独立監査人の中間連結財務諸表に対する期中レビュー報告書

 

2026年2月13日

エア・ウォーター株式会社

取締役会  御中

 

有限責任 あずさ監査法人

 大阪事務所

 

 

指定有限責任社員
業務執行社員

 

公認会計士

龍 田  佳 典

 

 

指定有限責任社員
業務執行社員

 

公認会計士

小 池  亮 介

 

 

指定有限責任社員
業務執行社員

 

公認会計士

江 﨑  真 護

 

 

限定付結論

当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、「経理の状況」に掲げられているエア・ウォーター株式会社の2025年4月1日から2026年3月31日までの連結会計年度の中間連結会計期間(2025年4月1日から2025年9月30日まで)に係る要約中間連結財務諸表、すなわち、要約中間連結財政状態計算書、要約中間連結損益計算書、要約中間連結包括利益計算書、要約中間連結持分変動計算書、要約中間連結キャッシュ・フロー計算書及び注記について期中レビューを行った。

当監査法人が実施した期中レビューにおいて、上記の要約中間連結財務諸表が、「限定付結論の根拠」に記載した事項の要約中間連結財務諸表に及ぼす可能性のある影響を除き、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条により規定された国際会計基準第34号「期中財務報告」に準拠して、エア・ウォーター株式会社及び連結子会社の2025年9月30日現在の財政状態並びに同日をもって終了する中間連結会計期間の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を適正に表示していないと信じさせる事項が全ての重要な点において認められなかった。

 

限定付結論の根拠

要約中間連結財務諸表注記(過年度の虚偽表示の修正再表示)に記載されているとおり、エア・ウォーター株式会社(以下、「会社」という。)は、連結子会社で在庫に関する不適切な会計処理(損失の先送り)を2025年7月に発見した。その後、社内調査と当監査法人の監査により、会社及び他の連結子会社においても在庫に関する不適切な会計処理が発見され、会社役職員の関与の可能性も生じたため、会社は、2025年10月に特別調査委員会を設置して調査を進めるとともに、会社(外部専門家を含む。)による自主点検を実施した。特別調査委員会による調査及び会社による自主点検(以下、「調査及び自主点検」という。)には、財務分析、実地棚卸の実施状況の検証、収益認識の妥当性の再検討に加え、不適切な会計処理の実態を把握するための以下の調査手続が含まれている。

(1) 会社、連結子会社及び外部関係者(合計約240名)に対するヒアリング

(2) 会社及び連結子会社の重要な関係者(合計約200名)に対するデジタル・フォレンジック調査

(3) 不適切な会計処理への関与についての約500名へのアンケート調査

(4) 会社及び連結子会社を対象とするホットラインの設置と社内リニエンシー制度(調査協力による社内処分減免制度)の導入、会社及び約60社の連結子会社を対象とするリニエンシー周知徹底プログラムの実施

これらの調査及び自主点検を実施した結果、会社及び複数の連結子会社において、売上又は利益目標達成への会社の経営トップによる過度なプレッシャーを背景に、証憑の偽造やデータの改ざんを伴う売上収益の前倒し又は後倒し、売上収益の二重計上、在庫の過大計上、資産評価損の先送り、引当金の計上回避、資産性のない支出の資産計上など様々な不適切な会計処理が行われたことが判明した。

そのため、会社は、現時点で特定された虚偽表示について比較情報を修正再表示するとともに、当中間連結会計期間の要約中間連結財務諸表に反映しているが、過年度の有価証券報告書等は訂正していない。なお、調査及び自主点検は継続しているが、会社は、現時点までに得られた結果に基づいて未了事項の影響を評価した結果、今後の調査及び自主点検により新たな虚偽表示が判明したとしても要約中間連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性はないと判断している。

当監査法人は、上記の不適切な会計処理が判明したことを受け、質問及び分析的手続に加えて、追加的な手続として、不正調査の専門家やITの専門家を利用しながら、これまでに実施された調査及び自主点検の結果を評価するとともに、売上収益及び売上原価の証憑突合、実地棚卸の立会などを実施した。しかし、下記1及び2の事項を確かめるための重要な期中レビュー手続を実施できなかった。

 

1.エア・ウォーター防災株式会社の売上収益及び売上原価の期間帰属の適切性

要約中間連結財務諸表注記(過年度の虚偽表示の修正再表示)に記載されているとおり、会社の連結子会社であるエア・ウォーター防災株式会社(以下、「AW防災」という。)では、売上収益及び売上原価について、売上収益の前倒し又は後倒し、原価付替などの不適切な会計処理が過年度から行われていたことが判明した。

そのため、当監査法人は、期中レビュー手続において、AW防災の営業・会計の責任者等に対して取引内容や取引条件等を質問したほか、工事契約書や工事完成引渡書、物品受領書、発注書等の証憑との突合などの追加的な手続を実施した。しかし、工事完成日や物品の引渡日に関連する証憑が偽造されていたほか、労務費や外注費等の原価付替の実態解明に必要な記録が残っていなかったことから、当監査法人は、AW防災における当中間連結会計期間の売上収益13,052百万円及び売上原価8,190百万円、比較情報である前中間連結会計期間の売上収益10,578百万円及び売上原価7,318百万円(それぞれ関連する財政状態計算書項目を含む。)に係る期間帰属の適切性を検証するための手続が実施できず、結論の表明の基礎となる証拠を入手できなかった。

この結果、当監査法人は、当中間連結会計期間の売上収益及び売上原価並びに比較情報である前中間連結会計期間の売上収益及び売上原価(それぞれ関連する財政状態計算書項目を含む。)の数値に修正が必要となるかどうかについて判断することができなかった。

これらの影響は、連結子会社であるAW防災の特定の勘定科目に限定されている。したがって、要約中間連結財務諸表に及ぼす可能性のある影響は重要であるが広範ではない。

 

2.売上収益の期間帰属の適切性

要約中間連結財務諸表注記(過年度の虚偽表示の修正再表示)に記載されているとおり、会社及び複数の連結子会社において、売上収益の前倒し又は後倒し、売上収益の二重計上、原価付替などの不適切な会計処理が過年度から行われていたことが判明した。そのため、これまでに実施された調査及び自主点検の結果として特定された虚偽表示について比較情報を修正再表示するとともに、当中間連結会計期間の要約中間連結財務諸表に反映しており、修正された虚偽表示は多数ある。要約中間連結財務諸表に計上された売上収益の額及び虚偽表示の修正による売上収益の減少額は以下のとおりである。

 

前中間連結会計期間

当中間連結会計期間

要約中間連結損益計算書に計上された売上収益の額

504,608百万円

516,639百万円

虚偽表示の修正による売上収益の減少額

3,353百万円

530百万円

 

 

多数の虚偽表示が検出されたことを受け、当監査法人は、期中レビュー手続において、商流の再調査、売上収益及び売上原価の証憑突合、当中間連結会計期間末における実地棚卸の立会などの追加的な手続を実施した。しかし、売上収益の期間帰属に係る不適切な会計処理は、会社及び複数の連結子会社において検出されており、加えて、売上収益の期間帰属を確かめるために必要な証憑が適切に保存されていなかったことから、当監査法人は、前連結会計年度以前の会計年度末(中間連結会計期間末を含む。)における売上収益(関連する売上原価及び財政状態計算書項目を含む。)の期間帰属に係る虚偽表示として修正すべき額の妥当性を検証するための手続が十分に実施できなかった。

この結果、当監査法人は、当中間連結会計期間及び比較情報である前中間連結会計期間の売上収益の期間帰属に係る虚偽表示として修正すべき額(関連する売上原価及び前連結会計年度末の財政状態計算書項目の修正すべき額を含む。)について結論の表明の基礎となる証拠を入手することができず、これらの数値に修正が必要となるかどうかについて判断することができなかった。

ただし、これまでの調査及び自主点検並びに当監査法人による期中レビュー手続により発見された売上収益の期間帰属に係る虚偽表示の修正による影響は、個々に重要ではなく、集計した場合でも要約中間連結損益計算書に計上されている売上収益に比して限定的である。そのため、残存している可能性がある売上収益の期間帰属に係る虚偽表示の修正による影響は、要約中間連結財務諸表全体に対して結論表明ができない程ではなく、要約中間連結財務諸表に及ぼす可能性のある影響は重要であるが広範ではない。

上記の「1.エア・ウォーター防災株式会社の売上収益及び売上原価の期間帰属の適切性」及び「2.売上収益の期間帰属の適切性」の影響は、集計しても特定の勘定科目に限定され、当該影響を除外すれば、要約中間連結財務諸表は、エア・ウォーター株式会社及び連結子会社の2025年9月30日現在の財政状態並びに同日をもって終了する中間連結会計期間の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を適正に表示していないと信じさせる事項が全ての重要な点において認められない。したがって、要約中間連結財務諸表に及ぼす可能性のある影響は重要であるが広範ではない。

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる期中レビューの基準に準拠して期中レビューを行った。期中レビューの基準における当監査法人の責任は、「要約中間連結財務諸表の期中レビューにおける監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定(社会的影響度の高い事業体の財務諸表監査に適用される規定を含む。)に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、限定付結論の表明の基礎となる証拠を入手したと判断している。

 

要約中間連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任

経営者の責任は、国際会計基準第34号「期中財務報告」に準拠して要約中間連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない要約中間連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

要約中間連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき要約中間連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、国際会計基準第1号「財務諸表の表示」第4項に基づき、継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 

要約中間連結財務諸表の期中レビューにおける監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した期中レビューに基づいて、期中レビュー報告書において独立の立場から要約中間連結財務諸表に対する結論を表明することにある。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる期中レビューの基準に従って、期中レビューの過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・主として経営者、財務及び会計に関する事項に責任を有する者等に対する質問、分析的手続その他の期中レビュー手続を実施する。期中レビュー手続は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して実施される年度の財務諸表の監査に比べて限定された手続である。

・継続企業の前提に関する事項について、重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められると判断した場合には、入手した証拠に基づき、要約中間連結財務諸表において、国際会計基準第1号「財務諸表の表示」第4項に基づき、適正に表示されていないと信じさせる事項が認められないかどうか結論付ける。また、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、期中レビュー報告書において要約中間連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する要約中間連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、要約中間連結財務諸表に対して限定付結論又は否定的結論を表明することが求められている。監査人の結論は、期中レビュー報告書日までに入手した証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

・要約中間連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準第34号「期中財務報告」に準拠していないと信じさせる事項が認められないかどうかとともに、関連する注記事項を含めた要約中間連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに要約中間連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示していないと信じさせる事項が認められないかどうかを評価する。

・要約中間連結財務諸表に対する結論表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する証拠を入手する。監査人は、要約中間連結財務諸表の期中レビューに関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。監査人は、単独で監査人の結論に対して責任を負う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した期中レビューの範囲とその実施時期、期中レビュー上の重要な発見事項について報告を行う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。

 

利害関係

会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

以  上

 

 

(注)1.上記の期中レビュー報告書の原本は当社(半期報告書提出会社)が別途保管しております。

2.XBRLデータは期中レビューの対象には含まれていません。

 

E00792-000 2026-02-13