第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは、以下の経営理念を掲げて事業展開を行っております。

「私たちは、女性のライフステージを応援します。」

「私たちは、相手の立場に立って考えます。」

「私たちは、コンプライアンスを推進します。」

「私たちは、事業を通して社会貢献致します。」

当社グループは、“女性”が育児をしても、家事をしても、介護をしてもなお、働き続けるためには、「いったい何が必要なのか」を基本に事業展開してまいりました。豊かな社会を築くためには、あらゆる場面でさまざまな発想で多くの知恵を出すことが必要です。そういった「より私らしく」と願う女性たちに対してサービスを提供することを事業コンセプトとしております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、2026年12月期から2028年12月期を最終年度とする「中期経営計画(2026年~2028年)」の中で、最終年度にあたる2028年12月期における目標計画として連結売上高23,200百万円、営業利益948百万円を掲げております。なお、中期経営計画の3か年の計画は以下のとおりです。

 

連結数値目標

 

2026年度目標 (2026年12月期)

2027年度目標 (2027年12月期)

2028年度目標 (2028年12月期)

売 上 高(百万円)

19,500

21,200

23,200

営 業 利 益

645

805

948

 

(3)経営環境

① 事業環境

(保育事業)

当社グループの主力事業である保育業界の事業環境においては、未婚率の上昇や女性の社会進出の増加などを背景に、2024年度の日本人出生数が過去最少の68万人となり少子化の深刻化は依然として最大の課題であります。

このような状況を受け、こども家庭庁は「こども大綱」に基づく「こども未来戦略」を公表し、「次元の異なる少子化対策」として2024年度から2026年度までの3年間の加速化プランを実行フェーズに移しております。このプラン実現に向け、2024年6月に「子ども・子育て支援法」を一部改正することで法的な枠組みを強化し、同年10月には第3子以降の児童手当などを引き上げることによって経済的支援の拡充を図っております。また、2025年4月からの育児休業給付の給付率の引き上げや、育児時短就業給付の創設など、様々な子育て支援策が施行され、育児と就労の両立支援を大きく前進させております。さらに、東京都においては、国の施策に加え、2025年9月から0歳から2歳までの第一子保育料を所得制限なしで無償化する独自の支援策が始まりました。この大都市圏における経済的支援の大幅な拡充は、保育サービスの利用促進と、地域間の保育ニーズ構造の変化に強い影響を与えるものと見られます。

 一方で、長年の課題であった保育所の待機児童問題は、受け皿整備の進展により、2017年ピーク時の26,081人から2025年4月時点では2,254人となり大幅に減少いたしました。この状況を踏まえ、2024年12月こども家庭庁は「保育政策の新たな方向性」を公表し、保育政策の焦点は、「保育の量の拡大」から「保育の質の確保・充実」へと明確に転換いたしました。2024年12月の「保育政策の新たな方向性」や、2025年6月公表の「こどもまんなか実行計画」が示す通り、2026年4月本格開始に向けた「こども誰でも通園制度」と合わせ、サービスの質の向上、多様化への対応が不可欠な局面を迎えております。

 

(介護事業)

次に注力事業である介護事業についての事業環境です。
 高齢者介護については、いわゆる「2025年問題(団塊の世代が75歳以上の後期高齢者に達する)」が現実のものとなり、介護の施設数は増加傾向にあります。しかしながら、「介護職員数」は2023年を境に減少に転じており、単なる「人手不足」という言葉を超えた、「需要と供給のミスマッチの深刻化」と「事業継続コストの急騰」が最重要の課題となっております。需要がピークに達する一方で、人材不足により入居制限をかける施設が続出し、潜在的な顧客を抱えながらも稼働を上げられないジレンマが生じております。人件費・運営コストの記録的な上昇が進む中、他産業への人材流出を食い止めるため、処遇改善や採用コストの投入を余儀なくされ、利益率を押し下げております。

また、障がい福祉分野においては、診断を受ける子どもの数は増加し続けており、待機児童が発生している地域も多く、需要は依然として旺盛です。障がい児の親が自身の親の介護(2025年問題)に直面する「ダブルケア」世帯が増加し、より長時間の預かりや家庭支援(レスパイトケア)への期待が高まっております。障がい福祉の事業は、児童発達支援管理責任者や理学療法士、言語聴覚士などの有資格者の確保が、介護以上に困難を極めており、さらには2024年の改定により、預かり時間に応じた報酬区分が導入され、短時間の受け入れでは収益が上がりにくい構造になるなど、「経営の二極化」が潮流となっております。

 

② 「tenoVISION2030」

これら事業環境下、当社は、2030年12月期のあるべき姿(理想像)として、「tenoVISION2030」~時代に求められるサービスを提供するプロフェッショナル集団となり、働き手にとって最も自己実現が可能な家庭総合サービスグループを目指す~を掲げ、その実現に向けた取組みを盛り込んだ「中期経営計画」を策定しております。

当社グループのボトルネックとなりうる“人材”への戦略的アプローチにより理想的な循環を実現させることで、当社グループのステークホルダーの皆さまから選ばれる企業集団となることを目標としております。変化の激しい社会情勢においても揺らぐことのない「真に必要とされる事業」を追求し、中長期的な戦略として以下の重点施策を通じて企業価値の向上に邁進してまいります。

ⅰ.主力事業の強化 「保育事業(公的保育・受託保育)における事業拡大」

 保育市場が成熟期を迎える中、画一的な規模拡大から脱却し、専門性の高い保育実践を通じて「選ばれ続ける園」としての「質」を追求します。学童保育においては、依然として1万6千人を超える待機児童問題が存在します。働き盛り世代の離職を防ぎ、社会的な人的資源の損失を最小化する不可欠なインフラとして、積極的な受託拡大を図ります。多様化するニーズに柔軟に適応し、地域社会に根差した安心の拠点としての価値を確立してまいります。

ⅱ.介護事業の強化「介護事業に注力し、保育事業に次ぐ事業へ成長させる」

 当社グループの根幹である「女性のライフステージ支援」を拡張し、現在取り組んでいる介護・障がい福祉事業を「第二の柱」へと成長させます。現在は高齢者介護や児童発達支援、放課後等デイサービスを中心に展開しておりますが、中長期的にはこれらを融合させ、障がいを持つお子様から介護を必要とする高齢者までを包括的にサポートする「ワンストップの多世代支援体制」を目指します。これにより、家族全体の生活を支える事業ポートフォリオを構築いたします。

ⅲ.M&Aによる事業拡大

 社会貢献を永続させるためには、健全な利益体質が不可欠です。対人援助における「人のぬくもり」を大切にする一方、AIやDXによる業務プロセスの省力化・データ活用を徹底いたします。現場の付加価値を高めながら、生産性向上と収益性へのこだわりを両立させることで、安定した経営基盤を維持します。将来にわたってサービスを提供し続ける責任を果たし、ステークホルダーの皆様の期待に応えてまいります。

 「tenoVISION2030」の最終年度である2030年12月期においては、連結売上高300億円、営業利益率5%以上の達成を目指しております。

 

③ 「中期経営計画(2026年~2028年)」

「tenoVISION2030」の実現に向けて「中期経営計画(2026~2028)」においては、以下の基本方針を掲げ、主力事業の安定成長と新規事業による事業拡大に取組んでまいります。なお数値目標については、経営環境の変化等に柔軟に対応するため原則として毎期改定を行うローリング方式を採用しております。

 

イ.保育事業(公的保育・受託保育)における事業拡大(M&Aによる事業拡大も含む)

ロ.「サービス品質」を追求し、選ばれる施設づくりを行う

ハ.人事制度と人材育成制度の一体改革に着手する

ニ.新規事業(保育以外の主力事業へ)を立ち上げる(将来への投資として、多くの種まきを行う)

ホ.介護事業における事業拡大に注力し、保育事業に続く柱の事業へ成長させる

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、最善の経営戦略を立案し、企業価値を最大限に高めることに努めております。当社グループが今後より一層の業容拡大を推進し、より良いサービスを実現するためには、様々な課題に対処していくことが必要であり、以下の5項目を対処すべき課題として認識しております。なお、最重点課題として人材の確保を掲げ、「tenoVISION2030」の達成に向けて「人材を持続的に確保・育成できる」ことを最初の取組みとしており、当社グループが考える理想的な循環実現のために対応してまいります。

 

①人材の確保・育成

 当社グループの事業は、労働集約型の事業であり、保育士、調理師、介護士や看護師等の資格を有する優秀な人材の確保が急務となっています。特に保育士や介護士の有効求人倍率は依然全国的に高位に推移しており、都市圏を中心に人材の確保が難しい状況が続いております。このような中、当社グループではこれまでの経験者を中心とした中途採用に加え新卒採用や新たなルート開拓により、人材紹介会社経由の採用に依存しない採用経路確保に取組んでおります。しかしながら、人材の確保は単なる入り口の議論に留まるべきではなく、入社後の「活躍」と「定着」が伴って初めて事業成長の原動力となります。そのため、給与条件の改善をはじめ、多様な働き方のためのキャリアパス設計、研修制度の充実、人事評価制度の見直し等を通じた総合的な処遇改善への取り組みや、保育園と本部が一体となって保育士の働きがいの向上に取り組むプロジェクトとしてチームエンゲージメントセンター(TEC)を立ち上げるなど、優秀な人材の確保に向けた施策を推進しております。

 

② 既存事業における「質」の向上

 昨今の保育・介護業界を取り巻く環境は、単なる「受け皿の確保」という量的拡大のフェーズから、一人ひとりの利用者に寄り添った「サービスの質の向上」が厳格に問われる質的転換期を迎えております。特に、安全管理の徹底や個別ニーズへの細やかな対応は、社会保障の一端を担う事業者に課せられた最重要の社会的責務となっており、保育・介護共に「選ばれる施設」としての価値の提供が求められております。

 当社グループは、圧倒的な付加価値を創出すべく、「保育みらい研究所Compass」を核としてメソッドの構築やICTやAI技術を駆使した業務変革に取組んでおります。タブレット機器による事務作業の削減や、見守りカメラ・AI分析の導入は、単なる効率化を目的とするものではありません。これらは、従業員を作業から解放し、子どもや高齢者と向き合うという「専門業務の本質」に集中するための環境整備であり、デジタル活用によって生み出された時間的・心理的ゆとりを、利用者一人ひとりへの深い洞察と関わりに再投資する点に当社の独自性があります。

 さらに、この「ケアの質」を支える基盤として、専門性の向上と働く従業員のエンゲージメントの向上も不可欠と捉えております。研修機会の拡充によるスペシャリストの育成と、総合的な処遇改善を並行して推進することで、職員の心身のゆとりがサービスの質へと直結する好循環を構築いたします。最先端のテクノロジーによるバックアップと、それによって最大化された人間味あふれる温かなケア。この両立こそが他社との決定的な差別化要因であり、今後も持続可能な就業環境の整備を通じて、優秀な人材が誇りを持って定着し続ける環境を追求してまいります。

 

③コンプライアンスへの取組み

 当社グループが担う保育・介護事業は、利用者の生命と尊厳を預かる極めて公共性の高い職務であり、法令遵守はもとより、社会からの揺るぎない信頼に応えるための高い倫理観と透明性の確保が不可欠です。全国に多数の施設を展開し、多くの従業員を擁する当社グループにおいて、コンプライアンスの徹底は単なる組織の枠組み整備に留まらず、現場の最前線で働く一人ひとりの日常的な判断や行動にまでいかに浸透させるかが最重要の課題であると認識しております。

 この課題に対し、当社グループでは社内規程の拡充や相談窓口の設置といったハード面の整備に加え、現場の実情と乖離させないための「自分事化」を促す教育体制を強化しております。具体的には、施設ごとに発生し得るリスクを想定した事例検討会や、双方向型のコミュニケーションを重視した階層別研修を継続的に実施することで、コンプライアンスを形式的な知識から、現場での具体的な行動指針へと昇華させております。また、ハラスメントの防止や個人情報の厳格な管理についても、問題の早期発見・早期解決に向けた「声の上げやすい」組織風土の醸成と並行し、万が一の事態に対する即応体制の構築に注力してまいります。

 全国に広がる各拠点において、全従業員が自律的に正しい判断を下せる体制を築くことは、結果として不祥事の未然防止のみならず、提供するサービスの安心・安全という「質の向上」にも直結するものです。今後も、本部と現場が一体となったコンプライアンス経営を推進し、全社一丸となって社会的信頼の維持・向上に努めることで、持続可能な社会基盤としての役割を果たしてまいります。

 

 

④安定的な資金調達の確保と財務基盤の強化

 成長戦略の加速に不可欠な資金流動性を維持しつつ、強固な財務体質を構築することは、当社グループの持続的な企業価値向上における根幹の課題です。

 保育・介護施設の戦略的な開設や、機動的なM&Aを継続的に推進するためには、投資資金の量的な確保に加え、調達コストの最適化と財務の健全性を高める多層的な施策が求められます。当社グループでは、複数の金融機関との強固な信頼関係に基づき、市場環境に左右されない安定的な資金調達チャネルを維持するとともに、シンジケートローンやコミットメントラインの活用などを通じて、成長機会を逃さない機動的な資金供給体制を確立しております。

 しかしながら、真に盤石な財務基盤を構築するためには、外部調達に依存するだけでなく、既存事業における収益性の抜本的な強化によるキャッシュ・フローの最大化が不可欠です。不採算部門の改善やDXによる運営効率の向上を徹底し、自己資金の創出力を高めることで、攻めの投資を支える強靭な財務構造への転換を急いでおります。これら外部調達の安定化、既存事業の収益力強化を通じて、健全な成長を裏付ける強固な財務基盤の構築に邁進してまいります。

 

⑤事業領域の拡大及びM&AとPMIの推進

 当社グループは、持続的な企業価値の向上を実現するため、既存事業の質的深化に留まらず、周辺領域への戦略的な事業拡張が不可欠であると認識しており、「私たちは、女性のライフステージを応援します。」という経営理念を具現化する事業ドメインを再定義し、収益基盤の多角化に向けた施策を加速させております。第一の重点課題として、介護事業を保育に次ぐ「第二の柱」へと成長させるべく、機動的なM&Aを推進してまいります。ここでは単なる規模の拡大を目的とせず、買収後の経営管理体制を迅速に整備し、グループのノウハウを融合させるPMIを徹底することで、統合シナジーを早期に創出できる強固な事業ポートフォリオを構築いたします。

 第二に、女性のあらゆるライフステージに寄り添うべく、従来の保育・介護の枠組みを超えた生活関連支援事業などの新規事業探索にも注力しております。ライフスタイルが多様化する現代において、利用者の潜在的なニーズを的確に捉え、社会的価値と経済的利益を両立させる新たなサービスの創出を目指します。これら既存領域の強化と新領域への挑戦を並行して進めることで、外部環境の変化に左右されない強靭な経営基盤を確立してまいります。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

サステナビリティ共通

 当社グループは、長期ビジョン「tenoVISION2030」を掲げ、“女性”が育児をしても、家事をしても、介護をしてもなお、働き続けられる社会の実現へ向けて企業活動を推進しています。

 また、事業を通して社会貢献を行うとともに、持続的に成長することを目標に掲げております。この目標を実現するためには、ステークホルダーの皆様との対話を通じて取り組むべきESG課題を特定すると共に、持続可能な開発目標(SDGs)に貢献するような視点・側面からの取り組みを推進していくことが重要だと考えております。こうしたサステナビリティへの取り組みについて、期待と信頼に応えるべく継続して改善を図り、さらなる企業価値の向上と持続可能な社会に貢献する企業を目指しております。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、サステナビリティを中長期的な企業価値向上のための重要な経営課題の一つと位置付けております。

 当社は、2026年3月開催の定時株主総会における決議を経て、監査等委員会設置会社へ移行いたしました。これにより、独立性の高い社外取締役が過半数を占める監査等委員会が取締役の職務執行を監督するとともに、取締役会によるサステナビリティ戦略の推進に対する監督機能を一層強化しております。現時点においてサステナビリティに特化した委員会は設置しておりませんが、監査等委員会設置会社への移行を機に、取締役会においてサステナビリティに関するリスクと機会の審議を深化させ、経営戦略との連動性を高める体制を構築してまいります。

 今後も、この新たな統治構造のもとでコンプライアンスを基盤とした経営を徹底し、持続可能な社会の実現とコーポレート・ガバナンスのさらなる高度化に努めてまいります。

 詳細は、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。

 

(2)戦略

①気候変動リスク

 環境政策と法規制並びに異常気象による自然災害の発生頻度が高まることにより物流コスト及びエネルギー価格や食材価格の高騰、地球温暖化等による運営施設の劣化に対する修繕費の増加や保険料の上昇による事業活動へのマイナス影響が想定されることから、業務のデジタル化、施設やオフィスにおける省エネ活動などによるリスク低減を図ってまいります。

 

②人材育成方針

 当社グループは、長期ビジョン「tenoVISION2030」の中で、時代に求められるサービスを提供するプロフェッショナル集団となり、働き手にとって最も自己実現が可能な家庭総合サービスグループを目指すことを掲げており、求める人物像として以下の人材を育成・採用することとしております。

・グループの価値観を共有し、「幸せ」を追求することにやりがいを感じる人材

・自身の仕事に誇りをもって取り組める人材

・多様性を尊重し、他者と協力しビジョン実現に貢献できる人材

・自ら考え、判断し、行動できる自律型人材

 

③社内環境整備方針

 当社グループの社内環境整備として、以下を実施しており、従業員が快適に働いていけるような環境づくりに取り組んでおります。

・従来の福利厚生に加え従業員満足度向上を目的とした更なる福利厚生の充実

・有給休暇の取得推進や夏季休暇及び冬期休暇等を設け、従業員が健全な生活を送れるようにワークライフバランスの整備への取り組み

・メンタルヘルス・マネジメント検定資格保持者による、メンタルケアの実施

・チームエンゲージメントセンターの更なる推進

(注)チームエンゲージメントセンターとは、職員一人ひとりにとって「いきいき働ける会社」、「働き続けたい会社」であるために「働きがい」に着目し本部・保育園が一体となって実施するプロジェクト組織です。

 

(3)リスク管理

 当社グループの成長と利益は、保育、調理、看護、介護の専門性に基づいて顧客に価値を提供する優秀な人財の確保・育成に大きく影響されます。こうした優秀な人財の確保・育成が想定どおりに進まない場合、事業計画の達成が困難になることが考えられます。これによって、利用者の生活に多大なる影響を及ぼすこととなり、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があることから、重要リスクであると認識しています。

 また、気候変動に関するリスクについては、直接的な影響があるとは考えないものの、気候変動による物価の上昇等の間接的なリスクが発生すると考えております。

 事業活動に関するリスクについては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

(4)指標及び目標

 当社グループは、現時点において、事業の性質上、気候変動問題が重大な影響を及ぼすことは想定されないと考えており、指標及び目標は設定しておりません。しかしながら、エネルギーコスト上昇による運営費の増加や利用者の健康管理などの影響があるものと想定されます。また、温室効果ガスを主原因とする気候変動は、私たちの日常生活や経済・社会活動にさまざまな影響を与えており、すべての国が参加する国際的な枠組みにおいて取り組まれている課題であると認識しております。

 

 上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材育成方針及び社内環境整備方針については、次の指標を用いており、当該指標に関する目標及び実績は次のとおりです。

 

指標

目標年

目標数値(

2025年度実績(%)

管理職に占める女性の割合

2030年

50.0(87.5)

32.3(83.1)

男性の育休取得率

2025年

60.0

72.7

女性の育休取得率

2025年

100.0

98.8

(注)管理職に占める女性の割合について、( )内は現場含む数値となっております。

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 少子化

 当社グループは、主に0歳児から5歳児を対象とした保育サービスを提供することで、保育事業(公的保育及び受託保育)を展開しております。少子化が急速に進行し市場が著しく縮小した場合には、運営する施設への入所児童数の減少により、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② 人材の確保

 当社グループが提供する各種サービスにおきましては、保育士、調理師、看護師、介護士等の専門的人材が不可欠であります。これら人材を確保するために、人材紹介会社との取引拡大、自社による人材確保戦略の拡充等、人材確保における多チャネル化を進めておりますが、施設数の増加に人材の確保が追い付かない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 保育現場等での事故に関するリスク

 当社グループは、保育施設等の運営にあたり、児童及び利用者の安全を第一に考え、万全の配慮をいたしております。しかしながら、重大な事故が発生した場合、当局から営業停止の命令を受けることで、多くの児童及び利用者が退園もしくは退所することも考えられます。この場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

④ 法的規制等

 当社グループの保育事業において運営しております保育施設につきましては、児童福祉法に基づき許認可等を受けております。保育所の種類は認可保育所等いくつかの種類に分類されますが、いずれの形態の保育所も保育所ごとに許認可権限を持つ行政機関へ保育所設置の申請を行い、審査を経たうえで許認可が付与されます。

 本書提出日現在において、当社グループの保育事業において運営している保育所に許認可等取消し事由は発生しておりませんが、何らかの要因により行政機関からの許認可が取消された場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 当社グループのその他において、労働者派遣事業及び有料職業紹介事業を、厚生労働大臣の許可等を受けて行っておりますが、一定の欠格事由に該当した場合は行政処分を受けることがあります。本書提出日現在において、当社グループのその他において当該認可等の取消し、又は事業の停止等となる事由は発生しておりませんが、何らかの要因で当該事業許可等の取消し、又は事業の停止等を命じられるようなことがあれば、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 また、当社グループが現在運営する事業に関連する法規制は、児童福祉法及び食品衛生法が主なものですが、今後、当社グループが運営する事業に関連する法規制の制定・改廃等が行われた場合、当社グループの事業活動が制約を受け、業績に影響を与える可能性があります。

 

セグメントの名称

法令名

許認可等

の名称

監督官庁

主な取消事由

保育事業

(公的保育)

児童福祉法

認可

厚生労働省、都道府県及び市町村

・関係法令の規定水準に達しない場合や給付費の請求に関し不正があったとき

・改善命令や事業の停止命令に従わず、違反したとき

保育事業

(受託保育)

児童福祉法

(受託事業者として間接的に適用を受けるものです)

厚生労働省、都道府県及び市町村

・関係法令の規定水準に達しない場合や給付費の請求に関し不正があったとき

・改善命令や事業の停止命令に従わず、違反したとき

 

 

セグメントの名称

法令名

許認可等

の名称

監督官庁

主な取消事由

保育事業

(その他保育)

児童福祉法

企業主導型保育事業に係る助成

厚生労働省、内閣府

・関係法令の規定水準に達しない場合や給付費の請求に関し不正があったとき

・改善命令や事業の停止命令に従わず、違反したとき

介護事業

介護保険法

指定(許可)

厚生労働省、都道府県及び市町村

・関係法令の規定水準に達しない場合や介護報酬の請求に関し不正があったとき

・改善命令や事業の停止命令に従わず、違反したとき

健康保険法

指定保険医療機関(または指定訪問看護事業者)

厚生労働省(地方厚生局)

・関係法令の規定水準に達しない場合や診療報酬(訪問看護療養費)の請求に関し不正があったとき

・改善命令や事業の停止命令に従わず、違反したとき

児童福祉法

指定

都道府県及び市町村

・関係法令の規定水準に達しない場合や給付費の請求に関し不正があったとき

・改善命令や事業の停止命令に従わず、違反したとき

障害者総合

支援法

指定

都道府県及び市町村

・関係法令の規定水準に達しない場合や給付費の請求に関し不正があったとき

・改善命令や事業の停止命令に従わず、違反したとき

その他

労働者派遣法

労働者派遣事業許可

厚生労働省

・許可の欠格事由に該当するとき(労働者派遣法第6条に定められている条項に抵触した場合等)

・労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律もしくは職業安定法の規定又はこれらの規定に基づく政省令もしくは処分に違反したとき

職業安定法

職業紹介事業許可

厚生労働省

・許可の欠格事由に該当するとき(職業安定法第32条に定められている条項に抵触した場合等)

・職業安定法の規定又はこれらの規定に基づく政省令もしくは処分に違反したとき

 

⑤ 食の安全性

 当社グループでは、食品衛生法に基づき、厳正な食材管理並びに衛生管理を実施し、食中毒などの事故防止に努めております。しかしながら、何らかの原因により食の安全性に関する重大な問題が発生した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 感染症の流行

 当社グループでは、多くの利用者に安全な保育サービス等を提供するため、感染症について厳重に対応しておりますが、新型インフルエンザやノロウイルス、新型コロナウイルス感染症などの感染症が流行し、利用者が大きく減少し、従事する従業員が多数欠勤し、保育所の運営が困難となる可能性があります。その場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 大規模な災害

 当社グループは、九州全域また首都圏内において多数の保育所を運営しておりますが、地震、火災、台風等の自然災害等の発生により利用者や従業員、保育所の建物等が被害を受けた場合には保育所の運営が困難となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

⑧ 少額短期保険の引受について

 当社グループの少額短期保険事業においては、台風等の自然災害に関わるリスクなど様々なリスクを引き受けております。保険料設定時に想定している経済情勢や保険事故発生率等が、その想定に反して変動した場合には、当社グループの業績や財政状態に影響が生じる可能性があります。このような場合に備えて、保険業法の定めにより異常危険準備金等を積み立てておりますが、この準備金等が実際の保険金支払に対して十分でない可能性もあります。このような予測を超える頻度や規模で自然災害が発生した場合には、当社グループの業績や財政状態に影響が生じる可能性があります。

 

⑨ 個人情報の管理

 当社グループの保育施設では、数多くの利用者の個人情報を保持しております。これらの個人情報の取扱いは、厳重に管理しておりますが、漏えいするようなことがあった場合、利用者からだけではなく、社会的な信用を失います。その結果、保育所等の新規開設に影響が出る等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑩ 従業員のコンプライアンス

 当社グループは、「私たちは、コンプライアンスを推進します。」を経営理念に掲げ、誠実な企業グループを目指しております。「リスク・コンプライアンス管理規程」をはじめとする規程を定め、リスクを認識し対応を行っております。また、規程に基づいた様々なリスクを統括的に管理するために、毎月「リスク・コンプライアンス委員会」を開催し、リスクへの対策や未然防止に取り組んでおります。しかしながら、法令違反などコンプライアンス上の問題が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑪ 季節変動

 当社グループにおける保育所等は年度初め4月に新規開設されるものが多くなる傾向があります。そのため、第2四半期連結会計期間(4月~6月)において、多額の新規開設費用(売上原価内の経費:主に保育備品や什器設備等、販売費及び一般管理費内の経費:人材紹介料を含む採用費)、補助金収入(特別利益へ計上)、固定資産圧縮損(特別損失へ計上)が計上される傾向にあります。

 

⑫ 資金調達

 当社グループの当連結会計年度末の借入金残高は5,575百万円、総資産額に占める比率は53.5%となっております。当社グループの保育事業及び介護事業におきましては、新規開設に関する設備資金等は金融機関からの借入等により調達することとしておりますが、外部借入への依存度が高く、金利の急激な変動や金融情勢の変化によって計画どおり資金調達ができなかった場合には、新規開設が制約されるなど当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑬ 固定資産の減損に関するリスク

 当社グループの保育事業の業績が今後著しく悪化し、保育設備における有形固定資産の減損処理が必要となった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、M&Aにより事業拡大を図ることを成長戦略の一つとして推進しております。M&Aにおいては、将来にわたり安定的な収益力を確保できることを十分に検討しておりますが、将来、計画どおりに収益を確保できない場合にはのれんに係る減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑭ 繰延税金資産の回収可能性について

 当社グループは、将来の課税所得の予測に基づき繰延税金資産の回収可能性の判断を行っています。しかし、将来の課税所得の予測が変更され、繰延税金資産の一部ないし全部が回収できないと判断された場合は、繰延税金資産を減額することで、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑮ 創業者への依存

 当社グループの創業者は代表取締役社長である池内比呂子であります。同氏は、当社設立以来の最高経営責任者であり、経営方針や経営戦略の決定をはじめ、会社の事業推進及び営業施策とその推進において重要な役割を果たしております。

 当社グループでは、各業務担当取締役及び部門長を配置し、各々が参加する定期的な会議体にて、意見等の吸い上げや情報共有などを積極的に進めております。また、適宜権限の委譲も行い、同氏に依存しない経営体質の構築を進めておりますが、何らかの理由により同氏に不測の事態が生じた場合、又は、同氏が退任するような事態が発生した場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、判断したものであります。

 

(1)経営成績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、各企業の積極的な賃上げ姿勢の継続や堅調なインバウンド需要、デジタル化・省力化を目的とした積極的な設備投資により緩やかな回復を維持したものの、米国の関税政策の影響に加えて、国際情勢不安、金融政策の正常化に伴う金利動向、慢性的な人手不足などにより、先行きは依然として不透明な状況となっております。

当社グループの主たる事業である保育業界の事業環境においては、未婚率の増加や女性の社会進出の増加などを背景に、2024年度の出生数が過去最少の68万人となり少子化の深刻化は依然として最大の課題であります。

このような状況を受け、こども家庭庁は「こども大綱」に基づく「こども未来戦略」を公表し、「次元の異なる少子化対策」として2024年度から2026年度末までの3年間の加速化プランを実行フェーズに移しております。このプラン実現に向け、2024年6月に「子ども・子育て支援法」を一部改正することで法的な枠組みを強化し、同年10月には第3子以降の児童手当などを引き上げることによって経済的支援の拡充を図っております。また、2025年4月からの育児休業給付の給付率が引き上げや、育児時短就業給付の創設など、様々な子育て支援策が施行され、育児と就労の両立支援を大きく前進させております。さらに、東京都においては、国の施策に加え、2025年9月から0歳から2歳までの第一子保育料を所得制限なしで無償化する独自の支援策が始まります。この大都市圏における経済的支援の大幅な拡充は、保育サービスの利用促進と、地域間の保育ニーズ構造の変化に強い影響を与えるものと見られます。

一方で、長年の課題であった待機児童問題は、受け皿整備の進展により、2017年ピーク時の26,081人から2025年4月時点では2,254人となり大幅に減少いたしました。この状況を踏まえ、2024年12月こども家庭庁は「保育政策の新たな方向性」を公表し、保育政策の焦点は、「保育の量の拡大」から「保育の質の確保・充実」へと明確に転換いたしました。2024年12月の「保育政策の新たな方向性」や、2025年6月公表の「こどもまんなか実行計画」が示す通り、2026年4月本格開始に向けた「こども誰でも通園制度」と合わせ、サービスの質の向上、多様化への対応が不可欠な局面を迎えております。

このような事業環境の中、当社グループは長期ビジョン「tenoVISION2030」の実現に向け、変化する保育ニーズを的確に捉え、持続的な成長基盤の構築に邁進いたしました。主力の公的保育事業においては、政策の焦点が「量の拡大」から「質の充実」へ移行する中、保育士の処遇改善とICT活用による業務効率化を推し進め、選ばれる園づくりに注力いたしました。また、深刻化する「小1の壁」という社会課題に対し、当社の運営ノウハウを活かした学童保育の受託を積極的に推進した結果、当連結会計年度において受託実績が32件増加するなど、共働き世帯の多様なライフスタイルを支える受け皿づくりに貢献いたしました。

さらに、保育事業に次ぐ第二の柱の構築を加速させるべく、介護・福祉分野への領域拡大を企図した成長投資を実行いたしました。戦略的なM&Aおよび事業譲受における高齢者介護施設および障がい福祉施設の増加により、グループ全体でのケアサービスの提供体制を拡充しております。

 

当連結会計年度における新規に運営を開始した施設は以下の50施設です。

なお、介護事業の運営施設数には2025年1月に子会社化した株式会社飛翔及び株式会社愛翔会の運営施設4施設を含めて記載しております

 

(保育事業) 合計41施設

 企業内・病院内保育施設  9施設

   東京都   1施設(大田区)

   山口県   2施設(山口市)

   福岡県   3施設(久留米市、太宰府市)

   宮崎県   2施設(清武町)

   沖縄県   1施設(沖縄市)

 学童保育         32施設

   東京都   1施設(足立区)

   大阪府   1施設(吹田市)

   福岡県   30施設(大木町、福津市、直方市)

 

(介護事業) 合計9施設

 障がい福祉施設       4施設

   愛知県   4施設(岡崎市)

 住宅型有料老人ホーム    5施設

   奈良県   1施設(香芝市)

   愛知県   4施設(名古屋市)

 

 上記を踏まえ、2025年12月末時点の運営施設数は、保育事業において314施設(認可保育所47施設、小規模認可保育所19施設、受託保育所129施設、学童保育所79施設、わいわい広場33施設、認可外保育所4施設、地域型保育事業施設2施設、バイリンガル幼児園1施設)、介護事業において27施設(通所介護施設(デイサービス)3施設、住宅型有料老人ホーム9施設、サービス付高齢者向け住宅2施設、特定施設入居者生活介護老人ホーム1施設、障がい福祉施設12施設)、料理教室55校の計396施設となっております。

 

 この結果、当連結会計年度における、売上高は18,129百万円(前期末比13.2%増)、営業利益は631百万円(同225.2%増)、経常利益は604百万円(同235.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は110百万円(前年は466百万円の損失)となりました。

また、2024年2月1日に行われた株式会社ウイッシュ及び同社の子会社である株式会社子育てサポートとの企業結合について前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度において確定しております。この暫定的な会計処理の確定に伴い、確定後の前連結会計年度の数値に基づき前年同期比較を行っております。

 

 以上により、当社グループの経営成績は以下のとおりとなりました。

(売上高)

 売上高につきましては、18,129百万円(前期末比13.2%増)となりました。これは主に、保育事業において認可保育所の公定価格が改定されたことが売上に寄与したほか、保育事業、介護事業におけるM&Aによる株式取得、新規開設等により、施設数が増加したことによるものです。

(売上原価)

 売上原価につきましては、15,155百万円(前期末比11.2%増)となりました。これは主に、新規施設の開設等に伴う人員の増加、及び処遇の改善による労務費の増加、また、運営施設及び子会社の増加に伴う経費の増加によるものです。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 販売費及び一般管理費につきましては、2,342百万円(前期末比6.8%増)となりました。これは主に、子会社株式の取得関連費用及び子会社の増加によるものです。なお、売上高販管費率は前連結会計年度が13.7%であったところ、当連結会計年度は12.9%となりました。

 この結果、営業利益は631百万円(同225.2%増)となりました。

(営業外損益と経常利益)

 営業外収益につきましては35百万円(前期末比58.8%増)、営業外費用につきましては62百万円(同71.0%増)となりました。営業外収益の増加は、主に放課後等デイサービスを運営する子育てサポートのフランチャイズ契約解除による違約金及び保育事業における助成金によるものです。営業外費用の増加は、主に支払利息の増加によるものです。

 この結果、経常利益は604百万円(同235.7%増)となりました。

(特別損益と親会社株主に帰属する当期純利益)

 特別利益につきましては4百万円(前期末比95.2%減)、特別損失につきましては204百万円(同60.6%減)となりました。特別利益は、前連結会計年度に発生した一時的な要因(店舗退店に伴う保証金の入金)が解消された結果減少いたしました。特別損失については、料理教室を運営するホームメイドクッキングにおきまして、株式取得時に発生したのれんについて将来計画を見直した結果、当初想定していた収益が見込めなくなったと判断し、

減損損失等の特別損失を200百万円計上することとなりました。

 税金等調整前当期純利益につきましては404百万円(前年は251百万円の損失)となり、法人税、住民税及び事業税を285百万円、法人税等調整額を8百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は110百万円(前年は466百万円の損失)となりました。

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

 

(保育事業)

 保育事業におきましては、当連結会計年度において新規に開設した施設が41施設あり、既存施設を含む各施設において、保育の質の向上に注力いたしました。

 売上高は今年度の公定価格が改定されたことが増収に寄与した他、前年度に新規開設したバイリンガル幼児園の園児数の増加、また、企業内・病院内保育の新規施設9施設の受託、さらに学童32施設の新規受託獲得によって増収となりました。費用面では、保育士等の処遇改善による労務費の増加、物価高騰による経費が増加したものの、認可保育所の増収幅が経費の増加を上回ったことにより増益となりました。

この結果、当連結会計年度における売上高は13,624百万円(同11.6%増)、セグメント利益は1,236百万円(同48.3%増)となりました。

 

(介護事業)

 介護事業におきましては、当連結会計年度において株式会社フォルテが実行した株式会社飛翔および株式会社愛翔会の株式取得、また、住宅型有料老人ホーム「ほっぺるの家香芝」の新規開設により施設数が増加し増収となりました。一方、事業拡大に伴う戦略的な投資により経費は増加しておりますが、増収幅が減益要因を上回ったことにより増益となりました。

この結果、当連結会計年度における売上高は1,963百万円(同72.8%増)、セグメント利益は51百万円(前年は65百万円の損失)となりました。

 

(生活関連支援事業)

 生活関連支援事業におきましては、料理教室を運営する株式会社ホームメイドクッキング及び少額短期保険を扱うセーフティージャパン・リスクマネジメントにて構成しており、料理教室において顧客数が減少したこと、また少額短期保険では新規顧客の減少により減収となりました。しかしながら、経費の減少により増益となりました。

 この結果、当連結会計年度における売上高は2,341百万円(同4.1%減)、セグメント損失は46百万円(前年は88百万円の損失)となりました。

 

(その他)
 その他におきましては、主に幼稚園や保育所等に対する保育人材の派遣及びtenoSCHOOL(テノスクール)における自治体主催の研修事業獲得、結婚相談所事業に注力いたしました。また、管理部門においてシステムの導入など、中長期的な投資を行いながらも経費削減を実施しました。

 この結果、当連結会計年度における売上高は200百万円(同15.3%減)、セグメント利益は7百万円(同74.7%増)となりました。

 

 当社グループでは、中長期的な経営の方向性を「tenoVISION2030」で示し、「中期経営計画(2026年~2028年)」において以下の経営指標の目標値を定めております。

 なお、目標達成に向けた重点施策については、『第2事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標及び (3) 経営環境 ②「tenoVISION2030」並びに③「中期経営計画(2026年~2028年)」』に記載しております。

 当該計画につきましては、2026年12月期から始まる3か年の中期経営計画として策定しております。

(百万円)

2026年12月期

2027年12月期

2028年12月期

売上高

19,500

21,200

23,200

営業利益

645

805

948

 

 

 

 生産、受注及び販売の実績は、以下のとおりであります。

(生産実績)

 当社グループは、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

(受注実績)

 当社グループは、受注生産を行っていないため、該当事項はありません。

 

(販売実績)

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

販売高(百万円)

前年同期比(%)

保育事業

13,624

11.6

介護事業

1,963

72.8

生活関連支援事業

2,341

△4.1

  報告セグメント計

17,929

13.6

その他

200

△15.3

合計

18,129

13.2

 (注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

東京都中央区

1,402

8.8

1,549

8.5

東京都板橋区

1,396

8.7

1,493

8.2

 (注)1.上記は保育事業における同区からの保育園運営に関する補助金収入であり、売上高として計上しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の相手先はありませんが、参考として主要な相手先を記載しております。

 

(2)財政状態

(資産)

 当連結会計年度末の資産につきましては、10,429百万円(前期末比669百万円増)となりました。

 流動資産につきましては、4,964百万円(同525百万円増)となりました。これは、現金及び預金が347百万円増加し、売掛金及び契約資産が187百万円増加し、流動資産のその他が25百万円減少したためであります。

 固定資産につきましては、5,464百万円(同144百万円増)となりました。これは、主に有形固定資産が306百万円増加、無形固定資産が240百万円減少、投資その他の資産が78百万円増加したためであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末の負債につきましては、8,625百万円(前期末比600百万円増)となりました。

 流動負債につきましては、5,264百万円(同316百万円増)となりました。これは、主に短期借入金が82百万円減少、1年以内返済予定の長期借入金が7百万円増加、未払金が167百万円増加、未払法人税等が117百万円増加、契約負債が33百万円増加、流動負債のその他が40百万円増加したためであります。

 固定負債につきましては、3,361百万円(同284百万円増)となりました。これは、主に長期借入金が283百万円増加したためであります。

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産につきましては、1,804百万円(前期末比68百万円増)となりました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益計上及び2025年3月21日にその他資本剰余金の一部を利益剰余金に振り替えたことにより利益剰余金が218百万円増加したためであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の獲得が1,037百万円、投資活動による資金の減少が531百万円、財務活動による資金の減少が205百万円であったことにより、前連結会計年度末に比べ299百万円増加し、2,395百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は1,037百万円(前連結会計年度は691百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が404百万円、減価償却費が329百万円、のれん償却額が188百万円、法人税等の支払による支出164百万円及びその他56百万円の収入によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は531百万円(前連結会計年度は916百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出208百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出192百万円、事業譲受による支出33百万円、敷金及び保証金の差入による支出90百万円、補助金の受取額4百万円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は205百万円(前連結会計年度は458百万円の獲得)となりました。これは主に長期借入れによる収入630百万円、短期借入金の純減額99百万円、長期借入金の返済による支出694百万円及び配当金の支払額40百万円によるものです。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

② 資金需要

当社グループの資金需要の主なものは、新規に開設する保育施設や介護施設の設備投資に係る設備資金需要、保育施設や介護施設における備品購入費及び人材採用費等の運転資金需要、M&Aの買収資金であります。

③ 財政政策

当社グループは、当社と連結子会社の資金管理の一元化を図り、連携をとることにより資金効率の向上に努めております。また、事業活動のための資金調達、適切な流動性の維持及び財務構造の安定化を図ることに注力しております。新規に開設する保育施設や介護施設の設備投資や運転資金といった資金需要については、主には金融機関からの借入によって調達しております。

 

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

5【重要な契約等】

 当社は、2025年1月10日に当社の連結子会社である株式会社フォルテを通じて株式会社飛翔及び株式会社愛翔会の株式を取得し、子会社化いたしました。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。

 当社は、2026年2月20日開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社テノ.コーポレーションを通じて、こどもファースト・ジャパン株式会社の株式を取得し、子会社化(孫会社)することについて決議いたしました。2026年4月1日付で全株式の取得を予定しております。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」

をご参照ください。

 

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。