第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは金属を加工する工作機械、および電子部品実装機などの電子機器を中心とした生産設備の販売を行なう機械専門商社です。創業以来「産業の西と東を結ぶ橋」として、国内外の生産設備をお客様へ提供し利潤をあげていただくことで発展・成長を遂げてきました。

機械設備の総合プランナーとして適切な提案を行なうセールスエンジニアと納入する生産設備の試運転・修理を担う技術部門が連携することで、信頼と感動を与える商品・サービスを提供することを基本方針としています。

(2)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2024年に創業100年を迎え、次の100年を見据えて確かな歩みを進め、更なる成長を遂げるため、次の10年に対する中長期ビジョン「YKT Vision2034」を策定いたしました。さらにこのビジョンを実現するために、必要な戦略や取組みをバックキャストした「第13次中期経営計画」を策定しております。

中長期ビジョン「YKT Vision2034」及び「第13次中期経営計画」の目標と戦略

当社グループは100年を超える経験と実績をもとに、ものづくりを支える機械専門商社として、機械販売に留まらず、システム提案、技術支援を含む総合力でお客様に寄り添い、時間という経営資源を提供する存在を目指します。

 

目標

新商品、新サービスの育成を行い、連結売上高は2027年度に130億円、2034年度には200億円の達成を目指します。

資本効率の向上により、自己資本利益率(ROE)は2027年度に5.0%以上、2034年度には12.0%以上を目指します。

 

基本戦略

① モノ売りに留まらない、付加価値型ビジネスへのシフト

ものづくりに関して、お客様が直面している課題・ニーズに向き合い、機械販売に留まらず、システム提案や技術支援も含めた総合的な視点から付加価値を提供するビジネスへの転換を目指します。

 

② 100年を超える経験と実績を礎とした組織的活動の推進

100年を超える経験や実績を土台としながら、組織として提供する価値を最大化するべく、グループ一丸となった組織的な活動を推進します。

 

③ 商社ビジネスの屋台骨である人的資本のさらなる拡充

各人材が有する能力や資質を最大限発揮できる職場環境を構築し、人的資本のさらなる拡充を目指します。

 

(3)経営環境について

 当社グループの主力商品である、電子機器、工作機械及び測定機器の主たる販売先はいずれも製造業であります。

 電子機器の販売市場では、当社は主として電子部品実装機及びその関連機器を販売しております。具体的にはパナソニックコネクト㈱製モジュラーマウンター、スクリーン印刷機及び国内メーカーの液晶ボンダーであります。パソコン、スマートフォンなど情報機器の小型高性能化、人工知能(AI)技術を活用した電子機器、家電製品の普及、そして自動車の電動化、安全技術の高度化の進展により、電子部品の高精度な実装及び高速化が望まれております。当連結会計年度においては中国市場での需要の拡大により受注・販売が増加いたしました。世界的な経済状況等により需要の増減はあるものの、今後も引続き自動車や人工知能(AI)関連、そして省力化を目的とした設備投資は増加傾向にあり、国内外の設備投資需要も継続していくものと推測いたします。

 工作機械の販売市場では、当社は主として金属加工を目的とする欧州製工作機械の輸入販売を行っております。主な商品といたしましては、切削工具製造の工具研削盤、金属部品製造の複合加工機、表面及び内面加工の複合研削盤、複雑な形状加工を行う成形研削盤などを取扱っております。これらの商品は切削及び研削の加工能力が高く、精度の高い製品の量産や難削材加工への対応を可能とする商品であり、切削工具、医療器具、タービン部品加工などの用途に使用されております。当連結会計年度においては、中国向けの工具需要が停滞し、生産量に伸びがなく工具研削盤への設備投資需要も低水準となりました。さらに欧州通貨に対する円安の状況が続き、販売価格にも影響し厳しい受注環境となりました。足元での工具需要や為替動向も大きな変化はありませんが、複合加工機、成形研削盤などへは電力設備、タービン部品等への潜在的な需要があり、輸入工作機械の販売回復につなげていけるものと推測いたします。

 測定機器の販売市場では、当社は主として光学式三次元測定機の輸入販売を行っております。製品の形状を精度良く容易に測定することができ、業界を問わず試作品や完成品検査には欠かせない装置であります。米国のQVI社の製品であり、同社は画像による非接触測定機のパイオニアとして世界65ヵ国以上に納入実績があり、高度な技術力と長年の信頼性の確保とともに、日本では同製品に特化したソフトウエア企業と連携し、日本での使い勝手の良さを追求した商品となっております。今後も品質管理の観点から一定のニーズがあるものと考えております。また、新たな機能を付加した商品の提供及びサービスの充実により販売の拡大に努めてまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当連結会計年度は電子機器の輸出販売が中国市場での設備投資需要の高まりにより、受注、販売が増加しましたが、工作機械の輸入販売は国内での工具生産量の減少に加え、欧州通貨に対する円安水準が進行したことにより厳しい受注環境が続き、商品別売上高の偏重が見られました。それにより全体的な利益率が低下した結果、営業利益及び経常利益の計上に至りませんでした。

 輸入機械の販売回復が重要課題となりますが、今後、特定の商品の需要動向や為替相場による影響を受けにくい商品群を充実させることが課題となります。2025年からの中長期ビジョン「YKT Vision2034」及び「第13次中期経営計画」では、お客様の多様化するニーズ、事業環境に対応すべく、モノ売りに留まらない付加価値型ビジネスへのシフトを実践していく計画であり、現在、生産現場の省力化を目的として、切削工具分野及び電子部品実装分野向けに自動化提案のできる商品の充実に取り組んでおります。

 資金面では増減の大きい海外需要に対する運転資金の確保も重要であり、機動的な資金調達ができる体制と資本効率の向上のために資産の適正化も検討課題の一つであると認識しております。

 また、当社グループは事業活動におけるサステナビリティに関しては、人的資本経営を基本とし、人材育成、教育制度の充実、職場環境の整備などにより社員のエンゲージメントの向上に努め、その価値を高めてまいります。そのほか、サステナビリティ委員会等によるコンプライアンス、環境等に関するリスク管理を行ない、経営環境の変化に対応してまいります。

 これらの実践により、自己資本利益率(ROE)及び株価純資産倍率(PBR)の向上に努め、経営効率と株式の市場価値を意識した経営を進めてまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社は、2024年2月に委員長を代表取締役とし、社外を含む全取締役によるサステナビリティ委員会を設置いたしました。サステナビリティ委員会では、事務局である経営本部と連携をとり、サステナビリティに関する方針や戦略の策定、施策の立案、リスクの特定、評価、目標の進捗管理等を行っております。取締役会では、サステナビリティ委員会からの定期的な報告を受け、サステナビリティ経営の監督と重要事項の審議及び意思決定を行っております。

 

(2)戦略

 当社グループは、省人化・自動化、エネルギー効率向上、品質高度化に資する製品・システムの提供を戦略の基本としております。これを実現させるには、唯一最大の資本である人材の育成が必要であると認識し、継続的な投資を行っています。人材育成方針と社内環境整備方針の下、既存商権に加えて、新商権の獲得・拡販や新事業開発ができる人材の質と量の確保に向けて、「目利き力」と「育成力」の醸成と、メーカー同水準かつ迅速な「技術サービス」の維持及び強化を図っています。また、メーカー・顧客との質の高い対話の実現や将来の市場ニーズを捉えるためには、部門間の連携が必要不可欠であり、全社を巻き込んだ考え方の浸透と、部門間の積極的な交流を促進しています。

 

(人材育成方針)

 当社グループは、国籍・年齢・性別に捉われることなく視野の拡大・能力の伸長につながる機会(体験)を平等に提供し、社員一人一人の成長の後押しを行います。また、当社グループは、国内外問わずメーカーと顧客ニーズを結び合わせ、製品の据え付けやアフターサービスに留まらないエンジニアリングの提供を事業の要としており、市場及び製品への十分な理解を持ちエンジニアとしての専門技術を併せ持つ最適な人材ポートフォリオの構築を目指しております。

 人材育成は、伝統的にOJTに力を入れてきた背景があり、個々人の特性や理解度に応じた柔軟な育成により、早期の戦力化に繋げております。引き続き、OJTを重視しつつも、中長期的には部門間共通のスキル・知識を体系立てて継承する体制の確立を目指しています。

 加えて、人材の質と量を維持するために、従業員の離職の予防に努めています。

 

(社内環境整備方針)

 当社グループは、個人毎に異なる価値観やライフスタイルを尊重し、特定の場所・時間に左右されない柔軟な働き方を支援することで、社員の生産性を最大化する社内環境の整備に努めています。また、コンプライアンスや法令違反、人権侵害、ハラスメント、その他の職場環境を悪化させるあらゆる行為・事象に関しても毅然とした対応を取っていきます。

 当社は、「YKT行動規範」として、社内及び社外における行動規範を制定しており、コンプライアンスの重要性を社内外に周知しております。

 

 効果的な人材育成と適切な社内環境の整備は、社員の自信と組織への愛着を育み、当社グループの強みである「目利き力」「育成力」「技術サービス」の相乗効果をさらに高めると考えています。今後は、より人的資本への投資と従業員のエンゲージメント向上に取り組み、コンプライアンス遵守とハラスメント防止を強化することで、企業価値向上を図っていきます。

 

(当社の強みの定義)

「目利き力」

 海外の個性的な製品が競争力を発揮するニッチ市場において、日本のユーザーの期待に応えられるポテンシャルを持ったメーカー/製品を発見し、総代理権を取得する能力。

「育成力」

 メーカーに寄り添い、世界の中でも厳しいといわれる日本ユーザーの要求に対応できる企業/製品に育て、シェアを獲得できるようにする能力。

「技術サービス」

 メーカーと同程度の作業能力/作業品質を提供すること。

 ユーザー/メーカー双方の意図を理解し最適解に導くこと。

 

 

(3)リスク管理

 当社グループでは、内部監査による報告ならびに、各部署からの報告を経営本部の判断により、リスクの情報管理を行っています。コンプライアンス、環境、災害、人材関連等に係るリスクの状況監視及び全社的対応は経営本部が行っています。

 サステナビリティに関するリスク管理は、2024年に新設されたサステナビリティ委員会が担い、各部門・拠点の監督と取締役会への報告を行います。なお、環境に関するリスク管理は、ISO委員会が担い、3か月毎にサステナビリティ委員会へ報告を行います。サステナビリティ委員会から取締役会に報告されたリスクの評価と対応の検討は、概ね年一回、または重大な外部環境の変化、もしくは組織変更等が生じた際に行われます。

 

(4)指標及び目標

 当社グループの人材育成方針及び社内環境整備方針に関する指標には、以下を採用しています。

 

指標

2021年

2022年

2023年

2024年

2025年

2026年(目標)

人的資本ROI(注)1

16.2%

54.0%

8.7%

-%

%

0.2%

離職率

6.3%

8.9%

6.8%

11.0%

5.9%

8.0%以下

行動規範アンケート回答率

75.0%

80.7%

70.5%

73.8%

65.5%

85.0%

法規制違反件数

0件

0件

0件

0件

0

0

(注)1.営業利益÷人件費で算定しています。人件費は、従業員給与や賞与、福利厚生費、退職給付費用、役員給与等を含みます。
2024年度及び2025年度の人的資本ROIについては、営業損失であるため記載しておりません。

2.指標の集計範囲は、当社単体です。

 

 「人的資本ROI」は、営業利益÷人件費で算定しています。中長期的には、当社グループの経営戦略、人材戦略に合わせて、より適切に人的資本への投資効果を反映する算定式を定義する方針です。

 当社の強みである「目利き力」「育成力」「技術サービス」を兼ね備えた質の高い人材の確保を目的に、「離職率」を指標に設定しています。

 当社グループでは、「YKT行動規範アンケート」を毎年実施し、社員のコンプライアンス・倫理の意識の醸成に努めています。また、コンプライアンス体制の管理指標として、「法規制違反件数」を設定しています。

 

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 設備投資需要の変動
 製造業の設備投資は景気動向に大きく左右されます。当社グループの主要商品である電子機器、工作機械の需要先は主に電機・機械・工具・自動車等の製造業であり、これら業界の設備投資需要が当社グループの経営成績の大きな変動要素となります。当連結会計年度におきましては電子機器の輸出販売が中国市場での設備投資需要の高まりにより、受注、販売が増加しましたが、工作機械の輸入販売は主要顧客であります切削工具業界で、地政学リスクや国内需要の影響を受け、設備投資需要が低迷いたしました。過去の流れを見ますと設備投資には長期的なサイクルがあり、景気動向など経済状況を見ながら需要が回復する傾向にあります。常に販売力と技術サービス力の向上に努めるとともに、お客様の効率化、省力化の需要に寄与すべく、商品、サービスの提案等を行う、長期的な成長戦略を実施してまいります。

 

(2) 海外需要の変動
 当社グループの取扱商品である電子機器の輸出販売先は主に東アジア(台湾、中国)のユーザーであります。これらのユーザーは大規模な生産設備を有する場合が多く、大型の設備投資となることがあります。その反面、世界的な景気動向により設備投資が大きく変動することがあります。

 この状況に対処するため、海外の連結子会社との連携により市場動向の把握と商品在庫の適正化、債権管理の徹底に努めてまいります。

 

(3) 為替変動が収益に与える影響
 当社グループの取扱商品のうち工作機械、産業機械は、海外メーカーからの外貨による仕入れ、支払いであります。これらの商品については基本的に為替予約取引を行い、その他の外貨建買掛金の支払いに関しても短期間で支払いを行うことにより、為替リスクの低減を図っております。また、電子機器の輸出販売は主として円貨建て取引ですが、為替相場の変動により顧客の購入価格が割高になる事があります。いずれの場合も為替変動により、顧客の購入意欲が減退する可能性がありますが、信頼の高い商品及びサービスを提供することで、当社グループの収益への影響を抑えることに努めております。しかし、当連結会計年度においては、欧州通貨に対する円安の為替相場が進行し、当社グループが取扱う輸入商品に関してはコスト高となり、販売条件に不利な状況が続きました。電子機器の輸出販売においては、主に円貨建て取引のため、顧客の支払に有利となり、購入意欲が増す状況にもなっておりますが、輸入機械販売の低下により、全体的な利益率の低下を招く結果となっております。過去にない大幅な為替変動も見据えた対策が必要と判断いたします。

 

(4) 特定取引先への依存状況
 当社グループの主要商品のうち電子機器はパナソニックコネクト㈱の製品を、同社及び同社のグループ会社と代理店契約を締結し、仕入、販売を行っておりますが、同社グループの製品販売比率が当社グループの売上高の過半数を占めております。また、工作機械及び測定機器の輸入販売におきましても、仕入先との総代理店契約による販売が主となっております。仕入先であるメーカー等とは友好的な関係が継続されておりますが、契約が解除された場合及び各社の事業計画の変更により当該事業が縮小された場合、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。今後も引き続き代理店として信頼される販売力、技術力の向上に努めて行くとともに、過度な特定取引先への依存を防ぎ、新規分野、商品等の開拓を進め、常にお客様のニーズ応えられる商品、サービスの提供に努めてまいります。

 

(5) 財務制限条項について

 当社は、本社ビルの建設資金を安定的に調達するため、取引銀行2行とコミットメント期間付タームローン契約を締結しておりますが、市場環境の悪化により商品需要が縮小し業績が悪化した場合、以下の財務制限条項に抵触する恐れがあります。

 ㈱みずほ銀行との契約については、各年度の決算期の末日における貸借対照表における純資産の部の金額が、2018年12月に終了する決算期の末日または当該決算期の直前の決算期の末日における貸借対照表における純資産の部の金額のいずれか大きい方の75%以上に維持する。

 ㈱三菱UFJ銀行との契約については、各年度の決算期の末日における連結の貸借対照表における純資産の部の合計額が、2017年12月決算期の末日における純資産の部の合計額または前年度決算期の末日における純資産の部の合計額のいずれか大きい方の75%以上に維持する。

 当連結会計年度末において、上記事象への該当はありません。引き続き安定的な業績を確保するため、利益率の向上に努めてまいります。

 

(6) 繰延税金資産について

当社グループは税効果会計を適用し、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得等に関する見積りや仮定に基づき計算しておりますが、実際の課税所得等は見積りや仮定と異なる可能性があり、将来において繰延税金資産の全部または一部が回収できないと判断した場合には、繰延税金資産は減額され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、ウクライナ情勢の長期化や米国の保護主義的な通商政策の継続、歴史的な円安の進行等により物価の高騰が続きましたが、人工知能(AI)関連需要の高まりや金融政策の正常化に向けた動き等を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。しかし、中国経済の減速に加え、米中貿易摩擦の拡大、米国第一主義の台頭、円安相場の定着等により、景気の先行きは不透明な状況にあります。

 このような状況の中、当社グループの主要販売先である電機・機械・自動車等の製造業におきましては、米国の相互関税措置により先行きの見えない事業展開を強いられておりましたが、相互関税の緩和と合意により、不透明感が一定程度払拭されました。これに伴い一部では設備投資計画の再開や、生産体制の見直しを進める動きが徐々に広がっております。

 こうした中、当社グループでは中長期ビジョン「YKT Vision2034」ならびに「第13次中期経営計画」の初年度として、電子機器及び工作機械等の主力商品の販売力・収益力の強化に取り組むとともに、自動化及び省力化に向けた新たな商品・サービスの展開に取り組んでまいりました。中国市場では設備投資需要の高まりにより電子機器の輸出販売が増加しましたが、工作機械の輸入販売は国内での工具生産量の減少に加え、欧州通貨に対する円安水準が進行したことにより厳しい受注環境が続き販売が減少いたしました。

 その結果、当連結会計年度の連結売上高は133億8千6百万円(前期比12.2%増)となりました。損益面では輸出販売比率が高まり売上総利益が減少したため、営業損失1億9千9百万円(前期は営業損失1千万円)、経常損失4千5百万円(前期は経常利益1億4千3百万円)となりましたが、投資有価証券売却益の計上等により、親会社株主に帰属する当期純利益5千5百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失1百万円)となりました。

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

(電子機器及び工作機械等)

 電子部品実装機を中心とした電子機器の販売は、主に中国市場では電気自動車(EV)関連の車載機器やスマート家電の分野で新規設備投資需要が高まり、輸出販売が増加しました。一方、工具研削盤を中心とした工作機械の輸入販売は、販売先の工具の生産量が停滞していることに加え、欧州通貨に対する円安の進行が販売価格にも影響し、厳しい受注環境となり販売が低迷いたしました。その結果、当セグメントの売上高は128億1千4百万円(前期比16.7%増)となりましたが、利益率の低下により営業損失2億5千7百万円(前期は営業損失1億4千8百万円)となりました。

(光電子装置)

 光電子装置の販売は、光通信機器の販売が堅調に推移しましたが、産業用レーザー装置が減少し、当セグメントの売上高は5億7千5百万円(前期比40.5%減)、営業利益5千7百万円(前期比57.6%減)となりました。

 

② 財政状態の状況

 当連結会計年度末における財政状態は、現金及び預金が増加したことと、商品が増加したことなどにより総資産は170億8千5百万円(前期比45.8%増)となりました。

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ55億8百万円増加し、131億2百万円となりました。これは借入金の実行などにより現金及び預金が27億6千3百万円増加したことと、受取手形、売掛金及び契約資産が5億9千1百万円増加し、商品残高が17億4千8百万円増加したことなどによるものです。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ1億4千5百万円減少し、39億8千2百万円となりました。これはその他に含まれる関係会社株式の取得がありましたが、投資有価証券の売却により3億5千万円減少したことなどによるものです。

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ52億5千2百万円増加し、70億2千4百万円となりました。これは支払手形及び買掛金が15億6千8百万円増加したことと、短期借入金が15億円増加し、前受金が22億6千7百万円増加したことなどによるものです。

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ2億6千5百万円増加し、20億8千7百万円となりました。これは長期借入金が2億8千9百万円増加したことなどによるものです。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ1億5千3百万円減少し、79億7千2百万円となりました。これはその他有価証券評価差額金が投資有価証券の売却により1億7千万円減少したことなどによるものです。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ27億1千3百万円増加し、当連結会計年度末は65億5千9百万円(前期比70.5%増)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は7億9千4百万円となりました。これは主として、売上債権及び契約資産の増加額3億2千8百万円、棚卸資産の増加額が16億9千4百万円となりましたが、仕入債務の増加額が14億5千1百万円となったことと、前受金の増加額が21億2千7百万円となったことなどによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果獲得した資金は1億3千8百万円となりました。これは主として、定期預金の預入による支出5千万円、関係会社株式の取得による支出2億2千7百万円ありましたが、投資有価証券の売却による収入4億1千7百万円があったことなどによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は15億8千1百万円となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出7億4千9百万円ありましたが、短期借入金の純増加額が15億円となったことと、長期借入れによる収入9億円となったことなどによるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

 a.生産実績

該当事項はありません。

 b.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比

(%)

受注残高(千円)

前期比

(%)

電子機器及び工作機械等

16,348,297

157.1

5,743,069

259.9

光電子装置

519,468

77.2

182,706

77.7

合計

16,867,765

152.3

5,925,775

242.4

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.受注高及び受注残高は販売金額によっております。なお、受注高には条件変更、為替変動等に伴う金額調整分を含めております。

 c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

前期比(%)

電子機器及び工作機械等(千円)

12,814,581

116.7

光電子装置(千円)

571,832

59.9

合計(千円)

13,386,414

112.2

 (注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績の分析

 (電子機器及び工作機械等)

当セグメントの売上高は128億1千4百万円(前期比16.7%増)となりました。電子部品実装機等の電子機器の輸出販売が中国市場での電気自動車(EV)等の車載関連やIoT家電・スマート家電向けの設備投資需要が拡大したことにより増加いたしました。輸入機械販売では米国製の非接触三次元測定システム等の測定機器が品質管理に対する需要の高まりにより堅調に推移いたしましたが、工具研削盤等の工作機械が工具需要の停滞や欧州通貨に対する円安の進行が販売価格へ影響したため低迷いたしました。また、電子機器の輸出販売比率の高まりにより、売上総利益率が低下する結果となりました。

(光電子装置)

光電子装置の販売は人工知能(AI)の普及によるデータセンター向けの需要拡大により、光トランシーバー等の光通信部品の販売が増加しましたが、産業用レーザー装置の販売が減少したことにより、当セグメントの売上高は5億7千5百万円(前期比40.5%減)となりました。

 

費用面では隔年開催のJIMTOF(日本国際工作機械見本市)の開催年では無かったため、広告宣伝費や旅費交通費等が減少し販売費及び一般管理費の総額は20億4千6百万円(前期比3.1%減)となりましたが、売上総利益の減少により、営業損失1億9千9百万円(前期は営業損失1千万円)となりました。

営業外収益では電子機器取引に関する仕入割引金額の増加や不動産賃貸収入がありましたが、経常損失4千5百万円(前期は経常利益1億4千3百万円)となりました。

特別利益では保有していた上場株式の売却により投資有価証券売却益2億8千7百万円を計上しましたが、特別損失で貸倒引当金繰入額1億2千2百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は5千5百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失1百万円)となりました。

これらの要因により、当連結会計年度の売上高は133億8千6百万円(前期比12.2%増)、売上総利益が18億4千6百万円(前期比12.1%減)となり、「第13次中期経営計画」の目標指標(連結売上高130億円、ROE 5.0%)に対して売上高は達しているものの、売上総利益率の低下によりROE 5.0%は実現できておりません。

現在、計画達成に向けて、切削工具分野及び電子部品実装分野向けに自動化、省力化を目的とした商品群の充実に取り組んでおり、2027年年度を最終年度とする「第13次中期経営計画」の目標達成に努めてまいります。

その計画の概要につきましては「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な会社の経営戦略」に記載しております。

 

財政状態の分析

財政状態の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性

 キャッシュ・フローの状況の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入ならびに販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要の主なものは設備投資等によるものであります。

当社グループでは事業活動上必要な資金を安定的に確保することを基本方針としております。

運転資金は自己資金及び金融機関からの借入金を基本としており、当連結会計年度における金融機関からの資金調達は長期借入金で9億円実施いたしました。設備投資資金に関しましても自己資金及び金融機関からの借入金を基本としており、2020年度に完成した本社ビルに関しては、取引銀行2行とのコミットメント期間付タームローン契約により資金調達を行っており、当連結会計年度末残高は7億1千5百万円となっております。

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

5【重要な契約等】

(1)代理店契約の状況

契約会社名

商品別

相手先

国名

契約内容

契約期間

YKT㈱

電子機器

パナソニックコネクト㈱

日本

代理店契約

2006年4月から自動更新(注)2

YKT㈱

電子機器

パナソニックFSエンジニアリング㈱

日本

代理店契約

2008年1月から自動更新(注)2

YKT㈱

工作機械

インデックス社

ドイツ

総代理店契約

1977年6月から自動更新(注)1、2

YKT㈱

工作機械

ロロマティック社

スイス

総代理店契約

1982年7月から自動更新(注)2

YKT㈱

測定機器

クオリティ・ビジョン・インターナショナル・インコーポレテッド社

米国

総代理店契約

2004年2月から自動更新(注)2

YKT㈱

産業機械

プラティット社

スイス

総代理店契約

2009年1月から自動更新(注)2

YKT㈱

産業機械

ペムテック社

フランス

総代理店契約

2010年10月から自動更新(注)2

 (注)1.当社設立(1977年10月)前の総代理店契約については、当社の前身の株式会社山本グループ(2003年10月当社と合併)と締結していたものであり、当社が引継ぎ、継続して更新されております。

2.自動更新契約は、当社又は相手先からの契約解除の申し出がない限り、自動的に契約更新がされるものであります。

 

(2)コミットメント期間付タームローン契約

 当社は、㈱みずほ銀行及び㈱三菱UFJ銀行とコミットメント期間付タームローン契約を締結しております。

 ① ㈱みずほ銀行

a.コミットメント期間付タームローン契約の内容

  総貸付限度額       500百万円

  契約締結日        2018年12月25日

  コミットメント期間    2018年12月28日から2020年9月30日

  満期日          2038年11月30日

  契約期間         2018年12月25日から2038年11月30日

b.コミットメント期間付タームローン契約の目的

 本社ビルの建設資金を安定的に調達することを目的といたします。

c.財務制限条項

 各年度の決算期の末日における貸借対照表における純資産の部の金額が、2018年12月に終了する決算期の末日または当該決算期の直前の決算期の末日における貸借対照表における純資産の部の金額のいずれか大きい方の75%以上に維持する。

 

 ② ㈱三菱UFJ銀行

a.コミットメント期間付タームローン契約の内容

  総貸付限度額       500百万円

  契約締結日        2018年12月17日

  コミットメント期間    2018年12月27日から2020年10月30日

  満期日          2038年12月14日

  契約期間         2018年12月17日から2038年12月14日

b.コミットメント期間付タームローン契約の目的

 本社ビルの建設資金を安定的に調達することを目的といたします。

c.財務制限条項

 各年度の決算期の末日における連結の貸借対照表における純資産の部の合計額が、2017年12月決算期の末日における純資産の部の合計額または前年度決算期の末日における純資産の部の合計額のいずれか大きい方の75%以上に維持する。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。