文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループでは、社員一人ひとりが大切にする企業理念として「Pigeon Group DNA・Pigeon Way」を設定しております。「Pigeon Group DNA」は経営理念と社是で構成され、ピジョングループの核であり、この先も貫いていくものです。「Pigeon Way」は、存在意義とSpiritで構成されており、当社グループが社会において存在する意味と全ての活動における“心”と“行動”の拠り所として定義しております。
当社グループはこの考えに基づき、Pigeon Wayの軸である存在意義(赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします)の実現に向けて事業を展開しており、その達成に向けた5つの重要課題(マテリアリティ)を設定しております。また、事業活動を行う全ての国・地域において、環境負荷を減らし、赤ちゃんとご家族を取り巻く社会課題の解決をすること、さらに新しいビジネスにも挑戦することで、社会になくてはならない存在として持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。
(2)経営環境及び対処すべき課題
当社グループを取り巻く事業環境は、過去3年間で劇的な変化を遂げ、世界的な出生数の減少が続く中、原材料・エネルギー価格の高騰や地政学リスクの常態化に加え、デジタル技術の進化による消費行動の多様化、地場ブランドとの競争激化など、極めて難易度の高い事業運営を要求されております。その一方、中国では少子化が進行しているものの、経済力や出生数からも依然として巨大市場であることに加え、中国政府による少子化対策の拡充及び強化、またアジア各国やその他新興国においても、中長期的には経済成長に伴う消費の拡大やEコマースの浸透・発達が見込まれる中、当社グループの未進出領域も多く残されていることなどにより、成長の機会が十分期待できるものと考えております。
また、当社グループは、経営理念を「愛」とし、存在意義(Purpose)を「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」として事業を展開しております。そして、この存在意義を実現し、当社グループが社会になくてはならない存在として中長期的に成長するために取り組むべき重要課題(マテリアリティ)として、以下5つの要素を設定しております。
1. 事業競争力向上とビジネス強靭化
2. 環境負荷軽減
3. 社会課題への貢献
4. 存在意義実現のための人材・組織風土
5. 強固な経営基盤の構築
このような環境の下、当社グループは2025年12月期までの「第8次中期経営計画」において、ブランドの再構築や各事業での自己完結体制を強化する構造改革、サプライチェーンの効率化等を推進するとともに、2024年に発覚したグループ会社元従業員による不適切取引事案を厳粛に受け止め、信頼回復に向けたガバナンス・コンプライアンス体制の抜本的な立て直しに全力を注いでまいりました。
これらの一連の取組を経て、当社グループは次なる成長ステージとして、2026年12月期を初年度とする「第9次中期経営計画(2026年12月期~2028年12月期)」をスタートいたしました。本計画においては、これまでの「事業構造改革」から得た学びを活かした上で、「収益性を伴う持続的な成長」という新たな目標に向けた施策を遂行してまいります。存在意義を常に起点とし、中長期的な企業価値向上を実現するため、以下の戦略を重点的に推進します。
1. 商品戦略:
・哺乳器を中心とした基幹商品群(基幹商品、サブ基幹商品)の成長加速
・エイジアップ商品によるLTV※の拡大
※LTV:Life Time Value(顧客生涯価値)
2. 地域戦略:
・最重点地域である米州・欧州※、成長余地の大きいシンガポール事業での成長を加速
・日本、中国事業の安定的な成長によるグループ収益性の確保
※2026年3月27日付で、「ランシノ事業」は「米州・欧州事業」へ名称を変更いたします。
3. 経営基盤の強化・ESGの着実な取組:
・地域軸 x 機能軸での経営体制を推進
・成長戦略を支える着実なESGの取組を強化
当社グループの最大の強みである哺乳器・乳首を含む主力商品カテゴリを「最優先投資領域(基幹商品)」、さらに過去の学びから特定した当社の知見やブランド力を活かして今後の売上・利益成長が期待できる商品カテゴリを「次なる成長領域(サブ基幹商品)」と位置付け、経営資源を集中投下します。
哺乳器・乳首については、既存展開市場での圧倒的シェアを盤石なものにするだけでなく、これまで十分にアプローチできていなかった未開拓領域(ホワイトスペース)への攻勢を強め、10年後の圧倒的な哺乳器グローバル市場シェア(20%)達成を目指します。あわせて、哺乳器・乳首で培った強力なブランド力を活かし、収益性の高い基幹商品群への優先的な資源配分を推進することで顧客生涯価値を高めると同時に企業価値向上のドライバーへと育成し、経済価値と社会価値の最大化を図ります。
地域戦略では、ピジョンブランド・ランシノブランドのシナジーを創出しつつ、各市場の特性に応じた「選択と集中」を徹底いたします。出生数減少に直面する日本、中国事業においては、ブランド価値の再定義とオペレーションの効率化により安定した収益基盤を構築します。一方で、哺乳器・乳首カテゴリの本格展開を開始する米州・欧州市場、及び成長余力の大きいASEAN・インド市場においては、機動的な投資によるブランド認知拡大や高単価・高付加価値化等を推進し、グローバルでの持続的な成長加速を目指します。
そして、これら戦略の着実な遂行とともに、グローバルでの事業拡大と経営基盤の強化のため、新たな役員体制を構築いたします。各事業本部の責任者となる事業役員と、代表取締役社長直下に設置した5つの専門領域を管掌する経営役員(CxO)の各役割・責任を明確にした上で相互連携を強化していくことで、事業本部横断での機能の高度化や各々の専門性を活かした迅速な意思決定、そしてガバナンスの向上につなげてまいります。当社グループにおける事業継続計画につきましては、既に構築されておりますグローバルリスクマネジメント体制をより一層充実させてまいります。
また、重要課題(マテリアリティ)への取組を着実に行い、環境(E)、社会(S)及びガバナンス(G)の観点から持続可能なオペレーションを追求してまいります。「社会的価値が経済価値をリードする」という二項共創の考え方に基づき、当社グループが事業活動を行う全ての国・地域において、環境負荷等の低減に対しては“あたりまえ”の活動として取り組み、加えて赤ちゃんとご家族を取り巻く社会課題を解決することや未開拓の市場・商品領域へのビジネス拡大に挑戦することで、当社グループは社会になくてはならない存在として持続的な成長を通じた「存在意義」の実現と一層の企業価値向上を目指してまいります。
(3)経営戦略等
「第9次中期経営計画(2026年12月期~2028年12月期)」においては、哺乳器・乳首を中心とした基幹商品群を成長ドライバーとしつつ、エイジアップ商品によるLTVの拡大も図ることで収益性を伴う持続的な成長の達成を目指してまいります。
なお、本中期経営計画期間における各事業戦略の概要は、下記のとおりであります。
「米州・欧州事業」※
・哺乳器の売上倍増に向けた施策遂行
・妊娠から授乳までを支援する商品サイクル構築
・専門家からの強力な「ランシノ哺乳器推奨」の獲得
※2026年3月27日付で、「ランシノ事業」は「米州・欧州事業」へ名称を変更いたします。
「シンガポール事業」
・成長市場と広口タイプ哺乳器の拡大・単価アップへ集中
・ブランドイメージ向上と「高付加価値化」を加速
・(インド市場)流通構造の高度化・広口哺乳器や基幹商品の拡大に注力
「中国事業」
・「高付加価値化」とLTVの拡大
・メリハリのあるEC販売チャネル施策
・「徹底したROI評価」によるEC活動の効率改善
「日本事業」
・圧倒的ブランド力を活かした「エイジアップ・新規領域」
・自社の最新技術を活用した新商品投入
・各種ポートフォリオ最適化による収益改善
(4)目標とする経営指標
2026年2月13日に発表いたしました2026年12月期を初年度とし、2028年12月期を最終年度とする第9次中期経営計画における主な経営指標は、売上高125,000百万円、営業利益20,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益13,160百万円、PVA9,443百万円、EPS110.02円、ROE14.9%、ROIC15.4%を掲げております。
当社グループでは、「社会価値」と「経済価値」の向上、その総和である「企業価値」の向上を図り、『社会の中でなくてはならない存在として存続し続けること』、これが当社のサステナビリティに関する基本的な考え方です。そして、当社はPigeon Sustainable Actionを掲げ、環境負荷を減らし、社会課題の解決を通じて、企業として持続的な成長を目指し取組を進めております。
Pigeon Sustainable Action
私たちは、赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にするために存在します。私たちは、赤ちゃんにやさしい未来をつくるため、事業活動を行うすべての国・地域において環境負荷を減らし、赤ちゃんとお母さんを取り巻く社会課題の解決をすること、新しいビジネスにも挑戦することで社会になくてはならない存在として持続的な成長を目指します。
当社グループでは、中長期的に取り組むべき課題として、5つの重要課題(マテリアリティ)を設定しております。重要課題のうち、気候変動への対応をはじめとする環境負荷軽減については、長期的に取り組む必要があることから、Pigeon Green Action Planとして中長期の定量目標を定め、取り組んでおります。
以下、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ
①ガバナンス
当社グループでは、サステナビリティ委員会規程に基づき、代表取締役社長の下にサステナビリティ委員会を設置しております。代表取締役社長から委任された経営役員である人材・サステナビリティ戦略統括責任者(CHRO)を委員長とし、委員長から選任された経営役員、各事業セグメント(日本事業、中国事業、シンガポール事業、ランシノ事業)の責任者で構成しております。サステナビリティ委員会は、事業活動を通して持続可能な社会の発展に貢献し、企業価値の向上を実現するために当社グループが解決しなければならない重要課題(マテリアリティ)を特定し、重要課題(マテリアリティ)に基づく個別課題の設定、中長期の全社環境目標の設定、取組進捗のレビューを行っております。
サステナビリティ関連リスクのうち、気候変動により頻発化と激甚化が予想される水害のように短期~中期的に顕在化する可能性が高く、かつ事業継続に直結する可能性のあるリスクに対しては、当社グループのリスクマネジメント対応を体系的に定めるリスクマネジメント方針、及びリスクマネジメント規程に基づき、代表取締役社長の下にGHOリスクマネジメント委員会を設置し、所管しております。代表取締役社長から委任された経営役員である経営戦略統括責任者(CSO)を委員長とし、委員長から選任された経営役員、各事業セグメントの責任者、リスクオーナーで構成しております。GHOリスクマネジメント委員会は、当社グループ各社のリスクの特定・評価(全社リスクアセスメント)を通して当社グループの短期~中期的なリスク情報を網羅的に収集、分析・評価し、対応策を検討・実施・モニタリングしております。
サステナビリティ委員会(年2回以上開催)及びGHOリスクマネジメント委員会(年2回以上開催)における審議の結果と当社グループ全体の取組進捗状況を毎年取締役会に報告しており、取締役会はサステナビリティ委員会及びGHOリスクマネジメント委員会からの報告に基づき、当社グループのサステナビリティに関するリスク・機会を監督しております。
SBU:Strategic Business Unit
②戦略
当社グループは、赤ちゃんにやさしい未来をつくるため、事業活動を行うすべての国・地域において、環境負荷を減らし、赤ちゃんとご家族を取り巻く社会課題を解決するとともに、事業競争力の弛まぬ強化に努めることで、社会になくてはならない存在として持続的な成長を目指しております。
(a)Pigeon ESG/SDGs基本方針
当社グループでは、社員一人ひとりが大切にする企業理念として「Pigeon Group DNA・Pigeon Way」を設定しております。「Pigeon Group DNA」は「経営理念」「社是」で構成されており、ピジョンの核であり、この先も貫いていくものです。「Pigeon Way」は「存在意義」「Spirit」で構成されており、私たちが社会において存在する意味と全ての活動における“心”と“行動”の拠り所です。
「Pigeon Group DNA・Pigeon Way」を体現し、持続可能な社会の発展に貢献する方針として「Pigeon ESG/SDGs基本方針」を設定しております。当社グループが解決しなければならない重要課題(マテリアリティ)や環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の観点から持続可能なオペレーションを追求するとともに、商品やサービスの提供による新たな価値の創造により、SDGsに代表される社会課題の解決に貢献すべく事業活動を展開します。事業活動を通してステークホルダーとの信頼関係の構築に努め、総じて企業価値を向上させることで、持続可能な社会の発展に貢献していくことを目指しております。
「Pigeon ESG/SDGs基本方針」に基づく持続可能な社会の実現ストーリー
https://www.pigeon.co.jp/sustainability/policy/
(b)事業環境と当社グループの重要課題(マテリアリティ)
当社グループにおいて大きな売上を占める日本や中国では、出生数の減少が続いており、昨今そのスピードが加速しました。その一方で、出生数の増加傾向がみられるアフリカ地域をはじめ、当社グループが進出していない市場は依然として多く、事業成長の余地があります。
また、地球温暖化が進行する中で、各国政府が脱炭素社会の実現に向けてカーボンニュートラルを表明し、企業も脱炭素に向けた取組を進めることが要求されております。プラスチックの使用に関しても、各国で使い捨てに対する規制が強化され、サーキュラーエコノミーへの移行に向けた動きが加速しております。
こうした地球環境課題への対応に加え、企業が持続的成長を果たしていく上では、人的資本に対する取組も不可欠な要素となっております。さらに、リスクマネジメントの観点からも、自社の社員のみならず、サプライチェーン全体に関わる全ての人々の人権に配慮した取組が期待されております。
このような事業環境の中で、持続可能な社会の発展に貢献し、企業価値の向上を実現するために、当社が解決しなければならない重要課題として、「事業競争力とビジネス強靭化」、「環境負荷軽減」、「社会課題への貢献」、「存在意義実現のための人材・組織風土」、「強固な経営基盤の構築」を特定しております。これら重要課題ごとに目指すべき姿を明確にするとともに、その姿を実現するための課題を個別課題として具体化しております。そして、各事業ユニット及びグローバルヘッドオフィス(GHO)の各部門は、個別課題への取組計画を中期経営計画に組み込み、実行しております。
第8次中期経営計画(FY2023-FY2025)における重要課題と個別課題
(c)環境負荷軽減に向けた長期目標「Pigeon Green Action Plan」
温室効果ガスの累積、森林減少、土壌劣化、生物多様性の損失、水害・渇水、プラスチック汚染、地球の復元・浄化能力の劣化等、地球環境の悪化は進行しております。地球環境の悪化は社会と経済の不安定さを増大させるリスクがあります。
当社グループは、明日生まれる赤ちゃんの未来にも豊かな地球を残すために長期的に環境問題に取り組むべく、「Pigeon Green Action Plan」を策定(2022年)し、事業活動に相対的に関連性が高い気候変動問題、プラスチック問題、生物多様性毀損にフォーカスし、「脱炭素社会」「循環型社会」そして「自然共生社会」の実現を目指した中長期の環境目標を設定しております。2024年には、脱炭素社会実現に向けさらに取組を進行すべくScope1~3GHG排出量の2030年目標を上方修正し、2025年4月、ピジョングループ温室効果ガス(GHG)排出量削減目標のうち、2030年のGHG排出量削減目標が科学的な根拠に基づいたSBT(science-based targets)目標としてSBTi※に認定されました。
※SBTi(Science Based Targets initiative)は、CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)の4つの機関が共同で運営し、パリ協定目標達成に向け、企業に対して科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出削減目標を設定することを推進しております。
※B&C(ブックアンドクレーム)方式:RSPOにより認証された生産者が認証パーム(核)油の生産量に基づいて発行した認証クレジットを、最終利用者が購入することで、認証された持続可能なパーム(核)油の生産を支持する仕組み
(d)気候変動関連のリスク及び機会
昨今、気候変動の影響が世界中で顕在化し、様々な自然災害によって人的被害や物理的損害をもたらしており、今後も自然災害の頻発化や激甚化が継続すると予想されております。こうした気候問題に対処するため、将来において、世界各国で政策変更や新規規制の導入、市場シフト・消費者の意識変化などの社会的変化が生じることが予想されます。このような変化の中でも当社グループが「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」という存在意義を実現し、社会になくてはならない存在として将来にわたって存続するためには、気候変動に関する問題を経営戦略や財務計画に影響を与える可能性があるリスクや機会として捉え、対応していくことが必要であると認識しております。このため、当社グループの主力商品である哺乳器・乳首、スキンケアビジネスを対象として気候関連リスク及び機会の財務影響分析を行いました。
Ⅰ 気候シナリオ分析
当社グループは、様々な商品・サービスを世界90か国以上のお客様にお届けしております。気候シナリオを用いたリスク及び機会の分析を行うに当たり、まずは、中核ビジネスである日本事業及び中国事業における哺乳器・乳首、スキンケアの製造・販売ビジネスを分析対象としました。
分析に用いたシナリオは、世界平均気温の上昇を工業化前と比べて1.5℃に抑えるため脱炭素化へ向けて進む世界(1.5℃シナリオ)と、炭素排出量が多く世界平均気温が工業化前よりも4℃上昇する世界(4℃シナリオ)の2つとし、2030年時点(物理的影響は2050年)の世界を以下のように想定しました。
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1.5℃シナリオで想定した世界 |
4℃シナリオで想定した世界 |
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●環境配慮に対する消費者の意識が高まる。 ●温室効果ガスの排出、化石燃料及び化石燃料由来の原料に対する規制が大幅に強化される。 ●持続可能な生産のために、パームプランテーションに対する規制が厳格化される。 ●水害、渇水の自然災害の発生頻度と深刻度が現在よりも増加する。 |
●環境配慮に対する消費者の意識は1.5度シナリオほどには高まらない。 ●低炭素化へ向けた強い規制は導入されない。 ●水害、渇水の自然災害の発生頻度と深刻度が現在よりも著しく増加する。 ●赤ちゃんの未来に対する不安感が出生数の減少要因の一つとなる可能性がある。 |
Ⅱ 哺乳器・乳首、スキンケアビジネスにとってのリスク及び機会
[消費者市場の変化]
当社の基幹商品である哺乳器・乳首は、これらを必要とする赤ちゃんにとっては気候状況や政策にかかわらず必須の育児用品ですが、4℃シナリオでは、気候環境の大きな変化(自然災害の頻発化と激甚化等)が予測されるため、赤ちゃんの未来に対する不安感などが出生数の減少要因の一つとなり、哺乳器・乳首の売上に影響する可能性があると考えております。
1.5℃シナリオでは、消費者の倫理的選択嗜好が高くなることから、バリューチェーン全体で環境に配慮された商品、消費者への訴求といった商品戦略が重要になると考えております。
1.5℃シナリオ及び4℃シナリオのいずれにおいても、気候が変化し、自然災害が現状よりも多発化することが予想されます。このため、高温化、多湿化、乾燥化に対応するための商品や、渇水時や水害による断水時に、従来商品よりも節水型であるもしくは水を使用せずに使用できる商品の需要が高まることが予想されます。
当社グループは、未進出地域の開拓並びに既進出市場における高収益商品の哺乳器(広口哺乳器)・乳首の販売拡大等の戦略を実行することにより、哺乳器・乳首の売上高・利益の伸長を目指しております。スキンケア商品に関しては、スキンケアカテゴリの更なる成長に注力し、様々な商品機能に対する消費者のニーズを取り込んでおります。そして、商品の環境配慮については、Pigeon Green Action Planの実行を通じて、当社グループの拠点とサプライチェーンを含むバリューチェーン全体での低炭素化、商品パッケージにおける植物由来素材や再生素材の使用率向上に取り組んでおります。今後も消費者の環境配慮意識の高まりに応えて取り組んでまいります。
[政策・規制の変化]
1.5℃シナリオでは脱炭素化へ向けた強い政策・規制が導入され、当社にとっては温室効果ガス排出量に炭素税が課されるもしくは排出量取引制度が適用されることにより、炭素税の支払いもしくは排出枠の購入コストが発生するリスクがあります。
また、脱炭素政策の世界的強化が、購入電力、輸送運賃、パーム由来成分含有原材料、化石燃料由来プラスチック原料のそれぞれの価格の上昇、化石燃料由来プラスチックの使用を制限する規制をもたらすことが予想されます。これらは製造コストや開発コスト・設備投資の増加要因となる可能性があります。
Pigeon Green Action Planに沿って温室効果ガス排出量を削減することは、カーボンプライシング制度が導入された場合の炭素税の支払額もしくは排出枠の購入費用の軽減につながります。プラスチックの使用に関連するリスクについては、Pigeon Green Action Planの中で掲げている「2030年までにパッケージ材の50%(重量比)を植物由来又は再生素材にする」という目標及び「2030年までに全てのパッケージをリユース、リサイクル又はコンポスト可能な設計にする」という目標へ向けた取組を進めることによって、化石燃料由来バージンプラスチックへの課税や使用の禁止、プラスチック製パッケージの回収・リサイクル義務による財務影響を軽減してまいります。
他方、移行リスクがもたらす潜在的な財務影響の全てをPigeon Green Action Planの達成によって回避・軽減できるわけではないため、気候関連に起因した事業コストの増加に備える必要があると認識しております。他のコスト削減や高収益商品の比率拡大によって、増加したコストを事業全体で吸収することが第一であると考えておりますが、一部のコストは商品価格への転嫁によって消費者にも負担していただく可能性もあると考えております。そのためには、消費者とのコミュニケーションの中で、脱炭素の取組の意義と価値を消費者に伝え、脱炭素のためのコストを消費者が受容しやすくなる土壌づくりを能動的に行っていくことが必要だと考えております。
[自然災害の多発化]
1.5℃シナリオ及び4℃シナリオのいずれにおいても、世界平均気温が現在よりも更に上昇することから、異常気象の発生頻度が高まり、水害、渇水、感染症拡大によるサプライチェーンや物流網の混乱と操業中断が予想されます。また、タイのバンコク近郊にある生産拠点は土地の海抜が低いため、将来的に海面上昇により慢性的に浸水する可能性があります。
生産を安定的に行えるよう、原材料と生産品の在庫確保のほか、当社グループ内での生産拠点の一時的切り替えや主要原材料の2社購買などの対策をとっております。
なお、気候関連リスク及び機会に関するガバナンス、潜在的な財務影響額、リスクマネジメント並びに指標・目標の詳細を「ピジョングループ TCFD Report 2025」において開示しておりますので、ご参照ください。
③リスク管理
サプライチェーンの寸断・混乱や水害による操業中断など、短期~中期的な時間軸での対応を必要とする事業上のサステナビリティリスクに関しては、リスクマネジメント活動の中でリスクの特定・分析評価(全社リスクアセスメント)を行い、重点リスクに対するアクションプランの検討と実施を行っております。各事業セグメント(日本事業、中国事業、シンガポール事業、ランシノ事業)は、リスクアセスメントとして、各事業セグメントにおいて発生する可能性があるリスク事象(事業リスク、財務リスク、ハザードリスク、コンプライアンスリスク)を洗い出し、各リスク事象の発生頻度と発生した場合に想定される損害の大きさに基づいてリスクの大きさを評価しております。事業セグメントの責任者及び各拠点の責任者は評価したリスクへの対応の要否と具体的な対応策、その実行計画を策定し、実行しております。当社グループ全体にとって重大なリスクであり、グループ全体として対応する必要があるサステナビリティリスクは、GHOリスクマネジメント委員会を中心としたマネジメントを行っております。
当社グループのリスク管理体制については、
一方、気候関連のリスクや機会は長期的に発現することから、長期的な時間軸及び事業セグメントを横断した視点からの検討も必要となります。このため、当社では、リスクマネジメント活動とは別に、気候関連の長期的なリスク・機会の特定とシナリオ分析を行うプロセスを設け、社外のコンサルタントを交えて、関係部署と連携しながら、当社ビジネスに関わる長期的な気候関連のリスクと機会の特定及び財務影響の分析を行いました。分析に基づいて特定されたリスク及び機会のうち、短期・中期的にはリスクが顕在化する可能性が低いものの、長期的には顕在化する可能性が高く、かつ、当社グループの業績にネガティブな影響を与えうると判断した気候関連リスクについては、サステナビリティ委員会にて対応方針(軽減、移転、受容、コントロール)を審議しております。各事業セグメントは対応方針に基づいた具体的対応策を検討し、実行しております。
④指標及び目標
(a)温室効果ガス排出量の削減目標
当社グループは、重要課題「環境負荷軽減」のうち脱炭素社会の実現に係るパフォーマンス指標として温室効果ガス排出量を設定し、排出量総量(絶対値)を削減する目標を掲げております。
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温室効果ガスのスコープ |
基準年度 |
2030年目標 |
2050年目標 |
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Scope1&2 |
2018年度 |
70%削減 |
ネットゼロ |
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Scope3 (Category1&12) |
2021年度 |
25%削減 |
- |
(b)温室効果ガス排出量の実績
当社グループの温室効果ガス排出量は次のとおりです。再生可能エネルギーの使用によるScope2温室効果ガス排出量の削減やサプライヤーとの協働によるScope3温室効果ガス排出量の削減などに今後も取り組んでまいります。
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温室効果ガスのスコープ |
実績年度 |
実績値(万t- CO2e) |
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Scope1&2 |
2025年度 |
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Scope3 |
2024年度 |
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実績値の千t- CO2e以下を四捨五入し、記載しております。
Scope2はマーケットベースで排出量を算定しております。
温室効果ガス排出量削減以外の個別課題に対する取組の進捗は下記ウェブサイトをご覧ください。
https://www.pigeon.co.jp/sustainability/materiality/
Scope3温室効果ガス排出量のカテゴリ別排出量及び算定方法は下記ウェブサイトをご覧ください。2025年度実績値も同ウェブサイトで開示します。
https://www.pigeon.co.jp/sustainability/environment_top/co2/
(2)人的資本
当社グループは、「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」という存在意義の下、事業活動を通して持続可能な社会の発展に貢献し、企業価値の向上に取り組んでおります。企業価値創造の最大の源泉は社員です。当社グループでは、社員を「人的資本」と位置づけ、当社グループに集う多様な社員一人ひとりが成長し、専門性を高められるよう支援し、自分らしく活躍できる環境を整えることで、社員と会社がともに成長する環境と風土をつくります。
① 人材ガバナンス
当社グループは、人的資本戦略を取締役会のアジェンダの1つとして、人的資本戦略に関する議論、戦略の実行状況に関する監督とモニタリングを実施しております。2025年12月に2026年から開始する次期中期経営計画を実行する役員体制を改定し、当社グループの人材戦略を統括する人材・サステナビリティ戦略統括責任者(CHRO)を設置いたしました。社長や他のCxOと定期的に対話をし、経営戦略と連動した人材戦略の実行をリードしております。
グローバルの人事チームの連携と共通の人事課題の解決、グローバルの人事施策の推進を図るため、各事業本部の人事部門代表者が参加する「People Strategy Leaders Meeting」を四半期ごとに開催しております。また、毎月グローバルヘッドオフィス(GHO)と各人事部門代表者との定例ミーティングを実施し、事業本部の人事課題のタイムリーな把握と解決に向けた取組の強化を実施しております。今後は、「People Strategy Leaders Meeting」を発展させ、グループ・グローバルの人材ガバナンスの向上に向けた取組を進めてまいります。
② 戦略
当社グループは、Pigeon Group DNA、Pigeon Way、そしてその先にある赤ちゃんにやさしい未来像の実現に向け、中長期で取り組むべき5つの重要課題(マテリアリティ)を設定しております。その1つが「存在意義実現のための人材・組織風土醸成」であり、『「Pigeon Way」や「存在意義」に共感し、会社、組織、仕事に対して「誇り」と「自発的な貢献意欲」を持ち、多様な人材が自分らしく挑戦し、成長できる組織風土醸成』を実現するための取組を行っております。
当社グループの存在意義は「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」です。この存在意義の実現のために策定する事業戦略の実行と計画達成に必要不可欠となる人材戦略の要諦は、社員一人ひとりのエンゲージメント向上にあると考えております。2025年に全事業ユニットで実施したエンゲージメントサーベイでは、この存在意義に高く共感している社員(5段階スコアで4または5を選択した社員)は87%~88%という高い結果となりました。存在意義に共感している社員一人ひとりが、当社グループの中で自分らしく挑戦し、活躍し、希望するキャリアを実現することでエンゲージメントが向上します。社員一人ひとりのエンゲージメントが向上することで事業戦略の達成確率が高まり、企業の経済価値と社会価値双方の向上並びにその先にある「赤ちゃんにやさしい未来」の実現につながります。
価値創造の源泉の1つである人的資本をどのように活かし経済価値と社会価値の向上につなげていくか明示するため、価値創造ストーリー(人材版)を策定しております。重要課題(マテリアリティ)の解決のため「自己実現と成長できる働き甲斐のある会社」「人材への投資拡大」「DE&I推進」及び「自分らしく挑戦し、活躍できる環境の整備」を戦略の柱とし、8つの施策を実行しております。
(1)人材戦略の柱
a. 「自己実現と成長できる働き甲斐のある会社」、「人材への投資拡大」
当社グループは、長期人材ビジョンとして「自律したプロフェッショナル集団」の実現を掲げ、実力主義の人事制度、自律的な成長と活躍を促す人材育成の仕組み、自律意識の高い社員に対するキャリア形成支援を行っております。
b. 「DE&I推進」
当社グループは、多様な社員がお互いに価値観や考え方の違いを尊重しあい、その違いを活かすことが新製品アイデアを富ませ、イノベーション創出につながると考えております。当社グループは、DE&Iの推進のため、国籍、人種、性別、年齢、障がいの有無、性自認や性的指向などを問わず、意欲と能力のある多様な人材を社員として迎えるとともに、育児や介護、障がいなど様々な事情を抱えても十分に能力が発揮できるよう、両立支援や働き方改革によって働きやすい環境を整えております。
女性活躍推進に関しては、特に日本の女性管理職比率が劣後しております。そのため、「両立支援制度の拡充」「職場の意識改革」「女性の気持ちとスキルをバックアップ」といったハード面での整備を行うとともに、男性社員を含む職場全体の意識改革を目的とした取組を積極的に実施してきました。その結果、2025年12月末時点における、当社グループ全体の女性管理職比率(部下を持つ部長・課長)は38%、当社は26.4%となりました。当社は、2025年12月末のKPIである女性管理職比率30%には残念ながら未達となりましたが、2025年には、女性社員向けに社内メンター制度を試験的に実施し、社内の管理職と対話の機会をもつことによって、『管理職』を担うことへの興味関心のスコアを大幅に改善することができました。今年度は、正式に制度化を行い、気持ちのバックアップと同時に、ポジションごとに女性管理職候補を育成していくなど、構造的にも女性が活躍しやすい取組を行ってまいります。
また、中途採用に関しても積極的に実施してきており、2025年12月末時点における当社の管理職の55.6%が中途採用により入社した社員となりました。
c. 「自分らしく挑戦し、活躍できる環境整備」
当社グループは、多様な人材が自分らしく挑戦し、活躍できる環境を実現することを社内環境整備方針として掲げております。グループ全社で取り組むエンゲージメントサーベイでは「私は、職場で自分らしくいられる」の設問を任意で加え、毎年のサーベイ結果を踏まえ、各地域・各部門別の施策を検討し実施しております。また、社員の挑戦を促すため、属性の影響を完全に排除し、実力で昇進していく人事制度や、業務とは別に新しいアイデアの実現に挑戦できるプログラムを設けております。
(2)戦略を実行するための8つの施策
Ⅰ 人材育成
当社グループは、「バリューチェーンの随所に知識と経験を有する高度な専門性を持った社員が存在し、その社員が社会の変化に目を凝らし、未来を考え、自らが能動的にアップデイトし続ける多様な専門家集団を目指す」を人材育成方針として掲げております。当社では、会社が主催するビジネススキル向上に資する研修は全て手上げ式とし、社員の自主性を重視した人材育成に取り組んでおります。
a. 次世代経営選抜研修
当社は、2004年から6年ごとに「次世代経営人材育成選抜研修」を実施し、将来の経営層を担う人材の育成を継続的に行っております。本研修は発掘、育成、活用、登用のプログラムから構成され、各々のプログラムの過程で受講生の育成と選抜をしております。これまでの研修修了者の多くが部門で中核的な役割を担い、活躍しています。現在在籍している活用プログラム以上の修了者30名のうち、2名が取締役、1名が監査役、3名がグループ執行役員、5名が執行役員、3名が国内外グループ会社の取締役に就任しております。
b. リーダー塾
2023年より開始した本研修は、当社グループの未来を担う人材プール形成のため、自律型リーダーの早期発掘と育成を目的として3年ごとに実施しており、2026年に第2期リーダー塾を実施いたします。概ね40歳以下の若手から中堅の社員を対象とし、自薦で応募してきた社員の中から16名を選抜しました。次期リーダーに期待するリーダーシップや問題解決などの各種スキルを徹底して習得し、チームプロジェクト活動を通じて各部門における課題の検討、提案及び成果物(アウトプット)を作る経験を付与してまいります。
c. グローバル人材育成プログラム
2021年より当社グループの事業戦略を牽引するグローバル人材を継続的に輩出するため、選抜型の人材育成プログラムを3年に1回の間隔で実施しております。本プログラムは、将来の海外駐在を視野に入れた「Global Player」と、国内から海外事業を支援する「Global Supporter」の2コースで構成されています。
2025年の第2期グローバル人材育成プログラムにおいては、Global Player候補者13名、Global Supporter17名を選抜し、語学力や異文化理解、グローバルマインドセットの醸成の育成を行いました。また、2025年からGlobal Player候補者から選抜した社員をインドに1年間トレーニー派遣をしております。
Ⅱ キャリア
a. AMC(Accelerate My Career)プログラム
当社は、社員一人ひとりが自律的にキャリア形成し、また経験を積んでケイパビリティを上げていくことは、当社の持続的な成長に不可欠です。社員一人ひとりの自律的なキャリア開発を支援するため、2020年よりAccelerate My Career(AMC)プログラムを導入しております。
本プログラムは、社員が社内外での多様な経験を通じて自らのキャリアを主体的に構築することを目的としており、参画の障壁を下げるための多層的なメニューを拡充してまいりました。
社内施策としては、従来の社内公募や社内プロボノ(他部署への業務支援)に加え、2025年度には短期間の「社内インターンシップ」を実施いたしました。他部門の実務や視点を直接体験することで、部門間連携の深化やコミュニケーションの円滑化といった組織横断的なシナジー創出に寄与しております。
また、社外でのキャリア開発機会も柔軟に提供しており、外部知見の獲得を通じたキャリア意識の醸成のみならず、経験を通じて得た気づきを自社業務に活かすことで業務品質の向上につながりました。
b.キャリア面談(1on1)とスキル向上支援
当社は、社員の自律的なキャリア形成を促すため、部長職以下の全正社員を対象とした定期的な1on1面談(年4回以上)を実施しております。2025年度には、全社共通スキルおよび部門別テクニカルスキルを定義し、個々の習熟度を可視化する「スキル管理」の仕組みを整備いたしました。
本仕組みでは、自己評価と上司評価を併用することで、自身のスキルギャップを客観的に把握し、必要な経験や知識を補完するための具体的な育成計画の策定を可能としております。1on1を通じて、上司がメンターとして専門スキルの習得に向けた助言やキャリアに関する悩みへの支援を行うことで、社員一人ひとりのビジョン実現に向けた伴走型サポート体制を強化しております。
Ⅲ 人事制度
当社は、年齢や勤続年数、性別等の属性を一切排除し、実力で登用していく人事制度を運用しております。「一人ひとりが個性を活かしながらPigeon Wayを体現し、卓越した手腕を発揮するプロフェッショナル集団」を人事制度の設計思想とし、業務上におけるPigeon Wayの体現と併せて専門性の向上と発揮状況を評価しております。また、報酬水準を社員が実際に担う役割と連動させ、市場競争力を持たせております。実力で登用される人事制度のため、毎年続けて上の役割に登用されている社員も複数存在しております。
Ⅳ 両立支援
当社は、仕事をしながら本人が望めば妊娠・出産・育児をすることが性別を問わず当たり前の職場環境の実現を目指しております。男性の育児参加はもとより、次のような様々な取組を実施しております。
a.ライフ・デザイン休暇/休職制度
不妊治療や里親・養子縁組のために休暇取得や休職をすることができる制度です。ライフ・デザイン休暇は、失効した年次有給休暇の積立制度を活用することができ、ライフ・デザイン休職制度は、1か月単位で1人の社員につき在籍中に通算24か月を限度として利用することが可能です。社員がそれぞれの人生において少しでも豊かなものになるよう、会社としてできるサポートを形にしたものであり過去の利用者は復職し、その後それぞれの職場で活躍しております。
b.男性の育児休業取得率100%
男性の育児参加と育児を語れる社員の育成を目的として2006年に男女ともに1か月間の休業を有給で取得することが可能とする育児休業制度(ひとつきいっしょコース)を制度化いたしました。導入以降、男性社員の育児休業取得率は30%程度で推移していたものの、2016年、当時の社長の強い想いのこもった声がけにより、男性の1か月の育児休業取得率は一気に100%になりました。そして、2016年から現在に至るまで100%を継続している状況です。当社では、配偶者が出産した際に男性社員が1か月以上の育児休業を取得することは当たり前の文化として根付いております。2025年は、男女ともに100%の取得率を維持しながら、平均育児休業取得日数のKPI達成(40日以上)に向けて制度を拡充し、当社の代表的な育児休業制度であった、1か月の給与を補填する「ひとつきいっしょ制度」を最長3か月の給与を補填する「すくすくいっしょ制度」へバージョンアップしました。4月からの制度導入以降、育児休業取得日数も確実に増加し、2025年の男女の育児休業平均取得率は100%、男性の平均取得日数45日に増加しました。今後も男性の育児参加と、男女を問わず仕事とプライベートとの両立を可能とする社会の実現を目指して自社のみならず社会に対しても発信し続けてまいります。
c.育児レポート
当社では、「当社の社員は育児も仕事である」という考えのもと、自身の育児体験や、そこから得た気づき等を仕事や事業そのものに活かすため、子どもが生まれた社員全員が「育児レポート」を提出しております。2006年からレポートの取組が開始され、2021年までに約250点にものぼる育児レポートが集まり、そこにはピジョンの社員一人ひとり、親として育児に悩み、戦い、楽しんだ、等身大の記録が克明に記されております。そのたくさんの「財産」を書籍にして世の中の多くの方々に届けられればと、Pigeon Frontier Awards(PFA)により社員有志での『ピジョンの子育て』出版プロジェクトが始動し、書籍出版にいたりました。
育児レポートは、1歳6か月までの子を持つ全正社員に対して目標管理制度に組み込まれ、人材・サステナビリティ戦略統括責任者(CHRO)が評価者となり賞与にも反映される仕組みとなっております。
d.復職ママ会・パパ会の実施
子の月齢が近い社員同士のつながりを創るとともに、先輩社員からのアドバイスを共有することで育児と仕事の両立に対する心理的不安を取り除くことを目的に実施しております。
このように社員のライフイベントに応じた様々な取組を継続実施していくことで、社員の妊娠、出産、育児を含めたプライベートと仕事の両立に対する負のバイアスを排除し、ライフイベントはキャリアロスではなくキャリアアップにつながる新たな学びの機会として捉えてもらえるよう、意識変革につなげていきたいと考えております。そして、赤ちゃんにやさしい世界の実現を目指している当社だからこそ、育児と仕事の両立のための先駆的な取組を積極的に行い、当社独自の両立支援制度の内容を広く社会に発信することで、日本の少子化の課題に対しても貢献してまいります。
Ⅴ 働き方
a. Smart & Smile!Work
当社は、働き方改革スローガンとして「Smart & Smile!Work ~決まった時間の中でSmartに働き、プライベートをSmileでいっぱいにする~」を掲げ、社員の人生は仕事が全てではなく、仕事もプライベートも重要と考え、仕事を効率的に進めて自分自身の時間を十分に取ることができる環境整備を進めております。限りある時間を効果的・効率的に使うことで時間当たりの生産性を高めるとともに、ONとOFFの切り替えのマインドを高め、社員の心のリフレッシュも推進しております。
・17時15分以降の会議・打合せは行わない
・19時~翌7時30分の間・休日にメールは送らない
・コアタイムなしのフレックスタイム制度の積極活用
・19時退出ルール
これらの取組により月平均残業時間の過去5年間実績は「月平均:10時間以内」を下回り、2025年度は、
6.7時間となっております。
また、社員のプレゼンティーイズムの解消が生産性向上に直結すると考え、計画的かつ自主的な有給休暇の取得を促進してまいりました。その結果、直近数年の平均取得率は80%前後と高い水準を維持しており、休暇を取りやすい風土が醸成されております。
*プレゼンティーイズム
職場に出勤しているものの、心身の健康上の問題により、業務パフォーマンスが低下している状態
Ⅵ 風土・環境
当社は「働いていて楽しい時間を増やし、社員が未来にむけて、失敗を恐れず挑戦していくことを応援・表彰する」をコンセプトとし、担当業務に関係なく自分がやりたいこと・実現したいアイデアを企画・提案できる社内公募制度「Pigeon Frontier Awards(PFA)」を推進しております。2020年の開始以来、これまでに計96件のアイデアが提案され、うち25件がプロジェクト化されました。すでに6件が社会にリリースされ、現在も複数プロジェクトが進行中です。本取組への延べ参加人数は100名を超えており、社員の自由な発想を具現化する場としてだけでなく、挑戦のプロセスを通じた自己成長に大きく寄与しております。
参考:PFAから生まれたアイデア
初乳採取サポートデバイス『Precious Drop』
https://www.pigeon.co.jp/news/files/pdf/20220712.pdf
書籍『ピジョンの子育て』
https://www.pigeon.co.jp/news/files/pdf/20221129.pdf
「母乳実感®パーツストロー」「母乳実感®パーツ ふた」
https://push.pigeon.info/article-63.html
大人気育児用品が「ガシャポン®」に「ピジョンミニチャーム」
https://www.pigeon.co.jp/news/files/pdf/20250827.pdf
Ⅶ 健康
当社は、「健康でいきいきと働くことができる会社」を目指し、社員の健康維持・増進をサポートし、活力に満ちた職場環境の実現に努めております。2021年の「健康経営宣言」制定以降、代表取締役社長をトップとする推進体制を構築し、産業医や健康保険組合との強固な連携のもと、禁煙やメンタルヘルス対策を推進してまいりました。また、健康意識の日常的な醸成を目的として、年2回のウォーキング大会や、産業医・保健師による社内講演会を継続的に実施しております。
さらに、プレゼンティーイズムの解消と生産性向上を目的に、食事・睡眠・歩数等のライフログを自動計測する健康増進アプリを導入し、社員の自律的な行動変容を促しております。加えて、女性特有の健康課題に関するセミナー、「目の愛護デー」や「歯と口の健康週間」等の健康記念日に合わせた啓発施策、欠食改善とフードロス削減を掛け合わせた活動等、当社独自の施策を展開しております。
一連の施策により、プレゼンティーイズム(86.08%)やアブセンティーイズム(1.32日)は良好な水準を維持し、ストレスチェックにおける総合健康リスク値も74(全国平均100)と低リスクを継続しております。また、ワーク・エンゲイジメントにおいても4.03と高い活力を示す結果となりました。当社は、こうした客観的な指標に基づいた施策のPDCAを回すことで、社員一人ひとりの健康リテラシー向上を図るとともに、組織全体の健康増進に向けた活発なコミュニケーション文化の醸成を推進しております。
参考リンク:健康経営宣言、健康経営推進体制、健康経営戦略マップ
https://www.pigeon.co.jp/sustainability/social_top/health_management_policy/
これら多角的な活動が評価され、経済産業省より「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に認定されました。同時に、大規模法人部門の上位500社に与えられる称号「ホワイト500」の認定も受けております。「健康経営優良法人」は5年連続、「ホワイト500」については初の認定となります。今後も認定法人として、当社の健康経営における施策ノウハウや成功事例を取引先企業へ積極的に共有・展開し、サプライチェーン全体での健康増進を支援いたします。こうした外部への働きかけを強化することで、ステークホルダーとともに社会全体の健康経営の底上げと、健康課題の解決に寄与してまいります。
Ⅷ 安全・衛生
労働における安全衛生管理は、日本はもちろんのこと海外においても、各国の法規制を踏まえ、当社労働安全基準に則った非常に厳格な管理がなされております。生産拠点においては、労働災害の防止を見据え特に徹底した労働安全管理が必要であることから、国際的に広く採用されている労働安全衛生に対するマネジメントシステム規格「ISO45001(OHSAS18001)」を導入し、全拠点の取得率は100%となっております。
③ 社員のエンゲージメント
当社グループは、それぞれ異なる価値観や考え方を持ち、高い専門性を持った多様な社員がエンゲージメント高くイキイキと働くことが、経済価値及び社会価値の向上につながるものと考えております。社員エンゲージメントの状態を測定するため、2023年度からグローバルでエンゲージメントサーベイを実施※1しております。2025年からはランシノ事業本部も加わりグループ全事業ユニットにて実施することができております。Pigeon Wayへの共感と会社の存在意義とのつながりが、社員エンゲージメントと相関性が高いことから、Gallup社が提供するサーベイに当社の独自設問を追加※2しております。2025年はエンゲージメントスコアが前年対比向上しましたが、目標としていたKPIはやや未達となりました。パーパスへの共感は高いスコアであるものの、心理的安全を測る質問に関しては伸びしろがあります。次の中期計画期間では、社員の心理的安全を高められるような風土にフォーカスをした取組を強化し、より一層のエンゲージメントの向上を図ってまいります。
|
|
2023年 |
2024年 |
2025年 ※3 |
|
3つの追加設問項目スコア(合計) |
4.11 |
4.15 |
4.19 |
※1 エンゲージメントサーベイは、2023年および2024年において、ランシノ事業本部を除く主要3社(ピジョン株式会社、PIGEON(SHANGHAI)CO.,LTD.、PIGEON SINGAPORE PTE.LTD.)の正社員を対象に実施
※2 3つの追加の設問項目
・私は会社が掲げているPigeon Wayに共感している
・私のチームの仕事は、Pigeonの存在意義実現につながっていると感じる
・私は、職場で自分らしくいられる
※3 ランシノ事業本部は含まない
④ サクセッションプラン
事業戦略の実現確度を高めるには戦略実行のコアポジションを担う人材の獲得が極めて重要です。そのため、2025年に、執行役員・事業本部CxO・グループ会社社長の39ポジションをコアポジションとして特定し、コアポジションのサクセッションプランの作成を開始しました。コアポジションの職務記述書(Job Description)を作成し、ポジションを担える人材要件を明確化するとともに、サクセッションプランを作成し、事業本部長が参加する人事会議Ⅱ、社長・専務・人材・サステナビリティ戦略統括責任者(CHRO)の3名による人事会議Ⅰのプロセスを経てサクセッションプランを最終化しました。昨年度のサクセッションプランの充足率は65%でした。今後は、ポジションごとのサクセッサーのプールの拡充とサクセッサー候補のレディネスを高めるための個別育成を実施してまいります。
また、サクセッションプランは毎年更新し、コアポジションを担える人材プールを充実させてまいります。
⑤ リスク管理
当社グループの人的資本に関するリスク管理に関しては、サステナビリティリスクと同様に、GHOリスクマネジメント委員会を中心としたマネジメントを行っております。当社グループは、人権尊重の取組を経営の重要課題と位置づけ、2024年度のリスクマネジメント委員会において、重点リスク項目に「人権」を新たに追加いたしました。これに伴い、各事業ユニットに人権担当者を配置し、グループ全従業員を対象とした「グループ人権方針」の周知・浸透を図っております。国内事業(日本BU)においては、2024年度に人権教育の実施および人権課題に関する実態調査を完了いたしました。2025年度には、抽出された課題に対してリスクアセスメントを執り行い、優先的に対処すべき高リスク項目を特定しております。また、国内グループ会社間での知見共有を目的に、年2回の人権実務者会議を開催し、取組の高度化と効率化を推進しております。
海外拠点においても、中国およびシンガポールにおいて実態調査を実施済みであり、今後はその分析結果に基づき、負の影響の特定・予防・軽減に向けた是正措置を講じてまいります。継続的な教育と啓発を通じ、ハラスメント等の人権侵害を許容しない企業風土の醸成に努めてまいります。なお、当社グループのリスク管理体制については、
⑥ 指標及び目標
当社は、人材戦略の実行と結果を測定するため、以下の項目を2025年の目標として設定し、取組を進めてまいりました。その結果、2項目を除き、達成することができました。未達となった項目のうち、日本における女性の管理職比率の伸び悩みは大きな課題と認識しております。2026年から始まる中期経営計画において、これまでとは異なる取組施策等により、女性管理職比率30%達成に向けて進めてまいります。
[第8次中期経営計画人材 KPI評価]
*エンゲージメントの調査対象拠点は「ピジョン株式会社、PIGEON(SHANGHAI)CO.,LTD.、PIGEON SINGAPORE PTE.LTD.」
*上記記載の目標値は、エンゲージメントスコアを除き、全てピジョン株式会社
*男性の育休取得率は、厚生労働省が公表する「①育児休業等の取得割合」の算出方法より算出
*男性育休平均取得日数は、期中に子が1歳6か月を迎える男性社員の平均育児休業取得日数
[第9次中期経営計画人材 KPI]
第9次中期経営計画ではPigeon Wayで定めるSpiritに対する求める人材特性を言語化いたしました。人材・サステナビリティ戦略統括責任者(CHRO)が経営戦略と連動した人材戦略の実行をリードし、4つの戦略の柱をベースにグローバルで新たに定めるKPIを設定いたしました。なお、2025年よりLANSINOH LABORATORIES,INC.もエンゲージメントサーベイに加わり、当社グループ全社でのKPIを設定いたしました。
[モニタリング指標]
≪グローバル≫
|
項目 |
指標 |
2021年度 実績 |
2022年度 実績 |
2023年度 実績 |
2024年度 実績 |
2025年度 実績 |
|
|
グローバル全体 |
基本情報 |
従業員数 |
3,935 |
3,803 |
3,618 |
3,066 |
3,042 |
|
男性(人) |
1,493 |
1,456 |
1,423 |
1,204 |
1,192 |
||
|
女性(人) |
2,442 |
2,347 |
2,195 |
1,862 |
1,850 |
||
|
女性比率(%) |
62% |
62% |
61% |
61% |
61% |
||
|
エンゲージメント |
|
- |
- |
4.11 |
4.15 |
|
|
|
人材への投資 |
|
- |
3,322 |
4,743 |
6,778 |
|
|
|
|
- |
55,688 |
42,776 |
50,563 |
|
||
|
|
- |
15.0 |
12.0 |
16.5 |
|
||
|
DE&I |
|
42% |
40% |
40% |
39% |
|
|
|
|
- |
0.7% |
0.7% |
0.8% |
|
||
|
|
66.6% |
66.7% |
67.3% |
64.9% |
|
||
|
環境整備 |
|
5 |
12 |
11 |
6 |
|
|
|
|
0 |
0 |
0 |
0 |
|
||
|
|
15.1% |
18.9% |
16.0% |
10.7% |
|
||
*エンゲージメントの調査対象拠点は「ピジョン株式会社、PIGEON(SHANGHAI)CO.,LTD.、PIGEON SINGAPORE PTE.LTD.」
≪当社単体≫
|
項目 |
指標 |
2021年度 実績 |
2022年度 実績 |
2023年度 実績 |
2024年度 実績 |
2025年度 実績 |
|
|
基本情報 |
従業員数 |
368 |
345 |
334 |
341 |
338 |
|
|
男性(人) |
218 |
205 |
198 |
197 |
185 |
||
|
女性(人) |
150 |
140 |
136 |
144 |
153 |
||
|
女性比率(%) |
41% |
41% |
41% |
42% |
45% |
||
|
自己実現と成長できる働き甲斐のある会社 |
人材育成 |
一人当たりの研修費(円) |
137,784 |
153,531 |
72,363 |
95,615 |
61,129 |
|
一人当たりの研修時間(H) |
21 |
11 |
17 |
19 |
14 |
||
|
キャリア |
社内公募制度利用者数(人) |
0 |
2 |
4 |
0 |
0 |
|
|
社内プロボノ制度利用者数(人) |
0 |
10 |
14 |
8 |
14 |
||
|
社外留職制度利用者数(人) |
2 |
1 |
1 |
1 |
1 |
||
|
社外副業制度利用者数(人) |
- |
- |
4 |
9 |
5 |
||
|
ボランティア・プロボノ休暇制度 延べ利用者数(人) |
27 |
40 |
55 |
64 |
35 |
||
|
ボランティア・プロボノ休暇制度 延べ活動時間(時間) |
101.25 |
150 |
213.75 |
202.5 |
187.5 |
||
|
人材への 投資拡大 |
人事制度 |
正社員離職率 |
2.2% |
4.6% |
6.0% |
3.5% |
3.8% |
|
平均年収 |
8,016,011 |
7,747,544 |
8,065,442 |
8,195,328 |
8,274,323 |
||
|
平均年齢 |
42.7 |
43 |
43.2 |
42.9 |
42.8 |
||
|
両立支援 |
[男性]育休取得率(%) |
150% |
88% |
100% |
133% |
100% |
|
|
[男性]育休平均取得日数(日) |
30.0 |
30.4 |
35.7 |
36.3 |
45.5 |
||
|
子の看護休暇 延べ利用者数(人) |
47 |
39 |
33 |
36 |
44 |
||
|
学校行事参加休暇 延べ利用者数(人) |
26 |
19 |
25 |
38 |
39 |
||
|
[女性]育休からの復職率(%) |
100% |
83% |
75% |
83% |
90% |
||
|
ライフデザイン休職 利用者数(人) |
1 |
1 |
1 |
2 |
0 |
||
|
DE&I推進 |
働き方 |
有給休暇取得率 |
70% |
83% |
81% |
77% |
83% |
|
月残業時間平均(H) |
8.3 |
5.8 |
5.8 |
6.0 |
6.7 |
||
|
組織風土 |
女性の管理職比率 |
23.9% |
26.2% |
26.8% |
26.4% |
26.4% |
|
|
障がい者雇用率 |
2.7% |
3.0% |
3.2% |
3.5% |
3.5% |
||
|
外国人社員比率 |
2.7% |
2.0% |
2.1% |
2.4% |
1.8% |
||
|
中途採用管理職比率 |
42.3% |
46.2% |
52.1% |
52.8% |
55.6% |
||
|
PFA 応募件数 |
19 |
18 |
22 |
13 |
0 |
||
|
プロジェクト採用件数 |
7 |
0 |
5 |
6 |
0 |
||
|
自分らしく挑戦し、活躍できる環境の整備 |
健康 |
定期健康診断受診率 |
100% |
100% |
100% |
100% |
100%* |
|
ストレスチェックにおける総合健康リスク(Pt) |
79 |
77 |
77 |
75 |
74 |
||
|
健康経営度(偏差値) |
51.8 |
54.9 |
58.5 |
58.2 |
62.9 |
||
|
安全衛生 |
労働災害(休業および不休業災害)による負傷者数(死亡除く)(人) |
1 |
2 |
4 |
0 |
0 |
|
|
上記の内、労働災害により1日以上の休業を要した負傷者数(人) |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
||
|
労働災害による死亡者数(人) |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
||
*暫定値
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)出生数の減少
当社グループの主力事業である育児用品の製造及び販売事業は、国内及び海外での出生数の減少により総需要量(数)が変動し、売上高の減少を生じる可能性が考えられます。
(2)経済動向・社会・制度等の変化に関するリスク
現在、当社グループは日本をはじめ、タイ、中国、トルコ、インドネシア、インドで商品を製造し、さらに日本、アジア、オセアニア、中近東、北米、ヨーロッパを中心に国内外で事業を展開しております。日本事業・中国事業・シンガポール事業・ランシノ事業が持つリスクとしては以下のものが考えられます。当社グループも各事業におけるリスクに対しては可能な限りのリスクヘッジを講じてはおりますが、予期できない様々な要因によって当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
・当社グループにとって影響を及ぼす法律の改正、規制の強化
・テロ・戦争の勃発、既知及び未知の感染症・伝染病の流行による社会的・経済的混乱
・地震等の自然災害の発生
・予測を超える為替の変動
・国際貿易政策の予期せぬ変更(関税等)
(3)天候・自然災害
当社グループの主力商品である育児及び女性向け用品、介護用品は天候からの影響は比較的軽微と考えられますが、突発的に発生する災害や天災、不慮の事故の影響で、製造、物流設備等が損害を被り、資産の喪失、商品の滞留等による損失計上により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
とりわけ、気候変動は世界共通の取り組むべき課題と認識し、2021年12月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明し、「ピジョングループTCFD Report 2025」及び当社のコーポレートサイトにおいてTCFD提言の枠組みに則った情報開示をしております。
TCFDレポート:https://www.pigeon.co.jp/sustainability/environment_top/warming/
(4)原材料価格の変動
当社グループの使用する主要な原材料には、原油価格やパルプ価格等の市場状況により変動するものがあります。それら主要原材料の価格が高騰することにより、製造コストが高騰し、また、市場の状況によって販売価格に転嫁することができない場合があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)製造委託先での事故
当社グループの主力商品である育児及び女性向け用品、介護用品の一部は外部に製造委託を行っております。品質には万全を期しておりますが、事前の予想を超えた品質事故が起った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)子育て支援に関するリスク
当社グループは、働きながら子育てをするご家族のため、保育、託児、幼児教育事業を展開し、多くの乳児、幼児をお預かりしております。そのため、安全には万全の配慮をしておりますが、乳児、幼児は予期しないケガをする可能性を秘めております。これまで当社グループの事業運営に影響を与えるような事故や補償問題は発生しておりませんが、将来にわたってそのような事態が発生しないとは言い切れず、そのような事態に陥った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)製造物責任に関するリスク
生活者向け商品のメーカーとして、商品の品質や安全性、商品の原料に関する評価は非常に重要であります。当社グループは商品の設計段階から量産に至るまで、品質、安全性の確保に万全を期しておりますが、商品に欠陥が発生した場合、もしくは予期せぬ事故が発生した場合には、商品回収等に伴う損失の計上や、顧客の流出による売上の減少など、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)訴訟に関するリスク
当社グループは、会社設立以来、多額の補償金問題など大きなクレーム又は訴訟等を提起されたことはございません。しかし、国内海外を問わず事業を遂行していく上では、訴訟提起されるリスクは常に内包しております。
万一当社グループが提訴された場合、また、その結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)情報システムのリスク
当社グループは、販売促進キャンペーンや赤ちゃん誕生記念育樹キャンペーン等多数のお客様の個人情報をはじめ、研究活動の成果や商品開発上の機密事項など、様々な重要情報を保有しております。当社グループは、これらの重要な情報の紛失、誤用、改ざん等を防止するため、システムを含めて情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、停電、災害、ソフトウエアや機器の欠陥、コンピュータウイルスの感染、不正アクセス等予測の範囲を超えた出来事により、情報システムの崩壊、停止又は一時的な混乱、顧客情報を含めた内部情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクがあります。このような事態が発生した場合、営業活動に支障をきたし、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10)個人情報漏洩のリスク
当社グループは、生活者向け商品とサービスの提供を行っており、多くの個人情報を保有しております。日頃より全社員には個人情報保護の重要性の認識を徹底させ、社内教育受講の義務付け、顧客情報の管理の強化に努めておりますが、何らかの原因にて個人情報が外部に漏洩する可能性があります。個人情報が外部に漏洩するような事態に陥った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)信用リスク
当社グループは、国内外の取引先と商取引を展開しており、取引先の経営破綻又は信用状況の悪化により当社グループが保有する債権が回収不能になるリスクがあります。このような事態が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における我が国の経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に個人消費の持ち直しが見られるなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。世界経済においても、緩やかな持ち直しが続くことが期待される一方、中国では不動産市場の停滞や個人消費の弱含みによる影響もあり景気が緩やかに減速していることに加え、米国の政策動向による影響や欧米における高い金利水準の継続など、依然として不透明な状況は継続しております。
このような状況の中、当社グループは、その存在意義を実現させるため、2023年12月期より「第8次中期経営計画(2023年12月期~2025年12月期)」を推進してまいりました。当連結会計年度はその最終年度として、グローバルで急速に変化し続ける事業環境に柔軟に対応し、サステナブルな成長を確かなものとするため、以下の3つの基本戦略の着実な実行による既存事業領域での持続的な成長に加え、自社の知見が活用できる新たな成長領域の探索・育成にも注力することで、事業構造の再構築を積極的に行ってまいりました。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ17億80百万円増加し、1,100億88百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ5億円増加し、242億1百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ12億79百万円増加し、858億87百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度においては、売上高は中国事業を中心に販売が堅調に推移したことにより、1,091億70百万円(前期比4.8%増)となりました。利益面においては、増収による売上総利益の増加に加え、売上総利益率が前期比で0.9ポイント改善したことで販売費及び一般管理費の増加を吸収し、営業利益は131億58百万円(同8.4%増)、経常利益は136億81百万円(同3.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は85億70百万円(同2.4%増)となりました。
なお、当連結会計年度の海外連結子会社等の財務諸表項目(収益及び費用)の主な為替換算レートは次のとおりです。
・米ドル:149.66円(151.48円)
・中国元: 20.82円( 21.04円)
注:( )内は前年同期の為替換算レート
当社グループの報告セグメントは「日本事業」、「中国事業」、「シンガポール事業」及び「ランシノ事業」の計4セグメントとなっております。各セグメントにおける概況は以下のとおりです。
<日本事業>
当事業は、「ベビーケア」、「子育て支援」、「ヘルスケア・介護」等で構成されております。当事業全体の売上高は378億6百万円(前期比3.6%増)、セグメント利益は25億96百万円(同29.9%増)となり増収増益で終了しました。
ベビーケア(育児及び女性向け用品)の売上高は、基幹商品である哺乳器・乳首やベビースキンケア、販売構成比の高いベビーフード・飲料等が堅調に推移し、前期を上回りました。6月に実施した哺乳器・乳首を含むベビー関連用品の一部価格改定による効果に加え、ベビーケアの新規領域である育児家電についても、8月より販売を開始したスペースパフォーマンスに優れる新モデルを加えた「哺乳びんスチーム除菌・乾燥器 ポチット」シリーズをはじめ、引き続き好調に推移しました。また、9月に「TABOTENZU(タボテンズ)」及び11月に「ピジョンキッズ」の新ブランドをそれぞれ発表するなど、育児を取り巻く環境の多様化や、共働き世帯の増加など社会構造の変化に伴う親のニーズに応じた新たな製品づくり、発信等に継続的に取り組んでおります。
また、コミュニケーション施策の一環として、「インスタライブ」などの自社SNSを活用した商品紹介や販売促進に加え、小売店との共同開催によるプレママ・パパ向けセミナーや、医療従事者向けのオンラインセミナーを複数回開催するなど、継続的なブランド強化に取り組んでおります。
子育て支援においては、事業所内保育施設等53箇所にてサービスを展開しており、今後もサービス内容の質的向上を図りながら、事業を展開してまいります。
ヘルスケア・介護については、介護用品ブランド「ハビナース」で販売している、アタッチメント型の食事補助具「自分で食べる ミールキャッチ」などの新商品を中心にブランドの活性化を図りました。引き続き、排泄サポート、清潔サポート、食事サポート関連商品等の販売を推進し、今後も更なる小売店及び介護施設等への営業活動強化などの施策実行を徹底してまいります。
当事業の利益については、増収や価格改定効果に伴う売上総利益の増加や工場稼働率の改善等により前期を上回りました。
<中国事業>
当事業の売上高は429億2百万円(前期比9.9%増)、セグメント利益は104億96百万円(同4.3%増)となり増収増益で終了しました。
主要市場である中国本土においては、前年奏功したブランド露出及び販売促進活動の強化を継続実施したことで、現地通貨ベースでも売上高は前期を上回りました。商品群では、基幹商品である哺乳器・乳首及びベビースキンケアの販売が堅調に推移しました。また、新商品を投入し、ラインアップを拡充しているドリンキングカップの販売も引き続き好調となるなど、出生数減少に向けた対応策の一環である高月齢及びキッズ向け商品(エイジアップ)についても売上への貢献度が着実に高まっております。さらに、消費者コミュニケーションでは、動画プラットフォームTikTokの中国本土版「Douyin(抖音)」や「RED(小紅書)」等のSNS上でのブランド露出強化に加え、ライブコマース等のデジタルマーケティングの強化により、中国最大のECイベントである11月のダブルイレブン商戦における販売も堅調に推移しました。
また、当事業が管轄する韓国及び北米市場(ピジョンブランド)においては、現地販売子会社を起点としたブランド強化及び販売・マーケティング活動に取り組んだほか、特に北米市場においては、哺乳器・乳首を中心としたピジョンブランドの育児用品の販売が好調に推移しました。
当事業の利益については、増収に伴う売上総利益の伸長によって販売費及び一般管理費の増加を吸収し、前期を上回りました。
<シンガポール事業>
当事業の売上高は149億20百万円(前期比4.5%増)、セグメント利益は21億24百万円(同27.4%増)となり増収増益で終了しました。
当事業が管轄するASEAN周辺地域及びインドでは、特にオーストラリア、マレーシアなどでの販売が堅調に推移し、現地通貨ベースでも売上高は前期を上回りました。当事業が注力している基幹商品カテゴリにおいては、高価格帯の広口タイプ哺乳器「SofTouch™」シリーズ(日本における商品名:母乳実感®)のブランドリニューアル効果が主要市場で継続したこともあり、哺乳器・乳首の販売が好調に推移しました。スキンケアでは、当事業が注力する「ナチュラル・ボタニカル・ベビー」シリーズの「おむつかぶれクリーム」が好調を維持するなど、順調に販売が伸長しております。また、新商品として7月に販売を開始したドリンキングカップ「StarTouch™」の各国での露出増加と販売促進に注力しました。引き続き、上位中間層以上のお客様をターゲットとし、基幹商品である哺乳器・乳首及びスキンケアを中心に積極的な販売・マーケティング活動を展開してまいります。
当事業の利益については、哺乳器・乳首の販売伸長及び広口哺乳器の販売比率拡大による総利益率の改善等もあり、前期を上回りました。
<ランシノ事業>
当事業の売上高は219億4百万円(前期比2.2%増)、セグメント利益は15億17百万円(同12.3%減)となり増収減益で終了しました。
主力市場である北米においては、主力商品である乳首ケアクリームや母乳パッドの販売が堅調に推移したことに加え、当期より注力している哺乳器・乳首の販売も大きく伸長した一方、さく乳器カテゴリにおいては昨年の新商品効果の一巡や競争激化などの影響が継続した結果、現地通貨ベースの売上高は前期を下回りました。欧州市場においては、各国での乳首ケアクリーム等の好調に加えてドイツ、ベネルクスなどでさく乳器や産前・産後ケア商品等の販売も好調に推移し、現地通貨ベースの売上高も前期を上回りました。
北米においては、注力中である哺乳器カテゴリのラインアップ拡充に加え、8月には他ブランドとのコラボレーションによるドリンキングカップ等の販売も開始し、哺乳器カテゴリ周辺商品の強化にも着手しております。今後は一層の事業拡大に向け、各地域の消費者行動に合わせたランシノブランドの製品ラインアップを強化し、妊娠中及び産後の女性をより包括的にサポートすることを目指してまいります。
当事業の利益については、増収に伴う売上総利益の増加が見られた一方で、米国関税による原価への影響等もあり前期を下回りました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4億8百万円増加し、396億9百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、130億58百万円(前年同期は142億81百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益133億18百万円、減価償却費45億81百万円等の増加要因に対し、棚卸資産の増加額19億4百万円、法人税等の支払額39億83百万円等の減少要因によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、31億44百万円(前年同期は11億37百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入54百万円等の増加要因に対し、有形固定資産の取得による支出27億97百万円、無形固定資産の取得による支出3億45百万円等の減少要因によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、108億18百万円(前年同期は106億39百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払額91億5百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本事業(百万円) |
9,602 |
103.4 |
|
中国事業(百万円) |
14,041 |
111.6 |
|
シンガポール事業(百万円) |
7,312 |
99.7 |
|
ランシノ事業(百万円) |
2,178 |
88.7 |
|
合計(百万円) |
33,135 |
104.7 |
(注)金額は製造原価によっております。
(受注実績)
当社グループは、主として見込みにより生産及び商品仕入を行っており、一部受注による商品仕入れを行っておりますが、受注残高は僅少であります。
(販売実績)
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本事業(百万円) |
37,806 |
103.6 |
|
中国事業(百万円) |
42,902 |
109.9 |
|
シンガポール事業(百万円) |
14,920 |
104.5 |
|
ランシノ事業(百万円) |
21,904 |
102.2 |
|
内部売上高消去(百万円) |
△8,363 |
118.4 |
|
合計(百万円) |
109,170 |
104.8 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
ピップ株式会社 |
16,803 |
16.1 |
17,629 |
16.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は下記のとおりであり、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産の残高は、前連結会計年度末と比べ17億80百万円増加し、1,100億88百万円となりました。流動資産は30億99百万円増加し765億61百万円、固定資産は13億19百万円減少し335億27百万円となりました。
流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金が4億8百万円、商品及び製品が22億43百万円それぞれ増加したことによるものです。
固定資産の減少の主な要因は、建物及び構築物が13億81百万円減少したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末と比べ5億円増加し、242億1百万円となりました。流動負債は7億44百万円増加し181億27百万円、固定負債は2億44百万円減少し60億73百万円となりました。
流動負債の増加の主な要因は、未払費用が5億92百万円、製品自主回収関連費用引当金が1億23百万円それぞれ増加したことによるものです。
固定負債の減少の主な要因は、繰延税金負債が2億27百万円増加したものの、リース債務が4億10百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べ12億79百万円増加し、858億87百万円となりました。
純資産の増加の主な要因は、利益剰余金が5億85百万円減少したものの、為替換算調整勘定が22億24百万円増加したことによるものです。
2)経営成績
(売上高及び売上原価)
当連結会計年度における売上高は、1,091億70百万円となりました。
セグメントごとに分析しますと、日本事業は、哺乳器・乳首以外の商品群も伸長したこと等により378億6百万円、中国事業は、哺乳器・乳首やスキンケアの伸長等により429億2百万円、シンガポール事業は哺乳器の広口シフト化の進行により149億20百万円、ランシノ事業は欧州が好調かつ北米も哺乳器・乳首の大幅伸長等により219億4百万円となりました。
当連結会計年度における売上原価は、543億31百万円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、416億80百万円となりました。
主に中国事業においてマーケティング活動の強化に伴う費用の積極的な使用等により、売上高比率は0.5ポイント増加し、営業利益は131億58百万円となりました。
(営業外損益、特別損益、経常利益及び税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の営業外損益は、助成金収入を6億52百万円計上したことにより、5億23百万円の利益となりました。
特別損益は、製品自主回収関連費用を4億95百万円計上したことにより、3億63百万円の損失となりました。
これらの結果、経常利益は136億81百万円、税金等調整前当期純利益は133億18百万円となりました。
(法人税等、非支配株主に帰属する当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の法人税等は44億81百万円、非支配株主に帰属する当期純利益は2億66百万円となり、これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は85億70百万円となりました。
各セグメントの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
1)財政状態
(日本事業)
セグメント資産は、機械装置及び運搬具が405百万円、建物及び構築物が370百万円それぞれ減少したものの、商品及び製品の増加937百万円、建設仮勘定の増加335百万円等により、前連結会計年度末に比べ445百万円増加の261億37百万円となりました。
(中国事業)
セグメント資産は、建物及び構築物が609百万円、原材料及び貯蔵品が294百万円それぞれ減少したものの、受取手形及び売掛金の増加725百万円、商品及び製品の増加672百万円、機械装置及び運搬具の増加138百万円、建設仮勘定の増加109百万円等により、前連結会計年度末に比べ802百万円増加の203億99百万円となりました。
(シンガポール事業)
セグメント資産は、建物及び構築物が228百万円減少したものの、商品及び製品の増加170百万円、未収入金の増加96百万円等により、前連結会計年度末に比べ14百万円増加の100億16百万円となりました。
(ランシノ事業)
セグメント資産は、建物及び構築物が173百万円、受取手形及び売掛金が143百万円それぞれ減少したものの、商品及び製品の増加586百万円、建設仮勘定の増加134百万円等により、前連結会計年度末に比べ420百万円増加の132億89百万円となりました。
2)経営成績
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b. 経営成績」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
1)資金需要
当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備資金需要の2つがあります。
運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための原材料の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用に係るものであります。また、設備資金需要としましては、主に生産設備の取得に伴う建物や機械装置等固定資産購入に係るものであります。
2)財務政策
当社グループは、堅固なバランスシートの維持、事業活動のための適切な流動性資産の維持を財務方針とし、主たる資金需要である運転資金及び設備資金につきましては、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金によっておりますが、日本におけるグループ会社の資金不足は当社からの貸付けで、海外グループ会社の資金需要につきましても主に当社からの外貨建て貸付けにて対応しております。また、当社における手元資金は事業投資の待機資金であることを前提に流動性・安全性の確保を最優先に運用しております。
当社グループは、健全な財務体質、営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も海外事業を中心とする成長性を確保するために現在の手元流動性を超える投資資金需要が発生した場合でも、必要資金を調達することが可能であると考えております。
なお、2026年12月期の設備投資資金等の長期資金需要につきましては、内部資金をもって充当する予定であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、連結財務諸表作成に際しては経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告に影響を与える見積りが必要ですが、この判断及び見積りは、過去の実績を勘案するなど、可能な限り合理的な根拠を有した仮定や基準を設定した上で実施しております。しかしながら、事前に予測不能な事象の発生等により実際の結果が現時点の見積りと異なる場合も考えられます。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、特に重要なものは以下のとおりであります。
・固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 平成15年10月31日)を適用しております。減損損失の認識に当たり使用する回収可能価額の算定にあたっては、将来キャッシュ・フローを適正な割引率で割り引いた使用価値等様々な仮定を用いております。なお、当連結会計年度においては減損損失を71百万円計上しております。
なお、当社グループの経営に影響を与える大きな要因として、当社グループの主力事業の1つである国内育児用品の販売事業は、出生数の減少により総需要量(数)が変動し、売上高の減少を生じる可能性が考えられます。このような市場環境の下、これまで約70年にわたる育児研究から生まれた競争優位性を発揮できる新商品の開発及び発売、カテゴリ拡大による事業の安定的な成長に努めてまいります。
また海外市場におきましては、海外各国における経済、社会情勢の変化、為替変動、新興国の経済成長に伴う原材料需給状況の変化等により売上高、利益額の減少が生じる可能性が考えられます。当社グループの事業成長継続のため、各市場に合わせた商品の開発と供給体制の整備・充実、及び、ブランド力強化と販売活動の一層の拡大が重要と考えております。
また、当社グループは、保育、託児、幼児教育事業などを展開し、多くの乳幼児等をお預かりしておりますが、このような事業は予期せぬ事故が発生する可能性があります。これまでには、震災などの自然災害によるものを含め、業績に影響を与えるような事故等は発生しておりませんが、将来にわたってそのような事態が発生しないとは言い切れず、そのような事態に陥った場合、当社グループの経営成績に与える可能性があります。
(経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当連結会計年度(2025年12月期)は引き続き、本中期経営計画のテーマである既存領域の強化、新規領域の拡大にグローバルに取り組んだほか、中国事業の売上高の回復を最重要テーマに成長投資を徹底的に投下したことにより、売上高は109,170百万円、営業利益は13,158百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は8,570百万円、PVAは4,948百万円、EPSは71.65円、ROE10.4%、ROICは10.8%となりました。
|
|
2025年12月期 計画 |
2025年12月期 実績 |
2025年12月期 計画比 |
|
売上高(百万円) |
109,700 |
109,170 |
0.5%減 |
|
営業利益(百万円) |
12,900 |
13,158 |
2.0%増 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) |
8,400 |
8,570 |
2.0%増 |
|
PVA(百万円) (Pigeon Value Added) |
4,918 |
4,948 |
0.6%増 |
|
EPS(円) |
70.24 |
71.65 |
1.41円増 |
|
ROE(%) |
10.7 |
10.4 |
0.3ポイント減 |
|
ROIC(%) |
11.0 |
10.8 |
0.2ポイント減 |
(注) ROICの算定に使用する法人税率は30%としております。
なお、2023年12月期を初年度とし、2025年12月期を最終年度とする第8次中期経営計画にて掲げた主な経営指標は次のとおりですが、2023年に発生したALPS処理水放出に起因する中国での風評被害影響など、想定外の課題にも直面し、最終年度である2025年度の当初目標未達となりました。
|
当初目標 |
2024年12月期 |
2025年12月期 |
中期経営計画目標 2025年12月期 |
|
売上高(百万円) |
104,171 |
109,170 |
113,800 |
|
営業利益(百万円) |
12,139 |
13,158 |
16,000 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) |
8,371 |
8,570 |
10,400 |
|
PVA(百万円) (Pigeon Value Added) |
4,353 |
4,948 |
7,437 |
|
EPS(円) |
70.00 |
71.65 |
86.92 |
|
ROE(%) |
10.5 |
10.4 |
14.5 |
|
ROIC(%) |
10.3 |
10.8 |
15.1 |
(注) ROICの算定に使用する法人税率は30%としております。
また、2026年12月期を初年度とし、2028年12月期を最終年度とする第9次中期経営計画にて掲げた主な経営指標は次のとおりです。
|
|
2026年12月期 |
2028年12月期 |
|
売上高(百万円) |
113,500 |
125,000 |
|
営業利益(百万円) |
13,900 |
20,000 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) |
9,140 |
13,160 |
|
PVA(百万円) (Pigeon Value Added) |
5,427 |
9,443 |
|
EPS(円) |
76.41 |
110.02 |
|
ROE(%) |
11.0 |
14.9 |
|
ROIC(%) |
11.3 |
15.4 |
(注) ROICの算定に使用する法人税率は30%としております。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発の基本姿勢は、妊娠、出産から子育て、そして高齢者、介護などの生活シーンにおいて生活者の研究を核に新たなニーズを掘り起こし、技術シーズの裏付けを持った新しい商品及びサービスを生み出すことにあります。
中央研究所を拠点とする開発本部では、グループの各開発部門と連携しながら、効率的かつ迅速な商品開発の実現を図ることでグローバル市場での競争優位性の実現を目指しております。特に、当社の商品開発の核となる赤ちゃんの哺乳・授乳に関する基礎研究については専任の開発組織を設置しており、そこで得たナレッジをグローバルに展開することで、永続的に開発可能な体制の強化を図っております。
また、当社では開発本部とともにSCM(サプライチェーンマネジメント)本部において、新商品開発時における商品評価及び量産化後の品質管理を担っております。研究開発から量産化に至る一貫した商品開発体制を備えることにより、各拠点の現地開発体制も含めたグループ全体の商品開発機能の中枢を担っております。
さらに、前連結会計年度よりグローバルヘッドオフィス(GHO)に新たにブランドデザイン部を設置し、ブランド戦略と事業戦略の一体化を推進し、「商品を買ってもらう」から「ビジネスに共感し、選んでもらう」ブランドへの更なる進化に寄与すべく、各事業の商品戦略とは異なるアプローチで、商品開発等に取り組んでおります。
日本事業、中国事業、シンガポール事業、ランシノ事業及びグローバルヘッドオフィス(GHO)それぞれの役割と責任を明確にすることで、商品企画、商品開発、品質管理も各地で完遂する仕組みを構築しながら、市場の変化を先取りするべくスピードアップを目指すと同時に、研究開発活動において異なる強みを持つ各事業・部門が連携し、更なるシナジーの創出を可能にしてまいります。
今後も、グローバルに安心・安全な商品の提供を目指し、グループ全体の研究開発体制を更に強化してまいります。
なお、研究開発に携わる人員の総数はグループ全体で256名となっており、当連結会計年度における研究開発費の総額は
(日本事業)
日本市場では、基幹商品である日本国内市場シェア No.1(当社調べ)の哺乳器シリーズ「母乳実感®」のボトルに飲み口を取りつけて使用できるドリンキングカップ「magmag(マグマグ)成長実感」の販売に向けた活動を行いました。また、日本市場で注力している新規領域の育児家電カテゴリにおいては、スペースパフォーマンスに優れる新モデル「哺乳びんスチーム除菌・乾燥器 ポチットスリム」の発売に向けた活動など、業界のリーディングブランドとして、お客様の価値観の多様化に応じた新たな製品づくりに継続的に取り組みました。また、介護用品ブランド「ハビナース」より、アタッチメント型の食事補助具「自分で食べる ミールキャッチ」や、舌の汚れを落としやすくするパイナップル由来の清掃成分を配合した「舌の汚れに 口腔保湿ジェルプラス」を新たに発売するなど、引き続き消費者・介護者のニーズに寄り添った新商品開発及び商品ラインアップの拡充に向けた活動を行いました。
この結果、当連結会計年度の研究開発費は
(中国事業)
中国市場では、基幹商品である哺乳器・乳首カテゴリより、ディズニーデザインの哺乳器などの発売に向けた活動を行いました。スキンケアカテゴリでは、当社独自の「乳児人工皮膚」(ベビー3D皮膚モデル)を用いて開発した新商品「胎脂スキンケアシリーズ」の発売に向けた活動を行いました。また、ベビー向け商品に加え、出生数減少への対応策の一環であるエイジアップ商品の充実も継続的に強化し、キッズ向けのドリンキングカップや保温マグなどを発売しました。
この結果、当連結会計年度の研究開発費は
(シンガポール事業)
シンガポール事業では、ASEAN地域及びインド市場などにおいて、基幹商品である哺乳器カテゴリのフラッグシップモデルである「SofTouch」(日本における商品名:母乳実感®)シリーズのブランド刷新に関する活動を継続しました。また、初のインド製である広口哺乳器「SoftLatch®2.0」を発売するなど、哺乳器の広口シフト化に向けた活動を更に強化しました。スキンケアカテゴリにおいては、マレーシアでハラルスキンケア新商品である「Milky Baby」を発売するなど、各市場に向けて積極的な研究開発を実施しました。
この結果、当連結会計年度の研究開発費は
(ランシノ事業)
ランシノ事業では、哺乳器の素材・サイズのラインアップを拡充させるなど、北米を中心とする欧米市場における哺乳器・乳首の本格展開に向けた開発強化に取り組みました。また、他ブランドとのコラボレーションによるドリンキングカップ等の販売も開始し、哺乳器カテゴリ周辺商品の強化にも取り組みました。妊娠中及び産後の女性をより総合的にサポートすることを目指し、更なる新規商品カテゴリ探索に向けた活動や、多様なニーズのある市場に向けて積極的な研究開発活動を行いました。
この結果、当連結会計年度の研究開発費は
(全社)
当社グループの基幹商品である哺乳器のグローバル商品開発を行ったほか、日本市場の育児家電カテゴリの拡大のために、哺乳びんスチーム除菌・乾燥器などの開発サポートも積極的に行いました。
この結果、当連結会計年度の研究開発費は54百万円となりました。