文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社は、「音と映像で社会を豊かに」を企業理念に掲げ、設立以来、感動を伝える音声・映像関連の独自技術の研究開発を通じて、豊かな社会の創造に貢献する企業となることをめざしております。
当社は、設立以来、主に音声・映像関連の技術を得意として研究開発を行い、「CRIWARE」として、ゲーム業界を中心としたエンターテインメント業界に展開してきました。今後は、ゲーム事業で得られた技術やノウハウ、知見、資金を、エンタープライズ事業の研究開発や営業強化に投下することで、事業領域を拡げ、グループ全体で飛躍的な成長をめざしております。
中期的には、中期経営計画(2026-2030)のもと、ゲーム中心の事業構造を、2030年度までにモビリティ、ゲーム、オンラインコミュニケーションをコア事業とした事業構造に変革し、売上高100億円企業グループとなることをめざしております。
当社グループは、中期経営計画(2026-2030)のもと、2030年度までにモビリティ、ゲーム、オンラインコミュニケーションをコア事業とした事業構造に変革し、売上高100億円企業グループとなることをめざしており、2030年度の目標とする経営指標(KPI)として以下を設定しております。当該KPIを採用した理由は、投資家が当社グループの経営方針・経営戦略等を理解するうえで重要な指標であると判断したためであります。
なお、当該KPIの各数値については、有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
(2030年度のKPI目標値)
・売上高 100億円
・営業利益率 20%
・許諾売上高比率 60~70%
・ROE 15%以上
当社グループを取り巻く経営環境は、技術革新のスピードが速く、最新のトレンドが目まぐるしく変化する厳しい環境です。また、各国の通商政策等の影響を受けた海外の経済・物価動向を巡る不確実性はなお高い状況が続いており、その金融・為替市場やわが国経済・物価への影響については、十分注視する必要があります。
このような環境の中、当社グループは、ゲーム事業で得られた技術やノウハウ、知見、資金を、エンタープライズ事業の研究開発や営業強化に投下することで、事業領域を拡げ、グループ全体で飛躍的な成長をめざします。また、モビリティやオンラインコミュニケーションミドルウェア「CRI TeleXus(シーアールアイ テレクサス)」などへの継続投資に加え、次世代の新製品への積極的な技術開発投資を行ってまいります。
セグメント別には、次の課題に取り組みます。
① ゲーム事業
国内向けは、音声解析リップシンクミドルウェア「CRI LipSync」の次世代版リリースや、映像関連ミドルウェアの拡販を推し進め、ゲームタイトルでの採用拡大をめざします。「CRI TeleXus」については、ボイスチェンジなどの新機能を開発し、新たな適用先や活用方法の創出を目論みます。また、CRIWAREユーザー拡大に向けて、インディーゲームイベントへの協賛・出展や専門学校での特別講義などを積極的に行い、業界内コミュニティの形成や認知度向上にも引き続き注力いたします。
海外向けは、中国市場および欧米市場ともに映像関連ミドルウェアを中心に拡販を強化いたします。加えて、中国市場はアカウント営業を強化し、顧客との関係強化を目論みます。欧米市場は、直接販売と代理店販売を効果的に組み合わせ、市場での認知度向上に努めます。
② エンタープライズ事業
モビリティ分野につきましては、既に実績を積み上げている車載サウンドソリューション「CRI ADX Automotive」に加え、新製品となる車載メーターグラフィックソリューション「CRI Glassco」の採用台数増に向け、引き続き営業活動を強化いたします。特に海外市場展開を見据え、製品のグローバル化を推し進めるとともに、海外顧客との関係強化に努めます。
組込み分野につきましては、カラオケ案件の継続的な受注増に向け邁進するとともに、新たな継続取引先の獲得に努めます。また、組込みマイコン用のサウンドミドルウェア「CRI D-Amp Driver」にGaN半導体を組み合わせた「CRI D-Amp Driver × GaN」を新規展開するとともに、高圧縮トランスコードシステム「CRI DietCoder」をベースとした次世代映像ソリューションの開発に着手いたします。
クラウドソリューション分野につきましては、リアルタイム処理技術、動画・静止画に係る技術を集約した新製品の研究開発投資を上期中に完了させ、下期での市場投入を目論みます。また、当社の強みを活かすことができ、許諾売上または保守・運用業務までを見据えることができる受託案件の獲得をめざします。
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組は、次の通りです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) サステナビリティの基本方針と取組み
当社は音と映像で社会を豊かにという企業理念のもと、主に音声・映像関連の研究開発を行い、その成果であるミドルウェア製品ブランド「CRIWARE」を様々な分野へ展開してまいりました。従来のゲーム分野で培った経験を基にモビリティ分野やオンラインコミュニケーション分野に事業拡大を推進しておりますが、この取組を通じて、持続可能な社会の実現に貢献したいと考えております。
また、そのような事業展開を継続・加速させていくためには、多様な人材の活躍支援、社員の能力発揮を後押しする学びの支援、安心して長く活躍できる基盤作り等を通して、社会やお客様への価値提供の源泉である人材の活躍を支援することが肝要であると考えております。
(2) 事業活動を通じた持続可能な社会の実現に対する取組み
当社は注力分野であるモビリティ分野において、CRI ADX® Automotive、CRI D-Amp Driver®、CRI SOLIDAS™などの当社製品を他社製品に採用していただくことを通じて持続可能な社会の実現に資する製品の提供を進めております。
①ガバナンス
サステナビリティに関する方針や計画については、業務改革委員会の中に設けられたサステナビリティ分科会にて議論を行い、適時に定時取締役会や業務改革委員会に報告を実施しております。
②戦略
自動車向けの「CRI ADX® Automotive」は、自動車に関するサウンド(メロディ音や音声ガイド)の開発を支援するソリューションです。サウンド出力においては内包するソフトウェア「CRI D-Amp Driver®」を使うことで、音声ICハードウェア部品を削減可能です。これにより採用製品の小型化、手配部品・保守部品の削減に貢献し、限られた地球資源を有効に活用することにつながります。
「CRI SOLIDAS™」ではD-Amp Driver®をさらに発展させました。SOLIDASはサウンド出力に加えて、サウンド入力、音声信号処理(ノイズキャンセル、エコーキャンセル、イコライザーなど)も内包した新世代のフルデジタルオーディオ用ソリューションです。サウンドに関わる機能を多く内包することで、さらに製品の小型化や部品点数の削減に貢献いたします。
③リスク管理
リスク管理については、年1回の事業計画立案時、並びに必要性に応じて社長によるレビューを行い、サステナビリティに関わる潜在的なリスクや機会を特定し、適切な対策を講じます。
CRI ADX® Automotive、CRI D-Amp Driver®、CRI SOLIDAS™の売上高を着実に成長させることで持続可能な社会の実現を目指します。(25期実績647百万円、26期予算759百万円)
(3)人的資本に対する取組み
当社における、主な人材の活躍支援に対する考え方および取組は以下の通りです。
・多様な優秀人材の獲得
当社では、新卒・中途問わず社会やお客様への価値提供の源泉となる優秀な人材の獲得を実施しております。また、選考において、性別等のあらゆる属性を問わず積極的に採用しており、その方針を今後も継続してまいります。
・社員の能力発揮を後押しする学びの支援
当社では、入社後に実施する新入社員研修、昇格者を対象とした階層別研修、社内有志で実施のライトニングトークの場に加え、23期よりe-learning研修導入を行いました。その他、社員が「やりたい!」と自主的に考えたアイディアを発表するチャレンジ奨励制度や従業員が自ら学ぶ姿勢を奨励し、能力開発を支援することを目的とする資格取得手当の支給等の制度も具備しております。このような学びの支援を通じて、多様な人材の活躍を後押ししております。
・安心して長く活躍できる基盤作り
当社では、あらゆる属性を問わず、優秀な人材がそれぞれのライフステージの変化に対して柔軟に安心して活躍できるよう、年間5日を上限に取得できる時間単位の年次有給休暇制度、小学校卒業まで利用できる育児短時間勤務制度や出産・育児休業取得制度などの整備及び活用支援を行っております。
②指標および目標
上記で記載した基本方針・戦略(人的資本について)に則り、人材の多様性を含む人材の育成に関する方針、社内環境整備に関する方針に係る指標として次の指標を用いております。
当該指標に関する目標および実績は、次の通りです。
※当社グループでは、上記において記載した方針および指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組が行われているものの、連結グループに属するすべての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難です。このため、上記の指標に関する目標および実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。今後についてはグループ会社への適用拡大を検討する予定です。
以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクとはいえない内容についても、投資家の投資判断において重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示いたします。
なお、当社グループはこれらのリスクが発生する可能性を十分認識した上で、発生の回避や、万が一発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に対する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討された上で行われる必要があります。また、本項の記載内容は、当社グループの事業もしくは当社株式への投資に関するリスクのすべてを網羅するものではありません。
なお、本項における記載事項は、当連結会計年度末現在における当社の認識を基に記載したものであり、将来の環境の変化等によって、本項の認識が変化する可能性があります。
① 事業内容に関するリスクについて
a. 当社のゲーム向け音声・映像関連製品は、国内市場においては、これまでの導入実績やサポートノウハウ、顧客との信頼関係が構築されていることから、他社の競合製品より優位性があると考えており、安定的な収益基盤となっております。また、他社が優位性の高い製品や当社製品の代替となり得る技術を市場投入した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
b. 当社のモビリティ市場向け事業は、体制を強化し、将来の中核事業として育てるための開発投資を継続実施しております。今後、主要顧客との取引関係や自動車業界の動向に変化が生じた場合や当社技術、製品が組み込まれた部品やシステム等において当社起因による不具合が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
c. 当社のCRI TeleXusは、映像や音声、情報をリアルタイムに送受信するプラットフォームとして、技術開発投資を継続実施しております。今後、予期できない各国の法令・規制等の制定、強化によって、製品仕様に多大な変更を行う必要が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 海外事業に関するリスクについて
当社グループでは、現在、ゲーム関連市場の拡大が期待される中国を中心に海外事業を展開しております。海外での事業活動におきましては、予期し得ない政策、法制度および許認可制度等の変更、経済情勢の悪化や日本との関係の悪化等の社会環境の変化、テロ・戦争の発生等の影響、感染症の流行による社会的混乱等のリスクが潜在しており、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ サイバー攻撃に関するリスクについて
当社グループは、顧客・取引先等の機密情報や個人情報、自社技術に関する知的財産等を保有しております。当社グループでは、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を認証取得するとともに、これらの情報の外部への不正な流出、漏洩を防止するために、社内研修を通じた社員への啓蒙活動を継続的に実施するなどの施策を講じております。しかしながら、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルスの侵入等により、当社グループが保有する機密情報や個人情報、自社技術に関する知的財産等が外部へ流出、漏洩した場合等には、損害賠償請求等が発生するリスクや、信用が失墜するリスクがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 会社組織のリスクについて
当社グループの製品開発は高い技術力が必要となるため、優秀なエンジニアを採用して、育成することが重要な課題であります。そのため当社グループでは、高い資質を持つ人材を採用するために、働く環境や処遇面の改善に取り組んでおりますが、今後、人材の獲得競争が激化する等により、エンジニア採用に支障が生じたり、離職者が著しく増加した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 投資リスクについて
当社グループは、M&Aや資本業務提携による積極的な事業拡大を推進しております。投資対象の検討は慎重に行っておりますが、投資後、計画通りに進まない場合には、投資有価証券評価損が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ その他
a. ストックオプション及び第三者割当新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は、取締役及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を高めることを目的に、会社法の規定に従ってストックオプションとして、2018年2月15日に第5回新株予約権(2018年1月18日開催の取締役会決議)を発行しております。また、第三者割当新株予約権として、2021年1月12日に第4回無担保転換社債型新株予約権付社債(2020年12月24日開催の取締役会決議)を発行しております。2025年9月末日現在、新株予約権の潜在株式数の合計は692,137株であり、発行済株式総数5,578,150株の12.4%に相当します。
これらが行使された場合、当社株式価値の希薄化や株式売買の需給への影響をもたらし、当社グループの株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
b. 特許など知的財産や訴訟に関するリスクについて
当社は製品開発を通じて多くの技術やノウハウを蓄積し、その性質に応じて特許権の取得や営業秘密による秘匿化を適宜行っております。しかしながら、当社の事業分野で第三者による知的財産権が成立する等により、当社が意図せず第三者の知的財産権を侵害、訴訟対象となった場合には、損害賠償請求等が発生するリスクや、信用が失墜するリスクがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、各国の通商政策等の影響を受けて一部に弱めの動きもみられるが、企業収益は、製造業において関税による下押しの影響があるものの、全体としては高水準を維持し、業況感も良好な水準を維持しており、景気は緩やかに回復しております。
当社グループを取り巻く事業環境については、モビリティ業界において、SDV(Software Defined Vehicle)の開発が注目を集めており、ゲーム業界でミドルウェアを開発し培ってきた当社の技術と知見が、モビリティ業界で活用できる環境やタイミングが整いつつあります。また、「2025大阪・関西万博」では、リアル会場での盛り上がりと同時に、バーチャル万博が併設され、オンライン空間上で大勢の人がコミュニケーションを行うなど、オンラインコミュニケーションの活用はリアルとバーチャルのハイブリッドという形で着実に進展しております。
これらの状況下、当社グループは、モビリティやオンラインコミュニケーションなど今後成長が見込める事業、市場を見据えた研究開発体制を整備するとともに、新製品の創出や海外展開の推進など事業基盤の拡大、グループシナジーの創出に注力いたしました。
当連結会計年度の業績は、売上高3,448,587千円(前期比8.9%増)、営業利益554,381千円(前期比50.5%増)、経常利益566,774千円(前期比47.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益420,710千円(前期比38.2%増)となりました。
セグメント毎の経営成績は、次のとおりであります。
(ゲーム事業)
当社製ミドルウェア「CRIWARE(シーアールアイウェア)」等の国内許諾売上は、提案営業強化により、新規顧客を含む複数の一括契約を獲得したことにより、増加いたしました。海外向けは、中国において第3のOSがローンチされた効果と、欧米展開が着実に進み、増加いたしました。株式会社ツーファイブが行う音響制作は、中国企業から大型のボイス収録業務を複数受注したことに加え、既存顧客からのリピートオーダーが堅調に推移し、増加いたしました。なお、オンラインコミュニケーションミドルウェア「CRI TeleXus」への研究開発投資は当セグメントにおいて継続して行っております。当セグメントの売上高は1,807,021千円(前期比7.8%増)、セグメント利益は186,207千円(前期比59.5%増)となりました。
(エンタープライズ事業)
モビリティ分野の売上は、新製品「CRI Glassco」の採用数が年間を通して期初予想を大きく上回ったことにより、大幅に増加いたしました。組込み分野の売上は、上期にカラオケの一括許諾売上やリアルカジノ向けの年間許諾売上が計上されたものの、下期は前期にあったような大型の許諾売上が計上できず、減少いたしました。クラウドソリューション分野の売上は、R&Dフェーズへのシフトのため、受託業務量を計画的に減らしたことにより、概ね予定どおり減少いたしました。当セグメントの売上高は1,641,565千円(前期比10.1%増)、セグメント利益は368,173千円(前期比46.3%増)となりました。
(資産の部)
当連結会計年度の資産の部は、前連結会計年度末に比べて479,633千円増加し、5,839,834千円となりました。これは主に、「現金及び預金」の増加(前連結会計年度末に比べて615,953千円の増加)及び「投資その他の資産」の増加(前連結会計年度末に比べて115,284千円の増加)があった一方、「売掛金及び契約資産」の減少(前連結会計年度末に比べて150,566千円の減少)及び「無形固定資産」の減少(前連結会計年度末に比べて100,938千円の減少)によるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度の負債の部は、前連結会計年度末に比べて149,647千円増加し、1,741,784千円となりました。これは主に、「賞与引当金」の増加(前連結会計年度末に比べて43,330千円の増加)、「その他流動負債」の増加(前連結会計年度末に比べて147,913千円の増加)及び「未払法人税等」の増加(前連結会計年度末に比べて17,595千円の増加)並びに「長期未払金」の増加(前連結会計年度末に比べて114,525千円の増加)があった一方、「買掛金」の減少(前連結会計年度末に比べて30,299千円の減少)及び「退職給付に係る負債」の減少(前連結会計年度末に比べて143,416千円の減少)によるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度の純資産の部は、前連結会計年度末に比べて329,985千円増加し、4,098,049千円となりました。これは主に、「親会社株主に帰属する当期純利益」の計上による「利益剰余金」の増加(前連結会計年度末に比べて316,207千円の増加)及び「非支配株主持分」の増加(前連結会計年度末に比べて14,143千円の増加)によるものであります。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は849,681千円(前連結会計年度は328,334千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上566,774千円、減価償却費の計上128,275千円及び売上債権の減少額260,084千円並びに賞与引当金の増加額43,330千円の資金の増加要因があった一方、仕入債務の減少額30,299千円及び法人税等の納付額120,149千円の資金の減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は135,079千円(前連結会計年度は9,122千円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出100,000千円及び有形固定資産の取得による支出18,270千円並びに敷金及び保証金の差入による支出14,785千円の資金の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により支出した資金は104,503千円(前連結会計年度は77,866千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払いによる支出104,503千円の資金の減少要因があったことによるものであります。
当連結会計年度の当社グループに係る生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。
なお、当社グループは、ミドルウェア使用許諾及びサポートによる売上が主であり、生産、受注という概念と馴染まないため、下記、生産実績及び受注状況の表については受託売上について記載しております。
当連結会計年度の生産実績を分野ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。
当連結会計年度の受注状況を分野ごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度の販売実績を分野ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別は、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確定性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。この連結財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(売上高)
ゲーム事業においては、ミドルウェア一括ライセンス契約の獲得、中国での第3のOSローンチ及び欧米展開の着実な進捗に加え、音声収録業務においても大型ボイス収録案件の獲得や既存顧客からのリピートオーダーにより堅調に推移し、増収となりました。エンタープライズ事業においては、モビリティのライセンス売上の大幅な増加及びカラオケ案件やリアルカジノ向けの許諾売上獲得により増収となりました。その結果、売上高は3,448,587千円(前連結会計年度比8.9%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は1,375,019千円(前連結会計年度比5.2%減)となりました。これは主に、クラウドソリューションのR&Dフェーズへのシフトにより受託業務量が減少したため、それに伴う外注費及び業務委託費も減少したことによるものであります。この結果、売上総利益は2,073,567千円(前連結会計年度比20.8%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は1,519,186千円(前連結会計年度比12.6%増)となりました。これは主に、賞与引当金の繰入及び研究開発費の増加によるものであります。なお、当連結会計年度における研究開発費は187,867千円(前連結会計年度比17.6%増)となりました。この結果、営業利益は554,381千円(前連結会計年度比50.5%増)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
営業外収益は、主として受取配当金及び補助金収入等により17,253千円(前連結会計年度比3.8%減)となり、営業外費用は、主として為替差損により4,860千円(前連結会計年度比67.9%増)となり、この結果、経常利益は566,774千円(前連結会計年度比47.8%増)となりました。
(特別損益及び税金等調整前当期純損益)
特別損益は、発生はありませんでした(前連結会計年度は該当なし)。この結果、税金等調整前当期純利益は566,774千円(前連結会計年度比47.8%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
税金費用は、137,459千円(前連結会計年度比61.6%増)となり、この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は420,710千円(前連結会計年度比38.2%増)となりました。
当社グループにおける中長期的な事業拡大と企業価値向上のために必要な資金需要の主なものは、人件費等の原価、販売費及び一般管理費の営業費用及び研究開発費であり、自己資金により賄っております。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの主な増減要因につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」欄に記載のとおりであります。
当社グループは、中長期的な事業拡大と企業価値向上をめざしており、売上高の持続的な成長と20%程度の営業利益率を重要な経営指標としております。ただし、新たに発表した中期経営計画(2026-2030)において、次期からは新たな経営指標を設定しております。
当連結会計年度は、売上高3,448,587千円(前期比8.9%増)、営業利益554,381千円(営業利益率16.1%)となりました。エンタープライズ事業の許諾売上がモビリティ分野および組込み分野で大きく増加し、3期連続の増収増益となっております。
販売等の契約
研究開発をベースに許諾製品を開発することが当社の主要ビジネスであるため、新技術の検証や研究には柔軟に工数を割りあてております。
音声・映像・画像分野の最新技術動向や各業界が抱える課題を把握しつつ、製品化を見据えた研究開発を行っております。また、顧客や見込み顧客と接する中で、必要とされる技術、必要とされそうな技術テーマについても取り組んでおります。
音声・映像・画像にかかわる技術を核として、ゲーム向けや、ネットワーク通信関連の研究開発を進めております。
既に提供中のツール・ミドルウェアについても、新規プラットフォームの対応や、機種固有機能の活用などの研究開発を行っております。
また「SDV(Software Defined Vehicle)」などに代表される従来とは異なるモノづくりを、当社が持つソフトウェア技術とハードウェア技術で支えられるように研究開発を進めてまいります。
各開発チームが担当する顧客分野において、必要とされる技術を中心に開発本部長が方針を決定し、研究開発を進めております。開発チーム間での情報共有を行い、研究成果は他分野への活用も模索いたします。製品化の目途が立った段階で、経営判断を行い製品開発にシフトいたします。また、研究開発の後に顧客との受託契約を締結し、受託開発に移行する場合もあります。
セグメントごとの主な研究開発活動は次のとおりです。
(ゲーム事業)
音声技術として「CRI ADX」の立体音響機能について、さらに高次のAmbisonicsに対応し、音の空間表現力が大幅に進化しました。高次のAmbisonicsでは、音の方向や距離感をより細かく再現できます。また「CRI LipSync」の次世代ツールとして「CRI LipSync Alive」を提供開始しました。これまで音声解析結果を5母音だけで表現していましたが、9つの子音を加えました。これにより英語やフランス語などに必要不可欠な口の動きを再現します。
映像技術として「CRI Sofdec」でAV1コーデックに対応しました。AV1コーデックは国際的な業界団体であるAlliance for Open Mediaが策定した動画圧縮技術です。圧縮効率が圧倒的に高く、同じ画質ならデータサイズが小さくなります。小さくなることでデータ転送量が減り、サーバーやネットワークの電力消費も削減されます。
また今期は新たなプラットフォームにも対応しました。これにより新しいプラットフォームのゲーム開発を促進、多様なゲームラインナップと新たな遊びの創出を実現します。
(エンタープライズ事業)
音声技術として「CRI D-Amp Driver」において、さらに小型化/低発熱/省電力化に貢献するため研究開発を進めております。小型化によりスピーカーや機器がコンパクトになり、デザインの自由度が広がります。低発熱によって、車載などの過酷な環境下でも安定して動作します。省電力化によって、バッテリー寿命が伸び、CO2排出削減や省エネ規制対応にも貢献します。
なお、当連結会計年度における研究開発費総額は、