第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

〔経営方針〕

 当社グループは、ライオン事務器の社是「わが社は、常に新しい事務機器・事務システムを提供し、事務の合理化と能率向上に資し、企業の繁栄と社会の福祉に貢献できることを念願とする。」の精神に則り、グループ連携により「メーカー機能」と「商社機能」を駆使し幅広い需要を取り込んだ「オフィスまるごと提案」に取り組んでまいります。「メーカー機能」としては、LIONのナショナルブランドを冠したオリジナル製品を関係会社や協力会社が製造し、「商社機能」としては、当社製品でカバーできないニーズに対して他社商品を仕入れることで柔軟な対応に心がけております。

 社会環境の変化を敏感に捉え、ビジネスモデルの変革を常に意識し、顧客との信頼関係の維持と新たなパートナーシップの創出に努めることで、安定的に成長する経営を目指します。

〔経営環境・優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題〕

 当連結会計年度における我が国経済は、米国の高関税政策の影響を受けやすい製造業の収益にかげりが見えたものの、非製造業では高い水準が維持され、情報関連インフラ等への投資も旺盛であり、国内景気は堅調に推移しました。また大阪・関西万博の開催もあり訪日外国人観光客数が過去最高を記録する等インバウンド需要も景気の押し上げに働きました。

 一方、物価上昇はあらゆるところに影響を及ぼしており、先行きは依然不透明な状況が続いております。

 かかる環境下、当社グループは企業価値の向上を目指すべく、以下を経営戦略として掲げております。

 

(1)時代の変化に対応

 市場環境・業界動向に変化がある中、コロナ禍を経てオフィス回帰が本格化しています。Web会議やリモート会議が主流となり、個室ブース「DelicaBooth(デリカブース)type S」を中心とした商材が引き続き好評を得ております。またサステナビリティやSDGsへの取り組みとして再生材の有効活用を意識し、背・座シェルと脚端パーツに再生率100%の樹脂を使用した「スタッキングチェアー No.1070シリーズ」等、環境負荷低減に貢献する商品開発を行っております。このほか、2027年に蛍光灯の製造・販売が中止になることを受け、LED照明への切り替え需要も多く見込んでおります。また、オフィス内の電源確保や災害時・緊急時の非常電源としても利用できるポータブルバッテリー「PoPoHu(ポポフ)」等の仕入商材も提案に取り入れ、時流に合わせた働く環境を複合的な面から継続的にサポートする「オフィスまるごと提案」を軸に営業活動を推進しております。

 BtoC向け商材として、文具・事務用品では、趣味のコレクション整理等に使用する推し活向けアイテム「Fandes(ファンデス)」と「ポッケde整理A5判」を新たに発売し、幅広い世代をターゲットとして展開しております。

 文教事業においては、GIGAスクール需要第1期で導入された端末の更新時期に入ったため、現在利用している端末の運用サポートやICT機器のリプレイス案件が中心となりました。GIGAスクール構想第2期の需要は翌連結会計年度にかけて継続する見込みです。また教員用端末や校務システムの更新も多くあり業績の下支えとなりました。

 関西エリアにおいては、今期開設いたしました大阪プレゼンテーションルーム「soLid LABO(ソリッドラボ)」で「学校×LION」と題し、ICT機器だけでない学校環境の提案を行うイベントを開催し、教育委員会に向けた訴求活動も行いました。少子化が進む中、あらゆる角度から提案の幅を広げてまいります。

 また社内では、将来のAI活用を見据えて基幹システムの整備や営業関連システムの導入を進めております。受発注データや、SFA・CRMで収集・蓄積したデータをAIで分析し、営業活動の見える化、顧客管理の強化、営業活動の支援と高度化につなげてまいります。

 

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(2)新規取引の拡大

 販売店事業における従来からのルート営業に加え、エンタープライズ事業における大手パートナー企業との協業や新規法人顧客との直接取引の拡大を図り、新たな収益基盤の柱を構築してまいります。

 

(3)持続的な成長に向けたマーケティング戦略

 社会環境がDX(デジタルトランスフォーメーション)へ向かう中、RPAやSFAの導入で事業の効率化を図り、生産性を向上させております。また、今後CRMの導入も検討しており営業支援体制を強化することで、付加価値の高い提案に努めてまいります。

 

(4)安定した収益基盤の確立

 ECプラットフォーム「ナビリオン(NAVILION)」で、オフィスサプライ品を継続して購入していただく顧客を増やしていくことは、ストックビジネスの強化につながります。また、訪問営業がし辛い遠隔地顧客への電話やメールでのインサイドセールスも強化することで、事業ポートフォリオの組み替えも実施してまいります。

 

(5)コーポレート・ガバナンスの強化

 内部管理体制の拡充、コンプライアンス経営の徹底を通じて企業価値の向上に努めることをコーポレート・ガバナンスの基本方針とし、企業価値の最大化に努めてまいります。また、企業法務のみならずメーカーとして知的財産を含めた法務体制を高度化させるとともに、社員のリーガルマインド向上を目指します。さらにコンプライアンスやリスクマネジメントも機能強化を図ります。

 

(6)社員の処遇向上と働きがいのある職場環境の醸成

 社員の処遇改善や給与体系の見直しを図るべく121期よりスタートした人事制度を基に、全社員が幸せを実感でき、働きがいのある職場環境の整備、ウェルビーイングの向上に努めてまいります。また女性管理職を増やし活躍の場を積極的に提供すべく、女性活躍推進プロジェクトはスタートから3期目に入りました。

 

 上記の戦略に取り組むべく、経営資源を投入してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループは、ライオン事務器の「わが社は、常に新しい事務機器・事務システムを提供し、事務の合理化と能率向上に資し、企業の繁栄と社会の福祉に貢献できることを念願とする。」という社是のもと、サステナビリティに取り組んでおります。サステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりとなります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社グループでは中期経営計画においてサステナビリティに関する考え方として、環境、社会、ガバナンスの観点に基づき、特に優先する重要課題をマテリアリティに定め、事業活動の経済的側面・社会的側面・環境的側面の重要性を認識したうえで、企業の社会的責任を果たすべく経営に取り組んでおります。マテリアリティは、「SDGs、ESG対応」および「気候変動への対策」の2つの大項目に分類しております。

サステナビリティに関する取組は、2か月に1回開催されるコンプライアンス・リスクマネジメント委員会においてモニタリングしており、取締役である同委員長が直後の取締役会にて報告することで、サステナビリティ経営を監督するというガバナンス体制をとっております。

 

〔当社グループのマテリアリティ〕

 

SDGs・
ESG対応

気候変動
への対策

1.製品・サービスを通じた、心地よく働ける環境づくり

 

2.持続的な成長に向けたビジネスモデルの変革〔気候変動〕

 

3.働きがいのある職場環境づくり〔Well-being〕

 

4.ダイバーシティの推進

 

5.コーポレート・ガバナンス、内部管理体制の整備

 

 

(2)リスク管理

当社グループは、リスク管理体制を統括する機関としてコンプライアンス・リスクマネジメント委員会を設置し、2か月に1度開催しております。同委員会では、サステナビリティに関連するリスクを含む経営上のリスク及び機会を①識別(事業活動やバリューチェーンが、環境や社会に与える影響の特定)、②評価(特定されたリスクと機会の重要度と発生可能性を評価)し、対応方針、実行方針等の審議・監督を行っております。またその③管理(策定された戦略を実行し、その進捗を定期的に監視すること)については、コンプライアンス・リスクマネジメント委員会の審議を委員長が取りまとめ、取締役会に報告を行っております。

 

(3)戦略、指標及び目標

当社グループは従前より、環境マネジメントシステム(ISO14001/EMS)の認証を取得し、「環境方針」に基づき地球環境保全に向けた取組を推進しております。またグリーン購入法・エコマーク等の取得、ECプラットフォーム「ナビリオン(NAVILION)」におけるグリーン調達の見える化等に注力してきました。サプライチェーンにおいても、サステナビリティの考え方をお客様、サプライヤーを中心とする様々なステークホルダーと共有し、進化を遂げていきたいと考えております。なお、当社ホームページ(※)において、サステナビリティに関する取組や、Scope1,2のCO₂排出量削減目標 を公表しております。

 当社グループは、経営戦略とSDGsを紐付け、自社の持続的成長の観点からそのリスクと機会を分析・把握することが重要と考えております。そのため、当社の事業・経営資源とSDGsとの関係性を整理し、特に重要性の高い社会課題を優先して取り組んでおります。その一例として、環境配慮型商品の開発や再生可能エネルギーの活用、エコカーへの積極切替などへの対応を積極的に検討してまいります。

(※)当社ホームページURL https://www.lion-jimuki.co.jp/ja/sustainability.html

 

① 人的資本に関する事項

人的資本の重要性

当社グループの事業推進のためには、当社グループのモノやサービス等「オフィスまるごと提案」関連ならびに文教関連を顧客に一括して提案できるコンサルティング能力に長けた人材を中心に優秀な人材の確保が必要であります。そうした人材確保に向け、人材育成のための社内外の研修機会の充実を図るとともに、中途採用による即戦力の人材獲得といった人的資本への投資を積極的に行います。また、メーカーとして知的財産を最大限活用するために、社員の育成を目的とした人的資本への適切な投資を進めてまいります。

当社グループの持続的成長の観点からサステナビリティ経営において、従業員一人ひとりの知識、スキル、経験、能力等を指す人的資本は大変重要であると考えております。

かかる観点より当社グループは以下の内容を実施しております。

 

〔社内環境整備方針〕

すべての社員にとってWell-beingな状態であることを目指すための要素のひとつとして、“働く環境づくり”が重要だと考えております。本社及び各拠点の移転・リニューアルに着手し、「行きたくなるオフィス」を基点に考えたオフィスづくりを心掛けております。社内環境整備のために、必要に応じて随時投資を行っております。具体的には、2024年12月に大阪市内にプレゼンテーションルーム「soLid LABO(ソリッドラボ)」を開設した他、営業活動の生産性向上と働きやすさを高めるためにサテライト型オフィスの利用を2025年8月から開始しました。

 

〔人材育成方針〕

当社グループでは、社員の多様性を尊重するとともに、一人ひとりの能力や個性を発揮できる環境をつくります。当社の女性社員数は10年前と比較すると107.7%増となっています。特に新卒採用では積極的に女性の採用を行っております。事務職のみならず営業職でも多くのメンバーが活躍することで組織の多様性を高めております。また、女性の管理職または管理職候補を拡大する方向で取り組みを進めております。当社の女性管理職比率は、2027年9月期までに5%まで引き上げることを目標としております。仕事と育児の両立がしやすい環境を整えるための施策として、女性・男性問わず育児休業取得を積極的に推進する他、在宅勤務ができる体制も整備しております。今後も様々な施策を検討し随時実施してまいります。

 

上記の取り組みについては、連結グループ全体で取り組んでまいりますが、当該指標及び目標につきましては、現時点においては提出会社においてのみ実施されているものであり、以下の指標については、主要な事業を営む当社単体の数値で記載しております。なお、本書提出日現在において、女性管理職比率以外の指標の目標は設定しておりません。

 

当社における各比率

2023年9月期

2024年9月期

2025年9月期

女性管理職比率

1.1

1.1

4.8

新卒採用 女性比率

61.5

69.2

72.7

女性育児休業取得率

200.0

66.7

120.0

男性育児休業取得率

60.0

66.7

40.0

(注)育児休業の取得率は、該当年度中に本人または配偶者が出産した従業員数に対する、該当年度中に育児休業を取得した従業員の割合であります。なお、本人または配偶者が出産した従業員が、翌年度以降に育児休業を取得することがあるため、取得率が100%を下回る場合や、取得率が100%を超える場合があります。

 

② 人的資本以外に関する事項

気候変動

マテリアリティの中で特筆すべきものとして、マテリアリティ2.の「持続的な成長に向けたビジネスモデルの変革〔気候変動〕」として、LEDや省エネ空調設備の導入支援などを積極的に行い、サプライチェーン全体のCO₂排出量の削減に努めております。また、再生エネルギーなどを効果的に活用し、CO₂排出量削減に向けて取り組んでまいります。

 

〔当社のCO₂排出量実績〕

2024年度(2024年10月~2025年9月) Scope1 229t-CO₂、Scope2 455t-CO₂

※Scope3は現在算定中です。

 

CO₂排出量の実績は、当社単体の数値を記載しております。CO₂排出量の算定は段階的に取り組んでおり、まずは当社単体での算定・開示を行い、その後、グループ全体での開示に向けた体制整備を進める計画であります。2026年9月期より、連結グループ全体での算定に着手してまいります。

 

 

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境に関するリスク(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 国内市場の動向について

 当社グループの売上高の大半は日本国内向けのため(日本国内向けの売上高が全体の90%超)、国内市場に大きく依存しており、国内企業における設備投資動向や公共投資の動向に大きな影響を受けます。

 企業収益の悪化に伴い企業の設備投資意欲が減退した場合、また、国や地方自治体の公共投資が減少した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 市場環境の変化について

 当社グループで取り扱っている文具・事務用品やオフィス家具には、紙を前提とした製品が多くあります(ファイル、収納庫、紙折り機、シュレッダー等)。デジタル化、ペーパーレス化の進展に伴い、取扱いが減少した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。一方で、新たな商材(個室ブース、Web会議用ツール等)の取扱いや、オフィスまるごと提案を積極的に推進しております。

 競合との競争激化について

 当社グループは、オフィスシーンにおいて商品とサービスをトータルで提案し、お客様の快適な環境づくりで評価をいただいております。市場は、異業種からの参入等激しい競争の状況であり、特に価格面において必ずしも優位性を維持できない場合があり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 仕入価格の変動並びに為替変動に関するリスク(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループの主な生産及び仕入商品に使用している原材料は、紙、樹脂、鋼板等であります。これらは、当社グループまたは商品仕入先が国内外から購入しております。急激な原材料の高騰、原油価格の高騰、為替の変動等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループが行っている外貨建取引の割合は大きくないものの、為替相場の変動により、仕入価格が変動する他、外貨建債権等の評価替えに伴い為替差損益が発生し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 製品、商品及びサービスの品質不良に関するリスク(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループの製品及び商品については、JIS規格や業界規格及び社内基準に基づき品質管理を行っております。しかしながら、当社グループが提供する製品、商品及びサービスにおいて、不測の事象やクレーム及びリコールが発生する可能性があります。製造物責任賠償及びリコール等の保険に加入しておりますが、損失額をすべて賄える保証はなく、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 売上債権の貸倒れに関するリスク(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループの売上高は、提出会社がその大部分を担っております(連結売上高に占める提出会社の売上高は90%超)。売上債権の保全・回収管理の強化ならびに従業員への債権管理の教育と債権保全への厳しい指導を行っておりますが、不測の事態が生じた場合には、売上債権の回収に支障を来し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。このような事態に備え、大口案件の受注に当たっては、取締役会での審議を通じて、売上債権の貸倒リスクを低減する他、保証ファクタリングの利用や必要に応じて保険を付保する等の対策を講じております。

 

(5) 情報セキュリティ及び個人情報保護に関するリスク(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループは、事業における秘密情報、顧客情報や個人情報を保有しており、これらの情報の取扱いに関する規程を基に管理しております。また、提出会社において、JIS Q 15001に準拠した個人情報保護システム及び体制を構築して、「プライバシーマーク」を取得して運用しております。しかしながら、当社グループの想定を超えるサイバー攻撃や不正アクセス、あるいは委託先管理の不備により、システム障害や情報漏洩が生じた場合は、当社グループのブランドと信用の低下を招くとともに、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 自然災害等に関するリスク(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社グループの事業所、生産工場及び物流倉庫は国内各地に展開し、防災対策を講じておりますが、大規模な地震や洪水等予想を超える災害やテロ行為が発生した場合には、生産、販売及び物流に大きな被害が発生し、サプライチェーンが停滞する可能性があります。また、外部データセンターの被災や、通信システムの遮断により、業務遂行に支障を来す可能性があります。これらにより、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 法令遵守・公的規則に関するリスク(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループは、事業に必要な許認可等を受けております。また、公正取引、消費者保護、環境関連、労務、会計基準等の法規制を受けております。当社グループは、法令を遵守し、社会倫理にしたがって企業活動を行うため、法令改正に関する情報収集を行うとともに、「コンプライアンス規程」「リスクマネジメント規程」等を定め、また、定期的に「コンプライアンス・リスクマネジメント委員会」を開催するほか、コンプライアンス研修を開催することにより、コンプライアンス意識の向上に努めております。しかしながら、これらの法規制を遵守できなかった場合には当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、許認可等のために必要な資格保持者の雇用が維持できない場合には、許認可等が取り消され、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、建築や内装仕上の特定建設業の許認可のためには、一級建築士や一級建築施工管理技士の資格保持者の雇用の維持が必要です。

 

(8) 知的財産に関するリスク(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないように、また当社グループの知的財産権が第三者に侵害されないように、知的財産権保護のための体制を整備しております。しかし、第三者から知的財産権の侵害を理由とする訴訟が提起されたり、また、第三者から知的財産権の侵害を受けたりする可能性を完全に排除することは不可能であるため、このような事態が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

 当社は、取締役、執行役員及び従業員に対するストック・オプションとして新株予約権を発行しております。本書提出日の前月末時点における新株予約権による潜在株式数は2,662,000株であり、発行済株式総数32,022,000株の8.31%に相当します。

 今後、ストック・オプションが行使された場合には、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。

 

(10) 環境、気候変動問題に関するリスク(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループは環境、気候変動問題への対応を重要な課題として捉えております。今後、環境関連法規制の強化により、関連する費用が増加した場合は、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、環境、気候変動問題への要求の高まりに対して当社グループの対応が遅れた場合には、販売機会の損失等により、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 人権に関するリスク(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社グループの事業活動とサプライチェーンは多岐にわたっています。当社グループは、「コンプライアンス行動指針」を制定し、従業員の人権を尊重し、差別的言動、セクシャルハラスメント、パワーハラスメント等を行わないことを宣言し、コンプライアンス重視の経営を推進しております。しかしながら、これらの活動が適切に推進できず、事業活動の中でハラスメント行為が行われた場合や、サプライチェーンの中で人権問題が発生した場合には、レピュテーションの低下や売上の減少により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 人材確保に関するリスク(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

 当社グループの成長のためには、優秀な人材を確保し、育成することが不可欠であり、職場環境の整備や、時流に適合した働き方改革を推進することで、適正な人材の確保に尽力しております。企業間での人材獲得競争は激しさを増しており、採用コストや人件費負担の増加の可能性がある他、人材確保や人材育成が想定通りに進まない場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 固定資産の減損に関するリスク(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループは、土地・建物等の固定資産を保有しております。保有する固定資産について、固定資産の時価が著しく下落した場合や収益性が低下した場合には減損損失が発生し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 株式会社大塚商会との関係に関するリスク(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社は、「第2 事業の状況 5 重要な契約等」に記載のとおり、2008年に株式会社大塚商会と資本業務提携契約を締結しており、同社は、本書提出日の前月末現在、当社の発行済株式総数(自己株式を除く。)の37.47%を保有する、当社のその他の関係会社かつ筆頭株主であります。このため、当社の意思決定に対して同社が影響を与える可能性があります。

 当社グループの当連結会計年度の売上高の12.9%、仕入高の14.8%は、株式会社大塚商会との取引によるものであり、また、当社が運営しているECプラットフォーム「ナビリオン(NAVILION)」は株式会社大塚商会の通販サイト「たのめーる」の情報システム及び物流システムを基盤としており、当社が従来から取り扱っている文具・事務用品・オフィス家具のほかに、「たのめーる」に掲載されている消耗品も多く含まれております。このため、当社と株式会社大塚商会との関係性に変化が生じた場合、当社の業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社は、株式会社大塚商会以外の取引先との協業等も積極的に進めており、当社グループ全体の売上高を拡大することにより、株式会社大塚商会との取引割合が著しく増加しないようにしてまいります。

 株式会社大塚商会は、将来において、保有する当社株式を売却する可能性があり、当社と株式会社大塚商会との取引関係に影響を与える可能性があります。なお、資本業務提携契約において、株式会社大塚商会が保有する当社の普通株式数が、発行済の普通株式数(自己株式その他議決権のない株式を除く。)の15%を下回ることになったとき、資本業務提携契約が終了することとされていますが、本書提出日の前月末時点で株式会社大塚商会は当社株式の3分の1以上を保有し、同社が保有する当社の普通株式数が、発行済の普通株式数の15%を下回ることは想定されておりません。また、当社と株式会社大塚商会は両者の属する業界、得意とする分野が異なっており、補完関係にあることから、仮に同社における当社株式の保有割合が15%を下回ったとしても、事業上の協力関係が消滅する可能性は低いと考えております。

 

① 人的関係について

ア.当社と株式会社大塚商会との間において、従業員の出向関係はありません。

イ.当社の監査役総数4名の内、畝野一夫氏は、株式会社大塚商会の取締役兼上席執行役員経理財務部長を兼任しております。これは、畝野氏の株式会社大塚商会経理財務部長としての豊富な知識と経験から、有益な助言を得るために招聘したものであり、当社独自の経営判断を妨げるものではないと認識しております。監査の過程において、上場会社における実務経験を活かし、適宜、専門的知見や示唆の提供を受けております。

② 株式会社大塚商会からの独立性の確保について

 当社の役員には、上場金融商品取引所の定めに基づく独立役員として指定する独立社外取締役2名が就任しており、取締役会における審議に当たっては、より多様な意見が反映され得る状況にあります。

 また、株式会社大塚商会は当社のその他の関係会社であるため同社に対して業績に関する事後報告はあるものの事前承認を必要とする事項はなく、事業運営の独立性が確保されていると認識しております。

③ 株式会社大塚商会との競合について

当社は、文具・事務用品を中心にECプラットフォーム「ナビリオン(NAVILION)」を運営しておりますが、株式会社大塚商会においても通販サイト「たのめーる」を運営しており、同社とは競合となる可能性があります。ただし、当社はオフィス家具・事務用品業界に属しており、株式会社大塚商会はIT業界に属しているため、主な顧客層が異なっています。また、当社の「ナビリオン(NAVILION)」は販売店を経由してエンドユーザーに販売することが大半である一方、株式会社大塚商会の「たのめーる」はエンドユーザーに直接販売することが大半であるため、この点でも大きな競合とはならないと認識しております。なお、「ナビリオン(NAVILION)」には「たのめーる」で掲載されている消耗品も数多く含まれており、競合ではなく協業の側面も有しています。

④ 株式会社大塚商会との取引プロセスについて

株式会社大塚商会との取引については、関連当事者等管理規程に基づき、承認・報告を行うことで、適正性を確保しております。具体的には、原則として、取引の合理性(事業上の必要性)と取引条件の妥当性等の取引内容について審議し、独立役員、監査役の見解を踏まえたうえで当社の取締役会の承認を得ることとしております。また、関連当事者等との取引については、年度終了後に当社の取締役会に報告することとしております。

 

 

(15) 業績変動に関するリスク(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループの主要事業の1つである文教事業における文教市場に対するICT機器等の販売は、政府の方針や地方自治体の予算に大きく影響を受けます。文部科学省から提唱された児童生徒1人1台端末環境の整備、いわゆるGIGAスクール構想が、新型コロナウイルス感染症への対策として前倒しで実行されることとなり、2021年9月期に、当社グループの売上高、売上総利益、営業利益等が大きく前年に比較して増加しました。今後においても、政府方針、自治体予算等によって、当社グループの経営成績が大きく変動する可能性があります。

 また、当社が属するオフィス家具・事務用品業界は3月が需要期となり、3月の売上・利益が大きく増加します。これにより、通常、第2四半期会計期間の売上・利益が大きくなる傾向があります。なお、年間通じて安定した業績を上げられるよう、上半期偏重の是正に向けて継続して取り組んでおります。上半期偏重の要因は、主に販売店事業において官公庁向けの販売が多いことによりますが、エンタープライズ事業を成長させることで、3月以外の販売が多くなると想定しております。また、文教事業において入札を獲得していくこと、ECプラットフォーム「ナビリオン(NAVILION)」を拡大することによって、業績の平準化につながると想定しております。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

a.資産の部

 当連結会計年度末における総資産額は、前連結会計年度末に比べ17億81百万円増加(前連結会計年度末比7.7%増)し、250億56百万円となりました。主なものとしては、棚卸資産の増加15億26百万円、受取手形及び売掛金の増加7億54百万円、現金及び預金の減少5億53百万円であります。

 

b.負債の部

 当連結会計年度末における負債合計額は、前連結会計年度末に比べ9億78百万円増加(前連結会計年度末比8.3%増)し、128億29百万円となりました。主なものとしては、支払手形及び買掛金の増加6億63百万円、前受金の増加7億98百万円、未払金の減少2億29百万円、未払法人税等の減少2億10百万円であります。

 なお、有利子負債につきましては、前連結会計年度末に比べ57百万円減少(前連結会計年度末比4.4%減)し、12億33百万円となりました。

 

c.純資産の部

 当連結会計年度末における純資産額は、前連結会計年度末に比べ8億2百万円増加(前連結会計年度比7.0%増)し、122億26百万円となりました。主なものとしては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上9億12百万円、剰余金の配当89百万円であります。

 この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度の49.1%から48.8%に下落しました。

 

 

② 経営成績の状況

 当社グループの事業は、事務器等の製造販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、売上高については、事業ユニット別に記載しております。

 

 当連結会計年度における我が国経済は、米国の高関税政策の影響を受けやすい製造業の収益にかげりが見えたものの、非製造業では高い水準が維持され、情報関連インフラ等への投資も旺盛であり、国内景気は堅調に推移しました。また大阪・関西万博の開催もあり訪日外国人観光客数が過去最高を記録する等インバウンド需要も景気の押し上げに働きました。

 一方、物価上昇はあらゆるところに影響を及ぼしており、先行きは依然不透明な状況が続いております。

 販売店事業及びエンタープライズ事業においては、市場環境・業界動向に変化がある中、出社回帰の見直しによって、以前にも増してABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)による多様な働き方が重視されております。昨年12月に開設した大阪プレゼンテーションルーム「soLid LABO(ソリッドラボ)」では、大手パートナーとのコラボ企画や、文教市場向けイベントを行うなど有効に活用し、今後も顧客接点の強化を図る場として、付加価値の高いソリューション提案活動を積極的に行ってまいります。関西圏を中心に今まで以上にスムーズなオフィス提案が進むと考えております。

 Web会議やリモート会議が主流となり、個室ブース「DelicaBooth(デリカブース)type S」を中心とした商材が引き続き好評を得ております。またサステナビリティやSDGsへの取り組みとして再生材の有効活用を意識し、背・座シェルと脚端パーツに再生率100%の樹脂を使用した「スタッキングチェアー No.1070シリーズ」等、環境負荷低減に貢献する商品開発を行っております。このほか、2027年に蛍光灯の製造・販売が中止になることを受け、LED照明への切り替え需要も多く見込んでおります。また、オフィス内の電源確保や災害時・緊急時の非常電源としても利用できるポータブルバッテリー「PoPoHu(ポポフ)」などの仕入商材も提案に取り入れ、時流に合わせた働く環境を複合的な面から継続的にサポートする「オフィスまるごと提案」を軸に営業活動を推進しております。

 BtoC向け商材として、文具・事務用品では、趣味のコレクション整理等に使用する推し活向けアイテム「Fandes(ファンデス)」と「ポッケde整理A5判」を新たに発売し、幅広い世代をターゲットとして展開しております。

 文教事業においては、GIGAスクール需要第1期で導入された端末の更新時期に入ったため、現在利用している端末の運用サポートやICT機器のリプレイス案件が中心となりました。GIGAスクール構想第2期の需要は2026年度にかけて継続する見込みです。また教員用端末や校務システムの更新も多くあり業績の下支えとなりました。前述の「soLid LABO」では「学校×LION」と題し、ICT機器だけでない学校環境の提案を行うイベントを開催し、教育委員会に向けた訴求活動も行いました。少子化が進む中、あらゆる角度から提案の幅を広げてまいります。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は370億22百万円(前連結会計年度比6.1%増)、営業利益は11億89百万円(前連結会計年度比9.1%増)、経常利益は12億75百万円(前連結会計年度比9.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億12百万円(前連結会計年度比19.7%増)となりました。

 

 当社グループの事業ユニット別の販売の状況は以下のとおりであります。

 

[販売店事業]

 販売店事業におきましては、働き方改革やリニューアル需要を背景に、販売店との協業のもと、提案型営業を強化し活動してまいりました。特に快適で生産性の高いオフィス空間づくりを支援するため、オフィス家具の販売に加えて設計・施工・アフターサービスまでを一貫して行う体制の推進、EC事業であるナビリオンの推進、蛍光灯2027年問題に即したLED照明販売等、「オフィスまるごと提案」を展開してまいりました。

 結果、当連結会計年度の売上高は157億14百万円(前連結会計年度比6.1%増)となりました。

 

[エンタープライズ事業]

 エンタープライズ事業におきましては、文具・事務用品業界とは異なる大手パートナー企業との協業により、働き方改革およびエンゲージメント強化を織り込んだ「オフィスまるごと提案」を展開いたしました。ナビリオンを活用し新規顧客の開拓に取り組んだほか、伸長が見込まれる福祉医療施設向け市場においては、ユーザー特性に応じた多方面の商材を組み合わせることで、他社との差別化を図りました。

 海外市場では当社のグローバルネットワークを活用し、文具・事務用品を販売するとともに、海外展開を目指す文具メーカーとも協業すべく新規開拓・販売促進にも注力いたしました。

 また、近年増加傾向にあるECサイト運営会社に対して積極的なアプローチを行い、商材の拡販活動を展開いたしました。

 しかしながら、販売先の在庫調整の影響や、得意先のカタログ掲載品の見直しの影響等もあり、売上が減少した得意先もありました。

 結果、当連結会計年度の売上高は108億72百万円(前連結会計年度比3.7%減)となりました。

 

[文教事業]

 文教事業におきましては、校務DXや学校のセキュリティ対策の高度化などが叫ばれている中での既知の課題を解決すべく、現在利用している端末やICT機器の更新、GIGA端末の更新に向けた提案を行いました。

 関東圏では、電子黒板や複数自治体での教育用端末の更新が、業績の下支えとなりました。また関西圏におきましては、校務システムや校務端末の更新、各学校ネットワークシステムの更新が業績の下支えとなりました。加えてGIGA端末の更新案件において、関東圏で1自治体・関西圏で3自治体からの受注を獲得したことが、大きく業績を引き上げる結果につながりました。

 そして、少子化に伴う学校の統廃合が進む中、soLid LABOにて「学校×LION」と題した学校環境の提案イベントを開催し、ICT機器だけではないソリューションの訴求活動を行いました。また、クラウドシステム・学校の安全安心・不登校対策など、さまざまな切り口での提案活動も継続し努めてまいりました。

 結果、当連結会計年度の売上高は104億35百万円(前連結会計年度比18.5%増)となりました。

 

[EC事業]

 EC事業におきましては、ECプラットフォーム「ナビリオン(NAVILION)」での顧客基盤の拡大と利用促進を目指し、パートナーである販売店との関係強化とその取引先であるユーザーの獲得、および当社直販ユーザーへの提案を推進しました。

 また、秋冬号と春夏号の年2回の新カタログ発刊を通じ、オフィスでのニーズに応える多彩な商品や、購買コスト削減に資する商材を訴求しました。また、季節に応じてのニーズを先取りして情報発信を行い、冬季の防寒対策商品や夏季における熱中症対策商品等に対する高い需要に応え、結果として生活用品や食品・飲料カテゴリが堅調に推移し売上に寄与しました。さらに顧客とのエンゲージメント向上を目的としたプレゼントキャンペーンの実施や、オリジナルノベルティの配布を通じ、サービスの周知と魅力を高める取組にも努めてまいりました。

 結果、当連結会計年度の売上高は29億27百万円(前連結会計年度比6.0%増)となりました。なお、EC事業の売上高は、販売店事業、エンタープライズ事業及び文教事業の中に含まれています。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は59億15百万円となり、前連結会計年度末と比べ資金が4億43百万円減少いたしました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度に使用した資金は6百万円(前連結会計年度は17億53百万円の獲得)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益12億74百万円(前連結会計年度は11億34百万円)、仕入債務の増加額6億74百万円(前連結会計年度は仕入債務の減少額1億88百万円)、前受金の増加額7億77百万円(前連結会計年度は前受金の減少額9億53百万円)、売上債権の増加額7億72百万円(前連結会計年度は売上債権の減少額8億73百万円)、棚卸資産の増加額15億38百万円(前連結会計年度は2億39百万円)、法人税等の支払額5億32百万円(前連結会計年度は1億21百万円)によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度に使用した資金は2億24百万円(前連結会計年度は1億26百万円の使用)となりました。これは主として固定資産の取得による支出3億16百万円(前連結会計年度は83百万円)、定期預金の払戻による収入1億10百万円(前連結会計年度は60百万円)によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度に使用した資金は1億75百万円(前連結会計年度は1億96百万円の使用)となりました。これは主として短期借入金の純減少額60百万円(前連結会計年度は短期借入金の純増加額35百万円)、長期借入金の返済による支出96百万円(前連結会計年度は4億13百万円)、配当金の支払額89百万円(前連結会計年度は89百万円)、長期借入れによる収入1億円(前連結会計年度は3億10百万円)によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a 生産実績

 当社グループは、生産実績を事業ユニット別に把握することが困難なため、生産部門の生産高合計を記載しております。

 

事業部門

当連結会計年度

(自 2024年10月1日

至 2025年9月30日)

生産高(百万円)

前期比(%)

生産部門

884

99.0

合計

884

99.0

 

 

b 商品仕入実績

 当社グループは、仕入実績を事業ユニット別に把握することが困難なため、事業部門別に記載しております。

 

事業部門

当連結会計年度

(自 2024年10月1日

至 2025年9月30日)

仕入高(百万円)

前期比(%)

販売部門

28,074

112.1

生産部門

194

96.2

物流部門

1

47.7

合計

28,270

112.0

 

c 受注状況

 当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

 

d 販売実績

 当社グループは単一セグメントであるため、事業ユニット別に記載しております。

区分

当連結会計年度

(自 2024年10月1日

至 2025年9月30日)

販売高(百万円)

前期比(%)

販売店事業

15,714

106.1

エンタープライズ事業

10,872

96.3

文教事業

10,435

118.5

合計

37,022

106.1

(内、EC事業)

(2,927)

(106.0)

    (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年10月1日

至 2024年9月30日)

当連結会計年度

(自 2024年10月1日

至 2025年9月30日)

販売高

(百万円)

割合(%)

販売高

(百万円)

割合(%)

株式会社大塚商会

4,745

13.6

4,783

12.9

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日時点の収益、費用の発生、営業債権、棚卸資産、投資等に関し、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因に基づき、見積り・判断を行っております。

 当社グループが連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

a.収益の認識について

 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項 (5)重要な収益及び費用の計上基準」に記載のとおりであります。

b.貸倒引当金について

 当社グループは、顧客又は取引先の支払不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客又は取引先の財政状態が悪化し、債権の回収可能性が低下した場合に追加の引当が必要となる場合があります。

c.棚卸資産について

 当社グループは、継続的に将来の需要及び市場状況に基づく正味売却価額と原価との差額相当分を評価損として計上しております。実際の将来の需要及び実勢価格が見積りより悪化した場合追加の評価減が必要となる可能性があります。

d.投資の減損について

 当社グループは、長期的な取引関係の維持のため、特定の顧客、取引先及び金融機関に対する少数の持分を所有しております。これらの株式等は上場会社の市場価格のあるものと、非上場会社の市場価格のないものが含まれます。市場価格のあるものについては連結会計年度末日の時価が取得原価に比べて50%程度以上下落した場合に減損処理を行っております。また、市場価格のないものについては、発行会社の財政状態の悪化により、実質価額が取得原価に比べて50%程度以上下落した場合には、回復可能性があると判断できる場合を除き、減損処理を行っております。

e.繰延税金資産について

 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(財政状態の分析)

 財政状態については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

(経営成績の分析)

a.概況

 当社グループの属する業界においては、Web会議やリモート会議が定着してきた一方で、コロナ禍を経てオフィス回帰が本格化しています。対面によるコミュニケーションで生産性や帰属意識を高めようとする動きも広がっており、オフィスの価値の見直しが行われております。

 当社グループにおいても、かかる状況下、出社したくなる仕組みづくりとして働く環境を改善するオフィスリニューアル案件が増加し、Web会議やリモート会議の環境が未整備の企業から、個室ブース「DelicaBooth(デリカブース)」を中心とした商材の引き合いが依然好調でした。

b.売上高

 当連結会計年度は、販売店事業においては、「オフィスまるごと提案」の訴求、新規得意先獲得強化、既存得意先の継続的な購入・再購入の促進営業強化を方針として活動してまいりました。エンタープライズ事業においては、大手パートナーとの協業展開を強化し、働き方改革・エンゲージメント強化を織り込んだ「オフィスまるごと」のトータル提案を行い、既存顧客の深掘と新規取引開拓促進を目指し活動いたしました。文教事業においては、通常更新案件の提案に加えて、GIGAスクール需要の更新時期にありましたので端末等の更新や運用サポート提案を中心に提案を行いました。また、EC事業においては、ECプラットフォーム「ナビリオン(NAVILION)」での営業レスでの利用促進と新規先へのドアノックツールとしての活用に注力しました。

 結果、売上高は370億22百万円(前連結会計年度比6.1%増)となりました。

c.売上原価、販売費及び一般管理費

 当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ17億20百万円増加し、279億64百万円(前連結会計年度比6.6%増)となり、売上原価率は75.5%(前連結会計年度は75.2%)となりました。

 また、販売費及び一般管理費は、経費削減に尽力するとともに、業績に連動した賞与支給により社員への還元を行っております。その結果、78億68百万円(前連結会計年度比4.1%増)となり、売上高比は21.3%(前連結会計年度は21.7%)となりました。

d.営業外収益及び営業外費用

 当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ5百万円増加し、1億20百万円(前連結会計年度比4.4%増)となりました。

 また、当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べ2百万円減少し、33百万円(前連結会計年度比7.3%減)となりました。

e.特別利益及び特別損失

 当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べ0百万円減少しました。当連結会計年度の特別利益の計上はありません。

 当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度に比べ32百万円減少し、1百万円となりました。

f.法人税等

 当連結会計年度の法人税等は、前連結会計年度に比べ10百万円減少し、3億61百万円(前連結会計年度比2.8%減)となりました。

 

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、商品の仕入に係る費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。投資を目的とした資金需要の主なものは、新製品の金型投資、システム投資によるものであります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入により調達された資金を財源としております。

 なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、ステークホルダーとともに成長し続けることにより企業価値の向上を目指しております。経営成績としては、売上高、営業利益の拡大を一つの指針と考えておりますが、具体的な比率目標等の客観的指標は設けておりません。

 

5【重要な契約等】

 

 当社は、2008年4月11日付けで株式会社大塚商会との間で資本業務提携契約を締結し、2008年5月28日付けで株式会社大塚商会に対して第三者割当増資(発行株数 普通株式12,000千株、発行額の総額 1,044百万円)を実施しました。その結果、株式会社大塚商会は当社の発行済株式数(自己株式を除く。)の40.18%(注1)を所有するその他の関係会社となっております。本資本業務提携契約の概要は以下のとおりであります。なお、株式会社大塚商会との関係について、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。当該資本業務提携契約では、当社の取締役及び監査役候補者を指名する権利を有する旨の合意がありますが、2024年10月1日前に締結されているため、「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」附則第3条第4項により記載を省略しております。

(注1)本報告書提出日の前月末現在において37.47%

 

(1) 本資本業務提携の相手先の概要

名称

株式会社大塚商会

所在地

東京都千代田区飯田橋二丁目18番4号

代表者の役職・氏名

代表取締役社長  大塚 裕司

事業内容

・システムインテグレーション事業/コンピューター、複合機、通信機器、ソフトウェアの販売および受託ソフトの開発など

・サービス&サポート事業/サプライ供給、保守、教育支援など

資本金

10,374,851,000円

 

(2) 本資本業務提携契約の内容

 株式会社大塚商会の販売チャネル「たのめーる」における、オフィス家具の協働拡販体制の構築

 オフィス家具分野における、オフィスソリューション機能や物流の相互乗り入れなどの協働展開

 事務用品分野やその他分野における、販売拡大や商品開発などの協働

 株式会社大塚商会の「たのめーる」事業でのスキームをOEM提供した、当社のブランドでのカタログ通販ビジネスの展開

 株式会社大塚商会の商品調達力を活用した、同社の得意分野の商材に関する当社の株式会社大塚商会からの仕入

 

 なお、当社は、2024年10月7日付けで大塚商会との間で、当社の金融商品取引所への上場申請の時をもって本資本業務提携契約の一部について効力を失う(ただし、上場申請後1年以内に上場が行われなかった場合、もしくは上場申請が取り下げられた場合には、再び効力を生じる。)ことを定めた覚書を締結し、2025年10月15日に東京証券取引所スタンダード市場に上場したため、以下の内容について効力を失っております。

(効力を失うこととした本資本業務提携契約の内容)

 株式会社大塚商会は、当社に派遣するために、2名以内の取締役候補者及び1名以内の監査役候補者を指名する権利を有する。

 当社が、株式会社大塚商会の出資比率を低下させる行為を行う場合には、株式会社大塚商会との間で十分な協議を行う。

 株式会社大塚商会が、同社の保有する当社株式の全部又は一部について、第三者への譲渡、担保提供その他の処分を行う場合には、当社との間で十分かつ誠実な協議を行う。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。なお、研究開発活動は事業ユニット別に区分できないため、取扱品目別に記載しております。

 

 社会の変化に合わせて働き方も変化しオフィスの価値観も変化してきました。働く場所も多様化し、それぞれに合ったツールも多様性が求められています。オフィスは仕事をする空間というだけでなく、ワーカーの快適性や効率性を求めるとともに、企業コンセプトを示し社外や求職者に企業の価値を表現する空間になりました。働く環境の変化とともに生活環境の変化も研究開発の範囲として取り組んでまいります。

 当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は8百万円であります。

 

[文具・事務用品]

 文具・事務用品では、新しい市場や最新トレンドを開発のテーマとし、生活環境の改善や幸福感の向上など、生活全般を研究開発範囲と捉えた商品開発に取り組んでまいりました。

 収納物や収納場所に合わせて2種類の高さをラインアップしたボックスファイル「スマフィ」を発売しました。

 家庭で発生する書類や日用品のストック、雑貨や趣味のグッズなど、かさばるものもまとめて収容可能です。インテリアに馴染むカラーリングで、厚みのある背幅でフタと把手がついて持ち運びにも便利なアイテムです。

 幅広い年代に浸透した「推し活」を収納や持ち運ぶ事でサポートするファイルシリーズ「ファンデス」は、大切なコレクションを整理したり持ち歩いたりできるアイテムです。5色展開している「カード用ケース」はお気に入りのカードを忍ばせてこっそり持ち歩くことができます。大切な「推し」のコレクションを選抜して持ち運べる「グッズ用ケース」は、アクリルスタンドや缶バッジなどやや厚みのあるグッズも収容可能です。「コレクション用バインダー」は、カードの向きを揃えて収容できる独自開発の縦横兼用ポケット付きのバインダーです。

 

[オフィス家具]

 オフィス家具では、ワーカーが行きたくなるセンターオフィスを開発のテーマとしております。フレキシブルワークやラウンジワーク、ウェブミーティングをキーワードにした商品開発と併せて、使用シーンに合ったカラーや素材の見直しなど、五感を要素とした商品開発に取り組んでまいりました。

 販売好調な個室ブースの追加アイテムとして「DelicaBooth(デリカブース)type S」、「DelicaBooth(デリカブース)type S 2人用」を発売しました。「DelicaBooth(デリカブース)type S」は現行モデルよりも約37%設置面積をサイズダウンした省スペース設置型のドア付ワーキングブースです。通路幅が狭い場所や天井高2,300㎜以上で設置可能です。「DelicaBooth(デリカブース)type S 2人用」は1on1ミーティングや対面者2人のWEB会議など集中とコミュニケーションの両立が求められるスペースの確保に適したアイテムです。

 WEBミーティング用テーブル「バスコ」は、ミーティングに参加している全メンバーがカメラに映りやすく、親密度が高まる扇形天板のテーブルです。カメラ画角への配慮により、リアルな感覚に近いコミュニケーションが可能になります。

 フレキシブルファニチュア「ミネラ」は、ひとりでも、チームでも、その時々のメンバーや活動に合わせた空間づくりをご提案するフレキシブルファニチュアです。動かして、組み替えて、柔軟なレイアウトに対応します。

 ワーキングブース「コモーレ」に、仮眠ができるタイプ「コモーレ1人用仮眠型」をラインアップとして追加しました。パフォーマンスの向上やストレスの軽減が期待される短時間の仮眠に対応したワーキングブースです。