文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社経営の基本方針
当社グループは、以下のとおり経営理念および経営方針を定め、実践しております。
①経営理念
当社は、設立以来、下記を経営理念としております。
『経営理念』
一. 我社は世の中の役に立つ独創的な「物」「方法」を創造し世の中に貢献する。
一. 我社は顧客の立場に立って「物」「方法」を創造し、より価値の高い物を、お客様に与え続ける。
一. 我社は正しい倫理の上に立ち、真面目な事業運営で永久繁栄を計る。
一. 我社に対し力を貸してくださっている方々に少しでも多くの利益をもたらし、共存共栄を計る。
一. 我社の社員は一丸となって努力し如何なる時代が来ようとも絶対につぶれる事のない強靭な体質を作り、事業の永久繁栄を計る。
一. 我社の社員はもっともっと人間性を高め社会的地位の向上を計ると共に財産の増強を計る。
②経営方針
当社は、国民の視点に立った建設工事のあるべき姿として、「建設の五大原則」を掲げ、これを遵守する新しい建設業界への転換を図る「工法革命」を提唱し、実践しております。その中核をなす技術が「インプラント工法」であり、その普及・拡大により、世界の建設を変えることを経営方針として掲げております。
『経営方針』 インプラント工法で世界の建設を変える
「建設の五大原則」
≪いかなる工事も環境性、安全性、急速性、経済性、文化性の五つの要件を調和のとれた正五角形で実現しなくてはならない≫
環境性:工事は環境に優しく、無公害であること
安全性:工事は安全かつ快適で、工法自体が安全の原理に適合していること
急速性:工事は最短の時間で完了すること
経済性:工事は合理的で新奇性・発明性に富み、工費は安価であること
文化性:工事は高い文化性を有し、完成物は文化的で芸術性に溢れていること
(2)中期的な会社の経営戦略
≪中期経営計画2027の策定≫
今後も多くの社会課題の解決策を創造・提供する開発型企業に特化し、発展していくために2024年10月に中期経営計画2027(2025年8月期-2027年8月期)を策定しました。中期経営計画2027では、独自のビジネスモデルを基本とし、新工法・新製品の開発と市場投入のスピードアップを進め、グローバルに圧入技術の提案と圧入工法の普及を進めています。2025年10月には中期経営計画2027の進展を鑑み、経営目標の修正、成長市場であるアジアへの成長投資および持続的成長に向けた海外市場・国内市場・開発における中長期の具体的な取り組みについて当社グループの考えを示す「中期経営計画2027の見直しと持続的成長に向けた取り組み」を公表しました。
≪基本戦略≫
①海外市場への積極展開
②独創性・創造性に富む開発の強化
③国内市場の着実成長
④事業を支える基盤の強化と深化
≪数値目標≫
中期経営計画2027の最終年である2027年8月期では、連結経営目標として、連結売上高30,000百万円から33,000百万円、海外売上高7,500百万円以上、連結営業利益3,200百万円以上およびROE6.0%以上を定めています。
(3)経営環境及び対処すべき課題
当社グループは中期経営計画2027を策定し、基本戦略として以下の課題に取り組んでおります。
①海外市場への積極展開
世界各国では、日本と同様に気候変動に伴う自然災害の激甚化や老朽化した社会インフラの再生・強化が喫緊の課題となっています。さらに、地域の発展に伴い、新しいインフラを必要としている国や地域もあります。
当社グループはこれまで、独自のビジネスモデルに基づき、ビジネス展開や、海外事業パートナーへの技術提供、各国官公庁等への工法普及活動を推進してきました。その結果、圧入技術は世界40以上の国と地域に広がり、各地域での建設課題の解決に貢献しています。また、現地企業とのパートナーシップを強固とするユーザー向け総合支援サービス「GTOSS」を導入して、トータルサポートを推進することで、パートナー企業と工法普及を進めています。
今後は、シンガポールをはじめとする東南アジアにおいて、現地パートナー企業と共にジャイロプレス工法や硬質地盤クリア工法の普及を進め、各国への展開を加速します。また、インドやタイなどアジア地域への成長投資を強化します。欧州では、オランダでの世界遺産の運河護岸改修プロジェクトおよび大規模案件となる治水対策事業「デルタプログラム」の河川堤防工事を着実に進め、現場施工の成功実績の蓄積による市場形成を進めます。北米地域では、GTOSSメンバーとの協働による工法普及を図るとともに、ジャイロプレス工法の普及を図ります。
②独創性・創造性に富む開発の強化
建設市場では、建設現場の省力化や生産性向上、脱炭素、老朽化インフラの再生、資源循環などの社会要請が高まっています。加えて、海外市場での普及においては、現地特有のニーズに対応する必要があります。多様な建設課題を解決する新しい技術を提案し続けるため、工法や機械の開発を一層強化しなければなりません。
当社グループはこれまで、「サイレントパイラー」の施工効率の向上を目的に、地盤情報を推定し圧入条件を自動で最適化する「PPTシステム」を開発し、建設現場の大幅な生産性向上に取り組んできました。また、2025年6月から現場の省力化を支援する「G-Lab」シリーズのサービス提供を開始しました。
今後も、新しい建設を切り開く「開発型企業」として、社会の変化に対応した「物」「方法」を迅速かつ的確に、企画・開発できる体制を強化し、開発力をさらに高めます。特に、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を圧入技術や機械、工法提案に適用します。これにより、圧入工事の全自動化や遠隔操作・自律施工を実現し、国内外での新たな技術支援や効率的な施工が可能になります。人手不足の解消や生産性の向上・効率化を実現し、新しい建設技術の構築に向けて取り組みます。
また、今後強く求められてくる循環型で持続可能な社会の実現に向けて、移設や撤去、再利用も可能な杭材の機能を活かした「機能構造物」を実現し社会に展開していく取り組みを続けます。
③国内市場の着実成長
国内では、大規模地震の多発や、確実に発生するとされる巨大地震への対応力が求められています。加えて、気候変動による水害など、激甚化する自然災害への対応も国土強靭化を進めていくうえで喫緊の課題です。また、生活を支える道路、下水道などライフラインの老朽化問題が顕在化する一方で、建設資材価格の高止まり、労務費の上昇、作業員の不足といった課題を抱えています。
当社グループはこれまで、地震・水害等の災害復旧や高速道路等のインフラ更新など多くの実績を積み上げてきました。さらに、能登復興支援室や中部営業所を新設し、発注者・設計者への提案を強化しています。今後も、災害復旧・復興やインフラ老朽化、防災・減災対策に対する技術提案を進めるとともに、事業領域拡大に向けた開発を推進し、収益基盤の強化と企業価値の向上を進めていきます。
④事業を支える基盤の強化と深化
当社グループの発展には、イノベーションの創出、生産性向上およびこれらを実現するための人的資本への投資が不可欠です。また近年技術の進展が目覚ましいAI(人工知能)技術を取り入れ、当社グループが最も取り組むべき工法普及と工法、機械および構造物開発に集中する環境づくりが必要になっています。
難易度の高い開発課題や工法の技術提案、経験のない未知の分野への取り組み等に果敢に挑戦します。社員一人ひとりが挑戦を重ねて価値を創造することを適切に評価し、新たな経験の獲得やフィードバックの積み重ね、イノベーションを当社グループの企業文化として定着させ、その活性化を図ります。
利益重視の経営を強化するため、効率的かつ効果的な判断を目的としたデータドリブン経営を取り入れ管理を強化します。またAI等デジタル技術を活用することで業務プロセスの最適化・自動化による生産性の向上を行います。これらの取り組みにより、当社グループの事業が中長期にわたり持続的に成長する事業基盤を構築します。
各種の経営計画や事業拡大を実行するのは、企業価値を創造する「人的資本」である当社グループの社員です。今後の事業展開を見据え、経営戦略と人材戦略を連動させ、ITを利活用する人材育成を行うなど社員の必要なスキルの習得、知識や経験の多様性の拡充、人材ポートフォリオの充実等の人的資本投資を推進し、事業基盤を強化します。
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、次の通りであります。
文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンスおよびリスク管理
当社グループは創業以来、常に建設のあるべき姿を追求し、新たな工法・機械の開発と普及を通じて社会課題解決に取り組んできました。圧入技術の優位性を核とする当社グループは、事業そのものが環境や社会の抱える様々な課題に貢献しており、サステナビリティの推進は「公害対処企業」として創業した私たちにとっての使命でもあります。
2024年8月には、従来から取り組んでいた建設業界の課題解決からさらに視野を広げ、「社会価値を創造しながら持続的に企業価値創造を実現するために、中長期的に取り組むべき重要課題」として、マテリアリティを特定しました。
今後も、マテリアリティへの取り組みを通じて、社員一人ひとりが建設の未来を切り拓くパイオニアとなり、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
①ガバナンス
当社の取締役会では、マテリアリティに掲げる各項目が、持続的な社会の実現と当社の長期的な企業価値向上を両立するための重要課題であるとの認識のもと、関連する各取り組みを監督しています。
当社では、サステナビリティに関する取り組みを推進するため、2022年11月に代表取締役社長CEOの直下組織「サステナビリティ委員会」を設置しています。サステナビリティ委員会では、気候変動への対応をはじめとしたサステナビリティの観点を踏まえた経営推進のための提言および施策のフォローを行っています。取締役会はサステナビリティ委員会の活動に関する報告を受けるなど適切に監督を実施しています。
②リスク管理
当社グループは、企業活動を取り巻くリスクを把握、管理することが持続的な成長と社会的責任を果たすことにつながると考え、グループ全体を統括するリスク管理体制を構築、運用しています。
重要度の高いリスクに関しては取締役会で事案ごとに特定・評価し、対策の妥当性を審査することでリスクの最小化、顕在化の抑止を図っています。サステナビリティに関する重要なリスクに関してはサステナビリティ委員会で議論のうえ取締役会に報告され、必要に応じて審議が行われます。各部門は業務プロセスに顕在、内在するリスクを把握したうえで対策を講じており、リスク管理状況について内部監査室の監査を受けています。
<マテリアリティの特定>
当社グループでは、下記の1~4の手順を踏み、企業価値への影響度と各事業に関するステークホルダーの関心・期待度の観点から、特に影響が大きい項目をマテリアリティとして特定しました。
1.候補となるメガトレンドや社会課題の抽出
2.社内ワークショップによる機会・リスクの検討
3.ステークホルダーとの対話
4.重要度評価・マテリアリティの特定
<マテリアリティ内容>
当社グループでは特定したマテリアリティに取り組んでいくため、重点課題を定めグルーピングしました。特定したマテリアリティおよび各社会課題に対する取り組み・管理指標を下表のとおり定めています。
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重点課題 |
関連する社会課題 |
当社の取り組み |
管理指標 |
|
|
環境 |
自然環境と調和したものづくり・施工 |
気候変動、生物多様性、ライフサイクルアセスメント |
①電動化に対応した圧入機の開発 ②再生可能資材の使用を推進 ③製品環境負荷の可視化実施 |
・技研グループサプライチェーンCO2排出量 (取り組み①②③関連) |
|
社会 |
持続可能なまちづくりを支える建設の提供 |
都市・地域社会の持続性、社会インフラの維持・更新、都市の防災・災害対策、新興国での都市化 |
①圧入工事現場の生産性向上 ②「エコサイクル」の展開 ③国内外での圧入工法普及 |
・生産性を高める機種、ICT機器の普及(取り組み①関連) ・エコサイクル納入実績 (取り組み②関連) ・工法採用実績 (取り組み③関連) |
|
責任あるサプライチェーン・マネジメントとパートナーシップ |
パートナーシップ、調達慣行、人権・労働慣行 |
①海外市場の展開 ②産学官連携の促進 ③調達方針、ガイドラインの策定 |
・海外市場における協働状況 (取り組み①関連) ・産学官の連携を通じて創出・参画した技術・研究枠組み数 (取り組み②関連) |
|
|
多様な人材が活躍できる組織づくり |
D&I、エンゲージメント、多様な働き方の実現、 人材育成、イノベーション人材の創出、従業員の健康、労働環境の改善 |
①多様な人材が活躍、昇進できる環境づくり ②人的資本への投資 ③イノベーション創出のための環境整備 ④健康経営の実践 |
・女性管理職比率 (取り組み①関連) ・外国籍社員雇用数 (取り組み①関連) ・精密検査受診率 (取り組み④関連) |
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|
経済 |
技術開発による工法革命の追求 |
技術革新、デジタル化・DX、品質、知的財産権の保護 |
①要素技術開発への取り組み ②デジタル技術活用による付加価値向上 |
・市場導入状況 (取り組み②関連) |
|
ガバナンス |
ガバナンスの高度化とコンプライアンスの徹底 |
公正取引、コーポレート・ガバナンス、腐敗防止 |
①ガバナンス体制の強化 ②役員、従業員に対するコンプライアンス徹底 |
・ガバナンス情報の開示実施 (取り組み①関連) ・教育、研修の実施 (取り組み②関連) |
重点課題に対する管理指標の目標と現状を設定して推進しています。
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重点課題 |
管理指標 |
目標 |
現状 |
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環境 |
自然環境と調和したものづくり・施工 |
技研グループサプライチェーンCO2排出量 |
2031年8月期 Scope1,2: 1,889t-CO2 Scope3: 175,763t-CO2 |
2024年8月期 Scope1,2: 2,049t-CO2 Scope3: 174,104t-CO2 |
|
社会 |
多様な人材が活躍できる組織づくり |
女性管理職比率 (技研製作所) |
2027年8月期:12.0% |
2025年8月期:18.3% |
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外国籍社員雇用数 (技研製作所・技研施工) |
2027年8月期までに10名採用 |
2025年8月期:2名採用 2025年8月末:9名在籍 |
||
|
精密検査受診率 (技研製作所) |
2027年8月期:50% |
39.1% ※対象期間 2024年4月1日~2025年3月31日 |
||
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ガバナンス |
ガバナンスの高度化とコンプライアンスの徹底 |
ガバナンス情報の開示実施 |
ガバナンス情報を適宜開示 |
2025年4月に最新内容を開示 |
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教育、研修の実施 |
コンプライアンス研修 年1回以上 |
2022年から年1回継続実施 |
||
その他詳細情報については当社HPをご覧ください。
(https://www.giken.com/ja/sustainability/materiality/)
(2)個別テーマ
①気候変動
当社グループは、気候変動に関連するリスク・収益機会の特定と対処を経営上の重要な課題の一つと捉えており、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った取り組みと情報開示を行っています。
(a)戦略
気候関連のリスクと機会が当社グループの事業、戦略、財務計画に及ぼす影響の評価、およびそれに対する対応策を検討するために、以下の前提を用いて、シナリオ分析を実施しました。
分析にあたり、対象は連結決算ベースの全事業、時間軸としては2030年を選択しました。また、シナリオについては、産業革命前に比べ2100年までに世界の平均気温上昇が2℃未満に抑制される「2℃未満シナリオ」と、4℃上昇する「4℃シナリオ」を選択しました。「2℃未満シナリオ」ではIEAのSDSシナリオ(Sustainable Development Scenario)とIPCCのRCP2.6等を、「4℃シナリオ」ではIEAのSTEPシナリオ(Stated Policies Scenario)とIPCCのRCP8.5等を選択しました。
シナリオ分析の前提
|
分析前提 |
対象 |
||
|
事業範囲 |
全事業 |
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|
企業範囲 |
連結決算ベース |
||
|
分析対象 |
2031年8月期時点 |
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選択シナリオ |
気温上昇幅 |
移行シナリオ |
物理シナリオ |
|
2℃未満 |
IEA※1SDS |
IPCC※2RCP2.6等 |
|
|
気温上昇幅 |
移行シナリオ |
物理シナリオ |
|
|
4℃ |
IEA STEP |
IPCC RCP8.5等 |
|
※1 IEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)
※2 IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル)
まず、気候変動がもたらすと思われるリスク・機会を幅広く洗い出したうえで、影響度が大きくなると予想される項目に絞り込みました。次に、影響度の試算に必要なパラメーターを収集し、2030年頃における財務インパクトについて、2℃未満シナリオと4℃シナリオそれぞれに基づいて試算を行いました。試算の結果に対して、組織戦略におけるレジリエンスを高めるための対応策を検討しました。
気候変動がもたらすリスク
|
分類 |
リスク項目 |
影響度 |
主な対応策 |
|||
|
2℃未満 |
4℃ |
|||||
|
移行リスク |
政策と法 |
カーボンプライシングの導入 |
炭素税導入に伴うエネルギーの調達コスト増加 |
小 |
- |
● 再生可能電力への切替 ● 工場設備の電化 ● 省エネルギーの推進 ● 環境負荷を軽減した原材料の調達とその製造方法をもつサプライヤーの選択 |
|
国境炭素税導入による輸出製品のコスト増加 |
- |
中 |
||||
|
炭素税の導入などによる原材料コストの増加 |
大 |
大 |
||||
|
テクノロジ 丨 |
低炭素技術、製品への置き換えコスト増加 |
機械の電動化及びグリーン電力への転換によるコスト増加 |
大 |
大 |
● 製造方法の技術革新による生産性向上で生産コスト減 |
|
|
物理的リスク |
急性 |
異常気象の 激甚化 |
台風・竜巻・洪水によって起こる従業員・工場への被害、操業停止・生産減少・設備の復旧への追加投資 |
中 |
中 |
● 災害時のBCP対応強化 ● 生産拠点の増強と分散 ● 主要生産工場への浸水対策 |
|
慢性 |
平均気温の上昇 |
従業員の労働環境悪化、生産性低下、人材不足加速、健康リスク対応へのコスト増加 |
小 |
小 |
● 自社研究開発を進め、省人化施工の実現 |
|
気候変動がもたらす機会
|
分類 |
機会項目 |
影響度 |
対応策 |
|||
|
2℃未満 |
4℃ |
|||||
|
機会 |
製品とサ丨ビス |
低炭素排出に寄与する製品およびサービスの開発・拡大 |
電動のジャイロパイラーをはじめとした環境規制をクリアする製品の開発・市場投入により圧入工法の需要が拡大、収益が拡大 |
大 |
小 |
● 電動化製品の追加投入 ● 排出ガス削減に向けた高効率システムの開発 ● 代替燃料への置換 (バイオ燃料) |
|
市場 |
新市場の開拓と新商材の積極展開 |
環境負荷を軽減した移動手段に欠かせない駐車・駐輪スペースを都市に確保するEVエコパーク・エコサイクルの需要が拡大、収益が拡大 |
大 |
中 |
● エコパークの対応EV車種拡充 ● EVエコパークの営業展開 |
|
|
防災・減災・国土強靭化への取り組み |
激甚化豪雨に対する事前対策、土砂災害復旧等、防災、復旧に対するインプラント工法をはじめとした最適ソリューションの提供機会が増加、需要が拡大、収益が拡大 |
大 |
大 |
● 防災、早期復旧を可能とする技術提案活動の強化 ● 機能停止なく老朽化インフラを更新する工法の普及推進 ● 海外での工法推進展開 |
||
|
レジリエンス |
レジリエンス 対応事業の推進 |
災害未然防止の取り組みとしてガード工法などの当社工法および当社機械の需要が増加、収益が拡大 |
大 |
大 |
● 事前防災の案件を増やすための工法普及活動を展開 ● 海外での工法推進展開 |
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(b)指標及び目標
技研グループサプライチェーンのCO2排出量を指標とし、削減目標として2021年8月期の排出量を基準に、2031年8月期にScope1,2で42%、Scope3で25%それぞれ削減することを設定しています。
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区分 |
基準排出量 |
目標削減率 |
排出量実績 (基準排出量からの削減率) |
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事業年度 |
2021年8月期 |
2031年8月期 |
2024年8月期 |
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Scope1,2 |
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▲42% |
(▲37.1%) |
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Scope3 |
|
▲25% |
|
当社が開示しているScope1,2,3のCO2排出量はGHGプロトコルに基づき算定された推計値です。算定に用いるデータは購買金額や電力使用量などの実績のほか、社員数などによる推計値を用いて算定しています。本推計値はデータ更新や算定方法の見直し等があった場合に変更の可能性があります。なお、当社は本推計値についてScope1,2,3それぞれ第三者による保証を受けておりません。
②人的資本
当社グループはありたい姿の実現に向けて、経営戦略と連動した人材戦略のもと、企業の価値創造と持続的な発展に向けた人的資本への投資を継続していきます。また、社員とそのご家族のウェルビーイングを向上させることは創業以来、当社グループが大切にしてきた柱の一つです。働きがいと働きやすさの双方を最大化し、社員一人ひとりがより豊かな人生を送るための投資もあわせて行っていきます。
(a)戦略
人的資本経営を達成すべく、新たに人材ビジョンを定め、経営戦略に基づく計画を遂行する人材の確保および育成を進めています。
<人材ビジョン>
社員一人ひとりが専門性と独創性を磨き、挑戦を重ねながら、未来につなげる価値を創造する
<戦略>
・新しいことにチャレンジする文化と環境の醸成
・異業種との交流や連携による新たな価値の創出
・イノベーション人材の補強
これらを軸に、経営戦略の実現に向け最適で多様な人材が活躍する人材ポートフォリオを構築し、また、個人と組織の活性化を促進し、多様な個人がイノベーションや価値創造を主体的、意欲的に取り組める職場環境の構築を目指していきます。
(b)指標及び目標
当社では、上記に記載した人材育成および社内環境整備に関する方針のもと、人材の多様性確保に向け、次の指標および目標を設定しています。
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指標 |
対象 |
目標 |
実績 (2025年8月期) |
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当社 |
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※ 男性労働者の育児休業取得率は、目標の対象期間を2026年4月1日~2027年3月31日、実績の対象期間を2024年4月1日~2025年3月31日としています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループが属する市場環境について
激甚化・頻発化する自然災害への備えとして、人命・財産・地域を守るとともに、経済への影響を最小化し、被災後の迅速な復旧・復興を実現する「国土強靭化」は、将来にわたって永続的・安定的に切れ目なく推進されていく取り組みです。また、上下水道をはじめとする既存インフラの老朽化は深刻な課題となっており、戦略的な維持管理・更新が求められています。こうした社会インフラ等への投資は今後も継続される見込みであり、その中で当社グループの機械・工法は「強くてしなやかな国づくり」に貢献することを確信しています。
しかしながら、国内外の建設市場の状況、特に公共投資の動向は当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)海外事業について
当社グループは、中期経営計画2027(2025年8月期-2027年8月期)において、「海外市場への積極展開」を基本戦略の一つとして掲げ、アジア・欧州・米国などを中心に経営資源を重点的に投入し事業規模拡大を図っています。また、各国個別の建設市場状況に影響を受けにくい普遍的要素に則った事業展開を行うべく、構造物の企画・計画から、施工、完成後の維持管理までをトータルパッケージで市場に提供する体制を整えています。
しかしながら、異文化のもとでの商慣行の違い、為替レートの変動、関税をはじめとした各国の法制度や規制の変更さらには地政学リスクに起因するエネルギーや原材料価格の変動等は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)自然災害・感染症等について
重大な自然災害、感染症など深刻かつ広範囲にわたる社会的な悪影響が発生した場合においては、当社グループおよびサプライチェーンや社会全体の混乱から、当社グループの事業活動や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループではリスクの顕在化に備え、事業継続計画の策定や訓練を実施しており、重大リスクが顕在化した際には、危機管理対策本部を設置の上、被害を最小限に抑えるための適切な措置をとります。
(4)製造環境について
当社の機械は、設計を自社で行い、製造は協力企業への外注で対応しており、納期管理や品質管理方法に対する基準の徹底、製造コストや需要の変動に応じた外注先の拡大等で生産体制の維持を図っています。また、デジタル技術の活用によりサプライチェーン全体を可視化し、最適な意思決定を迅速に行える体制の構築に向け取り組みを進めています。
しかしながら、素材やエネルギーコストの変動、調達先および外注先の納期・コスト・品質等の取引条件の変動、外注先の経営状況の悪化や協力関係の解消が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)法的規制等について
当社グループの事業においては、建設業法などの法的規制を受けています。その主要な許認可等は下記のとおりです。当社グループでは現時点において、許認可等の取消または更新欠落の事由に該当する事実はありません。
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|
株式会社技研製作所 |
株式会社技研施工 |
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取得年月 |
2021年6月 |
2024年7月 |
2022年1月 |
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許認可等の名称 |
特定建設業許可 |
一級建築士事務所 |
特定建設業許可 |
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所管官庁等 |
国土交通大臣 |
高知県 |
国土交通大臣 |
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許認可等の内容 |
国土交通大臣許可 (特-3) 第19752号 |
高知県知事登録 (第1309号) |
国土交通大臣許可 (特-3) 第14570号 |
|
有効期限 |
2026年7月3日 (5年ごとの更新) |
2029年7月17日 (5年ごとの更新) |
2027年1月9日 (5年ごとの更新) |
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法令違反の要件および 主な許認可取消事由 |
不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合等 (建設業法第29条) |
建築士事務所の開設者がその建築士事務所の業務に関し不正な行為をしたとき等 (建築士法第26条第2号) |
不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合等 (建設業法第29条) |
(6)環境規制について
当社グループの製品は環境に配慮した設計で排出ガス規制と騒音規制に適合しています。これらの規制に関する当社グループの届出の内容は下記のとおりです。
当社グループでは、最新の排出ガス規制への適合に加えて、低騒音建設機械の指定、生分解性作動油の使用など、建設機械の環境対策に関して先駆的に取り組んでいます。今後も積極的に環境に配慮した製品開発を進めていきますが、社会的関心の高まりなどを背景とした規制強化が想定よりも早く進んだ場合、対応費用の発生等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
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届出の名称 |
届出先 |
法律名 |
取消事由 |
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低騒音建設機械の指定 (※) |
国土交通省 |
低騒音型・低振動型建設機械の指定に関する規程 |
・不正の手段により型式指定を受けた場合 ・指定機械が左記規程第2条第1項の騒音基準値又は第2項の振動基準値に適合しなくなった場合 ・製造の中止、商号、機械名称の変更の届出を怠った場合 |
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特定特殊自動車型式届出(※) |
環境省 |
特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律 |
・基準に適合しなくなった場合 (当該特定特殊自動車の排気管から大気中に排出される排出ガスの光吸収係数が0.50m-1を超えないもの) |
(※)いずれも株式会社技研製作所が届出を行っています。なお、いずれも有効期限は規定されていません。
(7)情報、知財管理等について
当社グループは開発型企業として機械や工法の開発、新工法の提案を継続的に進めており、これらの実現の積み重ねは、発明やノウハウ等の知的財産を含む重要な技術情報や特殊な営業情報を保有することになります。それら技術情報や営業情報等の機密情報の管理については細心の注意を払い、関連情報の改ざん、漏洩、滅失、第三者の不正使用等の情報管理に関する事故が無いよう、社内規程やマニュアルの制定、ソフトウエアおよびITインフラのセキュリティ強化、役職員への周知および教育の実施など適切な措置を講じています。しかしながら、外部からの攻撃や従業員の過失等により関連情報の漏洩、滅失等の事故が起きた場合は、当社グループの信用毀損や復旧費用が発生するなど、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)貸倒リスクについて
当社グループは与信管理を徹底し貸倒リスクを最小限に抑えるとともに、一定のルールに従い貸倒引当金を計上し経営成績に大きな影響を与えないよう対処していますが、顧客の経営状況が悪化し多額な貸倒引当金の追加計上が発生した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態および経営成績の状況
1)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ292百万円減少して47,837百万円となりました。流動資産は前連結会計年度末に比べ421百万円減少して23,849百万円、固定資産は前連結会計年度末に比べ128百万円増加して23,987百万円となりました。
流動資産減少の主因は、受取手形、売掛金及び契約資産が1,578百万円増加した一方で、現金及び預金が1,594百万円、仕掛品が640百万円減少したことによるものであります。
固定資産増加の主因は、機械装置及び運搬具等の有形固定資産が398百万円増加した一方で、投資その他の資産が274百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債の合計は、前連結会計年度末に比べ131百万円減少して7,551百万円となりました。流動負債は前連結会計年度末に比べ565百万円減少して6,747百万円、固定負債は前連結会計年度末に比べ433百万円増加して804百万円となりました。
流動負債減少の主因は、未払法人税等が386百万円、契約負債が351百万円減少したことによるものであります。
固定負債増加の主因は、長期借入金が314百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ161百万円減少して40,285百万円となりました。この主因は、株主資本が142百万円減少したことによるものであります。自己資本比率は、総資産の減少に伴い前連結会計年度末の84.0%から84.2%となりました。また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の1,511円02銭から1,523円25銭となりました。
2)経営成績
当期における国内の事業環境は、防災・減災、国土強靭化対策等による底堅い公共投資と民間投資の持ち直しにより、建設投資は堅実に推移しました。当社事業においては、災害復旧・復興事業や防災・減災対策、国土強靭化事業、インフラ老朽化に伴う更新・機能強化事業等を中心にインプラント工法※1の普及に取り組みました。その結果、河川・海岸・港湾における堤防・護岸・岸壁工事や、道路関連の橋梁・擁壁工事などで採用が進み、採用案件数は順調に推移しました。しかしながら、建設コストの上昇やそれに伴う施工量の減少、技能労働者の不足がユーザーの設備投資を冷え込ませ、一般機の販売への影響も顕在化しました。
国内事業の進捗では、積み重ねてきた工法技術提案活動の成果として、ハット形鋼矢板900㎜幅の硬質地盤への圧入が、令和7年度版国土交通省土木工事積算基準に新たに掲載されました。これにより、公共工事における標準工法として公的に認められ、今後の普及加速が期待されます。7月には、ハット形鋼矢板対応機「サイレントパイラーF301」を沖縄県の指定工場に配備し、レンタル事業を開始することで、国内全エリアで提供できる体制を整えました。
製品販売においては、ユーザーの人手不足に応える取り組みの一環として、ユーザー支援DXアプリケーション3種の提供を始めました。これは当社のクラウド型データプラットフォーム「G-Lab※2」と連動し、ユーザーの機械・現場管理の効率化や迅速な情報共有・分析、意思疎通等を可能とするものです。また当期は、ユーザーに対して顧客満足度、課題、当社への要望等についての聞き取り調査を実施しました。調査結果を当社の開発方針に反映させ、顧客ニーズにマッチした商品の開発と市場投入を加速することで、建設業の省人化・省力化に貢献してまいります。
国内工事では、埼玉県八潮市で発生した道路陥没現場において、下水道のバイパスルート構築等で無振動・無騒音、省スペース施工が可能な圧入技術が採用され、緊急対応を完了しました。事故を受けた全国の下水管調査では、計約300kmの管路が「要対策」と判定され、補修や更新が急務となっています。当社グループは今回の経験を生かし、対策工事への工法技術提案に加え、ライフラインの維持に貢献する新たな技術開発に取り組むことで、国民の安心安全に貢献してまいります。
また首都高速道路リニューアルプロジェクトのメインとなる日本橋区間地下化事業では、前期に続き、ジャイロプレス工法による河道拡幅の仮設護岸構築工事が進捗しました。本事業は2035年度の地下ルート完成を目指しており、今後も橋梁桁下部での施工など難易度の高い工事で採用が予定されています。
海外展開では、これまでの機械販売を中心としたビジネスモデルを見直し、現地パートナーとの協働体制を強化すべくユーザー向け総合支援サービス「GTOSS※3」の定着を図っています。GTOSS会員となったパートナー企業とともに、工法普及活動を実施することで、市場拡大を加速させていきます。
ヨーロッパ地域では、オランダの世界遺産「アムステルダムの環状運河地域」における護岸改修のための新技術開発プロジェクトにおいて、脱炭素に資する電動ジャイロパイラーによる商業化フェーズの工事が順調に進捗しました。また同国の治水対策事業「デルタプログラム」での工法採用を受け、現地のGTOSS会員に大型特殊機を販売しました。さらに圧入市場が根付くイギリスにおいても、同国最大のユーザーである会員の入れ替え需要に応え、Fシリーズのサイレントパイラー等を販売しました。なお同地域では、オランダとドイツのユーザーが新たにGTOSS会員に加わり、会員数は6社に増えました。
アジア地域では、域内10社目の会員としてGTOSSに新規加入した韓国のユーザーに4台目となるジャイロパイラーを販売しました。同国ではジャイロプレス工法の採用が順調に増加しており、今後も技術指導や工法技術提案におけるサポートを通じて、さらなる市場拡大を図ってまいります。
新規ユーザーの開拓では、シンガポール、インドの施工会社2社に大型特殊機など計3台を販売しました。ともに空港や鉄道、高速道路等のインフラ整備における圧入技術のニーズ増大を見込んでの新規参入であり、当社が当期に運用開始した圧入技術の研修施設「圧入道場」において教育プログラムを修了し、両国で事業をスタートしています。
北米地域では、ジャイロパイラーのレンタル運用を開始し、GTOSS会員が米国初となるジャイロプレス工法の施工をスタートしました。当社グループは同社を支援して本工事を成功に導き、施工実績を追い風にジャイロプレス工法の市場形成を推進してまいります。なお本ユーザーに対しては、米国内での市場拡大を受け、同社初となるFシリーズのサイレントパイラーを販売しております。また北米地域においては、米国の別のユーザー1社が新規でGTOSS会員となり、会員数は3社に増えました。
このような状況のもと、当連結会計年度における売上高は26,337百万円(前期比10.7%減)、営業利益は2,566百万円(同22.8%減)、経常利益は2,732百万円(同23.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,487百万円(同39.0%減)となりました。なお、元海外連結子会社との和解に伴い、特別損失として訴訟関連損失および貸倒引当金繰入額計812百万円を特別損失に計上しております。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
a. 建設機械事業
国内では、建設コストの上昇やそれに伴う施工量の減少の影響、技能労働者不足がユーザーの設備投資マインドを冷え込ませ、製品販売に大きく影響しました。海外では、GTOSS会員と連携した市場形成活動が成果を上げ、各地域で製品販売が進捗しました。加えて大型特殊機の販売も集中したことで、過去最高水準の売上高を達成しました。しかしながら、国内売上高の大幅減に伴う売上総利益の減少影響は大きく、当セグメントの売上高は17,656百万円(前期比15.7%減)、営業利益は3,892百万円(同15.8%減)となりました。
b. 圧入工事事業
国内では、工法採用が堅実に推移する中、能登半島地震にて被災した港の復旧工事(石川県)、地すべり抑止と橋梁用ケーソンへの土圧低減対策工事(福井県)、エコサイクル設置工事(兵庫県)、発電所の防潮堤基礎構築(北海道)等において工事が順調に進捗して増収となりましたが、付加価値の高い開発型案件の減少により減益となりました。この結果、当セグメントの売上高は8,680百万円(前期比1.6%増)、営業利益は1,090百万円(同6.1%減)となりました。
※1 一本一本が高い剛性と品質を有した杭材(許容構造部材)を地中深く圧入し、地震や津波、洪水等の外力に粘り強く耐える「インプラント構造物」を構築する工法。
※2 圧入施工に関するさまざまな情報をクラウド上で一元管理できるデータプラットフォーム。施工現場や機械の稼働状況、技術情報など、分散していたデータをクラウドに集約、体系的に整理・蓄積し、アプリを通じて可視化することで、現場やオフィスにおける的確な意思決定を支援します。
※3 会員ユーザーに対し、製品に加えて技術サービスなどのノウハウを提供して現場の生産性向上を図る総合支援サービス。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ794百万円減少し、5,275百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況につきましては次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前期と比べ1,761百万円減少して1,377百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,878百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,135百万円(前期は55百万円の収入)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入4,860百万円、定期預金の預入による支出4,060百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前期と比べ1,547百万円減少して953百万円となりました。これは主に、配当金の支払額1,177百万円等によるものであります。
③生産、受注および販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
建設機械事業 |
16,865 |
75.4 |
|
圧入工事事業 |
8,680 |
101.6 |
|
合計 |
25,546 |
82.6 |
(注)1.金額は、販売価格で表示しております。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
建設機械事業 |
10,496 |
107.2 |
1,164 |
117.2 |
|
圧入工事事業 |
8,041 |
96.1 |
1,926 |
75.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.建設機械事業の金額については、製品の受注状況を記載しております。保守サービスおよびレンタルについては、受注から売上計上までの期間が短期間であることや金額的重要性が低いことから、記載を省略しております。また、製品は受注生産を採用しておりますが、一部製品については見込み生産を採用しております。
3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
建設機械事業 |
17,656 |
84.3 |
|
圧入工事事業 |
8,680 |
101.6 |
|
合計 |
26,337 |
89.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
伊藤忠TC建機株式会社 |
3,404 |
11.5 |
- |
- |
3.当連結会計年度の伊藤忠TC建機株式会社については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、採用している重要な会計基準は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
1)経営成績等
a. 財政状態
当該事項につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態および経営成績の状況 1)財政状態」に記載のとおりであります。
b. 経営成績
当該事項につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態および経営成績の状況 2)経営成績」に記載のとおりであります。
c. キャッシュ・フロー
当該事項につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、指標のトレンドを示しますと以下のとおりであります。
|
|
2023年8月期 |
2024年8月期 |
2025年8月期 |
|
自己資本比率(%) |
77.0 |
84.0 |
84.2 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
107.5 |
99.2 |
80.6 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) |
40.8 |
11.6 |
86.7 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
39.0 |
539.9 |
143.3 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
2)資本の財源および資金の流動性
当社グループにおける主な資金需要は、圧入の原理に基づいた新工法および圧入機製品の開発投資に必要な研究開発投資(材料費・労務費等)、ならびに圧入機製品の製造に係る費用(材料費・外注費・労務費等)であります。
これらの資金需要に対する資金調達については、中長期的な事業戦略、当社グループの事業に対するリスクを勘案し、最適な方法での実施を検討いたします。
3)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「中期経営計画2027(2025年8月期-2027年8月期)」を策定し、売上高、海外売上比率、営業利益およびROEについてそれぞれ数値目標を定め、その達成に向けて取り組んでおります。なお、「中期経営計画2027(2025年8月期-2027年8月期)」に関しては、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」および「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
取引に関する契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
契約内容 |
契約期間 |
|
㈱技研製作所 (当社) |
㈱垣内 |
当社製品の外注加工について、発注、原材料等の支給、納入条件、品質保持、支払条件、秘密保持等について基本契約を結び、相互に安定した取引の継続を図っております。 |
自 2025年8月1日 至 2026年7月31日 (1年毎の自動更新) |
当社グループは「インプラント工法で世界の建設を変える」という経営方針を基に、圧入原理の優位性を核とした自流独創の発明力で、建設工事における様々な制約を克服することで、インプラント工法のグローバル展開を推進しています。主に、油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラー」とその周辺機器の研究開発および、機械式駐車場・駐輪場を主体とする地下関連の開発ならびに建築分野など未開拓領域への事業拡大に向けた工法開発を行っています。
当連結会計年度につきましては、建設業界をはじめ社会全体が抱える課題の解決、ひいてはサステナブルな社会の実現に貢献するため、機械・装置の高効率化、好条件化、無人化、省力化、電動化およびグローバル化に向けた研究開発を重点的に行っており、研究開発費の総額は
研究開発活動は建設機械事業で行っており、主な内容は次のとおりであります。
①現場の労働力不足に対応する新自動運転技術、遠隔操作技術
建設業界で深刻化している労働力不足などの社会課題に対し、経営や工事に関わるプロセス全体の合理化、最適化につながる画期的なソリューションを提供するため、DXによる次世代の圧入施工技術を開発しています。当連結会計年度においては、当社が構築したクラウド型データプラットフォーム「G-Lab」(ジーラボ)を基盤としたWebアプリ「G-Lab Fleet」(ジーラボ フリート)、「G-Lab Site」(ジーラボ サイト)、「G-Lab Finder」(ジーラボ ファインダー)の3種類のサービス提供を開始いたしました。
<機械管理アプリ「G-Lab Fleet」(ジーラボ フリート)>
保有している機械の現在位置や稼働状況をひと目で把握でき、現場と事務所など離れた拠点間でもスムーズな情報共有が可能です。機械にアラートが発生した際は、アプリ上で即座に内容を確認できるため、迅速な初動対応が可能となり、現場のダウンタイムを最小限に抑えられます。また、日別・月別の稼働時間をグラフで可視化・分析できるため、施工サイクルタイムの改善や燃料コストの削減などにも活用できます。
<現場管理アプリ「G-Lab Site」(ジーラボ サイト)>
受注した圧入工事の現場情報と、圧入データ(杭ごとの貫入抵抗や掘削トルク・所要時間等)を一元管理できます。圧入データは、機械からクラウドへ自動アップロードされるため、現場や事務所での操作は不要。工事日程と圧入データを連動させた進捗管理も可能です。
また、現場の写真や図面なども、各現場に紐づけてアプリ上で管理できるので、関係者間で共有・閲覧でき、迅速な意思疎通が図れます。蓄積された施工実績データは、工種や目的別に検索・参照することができるため、将来の工事受注時の意思決定にも活用できます。
<技術情報検索アプリ「G-Lab Finder」(ジーラボ ファインダー)>
圧入施工に関する広範な技術資料を、カテゴリ・キーワードで検索可能です。よく閲覧する資料はお気に入り登録が可能で、過去の閲覧履歴からも再検索できるため、資料を探す時間を大幅に削減できます。また、圧入施工に関するFAQ(よくある質問)も公開し、24時間いつでも必要な情報にアクセスできます。
②温室効果ガス排出の低減に向けた電動化技術
国ごとに異なる環境規制や現場条件により、用いられる製品の種類、求められるスペックは異なります。当社は、規制や条件に応じた最適な脱炭素技術を提供し、顧客の選択肢を広げることが、圧入業界の成長、カーボンニュートラル実現の加速につながると考えています。
<バッテリー式の電動パワーユニット>
当機は油圧式杭圧入引抜機の動力源で、外部給電式と異なり給電ケーブルを接続し続ける必要がなく、移動範囲の制約を受けません。これにより、電動化のメリットである省エネルギー性・低騒音性といった環境性能に加え、現場導入が容易となり、CO2を排出しないゼロエミッション圧入施工のグローバルな拡大が期待できます。今後は、量産化に向けた課題の抽出および改良を迅速に進め、早期市場投入とGX建設機械の認定取得に向けた取り組みを推進していきます。
③インフラリメイクを加速させるための、硬質地盤での施工効率向上、および適用範囲を拡大させる製品開発
当社は厳しい条件下でも施工を可能とする画期的なソリューションを提供し、国土強靭化やインフラの長寿命化、サステナブルな社会に貢献するため、油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラー」とその周辺機器の開発を進めています。
<新型アタッチメント「ハンドリングシステムAM100B」>
ハンドリングシステムは、橋梁下での施工など空頭制限下で「硬質地盤クリア工法※」を実施する際に、パイルオーガの吊り込み・ケーシングの接続・切離等の作業を安全かつ効率的に実施することができるアタッチメントです。一般的なクレーンを用いる場合の空頭制限は11mですが、「ハンドリングシステム」を用いることで空頭制限7mまで施工範囲が広がります。
新型機は、吊り込み装置が過負荷を自動検出し安全に停止させる機能や、誤侵入防止用の開閉ガードの追加、高所での玉掛け作業の解消、吊りワイヤーの過度な張りを防止する機能など安全性を大きく向上させています。
※ 杭圧入と、当社圧入機に搭載したパイルオーガによる掘削を連動させることで、硬質地盤への圧入施工を実現する工法。他工法と異なり、機械1台で地盤掘削と杭圧入が可能なため、工期・工費を縮減できます。