第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「創造・奉仕・協力」の経営理念のもと、企業価値の最大化と持続可能な事業活動を行うことで、地球環境の保全と持続可能な社会の実現に貢献し、世界にそして未来に誇れる企業を目指します。

(「タダノグループサステナビリティ憲章」より)

 

(2) 経営環境

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する中、各種政策効果もあり、緩やかに回復しました。海外においても、一部地域に足踏みがみられるものの、景気は緩やかに回復しました。

一方で、米国通商政策による影響や地政学的リスクの高まり等により、先行き不透明感が増す中、世界経済の下振れが懸念されます。

 

次期の見通しについては、米国の政策動向による世界の政治・経済への影響や中国・欧州経済の先行き不透明感に加え、地政学的リスクの高まり等もあり、先行き不透明感が増しています。

当社グループを取り巻く市場環境につきましては、日本では、住宅関連などの民間工事に弱さが見られるものの、公共投資は堅調に推移し、需要を下支えすることが見込まれます。海外では、政権先行きに不安はありながらも米国経済は堅調に推移するとみる一方で、欧州経済の回復遅れや、油価下落の影響が懸念される中東は停滞が見込まれ、全体として弱含みで推移すると想定しています。

原材料価格の上昇は落ち着きつつあるものの、米国関税政策影響や人件費を中心にコスト増加が続くため、製品価格の見直し等により利益確保を図ります。あわせて、直近3件の買収で獲得した新事業・新製品の成長加速、政府の造船業再生戦略を追い風とした造船向け製品の生産・販売強化、並びに当社事業の根幹を支える生産体制再構築等、持続的成長に向けた投資を計画しております。

 

なお、2025年(暦年)での建設用クレーンの地域別需要台数について、過去5年間の推移を示すと、以下のような状況になっております。

日本においては需要が減少しましたが、海外では地域差があるものの増加基調が継続しております。下記の表には示しておりませんが、引き続き中国国内の需要が減少傾向にあり、中国域外への輸出ドライブが続いている状況にあります。このため、中東を始めとする地域において、その影響が大きく出ているものと認識しております。

(建設用クレーン地域別需要台数推移)

 

2021年

2022年

2023年

2024年

2025年

対2024年比

北米

1,090

1,150

1,480

1,500

1,540

103%

中南米

370

590

880

1,500

1,400

93%

欧州

1,360

1,470

1,470

1,540

1,380

90%

中東

520

910

1,840

2,580

3,260

126%

オセアニア

300

440

470

190

190

100%

アジア

1,360

2,020

2,720

2,650

2,810

106%

その他

1,780

3,320

4,270

4,560

4,060

89%

海外計

6,780

9,900

13,130

14,520

14,640

101%

日本

1,420

1,380

1,450

1,380

1,330

96%

合計

8,200

11,280

14,580

15,900

15,970

100%

 

※上の表に中国国産の中国市場向け、ロシア国産のクレーンは含んでおりません。

※その他は、アフリカ、CISを含んでおります。

 

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略、目標とする経営指標と対処すべき課題

当社グループは、2008年度以降、事業領域を「抗重力・空間作業機械=Lifting Equipment(LE)」と定めております。企業価値の最大化と持続可能な事業活動を行い、長期目標である「LE世界No.1」の実現に向けて、3年毎に中期経営計画を策定しております。

当社グループは、2026年度を最終年度とする「中期経営計画(24-26)」において、「Reaching new heights ~新たなステージへ~」をスローガンに、業界のリーディングカンパニーとして、お客様の安全と地球環境に配慮した新たな価値を提供するための戦略を推進しております。

成長戦略の骨子として、(1)脱炭素化を加速、(2)新たな領域への挑戦、(3)強みを活かしたものづくり改革、(4)変革を支える足場固め、を掲げると同時に、持続的な成長に向けた「資本コストや株価を意識した経営」と「サステナビリティ課題への対応」を重視し、「世界にそして未来に誇れる企業」を目指します。

 

中期経営計画(24-26) 基本方針:

 


 

(1)脱炭素化を加速

当社グループはこれまで世界初のフル電動ラフテレーンクレーンを開発、2023年には日本市場、2024年には北米市場向けに発売しました。また、有線式電動CC.88.1600-1(超大型クローラークレーン)の開発に取り組む等、製品の走行時や作業中に発生するCO₂排出をゼロにし、当社が掲げる製品における長期環境目標の実現に向けて活動してまいりました。2025年においてはフル電動高所作業車AT-121TTEを開発、日本市場での販売を開始しております。さらにマニテックス社、タダノインフラソリューションズの買収により電動製品ラインナップも拡大しております。

また、当社志度工場で県下最大規模の太陽光発電設備を設置、稼働させる等、事業活動におけるCO₂削減も推進しております。

今後も環境対応製品「Tadano Green Solutions」の拡充、事業活動における様々な取り組みを通じ、地球環境の保全と持続可能な社会の実現に貢献し、世界にそして未来に誇れる企業を目指します。

 

(2)新たな領域への挑戦

2024年のタダノユーティリティ買収に加え、2025年1月のマニテックス社買収により、これまで日本市場での販売が中心であった、車両搭載型クレーンおよび高所作業車の海外展開を加速させております。販売だけではなく、開発・生産面でのシナジー創出に向けた施策も推進中であります。また、2025年7月のタダノインフラソリューションズ買収により、これまで当社グループが有していなかった「定置式クレーン」が新たな製品群として加わりました。政府の造船業再生戦略を追い風とした造船向け製品の生産・販売強化をはじめ、当社グループにとって新しい領域における強固な収益基盤の構築に努めてまいります。

また、2025年に開催されたCSPI-EXPO 2025にて、移動式クレーン遠隔操作システム「CRANET」および教育用シミュレーターのデモンストレーションを実施する等、安全で効率的な建設現場の実現に向け、新技術とその製品化にも取り組んでおります。

 

(3)強みを活かしたものづくり改革

当社グループ事業は多品種少量生産であり、ボリュームに頼らない生産効率の改善やコスト低減は、当社だけでなくサプライヤーにおいても大きな課題です。開発生産拠点がある、日本・欧州・米州それぞれの強みを活かした最適なものづくり体制を構築し、収益力の最大化と安定供給に努めます。

2025年には、ドイツ子会社であるタダノ・デマーグGmbHのバラシャイド工場を閉鎖、オールテレーンクレーンの生産機能を日本とドイツの各工場へ移管しました。ドイツでは中型から大型のモデル、日本では小型モデルの生産に特化し、日本及びドイツ双方の強みを活かしながら、コスト競争力と品質の向上、納期の安定性を改善してまいります

 

(4)変革を支える足場固め

各種戦略を強く推し進めるための足場固めも重要な取り組みとなります。

サービス力の強化では、資源循環型ビジネスの実現に向けて再生事業の拡充に取り組みます。また、機能製品の価値を維持・向上させるレトロフィット(後付け改造・強化部品)についても強化してまいります。

また、当社グループにとって人財は競争力の源泉であり、「持続可能な経営」を実現する重要な要素のひとつであると捉えております。2025年には、従業員の経営参加意識の高揚と従業員エンゲージメントの向上に資することを目的として、「信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship®)」を導入いたしました。仕事と育児・介護の両立支援制度の改定等、女性活躍促進への取り組みが評価され、厚生労働省の「プラチナくるみん認定」を取得、障がい者や外国籍社員の採用強化、再雇用制度の見直しを通じた定年後の人財の活用等にも取り組んでおります。今後も中期経営計画に連動した人財基盤の強化を推進してまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループは、「創造・奉仕・協力」の経営理念のもと、企業価値の最大化と持続可能な事業活動を行うことで、地球環境の保全と持続可能な社会の実現に貢献し、世界にそして未来に誇れる企業を目指します。

当社グループではサステナビリティ課題全般及びテーマごとに「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」の観点から考え方を整理し、取り組みを強化しております。

 

(1) ガバナンス

経営におけるサステナビリティの重要課題を定め、方針と目標、進捗を管理するため、社長を委員長とし、全本部長を委員とする「サステナビリティ委員会」を設置しております。同委員会のメンバーは、定例の経営報告会、経営会議・取締役会等の各会議において、各部署のサステナビリティ課題や重要事項について逐次報告・議論をしております。

また各部署における取り組み支援等の専任部署として「サステナビリティ推進グループ」を総務部に設置しております。さらに「サステナビリティ委員会」の下部組織として「リスク委員会」「コンプライアンス委員会」「環境委員会」「人財委員会」の専門委員会があり、全社的なテーマについて取り組んでおります。

なお、人的資本については人財委員会、気候変動については環境委員会にてそれぞれ対応しております。また2021年には、環境委員会の下部組織として「CO2・エネルギー削減部会」「廃棄物・化学物質削減部会」を設置し、具体的な施策検討や各部署の情報共有、長期目標達成に向けた改善継続に取り組んでおります。

 

テーマ

委員会もしくは主管部署

関連方針・規程・ガイドライン類

全般

サステナビリティ委員会

タダノグループサステナビリティ憲章

リスク

リスク委員会

タダノグループ
事業リスクマネジメント規程

人権・法令

コンプライアンス委員会

タダノグループ人権方針

タダノグループコンプライアンス規程

環境保全

環境委員会

タダノグループ環境方針

人的資本経営

・労働環境

人財委員会

タダノグループ人財育成基本方針

タダノグループ社内環境整備方針

コーポレート

ガバナンス

コーポレート本部

内部統制システム構築の基本方針

コーポレートガバナンス・ガイドライン

サプライヤー

(取引先)

購買本部

タダノグループ
サステナブル調達ガイドライン

 

 

(2) 戦略

当社グループは、「中期経営計画(24-26)」のもと、お客様の安全と地球環境に配慮した新たな価値を提供するための戦略を推進してまいります。「中期経営計画(24-26)」の内容については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 中長期的な会社の経営戦略、目標とする経営指標と対処すべき課題」をご参照ください。

サステナビリティ推進の基本方針として、「人権の尊重」「公正・誠実な事業活動」「社員の尊重と働きがいの確保」「取引先(サプライヤー)と共に成長」「社会貢献」「地球環境の保全」「適切なコミュニケーション活動」の7項目から成る「タダノグループサステナビリティ憲章」を制定しております。上図のとおり関連方針・規程・ガイドライン類を整備し、各部署・グループ会社の年度方針・事業計画から具体的施策へとつなげております。サプライヤー(取引先)におけるサステナビリティ推進については「タダノグループサステナブル調達ガイドライン」を2024年1月に制定しております。

また、人的資本活用については、「タダノの人財に対する考え方」を次に定め、変革を支える足場固めとして「タダノグループ人財育成基本方針」「タダノグループ社内環境整備方針」を2024年3月に制定しております。

 

(タダノの人財に対する考え方)

・当社グループは、環境変化に柔軟且つスピーディーに対応し、社会に新しい価値を提供することで世界にそして未来に誇れる企業を目指します。

・人財は競争力の源泉であり、「持続可能な経営」を実現する重要な要素のひとつと捉えています。人種、宗教、性別、性的指向・性自認、年齢、障がい、国籍、出身地、社会的出身、経歴等のあらゆる違いを尊重し、多様な人財の雇用と育成を強化・継続します。

・多様な人財一人ひとりが、自らの能力や個性を活かした組織パフォーマンスの最大化を実現するため、公平な成長機会の提供と組織文化を醸成します。

 


 

①人財育成基本方針

当社グループは、社員一人ひとりのパフォーマンスの最大化と更なる価値創造に向けた「組織マネジメント力」と「ソリューション力」に資する人財育成を推進しています。多様な人財が集まり、個の潜在能力を発掘/開発し、高い専門的な発揮能力に変える機会を通じて、変化を捉え、チームでイノベーションを起こし続ける社風「学習し、成長し続ける組織文化」を醸成します。

 


 

②社内環境整備方針

当社グループは、タダノで働くことが、生活全般の満足度(Well-being)につながるという考え方の下、安全を第一に、心身ともに健康で活力に満ちた職場環境を築き、仕事と生活のバランスのとれた働き方を推進します。

 


 

③「中期経営計画(24-26)」人事戦略

 

人事戦略

 

取り組み

 

 

 

採用強化・研修拡充と再配置の促進による人財ポートフォリオの再構築

•専門性の高い開発・技術人財

•金融・IT・DX経験のある人財

•グローバル人財

•多様性と適材適所

 

自律型キャリア開発促進

•次世代リーダー

•スペシャリスト

 

エンゲージメントの向上

•働きがいのある職場環境づくり

•健康経営の促進 (心とからだ)

 

•評価と報酬体系の見直し

•勤務形態の多様化

•採用ブランディングの強化

•女性活躍促進

•障がい者・外国籍社員の採用強化

•LGBTQ+の理解と浸透

•シニア活性化・再雇用制度の見直し

•人財活性化制度拡充 (FA/公募/自己申告)

•リスキリング支援

•グループ内での人財交流

•積極的な社外交流

•サーベイのグループ展開・フォローアップ強化

•ストレスチェックの強化

 

 

主な取り組み

a. 多様な人財採用の取り組み

社員それぞれが持つ背景や能力、経験などを含むさまざまな価値の多様性を受け入れ組織に活かすことが、社員の働きがいや生産性の向上、付加価値の創出につながると考え、国境を超えたダイバーシティ推進の一環として、留学生や、外国の学生、外国人キャリア人財の採用を強化し、2026年度には新卒者3名の採用を内定しております。

また、障がい者雇用の取り組みにつきましては、特別支援学校への訪問や、障がい者職業センターの見学等で情報収集や理解を深めておりますが、従業員総数の増加により法定雇用率に達することができておりません。今後は、障がいの特性に関わらずより多くの方が活躍できるよう環境整備や、周囲の社員と協力して支援を行い、雇用の継続をしてまいります。

 

b. 女性活躍に関する取り組み

人事戦略の重要施策として全従業員に占める女性従業員比率の向上を目指し、女性活躍推進に取り組んでおります。多くの女性が活躍していくために柔軟な働き方ができるよう、仕事と育児・介護の両立支援制度及び育児休暇取得者が昇進の遅れをとることがないよう人事考課規程の改定を行いました。これらの取り組みが評価され、2025年には「プラチナくるみん認定」を取得しております。

今後も女性従業員比率を上げていくための環境整備や、管理職登用を見据えた女性リーダー研修の導入、人事制度の変革など、女性活躍推進への取り組みを強化してまいります。

 

c. シニア活性化に関する取り組み

 定年後の社員の活躍促進を目的として、2026年1月1日より再雇用制度を見直し、役割と責任に応じた処遇体系へと変更しました。再雇用社員全体の給与水準を見直すとともに、役職を継続する社員は定年前と同等の処遇とすることといたしました。

 さらに、再雇用時の生活に応じた多様な働き方を可能とするため、短日・短時間勤務を柔軟に選択できる制度を導入いたしました。

 

d. 従業員エンゲージメント調査の実施

会社も社員も一緒に変革を推進・実践していくために、年2回の従業員エンゲージメント調査を通じて組織状態を可視化し、組織改善のPDCAサイクルを回しております。健全な職場環境でONE TADANOの実現に向けて日々の業務を推進できているか、何が課題なのかを可視化し、本部長及び管理監督者が今後の方向性のヒントを掴むツールとして2019年にトライアルで実施後、2021年度より全社展開をしております。
 調査結果のレビューでは、全社の本部長及び部長を対象にエンゲージメント向上ミーティングを開催しております。スコアが伸び悩んでいる組織に対して事務局が直接職場に出向き、現状分析及び課題の特定を実施するとともに、必要に応じて改善施策の立案および実行を支援しております。特定された課題に対する施策を実行し、効果をチェックするPDCAサイクルを着実に推進することにより、エンゲージメントを向上させてまいります。

 

e. ストレスチェックに関する取り組み

年1回のストレスチェックに加え、新卒社員研修や年代別健康教室(25・30・35歳)を通じて、ストレスやメンタルヘルスに関する理解促進とセルフケア能力の向上に努めております。さらに、新任管理職・新任監督職研修では、健康管理やラインケアなどメンタルヘルス体制を周知し、組織的な支援力の強化を図っております。5名の保健師は健診後の個別面談やストレスチェック結果の説明、超過勤務者への疲労度チェックを行い、心身の状態への気づきと早期対応を支援しております。また、保健師がメンタル不調者と会社の橋渡し役として機能することで、高ストレス者の割合は年々減少しております。

 

※上記の主な取り組みに関する詳細及びその他人事戦略に関する取り組みは、2026年7月発行予定の「統合報告書2026」をご参照ください。

 

(3) リスク管理

当社グループは、開発・製造の拠点を日本・欧州・米州に、販売・サービスの拠点を世界各国に有しており、グローバルに事業を展開しております。

当社グループの業務には、事業戦略リスク、法的リスク、製品安全リスク、情報セキュリティリスク、環境リスク、自然災害リスク等様々なリスクがあります。当社グループは、リスク管理について「タダノグループ事業リスクマネジメント規程」に基づき、リスク委員会を通じて、定期的に社内のリスクの洗い出しと評価を行い、リスク毎に対応部署を定めて対応策を講じることにより、リスクマネジメントの強化を図っております。リスク委員会における評価結果については、原則年2回、取締役会に報告しております。

 

(4) 指標及び目標

(長期環境目標に関する指標と目標)

製造業である当社グループにとって特に重要となる指標及び目標として、2021年に「タダノグループ長期環境目標」を制定しました。「2030年までに事業活動におけるCO2排出量25%削減、製品におけるCO2排出量35%削減、並びに事業活動における産業廃棄物排出量50%削減(いずれも2019年度比)」と目標を定め、地球環境の保全・貢献に取り組んでおります。

また、気候変動対応については、CO2・エネルギー削減部会で、いわゆる2℃シナリオに伴う移行リスク・機会、4℃シナリオに伴う物理リスク・機会を検討し、当社グループのリスクと機会について以下のとおり分析しております。

電動化など製品の気候変動

対応が生み出す変化と影響

(移行リスク&機会)

・電動化製品の開発・製造・販売においてLE業界で遅れを取る/業界をリードする

・電動化製品の製造・サプライチェーンにおいてハード面・ソフト面での備えが必要となる

気候変動がもたらす社会・

経済構造の変化と影響

(移行リスク&機会)

・当社グループ製品が使われている市場・お客様に大きな社会・経済構造の変化が訪れる(化石燃料市場の縮小や各国CO2排出規制の強化/風力発電などGX投資の増加)

・気候変動対応でLE業界において遅れを取る(レピュテーション・リスク)/業界をリードする

気温上昇・災害増加による

現場への影響

(物理リスク&機会)

・建設現場や製造現場での労働環境悪化、当社グループ工場・サプライチェーンの被災リスク増加(AIやロボット活用による自動化・作業容易化、災害増加による製品需要増加の可能性も)

 

 

①事業活動におけるCO2削減

志度工場では2008年に設置した最大出力260kWの太陽光パネルをさらに1,593kW追加設置し、2025年7月に運転を開始、生産・エネルギーの両方の側面から効率化・再編に取り組んでおります。また、香西工場では、エネルギー使用量をリアルタイムで把握できるEMS(エネルギーマネジメントシステム)を導入し、2021年に最大出力1,182kWの太陽光パネルを設置しました。両工場においては、エネルギー効率が良くCO2排出の少ないバージ船を利用した製品輸送にも取り組んでおり、モーダルシフトも積極的に推進しております。
 2023年1月には、多度津工場に最大出力606kWの太陽光パネルを設置し、取り組みをさらに加速させております。また同じく2023年から、香川県在住のグループ社員が自宅で発電した太陽光の余剰電力を、電力会社を通じて買い取り、志度工場で活用する取り組みを開始いたしました。2026年2月時点で54世帯が参加しています。
 国内外におけるその他の事業所でも、太陽光パネルの設置やエアコンや照明の節電、社有車のEV化・HV化等、環境負荷低減に取り組んでおります。国際的なNGOであるCDPの2025年レポートでは「気候変動」「水セキュリティ」の2分野でBスコアを獲得することができました。

 

CO2排出量の推移(SCOPE1・2)

項目

2019年度

(2020年3月期)

2025年度

(2025年12月期)

CO2総排出量(t)

39,927

32,120

(内訳) 日本(注)1

22,496

19,678

海外(注)2

17,431

12,441

(参考値)売上高原単位(注)3

17.51

9.19

 

(注)1 日本国内全拠点(グループ会社・工場などを含む)を対象としておりますが、㈱タダノインフラソリューションズは呉工場のみとなっております。

2 海外生産拠点を対象としております。今後、算定範囲をその他海外拠点にも拡大予定しております。

3 グループ売上高を分母とした原単位を表記(CO2:トン/売上高:億円)しております。

4 対象会社の範囲については、企業結合等により、基準となる2019年度以降の数値を毎年見直しております。また、2025年度には一部海外拠点について算定基準を見直し、基準値の再計算を行っております。

 

②製品におけるCO2削減

建設機械のライフサイクルにおけるCO2排出量は、製品の稼働と走行における排出が大部分の割合を占めております。このため、ラフテレーンクレーン CREVO G5 シリーズでは環境に配慮した新世代エンジンに加え、無駄なエンジン回転を抑制する「オートアクセル」、クレーン非操作時にPTOポンプを停止する「ポンプオートストップ」を搭載しております。また、エンジンを起動せずにクレーン作業を可能にする電動パワーユニット「e-PACK」を欧州、そして日本に市場投入(2026年1月にはバッテリ式e-PACKを発売)するなど、CO2排出量の削減や、燃料消費量の改善、低騒音作業など作業効率と環境に配慮した操作をサポートしてまいりました。
 「Tadano Green Solutions」としてさまざまな環境配慮型製品を市場に導入しています。2023年12月には、世界初となるフル電動ラフテレーンクレーンEVOLT eGR-250Nを日本で発売し、GX建機にも認定されました。2024年11月にはアメリカ・カナダ向けに第2弾となるEVOLT eGR-1000XLL-1を発売しました。いずれも電気の力でクレーン作業・走行を行うことができ、製品からのCO2排出量をゼロにすることができる画期的な製品です。また同じく2024年12月には有線式電動CC 88.1600-1(超大型クローラクレーン)の開発を、2026年1月にはEVトラックに対応する高所作業車AT-121TTEのフル電動化試験完了・発売をそれぞれ発表いたしました。
 当社グループの製品ラインナップの中で、超大型のクレーンや高揚程の高所作業車は、今後GX(グリーントランスフォーメーション)で増加するとみられる風力発電等の建設現場でも大きな活躍が期待されております。また風力発電設備のメンテナンス用途に特化した、新たな製品開発にも取り組んでおります。
 今後も脱炭素化・地球環境の保全に貢献する製品開発を加速してまいります。

 

③SCOPE3のCO2排出量について

CO2排出量のうち、SCOPE3の排出量については以下のとおりであります。GHGプロトコル・環境省ガイドラインに沿って、対象となる主だった活動が存在するカテゴリーについて算定しております。

各カテゴリーの算出方法、条件につきましては別表のとおりであります。

(単位:t)

カテゴリー

2025年度

(2025年12月期)

購入した製品・サービス

490,403

資本財

Scope1、2に含まれない燃料及びエネルギー活動

輸送、配送(上流)

18,016

事業から出る廃棄物

3,813

出張

5,147

雇用者の通勤

1,294

リース資産(上流)

輸送、配送(下流)

8,980

10

販売した製品の加工

68

11

販売した製品の使用

1,391,867

12

販売した製品の廃棄

756

13

リース資産(下流)

14

フランチャイズ

15

投資

排出量合計

1,920,347

 

 

また、当社グループの長期環境目標の一つである、カテゴリー11「販売した製品の使用」によるCO2排出量について、2019年度(基準値)と2025年度の数値は以下のとおりです。

SCOPE3(カテゴリー11)                  (単位:t)

主要品目別

2019年度

(2020年3月期)

2025年度

(2025年12月期)

建設用クレーン

1,252,210

908,671

車両搭載型クレーン

500,788

340,529

高所作業車

186,435

142,667

運搬機械

0

0

その他

1,394

0

合計

1,940,828

1,391,867

 

 

(別表)カテゴリーごとの算出方法・条件

カテゴリー

算出方法・条件

購入した製品・サービス

・直接調達(海外からの購入分も含む)

購入金額※1×生産者価格ベース排出原単位

・間接調達

購入金額※1×購入者価格ベース排出原単位

(※1 輸送コストは含まれない)

輸送、配送(上流)

輸送コスト×生産者価格ベース排出原単位

事業から出る廃棄物

・リサイクル処理

廃棄物重量(廃棄物処理方法・種類別)×廃棄物輸送段階含むリサイクルの原単位

・焼却・埋め立て処理

廃棄物重量(廃棄物処理方法・種類別)×(廃棄物輸送の排出原単位+廃棄物処理・種類別排出原単位)

出張

移動:支給交通費(交通種別)×交通区分別排出原単位

宿泊:宿泊日数×出張・宿泊日数あたり排出原単位

(日本から海外への出張も含む)

雇用者の通勤

公共交通機関:通勤費×交通区分別排出原単位

自動車:燃料消費量×燃料別排出原単位

輸送、配送(下流)

国内輸送:省エネ法で定める荷主による貨物輸送に係るエネルギー起源CO2排出量の算定方法で算出

海外輸送※2:製品1台あたり輸送ルート別船舶輸送CO2排出量※3×出荷先別台数

(※2 国内から海外への輸送のこと)

(※3 日本郵船株式会社提供の船舶輸送におけるCO2排出量データ)

10

販売した製品の加工

架装1台あたりCO2排出量×架装台数

(日本国内の車両搭載型クレーンの架装が算定対象)

11

販売した製品の使用

各製品モデルの販売台数×燃料消費量×製品寿命×燃料別排出原単位

12

販売した製品の廃棄

製品重量×販売台数×(廃棄物輸送の排出原単位+廃棄物処理・種類別排出原単位)

 

(注)1 集計対象は、日本国内となっております。

2 カテゴリー5の集計対象は、日本国内全拠点(グループ会社・工場などを含む)および海外生産拠点(タダノ・ファウンGmbH、タダノ・デマーグGmbH、マニテックスInc.、ピーエム・オイルアンドスチールS.p.A.、アウトグル・ピーエム・アールオーS.r.l.、マニテックス・ヴァラS.r.l.)ですが、㈱タダノインフラソリューションズは呉工場のみとなっております。

3 カテゴリー11の集計対象は、日本国内および海外拠点(グループ会社含む)で生産された製品となっております。

4 カテゴリー12の集計対象は、日本国内の全拠点(グループ会社含む)で生産された製品となっております。

5 対象会社の範囲については、企業結合等により、基準となる2019年度以降の数値を毎年見直しております。

6 排出原単位につきましては、「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位(Ver.3.5)」及び「LCIデータベースIDEAv2.3(サプライチェーン温室効果ガス排出量算定用)」の数値を使用しております。

 

④事業活動における産業廃棄物削減

当社グループでは、2008年の環境マネジメントシステムISO14001の認証取得を契機に、事業活動における産業廃棄物の削減に取り組んでおります。

当社グループにおける産業廃棄物のおよそ9割は生産拠点から排出されております。分別の徹底、有価物化の推進、部品梱包材の脱プラスチック推進、余剰部品の有効活用等により、産業廃棄物の削減を図っております。2021年には、有価物化の推進として「廃油」をリサイクル化し、2022年にはプラスチック資源循環促進法の施行を受け、廃棄物分別ルールの改訂と「ビニール系プラスチック」の有価物取引を導入いたしました。また2024年には「木製ワイヤドラム」や事業所排出の「ペットボトル」について有価物化するなど、廃棄物削減を着実に進めております。2025年には長らくの課題であった「廃塗料」の有価物化と生産における工法改善を実施することができました。また、部品の納品時に使用する通い箱等の再利用やリサイクルを促進することで、事業活動の中で排出される産業廃棄物の資源化もさらに推進しております。

 

産業廃棄物排出量の推移

項目

2019年度
(2020年3月期)

2025年度
(2025年12月期)

 

 


産業廃棄物総排出量(t)

4,562

3,923

 

(内訳) 日本(注)1

2,451

2,079

 

海外(注)2

2,110

1,844

 

(参考値)売上高原単位(注)3

2.00

1.12

 

 

 

 

 

(注)1 日本国内全拠点(グループ会社・工場などを含む)を対象としておりますが、㈱タダノインフラソリューションズは呉工場のみとなっております。

 

2 海外生産拠点(タダノ・ファウンGmbH、タダノ・デマーグGmbH)を対象としております。今後、算定範囲をその他海外拠点にも拡大予定となっております。

 

3 グループ売上高を分母とした原単位を表記

(産業廃棄物:トン/売上高:億円)しております。

 

4 対象会社の範囲については、企業結合等により、基準となる2019年度以降の数値を毎年見直しております。また、2025年度には算定基準を見直し、基準値の再計算を行っております。

 

 

 

 

 

(人事戦略に関する指標と目標)

人事戦略の課題に対応していくうえで特に重点的に実施している施策について、当社の指標及び目標を以下のとおり設定しております。

指標

2024年度実績

2025年度実績

2026年度目標

管理職に占める
女性労働者の割合(注)1

2.4

2.3

4.0

男性労働者の
育児休業取得率(注)2

58.5

58.7

62.0

労働者の男女の
賃金差異(注)1

74.3

75.6

76.0

係長級に占める
女性労働者の割合

4.3

5.1

5.0

女性従業員比率(注)3

10.7

10.9

10.0

エンゲージメントスコア(注)4

51.6

 

51.7

 

55

以上

エンゲージメント・レーティング(注)4

B

 

B

 

BBB

 

 

 

指標

2024年度実績

2025年度実績

2030年度目標

ストレスチェックにおける
高ストレス者率

11.3

10.4

10.0

%未満

 

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 女性従業員比率については、2024年度実績にて目標値に到達しておりますが、サステナビリティの観点から継続的に目標水準を達成することが必要不可欠と認識し記載しております。

4 株式会社リンクアンドモチベーション「モチベーションクラウド」によるエンゲージメントスコア及びエンゲージメント・レーティングであります。

 

※上記の指標および目標に関する詳細及びその他人事戦略に関する取り組みは、2026年7月発行予定の「統合報告書2026」をご参照ください。

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループは、開発・製造の拠点を日本・欧州・米州に、販売・サービスの拠点を世界各国に有しており、グローバルに事業を展開しております。

当社グループの業務には、事業戦略リスク、法的リスク、製品安全リスク、情報セキュリティリスク、環境リスク、自然災害リスク等様々なリスクがあります。当社グループは、リスク管理について「タダノグループ事業リスクマネジメント規程」に基づき、リスク委員会を通じて、定期的に社内のリスクの洗い出しと評価を行い、リスク毎に対応部署を定めて対応策を講じることにより、リスクマネジメントの強化を図っております。リスク委員会における評価結果については、原則年2回、取締役会に報告しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 事業環境、需要変動

(移動式LE)

当社グループ製品である移動式LEは、耐久性に優れ、製品寿命も長く、景気の波に左右されやすいため、需要の振幅が景気以上に大きくなる特性を有しております。また、事業環境や需要は、世界各国の景気や政治・社会情勢等により、大きく変動する可能性があります。そのため、想定を超えた事業環境や需要の変動が生じた場合、受注の減少・顧客によるキャンセルの増加に伴う、売上減少や在庫増加等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(定置式LE)

当社グループ製品である定置式LEは、主に受注契約後に生産する製品であり、特に大型の重要案件においては、受注契約前に詳細なコスト積上と不測の事態におけるコスト増加も考慮した原価精査を実施し、受注検討を行っております。

しかしながら、想定を超える調達環境の変動等により、当初見積以上のコスト上昇や納期遅延の問題により契約上のペナルティーが生じた場合、当社グループの業績・財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(2) 研究開発

当社グループは、IoTやAIを始めとする急速な技術的進歩により世の中が大きな変革期を迎えつつあると認識し、商品競争力の維持・強化や更なる技術革新を目的として、研究と開発要員の増員、大学との共同研究等、研究開発の強化を図っております。開発の遅れや急速な技術革新、市場ニーズとの不一致等により商品競争力が低下した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(3) 原材料等の調達

当社グループでは、SVE(スーパーバリューエンジニアリング)活動に基づき開発段階までさかのぼり、より一層のコストダウンを推進するとともに、生産性の向上に取り組んでおりますが、予測を超えた原材料の価格高騰や品不足が当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

また、取引先の供給能力の不足や供給停止、倒産、品質問題その他の理由により、生産や出荷の遅延・減少等が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

※ SVE:今までのVEを越える本格的本質的なVEで、Super(Sustainable:持続できる)Value Engineeringの略

 

(4) 製品輸送手段

当社グループの主要製品である建設用クレーンの日本国内における生産機能は香川県に集中しており、四国からの製品輸送について、法規制により本州四国連絡橋を利用できず、フェリーやバージ船を利用した海上輸送を用いております。当社グループ保有のバージ船を導入する等、輸送能力を確保しておりますが、運営会社の経営悪化等の理由によりフェリーやバージ船が利用できなくなった場合、製品の出荷量や出荷費用に変動が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(5) 貸倒れリスク

当社グループでは、顧客の信用状態を継続的に把握して、与信設定を行い、適切な債権管理に努めておりますが、顧客の信用不安により予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、保険等によってカバー出来ない費用が生じて、追加的な引当の計上が必要になる場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(6) 為替レートの変動

当社グループ海外事業は、為替レートの変動により影響を受けます。これに対し、輸出及び輸入の決済については、為替予約、債権債務の相殺等により為替の変動による影響を最小限に抑える措置を講じておりますが、予測を超えた為替変動が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(7) 保有株式の価値変動

当社グループは、販売・購買・資金調達等において、安定的な取引関係の維持・強化を図ることを目的に他社の株式を保有しております。個別銘柄の保有の適否に関しては毎年1回定期的に見直しを行っており、保有目的に合致しない株式は、売却等により縮減を図っておりますが、当社グループが保有している株式の価値が変動した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

 

(8) 買収・提携

当社グループは、「LE世界No.1」に向け、事業の拡大や競争力の強化等を目的として、国内外において企業買収、事業買収、資本提携等を実施することがあります。これらを行う際には事前調査を十分に行い、リスクを検討することとしておりますが、期待していたシナジー等のメリットを享受できなかった場合や、想定していない新たな負債等の問題が生じ又は発見された場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(9) 法的規制

当社グループは、日本の法的規制のほかに事業展開している各国の法的規制、例えば事業・投資の許可、関税・輸出入規制等の適用を受けております。製品のうち、建設用クレーンは日本及び海外仕向地における自動車及びクレーンの法規制の対象となっております。この法規制は、例えば排出ガス規制のように、各国で異なり、また各国の事情で変更されることがあります。他の製品も同様に日本及び海外仕向地における法規制の対象となっております。

当社グループでは、製品に係る法的規制に関する情報収集と対応を行っておりますが、各法的規制の改正によって対応費用が発生したり、研究開発、生産、販売及びサービス等に支障をきたすことにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(10) 不正・不祥事

当社グループは、「タダノグループサステナビリティ憲章」を定め、ステークホルダーの権利・立場や企業倫理を尊重する企業風土の醸成に努めております。また、「タダノグループコンプライアンス規程」に基づき、コンプライアンス担当役員を設置し、コンプライアンス委員会を通じて、啓発ツール等による法令遵守の教育研修を行い、コンプライアンスを徹底すると共に、内部通報制度によりコンプライアンス体制の強化を図っておりますが、役職員等による重大な不正・不祥事が発生した場合、当社グループの信用失墜や費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(11) 税務リスク

当社グループでは、各国の税法に準拠して税額計算し、適正に納税を行っております。グローバルな事業展開の中で、各国の税法だけでなく国際間取引に係る移転価格税制等の国際税務リスクにも注意を払っておりますが、税務当局との見解の相違等により追加の税務コストが発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(12) リコール・製造物責任

当社グループでは、製品安全委員会や品質改善委員会等を設置し、安全と品質を最優先に、製品開発及び製造、サービスに努めておりますが、製品欠陥に基づく大規模なリコールや製造物責任に基づく賠償責任が生じ、保険等によってカバー出来ない費用が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(13) 情報セキュリティ

当社グループは、様々なシステムを利用し、また、業務上必要な取引先の機密情報や個人情報等を保有しております。万一に備えて、サーバを外部のデータセンタで運用し、バックアップデータを複数拠点で保管する等、最大限の保守・保全策を講じ、情報管理体制の強化に努めておりますが、停電、災害、ソフトウエアや機器の欠陥、コンピュータウイルスの感染、不正アクセス等、予測を超える事態により、システム障害や情報漏洩、改ざん等の被害が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(14) 環境規制

当社グループでは、製品及びその製造過程等について、大気汚染、水質汚濁、騒音・振動、廃棄物処理、CO2削減及びエネルギー規制等、様々な環境法令の適用を受け、それらの遵守のために必要な対応を行っておりますが、環境法令の改正による対応費用の発生や、環境事故等に基づく賠償責任が発生し、保険等によってカバー出来ない費用が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(15) 自然災害

当社グループでは、地震等の自然災害や大規模火災等に備えた事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の策定や防災マニュアルの作成、またテロ・紛争等の発生や感染症等の世界的流行(パンデミック)等のあらゆる緊急事態に対応する情報連絡体制の整備等、事業継続に必要な対策を講じておりますが、これらの災害等によって当社グループやサプライチェーンに重大な損害が発生し、操業停止、生産及び出荷の遅延や減少、販売の減少等が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、経営方針・経営戦略等の内容については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

日本向け売上高は、建設用クレーンが減少したものの、車両搭載型クレーン・高所作業車が増加し、また、IHI運搬機械株式会社の運搬システム事業(現:株式会社タダノインフラソリューションズ、以下TIS)買収に伴う運搬機械の売上も加わり、1,254億2千6百万円(前期比114.2%)となりました。海外向け売上高は、米国Manitex International,Inc.(以下、「Manitex社」)の買収もあり、北米・欧州を中心に増加し、2,240億5千万円(前期比123.3%)となりました。この結果、総売上高は3,494億7千7百万円(前期比119.9%)、海外売上高比率は64.1%となりました。

売上が増加したものの、米国通商政策による影響や買収関連費用等の計上もあり、営業利益は185億5千2百万円(前期比78.0%)、経常利益は150億9千6百万円(前期比71.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益は固定資産売却益等を計上したことにより182億9千8百万円(前期比275.5%)となりました。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりであります。セグメント別の売上高については、セグメント間の取引を含めて記載しております。なお、セグメント別とは、当社及び連結対象子会社の所在地別の売上高・営業利益であり、仕向地別売上高とは異なります。

①日本

建設用クレーン・車両搭載型クレーンが減少したものの、高所作業車が増加、また、IHI運搬機械株式会社の運搬システム事業(現:TIS)買収に伴う運搬機械の売上も加わり、売上高は2,134億2千7百万円(前期比108.9%)、買収関連費用等の計上もあり、営業利益は201億6千9百万円(前期比74.2%)となりました。

 

②欧州

建設用クレーンの売上が増加、Manitex社買収による車両搭載型クレーン・高所作業車の売上も加わり、売上高は1,076億8千3百万円(前期比137.6%)、営業利益は32億7千8百万円の損失(前期115億2千6百万円の営業損失)となりました。

 

③米州

建設用クレーンの売上が増加、Manitex社買収による車両搭載型クレーン・高所作業車の売上も加わり、売上高は1,416億2千3百万円(前期比135.2%)、買収関連費用等の計上もあり、営業利益は25億1千5百万円(前期比38.8%)となりました。

 

④オセアニア

主に建設用クレーンの売上が減少し、売上高は107億7千7百万円(前期比68.6%)、営業利益は4億7千8百万円(前期比35.7%)となりました。

 

⑤その他

IHI運搬機械株式会社の運搬システム事業(現:TIS)買収に伴う運搬機械の売上が加わり、売上高は78億8千8百万円(前期比105.4%)、営業利益は3億8千7百万円(前期比62.8%)となりました。

 

 

主要品目別の状況は次のとおりです。なお、2025年7月に買収が完了したIHI運搬機械株式会社の運搬システム事業(現:TIS)の品目が加わったことに伴い、新たに「運搬機械」の項目を新設しております。

①建設用クレーン

日本向け売上高は、大規模工事が実施・計画されているものの、慢性的なオペレーター不足や資材価格高騰の影響等もあり、480億4百万円(前期比95.9%)となりました。海外向け売上高は、一部地域を除き、ここ数年の急速な需要増加基調に落ち着きが見え始める中、販売に注力した結果、1,591億2千8百万円(前期比106.6%)となりました。

この結果、建設用クレーンの売上高は2,071億3千3百万円(前期比103.9%)となりました。

 

②車両搭載型クレーン

日本向け売上高は、トラック登録台数が減少する中、架装能力向上により176億2千4百万円(前期比100.8%)となりました。海外向け売上高は、Manitex社買収による売上も加わり、228億8千万円(前期比1,169.2%)となりました。

この結果、車両搭載型クレーンの売上高は405億5百万円(前期比208.4%)となりました。

 

③高所作業車

日本向け売上高は、レンタル向け販売が好調に推移し、241億7千3百万円(前期比106.3%)となりました。海外向け売上高は、Manitex社買収による売上も加わり、58億8千万円(前期比379.7%)となりました。

この結果、高所作業車の売上高は300億5千3百万円(前期比123.8%)となりました。

 

④運搬機械

運搬機械の売上高は、IHI運搬機械株式会社の運搬システム事業(現:TIS)買収により、55億7百万円(前期比-%)となりました。

 

⑤その他

部品、修理、中古車等のその他の売上高は、IHI運搬機械株式会社の運搬システム事業(現:TIS)買収もあり、662億7千7百万円(前期比136.7%)となりました。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

①生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年比(%)

日本

205,785

112.6

欧州

86,846

120.4

米州

19,141

457.9

その他

1,143

合計

312,916

120.7

 

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。

(注) 生産金額は販売価格で表示しております。

 

②受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、他のセグメントについては主に受注見込による生産方式をとっているため、該当事項はありません。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年比(%)

受注残高(百万円)

前年比(%)

日本

9,624

45,379

合計

9,624

45,379

 

(注) 当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。これは、当連結会計年度よりタダノインフラソリューションズを連結範囲に含めた影響によるものであります。なお、当初に予想される契約期間が1年以内の契約については受注実績に含めておりません。

 

③販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年比(%)

日本

147,728

111.3

欧州

44,539

137.4

米州

140,748

135.2

オセアニア

10,611

68.2

その他

5,849

87.7

合計

349,477

119.9

 

   (注) セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2) 財政状態

(資産)

総資産は、4,585億2千9百万円(前連結会計年度比551億6百万円増)となりました。主な要因は、現金及び預金の減少112億8千3百万円や前払金の減少159億9千7百万円があったものの、売掛金の増加177億8千7百万円や棚卸資産の増加186億9千5百万円に加え、有形固定資産の増加114億6千6百万円やのれんの増加162億8千6百万円があったことによるものです。

 

(負債)

負債は、2,525億8千3百万円(前連結会計年度比380億5千8百万円増)となりました。主な要因は、社債の償還100億円があったものの、短期借入金の増加39億5千4百万円や前受金の増加47億6千2百万円に加え、長期借入金の増加282億5千2百万円があったことによるものです。

 

(純資産)

純資産は、2,059億4千6百万円(前連結会計年度比170億4千8百万円増)となりました。主な要因は、利益剰余金の増加143億5千2百万円があったことによるものです。

 

なお、Manitex社の売掛金64億2千2百万円、棚卸資産126億8千1百万円、有形固定資産47億5千9百万円、短期借入金86億3千5百万円やIHI運搬機械株式会社の運搬システム事業(現:TIS)の売掛金70億9千3百万円、棚卸資産11億7千万円、有形固定資産16億2千8百万円、前受金66億2千6万円が増加要因に含まれております。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ115億4千1百万円減少し、810億3千2百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動によって使用された資金は24億7百万円(前連結会計年度比24億3千4百万円減)となりました。主な要因は、増加要因として税金等調整前当期純利益の計上229億2千万円や減価償却費の計上85億3千7百万円があったものの、減少要因として固定資産除売却益の計上76億9千5百万円や売上債権の増加88億6千7百万円に加え、仕入債務の減少68億9千7百万円や法人税等の支払額86億1百万円があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動によって使用された資金は6億4千9百万円(前連結会計年度比244億6千万円増)となりました。主な要因は、増加要因として有形固定資産の売却による収入101億8千3百万円や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入69億4千3百万円があったものの、減少要因として有形固定資産の取得による支出103億1千万円や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出74億8百万円があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動によって使用された資金は21億1千4百万円(前連結会計年度比237億3千8百万円減)となりました。主な要因は、増加要因として長期借入れによる収入315億8千7百万円があったものの、減少要因として短期借入金の減少23億5千4百万円や長期借入金の返済による支出140億2千5百万円に加え、社債の償還による支出100億円や配当金の支払額39億4千5百万円があったことによるものです。

 

 

なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりであります。

 

 

第74期

第75期

第76期

第77期

第78期

自己資本比率

(%)

46.2

46.9

49.6

46.8

44.9

時価ベースの自己資本比率

(%)

37.9

32.6

41.0

36.2

29.2

キャッシュ・フロー対
有利子負債比率

(年)

5.7

9.0

4,551.2

インタレスト・
カバレッジ・レシオ

(倍)

26.3

5.5

0.0

 

 

(注)

自己資本比率:(純資産-非支配株主持分)/総資産

 

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

 

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

 

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

第75期及び、78期の「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」と「インタレスト・カバレッジ・レシオ」については、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載しておりません。

 

 

(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。

この連結財務諸表は、収益及び費用、資産及び負債の測定にあたり、経営者の見積りや仮定を含んでおります。これらの見積りや仮定は、過去の実績や決算日において合理的であると考えられる様々な要素を勘案し、経営者が判断した結果に基づいております。加えて、継続的な見直しも行なっております。しかしながら、実際には、これらの見積りや仮定とは異なるものとなる可能性があります。

当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与えると考えられる見積りや仮定を含む項目は以下のとおりであります。なお、重要な会計上の見積りとして、繰延税金資産を計上しております。その内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

(有形固定資産及び無形固定資産)

当社グループは、有形固定資産及び無形固定資産について、減損の兆候がある場合に減損の判定を行っております。減損判定の契機としては、過去の業績や事業計画と比較して業績の大幅な悪化が見込まれる場合、市場や業界トレンドに大きな変動がある場合、資産の用途やそれらを用いる事業の見直しを行う場合等があります。減損については、公正価値と帳簿価額を比較し、公正価値が帳簿価額を下回っている場合に減損損失を計上しておりますが、公正価値の評価にあたり用いる見積りや仮定が将来的に変化した場合には、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。

 

(法人税等)

当社グループは、財務諸表上の資産及び負債の計上額と税務上の金額との間に生じる差異について、将来発生すると見込まれる課税所得の範囲において、その差異が解消されると見込まれる期間に適用される法定実効税率を使用し、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の解消については、将来の課税所得の見積りによるところが大きく、その課税所得の見積りが変動する場合には、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。

 

(退職給付)

当社グループでは、当社、国内子会社及び一部の海外子会社で確定給付型の退職給付制度を設けております。確定給付制度の債務について、その現在価値や関連する勤務費用等は、数理計算上の仮定に基づいて算定しており、割引率や長期期待運用収益率等、基礎率についての見積りが必要になります。当社グループでは、外部の年金数理人からの意見も踏まえ、適切な見積りと判断を行っておりますが、将来の経済状況によりその仮定が変動する場合には、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(経営成績)

当連結会計年度の経営成績については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績」に記載のとおりであります。

 

(財政状態及びキャッシュ・フローの状況)

当連結会計年度の財政状態の状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)財政状態」に記載のとおりであります。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 

③資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループでは、事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入及び社債の発行等により、資金調達を行うことを基本方針としております。自己資本比率やD/Eレシオ等の財務健全指標、ROEやROICなどを注視する一方で、資金調達コストの低減や金利変動のリスクも勘案した上で、最適な調達方法を選択しております。また、ミニマムキャッシュ運営を柱とする資金管理方針に基づいて統制し、グループ全体の余剰資金の管理と資金効率の向上に努めております。加えて、金融機関とはコミットメントライン契約を結んでおり、高水準な現預金と併せて、流動性を確保しております。

今後も持続的な成長と企業価値向上に向け、積極的な投資と安定的な経営・財務基盤の確保に努めます。また不測の事態への備えも意識しながら、引き続き資金の流動性も確保してまいります。

 

④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

「中期経営計画(24-26)」では、「Reaching new heights ~新たなステージへ~」をスローガンに、業界のリーディングカンパニーとして、お客様の安全と地球環境に配慮した新たな価値を提供するための戦略を推進します。

なお、その進捗を計る指標として、売上高、営業利益、ROIC(投下資本営業利益率)、ROE(自己資本利益率)を定めております。「中期経営計画(24-26)」の最終年度、2026年度(第79期)において、売上高は3,300億円、営業利益は300億円(営業利益率9.1%)、ROICは8.0%、ROEは9.5%を、それぞれ数値目標として掲げております

 

各指標の推移は以下のとおりです。

 

項目

第74期

第75期

第76期

第77期

第78期

第79期目標

売上高

2,056億円

1,929億円

2,802億円

2,915億円

3,494億円

3,300億円

営業利益

52億円

71億円

183億円

237億円

185億円

300億円

営業利益率

2.6%

3.7%

6.5%

8.2%

5.3%

9.1%

ROIC

(投下資本営業利益率)

0.9%

0.4%

3.0%

5.0%

4.2%

8.0%

ROE

(自己資本利益率)

8.6%

1.4%

4.5%

3.6%

9.3%

9.5%

 

※ROIC:税引後営業利益/投下資本 

 投下資本:純資産+有利子負債(各年度の前年度末及び当年度末を平均して算出)

 

なお、当社は2026年2月10日に第79期通期業績予想を公表いたしました。業績予想計画は、売上高は4,000億円、営業利益は250億円、営業利益率は6.3%、ROICは4.9%、ROEは6.7%としております。

 

 

5 【重要な契約等】

(1) 技術提携契約

該当事項はありません。

 

(2) 業務提携契約

提出会社

相手先

契約内容

契約日

契約期間

コベルコ建機株式会社

ラフテレーンクレーンの完成車・キャリヤ部の生産受託及びクレーン部の部品の共通化・共同購買

2000年11月16日

5年間
以後2年毎の自動更新

 

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発活動の大半は、当社の商品開発本部及び技術開発本部で行われており、両本部では国内及び海外の市場ニーズに即したクレーン車、高所作業車及びそれらの応用製品、新技術・先端技術の研究開発活動を行っております。商品開発本部では近年、国内外での次期排ガス規制対応と脱炭素化に向けた研究・開発に取り組んでおります。一方、技術開発本部では大学や他企業との共同研究等を通じ、AI等の最新ICT技術を活用して、作業容易化、自動化、省力化等に関する技術開発に取り組むことで、より安全で迅速、効率的な作業の実現を目指しております。

なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発活動に要した金額は、研究材料費、人件費等、総額10,810百万円であります。

 

当連結会計年度における各セグメント別の主な研究開発活動は、次のとおりであります。

 

(1)日本

①技術開発本部の取り組み

技術開発本部は、建設現場における安全性確保や生産性向上を目指し、未来を見据えた技術開発に取り組んでおります。その一環として、移動式クレーンの遠隔操作システムの開発を継続し、現地実証試験を進めております。運転席からの視界を映像として遠隔地にリアルタイムで送信し、実際の操作環境を実現することで、移動時間や待機時間の短縮、熟練クレーンオペレーターによる複数現場対応を可能にし、効率性向上に寄与します。さらに、AIやデータ解析を活用し、DXによる安全性強化も推進しております。また、新人クレーンオペレーターの育成や、大型機種の操縦技能向上を支援する体験型クレーン教育シュミレータを開発いたしました。VR技術を活用したリアルな仮想空間での訓練や、危険予知トレーニング等のコンテンツが体験でき、教育環境の充実と施工品質向上を実現してまいります。これらの技術をCSPI-EXPO2025に出展し、業界課題の解決や環境改善、生産性向上に向けたタダノの方策として発信いたしました。

研究活動においては、複数の大学との研究活動を継続し、幅広い分野で応用可能な研究を推進しております。また、ベンチャー企業を含む民間企業との共同研究も積極的に進めており、オープンイノベーションとDX推進を通じて新たな価値創出に取り組んでおります。

 

②欧州、北米市場向け自走式高所作業車AS-23MJ、AS-69Jの開発、発売

・特長

1)ホイール自走式高所作業車。最大作業高さ20.9m。

2)バスケット積載定格荷重が250㎏時と340㎏時のそれぞれに対応した作動が可能

3)欧州市場はCE認定及びEN2規格準拠、北米市場はANSI規格準拠

4)安全装置の二重化による作業安全の提供

 

③日本市場向け自走式高所作業車AS-21Pの開発、発売

・特長

1)ホイール自走式高所作業車。最大作業床高さ21.3m。

2)オフロード法対象外の小型エンジンを採用し、メンテナンス性を向上

3)燃料タンク容量を200Lに拡大し、同一時間内の給油回数を低減

4)JIS規格に準拠

 

④北米市場向け自走式高所作業車AS-63HDの開発、発売

・特長

1)ホイール自走式高所作業車。最大作業床高さ19.1m。

2)最大デッキ積載荷重1,000kg。最大定員数10名。

3)独自技術である「4 Motion Control」により、1レバー操作でデッキの垂直及び水平移動が可能

4)ANSI規格に準拠

 

 

⑤日本市場向け電動トラック架装式高所作業車AT-121TTEの開発、発売

・特長

1)電動トラック架装式高所作業車。最大作業床高さ12.1m。

2)三菱ふそうトラックバス㈱製電動トラックeCANTERに通信市場向けAT-121TTEを架装

3)走行時や作業状態でのCO₂排出ゼロ

4)低騒音化による作業環境の改善

 

⑥日本市場向けトラック架装式高所作業車AT-400CGの開発、発売

・特長

1)トラック架装式高所作業車。最大作業床高さ40.0m、最大作業半径19.0m。

2)機動性の高い3軸汎用トラック架装により、通行許可申請が不要な車両総重量20t以下を実現

3)積載荷重超過時に機体の全操作を停止させる過負荷検出装置を搭載

 

⑦韓国市場向けラフテレーンクレーンGR-700N-3の開発、発売

・特長

1)4軸、70t吊りラフテレーンクレーン

2)欧州排ガス規制EU Stage V対応エンジンを搭載し、最新の韓国排出ガス規制に適合

3)車両左前方視界を補助する魚眼カメラを採用し、視認範囲の拡大を図ることで事故防止に貢献

4)「ブーム特殊伸縮モード機能」及び「スマートチャート機能」を追加し、クレーン性能を向上

 

当事業セグメントに係る研究開発費は5,629百万円であります。

 

(2)欧州

海外市場向けオールテレーンクレーンAC 5.250L-2の開発、発売

・特長

1)5軸、250t吊りオールテレーンクレーン

2)欧州排ガス規制EU Stage V対応エンジンを搭載

3)クラス最長の79mブームに最長30mのジブを搭載

4)11の部品で構成される計80tのカウンタウエイトは分割してトレーラ等で搬送。同クレーン本体による最小3回の吊上げで80tカウンタウエイトの装着が可能。

 

当事業セグメントに係る研究開発費は4,787百万円であります。

 

(3)米州

海外市場向け伸縮ブーム式クローラクレーンGTC-600-2の開発、発売

・特長

1)従来の55t吊り伸縮ブーム式クローラクレーンを60t吊りにモデルチェンジ

2)60t吊りでは唯一、1台のトレーラーで輸送が可能(米国内)

3)欧州排ガス規制EU Stage V対応エンジンを搭載

 

当事業セグメントに係る研究開発費は267百万円であります。