第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは1946年の創業以来、「化粧品で人々に夢と希望を与え、明るい世の中をつくりたい」という使命を掲げ、化粧品ひとすじに、美と誠実に向き合ってきました。「英知と感性を融合し、独自の美しい価値と文化を創造する。」という存在理念(パーパス)とコーポレートメッセージ「美しい知恵 人へ、地球へ。」のもと、人と地球に寄り添い、かけがえのない生涯をともに美しく彩る企業へと進化してまいります。

 

(2) コーセーグループのありたい姿:Your Lifelong Beauty Partner

2024年11月に策定した中長期ビジョンでは、多彩な美の選択肢を提供することで、世界中の一人ひとりが生涯にわたり自分だけの輝きを見つけられるよう、長い時間軸で寄り添い、美の力で明るく彩り続けたいという、創業以来当社が大切にしている強い想いを込めております。

お客さまに限らず、ビジネスパートナー、働く仲間、世界中のあらゆる人々や未来を生きる次世代、そして地球上の美しい自然とより長く、より深く、より強い絆を築き、企業価値の向上を目指してまいります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

当社は、創業80周年である2026年を節目に、意思決定の迅速化とグループ間シナジーの最大化を図り、さらに各事業会社の独自性を維持しつつ、グループ全体のガバナンスを強化することを狙いとして、純粋持株会社体制へ移行しました。各事業会社に対し、経営資源の戦略的、また効率的な配分などを強化します。

日本市場での盤石な事業基盤の構築と圧倒的な存在感の確立により、確実な成長リソースを生み出し、持続的な成長にむけた投資に繋げます。グローバルでの事業成長は、「脱・自前による地域への最適化」をコアな考えとして、現地起点のマーケティング・モノづくりへの転換やM&A/提携による地域に根付いたブランドの獲得を積極的に進めます。また、これからの成長領域としてジェンダー・ジェネレーションの垣根を超えた価値提供を進めるとともに、ウェルビーイング領域や体験そのものを提供価値とした事業領域の拡大にも取り組みます。これらにより、変化の激しいグローバル市場での成長と収益性の改善を図りつつ、世界中のお客さまにコーセーの多様な美の価値を提供することを目指します。

 

■2030年をマイルストーンとした定量目標

 

 

指標

マイルストーン

財務

目標

売上高成長率

CAGR+5%以上

営業利益率

12%以上

EBITDAマージン

18%以上

ROIC ※1

10%以上

非財務

目標

グローバルポスト人材充足率 ※2

2.5倍以上

アダプタビリティ∞に基づく商品/サービス提供率 ※3

100%

ウェルビーイングを叶える取り組み件数 ※4

500件以上

環境意識の啓発人数

1,000万人以上

CO2排出量削減率  ※5

Scope1・2 ▲55% / Scope3 ▲30%

 

※1:税引後営業利益 / (有利子負債と純資産の合計の期中平均値) × 100

※2:グローバル人材÷グローバルキーポストで算出

※3:コーセー独自の8つの取り組みテーマ「アダプタビリティ∞」から、各ブランドが毎年注力する項目を決定し、その項目数に対して達成したサービス・商品数をカウントし総合達成率を算出

※4:2020年からの累積

※5:2018年対比での削減率

 

中長期ビジョンの詳細は以下のURLからご参照ください。

(日)https://koseholdings.co.jp/ja/ir/library/strategy/

(英)https://koseholdings.co.jp/en/ir/library/strategy/

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) コーセーグループ サステナビリティ戦略

①ガバナンス

当社グループでは、経営課題の一部としてサステナビリティに関連する課題を捉え、その解決に向けた推進体制を整えております。代表取締役社長が委員長を務める「サステナビリティ委員会」を設置し、サステナビリティ戦略を経営会議に提案、承認を受け、取締役会に報告を行う体制を構築しております。取締役会では、企業の持続可能な成長を支えるために、サステナビリティ戦略に関連する人権、気候変動、生物多様性をはじめとする重要課題に対し、当社グループを取り巻く社会や環境の課題とリスクや機会を包括的に分析・特定し、短期・中長期の視点で検討した対応策について、審議・決議することで、企業全体のサステナビリティ推進活動の監督機能を担っております。これらの体制により、企業全体のサステナビリティ推進活動に対する管理・監督を強化し、社会的責任を果たしながら、長期的な企業価値を向上させることを目指しております。また、当社グループのサステナビリティ戦略に基づき、サステナビリティ委員会の下部組織である「サステナビリティ推進委員会」において個別テーマごとの分科会やプロジェクトを設置し、全社部門横断の取り組みとして実効性を高めた活動を推進しております。なお、サステナビリティの推進体制は以下のとおりであります。

 

サステナビリティ推進体制


 

②戦略

当社グループは、コーポレートメッセージ「美しい知恵 人へ、地球へ。」をサステナビリティ指針に、基盤となるポリシーとして、行動規範と同じ「正しきことに従う心」を設定し、人々や地球環境の未来をよりよいものとするため、2020年に当社グループのサステナビリティ戦略と目標をまとめた「コーセー サステナビリティ プラン」を策定いたしました。その後、2024年に策定した、当社グループの中長期ビジョン「Vision for Lifelong Beauty Partner-Milestone2030」では、サステナビリティプランをサステナビリティ戦略として刷新し、ビジョンに組み込むことで、社会の在り方や地球環境まで包含した考え方で、人と地球に寄り添い、社会と企業の持続的成長の両立を通じて、真の「Your Lifelong Beauty Partner」となることを目指しております。サステナビリティ戦略では、中長期ビジョンの重点課題(マテリアリティ)を特定するために、当社グループを取り巻く社会や環境の変化や課題と、関連する機会とリスクを抽出後、社会からの期待における視点と、社内関連部門による当社グループへのビジネス(財務)インパクトの視点という二軸による評価を実施しております。これらの課題を解決するために、各課題に対する目標を設定し、取り組みを推進しております。

 


 

 

③リスク管理

当社における「コンプライアンス」とは、法令遵守のみならず、「正しきことに従う心」をもって社会的倫理に則った行動をとることを示しております。コンプライアンス推進体制及び活動は、「リスクマネジメント・コンプライアンス委員会」を通じて、定期的に取締役会に報告され、「コンプライアンス推進委員会」は取締役・従業員に対する研修などで啓発を行います。社内外に相談窓口を設け、報告・相談に対応する体制も整えております。また、当社の持続的発展を脅かすリスク、特にコンプライアンス・品質・情報セキュリティ・市場の問題や、災害発生など様々なリスクに対処すべく、リスクマネジメント・コンプライアンス規程を定め、「リスクマネジメント推進委員会」を設置してリスク管理体制の充実に努めております。危機管理規程のもと、重大なリスクが顕在化した場合に被害を最小限に抑制する体制を構築しております。

サステナビリティに関する人権、気候変動、生物多様性をはじめとするリスク・機会の識別、評価、管理の体制については(1) コーセーグループ サステナビリティ戦略 ①ガバナンスをご参照ください。

 

④指標及び目標

「サステナビリティ戦略」では、中長期ビジョンの重点課題(マテリアリティ)で特定した、当社グループを取り巻く社会や環境の変化や課題と、関連するリスク・機会を解決するために、2030年を中期マイルストーンとした「人に寄り添う」「地球に寄り添う」の側面からコミットメントと目標を定めております。具体的には、「多様な美の価値観の尊重」という課題の対応が企業として遅れた場合のリスクは、顧客数の成長鈍化・既存顧客の離反という状況に陥る可能性がある一方で、グループ全体で積極的に取り組みを推進することで、機会として新たな顧客層の開拓が見込める可能性があります。このような課題分析を経て「多様な美の尊重」という重要課題と、それを達成していくための目標として「アダプタビリティ∞(エイト)に基づく商品サービス提供率」を設定しております。また、「気候変動への具体的な対策」については、対応が遅れることで、台風や干ばつなどの極端な気象現象による、原材料調達への影響がリスクとして考えられます。一方で、気候変動対策として、気温上昇による発汗にも耐えられる機能性化粧品や日やけ止め、環境配慮型化粧品などを上市することで、エシカル志向な消費者の支持獲得にもつなげていくことができると考えております。このような課題分析を経て、「環境負荷低減の推進」という重要課題と、それを達成していくための目標として「CO2排出量の削減」を設定しております。この様に、当社グループは特定したリスクや機会に対する目標を設定し達成に向け、年度ごとに取り組み状況をまとめ、進捗状況を公表しております。

 

「サステナビリティ戦略」 重要課題と中期目標(人に寄り添う)


 

「サステナビリティ戦略」の最新版は、2026年4月頃に公開予定です。

https://koseholdings.co.jp/ja/kose/sustainability/plan/

 

 

「サステナビリティ戦略」 重要課題と中期目標(地球に寄り添う)


 


 

「サステナビリティ戦略」の最新版は、2026年4月頃に公開予定です。

https://koseholdings.co.jp/ja/kose/sustainability/plan/

 

 

(2) 気候変動への対応 ~TCFD提言に基づいた対応~

 当社グループでは、2020年には「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同するとともに、国内賛同企業などによる組織「TCFDコンソーシアム」に加入し、2021年にはTCFD提言に基づいた情報開示を開始いたしました。

2024年の中期ビジョン策定では、当社グループの重要課題(マテリアリティ)の見直しを図り、環境・気候変動問題への対応を「事業成長」と「持続可能な社会の実現」の両立を図るために、欠かすことのできない重要な経営課題の一つとして改めて認識し、中長期ビジョンにおける非財務の定量目標としても掲げて対応の進捗を毎年公開しています。

 

①ガバナンス

気候変動に関するガバナンスは、当社グループのサステナビリティ戦略に組み込まれているため、(1)コーセーグループ サステナビリティ戦略をご参照ください。

 

②戦略

当社グループは、気候変動における移行リスク及び物理的リスクを検討するため、シナリオ分析を実施し、1.5℃/2℃及び4℃の気温上昇がもたらす世界の気候変動が与える財務的な影響を評価、企業としての取り組み情報の開示を行うと同時に、将来の社会と地球の姿を実現するための経営戦略などを検討する材料としても活用しております。更に、シナリオ分析の結果から、事業活動によるCO2排出に対して気温上昇の削減目標を設定する重要性を強く認識し、2022年に「低炭素移行計画」を策定、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進しております。

 

③リスク管理

組織の気候変動に関連するリスクは、ERM(統合型リスク管理)におけるコーポレートレベルでの評価を「リスクマネジメント・コンプライアンス委員会」を中心に特定・評価しております。気候変動に関する課題の監視は、これらの枠組みをもとに、「サステナビリティ委員会」及び「リスクマネジメント・コンプライアンス委員会」によってモニタリングしております。

 

 

当社グループの捉えるリスクと機会

分類

リスク・機会

影響項目

自社への

影響の大きさ

概要

対応策

1.5℃

2℃

4℃

リスク

(移行)

消費者の環境配慮商品への需要シフト/
消極的な対応による
レピュテーション低下

売上高減

++

1.5℃/2℃シナリオでは、消費者の環境意識の高まりに伴い、消極的な環境対応が自社製品の販売減につながる。

・低炭素、節水、プラスチック削減やサステナブル素材の採用など環境配慮型製品開発の強化

・先端技術の導入による製品開発、販売方法等の検討と推進

GHG排出量規制の強化/
カーボンプライシング
の導入
(自社・サプライヤー)

コスト増

++

1.5℃/2℃シナリオでは、サプライヤーを含めて炭素税が課され、自社の運営コスト及び調達コストが増加。

・SBT認定の中期排出量削減目標の設定と削減策の実践

・環境配慮に関する設備投資計画の策定と計画的な投資(省エネ設備の順次入れ替えなど)

プラスチック規制の導入
によるプラスチック資材
の代替

コスト増

++

1.5℃/2℃シナリオでは、プラスチック規制の強化によりバイオマスプラスチックや再生プラの調達の必要が生じ、コスト増につながる。

・プラスチック削減やサステナブル素材の採用

・規制に対応した資材の開発、リサイクルシステム構築の検討

取水排水制限の導入による商品の生産制限

売上高減

++

気候変動により操業地域の水ストレスが増加し、取水制限が生じると、操業停止による販売機会損失につながる。1.5℃/2℃でも影響が生じるが、特に4℃シナリオで顕著な影響を想定。

・水使用の更なる効率化(節水・水のリサイクルシステム導入検討など)

リスク

(物理)

気候の変化による
原材料調達リスクの上昇

コスト増

++

パーム油などの自社製品や容器に使用する原材料において、グローバル各地での収穫量が温度上昇により変化すると調達コストが変化する。

・原材料コストの上昇の可能性に関して、グループ会社や他社との共同購買

・代替原材料の開発や調達をサプライヤーとのエンゲージメントにより推進

洪水等災害に伴う製造・
物流設備の機能停止

売上高減

++

浸水などによる自然災害の影響が自社における生産・物流拠点に及んだ場合、機能停止により自社製品の売上高が減少する。

・BCP対応の強化(現状より更に悪化が想定される環境への対応検討。気候変動適応に向けたソリューションの活用)

異常気象を原因とする
製造施設損壊やサプライ
チェーンの混乱

売上高減

コスト増

++

温暖化が引き起こす影響で自社施設が損壊した場合、修繕費用や建て替え費用などのコストが発生する。また、サプライヤーの生産・物流拠点でも同様に自然災害の影響が発生した場合、自社の製品供給が停止するリスクがある。

・BCP対応の強化(現状より更に悪化が想定される環境への対応検討。製造拠点の分散化)

・災害に強いサプライチェーン体制の構築(主要サプライヤーにおける強固なBCPの確立、調達先の複線化など)

 

 

分類

リスク・機会

影響項目

自社への

影響の大きさ

概要

対応策

1.5℃

2℃

4℃

機会

紫外線増加に伴う
日やけ止め製品や
紫外線ケア商品の
需要増

売上高増

++

日常生活における紫外線の増加に伴い、紫外線ケアを必要とする人の数や使用頻度が増加することで、当該商品の売上が増加する。

・紫外線ケア商品などの積極的な製品開発と展開

・日焼け止めの習慣化など消費者への訴求の強化

気温上昇による
冷感商品・
化粧崩れ止商品の
需要増

売上高増

++

気温上昇に伴い、化粧水やファンデーションなどの化粧関連商品において、冷感性や化粧崩れ防止に対するニーズが増加することで、当該商品の売上が増加。

・冷感性や化粧崩れ防止商品の積極的な製品開発と展開

自社製品の環境フットプリント削減による
ブランド価値向上

売上高増

++

社会全体の環境配慮の意識が高まる中で、自社の環境フットプリントを削減し訴求していくことがマーケティング上もプラスの効果をもたらす可能性がある。

・低炭素製品要求等に対応(製品ごとのカーボンフットプリントなどの計算、使用時における節水可能な商品の開発)

環境負荷低減商品、
サービスの
開発及び拡大

売上高増

++

脱炭素型や脱プラスチック型の商品やサービスを提供していくことが付加価値となり、収益にプラスの効果をもたらす可能性がある。

・アダプタブルな商品への対応
 (エシカル消費等への対応)

・協業や先端技術の導入による製品開発、販売方法の推進(ビューティパートナーシップ)

・低炭素、プラスチック削減やサステナブル素材の採用など環境配慮型商品開発の強化

・デジタル先端技術を積極的に取り入れた販売方法の確立

再生可能エネルギー、
省エネルギー策の
導入による
コスト競争力強化

コスト減

++

再生可能エネルギー(再エネ)の購入や省エネ設備の導入により、自社のエネルギーコスト削減につながる。特に1.5℃/2℃シナリオにおいて、電力価格は現在より上昇する一方で再エネ調達価格は低減することで、再エネ調達によるコストメリットが発生。

・再生可能エネルギーの調達(各種PPAなどの導入)

・自家発電、自家消費の再生可能エネルギーの開発

 

※ -:影響は軽微 +:一定の影響がある ++:大きな影響がある

 

 

指標と目標

気候変動のシナリオ分析の結果から、事業活動によるCO2排出に対して、精力的な削減目標を設定する重要性を強く認識いたしました。そして、「サステナビリティ戦略」の中で、当社グループが排出しうる温室効果ガスとしてCO2の排出削減を取り組みテーマの一つとして掲げ、2030年までのGHG排出量削減目標をScope1・2において55%削減(SBT1.5℃目標※に準じた設定)バリューチェーン全体(Scope3)では30%削減と設定(いずれも2018年度基準・総量目標)いたしました。

※SBT:Science Based Targetsイニシアチブが提唱する、パリ協定が求める水準と整合した目標

世界全体の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて1.5℃に抑えるための科学的な根拠に基づき設定

 

2025年度CO2排出量目標に対する実績

コミットメント

指標

2025年度実績

目標値

達成年

CO2排出量の削減

Scope1・2

▲50.2%*

(2018年比・総量)

▲55%

(2018年比・総量目標)

2030

12,772.5 t-CO2*

カーボンニュートラル

2040

Scope3

▲20.2%*

(2018年比・総量)

▲30%

(2018年比・総量目標)

2030

Scope1・2・3

792,687.6 t-CO2*

ネットゼロ

2050

 

* 2025年度実績については会社算定値であり、第三者検証後、下記「サステナビリティ戦略実績報告データ」(https://koseholdings.co.jp/ja/kose/sustainability/plan/)にて更新予定

 

具体的な取り組み

グループ国内工場のすべてで100%再生可能エネルギーを導入

当社の生産工場では、環境負荷低減の一環として再生可能エネルギーを導入しています。2021年には、コーセーインダストリーズ群馬工場(群馬県伊勢崎市)、2023年からは同・狭山工場で導入し、2025年にはアドバンスとアルビオン熊谷工場において導入を開始することで、当社グループ国内工場における購入電力をすべて再生可能エネルギーへと切り替えました。

 

 

 また、コーセー化粧品販売株式会社では、営業車
の利用台数を削減するために、カーシェアリングの
活用を推進するとともに、営業業務の抜本的見直し
を行い、利用数を削減する取り組みを実施いたしま
した。さらに物流においても、モーダルシフトや共同配送を行うことで、バリューチェーン全体での脱炭素を推進しています。

 

 


 

アドバンス

 

 


 

アルビオン熊谷工場

 

 

プラスチック資源循環~廃棄資材を物流資材へ~

コーセーでは、資源の有効利用と環境負荷低減を目的とし、商品に利用されなかった化粧品プラスチック容器を、当社の倉庫で物資の輸送・保管等に使用するパレットにリサイクルしています。この取り組みでは、業界パートナーと協業し、プラスチック容器を樹脂原料に再資源化し、樹脂原料を使用したパレットに成形しています。

 


プラスチック容器を再生した樹脂

 


倉庫で使用しているリサイクルパレット

 

 

(3) 人的資本への取り組み

① ガバナンス

人的資本への取り組みに関するガバナンスは、当社グループのサステナビリティ戦略に組み込まれているため、(1) コーセーグループ サステナビリティ戦略 ①ガバナンスをご参照ください。

 

 戦略及び指標と目標

◆人材戦略の基本方針

当社は、創業の精神である「正しきことに従う心」を共通の価値観としながら助け合い・高め合う社員の力により、新たな価値を生み出してきました。今後、中長期ビジョン「Vision for Lifelong Beauty Partner ー Milestone2030」で掲げる「脱・自前」による地域に最適化されたグローバルでの事業成長を目指すには、これまでの助け合い・高め合いに加え、変動の大きい市場環境で新たな価値を創り出す「強さ」が求められます。

人事機能戦略において目指す「強さ」の創出とは、自ら磨き、豊富な経験を武器に、自分ならではの価値を発揮する「強い個」と、「強い個」同士が連携しこれまでにない価値を創造する「強い組織」を戦略的に生み出すことだと考えます。「強い個」と「強い組織」をつくるために、4つのテーマに基づいて取り組みを推進します。

<取組テーマ>

(ⅰ)事業戦略推進のキーとなる人材の充足

(ⅱ)個の強化・自立への支援

(ⅲ)組織風土の深化と進化

(ⅳ)適材適所の人材配置

 


(ⅰ) 事業戦略推進のキーとなる人材の充足

 

◆世界で存在感を高めるための海外活躍人材の獲得・育成

グローバルでの事業基盤を固め、地域最適化を推進するために、グローバルキーポスト※人材を継続的に育成し海外赴任者のプールを拡充させることを目指します。現在、グローバルキーポストに対する人材充足率は1.4倍です。海外展開の拡大を踏まえ、今後は駐在員後継者の育成・採用にさらに注力し、充足率を2.5倍に上昇させます。短期的には海外赴任経験のある人材(外国籍含む)をキャリア採用で獲得し、 中長期的にはグローバル業務経験・マネジメント力強化・語学力向上のための施策実施を計画しています。
※当社グループの海外拠点における主要ポスト

 


 

コーセーにおけるグローバルキーポスト人材の定義

·  メンタル&フィジカルタフネス

·  現地社員との協働を通じて成果を生み出せる

·  多様な環境への適応能力を有する

·  一定程度の語学力を有する

 

◆尖った知識やスキル、経験を有するリーダー人材の育成

新たな価値の創造には、仲間をケアしながら牽引するリーダー人材が不可欠です。そのため管理職候補者や若手・中堅社員の活躍機会拡大により、人材の早期育成とスペシャリスト人材の増加を目指します。現在、管理職へとステップアップするための選抜型研修を毎年実施し、リーダー人材を育成しています。一方で、管理職登用後の成長は各自の現場経験に基づいて進んでいますが、さらなるサポートが求められる場面もあります。今後は、管理職向けの教育研修を強化し、参加者を増やすことで、リーダー人材の成長を支援します。

2017年度から実施している、イノベーション創出プログラム「LINK ※」においては、次世代を担う従業員の熱意やチャレンジ精神をベースに、自社の強みやリソースと、スタートアップ企業の持つ最新技術や斬新なアイデアを組み合わせることや、デザイン思考を用い顧客ニーズを洗い出すことで、これまでにない発想の新たな商品やサービスの創出および事業化に取り組んでいます。 2024年にローンチした「Dear Child Skin」や「Nu⁺Rythme」は、このLINKからアイデアが生まれ、実際に事業化されたブランドです。

2022年度より、LINKはグループ会社に対象を拡大し、グループ全体でイノベーションの創出に取り組んでいます。

※LINK(Leadership and Innovation program for New KOSÉ):2017年に発足した社内ベンチャー制度

 

◆コーセーの未来を担う優秀で多様な人材の採用・確保

新たな採用プロセスを拡充し、マーケティング、研究、生産など、化粧品業界特有の知見が不可欠な職種を中心に、採用競争力の一層の強化を目指します。外国籍の人材の採用や、育児や介護、自己啓発などを理由に退職した社員が復職できる「ジョブリターン制度」を整備するなど、多様な背景を持つ人材を確保する仕組みを整えています。

また、採用した人材に対しては、存分に能力を発揮し、活躍し続けられる環境づくりを行います。

 

(ⅱ) 個の強化・自立への支援

 

当社は、「英知と感性を融合し、独自の美しい価値と文化を創造する」ことを存在理念として掲げています。お客さま一人ひとりの“きれい”の価値を創造し、グローバルな事業成長を目指すためには、世界の変化を先取りして独自の価値を創出し続ける、世界に通用する人材の力が必要です。そのため、中長期的な視点で当社グループの持続的成長を支える、豊かな人間性と創造性を発揮できる人材育成、各種施策に取り組んでいます。

 

◆人材育成理念と育成方針

当社では、「コーセーグループ行動指針」の中で、各人の人権と多様な能力・個性・価値観を尊重することを明記しております。それを前提として、下記の「人材育成理念」・「人材育成方針」を定めております。

人材育成理念

コーセーは「豊かな人間性と創造性」を発揮できる社員とともに未来を拓きます。

 

人材育成方針

一人ひとりの向上心と主体性を尊重し「自ら磨く」を基本とする。

「自ら磨く」人を積極的に支援する職場環境をつくる。

段階に応じて幅広く、そして継続的に「自ら磨く」機会を提供する。

「専門領域」の実践的教育・研修は、各部門で実施する。

 

 

 

個の専門性を高めて自立する強さを生むための支援

コーセーでは、一人ひとりの多様性を活かし、理念や目標を共有しながら自ら学び成長する姿勢を重視しています。その支援として整備された「人材公募制度」「自己申告制度」などを活用し、自らキャリアを描き、夢を実現した社員が多くいます。成長のための各種研修制度や通信教育補助等も充実しています。

入社時から節目ごとに定期実施する「キャリア考察を含む階層別研修」、役割に応じて受講する「スキル開発のための研修」を実施しています。また、各部門の特性に即した実務研修についても機会を設け、成長を促しています。

 


 

 

<人材育成関連指標>

指標

2023年度

実績

2024年度

実績

2025年度

実績

対象範囲

能力開発・スキル向上研修延べ参加者数()<管理職・非管理職(美容職除く)>

3,996

5,353

8,078

国内グループ会社

能力開発・スキル向上研修時間(合計/h)<管理職・非管理職(美容職除く)>

38,289.0

55,109.0

70,446.0

国内グループ会社

能力開発・スキル向上研修時間(一人平均/h)<管理職・非管理職(美容職除く)>

11.6

18.4

24.2

国内グループ会社

 

※2023年~2024年は、(株)コーセーとコーセー化粧品販売(株)が対象

 

◆多様な価値観を尊重した柔軟な働き方の推進

2017年より設置している「働きがい創出実行委員会」では、社員自らがウェルビーイング向上に取り組んでおり、その活動の全てに対して経営陣がコミットしています。これまでに、この委員会活動からリモートワーク制度や男性育休取得を支援するイクパパサポート制度など、社員の働きやすさに直結する制度や取組みが数多く生まれています。また、従来から柔軟な働き方を支援するために、本社や研究所勤務者などを対象にフレックスタイム制度を導入しています。

 

◆社員の健康と適正な労働時間に関する取組み

・健康経営の実践

ストレスチェックの実施、メンタルヘルス支援などによって従業員の健康増進を推進しています。また、社内に向けたヘルスケア情報をグループウェア上で定期的に発信しており、健康に対する意識付けを行っています。

 

・長時間労働の削減

管理職を含む従業員すべての労働時間を正確に把握するとともに、残業削減目標を設定し、過度な労働時間を削減し、労働時間の適正化に取り組んでいます。業務負荷や生産性の達成度に応じて随時業務量をコントロールするなど、長時間労働の削減に向けた具体的な取り組みを実施するため、労働時間を見える化するためのシステムを導入し、従業員とマネジメント側との双方で就業状況を共有しています。

また、各事業拠点の法令に従い、例えば国内事業所および関係会社では、事業所ごとに時間外労働に関する労使協議を締結し、所轄の行政当局に届け出ています。労使協定の締結にあたっては、労働時間に関する法的制限だけではなく、長時間労働のリスクに関する行政指針も踏まえた内容としています。

賃金に関しては、法廷最低賃金の遵守はもとより、地域・業界の労働市場と比較しても競争力のある生活賃金の支給に努めています。

 

・多様な個が違いを活かして価値を生むための取組み

コーセーグループはDE&I宣言のもと、多様なバックボーンを持つ社員一人ひとりに応じ、働きやすい環境を整えることで、その能力を最大限に発揮できると考えています。性別・年齢・国籍・ライフスタイルなどにかかわらず、誰もが活躍できる制度づくりを積極的に進めています。

 

(ⅲ) 組織風土の深化と進化

 

「美を通じて世界に寄り添い、一人ひとりの生涯を彩る」企業を目指し、独自の価値を創出するためには、ともに働く仲間の「英知」と「感性」が必要不可欠です。当社グループでは、社員を大切なステークホルダーの一員であると考え、バックグラウンドの異なる社員がそれぞれの能力を最大限発揮できるよう、今まで育んできた助け合い・高め合う当社らしい組織風土を強化し、社員一人ひとりのマインドや行動様式にポジティブな変化をもたらすための取り組みを検討していきます。

 

◆社員エンゲージメントの高まりが生み出す好循環のために

コーセーでは、従業員は企業価値向上を支える大切な財産であり基盤と捉えています。従業員のエンゲージメントや貢献意欲が高まることが、組織の活性化につながり、競争力強化につながると考えています。そのため、働きやすく、働きがいのある職場づくりを目指して、定期的に社員意識調査や360度評価を実施しています。調査の結果は、経営層や政策検討会議などで報告し、調査結果の分析、課題の整理、施策の検討・実施を進めています。2024年度の調査では、会社へのロイヤルティや仕事への充実感が、社会全体の平均値と比べて高い傾向にあることがわかった他、自社で働くことへの誇りや自社商品への愛着を高く持つことが分かりました。一方で、他部署との連携には改善の余地があるとの結果が示されています。

今後は組織横断型のプロジェクトや活動を活発化させ、部門間での協働機会を増やして連携強化をはかります。その指標として、社員意識調査の「他部署との連携」におけるエンゲージメントスコアの推移をトレースし、向上を目指します。

エンゲージメントスコア    2030年までの目標:「他部署との連携」スコア3.46以上 (5段階評価)

調査対象:アルビオンを除くコーセー国内グループ


 

◆風土醸成の仕掛けづくり

・働きがい創出実行委員会

コーセーでは、2017年度から「働きがい創出実行委員会」を設置し、委員長・副委員長は主に経営幹部や人事部門責任者が務めています。活動メンバーには部門横断型の多様な社員を選出し、誰もが働きやすく、チャレンジできる風土や制度をつくることで、社員一人ひとりの働きがいを創出し、これまでの延長線上にない新たなアイデアや価値を創出し続けることを目的としています。この委員会活動により「ジョブリターン」や「イクパパサポート」などいくつもの施策が制度化され、また子育て世代の横の繋がりを深めるための社内コミュニティを立ち上げるなど、多様な背景・価値観を持つ社員一人ひとりが活躍できる風土づくりをしています。

 

・セカンドホーム制度

入社1年目の社員に対し、様々な部署・世代の社員で社内家族を構成します。定期的な交流(ファミリーデー)を通じて、公私ともに相談し合えるアットホームな関係構築が叶う当取り組みは、社員からも好評です。この制度は入社1年目社員の発案により、2022年よりスタートしました。

 

・経営陣と社員のコミュニケーション

当社は、企業文化を醸成するためには経営陣と従業員の対話が重要であるととらえています。意思疎通の機会のひとつとして、経営陣が定期的に社員向けメッセージを発信し、経営方針や事業戦略の共有を行うことで、従業員のエンゲージメント向上と組織の一体感を促進しています。

また毎年、それぞれの役割の中で活躍し、大きな成果を収めた社員を経営陣から表彰する社内アワードを執り行っています。これは、社員の挑戦する意欲と業務に対するモチベーションへの働きかけのひとつとなっています。

 

◆セレンディピティ(偶発的)な出会いに向けた仕掛けづくり

社内外のコミュニケーションやコラボレーションの活性化によって、今までの延長線にない柔軟な発想によるアイデア創出やセレンディピティを誘発させることで、新たな価値の創出を目指します。

2020年に開設されたKocoLabo(日本橋本社)は、社員のリフレッシュや情報交換の場、セミナーの開催、試作品の評価や新ビジネスの PoC(実証実験)の場として広く活用されています。また、オンライン社内報である「PLAZA KOSE ONLINE」は、全社情報を発信するだけでなく、他部門の活動や取組みを知るプラットフォームとして活用されています。

 

◆人権に関する教育・啓発とダイバーシティマネジメントの推進

企業の成長や競争力の源泉となる従業員の成長には、健全な職場環境が大切です。当社では、多様な個性を持つ人材が力を発揮できる職場環境や風土醸成を目指し、人権啓発とダイバーシティマネジメントを推進しています。「コーセーグループ人権方針」や「コーセーグループ行動指針」において、各人の人権を尊重し、差別につながる行為は一切行わないことを定め、職場における認識、理解を促進し、多様性を尊重する健全な職場環境づくりに努めています。

それに加え、コーセーグループは、従業員の権利を尊重しています。差別的待遇の禁止・同一労働/同一賃金の原則・児童労働や強制労働の禁止・結社の自由と団体交渉権の尊重などを含む「労働における基本的原則および権利に関するILO宣言」などの国際的な原則に従い、事業を展開する国・地域の労働関係法令や労使協定を遵守し、従業員や従業員の代表と誠実に対話・協議を行い、建設的な関係構築に取り組んでいます。

人権にまつわる社内啓発については、特定部門や、従業員の職位単位でそれぞれにおいて必要と考えられる知識や意識を醸成していくため、多様な形態の啓発活動を行っています。

 

(ⅳ)適材適所の人材配置

 

社員の経験や能力、志向を分析し、柔軟な人材配置を行うことは、経営戦略の実行において重要ととらえています。

現在は、事業の戦略的ニーズと社員の志向が合致する配置の最適化について、取り組みを進めています。

 

◆タレントマネジメントシステムの活用

タレントマネジメントシステムを用い、社員のスキルやポジションの管理を行うことで、社員のキャリアの希望と事業ニーズの双方を踏まえた配置を提案していきます。

 

◆自立的なキャリア形成を促す仕組み

社員は自己申告や人材公募、社内兼業の制度を活用して自立的にキャリアを築きます。会社は、ジョブローテーションや社内インターン制度などを通して、社員の適性を見極め、能力を再開発する支援を行っていきます。

 

 ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン

世界中で「独自の美しい価値と文化を創造する」ためには、世界の変化を先取りして独自の価値を創出し続ける、世界に通用する人材の力が必要であります。

一人ひとりのダイバーシティ(多様性)をお互いにインクルージョン(包摂)することで、企業の推進力へつなげるために、コーセーグループでは、中長期ビジョンの達成に向けてダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン経営の実践に取り組んでおります。さらに、さまざまな情報や機会へのアクセスを公平に保障していくべきというエクイティ(公正性)の概念を加え、頭文字をとったDE&Iの取り組みを加速させております。

コーセーは美の創造企業として、「英知と感性を融合し、独自の美しい価値と文化を創造する。」を存在理念として掲げております。その実現には、すべての働く仲間一人ひとりの違いを尊重し、違いを受け入れる風土づくりと、それぞれに合わせた環境を整えることが重要であります。社員がお互いの多様な個性を理解し、高め合っていくことは、ひいてはグローバル社会や市場の変化に対応し、多様なお客さまに向けた独自の価値を創造し続けるための源泉となると考えております。そのため、経営戦略の一環として、全社でDE&Iの取り組みを推進しております。

 

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン宣言

多様性をチカラに変える

コーセーは、独自の価値創造の源泉として、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)を推進します。

一人ひとりの“Individuality(個性)”によって構成され、“Individuality(個性)”が結束することで、

最高のチカラを発揮し独自の価値をグローバルに生み出す組織、企業を目指します。

 

 

 

◆ジェンダーにとらわれずに誰もが活躍するために

1946年の創業以来、全ての社員が、性差に関わらず自分らしく自信をもって生きる社会へ貢献したいと思いを一つにして、お客さま一人ひとりのための“きれい”を提供できる化粧品をお届けしてまいりました。社内では、1999年の「男女共同参画社会基本法」の施行に先駆け、1985年には当社グループで初めて女性の取締役が就任するなど、多様な価値観を企業のチカラへ反映する企業文化が、現在に至るまで根付いております。現在、当社グループでは、美容職を含めた女性の割合が従業員全体の約8割を占めております。そのため、性差に関わらず、それぞれのライフイベントに合わせた柔軟な働き方ができる環境を整備し、安心して自身の能力を発揮できるための様々な取り組みを実施しております。

 


 

また、「コーセーグループサステナビリティ戦略」の取り組みテーマの一つ、「ジェンダーにとらわれずに活躍できる社会への貢献」を実現するために、社内に対して、女性活躍を含めた性差に関わらず自分らしさを最大限発揮できる環境整備の推進はもちろん、社会に対しても、女性のエンパワメントなどの支援の輪を広げていきたいと考えております。

また、当該方針について以下のKPIを設定し、目標達成に向けて取り組んでおります。

 

<ジェンダーダイバーシティ関連指標>

指標

2023年度

実績

2024年度

実績

2025年度

実績

2026年度

目標

対象範囲

女性管理職比率

31.1%

32.8%※1

35.6%

33.0%

コーセーグループ

指導的地位にある社員の女性比率

33.2%

34.4%※2

38.7%

50.0%

コーセーグループ

有給休暇取得率

62.6%

74.6%

80.0%

80.0%

国内グループ会社

育児休業取得率(女性)

100.0%

99.8%

100.0%

100.0%

国内グループ会社

育児休業取得率(男性)

82.4%

85.7%

88.5%

100.0%

国内グループ会社

育児休業後の復職率(女性)

97.2%

95.7%

92.3%

100.0%

国内グループ会社

育児休業後の復職率(男性)

100.0%

100.0%

100.0%

100.0%

国内グループ会社

 

※1 ピューリ社含む24年度:34.5%

※2 ピューリ社含む24年度:38.3%

 

◆ビューティコンサルタントの活躍のために

店頭などで活躍するビューティコンサルタントに対しては、販売職としての職務のスキルアップはもちろん、将来的に教育職や店舗責任者などへキャリアパスが選択できるように支援してまいりました。

<取り組みの一例>

2019年度

営業職、本社スタッフ職などへとキャリアチェンジ制度を導入

2020年度

キャリアデザインを考える研修の計画をスタート。キャリア意識の調査、キャリア意識の醸成、個々のキャリア形成支援の3つのステップで、まずは美容教育職に実施

2021年度

独自のオンライン接客プラットフォーム「WEB-BC SYSTEM」による遠隔地のお客さまへの接客業務など、多様な働き方を選択でき、なおかつキャリアの継続につながる環境を提供

2022年度

社内キャリアコンサルタントがキャリアデザインにむけてカウンセリングをする「キャリアデザインルーム」の運用を開始

 

 


 

 

◆障がい者と健常者がともに働く環境づくり

障がい者と健常者がそれぞれの役割を果たしながら、いきいきと働ける環境づくりを進めております。本人の意欲と適性をもとにさまざまな部門に配置され、健常者とともに活躍をしております。専門的なサポートが必要な場合は、障害者職業生活相談員や産業医へ気軽に相談を行うことができる体制はもちろん、社外にも健康相談窓口を設け、安心して働くことができる環境を整備しております。

また、化粧品会社として初めて設立された特例子会社「アドバンス」においても、障がいをもつ人と健常者が、同じミッションを果たすために働いております。2025年からは本社においても、障がい者雇用とオフィス環境の最適化を同時に実現する「創夢(そうむ)ユニット」を結成しました。「単なる就労の場ではなく、働く喜びや創造の楽しさを享受してほしい」という理念のもと、全社的なダイバーシティ&インクルージョンの深化に取り組んでいます

 

◆年齢を問わず活躍できる職場

長年、各分野で培った経験を活かして、本人の意欲と能力に合わせて働き続けられるように、定年後の再雇用制度を導入しております。50代の従業員に向けたライフプランセミナーや、定年退職時の各種制度等を理解できる機会を設け、自分らしい人生選択ができるよう、サポートを行っております。また、定年退職後も就業継続を希望する社員には再雇用制度を提供し、熟年層ならではの技能やノウハウを次世代社員へと引き継ぎつつ、当事者の働く意欲を活かす体制にしております。

また、チャレンジ精神を醸成するために、若手のうちから責任のある仕事を任せ、アクセラレータープログラムと融合したイノベーション創出プログラム「LINK」を実施するなど、年齢を問わずに活躍できる企業風土を形成しております。

 

 

④ 健康経営

従業員が心身ともに健康であることは、会社の成長を支える重要な経営基盤となります。

当社グループでは、代表取締役社長が健康経営推進責任者となり、従業員の健康増進を重要な経営課題の一つと位置付け、従業員の健康リスク=経営リスクである「健康経営」という考え方を持ち、このリスク低減を目的に健康管理を重要な経営課題の一つとして取り組んでおります。

健康経営を通じた企業の持続的な成長を目指すため、人事担当役員を責任者としてコーセーグループ会社と健康保険組合、労働組合、産業保健スタッフが一体となって「健康管理強化プロジェクト」会議を推進し、健康促進に取り組んでおります。

具体的には健康診断100%受診やメンタルヘルス支援などの取り組みを推進するとともに「健康経営優良法人2026(ホワイト500)」を取得し、働きがいのある職場を整備しております。今後も従業員の活力を高め、持続的な成長につなげてまいります。

また近年では以下のKPIを設定し、女性の健康課題への取り組みを強化しております。

<健康経営関連指標>

指標

2022年度

実績

2023年度

実績

2024年度

実績

2025年度

実績

2030年度

目標

対象範囲

乳がん検診受診率

70.5%

66.8%

69.1%

69.1%

80.0%

国内グループ会社

子宮頸がん検診 受診率

52.7%

53.3%

56.5%

57.0%

80.0%

国内グループ会社

 

 

 

⑤ リスク管理

人的資本への取り組みに関するリスク管理は、当社グループのサステナビリティ戦略に組み込まれているため、(1) コーセーグループ サステナビリティ戦略 ③リスク管理をご参照ください。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響が及ぶ可能性のあるリスク並びに投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがあると考えております。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が主要なリスクと判断したものでありますが、ここに掲げられているものに限定されるものではありません。

 

当社では、将来にわたる事業の継続性と安定的発展の確保のため、全社横断的な組織として、「リスクマネジメント推進委員会」を設置し、リスクを網羅的に洗い出し、定性的な分析・評価を行うとともに、甚大な影響を及ぼす可能性のあるリスクに対し、必要な対策を講じております。具体的には、毎年、子会社及び各部門の責任者へのアンケートを通じて、リスク項目を抽出するとともに、「リスクが顕在化した場合の経営成績等の状況に与える影響」「リスクが顕在化する可能性の程度」の2つの評価軸で優先付けを行っております。

 

リスクアセスメントで抽出したリスクは、リスクカテゴリーごとに集約し、「戦略リスク」「事業・財務リスク」「政治・経済リスク」「事故・災害リスク」「人事・労務リスク」「法令違反・賠償リスク」に分類し、定期的にそれぞれのリスク対応の現状と進捗状況をモニタリングする仕組みを構築・運用しております。

 

2026年の世界経済においては、先端技術への投資拡大や機動的な財政・金融支援、緩和的な金融環境および物価上昇の鈍化等が成長を支え、総じて底堅く推移する見通しです。ただし、米国の関税政策や地政学的緊張の高まりによる景気の下振れリスクには注意が必要です。

日本については、賃上げの定着による所得環境の改善や、デジタル化・省力化に向けた設備投資の拡大を背景に、緩やかな景気回復が続くことが期待されます。しかし、金利上昇局面への移行による影響や、為替変動等に伴う物価再上昇が個人消費に与える影響、海外景気の下振れリスク等により、先行きは不透明な状況が続く可能性があります。

アジアにおいて、中国本土では政府による経済下支え策が継続しているものの、不動産市場の調整や低迷する内需の本格的な回復には、引き続き時間を要すると予想されます。

 米国では、労働需給の緩和やインフレ圧力の減衰を背景に、景気の底堅い推移が期待されます。一方、政策動向による影響など先行きは依然として不透明な状況にあります。このような環境下、米国化粧品市場においても個人消費の動向を慎重に見極め、柔軟に対応していく必要があります。

 

 

リスクカテゴリー

主要リスクの内容

主な取り組み

戦略リスク

価格競争

ブランド価値の毀損

市場シェアの低下

マーケットニーズ・顧客志向の変化を考慮した商品開発・マーケティング・販売活動を行うとともに、機能的・情緒的な付加価値での差別化により、競合優位性を維持・向上させるべく取り組んでおります。

競合の新規参入

異業種からの参入や競合他社の新たなチャネル進出による市場シェアの低下

お取引先や営業・販売現場からの情報を随時把握するとともに、定期的な消費者調査により、市場の情報をタイムリーに把握することに取り組んでおります。また、積極的に異業種と協業し、外部リソースや技術と連携することで、独自の価値追求にも戦略的に取り組んでおります。

研究開発の遅れ

ブランドの市場競争力の低下

イノベーションの減退

先端技術研究所においては、データサイエンスを用いた基礎的・応用的な研究を行うとともに、フランスのリヨン分室では、最先端の皮膚科学研究に取り組んでおります。また、外部リソースを活用したオープンイノベーションにも積極的に取り組んでおります。

消費者嗜好の変化

消費者ニーズとの乖離によるブランド価値の低下

消費者の情報を適切に入手するための市場調査の定期的な実施と、日本国内の消費者調査に加え、海外進出国における調査も強化しております。またデジタルの積極的な活用による新たな顧客体験を追求しております。

気候変動対応への遅れ

低炭素化社会に対応できないことによる事業収益性の低下

 

温室効果ガス削減をはじめとした気候変動の緩和に向けた様々な取り組みを積極的に行っております。また「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」の提言に基づく気候変動が事業に及ぼす「リスク」と「機会」についての情報開示など、国際的な動きへの対応にも努めております。

生物多様性・水資源課題への対応遅れ

自然資本の劣化や水リスクの高まりに対応できないことによる事業継続性の低下

自然資本への依存および影響の把握を進め、生物多様性・水資源に関するリスクと機会の分析を実施しております。また、TNFD提言を踏まえた情報開示の高度化や、ネイチャーポジティブの実現に向けた取り組みを推進し、サスティナビリティ戦略へ反映しております。

人権問題・雇用差別対応の遅れ

人権リスクに対応できていないことによる事業収益性およびレピュテーションの低下

「国連ビジネスと人権の指導原則」などの国際規範に基づき、「コーセーグループ人権方針」を策定し、取締役会の監督のもと、サプライチェーン・自社グループ・消費者および社会の各段階における人権リスクを毎年調査の上、適切な対応の後、結果を積極的に情報開示しております。さらに、コンプライアンス遵守の側面から、各種ハラスメントや個別人権課題に関する教育啓発活動に加え、社内外に向けた相談窓口を設置しております。

 

 

 

リスクカテゴリー

主要リスクの内容

主な取り組み

事業・財務リスク

原材料の価格高騰

原料高騰による利益率の低下

市場リスクを最小限にするために、海外を含めたグローバル調達を推進しております。また、サプライヤー様と良好な関係を保ちながら、必要な原材料や外注生産品を適切な価格でタイムリーに調達できるよう努めております。更に、「原価在庫廃棄低減推進委員会」の設置により、適切な原価の維持や在庫を確保するための取り組みも行っております。

原材料の供給途絶

製品の安定的な供給への支障

売上高・利益率への影響

当社の信用の低下

政治・経済リスク

法的規制の改変・対応

需要変動のリスク

商品の輸出への影響

事業に関連する法規制の情報を日々収集するとともに、製品開発においては、法規制変更に伴う原料規格内容の見直し、代替原料の確保に向け、国内外の情報ネットワークを有効活用し、対応を進めております。

海外進出国エリアの政治情勢の急変

需要変動による売上への影響

従業員の安全リスク

海外現地法人・取引先様との連携を高め、各国、各エリアの経済・政治・社会的状況についてタイムリーな情報収集を通じて、必要な対策を講じております。

事故・災害リスク

自然災害(地震・噴火・津波など)

生産・物流機能の停止による事業活動の停滞や中断

災害発生や感染症が蔓延した場合、速やかに対策本部を設置し、対応策を協議の上、実行いたします。また、災害時に備え、危機管理規程・防災マニュアル・BCP(事業継続計画)等を作成し、職場安全性の確認及び不具合箇所の是正、代替手段の確保にも努めております。

強毒性の感染症の蔓延

生産・供給・販売など事業活動の停滞や中断

人事・労務リスク

優秀な人材の確保

企業競争力の低下

多様な人材が活躍できる環境づくりの取り組みを進めるとともに、採用活動においては、職種別採用の実施による専門人材の獲得や、ビューティーコンサルタント職の処遇制度の改定による優秀な人材の獲得を進めております。

法令違反・賠償リスク

製品事故に関わる問題

重篤な製品事故発生による、お客様からの信用損失と企業

ブランド価値の低下

お客様に安全・安心な商品をお届けすることを第一に考え、商品づくりに取り組んでおります。当社グループの品質に対する考えを「品質方針」として表現し、それを象徴する品質方針メッセージと5つの活動宣言を定め、日々活動しております。

機密漏洩・個人情報の漏洩

情報の漏洩による信用損失・損害賠償

「コンプライアンス推進委員会」によるコンプライアンスの啓蒙に加え、個人情報については法律や経済産業省のガイドラインに基づき「個人情報管理委員会」を設置するとともに、情報セキュリティの強化により、万全な管理体制の構築に取り組んでおります。また、社内研修を定期的に実施し、リスクの共有、防止を徹底しております。

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

2024年12月26日に行われたPURI CO.,LTD.との企業結合について前連結会計年度末において暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

 

セグメントの名称

2024年12月

2025年12月

前期比較

金額

(百万円)

構成比

(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

化粧品事業

255,349

79.1

262,303

79.4

6,954

2.7

コスメタリー事業

64,719

20.1

64,493

19.5

△226

△0.3

その他

2,689

0.8

3,396

1.0

707

26.3

売上高計

322,758

100.0

330,193

100.0

7,435

2.3

 

 

区分

2024年12月

2025年12月

前期比較

金額

(百万円)

売上比

(%)

金額

(百万円)

売上比

(%)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

営業利益

17,364

5.4

18,467

5.6

1,102

6.3

経常利益

21,646

6.7

21,463

6.5

△183

△0.8

親会社株主に帰属する
当期純利益

7,510

2.3

15,114

4.6

7,604

101.2

 

 

当期(2025年1月1日から2025年12月31日まで)における日本経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移いたしました。個人消費は持ち直しの動きがみられるものの、物価上昇による消費者マインドの下振れや、米国の関税政策の動向による影響等、景気を下押しするリスクには引き続き留意が必要であります。

当社グループが主に事業展開しているアジア・米国経済において、依然として先行きは不透明な状況であります。中国では米中間の貿易摩擦、不動産市場の停滞や物価下落の継続等の影響により、景気には減速感が見られます。米国では継続的な高金利や関税増による物価高が個人消費や設備投資を抑制し、景気は底堅く推移するも、やや鈍化傾向にあります。

 

日本の化粧品市場は、リオープニング効果が一巡した2024年下期以降、基調に大きな変化は見られず、底堅く推移しております。インバウンド需要は8月以降、訪日客数の増加に伴い回復傾向にありましたが、11月中旬の中国政府による渡航自粛要請等を受け、12月以降は中国人旅行客による消費が減速いたしました。

アジアの化粧品市場では、特に中国市場において、中国国産ブランドの台頭や個人消費の低迷によって市場の二極化が続いております。

米国の化粧品市場では、消費者の価格感度の高まりを背景に、中・高価格帯のブランドは厳しい事業環境に直面しております。加えて、関税措置を巡る動向については、一部で報復関税の撤廃や税率引き下げ等の動きが見られ、ビジネスリスクに対する懸念は若干緩和されたものの、先行きは依然として不透明な状況にあります。このような背景から、今後も米国化粧品市場における個人消費の動向については、注視が必要であります。

 

このような市場環境の中、当社グループは2024年11月に公表した中長期ビジョン「Vision for Lifelong Beauty Partner―Milestone2030」を推進しております。現在は、フェーズ1「構造改革の完遂と基盤再構築」に位置付けており、日本事業の収益性向上に向けた事業構造の見直しとアジア事業の売上拡大に向けた投資を実施いたします。詳細は、第2[事業の状況][1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]をご覧ください。

 

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a. 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ6,661百万円増加し、393,454百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ5,846百万円減少し、88,669百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ12,507百万円増加し、304,784百万円となりました。

 

b. 経営成績

当期における当社グループの連結売上高は、前期比2.3%増の330,193百万円(為替の影響を除くと前期比2.6%増)となりました。

主力のコーセー事業、アルビオン事業及びコーセーコスメポート事業の売上高が伸長し、連結全体で増収となりました。連結売上高に占める海外売上高の割合は34.8%となりました。

営業利益は、タルト事業及びアルビオン事業で減益となるも、コーセー事業の収益性の改善により、18,467百万円(前期比6.3%増)となりました。

経常利益は、為替差益が前期より減少したため、21,463百万円(同0.8%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期において中国本土の構造改革に伴う事業整理損を計上したこと、及び法人税等の減少により、15,114百万円(同101.2%増)となりました。

 

1) 化粧品事業

化粧品事業は、ハイプレステージ及びプレステージともに増収となった結果、全体でも前期の実績を上回りました。

ハイプレステージでは、メイクアップブランドの「ジルスチュアート」等が減収となりましたが、「コスメデコルテ」ならびにアルビオン事業の主要ブランドを中心に売上を伸ばしました。加えて、新規連結対象の「パンピューリ」の上乗せも増収に寄与しました。

プレステージでは、主要ブランドである「ONE BY KOSÉ」の大幅増収及び「雪肌精」の海外売上の好調により、前期を上回る実績となりました。

同セグメントの営業利益は、増益となりました。ブランドプレゼンスの向上を目的とした積極的なマーケティング投資を実施したことにより、タルト事業及びアルビオン事業は減益となりました。一方、中国本土における構造改革の効果が顕在化したことで黒字転換したほか、コーセー事業での販売費及び一般管理費の抑制も寄与し、増益となりました。

これらの結果、売上高は262,303百万円(前期比2.7%増)、営業利益は16,768百万円(同11.4%増)となりました。

 

2) コスメタリー事業

コスメタリー事業の売上高は、前期並みとなりました。コーセー事業のセルフメイクアップブランドが前期の実績を下回ったものの、「メイクキープ」の好調及びコーセーコスメポート事業の過去最高売上高が打ち返しました。

同セグメントにおける営業利益については、コーセーコスメポート事業は前期並みの実績を維持しましたが、「ヴィセ」等のメイクアップブランドの減収による粗利減を相殺するには至らず、減益となりました。

これらの結果、売上高は64,493百万円(前期比0.3%減)、営業利益は6,252百万円(同10.4%減)となりました。

 

3) その他

その他の事業は、主にアメニティ事業での増収による売上総利益の増加が寄与し、増益となりました。

これらの結果、売上高は3,396百万円(前期比26.3%増)、営業利益は1,695百万円(同18.8%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より17,010百万円減少90,747百万円(前期比15.8%減)となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、11,138百万円の収入(同39.4%減)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益23,224百万円、非資金費用である減価償却費10,879百万円、売上債権の増加5,982百万円、棚卸資産の増加3,280百万円、その他の負債の減少4,788百万円及び法人税等の支払い8,838百万円等であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、17,744百万円の支出(同98.7%増)となりました。主な要因は、定期預金の減少による純収入4,325百万円、有形固定資産の取得による支出17,062百万円、固定資産売却による収入3,133百万円、無形固定資産の取得による支出4,329百万円及び投資有価証券の取得による支出3,712百万円等であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、10,000百万円の支出(同15.2%増)となりました。主な要因は、配当金の支払い7,989百万円等であります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

  至 2025年12月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

化粧品事業

174,823

103.4

%

コスメタリー事業

40,015

95.7

%

その他

2,961

203.2

%

合計

217,800

102.6

%

 

(注) 金額は製造会社販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
 

 

b. 受注実績

重要な受注生産を行っておりませんので記載を省略しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

  至 2025年12月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

化粧品事業

262,303

102.7

コスメタリー事業

64,493

99.7

その他

3,396

126.3

合計

330,193

102.3

 

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は下記のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。なお、本表作成に際しては経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告に影響を与える見積りが必要ですが、この判断及び見積りには過去の実績を勘案するなど、可能な限り合理的な根拠を有した基準を設定した上で実施しております。しかしながら、事前に予測不能な事象の発生等により実際の結果が現時点の見積りと異なる場合も考えられます。

当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計上の見積り及び見積りに用いた重要な仮定は、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]の[注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]の[注記事項](重要な会計上の見積り)に記載しております。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
1) 財政状態

当連結会計年度末の流動比率は362.2%、前連結会計年度末に比べ24.5ポイント増加、当座比率は235.0%、前連結会計年度末に比べ4.6ポイントの増加となりました。主な理由は下記のとおりであります。

資産は、前期末に比べ6,661百万円の増加となりました。

受取手形及び売掛金の増加6,055百万円、商品及び製品の増加3,321百万円、建設仮勘定の増加10,162百万円、投資有価証券の増加3,102百万円、退職給付に係る資産の増加8,900百万円、現金及び預金の減少21,508百万円、のれんの減少1,343百万円等によるものであります。

負債は、前期末に比べ5,846百万円の減少となりました。

支払手形及び買掛金の増加1,848百万円、長期繰延税金負債の増加3,243百万円、未払費用の減少3,030百万円、未払法人税等の減少3,079百万円等によるものであります。なお、有利子負債残高は10,668百万円、デット・エクイティ・レシオは0.04倍となりました。

 

2) 経営成績
(売上高)

当連結会計年度の売上高は、330,193百万円(前期比2.3%増7,435百万円増)となりました。

これをセグメントごとに分析すると、当社グループの主力事業である化粧品事業及びコスメタリー事業の売上高がそれぞれ262,303百万円(同2.7%増6,954百万円増)、64,493百万円(同0.3%減226百万円減)となりました。その他の事業の売上高は3,396百万円(同26.3%増707百万円増)となりました。

(営業費用)

当連結会計年度の売上原価は、102,219百万円(前期比2.0%増2,033百万円増)となりました。

販売費及び一般管理費は、209,507百万円(同2.1%増4,299百万円増)となりました。販売費及び一般管理費の売上高比率は0.2ポイント減少いたしました。

(営業外損益)

当連結会計年度の営業外損益は、2,995百万円の利益(前期比30.0%減、前期比1,285百万円減)となりました。当連結会計年度は為替差益507百万円(同81.2%減、2,201百万円減)を計上しております

(特別損益)

連結会計年度の特別損益は、1,761百万円の利益(前期比4,750万円増)となりました。固定資産売却益2,718百万円(前期比381百万円増)を特別利益に計上しております

 

3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より17,010百万円減少90,747百万円(前年比15.8%減)となりました。当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。

当社グループは「Vision for Lifelong Beauty Partner―Milestone2030」の実現に向け、生産設備の新設及び更新、新規市場進出のための投資、デジタルトランスフォーメーション推進への投資などを実施してまいります。それぞれの投資のタイミングにつきましては、資金残高及び資金調達のバランスを検証し、優先順位をつけて実施してまいります。

自己資金による事業運営、設備投資、株式投資、配当などを行っておりますが、金融機関とは28,000百万円のコミットメントラインを締結しており、事業運営上必要な投資などへの資金につきましては、外部調達も可能となっております。

当社グループの財務状況、安定した業績については、金融機関及び金融市場からの評価は高く、自己資金が不足した場合においても外部調達は可能と判断しております。

利益配分につきましては安定配当を基本としておりますが、今後の事業拡大のための内部資金の確保に配慮しつつ、財政状態、業績、配当性向などを勘案し、配当金額を決定しております。

 

b. 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

化粧品市場においては、リオープニング効果の一服感により、売上成長率は緩やかになったことに加え、一部地域の市場停滞が売上に影響を与えました。

2025年の世界経済においては、各国の中央銀行による金融政策に加え、米国の新政権の経済政策による影響に注目が集まっており、市場変化に対するタイムリーな対応の成否が、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすことが想定されます。

 

c. 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資金調達の状況につきましては、事業継続に必要と考える資金は確保していると認識しております。

今後の資金使途につきましては、内部留保により財務体質の強化を図る一方、設備投資やM&Aに取り組むことで将来のキャッシュ・フローの創出につなげ、資本効率の向上を図ってまいります。また、一時的な余剰資金の運用につきましても、安全性を第一に考慮し運用商品の選定を行ってまいります。

 

d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、売上高成長率、売上高営業利益率、EBITDAマージン、ROICを重要な経営指標としております。それぞれの前連結会計年度、当連結会計年度推移及び「Vision for Lifelong Beauty Partner―Milestone2030」でのそれぞれの目標に対する進捗については、以下のとおりです

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

Milestone2030

売上高成長率

+7.4%

+2.3%

CAGR+5%以上

売上高営業利益率

5.4%

5.6%

12%以上

EBITDAマージン

8.8%

9.4%

18%以上

ROIC

2.6%

3.7%

10%以上

 

 

 

当連結会計年度は売上高営業利益率、EBITDAマージン及びROICは前連結会計年度を上回ったものの、売上高成長率は前連結会計年度を下回りました。その要因として、タルト事業およびアルビオン事業で減益となった一方で、マーケティングコストの抑制によりコーセー事業の収益性が改善したためであります。当連結会計年度における各重要な経営指標につきましては、第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況で述べたとおりであります。

(注) ROIC=税引後営業利益/ (有利子負債と純資産の合計の期中平均値)×100

 

e. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 財政状態
(化粧品事業)

グメント資産は、現金及び預金の減少15,437百万円、売掛金及び受取手形の増加4,716百万円、棚卸資産の増加1,260百万円、有形固定資産の増加3,095百万円、無形固定資産の減少1,281百万円、投資その他の資産の増加6,418百万円等により、前連結会計年度末に比べ217百万円減少269,634百万円となりました。

(コスメタリー事業)

グメント資産は、現金及び預金の減少545百万円、売掛金及び受取手形の増加1,263百万円、棚卸資産の増加771百万円、有形固定資産の増加2,353百万円、投資その他の資産の増加838百万円等により、前連結会計年度末に比べ4,624百万円増加57,639百万円となりました。

(その他)

グメント資産は、現金及び預金の減少587百万円、売掛金及び受取手形の増加371百万円、棚卸資産の増加1,308百万円、有形固定資産の増加711百万円、投資その他の資産の増加101百万円等により、前連結会計年度末に比べ1,981百万円増加6,435百万円となりました。

 

2) 経営成績

当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績につきましては、第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b. 経営成績で述べたとおりであります。

 

5 【重要な契約等】

(持株会社体制への移行に伴う会社分割)

当社は、2025年2月26日開催の取締役会において、会社分割の方式により持株会社体制へ移行するため、2026年1月1日を効力発生日として、当社の100%子会社である株式会社コーセー分割準備会社との吸収分割契約を締結することを決議いたしました。

詳細は、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]の[注記事項](重要な後発事象)に記載のとおりであります。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、お客様のニーズに合った化粧品を市場に提供するために、主に、以下の国内二拠点を中心として研究開発活動に取り組んでおります。

コーセー製品開発研究所‥‥‥‥‥‥‥製品開発研究・管理、海外市場研究、薬事戦略、

サステナビリティ研究、研究戦略・管理

コーセー先端技術研究所‥‥‥‥‥‥‥先端技術研究、皮膚科学研究、基盤技術研究、品質保証研究、

IT関連技術開発・管理

当連結会計年度におきましては、更なる顧客価値創出のための技術開発力と品質保証体制の強化、グローバル化への対応を進め、研究開発活動のより一層の向上に努めました。

当連結会計年度における研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

製品研究分野の研究成果として、当連結会計年度において開発いたしました主な製品は以下のとおりであります。

 

 

スキンケア製品・ヘアケア製品

製品名称等

特徴

セグメントの

名称

コスメデコルテ

ユースパワー エッセンスローション

独自の老化研究により生み出された『YOUTH POWER COMPEX』や、独自の発酵プロセスにより開発した天然由来成分『黒麹発酵液(KUROKOJI)』を高濃度(62%)配合、またこれらの美肌成分を角層深くまで行き渡らせるために、新たに親水性多重層バイオリポソームを開発し安定に共存させることに成功した高機能化粧水

化粧品事業

コスメデコルテ

AQ 毛穴美容液オイル

肌の角栓を溶かし出すために、1000億通りの成分と配合量の組み合わせの中から量子コンピューターを用いて最適な処方を導出。摩擦感のない軽い伸び広がりで毛穴のすみずみまで行きわたり、すっきりと洗い上げる毛穴用美容液。

化粧品事業

コスメデコルテ

AQ リペアエッセンスシャンプー

塗る美容液シャンプーをコンセプトとして、毛髪補修カプセルやキューティクル補修成分を配合した美容液成分と、洗浄成分とをバランスよく組み合わせることで、頭皮や毛髪の汚れを落としながら毛髪を滑らか、艶やかに洗い上げる品質を具現化。

化粧品事業

ONE BY KOSE

ポアクリア スクラブ ウォッシュ

新規採用の弾力感があり柔らかい保湿スクラブと、微細なマイクロスクラブを配合。洗顔料としても優れた泡質の製剤にこれらのスクラブを配合することで毎日使えるスクラブ洗顔料を実現。

化粧品事業

ジュレーム レイヤードシリーズ

髪の美容成分を重ねて閉じ込めるレイヤードパック処方と、独自の香り研究から生まれた記憶に残るブルーミングライラックの香りにより、髪のうるおい感とまとまり感の持続を実現するだけでなく、 消費者の心にも寄り添うことを目指したヘアケアシリーズ。

コスメタリー事業

 

 

メイクアップ製品

製品名称等

特徴

セグメントの

名称

ルージュDECORTEクリームグロウ

低粘度の油剤によるみずみずしいツヤと滑らかな伸び広がりを叶えつつも、経時でにじまず化粧膜を維持する新規開発のオイルゲルを配合。トレードオフの品質を具現化した“自社最高品質のツヤタイプ口紅”。

化粧品事業

DECORTEスキンシャドウデザイニングパレット

肌と血色感の延長線上のスキントーンカラーと、光透明感・ツヤ・マットの質感バリエーションからなる新規アイシャドウパレット。ツヤを与えるクリアゲルでパウダーを均一にコーティングすることでしっとりとした濡れ艶を与え、自社独自開発の化粧持ち成分により見たままの発色が長時間持続する

化粧品事業

エスプリーク メルティセラム グロウパウダー

5年の歳月をかけて完成させた新感覚のパウダーファンデーション。高い透明性と弾力に優れた「セラムタッチパウダー」を配合し、パウダー一粒一粒を高濃度美容液でコーティングする新製法を採用することで、粉感がなく、しっとりとなめらかな肌どけタッチ・上品なツヤ・きめ細かく均な薄膜で、然なカバーを叶える

化粧品事業

コスメデコルテ ゼン ウェア パウダーファンデーション

新規機器を使用した独自の処理技術で仕上げたキメ細かくなめらかなパウダーが、肌にとけこむようになじみ、自然な艶肌に仕上げるパウダーファンデーション。くすみ・色ムラ・毛穴などを自然にカバーして、透明感のある美しい仕上がりが24時間持続する

化粧品事業

メイク キープ パウダー EX

市場で好評を得ているメイクキープパウダーのパワーアップリニューアル。グローバルスタンダードを見据えたPFASフリー・タルクフリーを実現するとともに、自社独自開発の2種の化粧持ち成分を粉体に処理して使用することで、サラサラとした好感触・透明感のある仕上がり・圧倒的なテカリ防止効果を具現化した。

化粧品事業

 

 

基礎研究分野では、美白研究において真皮の細胞がメラニン生成にブレーキをかける仕組みを発見し、また老化研究では皮膚細胞の老化連鎖にかかわる因子の特定と影響解明に成功しました。これらの研究成果は化粧品分野における代表的な国際学会であるIFSCCにおいてTOP10アワードを受賞するなど高い評価を得ており、今後新たなアプローチによる成分評価や化粧品開発につなげてまいります。また、保証関連の基礎研究では、経皮吸収研究の精度を高め、安全性評価や成分イメージング技術への展開を図っています。さらに安全性評価においてはNGRA(Next Generation Risk Assessment)というヨーロッパを中心に発展してきた動物を用いない新しいリスク評価手法ができるよう、データベースの拡充や人材育成を進めています。

一方でデジタル技術を駆使した先端的な研究にも取り組んでおります。慶應義塾大学との共同研究では、リップメイクの形状や色の類似性に基づいて、主観的なバイアスなく画像を自動分類することを可能とする「教師なし距離学習モデル」を開発しました。本モデルは人手によるラベル付けを必要としないため効率的で、SNSなどにおけるリップメイクのトレンド分析への応用が期待できます。また、その高い分類精度から、少数派のスタイルを取りこぼしづらい点も特長です。

また、顧客層のさらなる拡大を目指した調査研究も進行中であります。思春期はアイデンティティを確立するための大切な時期としても知られており、外見や美に対する考え方がどのようにアイデンティティの形成に影響するかは重要な研究課題であるため、中高生のアイデンティティの形成に重要な要素を見出し、外見と心の両面から中高生を支援する可能性について検討しました。その結果、中高生にとって“自分らしさ”を受容することが、他者からの称賛や周囲との調和よりも、より強くアイデンティティの確立と幸福感に繋がることを明らかにしました。また、スキンケアの習慣化の効果を進学塾に通う中高生に対して検証したところ、肌悩みを低減することに加え、自信に繋がるなどの自己受容を高められることを確認しました

 

以上の結果、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は6,926百万円であり、セグメントごとの内訳は、化粧品事業5,558百万円、コスメタリー事業1,032百万円であります。また、各事業部門に配分できない基礎研究費用は335百万円であります。