文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、人や企業が世の中に生み出す「価値」とそれに対して得られる「対価」の2つが等しい、すなわち「価値=対価」となるフェアな社会の実現を経営ビジョンとしております。そのために、中期経営方針としてコンサルティングサービスの事業拡大を掲げております。
(2)経営環境等
当社グループの主要な事業領域であるコンサルティング市場においては、顧客企業における慢性的な人材不足、インフレ進行、ウクライナ及びロシアの情勢により顕在化した地政学的リスクの懸念、円安進行等、先行き不透明な経済情勢もあり、コスト削減はもとより企業活動を様々な面から支援するコンサルティングサービスのニーズは引き続き高いものと認識しております。
このような経営環境のもと、当社グループとしては報酬体系の改定、インフレ状況下においても継続的なサービス提供を行うための柔軟な報酬体系の導入、営業パートナーの拡充及びリレーション強化、営業プロセスの見直しにより受託活動の推進に努めてまいりました。また、固定報酬型のコンサルティングサービスにおいて有償契約の前に「投資フェーズ」を設ける新たなコンサルティングサービスのモデル(成功報酬型)を確立し、順調に規模を拡大しております。
(3)優先的に対処すべき課題
① コンサルティング品質の向上
当社グループは、コストマネジメントの領域において成果をクライアントと共有する成果報酬型コンサルティングサービスを提供しております。プロジェクト期間の短縮及びサービス品質の向上に努め、クライアントの満足度向上からリピート率(クロスセル)の向上へとつなげてまいります。また、複雑化するコスト削減/企業改革ニーズに対応すべく固定報酬型(成功報酬型)コンサルティングを拡充し、ハンズオンにて策定から実行まで一気通貫でサービス提供しております。固定報酬型(成功報酬型)コンサルティングは、プロジェクトによって提供する知見や難易度が異なるため、メンバーの能力を高めることはもとより、クライアントサーベイの実施及び分析により、クライアントの満足度向上からリピート率(アップセル)の向上へとつなげてまいります。
② 優秀な人材の採用と育成
当社グループの事業の中核である経営コンサルティングサービスの提供を行うためには、高い能力を有する人材が必要になります。コンサルティング事業は知識集約型のビジネスであり、持続的な成長及び発展をしていくためには、常にメンバーの能力を高めるという質的向上と高い能力を有する人材を獲得するという量的拡大の両方の施策が必要であります。質的向上については、充実した研修プログラムを設けてビジネススキルの向上を図るとともに、多様性を重んじて個人の成長を最大限に引き出しております。量的拡大については、リクルーティングの手法として、多様なリクルーティングチャネル及びリファーラルを活用しております。また、社内環境は、メンバーへのストック・オプション制度の導入、多様な価値観を認め合える社風、安心して働きやすい環境・待遇の整備に努めてまいります。
③ 大企業への営業力
当社グループにはコンサルティングサービスを通じて、これまで積み重ねてきた実績とパートナー陣の幅広い人的ネットワークがあり、プロジェクトの受注においても奏効しております。他方で企業としてより組織的に営業活動を行うためには、会社としての実績を着実に積み重ね、ブランディングを踏まえた広報活動を通して、企業としての信用を向上させることが必要と考えております。BtoBビジネスに必要な認知度向上のために随時セミナーや出版を行い、マスコミとも良好な関係を構築することで、当社の知名度向上を図る方針であります。
④ ストレス耐性を意識したビジネスモデルの構築と深化
原材料価格の高騰等の世界的なインフレ水準、ウクライナ情勢、円安進行等、先行きが不透明な状況が続く経済環境において、当社では様々な経済的ストレスに柔軟に対処可能な、新たなビジネスモデルの構築や既存ビジネスの深化に取り組むことが必要であると認識しております。
⑤ ファンドによる投資先企業の価値向上
外部の投資家が存在するファンドでは、パフォーマンスの持続的な向上が求められます。当社は、LP投資家として自己資金をファンドに出資し、他のLP投資家とともにファンドからの収益を享受しております。そのため、当社もファンドと連携することにより、パフォーマンスの向上に努めております。中小・中堅企業向けの投資において、投資先企業の価値を向上するには、戦略立案や実行計画の策定、業務オペレーションの構築などの投資先企業への支援が不可欠であります。そのため、投資直後はもとより長期的にも支援すべく、ファンド担当者が投資先企業の役員に就任し、場合によってはプロフェッショナルを投資先企業の役員又は従業員として採用することにより、戦略、実行、業務管理、財務面をハンズオンにて支援しております。投資先企業へのハンズオンによる支援は、投資先企業の価値向上、ひいてはファンドのパフォーマンスを向上するために必須であると考えているため、今後も継続して努めてまいります。
⑥ コーポレート・ガバナンス体制及び内部管理体制
当社グループが継続的な成長を続けるためには、コーポレート・ガバナンス、ひいては内部管理体制の強化が重要であると認識しております。コーポレート・ガバナンスについては、経営の効率性、健全性を確保すべく、監査体制及び内部統制システムの整備により充実を図っております。また、内部管理体制については、適宜管理部門の増員を実施しておりますが、適時開示の重要性が高まる中、一層の体制強化が必要であると認識しております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において判断したものです。
当社では、「価値=対価」をビジョンとし、事業においては成果測定を浸透させることで報酬体系を明瞭化し、従来コンサルティングが受けづらかった企業へもコンサルティングサービスを届けることを可能としてきました。また、Foundation(考え方の根底)には「Compassionate Leadership」=「役職や立場によらず、相手と誠実に向き合う姿勢」があり、社内・社外含めて多様性を受け入れ対応する文化が根付いています。このように、多様な人材による透明性の高い事業を提供することが当社の存在意義でもあり、持続的にサービス提供を続けるためにはサステナビリティ課題への対応は必須となっています。
また、取締役会においてもサステナビリティ関連課題への対応は重要課題と認識しており、今後適切に情報開示を行う予定です。
(1)ガバナンス
当社グループでは、社内取締役及び各事業本部長が出席する定例会議において、事業に関するリスクやサステナビリティにかかる事項について該当事項があれば報告、対応方針が検討されています。
その中でも重大なリスクと認識された事案については取締役会にかけられ対応策が検討されることで、全社的なリスク管理プロセスとして実施されています。
なお、事業に直結するサステナビリティに関する重大なリスクは現状検知されておらず、以下対応方針に沿った対応を実施しています。
(2)戦略、指標及び目標
①気候関連リスクへの対応方針
当社グループにおいては、環境に関するコンサルティング提供を実施していることから、事業を通じてクライアントへの環境施策支援を実施しています。こうした環境支援を実施するためにも、当社がまず自社の気候関連リスクを把握し、対応をすること、また脱炭素の新しい取組へ積極的に参加することで自社だけでなく社会全体の再エネ調達の普及にもつながると考え、取組を実施しています。
i. CDP質問書への回答を通じた情報開示
気候変動に関する質問書への回答を通して、投資家への情報開示を実施しています。2025年度回答のスコアリングでは昨年に引き続きスコアBを取得しており、環境リスクやその影響に対するアクションを取っていること等を評価されています。今後はマテリアリティの特定等と合わせて、自社HPでも開示を進めていく予定です。
ii. RE Action(再生エネルギー100%達成プロジェクト)への参画
2022年より再生エネルギー100%達成プロジェクトへ参画しており、進行期に再生エネルギー100%を達成する目標を立てています。具体的には下記記載の再エネ調達の促進を進めております。
iii. 再エネ調達の促進
脱炭素への解決策の一つとして、非化石証書やJクレジットなどの証書調達の実現へ取組を開始しています。具体的には、前期において非化石証書の取得により再生エネルギー50%を達成しています。引き続き進行期年中に再生エネルギー100%達成を目標に掲げて実施いたします。
②人材の育成及び社内環境整備に関する方針
当社グループでは、コンサルティングサービスの提供において「人材」が最も重要な経営資源であると認識しており、社員一人ひとりが最大限パフォーマンスを発揮できる環境づくりを重視しています。そのため、全社的に自立推進型の組織開発を進めるとともに、働きがいと成果の最大化を両立するための施策を継続して実施しています。
また、全従業員を対象とした外部調査(Great Place to Work)を継続して実施しており、3年連続で「働きがい認定企業」として評価を受けています。こうした調査を通じて得られるフィードバックを職場環境の改善に活用し、社員の働きがいの向上につなげています。
当社の当期末において女性労働者比率は33.5%となっており、これはコンサルティング業界における候補者プールの構造を反映した水準です。特に中途採用では、当連結会計年度のコンサルタント職応募者に占める女性比率が19.3%であり、応募者母集団自体が男性に偏っている状況です。
一方、新卒採用においては、多様性の向上を重視し、男女が均等となる構成を理想としています。2026年4月入社選考では、応募者の女性比率が30.4%であり、応募者層そのものが30%前後です。その中で内定者の女性比率は34.2%となっており、応募者構成を踏まえつつ、多様性確保に向けた選考を進めています。
また、当社では国籍や年齢に左右されず、能力を基準とした公平な採用を行っています。外国籍社員も一定数在籍していますが、日々の業務において国籍を意識することはなく、適材適所で活躍しています。さらに、社員の年齢層は30〜40歳代がボリュームゾーンである一方、60歳を超えるシニア社員も第一線で活躍しており、年齢に関わらず優秀な人材が能力を発揮できる環境づくりを重視しています。
このように、当社は性別・国籍・年齢といった個々の属性にとらわれず、多様な価値観や経験を持つ人材が協働し、能力を発揮できる組織づくりを目指しています。
具体的には以下のような取組を実施しています。
i. 自律的な働き方の推進
フルリモート勤務や在宅勤務・出社を組み合わせたハイブリッド勤務体制を整備し、期末時点での出社率は約40%で推移するなど、柔軟な働き方が全社的に定着しています。
勤務時間についても始終業時刻を社員自身が決定でき、かつコアタイムのないスーパーフレックスタイム制度を導入し、週休3日勤務も可能とするなど、多様な働き方を許容しています。
休暇制度においては子どもの看護等休暇・介護休暇の時間単位での取得とあわせて中抜け勤務も認めるなど、ライフステージに合わせた働き方を支援しています。
また、副業制度を整備しており、社員の約10%が副業を活用しています。
これらの施策を通じて、社員が裁量を持って働ける環境を提供し、働きやすさと生産性向上の両立を図っています。
ii. 健康状況の把握
毎月の事業本部長以上が出席する役員会議において、労働時間や休暇取得状況をモニタリングし、全社的なリソース配置や社員の健康状態の把握に役立てています。前連結会計年度の年間平均残業時間は20.8時間、有給休暇取得率は58.7%となっています。有給休暇の取得に加えて、夏季休暇や本人・家族の看護等に利用できるケア休暇といった特別休暇も整備しており、業務状況に応じて柔軟に休暇を取得できる環境を整えています。
また、心身の状態を定量的に把握するため、「パルスサーベイ」を毎月実施し、チーム単位で状態を確認し、早期の課題発見・改善につなげています。
iii.長期的なキャリア形成の支援
当社では、成果責任と自立性を重視したコンサルティング文化を基盤に、以下の育成施策を実施しています。
・入社時の独自コンサルティング研修による基礎力の習得
・オンライン研修プログラムを活用した継続的なスキル習得支援
・資格取得支援制度による専門性向上と中長期的キャリア形成の後押し
このように人的資本への投資等については具体的な取組を実施しておりますが、現在は事業構造の転換期であり、採用拡大に伴う社員構成の変革期にあることから、人的資本に関する定量目標の設定には至っていません。しかし、社員構成が安定する来期以降、データの蓄積と分析を踏まえ、適切な目標設定や開示を進めていく方針です。
(3)リスク管理
当社では社内取締役及び各事業本部長が出席する定例会議において、サステナビリティに関する課題を含むリスク全般について該当事項があれば評価報告と対応方針が話し合われています。中でも重要なものについては取締役会にて議論されることとなっています。また、事業に関連して発生した問題点については、各チームから事業本部長へ事例共有がなされ、再発防止策等の検討が実施されています。中でも大きな問題となり得るものについてはリスク管理委員会において対応が検討されることとなっています。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあり、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。これらのリスクについては、その発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末日において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。
(1)コンサルティング事業に係るリスクについて
① 当社グループのコンサルティングサービスについて
当社グループは、大手・上場企業やプライベート・エクイティ・ファンド等、広範囲に事業を展開する大企業を中心にコンサルティングサービスを提供しておりますが、コンサルティングサービスのうち、コストマネジメントに関する報酬は、顧客のコスト削減の成果に連動する成果報酬型になっております。そのため、国内のインフレ進行、為替の変動等により、直接材や間接材の価格高騰が発生した場合には、これらの影響を受け、コスト削減が困難もしくはコスト削減の効果が縮小することで、顧客に十分な成果を提供できない可能性があります。その場合、成果又は受託案件の減少を通じて、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 業績の変動について
コンサルティング事業では成果報酬型のコンサルティングサービスを提供しており、その成果は受託案件の規模により、報酬が異なります。当社グループでは、受託案件数を増やすことにより、安定した業績をあげられるよう取り組んでおりますが、案件規模の大小や案件数の変動により、各四半期の業績が大きく変動する可能性があります。
また、当社グループはコンサルティングサービスの品質向上、契約条件の明確化等に取り組んでおりますが、当初想定した成果をあげられないこと、取引先に当社グループの提案が採用されないことにより想定した報酬を受領できない可能性があります。その場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 競合について
当社グループが属するコンサルティング業界は、許認可等の制限がないため、基本的に参入障壁は高くない業界といえます。当社グループが成果報酬型コンサルティングの提供を通じて積み上げてきた豊富な経験、実績及び社内ノウハウや教育システムは容易に模倣できるものではないと認識しております。しかしながら、競合のコンサルティングファームによる成果報酬型コンサルティングの導入やサービス品質の向上により、競争環境が激化した場合においては、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 人材の確保について
当社グループの事業の中核である経営コンサルティングサービスの提供を行うためには、高い能力を有するコンサルタントの獲得・育成・維持が課題であると認識し、人材投資を強化しております。職場としての魅力を高めて発信し、採用手法や育成機会を多様化する等、人材投資の効果向上を図っておりますが、人材を適時に確保できない、又は能力開発が進まない場合、あるいは人材が大量に社外流出してしまった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 法的規制について
コンサルティング事業については、現時点において事業を制限する直接的な法的規制は存在しないと考えております。しかしながら、今後、事業を直接的もしくは間接的に制限する法的規制がなされた場合、又は従来の法的規制の運用に変更がなされた場合には、事業展開は法的規制により制約を受け、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)ファンド事業に係るリスクについて
① 投資活動について
ファンド事業における投資プロセスは、チームメンバーの幅広い経験を活用し、案件の組成、当該案件の評価及び選別、投資後の経営と運用、そしてExitの実現となっております。投資判断は、「投資委員会規程」及び組合契約の規定に従い主にパートナーで構成される投資委員会において行っております。投資委員会では、投資検討先の成長性、事業性、事業リスク、経営層メンバーの評価、投資採算、投資後の施策、Exit戦略等、の観点から議論を行った上で投資するか否か決定しております。しかしながら、議論の結果として投資実行に至らない場合及び投資実行をするも投資先企業の事業が当初計画どおりに進捗せずに財務状況が悪化した場合には、Exitができずに投資資金の回収が困難となる場合があります。また、Exitについては、経済や政治情勢、株式市場、金融市場の動向により成否や売却金額が変動する可能性があるため、望ましい条件でExitできない可能性があります。これらの場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 投資先企業の評価について
ファンド事業における投資先企業の評価は、投資先企業の財務状況及び業績に基づき行っておりますが、これらが悪化した場合、かつ、回復可能性がないと判断した場合においては、投資損失引当金や減損損失の計上が必要となる可能性があります。投資損失引当金や減損損失の計上をした場合であっても、結果として投資コストを上回る価格でExitできる可能性はありますが、これらの場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 投資先企業への担保提供について
当社グループは、投資先企業の資金調達を実施するために、当社グループが保有する投資先企業の株式を投資先企業の資金提供者に担保提供することがあります。そのため、投資先企業が資金提供者に債務履行をしない場合には、担保権が実行されることとなり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 各期末時点における担保の内容と金額は、「第5 経理の状況」の連結財務諸表に関する注記の「(連結貸借対照表関係) ※2 担保資産及び担保付債務」に記載のとおりであります。
④ 業績の変動について
ファンド事業の業績は、主に投資先企業のExitによる収益及びファンド運用に係る費用にて構成されております。投資先企業のExitは、主に第三者への株式譲渡となり、そのキャピタルゲインが収益となりますが、実現する時期及び対価は投資先企業の特性やその他様々な要因の影響を受けます。そのため、会計年度ごとに業績が大きく変動する可能性があります。
⑤ 法的規制について
ファンド事業については、複数の法的規制(金融商品取引法、投資事業有限責任組合契約法、会社法等)及び自主規制機関による規制の対象となります。そのため、ファンド運営支援会社及び法律事務所と連携し、関係部署が業務に係る法的規制の制定・改廃に関する情報収集と対応を行っております。しかしながら、今後、法的規制が及ぶことにより事業が制限される場合及び規制への対応で費用が増加する場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)その他のリスクについて
① 代表取締役への依存について
創業者であり代表取締役である佐谷進は、当社グループ全体の経営方針や経営戦略の立案をはじめ、取引先との関係構築、新規事業の構想等、当社グループの事業活動上重要な役割を担っております。代表取締役に対し、過度に依存しない組織的な経営体制の構築を進めておりますが、不測の事態により代表取締役が職務を執行することが困難になった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 小規模組織であることについて
当社グループの組織体制は小規模であり、業務執行体制及び内部管理体制もそれに準じたものとなっております。当社グループは今後の事業展開に応じて、採用・能力開発等によって業務執行体制及び内部管理体制の充実を図っていく方針であります。しかしながら、当社の事業領域の環境や競合状況が急変する場合、対応に要する経営資源が不十分なために、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ システム等に関するリスクについて
当社グループのサービスは、外部クラウドサーバーにて提供しており、当該サーバーの安定的な稼働が当社グループの事業運営上、重要な事項となっております。システムエラー、人為的な破壊行為、自然災害等や当社の想定していない事象の発生により当該サーバーが停止した場合や、コンピュータ・ウイルスやクラッカーの侵入その他の不具合等によりシステム障害が生じた場合、又は当該サーバーの運営会社との契約が解除される等により当該サーバーの利用が継続できなくなった場合には、顧客への損害の発生、当社グループの追加費用負担、又は当社グループのブランドの毀損などにより、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 情報管理について
当社グループにおいては、顧客の機密情報や個人情報を取得することから、秘密保持契約等によって守秘義務を負っております。厳重な情報管理及び従業員への守秘義務の徹底をしておりますが、何らかの理由によりこれらの機密情報や個人情報が外部に漏洩した場合、当社グループの信用失墜等によって、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 風評リスクについて
当社グループは、高品質のコンサルティングサービス提供、役職員に対する法令遵守浸透、厳格な情報管理、コンプライアンス体制の構築等の取組を行うことにより、健全な企業経営を行っております。しかしながら、悪意を持った第三者が、意図的に噂や憶測、評判等のあいまいな情報を流す、又は何らかの事件事故等の発生に伴う風評により、当社グループに対する誤解、誤認、誇大解釈等が生じ、事業に対し直接間接に損失を被ることが発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 訴訟等に係るリスクについて
当社グループは、有効なコンプライアンス体制の確立に努めておりますが、事業遂行にあたり当社の法令違反の有無にかかわらず、何らかの原因で当社が訴訟等を提起される可能性があります。これらの訴訟が提起されること及びその結果によっては、当社グループの事業及び業績に直接的な影響や、風評を通じた間接的な影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 自然災害、事故等について
当社グループは、主に東京都に事業拠点を有しております。これら事業拠点が、地震、津波、台風等の自然災害、事故、火災、テロ等の被害を受けた場合、交通網の混乱、営業活動の停止、システム障害等により事業活動に支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 配当政策について
当社グループは、株主に対する利益還元と同時に、財務体質の強化や事業拡大及び競争力の確保を経営の重要課題として位置づけております。現時点では、当社グループは成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、事業拡大及び事業効率化のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。このことから、当社は現在まで配当を実施しておらず、今後においても当面の間は内部留保の充実を図る方針であります。将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
⑨ M&Aについて
当社グループは、コンサルティングサービスの拡充を目的として、国内におけるM&Aを事業展開の選択肢の一つとして考えております。M&Aを行う際には、対象企業の財務内容や契約関係等について、弁護士・公認会計士等の外部専門家の助言を含めたデューデリジェンスを実施すること等により、各種リスク低減に努めております。しかしながら、M&Aによる事業展開においては、当社グループが当初想定したシナジーや事業拡大等の効果が得られない可能性があります。また、子会社化後の業績悪化やのれんの償却又は減損等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当社グループは、有償契約の前に「投資フェーズ」を設ける成功報酬型コンサルティング及び国内屈指の実績を持つ成果報酬型コストマネジメント・コンサルティングを中心としたコンサルティング事業の成長に取り組んでおります。
成果報酬型コストマネジメント・コンサルティングにおいては、インフレ進行に伴う値上げの影響が継続していることによりコスト削減の実現が困難となっていることから、厳しい事業環境が続いております。他方で、コストマネジメントに対する需要及び成果報酬型ではサービス提供が難しい企業活動への様々な支援に対する需要は依然として高い状況が続いております。これらの需要に応えるため、固定報酬型のコンサルティングサービスにおいて有償契約の前に「投資フェーズ」を設ける新たなコンサルティングサービスのモデルである成功報酬型コンサルティングを確立すべく提供を開始し、順調に拡大しております。その結果、コンサルティング事業は、売上高4,122百万円(前期比28.6%増)、営業損失1,067百万円(前年同期は営業損失79百万円)となりました。また、事業拡大に向けて積極的なリクルーティングを行った結果、当連結会計年度末における従業員数は前連結会計年度末比で81名増の319名となりました。
当社グループとしては、引き続き固定報酬型コンサルティングサービス拡大による事業の成長に加え、成果報酬型コストマネジメント・コンサルティングの立て直しにより、成長軌道に回帰するよう事業運営を行ってまいります。
ファンド事業においては、ドルフィン1号投資事業有限責任組合にて保有する株式の売却及び配当の受取があったため、当該売却及び配当の受取に伴う損益が発生しました。その結果、ファンド事業は、売上高8,180百万円(前期比427.7%増)、営業利益6,013百万円(前期比457.8%増)となりました。
以上により、当連結会計年度の業績は、売上高12,302百万円(前期比158.7%増)、営業利益4,945百万円(前期比395.1%増)、経常利益4,947百万円(前期比287.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益205百万円(前期比35.6%減)となりました。
なお、当連結会計年度より、当社グループは、新たなファンドを組成したことに伴い、セグメント区分方法の見直しを行った結果、報告セグメントを従来の「コンサルティング事業」の単一セグメントから、「コンサルティング事業」及び「ファンド事業」の2区分に変更しております。前連結会計年度との比較及び分析については、変更後の区分に基づいて記載しております。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ1,310百万円増加し、14,425百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ406百万円増加し、12,782百万円となりました。これは主にその他流動資産が182百万円減少したものの、現金及び預金が324百万円、売掛金及び契約資産が163百万円、営業投資有価証券が100百万円増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ904百万円増加し、1,642百万円となりました。これは主にのれんが30百万円減少したものの、建物附属設備が263百万円、工具、器具及び備品が66百万円、投資有価証券が421百万円、敷金及び保証金が235百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ741百万円増加し、2,532百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ730百万円増加し、1,664百万円となりました。これは主に未払法人税等が256百万円、未払金が167百万円、未払費用が164百万円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ11百万円増加し、867百万円となりました。これは主に長期借入金が219百万円減少したものの、資産除去債務が115百万円、繰延税金負債が113百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ569百万円増加し、11,892百万円となりました。これは主に、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益の計上により205百万円、その他有価証券評価差額金が269百万円増加したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末より324百万円増加し、5,843百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、5,410百万円(前期は99百万円の支出)となりました。これは主に、ファンド事業において株式の売却等により税金等調整前当期純利益4,955百万円があった一方で、売上債権の増加額163百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果として使用した資金は、468百万円(前期は292百万円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出261百万円、敷金及び保証金の差入による支出239百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果として使用した資金は、4,618百万円(前期は77百万円の支出)となりました。これは主に、非支配株主からの払込みによる収入1,350百万円があった一方で、非支配株主への分配金の支払5,627百万円があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
|
サービスの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年11月1日 至 2025年10月31日) |
|
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
コンサルティング事業 |
4,122,392 |
128.6 |
|
ファンド事業 |
8,180,296 |
527.7 |
|
合計 |
12,302,688 |
258.7 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年11月1日 至 2024年10月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年11月1日 至 2025年10月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社シーエーシー |
1,450,192 |
30.5 |
- |
- |
|
伊藤忠建材株式会社 |
- |
- |
3,100,000 |
25.2 |
|
明和産業株式会社 |
- |
- |
1,490,000 |
12.1 |
|
株式会社223 |
- |
- |
2,792,099 |
22.7 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②経営成績の分析
a.売上高
当連結会計年度の売上高は、売上高12,302百万円(前期比158.7%増)となりました。これは主に、固定報酬型コンサルティングが堅調に推移したことに加えて、ファンド事業においてドルフィン1号投資事業有限責任組合が保有する株式の売却があったためであります。
b.売上原価、売上総利益
当連結会計年度の売上原価は、4,770百万円(前期比108.3%増)となりました。これは主に、固定報酬型コンサルティングの拡充に向け引き続き人材獲得を積極的に行ったことで人員が増加し、人件費が増加したことに加え、ファンド事業での株式売却に伴う投資原価の増加によるものであります。
この結果、売上総利益は7,531百万円(前期比205.5%増)となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、2,586百万円(前期比76.4%増)となりました。これは主に、事業拡大に向け人材獲得を図り採用費が増加していることによるものであります。
この結果、営業利益は4,945百万円(前期比395.1%増)となりました。
d.経常利益
当連結会計年度において、営業外収益は主に助成金収入の計上により21百万円(前期比92.5%減)、営業外費用は主に支払利息と租税公課の計上により19百万円(前期比122.8%増)発生しております。この結果、経常利益は4,947百万円(前期比287.8%増)となりました。
e.特別損益、包括利益
税金等調整前当期純利益は4,955百万円(前期比288.4%増)となりましたが、法人税等合計268百万円(前期比228.9%増)、その他有価証券評価差額金269百万円(前期は△2百万円)の計上により包括利益は4,956百万円(前期比315.8%増)となりました。
③財政状態の状況
財政状態の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」をご参照ください。
④キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、中長期的に持続的な成長を図るため、人件費等や従業員等の採用に係る人材関連費用、並びに販売費及び一般管理費等の営業費用への資金需要があります。
当連結会計年度における資金の主な増減要因については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
⑥経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、サービスの性質、人材の確保等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。