当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、多様化する「食」に対するニーズの変化に対応し、お客様のみならず社会に貢献できる「進化する企業」を目指し、これを満たすため、独自の技術に基づくオリジナル製品を創造し、より快適でより効率的な食環境へ向けての新たな提案と迅速かつ高品質なサービスを提供することをグループの経営理念に掲げ、その実現・実行を目指しております。
このため、遵法はもとより社会と社員から信頼される会社づくり、透明性のある経営、議論のできる経営の実践、事業活動と環境との調和、働きやすい職場環境の実現に向け、努力してまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略
長期的なありたい姿の実現に向け、持続可能な事業モデルへの変革を推進し、将来の事業成長加速の基盤となる経営ビジョンを策定し、経営戦略及び目標とする経営指標の水準を定めております。
長期的なありたい姿としては、「これから伸び行く新たな市場並びに未開拓市場で先手を取り、存在感を高めることで、世界No.1を目指す」ことと、「『食』に関わるお客様及び社会の課題を、製品・サービスの提供を通して解決することで、地球の未来に貢献する」ことを掲げております。
その実現のため、多様化する顧客ニーズ及び社会から要請される課題解決に向けて積極的な取り組みを強化するとともに、持続的成長を可能とするグローバルな事業基盤と安定的な収益基盤の構築に取り組んでおります。
日本においては、既存飲食市場を深掘しつつ、成長を求め飲食外市場開拓を一段と強化します。具体的には環境変化が速い飲食市場及び多様な顧客を有する飲食外市場の顧客に対応するため、新たな販売モデルを確立することを目指します。また、海外においては、既存市場の成長を最大化しつつ、伸び行く市場への他社に先行した進出と事業拡大を行っていきます。
(3)目標とする経営指標
当社グループでは、2022年度を初年度とする5ヵ年経営ビジョンを策定し、経済価値及び社会・環境価値それぞれの継続的な向上を目指し、目標とする経営指標を定めております。経済価値向上に向けては、連結売上高及び連結売上高営業利益率、連結ROEを重要な経営指標と捉え、それらの継続的な向上を目標としております。目標とする経営指標の水準として、2026年度連結ベースでは売上高4,500億円、売上高営業利益率14%以上(M&Aのれん償却前)、ROE12%以上を掲げ、持続的成長と企業価値向上を目指していきます。社会・環境価値向上に向けては、世界的な環境問題解決の実現に貢献すべく、CO2排出削減の目標を掲げております。また、全ての社員が多様な価値観を共有し、誇りを持って働くことができる活力ある職場風土への進化を目指し、女性役職者の育成・登用の目標を掲げるとともに、社員の働きがい向上に継続的に取り組んでまいります。
(4)対処すべき課題
フードサービス業界を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による経済・社会活動の停滞を乗り越え、国内では人の流れが活発化しインバウンドが過去最高の水準を継続するなどの明るい動きが見られます。一方で、今後も業界の垣根を越えた競争の激化、人手不足や人件費の上昇、原材料費や物流費の高騰などの懸念材料については継続が予想されます。
このような環境のもと、当社グループは、以下6つの課題に取り組んでまいります。
①気候変動への対応
日本政府は2020年10月に「2050年カーボンニュートラル宣言」を発表しました。2050年までに日本全体の温室効果ガス排出を実質ゼロにすることを掲げたこの宣言の実現に向けて、多くの企業が温室効果ガス排出量削減の取り組みを加速しています。
気候変動が社会に与える影響は大きく、当社グループとしても取り組むべき重要な社会課題だと捉えています。当社グループは、2050年に事業活動からのCO2排出量(スコープ1&2)実質ゼロ実現へ向け、徹底した省エネ活動や再生可能エネルギーの積極的な利活用を推進していきます。2030年の削減中間目標は当社グループ(海外含む。)で、2023年比30%削減としています。CO2排出量スコープ3については国内外での算定などを進めており、2026年の開示を予定しています。
②持続可能なサプライチェーンマネジメント
企業がサプライチェーンを通じて、間接的にでも途上国の環境破壊や人権侵害に加担しているとされれば、ネガティブキャンペーンの対象となり、消費者からボイコットされるなどのレピュテーションリスクやブランドリスクにつながる可能性がますます高まってきております。グローバル企業として、その活動がサプライチェーンに及ぼしている影響の大きさを理解し、サプライチェーンが抱える社会的課題の解決に取り組むことが今後の当社グループの持続的な成長に不可欠と考えています。
また、健全なサプライチェーンのもとでこそ、消費者により安全・安心な製品・サービスをお届けできると考えています。
当社グループは、法令を遵守し、環境や人権に配慮したサプライチェーンにより、廃棄物を最小限に抑え、健康で安全な労働条件を促進してまいります。
③新たな顧客価値の創造
先進国の経済・社会構造は、モノ中心からサービスや情報中心に大きく変わろうとしています。お客様が望む価値を確実に提供し続け、お客様との関係をより長期的かつ強固なものにすることで顧客満足を獲得し、当社グループは成長を持続することが可能になります。新たな顧客価値の創造のために、お客様の声に耳を傾け、顧客ニーズを把握し、最適なソリューションの提案や製品・サービス開発を行っています。
当社は国内において、2025年にノンフロンの環境負荷が小さい自然冷媒を採用した製品ラインナップを拡充しました。既に自然冷媒化を完了した業務用冷蔵庫標準機、一部の製氷機・冷蔵機器に加え、製氷機「チップアイスメーカー」など4製品群66機種をモデルチェンジし、冷媒を自然冷媒へ転換しました。
国内市場においては、既存の飲食市場を深掘りしつつ、積極的に飲食外市場を開拓しています。戦略的な他社との協業による製品機能の補完や新たな販売体制の構築などにより、多様な業種並びにニーズを有する飲食外市場のお客様の課題解決に取り組んでいます。
④安全・安心な食環境づくりへの新たな提案
私たち人間が生きていくためには食が欠かせませんが、我が国の生活水準が向上すると共に、社会経済構造や国民の食に関する価値観など「食」をめぐる状況が変化し、食生活のあり方も多様化してきています。このような中、核家族化の進展や地域社会の弱体化などにより、食の大切さに対する意識が希薄化すると共に、健全な食生活や古くから各地で育まれてきた多彩な地域の食文化が失われつつあることが危惧されています。「食べる」ことは人間が生きるために不可欠な行為ですが、社会情勢や経済状況、地域の文化の影響を色濃く受けるものでもあります。
当社グループは、世界各地でより良い製品やサービスを提供することにより、食文化を支え守ることに貢献し、どのような状況においても、より良い状態で食を届けることを使命と考えております。
⑤社員の働きがいの向上
事業を通じてお客様・社会に貢献し、会社と社員が共に進化・成長し続けるためには、社員の働きがいの向上が大切です。当社グループでは、活力にあふれる社員がポテンシャルを最大限に発揮する会社であり続けるために、「社員一人ひとりの成長に向けた機会づくり」「活力あふれる職場風土づくり」を通じ、社員の働きがいの向上に取り組んでいます。
「社員一人ひとりの成長に向けた機会づくり」としては、次世代経営者育成研修、論理的思考力強化研修、英語力強化研修等のOff-JTを通じた能力開発と共に、一人ひとりの「将来ありたい姿」の実現に向けたキャリア開発を進め、成長を実感できる機会及び場の提供に取り組んでいます。
「活力あふれる職場風土づくり」としては、多様な人材が個性や能力を発揮できる環境の創出に向け、多様な人材の採用、働きやすい職場環境づくりを進めています。
様々なライフステージ・生活スタイルの社員が働きやすいように人事制度を整えると共に、職場内コミュニケーションの更なる活性化、互いを尊重する風土づくりに取り組んでいます。定期的に社員満足度調査を行い、現状を確認すると共に課題を明確にし解決することにより、今後も継続して社員の働きがいの向上に取り組んでまいります。
⑥経営基盤の強化
取締役会の実効性向上や内部統制の強化・充実等により、コーポレートガバナンスの実効性向上に努めます。また、コンプライアンスに関するリスクの予防措置や教育等の施策を実施し、法令遵守と風通しの良い企業文化の醸成を図ることで、持続的成長と社会からの信頼性の向上に努めます。
お客様に安全と安心を提供することは企業の社会的責任であり、当社グループは、製品に関わる法令遵守と製品事故の撲滅に取り組むことで、安全性の高い製品を提供し、競争力の強化と社会からの信頼性向上に努めます。
当社グループはもとより、パートナーやサプライチェーン全体に対して、企業の社会的責任を強く意識した事業運営を促すことで、サプライチェーン上の環境・人権等のリスク低減を図ります。
当社グループは、取締役会の承認を得て、以下の「サステナビリティ基本方針」を掲げています。
サステナビリティ基本方針
「当社グループは、経営理念にある「お客様のみならず社会に貢献できる『進化する企業』であること」という基本的考えのもと、事業活動を通じた持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指します。
●多様な人材が生き生きと活躍できる環境を実現し、常に「進化する企業」として、お客様のみならず社会への価値創造に貢献します。
●グローバル企業としてサプライチェーン全体での人権の尊重、環境負荷低減に努め、地球環境及び未来を担う世代に貢献します。
●すべてのステークホルダーとの対話と連携を通じ、公正かつ透明性の高い経営を目指します。」
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ
①ガバナンス
代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しています。サステナビリティ委員会は四半期に1度開催され、その審議結果を含めて取締役会に定期的に(原則四半期に1度)進捗報告を行うこととしています。サステナビリティに関する事業リスクはコンプライアンス・リスク管理委員会と共有しており、適宜必要に応じて取締役会に上申することとしています。
サステナビリティ委員会の傘下には、マテリアリティの解決推進を目的として、マテリアリティごとにワーキンググループ(WG)を設置しています。各WGの責任者は原則として執行役員が就くものとし、取り組み内容や活動進捗は適宜サステナビリティ委員会に報告されます。
②サステナビリティ戦略
当社グループは、さまざまな社会課題を議論・検討し、6つのマテリアリティを特定しています。各マテリアリティに対しては目標、KPIを設定し、課題解決に向けた施策を実行することで経営ビジョン及び長期的にありたい姿の実現を目指します。
特定された6つのマテリアリティの解決と経営ビジョン達成に向けた取り組みを連動させるために、原則として執行役員を責任者とするマテリアリティWGが目標指標を設定し活動を推進しています。マテリアリティの抽出・特定プロセス、KPI設定プロセスについては、統合報告書2025のP.25~P.26をご覧ください。
③リスク管理
各マテリアリティに対応したリスクと機会を考慮し、設定したKPIの適時モニタリング及び関連部署と自社の強みと弱みを加味した対策を講じ、リスクの最小化と機会の最大化を目指します。なお、事業活動に関するリスク管理に関しては、毎月開催されるコンプライアンス・リスク管理委員会の場で、リスク管理の徹底と迅速な対応を図っています。
④指標及び目標
サステナビリティ活動の推進に向けた目標と指標に関しては、6つのマテリアリティの解決に向けた目標と目標値を設定することで、活動の進捗を評価し実効性を高めています。
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マテリアリティ |
ありたい姿との関連性 |
目標 |
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気候変動への対応 |
世界的な気候変動問題に対し、快適な食環境の提供(ビジネス)を通じて、環境課題解決に貢献 |
KPI |
脱炭素社会の実現に向け、事業活動からのCO2排出量削減 |
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目標値 |
2030年までにCO2排出量(スコープ1&2)30%削減(2023年比) |
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持続可能なサプライチェーンマネジメント |
環境や人権に配慮したサプライチェーンにより、廃棄物を最小限に抑え、健康で安全な労働条件を促進 |
KPI |
・環境保全(廃棄物等)、人権・労働(安全)等を含むサステナビリティに関する調達先調査 ・取組成果向上のための調達先との持続的なコミュニケーション |
|
目標値 |
・調査質問票の重要取引先様回答回収率95%以上(2026年)(当社) ・工場方針説明会への重要取引先様出席率95%以上(2026年)(当社) |
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|
新たな顧客価値の創造 |
お客様を取り巻く環境変化を迅速にキャッチし、変化へ柔軟に対応したモノづくり、サービスビジネスを創造 |
KPI |
・今後拡大を目指す、多様な飲食外市場のお客様への貢献 ・環境や持続性に配慮した、多様なお客様への貢献 |
|
目標値 |
・飲食外売上高1,000億円(2026年)(国内) ・自然冷媒採用製品売上高260億円 (2026年)(国内) |
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|
安心・安全な食環境づくりへの新たな提案 |
多様化する食環境の変化に対して、安全、安心な製品やサービスを提供し、人々の豊かな暮らしに貢献 |
KPI |
全国を網羅する拠点数の強みを生かした製品保守、サービスコール対応を通じたお客様への安心、安全の提供 |
|
目標値 |
サービス売上高522億円(2026年)(国内) |
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社員の働きがいの向上 |
すべての社員が多様な価値観を共有し、互いに尊重しあい、誇りを持って働く、活力あふれる職場風土への進化 |
KPI |
・女性管理職の育成と次期女性管理職候補の育成確保 ・社員の働きがいの継続的な向上 ・グローバルでのエンゲージメント調査の継続的な拡大 |
|
目標値 |
・女性管理職(課長相当職以上)50名、女性役職者(係長相当職以上)300名(2025年目標達成済)(国内) ・社員満足度調査スコアの向上(国内) ・エンゲージメント調査グローバルカバー率の向上(グローバル) |
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|
経営基盤の強化 |
コーポレートガバナンスの強化及び徹底したコンプライアンス遵守により、社会から信頼される経営の実践 |
KPI |
・コンプライアンス経営の基盤強化 ・社員への網羅的なコンプライアンス教育の継続 |
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目標値 |
・重大なコンプライアンス違反なし(グローバル) ・社員全員へのコンプライアンス教育実施(グローバル) |
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(2)環境への取組
(TCFDへの対応)
当社グループは、2022年2月にTCFD提言への賛同を表明し、TCFDフレームワークに基づいた情報開示を進めているほか、2024年にはCDPへの回答を行いました。2050年の事業活動からのCO2排出量(スコープ1&2)実質ゼロへ向け、2024年に設定したグループ※削減目標「2030年の中間目標としてCO2排出量(スコープ1&2)の30%削減(2023年比)」のもと、引き続きグループを挙げて取り組みを推進していきます。
TCFDへの対応については、統合報告書2025のP.55をご覧ください。
※海外販売会社、持分法適用会社は除く。
①ガバナンス
当社グループは、気候変動への対応を含むマテリアリティへの取り組みを推進する体制として代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しています。その傘下で気候変動対策を推進する気候変動ワーキンググループ(WG)が活動しています。WGの活動実績はサステナビリティ委員会で定期的に進捗が検証されます。
②戦略(シナリオ分析)
将来における気温上昇のシナリオとして、1.5℃と4℃の温度帯を想定し、2030年及び2050年におけるシナリオ分析を実施しています。財務影響度はリスク・機会の期間収益への影響度と発生可能性によりそれぞれ3段階で評価しています。
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区分 |
項目 |
該当 シナリオ |
発生 時期 |
財務への 影響 |
対応策 |
実績 |
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1.5 ℃ |
4℃ |
金額 |
確率 |
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移行 リスク |
政策・ 法規制 |
冷媒規制の強化対応、製品の脱炭素化推進のための研究開発費・設備投資額負担の増加 |
○ |
|
短期 |
小 |
中 |
・研究開発への計画的な投資と製品設計 ・省エネ型の設備の導入 ・国や自治体の補助金などの支援制度の活用 |
・本社工場、島根工場における太陽光発電設備の導入 ・本社LED照明化完了 ・スコープ3排出量の算定に向けた準備 ・日本国内において全ての冷蔵庫・冷凍庫標準機及び製氷機(14機種)を自然冷媒化。 |
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炭素税導入によるコスト増加 |
○ |
○ |
短・中・ 長期 |
中 |
高 |
・スコープ2排出量を削減するための再生可能エネルギーの調達拡大 ・当社事業に関わるサプライチェーンの排出量(スコープ3排出量)の算定を今後行い、対応を検討 |
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|
区分 |
項目 |
該当 シナリオ |
発生 時期 |
財務への 影響 |
対応策 |
実績 |
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1.5 ℃ |
4℃ |
金額 |
確率 |
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移行 リスク |
市場 |
原材料調達コストの上昇 |
○ |
|
短・ 中期 |
大 |
中 |
VA(Value Analysis)コストダウン活動(部品点数の削減、設計の変更、部材・部品の見直し)、調達先分散化、戦略的価格改定 |
・取引先様調査票の作成 ・適正部品在庫確保、グローバルサプライチェーン適正化 ・豊明本社工場、島根工場における太陽光発電設備の導入 |
|
再生可能エネルギー・代替燃料調達コストの上昇 |
○ |
|
短期 |
小 |
中 |
工場の電力使用量削減活動、太陽光パネルなど自家発電設備への計画的投資、外部電力の再生可能エネルギーの使用比率向上 |
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|
物理 リスク |
急性 |
サプライチェーン寸断による原材料調達 コストの上昇 |
|
○ |
短・ 中期 |
中 |
低 |
・調達先の分散化及び新規調達先の開拓 ・製造拠点に近い仕入先からの調達、調達リスクに備えた部品在庫量の適正化 |
・飲食外売上高約1,003億円(2025年度・国内) ・コストダウン及び価格改定の実施
|
|
自然災害への対策強化に向けたコストの増加 |
|
○ |
中期 |
小 |
中 |
・グローバル拠点(製造、販売)におけるBCPの明確化 ・有事の際の安定調達に向けた仕入先との連携強化 |
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|
慢性 |
猛暑、感染症拡大による外食市場の縮小 |
|
○ |
中期 |
中 |
中 |
顧客チャネル拡大(飲食外市場、特に流通販売業、加工販売業、基幹産業、病院・老健に注力) |
||
|
機会 |
製品と サービス |
顧客の省エネ・GHG削減に寄与する製品及びサービスの需要増 |
○ |
|
短・中・ 長期 |
大 |
高 |
・自然冷媒を使用した製品のラインナップ拡充 ・製品の電力使用量削減、水使用製品の使用水量削減(製氷機、食器洗浄機など) ・可燃性ガス取扱資格者の増員、修理用器具設備手配、サービス開発 |
・日本国内において全ての冷蔵庫・冷凍庫標準機及び製氷機(14機種)を自然冷媒化 ・稼働・温度データをクラウドサーバで管理するサービス(SaaS)「ホシザキコネクトWi-Fi」の導入 |
|
機会 |
市場 |
気温上昇に伴う冷機器の需要増 |
○ |
|
中・ 長期 |
中 |
中 |
・気温上昇による影響度が高いエリアへのコールドチェーン製品拡充及び進出 ・未進出国などへのコールドチェーン製品販売の拡大、及び販売エリア拡大に伴うサービス網の充実 |
・海外展開(M&A)の推進 ・海外売上高比率53.3% (前期比+2.1pt)(2025年度) |
|
|
○ |
中・ 長期 |
大 |
中 |
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異常気象など環境変化に伴う自社製品及びサービスの需要増 |
○ |
|
中・ 長期 |
中 |
中 |
・衛生製品ラインナップ、サービスの充実 ・自動化、ロボティクス、リモート操作製品、サービスの開発、省力化製品拡大 |
・稼働・温度データをクラウドサーバで管理するサービス(SaaS)「ホシザキ コネクトWi-Fi」の導入 ・コネクテッドロボティクスとの協業 |
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③リスク管理
気候変動に関する企画・立案、管理については、サステナビリティ委員会がこれを行い、全社的な気候変動への対応を推進しています。具体的には、気候変動に関する自社への影響(リスクと機会)を評価・識別し、対応策を立案・実施しています。
④指標と目標
当社グループは、2050年に事業活動からのCO2排出量(スコープ1&2)実質ゼロへ向け、徹底した省エネ活動再生可能エネルギーの積極的な利活用を推進していきます。2030年の削減中間目標はホシザキグループ(海外含む。)で、2023年比30%削減としています。気候変動への対応については、以下に記載した主な施策の他、統合報告書2025のP.54をご覧ください。
(気候変動への対応)
ホシザキグループは、世界的な気候変動問題に対し、快適な食環境の提供(ビジネス)を通じて、環境課題解決に貢献していくことを目指しており、5ヵ年経営ビジョン期間中においては、特に自然冷媒化によるGHG削減に取り組んでいます。
①ノンフロン自然冷媒への転換で業界を牽引
当社グループは、国内外で業界に先駆けて業務用自然冷媒冷蔵庫を開発するなど、グローバルに冷媒ガス使用製品を供給するメーカーとして、自然冷媒への転換を促進・けん引しています。日本国内においては、2023年に「ホシザキ自然冷媒化宣言」を公表しました。
代替フロンは、オゾン層は破壊しないものの、二酸化炭素(CO2)と比較して地球温暖化係数(GWP)※が数十倍から一万倍超と非常に高い温室効果ガスです。このため、国際的に代替フロンからノンフロンへの転換要請が高まっています。
当社グループは地球温暖化係数の低いノンフロンのなかでも、人類が作り出した物質ではなく、自然界にもともと存在する物質である自然冷媒(イソブタン、プロパンなど。代替フロンと比較してGWP99%削減。)の採用を積極的に進めています。製品のライフサイクル全般でのGHG排出量削減となり、環境負荷低減に大きく寄与します。
※GWP:Global Warming Potentialの略で、地球温暖化係数。
②フロン排出抑制法への対応
当社は工場や事務所内で対象となるフロンガス利用機器をピックアップし、管理台帳(記録)を作成して、機器容量に応じた定期・簡易点検、整備を実施し、フロンガス漏えい防止に取り組んでいます。CO2換算で1,000t以上のフロンガスの漏えいが生じた場合には、法令に基づく報告が必要となりますが、当社における2025年度の漏えい量は、報告を要する値未満となりました。
(3)人的資本
ホシザキグループは、全社員が大切にしたい行動指針として掲げている「夢を持とう」から始まるホシザキ・イズムを社員一人ひとりが意識し、行動することで、存在意義である社会に貢献できる「進化する企業」の実現を目指しています。
①人的資本の基本方針
当社グループにおいて、人的資本の質を向上させることは、持続的成長を実現するための最重要課題のひとつです。この認識のもと、私たちはマテリアリティとして「社員の働きがいの向上」を掲げ、「働きやすさ」と「仕事のやりがい」を両立することで、多様なバックグラウンドを持つ優秀な人材が活躍できる企業環境の整備を行っています。
また、経営ビジョンと人材施策を連動させていくために「人事ポリシー及び中期人材戦略」を策定し、人事制度改革、人材育成・開発及び意識・風土改革の3軸での取り組みを戦略的かつ一体的に進めることで、社員一人ひとりが最大限の力を発揮できる環境を整え、当社グループの持続的な成長を支えます。
②保有する人的資本
2025年12月末の連結社員数は、前年度末比980名増の17,041名(連結グループ会社数62社)です。内訳は、日本が同63名増の8,862名(ホシザキを含むグループ会社数20社)、米州が同496名増の3,452名(グループ会社数20社)、欧州が同123名増の2,121名(グループ会社数5社)、アジアが同298名増の2,606名(グループ会社数17社)となっています。
ホシザキと国内販売会社合計の社員数7,813名に対する女性社員比率は、5年前と比較して1.7pt増の18.2%へ上昇、新卒社員に占める女性比率は26.4%となっています。また、係長相当職以上の女性役職者数は、5年前と比較して108名増の308名となり、役職者比率は9.2%に向上しています。
③ホシザキの人的資本の特徴
当社グループは、「食」に対する多様なニーズに応えるために、モノづくりに専念するだけでなく、国内では地域ごとに独立した販売会社15社を持ち、お客様一人ひとりのご要望にきめ細かく対応できる体制を築いています。それぞれの地域で、それぞれのお客様との対話を大切にし、あらゆる角度からお客様をサポートします。
このような当社グループの人材は、「勤勉実直」という言葉がその特長を最もよく表しています。与えられた課題に対して誠実かつ確実な答えを導き出す能力を持っており、一人ひとりのポテンシャルも非常に高いため、これらの潜在能力を上手く引き出すことで、組織全体としてさらに高いパフォーマンスを発揮できると考えています。
④人的資本が創出する財務インパクト
当社グループにとって人的資本は最大かつ最重要な資産であり、いかに有効に機能させるかが経営の要諦となります。持続的な成長に向けて中長期的な人的資本の強化を図るため、国内では販売会社の社員数と年齢構成の長期的な推移を予測し、将来想定されるリスクの分析に基づいた対策について議論を開始しています。具体的には、総人員数が減少することや、現在、人員構成の多くを占めているミドル層がシニア層へ移行することが予想されます。そのなかで、営業・サービスの戦力維持・向上に向け、職種ごとにメリハリをつけた嘱託処遇制度を導入することや、円滑な権限移譲のための人事制度(昇進昇格制度など)の整備について検討し、売上の確保・拡大につなげていきます。
また、事業部門と連携し、将来に向けた人的リソースマップの可視化に取り組んでいきます。人的リソースマップを踏まえた人材の最適配置を通じて、ビジネスチャンスのある地域及び事業分野の的確な見極め、成長に向けた取り組みの着実な推進を図ります。
加えて、社員のエンゲージメント、会社への帰属意識を高めることにより、一人ひとりの能力の高度化、仕事への前向きな取り組みを促し、1人当たり売上高及び1人当たり生産性の向上を目指します。
⑤これまでの成果と課題
国内においては、国内販売会社の人事制度(嘱託処遇制度、昇進昇格制度など)の改革に向けた取り組みを着実に進めました。
また、海外グループ会社におけるエンゲージメント調査については、調査対象会社の継続的な拡大を目標に掲げ、2023年より実施を開始しております。2024年は、米州(HOSHIZAKI AMERICA ,INC.他17社)及び欧州(Hoshizaki Europe B.V.他1社)の計20社で調査を実施しました。2025年には、米州20社、欧州4社の計24社へと対象を拡大し、調査を実施しました。海外ビジネスが拡大するなか、今後さらに調査を実施する海外グループ会社を広げ、グローバル企業としての人的基盤づくりを強化するとともに、世界のホシザキグループにおける「働きやすさ」「仕事のやりがい」のさらなる向上に向けて取り組んでいきます。
一方、人材育成における取り組みについては、今後、将来必要となる人材像を明確にし、そのための人材育成の基本政策や方針の策定に向けて、本格的に議論を開始しています。
⑥社員満足度調査
国内グループ会社において、年1回、無記名式の社員満足度調査を実施しています。調査は「会社全体」「組織」「職場環境」「上司」「仕事」「活動目標」「人事評価」などに関する設問で構成されており、調査結果を分析し、アクションプランを作成して実行することにより、社員の「働きやすさ」や「仕事のやりがい」の向上を図っています。
⑦今後の方針
当社グループの将来に向けた優秀な人材の確保と定着に向けて、「人事ポリシー及び中期人材戦略」を策定し、「人事制度改革」「人材育成・人材開発」「意識・風土改革」の3軸で施策を進めていきます。
「人事制度改革」については、当社グループは2025年度の海外売上高比率が53.3%まで拡大しており、国・地域ごとに異なるアプローチが求められます。これまで国内中心に考えてきた人事スコープを海外に広げていく必要があることから、グローバル視点での制度導入の必要性を検討していきます。
「人材育成・開発」については、人事ポリシーに基づいた「人材育成方針」の策定や、教育体系の整備を行っていきます。また、海外事業の成長を支える海外人材の発掘・育成に注力していきます。
「意識・風土改革」については、異なる文化や考え方を受容する風土の醸成に向けて、2022年度に新設した「ダイバーシティ推進センター」が中心となり、ダイバーシティへの取り組みを推進しています。多様性の推進はそれ自体が目的ではなく、世界各国・地域でビジネスを進めていくための前提となります。一方で、いずれの国・地域においてもホシザキグループの社員として目指すことがあり、「多様性」と「一貫性」のバランスを取っていくことが人事運営において重要であると考えています。
⑧指標と目標
人的資本のKPIとしては、2025年度末の目標として、ホシザキ及びホシザキ販売株式会社、国内販売会社における女性管理職者50名(2020年度対比4倍)、係長相当職以上の女性役職者300名(2020年度対比1.5倍)を掲げて取り組みを推進してきました。2025年度末の実績はそれぞれ57名、308名となり、目標値をクリアしました。今後、2026年度以降の取り組みの方針を策定していきます。また、女性役職者の育成に向けては、グループ各社の取り組みのなかから見えてくる阻害要因を吸い上げ、それを踏まえて活動を改善し、計画を推進していきます。
なお、当該指標については、当社においては関連する指標のデータ管理とともに具体的な取組みが行われているものの、在外子会社においては関連する指標のデータ管理までは行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、上記指標に関する目標及び実績は、国内で事業を営む提出会社のものを記載しております。
1.当社のリスク管理体制
当社は、当社グループの事業活動に関するリスク管理を所管するコンプライアンス・リスク管理委員会を設置し、毎月1回開催することにより、リスク管理のグループへの推進と情報の共有化を図り、リスクへの迅速な対応とリスク顕在化の回避及び軽減等の決定を行っております。委員は、社外取締役を含む全取締役で構成されており、取締役会が定めたリスク管理規程に従って、事務局である法務部を所掌する執行役員がコンプライアンス・リスク管理統括責任者に指名されリスク管理体制の運用に当たっています。
当社グループは、リスク・リストを定め、各リスク分野を所掌する部署は、各々の職務分掌に基づいて担当職務ごとにこれらのリスクを管理(リスク・マッピング)し、重要度と脆弱性が高いと分類されたリスクについては、優先的に対策を立案し、随時実践して行くこととしています。
また、リスク管理規程に基づくリスク管理情報報告の制度の下、日常の事業活動の中で各部署あるいは各グループ会社で認識されたリスクは、随時コンプライアンス・リスク管理統括責任者に報告されることとしています。認識されたリスクについては、コンプライアンス・リスク管理委員会にて社外取締役からも助言や指導を得て、対策の立案と推進に活かしています。
2.事業等のリスク
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性のある主要なリスクは以下のとおりです。これらは必ずしも全てのリスクを網羅したものではなく、想定していないリスクや重要性が低いと考えられる他のリスクの影響を将来的に受ける可能性もあります。また、特定された主要なリスクに対して講じている各々の対応をしても全てのリスクの発生を排除することができず、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、記載事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報等に基づいて、当社グループが判断したものです。
(1)気候変動に関連するリスク
気候変動にかかるリスク及び収益機会が当社グループの事業活動や収益等に与える影響等については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)環境への取組」をご覧ください。
(2)天候・災害等について
当社グループの主力製品は、製氷機、冷蔵庫等ですが、用途の特性上需要期の天候が業績に影響を及ぼします。また、地震・風水害等の大規模自然災害、テロ等の人為的災害及び感染症等が発生した場合、当社グループの設備、情報システム、取引先等の操業等に影響が出る可能性があります。このような災害発生時には、当社グループの生産活動及び販売活動、サプライチェーンに大きな影響を与え、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
自然災害等への備えとして、全世界の工場でリスクサーベイを実施し、指摘事項に対するリスク低減対策・改善とフォローアップを行ってきております。また、BCP(事業継続計画)を策定すると共に必要な保険を付保したり、地震プロテクション内包型外貨預金を手当したりすることによって、災害等発生時にも事業及び財政状態等への影響を最小限に抑えています。
感染症に対しては、コロナ禍での学びも活用して感染防止に努めると共に、生活様式やマーケットの変化に対しては新たな市場や需要の開拓により対応することにより、経営成績等への影響の極小化、ひいては好影響を与えられるように引き続き努めていきます。
(3)製品の品質について
当社グループが生産している製品及び他社仕入商品については、高品質な製品を安定供給するという基本方針の下、厳重な品質管理をして出荷しています。しかしながら、万一、市場クレームの発生等によって想定を超える品質問題が発生した場合には、製品・部品の不具合点検と交換による費用が発生することに加え、企業イメージや社会的評価が低下する可能性があり、その場合には当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
当社は、品質保証部が、全社的立場から品質改善や品質管理を徹底・強化すると共に、グローバル技術部及びグローバル製造部による海外各国の製造拠点に対する設計・製造品質支援も定着し、さらなる品質向上に努めています。万一品質問題が発生したときは、品質保証部、中央研究所、法務部その他の関係部署が連携して解決に万全を期す体制を整備すると共に、PL保険(生産物賠償責任保険)を付保して財政状態等への影響を軽減する措置を取っています。また、海上輸送や国内輸送中に生じ得る製品等の毀滅リスクを低減すべく、保険会社の知見を活用したloss prevention(損失予防)活動を強化しています。
(4)原材料・部品の調達について
当社グループの製品における原材料、部品等は、市況の変動等により調達価格が高騰した場合は製造コストに影響を及ぼします。製造コストの低減や製品価格への転嫁が困難な状況においては、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、米国トランプ政権下における関税政策やそれに対する各国対抗措置によるレアメタルの輸出停止、その他の原因による世界的サプライチェーンの混乱等に起因する部材の調達難に対しては、当社の製品製造にも相当の影響を及ぼす可能性があります。さらに、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)など、部品や原材料の北米での調達比率を高める方向にあり、第三国からの部材輸入・利用に制限がかかる可能性があり、製造コストの高騰さらには製造拠点の見直しの可能性もあります。
また、当社のサプライチェーンにおいて不適切な対応に基づく環境や人権問題が発生した場合、顧客との取引の停止や行政罰、また、社会的信頼の喪失につながる可能性があります。
(リスクへの対応)
当社グループは、市況の変動等による原材料価格の変動リスクを吸収し得る製造原価低減策やIT投資による製造業務効率化施策及びその他の経費節減を継続し、高利益体質への強化を引き続き図ってまいります。
また、レアメタルの調達懸念に対しては、代替可能材料や部品を積極的に取り入れています。その調達先も複線化する等グローバルで見直し、部品の確保等により需要回復に対応した増産に努めています。また、部材価格や物流費の高騰に対しては予実管理を強化すると共に、自社努力のみでは収益性の改善は困難と判断した場合は、製品価格の改定を実施していきます。
当社グループは対処すべき重要な課題の一つに持続可能なサプライチェーンマネジメントを掲げ、環境や人権に配慮した責任ある調達活動を目指しています。また、EUを始め各国で制定されつつある人権デュー・ディリジェンスの法令化に対応し、契約への反映等コンプライアンスの徹底を目指しております。
(5)価格競争について
当社グループを取り巻く事業環境は、フードサービス産業における競争が激化するなか、競合他社との競争が大変厳しくなっております。当社のコスト低減レベルを超えて低価格競争が激化した場合、加えて、上述(4)のとおり原材料・部品調達難、製造コストの高騰となれば、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
当社グループは、製品の品質、コスト(労務費、物流コスト等を含む)、技術・サービス等のあらゆる面で、継続的かつ積極的に競争力の向上に努めています。特に、より高品質で独創的な、環境保護性能に優れた製品や省エネ・省力化・フードロス削減に寄与する製品(例:真空マイクロ波解凍機、急速凍結機等)の提供により他社との差別化を推進し、市場シェアの拡大を目指しています。特に、グローバル・スタンダードとなっている自然冷媒化を全製品で進めています。また、各地域の需要動向、製造コスト等を総合的に勘案した上で、製造拠点や供給方法の最適化を進めていきます。
(6)情報セキュリティについて
当社グループは、事業活動を通じて、取引先等の個人情報あるいは機密情報を入手することがあります。これらに加え、技術、契約、人事等に関する当社グループの機密情報について、サイバー攻撃等による不正アクセスや保存情報の破壊、漏洩等が発生した場合には、当社グループの事業継続に支障が生じる等により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
当社は、情報セキュリティ管理について、適切な技術対策、社内管理体制の整備、社員への教育等の対策の実施を進めています。技術的には、従来の入口対策(不正アクセスや不正ソフトウェア等の侵入を防ぐ対策、暗号化通信によるネットワーク環境の提供、会社指定デバイス以外からのネットワークへの接続を制限するなどの対策)に加えて、システム・ネットワーク監視や出口対策(機密情報等の外部流出防止対策)を導入し運用しています。また、標的型攻撃メール等のセキュリティ・インシデントを想定した訓練を定期的に実施しています。2022年以降新たにグローバルでのサイバー保険を付保し、インシデント発生直後からフルサポートを優先的に提供するセキュリティベンダーの採用など、インシデント発生による事業及び財政状態等への影響を最小限に抑える取り組みを進めています。
(7)法的規制等について
当社グループは、事業活動を行う国や地域において、食品衛生規制、環境保護規制、贈収賄防止法、投資許認可、安全規制、輸出入規制、人権や労働関係法制等の様々な政府規制の適用を受けています。また、経済関連法令の主なものとして、独占禁止法(中小受託取引適正化法(旧下請代金支払遅延等防止法)を含む。)、建設業法等、知的財産権に関する法令、法人税、関税、付加価値税等多岐に渡るものがあげられます。とりわけ環境保護関係では、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、有害物質の使用、廃棄物処理、製品リサイクル等を規制する様々な法令の適用を受けております。
このような規制を遵守できなかった場合、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
当社ではコンプライアンスをコア・バリューの一つと位置付け、法務部を中心に法令遵守を徹底する活動に力を入れています。万一、法令違反、不適合等の問題が発生した場合には、適切に解決する体制を強化する一方、毎年、強化すべきトピックスを取り入れたコンプライアンス研修を当社グループ全社員向けに実施しています。また、法制動向をタイムリーに把握して法改正時には関係者に要点を周知徹底することによって意識と知識の向上に努めています。なお、法令違反や不適合などの行為については内部通報制度などでこまめに拾うことによって、人づくり・仕組みづくりに生かしています。
(8)知的財産権について
当社グループが生産・販売する製品に関連して保有する知的財産権を、第三者が不正に使用して類似製品を製造、販売することを完全には防止できない可能性があります。一方、当社グループが製品を開発する際は、第三者の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っていますが、第三者から侵害訴訟を提起された場合、当社グループの信用低下や損害賠償責任の発生等により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
当社グループは、技術企画部が中心となって知的財産権を管理し、当社の知的財産を保護し、第三者の知的財産権の侵害を防止する体制を取っています。特に当社グループの製品や技術の模倣に対しては、特許、意匠、商標などの知的財産権の活用及び不正競争防止法等に基づく排除も含め、厳正に対応しています。2025年には、米国で発見された当社特許の侵害品について、米国当局により特許侵害が認められるとともに輸入・販売禁止の排除措置命令が下されました。
(9)重要な訴訟事件等について
当社グループの事業活動に関して重要な訴訟その他の法手続が提起又は開始されるリスクは皆無ではありません。当報告書作成の時点では、重要な訴訟等はありませんが、万一、将来提起された訴訟等において不利な判断がなされた場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
当社では、法務部にグローバル法務の豊富な知見を有する人材を採用、配置し、紛争処理、紛争予防及び渉外法務を3本柱として法務体制を強化しています。
(10)企業買収等について
当社グループは、既存の事業基盤の拡大やシナジーを創出するため、あるいは新たな事業分野への進出のために、企業買収や事業提携を行うことを成長戦略の一つとして位置付けております。その実施に際しては十分な検討を行いますが、買収後の事業計画が当初の計画とおりに進捗しない場合には、のれん等の減損処理あるいは多額の資金投入が発生し、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
当社グループは、企業買収等を行う場合、買収前には、外部専門家によるデュー・ディリジェンスの実施や事業計画の妥当性検証を十分に行うことによってリスク軽減を図るとともに、買収後には、想定した効果を創出すべく組織力を積極的に発揮し、PMI(post-merger integration)を推進して事業計画の達成に取り組んでおります。
(11)政治経済の状況について
当社グループが事業活動を行う主要な市場における政治経済の状況や変動は、当社グループ製品の主な販売先であるフードサービス産業、流通業界等の企業業績動向に影響を及ぼします。特に、米国トランプ政権、ロシアのウクライナ侵攻やパレスチナ・中東情勢、日中関係を始めとした米州、欧州、アジア各国における地政学リスクの高まりや、各国の物価上昇や金融・経済政策の影響による経済環境の悪化等は、サプライチェーンの混乱による部品・資材調達難、製造コストの高騰など、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
当社グループは、国内及び海外における政治、経済及び社会のリスクをグループ会社ごとに見える化し、各種のリスクに適時適切に対応することにしています。
(12)為替相場の変動について
当社グループは需要地生産を中心としているため、輸出入取引に係る為替相場の変動による影響は限定的ですが、部材の調達等を外貨建てで取引しているものもあり、為替動向によっては製造コストや売上高に影響を及ぼす可能性があります。また、連結財務諸表の作成にあたって、各グループ会社の現地通貨建ての売上、費用、資産、負債等の項目を円換算しているため、換算時の為替レートによりそれらの項目の円換算額が影響を受けます。加えて、当社が保有する外貨建預金や海外の関係会社に対する投資を換算する際の為替相場の変動は、当社グループの財政状態、包括利益を含む経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
当社が保有する外貨建預金や海外の関係会社に対する投資については、主要な通貨別の為替換算による影響額を継続的にモニタリングし、ポジションを見直す等随時必要な措置を取って為替リスクの低減を図っています。
(13)人材確保、育成について
当社グループは、2025年12月末現在において内外拠点に研究開発人員を約740名、国内に営業人員約3,500名、サービススタッフ約2,800名を擁し、グローバルに技術、製造、販売、サービスの各部門に配置するプロフェッショナル人材及び経営人材を重要な人的資本と位置付け、その育成、拡充に力を入れております。労働人口が減少傾向にあるわが国を始め、関係各国の労働市場において人材の確保のための競争は激化しており、優秀な人材の採用や育成、雇用の継続が困難になった場合は、結果として当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
当社グループは、生産過程における省力化と省人化に取り組むとともに需要地生産を一層推進して、労働人口の減少リスクの低減を図っています。その他、人材確保、育成にかかるリスクへの対応については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」をご覧ください。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、物価上昇による個人消費の停滞があった中で、企業における高い水準での賃上げの実施等明るい兆しがあり、インバウンドはコロナ禍以前の水準以上を継続している等、景気の緩やかな回復基調が続きました。その一方、輸出や生産活動については、米国による関税政策の影響や海外需要の弱さから伸び悩む局面も見られました。
海外では、インドにおいては堅調な経済成長が継続した一方で、米国における関税政策等の不透明感、欧州・中国における景気停滞、中東地域における地政学リスクの継続等、世界経済の先行きは依然として不確実性が残る状況となっています。
このような環境下、当社グループは、国内では飲食市場や流通販売業、加工販売業等の飲食外市場への拡販を実施いたしました。海外では、需要の継続に対しての製品供給に注力するとともに、収益性の改善に努めた一方で、一部地域において競争環境の激化等による影響を受けました。また、当連結会計年度においては、買収した企業に係るのれん及び無形固定資産等の償却や、トルコにおける超インフレ会計の適用の影響による利益面へのマイナス影響が増加しました。
イ.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は4,858億90百万円(前年同期比9.1%増)、営業利益は519億32百万円(同1.7%増)、経常利益は為替差益の減少等の影響により563億5百万円(同1.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度において段階取得に係る差損を計上したこと等により381億48百万円(同3.3%増)となりました。
なお、当社グループでは、営業利益から企業結合に係る投資差額(のれん及び無形固定資産等)の償却費及び超インフレ会計による影響額を控除した「調整後営業利益」を連結経営成績の指標の一つとして開示することとし、当連結会計年度における調整後営業利益は610億94百万円(前年同期比5.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、各セグメントの調整後営業利益については、注記事項(セグメント情報等)をご参照ください。
1.日本
日本におきましては、深掘りを進める飲食市場、積極的な開拓を進める飲食外市場に向け、ノンフロン自然冷媒を使用した冷蔵庫、製氷機や、食器洗浄機等主力製品を中心とした拡販を実施いたしました。特に飲食・サービス業界においては、原材料費や人件費等のコストアップ、人手不足の深刻化等は継続しているものの、インバウンド需要の継続等を受け高まっている設備投資需要への対応に注力いたしました。この結果、売上高は2,341億25百万円(前年同期比3.9%増)、セグメント利益は304億4百万円(同5.8%増)となりました。
2.米州
米州におきましては、顧客開拓・関係強化等に注力しながら、製氷機、冷蔵庫、ディスペンサ、食器洗浄機等の拡販を実施しました。加えて、当連結会計年度第4四半期より買収企業を連結したことによる業績寄与があった一方で、買収関連やERPシステム導入に伴う一時的な費用に加え、人件費等のコストアップの影響を受けました。この結果、売上高は1,219億13百万円(前年同期比12.5%増)、セグメント利益は110億6百万円(同2.6%減)となりました。
3.欧州
欧州におきましては、グループ会社間の連携強化等にも注力しつつ、主力製品である製氷機、冷蔵庫等の拡販を実施した一方で、競争環境の激化及び人件費等のコストアップの影響がありました。特にトルコにおいては、超インフレ経済環境下によるコストアップの影響に加え、超インフレ会計の適用に伴う損益への影響も受けました。この結果、売上高は591億27百万円(前年同期比7.4%増)、セグメント利益は14億61百万円(同54.6%減)となりました。
4.アジア
アジアにおきましては、インドを中心に、冷蔵庫等の販売が好調に推移しました。この結果、売上高は817億19百万円(前年同期比18.1%増)、セグメント利益は144億30百万円(同25.0%増)となりました。
ロ.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ280億7百万円増加し、5,756億46百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ479億94百万円減少し、3,423億13百万円となりました。主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産が増加した一方で、子会社株式の取得等により現金及び預金が減少したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ760億1百万円増加し、2,333億32百万円となりました。主な要因は、のれんの増加によるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ30億92百万円減少し、1,617億31百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ56億75百万円増加し、1,355億98百万円となりました。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ87億67百万円減少し、261億33百万円となりました。主な要因は、退職給付に係る負債の減少によるものであります。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ310億99百万円増加し、4,139億14百万円となりました。主な要因は、利益剰余金、為替換算調整勘定の増加によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ549億49百万円減少し、1,594億42百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、305億28百万円の収入(前期は473億44百万円の収入)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益が562億49百万円、法人税等の支払額が181億97百万円、退職給付信託の設定額が86億50百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、758億76百万円の支出(前期は373億73百万円の支出)となりました。主な要因は、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が642億54百万円、有価証券及び投資有価証券の取得による支出が102億38百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、150億6百万円の支出(前期は401億71百万円の支出)となりました。主な要因は、配当金の支払額が156億7百万円あったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
前期比(%) |
|
日本(百万円) |
87,801 |
101.7 |
|
米州(百万円) |
100,991 |
118.4 |
|
欧州(百万円) |
50,390 |
111.3 |
|
アジア(百万円) |
59,208 |
116.0 |
|
合計(百万円) |
298,392 |
111.4 |
(注)金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
ロ.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
前期比(%) |
|
日本(百万円) |
64,299 |
112.3 |
|
米州(百万円) |
4,180 |
209.4 |
|
欧州(百万円) |
7,603 |
114.3 |
|
アジア(百万円) |
14,965 |
119.1 |
|
合計(百万円) |
91,049 |
116.1 |
(注)金額は、仕入価格によっております。
ハ.受注実績
当社グループは、見込生産を行っているため、該当事項はありません。
ニ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
前期比(%) |
|
日本(百万円) |
226,739 |
104.3 |
|
米州(百万円) |
121,183 |
112.5 |
|
欧州(百万円) |
57,648 |
108.7 |
|
アジア(百万円) |
80,319 |
119.3 |
|
合計(百万円) |
485,890 |
109.1 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性の存在により、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績等の分析
1.経営成績
売上高は4,858億90百万円(前年同期比9.1%増)となりました。セグメントごとの売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は、日本は2,341億25百万円(同3.9%増)、米州は1,219億13百万円(同12.5%増)、欧州は591億27百万円(同7.4%増)アジアは817億19百万円(同18.1%増)となりました。海外売上高は2,591億51百万円(同13.7%増)となり、連結売上高に占める海外売上高比率は53.3%(同2.1ポイント増)となりました。
売上原価は3,044億49百万円(前年同期比9.1%増)となりました。売上総利益は1,814億41百万円(同9.0%増)となりました。売上総利益率は37.3%(同0.0ポイント減)となりました。
販売費及び一般管理費は1,295億8百万円(前年同期比12.2%増)となりました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は26.7%(同0.7ポイント増)となりました。営業利益は519億32百万円(同1.7%増)となりました。セグメント利益は、日本は304億4百万円(同5.8%増)、米州は110億6百万円(同2.6%減)、欧州は14億61百万円(同54.6%減)、アジアは144億30百万円(同25.0%増)となりました。
営業外収益は75億59百万円(前年同期比14.9%減)となりました。営業外費用は31億85百万円(同25.3%増)となりました。経常利益は563億5百万円(同1.9%減)となりました。
特別利益は1億27百万円(前年同期比4.7%減)となりました。特別損失は1億83百万円(同93.1%減)となりました。税金等調整前当期純利益は562億49百万円(同2.5%増)となりました。
法人税等合計は175億21百万円(前年同期比0.2%増)となりました。非支配株主に帰属する当期純利益は5億79百万円(同29.5%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は381億48百万円(同3.3%増)となりました。
なお、経営成績に影響を与える要因の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 」もご覧ください。
2.財政状態
財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 ロ.財政状態」のとおりであります。
3.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」のとおりであります。
ロ.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
また、事業運営上必要な資金を確保すると共に、経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持することを基本方針としております。事業活動に必要な資金については、主に内部資金を活用しております。また、グループ内余剰資金を活用するためにキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、資金効率の向上に努めております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は107億82百万円、現金及び現金同等物の残高は1,594億42百万円となりました。
(当社連結子会社による株式取得(孫会社化)の件)
当社は、2025年6月12日、会社法第370条及び当社定款第26条に基づく取締役会の書面決議にて、当社の連結子会社であるHoshizaki USA Holdings, Inc.を通じて、Structural Concepts Corporationの親会社であるSC Holding Corp.の買収を決定し、2025年7月31日付で全株式を取得、子会社化(当社の孫会社化)いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご覧ください。
当社グループにおける研究開発活動は、日本では当社等が製品の研究開発を行っており、米州ではHOSHIZAKI AMERICA,INC.、LANCER CORPORATION等が、欧州ではHOSHIZAKI EUROPE LIMITED等が、アジアでは星崎商厨智造(蘇州)有限公司、Western Refrigeration Private Limited等が行っております。当社グループにおける研究開発部門では、市場情報収集から要素開発、試作、設計、生産フォローアップまでの一貫した研究開発体制を持つことで、最終顧客の多種多様なニーズに対応しております。当連結会計年度は、新規開発及びモデルチェンジを中心とした開発活動と、収益性を向上させるためのコスト低減活動を行っております。
なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は
(1)日本
①当社
(冷蔵庫)
恒温高湿庫及びリーチインショーケースについてモデルチェンジを行い、冷媒を自然冷媒へ切り替えた製品を製品化いたしました。環境に影響を及ぼす特定フロンや代替フロンに代えて自然冷媒を用いることで、従来製品に比べ地球温暖化係数(GWP)を約99%削減しております。
(製氷機)
キューブアイスメーカー(小型・中型・バーチカル型)、チップアイス・フレークアイスメーカーについてモデルチェンジを行い、冷媒を自然冷媒へ切り替えた製品を製品化いたしました。また、北米向けのホールインアイスメーカーとビッグアイスメーカーについても同様にモデルチェンジを行い、冷媒を自然冷媒へ切り替えた製品を製品化いたしました。これらの製品では、環境に影響を及ぼす特定フロンや代替フロンに代えて自然冷媒を用いることで、従来製品に比べ地球温暖化係数(GWP)を約99%削減しております。
(ディスペンサ)
チップアイスディスペンサ及び欧州向けシャトルアイスディスペンサについてモデルチェンジを行い、冷媒を自然冷媒へ切り替えた製品を製品化いたしました。これらの製品では、環境に影響を及ぼす特定フロンや代替フロンに代えて自然冷媒を用いることで、従来製品に比べ地球温暖化係数(GWP)を約99%削減しております。
さらに、自然冷媒を使用したディスペンサ製品の開発・展開として、韓国向け炭酸ディスペンサ、北米向けビールディスペンサ、欧州向けファッションドラフトをそれぞれ開発し、製品化いたしました。
(その他)
大型の据置型真空包装機を開発し、製品化いたしました。本製品は、既存の卓上シリーズでは対応が困難であった大型魚類等の包装を可能とするもので、水産加工系を中心とした飲食外市場向けの製品です。
天井据置型冷蔵ユニットを開発し、製品化いたしました。本製品は、農業、酒販店、食料品店等における1坪のプレハブ冷蔵庫向け冷凍ユニットであり、環境負荷低減の観点から自然冷媒を採用しております。
真空マイクロ波解凍機を開発し、製品化いたしました。本製品は魚介類の解凍ニーズに対応したもので、マイクロ波加熱と真空冷却を交互に行うことにより、内部まで均一な解凍を可能とするとともに、表面に付着した氷の昇華作用を利用することでドリップを抑制する高品質な解凍を実現しております。
恒温高湿ネタケースについてモデルチェンジを行い、冷媒を自然冷媒へ切り替えた製品を製品化いたしました。環境に影響を及ぼす特定フロンや代替フロンに代えて自然冷媒を用いることで、従来製品に比べ地球温暖化係数(GWP)を約99%削減しております。
消毒保管庫についてモデルチェンジを行い、製品化いたしました。ドアやパッキンの強度向上により耐久性を高めるとともに、開閉操作力の低減を図りました。また、運転状態のメモリ機能を搭載することで、HACCPへの対応を強化しております。
(2)米州
①HOSHIZAKI AMERICA,INC.
米国において、フロン冷媒の生産及び消費削減を目的としたAIM法への対応として、2026年より規制対象となる製氷機についてモデルチェンジを行い、冷媒を自然冷媒へ切り替えた製品を製品化いたしました。また、冷蔵庫においては、特定顧客向け及び一般顧客向けに製品バリエーションの拡充を図り、顧客ニーズに対応した製品開発を進めております。
②LANCER CORPORATION
米国以外のグローバル市場向けに、特定顧客のニーズに対応したディスペンサを開発し、製品化いたしました。また、製品サイズを維持したまま提供可能なドリンク種類を拡充するため、ディスペンサの抽出バルブの改良を行い、付加価値の向上を図りました。
(3)欧州
①HOSHIZAKI EUROPE LIMITED
欧州におけるFガス規制への対応として、製氷機の大型機についてモデルチェンジを行い、冷媒を自然冷媒へ切り替えた製品の開発を進めております。これにより、小型機から大型機まで製氷機全体において環境負荷低減への対応を図っております。また、大型クルーズ船向け製氷機について自然冷媒化を行い、製品化いたしました。
さらに、氷を保管する貯氷庫においては、衛生面及び保冷性能の向上を図った製品の開発を進めております。
(4)アジア
①星崎商厨智造(蘇州)有限公司
中国及び東南アジア市場向け冷蔵庫についてフルモデルチェンジを行い、省エネ性能の向上及び自然冷媒の採用により環境負荷低減を図った製品を製品化いたしました。ハイエンドタイプ「金星」にはインバータ圧縮機を搭載し、中国及びシンガポールの省エネ規制において上位グレード相当の省エネ性能を実現しております。また、製氷機においてはシリーズ拡充を図り、キューブアイスメーカー、クレセントアイスメーカーに加え、フレークアイスメーカーなどを開発し、製品化いたしました。
さらに、特定顧客向け製品として、ミルクティー等の定量抽出が可能なスマートディスペンサ、衛生性を向上させた自動洗浄機能付き製氷機及び解凍庫を開発し、製品化いたしました。
②Western Refrigeration Private Limited
インド市場においては、省エネ性能を改善したヴィジクーラーを開発し、製品化いたしました。また、冷蔵庫についてモデルチェンジを行い、冷媒を自然冷媒へ切り替えた製品を新たに製品化いたしました。ウォータークーラーにおいては、顧客層の拡大を目的として製品バリエーションの拡充を図り、小型機を開発し、製品化いたしました。
さらに、主要製品についてはインドからのグローバル展開を見据え、輸出向け製品の開発及び製品化を進めております。