文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは創業以来、光と電子を高度な技術で融合させながら、画期的な製品を世界に出し、常に新たな領域へと挑戦を続けてまいりました。Only Oneの企業であること、Globalに発展する企業であることを目指し、自動認識業界の中においてトップクラスであることを理念とし、企業基盤の充実をはかり企業価値を高めて行く使命があると考えております。
(2)経営環境
当社グループが属する自動認識業界は、モジュールエンジンとして従来から1次元バーコードの読取に対応したレーザをメインに、同じく1次元対応のCCD、QRコード等の2次元コードに対応する2次元イメージャという構造で推移してまいりました。
当社グループは、かつてはレーザをメインとした1次元製品を主に展開しておりましたが、市場の変化に対応できるよう、2次元製品の開発を積極的に推進しております。
また、2次元製品の安価な領域では価格競争が激しくなってきており、より性能が求められるハイエンドな領域の製品の開発及び販売に注力してまいります。
この他、RFID市場については、対応する製品の製造・販売は行ってはいないものの、技術開発によるノウハウの蓄積に努め、市場動向を見据えながらユーザー要望に応じた事業展開を常に可能とする体制を整えてまいります。
(3)会社の対処すべき課題
当社グループが属する自動認識業界では、製品の性能・機能面における技術革新が加速し、競合企業との価格面の競争も激しさを増しております。特に、当社グループの海外事業において収益性が低下しており、また、当社グループの連結有利子負債の割合は高い水準にあります。
このような事業環境において、持続的な成長を実現し、より一層の競争優位性を確立していくためには、より高付加価値な製品の開発の加速、より効率的かつ安定的な生産体制の構築、そして製品を顧客に的確に訴求できる販売体制の強化が不可欠であると認識しており、特に海外事業における収益性改善に向けて、事業基盤の強化及び業務効率化による人員規模の適正化を行うことが必要と認識しておりますが、現状は3期連続営業損失を計上するなど財務基盤が不安定であり、それらの取組みに必要な投資を行うことに制約がある状況であります。
当社は、このような中で、財務体質を改善し、将来の持続的成長に向けた投資を実行すべく、日本エイサー株式会社(以下「日本エイサー」といいます。)及びEsquarre Vision Limited(以下「Esquarre Vision」といい、日本エイサーとEsquarre Visionを個別に又は総称して「割当先」といいます。)への第三者割当による新株式の発行及び自己株式の処分(以下「本第三者割当」といいます。)を実施することといたしました。
当社は、本定時株主総会において、当社と割当先の合意により割当先が指名した取締役候補者合計7名を選任しており、新たな経営体制の下で事業計画を見直す予定ですが、本第三者割当による調達資金及び割当先グループの経営資源及びネットワークも活用しながら、以下の課題に取り組んでまいります。
① 自動認識業界における競争力強化に向けた成長投資
自動認識業界における競争力強化に向けて、エッジAIを活用したマシンビジョン技術の開発強化、スキャナ製品の開発・販売強化、自社工場の生産ライン自動化への成長投資を計画しております。
(注)「エッジAI」とは、クラウドを介さずに端末機器においてAI 処理を行う技術をいいます
② 台湾事業の拡充と海外事業の構造改革
グループ全体の売上高の過半を占める海外事業について、割当先グループのAcer Inc.及びEsquarre Capitalの協力のもと、新製品開発のための投資及び関連投資を行うとともに、人員を増強し、プロダクトマネジメント、エンジニアリング(技術)、ビジネス、及びサプライチェーンの各機能を強化すると同時に、海外事業における開発や管理の業務効率化を実現することで、人員規模の適正化を推進してまいります。
③ 借入金の返済
将来の持続的成長に向けて、資本バッファーの構築による安定的な財務基盤の確立や、将来の成長に向けた資金調達余力の確保・拡大を図ることが急務であり、本第三者割当により取得した資金を有利子負債の圧縮に充当することを計画しております。
当社グループは、サステナビリティをめぐる課題への対応が当社にとって重要なリスク管理の一部であるとの認識を持ち、法令遵守、労働環境の改善、人権尊重といった財務活動以外の面も企業の持続的な成長のために不可欠であると考えております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループでは、現時点においてサステナビリティに関する基本方針を定めておらず、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し管理するためのガバナンスの過程、統制及び手続等の体制を、その他のコーポレート・ガバナンスの体制と区別しておりません。
コーポレート・ガバナンス体制の詳細は、「
(2)戦略
当社グループでは、現時点においてサステナビリティに関する基本方針を定めていないことから、サステナビリティ関連の戦略について重要性を鑑みた記載はありません。
なお、当社グループでは、性別・国籍等を理由とした形式的な登用は行っておらず、各人の業務内容・適性に基づき公正かつ適切に評価をしております。
また、国内の営業拠点及び製造子会社並びに海外子会社においては、いずれも従業員の現地採用を原則としており、各地域の実情を踏まえた運営を行っております。
人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針につきましては、現在具体的な方針・計画等は作成しておりませんが、当社の実情を踏まえ、現実的かつ実効性のあるものをとりまとめ、作成を検討してまいります。
(3)リスク管理
当社グループでは、現時点においてサステナビリティに関する基本方針を定めていないことから、サステナビリティに関するリスク管理については、現在把握しているその他の事業上のリスクと同様、リスク管理規程に基づき、管理体制を構築しております。
今後、サステナビリティの基本方針の策定と併せ、サステナビリティ推進の観点からも管理体制の見直しを検討してまいります。
(4)指標及び目標
当社グループでは、現時点においてサステナビリティに関する基本方針を定めていないことから、重要性のあるサステナビリティ関連指標及び目標は定めておりません。
当社及び連結子会社は関連法令による公表義務の対象ではないため、「
なお、現在当社の女性社員は全体の約2割となり、性別により業務内容、職責が変わることはありません。賃金については業務内容等に基づき設定されており、性別を理由とした差異はありません。また、当社は管理職そのものが少ないフラットな組織構成であり、管理職相当の地位にある者はおりますが、明確に管理職として任命されている女性社員はおりません。
今後、サステナビリティの基本方針の策定と併せ、当社の実情に合わせた指標及び目標の設定を検討してまいります。
(5)人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標
当社グループでは、持続的な成長を支える基盤として人材の重要性を認識しており、人材の育成及び社内環境整備については、当社の事業特性や組織規模を踏まえ、段階的に取組を進めていく方針であります。
当社は、2025年11月に新人事制度の導入を取締役会において決議しており、当該制度は、従業員の役割及び成果をより適切に評価し、人材の育成及び適正な配置を通じて、組織全体の活性化を図ることを目的としております。当該人事制度については、2025年12月より運用を開始する予定であります。
このため、当連結会計年度末現在においては、人材の育成及び社内環境整備に関する重要性のある定量的な指標及び当該指標を用いた具体的な目標並びに実績は設定しておりません。
今後は、新人事制度の運用状況を踏まえつつ、当社グループの実情に即した指標の設定及び目標の策定について検討してまいります。
以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資家の投資判断上重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、以下の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。また、以下の記載は当連結会計年度末現在における判断を基にしており、本株式への投資に関連するリスク全てを網羅するものではありませんので、この点ご留意下さい。
(1) 事業内容に関するリスクについて
① 研究開発に関するリスクについて
ア.自動認識装置の業界動向等について
自動認識装置の業界動向は、1次元バーコード、2次元コード、RFID(ICタグ)等、新たな技術の実用化が進んできております。近年、RFID(ICタグ)等に関して急速な技術革新が起こっているかのように報道されておりますが、実際にはRFID(ICタグ)等は未だ実用化に問題を抱えております。また、世界的に2次元コードの市場が拡大しており、従来主流であった1次元バーコードから2次元コードへ移行しつつあります。
当社グループは、このような環境認識のもと、経営資源を2次元製品の開発に集約して、積極的に技術革新を図ってまいります。
しかしながら、業界を激変させるような革新的な自動認識技術が誕生し、当社グループがこの新しい技術に適切に対応できない場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
イ.バーコードリーダについて
バーコードリーダは、読取方式により1次元バーコード対応のペン方式、CCD方式、レーザ方式、2次元コード対応の2次元イメージャ方式に分類されます。ペン方式は僅かなシェアであり、今まではCCD方式及びレーザ方式が主流でしたが、近年は2次元コードの普及に伴い2次元イメージャ方式の案件が増え主流となりつつあります。
当社グループはこのような環境のもと、今後は2次元の市場拡大が見込まれることから、2次元イメージャモジュールの開発を中心に、市場の変化に対応できるようモジュールエンジンの開発を積極的に推進してまいります。
しかしながら、他社において従来のCCD方式、レーザ方式又は2次元イメージャ方式にとって代わる新しい読取方式が開発され、当社グループがこの新しい技術に適切に対応できない場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
ウ.レーザモジュールエンジンについて
1次元バーコードリーダの読取方式には、レーザ方式が最も多く採用されております。現在、レーザ方式の1次元バーコードリーダに組み込まれる超小型化したレーザモジュールエンジンは、当社グループも含め世界で2社しか開発しておらず、このことは市場における当社グループの優位性に大きく寄与していると考えております。
しかしながら、レーザモジュールの新規市場参入者が出てきた場合、価格競争に陥り、そのモジュールを使用したスキャナ、ターミナル等の製品開発がなされることになりますので、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。また、世界的に1次元バーコードから2次元コードへの移行が急速に進んでおり、これに伴い、1次元バーコードのみ対応するレーザ方式の優位性は薄れつつあり、2次元中心に市場が移行しつつあります。
エ.知的財産権について
企業における特許権及びその他の知的財産権は、益々重要な存在になりつつあり、先端技術の開発を担っている当社グループにとりましても同様であります。当社グループは、必要とする多くの技術を自ら開発し、それを国内外において、特許権及びその他の知的財産権として設定し保持することにより、競争力の維持を図っております。
しかしながら、以下のような知的財産権に関する問題が発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
a)当社グループが保有する知的財産権に対して異議申立、無効請求等がなされる場合
b)第三者との合併又は買収の結果、従来当社グループの事業に課せられなかった新たな制約が課せられる可能性とこれらを解決するために支出を強いられる場合
c)当社グループが保有する知的財産権が競争上の優位性をもたらさない、又は当社グループが知的財産権を有効に行使できない場合
d)第三者から知的財産権の侵害を主張され、その解決のために多くの時間とコストを費やし、又は経営資源の集中を妨げられる場合
e)第三者からの知的財産権侵害の請求が認められ、当社グループに多額のロイヤリティの支払い又は当該技術の使用差止等が生じる場合
② 製造技術に関するリスクについて
ア.製造委託について
当社グループは、子会社である北海道電子工業株式会社の芦別工場にて少量多品種製品中心の生産を行い、大量生産品は海外の複数のグループ外企業に外注委託しております。当社グループでは、外注委託の依存度は高く、継続的で良好な取引関係を維持しております。しかし、当社グループと外注企業との良好な取引関係が、何らかの事情によって取引に支障をきたすことになった場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
イ.部品等の調達について
当社グループでは、現在、一般パーツ及び少量多品種の部品や特殊部品の調達に関して、子会社北海道電子工業株式会社を除き、製造委託しているグループ外企業が直接調達する方式に切り替えを進めておりますが、未だ一部のパーツに関して当社グループからの供給をしております。今後は市場の需給関係又は部材価格の変動や入手経路の変更等によっては、当社グループの生産のための部品調達に影響を及ぼし、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
ウ.品質問題について
当社製品に不良品や使用上の不都合があった場合、当該製品の無償での交換又は修理、また顧客のニーズに合わせた製品の改造等により新たなコストが発生する可能性があります。このような事態の発生を未然に防ぐ対策や発生した場合に速やかに対応できる社内体制を整えておりますが、製品の品質問題で当社製品の信頼性が損なわれ、主要顧客の喪失又は当該製品への需要の減少等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
③ 販売に関するリスクについて
ア.海外での高い販売比率について
当社グループは国境・地域を越えたグローバルな事業展開をしており、オランダに海外における販売の中心拠点を有し、シアトル近郊に拠点を置くアメリカ地区と、ドイツ、フランス、イタリア、イギリス、スウェーデン、デンマーク等の欧州地域、台湾、中国、フィリピン、ベトナム等のアジア地域、並びにオーストラリアにも営業拠点を有しております。こうしたグローバルな事業展開は、各地域の市場ニーズを的確に捉えたマーケティング活動を可能とするなど、多くのメリットがありますが、一方で、海外における販売に関し、各国政府の社会・政治及び経済状況の変化、輸送の遅延、地域的な労働環境の変化、労働や販売に対する諸法令、規制等海外事業展開により、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。
イ.OEM先の販売動向について
当社は大手OEM先との円滑な継続的取引をしており、その売上高が国内販売高のうち約半分を占めております。今後、業界内の経済状況やOEM先の販売動向や経営状況等並びに競合会社の出現等何らかの事情による大幅な取引縮小が発生いたしますと、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。
(2) 経営成績に影響を与える事項について
① 為替変動リスクについて
当社グループは、以前は海外子会社への製品の販売に関して円建てで取引を行っておりましたが、第34期よりドル出荷体制を確立し、海外子会社は基本ドル建てで外注先から直接製品を仕入れる体制に変更いたしました。このため、海外子会社の仕入及び決済による為替の変動リスクが軽減されました。しかしながら、当社グループは、従来から為替予約を実施しておりませんので、今後も想定以上の大きな為替相場の変動が起こった場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
② 金利の変動について
当社グループは、運転資金、設備資金を金融機関からの借入れである有利子負債により調達しているため、総資産額に占める有利子負債の割合が高く、金利変動により当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
有利子負債残高 (千円) |
6,829,569 |
5,263,652 |
|
総資産額 (千円) |
13,513,592 |
11,346,548 |
|
有利子負債依存度(%) |
50.5 |
46.4 |
|
支払利息 (千円) |
57,801 |
62,414 |
(3) 人材の確保について
当社グループの事業継続及び拡大におきましては、更なる技術革新に対応しうる技術者の確保、また、世界マーケットに当社製品を販売拡大していくための営業や内部管理等の優秀な人材も充実させる必要があります。
当社では、今後、優秀な経営者や従業員の採用等を進め、従業員の意識向上と組織の活性化を図るとともに優秀な人材の定着を図る方針であります。しかしながら、当社グループの求める人材が十分確保できない場合、又は現在在職している人材が流出するような場合は、事業推進に影響が出る可能性があるとともに、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(4) 継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、当連結会計年度において、引き続き営業損失(2024年11月期 532,020千円、2025年11月期 254,842千円)、経常損失(2024年11月期 614,400千円、2025年11月期 421,635千円)、親会社株主に帰属する当期純損失(2024年11月期 672,018千円、2025年11月期 226,025千円)を計上しております。一方で、営業キャッシュ・フローはマイナス(2024年11月期 251,334千円)を計上しておりましたが、僅かながらプラスに転じました。また、一部の取引金融機関からの借入金852,036千円については、現時点では期限の利益の喪失に係る条項を適用する旨の通知を受けていないものの財務制限条項に抵触しております。当該事象により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しております。
当該状況を解消するため当社グループは、以下の対応策を実施しております。
① 業務人員の縮小、賞与削減による人件費及びその他経費削減
② 製造コストを低減した新製品開発及び販売による売上総利益率の改善
③ 売価値上げによる売上総利益率の改善
また、資金繰りについては、現金及び預金残高は3,734,650千円と十分であることに加え、各取引金融機関には上記対応策の実施に関する説明と進捗に関する適時の報告を実施し、各取引金融機関とは良好な関係を維持しており、今後1年間の資金繰りに懸念はないと判断しております。
以上のことから、継続企業の前提に関して重要な不確実性は認められないと判断しております。
(1) 経営成績等の状況
当連結会計年度(2024年12月1日~2025年11月30日)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2024年12月1日~2025年11月30日)の世界経済は、ロシア・ウクライナ戦争、ガザ地区での紛争の長期化などの世界情勢のもと、中国の景気が構造的な内需不足により足踏み状態にあるほか、米国の関税率の引上げや政策不確実性の高まりによる不透明感から、世界経済の成長率低下が見込まれる状況となっております。自動認識業界の世界的な状況としては、部品価格が上昇する一方、顧客の設備投資の抑制等により需要が減少していること等から、厳しい状況が続いておりましたが、当社グループにおいても、国内の一部顧客から受注が入り始めるなど、主要顧客の在庫調整に改善の兆しが見られる状況となっております。
当社グループにおいても、2022年11月期から続いていた主要部品の調達難については解消されたものの、米国並びに欧州・アジア他においては業界不況のあおりを受け、さらに日本においては主要取引先において在庫調整が続いております。
ア.財政状態
(資産)
当連結会計年度末の総資産は11,346百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,167百万円減少いたしました。主な要因は、借入金の減少等による現金及び預金の減少967百万円のほか、商品及び製品の減少722百万円、原材料及び貯蔵品の減少363百万円等により流動資産が2,109百万円減少したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、6,176百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,434百万円減少いたしました。主な要因は、訴訟の和解による訴訟損失引当金の減少853百万円、短期借入金の減少123百万円等により流動負債が934百万円減少したこと、長期借入金の減少1,504百万円等により固定負債が1,500百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、5,169百万円となり、前連結会計年度末と比較して267百万円増加いたしました。主な要因は、利益剰余金の減少226百万円、為替換算調整勘定の増加491百万円等によるものです。
イ.経営成績
当連結会計年度における当社グループは、前年同期比で増収となり、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも3期続けて赤字計上となったものの、損失額は大幅に縮小しました。
当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高6,772百万円(前年同期比6.8%増)、営業損失254百万円(前年同期は532百万円の営業損失)、経常損失421百万円(前年同期は614百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失226百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失672百万円)となりました。
セグメントの売上高の内訳は、日本は3,192百万円(前年同期比15.6%増)、米国は1,405百万円(前年同期比0.0%減)、欧州・アジア他は2,174百万円(前年同期比0.0%増)となりました。
また、製品別売上実績では、スキャナ製品は3,208百万円(前年同期比19.1%増)、ターミナル製品は1,147百万円(前年同期比1.2%増)、モジュールその他製品は2,416百万円(前年同期比3.9%減)となりました。
売上高及び利益の要因は、以下の通りとなります。
(売上高)
当社グループの売上高は、6,772百万円(前年同期比6.8%増)となりました。
日本国内においては、一部の大口顧客から受注が入ったことなどから、売上は前年同期比で大幅な増となりまし
た。
米国及び欧州・アジア他においては、一過性の大口出荷があったものの、業界不況のあおりを受け、さらに在庫調整が続いていることから、前年同期比でほぼ横ばいとなりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業損失は、254百万円(前年同期は532百万円の営業損失)となりました。
売上原価は4,289百万円(前年同期比11.1%増)、売上総利益は2,483百万円(前年同期比0.0%増)、販売費及び一般管理費は2,737百万円(前年同期比9.2%減)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常損失は、421百万円(前年同期は614百万円の経常損失)となりました。
前述の営業利益の要因に加え、為替差損1億85百万円を営業外費用に計上したこと等によるものです。
営業外収益は86百万円(前年同期比9.7%増)に対し、営業外費用は253百万円(前年同期比57.1%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は、226百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失672百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して1,021百万円減少し、当連結会計年度の期末残高は3,646百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、50百万円の収入(前年同期は251百万円の支出)となりました。主な要因は、訴訟の和解による訴訟損失引当金の減少872百万円、棚卸資産の減少1,196百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、164百万円の収入(前年同期は21百万円の支出)となりました。主な要因は、定期預金の預入による支出の前年同期比減588百万円、有価証券の取得による支出の前年同期比増660百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,570百万円の支出(前年同期は1,024百万円の支出)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入の前年同期比減1,750百万円、長期借入金の返済による支出の前年同期比増1,289百万円等によるものです。
〔キャッシュ・フロー関連指標の推移〕
|
|
2021年 11月期 |
2022年 11月期 |
2023年 11月期 |
2024年 11月期 |
2025年 11月期 |
|
自己資本比率(%) |
39.5 |
38.8 |
35.8 |
36.3 |
45.3 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
28.5 |
15.4 |
14.6 |
10.6 |
14.9 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
4.5 |
- |
- |
- |
104.1 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
35.9 |
- |
- |
- |
0.8 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数により算出しております。
※ キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※ 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
※ キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスの場合は記載しておりません。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産及び受注の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
ア.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
3,192,665 |
15.6 |
|
米国 |
1,405,431 |
△0.0 |
|
欧州・アジア他 |
2,174,387 |
0.0 |
|
合計 |
6,772,484 |
6.8 |
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたりまして、必要な仮定と見積りを行っており、それらは資産、負債、収益及び費用の計上金額、長期性資産の減損の認識、金融商品の時価、及び偶発債務の開示情報に影響を与えております。こうした仮定と見積りは本質的に不確実であり、必要に応じて当社の過去の経験、既存契約の条件、業界動向の観測、お客様から提供される情報及びその他外部機関から入手可能な情報に基づいて行われます。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度における経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況」に記載のとおりであります。
また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入れのほか、製造費、研究開発費を含む販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
設備投資や運転資金の調達につきましては、国内においては自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。海外においては現地に事業基盤を築き安定した営業活動を行うため、借入は実施せず、自己資金を基本としております。
また、災害の発生等に伴う仕入先の事業停止や社会情勢の変化等に柔軟に対応するため、資金の手元流動性を高めております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は5,263百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,646百万円となっております。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中期的な経営戦略の実現のため柔軟な経営判断を行えるよう、特定の経営指標を目標として定めておりません。なお、当連結会計年度の売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益の計画(当初業績予想[2025年1月10日公表])に対する達成状況は、以下のとおりであります。
|
|
2025年11月期計画(千円) |
2025年11月期実績(千円) |
計画比(%) |
|
売上高 |
7,025,000 |
6,772,484 |
△3.6 |
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営業利益 |
△12,000 |
△254,842 |
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経常利益 |
38,000 |
△421,635 |
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親会社株主に帰属する 当期純利益 |
14,000 |
△226,025 |
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(企業・株主間のガバナンスに関する合意)
当社は、日本エイサー株式会社(以下「日本エイサー」といいます。)及びEsquarre Vision Limited(以下「Esquarre Vision」といい、日本エイサーとEsquarre Visionを個別に又は総称して「割当予定先」といいます。)との間で投資契約(以下「本投資契約」といいます。)を締結し、並びに本投資契約に基づき日本エイサー及びEsquarre Visionを割当予定先とする第三者割当による新株式の発行及び自己株式の処分(以下、総称して「本第三者割当」といいます。)を行いました。
本投資契約に関する内容等は次のとおりであります。
(1)本投資契約を締結した年月日
2025年11月28日
(2)本投資契約の相手方の氏名又は名称及び住所
・日本エイサー
名称 :日本エイサー株式会社
所在地:東京都新宿区西新宿六丁目24番1号
・Esquarre Vision
名称 :Esquarre Vision Limited
所在地:Maples Corporate Services Limited, PO Box 309, Ugland House, Grand Cayman KY1-1104, Cayman Islands.
(3)本合意の内容
① 日本エイサー及びEsquarre Visionが指名する当社の取締役候補者合計7名(その内訳は、代表取締役候補者が1名、会社法2条15号にいう「業務執行取締役」の候補者が1名、「業務執行取締役」に該当しない非業務執行取締役候補者が3名、会社法2条15号にいう「社外取締役」の候補者が2名となります。)の選任を諮る取締役選任議案を本定時株主総会に上程する内容及び ② 本定時株主総会までの間、当社が5,000万円を超える非通例の支出を行おうとする場合には、事前に割当予定先の書面による承諾を得ることを要する旨の合意です。
(4)本合意の目的及び取締役会における検討状況その他の当社における本合意に係る意思決定に至る過程
当社グループが属する自動認識業界では、製品の性能・機能面における技術革新が加速し、競合企業との価格面の競争も激しさを増しております。特に、当社グループの海外事業においては、近年、業界横断的な価格競争の激化やインフレーション・材料費高騰に伴う各種コスト増加の影響を受け、収益性が低下しております。当社グループにおいては、このような事業環境において、持続的な成長を実現し、より一層の競争優位性を確立していくためには、より高付加価値な製品の開発、より効率的かつ安定的な生産体制の構築、そして製品を顧客に的確に訴求できる販売体制の強化が不可欠であると認識しております。また、特に海外事業における収益性改善に向けて、事業基盤の強化及び業務効率化による人員規模の適正化を行うことが必要と認識しております。一方で、現状は財務基盤が不安定であり、それらの取組みに必要な投資を行うことに制約がある状況であります。
当社グループではこれらの課題への対応として、これらの解決に資するスポンサーとなりうる事業会社・投資会社との協議・交渉を進めてまいりました。
そのような中、2025年4月上旬より協議を重ねてきたAcer Inc.(以下、「Acer」といいます。)及びEsquarre Capital(以下、「Esquarre」といいます。)より、各社と完全支配関係のある2法人を通じた、両者共同での本第三者割当に関する提案を同年10月下旬に受けました。
同提案を受け、当社は、当社の経営者から一定程度独立した者として、田中繁明(当社社外取締役)、山下和彦(当社社外取締役)、五十嵐裕美子(当社社外取締役)による第三者委員会を組成して検討を実施し、同委員会での意見も踏まえた結果、同提案は、当社グループにおける前記の課題の解決に資するものであり、特にAcerとEsquarreは台湾を中心とした海外における強固な事業基盤を有しており、Acer及びEsquarreの経営資源及びネットワークを活用することにより、より一層の海外事業の強化を実現することができると考え、両社と完全支配関係にある日本エイサー及びEsquarre Visionを割当予定先として選定するべきであると判断しました。
Acerは、B to C及びB to B分野で多様な製品ポートフォリオを持ち、パーソナルコンピュータ・ノートブックPCにおいては特に高いグローバル市場シェアを誇ります。Acerは、Posiflex Technology Inc.(以下「Posiflex」といいます。)の現在の筆頭株主であることから自動認識業界への知見を有しております。また、Acerが保有するグローバルな、ネットワークおよび製造・販売・技術開発力に関するノウハウ並びに財務基盤の安定性は当社の成長や財務安定化に大きく寄与するものと考えております。
Esquarreは、IoT(Internet of Things)を投資テーマと掲げる、台湾を拠点とする投資ファンドの運用者です。Esquarreは、同社が運用していたファンドを通じて、当社グループの主要取引先であるPosiflexの筆頭株主であったことを背景に、自動認識業界への深い知見と投資ファンドとしての経営ノウハウを併せ持っており、Posiflexの経営再建を率いた経験を保有していることからも最適なパートナーであると認識しております。Esquarreは、同社が運用していたファンドを通じて保有していたPosiflexの株式をAcerに対して売却済みであり、現在は株主ではありませんが、Acer及びPosiflexのアドバイザーを務めており、Posiflexの持続的な成長に向けて支援を継続されております。
このような中で、財務体質を改善し、将来の持続的成長に向けた投資を実行すべく、本投資契約を締結し、割当予定先からの出資を受け入れることが不可欠であると判断いたしました。
当社は、本投資契約及び本第三者割当に係る協議の中で、当社グループにおける前記の課題を解決するためには、割当予定先が経営を主導するとともに、本第三者割当により調達した資金をはじめとする当社の資金を効率的に活用することが必要である旨の認識を割当予定先と共有するに至り、当社及び割当予定先との信頼関係をより強固なものとし、当社の企業価値向上を円滑かつ確実に進めることで、これらの実現に資する本合意の内容を含む本投資契約を締結することを決定いたしました。
(5)本合意が当社の企業統治に及ぼす影響
当社は、本合意が当社の企業統治に及ぼす影響は軽微であると考えています。その理由は、日本エイサーが本第三者割当により割り当てられる株式を中長期的に保有する意向であること、Esquarre Visionが、当社の企業価値向上と株式価値の最大化を目指し積極的に経営に関与することを企図しており、原則として、本第三者割当により取得する当社普通株式を中期的に保有する意向であること、出資者に対する運用責任を遂行する立場から、当社の株価推移により適宜判断の上売却する可能性があるものの、売却時は常にマーケットへの影響を勘案する方針であることをそれぞれ確認していることに加え、当社の企業価値の向上を推進することを目的として本合意がなされているためです。
当社グループは、経営基盤の強化と、積極的に新技術を市場に投入することにより世界シェアの増加を図り、成長していくことが当面の経営課題であると認識しております。
当社グループは、積極的に研究開発を行っていく所存です。研究開発費は年間10億円を上限の目安として考えており、これらの指標につきましては企業価値を高めていく際のベンチマークと認識しております。
当連結会計年度の研究開発活動は、従来のレーザモジュール及びCCDモジュールの開発から、今後市場拡大が見込まれる2次元イメージャモジュール及び同エンジン搭載の各種スキャナ、ターミナル製品の開発を中心として推進してまいりました。
上記の研究開発活動等の結果、当連結会計年度の研究開発費は日本