文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、グループの使命・存在意義である経営理念として、下記のとおり掲げております。
① 我々は、エプコグループで働く情熱ある社員とその家族の幸福を追求します。
② エプコグループの存在目的は、社会問題を解決し、国民生活に貢献することです。
③ エプコグループは、世界の人々の住まい、暮らしを支えるインフラ企業を目指します。
[行動規範]お客様からパートナーと認められる思考と行動をする。
[提供価値]社会問題を解決するサービス・技術を提供する。
[企業像] 人々の暮らしを支える強固な社会インフラ企業を目指す。
[経営目標]エプコのサービスを世界の人々の住まいや暮らしにインサイドさせる。
当社グループは、これからの社会課題の解決に貢献することを目指して、「中期経営計画(2025年~2027年度)~変化への挑戦(第1フェーズ)~」を2025年2月13日に発表しました。当該計画における基本方針及びセグメント別の事業方針は下記のとおりです。
<中期経営計画(2025年~2027年度)の基本方針>
① 再エネ領域においては再エネ設備の普及拡大を通じて売上を増加させる。
② 住宅領域においてはDXによる生産性向上を図り利益率を向上させる。
③ 新規事業領域においては第3の事業の柱を創出し、第2フェーズの収益源に育てる。
<セグメント別の事業方針>
中期経営計画(2025年~2027年度)における定量目標は下記のとおりです。
再エネ領域で事業を拡大し、住宅領域で業務変革を実現することで、売上高の拡大及び利益率の拡大を目指す。
<セグメント別売上高目標>
<セグメント別経常利益率目標>
<セグメント別経常利益目標>
(4) 会社の経営環境及び対処すべき課題
1.当社グループを取り巻く外部環境
2025年は米国の関税による悪影響の顕在化が予想されたものの、年の後半より関税コストの低減、AI関連需要の拡大を背景に、世界経済は回復基調を示しました。一方で、世界的な金融政策の変動や地政学リスクの高まりにより、国際情勢は依然として不安定な状況にあります。また、日本経済は内需の底堅さに支えられ回復基調が続いているものの、円安傾向や物価高の継続により、先行きの不透明感は一層強まっており、経済成長の持続性には懸念が残る状態です。
当社グループの主力市場である日本の新築住宅市場は、少子高齢化や建築資材価格の高騰に加え、2025年4月に施行された改正建築基準法および改正建築物省エネ法の影響により同年の新設住宅着工戸数(持家)は前年同期比7.7%減の20.1万戸と大幅な減少となりました。一方、日本政府により省エネ住宅取得支援制度が拡充され、高機能住宅の取得促進が図られております。
地球温暖化の影響により、異常気象や自然災害の頻発・激甚化を通じて、様々な問題が引き起こされ、これらが常態化しつつある現状にあります。日本政府は脱炭素社会の実現に向けて「第7次エネルギー基本計画」において、2040年度の電源構成における再生可能エネルギー比率を40〜50%へ引き上げる方針を明確に示しています。これを受け、再生可能エネルギーの普及に向けて政府および自治体から様々な補助金・助成金の制度の充実が図られるようになりました。
2026年は再生可能エネルギーの実装に向けた取り組みが加速すると見込まれている中、当社グループはこのような環境の変化に柔軟に対応してまいります。
2.再エネサービスの業況と対策
再エネサービスでは、東京電力エナジーパートナー株式会社と当社との合弁で設立したTEPCOホームテック株式会社(以下、TEPCOホームテック)、当社100%子会社である株式会社ENE's(以下、ENE’s)が事業の中心となります。
再生可能エネルギーの普及を促進するために、太陽光発電システムや蓄電池等の従来型の設備はもちろんのこと、超軽量・薄型太陽光パネル、ペロブスカイト太陽電池等、次世代技術の実用化も急速に発展しております。当社グループはこうした技術革新を的確に捉えつつ、設置工法の高度化や施工体制の強化を進め、幅広いニーズに対応したソリューションの提供を推進します。
また、再生可能エネルギーの導入が社会的に求められる一方で、設備投資の負担が普及拡大の阻害要因となることから、当社グループでは、初期費用を抑えながら太陽光発電システム等の再エネ設備を利用できる「エネカリ」「エネカリプラス」を展開し、コスト面でのハードルを下げつつ安定したエネルギー利用を可能とする仕組みづくりを進めております。
TEPCOホームテックの戦略的施工会社である当社子会社のENE'sにおいては、TEPCOホームテックの事業拡大に伴う受注量の増加に加え、再エネ設備の普及に従い拡大する保守・点検需要に対応した体制の強化が求められています。拠点や人員の拡充、施工効率の向上、M&Aを含めた他社との業務・資本提携により体制整備を着実に進めることで、増加する受注への確実な対応と、信頼性の高いサービス提供基盤の構築を進めてまいります。
3.メンテナンスサービスの業況と対策
メンテナンスサービスは、住宅のアフターメンテナンス全般に関わるハウスマネジメントサービスであり、既存住宅を対象とした積み上げ式のストック型ビジネスであることから、業績は安定して推移しております。事業継続体制の強化を目的として2022年に石川県金沢市に「金沢オペレーションセンター」を設立して以来、沖縄・東京・金沢の3拠点において、さらなる受注量の増加に対応するため、業務処理能力の強化を図っております。
新設住宅着工戸数の減少を背景に、当社グループの主要顧客である大手住宅会社は既存顧客との関係性を活かしたリフォーム需要の創出にシフトしていることから、当社においても住宅履歴データを活用した分析・提案、新サービスの開発に加え、当社が保有するメンテナンスノウハウ・データ基盤・工事ネットワークを活かした新たなビジネスモデルの創出にも取り組んでまいります。また、サービス品質の向上については、音声解析・データ分析・AI 等の最新技術を積極的に取り入れることで、顧客ニーズの可視化、オペレーターの生産性向上を図り、付加価値の高いメンテナンスサービスの提供をすすめてまいります。
メンテナンスサービスでは住宅会社向け業務に加え、エネルギー企業からの業務委託も増加しています。再エネサービスの成長と連動し、今後も受託量のさらなる拡大が見込まれることから、当社としては再エネ領域のメンテナンスサービスに一層注力してまいります。また、新規事業領域として、火災保険関連事業やデータ活用事業にも積極的に取り組んでまいります。
4.設計サービスの業況と対策
住宅領域の設備設計サービスを取り巻く経営環境は、年々厳しくなる環境にさらされています。住宅業界は人口減少という構造的課題を抱えており、新設住宅着工戸数の減少は歯止めがかからない状況にあります。
こうした事業環境の変化に対応するため、当社グループではDXを活用した生産性向上施策である「D-TECH2.0プロジェクト」を推進し、限られた人員で、高品質なサービス提供を目指しております。これにより持続的な利益率向上を実現していくとともに、人材のポートフォリオ転換を行い、成長市場である再エネ領域での設計・施工・メンテナンス業務や、新規事業領域へと人材を適切に配置していく方針です。
再エネ領域の設備設計サービスでは、太陽光パネルの割付図作成やEV充電器の申請図面作成などを手掛けています。これらのエネルギー企業向けの設計業務の需要が拡大していることから、専門人材の育成を強化しております。また、住宅分野においてCADの3次元化やBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用ニーズが高まりつつある中、当社はこれまで培ってきた技術とノウハウを活かし、こうした新たな需要に対して確実な対応を進めてまいります。
当社グループは、中期経営計画の実現に向け「変化への挑戦」をスローガンに「脱炭素×建築DX」を推進し、社会課題の解決に貢献してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりです。なお、特に記載のない限り、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)サステナビリティに関する考え方
当社グループは、設立より30年以上にわたって住宅のライフサイクル全般に関わる領域で事業成長を果たしてまいりました。当社が2002年に上場して以来、増収増配を継続し成長を続けておりますが、当社グループの持続的成長を支えているのは、ESG(Environment:環境、Social:社会、Governance:ガバナンス)を根幹に位置付け、サステナビリティを重視した事業運営であります。
地球温暖化による影響は年々深刻化しており、それに伴う自然災害が国内外で増加している中、持続可能な社会の実現に向けた事業活動を行うことの重要性が一層高まっております。
そうした中、当社グループは、持続可能な社会の実現を果たすために、パーパス(存在意義)として「HCDs(Housing Carbon Neutrality Digital Solutions)」を新たに掲げて、当社グループの事業活動を通して「住まい・暮らし・地球環境をデジタル技術で支える」ことを目指しております。
パーパス:住まい・暮らし・地球環境をデジタル技術で支える

(2)ガバナンス及びリスク管理
①ガバナンス
当社グループは、サステナビリティ経営をグループ全社で横断的に推進するため、「サステナビリティ委員会」を設置しています。「サステナビリティ委員会」は、サステナビリティに関するグループ方針や目標の策定、各事業会社・事業部の取り組み状況の進捗モニタリングを行い、取締役会ではその内容について、論議・監督を行っています。
<サステナビリティ推進体制図>

②リスク管理
当社グループは、リスクを「環境変化の中で、組織の収益や損失に影響を与える不確実性」と定義しています。
リスクには、プラス面(機会)、マイナス面(脅威)の両面があり、企業が適切に対応することにより、持続的な成長につながると考えています。
また、当社グループは、リスクを戦略の起点と位置づけ、全社的に管理する体制を構築することが重要であると考えています。「総合リスク対策委員会」では、外部環境分析をもとにリスクを識別・評価し、優先的に対応すべきリスクの絞り込みを行い、当社グループの戦略に反映して対応しています。
当社グループは、「総合リスク対策委員会」で特定したリスクのうち、サステナビリティに係るリスクについて、「サステナビリティ委員会」の中でより詳細に検討を行い、各事業会社・事業部と共有化を図っています。
各事業会社・事業部ではサステナビリティの取組みを実行計画に落とし込み、「サステナビリティ委員会」で各実行計画の進捗確認を行っています。
その内容について、「総合リスク対策委員会」及び「サステナビリティ委員会」において、進捗のモニタリングを行い、最終的に取締役会へ報告を行っています。
<リスク管理プロセス>

<リスク管理体制>
(3)気候変動への対応
当社グループは、気候変動に関するリスク及び機会を重要な経営課題のーつと認識しており、2022年3月「TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)」提言への賛同を表明いたしました。TCFD提言への賛同を機に、気候変動がもたらす事業へのリスクと機会について、分析と対応を一層強化し、関連情報の開示を推進していくとともに、2050年の脱炭素社会実現に貢献する取組みを進めてまいります。
①戦略
異なるシナリオ(平均気温上昇1.5℃、4℃)における財務的影響及び事業インパクトを評価するとともに、気候関連リスク・機会に対する当社戦略のレジリエンスを評価することを目的として、シナリオ分析を実施しております。
事業/財務影響評価
大:事業戦略への影響または財務的影響が大きいことが想定される
中:事業戦略への影響または財務的影響が中程度と想定される
小:事業戦略への影響または財務的影響が小さいことが想定される
気候変動に関するリスクは、当社グループ経営に少なからずマイナスの影響を与えうると想定されるものの、当社グループの事業は情報システムを活用したソフトサービスが中心で、温室効果ガスの排出量が少ない事業であること、また、多様な事業からなる事業ポートフォリオによりリスク対応が可能であることから、グループ全体に与える財務的なネガティブリスクは限定的と分析しております。
むしろ、多様な技術・事業によって、気候変動に関する新たな事業機会を獲得できるポテンシャルがあると認識しており、財務的な影響としてはネガティブリスクよりも事業機会の獲得に伴うポジティブな影響の方が大きいと捉えております。
当社グループにおける気候変動に関するリスクと機会の一覧については、下記のとおりです。
■リスク
表1 気候変動リスクに関する財務的な影響及び当社グループの対応方針
■機会
表2 気候変動機会に関する財務的な影響及び当社グループの対応方針
※ なお、当社グループにおける気候変動リスク及び機会に重要な影響を与える項目のひとつとして、我が国における長期的な電源構成に関する政策方針が挙げられます。この度の開示においては、2025年2月に公表された第7次エネルギー基本計画における電源構成を前提に検討しておりますが、今後、再生可能エネルギーや原子力発電の活用について様々な議論がなされることが予想されるため、今後ともエネルギー政策動向について注視してまいります。
②指標と目標
当社グループにおけるScope1・2の温室効果ガス(以下、GHG)排出量実績は、下表のとおりです。
(※)上記排出量は、マーケット基準(Scope2を算定する際に、電力会社やメニューごとのGHG排出係数を用いる方法)にて算出しております。GHG排出原単位は、連結売上高1億円当たりのGHG排出量(Scope1・2の合計)です。
(※)電気事業者別排出係数に関しては、算定方法変更に伴い環境省による公表が遅れたため、昨年度の数値を用いて試算しております。
<過去3年間のGHG排出量実績推移>

<GHG排出量に関する当社グループの分析>
1.排出量(Scope1)に関しては昨年に引き続き、Scope1排出量の大半を占める子会社のENE‘s社において、効率的な施工管理体制を構築したことで、社用車での移動距離が削減されたことにより、Scope1の排出量は減少傾向にあります。
2.一方、排出量(Scope2)に関しては、最も従業員数の多い沖縄オペレーションセンターでの電力使用量の削減には成功したものの、電力会社のGHG排出係数の増加が、電力使用量削減の効果を上回ったため、前期比で8.9%増加しております。
3.この結果、2025年度における連結売上高当たりのGHG排出量は前期比で減少しております。
<GHG排出量に関する当社グループの目標>
前述した実績の推移を踏まえて、当社グループは今後の取組みとして下記の事項を進めてまいります。
1.Scope1・2におけるGHG排出量については、デジタル化による業務効率向上を推進することで、GHG排出量の削減に努めてまいります。また、GHG排出量の削減を行う上では、連結売上高当たりの排出量(GHG排出量原単位)をKPIとして設定し、定量的な管理を実施する方針です。
2.当社グループにおけるGHG排出量を削減するにあたり、再生可能エネルギーの調達やJクレジットの導入についても併せて検討いたします。
3.当社グループにおけるGHG排出量の削減に努めるとともに、脱炭素社会に貢献するサービスを提供することで取引先企業におけるGHG排出量を削減することについても注力してまいります。
(4)人的資本に対する取組み
① 経営戦略と連動した人材戦略
a. 経営戦略・ビジネスモデル
エプコグループは、「住まいと暮らし、環境を支える」をミッションに掲げ、住宅のライフサイクル全般に関わる3つのサービス(設計、メンテナンス及び再エネサービス)を提供しております。
当社グループの主たる事業領域である住宅・建設業界は、日本をはじめとする先進国で少子高齢化が進む中、デジタル技術を活用したイノベーションによる生産性向上及び世界的な課題である脱炭素社会の実現を目指すことが求められております。当社グループが持続的に企業価値を向上させるためには、社会的なニーズに応える経営戦略と表裏一体で、その実現を支える人材戦略を策定し、実行することが不可欠と捉えております。
また、当社グループは2025年2月に「中期経営計画(2025-2027)~変化への挑戦(第1フェーズ)~」を策定いたしました。本中期経営計画では、再エネ領域において再エネ設備の普及拡大で売上を増加させ、住宅領域においてDXによる生産性向上で利益率を向上させることを目指しております。また、第2フェーズ(2028年~2030年)にむけて、第3の事業の柱を創出し、①住宅領域、②再エネ領域、③新規事業領域の3本柱で事業成長を果たしてまいります。この計画を達成するための人材戦略として、先に掲げた3つの事業領域での人材ポートフォリオの転換とダイバーシティ・イノベーションに取り組んでまいります。
<人的資本に関する取り組みの全体像>経営戦略と人材戦略の連動

b. 人的資本への依存・影響
当社が提供するサービスはいずれもソフトサービスを中心とした、知識・労働集約型産業であるため、当社グループにおけるもっとも重要な価値創造の源泉は人的資本であると捉えております。
再エネサービスは東京都における太陽光パネル設置義務化をはじめとする政策の後押しがあり、工事受託件数が着実に増加しており、当社グループの成長を牽引するセグメントとなっております。このため、施工キャパシティの確保(施工人員の確保・育成)が当社グループの業績に直結する最重要テーマです。
メンテナンスサービスはハウスメーカーより依頼される管理世帯数が年々増加するビジネスモデルであり、それに対応するコールセンターオペレーターの人員確保と育成が重要です。また、中心的な役割を担ってきた沖縄オペレーションセンターに加え、事業のさらなる発展とBCP体制の強化を目的として2022年に金沢オペレーションセンターを設立し、当該拠点の拡大・強化を図ることで当社グループ全体のサービス供給力と業務継続性の向上に取り組んでおります。
設計サービスにおいては、住宅着工戸数の減少等が続く厳しいマクロ環境の中で、先に掲げた「中期経営計画(2025-2027)~変化への挑戦(第1フェーズ)~」において重要テーマと位置付けている生産性向上施策である「D-TECH2.0プロジェクト」により業務の抜本的改革を進めておりますが、現状の事業運営においては依然として熟練スタッフのノウハウや設計オペレーターの作業量に依存している状況です。
c. 人的資本関連リスクと機会
b.で掲げた通り、当社のサービスは知識・労働集約型産業であり、持続的な成長に向けては優秀な人材の確保と定着が重要な経営課題となっております。また、雇用形態や働き方が多様化する中で、企業文化の醸成、コンプライアンス意識の統一、情報セキュリティに対する意識向上など、組織運営の高度化に取り組む必要性が高まっております。
一方、中期経営計画で掲げるDXによる抜本的な業務効率化により、一人当たりの生産性が向上することで、収益性向上に加え、当社グループ従業員の待遇の改善を実現してまいります。また、コールセンターをはじめとする各職場においてはデジタル技術をフル活用することで、障害を持つ方などこれまで働くうえでハンディキャップがあった方々に対しても、新たな働く選択肢を提供できるものと考えております。
② 人材登用方針
a.エプコグループが求める人材像
当社グループは「住まいと暮らし、環境を支える」という当社グループのミッションおよび中期経営計画の実現に向け、下記に掲げる当社グループが求める人材像を定義しております。
(エプコグループが求める人材像)
1.当社グループ中期経営計画の実現に向けリーダーシップを発揮できる人材
2.主体的に学び、専門性を身に着け、新しいことに挑戦できる人材
3.常識を疑い、革新を起こせる人材
このような人材を確保し、登用するために「人材ポートフォリオの転換」、「ダイバーシティ・イノベーション」を実行し、持続的な企業成長に繋げてまいります。
b.人材ポートフォリオの転換
当社グループは中期経営計画に基づき、成長事業への人材シフトを行ってまいります。事業領域別の注力テーマと施策は以下の通りです。
(再エネ領域)
再エネサービスにおけるエプコグループ各社のさらなる連携強化を目的として、2025年より再エネ事業本部を新設しました。また、通常の配置転換に加え、TEPCOホームテックやENE’sなど、グループ会社への出向公募制度を活用し、エプコグループで働く従業員に等しく成長領域である再エネ領域での就業機会を提供しております。今後も計画的に再エネ領域に携わる人員転換を図ってまいります。
さらに、施工人員を確保するための施策として、海外(中国・吉林省)からの技術者受入れ・育成を行うとともに、施工エリアの拡大に備えたM&Aの検討も行ってまいります。
(住宅領域)
住宅領域においては、DXによる労働生産性の革新的な向上を目指してまいります。祖業である設計サービスにおいては、「D-TECH2.0プロジェクト」を始動し、既存業務を3分の1の人員で遂行することを目標とし、業務自動化・自動作図/検図・クラウド化を進めることで省力化・効率化を図ります。それに伴い、より専門性の高い人材を育成し、業務の高度化を進めるとともに、成長分野である再エネサービスや、人材確保が必要なメンテナンスサービスへの人材配転を行ってまいります。また、メンテナンスサービスにおいては、既存のメンテナンス業務の効率化をDXで実現し、既存業務人員については、より付加価値の高い設計業務や家歴データ活用ができるプロフェッショナル人材として育成してまいります。
(新規事業領域)
当社グループは、エネルギー領域、住宅領域に加えて、新規事業領域で第3の事業の柱を創出するため、火災保険関連事業、非住宅BIM事業、データ活用事業などの新サービスを検討しております。現在は事業探索の段階であり、プロジェクトの進行度合いに合わせて必要な人材確保を行ってまいります。
(コーポレート機能)
事業環境の変化に対応し持続的成長を実現するためには、人材ポートフォリオの転換と意思決定力の強化が不可欠であると認識しております。このため、事業部との連携を深め、事業経験を有する人材をコーポレート部門へ登用するなど部門横断の人材交流を推進し、経営判断の高度化を図ってまいります。また、拠点毎にコーポレート機能を適切に配置することで、課題に迅速に対応できる体制を整備し、経営管理体制の強化を進めてまいります。
c.ダイバーシティ・イノベーションの推進
当社グループの組織の特徴は、①男女比率がほぼ同数であること、②外国籍社員比率が27%と高い水準であることが挙げられます。一方で、当社の組織は、①コールセンターや再エネ施工技術者の不足、②子育て世代が最大限に活躍できる環境整備、③抜本的な業務改革を先導する高度専門技術者の確保、④カルチャー・トランスフォーメーションの中心となる新卒・若手人材の確保などの課題を抱えております。この当社グループの組織の特徴を活かしつつ、抱える課題を解決するためには、多様な国籍・人種・性別・価値観・働き方にとらわれず、幅広くご参加頂くことが必要不可欠と考えており、当社グループとして、多様な人材を登用し活躍する体制を整備してまいります。
<当社グループのダイバーシティ・イノベーション全体像>

(次世代経営人材の登用)
事業戦略の実現可能性を高めるため、経営層のスキル・経験の多様化を進めるとともに、将来を見据えた組織基盤を強化することが重要であると認識しております。具体的には、経営体制の強化ならびに経営人材育成を強化するため、執行役員の上に常務執行役員という上位役職を新設し、新たな執行役員の登用においては、事業を牽引し成果をあげた実績や多様な知見・専門性、リーダーシップの発揮等の観点から、計画的に育成・選考をしております。なお、エプコグループの成長を牽引するENE’sやTEPCOホームテックといったグループ企業に出向する従業員から役員を抜擢することで、経営体制におけるグループ連携を強化しております。
また、事業推進を強化するため、本部長を補完する役職として副本部長の新設を行いました。管理職層にも層の厚さを持たせることで、事業執行の強化と組織力の底上げを進めてまいります。
(グローバルな人材活用)
当社グループは、2000年代初頭より中国での事業展開を開始し、現在では設計サービスにおける生産設計拠点である東北部の吉林省吉林市を中心に、エプコグループ全体に占める外国籍従業員比率は約27%であることから、今後もグローバルに活躍する人材を積極的に登用する方針です。特に、新卒採用においては、留学生を中心とした海外出身の優秀な学生を積極的に採用することで、海外との連携を深めていく方針です。
設計サービスにおいては、D-TECH2.0の取り組みテーマの1つとして、吉林への業務移管を進めております。2023年~2026年にかけて中国・吉林省にある子会社で意欲のある社員を募り、日中での人材交流を行った結果、業務移管が大きく前進しました。
また、再エネサービスにおいては、施工人材が不足しており、採用競争が激化していることから、外国籍人材を施工技術者として育成することおよび施工会社のM&Aを進めることで、事業成長に応じたキャパシティ確保に努めてまいります。
(高度専門技術者の確保)
当社グループは、特に住宅領域における抜本的な業務改革を推し進め、利益率の向上を図るために、これまで以上にDXを進めていく方針であり、IT分野における高度技術者の確保が急務となっております。このような人材に参画いただくために、テレワーク活用等の柔軟な働き方を前提とし、オフィスから遠方に居住する方々に対しても採用活動を行ってまいります。
(聴覚障碍者の積極的採用)
当社のメンテナンスサービスにおいて、また、コールセンター業界全体としても、人材不足が常態化した課題です。それに対する解決策として、デジタルツールをフル活用し、音声でのやり取りを必要としない「日本一静かなコールセンター」を目指しており、聴覚に不安を覚える方が安心して無理なく働ける職場づくりに取り組んでいます。現在、聴覚障害者の方が5名在籍しており、コールセンター運営の最適化を図っております。
(各事業拠点別の人材確保)
当社のメンテナンスサービスおよび設計サービスは、東京・沖縄・石川・中国(香港・吉林)の4拠点で事業を展開しており、拠点ごとの役割に応じた人材確保を進めています。特に業績への影響が大きいのは、メンテナンスサービスのコールセンターオペレーターであり、これらの確保が最重要課題となっています。コールセンターは現在沖縄に約250名が在籍しており依存度が高いため、金沢拠点での採用を強化しつつ、柔軟な働き方を可能にする体制整備を進めてまいります。
また、再エネサービスは、グループ会社を中心に東京、埼玉、群馬、神奈川、京都、中国(広東・深圳)の6拠点で事業を展開しており、なかでもENE’sの施工人員の確保が特に重要な課題となっております。そのため、本社オフィスを武蔵浦和へ移転すること等で職場環境の改善を進め、採用力を高めるとともに、施工パートナーの拡大やM&Aの検討を通じて施工キャパシティの確保を図ってまいります。
(従業員(男性・女性)の雇用状況)
当社グループでは、女性が仕事と家庭を両立しつつ、その個性と能力が十分に発揮できる職場環境をつくることは企業に求められる基本的役割の一つであると考えています。
また、当社グループは業務の特性上、男性・女性を問わず活躍できる環境であることから、従業員における男性・女性比率は概ね同数の人員構成であります。
今後は、特に子育て世代に対する支援を手厚く提供することで、事業領域を問わず様々な挑戦を後押しし、人材の流動性を高めることで人材ポートフォリオの転換および管理職への抜擢を図ってまいります。
③ 人材育成方針
当社グループの中期経営計画の実現に向け、当社グループの求める人材像およびスキルセットに基づき、以下のような教育プログラムを提供してまいります。
<当社グループの人材育成 全体像>

(当社で活躍するためのベーススキルに関する育成項目)
当社グループにて採用・育成した人材が持てる能力を最大限に発揮するためには、信頼関係に基づき、より良い職場環境づくりに継続して取り組む組織風土が重要であると考えております。
当社グループでは、「エプコグループ行動規範」において不正や法令違反等の行為を許さない経営メッセージを伝えるとともに、全ての役職員を対象としてコンプライアンス研修を定期的に実施することで、健全な組織風土の理解浸透に取り組んでおります。
また、従業員の成長度合いに合わせた階層別の研修を実施しています。当社グループでは階層毎にテーマを定め、業務上で必要なスキルだけではなく、企業運営において守るべき労働関連法規をはじめとする法令、組織運営に欠かせない人材マネジメント、コンプライアンス・リスク管理を基本とした教育プログラムを充実させてまいります。2025年度の取り組みとして、次世代経営人材(執行役員候補)に対する研修を開始いたしました。
<階層別の成長度合いと主な研修内容>

(次世代管理職候補(25~30歳代)に対する育成項目)
当社では新卒・第2新卒採用を次世代管理職候補採用と捉え、優秀な若手人材の確保に取り組んでおります。また、管理職候補として育成していくにあたり、客観的な視点でキャリアを棚卸し、今後に生かすためのディスカッションの場を定期的に設けています。今後は教育訓練の場を計画的に作りつつ、ジョブローテーション等、管理職として求められる資質を意図的に強化する取り組みを行ってまいります。
(事業領域別のスキルに関する育成項目)
当社グループでは、事業領域毎に求められるスキルセットを定義し、それに応じた教育プログラムや資格取得支援策を実施しております。特に、エネルギー領域においては電気に関わる各種取得支援を実施しており、電気主任技術者、電気工事士第2種、電気工事施工管理技術者の取得を推奨しております。
2025年度の取り組みとして、電気工事士第2種の取得促進プログラムを実施し、計20名が合格しています。今後も継続的に実施していくことで当社グループの電気設備に関する専門性を向上させ、また将来的の電気設備施工技術者を計画的な育成してまいります。
住宅領域においては、前述したようなDXによる革新的な効率化・省力化が重要なテーマとなるため、ITに関わる教育プログラムを充実させております。2025年度の取り組みとして、システム部門の社員を中心として構成したプロジェクト「EPCO SMILE WORKプロジェクト」を始動し、ITパスポート取得促進やITリテラシー向上に向けた情報発信などを計画的に実施しています。
今後も、従業員個々人の能力・スキル・キャリアビジョンに応じた柔軟な学びを提供することで、従業員がより一層、個々人が持つ能力を最大限に発揮できる体制を整備してまいります。
④ 社内環境整備方針
当社グループは、社員一人ひとりの活躍を企業の持続的な成長の原動力ととらえ、個々人が能力を最大限に発揮できるよう、業務内容やライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を可能にする取り組みを推進しております。
(エンゲージメントサーベイの実施)
当社グループは、当社グループで働く情熱ある社員とその家族の幸福を追求することを経営理念として掲げており、社員の能力を最大限発揮できる環境を整備することを重視しております。そこで、従業員からの声を幅広く聞くための仕組みとして、エンゲージメントサーベイを年に2回実施しております。
当該サーベイを実施することで、人事制度の改定や職場の環境改善、従業員の異動等に活かし、当社で働くことを誇りに思う従業員の数を増やすことで、変化に柔軟な組織をつくり、企業として持続成長を続けることを目的としております。
2025年度の主な取り組みとして、エプコグループの社会的意義や事業セグメント間のつながり、拠点間の連携、社員同士の交流などを1つのストーリーとして表現したブランドムービーを制作し、インターナルコミュニケーションの強化を推進しました。また、D&Iアワード賞の受賞※やえるぼし認定(第3段階)など、対外的な評価取得に努めております。
※「D&I AWARD」は株式会社Job Rainbowが主催するダイバーシティ&インクルージョンに取り組む企業を認定する日本最大のアワードです。2025年度は637社が参加し、エプコはチャレンジャー企業部門で受賞しました。
今後も、社内・社外の両軸でエンゲージメントを高める施策を検討・実行してまいります。
(生産性向上に寄与する人事制度)
当社グループは育児・介護と仕事を両立したい社員、傷病や遠隔地に居住している等の事情のある社員にもできる限り多様な働き方を提供したいと考えており、テレワーク、時短勤務といった働き方を選択可能にしています。
上記のような事情がない従業員に対しても、「テレワーク50」という制度を実験的に設けており、年間50日までテレワークを行うことができます。さらに、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が出来るよう時間単位での年次有給取得も可能としております。
2025年度の取り組みとして、女性活躍推進に向けた活動主体である「ルミライズ」において、主に子育て世代への支援強化策を検討する「ルミライズ カフェ」を始動。子の看護休暇をはじめとする制度整備に向けた議論を行なっており、2026年度中に実現を目指す方針です。
(健康経営)
当社グループは従業員一人一人が心身ともに健康な状態(ストレスに適切に対処でき、生産的かつ有益な仕事ができ、かつ組織貢献が出来る状態)を維持するために社員の健康管理や健康増進の取り組みを積極的に推進し、2021年度に健康保険組合東京連合会より健康優良企業認定「銀の認定証」を取得しております。今後「金の認定証」取得を目指してまいります。
(快適な職場づくりへの取り組み)
当社グループのオフィスは従業員同士のコミュニケーションを促進し、快適かつ効率的に就業できる環境を重視しております。拠点ごとに開放的なオープンスペースを用意し、休憩室としての用途に加え、社内イベントにも活用しております。2025年度の取り組みとして、事業拡大に合わせて金沢オフィスの増床を行い、従業員の休憩スペースに関しても大幅拡充いたしました。
また、グループ企業のENE’sにおいては、工事受託および施工エリアの拡大に伴い、武蔵浦和に本社移転しました。これにより職場環境が改善し、取引先やエプコグループ各社との連携をこれまで以上に円滑かつ強固に進めることが可能になりました。

⑤ 指標と目標
人的資本経営推進においては、テーマごとに2026年3月末時点における状態目標を定義しております。
(人材登用に関する指標と目標)
人材登用のテーマにおいては、チームリーダー以上の女性管理職の登用率を25%にすることを目標としています。
当社グループの男女比率はほぼ同数であるにもかかわらず、チームリーダー以上の管理職に占める女性割合は24.3%に留まっており、優秀な女性従業員の管理職登用割合を高めることは、当社グループの生産性向上に貢献すると考えております。
当該目標の達成に向けては、働き続けたい女性が家庭と仕事を両立し、意欲的にキャリア形成が出来る仕組みを整えることが重要であると捉えております。そこで、2023年度より女性社員が集い、意見発信を行う場として女性活躍推進活動「ルミライズ」を立ち上げ、1か月に1回、定期的な活動を行っております。
(人材育成に関する指標と目標)
人材育成のテーマにおいては、リーダー研修受講率100%を目標としています。
当社グループでは再エネサービスを中心に事業が拡大しており、グループ会社の業務領域も拡大しているため、各社・各事業における管理職人材の育成が急務となっております。そのため、チームリーダーをはじめとした管理職候補者を対象にしたリーダー研修を充実させ、実施しております。また、次世代幹部育成に向けた上級管理職育成プログラムをスタートさせており、更なる拡充を図ってまいります。
(社内環境整備に関する指標と目標)
社内環境整備のテーマにおいては、健康診断有所見50%以下を目標としています。
当社従業員の平均年齢が42.4歳に達する中で、従業員と組織の活性化により業績向上を図るためには、従業員の健康維持は重要な経営テーマであると認識しております。健康経営の推進に向けて、定期的な健康セミナーやウェルネスイベントの計画等を実施してまいります。
※チームリーダー以上の従業員を対象とした研修プログラムの受講率
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであり、潜在的リスクや不確定要因はこれらに限られるものではありませんのでご留意下さい。
(1)住宅市場の動向に関するリスク
当社グループの事業は主たる得意先が住宅会社であることから、住宅市場の動向が当社グループの受託状況に影響を及ぼします。住宅市場は、景気、金利、地価等の動向、雇用環境、税制及び補助金等、様々な変動による影響を受けます。特に、大幅な金利上昇、雇用環境の変化等により、施主様の住宅購買意欲が減退し、当社の得意先である住宅会社の受注が大幅に減少した場合、当社グループの業績にも影響を及ぼす可能性があります。
(2)法的規制に関するリスク
当社グループの得意先・取引先は、主に住宅・建設業界の事業者が中心であり、建築基準法、建築士法、電気事業法、特定商取引法など関連する各種法令により規制を受けております。これらの法規制は当社の業務を直接的に規制するものではありませんが、当社が取引を行うに当たり当該法規制を把握することが必要であります。
そのため、将来においてこれらの法的規制の強化や新たな規制の制定が行われた場合には、当社グループの事業活動が制限される可能性や、これらの規制を遵守するための費用増加につながる可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3)知的財産権に関するリスク
当社グループは、現時点において、当社グループの事業活動に影響を及ぼすような特許権、商標権その他知的財産権が第三者によって取得されているという事実は確認しておりません。しかしながら、将来の当社の事業活動に関連して、第三者が知的財産権の侵害を主張し、当社の事業が差し止められたり、損害賠償など金銭的な負担を余儀なくされた場合、または第三者の知的財産権につき実施許諾が必要となりロイヤリティの支払いが発生したり、あるいは実施許諾が得られない場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(4)海外における事業リスク
当社グループにおける中国の子会社である艾博科建築設備設計 (吉林)有限公司は、日本の得意先向けに設計図面を作図する生産拠点(CADセンター)として重要な位置を占めております。また、中国及びその他海外市場での事業拡大を図るべく、様々な取組みを進める方針です。
海外事業の展開にあたっては、①当社グループにとって悪影響を及ぼす法律の改正、規制の強化、②テロ・戦争の勃発、伝染病の流行等による社会的・経済的混乱、③物価水準の上昇による現地人件費等の増加、等のリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)外国為替相場の変動に関するリスク
当社グループにおいては、外貨建(人民元及び香港ドル)取引による収入及び支出が発生しており、またそれに伴う外貨建て資産及び負債を有しております。外国為替相場の変動による影響を極力低減するため、必要な範囲で為替予約取引を利用したリスクヘッジを実施しておりますが、外国為替相場が急激に変動した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)人材の確保に関するリスク
当社グループの設計サービス及びメンテナンスサービスは日本(東京・沖縄・石川)及び中国(吉林)にて多数のオペレーターを抱える労働集約的な事業であることから、人材の確保・育成が重要な課題であると認識しております。そのため、当社グループでは、新卒・中途採用共に多様な採用活動を実施し、人材の確保に努めると共に、入社後は各階層及び各職種に応じた教育研修の整備に努めておりますが、必要な人材を確保・育成できない場合には、当社グループの業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、日本(東京・沖縄・石川)及び中国(吉林)において人件費が上昇した場合、当社グループの業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループでは業務の生産性向上を目的として業務プロセスの見直し及び作業の自動化や効率化を実現する情報システムの開発を継続的に実施しております。しかしながら、当社グループの対応よりも急激に人件費が上昇した場合、当社の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)新規事業への参入に関するリスク
当社グループは、今後も持続的な成長と収益源の多様化を進めるために、日本国内及び海外において新規事業の創出と育成を積極的に推進する方針です。しかしながら、新規事業を開始した際には、その事業固有のリスク要因が加わると共に、新規事業を遂行していく過程では、急激な事業環境の変化をはじめとして様々な予測困難なリスクが発生する可能性があります。その結果、当初の事業計画を達成できない場合は、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
(8)持分法投資損益による業績変動に関するリスク
当社グループでは、戦略的業務提携の一環として大手企業との間で合弁事業を行っており、現在の持分法適用会社としては、TEPCOホームテック株式会社、広東聯塑艾博科住宅設備設計服務有限公司、深圳艾科築業工程技術有限公司の3社があります。各社は各々の事業に関する方針のもとで経営を行っており、これらの持分法適用会社の業績・財政状態の悪化により、当社グループの業績・財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
(9)情報システムに関するリスク
当社グループのサービスは、インターネット接続環境及び社内外のコンピューターネットワーク等のインフラが良好に稼動することに依存しております。事業の安定的な運用のために、システムの重要度に応じて、コンピュータ機器・通信回線の二重化やバックアップ取得等の安全対策を実施し、またネットワーク機器の導入やウィルス対応などの各種セキュリティ対策を行っております。また、当社の情報資産を安全に管理するため、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を整備しており、国際規格であるISO/IEC 27001:2022 (JIS Q 27001:2023)の認証を取得しております。
しかしながら、機器やソフトウエアの不具合、人為的ミス、回線障害、コンピュータウィルス、クラッカー等による悪意の妨害行為、あるいは、停電、自然災害によるシステム障害など、その障害等の程度によっては当社の対策が有効に機能しない可能性があり、その場合には、当社グループの業務運営、財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)個人情報管理に関するリスク
当社グループでは、事業の性質上、得意先から多数の施主様の個人情報をお預かりし、その情報を得意先と共有し、有効活用することで事業運営を行っております。個人情報の漏洩や不正使用を防止するため、安全対策に関するルールを定め、適正な情報管理を行うための体制を整え、全社員を対象とした教育・研修を継続的に実施することにより、厳格な情報管理を徹底しております。
その結果、当社の個人情報マネジメントシステムはプライバシーマーク(JIS Q 15001)の認証を取得しており、個人情報の取扱いには留意しておりますが、万が一これらの情報の漏洩や不正使用などの事態が生じた場合、損害賠償請求や社会的信用失墜等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(11)自然災害等に関するリスク
地震、大雨、洪水などの自然災害・異常気象や、インフルエンザ等の感染症、大規模事故、テロ・暴動、その他予期せぬ事態が発生した場合、当社グループの社員・事業所・設備やシステムなどに対する被害が発生し、当社グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。
そのため、当社では、災害対策マニュアルの策定、基幹業務に対する事業継続計画の策定、建物・設備・システム等の耐震対策(データ等のバックアップを含む)、防災訓練、必要物資の備蓄、国内外の拠点や関係会社との連携・情報共有などの対策を講じて、各種災害に備えています。ただし、全ての被害や影響を回避できるとは限らず、このような事象の発生時には当社の業務運営、財政状況及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12)将来的な気候変動に関するリスク
気候変動が世界的に深刻化し、異常気象による災害リスクの増加、カーボンプライシングによるコスト増加等のリスクがあります。
当社グループの気候変動への対応の詳細につきましては、2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)気候変動への対応をご参照ください。
① 経営成績の状況
当連結会計年度(2025年1月1日から2025年12月31日まで)におけるわが国経済は、雇用及び所得環境の改善を背景に経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、海外情勢の不確実性や物価上昇、金融資本市場の変動などにより、依然として先行きの不透明な状況が続いております。
また、当社グループが主に関連する住宅産業におきましては、2025年4月の建築基準法の改正及び建築物省エネ法の施行の影響を受け、2025年暦年で新設住宅着工戸数(持家)が7.7%減少しており、予断を許さない状況であると認識しております。
このような状況のなか、当社グループは、2025年2月に公表した『エプコグループ 中期経営計画 第1フェーズ(2025年~2027年)』の第1期目として、当社グループのミッションである「住まいと暮らし、環境を支える」を実現するため、再エネ領域、住宅領域、新規事業領域のそれぞれにおける取組を実施し、社会課題の解決や地球環境の保護と安心できる暮らしへの貢献に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は6,252百万円(前期比11.5%増)、営業利益は376百万円(前期比12.6%増)、経常利益は481百万円(前期比9.1%増)となりました。また、投資有価証券売却益62百万円及び関係会社出資金売却益12百万円等が発生したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は424百万円(前期比29.9%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
当連結会計年度は、株式会社ENE’sにおいて太陽光発電及び蓄電池の設置工事やパネル点検工事の請負が好調に推移したことにより、外部顧客への売上高は2,103百万円(前期比52.5%増)となりました。
持分法による投資損益は、国内ではTEPCOホームテック株式会社において、日本市場の住宅向け太陽光発電及び蓄電池関連の工事請負が堅調に推移した結果、持分法による投資損益は増益(111百万円、前期比54.9%増)となりました。また、持分法適用会社であったMEDX株式会社の清算が結了したため、持分法適用の範囲から除外した結果、持分法による投資損益は増益(投資損失4百万円、前期は投資損失25百万円)となりました。一方、海外においては、班皓艾博科新能源設計(深圳)有限公司の持分の一部を譲渡した影響により持分法による投資損益が減益(投資損失44百万円、前期は投資利益41百万円)となった結果、経常利益は258百万円(前期比38.9%増)となりました。
当連結会計年度は、既存顧客へのサービスラインの拡充や新規顧客開拓への積極的な取組による増収があったものの、2024年8月に一部顧客との取引が終了したことによる影響により、外部顧客への売上高は1,933百万円(前期比3.8%減)となりました。また、人員配置の見直し等によるコスト削減に努めたものの、経常利益は291百万円(前期比6.5%減)となりました。
当連結会計年度は、サービス品質の向上やサービスラインの拡充の実施に対して、前述の新設住宅着工戸数の減少の影響により、外部顧客への売上高は2,214百万円(前期比0.1%減)となりました。また、日本及び中国の設計拠点において、住宅設備設計分野からエネルギー設計分野への速やかな人材配転及びデジタル化による業務フローの改善に務めたものの、円安の影響による中国現地コストの高騰により、経常利益は345百万円(前期比4.1%減)となりました。
② 資産、負債及び純資産の状況
流動資産は前連結会計年度末に比べて22.2%増加し、3,796百万円となりました。これは主として、現金及び預金が647百万円増加したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて24.7%減少し、2,046百万円となりました。これは、主として回収による長期貸付金400百万円の減少及び持分の一部売却等に伴う関係会社出資金223百万円の減少等によるものです。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて1.3%増加し、1,062百万円となりました。これは主として、未払法人税等が52百万円増加したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて18.3%減少し、104百万円となりました。これは主として保有株式の売却及び時価の変動により繰延税金負債が14百万円減少したことによるものです。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて0.6%増加し、4,674百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益424百万円を計上した一方で、配当金の支払額286百万円が発生し、また、その他有価証券評価差額金47百万円の減少及び為替換算調整勘定27百万円の減少等によるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ652百万円増加し、当連結会計年度末残高は2,351百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は370百万円(前連結会計年度は321百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益558百万円及び減価償却費115百万円を計上した一方で、法人税等の支払額76百万円が発生したこと、並びに、投資有価証券売却益62百万円及び持分法による投資利益62百万円を計上したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により得られた資金は571百万円(前連結会計年度は395百万円の支出)となりました。これは主として、貸付金の回収による収入680百万円、関係会社の清算による収入108百万円、及び班皓艾博科新能源設計(深圳)有限公司の持分の一部を譲渡したことによる連結の範囲の変更を伴う関係会社出資金の売却による収入102百万円等が発生した一方で、貸付けによる支出280百万円が発生したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は286百万円(前連結会計年度は213百万円の収入)となりました。これは、配当金の支払額286百万円が発生したことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
当社グループは、受注生産形態をとらないものが多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引はありません。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。セグメント間の取引はありません。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表作成に当たりまして、当社グループの経営陣は連結決算日における資産・負債の数値及び偶発債務の開示並びに連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。また、経営陣は過去の実績や状況に応じ、合理的妥当性を有する要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数値についての判断の基礎としております。見積りには特有の不確実性が存在するため、実際の結果とは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
当連結会計年度の売上高は6,252百万円(前期比11.5%増)となりました。
再エネサービスの売上高は、株式会社ENE’sにおいて太陽光発電及び蓄電池の設置工事やパネル点検工事の請負が好調に推移したことにより、外部顧客への売上高は2,103百万円(前期比52.5%増)となりました。
メンテナンスサービスの売上高は、既存顧客へのサービスラインの拡充や新規顧客開拓への積極的な取組による増収があったものの、2024年8月に一部顧客との取引が終了したことによる影響により、外部顧客への売上高は1,933百万円(前期比3.8%減)となりました。
設計サービスの売上高は、サービス品質の向上やサービスラインの拡充の実施に対して、新設住宅着工戸数の減少の影響により、外部顧客への売上高は2,214百万円(前期比0.1%減)となりました。
当連結会計年度の営業費用は5,875百万円(前期比11.4%増)となりました。
再エネサービスの営業費用は1,909百万円(前期比48.7%増)となりました。前述の太陽光発電及び蓄電池の設置工事やパネル点検工事の請負の増加に伴い、営業費用が増加しております。
メンテナンスサービスの営業費用は1,644百万円(前期比3.4%減)となりました。人員配置の見直し等により、営業費用の増加が抑制されました。
設計サービスの営業費用は1,869百万円(前期比0.4%増)となりました。日本及び中国の設計拠点において、住宅設備設計分野からエネルギー設計分野への速やかな人材配転及びデジタル化による業務フローの改善に務めたものの、円安の影響による中国現地コストの高騰により、営業費用が増加しました。
各報告セグメントに配分していない全社費用は456百万円となりました。
当連結会計年度の営業利益は376百万円(前期比12.6%増)となりました。
当連結会計年度の営業外収益は111百万円となりました。持分法による投資利益62百万円、受取利息20百万円、補助金収入19百万円等を計上しております。
当連結会計年度の営業外費用は6百万円となりました。支払利息4百万円等を計上しております。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は481百万円(前期比9.1%増)となりました。
再エネサービスの経常利益は258百万円(前期比38.9%増)となりました。
メンテナンスサービスの経常利益は291百万円(前期比6.5%減)となりました。
設計サービスの経常利益は345百万円(前期比4.1%減)となりました。
当連結会計年度の特別利益は77百万円となりました。投資有価証券売却益62百万円、関係会社出資金売却益12百万円等を計上しております。
当連結会計年度の特別損失は0百万円となりました。
(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は558百万円(前期比27.0%増)となりました。
(法人税等)
当連結会計年度の法人税等は133百万円となり、法人税等の負担率は24.0%となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
上記の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益424百万円(前期比29.9%増)となりました。
当連結会計年度における財政状態につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 ②資産、負債及び純資産の状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループは、事業活動のための適切な流動性の確保と健全な財政状態の維持のため、営業キャッシュ・フローの創出に努めております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。これらの資金需要につきましては、基本的に営業キャッシュ・フロー及び自己資本を主な源泉と考えております。ただし、当社グループの成長のための資金需要が生じた場合に備え、金融機関との間で当座借越契約を締結しております。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
インタレスト・カバレッジ・レシオ:(営業利益+受取利息)/支払利息
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
当社グループは、目標とする経営指標としてROE(自己資本当期純利益率)を掲げております。今後、人々の住まいと暮らしを支える住宅・エネルギー分野のインフラ事業を目指すことで持続的な利益成長を実現しつつ、株主資本を有効活用(配当及び自社株買いによる株主還元を含む)することにより、ROEの向上に努めてまいります。
当連結会計年度のROEは9.1%となりました。ROE関連指標は以下のとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。