当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営方針
《Mission/経営理念》
当社グループは「Technology Makes Happiness」を経営理念として掲げ、先端技術で豊かな社会を創ることを目指しております。
《Vision》
最高のバリューを提供し続けること
①社員第一主義、②最高のバリュー提供、③コンプライアンス遵守
(2)経営環境
半導体は身近な電化製品から電気自動車、生成AIなど、あらゆるテクノロジーに用いられており、半導体市場全体としては、全世界の市場規模が2029年には150兆円(1兆ドル 1ドル=150円で換算)、2050年までには750兆円(5兆ドル 1ドル=150円で換算)規模にも成長することが見込まれています。
半導体市場の拡大を背景に、半導体製造装置及び部品の需給は引き続き逼迫しており、当社グループが主に属するアフターマーケット市場においても、半導体工場の老朽化や既存設備の延命ニーズの高まりを受けて、需要の拡大が続いております。
特に、先端半導体に比べ設備投資負担が相対的に低いレガシー半導体200mmウエハ(注)については、自動車、産業機器等の幅広い用途において安定的な需要が見込まれており、これに伴い、生産能力の増強や稼働工場数の増加が進むものとみられております。
こうした市場環境のもと、当社グループが主なターゲットとしている半導体製造装置のアフターマーケット市場および中古半導体製造装置市場は、近年堅調な成長を示しており、2025年には市場規模が約4.7兆円に達するものと推計されております。
(注)ウエハサイズについて:ミリとは、半導体チップを製造する材料であるウエハの直径サイズを意味しております。200㎜ウエハは、過去に広く使われてきた標準的なサイズですが、現在では生産効率の高いより大きな300㎜のウエハが主流になっております。200㎜ウエハを使っている工場は、古い技術を使っていることが多く、レガシー工場と呼ばれることがあります。

※1 出所:(一社)WSTS日本協議会「WSTS 2025年秋季半導体市場予測について」
※2 出所:SEMI「世界半導体製造装置の2025年末市場予測発表」を元に試算
※3 出所:The Business Research Company「中古半導体装置の世界市場レポート2025年」
※4 半導体製造装置市場の20%と仮定
このような市場環境のもと、当社グループは、半導体製造装置のアフターマーケット分野において、部品及び装置に関する情報を集約した越境ECプラットフォームの運営に加え、装置の搬入・立上げ、保守・修理等を担うエンジニアリング機能を有しており、これらを組み合わせたトータルソリューションの提供を行っております。
当社グループの越境ECプラットフォームは、世界各国のサプライヤー及び顧客をつなぐことで、調達先の多様化やリードタイム短縮を可能とし、部品・装置調達における不確実性の低減に寄与しております。また、エンジニアリング力を活用することで、顧客の設備状況や課題に応じた部品選定、装置の修理・再生及び延命対応を行うことが可能となっております。
これにより、部品や装置の調達難及びエンジニア不足といった業界全体の課題に対し、当社グループは、デジタルプラットフォームと人的リソースを融合した付加価値の高いサービスを提供する体制を構築しております。
(3)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当社グループは、半導体製造装置のフィールドソリューションに注力し、グローバルに半導体メーカーの支援を行ってまいりました。当社グループの中長期的な経営戦略を実現させるためには、以下の課題への対処が必要であると考えております。
① 人材の確保および育成(人的資本経営の推進)
当社グループが、事業の拡大および高度化を実現するためには、優れた経験や専門的な知見を有する人材の確保と育成が不可欠です。特に、エンジニアリング力を基盤とする当社においては、事業規模の拡大に応じたエンジニアの継続的な確保が重要な課題となっております。
加えて、営業分野における提案力の強化や、部品調達に精通した人材の確保、新規事業の立ち上げを担う人材、さらには事業基盤を整備・支える管理部門の人材についても、計画的な確保を進めていく必要があります。
また、今後のグローバル展開の拡大を見据え、国籍や年齢、性別にとらわれない多様な人材の活躍を促進し、組織としての柔軟性と競争力の強化を図ってまいります。
あわせて、人的資本経営の観点から、新任管理職を対象とした外部研修の導入や、社員の健康維持・働きやすさ向上を目的としたストレスチェック、社員満足度調査の定期的な実施、ワークライフバランスを考慮した休暇制度の整備などを通じて、社員一人ひとりが長期的に活躍できる環境づくりに取り組んでおります。
② 半導体製造ソリューション事業における事業・サービスの拡充
当社グループはこれまで、部品販売・修理サービス、装置販売サービスを通じて、顧客である半導体工場の安定稼働を支援してまいりました。
今後は、これまでに培ってきた知見や経験を基盤として、半導体製造装置および付帯設備の販売、ならびに導入後のメンテナンス等のサービス領域を新たに拡充し、従来のサービスと組み合わせることで、より付加価値の高いソリューションの提供を目指してまいります。
さらに、人材プラットフォーム「LAYLA-HR」を中核に、半導体業界向け情報メディアサイト「SEMICON.TODAY」による情報発信を起点として、人材、情報、サービスを横断的に連携させ、従来の個別サービスにとどまらないトータルソリューション事業の高度化を図ってまいります。これにより、顧客の事業運営を多面的に支援し、当社ならではの価値提供と競争力の向上を実現してまいります。
③ IR活動の推進
当社グループは、株主および投資家の皆さまとの建設的な対話を重視し、企業価値の適正な評価と中長期的な成長への理解を深めていただくため、積極的なIR活動を展開しております。決算説明会をはじめ、経営方針や成長戦略、事業の進捗に関する情報を分かりやすく発信することで、透明性の高い情報開示に努めてまいりました。
今後は、従来の枠組みにとらわれることなく、SNS等の新たな情報発信手段の活用も含め、より多様なステークホルダーに対して当社グループの事業内容や成長性を伝える取り組みを強化してまいります。これらのIR活動を通じて、当社の認知度向上を図るとともに、持続的な事業成長への理解と支持の獲得を目指してまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは中長期での事業成長および企業価値向上を最優先として経営を行っております。今後も、事業の安定的かつ継続的な成長を軸に、投資を継続することが当社の企業価値向上にとって最重要であると考えております。
当社グループでは事業成長の指標となる売上高・営業利益の絶対額として、2028年11月期までに中長期的な目標として売上高(流通総額)180億円、営業利益17億円を掲げております。
当社グループは成長過程にあるため、売上高や営業利益の絶対額が中長期的に成長しているのかをモニタリングすることは成長性という観点で重要であると認識しています。特に売上高については、当社グループの提供するサービスが市場に受け入れられ、事業規模が拡大していることを示す指標であり、営業利益については、成長投資を継続しながらも事業としての収益力を確保できているかを示す指標であると考えております。これらの指標を総合的にモニタリングすることで、成長投資と収益創出のバランスを取りながら、中長期的な企業価値の向上を図っております。
(5)中期的な経営戦略
当社グループが対応すべき主な経営戦略は、以下の項目であります。
① 新規事業の推進
当社グループは、大手半導体製造装置メーカーの代理店ビジネスの展開を推進してまいります。当社グループはこれまで、半導体製造装置・部品の取引を通じて、国内半導体工場をはじめとする半導体製造工場との取引実績および顧客基盤を構築してまいりました。これら既存顧客との関係性や取引を通じて培った知見を活用することで、販売活動における信頼性を確保しながら、代理店ビジネスの継続的な展開を図ってまいります。
また、先端半導体製造装置を取り扱いにより、当社グループにおけるエンジニアリング力および技術的知見の強化につながるものと考えており、国内半導体工場をはじめとする顧客からの信頼性向上が期待されるとともに、技術力を基盤とした競争優位性の確立を目指してまいります。
② 積極的なM&Aの推進
中期的な成長戦略の一環として、積極的なM&Aを推進してまいります。当社グループは、独自の情報ルートを通じてM&Aに関する情報を入手することで、これにより交渉プロセスの簡便化や投資コストの低減を図ってまいります。
また、案件の選定段階においては、候補先企業の事業性に加え、当社グループの既存事業とのシナジーについても適切に評価を行い、戦略的な観点から投資判断を行ってまいります。
さらに、M&Aに関する検討および実行にあたっては、社内に有する専門的知識や経験を有する人材を中心に内製化を図ることで、迅速かつ柔軟な意思決定を可能とし、M&Aプロセス全体のスピード向上を図ってまいります。
これらの取り組みを通じて、当社グループはM&Aにおける競争優位性を確保するとともに、既存事業とのシナジーを最大限に創出し、企業価値の向上を目指してまいります。
③ プラットフォームの拡充
当社グループは、既存の収益源の一つであるLAYLA-ECを活用し、半導体製造装置・部品を中心とした「モノ」による安定的な収益基盤のさらなる拡張を進めてまいります。これまでに蓄積された取引データや顧客基盤を活用し、取引の拡大および収益性の向上を図ってまいります。
また、半導体分野に特化した人材プラットフォーム「LAYLA-HR」を基盤として、「人」にフォーカスしたサービス展開を推進してまいります。半導体業界における人材不足や専門性の高度化といった課題に対応し、企業および人材双方にとって価値の高いマッチングおよび関連サービスの提供を目指してまいります。
さらに、半導体業界向け情報メディアサイト「SEMICON.TODAY」を通じて蓄積される情報資産の積層および拡張を図り、情報発信力の強化を進めてまいります。あわせて、広告掲載、情報提供サービス等を通じたメディア単体での収益機会の拡大を図るとともに、これらの情報資産を活用することで、新たな事業機会の創出や外部パートナーとの連携を促進し、当社プラットフォーム全体の価値向上を目指してまいります。
④ グローバル展開の加速
当社グループは、事業領域および販路の拡大を目的として、グローバル展開の加速に取り組んでまいります。
当社グループは、これまで日本国内におけるフィールドソリューション事業を通じて、半導体製造装置に関する技術的知見や運用ノウハウ、顧客対応力を蓄積してまいりました。これら国内事業で培ったノウハウや実績を基盤として、海外市場への展開を推進してまいります。
特に、半導体市場の成長が見込まれるアジア地域を中心に、現地ニーズに応じたサービス提供体制の構築やパートナー企業との連携を進めることで販路の拡大を図り、海外展開を当社グループの成長ドライバーの一つとして位置づけるとともに、事業ポートフォリオの強化、中長期的な収益基盤の拡充および企業価値の向上を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般
「Technology Makes Happiness」を経営理念に掲げ、先端技術で豊かな社会を創ることを目指しています。かかる経営理念を実現するため、当社グループの企業価値向上を図ると同時に、社会の持続的な成長に貢献していきたいと考えています。
当社グループは、半導体製造装置の延命を通じて、環境への配慮と経済的な持続可能性を両立させております。半導体工場のレガシー装置を維持し、そのライフ(寿命)を延ばすことは、複数の側面でサステナビリティに貢献します。
第一に、新しい装置を製造する際に必要な原材料やエネルギーの消費を削減します。これにより、資源の節約と温室効果ガスの排出削減に寄与します。また、中古装置の再利用は廃棄物の削減にもつながり、環境への負担を軽減します。さらに、中古装置の改善は、テクノロジーの進化にも対応できる重要な要素となります。
既存の装置を改善することで、性能向上と効率化を実現し、半導体工場の競争力を高める重要な要素ともなります。
当社グループのビジネスは、長期的な視点で半導体製造におけるサステナビリティの進化をリードする一翼を担い、技術と環境への貢献を継続的に追求していきます。この取り組みが、私たちの株主、顧客、そして社会全体に持続可能な価値を提供するものと信じております。
(2)ガバナンス
当社グループにおける、サステナビリティ関連のリスクおよび機会を把握・管理するためのガバナンス体制は、「
(3)リスク管理
当社グループは、事業運営やサステナビリティに関するリスクや課題に対して、リスクコンプライアンス委員会を設置しており、当委員会において優先度の高いリスクや課題の抽出を行い、対応策の策定の上、取締役会にて報告を行っております。具体的には、「
(4)人材に関する戦略
当社グループは、ビジョンの一つに社員第一主義を掲げ、「社員」が最大の資産と捉え、企業活動に取り組んでおります。社員が輝いて働く会社こそ、顧客へ提供するバリューも高く顧客満足も高いと考えているからあり、当社グループでは、社員を最大限サポートできることが経営の重要課題と位置付け、働きやすい環境の整備と多様な人材活用に取り組んでおります。
① 働きやすい環境
当社グループでは最高のバリューを提供し続けるために社員が健康的に働ける環境を整えており、特に長時間労働は心身に不調を引き起こす可能性があることから、安心して働きやすい環境の維持・発展に向けた取り組みを継続的に実施しております。
なお、当社グループでは、月平均残業時間を15時間以下に維持することを目標としております。
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(当社グループにおける残業時間の状況) |
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2024年11月期 |
2025年11月期 |
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22.0 |
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(注)2024年11月期については、当社単体の実績を記載しております。
② フレキシブルな勤務体系
当社グループでは、子育てや介護などの家庭の事情により希望する場合には時短勤務が可能です。実際に時短勤務を活用して子育てを行う社員もおります。また、時間休制度を運用しており、突発的な事情にもフレキシブルに対応できる体制を整えております。
③ 多様な人材活用
当社グループは、持続的成長を実現し、最高のバリューを提供する企業であるには、国籍、人種、性別、宗教等に関わらず、多様性を重視し、個々人および組織が最大限の力を発揮できる環境が必要であると考えております。
こうした考えのもと、人材の多様性の確保に関する方針については、次の指標を用いており、当社グループでは、従業員に占める外国籍従業員の割合40%を確保・維持することを目標としております。
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(当社グループにおける外国籍の従業員の状況) |
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2024年11月末 |
2025年11月末 |
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12 |
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30.8 |
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(注)2024年11月末については、当社単体の実績を記載しております。
④ リーダー層の育成
当社グループは、中長期的な企業価値の向上に向けて、組織を牽引するリーダー層の育成および強化が重要であると認識しております。当社グループでは、新任マネージャーおよびリーダー層を対象に、外部研修への参加を通じたマネジメント力・リーダーシップ力の向上を図るとともに、将来の事業環境や会社の方向性を見据えた社内会議を定期的に実施しております。これらの取組を通じて、次世代を担う人材の育成を進め、持続的な成長を支える組織基盤の強化に努めております。
⑤ 多様な表彰制度
当社グループは「社員第一主義」をVisionの一つとして掲げ、社員一人ひとりの役割や貢献を適切に評価し、賞賛する組織づくりを推進しております。その一環として、営業部門に限らず、管理部門やバックオフィス業務に従事する社員も対象とした年間表彰制度をはじめ、多様な表彰制度を設けております。これらの制度を通じて、日々の業務を支える幅広い貢献を積極的に称えることで、社員のモチベーションおよびエンゲージメントの向上を図り、持続的な企業価値の創出につなげております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性のある全てのリスクを網羅したものではありません。
(1)事業環境等に関するリスク
① マクロ経済環境について
(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期~長期、影響度:中)
当社は主に台湾や韓国、米国などの海外のサプライヤーから部品等を輸入しています。また、販売先は国内を中心とした半導体工場です。半導体は、コンピューター関連製品、スマートフォン、自動車、家電製品など様々な分野で利用されますが、これらの製品の製造は、景気、技術革新に伴う新製品の動向、地政学的リスクによって、生産動向が大きく変動します。そこに組み込まれる半導体についても、連動して需要や価格が変動します。各半導体工場はこうした半導体の需要の見通しに従って、必要供給量を勘案し、設備投資の推進・抑制を図ります。そのため、半導体製造装置や当該装置のメンテナンス部品を販売する当社の業績は、国内外の景気、経済動向、技術革新、社会情勢および地政学的リスク等に影響を受けます。
また、国の貿易政策により、関税等による仕入コストの上昇、国を跨いだ輸送の遅延等が生じる可能性があります。加えて、ロシア・ウクライナ問題の長期化、イスラエル・パレスチナ問題の更なる悪化、米国における関税政策を背景とした貿易摩擦の長期化懸念、中国における不動産不況から連鎖した内需低迷などによる成長鈍化リスク、台湾有事リスクや日中関係の悪化、世界的なインフレの長期化、新興国の成長鈍化、その他地域における地政学的リスクの増大等により世界経済が低迷する場合、当社グループの販売にも影響を及ぼす可能性があります。さらには、「③ 感染症の世界的流行について」に記載のとおり、感染症の世界的な感染拡大等が再度発生した場合、世界全体の経済活動に影響が生じる可能性があります。当社グループは、マクロ経済環境について注視しながら事業運営を進めていく方針ですが、上記のような影響が生じた場合、当社グループの事業や経営成績、財政状態およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、こうしたマクロ経済動向による事業等に及ぼすリスクについて、リスクコンプライアンス委員会において総合的に管理・検討する体制とし、また必要に応じて、対処すべきリスクを取締役会へ報告、審議することとしております。また、かかるリスクの発現の兆候を早いタイミングで察知すべく、市場動向や競合状況の調査・分析を行い、顧客との対話を通じたニーズの把握に努めています。
② 為替変動について
(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、主に台湾や韓国、米国などの海外から部品等を輸入しています。当社が輸入において使用する外貨(主に米ドル)が円安に転じた場合、仕入コストの上昇に繋がる可能性があります。これらの為替リスクに対応するため、出来る限り為替変動による仕入コストの上昇を、販売価格に転嫁するよう努めていますが、仕入および販売、それぞれの決済のタイミングによっては、転嫁できず、利益率が悪化する可能性があります。また、仕入コストの上昇を販売価格に転嫁する場合においても、販売価格が相対的に高くなり、顧客による購買活動の抑制または先送りが生じる可能性があります。
当社は、これらの仕入にかかる輸入取引に関連して、円建て取引を基本としていること、また契約時の前払等の活用により為替リスクのヘッジに継続的に取り組んでおりますが、急激な為替の変動に対処できない場合、当社グループの経営成績、財政状態およびキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
③ 感染症の世界的流行について
(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、都市封鎖や外出の禁止、自粛による移動の制限、事業拠点の閉鎖、生産活動の制約、個人消費や設備投資等の減少、サプライチェーンの混乱、世界的な資本市場の散発的な乱高下や資金調達環境の悪化等を生じさせ、世界経済の悪化を招き、当社の顧客やサプライヤーの業務等にも影響を生じさせました。新型コロナウイルスの更なる変異または再流行、ならびに同様の感染症の世界的な流行およびそれに伴う世界経済の停滞は、結果として当社グループの経営成績、財政状態およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、当該リスクを軽減するため、感染症の流行に関する継続的な情報収集、流行時における感染防止対策の徹底、感染症による国内外のサプライチェーンへの影響を注視し、経済活動に影響を及ぼすレベルの感染症発生時においては対策本部を設置するなどして対応を行ってまいります。
④ 大規模災害等について
(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
災害や人為的な原因等により電力、通信、交通等の社会的共通資本に関して重大な障害が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社の事業拠点は、国内の複数拠点に展開しており、販売活動に大きな影響を与える地震、津波、洪水、火災等の災害に備え、災害発生時における避難・安全確認・連絡手段・内外への諸連絡フローを定めたマニュアルを定め、定期的な緊急時の行動研修、安全確認テストを実施しています。
(2)事業内容等に関するリスク
① 主要顧客への依存について
(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
半導体業界は、近年における競争環境の激化から再編が進んでおり、半導体メーカーの集約が進み、大手による市場シェアが高い環境となっています。かかる環境を背景に、当社グループの売上高は、大手半導体メーカー向けの割合が比較的大きく、当連結会計年度における売上高の内、上位1社(New Eastech (Shanghai) Co., Ltd.)の占める割合は62.4%となっています。こうした大手半導体メーカーの投資動向の影響を受けやすい傾向にあります。
当社グループは、かかるリスクに対処するため、きめ細かい顧客との対話を通じて、主要顧客各社の動向の把握に努めるとともに、新規顧客の開拓を進めてまいります。また顧客数を重要指標の一つとして、継続的に管理しています。
② 調達について
(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは半導体製造装置や当該装置のメンテナンス部品を自らは製造を行わず、サプライヤーから調達したものを顧客に販売しています。また、特に半導体製造装置の解体、搬出、設置などの業務を含む装置販売サービスにおいては、新たな設備投資を先行させる特定の大手半導体メーカーからの、中古装置・部品の調達が多い状況です。したがって、仕入先の被災、事故、何らかの理由による当社グループとの関係悪化、倒産等による供給の停止が生じた場合、当社グループによる調達が停滞し、販売活動に影響が生じ、当社グループの経営成績、財政状態およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクを軽減するため、200社を超える世界中のサプライヤーと関係を構築しています。またこれらのサプライヤーの有する在庫情報を常時収集し、顧客ニーズへの柔軟な対応を可能とすべく幅広い調達先を確保し、特定サプライヤーへの依存度を下げるよう努めています。
③ 前受金(契約負債)のキャッシュ・フローへの影響について
(顕在化の可能性:大、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
半導体製造装置の解体、搬出、設置などの業務を含む装置販売サービスにおいては、受注から売上計上までのリードタイムが長い案件も多く、顧客によるキャンセルリスクや与信リスクをヘッジする目的で前受金(連結貸借対照表上は契約負債として表示しています。)を受領する場合があります。前受金の金額が多額に上る場合、該当期間における営業利益等の各利益とキャッシュ・フローの乖離が大きくなる可能性があります。また、前受金を受領している場合でも、契約キャンセルが生じた場合に、一部返金が生じる場合があり、そうした場合、当社グループのキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。さらにはキャンセルが生じた案件の契約規模によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクを軽減するため、特に大型の半導体製造装置案件においては、キャンセル時における顧客による違約金支払い義務の制定、受注後の顧客とのきめ細かいコミュニケーションによる突然のキャンセルを回避するよう努めています。
④ 利益率の変動について
(顕在化の可能性:大、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
半導体製造装置の販売ビジネスにおいては、半導体製造装置の部品販売に比べて受注単価が大きく、利益率が低い傾向にあります。また、半導体製造販売の各案件において、金額規模や利益率にはばらつきがあります。そのため、半導体製造装置販売の獲得案件の状況によって、当社グループの利益率に変動が生じる可能性があります。
当該リスクを軽減するため、極端に利益率の低い案件の受注を行わないよう努めています。また営業担当の一存で低利益率の案件の受注が行われないよう、受注プロセスにおいて、内部統制として承認ルールを設けています。
⑤ 販売物の品質について
(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループの販売した半導体製造装置や部品に欠陥が発生し、多額の追加費用が発生することになった場合、または当社グループに対する顧客からの信頼が低下し、販売活動に支障が生じた場合には、当社グループの経営成績、財政状態およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクを軽減するため、半導体製造装置や部品のサプライヤーから、特に高額な装置・部品等の調達時や、その内容によって当社グループが必要と判断した場合には、一定期間における品質保証を、契約上織り込み、品質の欠陥に伴う追加コストを当社グループがサプライヤーに求償できるようにしています。また、万が一顧客への販売物に欠陥が生じた場合、根本原因を究明し、類似不具合の未然防止を進めてまいりたいと考えています。
⑥ システムの運用について
(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:小)
当社の半導体製造装置・部品の越境ECサイト「LAYLA-EC」において、実際に販売する装置・部品等の情報を提供しているため、当該サイトの安定的なシステム運用が、事業遂行上重要と考えております。当社は現在、システム開発およびシステム運用の一部を社外に委託しております。委託先における運用に支障をきたす事象の発生や、委託先と当社の間にトラブルが発生した場合等には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクを軽減するため、特定の委託先だけに依存しないシステム運用体制を構築することおよびその一部を内製化することで、当該リスクの低減を企図しています。
(3)組織体制等に関するリスク
① 特定人物への依存について
(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:小)
当社の代表取締役社長である榎並大輔は、当社の創業者であり、創業以来、当社の代表を務めています。当社は同氏の経験、知識、サプライヤー・顧客との人脈を活かして創業、これまでの成長を図ってまいりました。また、経営方針や事業戦略の決定において重要な役割を果たしております。
当社では、これまで事業の推進および管理について、同氏以外の2名の取締役および執行役員1名にそれぞれ権限を移譲、マネージャー層の拡充・育成を進めることにより、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めてまいりました。何らかの理由により同氏が経営執行を継続することが困難になった場合にも直ちに当社グループの経営成績および財政状態に影響を与えるものではないと考えておりますが、中期的な成長戦略の立案やその遂行において影響を及ぼす可能性があります。
② 人材の確保および育成について
(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは、事業の持続的な成長を実現するためには、有能な人材の確保および育成が極めて重要であると考えており、積極的な採用活動を継続するとともに、従業員への教育・研修体制の充実・強化を図り、全社的な生産性の向上、人材の定着に努めております。しかしながら、当社グループの属する半導体業界においては、人材獲得競争が非常に激しいことおよび地方に本社を構えることに起因する採用競争力への影響が生じる場合や、人材の育成・定着が計画どおり進まない場合には、事業拡大の制約となる可能性があり、当社グループの経営成績、財政状態およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
引き続き、継続的に有能な人材の確保に努めるとともに、人材の育成・定着に資する会社のカルチャー醸成・その浸透、また人事制度や職場環境の更なる改善を進めてまいります。
③ 内部管理体制について
(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループでは、企業価値の持続的な増大を図るためにコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識のもと、業務の適正性および財務報告の信頼性の確保、さらに法令遵守の徹底が必要と認識しております。そのため、当社グループでは内部管理体制の強化に努めております。しかしながら、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクを十分に認識の上、組織規模や環境に応じた管理人員の増員を図り、業務の効率化、各種研修などの教育により、引き続き管理体制の充実に努めてまいります。
(4)法的規制等に関するリスク
① 法規制に関するリスクについて
(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループの事業には、外国為替および外国貿易法、輸出貿易管理令、取適法などの各種法規制等が適用されます。これらの法規制等の改正や新たな法規制が設けられた場合や予期しえない解釈の適用等が実施された場合に、当社グループがこれらの法規制に抵触した場合は、当社グループの事業や顧客との取引の継続が困難となり、当社グループの経営成績、財政状態およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対応するため、関連法規制の遵守、改訂動向に関する情報収集に努めております。またリスクコンプライアンス委員会を設置し、法規制等の改正や新たな法規制が生じた場合に、速やかに全社的な対応方針を決定し伝達するための体制を整備しています。
② 情報セキュリティについて
(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは、業務において顧客の機密情報を取扱う場合があります。情報セキュリティには十分な対策を講じているため、短期的に情報漏えいリスクが顕在化する可能性は低いと考えていますが、人為的なミスや不正アクセスによる情報漏えいが発生する可能性があります。
当該リスクに対応するため、「個人情報取扱規程」、「情報セキュリティ規程」を整備し、機密情報の取扱いルールや目的に応じたアクセス制限を厳格に管理しています。また、毎月開催するリスクコンプライアンス委員会においても情報セキュリティ体制の整備状況を継続的に確認しております。さらには定期的に脆弱性診断を実施し、継続的な情報セキュリティレベルの改善および向上活動を行っております。
③ ハラスメント発生について
(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループにおいて、パワーハラスメント行為やセクシャルハラスメント行為、その他のハラスメントが発生することにより、被害従業員の身体的・精神的悪影響や退職・休職リスク、職場内の意欲低下、会社の信用度やイメージが低下するリスクがあります。
当該リスクを低減するため、社内・社外窓口を設けた内部通報制度を整備し、社内周知を徹底しています。また「職場におけるハラスメントの防止に関する規程」の周知、全従業員対象のハラスメント研修の実施を定期的に実施しています。
(5)その他のリスク
① 調達資金の使途について
(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)
2024年12月3日に払込が完了しました一般募集による新株式の発行ならびに2025年1月8日に払込が完了しました第三者割当による新株式の発行による調達資金の使途につきましては、当初、中部支店製造設備、採用費および人件費、広告宣伝費、システム開発費に充当する計画でありましたが、2025年6月13日付で公表いたしました「上場調達資金使途変更に関するお知らせ」に基づき、一部変更いたしました。変更の内容につきましては、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (4)発行済株式総数、資本金等の推移」に記載のとおりであります。
しかしながら、急速に変化する事業環境が変化した場合に柔軟に対応するため、上記計画以外の使途へ充当する可能性があり、かかる場合においては、経営成績、財政状態およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、資金使途を変更する場合には、適時適切に開示等を行ってまいります。また投資効果については想定通りの成果をあげられるように取り組んでまいります。
② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
(発生可能性:高、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループは、役員および従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとしてストック・オプションを付与しているほか、今後も優秀な人材確保のためのストック・オプションを発行する可能性があり、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権等について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。なお、当連結会計年度末現在、新株予約権による潜在株式数は196,750株であり、発行済株式総数3,698,100株の5.3%に相当しております。
③ 配当政策について
(発生可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、事業の成長・拡大による企業価値の向上を最重要課題として認識するとともに、株主に対する利益還元を経営の重要課題の1つと位置付けております。現段階では、事業拡大のための投資および財務基盤の強化が最優先の課題であると認識しており、そのバランスを見極めながら、必要な内部留保を確保し安定した配当ができる体制が整った後に継続的に実施していくことを基本方針としております。しかしながら、当社グループの業績が計画どおりに進捗しない場合には、配当を実施できない可能性があります。
④ 減損損失について
(発生可能性:小、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループは事務所設備、業務システム等の固定資産を所有しておりますが、製造工場などは有していないため、多額の固定資産を有しておりません。しかしながら、事業の収益性が悪化した場合には、減損会計の適用により資産について減損損失が発生し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 大株主について
(発生可能性:小、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)
当社の代表取締役社長である榎並大輔の実質所有株式数は、当連結会計年度末現在で、発行済株式総数の56.77%となっております。同氏は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社といたしましても、同氏は当社の創業者であるとともに代表取締役社長であるため安定株主であると認識しておりますが、将来的に何らかの事情により、大株主である同氏の持分比率が低下した場合には、当社株式の市場価格および議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。かかるリスクを念頭に持分比率の管理とともに、継続的な投資家コミュニケーションを行ってまいります。
⑥ 訴訟について
(発生可能性:小、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは当連結会計年度末現在において、当社グループが当事者として提起されている訴訟はありません。リスクコンプライアンスマニュアルを整備して役職員へ周知すること等により法令違反などの発生リスクの低減に努めておりますが、当社グループまたは当社グループの役職員を当事者とした訴訟が発生した場合には、その訴訟の内容や進行状況によっては、当該訴訟に対する金銭的な負担の発生や、当社グループまたは当社グループの役職員のレピュテーションが悪化して当社グループの社会的信用が毀損されるなど、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、訴訟の発生についてはその時期および顕在化の可能性を予見できるものではありません。
当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度および前連結会計年度末との比較分析は行っておりません。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は2,770,148千円となりました。その主な内訳は、現金及び預金633,871千円、商品876,127千円、未収消費税等676,288千円、固定資産286,034千円です。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は1,345,881千円となりました。その主な内訳は、買掛金426,517千円、短期借入金200,000千円、契約負債297,593千円、長期借入金142,436千円です。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,424,266千円となりました。その主な内訳は、資本金299,090千円、資本剰余金293,010千円、利益剰余金837,091千円です。
②経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、底堅く推移いたしました。一方、世界に目を向けると、米国における通商政策を巡る不確実性が継続し、関税措置を背景とした貿易摩擦の長期化懸念が意識されております。また、中国における不動産不況から連鎖した内需低迷などによる成長鈍化リスクに加え、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東地域における地政学的緊張の高まり、台湾有事リスクや日中関係の悪化など、国際情勢は引き続き不安定な状況にあり、世界経済は依然として不透明感が残存しております。
半導体業界では、生成AIの急速な普及を背景としたデータセンター投資が引き続き拡大しているほか、PC・スマートフォンへのAI機能搭載の本格化により、高性能ロジック半導体およびメモリを中心とした需要が堅調に推移しております。加えて、日常生活を支える電子機器や自動車などの社会インフラ分野における半導体需要は中長期的には底堅く、レガシーからミドルノードに至る幅広い領域で、用途に応じた安定的な需要が見込まれております。他方、米中摩擦の影響を受け、中国における半導体関連投資には抑制的な動きも見られ、今後の市場環境を注視する必要があります。
国内では、2025年10月にTSMC熊本第2工場の着工が開始されるなど、半導体関連企業の集積による九州経済の活性化が期待されております。またRapidusは、政府の先端半導体への支援策を背景に、2027年に2nm世代チップの量産開始を計画するなど、国内半導体産業の中長期的な成長への期待が一段と高まっております。
このような状況の中、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高8,628,372千円、営業利益355,605千円、経常利益338,459千円、親会社株主に帰属する当期純利益249,244千円となりました。当連結会計年度の売上高の主な内訳は、アジア向けが7,401,156千円(うち中国向けが7,280,577千円)、国内向けが1,221,092千円(主にキオクシア等の国内半導体メーカー向け)となっております。
また、当社は2025年7月にTMH KOREA Inc.を連結子会社として設立いたしました。同社の決算日は9月30日であり、当連結会計年度末における連結財務諸表の作成に当たっては同決算日現在の財務諸表を使用しており、当連結会計年度末までの期間に発生した重要な取引について、連結上必要な調整を行っております。
なお、当社グループは半導体製造フィールドソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益の計上338,459千円、短期借入金の純増加額200,000千円および2024年12月の株式上場に伴う株式の発行による収入361,160千円の計上があったものの、大型装置販売の売上計上に伴う契約負債の減少額1,451,213千円および棚卸資産の増加額428,043千円などにより、当連結会計年度末には633,871千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は2,369,693千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益338,459千円などによる資金の増加に対し、棚卸資産の増加額428,043千円、仕入債務の減少額376,996千円、未収消費税等の増加額243,029千円、契約負債の減少額1,451,213千円などによる資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は286千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出6,030千円、無形固定資産の取得による支出16,854千円などによる資金の減少に対し、定期預金の払戻による収入30,000千円による資金の増加によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は472,604千円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出123,288千円による資金の減少に対し、短期借入金の純増加額200,000千円、株式の発行による収入361,160千円などによる資金の増加によるものであります。
④生産、受注および販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績は次のとおりであります。なお、当社グループは半導体製造フィールドソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年12月1日 至 2025年11月30日) |
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受注高 (千円) |
受注残高 (千円) |
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半導体製造フィールドソリューション事業 |
2,548,685 |
1,375,393 |
(注)上記受注高および受注残高には、翌連結会計年度以降に売上を計上すると見込まれるものが含まれております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループは半導体製造フィールドソリューション事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。
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サービスの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年12月1日 至 2025年11月30日) |
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部品販売・修理サービス |
1,213,525千円 |
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装置販売サービス |
7,403,912 |
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その他 |
10,934 |
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合計 |
8,628,372 |
(注)当連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
当連結会計年度 (自 2024年12月1日 至 2025年11月30日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
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New Eastech (Shanghai) Co., Ltd. |
5,385,366 |
62.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状況および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
a.財政状態の分析
「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
(売上高および売上総利益)
当連結会計年度の売上高は8,628,372千円、売上総利益は970,174千円となりました。
当連結会計年度は中古機械装置販売などの大型案件の売上が寄与し、新規取引先の開拓も順調に進んできましたことなどから、売上高および売上総利益ともに堅調に推移いたしました。
なお、当社グループは、半導体製造フィールドソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(販売費及び一般管理費および営業利益)
販売費及び一般管理費は、人件費の増加などにより614,569千円となりました。
その結果、営業利益は355,605千円となりました。
(営業外損益および経常利益)
営業外損益は△17,146千円となりました。この主な要因は、営業外収益として受取利息8,239千円を計上しましたが、営業外費用にて為替差損8,692千円および上場関連費用8,460千円を計上したことなどによるものです。
その結果、経常利益は338,459千円となりました。
(法人税等および親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において特別損益の計上はありませんでした。
親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税86,149千円を計上したことなどにより、249,244千円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に関する情報
キャッシュ・フローの分析は、前述の「(1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
当社グループの事業は、主たる顧客である半導体工場からの注文に基づいて、製造装置部品の販売・修理サービス、ならびに中古装置の販売を行うものであり、一部の部品を除いて、受注後に仕入れることを基本としています。そのため、多額の設備投資や在庫を保有するための多額の資金は必要としません。主たる資金需要は人件費を中心とした運転資金です。既存ビジネスの獲得するキャッシュ・フローを原資に、継続的に成長するための拠点の開設や新規に開始するビジネスの運転資金を賄うことを基本方針としています。なお、成長投資資金の一部については、既存ビジネスによる獲得資金に加え、必要に応じて金融機関からの借入によって賄うこととしています。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。また会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に含めて記載しております。
⑤経営戦略の現在と見通し
経営戦略の現在と見通しについては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
⑥経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
⑦経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、事業成長の指標となる売上高・営業利益の絶対額、収益性を計る指標となる売上総利益率・営業利益率を重要視しており、中長期的な目標として売上総利益率は27%、営業利益率は13.8%を掲げております。
なお、当連結会計年度における「売上高」は8,628,372千円、「営業利益」は355,605千円となり、事業の成長においては堅調に推移いたしました。一方、収益性においては「売上総利益率」は11.2%、「営業利益率」は4.1%となりました。今後につきましても、目標数値の達成に向けて営業力の向上および業務改善に中長期的に取り組んでまいります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。