、当社グループは継続的な新規IPの創出と、保有する既存IP価値の維持向上への取り組みを継続することにより、着実に収益を積み上げております。当連結会計年度においては、当社グループが原作を保有するアニメ作品が7作品放映開始となるなど、当社グループが保有するIPをもとにしたメディアミックス展開への取り組みについても注力してまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上収益8,535百万円(前期比1.6%増)、売上総利益4,537百万円(前期比7.2%減)、営業利益3,026百万円(前期比40.7%増)、税引前利益2,872百万円(前期比61.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益2,067百万円(前期比80.1%増)となりました。
b.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は18,575百万円(前連結会計年度末比351百万円増)となりました。これは主に、営業債権及びその他の債権が240百万円、その他の流動資産が78百万円増加したことなどによるものです。
当連結会計年度末の負債合計は10,447百万円(前連結会計年度末比1,010百万円減)となりました。これは主に、未払法人所得税が306百万円、その他の金融負債が540百万円、借入金が446百万円減少し、営業債務及びその他の債務が234百万円増加したことなどによるものです。
当連結会計年度末の資本合計は8,128百万円(前連結会計年度末比1,361百万円増)となりました。これは主に、剰余金の配当により708百万円減少し、当期利益2,067百万円を計上したことなどによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ24百万円増加し、2,796百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により増加した資金は、1,398百万円(前期比27.3%減)となりました。これは主に、税引前利益2,872百万円並びに減価償却費及び償却費255百万円の計上があった一方で、法人所得税関連を含む負債の支払い等を主な要因として、法人所得税の支払額1,010百万円、営業債権及びその他の債権の増加額240百万円及びその他の金融負債の減少額540百万円等があったことによるものです。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により減少した資金は、7百万円(前期は39百万円の減少)となりました。これは主に、敷金及び保証金の差し入れによる支出9百万円、利息及び配当金の受取額3百万円等によるものです。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により減少した資金は、1,367百万円(前期は2,576百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出486百万円、配当金の支払額708百万円等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当社グループは、エンターテインメント事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年9月1日 至 2025年8月31日) |
前年同期比(%) |
|
エンターテインメント事業(百万円) |
8,535 |
101.6 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年9月1日 至 2024年8月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年9月1日 至 2025年8月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
株式会社メディアドゥ |
2,365 |
28.1 |
2,517 |
29.5 |
|
LINE Digital Frontier株式会社 |
809 |
9.6 |
920 |
10.8 |
|
株式会社カカオピッコマ |
829 |
9.9 |
904 |
10.6 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因があり、これらのリスク要因への対応を行うためにも、内部管理体制の強化、人員増強、財務基盤の安定化等、継続的な経営基盤の強化に取り組んでおります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。当社グループの資本の財源及び資金の流動性に係る情報につきましては、事業運営における収益性の担保に加え、運転資本その他の資金需要の状況に応じて、金融機関からの借入やエクイティファイナンス等により資金調達していく方針です。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような会計上の見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、会計上の見積り及び予測を行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合には、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
(1) 株式会社三菱UFJ銀行との借入契約
株式会社三菱UFJ銀行をエージェントとする金銭消費貸借契約の契約内容につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 18.借入金」をご参照ください。
該当事項はありません。