当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループの経営の基本方針は、「誠実を旨とし、テクノロジーの可能性を切り拓く挑戦者として、顧客、生活者、社会の進化と共存に寄与する。」と定義した企業理念(ミッション)の実現に向け、事業活動を推進することです。企業理念はさらに、ビジョンとして当社グループが向かうべき方向を、行動指針として当社グループが大切にすべき価値観をそれぞれ定めており、従業員の日々の行動が企業理念全体の実現に繋がるよう、目標と戦略を経営計画に落とし込むとともに、従業員への浸透活動を積極的に実施しております。
(2)長期経営戦略
当社グループは2030年に向けた長期経営ビジョン「Vision 2030」を掲げております。長期経営ビジョン「Vision 2030」の概要については以下のとおりであります。
① Vision 2030ステートメント
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電通総研グループは、社会と企業の変革を実現する存在“X Innovator”を目指し、自己変革していく |
② 2030年のありたき姿
当社グループの2030年のありたき姿は、企業理念を体現する高付加価値企業として、社会、企業、生活者からの期待に応える存在になることです。そのためには、1985年に自ら標榜した“システムインテグレータ”の枠を超え、人とテクノロジーの多様性を備えた、社会や企業の変革を立案・実現する存在へと自己変革していく必要があると認識しています。このありたき姿を当社グループは、「“X Innovator” ~X Innovationの実践を通して社会と企業の変革を実現する存在~」と定義します。“システムインテグレータ”から“X Innovator”への自己変革により成長性を高め、2030年には、社会や企業の変革を実現するに相応しい多様な人材、多彩なテクノロジー、多種のソリューションを持つ集団として、売上高3,000億円、営業利益率20%の企業グループになることを目指します。
③ 2030年に向けた活動方針
ありたき姿の実現に向けて、4つの自己変革を推進します。
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事業領域の拡張 |
事業領域を、企業の個別業務課題を解決するビジネスから、企業全体の課題解決や社会の変革を支援するビジネスへと、拡張を図ります。 |
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新しい能力の獲得 |
テクノロジー実装の強みをさらに高めるとともに、社会や企業変革を導くために必要となる様々なケイパビリティを新たな強みとして獲得します。 |
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収益モデルの革新 |
ソリューションの拡充・強化に加え、新たなデリバリーモデルの構築等を通して、収益モデルの多様化と収益性の向上を図ります。 |
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経営基盤の刷新 |
自己変革のスピードを加速させるため、また、将来の環境変化に柔軟に適応する能力を獲得するため、経営の基盤を刷新します。 |
④ 2030年までのステップ
2022年から2030年までの9年間を、3か年ごと3回にわけて中期経営計画を立案し、推進します。各期間の基本的な位置づけは以下のとおりとなります。
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2022~2024年 |
成長を加速させつつ、将来に向けた布石として、当社グループの新しい基盤を構築していく期間とします。 |
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2025~2027年 |
2025年に当社グループは創立50周年を迎えます。新しい当社グループとして、オーガニック・インオーガニック両面で従来以上の積極的なチャレンジを行い、さらに高い成長を目指す期間とします。 |
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2028~2030年 |
ありたき姿の実現に向けて、積極的なチャレンジを継続するとともに、2030年以降を見据えた新しい長期経営ビジョンを検討する期間とします。 |
(3)中期経営計画(2025〜2027年)について
① 事業環境認識
急速に進展するデジタル社会形成に向けた動き、ESG経営や人的資本経営など新たな経営アジェンダ出現に伴う企業の社会的責任の変化、国内の労働人口減少と人材獲得競争の激化、生成AIをはじめとするテクノロジーのさらなる進化の4点は、今後も大きく変わることのないメガトレンドであり、社会と企業の変革ニーズに対するテクノロジー実装力に強みを持つ企業に大きな成長機会が到来するものと考えております。
上記の事業環境認識を踏まえ、2025年より、長期経営ビジョン「Vision 2030」のもと第2回目の位置づけとなる3か年の中期経営計画「社会進化実装 2027」を推進しております。タイトルに掲げた「社会進化実装」は、当社グループが2024年に制定した事業コンセプトの名称で、シンクタンク、コンサルティング、システムインテグレーション機能の連携により、課題の提言からテクノロジーによる解決までの循環を生み出すという、事業の新しい形をまとめたものです。前中期経営計画で拡充した事業基盤を生かし、これまで以上に積極的なチャレンジを通して、さらなる成長を目指してまいります。
② スローガン
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強みとなるケイパビリティを強化・活用して企業などの活動を支援し、社会の進化を実装する |
③ 重点施策
イ. 企業変革・社会変革起点での価値提供
・営業機能の統合
複雑かつ広範囲におよぶお客様の期待に対して、全社として一貫した対応を可能にすべく、2025年1月に営業統括本部を設置し、営業機能を統合しました。アカウント営業、ソリューション営業、パートナーセールスの機能をさらに強化し、案件獲得と価値提供を加速します。
・技術機能の統合
事業の枠を超えたスキルとノウハウの共有や、柔軟な人材アサインを可能にすべく、2025年1月に技術統括本部を設置し、技術機能を統合しました。高度デジタルプロジェクトリード人材の育成、プロジェクト品質の向上、事業環境変化にあわせた迅速かつ柔軟な人員配置を実現し、事業成長を加速させます。
ロ. ソリューションの強化
・先端テクノロジーの活用
生成AIなどの先端テクノロジーを活用し、ソリューションの競争力と収益性を強化します。
・外部連携の推進
電通グループを始め、企業、教育機関などとの提携とM&Aを通じて、ケイパビリティや事業領域を拡張します。
・独自ソリューション強化
当社グループが独自に生み出したソリューションについて、競争優位性をさらに強固なものとするため、研究開発投資と製品投資を強化します。また、新規事業の企画・開発・実行を担当する専任組織が中心となり、2030年に向けて新しい事業領域を複数開拓します。
ハ. 経営基盤の強化
・経営基盤改革
中長期の生産性と収益性向上ならびに企業価値の向上に向け、事業部門とコーポレート部門全体を横断するDXやサステナビリティ活動、経営管理高度化などを推進します。
・人的資本強化
優秀な人材の採用を継続するとともに、個々の能力とパフォーマンスを最大化するため、さまざまな育成施策と流動性向上施策を実施します。
④ 目標とする経営指標
当社グループは、顧客に提供する付加価値の最大化および企業価値の向上を重視しております。当中期経営計画においては、定量目標として「売上高」「営業利益」「営業利益率」「ROE」「就業人員数」の5項目に対して2027年12月期の目標値を設定するとともに、それを実現するための成長投資枠を設定しております。数値は以下のとおりであります。
<定量目標>
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項目 |
2024年12月期 |
2027年12月期 目標 |
年平均成長率※ |
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売上高 |
1,526億円 |
2,100億円 |
11.2% |
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営業利益 |
210億円 |
315億円 |
14.4% |
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営業利益率 |
13.8% |
15.0% |
― |
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ROE |
17.4% |
18.0%以上 |
― |
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就業人員数 |
4,413名 |
6,000名 |
10.8% |
※ 2024年12月期実績を起点とした年平均成長率(CAGR)
<成長投資枠>
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3か年累計投資枠 |
対象 |
|
750億円 |
研究開発活動、社内の生産性向上活動、M&A等 |
(4)財務ポリシー
当社グループの財務ポリシーは、長期的かつ持続的に企業価値を向上させるため、成長分野への投資や株主への安定的な利益還元を行いつつ、健全な財務基盤を確立することです。このポリシーのもと、当中期経営計画では、2024年12月期末時点の現預金と当中期経営計画期間の3か年で予想されるフリーキャッシュフローから750億円の成長投資枠を設定しております。
なお、投資およびM&Aの推進に際しては、資本コストを踏まえた厳格な基準で投資判断を行います。また、非連続な成長を実現するため、必要な場合には自己資本比率50%以上の維持を目安に借り入れによる資金調達も視野に入れてまいります。
(5)株主還元
当社グループの配当の基本方針は、持続的な成長を実現するための内部留保を確保しつつ、適正かつ安定的な配当を継続することです。この基本方針のもと、業績成長と配当性向の向上を通して株主還元を強化してまいります。連結配当性向については、2027年12月期に50%を目指してまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ全般
当社グループは、以下のサステナビリティ方針のもと、サステナブルな社会の実現に貢献する経営を推進しております。
サステナビリティ方針
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当社グループは、「誠実を旨とし、テクノロジーの可能性を切り拓く挑戦者として、顧客、生活者、社会の進化と共存に寄与する。」と定めた企業理念のもと、テクノロジーの活用・実装を通して、サステナブルな社会の実現を目指します。
・豊かな地球環境の保全と、人々が幸福感をもって暮らせるサステナブルな社会づくりに貢献します。 ・人権と多様性を尊重し、健康に配慮した働きやすい環境を整備します。 ・当社グループ全体を包含する、透明性の高いガバナンス体制を構築します。
活動の範囲と指針 ・当社グループが関わるバリューチェーン全体を活動の範囲とします。 ・すべてのステークホルダーに対して、適切な情報公開と責任ある対話を行います。 ・当社グループすべての従業員へ教育を行い、エンゲージメントの向上を促し、活動の浸透を図ります。 ・取締役会の適切な監督のもと、継続的改善活動を通して強固なサステナビリティ推進体制を構築します。
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① ガバナンス
サステナビリティに関する取り組みを総合的に推進することを目的に、代表取締役社長を議長とし、経営会議メンバーおよび監査等委員である常勤社外取締役で構成する「サステナビリティ推進会議」を設置しております。本会議は、傘下の委員会や関連する部署と連携して、サステナビリティに関する活動方針や重要事項の決定・モニタリング、全社的なリスク管理に関する活動計画の承認・モニタリング等を実施し、その内容を取締役会に報告しております。
開催頻度は原則年3回、必要に応じ追加開催しており、これまでの活動状況は以下のとおりです。
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開催実績 |
2022年:計4回、2023年:計3回、2024年:計3回、2025年:計4回、2026年:計1回 |
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主な議題 |
年間活動計画と進捗報告、重要課題(マテリアリティ)の特定・KPI設定およびモニタリング、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示、エンゲージメント調査の結果報告、最重要リスクの特定とモニタリング、内部統制システムに関する審議および評価・モニタリング、傘下の委員会の活動報告等 |
② 戦略
当社グループはサステナビリティ方針のもと、ステークホルダーと当社グループの双方にとって特に重要であり優先的に取り組むべき事項として、「人」「テクノロジー」「ガバナンス」に関する3つの重点テーマと関連する9つの重要課題を2025年1月に特定いたしました。当社グループは、重要課題に対して実効性のある活動を進め、サステナブルな社会づくりに引き続き貢献してまいります。
重要課題の特定プロセスは以下のとおりです。
1.課題要素の抽出
SDGs等のイニシアチブ、GRIスタンダードやSASBスタンダード等の国際的なガイドライン、FTSEやMSCIをはじめとするESG評価機関等が求める事項を参照・分析し、40項目の課題要素を抽出しております。
2.課題要素の重要度評価
上記1.で抽出した課題要素について、「ステークホルダー」と「当社グループ」の2つの視点から重要度の評価を実施しております。(当社グループの視点については、「社会や環境が自社グループに与える影響」や「自社グループが社会や環境に与える影響」を考慮し、機会とリスクの両面から評価しております。)
3.内容の整理と妥当性の確認
上記2.で抽出した重要度が高い課題要素に対して、企業理念、長期経営ビジョン、中期経営計画、電通グループの取り組み等との関連性も踏まえて内容を整理するとともに、KPIや目標等を検討しております。
4.重要課題の特定
サステナビリティ推進会議での決議を経て、3つの重点テーマと関連する9つの重要課題を特定しております。
③ リスク管理
取締役会の監督のもと、「サステナビリティ推進会議」が主体となり、事業活動にあたり想定される全社的なリスクの識別と評価、最重要リスクの抽出、リスク所管部署や責任者の決定、リスク対応計画の策定指示、対策実行状況のモニタリングを実施しております。リスク管理の詳細は「
④ 指標及び目標
特定した重要課題ごとにKPIと目標を設定し、サステナビリティ推進会議および取締役会で取り組みの進捗を確認しております。KPIと目標および実績については以下のとおりです。
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重要課題 (注)1 |
KPI |
目標 |
達成 時期 |
対象 範囲 (注)2 |
当連結 会計年度 実績 |
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人的資本の強化 |
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連結 |
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連結 |
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単体 |
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「働きがいのある会社」調査のスコア |
毎年 |
単体 |
肯定的回答割合 |
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単体 |
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毎年 |
単体 |
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DEIの推進 |
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単体 |
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毎年 |
単体 |
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1年経過 |
毎年 |
国内G1 |
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社会・環境課題の解決への貢献 |
地域創生関連売上高 |
50億円 |
2027年 |
単体 |
15億円 |
|
新規事業の創出 |
R&D投資 |
3か年累計投資額150億円 |
2027年 |
連結 |
39億円 |
|
技術実装力の発揮 |
高度プロジェクトリード人材(注)6 |
125名 |
2027年 |
単体(注)7 |
76名 |
|
コーポレート ガバナンスの強化 |
取締役会の実効性評価 |
実効性の確保・向上 |
毎年 |
連結 |
実効性は 確保されていると評価 |
|
倫理コンプライアンスの徹底と人権の尊重 |
重大なコンプライアンス違反件数 |
0件 |
毎年 |
連結 |
0件 |
|
倫理コンプライアンス関連(ハラスメント含む)の研修受講率 |
100% |
毎年 |
国内G2 |
99.1% |
|
|
重要サプライヤーに対する調達アンケートの回答率 |
100% |
毎年 |
単体 |
94.0% |
|
|
情報セキュリティ 管理の強化 |
情報セキュリティ順守に関する研修受講率 |
100% |
毎年 |
単体 |
100% |
|
重大な顧客案件関連情報および個人情報の漏えい事故件数 |
0件 |
毎年 |
国内G2 |
0件 |
(注)1.重要課題のうち「適切なリスクマネジメントの実践」については、KPIは設定せず、毎年の活動実績を別途公表しております。
2.各項目のカバー範囲は以下のとおりです。
単体:当社単体、国内G1:株式会社エステックと株式会社ミツエーリンクスを除く国内連結子会社、国内G2:国内連結子会社、連結:国内外連結子会社
3.プレゼンティーイズムとは、健康問題が理由で生産性が低下している状態を指します。
4.アブセンティーイズムとは、健康問題による仕事の欠勤(病欠)を指します。
5.損失日数とは、勤務継続中の従業員のうち、体調不良による休暇取得状況を指します。
6.プロジェクトマネジメントまたは先端テクノロジー領域に関する当社認定基準をクリアしたハイレベ
ル人材を指します。
7.技術統括本部を対象とします。
(2)気候変動
気候変動への対応については、TCFDフレームワークに準拠して記載しております。
① ガバナンス
当社は、「
② 戦略
当社グループは、気候変動への対応を中長期的な企業価値に影響を与える重要な課題と認識しており、2つのシナリオ(1.5℃シナリオと4℃シナリオ)を設定し、2030年と2050年を基準年として気候変動関連の機会とリスクの分析および評価を行いました。なお、シナリオ設定にあたりインパクトを試算する際のパラメーターは、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)、国際エネルギー機関(IEA)の情報を参考に1.5℃シナリオ、4℃シナリオを使用しております。
その結果、どちらのシナリオにおいても移行リスク(低炭素社会へ移行した際に想定されるリスク)および物理的リスク(気候変動による物理的変化に関するリスク)が当社の財務等に与える影響は極めて小さいと想定される一方、1.5℃シナリオを前提とした場合には、ソリューションの提供機会拡大など、当社にとって収益拡大の機会増加が見込まれることから、当社グループの事業活動は持続可能であり、レジリエンス(強靭性)があると評価しております。
■機会への主な対応
当社グループは、気候変動対策に関連するビジネス機会において、電通グループ各社や企業・団体と連携し、脱炭素化・サーキュラーエコノミーの実現やサステナビリティ経営を支援するソリューションの新規開発および提供など、積極的に取り組んでおります。また当社は、2023年から「GXリーグ」に参画し、グリーン市場創造のためのルールづくり等に取り組んでおります。
■リスクの低減に向けた主な対応
気候変動リスクによる財務的影響は、当社グループにおいては限定的であると分析しておりますが、さらにリスクを低減すべく、環境マネジメントシステムに関する国際規格である「ISO14001」に沿った確実な運用に加え、再生可能エネルギー比率の向上やカーボン・クレジット等の活用を通して、CO₂排出量の削減を図ります。
CO₂排出量による財務的影響の1つとして、政府の環境規制強化に伴う炭素税の導入によるものが考えられます。当社のCO₂排出量が2021年度と同等の場合の1.5℃シナリオおよび4℃シナリオにおける、2030年および2050年の炭素税導入による影響額試算は下図のとおりです。
③ リスク管理
気候変動に関するリスク管理の詳細は「
④ 指標及び目標
当社は、気候変動における機会とリスクの測定および管理に用いる指標をCO₂排出量とし、当社グループのCO₂排出量(Scope1+2)について、2030年度にカーボンニュートラルとする目標を設定しております。直近のCO₂排出量の推移は下表のとおりです。
CO₂排出量(Scope1+2)推移 (注)1、2
(注)1.2022年以前は4月1日から3月31日までの当社単体の集計値を記載しております。また、2023年以降は1月1日から12月31日までの当社および算定対象グループ会社の集計値を記載しております。
2.CO₂排出量について、2022年以前は日本基準の「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転
換等に関する法律」「地球温暖化対策推進法」に基づき算定しております。また、2023年以降は「GHGプ
ロトコル」に基づき算定しております。
3.算定カバレッジは内部取引消去後の連結売上高に対する算定対象グループ各社の売上高割合を示してお
ります。
(3)人的資本
① ガバナンス
イ.重要課題に対するモニタリング
当社グループは、さまざまな専門性を持つ人材の存在を競争力の源泉と捉え、「
ロ.推進体制
人事部・人材開発部のもと、人的資本のさらなる強化を進めております。全社的な人事関連施策は、各統括本部長・本部長をメンバーとする組織人事委員会で検討しており、そのうち重要な施策については経営会議で決定しております。なお、施策の立案にあたっては、労使委員会と衛生委員会における従業員との積極的な対話や全従業員を対象に実施しているエンゲージメント調査等を通じて、労働環境の整備を含むさまざまな課題の把握に努めております。
② 戦略
イ.人的資本の強化
当社グループは、積極的な採用や教育制度の拡充、人事制度・報酬制度の充実等、人的資本へのさまざまな投資と人材育成を進めております。2024年1月には、基本給と新卒社員の初任給の引き上げ、コンサルティング本部設置を契機としたコンサルタント職の新設、子育て支援の拡充等、人事制度の改定を実施しております。同年7月に、当社として初となる「Human Capital Report 2024」を公開したほか、同年9月には、人的資本に関する情報開示の国際的なガイドライン「ISO30414」の認証を取得いたしました。本認証取得は国内情報・通信業界では3社目、グローバルにおいては22社目の取得となります。これらの取組を通じた人的資本の強化を一層推進するため、2025年には「Human Capital Report 2025」を公開し、人的資本に関する取組や指標の進捗について、継続的な情報開示を行っております。
■人材育成
(1)人材育成方針:一人ひとりが“X Innovator”
当社の人材育成は、従業員一人ひとりが自由度と裁量権を大きく持ち、プロフェッショナルとして自らのアイデアを組織との関わりの中で実現できることを重視しております。この観点に立ち、当社の人材育成は、従業員の自律的な成長と人間魅力の向上を促すことに加え、成果を創出する組織の醸成にも並行して取り組むことを方針としております。
顧客や市場から認められ、高く評価される「プロフェッショナル人材」を輩出すべく、当社は従業員の持つ専門性を高め、拡げる支援だけでなく、その従業員が持つ「人間魅力」そのものを高める支援にも注力してまいります。加えて、すべての従業員がX Innovatorとなるために、一人ひとりはもとより、組織、チーム、プロジェクトとして当社の行動指針「AHEAD~先駆けとなる~」にふさわしい行動をとることを促進いたします。この行動を通して、自己革新を続け、イノベーションを実現し続けることが、当社における「成長」であり、一人では成し得ない大きな成果を生み出すことにつながると当社は考えております。
(2)人材育成施策
人材育成方針に基づき以下のような施策を実施しております。
・スキルや専門領域に対応した幅広い教育プログラムの提供と学習コンテンツの継続的な拡充を図っております。当連結会計年度の延べ受講者数は2021年以降5年間で約4倍となっております。
・キャリア形成支援のために一人ひとりの自律的な活動を促すワークショップを実施しております。当連結会計年度からは世代別にコンテンツを整備し、従業員のライフ&キャリアプランニングを支援しております。
・自由でフラットに話し合えるオープンな企業文化の中で、多様性を生かし、個人では達成し得ない成果を創出する組織力と組織文化の醸成を目的とした施策の推進に取り組んでおります。具体的には、上司や同僚との1対1の対話の全社展開・浸透、キャリア入社者の組織適応促進のためのオンボーディングプログラムの展開、組織成果を創出するマネジメント能力向上を狙いとした新任管理職研修の実施等の施策を行っております。
・人的資本に関する各種データの見える化とその活用に取り組んでおります。2023年には、管理職向けのHRデータ活用ツールとしてダッシュボードを開発し、HRデータの月次提供を開始いたしました。
■採用
長期経営ビジョンの実現に向けて、多様なプロフェッショナルを獲得するために、採用に特化した専任部署を設け、積極的な採用を進めてまいりました。その結果、就職・転職関連の優良企業ランキングで高評価を獲得する等、採用市場での存在感が高まり、当連結会計年度末までの3年間で新卒採用者351名、キャリア採用者358名、計709名が当社に入社しております。
■環境整備方針
当社グループは、サステナビリティ方針で掲げている「人権と多様性を尊重し、健康に配慮した働きやすい環境の整備」の実現に向け、従業員一人ひとりがライフステージに応じた柔軟な働き方を選択し、能力を最大限発揮できる環境づくりを目指しております。
■働きやすい環境づくり
当社では、環境整備方針に基づき、以下のような施策を実施しております。
・従業員が仕事と育児・介護等を両立できるよう、育児・介護休業制度を含む休暇制度について法定を上回る水準で設定しております。
・柔軟で生産性の高い働き方を支援するため、フレックスタイム制および裁量労働制を導入しております。また、すべての従業員を対象にテレワーク勤務制度とインフラ環境の整備を進め、自宅や出張先、サテライトオフィス等からの業務を可能としているほか、旅行先でテレワーク勤務が行える国内休暇型ワーケーション制度を新設し、従業員の柔軟な働き方を支援しております。
一方、人材の育成、当社の文化や強みの継承、新しいアイデアの創発という点で、対面でのコミュニケーションも重要と認識しております。当社は今後も、出社とテレワークそれぞれの特徴を生かしたハイブリッドワークを推進してまいります。
■健康経営
当社は、2024年度に新たに制定した健康経営宣言に基づき、従業員が最大限に能力を発揮できるよう、心身ともに健全かつ健康であることをサポートする施策に取り組んでおります。全社の健康経営を推進する健康管理室は、人事部や労働安全衛生法に基づき設置している「衛生委員会」と連携して、従業員の勤務状況や職場環境等について把握し、改善策を講じております。疾病の予防につながる取り組みにも一層注力することで、従業員とその家族の健康保持・増進の向上に努め、健康経営をさらに推進してまいります。
<推進体制図>
ロ.DEIの推進
新たな価値の創造と持続的な成長には、多様な人材がいきいきと働き協調することが不可欠であります。当社グループは、人種、宗教、国籍、性別、性自認および性的指向、年齢、学歴、障がいの有無等にかかわらず、当社グループで働くすべての人々が自分らしく働き、持てる能力を発揮して活躍できるよう、DEIを推進しております。
■女性活躍の推進
女性管理職比率の向上に向け、女子学生向け採用施策の継続実施や女性従業員向けキャリア形成支援ワークショップの実施等、管理職候補となる母集団の形成促進やキャリア形成支援に取り組んでおります。
■障がい者雇用
当社および「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づく特例子会社である株式会社電通総研ブライトは、連携して障がいのある従業員がいきいきと働くことができる就労機会の創出に取り組んでいます。両社では、マッサージルームの運営や各種事務サポート、ハーブ・野菜の栽培・加工に加え、清掃、コーヒー焙煎、製パンなど、多様な業務を展開しており、こうした取り組みを通じて障がいのある従業員の活躍の場を広げています。今後も引き続き連携を深め、就労機会の充実と働きがいのある環境づくりを進めてまいります。
③ リスク管理
人的資本に関するリスク管理の詳細は「
④ 指標及び目標
「
(4)人権の尊重
① ガバナンス
当社は、「
② 戦略
人権の尊重は、企業活動における最重要課題の一つと認識しております。当社グループは、「国際人権章典」や国連「ビジネスと人権に関する指導原則」等の国際規範の考えを取り入れた「電通グループ人権方針」のもと、人権尊重の取り組みを推進しております。また、「電通グループ行動憲章」や当社グループの行動規範である「私たちの行動宣言」においても、従業員に限らず、顧客やビジネスパートナー等すべての人々との関わりにおいて相互に尊重することの重要性を明記し、一人ひとりが日々の業務において実践することを求めております。
③ リスク管理
■人権デュー・ディリジェンス
当社は、2024年度から、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」が求める人権デュー・ディリジェンスに取り組んでおります。デュー・ディリジェンスの第一段階である人権リスクの特定・評価においては、世界的なリスク調査・分析機関であるVerisk Maplecroft社の人権リスクデータをもとに、まず当社グループの主力事業であるシステムインテグレーションに関連する人権課題について、サプライチェーン全体を俯瞰して、事業プロセス別・国別の机上調査と社内インタビューを実施しました。その結果、潜在的な人権リスクとして下図に記載の項目を特定しております。
<特定した潜在的な人権リスク>
当連結会計年度では、システムインテグレーション事業におけるビジネスパートナーを対象に人権インパクト評価を実施いたしました。評価では、「深刻度」と「発生可能性」を軸にリスクマップを作成し、上記の8つの潜在的な人権リスクをマッピングいたしました。深刻度の判断にはVerisk Maplecroft社の人権リスクデータを、発生可能性の判断には2024年度より実施しているサプライヤー向けアンケート調査の結果を活用しております。これらの分析を通じて、「適正な労働時間」と「プライバシーの権利」を重要な人権リスクとして特定いたしました。今後は、これらの人権リスクを防止・軽減するための対応策の検討・実行、モニタリングなどを通じて、PDCAサイクルによる継続的な活動を進めてまいります。
■サプライチェーン・マネジメント
サステナブルな社会の実現に向けた責任ある企業行動として、ビジネスパートナー各社に当社グループとともに取り組んでいただきたい事項をまとめた「電通総研グループ 調達ガイドライン」を公表しています。本ガイドラインは、当社グループの「サステナビリティ方針」や「調達方針」に加え、レスポンシブル・ビジネス・アライアンス(RBA)の行動規範や一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の「責任ある企業行動ガイドライン」等を踏まえて策定したものであり、労働時間の遵守、ハラスメント・差別の禁止や強制労働・児童労働の禁止等、人権の尊重についても明記しております。当連結会計年度よりビジネスパートナー各社に対して本ガイドラインの浸透を図るとともに、取引金額の多いビジネスパートナーを選定し、遵守状況を確認するアンケート調査を実施しております。さらに調査結果をもとに、対象となるビジネスパートナーとエンゲージメントを行い、取り組み状況や課題の把握に努めております。
■救済窓口の設置
当社グループで働くすべての人が利用可能な内部通報制度「倫理ヘルプライン」を設置しているほか、社外が運営し、無料、匿名、機密で、すべての適切な言語で利用できるSpeakUp@dentsuポータルの提供を通じて、業務遂行の過程における人権上の問題を早期に発見し、是正できる仕組みを構築しております。
④ 指標及び目標
「
当社グループは、経営目標の達成を阻害する、あるいは事業活動の継続を脅かす要因等を識別し、顕在化させないための予防策および顕在化した場合の影響を最小化するための対策として、リスク管理規程を制定しております。当規程に則り、想定されるリスクに関する情報を適時かつ組織横断的に集約し、全社的な観点から適切なリスク管理を推進しております。
なお、記載事項のうち将来に関する事項は、特に断りがない限り有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) リスク管理体制
当社グループでは、サステナビリティに関する取り組みを総合的に推進する「サステナビリティ推進会議」のもと、グループ全体を俯瞰したリスク管理を行っております。
サステナビリティ推進会議は、当社グループが事業活動を行うにあたって想定されるリスクの識別と評価、最重要リスクの抽出、リスク所管部署や責任者の決定、リスク対応計画の策定指示、対策実行状況等のモニタリングを実施し、その結果を取締役会に報告しております。
当社グループにおけるリスク管理体制は次のとおりです。
|
取締役会 |
・リスク管理状況のモニタリングおよび管理体制の有効性確保 |
|
サステナビリティ推進会議 |
・当社およびグループ会社からのリスク情報収集、リスク識別と評価 ・最重要リスクおよびリスク所管部署/責任者の決定 ・グループ横断的課題への対応方針検討および調整 ・リスク対応計画の進捗状況およびリスク状況のモニタリング |
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リスク所管部署・各委員会 |
・リスク対応計画の策定およびリスク対策の実施 |
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各社リスクマネジメント部門 |
・自社の最重要リスクの抽出、リスク対応計画の策定と実施 |
(2) リスク管理のプロセス
(リスクの識別・評価)
サステナビリティ推進会議は、経営環境や経営戦略、事業管理、危機管理、人事労務、経理財務、法務、コーポレートガバナンス、情報セキュリティ、倫理コンプライアンス等の観点から、顕在化する可能性のあるリスクを当社の各事業部門、グループ会社へのヒアリング等により網羅的に識別しております。識別したリスクについては、定期的に「発生可能性」「影響度」によりリスク評価を行います。
(最重要リスクの抽出)
サステナビリティ推進会議は、リスク評価の結果より、事業継続に大きな影響を及ぼす可能性が高いと判断したリスクを「最重要リスク」に定め、それぞれのリスクについて、所管部署および責任者を選定します。
(リスク対応計画の策定)
リスク所管部署・グループ会社のリスクマネジメント部門は、「最重要リスク」に関してリスクが顕在化しないための予防策および顕在化した場合の影響を最小化するためのリスク対策をリスク対応計画としてまとめ、サステナビリティ推進会議の承認または助言を得ます。
(リスク対応計画の実施とリスクモニタリング)
リスク所管部署・グループ会社のリスクマネジメント部門は、策定したリスク対応計画に沿って活動を遂行するとともに、必要に応じて規程類や対策マニュアル等の整備・維持に努めております。サステナビリティ推進会議は、リスク対応計画の進捗状況およびリスクの状況についてモニタリングを実施し、その結果を取締役会に報告しております。さらに、リスクの顕在化等があった場合は、必要に応じてリスク対策の追加、計画の改善と実施を指示します。
(3) 主要なリスク
当社グループの経営目標の達成を阻害する、あるいは事業活動の継続を脅かす可能性がある主要なリスクを以下のとおり記載しております。しかしながら、これらのリスクは必ずしもすべてのリスクを網羅したものではなく、想定していないリスクや重要性が低いと考えられる他のリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。
① 最重要リスク
イ.システム開発に関するリスク
当社グループが提供するシステム構築サービスは、開発工程中に想定外のトラブルが発生すること等により開発費用が増加し、収益性が低下する可能性があります。また、納品後に重大な不具合が発生し、顧客の業務に支障が生じた場合、当該システムの品質回復にかかる費用発生や損害賠償請求、信用失墜等が生じる可能性があります。
このため当社グループでは、PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)委員会を設置し、提案前の段階から、要求仕様の内容、技術的難易度、受注金額、開発期間、開発費用見積等の計画につき評価を行うことに加え、受注から納品にいたる過程においても、計画に対する進捗状況の確認を随時行い、開発に伴うリスク管理を徹底しております。さらに、トラブル発生の可能性を極小化すべく、開発プロセス標準化やノウハウ共有等、技術に関する教育諸施策を積極的に推進しております。
ロ.人材確保・育成、労務管理に関するリスク
当社グループが必要とする優秀な人材の確保・育成が想定どおりに進まない場合、あるいは労働環境の悪化等により生産性が低下した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため当社グループでは、新卒・中途の採用活動および従業員教育・研修の強化、適切な人材配置を図るとともに、裁量労働制や65歳定年制、フェロー制度、育児・介護等と仕事の両立を支援する各種制度の導入・充実に努めております。また、適正な労働時間の管理や健康保持・増進のための取り組みなど、従業員のワーク・ライフ・バランスの実現を支援する人事諸施策を実施しております。
ハ.事業継続に関するリスク
大地震や豪雨等の自然災害の発生、重大感染症の流行、社会情勢の変化等の事象が発生した場合は、対応に係る費用の発生のほか、サービスの提供遅滞等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため当社グループでは、危機発生に備えた各種対応マニュアルや適時適切に対策を講じるための体制、円滑な業務を可能とするリモートワーク勤務制度および環境を整備し、従業員やパートナースタッフの安全確保と事業の継続性確保に努めております。
ニ.情報セキュリティに関するリスク
コンピューターウイルスやサイバーテロ、過失等により、情報システムサービスの中断や個人情報・機密情報の漏洩等が発生した場合、顧客や個人からの損害賠償請求や信用失墜、事業の停滞等が生じる可能性があります。
このため当社グループでは、グループ全体の情報セキュリティマネジメントを統括する情報セキュリティ委員会のもと、各種規程類やガイドラインを整備・運用し、グループ一体となって情報セキュリティ管理に取り組んでおります。また、システム・ネットワークの継続的なセキュリティレベルの向上を図るとともに、全役員と従業員を対象にセキュリティ教育プラットフォームを導入し、教育・訓練を継続的に実施するなど、総合的なサイバーセキュリティ対策を推進しております。なお、当社グループでは、当社をはじめとする主要各社において、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格「ISO/IEC27001:2022」および本規格をもとにJIS化された「JISQ27001:2023」の認証を取得しているほか、「プライバシーマーク」の付与認定を受けております。
ホ.コンプライアンスに関するリスク
コンプライアンス上の問題、法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの信用が失墜し、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため当社グループでは、電通グループの行動規範である「電通グループ行動憲章」および「暴力団等反社会的勢力排除に対しての基本方針」、ならびに当社グループの行動規範である「私たちの行動宣言」を採択し、会社法、金融商品取引法、個人情報保護法をはじめ各種法令等の遵守を最優先に事業を推進しております。また、全役員と従業員を対象とするコンプライアンス教育の実施や、公益通報者保護制度に基づく通報窓口の設置等の施策を通じ、法令遵守の徹底を図っております。
ヘ.M&A等の出資・投資に関するリスク
当社グループの事業成長を加速させる上で有効な手段となる場合や、市場における優位性の確立に資するなどの効果が見込める場合は、国内外の企業への出資や新規事業への投資を実施する場合があります。しかしながら、事業環境の著しい変化等により、事業計画どおりに遂行できなかった場合、当該投資が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため当社グループでは、投資の実施にあたり、市場動向や顧客のニーズ、相手先企業の業績・財政状況、技術優位性等を確認し、事業性を十分に検討した上で実施すべく努めております。また、経営会議または取締役会の決議事項とされるものに関する事前審議機関として投資委員会を設置し、案件の審査、出資先の経営状況モニタリング、出資時の事業計画から乖離が出た場合の対策を講じる体制を構築しております。
② その他重要リスク
イ.顧客の経営方針転換等に関するリスク
社会や経済の情勢の変動等により顧客の情報化投資動向が急変した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため当社グループでは、国内外の経済動向を注視するとともに、市場ニーズに適合する経営戦略の立案や新規ソリューションの開拓および開発等、適時対策を講じております。
ロ.提供サービスの競争力に関するリスク
情報サービス業界における顧客ニーズおよび情報技術の進化は激しく、新規参入業者も多く競争が激化しているため、急速な顧客ニーズの変化あるいは技術革新に対する当社グループの対応が遅れた場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため当社グループでは、積極的な研究開発の実施、グループ体制・組織の最適化、国内外の企業への出資や提携等の各種経営施策を通じ、市場ニーズに適合する経営戦略の立案や新規ソリューションの開拓および開発等、適時対策を講じております。また、生成AI等の最新技術を活用したソフトウェア製品の機能強化やサービスの拡充等により提供価値の向上に努めております。
ハ.仕入先・協力会社に関するリスク
当社グループは、業務の一部を外部の協力会社に委託しております。協力会社の人員の逼迫や委託単価が上昇するなどの場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。特に海外の協力会社への業務委託につきましては、海外現地における社会情勢により、予期せぬ状況が発生する可能性があります。また、当社グループが仕入販売しているソフトウェア商品および情報機器については、当該仕入先の経営方針および事業計画等が変更された場合、顧客に対する商品およびサービスの提供に支障が生じる可能性があります。
このため当社グループでは、業務委託先に対し、システム開発標準化や生産性向上等に共同で取り組むほか、提供価格への適正な転嫁や、協力会社の新規開拓など、コスト構造を最適化するための努力を継続的に推進することにより、収益性の維持・向上を図っております。また、商品の仕入先に対しては、共同で販売戦略を立案するなど、緊密な関係を維持するほか、国内外で最先端技術や競争力の高い商品・サービスを有した企業をいち早く発掘すべく継続的に努力しております。
ニ.知的財産に関するリスク
当社グループの提供するシステム、ソフトウェア製品、サービス等に対して第三者から知的財産権の侵害を理由とする訴訟提起または請求を受け、その結果当社グループが損害賠償を負担するほか、代替技術の開発のための費用が発生する可能性があります。また、当社グループ自身が保有する知的財産権についても、第三者からの侵害、生成AI等の技術の利用拡大による当社グループの技術・ノウハウの模倣、ソフトウェア製品における機能の模造・類似品の出現などにより、期待される収益が失われる可能性があります。
このため当社グループでは、第三者が保有する特許権、商標権などの調査や、プロジェクトからの各種相談対応、ガイドライン整備、教育研修等を通じて、知的財産権に対する従業員の意識向上に努めております。
ホ.研究開発投資に関するリスク
当社グループは、将来に向けた事業機会の創出および高付加価値ソリューションの提供を実現するため、研究開発へ積極的に投資することを経営戦略に掲げております。しかしながら、研究開発投資が計画どおり進まない場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため当社グループでは、製品・サービスにかかわる研究開発等の投資に関する審査機関として投資委員会を設置しており、当委員会を通じて、案件の審査・進捗確認、投資および回収状況の監視を行い、リスクの顕在化を未然に防ぐ体制を構築しております。
へ.気候変動に関するリスク
当社グループの気候変動リスクとしては、政策・法規制・技術・市場の変化が生じることに起因する移行リスクと、気候変動に起因する自然災害の増加等によるサービスの提供遅滞等が発生する物理的リスクがあり、これらへの対応が遅れた場合、経営成績および中長期的な企業価値に影響を及ぼす可能性があります。
このため当社グループは「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」のフレームワークに基づき、気候変動対策に関するガバナンスの強化や、リスク・機会の分析とその財務的な影響等を踏まえたシナリオ分析を進め、気候変動リスクへの対応に取り組んでおります。気候変動リスクによる財務的影響は、当社グループにおいては限定的であると分析しておりますが、さらにリスクを低減すべく、ISO14001に沿った環境マネジメントシステムの確実な運用を行うとともに、再生可能エネルギー比率の向上やカーボン・クレジット等の活用を通して、CO2排出量の削減を図ります。また同時に、気候変動対策に関連するビジネス機会の創出を目指し、脱炭素化・サーキュラーエコノミーの実現やESG経営を支援するソリューションの新規開発および提供にも取り組んでおります。
ト.株式会社電通グループとの資本関係について
株式会社電通グループは、当連結会計年度末現在、当社の発行済株式総数のうち61.8%を所有しています。
当社グループは、親会社グループとの事業シナジーを最大限に生かした事業運営に取り組んでおりますが、事業展開における業務執行上の重要事項については、独立社外取締役が過半数を占める取締役会にて合議の上決定します。上場会社としての自主性・独立性を確保しつつ、親会社グループと連携して事業成長・発展に努めることは、非支配株主の利益につながるものと認識しております。
1.経営成績等の状況の概要
(1)財政状態及び経営成績等の状況
① 経営成績
当連結会計年度(2025年1月1日~2025年12月31日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善に伴い、緩やかな回復基調が続きました。当社グループを取り巻く事業環境についても、企業のデジタル投資意欲は強く、堅調に推移しました。一方、今後については、各国の政策動向や金融資本市場の変動、地政学リスク等による国内経済への影響が懸念され、先行きは不透明な状況にあります。
かかる状況のもと当社グループは、当連結会計年度より、長期経営ビジョン「Vision 2030」の実現に向けて第2回目の位置付けとなる3か年の中期経営計画「社会進化実装 2027」をスタートさせました。当中期経営計画では、3つの基本方針「企業変革・社会変革起点での価値提供」「ソリューションの強化」「経営基盤の強化」と5つの定量目標(2027年12月期の売上高2,100億円、営業利益315億円、営業利益率15.0%、ROE18.0%以上、就業人員数6,000名)を設定しています。前中期経営計画で拡充した事業基盤を生かし、これまで以上に積極的なチャレンジを通して、さらなる成長を目指してまいります。
当連結会計年度の業績は、売上高164,865百万円(前期比108.0%)、営業利益22,888百万円(同108.8%)、経常利益23,618百万円(同112.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益16,365百万円(同108.3%)となりました。
売上高については、ビジネスソリューションおよびコミュニケーションITセグメントを中心に、全セグメント増収となりました。利益についても、ソフトウェア製品に関する無形固定資産の除却に伴う原価増や販売費及び一般管理費の増加等があったものの、増収効果により、すべての段階利益で増益となりました。
これにより、売上高は10期連続、営業利益および親会社株主に帰属する当期純利益は8期連続で過去最高となります。
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
増減 |
前期比 |
|
売上高 |
152,642 |
164,865 |
+12,223 |
108.0% |
|
営業利益 |
21,039 |
22,888 |
+1,849 |
108.8% |
|
営業利益率 |
13.8% |
13.9% |
+0.1p |
- |
|
経常利益 |
21,093 |
23,618 |
+2,525 |
112.0% |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
15,117 |
16,365 |
+1,248 |
108.3% |
|
|
|
|
|
|
|
ROE |
17.4% |
17.1% |
△0.3p |
- |
② 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して17,724百万円増加し、165,055百万円となりました。流動資産は、売上債権および預け金の増加があったほか、顧客向けサービスのための保守・サブスクリプション型サービスの契約に係る前渡金が増加したこと等により、前連結会計年度末と比較して17,865百万円増加し、136,923百万円となりました。固定資産は、主にのれんおよび顧客関連資産の償却が進んだこと等により、前連結会計年度末と比較して142百万円減少し、28,131百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における総負債は、前連結会計年度末と比較して8,759百万円増加し、64,896百万円となりました。流動負債は、主に仕入債務の増加等により、8,405百万円増加し、60,949百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末と比較して355百万円増加し、3,947百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、剰余金の配当があったものの、主に当社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加した結果、前連結会計年度末と比較して8,965百万円増加し、100,159百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して7,697百万円増加し、69,419百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
法人税等の支払等による資金の減少を、税金等調整前当期純利益等が上回ったことにより、資金は19,064百万円増加しました。
前年同期との比較においては、仕入債務の増加等による資金の増加があったものの、売掛債権の増加および顧客向けサービスのための保守・サブスクリプション型サービス提供に係る前渡金の増加等による資金の減少を主因として4,657百万円の収入減となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
ソフトウェア等の固定資産の取得等により、資金は2,956百万円減少しました。
前年同期との比較においては、前年において実施した株式会社ミツエーリンクスの株式取得による支出の反動減により8,930百万円の支出減となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払およびリース債務の返済等により、資金は8,552百万円減少しました。
前年同期との比較においては、自己株式取得による支出の増加等により570百万円の支出増となりました。
(2)生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度において、受注実績および受注残高が著しく増加しました。これは、主にビジネスソリューションセグメントの事業が好調に推移したことによるものです。
当連結会計年度における生産、受注及び販売の実績を報告セグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
なお、当中期経営計画における成長戦略の実践に向けて、当連結会計年度より、報告セグメント配下の事業区分を変更しました。これに伴い、前連結会計年度の実績について、変更後の区分に組み替えた数値を記載し、比較・分析しております。
① 生産実績
|
報告セグメント |
生産高(百万円) |
前期比(%) |
|
金融ソリューション |
26,950 |
100.4 |
|
ビジネスソリューション |
17,342 |
118.8 |
|
製造ソリューション |
20,473 |
91.3 |
|
コミュニケーションIT |
17,763 |
125.8 |
|
合計 |
82,529 |
105.8 |
(注)金額は、販売価格に換算して表示しております。
② 受注実績
|
報告セグメント |
受注高 (百万円) |
前期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前期比 (%) |
|
金融ソリューション |
39,029 |
112.8 |
12,815 |
148.7 |
|
ビジネスソリューション |
32,757 |
143.6 |
11,922 |
166.1 |
|
製造ソリューション |
68,038 |
107.7 |
35,634 |
124.4 |
|
コミュニケーションIT |
41,519 |
109.2 |
15,967 |
103.5 |
|
合計 |
181,345 |
114.3 |
76,339 |
127.5 |
③ 販売実績
|
報告セグメント |
販売高(百万円) |
前期比(%) |
|
金融ソリューション |
34,832 |
102.3 |
|
ビジネスソリューション |
28,013 |
118.6 |
|
製造ソリューション |
61,039 |
100.8 |
|
コミュニケーションIT |
40,980 |
119.1 |
|
合計 |
164,865 |
108.0 |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
株式会社電通グループ 及びそのグループ会社 |
21,449 |
14.1 |
22,455 |
13.6 |
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績等の状況 ① 経営成績」に記載のとおりであります。
当中期経営計画における成長戦略の実践に向けて、第1四半期連結会計期間より、報告セグメント配下の事業区分を変更しました。これに伴い、前連結会計年度の実績について、変更後の区分に組み替えた数値を記載し、比較・分析しております。
報告セグメント別の売上高、営業利益および営業の状況は、以下のとおりであります。
|
|
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
報告セグメント |
前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
増減額 |
|||||
|
売上高 |
営業利益 |
営業 利益率 |
売上高 |
営業利益 |
営業 利益率 |
売上高 |
営業利益 |
|
|
金融ソリューション |
34,050 |
4,348 |
12.8% |
34,832 |
4,459 |
12.8% |
+782 |
+111 |
|
ビジネスソリューション |
23,626 |
5,319 |
22.5% |
28,013 |
6,994 |
25.0% |
+4,387 |
+1,675 |
|
製造ソリューション |
60,564 |
8,574 |
14.2% |
61,039 |
7,549 |
12.4% |
+475 |
△1,025 |
|
コミュニケーションIT |
34,401 |
2,797 |
8.1% |
40,980 |
3,886 |
9.5% |
+6,579 |
+1,089 |
|
合計 |
152,642 |
21,039 |
13.8% |
164,865 |
22,888 |
13.9% |
+12,223 |
+1,849 |
(注)報告セグメントの情報につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」も併せてご参照ください。
金融ソリューション
金融業のビジネス変革および一般事業会社の金融サービス機能活用を支援するソリューションを提供しています。
当連結会計年度は、受託システム開発案件がメガバンクや信託銀行向けに拡大したことに加え、次世代融資ソリューション「BANK・R」の導入案件が政府系金融機関や大手信用金庫向けに拡大したことにより、増収増益となりました。
ビジネスソリューション
人事・会計を中心に企業の経営管理業務の高度化を支援するソリューションを提供しています。
当連結会計年度は、連結会計ソリューション「STRAVIS」の導入案件が商社向けを中心に拡大したことに加え、統合人事ソリューション「POSITIVE」の導入案件が電気・ガス業や小売業向けに拡大したことにより、増収増益となりました。
製造ソリューション
製造業のビジネスプロセスおよびバリューチェーンの高度化を支援するソリューションを提供しています。
当連結会計年度は、SAPソリューションの導入案件は減少したものの、CAEやPLMソリューションの販売が輸送機器業向けに拡大したことにより、増収となりました。利益については、収益性の高いソフトウェア商品アドオン開発案件が減少したことに加え、人員増に伴い人件費が増加したことにより、減益となりました。
コミュニケーションIT
企業のマーケティング変革および官庁や自治体のデジタル改革を支援するソリューションを提供しています。
当連結会計年度は、公共や電通グループ向けビジネスが拡大したことに加え、前第3四半期連結会計期間から連結対象となった株式会社ミツエーリンクスの貢献があったことにより、増収増益となりました。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フローの状況
当社グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績等の状況 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループにおける資金需要は、通常の運転資金に加え、事業拡大を目的としたソフトウェア製品の開発及び資本提携・M&A等のための投資資金がありますが、いずれも自己資金を充当することを基本としております。また、当社及び当社国内子会社の間ではCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、グループ内の資金の流動性を高めるよう努めております。
なお、流動資産に計上している預け金は、親会社である株式会社電通グループに対し同社が運営するCMSを通じて預け入れた資金であり、当連結会計年度末は61,863百万円を預け入れております。これは、直ちに利用可能な財源であることから、連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物に含めております。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成にあたっては、連結会計年度末日における財政状態並びに連結会計年度の経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としております。当社グループは、過年度の実績や現状を踏まえ、合理的と判断される前提・仮定に基づき、かかる見積り・予測を行っておりますが、実際の結果はこれと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たり用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(4)経営上の目標の達成状況について
当社グループは、当中期経営計画において、「売上高」「営業利益」「営業利益率」「ROE」「就業人員数」の5項目に対して以下の定量目標値を設定しております。初年度となる当連結会計年度の進捗状況は以下のとおりであります。
|
項目 |
2027年12月期 目標 |
2025年12月期 実績 |
|
売上高 |
2,100億円 |
1,648億円 |
|
営業利益 |
315億円 |
228億円 |
|
営業利益率 |
15.0% |
13.9% |
|
ROE |
18.0%以上 |
17.1% |
|
就業人員数 |
6,000名 |
4,618名 |
2026年12月期は、売上高182,000百万円、営業利益25,500百万円を見込んでおります。2027年12月期の定量目標達成に向け、初年度を上回る成長を目指してまいります。
なお、当社グループが取り組むべき経営課題への対応につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
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会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約の名称 |
契約内容 |
契約期間 |
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株式会社電通総研 |
株式会社電通 |
日本 |
情報システムに関する業務委託基本契約書 |
情報システムに関する業務の委託契約 |
自 2025年4月 至 2026年3月 1年毎自動更新 |
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株式会社電通総研セキュアソリューション(現 株式会社電通総研テクノロジー) |
株式会社電通 |
日本 |
情報システムに関する業務委託基本契約書 |
情報システムに関する業務の委託契約 |
自 2025年4月 至 2026年3月 1年毎自動更新 |
(連結子会社間の合併契約)
当社は、2025年3月24日開催の取締役会において、当社の完全子会社である株式会社電通総研セキュアソリューションを存続会社、同じく完全子会社である株式会社電通総研ITを消滅会社とした吸収合併をすることを決議し、2026年1月1日付で吸収合併を行いました。
詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における研究開発活動の金額は
(1)金融ソリューションセグメント
当セグメントの研究開発活動の金額は
(2)ビジネスソリューションセグメント
当セグメントの研究開発活動の金額は
(3)製造ソリューションセグメント
当セグメントの研究開発活動の金額は
(4)コミュニケーションITセグメント
当セグメントの研究開発活動の金額は
(5)その他
上記セグメントに属さない研究開発活動の金額は1,998百万円となりました。主な活動内容は、生活者の意識調査や先端技術に関する研究、HCM(Human Capital Management)領域における新製品開発に向けた技術検証、エンタープライズIT基盤の機能拡張等に関する研究であります。