文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループの存在意義は、「日本のモノづくりを輝かせる」ことであり、「世界と繋がり、技術を磨き、未来へ挑む」ことを行動基準としております。
当社は、これまで注力してきた商社ビジネスだけでなく、モノづくりを通じた顧客への提供価値拡大を目指し、長期的な目標であるVisionの見直しを実施しました。新Vision「日本一のエンジニアリング力を誇るソリューションカンパニー」を経営の基本方針とし、顧客に対する付加価値拡大を図ることで、Visionの実現を目指してまいります 。
(経営環境及び優先的に対処すべき課題)
当社グループ全体を取り巻く経営環境は、世界経済の先行き不透明感が高まる中、複雑性を増しております。国家間の対立や紛争の長期化といった地政学リスクの増大、主要国における金融政策の方向性の違いから生じる急激な為替変動など、当社を取り巻く環境は多様化・複雑化しております。また、国内においては生産年齢人口の減少を背景とした労働力不足が深刻化しているほか、脱炭素社会への移行や人権尊重、ガバナンス強化といったサステナビリティ対応への要請も一層高まっております。
当社が展開する事業領域においては、AIの社会実装の本格化に伴うデータセンター需要の拡大や、自動車産業におけるCASEの進展、第5世代移動通信システム(5G)の普及など、あらゆる分野で活用される半導体の市場全体での中長期的な成長が期待されております。また、エレクトロニクス製品の高度化・複雑化、労働力不足やDXの潮流を背景に製造工程の自動化・省人化ニーズの加速も見込まれます。このような市場環境に対し、事業間連携のさらなる強化により当社が強みを持つ計測・検査技術やFA(ファクトリーオートメーション)技術を付加したソリューションの提供に注力することで、顧客のさらなる生産性向上や品質管理高度化に貢献し、提供価値の拡大を図ります。
また、防衛産業については、我が国を取り巻く安全保障環境の変化に伴い、防衛関連予算の増額や海上保安能力強化等、国内における防衛力強化機運は年々高まっております。このような動向に対し、これまで注力してきた官公庁船向け舶用機器の提供に加え、メンテナンスサービスに新たに着手することで、防衛産業に対する提供価値を拡大し、着実な事業成長を目指します。
(中期経営計画)
経営環境の急速な変化に対応し、中長期的な企業価値向上を図るため、当社グループは2026年11月期から2028年11月期までの3年間を対象とする中期経営計画を策定いたしました。本中期経営計画では、中期ビジョン「ソリューションの洗練化に向けた経営・事業基盤の強化」を掲げ、長期的な目標である「日本一のエンジニアリング力を誇るソリューションカンパニー」の達成に向けた基盤強化期間と位置づけております。中期ビジョン実現に向けて、当社の強みである卓越した目利き力や高度なエンジニアリング力等を深化しつつ、事業間連携の一層の強化による全社的なシナジーを追求することで、顧客に対する付加価値向上に取り組みます。
当社グループが目標とする経営指標では、本中期経営計画最終年度である2028年11月期に売上高5,400百万円、営業利益490百万円以上、ROE10%以上を掲げ、各種目標達成に向けて取り組みを推進してまいります。
また、当社グループは本中期経営計画で掲げる中期ビジョンや目標とする経営指標の達成に向けて、①事業横断による提案力の強化、②エンジニアリング力の深化、③組織力向上に向けた基盤整備の3つの基本方針を設定しております。顧客に対するさらなる付加価値向上を目指し、事業横断での連携による提供製品・ソリューションの拡大に取り組むほか、当社の強みである“エンジニアリング力”の深化、今後の企業成長に向けた組織力向上を見据えた基盤整備に取り組んでまいります。
さらに、当社が展開する4つの事業において、エレクトロニクス事業及びマリン・環境機器事業は当社の基盤として成長市場での事業拡大と安定的な収益確保の役割を担います。サイエンス事業は中長期的な成長に向けた育成準備を進め、SI事業は当社収益の第三の柱を見据えた成長の加速を図る位置付けとしております。本中期経営計画では各事業の位置付けを踏まえ設定した事業方針をベースに、具体的な取り組みを推進することで、中期ビジョンや目標とする経営指標の達成を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループは、サステナビリティに係るリスク及び機会について当社の取締役会において検討し、具体的な課題への対応を進めております。
a.マテリアリティ
社会課題解決と当社グループの企業価値向上の双方の実現に向けた課題をマテリアリティ(重要課題)と定義し、2025年に当社を取り巻く事業環境を踏まえた6つのマテリアリティを特定しました。
当社のマテリアリティ
b.指標及び目標
今後は、「各マテリアリティが解決した状態」の実現に向けて、事業戦略との整合性も加味した取り組みを進めると共に、各マテリアリティに対し非財務KPIを定め、具体的な進捗管理を実施することで、持続可能な社会への貢献と当社の中長期的な成長の実現を目指します。
c.人的資本に対する取り組み
今回特定したマテリアリティ「多様な人材(専門性・バックグラウンド)が主体的に活躍・成長できる環境の整備」、「次世代人材の確保、育成の推進」を中心に、各種取り組みを進めております。今後は、人事制度の見直し検討や求める人材像に基づく採用・育成戦略のさらなる検討を進めるなど、企業価値向上を支える人材面での基盤整備をより一層推進してまいります。
当社グループは、当社の取締役会において、サステナビリティに係るリスクへの対応の検討及び管理を実施しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループにおいては、設立当初からワイヤボンダーを中心としたエレクトロニクス事業の売上高が、総売上高に対して高い割合を占めており、エレクトロニクス事業の販売動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりませんが、当該リスクを踏まえ、各事業において新たな商材・ビジネスの開拓を進めるとともに、自社製品の開発・販売の強化を進めております。
当社グループのエレクトロニクス事業、マリン・環境機器事業およびサイエンス事業においては、国内外の仕入先メーカーとの間で販売店契約を締結し、国内の顧客に商品を販売しております。メーカーの販売政策の変更等に伴って販売店契約の解除や契約内容が変更された場合、特に主力商品であるワイヤボンダーの製造元であるKulicke & Soffa社からの仕入れが困難となった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりませんが、リスクへの対応策として、新たな商材・ビジネスの開拓に加え、自社製品の開発・販売の強化に努めております。
当社グループにおいては、仕入の多くが外貨建輸入取引であり、急激な為替レートの変動が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。このような外貨建輸入取引の為替レートの変動リスクを極力回避するため、為替予約等のリスクヘッジの手段を講じて、輸入原価の安定に努めております。また、為替変動による影響が長期化することが予想される場合には、海外仕入先との価格改定、国内販売先に対する価格改定等の交渉を行うなど当社グループへの影響を減少するよう努力しております
当社グループの売上計上基準は、半導体製造装置等の機械装置について原則検収基準を採用しており、メーカーからの機械装置の納品の遅れ、あるいは顧客の受入検査の遅れ等によっては、契約上予定されていた期間内に検収を受けることができない場合があります。特に、決算月に大きな案件が計画どおりに検収を受けることができなくなるような事態が発生した場合には、売上高及びそれに対応する売上原価の計上時期が翌連結会計年度となることにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは小規模であり、社内管理体制もこの規模に応じたものとなっております。事業が急速に拡大した場合において、人員・体制など適切かつ十分な組織対応ができなかったときには当社グループの事業遂行及び拡大に制約が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。このようなリスクに備え、事業の状況の適時な把握と社内管理体制の強化を進めております。
当連結会計年度においては、ロシア・ウクライナ情勢に加え中東においても緊迫した状況が継続しており、今後の動向は依然として不透明です。また、米国の通商政策の動向を踏まえ、国内外の金利や為替の動向への注視が必要です。
このような状況のもと、当社グループは、重点課題である「半導体テストソリューションの強化」、「FA装置分野の強化」、「舶用機器販売の強化」、「試験・計測システムインテグレーションの強化」および「理化学機器の販売強化」に取り組んでまいりました。
当連結会計年度においては、特にマリン・環境機器事業が好調であり、売上高は4,522,433千円(前連結会計年度比13.9%増)、営業利益は586,690千円(前連結会計年度比112.1%増)、経常利益は603,191千円(前連結会計年度比90.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は412,655千円(前連結会計年度比94.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
当事業においては、有望な商材である半導体テスターを中心とした半導体テストソリューションの強化および自社開発装置と輸入商材の相互補完によるFA装置分野の強化に注力してまいりました。当連結会計年度においては、おおむね順調に案件の検収が進み、売上高は2,604,448千円(前連結会計年度比1.6%増)、営業利益は285,913千円(前連結会計年度比2.1%減)となりました。
当事業においては、有望な舶用機器メーカーの舶用クレーンをはじめとする特殊甲板機器の販売に注力してまいりました。これらの舶用機器は受注から検収までの期間が長く、当連結会計年度においては前連結会計年度以前に受注した舶用機器の納入が予定どおりに進み、売上高は1,056,867千円(前連結会計年度比63.7%増)、営業利益は438,031千円(前連結会計年度比139.5%増)となりました。
当事業においては、エレクトロニクス事業の装置開発・設計部門との連携強化を進め、主要ビジネスである試験・計測システムインテグレーションの強化に注力してまいりました。当連結会計年度においては、これらの取組みが順調に進み、売上高は694,835千円(前連結会計年度比11.7%増)、営業利益は74,474千円(前連結会計年度は27,227千円の営業損失)となりました。
当事業においては、海外メーカー製ガスクロマトグラフィー関連装置をはじめとする理化学機器の販売強化に注力しております。当連結会計年度においては、有望な引き合いはあり、増収ではあるものの、利益面においては低調に推移し、売上高は166,281千円(前連結会計年度比20.1%増)、営業損失は16,531千円(前連結会計年度は4,396千円の営業利益)となりました。
仕入、受注及び販売の実績は、次のとおりです。
当連結会計年度におけるセグメントごとの仕入実績は、次のとおりです。
(注) セグメント間取引については相殺消去しております。
当連結会計年度におけるセグメントごとの受注状況は、次のとおりです。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(注)前連結会計年度においては、総販売高に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
当連結会計年度末における総資産は3,329,146千円(前連結会計年度末比10.4%増)となりました。
当連結会計年度末における自己資本比率は69.5%(前連結会計年度末比4.6ポイント増)となり、当連結会計年度末における1株当たり純資産額は1,310円06銭となりました。
資産、負債及び純資産の状況は、次のとおりです。
当連結会計年度末の総資産は、3,329,146千円(前連結会計年度末比314,674千円の増加)となりました。これは主に、電子記録債権の減少353,900千円および前渡金の減少144,604千円の一方で現金及び預金の増加275,786千円、商品の増加266,309千円および受取手形、売掛金及び契約資産の増加98,839千円などによる流動資産の増加210,377千円、ならびに有形固定資産の増加51,738千円および繰延税金資産の増加32,812千円などによる固定資産の増加104,297千円によるものです。
当連結会計年度末の負債合計は、1,016,046千円(前連結会計年度末比42,730千円の減少)となりました。これは主に、固定負債の増加15,314千円の一方で、短期借入金の減少210,000千円および買掛金の減少63,496千円などによる流動負債の減少58,044千円によるものです。
③ 純資産
当連結会計年度末における純資産は2,313,099千円(前連結会計年度末比357,405千円の増加)となりました。これは主に、配当金の支払はあったものの、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことによる利益剰余金の増加350,857千円によるものです。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、725,118千円(前連結会計年度末比275,786千円の増加)となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、606,589千円の収入(前連結会計年度は、336,029千円の支出)となりました。これは、主な支出要因である棚卸資産の増加312,335千円の一方で、主な収入要因として、税金等調整前当期純利益605,712千円を計上、売上債権の減少274,198千円、前渡金の減少144,604千円などがあったことによるものです。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、60,957千円の支出(前連結会計年度は、20,469千円の支出)となりました。これは主に、保険積立金の解約による収入19,014千円の一方で、有形固定資産の取得による支出55,908千円、無形固定資産の取得による支出18,137千円および保険積立金の積立による支出7,021千円などによるものです。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、272,512千円の支出(前連結会計年度は147,534千円の収入)となりました。これは主に、配当金の支払による支出61,767千円および短期借入金の返済による支出210,000千円によるものです。
④ 資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当社グループの資金需要のうち主なものは、商品の仕入れのほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、これらの運転資金については、自己資金および短期借入金により充当しております。また、当社は、運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行4行と当座貸越契約を締結しております。
なお、現時点においては、重要な資本的支出の予定はありません。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益および費用の計上額に影響を与える会計上の見積りを行う必要があります。当該見積りは、過去の経験等を勘案して適切と考えられる仮定に基づいておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる可能性があります。特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産)
繰延税金資産は、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し、回収可能見込額を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、課税所得が減少した場合、繰延税金資産が取り崩され、税金費用を計上する可能性があります。
(固定資産の減損処理)
減損の兆候のある資産又は資産グループについて、回収可能価額に基づき減損の判定を行っております。回収可能価額は、使用価値と正味売却価額のいずれか高い方により測定しております。回収可能価額は、事業計画や市場環境の変化により、その見積り金額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、追加の減損処理が必要になる可能性があります。
(退職給付費用及び退職給付債務)
当社グループは、退職給付費用及び退職給付債務について、割引率等、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。
(販売代理店契約)
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は
(1) サイエンス事業
サイエンス事業においては、安定的な収益確保を目指しつつ、長期的な事業成長を図るため、自社製品の開発を進めております。当連結会計年度における研究開発費の金額は