(1) 経営方針
2024年2月8日付「第2次中期経営計画」に基づき、業績計画達成のキーとなる「人材生産性」を高めると同時に「財務健全性」の維持にも留意する中で、最終的なアウトプット指標であるEPS(1株当たり当期純利益)を毎期10%以上高め、株主及び投資家の皆様の期待に応えるべく、事業を推進しております。また、中長期的な取組みに「Corporate Agilityの獲得」を掲げ、「耐久性」&「機動性」&「柔軟性」の向上を目指してまいります。そのための指標として、自己資本利益率(30%程度の維持)、ノンアセット事業シェア(中長期的に30%を目指す)、固定費カバー率をモニタリングしております。
(2) 経営環境
当連結会計年度における国内経済は、雇用・所得環境の改善のもとで、緩やかな景気回復が継続しました。一方で、金融資本市場の変動、物価上昇、急激な為替変動など、景気を下押しするリスクが依然として存在しております。
国内の収益不動産売買市場においては、国内の長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが2.0%台へと上昇し、借入金の支払利息増加や不動産価格の下落圧力などが引き続き懸念されているものの、不動産投資への旺盛な需要を背景に、売買市況は依然として活況を呈しています。
1棟収益不動産においては、住宅・オフィスの両セクターにおいて、都心部の賃料は、賃上げや物価高に伴って高水準で推移しています。加えて、建築費の上昇から新築物件の価格高騰や供給抑制がみられております。
不動産小口化商品においては市場規模が年々拡大しております。国土交通省の調査※によると、任意組合型商品への新規出資額は、2014年の65億円から2024年には718億円と約11倍に達しています。(※国土交通省「不動産特定共同事業の利活用促進ハンドブック(令和7年7月)」)
当社グループの拠点がある米国ロサンゼルスにおいては、政策金利が引き続き高水準で維持されており、資金調達環境の悪化によって収益不動産の売買需要を押し下げている状況にあります。
① 企業価値向上に向けた成長戦略の推進
当社グループは、2025年2月13日付で「企業価値向上に向けた成長戦略」を公表し、2027年までにROEを13~14%以上へ改善することを目標として掲げてまいりました。これに対し、当連結会計年度においてROEは16.9%となり、当該目標を前倒しで達成いたしました。今後もこの成果を通過点と捉え、事業ポートフォリオの最適化と資本効率の改善を継続的に推進することで、持続的な企業価値向上を目指してまいります。
一方で、2025年12月19日に公表された令和8年度税制改正大綱において、不動産小口化商品の相続税法上の評価方法の見直しが示されました。当該改正の詳細や市場への影響については引き続き精査が必要ですが、2026年12月期の不動産小口化事業の年間販売額は、2025年12月期と比較して減少する見込みです。
なお、当社グループは同事業を主力事業として位置付けており、中長期的には回復・成長軌道を維持する方針です。
加えて、当社グループは、こうした環境変化に対応するため、不動産小口化事業を引き続き主力事業として推進しつつ、オフィス区分事業の本格展開を前倒しで推進し、2026年以降の成長を加速させます。オフィス区分事業については、営業人員の戦略的なシフト等により、2026年売上目標100億円、2028年売上目標300億円を掲げております。
また、2026年1月に実行した連結子会社における外部オーナー向けプロパティ・マネジメント事業の売却に伴い、同事業に従事していた人員を一棟再販事業の商品価値向上業務へ戦略的にシフトすることで、一棟再販事業の力強い成長を引き続き確保し、当社グループの収益基盤を下支えしてまいります。2026年における各主要事業の方針は以下のとおりです。
a. 一棟再販事業の力強い成長
長年培ってきた一気通貫型の再生販売モデルを基盤に、資本回転率・利益率の向上やエリアの拡大、アセットの多様化を推進することで、さらなる成長を目指します。外部オーナー向けプロパティ・マネジメント事業の売却に伴い、同事業に従事していたプロパティマネジメントスキルを有する人員を戦略的にシフトし、競争優位性と実行力を強化するほか、大阪・福岡における事業拡大やホテル等の新アセットの取扱開始によって、収益獲得機会の拡大を進めます。
b. 不動産小口化事業の方針見直し
2026年を調整局面と位置付け、年間販売額を保守的に50億円と計画しております。一方で、足元では顧客の投資検討再開や金融機関による顧客紹介の再開といった動きも現れていることから、純投資目線等に基づく投資需要は安定的に維持される見込みです。引き続き本事業を主力事業として位置づけ、2027年以降の再成長を目指してまいります。
c. オフィス区分事業の成長加速
外部環境変化を踏まえ、2025年に開始したオフィス区分事業の成長加速を企図します。2025年後半に販売ノウハウが蓄積されたことに加えて、一時的に縮小する不動産小口化事業から、金融商品販売ノウハウを有する営業人員を戦略的にシフトすることによって、成長ボトルネックの解消を企図しております。当社グループの強みである優良な商品創出力と、全国の金融機関ネットワーク等の販売チャネルを活用し、成長市場におけるシェア獲得を目指します。
<企業価値向上にむけた成長戦略>
当社グループは、2025年2月13日付で「企業価値向上に向けた成長戦略」を公表し、2027年までにROEを13~14%以上へ改善することを目標として掲げてまいりました。これに対し、当連結会計年度においてROEは15%以上となり、当該目標を前倒しで達成いたしました。今後もこの成果を通過点と捉え、事業ポートフォリオの最適化と資本効率の改善を継続的に推進することで、持続的な企業価値向上を目指してまいります。
2026年12月期の連結業績計画については、上記見通し及び事業方針を勘案した上で、売上高77,000百万円、営業利益4,300百万円、税前利益は4,500百万円といたしました。
今後、2026年上期の販売動向や税制改正通達の内容を踏まえ、2026年夏頃を目途に不動産小口化事業・オフィス区分事業の中期計画を投資家の皆様にお知らせいたします。
当社グループは、各事業の特性と成長ステージを踏まえた経営資源配分を行い、全社として短期的な業績変動を伴いながらも中長期的な成長軌道を維持・強化することで、持続的な企業価値向上を目指してまいります。
<第2次中期経営計画(2024年12月期~2026年12月期)> (百万円)
(注)1.収益不動産残高:販売または賃料収入を目的として保有する不動産等の合計残高
2.ROE:親会社株主に帰属する当期純利益÷平均株主資本(「自己資本当期純利益率」とは数値が異なる可能性があります)
3.ROIC:(親会社株主に帰属する当期純利益+支払利息+借入手数料)÷(平均株主資本残高+平均有利子負債残高)
4.PH総利益:売上総利益 ÷ 平均従業員数(Per Head 売上総利益)
5.EPS:親会社株主に帰属する当期純利益÷期中平均株式数(Earnings Per Share)
なお、<第2次中期経営計画>における(計画)は経営として目指すターゲットであり、いわゆる「業績の予想」または「業績の見通し」とは異なるものであります。
② 2027年以降の中長期的な成長に向けた戦略投資
当社グループは、2027年以降においても持続的な企業価値向上を実現し、2034年に向けたビジョン(定性目標「富の循環を創出し、誰もが心に火を灯せる社会をつくる」及び定量目標「2034年に『税前利益200億円』『BtoCシェア40%』」)の達成を目指しております。そのためには、事業ポートフォリオの拡張と経営基盤構築のための戦略的投資が不可欠と考えており、以下のとおり対応してまいります。
a. ノンアセット事業を含めた新規事業の創出
当社グループの強みを活かせる成長市場を見極め、経営資源を重点的に配分いたします。併せて、撤退事業の選別も不断に検証することで、事業ポートフォリオの最適化と拡張を推進してまいります。
また、これまで培ってきた「物件価値向上力」や「金融商品化・運用力」などのコアスキルの強化により、アセット事業をさらに進化させるとともに、ノンアセット事業を含めた新規事業の検証を推進します。資本効率の最大化と強固な収益基盤の構築によって、成長と財務健全性の確保の両立を企図します。目下、不動産クラウドファンディング事業、私募ファンド事業及びホテル運営事業については、事業基盤構築を進めており、また、系統用蓄電所事業については、案件取得等の投資を進めております。これらの新規事業については、事業フェーズに応じた段階的な収益化を図り、主として2027年以降のマネタイズを目指しております。
b. 人的資本投資の継続
当社グループは、成長戦略の実効性を高めるべく、2024年の北極星(パーパス)・ビジョン・バリュー策定以降、人的資本投資に注力してまいりました。2025年には人事制度を改定するとともに、管理職層のマネジメントスキル向上や従業員への経営戦略浸透を目的とした各種研修を実施いたしました。2025年現在において、エンゲージメント・サーベイスコアの改善や正社員離職率の低下等、施策効果が顕在化しております。引き続き各種施策の実行により、多様な人財が最大限の能力を発揮するための組織文化を醸成し、企業価値向上に繋げてまいります。
c. ブランディングの本格化
当社グループにおいて、企業規模やBtoC事業(不動産小口化事業・オフィス区分事業・不動産クラウドファンディング事業)が拡大している中、さらなる企業価値向上に向けて、当社ブランドの確立と浸透が不可欠であると認識しております。創業140周年を契機に、BtoC事業を中心とした顧客や求職者等の多様なステークホルダーに対して、当社グループの企業姿勢や優良な投資商品を訴求し、“ADWブランド”を構築してまいります。同時に、プロダクトマーケティングに注力し、WEBサイト戦略(SEO/AIO対策)を構築することで、各事業に対する顧客流入チャネルの強化と売り上げ拡大を目指します。
当社グループはこうしたブランディング戦略を、顧客獲得・継続取引及び優秀な人財の採用・定着を始めとした、経営基盤強化に向けた先行投資として位置づけるとともに、各種施策効果の効果検証を通じて投資対効果の最大化を徹底してまいります。
当社グループは、企業活動を通じてサステナブルな社会の実現に貢献すべく、サステナビリティ方針を包含する「企業行動憲章」を定め、取締役会及びサステナビリティ委員会を中心とした推進体制を整備しております。
なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社グループのサステナビリティに関する詳細情報はコーポレートサイトをご確認ください。
(
(1)サステナビリティ全般
当社グループでは、事業活動を通じた気候変動を始めとする社会課題解決への寄与と長期的な企業価値の向上を目指し、持続可能な社会の発展に貢献することを目的として「サステナビリティ委員会」を設置しております。
サステナビリティ委員会は代表取締役社長CEOを委員長とし、サステナビリティ担当役員、当社取締役及び委員長が指名する当社グループの役職員を構成メンバーとしながら、サステナビリティ推進のための活動方針の策定や取り組みを行っております。
サステナビリティ委員会は、年4回を原則として、その他必要な場合に開催されます。委員会で審議・決定された内容は、取締役会に報告され、必要に応じて取締役会でも審議・決議されます。その内容は、グループ戦略部門を通じて当社グループ間に連携され、事業活動に活かします。また、グループ戦略部門では、取締役会並びにサステナビリティ委員会において決定された方針に基づき、具体的な取り組みの立案や各部門・グループ会社から抽出されたサステナビリティ関連事項を検討し、委員会へ上申を行っております。
<サステナビリティ推進体制図>

なお、2025年12月期におけるサステナビリティ委員会の開催状況は以下のとおりです。(審議内容はすべて取締役会にて報告または決議がされています。)
当社グループは、重要な経営課題として、下記マテリアリティ10項目を特定しております。当社グループは、北極星(存在意義)を体現するとともに、マテリアリティ(重要な経営課題)に取り組むことで、ビジョンの達成を目指します。これによって、サステナブルな社会の実現への貢献と企業価値の向上を推進してまいります。

各マテリアリティの考え方及び中長期的な取組方針は以下のとおりです。
<事業を通じて社会に提供する価値>
a.不動産価値の再創造
当社グループは主力の収益不動産事業を通じて、社会インフラである既存不動産の潜在的価値を引き出すべく、法令順守対応やバリューアップ工事等各種施策によって再生・長寿命化し、物件安全性、地域価値及び投資価値を高めてまいります。
b.資産形成機会の拡充
当社グループの収益不動産事業は、事業法人や富裕層顧客に対して優良な不動産投資商品を提供してまいりました。2024年に掲げたビジョン「富の循環を創出し、誰もが心に火を灯せる社会をつくる」「BtoC40%」の達成に向けて、投資商品のサービスラインナップを拡充するとともに、より幅広い顧客層へのサービス提供を目指してまいります。
<企業の事業継続・価値向上に向けた能力/基盤>
c.品質と透明性の高い商品・サービスの提供
当社グループが提供する商品は、不動産かつ投資商品であり、人々の生活や資産と密接に連携するものであり、また、今後は検証中の不動産クラウドファンディング事業等を通じて、顧客数が急速に増加する見込みです。今後も、品質管理を徹底するとともに、透明性の高いサービス提供により、安全性・信頼性が高く、顧客体験の向上に寄与する事業推進を行ってまいります。
d.デジタル活用による効率化と事業革新
AI・データ活用や業務のシステム化を通じて、ビジネスモデルの最適化・転換を推進します。AIによる環境変化が加速する中、デジタル人材の採用及び役職員への教育を強化し、業務効率の向上、事業スピードの加速、及び新たな事業価値や市場の創出を目指してまいります。
e.多様な人財の能力発揮と組織力強化
当社グループは事業価値の源泉は人財であると認識しております。多様な役職員がその能力を最大限発揮できる環境を整備することで、挑戦とイノベーション創出を可能とする良質な組織文化の醸成を推進し、当社グループが掲げる北極星・ビジョン・バリューの実現を目指してまいります。
f.ステークホルダーとの対話促進
取引先や顧客を含むサプライチェーンや株主及び投資家との継続的な対話と情報交換を推進し、信頼獲得とエンゲージメント強化を図ることで、協働による価値創出と企業価値の向上を目指します。
g.コンプライアンス・リスク管理の徹底
当社の事業活動を支える土台として、コンプライアンスやリスクの統制を徹底します。信頼毀損や損失回避を前提としつつ、機会獲得につながる最適なリスクテイクを模索し、企業価値向上の土台を強化してまいります。
h.戦略的かつ柔軟な経営体制の強化
社会・環境変化に迅速に対応すべく、取締役会の多様性・実効性の確保を徹底し、経営機能を向上させるとともに、透明性・公平性・健全性の高いガバナンス体制を継続的に構築してまいります。また、事業ポートフォリオの検証及び最適化を徹底し、企業価値の最大化を目指します。
<地球環境・社会の持続可能性のための責任>
i.地球環境・生物多様性・資源の保全
環境ガバナンスを整備し、環境課題の把握と影響評価を前提とした事業推進を徹底します。事業活動を通じて将来世代への責任を果たすとともに、環境変化による損失の回避・低減及び事業機会の獲得・創出を目指します。
j.人権の尊重
従業員・取引先・サプライチェーンを含むすべてのステークホルダーの人権尊重を徹底してまいります。
当社グループでは、事業活動の推進及び企業価値の維持・向上を阻害する可能性のあるリスクを最小にするために、計画的に対策を立案・検証する体制を整備しています。
当社グループではサステナビリティを含む一元的かつ横断的なリスク管理を、当社のリスク管理担当役員を委員長とし、当社の常勤取締役及び委員長が指名した当社グループの役職員を構成メンバーとする「リスク管理委員会」が担い、グループ共通または各社ごとのリスク管理に対する施策の実行を通じて、当社グループを取り巻く様々なリスクを統括管理するほか、リスクが顕在化した場合には、同委員会が中心となって対応を行います。
また、全社リスクの中でも重要性が高く、TCFD提言の枠組みに基づき管理すべき気候関連のリスク及び機会については、サステナビリティ委員会にて識別・評価・管理を行っております。サステナビリティ委員会ではSASBなどの国際的なフレームワークや業界動向を元に、気候関連のリスク・機会を洗い出すとともに、将来的にどのような影響を自社にもたらすかを把握するために、シナリオ分析を実施しております。シナリオ分析実施時にはIEA(国際エネルギー機関)や官公庁が発行するレポート及び将来予測値も参考にし、その影響を評価いたします。
また、気候関連のリスクについては、リスク管理委員会にも内容を共有し、当社グループ全体のリスクとの相対的評価及び管理を行っております。
サステナビリティ委員会及びリスク管理委員会にて評価された当社グループ全体のリスク管理状況は取締役会に報告され、リスクの共有を図るとともに、リスクの低減に努めております。
<リスク管理体制図>

(2)気候変動
当社グループは、気候変動問題が自然環境と社会構造に大きな変化をもたらし、当社グループの経営とビジネスに多大な影響を及ぼす重要課題であり、自然災害による不動産価値の低下や政府の環境規制強化等により、当社グループの事業活動や戦略、財務計画に大きな影響を与える可能性があると考えております。
なお、当社は「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同するとともに、気候変動に起因する事業等のリスク・機会の把握と適切な情報開示を行ってまいります。
上記(1)サステナビリティ全般「ガバナンス」を参照ください。
当社グループは、将来世界において、気候変動に起因する事象が自社事業活動にどのような影響をもたらすのかを検討するため、以下のようにシナリオ分析を行っております。2050年時点を想定し、現状を上回る気候変動対策が行われず、異常気象の激甚化が想定される「4℃シナリオ」と、脱炭素に向けて野心的な気候変動対策の実施が想定される「1.5℃シナリオ」を参照し、リスク及び機会を考察しました。(2023年10月実施)
また、シナリオ分析実施時には環境省が発行する「TCFDを活用した経営戦略立案のススメ(2023年3月発行)」を参考に、下記手順に沿って定性的な分析を行っております。なお、パラメータの取得が可能な項目(炭素税、電力価格、洪水発生倍率、高潮発生倍率)については、定量的な分析を加味しております(2024年9月実施)。

<想定されたリスク及び機会一覧>
シナリオ分析の結果、リスクとして、異常気象の激甚化によるサプライチェーンの寸断や、物件損傷による修復費用の増加や売上の減少が主なリスクとして想定されました。一方、機会として、脱炭素社会への移行に伴い環境配慮型の「収益不動産」の需要増加が想定されました。
(時間軸の定義)
(影響評価の定義)
<特定したリスク・機会への対応>
特定したリスクと機会への対応方針を4つのカテゴリーに区分し、現時点で考えられる具体的な取り組みを以下のとおり検討しております。

③リスク管理
上記(1)サステナビリティ全般「リスク管理」を参照ください。
当社グループでは自社事業活動による環境負荷を把握するため㈱ADワークスグループ及び国内連結子会社を対象とし、温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1,2)の算定に取り組んでおります。
2025年12月期は、算定対象に、新たに固定資産として計上された国内の長期保有用不動産、2025年1月に開設した連結子会社である㈱エー・ディー・ワークスの福岡営業所、及び2025年4月に契約した連結子会社である㈱エー・ディー・パートナーズが使用する事務所が追加となり、当該拠点に係るGHG排出量が増加しております。一方で、2025年7月1日付の連結子会社である㈱スミカワADDの全株式譲渡に伴い、GHG排出量が減少しております。加えて、一部の長期保有用不動産で使用する電力について、再生エネ電力メニューへの切り替えを実施し、GHG排出量が減少しております。これらの結果、2025年12月期における温室効果ガス排出量(Scope1,2)の合計値は、2024年12月期と比較して15.3%減少いたしました。
今後は、2050年カーボンニュートラル及び2030年30%削減(2022年度比)を目標とし、再エネ電力メニューの活用や省エネ施策を講じるとともに、算定範囲の拡大を検討してまいります。
なお、2030年時点の目標は2023年12月末時点の事業環境及び業容に基づいており、今後の業容変化に応じて適宜目標設定の見直しを検討いたします。
<当社グループ温室効果ガス(GHG)排出量>
※2025年12月期の温室効果ガス排出量算定において、国内の長期保有用収益不動産(固定資産)、2025年1月に開設した連結子会社である㈱エー・ディー・ワークスの福岡営業所、及び2025年4月に開設した連結子会社である㈱エー・ディー・パートナーズが使用する事務所に係るデータを追加算定しております。
※2025年7月1日付で連結子会社である㈱スミカワADDの全株式を譲渡したことに伴い、2025年7月以降の同社に係るデータは含まれておりません。
※電力(国内)はマーケット基準に基づく温室効果ガス排出量です。
※電力(米国)はロケーション基準に基づく温室効果ガス排出量です。
※「産業用蒸気(2025年12月期)」及び「冷水・温水(2025年12月期)」は本有価証券報告書作成時点における暫定値です。
※今後、Scope3算定など、算定範囲拡大を検討しております。
(3)人的資本
①方針及び戦略
当社グループは、北極星(当社グループの存在意義。「ワクを超えるしなやかな発創で、世界を色鮮やかに染め直す。」)を体現し、変化が激しく課題が複雑化する社会においても、持続的に成長するとともに社会への価値提供を継続的に実現するためには、人的資本への投資が不可欠であると認識しております。そのため、マテリアリティの一つに「多様な人財の能力発揮と組織力強化」を定め、取り組みを進めており、全社横断的で自由闊達なコミュニケーションが可能な組織風土の醸成、及び従業員一人ひとりが自律的に挑戦できる機会と環境の提供に努めるとともに、研修・育成制度を通じて従業員のスキルアップを支援してまいります。
a.従業員エンゲージメント
当社グループは、2024年に長期経営方針「北極星・ビジョン・バリュー」を策定しております。その実現に向けて、従業員が意欲的に働ける環境の構築を目指すとともに、生産性向上に寄与する従業員エンゲージメント向上施策を徹底して推進してまいります。
「北極星・ビジョン・バリュー」の策定にあたっては、全従業員を対象とした手挙げ制で選定されたプロジェクトメンバーを中心に推進するとともに、全従業員を対象に複数回のワークショップを実施しました。ワークショップでは、従業員一人ひとりが会社のありたい姿と現状やそのギャップを考え、会社の課題に対する認識を深める場や、会社のありたい姿と個人のパーパスとの結合を図る場、会社の存在意義に対する解釈を深める場などを設けることで、今後の会社方針に対する従業員の納得度の向上、自律的行動の土台作りに寄与することを目指してまいりました。また、策定後も新入社員を対象に、「北極星・ビジョン・バリュー」に対する理解を深めるためのワークショップを定期的に実施しております。2025年1月に、「北極星・ビジョン・バリュー」に基づいて、人事ポリシーや評価・報酬制度を改定し、多様な人材が能力を発揮し、一人ひとりの自律的かつ創造的な活動を促進することを企図して、各種施策を推進しております。
また、2024年6月に実施したエンゲージメント・サーベイでは、グループ全体における課題として「経営層と従業員のコミュニケーション機会」や「キャリア目標の達成」等が挙がっておりました。この結果を踏まえ、2025年においては、要となる管理職層に対するマネジメント研修に注力してまいりました(2025年実績:約1,900時間、31時間/人×参加者約60名)。加えて、管理職層及び次期管理職層の従業員を対象とした合宿を実施し、経営戦略の浸透と経営課題に対する自分事化を図っております(2025年実績:約2,300時間、20時間/人×参加者約115名)。また、月に一度上司との1on1ミーティングの実施を通じて従業員一人ひとりのキャリア開発を促進した他、半期に一度の経営方針発表会議や各種イベントを通じて、経営層と従業員の双方向コミュニケーション機会の創出に努めました。
その他、当社グループは、Unipos株式会社が開発・提供するサービス「Unipos」を導入し、従業員同士の相互的な称賛・感謝を促進することで、称賛・感謝と挑戦行動の好循環を基礎とした組織文化の構築に努めております。2025年においては5,666件の称賛や感謝の投稿がなされており、毎年1月には同投稿内容に基づく社内年間表彰を実施しております。
これらの結果、2025年に実施したエンゲージメント・サーベイにおいて、エンゲージメントに関する設問の肯定的回答は2024年と比較して12ポイント改善しました。特に、「経営戦略の浸透」「経営層への信頼」に関する設問はいずれも20ポイント以上改善いたしました。併せて、正社員の離職率も2024年と比較して約9ポイント低下しました。なお、従業員エンゲージメントに関する当社グループの強みと課題は、経営層のみならず従業員にも共有することで、トップダウン・ボトムアップ双方で従業員エンゲージメント向上に向けた取組みを推進しております。
これらの施策により、会社と従業員のエンゲージメントが高まることで、役職員による自律的な価値創造が可能となる組織を目指しております。
<エンゲージメント・サーベイスコアの推移>
※クアルトリクス合同会社提供のエンゲージメント・サーベイを全社員対象に実施
※全設問の内、エンゲージメントに関する以下設問の回答を集計:
「私は、仕事を通じて個人として達成感を得ている」
「私は、当社を素晴らしい職場として、知人に勧めると思う」
「当社では、仕事を成し遂げるために求められる以上の貢献をしようという気持ちになる」
※各比率における小数点以下の処理によって、合計値が100%とならない場合があります。
b.DE&I
当社グループは、女性の社会進出を始めとした多様化の進む社会において、男女格差を解消し、あらゆるライフステージにある人々が働きやすく、それぞれのニーズに合った働き方を実現できる環境の整備が重要と認識し、ダイバーシティに関する社内発信や研修の実施、柔軟な勤務形態の導入や産前・産後・育児休暇の推進など、各種施策に取り組んでおります。
また、こうした多様な価値観のもと成り立つ社会において、当社グループは「ADWGグループ人権方針」を策定して人種、民族、国籍、出身、性(性的指向・性自認を含む)、年齢、社会的身分、障がいの有無、身体的特徴、信条、宗教など多様なバックグラウンドを持つ、従業員を含むあらゆるステークホルダーの多様性を尊重することを宣言しております。
c.健康経営
従業員は一個人として、また社会の一員としてそれぞれの健康を守り高める権利と責務を有しており、また当社グループとしても、従業員がその能力を最大限発揮できるよう心身の健康の維持促進を支援することは極めて重要であると考えております。そのため当社グループでは、グループ健康宣言として「社員の健康は、私たちがしなやかに変化し独創の価値を生み出すための、大切な源です」を掲げ、健康経営を推進しており、人事担当部署及び当社グループの従業員を中心に構成される健康推進委員会が中心となって取組みを実施しております。具体的には、定期健康診断の受診及び保健指導・二次健診受診の促進、ヘルスリテラシー向上を目的とした啓蒙活動の実施、運動環境の提供、オフィス内飲食環境の整備、ストレスチェック・ケア等に取り組んでおります。その結果、当社は経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人認定制度」において「健康経営優良法人2026(中小規模法人部門)」の認定を受けております(2023年以来4年連続)。
②指標及び目標
人的資本に関する指標と目標については、「コーポレートガバナンス・コードに対する当社ガイドライン(方針及び取組み)」に記載の通り、女性管理職比率を30%とすることを目標にしております。その実績につきましては、「
また、当社は、健康経営の推進における指標として「健康経営優良法人」の認定を位置付けており、今後も認定維持に取り組んでまいります。
その他、上記方針に基づく指標と目標については今後設定を進め、モニタリングに努めてまいります。
以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因になる可能性があると考えられる主な項目を記載しております。当社グループといたしましては、必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる場合には、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループが属する不動産業界は、景気動向、金利動向及び地価動向等の経済情勢の影響を受けやすく、当社グループにおいてもこれらの経済情勢の変化により各事業の業績は影響を受けます。当社グループでは、不動産にかかるリスクの軽減と同時に、収益の極大化を図ることができるよう経済情勢の動向に注意を払っておりますが、予測を上回る変化によって不動産市況に変調をきたし、想定した以上の資産価値の下落を生じるような事態になった場合、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
(2)収益不動産所在地域の偏在及び自然災害や感染症の発生
当社グループが保有または管理している収益不動産は、経済規模や顧客ニーズを考慮に入れ、国内においては首都圏、海外においては主に米国ロサンゼルスを中心として、賃貸資産としての安定稼働性の高い地域に偏在しております。地震、山火事及びその他の自然災害やインフルエンザ等の感染症の感染拡大等、当該地域における局地的な事象の影響で、当該地域の経済活動に支障が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、管理業務を受託している賃貸マンションやオフィスビル、商業施設のオーナー及び入居者、収益不動産の売主及び買主等の顧客情報を保有しており、今後も当社グループの業容の拡大に伴い保有する情報が増加し精緻化することが予想されます。当社グループといたしましては、これら顧客情報を正確かつ最新の内容に保つよう努めるとともに、内部の情報管理体制の徹底により顧客情報の保護に注力しております。しかしながら、不測の事態により顧客情報の漏洩や詐取等の流出があった場合、損害賠償や信用低下等により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
当社グループは金融機関からの資金調達に際して、特定の金融機関に依存することなく、案件ごとに金融機関に融資を打診し、融資実行を受けた後に各プロジェクトを進行させております。しかしながら、何らかの理由により計画どおりの資金調達ができなかった場合には、当社グループの事業展開が影響を受ける可能性があります。また、有利子負債の主な返済原資は収益不動産の売却代金ですが、売却時期や売却金額等の条件が想定から悪化した場合には、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、収益不動産の取得等のための資金を金融機関からの借入により調達しており、連結貸借対照表における有利子負債残高は、2025年12月期末において、連結総資産の63.5%を占めます。当社グループといたしましては、資金調達手段の多様化に積極的に取り組んでまいりますが、市場金利が上昇する局面においては支払利息等の増加により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
③ 資金調達手段の多様化の遅延または頓挫
当社グループは、事業拡大に伴う旺盛な資金需要に対応するべく、過去に4回のライツ・オファリングを実施するなど、直接金融市場における資金調達を積極的に実施してまいりました。一方で、継続的な資産収益性の改善のためには、財務バランスを最適化する多様な資金調達手段を有している必要があります。これまでも多様な調達手段の研究を進めておりますが、経験値や情報あるいは専門人材等の観点から、それらが遅延または頓挫した場合、資金調達力が大きく低下する可能性があります。その場合、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
当社グループの各事業は、不動産及びその周辺事業はもとより、各種事業領域における専門性の高い知識と豊富な経験を有する人材によって成り立っており、人材こそが当社グループの経営資源の核となるものであります。したがいまして、代表取締役をはじめ各部門を管掌する取締役、部門業務を執行する部門長等の特定の幹部人材、及び各部門の中枢を担う人材が、何らかの理由により業務遂行が不可能または困難となり適切な人材が適時に代替できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、人材が最大限の能力を発揮するための組織文化の醸成を図ることやリモートワークの活用、フレキシブルな時間管理など働き方改革への適切な対応等を実施することで、新卒・中途入社に関わらず、採用市場における競争力を高めることを目指しておりますが、当社グループが求める人材の確保が充分にできない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、国内外において、法令に基づく許認可や、各種の税法及び外国為替管理の規制等の適用を受けております。当社グループは、法的規制の遵守を徹底しており、現時点において当該許認可の取消し等の事由は発生しておりませんが、何らかの理由により、当該許認可が取消され又はそれらの更新が認められない場合等には、当社グループの事業活動に支障をきたすとともに、業績が影響を受ける可能性があります。また、今後の法律改正又は規制の動向によっては、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
なお、当社グループが取得している許認可等は次のとおりです。
(7)米国事業を取り巻く法規制等の諸要因の変更
当社グループは、米国のロサンゼルスに拠点を置き、主に日本国内の投資家を対象顧客として、収益不動産販売事業を行っております。ロサンゼルスの不動産市場は、2022年以降、金利上昇等の影響を受けて価格調整局面が続いており、中古住宅価格はピーク時から下落するなど、市場環境の先行きには不透明感が残っております。このような市場環境のもと、日本国内の投資家が所有する海外不動産に対する税制の見直しや、米国現地での法規制の影響等により、投資に対する合理性が低下する可能性があるなど、当社グループの米国での事業に影響が及ぼす可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度における売上高は67,531百万円(通期計画達成率111.6%)、営業利益は4,987百万円(同99.8%)、税前利益は5,190百万円(同105.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,315百万円(同115.5%)となりました。また、ROEは16.9%となり、成長戦略に掲げたROE目標を2年前倒しで達成いたしました。
当連結会計年度の経営成績は以下の表のとおりです。
(単位:百万円)
(注)(不動産販売)は「収益不動産販売事業」、(ストック)は「ストック型フィービジネス」、「税前利益」は「税金等調整前当期純利益」、「純利益」は「親会社株主に帰属する当期純利益」をそれぞれ省略したものです。
セグメントの概況は次のとおりです。なお、当社グループでは営業利益をセグメント利益としております。
(収益不動産販売事業)
売上高 62,436百万円、営業利益 6,361百万円となりました。
国内の一棟収益不動産販売事業において、当連結会計年度の売上高が35,744百万円となり、前年同期比118%と拡大いたしました。収益不動産に対する物件価値向上施策が奏功し、売上総利益については、前年同期比142%の5,774百万円と、売上成長を大きく上回って拡大しました。さらなる成長に向けて新たにホテルの取得・商品化を実行しており、アセットタイプの多様化に向けた施策を進めてまいります。
不動産小口化商品販売事業においては、当連結会計年度の売上高が22,931百万円(前年同期比180%)、売上総利益が4,861百万円(前年同期比172%)と国内一棟再販事業と同様に大きく成長しました。既存の収益不動産事業の強みを活かした良質な商品供給が、投資家だけでなく販売提携パートナーからの高い評価を得ております。また、こうした評判が、金融機関・税理士等との提携による販売ネットワークをよりいっそう拡充する好循環に繋がりました。
仕入高は56,213百万円となりました。20人以上の仕入専門組織による戦略的な仕入活動に加えて、関西・福岡へのエリア拡大に取り組んだ結果、前年同期を上回る優良物件の仕入を行うことができました。今後の利益の源泉となる収益不動産残高(販売または賃料収入を目的として保有する不動産の合計残高)は54,586百万円となり、前連結会計年度末より9,124百万円増加しました。
当連結会計年度の国内外の仕入・販売状況は、以下の表のとおりです。
(単位:百万円)
(ストック型フィービジネス)
売上高 5,598百万円、営業利益 1,205百万円となりました。
ストック型フィービジネスは、当社グループが保有する収益不動産からの賃料収入を収益の柱とする他、株式会社エー・ディー・パートナーズ及びADW Management USA, Inc.の不動産管理収入などがあります。(なお、エー・ディー・パートナーズは、2026年1月13日をもって吸収分割による事業売却が完了しております。)
ストック型フィービジネスは当社グループの業績の安定性を担保するという重要な位置づけであります。販売目線での商品価値の向上は、同時に当社グループ保有時の賃料収入の確保につながると認識しております。
当連結会計年度のストック型フィー収入の内訳は、以下の表のとおりです。
(単位:百万円)
(注)1.各セグメントの営業利益は、全社費用等のセグメントに配賦しない費用及びセグメント間の内部取引による営業費用控除前の数値であり、その合計は連結営業利益と一致しません。
2.「ストック型フィービジネス」のうち、自社保有の収益不動産からの賃料や、販売済みの収益不動産のプロパティ・マネジメント受託によるフィー収入等を「ストック型」、顧客リレーションから派生的に得られる仲介収入、管理物件等の修繕工事フィーを「フロー型」と位置付けております。
当連結会計年度においても引き続き、事業規模拡大に向けて収益不動産の仕入を意欲的に行い、併せて仕入に際しての借入も積極的に行いました。結果として収益不動産残高(販売または賃料収入を目的として保有する不動産の合計残高)は前連結会計年度末から9,124百万円増加し、54,586百万円となり、有利子負債(短期借入金、1年内償還予定の社債、1年内返済予定の長期借入金、社債及び長期借入金)は前期末から10,101百万円増加し、45,763百万円となりました。その結果、当連結会計年度末の資産合計と負債純資産合計は、前連結会計年度末と比較し12,252百万円増加し、72,062百万円となりました。
自己資本は、当連結会計年度末に3,315百万円の親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと、及び為替換算調整勘定を1,055百万円取り崩したこと等を背景に前連結会計年度末から1,828百万円増加し20,544百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末と同水準の28.5%となりました。
当期連結貸借対照表の詳細は以下のとおりです。
「構成比」は、資産合計(負債純資産合計)に対する比率を示しています。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は72,062百万円となりました。うち、販売用不動産及び仕掛販売用不動産が43,588百万円(構成比60.5%)、現金及び預金が11,909百万円(構成比16.5%)、賃料収入を目的として保有する
不動産等(有形固定資産に含む)が10,997百万円(構成比15.3%)を占めています。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、51,485百万円となりました。うち、有利子負債が45,763百万円を占めています。
(純資産)
純資産合計は、20,576百万円となりました。うち、資本金及び資本剰余金が11,779百万円を占めています。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、11,634百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果、資金は5,954百万円減少しました。これは、税金等調整前当期純利益5,190百万円を計上した一方で、棚卸資産の取得により資金が8,467百万円減少したこと、及び法人税等の支払いにより資金が1,214百万円減少したことが主な要因です。
当連結会計年度の営業活動においては、国内の収益不動産販売事業が奏功し、税金等調整前当期純利益において通期計画を上回る業績を計上いたしました。
投資活動の結果、資金は1,335百万円減少しました。これは、支出面で有形固定資産の取得による支出1,232百万円があったことが主な要因です。
当連結会計年度の投資活動においては、有形固定資産として計上している系統用蓄電所を3案件取得いたしました。
財務活動の結果、資金は8,900百万円増加しました。これは、収入面では、新たな借入金、社債の発行による収入が合計55,032百万円あった一方で、支出面では借入金の返済、クラウドファンディングの返済、社債の償還による支出が合計45,671百万円あったことに加えて、配当金の支払い564百万円を行ったことが主な要因です。
当連結会計年度の財務活動においては、好調な仕入活動に連動し不動産担保融資を軸として資金調達を実施いたしました。
当社グループは、収益不動産販売事業、ストック型フィービジネスが主要な事業であり生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
当社グループは、収益不動産販売事業、ストック型フィービジネスが主要な事業であり受注活動を行っていないため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成されております。その作成に当たり、会計方針は原則として前連結会計年度と同一の基準を継続して適用するほか、引当金等につきましても過去の実績等を勘案し合理的に見積りを行っておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(連結子会社の吸収分割)
当社は、2025年11月25日開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社エー・ディー・パートナーズ(以下、エー・ディー・パートナーズ)の「外部オーナー向けプロパティ・マネジメント事業」を、2026年1月13日を効力発生日として吸収分割により株式会社アーキテクト・ディベロッパーに対して承継することを決議し、同日付で吸収分割契約を締結いたしました。
なお、詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な後発事象)」に記載しています。
また、エー・ディー・パートナーズの「当社グループが保有する物件に対するプロパティ・マネジメント事業」「当社グループが不動産小口化商品として売却した物件に対するプロパティ・マネジメント事業」「医療モール マスターリース・サブリース事業」「賃貸保証事業」を、吸収分割により、当社の連結子会社である株式会社エー・ディー・ワークスに対して承継することを決議し、同日付で吸収分割契約を締結いたしました。
なお、詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な後発事象)」に記載しています。
当社グループ(当社及び連結子会社)の主たる研究開発活動の方針、概要は以下のとおりです。
2024年8月に策定した北極星(パーパス)「ワクを超えるしなやかな発創で、世界を色鮮やかに染め直す。」及びビジョン「富の循環を創出し、誰もが心に火を灯せる社会をつくる」の実現に向けて、新たな事業ポートフォリオ拡大に向けた研究開発を推進しております。
当連結会計年度における研究開発費の金額につきましては、当社グループの研究開発活動が業務の一環として行われているものであることから、区分計上しておりません。