当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は有価証券報告書提出日(2026年3月19日)現在における、当社グループの将来に関する見通し及び計画等に基づいた将来予測です。これらの将来予測には、リスクや不確定な要素などの要因が含まれており、実際の成果や業績などは記載の見通しと異なる可能性があります。
(1) 企業理念及び目指す企業像
当社は、変化し続ける時代において、世の中から広く求められ社会の基盤となるような事業の創造を目指しております。
Mission 存在意義 社会と人々に豊かさを
Vision 将来の姿 No.1/Only1を創造し続ける事業グループ
Value 行動指針 時代のニーズを掴み、一歩先を考える
生活を豊かにする商品/サービスを追求する
成長性と革新性を尊重し、チャレンジを応援する
当社グループは、コア事業を「ものづくり(部品・材料)」「ものづくり(音響機器関連)」と定め、「No.1/Only1を創造し続ける事業グループ」という事業ビジョンに基づき、収益力を高め成長分野へ適切な投資を行い、以下の基本戦略に沿って中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
[グループ経営の基本戦略]
・コア事業である「ものづくり」事業のシェアと収益力の向上
・非連続的成長に向けたデジタル技術の事業領域横断的な活用
・成長投資財務体質強化を両立させるリスクコントロール
[ものづくり分野の事業における課題]
・素材開発技術を用いたペン先部材・コスメ部材・金属部材等の収益力拡大の継続
・音楽・エンターテイメント向け音響機器事業の収益力拡大
・研究開発やアライアンスによる保有技術の新分野への展開
[中期経営計画 FY30のアップデート]
① 中期経営計画 FY30について
経営を取り巻く環境の変化を鑑み、方針を3つに分類し、設定いたしました。
既存事業の方針については、CAGR10%以上を目標としました。オーガニック成長の極大化に挑戦する一方、グループ事業各々が特定の市場でのトップ・リーダー企業である中、また、外部環境を踏まえても、安定的な供給体制の確保は非常に重要なテーマであり、サプライチェーンの強化に向け、投資を実行してまいります。加えて、周辺事業に関連するM&Aにも注力し、成長率目標の達成に邁進いたします。
財務方針については、ROE10%以上とする目標を掲げました。中期経営計画 FY25の期間における振り返りも踏まえ、足元の水準からはハードルは高いものの、期待される水準に引き上げるため、新領域へのM&Aによるリターンと株主還元の強化により、達成を目指してまいります。
全社方針については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりでありますが、中期経営計画を構成するものとして、グループをあげて取り組んでまいります。
② 2025年12月期の結果
サマリは以下のとおりであります。
・売上収益及び営業利益は、音響機器関連事業の成長により増収増益
・親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に計上した株式売却益の反動により減益
・個社別では、テイボーグループは減収減益、AlphaTheta及びJLabは増収増益
・ROEは、6.9%と、非継続事業を除くと成長
・配当は、年間の配当性向:50%/総還元性向:63%
・NetDebtは、△85,361百万円と、NetCashで着地
③ 財務方針に掲げた、次なるコア事業=新領域のM&Aについて
「既存事業のオーガニック成長に加え、周辺事業及び新領域へのM&Aによる非連続な成長」の具体的打ち手として、年度を通じ様々な事業についてソーシングを実施してまいりました。その結果、2026年2月2日に公表のとおり、センクシア株式会社(以下「センクシア」という。)の全ての株式について、取得を完了しております。
センクシアは、売上高354億円、調整後EBITDA92億円、EBITDAマージン26%と高い収益性を誇る企業グループです。企業価値は約800億円と算定(EBITDAマルチプル8.7倍)しております。株式取得後ではNet Debt / 事業EBITDA倍率は0.1と試算しておりますが、中計FY30の方針である3.0以下の水準で財務健全性を維持する予定です。
センクシアのグループ参画は、新たな成長の柱を構築する「新領域」への投資であるとともに、当社「部品・材料」セグメント強化のための投資と位置づけております。グループ全体の成長を加速させるとともに、中計FY30における重要指標であるROE(自己資本利益率)等の向上を実現し、持続的かつ安定的な株主還元の強化につなげてまいります。
(2) 経営環境
当社グループはポートフォリオ経営を実施しているため、経営環境は事業セグメントにより異なります。セグメントごとの経営環境は以下のとおりです。
トランプ関税、継続するロシア・ウクライナ危機など、地政学リスクが世界経済情勢に影響を及ぼすなど、先行きを見通すことが困難な状況が継続しております。
このような状況下、ものづくり(部品・材料)分野においては、テイボー事業は緩やかではあるものの、需要が回復基調であると見込んでおります。浜松メタルワークス(MIM)事業は、新規開拓が進み、引き続き成長すると見込んでおりますが、原材料、燃料費の高騰に加え、売上拡大のため難易度の高い製造に挑戦している時期であり、歩留まりが改善するまではマージンの改善は限定的であります。また、新たにグループに加わったセンクシアは、2026年2月より連結対象に入ることにより、増収増益要因となります。
ものづくり(音響機器関連)分野においては、AlphaThetaについては、主力の欧米を中心に通年で堅調な需要が見込まれており、安定的に成長するものと見込んでおります。一方、新工場の稼働に伴う立ち上げコストや、成長戦略に沿った人件費や開発コストを適切に投資するため、売上収益の伸長によるスケールメリットはあるものの、EBITDAマージンはほぼ横ばいとなる見込みであります。JLabについては、米国において、2025年11月下旬より関税コード変更により主要製品のワイヤレスイヤホン等が相互関税の適用対象となりましたが、競争環境に変化はなく、価格転嫁により吸収し、堅調に推移する見込みであります。米国以外へのアプローチについては、新たな地域及び国への展開が進み、継続して成長できる見通しであります。売上の拡大に伴い、粗利率は引き続き良化するものと見込んでおりますが、事業EBITDAマージンについては、引き続きブランド認知拡大のためのマーケティング投資を継続して実行する計画であり、低下することを見込んでおります。
(3) 経営目標
「中期経営計画 FY30」の定量目標は、以下のとおりであります。
(事業EBITDA=営業利益±営業取引から発生した為替差損益±その他の営業収益・費用+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く))
株主還元方針については、総還元性向50%以上を目標といたします。配当については、従来の配当性向に加えDOE目標も導入し、継続的かつ安定的な配当を目指します。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年3月19日)現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、足元十数年で迎えた急速かつ急激な社会の変化に実直に向き合い、世の中から広く求められ、社会の基盤となるような事業の創出に挑戦してまいりました。今後、ますます深刻化していくと考えられる社会課題や地球環境課題に対応し、当社グループのミッションである「社会と人々に豊かさを」を提供し続けていくうえで必要と考える課題を4つのマテリアリティ(重要課題)として設定し、経営と統合したサステナビリティの推進を図っております。
グループの経営資源を活かし、マテリアリティを基礎とした環境・社会・ガバナンス(以下「ESG」という。)上の課題を解決することで、顧客価値と社会価値の創出に取り組み、持続的成長を目指してまいります。
(1)当社グループのサステナビリティの考え方及び取組
① ガバナンス
当社グループでは、代表取締役CEOを委員長、当社の取締役CFO・執行役員及びグループ会社の社長を委員として構成する「サステナビリティ委員会」を設置しております。詳細は、「
さらに、2025年度より当社の役員報酬にサステナビリティ経営の推進に関わる指標を反映させております。具体的には役員の業績評価にあたり、営業利益(55%)や親会社の所有者に帰属する当期利益(40%)といった財務指標に加え、サステナビリティ指標の目標達成率を5%の割合で勘案することとしております。このようにサステナビリティへの取り組みを報酬体系に連動させることで、経営陣が持続的な企業価値向上に責任を持つ体制を構築しております。
(サステナビリティ推進体制)
② 戦略
当社グループの存在意義は、事業を通じて「社会と人々に豊かさを」を提供し続けることです。これを実現していくために、当社グループが注力すべきサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)を特定し、中長期戦略に組み込んで具体的な取り組みと目標を設定し、事業を通じて実行しております。
新たに策定した「中期経営計画 FY30」においても、2030年に向けた全社方針としてサステナビリティ経営及び人的資本経営の推進を掲げております。サステナビリティ重要課題への取り組み推進及び「人的資本の最大化」を追求し、持続的な事業成長を実現していくことを目指しております。
当社グループでは、人的資本の最大化を支える基盤として、多様な人材が能力を発揮できる職場づくりを「社内環境整備」における重要事項と捉えております。現在、グループ共通の「社内環境整備方針」の策定を検討しており、具体的な取組については、後記「
サステナビリティ重要課題に対して、個別に策定した各種方針は以下のとおりです。
・コーポレートガバナンス基本方針
・コンプライアンス基本方針
・品質管理方針
・調達方針
・調達ガイドライン
・人権方針
・人材育成方針
・健康経営方針
・情報セキュリティ方針
・腐敗・贈収賄防止方針
・責任ある鉱物調達方針
詳細は、
(https://www.noritsu.co.jp/sustainability/)
③ リスク管理
当社グループは、サステナビリティに関する課題を把握し評価するため、リスクアセスメントを行っております。特定したリスク及び機会はリスク管理統括委員会と相互補完することにより、サステナビリティ推進体制のもと管理しております。グループ会社のリスク管理委員会にて議論された内容は、当社リスク管理統括委員会、コンプライアンス委員会及びサステナビリティ委員会にテーマに沿って共有され、案件によって、当社取締役会に報告され、議論されます。企業戦略に影響すると考えられる法令・規制等の変更や世の中の動向等の外部要因の共有や、グループ各社のリスク対応施策の進捗状況などの内部要因を踏まえて、戦略・施策等の検討を行っていきます。
④ 指標及び目標
当社グループは特定したマテリアリティに取り組むために、年度毎に目標を定めた「マテリアリティ対応計画」を策定し、グループ全体で取り組みを推進しております。対応計画はグループのサステナビリティ推進体制のもとで進捗管理を行っております。
<事業を通じた社会・人々への貢献>
<事業を支える基盤の構築>
(2)気候変動への対応
世界各地で異常気象による大規模な自然災害が多発する中、気候変動は当社グループが取り組むべき重要課題であると捉え、気候変動への対応をマテリアリティの1つとして掲げ、気候変動の影響や課題の緩和に貢献し、適応する取り組みを推進しております。2022年以降、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に準拠する形で気候変動が事業に与えるリスク・機会に対しグループのレジリエンス性の強化や新たな戦略の検討を行っております。シナリオ分析により事業に与えるリスク・機会を把握し経営戦略へ反映させるとともに、情報開示を進め、持続可能な社会の実現と当社グループの持続的な成長を目指してまいります。
① ガバナンス
気候変動対応を含むサステナビリティに関する重要案件は、当社代表取締役CEOを委員長とするサステナビリティ委員会において年1回以上審議し、取締役会に年4回以上報告や提言を行うことにより、取締役会による適切な監督体制を整えております。取締役会では報告された気候変動による重要なリスク・機会について、審議・決定を行い、対応の指示及びその進捗に対する監督を行います。なお、サステナビリティ委員会の審議に先立ち、当社執行役員が管掌するサステナビリティ推進会議において十分に議論するとともに、事業を通じた気候変動に関わる取り組みの実績や温室効果ガス排出量削減の進捗状況を確認いたします。
2025年度は、3月に開催したサステナビリティ委員会において、温室効果ガス(以下、GHG)排出削減目標の見直しに向けた協議や気候変動のリスクと機会に関する対応状況の確認等の審議・承認を行いました。また、取締役会において、四半期毎のGHG排出削減目標に対する進捗状況やTCFD提言に沿った開示内容の更新の報告等を行いました。
さらに、2025年度より役員報酬制度を改定し、役員の業績評価にGHG排出削減目標を含むサステナビリティ指標の目標達成率を勘案することとしております。それらについては、「(1)当社グループのサステナビリティの考え方及び取組 ① ガバナンス」に記載しております。気候変動への対応を含むサステナビリティへの取り組みを報酬体系に連動させることで、経営陣がGHG削減目標の達成及び気候変動への対応に関わる各種施策の推進に責任を持つ体制を構築しております。
② 戦略
シナリオ分析の前提
気候関連課題が当社グループの事業、戦略、財務計画に大きな影響を与える可能性があるという認識のもと、2022年以降、シナリオ分析によるリスクや機会の整理及び戦略の見直しを定期的に実施しております。現在は、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)が公表する「1.5℃~2℃シナリオ」と「4℃シナリオ」を用い、脱炭素社会への移行に向けた政策や規制が強化されることによって影響が顕在化する移行リスクと異常気象の激甚化や平均気温の上昇等によって影響が顕在化する物理リスクに整理してシナリオ分析を行っております。また、定量分析では2030年に想定される財務影響を試算しております。2025年度は、物理的急性リスクについて当社グループの海外拠点及び製造委託拠点を対象に追加し、分析を行いました。
シナリオ分析により明確化された重要なリスクと機会に対してそれぞれの対策を講じ、リスクの低減と機会の確実な獲得につなげてまいります。
(リスク・機会と対応策)
想定期間:2030年まで
財務影響の評価指標:小 5億円未満/中 5億円以上30億円未満/大 30億円以上
※物理的急性リスクについては、当社グループの国内・海外拠点及び製造委託拠点(2024年12月末時点)を対象として、ハザードマップや治水経済調査マニュアル等を活用し分析を行いました。災害が発生した際には、4℃シナリオにおいて12拠点(自社2拠点、製造委託先10拠点)が営業停止損失及び資産損失リスクに晒されることが明らかになりましたが、再現期間を加味した年間影響額は小さいことから影響度は「小」としております。
③ リスク管理
気候変動によるリスク・機会については、サステナビリティ委員会において評価・識別し、グループにとって重要なリスク・機会を特定いたします。それらに対する取り組み方針や対応策について策定し、取締役会に報告や提言を行います。取締役会ではサステナビリティ委員会からの報告等により、リスク管理の有効性や推進状況の確認・監督を行います。また、グループ全体のリスクを統合的に管理するリスク管理統括委員会においても、当リスクを共有し、必要に応じてさらなる対応策を検討していきます。
④ 指標及び目標
気候変動が及ぼす当社グループ事業への影響を評価・管理するために、GHG排出量についてはScope1・2を対象に2030年までに「SBT1.5℃」目標に整合する水準である42%削減(2023年度比)することを目標に設定し、各種削減策を実行しております。
(目標)
(実績)
2024年度のScope1・2合計排出量は11,410t(2023年度比△6.4%)となり、年度目標を達成いたしました。具体的な取り組みとして、自社製造拠点を有するテイボーグループでは、2023年度より国内の一部拠点において太陽光発電設備の導入(PPAモデル)を行っております。2024年度には非化石証書を導入(太陽光、風力、バイオマス由来)し、国内工場で使用する電力のさらなる再生可能エネルギー化を進めました。また、AlphaThetaの本社が入居するビルにおいては、引き続き100%グリーン電力を使用しております。これらの取り組みにより、2024年度は当社グループ全体で使用電力の再生可能エネルギー比率を約12%に向上させました。
(注)1 「2024年GHG排出量(Scope1・2)報告規準」は、当社ホームページに公表しております。
(https://www.noritsu.co.jp/sustainability/)
2 「統合報告書2025」において開示している2024年のGHG Scope1・2排出量は、第三者機関による保証を取得しております。
3 Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope2:他社から共有された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
当社グループでは、2023年度から2024年度にかけて、グループ全体のサプライチェーンを対象としたScope3の算定体制の構築に取り組みました。Scope3算定の結果、当社グループにおいてはカテゴリ1「原材料・部品及び購入した物品に伴う排出量」とカテゴリ11「販売した製品の想定される電力消費に伴う排出量」が多く、全体の9割以上を占めることが明らかとなりました。カテゴリ11については、製品の省エネルギー化等の排出削減に向けた取り組みを進めておりますが、今後は目標設定と実行可能な排出削減策の検討を行っていく予定です。
(注)1 Scope3:Scope1・2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)
2 2024年度のScope3排出量については、第三者機関による保証を取得しておりません(レディネス評価を実施)
なお、
(3)人的資本に関する取り組み
当社グループは、No.1/Only1を創造し続けることを目指してビジネスを展開しております。持続的な成長と企業価値の拡大を実現するためには、グループすべての従業員が広い視野を持ち、主体的かつ未来志向の姿勢・発想を持って邁進することが重要だと考えます。
従業員の多様性を尊重しつつ、公正な評価と処遇を行うことでエンゲージメント(自発的貢献意欲)の向上を図るとともに、働きやすい職場環境の構築を通じて活力ある組織風土の醸成に努めております。また、これら人的資本への投資が持続的な成長にもたらす影響を可視化するため、人的資本指標とアウトカムとの関連性についても整理しており、次年度に向けてより一層具体的な説明ができるよう準備を進めております。
① ガバナンス
当社グループの人的資本マネジメントは、持株会社と中核事業会社がそれぞれの役割と機能を果たし、グループ全体の人的資本の拡充を目指しております。持株会社である当社は、人事担当執行役員を責任者とし、グループ共通の人材育成計画と人権やコンプライアンスの取り組み方針を策定し、グループ各社への周知を図っております。
計画及び方針の進捗や課題については、当社代表取締役CEOを委員長とするサステナビリティ委員会において年1回以上審議し、取締役会に年1回以上報告や提言を行うことにより、取締役会による適切な監督体制を整えています。取締役会では報告された人的資本に関する管理指標のモニタリング結果等から、重要なリスクや機会について、審議・決定を行い、対応の指示及びその進捗に対する監督を行います。なお、サステナビリティ委員会の審議に先立ち、当社執行役員管掌のサステナビリティ推進会議において人的資本を含めた管理指標のモニタリング結果や対応施策について議論しております。また、グループ全体のリスクを統合的に管理するリスク管理統括委員会においても、人的資本に関するリスクを共有し、必要に応じてさらなる対応策を検討していきます。さらに、人的資本経営へのコミットメントを強化するため、2025年より役員報酬制度を改定いたしました。本改定により、役員の業績評価にあたっては、営業利益(55%)や親会社の所有者に帰属する当期利益(40%)といった財務指標に加え、サステナビリティ指標の目標達成率を5%の割合で勘案することとしております。人的資本の拡充を含むサステナビリティへの取り組みを報酬体系に連動させることで、経営陣が持続的な企業価値向上に責任を持つ体制を構築しております。
② 戦略
当社グループは、2021年10月に特定した人的資本に関するマテリアリティ「一人ひとりの多様な価値観を尊重し、すべての人材が未来志向で活躍できる職場基盤の構築」に基づいております。ノーリツ鋼機は「方針」の更なる具体化を検討しており、かつ「人材育成の方針」及び「社内環境整備の考え方」を定量すべくKPIを設定して進捗をモニタリングしております。今後、人的資本経営の高度化に合わせ、これらを体系化した方針の策定を検討してまいります。
人材育成の方針は当社及び当社グループの将来価値を実現する人材確保を目的としたものであり、当社の競争優位性の源泉である「技術者」の確保については、中途採用の強化のみならず、高度な専門スキルを持つ部人材の積極的な登用を含めた多様なルートでの人材獲得に注力しております。あわせて、技術者が最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、開発環境の高度化といった職場環境の整備を推進するとともに、専門性を深化させるリスキリングや中長期的なキャリア形成を支援する体制を構築することで、個人の成長と組織の競争力強化を同時に実現することに努めております。下記、当社及び当社グループの人材育成方針と内部環境整備の方針となります。
[ 人材育成の考え方(人材育成方針) ]
当社グループは、No.1/Only1を創造し続けるため、各事業の特性を踏まえ、必要とされる高度な専門性の向上に向けた人材育成の機会を提供しています。
・テイボー:祖業から続く独自の微細加工技術を次世代へ承継するため、熟練技能の形式知化と、技術者の多能工化を推進し、製造現場の強靭化を図ります。
・AlphaTheta:世界のDJ文化を牽引する創造性を維持するため、最新のデジタル技術やソフトウェア開発スキルのリスキリングを強化し、市場変化を先取りするイノベーション人材を育成します。同時に、国籍や拠点に捉われず、個々の専門性や貢献を適正に認めるグローバル基準での公平な評価基盤を構築し、多様な才能が最大限に発揮される組織づくりを推進します。
・JLab:変化の速いグローバル市場での成長を加速させるため、マーケティング能力やグローバル・マネジメントスキルの向上に重点を置いた教育プログラムを実施しています。
[ 内部環境整備の方針 ]
内部環境の整備に関しては、具体的な指標をもとに管理をしており、詳細は「④指標と目標」にて説明しております。
[ 人的資本経営の戦略における今後の高度化に向けて ]
現在、新中期経営計画「FY30」の進展に合わせ、人的資本経営戦略のさらなる高度化を目指しております。具体的には、可視化した戦略の説明や、人的資本への投資が将来の財務価値に与える影響の分析について検討を進めており、今後、一層具体的な戦略の説明に向けた準備を進めております。
③ リスク管理
キャリアに関する価値観が多様化し、これまで以上に人材の流動化が進んでいます。また、先端技術を保有する人材など、希少なスキルや経験を持つ人材の獲得競争も激化しています。このような環境下において、人材から選ばれる人的資本経営の実行がより重要となってくると考えます。加えて、近年は社会から人的資本の情報開示が求められるようになってまいりました。また、法令遵守の観点からも従業員一人ひとりについても責任のある行動が求められます。これらのリスクに対応するため、マテリアリティ対応計画の中で3つの具体的な取り組みの推進及びグループ行動規範に基づく倫理的な企業文化の醸成を通じて、リスクの適切な管理と低減に努めております。
グループ各社のリスク管理委員会及びリスク管理統括委員会にて「人材確保」「人材育成」「コンプライアンス」等の面からモニタリング、課題認識・対応を行い、サステナビリティ委員会やコンプライアンス委員会への情報連携、取締役会での議論を通じ、リスクヘッジ及び機会の獲得に努めております。
これらのリスク低減のための活動を通じ、人材から選ばれる企業グループとなるべくリスクを機会に転じさせるための戦略高度化に向けた検討を行っております。
[ 人材確保に向けたリスクの管理 ]
キャリアに関する価値観が多様化し、これまで以上に人材の流動化が進んでいます。また、先端技術を保有する人材など、希少なスキルや経験を持つ人材の獲得競争も激化しています。このような環境下において、人材から選ばれる人的資本経営の実行がより重要となってくると考えます。
当社グループでは、人材の流動化をリスクと捉えるだけでなく、多様な専門性を持つ人材を獲得(国際的基準における多様な労働力の確保)し、組織のイノベーションを促進する機会に転化すべきと考えております。
現状、平均勤続年数や離職率において市場水準と比較し改善の余地があることを認識しており、その要因を「多様な働き方へのニーズへの対応途上」と分析しております。これに対し、正社員雇用に限定せず、各人材が必要なスキル習得にチャレンジし、各人材が希望する最適な雇用形態を提供し、当社に必要な人材が確保できるよう、多様な働き方を推奨しています。具体的には、個人のキャリア形成を柔軟に支援する環境整備を進めることや、テレワークやフレックスタイム制度を拡充しています。また、退職後のキャリアを尊重しつつ、培った経験や知見を再びグループの成長に活かせるよう再雇用を柔軟に受け入れ、優秀な人材の定着(リテンション)と確保を図っております。
くわえて、質の高い自己啓発や自己学習の時間を確保するための基盤として労働環境の整備を重視しており、グループ全体での業務効率化と適正な労務管理を徹底し、残業削減により創出した可処分時間を自律的な学び(リスキリング等)に充てられる環境の構築を推進しております。
さらに、従業員エンゲージメントを重要指標と位置づけ、個社毎に定期的なスコアモニタリングを開始しました。計測された課題に基づき職場環境を改善し、自発的貢献意欲を高め、生産性と定着率の向上を実現するための戦略を検討しております。
④ 指標と目標
人的資本に関するマテリアリティ対応計画の中の3つの具体的な取り組みについて、それぞれ以下の目標・指標を設定して推進しております。本指標については、単年度の数値達成のみならず、過去3事業年度の推移(トレンド)をモニタリング・分析することで、「持続的な価値創造の源泉」としてモニタリングを行っております。また、IFRSサステナビリティ開示基準の考え方に基づき、当社の競争力の源泉である「技術者」及び「グローバルに活躍できる人材」を重要な多様性グループと定義し、中長期的な企業価値向上への寄与を可視化に着手しました。
技術者数
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第71期 |
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2025年12月期 |
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男性(名) |
345〔57〕 |
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女性(名) |
63〔24〕 |
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合計(名) |
408〔81〕 |
(注) 当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含みます。〔 〕は年間の平均臨時雇用者数を外数で記載しております。
(安全で健康な職場環境の整備)
2022年に策定したグループ方針のもと、従業員の心身の健康が生産性向上の基盤であると捉え、2024年は健康診断受診率の向上や食生活改善研修、運動イベントの開催など、健康経営指標の課題解決に向けた具体施策を実行いたしました。また、職場環境の安全性を定量的に評価するため、以下の指標を継続的にモニタリングしております。
・主要指標と実績:
○健康診断受診率(目標):
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2023年12月期 |
2024年12月期 |
2025年12月期 |
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|
- |
- |
|
○労災度数率(目標):休業災害
|
|
2023年12月期 |
2024年12月期 |
2025年12月期 |
|
|
3.05 |
1.45 |
|
(注)1 万一の労働災害発生時における休業日数等の管理を徹底し、再発防止策の策定と職場環境の改善を迅速に行う体制を構築しております。
2 労災度数率ついて、テイボーグループ(テイボーホールディングス、テイボー及びその子会社、浜松メタルワークス)を対象としております。
3 健康診断受診率(目標)について、2025年12月期よりグループ共通定義による一元管理へ移行し、集計を開始いたしました。これに伴い、比較可能性を担保する観点から、前年度以前については「-」としております。
(グループを牽引する未来志向で優秀な人材を育てるための環境整備)
当社グループは、No.1/Only1を創造し続けるため、既存技術の承継と新規事業創出(DX・グローバル)を両立させる戦略として、「技術者」の専門性向上と、国籍を問わず「グローバルに活躍できる人材」の育成を最優先の人材投資領域と位置づけております。
・人材教育方針と投資実績:2026年度研修時間(目標):17.5時間
|
|
2023年12月期 |
2024年12月期 |
2025年12月期 |
|
|
1人当たり年間研修時間(時間) |
目標 |
22.4 |
22.8 |
22.0 |
|
実績 |
18 |
16.4 |
21.6 |
|
(注) テイボーの子会社(2社)及びAlphaThetaの子会社(4社)は除いて集計しております。
・分析と次期施策: 2025年度の研修時間は目標に対し未達となりましたが、教育投資額については計画に基づき着実に実行しております。今後は単なる時間の計測に留まらず、各事業会社の特性に応じた専門教育(テイボーにおける技術承継、AlphaThetaにおけるデジタル・リスキリング等)の質的向上を図ります。また、教育と付加価値向上の関連性を見える化し、投資家への積極的な情報開示に努めてまいります。
(多様な価値観の尊重と柔軟な働き方の推進)
2022年に設定したグループ共通指標に基づき、国籍や性別を問わない「能力主義」の徹底と「柔軟な働き方」を推進し、多様な働き方のモニタリングを継続しております。
なお、当社は人的資本経営及び健康経営への積極的な取り組みが評価され、2026年3月、健康経営優良法人2026(中小規模法人部門「ネクストブライト1000」)に選定されました。これは、当社が主導する多様な働き方の推奨や、業務効率化による自律的な学習時間の創出といった一連の施策が、客観的にも優れた実践事例として認められた成果であると認識しております。
今後も本選定をさらなる高度化への契機とし、従業員一人ひとりの活力向上と組織の活性化をさらに加速させ、グループ全体の持続的な企業価値向上に努めてまいります。2026年度においても、各指標の継続的なモニタリングを通じて、従業員が責任をもって自律的に業務に取り組むことができる、エンゲージメントの高い開かれた職場環境の構築を目指してまいります。
|
|
2023年12月期 |
2024年12月期 |
2025年12月期 |
|
|
52.8% |
71.0% |
|
|
|
88.8% |
85.5% |
|
|
|
62.5% |
72.7% |
|
|
|
122.4日 |
93.4日 |
|
|
|
0.3% |
0.0% |
|
|
障がい者雇用率 |
テイボー 2.3% AlphaTheta 1.85% |
テイボー 3.0% AlphaTheta 1.7% |
テイボー 2.7% AlphaTheta 1.5% |
|
|
100% |
100% |
|
(注)1 障がい者雇用率は内国法人で「障害者の雇用の促進に関する法律」の雇用義務のある会社を対象とし、算定は同法に基づき算出したものであります。特に個社名の記載のない項目は、連結グループの合算ベースで算出しております。
2 男性労働者の育児休業取得率の詳細は、「
(1) 基本的な考え方
当社グループは、リスクを事業計画の進捗を阻む可能性のあるものと捉え、経営と事業に影響を及ぼす可能性のあるリスク要因につき、それぞれのリスクの発生可能性と当社グループに対する影響度を評価したうえで、重要リスクを特定しています。特定した重要リスクについて、リスク発生要因の分析と発生防止の取り組みを推進する一方、回避できないリスクに関しては個別に検討を行い、的確な管理と影響の低減を図っています。
当社グループは、「ものづくり」分野において、事業機会創出・拡大と収益力の強化に取り組んでおります。事業計画策定及び投資にあたっては、既存分野の強化、成長分野への投資・育成、新技術や新素材の開発、市場拡大・市場創造等への取り組み等、事業セグメント毎に細かな方針・目標を設定し、その進捗管理を行っておりますが、予期せぬ事態の発生により、計画どおりに進捗しなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクにつきましては、事業計画の達成状況について定期的に分析することでモニタリングを実施し、改善を図っております。また災害時事業継続計画(BCP)等により事業環境の変化に対応する体制を整え事業継続・計画達成に努めております。
なお、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、「(3) 重要なリスク」に記載のとおりであり、文中の将来に関する事項は、特段記載のないものは有価証券報告書提出日(2026年3月19日)現在において当社グループが判断したものであります。
(2) リスクマネジメント体制
当社では、代表取締役CEOをリスク管理統括責任者とするリスク管理統括委員会を設置し、全社的な視点で各種リスク・危機に関する事案を総合的に管理しています。また、リスクが発現した場合に速やかな初動対応をとることができるよう、事業継続計画(BCP)を策定するとともに、従業員の危機管理の指針となる各種マニュアルを整備しています。さらに、グループ全体のリスク管理の高度化を図るため、グループ各社にリスク管理委員会を設置してリスク管理に関わる諸事案を審議し、対応策を講じています。
なお、リスクマネジメントの運用プロセスとしましては、年度ごとにグループ各社にてリスクの分析・評価等の見直しとその対応策の確認を行い、リスクマネジメントのPDCAを回しております。また、グループ全体としてはリスク管理統括委員会がグループ各社で抽出された重要なリスクについて審議、評価、モニタリングを実施しグループ全体のリスクマネジメントを行っております。
(3) 重要なリスク
① 為替の影響について(発生可能性:大 影響度:中)
当社グループの連結売上収益に占める海外売上収益の割合は、2024年12月期91.2%、2025年12期91.5%となっております。そのため、為替の変動が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクについては非常に多種多様なファンダメンタルズに影響を受けるため、顕在化する時期について予想が困難であります。現時点では主として本邦通貨建を中心に取引を行うこと及び債権債務の通貨の組み合わせによるナチュラルヘッジを用い、当該リスクについて対策しております。リスク分析については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.金融商品 (2) 財務上のリスク管理方針 ① 為替リスク管理」をご参照ください。
② カントリーリスクについて(発生可能性:中 影響度:中)
当社グループの事業は、世界に販路を拡大しております。当社グループが事業活動をしている様々な市場における景気後退やそれに伴う需要の縮小、あるいは海外各国における予期せぬ事故、法規制等の変更により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、海外売上規模については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.事業セグメント (5) 地域ごとの情報」をご参照ください。各事業体が日常的に取引先とコミュニケーションを行うことにより、業務フローを通じて当該リスク管理を行っております。
③ 取引先の与信リスクについて(発生可能性:小 影響度:中)
当社グループは、新たな成長分野における事業機会を模索する中、各業域における新たな取引先の開拓を積極的に行っております。すべてのセグメントにおいて、取引先の個別与信の判断及び各業域の取引慣行等の事業ノウハウを習得しておりますが、景気後退等による不測の取引先の倒産等が発生することで、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する時期については個別事情によるところがあり予想が困難でありますが、すべての営業債権についてグループ方針に則り予想信用損失を引き当てております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.金融商品 (2) 財務上のリスク管理方針 ④ 信用リスク管理」をご参照ください。
④ 生産活動について(発生可能性:中 影響度:大)
当社グループで生産している製品の多くは、国内の工場及びアジア拠点の委託先において生産を行っております。そのため、天災や人災等により工場設備に著しい被害が生じた場合、又は、甚大かつ広域的に発生した大震災の影響で電力需給問題等が生じた場合、生産活動に支障を来す、又は、生産活動ができなくなる可能性があることを認識しております。これらの工場における生産活動の停滞や本社工場の復旧費用等は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクについては発生の時期の予想は困難でありますが、災害時には各社の事業継続計画書に基づき適切な対応が行えるよう体制を整備しております。設備への影響の程度については、「第3 設備の状況」をご参照ください。
⑤ サイバーリスクについて(発生可能性:小 影響度:大)
当社グループは、様々な事業活動を通じて、顧客や取引先の個人情報あるいは機密情報を入手することがあります。サイバー攻撃等の予測しない不正アクセス等により、顧客情報や当社グループの機密情報が漏洩し、また、その漏洩した情報が悪用された場合、顧客の経済的・精神的損害に対する損害賠償等が発生する可能性があります。さらに顧客情報の漏洩等が当社グループの信用低下や企業イメージの悪化につながることで、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクについては発生時期の予想は困難でありますが、当社グループでは情報セキュリティポリシーを制定し、ネットワークセキュリティの強化、監視・管理体制の強化、全従業員を対象とした情報セキュリティ教育、標的型攻撃メール訓練等の継続実施など安全性及び信頼性に万全の対策を講じるとともに、特に関連性の高い傘下のグループ会社では「プライバシーマーク」を取得する等個人情報保護に努めております。
⑥ 特許及びその他の知的財産について(発生可能性:小 影響度:中)
当社グループが研究開発及び生産活動を行う中で様々な知的財産権にかかわる技術を使用しており、それらの知的財産権は当社グループが所有しているもの、あるいは適法に使用許諾を受けたもの等であると認識しておりますが、当社グループの認識の範囲外で第三者から知的財産権を侵害したと主張され、係争等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクにつきましては、商品開発及び設計にあたっての第三者の知的財産権調査の実施、非侵害の主張やライセンス条件等の交渉・訴訟対応に備え、経験豊富な弁護士と連携し、事案の内容に応じて適切に対応する体制を整えています。
⑦ 企業買収について(発生可能性:中 影響度:中)
当社グループは、成長戦略実現のため、今後も積極的に企業買収を実施する予定です。企業買収にあたり、対象となる企業の資産内容や事業状況についてデューディリジェンス(適正価値精査)を実施し、事前にリスクを把握しております。しかしながら、事業環境や競合状況の変化等に伴って当社グループが期待する利益成長やシナジー効果が目論見どおりに実現できない可能性があり、また今後予期しない債務又は追加投入資金等が発生する可能性があり、これらが顕在化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクにつきましては発生時期の予想は困難でありますが、定期的なモニタリングを通じ、最重要会議体にて適宜報告・議論を行う体制をとり、リスクに備えております。また、発生の兆候が認識された際は、適切な測定手続きを通じて、適正に財務諸表に反映する体制をとっております。業務執行と監督の体制は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」を、リスクが顕在化したときの影響額については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 11.のれん及び無形資産」をご参照ください。
⑧ のれんについて(発生可能性:中 影響度:中)
当社グループは、企業買収に伴い発生した相当額ののれんを計上しております。当社グループは、当該のれんにつきまして、それぞれの事業価値及び事業統合による将来のシナジー効果が発揮された結果得られる将来の収益力を適切に反映したものと考えておりますが、事業環境や競合状況の変化等により期待する成果が得られない場合、減損損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。リスクの発生時期、対策、規模等については上記「⑦ 企業買収について」をご参照ください。
⑨ サプライチェーンに関するリスク(発生可能性:中 影響度:大)
当社グループは生産に使用する様々な原材料・部品等を国内外の調達先から購入しております。当社グループが調達先から購入する原材料や仕入商品の価格やリードタイムは、世界的な需給動向や輸送環境の動向による影響を受けており、これらの要因が長期にわたる混乱に及んだ場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの発生時期を見積ることは困難ですが、当社グループは、代替部品の検討、製品設計や調達先の多角化、また製品への適正な価格転嫁などにより、需給動向や輸送環境の動向の変動リスクの低減に取り組んでおります。また、社会的要請により、サプライチェーン上の人権状況のチェックや、環境への配慮について、より高度な対応が求められており、調達先に対応の不備があれば、原材料や仕入商品の調達停止による当社グループの財政状態及び経営成績への影響だけでなく、社会的評価が悪影響を受ける可能性もあります。当該不備によるリスクが顕在化する時期を見積ることは困難ですが、当社グループはサステナビリティの取り組みの中で、サプライチェーン管理体制の構築を通じ、リスクの低減に向けた活動を推進しております。詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) 当社グループのサステナビリティの考え方及び取組 ④ 指標及び目標 <事業を通じた社会・人々への貢献> 環境・社会に配慮したサプライチェーン体制を整備」に記載のとおりであります。
⑩ 気候変動に関するリスク(発生可能性:中 影響度:中)
当社グループは気候変動への対策を重要課題(マテリアリティ)の1つとして掲げ、2022年10月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明しました。TCFD提言に沿って、事業に与えるリスク・機会を把握し経営戦略へ反映させるとともに、情報開示を進め、持続可能な社会の実現と当社グループの持続的な成長を目指してまいります。気候変動が事業に与えるリスク・機会に対し当社グループのレジリエンス性の強化や新たな戦略の検討を目的として、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)が公表する「1.5℃~2℃シナリオ」と「4℃シナリオ」を用い、シナリオ分析を行いました。また、定量分析では2030年に想定される財務影響を試算しました。
1.5℃シナリオでは、脱炭素社会への移行に向けた政策や規制が強化されることにより、対応コストが増加、発生することが想定されます。
4℃シナリオでは、異常気象の激甚化や平均気温の上昇等により対応コストが増加、発生することが想定されます。
詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 気候変動への対応」に記載のとおりであります。
⑪ 人権に関するリスク(発生可能性:小 影響度:中)
当社グループは、グローバルに事業を展開し、また、生産に使用する様々な原材料・部品等を国内外の調達先から購入しております。当社グループでは、人権尊重をすべての活動の基本原則と考え、人権尊重の取り組みをグループ全体で推進しその責務を果たすための人権方針を策定し、人権尊重の取り組みをグループ全体で推進しておりますが、当社グループ又はサプライチェーン等の取引先の事業活動が人権への負の影響を引き起こしている場合、レピュテーションの悪化による社会的信用の低下により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの発生時期の予想は困難ではありますが、当社グループの人権方針に基づき、調達ガイドラインの制定及び社内外のステークホルダーを対象とした「グループ救済窓口」を設置し、グループ全役員・従業員に対しての教育、研修、またサプライヤー等の事業に関わるビジネスパートナーへ本方針の理解と実行を促す働きかけを実施し人権尊重に努め、人権への負の影響を引き起こすリスクを回避しています。また、人権デュー・デリジェンスの仕組みの構築と継続的な実施、当社グループの調達方針に基づき人権・労働環境・安全衛生に配慮した調達活動を推進しています。万が一、人権に対する負の影響を引き起こした、又は助長したことが明らかになった場合は、適切な手段を通じて救済に取り組む方針です。詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) 当社グループのサステナビリティの考え方及び取組 ④ 指標及び目標 <事業を支える基盤の構築> 一人ひとりの多様な価値観を尊重し、すべての人材が未来志向で活躍できる職場基盤の構築」に記載のとおりであります。
⑫ 人材に関するリスク(発生可能性:小 影響度:中)
労働力人口の減少による働き手の不足、及び人材の流動性の高まり、 キャリアに関する価値観の多様化等により、先端技術を保有する人材、希少なスキルや経験を持つ人材を含めた必要な能力を有する人材の獲得競争の激化・人材確保の環境が変化しております。このような環境下において、人材から選ばれる人的資本経営の実行がより重要であります。必要な人材の確保・維持ができない場合や有能な社員の離職転職、人材採用の遅滞等が発生した場合には、業務の停滞・遅延等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの発生時期の予想は困難ではありますが、グループ全体の重要課題として捉え、サステナビリティ委員会を中心に、課題認識に対する基本方針を制定し、グループ各社の人事部門が主管となり課題対応を行い、リスクの適切な管理と低減に努めております。詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本に関する取り組み」に記載のとおりであります。
⑬ コンプライアンスに関するリスク(発生可能性:小 影響度:中)
当社グループは、グローバルに事業を展開し、国内外の法令、規制に準拠しております。当社グループでは、コンプライアンス基本方針を制定し、遵法経営の徹底とコンプライアンス意識向上を目的としコンプライアンス委員会を設置しておりますが、万が一予期せず当社グループが法令又は規制を遵守できなかった場合や不正、社内規程に違反した行為が行われた場合、当社グループの社会的信用やブランド価値の毀損また課徴金等によるコストの増加により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの発生時期の予想は困難ではありますが、コンプライアンス基本方針、行動規範並びに腐敗・贈収賄防止方針の下、当社グループ全体を対象としたコンプライアンス研修を年1回以上実施しコンプライアンスに対する意識の向上と定着を図り、また、コンプライアンス上の課題や再発防止策等について定期的にコンプライアンス委員会にて審議を行うなど未然防止活動を推進しております。また、法令違反やコンプライアンス等に関する事実についての社内報告体制として、内部通報制度運用規程に基づき運用を行っております。詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のとおりであります。
⑭ 自然災害に関するリスク(発生可能性:中 影響度:大)
当社グループは、グローバルに事業を展開し、また、生産に使用する様々な原材料・部品等を国内外の調達先から購入しております。近年、世界的気候変動による大規模な台風・洪水・森林火災等の災害や日本国内での巨大地震の発生リスクが高まっています。当社グループが事業活動を展開する国や地域において、大洪水、地震等の自然災害が発生した場合には、設備の損壊、電力・水・ガス等の供給停止、公共交通機関や通信手段の停止また人的被害等により生産及び出荷の遅延・停止など事業運営に重大な支障を来たし、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクについては発生の時期の予想は困難でありますが、当社グループでは、災害・事故等の発生時の事業の継続性を確保するため事業継続計画(BCP)を策定、またその見直しを継続的に実施し、災害発生時の対応に備えた危機管理体制を整備、毎年、全従業員を対象とした防災訓練等を実施し、当該リスクに備えております。
⑮ 法規制・規格等の変更リスク(発生可能性:中 影響度:小)
当社グループの製品である建築材料等は、建築基準法をはじめ耐震補強基準にかかる諸法令、消防法などの多岐にわたる法規制や公的規格の適用を受けています。これらの法規制や規格は、安全性や環境性能の向上、あるいは技術革新に伴い、随時改正・厳格化される可能性があります。特に大規模な地震災害の発生や社会的な安全意識の高まりを受け、耐震基準や防火基準が抜本的に見直される可能性があります。法規制や規格の変更により、既存製品の仕様変更や新たな性能評価試験の受審、生産設備の改修が必要となった場合、研究開発費や設備投資額が増大する可能性があります。当該リスクについては発生の時期の予想は困難でありますが、当社グループでは関連省庁や業界団体からの最新情報を常時収集し、法改正の動向を早期に把握する体制を整えております。また、認証の維持・管理や外部機関による評価試験を計画的に実施することで、コンプライアンスの徹底と製品の信頼性確保に努めております。さらに、法改正を先取りした高付加価値製品の開発を推進することで、規制強化を事業機会へとつなげる戦略をとっております。
当社グループは、資本市場における財務諸表の国際的な比較可能性の向上及びグループ内での会計処理の統一等を目的とし、2016年3月期から従来の日本基準に替えてIFRS会計基準を任意適用し、連結財務諸表を作成し開示しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (2024年12月31日) |
|
当連結会計年度 (2025年12月31日) |
|
対前連結会計年度 増減率(%) |
|
資産合計 |
299,368 |
|
301,798 |
|
0.8 |
|
流動資産 |
135,122 |
|
141,928 |
|
5.0 |
|
非流動資産 |
164,245 |
|
159,870 |
|
△2.7 |
|
負債合計 |
76,408 |
|
73,208 |
|
△4.2 |
|
流動負債 |
37,798 |
|
39,220 |
|
3.8 |
|
非流動負債 |
38,610 |
|
33,987 |
|
△12.0 |
|
資本合計 |
222,960 |
|
228,590 |
|
2.5 |
|
親会社の所有者に帰属する持分 |
222,246 |
|
228,473 |
|
2.8 |
|
非支配持分 |
713 |
|
116 |
|
△83.6 |
(資産、負債及び資本の状況)
当連結会計年度末の資産合計は3,017億98百万円となり、前連結会計年度末と比較して24億30百万円増加いたしました。科目別の詳細は以下のとおりであります。
流動資産は、68億5百万円の増加となりました。これは主に現金及び現金同等物が45億42百万円増加したことによるものであります。
非流動資産は、43億75百万円の減少となりました。これは主に無形資産が29億8百万円、その他の金融資産が26億93百万円減少したことによるものであります。
負債合計は31億99百万円の減少となりました。これは主にその他の流動負債が22億60百万円増加し、仕入債務及びその他の債務が21億19百万円、借入金(流動・非流動)が44億8百万円減少したことによるものであります。
資本合計は、56億29百万円の増加となりました。これは主に配当金の支払82億78百万円、自己株式の取得20億21百万円があったものの、親会社の所有者に帰属する当期利益156億39百万円を計上したことによるものであります。
資本の財源及び資金の流動性に関しては以下のとおりであります。
当社グループでは、純有利子負債EBITDA倍率が3倍を超過しない範囲を目安として調達をコントロールしております。
2026年12月期に計画している主な設備投資は、ものづくり(部品・材料)セグメントにおける生産設備の新設・更新と、ものづくり(音響機器関連)セグメントにおける自社工場稼働に係る生産設備等であります。その他、提出日現在、大規模な投資計画については予定しておりません。
なお、予期せぬリスクが顕在化した場合、短期的にも一定の影響を受ける可能性があるため、その対策として、当社グループは手元現預金を一定の水準で保っており、親子間の融資を機動的に実施できる体制にしております。さらに当社及び一部の連結子会社は取引金融機関との間で短期借入枠を設定し、外部からの資金調達も可能な状態としております。当連結会計年度末の現金及び現金同等物のアロケーション及び借入枠の未使用残高は以下のとおりであります。
(国内会社保有分) 81,754百万円
(海外子会社保有分) 15,645
(借入枠の未使用残高) 24,141
当連結会計年度における事業の状況は、以下のとおりであります。
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
|
前年同期比 |
|
|
売上収益 |
106,539 |
|
119,223 |
|
12,684 |
( 11.9%) |
|
事業EBITDA(注)1 |
24,283 |
|
25,726 |
|
1,442 |
( 5.9%) |
|
営業利益(注)2 |
19,971 |
|
20,815 |
|
843 |
( 4.2%) |
|
税引前当期利益 |
20,437 |
|
21,949 |
|
1,512 |
( 7.4%) |
|
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
16,120 |
|
15,639 |
|
△481 |
(△3.0%) |
|
基本的1株当たり当期利益(円) (注)3 |
150.54 |
|
146.95 |
|
△3.59 |
(△2.4%) |
(注)1 事業EBITDA=営業利益±営業取引から発生した為替差損益±その他の営業収益・費用+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)
2 当連結会計年度よりIFRS第18号を早期適用しており、前連結会計年度の関連する数値については、当該会計方針の変更を反映した遡及修正後の数値を記載しております。
3 2025年7月1日付で1株につき3株の割合で株式分割を行いましたが、前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、基本的1株当たり当期利益を算定しております。
(売上収益)
「音響機器関連」事業においては、AlphaTheta株式会社(以下「ATC」という。)、PEAG, LLC dba JLab(以下「JLab」という。)ともに、順調に伸長いたしました。新製品のローンチや、ブランド認知戦略が奏功した結果、販売が拡大し、増収となりました。「部品・材料」事業においては、MIM事業は伸長いたしましたが、ペン先顧客の生産調整の影響を受け、前年同期に達しない結果となりました。以上により、連結では、売上収益は1,192億23百万円(前年同期比11.9%増)となりました。
(事業EBITDA)
上記のとおり売上収益は前年同期比11.9%増と増収となりましたが、研究開発費や体制強化などの先行投資は計画通りに行っており、事業EBITDAは257億26百万円(前年同期比5.9%増)となりました。
(営業利益)
事業EBITDAの伸長に伴い、営業利益は208億15百万円(前年同期比4.2%増)となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
前連結会計年度における株式会社プリメディカの株式譲渡に伴う非継続事業からの当期利益の影響を受けるも、主に事業の伸長により、親会社の所有者に帰属する当期利益は156億39百万円(前年同期比3.0%減)となりました。
セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。
各セグメント別の売上収益は外部顧客への売上収益を記載しており、また、セグメント利益を表す事業EBITDAは営業利益±営業取引から発生した為替差損益±その他の営業収益・費用+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)の計算式で算出しております。
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
|
前年同期比 |
|||||||||||||
|
売上収益 |
|
事業EBITDA |
|
事業EBITDA マージン (%) |
|
売上収益 |
|
事業EBITDA |
|
事業EBITDA マージン (%) |
|
売上収益 |
|
事業EBITDA |
|
事業EBITDA マージン (pt) |
||
|
ものづくり |
部品・材料 |
11,975 |
|
3,270 |
|
27.3 |
|
11,744 |
|
2,778 |
|
23.7 |
|
△230 |
|
△491 |
|
△3.7 |
|
|
音響機器関連 |
94,564 |
|
22,024 |
|
23.3 |
|
107,478 |
|
24,166 |
|
22.5 |
|
12,914 |
|
2,142 |
|
△0.8 |
|
|
合計 |
106,539 |
|
25,294 |
|
23.7 |
|
119,223 |
|
26,945 |
|
22.6 |
|
12,684 |
|
1,650 |
|
△1.1 |
|
全社費用 |
|
- |
|
△1,010 |
|
- |
|
- |
|
△1,218 |
|
- |
|
- |
|
△207 |
|
- |
a.ものづくり(部品・材料)
部品・材料事業の筆記カテゴリについては、国内顧客の生産調整の影響を受け、またコスメカテゴリにおいては、主に中国の需要の停滞の影響を受けました。MIMカテゴリにおいては、主として輸送機器部品が順調に伸びましたが、ペン先カテゴリの減収を補うには至らず、トータルでは前年同期を下回り着地いたしました。引き続き原価低減には取り組んでおりますが、材料費の高騰等により、売上収益は117億44百万円(前年同期比1.9%減)、事業EBITDAは27億78百万円(前年同期比15.0%減)と前年同期と比べ4億91百万円の減益となりました。
b.ものづくり(音響機器関連)
音響機器関連事業においては、ATCは前年同期における一過性の増収があったものの、プロ向けに加えてエントリー向けの製品の出荷が伸び、順調に伸長しました。JLabにおいては、米国外での販路の拡大や製品カテゴリの拡充、ECでの販売が伸長し、増収となりました。増収による利益の伸長はありますが、計画していた研究開発や設備投資、マーケティングコスト等の先行投資を実行しており、売上収益は1,074億78百万円(前年同期比13.7%増)、事業EBITDAは241億66百万円(前年同期比9.7%増)と前年同期と比べ21億42百万円の増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
31,944 |
|
19,948 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
1,051 |
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△43 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
△12,190 |
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△15,886 |
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現金及び現金同等物の為替変動による影響額 |
1,861 |
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524 |
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現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
22,666 |
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4,542 |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
92,856 |
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97,399 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ45億42百万円増加し、973億99百万円となりました。
なお、当連結会計年度よりIFRS第18号及びIFRS第18号の適用に伴うIAS第7号の改正を早期適用しており、前連結会計年度の関連する数値については、当該会計方針の変更を反映した遡及修正後の数値を記載しております。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは199億48百万円の資金の増加となりました。
表示科目単位での資金の増加の主な要因は、営業利益208億15百万円、減価償却費及び償却費59億8百万円となっております。資金の減少の主な要因は、法人所得税費用の支払額56億43百万円となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは43百万円の資金の減少となりました。
表示科目単位での資金の増加の主な要因は、その他の金融資産の売却及び償還による収入71億28百万円となっております。資金の減少の主な要因は、有形固定資産の取得による支出18億50百万円、無形資産の取得による支出10億65百万円、その他の金融資産の取得による支出55億86百万円となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは158億86百万円の資金の減少となりました。
表示科目単位での資金の減少の主な要因は、長期借入金の返済による支出45億20百万円、配当金の支払額82億78百万円、自己株式の取得による支出20億31百万円となっております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
前年同期比(%) |
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ものづくり(部品・材料) |
11,842 |
△0.4 |
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合計 |
11,842 |
△0.4 |
(注)1 金額は標準的販売価格にて算出しております。
2 上記には非継続事業からの実績は含んでおりません。
b.仕入実績
ものづくり(音響機器関連)セグメントにおいては、ファブレス経営を実施しております。
製造委託の仕入実績は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
前年同期比(%) |
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ものづくり(音響機器関連) |
42,177 |
2.9 |
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合計 |
42,177 |
2.9 |
c.受注実績
当社グループは、受注生産方式の該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
前年同期比(%) |
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ものづくり(部品・材料) |
11,744 |
△1.9 |
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ものづくり(音響機器関連) |
107,478 |
13.7 |
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合計 |
119,223 |
11.9 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 総販売実績に対する割合が10%を超える相手先はありません。
3 上記には非継続事業からの実績は含んでおりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、「No.1/Only1を創造し続ける事業グループ」を目指し、事業活動を行っております。当連結会計年度においても、コア事業である「ものづくり」事業の収益力・組織力の強化に集中的に取り組んでまいりました。具体的には、「部品・材料」セグメントを営むテイボー、「音響機器関連」セグメントを営むAlphaTheta及びJLabそれぞれの基盤事業の収益力・キャッシュ創出力の向上を図ってまいりました。当社グループは収益力・成長分野への投資実効性の指標として、事業EBITDAを重要な管理指標として結果を分析、評価しております。その詳細は「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。2025年2月に公表した「中期経営計画 FY30」に基づき、2030年度までの経営目標達成に向けて各種施策を展開してまいります。詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営目標」をご参照ください。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、「中期経営計画 FY30」において、財務方針としてROE10%の達成を目標といたしました。次なるコア事業の獲得によるリターンと、株主還元の強化の二軸で目標達成に向けて活動してまいります。中長期のキャピタルアロケーションと成長投資の内訳については、以下のとおりであります。
引き続き、基盤事業の収益力を高め、成長分野に適切に投資し、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「2.作成の基礎 (3) 重要な会計上の見積り及び判断の利用」に記載しております。
2024年4月1日前に締結された財務上の特約が付された金銭消費貸借契約については、「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」附則第3条第4項により記載を省略しております。
当社グループの研究開発活動につきましては、多様化するお客様のニーズに対応し、独自のノウハウとアイデアを盛り込んだ魅力ある商品開発を目的として、常に未来を見据え、果敢にチャレンジし、進化しつづける研究開発活動に注力しております。当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は
なお、研究開発費の総額に受託研究等の金額はありません。