文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は以下のMission、Vision及びValueを掲げております。
<Mission>

アイビスはモバイルに精通した技術者集団
イラストは 言語も 民族も 宗教も ジェンダーも関係ない
モバイルペイントアプリで世界のコミュニケーションを創造する
<Vision>

アイビスは世界での Made in Japan のプレゼンスを上げていく
<Value>

高い技術のエキスパート集団
最新の技術を習得し続け、高度な技術のエキスパート集団で
あるという自覚を持ち、社会の課題を解決する
スピーディな意思決定と実行
スピーディに動作するソフトウェアを開発するのみならず、
スピーディに意思決定を行い実行する
継続的なチャレンジ
スピードを緩めることなくチャレンジし続けることにより、
新しい価値を創り出す
(2) 経営環境
<モバイルセグメント>
当連結会計年度は、為替相場の変動やエネルギー・原材料価格の高止まりによる物価上昇に加え、米国の通商政策動向や中国経済の減速、国際的な地政学リスクの長期化などの影響により、景気の先行きは不透明な状況が続くものと想定しております。当社の主要サービスである「ibisPaint」を含むモバイル向けアプリ市場規模は、日本だけでなく世界においても年々拡大し、総務省が公表する令和7年版情報通信白書によると、2016年以降も依然として右肩上がりで推移しており、2025年以降も拡大していく予測がされております。また、2025年の広告市場は、引き続き経済の回復とともに成長を見せており、その中でインターネット広告費は他のメディアと比較して高い成長率を記録しています(株式会社電通「2025年 日本の広告費」)。モバイル向けアプリ市場の拡大と相まって、今後も広告市場はさらに成長すると予測されております。
当社のアプリは累計93.9%が海外からのダウンロードですが、同市場においては、発展途上段階や人口増加の国も多数あり、「ibisPaint」にはまだまだ多くの未開拓ユーザーが全世界に存在すると考えております。
当社は市場の大きさを以下に想定しております。
a.アプリ販売市場
(注)1.TAM(Total Addressable Market)獲得可能な最大市場規模のこと。
2.当社売上高実績は2025年12月期の数値(以下、同様)。
3.アプリ販売市場(国内)におけるTAM※の額1,037億円は、経済産業省が発表した調査レポート「令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書」上での2024年の「デジタル系分野のBtoC-EC市場規模>⑤その他」1,395億円に、総務省が発表した「令和7年版情報通信白書」上でのスマートフォンの保有割合74.4%を掛けて算出。又、ターゲット市場の額115億円は、 2022/3/25~2022/3/28に株式会社クロス・マーケティング経由で実施した日本でのイラストアプリに関するアンケート調査上で、母集団(N=5,154)のうち、デジタルイラストを描く顕在層・潜在層の割合11.1%をアプリ販売市場(国内)におけるTAMの額に掛けて算出。
4.アプリ販売市場(海外)における1兆3,717億円は、 Grand View Researchが発表した「In-app Advertising Market (2025 - 2033)」28兆3,212億円(USD 182.06 billion。2025/12/31時点のTTB155.56円で換算)から、便宜上、経済産業省が発表した調査レポート「令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書」上での2024年の「デジタル系分野のBtoC-EC市場規模> ⑤その他」の割合5.2%を掛けて算出した額1兆4,755億円から国内のTAMの額1,037億円を差し引いて算出。又、ターゲット市場の額1,522億円は、前述の11.1%をアプリ販売市場(海外)におけるTAMの額に掛けて算出。
b.ネット広告市場
(注)5.ネット広告市場(国内)におけるTAMの額651億円は、電通グループのCCI、電通、電通デジタル、セプテーニが共同発表した調査レポート「2024年日本の広告費インターネット広告媒体費詳細分析」上での2024年の「インターネット広告媒体費」2兆9,611億円のうち、ディスプレイ広告7,650億円・ビデオ(動画)広告8,439億円・成果報酬型広告727億円、以上合計1兆6,816億円に、総務省が発表した「令和7年版情報通信白書」上でのスマートフォンの保有割合74.4%、及び経済産業省が発表した調査レポート「令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書」上での2024年の「デジタル系分野のBtoC-EC市場規模> ⑤その他」の割合5.2%の乗算結果3.9%を掛けて算出。又、ターゲット市場の額72億円は、2022/3/25~2022/3/28に株式会社クロス・マーケティング経由で実施した日本でのイラストアプリに関するアンケート調査上で、母集団(N=5,154)のうち、デジタルイラストを描く顕在層・潜在層の割合11.1%をネット広告市場(国内)におけるTAMの額に掛けて算出。
6.ネット広告市場(海外)におけるTAMの額5,582億円は、Grand View Researchが発表した「In-app Advertising Market (2025 - 2033)」28兆3,212億円(USD 182.06 billion。2025/12/31時点のTTB155.56円で換算)に、便宜上、1.の2024年の「インターネット広告媒体費」に対する前述の媒体費3種類の割合56.8%、及び乗算結果3.9%を掛けて算出した額6,234億円から国内のTAMの額651億円を差し引いて算出。又、ターゲット市場の額619億円は、前述のデジタルイラストを描く顕在層・潜在層の割合11.1%をネット広告市場(海外)におけるTAMの額に掛けて算出。
<ソリューションセグメント>
2019年3月に経済産業省が公表したIT人材需給に関する調査によると、IT人材の供給数は減っていく一方で、需要数が高まることから需給ギャップが拡がり、2030年には約41万人から79万人のIT人材不足が生じると見られております。2025年においては、コロナ禍からの回復が進み、世界的な経済の安定化が見られる中で、企業のシステム投資需要も引き続き堅調に推移しています。このため、中長期的に市場はさらに拡大していくものと考えております。
また、日本企業において経済産業省が推進する「DX化」というトレンドがあります。特に業務の効率化、働き方改革などでは「スマホ化」の需要は一段と増えております。さらに受託開発に目を向けると、大手企業からのロボティクス案件などもあり、これからも当社の最新技術思考が顧客にアピールできると考えております。PCから「スマホ×DX化」という相乗効果による追い風を受けて、アプリ開発市場は持続的に拡大していくものと考えられます。
(注)7.受託開発市場におけるTAM(7兆205億円)は、IDC Japanが発表した「国内ITサービス市場予測」における、2024年の国内ITサービス市場規模より抜粋。
8.IT技術者派遣市場におけるTAM(1兆4,678億円)は、矢野経済研究所が発表した「デジタル人材を対象とした人材サービス市場に関する調査(2025年)」における、2024年のデジタル人材向け人材サービス市場規模(見込み値)より抜粋。
9.これらTAMのうち、当社が主に事業機会として捉えるターゲット市場は、経済産業省が発表した「特定サービス産業実態調査」における「情報サービス業」の総売上高に占める、「受注ソフトウェア開発のうちシステムインテグレーション」に該当する2024年売上高の割合(40.8%)を用いて算出している。当該割合は、当社が注力する高度な設計・開発領域に対応する市場構成比を示すものであり、これを各TAMに乗じることで、受託開発市場のターゲット市場(2兆8,643億円)およびIT技術者派遣市場のターゲット市場(5,988億円)を算定している。
(3) 経営戦略
<モバイルセグメント>
モバイルセグメントは、特にアプリ課金市場においては、ターゲット市場に対して売上規模がまだまだ小さく、当面は世界的なマーケットで売上拡大に注力するステージであると考えております。
① サブスクリプション本格強化
同セグメントにおけるBtoCビジネスにおける収益源としましては、広告非表示機能を含む追加機能や追加素材、追加ストレージ等の利用が可能となる定額課金型のプレミアム会員サービス(サブスクリプション課金)と、アプリ上の広告が非表示となる売切型アプリの2種類の方法があります。これまでは累計ダウンロード数の増加=広告ビジネスにおける収益を最重視しておりましたが、今後は、サブスク予備軍200万人(注)9に対して、プレミアム会員サービスへの誘導を強化するプロモーション策を実施し、同サービス経由でのサブスクリプション課金売上を増加させることにより、同セグメントにおいて、市況の影響を直接受けやすい広告ビジネスの売上に依拠しないような収益構造を目指し、リスク分散してまいります。
(注)9.サブスク予備軍とは、無料広告ユーザーのうち、課金率が5%(業界平均3~10%)となる場合のユーザー数と定義。
② プロマーケット開拓本格強化
「ibisPaint」はモバイルペイントアプリのNo.1ブランドだからこそ、PC版も使いたい既存ユーザーが多数存在したため、2022年6月にWindows版をリリースし、随時、機能拡充を行ってまいりました。当初は売切課金型のみ販売しておりましたが、2024年3月にはサブスクリプション課金型の提供を開始しております。また、クリエイターの求める機能を引き続き搭載するなど、機能を拡張し続けることで、プロのクリエイター向けマーケットへも本格的に参入いたしました。2025年8月には待望のMac版をリリースすることにより、全デバイスで「ibisPaint」ブランドを確立し、新たな収入源を獲得してまいります。
③ 高機能開発本格強化
「ibisPaint」はリリース当初より、モバイル端末用に適合、最適化することを念頭に置いて開発した自社製品ですが、競合他社の製品は、一般的にハードウェアの性能が高いPC端末用に開発された製品が多く、かつ、開発において多大な人件費を継続的に投入しております。当社の製品は、プロのイラストレーター等が使用するパソコンのペイントソフト並みの機能を搭載しているものの、他社との差別化において、継続的な改善と新機能の追加、及びモバイル端末用としてのさらなるUI(ユーザーインターフェース)及びUX(ユーザーエクスペリエンス)の強化は事業戦略上の根幹をなすものであります。加えて、昨今のAI(人工知能)技術の発展や、2025年1月31日付で完全子会社化した株式会社テクノスピーチのAI音声合成技術を取り込む等により、さらに付加価値を高めた製品の開発も可能となっていることから、当面は、高機能戦略を踏襲し、ユーザーにとって魅力のある製品を開発し続けることによって、全世界でのシェアの拡大を進めてまいります。
<ソリューションセグメント>
ソリューションセグメントも、ターゲット市場に対して売上規模が極めて小さく、当面は売上拡大に注力するステージであると考えております。
① SI(システムインテグレーション)体制構築
当社のソリューションセグメントは、受託開発とIT技術者派遣の2つの事業を提供しておりますが、受託開発を強化し、高収益・高再現性を実現するSIer型事業モデルへ進化してまいります。モバイルDX(デジタルトランスフォーメーション)という追い風に乗って、当社が得意とするスマートフォンやタブレットなどインターネット端末のアプリケーション開発における最新の技術を磨き続け、システム導入におけるコンサルティングや要件定義から、設計、開発、運用までワンストップで新しい顧客へ提供できる体制を積極的に推進してまいります。
② 新たな開発手法等への取り組み
スマートフォンやタブレットなどのアプリ開発は、アジャイルやスクラムなどの最新のアプリケーション開発手法や、AI・Web3.0などを活用した開発生産性の抜本的向上策などの技術進化が著しい分野であります。当社は、高い品質管理マネジメントと利益管理マネジメントの両立を目指して、継続して新しい開発手法等を取り入れてまいります。
③ eラーニング強化
当社においては、全社従業員向けの教育研修として、2018年よりeラーニングサービスを導入・運用しておりましたが、ソリューション事業所属のITエンジニアに対しては、技術革新が著しい昨今において、最新の開発技術・言語・スキルが学べるより専門性が高いeラーニングサービスの追加提供を2023年より導入いたしました。今後は、更に社外研修を新規提供するなど、更に充実した教育研修制度を構築、実施してまいります。
<AI歌声合成セグメント>
2025年1月31日付で、株式会社テクノスピーチの全株式取得(完全子会社化)を完了し、同社の事業はAI歌声合成セグメントとして位置付けることとなりました。本件株式取得により、株式会社テクノスピーチは当連結会計年度第1四半期末から当社の連結子会社となり、当連結会計年度第2四半期以降の当社の連結業績に含まれております。
当社は、株式会社テクノスピーチの現在の主力事業である受託開発については、エンジニア人材の拡充とライセンス(ロイヤリティ)ビジネスを推進することにより、安定的な成長を見込むと共に、今後の主力自社製品となる、人間の歌い方をリアルに再現するAI歌声合成アプリ「VoiSona(ボイソナ)」については、ユーザーのニーズが高いボイスライブラリを優先的に充実し、更なるユーザの拡充ならびに高い売上の成長を見込んでおります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は事業の成長性、収益性を判断する重要な経営指標としまして、売上高、営業利益、営業利益率を重視しております。また、サービス別ではモバイルセグメントの主力製品である「ibisPaint」のDAU(注)、サブスクリプション契約数、及びソリューションセグメントのITエンジニア数を重要な事業KPIとして位置づけ、増加に向けた企業運営に努めております。なお、各指標の推移は以下のとおりであります。
(注):DAUは「Daily Active Users」の略で一日あたりのアクティブユーザーのこと。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の見通しにつきましては、為替相場の変動やエネルギー・原材料価格の高止まりによる物価上昇に加え、米国の通商政策動向や中国経済の減速、国際的な地政学リスクの長期化などの影響により、景気の先行きは不透明な状況が続くものと想定しております。そのような中、当社は、モバイルセグメント、ソリューションセグメント、AI歌声合成セグメント全てにおいて売上高を成長させるとともに、連結後の営業利益の額及び率を重視する経営方針を維持しております。これらを踏まえて、セグメント毎に対処すべき課題を以下に表記いたします。
<モバイルセグメント>
モバイルセグメントについては、前連結会計年度までの8年にわたる海外プロモーション投資の効果により、モバイルペイントアプリ「ibisPaint」のブランド力が世界レベルで格段に向上した結果、全世界での「ibisPaint」のアクティブユーザー数における対直接競合シェアは引き続き高い占有率を維持しております(88.6%※)。当連結会計年度においても、前連結会計年度から広告宣伝投資(広告宣伝費)を削減するオーガニック成長を継続し、概ね奏功しているものと判断しております。従って、2026年12月期もこの戦略を踏襲することとし、広告宣伝投資(広告宣伝費)を2.9億円(前年同期比△8.9%)とする計画です。同セグメントにおける対処すべき主な課題としましては、以下の3点が挙げられます。
※アクティブユーザーシェアのデータは2025年1~11月の数値。data.ai by Sensor Tower調べ。比較対象は当社が全世界で直接競合するものとして考えている5アプリ。
①サブスクリプション課金への更なるシフト
モバイルペイントアプリ「ibisPaint」について、ユーザーのニーズ、トレンドの変化などに今迄以上にスピーディに対応し、AIやディープラーニングなど最先端且つ高度な技術を最大限活用することによって、全世界のユーザーの更なる拡大及び深耕を持続的に推進していきます。具体的には、4,000万人へのアクティブユーザーに対して、無料のアプリ内自社広告活用によるプレミアム会員サービスへの誘導の推進、サブスクリプション契約率を高めるより緻密な導線設計、及びサブスクリプションならではの新機能のリリースなどにより、サブスクリプション課金への移行を強力に促進していく所存です。そして、広告市況に左右されない盤石な収益基盤の確立を早期に目指すと共に、セグメント利益の額・率の更なる向上を目指してまいります。
②プロユース × マルチデバイス展開
①に掲げるサブスクリプション課金の本格強化のためには、プロマーケットへの本格的な進出が欠かせません。2022年6月にはWindows版を、2025年8月にはMac版をそれぞれリリースしましたが、今後も、プロユースに耐えられる新機能をあらゆるデバイスで提供し続けることで、サブスクリプションの成長をスケールアップさせてまいります。そして、α・Z世代を中心としたデジタルイラストのファーストアプリという強みを活かして、公私共に生涯の創作パートナーとして定着化を図り、全ユース・全デバイスで「ibisPaint」ブランドを加速させてまいります。
③開発人材の確保、育成及び維持
AIやディープラーニングなどの急速な技術革新への対応はもちろん、海外マーケッターや海外サポートなども含めたあらゆる職種での人材の質及び量の向上がモバイル事業の拡大には不可欠であり、このような環境や変化に対応し、ニーズにあった機能やサービスを適切なタイミングでユーザーへ提供できる体制を構築していくことが重要であると認識しております。特に同セグメントにおけるモバイルアプリ開発エンジニアについては、高度なプログラミングの知識はもちろんのこと、画像処理技術を調査・研究・実装するための論理的思考力及び科学的リテラシーが求められます。そのために、引き続き、高い専門性を有する優秀な理系出身者人材の確保、育成及び維持は、同事業発展のための根幹と考え、高成長の源泉としてまいります。
<ソリューションセグメント>
ソリューションセグメントについては、ノーコードシステム開発事業を展開する株式会社ゼロイチスタートの2026年4月1日付での吸収合併を契機に、高収益・高再現性を実現するSIer型事業モデルへ進化を加速させていく方針を掲げております。同セグメントにおける対処すべき主な課題としましては、以下の2点が挙げられます。
①営業力・開発力強化策
スマートフォンやタブレット端末、パソコンなどのアプリケーション開発支援について、ITコンサルティングからクラウドサーバ運用・保守まで高付加価値なSI体制を提供する開発体制を構築、進化させながら、多彩な業種業態の大手エンタープライズ企業との直取引による拡大と深耕を図ることで顧客満足度の更なる向上を目指してまいります。
②開発人材の確保、育成及び維持
ソリューションセグメントにおいても、AIやディープラーニングなどの活用を筆頭にあらゆる顧客の開発ニーズに応えられるハイスキルな技術力を有する豊かな経験が求められます。これらの優秀な人材の確保、育成及び維持は、同事業発展のための根幹と考え、引き続き、適時必要な戦力となるITエンジニアの採用を行い、育成・維持していくことを、安定成長の源泉としてまいります。そして、最新の技術を駆使して受託案件の開発生産性を更に向上させるなどして、セグメント利益の額・率の更なる向上を目指してまいります。
<AI歌声合成セグメント>
AI歌声合成セグメントについては、2025年1月31日に完全子会社化した株式会社テクノスピーチが展開するAI音声合成技術関連事業のセグメントとなり、当連結会計年度第2四半期より損益の連結計上を開始しております。単体の営業利益ベースでは3年以内に、技術関連資産やのれんの償却を踏まえたセグメント利益ベースでは5年以内に、それぞれ黒字化を計画しております。同セグメントにおける対処すべき主な課題としましては、以下の点が挙げられます。
モバイル事業とのシナジー効果
当社グループの一社となった株式会社テクノスピーチについて、予定通りの年数以内で着実に投資回収できるよう、BtoC向けのAI歌声合成アプリ「VoiSona」において、当社が持つモバイル開発技術力・グローバルマーケティング力・事業企画力に加え、以下のような高いシナジー効果を創出・維持し、グループとしての成長を中長期的にブーストさせてまいります。
・サブカルチャー志向のクリエイター層の支持
・キャラクター表現に不可欠なイラスト
・音声とイラストが融合する新たな創作文化の発展
そして、「ibisPaint」と同様、世界中のユーザーに愛されるモバイルアプリに進化させてまいります。
<グループ全社>
当社は、前連結会計年度第2四半期より、成長戦略の一環としてM&Aの調査を開始いたしました。そして、その結果、2025年1月31日に株式会社テクノスピーチを、2025年11月21日に株式会社ゼロイチスタートをそれぞれ完全子会社化し、グループ経営に舵を切ることとなりました。グループ全社における対処すべき主な課題としましては、以下の点が挙げられます。
グループ内部管理体制の構築及び運用
当社は、当連結会計年度第2四半期から損益の連結計上を開始し、有効性が高く、且つ効率の良いグループ内部管理体制の構築及び運用を行っております。2026年4月以降もモバイルセグメント・ソリューションセグメント共にM&Aを推進していく方針のため、引き続き、組織体制の最適化、 内部統制とリスク管理の高度化、グループ経営陣のリーダーシップと監督など、グループガバナンスの強化を図ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、持続可能な環境や社会への貢献による中長期的な企業価値向上のため、サステナビリティを巡る課題への対応は経営の重要な課題であると認識しております。今後においては、然るべき時期に、サステナビリティを巡る課題に適時適切に対応していくための体制整備を行い、基本方針の策定を検討してまいります。
(2)戦略
当社グループの持続的な成長や企業価値向上のためには、人材は最も重要な経営資源であり、豊かな人間性、高度な専門的知識・スキルや経験を有する多様な人材の確保、育成及び定着が不可欠だと考えております。そのため、会社の成長に即した人事制度(目標管理制度、人事評価制度、賃金制度)の改訂、最新の技術に関する教育研修制度や勉強会の更なる拡充、シフト制・時短勤務・育児休業取得などをはじめとする働きやすい環境の推進など、人材確保のための各種制度の検討、整備を引き続き行ってまいります。
(3)リスク管理
当社グループでは、サステナビリティ関連のリスクを、その他経営上のリスクと一体的に監視及び管理しております。当社におけるリスクマネジメントの取組については、「
当社グループでは、性別や年齢、国籍等に関わらず、能力や適性に応じて管理職への登用を含め、適材適所で配置していく方針です。人材の育成及び社内環境整備に関する方針に係る指標について、具体的な目標は設定しておりませんが、今後、関連する指標のデータの収集と分析を進め、目標及び開示項目を検討してまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 事業環境に関するリスク
① インターネット広告市場動向の変化(顕在化の可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
広告市場は市場変化や景気動向の変動による影響を受けやすく、今後、急激な景気の変化等が生じた場合、広告及びインターネット広告の需要に影響する可能性があります。
当社グループはモバイル事業において広告市場の影響を抑えるような収益構造を目指し、定額課金型である「ibisPaint」のプレミアム会員サービスへの誘導を強化するプロモーション策を実施してまいりますが、急激な景気の変化等が生じた場合、広告掲載案件や広告単価の減少等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② ユーザー嗜好の変化(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
モバイルアプリ市場内外において新しいコンテンツサービスが次々とリリースされ、ユーザーの嗜好の移り変わりが激しい競争環境において、当社グループの提供するモバイルアプリがユーザーのニーズ及びトレンドの変化にスピーディに対応できなかった場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループはマーケティングによるユーザー嗜好の把握や既存ユーザーからの意見の収集を通じてモバイルアプリの開発、改良を行い、最適なモバイルアプリの提供に努めることで事業の継続及び拡大を図ります。
③ システム投資動向の変化(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
生産性向上のためのシステム化需要や情報通信技術の発達に伴うデジタルサービス等の需要増加により、システム投資動向が上向きである中、企業におけるIT人材の不足が顕在化していることから、当社グループソリューション事業に関連する受託開発、IT技術者派遣の市場は拡大していくものと予測しております。しかし、経済状況の変化や景気低迷により、当社グループの予測に反してシステム投資動向が抑制傾向になった場合は、受注量の減少や取引価格の低下等により当社グループの事業、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは顧客のニーズに的確に対応できる人材確保のため、ITエンジニアへの研修及び優秀な人材の採用と育成を推進することで事業の継続及び拡大を図ります。
④ 技術革新について(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは情報通信技術との関連性が高い事業を行っておりますが、当該分野はハード面、ソフト面いずれにおいても技術革新の速度及びその変化が著しく、新技術の開発や新サービスの提供が次々と行われております。技術革新へ対応できるようにアプリ関連の研究開発、システムエンジニア等のITエンジニアへの研修及び優秀な人材の採用と育成に努めておりますが、これらの施策を上回る速度で技術革新が進んだ場合や適切な対応ができなかった場合には、競合他社に対する当社グループの競争力が低下し、当社グループの事業、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、モバイルアプリやシステム開発等の事業において、AI技術(生成AIを含む)を活用し、業務効率化やサービス価値向上を図っています。しかし、AI技術の急速な進化に対応できない場合、競争力の低下や事業機会の損失が生じる可能性があります。
また、AI技術の導入・運用には、セキュリティ上の脆弱性、プライバシー侵害、情報操作、偏見を含む出力、知的財産権の侵害といった、技術的及び倫理的なリスクが伴います。これらのリスクに対応するため、当社グループは社内ガイドラインの整備、社員教育の実施など、ガバナンス体制の強化に取り組んでいますが、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの信用やブランド価値が損なわれ、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
世界的にSNS系のアプリや動画、音楽、ゲーム等のコンテンツ系アプリの利用ユーザーが年々増加傾向にあり、当社グループモバイル事業に関連するモバイルアプリ市場は今後も拡大していくものと予測しております。しかし、当社グループの予測に反してモバイルアプリ市場が急激に縮小した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループはモバイル事業だけでなくソリューション事業についても収益の柱として位置づけており、事業ポートフォリオを拡大することでリスクを分散してまいります。
(2) 事業内容に関するリスク
① 「ibisPaint」への依存について(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループの売上構成比において、特定のサービス「ibisPaint」の比重が高くなっております。当社グループは、「ibisPaint」の利用を維持・促進するため、機能改善や新機能の追加、各種プロモーション等によるユーザーの利用の活性化を図っておりますが、かかる対策が適時適切に行えなかった場合、又はかかる対策が功を奏さなかった場合など、何らかの理由によってユーザーの興味・関心を維持できない場合、又は競合他社が当社グループより魅力あるサービスをリリースするなどして「ibisPaint」の競争力が低下した場合、アクティブユーザー数の減少、広告収入やサブスクリプション売上の低下等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 海外展開について(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループはモバイルアプリ提供プラットフォームである「Google Play」や「App Store」等を通じて海外ユーザーにもモバイルアプリを提供しており、さらなるダウンロード数、ユーザー数の増加を目指して事業展開を行っていく方針であります。しかし、ユーザーの嗜好や商慣習等が国ごとに本邦と大きく異なることもあり、当社グループの提供するサービス内容によってはアプリの提供停止や想定どおりに事業展開できない可能性があります。海外展開にあたってはこれらのリスクが発現しないように調査、翻訳、サービスの実装等を行っているものの、リスクが顕在化した場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、2022年2月以降のロシアによるウクライナ侵攻の影響については、プラットフォームの方針や各種規制の動向を踏まえ慎重に対応しております。ロシア国内におけるサービスは一定の制限が生じておりますが、当社グループの業績に及ぼす影響は限定的であります。ウクライナ情勢の長期化やその他地政学的リスクの顕在化等により経済状況が悪化した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 提供する製品・サービスの重大な不具合について(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期無し、影響度:大)
当社グループモバイル事業の提供する各種製品・サービスは、開発計画から本番リリースに至るまでの開発プロセスが定められており、品質のチェックを十分に行った上で本番リリースをしております。しかし、各種製品・サービス提供後に、予期せぬバグや欠陥、オペレーションのミスにより、システムに重大な不具合が発生した場合、当社グループのブランドイメージの毀損、悪化、ユーザー数の減少、機会損失による売上の低下、補修等追加コストや損害賠償請求の発生等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ M&A、資本業務提携について(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは、事業拡大を図るため、M&Aや資本業務提携を有力な手段としてとらえております。M&Aの検討に当たっては、専門家を含めたデューデリジェンスを実施し、対象企業の業績、財政状況、ユーザー層、競争優位性、当社グループ事業とのシナジー効果やリスク分析結果等を十分に考慮した上で進めております。
しかしながら、事前の調査・検討にもかかわらず、M&Aや資本業務提携実施後に、市場環境の著しい変化があった場合、対象企業の事業が計画通りに進捗せず投下資金の回収が困難となった場合及びデューデリジェンスにおいて発見することが困難であった財務・法務・事業上の問題等が発覚した場合等においては、対象会社の株式取得価額やのれんの減損が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ サービスの健全性について(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループの運営するモバイルアプリは、数多くのSSP事業者へ広告の掲載を委託しており、「ibisPaint」を配信する前に国内外のSSP運営事業者の基準や当社グループの基準に照らし、「ibisPaint」に表示される広告、自社運営オンラインギャラリー「ibispaint.com」へ掲載されるコンテンツ、その表現等の健全性を確保するように努めております。具体的には、SSP事業者との取引開始時における審査の実施や、社内にて広告掲載基準を設けるなど、広告及びリンク先のサイトの内容についての管理を実施しております。また、当社グループ従業員が既に掲載されている広告、広告のリンク先サイト及び「ibispaint.com」を定期的に巡回し、広告掲載基準の遵守状況や公序良俗に違反するイラスト投稿の有無、当社グループ広告の掲載状況を監視しております。広告掲載基準に違反する行為や公序良俗に違反するイラスト及び公序良俗に違反する媒体での当社グループ広告掲載が発見された場合には、当該SSP事業者やイラスト投稿ユーザーに対する警告、契約解除といった措置を講じております。
しかしながら、こうした対応・措置等にもかかわらず公序良俗に反する広告が掲載されてしまう可能性があります。広告主等が公序良俗に反する広告や商品・サービスの提供、コンテンツの掲載を当社グループの意図に反して継続することにより、当社グループの提供するアプリや当社グループのアカウントがプラットフォーム運営事業者により削除された場合には、当社グループの事業、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、自社運営オンラインギャラリー「ibispaint.com」へ公序良俗に違反するイラストが多数投稿された場合や当社グループが広告主として出稿した広告が公序良俗に違反する媒体に掲載された場合においても、当社グループのブランドイメージの毀損、悪化に繋がり、当社グループの事業、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 広告宣伝について(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループモバイル事業においては、アプリダウンロード数の増加並びに新規ユーザーの獲得が売上高増加に繋がることから、広告宣伝活動は重要な投資であると認識しております。広告宣伝費の支出に関しては、費用対効果を測定し、最適な広告宣伝を実施するように努めております。しかしながら、当社グループの想定どおりの効果が得られない場合や、競合環境の変化等により広告宣伝費が増加した場合には、当社グループの事業、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 特定の取引先への依存について(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループモバイル事業はビジネスモデル上、Apple Inc.やGoogle LLC等のプラットフォーム運営事業者への依存が大きくなっております。そのため、これらプラットフォーム運営事業者の事業戦略の転換及び動向によっては、プラットフォーム運営事業者へ支払う手数料率の変動等の理由により、当社グループの事業、業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対する予防策として、当社グループはプラットフォーム運営事業者の動向を注視するとともに、業界団体等からの情報収集を適時に行うことで適切な対応策を講じてまいります。
⑧ 為替変動について(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループモバイル事業では、海外のSSP事業者及び海外ユーザーと取引しており、海外売上高の比率は全社売上高の約4割以上を占めております。当社グループは想定為替レートの変動を織り込んだ事業計画を策定しておりますが、想定の範囲を超えて円高が進んだ場合には、当社グループの事業、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 見積り違い及び納期遅延等について(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループソリューション事業の受託開発は、予定工数等に基づきコストの見積りを行っておりますが、仕様変更や追加作業に起因する作業工数の増大により実績が見積りを超えた場合、低採算又は採算割れとなる可能性があります。また、あらかじめ定めた期日までに顧客に対して作業を完了・納品できなかった場合には損害遅延金、最終的に作業完了・納品ができなかった場合には損害賠償請求が発生し、当社グループの事業、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループはプロジェクト管理の徹底や各事業部責任者によるモニタリングを実施することで、リスクの早期発見、対策をしております。
⑩ 風評に関するリスクについて(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは、当社グループの製品やサービスに対する悪質な風評がインターネット上の書き込み等により発生・流布した場合、速やかに適切な対応を図ってまいりますが、それが正確な事実に基づくものであるか否かにかかわらず、そのような風評により当社グループの社会的信用が毀損し、当社グループの事業、業績に影響を与える可能性があります。
⑪ 待機工数について(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループソリューション事業のIT技術者派遣においては、システムエンジニア等のITエンジニアと無期雇用契約を締結しております。そのため、これら派遣技術者に係る人件費は派遣先での稼働時間に関係なく発生し、固定費として売上原価に計上されます。経済状況の変化等に伴い、顧客の情勢が劇的に変化し、労働力に対する需要が減少した場合は、派遣技術者の稼働率、稼働単価の低下等により相対的に原価率が上昇し、当社グループの事業、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは取引先との長期・安定的な取引関係を構築し、顧客の多様化を図ることで外部環境に左右されづらい収益構造の構築に努め、顧客からソフトウェア投資計画や技術者需要を確認することで待機工数の最小化に努めてまいります。
(3) 法的規制に関するリスク
① 法的規制(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループが行う事業では、主に不正競争防止法、不当景品類及び不当表示防止法、著作権法、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(労働者派遣法)等の法的規制を受けております。特に、労働者派遣法においては、偽装請負に巻き込まれる等の何らかの理由により、同法に定める派遣元事業主としての欠格事由(労働者派遣法第6条)に該当した場合や当該許可の取消事由(同第14条)に該当した場合に、IT技術者派遣事業の全部又は一部の継続が困難となる可能性があります。また、法令等の改正・制定等により新たな制約を受けるリスクや既存の制約が強化されるリスクがあります。当社グループでは関連する法令等の情報を適時収集し、定期的な内部監査やコンプライアンス研修により法令順守に努めているものの、これらのリスクが顕在化した場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの提供する「ibisPaint」は、海外売上比率が高く、GDPR(注1)、CPRA(注2)等の国内外の個人情報に関する海外の法的規制等を受けております。当社グループではEU代理人、DPO(注3)の設置及びアプリ内での同意画面の実装等を行い対応しておりますが、海外の法的規制内容の変更があった場合には、想定どおりに事業展開できない可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(注1):「EU一般データ保護規則」(GDPR:General Data Protection Regulation)の略称。
(注2):「カリフォルニア州プライバシー権法」(CPRA:California Privacy Rights Act)の略称。
(注3):「データ保護責任者」(Data Protection Officer)の略称。
② 知的財産権について(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは所有する知的財産権を管理し、その権利を保護することによって社業の発展と業績の向上に努めておりますが、当該権利を第三者により侵害される可能性や何らかの理由により知的財産の権利化ができない可能性があります。一方で、当社グループが第三者の知的財産を侵害した場合には、損害賠償請求や使用差し止め請求等の訴えを起こされる可能性があり、これらのリスクが顕在化した場合は、当社グループの事業、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは「知的財産権管理規程」を定め、知的財産権の管理及び権利化を行うとともに、権利化に際しては特許事務所等を利用して他社の知的財産権を侵害する恐れがないか事前調査することでリスクへ対応しております。
③ 請負契約に基づく契約不適合責任について(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループソリューション事業の受託開発における契約形態のうち、請負契約については、設計・開発を請負って完成すべき業務の遂行や成果物の納入に対して対価を受領しており、契約不適合責任等の追及を受ける可能性があります。当社グループでは契約不適合責任等に係るリスクを軽減するために、履行割合型準委任契約での業務受託を推進するほか、請負契約上の個別契約(注文書)において、完成すべき業務や成果物の仕様、検収方法を明確に定義しております。しかし、当該リスクが顕在化した場合は、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 組織体制に関するリスク
① 人材の確保及び育成について(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループが今後とも持続的に成長していくためには、市場動向の変化や技術革新に対応できる優秀なモバイルアプリ開発エンジニア、システムエンジニア等のITエンジニアや事業規模に適した内部管理体制を構築するための管理人材といったあらゆる職種での人材の質及び量の向上が不可欠であると認識しております。そのため、優秀な人材の確保と育成は、事業発展のための根幹と考え、当社グループとして必要な人材を明確に定義づけした上で、適時必要な戦力となる社員の採用を行い、育成してまいりますが、人材獲得競争の激化や市場ニーズの変化等により、想定どおりの採用が進まないこと等により優秀な人材の獲得が困難となる場合や、現在在職する人材の社外への流出が生じた場合には、当社グループの事業、業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 特定人物への依存について(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社代表取締役である神谷 栄治は、創業者であると同時に「ibisPaint」を始めとする当社のモバイルアプリ開発において、創業以来重要な役割を担ってまいりました。同氏はアプリ開発を中心に豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略、新規開発において重要な役割を担っております。当社グループは取締役及び従業員への情報共有や権限委譲、組織体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を進めておりますが、万が一、同氏に不測の事態が生じ、当社グループの経営執行を継続することが困難となった場合には、当社グループの事業、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 情報管理について(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループはアプリ利用者の個人情報を取得する場合があります。当社グループに起因する問題により個人情報の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合、企業イメージの悪化、損害賠償請求の発生等の可能性があります。また、第三者の故意又は過失その他の事由により、アプリサービスの核となるソースコード等の機密情報が流出、模倣等された場合、当社グループの開発するアプリの優位性が損なわれる可能性があります。
また、当社グループは従業員が顧客の保有する各種機密情報、新製品の開発、設計等に係る重要な情報を取り扱う場合があります。当社グループに起因する問題により顧客機密情報の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合、取引解消請求、損害賠償請求の発生等の可能性があります。
当社グループは情報統括管理者を選定し、情報システム・セキュリティに関する規程類の整備運用を行っている他、プライバシーマーク制度に基づく個人情報保護マネジメントシステムの運用等により情報管理を徹底しているものの、リスクが顕在化した場合は、当社グループの事業、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ システム障害について(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループの事業はスマートフォンやPC、コンピューターシステムを結ぶネットワークに依存しており、インターネットを利用したサービスを提供するにあたっては、バックアップ体制の構築等の様々なトラブル対策を実施しております。しかし、サイバー攻撃や自然災害、不慮の事故等によって、これらのネットワークが正常に機能しなくなった場合は、当社グループの事業、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 内部管理体制について(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループは企業価値の持続的な拡大にはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底するため、管理部門の人員の充実及び内部管理体制の強化に努めております。また、子会社においては、「関係会社管理規程」に基づき適切な管理及び支援を行っております。しかし、事業の急速な拡大や事業内容等の変更により、事業規模に適した内部管理体制の構築、管理人材の確保及び育成が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
(5) その他のリスク
① 自然災害、事故等について(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは自然災害、事故等に備え、定期的なシステムのバックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止又は回避に努めております。しかし、当社グループ所在地近辺において、大地震等の自然災害が発生した場合、当社グループ設備の損壊や電力供給の制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生し、当社グループの事業、業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 感染症の拡大について(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループでは、新型コロナウイルスをはじめとする感染症の流行に備え、従業員の健康と安全の確保を最優先に感染防止対策を徹底しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の再拡大や新たな感染症の蔓延などにより、長期にわたって人々の行動に制限が課され、経済状況が悪化した場合には、当社グループの事業、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、賃上げや雇用・所得環境の改善が継続し、緩やかな回復基調が続いております。一方、為替相場の変動やエネルギー・原材料価格の高止まりによる物価上昇が続き、個人消費に対する下振れリスクが依然として拭えない状況にあります。さらに、国内政治情勢の流動化に加え、米国の通商政策の転換への警戒や中国経済の停滞、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫化といった国際的な地政学リスクの影響により、経済の先行きは不透明感が増しております。
このような環境のもと、当社は、高成長事業として収益性を重視した自社製品セグメントであるモバイル事業、安定成長事業として創業来高い評価を受けているセグメントであるソリューション事業の2つの既存事業に加え、新成長事業として2025年4月より世界最先端の音声関連技術の普及を目指す名工大発ベンチャーのセグメントであるAI歌声合成事業を3つ目の報告セグメントとし、いずれも積極的な事業展開を行いました。
「モバイルセグメント」では、モバイルペイントアプリ「ibisPaint(アイビスペイント)」シリーズの開発・運営を中心に事業を展開いたしました。「ibisPaint」は、世界200以上の国と地域で利用されており、デジタルイラストを描くユーザー向けに、トレンドを取り入れた新機能やサービスの提供に注力いたしました。またサブスクリプション課金などによるマネタイズの強化にも取り組み、収益の持続的な成長を図りました。
「ソリューションセグメント」では、スマートフォンやタブレットなどのインターネット端末向けのアプリケーション開発支援を行いました。企業のDX化など、情報技術活用に対する社会的ニーズの高まりを背景に、需要が拡大するITエンジニアの採用・育成を継続し、法人顧客に向けた提案型の営業活動を強化いたしました。また、本セグメントでは2025年11月21日付でノーコードシステム開発事業を展開する株式会社ゼロイチスタートを完全子会社化し、今後の事業基盤強化に向けた取り組みを進めました。
「AI歌声合成セグメント」では、音楽制作市場における幅広い層のクリエイターを対象に、AI歌声合成アプリ「VoiSona(ボイソナ)」を中心としたプロダクト戦略を展開いたしました。国内外の著名アーティストによるボイスライブラリの充実、モバイル領域への展開、そしてサブスクリプション型の安定収益モデルの構築に取り組みました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高5,005,091千円、営業利益1,201,981千円、経常利益1,215,520千円、親会社株主に帰属する当期純利益848,969千円となりました。
事業セグメント別の状況は、以下のとおりであります。
<モバイルセグメント>
当連結会計年度におきましては、主力製品の「ibisPaint」についてはシリーズ累計のダウンロード数を積み重ね、2025年9月10日に大台の5億ダウンロードを達成し、2025年12月末日時点では5億2,052万ダウンロードとなりました。アプリの継続的な改善(Ver.12.2.13~Ver.13.1.17)や、YouTubeでのお絵描き講座の動画投稿、季節やトレンドに合わせた素材コンテストの開催(第45~48回)、及び豊富な無料素材の追加など、常にユーザーの創作活動を後押しする取り組みを積極的に行ってまいりました。2025年3月5日に実施した大型のアップデートでは、ユーザーがオリジナルのブラシパターンを作成・共有できる「オリジナルブラシパターン機能」や、選択範囲内の閉じた領域を指定色で瞬時に塗りつぶしたり、塗りを削除したりできる「塗りつぶしツール:囲って塗る・囲って消す」など全部で9つの新機能をリリースいたしました。これらの新機能の一部はプレミアム会員限定で提供され、リリース直後からサブスクリプション契約数の増加に寄与するとともに、中長期的な契約数の増加にもつながっており、収益面においても一定の成果を挙げております。
また、2025年8月28日には「ibisPaint for Mac」をリリースし、Windows、Mac、iPhone/iPad、Androidの全ての主要デバイスに対応することで、プロマーケットへの進出基盤をも整えました。これにより、ブランド力が強化され、より多くのユーザーに信頼されるクリエイティブ領域での地位を確立してまいります。さらに、教育機関向け商品「ibisPaint Edu」については、4月に新たに「ibisPaint Edu for Android」を追加し、iOSとAndroid両環境への対応を実現いたしました。この対応により、教育機関への導入件数は着実に増加しており、学校配布端末からの使用を通じて、生徒が将来有料会員になることを見据えた環境を整えました。
加えて当社では、これまでモバイルアプリの開発で培ってきた技術を活かして、創作活動以外のビジネスの現場でも活用できる企業向けAIクラウドサービス「ibisWorks」の展開を進めております。6月にはAI議事録サービス「ibisScribe」の提供を開始し、ストレージサービス「ibisStorage」との連携により、新たなユーザー獲得を目指しております。
以上の結果、売上高は2,830,230千円となりました。
売上区分別の国内売上高及び海外売上高は以下のとおりであります。
当事業において主な収入源となっているアプリ広告につきましては、安定的に無料ユーザー層を獲得し、高いエンゲージメントにより「DAU(日次アクティブユーザー)」も高水準で推移いたしました。一方で、広告市況については軟調な動きが見られ、加えて広告配信アルゴリズムの変化による影響も重なり、「eCPM(広告単価)」は下振れし、売上高は1,349,597千円となりました。広告収益の改善に向けては、配信ロジックの変化や競合アプリの動き、当社の広告戦略とのバランスを見ながら、ユーザーの行動データをもとにした分析や運用の見直しを行い、広告効果を高める取り組みを進めております。一方、アプリ課金の中では、サブスクリプションが好調を維持しており、各種新機能・新サービスの追加や既存ユーザー向けの契約促進施策が功を奏し、売上高は1,202,072千円となり、「ibisPaint」のプレミアム会員数は397,640人に達しました。これにより、定期的な収益源がより安定し、収益基盤が強化されました。売切型アプリについては、モバイル向け・PC向けともにサブスクリプションへの誘導が進んだため、売上高は270,485千円、販売数は151,212件(注)となりました。なお、第3四半期連結累計期間において、アプリ課金売上(サブスクリプション及び売切型アプリの合計)がアプリ広告売上を上回り、この傾向は第4四半期累計期間でも継続いたしました。結果として、当連結会計年度の累計では、アプリ課金売上1,472,557千円がアプリ広告売上1,349,597千円を上回り、課金収入が主軸の収益構造が明確になってきております。
また、前連結会計年度よりオーガニック成長へ転換し、効果的な広告投資を実施した結果、セグメント利益は1,500,796千円となりました。
(注)「ibisPaint Edu」は無料での提供のため、第3四半期より売切型販売数より除外。
<ソリューションセグメント>
当連結会計年度におきましては、生成AIやCopilotなどの活用が進む中、企業のアプリケーション開発における効率化や生産性向上への関心は引き続き高水準で、当社に対する開発支援のニーズも堅調に推移いたしました。特にエンドユーザーとの直接取引による受託開発案件の獲得が進展しております。
受託開発事業では、スクラッチ型のアプリケーション開発案件において一部で発注抑制の傾向が見られたものの、高付加価値な案件を主体に、Webアプリケーション領域を中心とした開発体制の強化が成果を上げました。その結果、受託案件数は第3四半期より増加をはじめ、第4四半期には四半期ベースで過去最高の受託開発売上を記録しております。これらの成果には、参画ITエンジニアのスキル向上や、AIツールを活用した開発プロセスの最適化が大きく寄与しております。さらに当社では、AIを活用した業務運営の高度化を継続して推進しております。Copilot等のツールを活用した支援や、社内勉強会、eラーニング研修を通じて、作業効率とスキルアップを両立しております。これにより、残業時間の削減や人材定着率の改善が進み、現場体制が安定するとともに、複数案件を並行して進められる体制が整い、生産性も向上しております。IT技術者派遣事業におきましては、当連結会計年度を通じて、複数の法人顧客において安定的な受け入れが進みました。
その中で、ITエンジニアの採用活動は回復傾向にあり、開発リソースの安定化に向けた基盤が再度整いつつあります。これにより、現場体制の強化と業務の円滑化が一層進みました。
さらに、第1四半期に実施した営業と技術部門の連携強化及び意思決定プロセスの迅速化を目的とした組織改編は、その後安定的に機能し、ITエンジニア数は第1四半期末の241名から第3四半期末には255名へ回復が確認され、第4四半期末はほぼ同等の254名で着地しました。現場体制の復調と安定が確認され、この体制は翌期以降の業績拡大にも寄与するものと見込んでおります。
加えて、2025年11月には、ソリューションセグメントとのシナジー効果を目的として、株式会社ゼロイチスタートを完全子会社化いたしました。今後は、同社が有する事業コンサルティングの知見、ノーコード開発の運用経験及びSEOノウハウを活用し、グループ一体での事業展開に取り組んでまいります。
以上の結果、売上高は2,055,883千円となり、内訳としては、受託開発事業が537,604千円、IT技術者派遣事業が1,518,278千円となりました。また、ハイスキルなITエンジニアの採用など開発人材への投資を引き続き推進する一方、M&A費用も重なり、セグメント利益は266,494千円となりました。
<AI歌声合成セグメント>
当連結会計年度におきましては、VoiSona事業(BtoC向け)と受託開発事業(BtoB向け)を推進し、AI音声合成技術を活用した事業活動を行いました。VoiSona事業では、6種のソングボイスライブラリ(うち2種は中国語)、及び3種のトークボイスライブラリ(うち1種は英語)を新たにリリースし、売上が増加いたしました。特に「VoiSona 雨衣(CV:しぐれうい)」は、リリース間もなく、ユーザーによる作品がYouTubeのミュージックビデオランキング(注)で日本国内6位にランクインし、注目を集めました。また、ユーザー体験を向上させるため、PC版ソングアプリに「10秒お試し機能」、PC版トークアプリに「オーディオトラック機能」「外部連携機能」、iOS版ソングアプリに「縦画面表示機能」「マルチタッチ機能」を追加いたしました。さらに9月には、特定のソングボイスライブラリにて、多言語(日本語・英語・中国語)混合トラックをサポートするアップデートを行いました。受託開発事業では、継続的なライセンス提供により安定した売上を確保し、音声合成及び歌声合成のマルチタスクモデルに関する先進的な研究開発を行いました。両事業とも新規顧客の獲得を目指して、マーケティング及び営業活動を強化しております。
以上の結果、売上高は118,977千円となり、VoiSona事業は92,935千円、受託開発事業は26,042千円となりました。また、技術関連資産償却額及びのれん償却額は45,332千円を計上し、セグメント損失は△62,157千円となりました。なお、連結財務諸表に関する会計基準におけるみなし取得日の規定により、2025年1月31日付で完全子会社化した株式会社テクノスピーチの損益計算書は2025年4月1日から連結業績に取り込んでおります(従って、当連結会計年度における同セグメントの業績計上期間は例外的に9ヶ月間となります)。
(注)YouTube Music Global Charts「人気のミュージックビデオ トップ100」2025年6月末時点。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は4,187,678千円となりました。主な内訳は、現金及び預金が2,083,187千円、売掛金及び契約資産が632,427千円、のれんが616,431千円、技術関連資産が185,031千円となっております。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は1,288,359千円となりました。主な内訳は、契約負債が337,447千円、未払金が285,769千円、未払法人税等が231,340千円となっております。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は2,899,319千円となりました。主な内訳は、資本金が411,163千円、資本剰余金が408,764千円、利益剰余金が2,018,912千円となっております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は2,083,187千円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、獲得した資金は961,398千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,218,384千円の計上及び法人税等の支払額441,134千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、支出した資金は977,557千円となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出772,145千円、無形固定資産の取得による支出165,212千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、支出した資金は133,709千円となりました。これは主に、配当金の支払額146,299千円等があったことによるものであります。
当社グループが提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当連結会計年度におけるソリューションセグメント及びAI歌声合成セグメントの受託開発に係る受注実績は次のとおりです。なお、モバイルセグメント及びソリューションセグメントのIT技術者派遣・AI歌声合成セグメントのVoiSona事業は提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前年同期比については記載しておりません。
c 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
※1.Google LLCはプラットフォーム提供会社であり、同社に対する販売実績は、当社の提供するアプリの利用者(ユーザー)にかかる広告売上高等であります。
※2.Apple Inc.はプラットフォーム提供会社であり、同社に対する販売実績は、当社の提供するアプリの利用者(ユーザー)にかかる利用料等であります。
(注)2.当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前年同期比については記載しておりません。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態の分析
財政状態の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりです。
b 経営成績の状況の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は5,005,091千円となりました。これは主にモバイル事業において、主力アプリ「ibisPaint」シリーズの利用者基盤が拡大し、プレミアム会員サービスの契約者数が堅調に増加したことに伴い、月額課金型サブスクリプション売上が安定的に積み上がったことによるものであります。また、当連結会計年度より連結対象となった株式会社テクノスピーチの業績であるAI歌声合成関連事業の売上が加算されたことも、要因となっております。これにより、当社グループの収益構造は、従来のモバイル事業中心に加えて、技術関連資産も活用した収益構造へと拡張しております。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は1,956,194千円となりました。これは主に開発人員の増加に伴う人件費、アクティブユーザー増加に伴うサーバ利用料等の通信費及び連結子会社取得に伴う費用によるものであります。この結果、売上総利益は3,048,897千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は1,846,915千円となりました。これは主にモバイル事業におけるサブスクリプション売上及び課金売上の拡大に伴う支払手数料によります。なお、採用費はエンジニアの採用が一服したこと、広告宣伝費について効率的な投下を重視したことにより減少しております。この結果、営業利益は1,201,981千円となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は主に為替変動幅の縮小及び一時報奨金の減少等により14,091千円となりました。営業外費用は主に有利子負債の減少に伴う支払利息の減少により552千円となりました。この結果、経常利益は1,215,520千円となりました。
(当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は848,969千円となりました。これは法人税等調整額を含む法人税等合計369,414千円を計上したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b 資金の財源及び資金の流動性
当社の主な資金需要はモバイル事業の「ibisPaint」アップデート及び新規アプリ開発投資に係る人件費、AI歌声合成事業における研究開発投資並びにM&A関連投資であります。運転資金は主に自己資金及び金融機関からの借入により調達しております。設備投資の必要性が生じた際には投資金額、手元資金、資本コスト等を総合的に考慮して最適な手段により調達することとしております。
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は2,083,187千円であり、資金の流動性は十分に確保できております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
1.スマートフォン・タブレット端末向けアプリプラットフォーム運営事業者との契約
2.株式取得に関する契約
当社は、2025年10月30日開催の取締役会において、株式会社ゼロイチスタートの全株式を取得し、同社を子会社化する旨の決議を行い、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。当該契約に基づき、2025年11月21日付けで株式会社ゼロイチスタートの全株式を取得し、子会社化いたしました。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください
3.株式会社ゼロイチスタートの吸収合併
当社は、2026年2月10日開催の取締役会において、2026年4月1日を効力発生日として、当社の完全子会社である株式会社ゼロイチスタートを吸収合併することを決議し、同日付で合併契約を締結いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)(完全子会社の吸収合併)」に記載のとおりであります。
当社グループは、コンシューマ向けの自社製品である「ibisPaint」を主軸としながら、更に多くのユーザーに当社の製品を利用いただくため、法人向けの自社製品も提供すべく、日々、研究開発に取り組んでおります。当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的及び研究開発費は次のとおりです。なお、研究開発費の総額は
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
モバイルセグメントにおいては、主力製品の「ibisPaint」については新機能の追加やサービス拡充、ユーザーの声をもとにしたアプリの改善や仕様変更への対応を中心に研究開発を行いました。その結果、当事業における研究開発費は
該当事項はありません。
(3) AI歌声合成セグメント
AI歌声合成セグメントにおいては、多言語対応モデルを中心に研究開発を行い、一部の言語・話者において製品化レベルの品質を達成し、特に、深層学習アルゴリズムの改良により、「知声」「SELENA」等の音声ライブラリのクロスリンガル版のリリースに成功しました。その結果、当事業における研究開発費は
該当事項はありません。