文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。
当社グループでは、私たちの使命や考え方の基盤、行動の原則をMissionを頂点に据えた「Nissha Philosophy」に定め、大切にしています。Missionは当社が果たすべき使命を、またShared Valuesは組織の価値観をそれぞれ表しています。
私たちは世界に広がる多様な人材能力と情熱を結集し、継続的な技術の創出と経済・社会価値への展開を通じて、人々の豊かな生活を実現します。
Customer is Our Priority
私たちは、お客さま価値の最大化を追求します。
Diversity and Inclusion
私たちは、多様な人材能力が対等に関わり合うことにより、組織の実行力を高めます。
Commitment to Results
私たちは、成果を出すことにこだわります。
Accomplished with Efficiency
私たちは、スピード重視で仕事を完遂します。
Act with Integrity
私たちは、誠実に行動し、信頼される企業であり続けます。
当社グループは、Missionのもと、サステナビリティビジョン(長期ビジョン)として、多様な技術や人材能力の結集・融合により、メディカル・モビリティ・環境に関わるグローバルな社会課題の解決に貢献することで、経済・社会価値の創出を目指しています。その骨子は以下のとおりです。
・事業活動を通じた社会課題の解決
・医療課題の解決、安全・快適なモビリティの実現、循環型社会への貢献
② 経済価値の創出
・売上高3,000億円(うち1,500億円がメディカル分野)
・ROE15%
・営業利益率12%
当社グループは、サステナビリティビジョン(長期ビジョン)の実現に向け、第8次中期経営計画(3カ年)を2024年から運用しています。第8次中期経営計画では、安定的な成長と資本効率性の向上を志向し、これまでに構築した事業ポートフォリオの強化を通じて、利益率の向上と安定化に取り組んでいます。
メディカル、モビリティ、サステナブル資材などの市場においては、オーガニックな成長とM&Aの両面で事業を拡大し、社会課題の解決に資する製品群・サービスの拡充を目指します。IT機器市場においては、生産体制の最適化を含めた生産性・効率性の改善を追求します。
また、将来の持続的な成長を実現するために、自社開発に限らず業務提携やM&Aなどを通じて、新たな事業や製品群の開発を加速します。
サステナビリティビジョンの実現のために「事業機会の創出」「リスクの低減」「経営基盤の強化」「ガバナンスの推進」をマテリアリティとして特定しています。
当社グループのマテリアリティ
・事業機会の創出
・医療課題の解決
・移動・物流の安全性・快適性、環境負荷の低減に貢献
・サーキュラーエコノミーの推進
・リスクの低減
・気候変動への対応
・人権の尊重
・責任ある製品・サービスの提供
・持続可能な調達
・生成AIの普及に対応したデータセキュリティ
・経営基盤の強化
・人的資本の充実
・効率性・生産性の向上
・ガバナンスの推進
・取締役会の実効性の向上
・グローバルガバナンスの高度化
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
当社グループは、サステナビリティを「企業と社会の持続的な成長・発展を両立する取り組み」と捉えています。この考えのもと、社会課題を事業機会と捉え、当社の強みを活かして、その解決につながる製品・サービスを提供し続けるとともに、事業活動を支える経営基盤の強化や企業の持続性を阻害するリスクの低減、それらを適切に進めるためのガバナンスの推進に努めています。こうした活動によってMissionに掲げる経済・社会価値を創出し、人々の豊かな生活を実現します。
当社グループは、サステナビリティビジョン(長期ビジョン)として、多様な技術や人材能力の結集・融合により、メディカル・モビリティ・環境に関わるグローバルな社会課題の解決に貢献することで、経済・社会価値の創出を目指しています。
(1) ガバナンス
当社は、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しています。サステナビリティ委員会は、事業組織や担当部門およびESGタスクフォースで構成され、「事業機会の創出」「リスクの低減」「経営基盤の強化」「ガバナンスの推進」のそれぞれのテーマに関連するマテリアリティについて、連携して活動しています。
ESGタスクフォースは、ESGの観点から重要とされる「気候変動への対応」を部門横断で推進するために設置され、当社の取り組みを加速させる役割を担っています。
サステナビリティ委員会は、マテリアリティごとの戦略項目、目標(KPI・アクションアイテム)について、事業組織や担当部門およびESGタスクフォースから、定期的に進捗の報告を受けて確認しています。また、その活動状況を年1回取締役会に報告しています。
取締役会は、サステナビリティ委員会の活動状況を監督するとともに、サステナビリティ委員会からの報告内容について議論し、必要に応じて改善を指示しています。

(2) リスク管理
当社グループは、サステナビリティビジョン(長期ビジョン)を実現するために特に重要性の高い項目をマテリアリティとして特定し、具体的な戦略項目、目標(KPI・アクションアイテム)を設定し取り組んでいます。マテリアリティは「事業機会の創出」「リスクの低減」「経営基盤の強化」「ガバナンスの推進」の視点で、「社会・ステークホルダーにとっての重要度」と「当社グループにとっての重要度」の2軸を用いて分析し優先順位付けを行っています。その結果の妥当性をサステナビリティ委員会で議論・検証し、取締役会での審議および決議を経てマテリアリティを特定しています。
サステナビリティ委員会は、年1回総会を開催し、取締役会で決議されたマテリアリティを推進する事業組織や担当部門およびESGタスクフォースが設定した戦略項目、目標(KPI・アクションアイテム)を承認します。
事業機会の創出にかかる活動は、事業組織が推進し、月次で開催される会議(ビジネスレビュー)において、代表取締役社長に対して報告し、代表取締役社長は事業戦略の進捗をKPIに基づいて確認し、必要なアクションを指示しています。
リスクの低減、経営基盤の強化、ガバナンスの推進にかかる活動は、担当部門およびESGタスクフォースが推進し、サステナビリティ委員会で承認された目標(KPI・アクションアイテム)に基づいて活動し、その状況を四半期ごとにサステナビリティ委員会に対して報告しています。
① 気候変動への対応
(ⅰ) 戦略
当社グループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による提言の枠組みを活用し、気候変動に関するリスクと機会が当社事業に与える財務的影響について分析しました。本分析では、当社が展開する主要な3事業を対象に短期・中期・長期の時間軸でリスクと機会を抽出し、脱炭素化がより進展する「1.5℃シナリオ」と気候変動の対策が進展しない「3℃シナリオ」を用いて、気候変動が2030年時点の当社事業に与える財務的影響を検討しました。その結果、いずれのシナリオにおいても、気候変動の影響による重大なリスクは現段階では識別されませんでしたが、引き続き、洗い出されたリスクに対して適切な対応策を実施していきます。一方で、気候変動の影響による機会については、当社の事業機会につながりうる需要の高まりを確認しました。事業別では、メディカルテクノロジー事業はその他の事業と比較して気候変動に伴うリスクやその財務への影響度が小さいことを確認しています。このことから、サステナビリティビジョン(長期ビジョン)を踏まえて当社グループが取り組むメディカル市場での事業拡大という成長戦略は、当社グループの気候変動リスクの低減にも資するものになると考えています。
リスクの分析結果
※1 リスクの大きさの評価軸:
売上高減少(年間)大:-200億円~、中:-50~200億円、小:- ~50億円 利益減少(年間) 大:-30億円~、中:-10~30億円、小:- ~10億円
※2 シナリオにおいて当該リスクが発現しない場合は「―」を記載
※3 物理リスクについては、それぞれの事業の主要な生産拠点(30拠点)についてハザードマップ、AQUEDUCTを用いて調査を実施。リスクが識別された拠点の財務への影響度は発生頻度を考慮して評価。
機会の分析結果
※1 機会の大きさの評価軸:
売上高増加(年間) 大:+200億円~、中:+50~200億円、小:+~50億円 利益増加(年間) 大:+30億円~、中:+10~30億円、小:+~10億円
※2 シナリオにおいて当該機会が発現しない場合は「―」を記載
(ⅱ) 指標と目標
当社は、気候変動に関連するリスクの評価・管理指標をCO2総排出量としています。2050年のカーボンニュートラルを見据え、2030年におけるCO2総排出量(スコープ1および2)を30%削減(2020年比)することを目標に掲げ、グループ全体でさまざまな取り組みを進めてきました。その結果、2024年度のCO2総排出量の実績は削減率48.4%となり、2030年目標を前倒しで達成しました。これを踏まえ、2025年度には目標の見直しを行い、「2035年におけるCO2総排出量(スコープ1および2)を60%削減(2020年比)」することを新たな目標に定めました。
② 人的資本・多様性
(ⅰ) 戦略
《経営戦略と人事戦略の連動》
第8次中期経営計画(2024年~2026年)における人事戦略に変更はありません。当社は中期的な人事戦略を考える際には、常に長期的に会社が目指す姿(サステナビリティビジョン)と当社が大切にしている人事の基本的な考え方(人事基本方針)に立ち返ることにしていますが、変更がないためです。当社は引き続き事業環境の変化を成長機会と捉え、具体的にはIT機器市場からメディカル、モビリティ、サステナブル資材の3市場に事業ポートフォリオを組み換えながら成長していくことを志向しています。そしてその原動力は多様な人材能力と情熱であり、当社は事業ポートフォリオと人材ポートフォリオを連動させながら、会社と社員がともに成長することを目指しています。

下図は事業セグメント別の人員構成比(正規社員および非正規社員の合計)の推移を示したものです。事業ポートフォリオ戦略の進捗に従って、人材ポートフォリオに変化が見られます。IT機器市場向けのウエイトが高いディバイス事業の人員比率は減少傾向、モビリティやサステナブル資材の成長を主導する産業資材事業とメディカル関連に従事する人員比率が増加傾向にあります。日本国内においては2019年のゾンネボード製薬㈱、2025年1月の滋賀県製薬㈱の買収を通じて医薬品の分野に成長機会を見出しています。これまでと異なる対象市場や業界に従事できる人材の獲得と育成、社員のリスキリングなどが課題となります。

このような事業ポートフォリオ戦略と連動した中期的な人事戦略の全体像は以下の戦略マップで可視化されています。人事戦略のポイントは、お客さまへの価値提案を向上させる人材能力を育成することに集約されます。

当社の価値提案の骨格は下図の通り、業界を代表するお客さまからのニーズを起点とし、そのニーズを満たす最適なソリューションをお客さまとともに考え抜くところから始まります。次に当社の6つのコア技術に代表されるようなユニークな加工技術を組み合わせた緻密な設計と開発に落とし込み、最後に安定した製品品質を実現する生産技術を駆使した量産工程を通じて実現します。こうしたお客さま価値を実現する上で、一連の提案力と課題解決力を有した人材能力とチームワークが必要となります。当社の仕事は、国や地域を超えてグループ会社が連携し、多様な人材能力が協力することで成立しています。お客さまへの価値提案を向上させるためには、専門性や得意分野の異なる多様な人材が集結しチームとして活躍する必要があり、同時に彼ら個々人が高いモチベーションを保持していることが重要です。したがって当社の人事戦略は「価値提案の向上」、「多様な人材の活躍」、「社員エンゲージメントの向上」を起点とし、それを実現するために社内のプロセスはどう進化すべきか(内部プロセスの視点)、人事制度や組織風土はどう変化すべきか(学習と成長の視点)、といった因果関係を意識した施策にブレイクダウンされていきます。

(ⅱ) 指標と目標
《多様な人材の活躍》
当社グループは、国籍・性別・年齢などに関わらず、すべての社員が持てる能力を十分に発揮できることを目指しています。社員の行動原則であるShared Valuesの一つとして「Diversity and Inclusion」を掲げ、多様な人材が対等に関わり合うことで組織の実行力を高めることを宣言しています。多様性の象徴として女性管理職比率をKPIに設定し、会社ごとの女性社員比率に近づけることを目標にしています。日本(NISSHA単体)の女性管理職比率が課題ですが、ワーク・ライフ・バランスの重視や柔軟な働き方、学習と成長の機会の充実などの取り組みを通じて、女性管理職の比率は着実に増加しています。
《社員エンゲージメントの向上》
当社では、年に1回グローバルベースでエンゲージメントサーベイを実施しています。2025年はより多くの社員の声を拾い上げるため、主に海外グループ会社で対象の社員を拡大しました。その結果、対象者数は拡大する一方で、回答率は昨年と比べると減少しました。当社が重視している下図に示す4つの設問に対する肯定的回答者の割合は高い水準を維持しています。会社や職場の単位で改善につなげるための取り組みを実施し、引き続き社員のエンゲージメント向上に努めていきます。
《学習と成長の機会充実》
当社の企業内大学「Nissha Academy」では広範な研修プログラムを用意しています。選抜型研修の「Business School」は経営戦略の立案と実行に関わる知識とスキル習得に重点を置いた当社のオリジナルプログラムで、初級編・中級編・上級編の3コースが設置されています。このうち、職場のリーダークラスから管理職補佐クラスを対象とした初級編・中級編の受講割合を「リーダー候補者の選抜率」としてKPIに定め、2030年までにNISSHA単体で一般社員の半数が初級編または中級編を受講することを目指しています。2025年度には初級編を開講、79名のメンバーが受講しました。日本での取り組みを参考にして、北米、欧州、中国などの地域においてもNissha Academy海外版が展開され始めています。また、当社は将来のグローバルリーダーの養成を目的に、若手社員を約1年間海外拠点に派遣する海外トレーニー制度を設けています。2025年にはアメリカに2名、ドイツに2名、計4名のトレーニーを派遣しました。なお、社員の自律的なキャリア形成を後押しする観点から、Business School、海外トレーニー制度ともに、社員が自ら応募できる制度となっています。
また、メディカル市場への事業ポートフォリオへの組み換えに連動し、社員のリスキリングを積極的に行っています。具体的には、医薬品分野への異動者向けの研修内容を充実させるとともに、医療機器のCDMO事業を加速するためのエンジニアや営業担当者向けの実践的な研修を順次開催しています。
当社グループは、サステナビリティビジョンの実現のために取り組むべき重要な機会・リスクをマテリアリティ(重要項目)として特定し、具体的な戦略項目、KPI・アクションアイテムを設定し取り組んでいます。また、リスク管理基本方針のもと、円滑な事業運営に関連するリスクを一元的に管理し、リスクを把握・分析・評価した上で、重要なリスクを選定し、モニタリングによりリスクの回避・低減に取り組んでいます。
当社は、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しています。詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) ガバナンス、(2) リスク管理」をご参照ください。
当社は、リスク管理基本方針のもと、取締役専務執行役員(法務担当)を委員長とする、リスク管理・コンプライアンス委員会を設置しています。同委員会は、円滑な事業運営に関連するリスク(①事業戦略および事業内容に関するリスク、②財務に関するリスク、③グループ横断リスク)を一元的に管理しています。また、それぞれのリスクに関して担当するコーポレート部門・事業部門・グループ会社と連携してリスクを把握・分析・評価し、重要なリスクの選定・見直しやモニタリングを行うことで、リスクの回避・低減に取り組んでいます。
両委員会は、四半期ごとに目標(KPI・アクションアイテム)の進捗を確認し、活動状況を年1回取締役会に報告しています。

<事業等のリスク>
経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
当社グループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による提言の枠組みを活用し、気候変動に関するリスクと機会が当社事業に与える財務的影響について分析を行っています。
世界全体が低炭素社会に移行する場合、温室効果ガス排出規制、エネルギー効率規制、炭素税など環境関連の法規制の強化やお客さまなどからの要請への対応が必要となり、追加費用が発生する可能性や、要求水準を満たさないことによる機会損失のおそれがあります。また、気候変動に伴う自然災害の影響により、工場の生産能力の低下、サプライチェーンの寸断による原材料の供給停止などが発生し、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、2050年のカーボンニュートラルを見据え、2030年にCO2総排出量(スコープ1および2)を2020年比30%削減することを目標に掲げ、グループ全体でさまざまな取り組みを進めてきました。その結果、2024年度のCO2総排出量の実績は削減率48.4%となり、2030年目標を前倒しで達成しました。これを踏まえ、2025年度には目標の見直しを行い、「2035年におけるCO2総排出量(スコープ1および2)を60%削減(2020年比)」することを新たな目標に定めました。
当社グループは、継続的な企業活動を行う上で人権を尊重した事業活動が必要不可欠と認識しています。当社グループおよびサプライチェーン上で、児童労働、強制労働、外国人労働者の差別等の人権にかかる問題が生じた場合は、当社グループの社会的な信用が低下し、お客さまとの取引停止、訴訟や賠償金の支払いが発生するおそれがあります。
当社グループは、「人権基本方針」を定め、人権尊重の取り組みを進めています。2025年度は、国際連合の「ビジネスと人権に関する指導原則」を支持することを明確にし、人権尊重の取り組みをより充実させるため「人権基本方針」を改定しました。今回の改定を機に、グローバルに役員・社員に改めて周知するとともに、サプライチェーン上の人権の尊重に向け、サプライヤーなどのビジネスパートナーに対しても本方針への理解の促進を図っています。
また、2025年度も引き続きサプライヤーを対象としたアンケート調査および実地監査を実施し、人権リスクの把握と低減に向けた取り組みを進めました。
当社グループは、国内外の生産拠点において多様な製品を生産・販売しており、その中にはモビリティ(自動車)市場向けやメディカル市場向けなど、高い安全性が要求される製品も含まれています。想定外の事象を原因とする大規模な品質問題が発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、品質基本方針に従い、サステナビリティビジョンにおいて重点市場として位置付けるメディカル、モビリティ、サステナブル資材それぞれに合わせた品質管理体制の構築を着実に進めています。
特に医薬品市場向けにおいては、製品の品質管理には万全を期していますが、何らかの原因による品質不良、設計不良、あるいは予期せぬ副作用などが発生した場合、製品回収や販売中止、健康被害に関する賠償責任等が生じることで、当社グループの業績および財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループは、薬事担当役員直轄の薬事グループを設置するとともに、重大品質事故への対応規程を整備し、リスクの最小化に向けた体制を整えています。
当社グループでは人種・国籍・性別にかかわらず、さまざまな伝統や文化を持つ社員が働いています。その多様性を尊重し、社員の個性や強みを活かし、当社グループのビジョンを実現することを目指しています。一方で当社の事業ポートフォリオの組み換えに沿った人材を十分に確保・育成できない場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、人事基本方針に基づき、会社とともに成長しビジョンの実現に資する人材を育成する人事制度の策定、女性活躍の推進や研修によるリーダー・幹部候補の育成に取り組んでいます。また、第8次中期経営計画で定める重点市場に向けた教育研修プログラムにより社員の能力の拡充を図っています。
当社グループは、グローバルに事業展開を行っています。ガバナンスや内部統制が機能しなかった場合、子会社等の役員・社員による不正行為や、経営方針に従わない取引や判断が抑止できず、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当社は執行役員制度を採用し、取締役会が担うべき戦略策定および経営監視機能と、執行役員が担うべき業務執行機能との機能分化を図っています。独立性が高い社外取締役を3分の1以上選任し、社外取締役はそれぞれの経験や知見から、有益な指摘や意見を述べ、取締役会の議論は活性化しています。また、取締役会の実効性評価を年1回実施し、取締役会の機能のさらなる向上に努めています。当社のコーポレートガバナンス体制の詳細は、「第4提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。
グローバルガバナンスについては、事業組織に基づく縦のレポートラインを軸とし、海外グループ会社ごとに月次もしくは四半期でビジネスレビューを実施し、業績や事業活動の状況について、本社のマネジメント層が定期的に確認する体制を構築しています。加えて、グループで統一したルールのもと、内部統制システムのチェックや事業活動におけるリスク管理の体制を整備しています。この内容を本社で集約することで、グループ全体のガバナンス状況を把握し、必要に応じた迅速な施策の立案・実行に活用しています。また、グローバルでのリスク管理を補完するため、主要地域(米州・欧州・中国)に、本社と連携しながら海外グループ会社におけるリスク管理を支援する機能を担う、リスク管理コーディネーターを配置し、情報共有やコミュニケーションの強化を図っています。
引き続き、グローバルリスクマネジメント体制を拡充し、グループ会社におけるリスク管理の支援とモニタリングの強化を図っていきます。
その他、持続可能な調達、生成AIの普及に対応したデータセキュリティ、効率性・生産性の向上に関連するリスクが生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、成長戦略として事業ポートフォリオの強化に取り組んでいます。メディカル、モビリティ、サステナブル資材などを重点市場として、社会課題の解決に資する製品群・サービスの拡充による成長を目指しています。市場環境・社会の動向、技術トレンドの変化、法令・規制の改正などの影響により、成長戦略が想定通りに進捗しない可能性があり、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、中期経営計画の進捗状況を取締役会で定期的にレビューし、1年ごとに事業環境の変化を反映させたローリングプランを策定し、事業環境の変化に迅速に対応することで、中期経営計画の達成に向けた取り組みを強化しています。
当社グループは、売上高に占める特定のお客さまの割合が比較的高い状況にあります。こうした重要なお客さま向けの販売は、当該お客さまの製品需要の増減や仕様の変更、営業戦略の変更など当社グループによる管理が及ばない事項を理由として変動する可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループはこうした状況に対して、第8次中期経営計画においてメディカル、モビリティ、サステナブル資材などの複数の重点市場で成長戦略を遂行し、特定のお客さまの需要変動に関するリスクの最小化を図っており、売上高に占める特定のお客さまの割合は低下傾向となっています。
当社グループは、産業資材、ディバイス、メディカルテクノロジーなどの事業を展開し、グローバルに調達・生産・供給体制を構築しています。当社グループの海外売上高は8割以上を占めており、政治的、経済的要因、法律または規制の変更、関税や税制の変更などのリスクが顕在化する場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループはこうした状況に対して、生産拠点を適切に分散させるとともに、現地の政策・法制の動向に細心の注意を払い、これらに適時適切に対処すべく努めています。
当社グループは、事業ポートフォリオの組み換え・最適化のための成長戦略としてM&Aを積極的に活用しています。そのため、当連結会計年度末においてのれんを33,277百万円計上しています。市場環境や競争環境がM&A実行時の想定から大きく変化し買収先会社の業績が悪化した場合、また、経済状況や金利変動等の外部環境の変化により使用価値の算定に使用する成長率および割引率が著しく変動し使用価値が減少した場合、のれんの減損損失が発生する可能性があります。
M&Aの実行にあたっては事前にデュー・ディリジェンス(対象企業の調査)を徹底するとともに、買収後の経営統合を促進する体制を構築することでリスクの最小化を図っています。
当連結会計年度における当社グループの海外売上高比率は87.1%です。これらは外貨建取引が中心であり、急激に為替レートが変動した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループはこのような状況に対して、生産の現地化や為替予約取引などにより為替リスクを最小化するように努めています。
その他、営業債権の貸倒れ、棚卸資産の陳腐化などが発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性がありますが、適正な管理体制の強化に努めており、リスクの最小化を図っています。
当社グループは、お客さまやサプライヤーなどからお預かりした重要な情報や、社内で厳重に管理されている重要な情報、とりわけ新製品情報や技術情報そして個人情報などを有しています。当社グループでは、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の内部監査の実施を含め、PDCAサイクルに基づき、ISMS運用の維持および改善に継続的に取り組んでいます。あわせて、フィッシングメール訓練を実施するなど、社員のセキュリティリテラシー向上を図っています。また、サイバー攻撃への対策についても、継続的な強化を進めています。これらの取り組みにより、機密情報等の窃取・漏えいリスクの低減に努めています。
当社グループは事業をグローバルに展開・拡大しており、規律ある貿易管理の取り組みは事業継続の観点から必須の課題です。当社グループでは、グローバルな事業活動に伴う輸出入関連の法令に対応するため、内部監査を通じて法令順守体制とセキュリティ管理体制の有効性を確認しています。加えて2025年度は、輸入管理プロセスの改善および社内周知を進めました。こうした取り組みにより多様な貨物を輸入することに伴うリスクの最小化を図っています。
その他、事業継続(天災・火災)、環境保全、知的財産権、資産管理に関連するリスクが生じた場合、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクについても、リスクに関して担当するコーポレート部門・事業部門・グループ会社が目標(KPI・アクションアイテム)を設定し、これに基づく教育や仕組みづくりなどの活動を通じてリスクを低減しています。
当社グループでは、上記に加え内部通報窓口(ホットライン相談窓口)を設置し、不適切な行為の早期発見、早期是正に取り組んでいます。国内は公益通報者保護法に基づき、国内グループ会社の全社員(派遣社員等を含む)を対象に設置しています。海外においても、海外グループ会社の全社員を対象に同様の窓口を設置しています。また、2025年度よりサプライヤーが利用できるホットライン相談窓口も設置しました。
2024年3月1日に取得したIsometric Intermediate LLCおよびそのグループ会社、2024年10月1日に取得したCathtek, LLC、2025年1月8日に取得した滋賀県製薬株式会社に係る暫定的な会計処理が当連結会計年度に確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いています。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
当社グループはMissionに、「人材能力とコア技術の多様性」を成長の原動力として、高い競争力を有する特徴ある製品・サービスの創出によりお客さま価値を実現し、「人々の豊かな生活」の実現に寄与することを掲げています。
このMissionのもと、サステナビリティビジョン(長期ビジョン)として、多様な技術や人材能力の結集・融合により、メディカル・モビリティ・環境に関わるグローバルな社会課題の解決に貢献することで、経済・社会価値の創出を目指しています。また、現在運用している第8次中期経営計画では、安定的な成長と資本効率性の向上を志向し、これまでに構築した事業ポートフォリオの強化を通じて、利益率の向上と安定化に取り組んでいます。
当期のグローバル経済情勢は、アメリカの関税政策による混乱や地政学的リスクの高まりなどにより経済動向が抑制されたものの、景気は緩やかに持ち直しました。アメリカでは、インフレや雇用情勢の軟化が消費者マインドを低下させ、景気拡大のペースは減速しました。ヨーロッパでは、一部に停滞が見られましたが、インフレ圧力の緩和や段階的な利下げを背景に、景気は持ち直しの動きとなりました。中国では、耐久消費財の買い替え促進策などが講じられたものの、不動産市場の停滞などにより景気の弱さが継続しました。わが国の経済については、アメリカの関税政策による影響が自動車産業を中心に見られたものの、緩やかな回復基調となりました。
このような状況の下、当期の業績については、産業資材事業およびメディカルテクノロジー事業において需要が底堅く推移した一方、ディバイス事業のタブレット向けの需要は、顧客の新製品投入により需要が伸長した前期と比較して減少しました。新たに当社が強化している一般用医薬品の開発製造受託(CDMO)は企業買収の効果により需要が拡大しました。利益面では、産業資材事業のモビリティ向け新製品の生産立ち上げや一般用医薬品CDMOの生産能力拡大に向けた既存設備の減損損失など、将来の成長を見据えた先行費用が利益を圧迫しました。
これらの結果、当期における連結業績は、売上高は1,948億98百万円(前期比0.4%減)、利益面では営業利益は40億40百万円(前期比26.0%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は10億1百万円(前期比74.0%減)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりです。
産業資材
産業資材事業は、さまざまな素材の表面に付加価値を与える独自技術を有するセグメントです。プラスチックの成形と同時に加飾や機能の付与を行うIMD、IMLおよびIMEは、グローバル市場でモビリティ、家電製品などに広く採用されています。また、金属光沢と印刷適性を兼ね備えた蒸着紙は、飲料品や食品向けのサステナブル資材としてグローバルベースで業界トップのマーケットシェアを有しています。
当期においては、加飾分野のモビリティ向けの需要が底堅く継続するとともに、家電その他向けの需要が堅調に推移し、売上高は前期比で増加しました。一方で、モビリティ向けの新製品に関連する先行費用などにより、営業利益は前期比で減少しました。
その結果、当期の連結売上高は763億15百万円(前期比3.0%増)となり、セグメント利益(営業利益)は37億41百万円(前期比23.2%減)となりました。
ディバイス
ディバイス事業は、精密で機能性を追求した部品・モジュール製品を提供するセグメントです。主力製品であるフィルムタッチセンサーはグローバル市場でタブレット、業務用端末(物流関連)、モビリティ、ゲーム機などに幅広く採用されています。このほか、気体の状態を検知するガスセンサーなどを提供しています。
当期においては、タブレット向けの需要減少により売上高は前期比で減少しましたが、生産体制の見直しなど予め講じた対応により効率性・生産性が改善し、営業利益は前期比で増加しました。
その結果、当期の連結売上高は584億52百万円(前期比13.5%減)となり、セグメント利益(営業利益)は21億30百万円(前期比18.5%増)となりました。
メディカルテクノロジー
メディカルテクノロジー事業は、医療機器やその関連市場において高品質で付加価値の高い製品を提供し、人々の健康で豊かな生活に貢献することを目指すセグメントです。幅広い診療領域で使われる低侵襲医療用の手術機器や医療用ウェアラブルセンサーなどの製品を手がけており、現在は欧米中心に大手医療機器メーカー向けの開発製造受託(CDMO)を展開するとともに、医療機関向けに自社ブランド品を製造・販売しています。
当期においては、主力の医療機器CDMOで一部の需要が停滞したものの、売上高は前期比で増加しました。一方で、医療機器自社ブランドの製品ミックスの悪化などにより、営業利益は前期比で減少しました。
その結果、当期の連結売上高は471億30百万円(前期比3.3%増)となり、セグメント利益(営業利益)は20億35百万円(前期比14.8%減)となりました。
当連結会計年度末における総資産は2,501億20百万円となり、前連結会計年度末(2024年12月期末)に比べ17億27百万円減少しました。
流動資産は1,162億21百万円となり、前連結会計年度末に比べ124億5百万円減少しました。主な要因は、営業債権及びその他の債権が18億39百万円増加した一方、現金及び現金同等物が117億56百万円、棚卸資産が38億37百万円減少したこと等によるものです。
非流動資産は1,338億98百万円となり、前連結会計年度末に比べ106億77百万円増加しました。主な要因は、有形固定資産が26億28百万円、新規連結等によりのれんが14億42百万円、無形資産が32億15百万円、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動等によりその他の金融資産が20億1百万円増加したこと等によるものです。
当連結会計年度末における負債は1,322億47百万円となり、前連結会計年度末に比べ38億16百万円減少しました。
流動負債は810億41百万円となり、前連結会計年度末に比べ170億58百万円増加しました。主な要因は、未払法人所得税等が20億86百万円、その他の流動負債が21億40百万円減少した一方、社債及び借入金が218億22百万円増加したこと等によるものです。
非流動負債は512億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ208億75百万円減少しました。主な要因は、繰延税金負債が22億13百万円増加した一方、社債及び借入金が216億26百万円、その他の金融負債が21億28百万円減少したこと等によるものです。
当連結会計年度末における資本は1,178億72百万円となり、前連結会計年度末に比べ20億89百万円増加しました。主な要因は、自己株式の消却等により資本剰余金が20億69百万円、剰余金の配当等により利益剰余金が52億79百万円減少した一方、自己株式が43億82百万円減少し、為替換算等の影響によりその他の資本の構成要素が39億86百万円増加したこと等によるものです。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ117億56百万円減少し、392億13百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
営業活動の結果得られた資金は92億5百万円(前期比25.2%減)となりました。これは税引前利益35億51百万円の計上に対して、主に、営業債務及びその他の債務の減少額として21億47百万円、法人所得税の支払額として46億39百万円計上した一方、減価償却費及び償却費として103億60百万円、棚卸資産の減少額として50億58百万円計上したこと等によるものです。
投資活動の結果使用した資金は138億48百万円(前期比21.1%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得として63億5百万円、子会社の取得として56億55百万円支出したこと等によるものです。
財務活動の結果使用した資金は83億66百万円(前期は91億47百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入れによる収入として28億65百万円計上した一方、リース負債の返済による支出として22億18百万円、長期借入金の返済による支出として26億98百万円、非支配持分の取得による支出として28億92百万円、親会社の所有者への配当金の支払として23億76百万円計上したこと等によるものです。
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しています。
2. 金額は、販売価格によっています。
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しています。
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しています。
2. 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
当社グループの当連結会計年度における経営成績につきましては、売上高は、前連結会計年度に比べ0.4%減少し1,948億98百万円となりました。このうち、海外売上高は1,696億90百万円であり、連結売上高に占める割合は87.1%です。海外売上高は主として産業資材、ディバイスおよびメディカルテクノロジーによるものです。また、売上原価は前連結会計年度に比べ0.4%減少の1,512億3百万円、販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ3.4%増加の384億8百万円となりました。売上原価、販売費及び一般管理費、その他の費用に含まれる減価償却費及び償却費は前連結会計年度に比べ8.6%増加の103億60百万円となりました。その他の収益・費用については、前連結会計年度は受取補償金などを主としたその他の収益を4億39百万円計上する一方で、遊休資産諸費用などを主としたその他の費用を12億93百万円計上したのに対して、当連結会計年度では条件付対価に係る公正価値変動額などを主としたその他の収益を6億28百万円計上する一方で、減損損失などを主としたその他の費用を15億15百万円計上しました。
これらの結果、営業利益は40億40百万円(前期比26.0%減)となりました。
なお、セグメント別の経営成績につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態および経営成績の状況」に記載のとおりです。
金融収益・費用については、前連結会計年度は為替差益などを主とした金融収益を25億46百万円計上する一方で、支払利息などを主とした金融費用を18億2百万円計上したのに対して、当連結会計年度では純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び金融負債の評価益を主とした金融収益を14億35百万円計上する一方で、支払利息などを主とした金融費用を19億25百万円計上しました。
その結果、税引前利益は35億51百万円(前期比42.7%減)となりました。
法人所得税費用は、前連結会計年度に比べ1.0%減少の21億68百万円を計上しました。
これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期利益10億1百万円(前期比74.0%減)となりました。また、基本的1株当たり当期利益は21円13銭(前期は79円93銭の基本的1株当たり当期利益)となりました。
財政状態の分析につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態および経営成績の状況」に記載のとおりです。
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの主な資金需要は、事業上必要な運転資金や設備投資、M&Aによる投資です。これらの資金需要については調達規模や調達市場環境に応じて自己資金および金融機関からの借入や社債の発行等により対応します。また、金融コストの最小化と資金効率の向上のため、日本国内のグループ会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、当社への資金フローの集約により一元的な管理を行っています。
当社グループは、サステナビリティビジョン(長期ビジョン)の実現に向け、第8次中期経営計画(3カ年)を2024年から運用しています。第8次中期経営計画では、安定的な成長と資本効率性の向上を志向し、これまでに構築した事業ポートフォリオの強化を通じて、利益率の向上と安定化に取り組んでいます。
第8次中期経営計画の最終年度にあたる2026年度においては、産業資材事業では、既存分野の底堅い需要に対応するとともに、モビリティ外装向けで新製品の需要拡大を見込んでいます。ディバイス事業では、タブレット向けを中心に需要減少を想定していますが、収益構造の一層の改善に向けた取り組みを進めます。メディカルテクノロジー事業では、下期にかけて医療機器CDMOにおける新製品立ち上げを見込んでいます。一般用医薬品CDMOの需要は堅調に推移する見通しです。
これらの見通しから、売上高1,915億円、営業利益66億円、税引前利益50億円、親会社の所有者に帰属する当期利益23億円を見込んでいます。なお、為替レートは1ドル=145円を前提としています。
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2. 作成の基礎(4)重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断」に記載しています。
該当事項はありません。
当社グループは「印刷」「コーティング」「ラミネーション」「成形」「パターンニング」「金属加工」を6つのコア技術と定義し、特徴ある製品群を創出するとともに、対象市場の多様化、グローバル市場への進出などを通じて事業領域を拡大してきました。
お客さまのニーズに対応する中期的な製品開発は事業部内の開発部門が担い、より長期的な視点に立った研究開発・製品開発は事業開発室が担う体制となっています。
事業部内の開発部門は、お客さまの要望に基づく開発を中心に行い、事業の継続・発展に寄与しています。事業開発室は、当社グループの事業領域の拡大を目指し、開発テーマの調査・企画および新製品の開発・事業化を推進する一方、コア技術の拡張に取り組んでいます。また、開発拠点をグローバルに配置し、地域固有の市場環境やお客さまニーズに対応した製品群の創出を目指しています。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、各セグメントに配分できない当社の事業開発室および事業部の開発部門で行っている基礎・応用費用