第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、企業としての社会的存在意義を意識し、常に探求心を持って、確固たる技術力・品質により顧客の信頼を得ることを基本に企業活動を行っており、これにより安定的な取引関係を構築し、中長期的な利益につなげていく方針であります。そのためには、全社員一丸となって顧客の期待以上のサービスを提供することが重要であると考えております。

また、健全性を維持し企業の社会的責任を果たす上で、株主や投資者へのアカウンタビリティを経営上重要な事項と認識し、経営及び業務に関する幅広い情報をタイムリーに開示するとともに、株主への利益還元に取り組んでいき、持続的な成長、発展を通し、企業価値を増大させ、社会、お客様、そして株主の皆様から継続的に信頼を得られる企業グループになることを目指しております。

 

(2)経営戦略等

当社グループの事業環境において、電子基板事業では引き続き、景気変動の影響を受けにくい医療機器・ヘルスケア関連分野を重点領域と位置づけ、受注獲得の拡大を図ってまいります。内視鏡、超音波探触子及び補聴器等の小型医療機器では、小型化・軽量化の進展に伴い高密度化・微細化ニーズが一層高まることが見込まれることから、これらの要求に対応する高密度多層基板の技術開発に積極的に取り組んでまいります。テストシステム事業においては、一般基板市場に加え、AI、EV、高速通信の普及を背景に今後も成長が見込まれるパワーデバイス市場を重点成長分野と位置づけ、セラミックス基板向け検査装置については、AI技術のより一層の活用による欠陥検出力及び検査精度の向上に加え、画像処理設定の自動化や検査の高速化に関する技術開発を進めてまいります。また、2025年に代理店契約を締結した販売代理店との連携強化を通じて販売活動の拡充を図り、さらなる販路拡大に取り組んでまいります。

 

(3)経営環境

エレクトロニクス市場においては、脱炭素社会の実現に向けた技術革新の進展や自動運転をはじめ次世代モビリティに新たな価値をもたらすSDV(Software Defined Vehicle:ソフトウエアで定義される車)の市場導入に伴うDX化の加速、省エネルギー性能向上への継続的な取り組みを背景に、新たなアプリケーション領域での需要創出が進み、部品需要は着実な拡大が見込まれております。民生品及び産業機器向け製品においては、一部で在庫調整の影響は残るものの、その影響は徐々に緩和し、中長期的には成長分野を中心とした安定的な需要拡大が期待され、当社を取り巻く市場の成長機会は堅調に推移するものと見込んでおります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、当連結会計年度において営業損益は4期ぶりに黒字転換したものの、当社グループを取り巻く経営環境は依然として厳しい状況にあります。このような状況の中、継続的、安定的に営業利益を確保するために、以下の課題に対する諸施策を講じることで、事業の強化及び企業価値の向上を図ってまいります。

① 持続的成長への投資と収益拡大

主力事業である電子基板事業においては、安定的な成長が見込まれる医療機器・ヘルスケア分野において、当社グループの強みである微細配線技術の高度化をはじめ技術開発に経営資源を投じることで高付加価値製品の優位性をさらに強化してまいります。FPCの試作と共に中小ロットの量産案件を事業の柱とし、長年培ったFPC製造技術と幅広い顧客基盤を活かし、製品の設計段階からの技術提案による共同開発を進めることで、多様なニーズに柔軟かつ迅速に対応してまいります。また、回路設計からモジュール化、さらには最終製品の組立までを一貫して対応する「電子機器受託製造サービス(EMS:Electronics Manufacturing Services)」を提供することでさらなる付加価値の向上を図ってまいります。

 

② 販路拡大と安定収益の確保

テストシステム事業においては、電子基板向けの外観検査装置をはじめ、高精細化する各種基板に対応した通電検査装置の国内外での販路拡大を推進しております。今後もEV分野での需要増加が見込まれるパワー半導体向けセラミックス基板の最終外観検査装置においては、AI技術を活用した欠陥検出能力の向上に取り組むとともに、専門的知識に依存せず検査パラメータを自動設定できるシステム開発を進めております。通電検査装置においては、アライメント機能の強化によるコンタクト精度及び検査速度の向上の性能改善に取り組み、検査機市場における優位性を高めてまいります。これらの取り組みに加えて、商社や販売代理店との連携による販売活動を強化し、受注獲得に注力することで安定的な収益確保に向けた体制づくりに努めてまいります。

 

③ 株主還元方針と上場維持基準適合の維持

当社は、株主還元を重要な経営施策のひとつと位置づけており、内部留保の充実や配当性向等を総合的に勘案しつつ、収益状況に応じた利益還元を実施してまいります。また、ビジネスモデルの再構築や事業ポートフォリオの最適化により売上拡大と生産効率の一層の向上を図ってまいります。さらに、長期的な競争優位性及び安定的な利益の確保に努め、ROE(自己資本当期純利益率)の持続的な向上を目指すことで、企業価値を向上させ、上場維持基準への適合維持に取り組んでまいります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載の経営環境の中、中期経営計画(2026年12月期~2028年12月期)の下、ROE、EPS、自己資本比率及び連結配当性向を重要な指標として位置づけております。従業員一人ひとりが常に利益を意識した活動を実践することにより、経営の収益性及び効率性を重視した事業運営に注力する所存であります。なお、中期経営計画(2026年12月期~2028年12月期)の最終年度である2028年度の目標値は、ROE8.0%以上、EPS30.00円以上、自己資本比率50.0%以上、連結配当性向20.0%以上であります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

ESG投資やサステナビリティ経営に対するステークホルダーの注目は日に日に高まり、企業として積極的、かつ真剣に向き合う姿勢を強く求められております。当社グループは、サステナビリティ経営が経営戦略の付加価値的なものではなく、経営戦略の根幹となるものだと位置づけており、環境や社会を豊かにしつつ、いかに事業を持続的に成長させるかという社会的課題の解決と経済的価値の創出を両立させるCSV経営の観点が企業価値向上に直結するものであると考えております。「先端技術に常にチャレンジ」、「技術を通じて社会に貢献」、「全社員に生涯教育の場を提供、仕事を通じて自己向上を図る」という企業理念を掲げ、事業活動を通じて環境や社会課題を解決するとともに持続的な企業価値向上を実現すべく日々取り組んでおります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社グループは、サステナビリティに係る基本方針を定めておらず、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し、及び管理するためのガバナンスの過程、統制及び手続等の体制をその他のコーポレート・ガバナンスの体制と区別しておりません。現状のコーポレート・ガバナンス体制の概要については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。

サステナビリティに関するリスクを含む全社的なリスクマネジメントシステムの構築及び維持についての責務は、代表取締役社長にあり、リスク管理統括担当部門(経営管理部)の管掌役員がリスクマネジメントシステム管理責任者としてリスクマネジメントシステムの構築及び維持についての業務を統括しております。運用の取りまとめについては、リスク管理統括担当部門が所管しております。リスクマネジメントシステム管理責任者は、会社に影響を及ぼす可能性のあるリスクに対して体系的に対処するために、リスクの洗い出し・リスクの算定・リスクの評価・リスク戦略・リスクマネジメント目標の設定・リスク対策の選択・リスクマネジメントプログラムの策定の7つのプロセスを経てリスクマネジメント計画を策定し、取締役会の承認をもって対応すべきリスクを決定いたします。

監視・管理については、「リスクマネジメントプログラム」を用いており、部署単位で立案された活動計画に対する活動結果を四半期ごとにリスク管理統括担当部門に報告しております。リスク管理統括担当部門長は、半期ごとにレビューを実施し、活動計画の目標の進捗状況を確認した上で、問題がみられる場合は適宜対応方法を協議することとしております。その後、1年ごとにリスクマネジメントシステム管理責任者が社長に対し当該事業年度におけるサステナビリティ関連のリスクを含むリスクマネジメントシステムのレビューを行っております。監視・管理する責任については、「リスクマネジメント規程」及び「リスクマネジメントマニュアル」において定めております。

リスクマネジメントシステムの適切な構築、実施及び維持に関する監査については、監査室が担当しており、全部門、全業務及び全てのリスクを対象とした監査の実施について年度内部監査計画書を策定した上で、内部監査を実施しております。監査結果については、監査室の部門長から、四半期ごとに取締役会へ、2ヶ月ごとに監査役会へそれぞれ監査報告(デュアル・レポーティング)が行われます。

監査役会の役割としては、ガバナンスの観点において監査役全員が取締役会に出席し、算定されたサステナビリティ関連のリスクの妥当性及び重要性についての審議に参加することにより、外部からの客観的かつ中立の監視機能の役割を担っております。リスクの観点においては、リスクマネジメントの監査責任者である監査室から2ヶ月ごとに監査報告を受けることにより、リスクマネジメントの有効性及び適切な対応策であるかを監視する役割並びにサステナビリティに関連する情報を適切に開示しているかどうかを確認する役割を担っております。

独立したサステナビリティ関連の問題への対応を推進する組織及びその活動を監督する機関又は組織等は存在しておりませんが、環境リスクに対しては監査室が、雇用・労務リスクに対しては経営管理部がそれぞれ活動を推進しており、その活動を監視する機関は、リスク管理統括担当部門となります。

ガバナンス組織のメンバーがサステナビリティに関連するリスクと機会を監視・管理するために適切なスキルや能力を備えているかどうかの評価については、現状明確な判断基準を設けておりませんが、実務を執り行うに当たり監視・管理の有効性を充分に発揮できていないガバナンス組織のメンバーに対しては、必要な知識・スキルを更新するための研修等を実施することでスキルを備えていく方針であります。

なお、ガバナンス組織メンバーである社外取締役の上西令子は、和歌山県男女共同参画センター所長及び公益財団法人和歌山県人権啓発センター常務理事を歴任するなど男女共同参画や人権啓発といった社会課題に対する造詣が深く、サステナビリティに関する課題を意識しつつ多様な価値観及び視点をもって経営戦略の策定に参画できるスキルを備えております。

 

(2)戦略

① サステナビリティ関連のリスク及び機会に対処する取組

当社グループは、具体的な社会問題解決の指針として2019年8月に「太洋テクノレックスSDGs宣言」を宣言いたしました。また、当社グループが独自に定めるサステナビリティにおけるマテリアリティ及びそれに対する施策方針を定める等、積極的に問題解決に取り組んでおります。

 

[太洋テクノレックスSDGs宣言]

当社は、2015年9月に国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)を、世界の持続可能な社会の実現のための共通課題・社会的責任として取り組むべきものと捉え、ここに「太洋テクノレックスSDGs宣言」を表明いたします。

メーカーとして先端技術に常にチャレンジし、事業活動を通してSDGsの取り組みを行い、持続可能な社会の実現を目指します。

 

[当社グループが独自に定めるサステナビリティにおけるマテリアリティ及びそれに対する施策方針]

テーマ

マテリアリティ

SDGs

目標

施策方針

経済

先端技術に常にチャレンジ、技術を通じて社会に貢献

 

0102010_001.png

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・ 社会生活や労働環境のイノベーションをサポート

・ 時代のニーズを先取りした技術革新

・ 先端技術に常にチャレンジすることで持続可能な

ものづくりを実現

社会

平等な社会の実現と多様な人材の活用

 

0102010_002.png

 

0102010_003.png

 

 

 

0102010_004.png

 

0102010_005.png

 

 

 

0102010_006.png

 

 

 

・ あらゆる人が平等で安心な社会の実現

・ 多様な人材が働きがいを持って活躍できる環境づ

くり

・ 社会に貢献できる人材の育成

環境

持続可能な豊かな地球環境

 

0102010_007.png

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・ 事業活動を通じて地球環境、地域社会との調和を

図る

・ 環境影響の低減に努力し、人と自然にやさしい企

業活動を推進

 

② 人材育成方針及び社内環境整備方針

当社グループは、人材が企業戦略の実践を支える上で重要な資源であると捉え、経営理念や経営戦略に合致した人材の確保や育成を実践しております。なお、連結子会社については、規模・制度等の違いから一律記載は困難であるため、提出会社の記載としております。

(人材育成方針)

イ.成長機会の提供

a.トレーニー制度

従業員を対象とした全社横断型の短期異動研修制度を設けております。他部門・他部署の業務を経験することで業務知識及び技能を高め、業務に対する視野を広げることを目的としております。また、自身の今後のキャリアビジョンの形成及び社内横断型の人的ネットワークの構築等にも貢献しております。

b.人事異動希望アンケート制度

従業員のキャリアビジョン形成の支援策として通期に1度、他部門・他部署への異動についての希望アンケートを実施しております。管理部門と事業部門間の異動を経験することで多様な業務経験を通じて自己の成長を図るとともに、企業成長に必要な多彩な人材を育成する機会を設けております。

c.技能・資格取得の奨励による人材強化

資格手当制度を設け、製造工程において必要とされる各種技能資格の取得を推奨し、安全性の確保及び品質の向上を目指しております。また、DX・IT人材の強化を目的としたリスキリングを推進しており、従業員が国家試験であるITパスポートの資格を取得することにより、ITリテラシーに関する幅広い知識を身につけるとともに、コンプライアンスの遵守に関する正しい知識を養えるよう取り組んでおります。

ロ.女性活躍推進・多様性の確保

女性の能力を最大に発揮させることで企業利益を増大させるとともに、女性の地位向上に貢献することが企業市民としての責務であることを認識し、女性従業員一人ひとりが自分らしく輝ける職場を目指しております。

a.女性活躍推進プロジェクト(Win-Winプロジェクト)

全社横断型で選出した従業員を構成メンバーとする「女性活躍推進プロジェクト」を設置し、職場の課題解決及び女性従業員の意識向上に向けた各種取り組みを実施しております。

b.企業同盟への参画

「和歌山県共生社会推進部 こども家庭局多様な生き方支援課」が主催する「わかやまジェンダー平等プロジェクト」参加企業として各種活動に参画しております。

(社内環境整備方針)

イ.ワークライフバランスの向上

従業員が生き生きと働き、継続的に活躍できる職場環境づくりやワークライフバランスの実現に向けて、育児及び介護等に関する支援制度の整備を推進しております。具体的には毎月2回の「ノー残業デー」の制定及び時間又は半日単位で取得できる年次有給休暇制度等を設け、これらの取り組みの結果、次世代育成支援対策推進法に基づく「プラチナくるみん」の認定を受けております。

ロ.従業員エンゲージメントの向上

従業員と企業が対等、かつ価値を互いに提供する関係を目指しております。エンゲージメントレベルを把握するためレベルの可視化を目的として、2022年度より「従業員エンゲージメント調査」を開始いたしました。調査結果を基に従業員一人ひとりの労働意欲を高め、組織としての一体感を醸成することを目的に組織風土の改革及びそれを通じた生産性向上への取り組みを実施しております。

ハ.健康経営の推進

従業員の健康は、本人とご家族の生活の基盤であり、サステナビリティ経営の重要な基盤でもあるという考えの下、経営理念において「会社はいつの日も楽しく健康的に働ける場所でなければならない」と宣言し、従業員の健康増進に取り組む健康経営を推進しております。具体的には、健康診断に基づく健康管理、ストレスチェックによるメンタルヘルス対策、長時間労働の抑制、乳がん・子宮がん検診の推進及びノーマイカーデーによる健康意識の促進など従業員の疾病予防に向けた各種取り組みを実施しております。また、「治療と職業生活の両立支援に関する基本方針」を策定し、従業員が治療と職業生活の両立を図るに当たり、医療機関等と連携しながらこれらを支援する仕組みを構築してまいりました。これらの取り組みの結果、2025年3月に「健康経営優良法人2025(中小規模法人部門)」の認定を受けております。

 

③ 気候変動に関する対応

気候変動に関しては、長期的にはリスクが高まる可能性はあるものの、気候シナリオ分析を実施するための体制が充分に整っていないことから、個別具体的にリスクを識別し、削減目標を策定する段階に至っておりません。なお、現状当社の使用電気量によるCO2排出係数から算出したScope1、Scope2及びScope3の合計温室効果ガス(GHG)排出量は年間約10,000トン前後であると認識しており、短期的・中期的にみても重要性が低いと判断しております。ただし、今後については温室効果ガス(GHG)排出量を指標とした削減目標の策定に取り組んでまいります。

 

(3)リスク管理

当社グループでは、サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別・評価・管理するためのプロセスについてはその他経営上のリスク及び機会を識別・評価・管理するためのプロセスに組み込まれております。

サステナビリティ関連のリスクを識別するためのプロセスについては、最初に識別する主体は部門リスクマネジメントシステム管理者(各部門長)であり、その後、識別されたリスクはリスクマネジメントシステム管理責任者に集約され、リスクマネジメントプログラムが作成されます。リスクマネジメントプログラムの作成頻度につきましては、年1回であり、リスクマネジメントシステム管理責任者は、「リスクが顕在化する確からしさ又は発生確率」とリスクが顕在化した場合の「会社経営に与える影響の大きさ」という2つの軸をもって定量的又は定性的にリスクの算定を行っております。具体的には、リスク評価指標の影響度及び発生頻度のレベル定義によりレベルを決定し、発生の可能性を縦軸に、影響の大きさを横軸に各5段階に分けたリスク算定表に基づいてリスクレベルを4段階(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ)に算定し、リスクレベルがⅣとなったものを抽出した後、影響度及び発生頻度のリスクレベルを合計し、点数により優先して取り組むリスクを選定いたします。

サステナビリティ関連の機会を識別するためのプロセスについては、複数のプロセスがあり、最初に識別する主体としては、事業に関するものについては各事業部門において、人的資本等や環境に関するものについては、管理部門において識別しております。識別された機会を集約する主体としては、事業に関するものについては経営会議において、人的資本等や環境に関するものについては識別と同様に管理部門において、集約しております。集約部門への報告手段・ルート・頻度等としては、事業に関するものについては、当社グループの経営課題に関する重要な事項の協議や、各部門の業務執行に関する調整を行う機関として経営会議を月1回定期開催しており、経営会議の構成員にこれらの機会が周知伝達されることになります。人的資本等や環境に関するものについては、管理部門内のミーティング等で適宜集約し、管掌役員に報告することになります。

サステナビリティ関連のリスク及び機会を評価・管理するためのプロセスについては、全社的な品質・環境マネジメントシステムの中に当社グループを見据えたリスクマネジメントシステムを取り込み、包括的にリスクの識別・評価・管理を行っております。また、部門リスクマネジメントシステム管理者(部門長)が当該リスクを四半期ごとに、リスク管理統括担当部門長が半期ごとにモニタリングを実施しております。年1回の品質・環境マネジメントレビューにおいて、サステナビリティ関連を含めたリスクへの取り組みの有効性及び達成状況を経営者層に報告する仕組みとなっております。

 

(4)指標及び目標

・ 人材育成方針及び社内環境整備方針の指標及び目標

当社グループは、サステナビリティ経営の推進に向けて従業員が仕事と子育てを両立させることができ、働きやすい環境を作ることにより、その能力を十分に発揮できるようにすることが重要であると認識し、以下の目標を定めております。

指標

目標

実績(当連結会計年度末)

女性管理職比率

2026年12月期8以上

3.7

勤続10年目の女性の継続雇用割合

2026年12月期30以上

50.0

健康経営の推進

健康経営優良法人の継続認定

健康経営優良法人2025

(中小規模法人部門)の認定

(注)1.連結子会社は女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、目標及び実績は、提出会社の数値を記載しております。

2.女性管理職比率及び勤続10年目の女性継続雇用割合については、女性活躍推進法に基づき策定した「一般事業主行動計画」における目標値であります。

3.勤続10年目の女性の継続雇用割合の実績については、10事業年度前及びその前後の事業年度に新卒採用された女性従業員の継続雇用割合を記載しております。

4.健康経営の推進については、提出会社の目標及び実績を記載しております。

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、以下の各事項において、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期及び当該リスクが顕在化した時に当社グループの経営成績等に与える影響を合理的に予見することが困難な場合には、その可能性の程度や時期・影響についての記載は行っておりません。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)当社グループの事業内容について

(電子基板事業)

FPCの製造については、当社グループは特許権・実用新案権等の知的財産権を保有しておらず、従来工法により製造を行っていることから、新規参入企業の出現や画期的な新工法発明により競争が激化する可能性があり、その結果、当社グループの収益力が低下し、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。次に、FPC試作のユーザーは、主としてセットメーカーの研究・商品開発部門であり、直接受注する場合とFPCメーカーを経由して受注する場合がありますが、セットメーカーの研究・商品開発部門が海外移転した場合には、当社グループは海外生産拠点を有していないため、短納期への対応について優位性を失い、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。次に、当社グループの顧客であるFPCメーカーが、多品種・少量生産で売上規模が小さいわりに人手がかかる等のために本来なら避けたい手間のかかるFPC試作を、自社生産ラインの手隙感から自社内で行い当社グループへの発注を手控えた場合や、FPC試作を量産受注獲得のために低価格で受注する営業攻勢を強め当社グループと競合した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。最後に、当社グループの売上高は、FPCに係る売上高の構成比率が高いことから、当該売上高の推移と経営成績等に相関関係があります。加えて、国内のFPC生産額と当該売上高にも相関関係があることから、電子部品業界の動向や技術革新等により、FPCの需給に著しい変調をきたした場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、国内の電子回路基板生産額及び当社グループの最近5連結会計年度における経営成績等の推移は以下のとおりであります。

[電子回路基板生産額の推移]

会計年度

2020年

2021年

2022年

2023年

2024年

電子回路基板(億円)

4,866.9

6,482.8

6,931.3

5,690.4

5,451.6

対前年比(%)

+9.7

+33.2

+6.9

△17.9

△4.2

FPC(億円)

268.1

314.6

306.7

268.2

283.9

対前年比(%)

△27.9

+17.3

△2.5

△12.6

5.9

(注)電子回路基板生産額:出所「電子回路基板生産動向」(一般社団法人日本電子回路工業会)

 

[当社グループの最近5連結会計年度における経営成績等の推移]

回次

第61期

第62期

第63期

第64期

第65期

決算年月

2021年12月

2022年12月

2023年12月

2024年12月

2025年12月

売上高

(千円)

3,917,940

3,625,517

3,411,465

3,519,300

3,751,667

うち電子基板関連売上高

(千円)

2,420,715

2,619,085

2,374,476

2,220,634

2,367,291

営業利益又は営業損失(△)

(千円)

121,249

△27,783

△141,873

△54,088

142,572

親会社株主に帰属する当期純利益

又は親会社株主に帰属する当期純

損失(△)

(千円)

241,185

39,764

△126,536

△79,780

136,695

(注)「うち電子基板関連売上高(千円)」については、太陽有限責任監査法人の監査を受けておりません。

 

(テストシステム事業)

基板検査には検査方法の標準がなく、採用する検査方法はメーカーの方針によって異なっており、競合他社も様々な検査方法を用いた検査機を市場に投入しております。今後、当社が志向する検査方法と異なる方法の検査機が主流となった場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、電子基板メーカーが不良品率の低下等により一部の検査を省略した場合には、検査機市場が縮小に向かい、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。さらに、メーカーによっては検査機を自社で内製しており、今後このようなメーカーが増加した場合にも、検査機市場が縮小に向かい、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(鏡面研磨機事業)

円筒鏡面研磨機は、大手企業が進出していない10億円未満の市場規模であると推定しておりますが、新規参入企業の出現等により競争が激化した場合には、当社グループは当該事業での特許権・実用新案権等の知的財産権を保有していないため、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(産機システム事業)

各種産業機械の製造販売及び仕入販売において、メーカー各社の産業機械及び産業資材に係わる様々なハイエンド製品を顧客仕様にカスタマイズし、若しくは組み合わせた商品を提案する事業を展開することで差別化を図っております。競合他社との価格競争を余儀なくされる場合、メーカーとの協力関係が維持できない場合及び設備投資需要が減少した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

検査システムは、顧客仕様による受注販売が中心であり、顧客の要求に沿った製品をいち早く開発・製造することにより、競合他社の製品との差別化を図っております。また、競合を優位に進めるためには、顧客との緊密な関係を保つことが重要であり、その結果、顧客の要求に沿った製品をいち早く納入することが可能となります。このような顧客との緊密な関係が維持できない場合や、顧客企業の業績不振、競合他社との価格競争を余儀なくされる場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策)

競争激化等により各事業における当該リスクが顕在化する可能性は相応にあるものと認識しております。当社グループはこれらのリスク低減を図るため、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」のとおり、課題を明確にした上で、当社グループの強みを活かしたビジネスモデルを再構築するとともに、複数の事業において培ってきた多角的な技術を深化・融合させることで当社グループ独自の優位性を確立できるよう努めてまいります。

 

(2)人材の確保について

当社グループは、電子基板事業、テストシステム事業を中心とした製品の技術改良・研究開発を常に行っていく必要があり、そのための優秀な人材確保は事業展開上極めて重要であります。しかしながら、当社グループが必要としている技術に精通している人材の獲得、育成及び確保が常に可能であるとは限らず、当社グループが必要とする人材の獲得及び育成ができない可能性、あるいは当社グループの人材が社外に流出する可能性があります。当社グループが必要とする人材の獲得、育成及び確保が計画どおり進捗しない場合には、当社グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。

 

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策)

当社グループでは、積極的な採用活動を行い、年齢・性別・国籍を問わず専門知識や専門技術に精通した人材を広域から採用し、社内外の研修や福利厚生の充実による従業員のモチベーション向上に努めることで人材の確保を行っております。また、各自が目標設定を行う人事考課制度を導入しており、向上心の強化とモチベーションの維持を図るとともに、能力主義に基づいた個別評価は年齢・性別・国籍を問わない評価を行っております。これにより、組織の多様性を促進していることから、当該リスクが顕在化する可能性は低いと考えております。

 

(3)知的財産権に関する訴訟、クレームについて

本書提出日現在において、当社グループは、第三者の知的財産権を侵害している事実はありません。しかしながら、当社グループの事業分野においては、多数の特許・実用新案等が出願されており、当社グループが第三者との間に知的財産権に関する法的紛争に巻き込まれた場合には、事業運営が制約を受けることや、信用失墜及び損害賠償請求等が発生し、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、第三者が当社グループの知的財産権の侵害や保有技術を応用することで、当社グループの事業運営に支障をきたし、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策)

当社グループは上記のとおり、多数の特許・実用新案等が出願されていること等により、当該リスクが顕在化する可能性は相応にあるものと認識しております。当社グループはこれらのリスク低減を図るため、新規事業の開始や新製品の開発においては、第三者の知的財産権の調査を行う等のプロセスを設け、知的財産権等を侵害することがないよう努めております。また、当社グループの事業分野に関する特許等を出願し、積極的にそれらを取得していく方針であり、新技術の開発、大学等との共同開発についても同様の方針であり、第三者による知的財産権の侵害を防いでおります。

 

(4)情報漏洩について

当社グループは、技術情報等の重要な機密情報や、顧客その他関係者の個人情報を保有しており、不測の事態によりこれらの情報が漏洩した場合には、社会的信用の失墜はもとより、多額の損害賠償費用等の発生に加えて、技術情報の他社への流出による競争力の低下等、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策)

当社グループでは、情報セキュリティシステムの改善を継続的に実施するとともに、社内規程の整備や従業員教育の徹底により、機密情報及び個人情報に関するセキュリティ対策を物理的・人的に実施していることから、当該リスクが顕在化する可能性は低いと考えております。

 

(5)自然災害等について

当社グループは、地震等の自然災害により、重大な被害を受ける可能性があります。特に、当社グループの本社工場は、南海トラフ地震防災対策推進地域に指定されていることから、順次地震対策を推進しているものの、実際に大規模な地震が発生した場合には、多額の復旧費用の発生や、営業、生産機能等が著しく低下することが想定され、当社グループの経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策)

当該リスクが顕在化する可能性は相応にあるものと認識しております。当社グループはこれらのリスク低減を図るため、事業継続計画(BCP)を策定し、2022年3月に「レジリエンス認証」を取得しております。自然災害が発生した場合には、代替手段にて業務を継続し、早期に完全復旧を図る緊急対応体制を構築しており、人的被害及び経済的損害を最小限に抑えることを目的に、防災計画に基づく防災訓練の定期的な実施と継続的な改善を行っております。引き続き、有事においても事業活動を継続できる管理体制のさらなる向上に努めてまいります。

 

(6)感染症の蔓延について

新型ウイルス感染症の発生・蔓延の影響により、当社グループや顧客の事業所・工場において事業活動に制限や遅れが生じた場合には、当社グループの生産及び販売活動に影響を及ぼす可能性があります。加えて、当初予定した決算発表及び定時株主総会の開催等にも遅延が生じる可能性があります。また、都市のロックダウン等により世界的に景気が後退した場合には、顧客の開発案件・設備投資が減退し当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策)

当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を想定することは、不確実性が高く困難であります。当社グループはこれらのリスク低減を図るため、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」及びこれに基づく政府の基本的対処方針等に従い、人と人との距離の確保、手指消毒、マスク着用等を徹底し、また、必要に応じて在宅勤務やオンライン会議等を活用するなど柔軟な対応により、生産及び販売活動の継続と感染拡大の防止に努めてまいります。さらに、市場動向を見据えた経営体制の見直しを随時行い、世界的な景気停滞に柔軟に対処できる体制を整備してまいります。

 

(7)固定資産の減損損失について

当社グループが保有している資産の時価が著しく下落した場合や将来の事業環境の変化により事業の収益性が悪化した場合には、減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策)

当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を想定することは、困難であります。当社グループはこれらのリスク軽減を図るため、将来キャッシュ・フロー等による減損損失の認識の判定に当たり基準とした事業計画の実現可能性について慎重に検討を行っております。なお、固定資産の減損損失に当たっての重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(8)繰延税金資産について

当社グループは、将来の課税所得の見積りにより繰延税金資産の回収可能性を判断しております。当社グループの事業計画を基礎として将来の課税所得を見積っておりますが、景気の変動等により、計画どおりに推移せず、その見積額が減少し繰延税金資産の一部又は全部を回収できないと判断した場合や、税制改正、会計基準の改正等が行われた場合には、繰延税金資産の取崩しが必要となり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策)

当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を想定することは、困難であります。当社グループはこれらのリスク軽減を図るため、繰延税金資産の回収可能性の評価に当たり基準とした事業計画の実現可能性について慎重に検討を行っております。なお、繰延税金資産の計上に当たっての重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態の状況

(資産)

流動資産は、2,604百万円(前年同期比2.6%増)となりました。これは主として、現金及び預金、有価証券、棚卸資産並びに流動資産のその他に含まれる前渡金が減少した一方、売掛金が増加したことによるものであります。

固定資産は、1,966百万円(同1.9%減)となりました。これは主として、投資有価証券の時価が上昇したことにより投資有価証券が増加した一方、減価償却により有形固定資産が減少したことによるものであります。

(負債)

流動負債は、784百万円(前年同期比7.9%減)となりました。これは主として、買掛金及び未払法人税等が増加した一方、短期借入金及び契約負債が減少したことによるものであります。

固定負債は、1,088百万円(同6.2%減)となりました。これは主として、長期未払金及び長期借入金が減少したことによるものであります。

(純資産)

純資産は、2,698百万円(前年同期比6.6%増)となりました。これは主として、利益剰余金及び投資有価証券の時価が上昇したことによりその他有価証券評価差額金が増加したことによるものであります。

 

② 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済状況は、米国の関税政策や日中関係の悪化に伴うインバウンド需要の減少に加え、物価上昇による実質賃金の低下を背景に個人消費が伸び悩み、景気を下押しする懸念はあったものの、成長分野に向けた生産能力増強や省力化・デジタル化を目的とした設備投資に持ち直しの動きが見られ、底堅い企業収益を背景に株価は高水準を維持し、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。

当社グループが属する電子基板業界は、国内EV市場は低迷したものの、OSのサポート終了に伴うパソコンの買い替え需要や、生成AIの活用拡大及びデータセンター向け需要の増加に加え、ハイエンドスマートフォン向け需要の回復もあり、業界全体としては堅調に推移いたしました。

このような経済環境の下、テストシステム事業において販売は減少したものの、電子基板事業、鏡面研磨機事業及び産機システム事業において販売が増加したことから、売上高は増加いたしました。

これらの結果、連結売上高は3,751百万円(前年同期比6.6%増)と、前連結会計年度に比べ232百万円の増収となりました。

損益については、テストシステム事業において売上高が減少したことに伴う影響はあったものの、希望退職者の募集等に伴い人件費が減少したこと並びに電子基板事業及び産機システム事業の売上高が増加したことに伴う影響により営業利益142百万円(前年同期は54百万円の営業損失)、経常利益158百万円(同47百万円の経常損失)、希望退職者の募集に伴い発生する費用額の補填及び政策保有株式の縮減を目的とした売却による投資有価証券売却益を特別利益に計上したことに加え、同募集に伴い発生する割増加算金等の費用として早期割増退職金を特別損失に計上したことにより親会社株主に帰属する当期純利益136百万円(同79百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(電子基板事業)

医療機器メーカー向け及びディスプレイメーカー向けのFPCの販売は減少したものの、産業機器メーカー向け及びその他セットメーカー向けのFPCの量産案件や一般試作案件が増加したことから、売上高は増加いたしました。損益については、希望退職募集による労務費等の減少及び社内製造品の売上高増加による売上総利益率の上昇に伴う影響により増益となりました。

その結果、売上高2,409百万円(前年同期比6.3%増)、セグメント利益500百万円(同50.5%増)となりました。

(テストシステム事業)

硬質基板向け及びFPC向けの外観検査機の販売は増加したものの、FPC向けの通電検査機並びにセラミックス基板向け及びパッケージ基板向けの外観検査機の販売が減少したことから、売上高は減少いたしました。損益については、売上高減少に伴う影響により損失となりました。

その結果、売上高450百万円(前年同期比35.4%減)、セグメント損失33百万円(前年同期は22百万円のセグメント利益)となりました。

(鏡面研磨機事業)

リチウムイオン電池用フィルム加工向け研磨機の販売、機械修理・メンテナンスによる販売及び砥石等の研磨に使用する消耗品販売は減少したものの、グラビア印刷機向け及び建設機械向け等の研磨機の販売が増加したことから、売上高は増加いたしました。損益については、売上高増加に伴う影響により増益となりました。

その結果、売上高445百万円(前年同期比5.6%増)、セグメント利益70百万円(同0.8%増)となりました。

(産機システム事業)

自動シュリンク包装機、大型の工業用処理槽及び金属外観検査装置等の販売ができたことにより、売上高は増加いたしました。損益については、売上高増加に伴う影響により黒字転換いたしました。

その結果、売上高445百万円(前年同期比235.1%増)、セグメント利益40百万円(前年同期は29百万円のセグメント損失)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動により使用した資金が61百万円、投資活動により獲得した資金が164百万円、財務活動により使用した資金が204百万円となり、その結果、資金は前連結会計年度末に比べ111百万円減少し、当連結会計年度末には462百万円(前年同期比19.3%減)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は、61百万円(前年同期は248百万円の獲得)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益169百万円に加え、減価償却費126百万円及び棚卸資産64百万円の減少により資金が増加した一方、売上債権438百万円の増加により資金が減少したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果獲得した資金は、164百万円(前年同期は5百万円の使用)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出43百万円により資金が減少した一方、有価証券の償還による収入100百万円及び投資有価証券の売却による収入77百万円により資金が増加したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、204百万円(前年同期は158百万円の使用)となりました。これは主として、長期借入れによる収入250百万円により資金が増加した一方、長期借入金の返済による支出341百万円及び長期未払金の返済による支出64百万円により資金が減少したことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年12月21日

至 2025年12月20日)

金額(千円)

前年同期比(%)

電子基板事業

2,229,159

+11.6

テストシステム事業

328,816

△40.9

鏡面研磨機事業

406,808

+3.1

産機システム事業

4,041

△89.1

合計

2,968,825

△0.6

(注)1.セグメント間の内部振替前の数値であります。

2.金額は販売価格によっております。

3.産機システム事業は、上記生産実績の他、商品の仕入実績が仕入金額で301,882千円あります。

 

ロ.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年12月21日

至 2025年12月20日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

電子基板事業

2,479,855

+8.0

330,580

+27.1

テストシステム事業

500,948

+2.0

77,417

+182.0

鏡面研磨機事業

150,176

△35.7

72,943

△80.2

産機システム事業

233,206

△47.6

137,583

△60.7

合計

3,364,186

△3.0

618,526

△38.5

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.金額は販売価格によっております。

 

ハ.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年12月21日

至 2025年12月20日)

金額(千円)

前年同期比(%)

電子基板事業

2,409,323

+6.3

テストシステム事業

450,982

△35.4

鏡面研磨機事業

445,667

+5.6

産機システム事業

445,693

+235.1

合計

3,751,667

+6.6

(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」及び「同 ② 経営成績の状況」に記載しております。

経営成績の分析については、当連結会計年度は、売上高が3,751百万円(前年同期比6.6%増)となり、前連結会計年度に比べ232百万円の増収となりました。

売上原価は売上高の増加の影響により、2,627百万円(同4.7%増)となりました。売上原価率は70.0%となり、前年同期より1.3ポイント低下いたしました。

販売費及び一般管理費は、主として人件費の減少により、981百万円(同7.8%減)となりました。売上高販管費率は26.2%となり、前年同期より4.0ポイント低下いたしました。

営業利益は142百万円(前年同期は54百万円の営業損失)となりました。売上高営業利益率は3.8%となり、前年同期より5.3ポイント改善いたしました。

営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、15百万円の収益計上となりました。

経常利益は158百万円(同47百万円の経常損失)となりました。売上高経常利益率は4.2%となり、前年同期より5.5ポイント改善いたしました。

親会社株主に帰属する当期純利益は136百万円(同79百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。売上高親会社株主に帰属する当期純利益率は3.6%となり、前年同期より5.9ポイント改善いたしました。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。

具体的な当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因や当該要因への対応については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載しております。

経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況については、当社グループはROE、EPS、自己資本比率及び連結配当性向を重要な指標として位置づけており、これらの指標の向上に努めることを経営上の目標としております。

当連結会計年度においては、電子基板事業、鏡面研磨機事業及び産機システム事業において前年同期より売上高が増加し、希望退職者の募集等に伴い人件費が減少したことから、ROEは前年同期より8.5ポイント改善し5.3%、EPSは前年同期より36.19円増加し22.84円、自己資本比率は前年同期より3.4ポイント上昇し58.4%、連結配当性向は26.3%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループのキャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金需要のうち主なものは材料仕入、外注費及び人件費等の営業費用であり、運転資金及び設備資金等を自己資金にて賄うことを基本としておりますが、資金の安定及び効率的な調達を行うため、金融機関からの借入れ及び割賦契約による調達を行っております。また、取引銀行6行と当座貸越契約(当座貸越極度額1,488百万円)を締結しており、今後も資金の流動性に留意しつつ機動的な資金調達を行ってまいります。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は462百万円、流動比率は332.2%であります。

なお、当連結会計年度末現在において重要な資本的支出の予定はありません。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループは、技術革新のスピードが速いエレクトロニクス業界で、多様化、高度化し、広範にわたる顧客ニーズに対応するための研究開発を進めております。

当連結会計年度における研究開発費の総額は、61,204千円であります。

 

(1)電子基板事業

プリント配線板は、医療・通信・車載分野において使用されるデジタル機器の小型化及び大容量データの高速通信に耐えうる高機能化が要求されており、その要求に対応するために、高精度な線幅管理による高密度配線の回路形成及び安定供給、並びにこれまで以上の高耐熱性・伸縮性・高周波特性等を実現するための研究開発を行っております。

電子基板事業の研究開発費は、11,851千円であります。

 

(2)テストシステム事業

外観検査機については、高精細高密度化が進む電子基板分野のみならず、AIやEV、高速通信の普及により今後も市場の拡大が期待できるパワーデバイス向け素材検査分野において他社との差別化を図るためAI技術の強化による虚報削減及び検出力の向上に向けた検査システムの開発を行っております。また、通電検査機については、次世代半導体用基板に求められる検査の精度強化及び配線パターンの高密度・微細化に対応できる技術力向上の研究開発を行っております。

テストシステム事業の研究開発費は、49,352千円であります。

 

(3)鏡面研磨機事業

該当事項はありません。

 

(4)産機システム事業

該当事項はありません。