第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の方針

 当社グループは、経営理念の実現に向け、常にお客様の立場で発想し、お客様と共感する商品・サービスを提供し続けるために、社員の成長を通して企業価値の向上に努め、法令遵守のもと企業の存在意義を高めていきます。

(経営理念)

・私達は、常にお客様に満足していただける独創的な商品を豊かに追求し提供します。

・私達は、社会の一員として役立つために企業活動を通じて人間性の向上に努めます。

・私達は、人間の持つ無限の可能性を信じ企業の永続・発展に努め、より大きな幸せの創造に貢献します。

 

(2)経営計画

 当社グループは主に二輪車を趣味とするユーザーに向けてバイクライフをより快適にする様々な商品を提供しており、社会環境や意識の変化に合わせて順調に成長を続けております。

 2007年以降ワークライフバランスが提唱され、長時間労働の抑制を始めとする法令整備もあり余暇時間の増加や充実した人生を送るための趣味の充実など意識の変化も見られます。

 また2020年には新型コロナウイルス感染症が発生し、密を避けるアウトドア志向が高まった結果、二輪車の新規免許取得者や車両販売が大きく増加したことに伴い当社グループ商品の需要が一層加速しました。

 その後約3年間続いた新型コロナウイルスへの対応は、行動制限の解除とともに正常な社会活動に向けて大きく変わりはじめ、強い追い風は落ち着き始めておりますが、ワークライフバランスを基軸とした環境変化の流れと拡大した二輪車市場は当社グループにとってプラス要因であると考えております。

 このような環境の中、当社グループが3年後に目指す姿を実現するための経営方針と具体的な数値目標や戦略をまとめた中期経営計画を毎年策定しております。当該計画は、毎年調整を行うローリング方式で策定しており、二輪車市場の環境変化やユーザー志向の変化等、さらに社内リソースや協力会社の体制等を相互に勘案したうえで修正を加えまとめております。

 前連結会計年度に策定した2025年度~2027年度中期経営計画における2025年度は、グループ全体として計画に対して減収減益という結果になりました。この主な要因は、アジア拠点卸売事業におけるインドネシア子会社の決算期変更に伴い、当期は9か月分の損益の計上となったことによるものであります。

 なお、2026年~2028年の中期経営計画については、アジア拠点卸売事業の急成長と国内各事業の動向を鑑み既存計画を見直し策定しております。

 その概要は、当社ホームページ「中期経営方針(2026年度~2028年度)」に公表いたしておりますのでご参照ください。

 

(3)目標とする経営指標

 当社グループは、趣味性の高い市場を事業領域としており、お客様のニーズに対応する多くの商品を提供しています。お客様の志向は多種多様であり、このニーズに的確に対応するためには多くの新商品の投入が必要不可欠であります。当社は、多様なニーズの収集や多品種の開発を適時に行うため少人数で構成する開発グループ制を採用し、また多品種小ロットの商品提供を実現するため、自社では生産設備を持たず、それぞれ商品の特性に合わせた最適なベンダーに生産を委託しています。

 このスキームにより、多くの新商品投入を実現し既存商品の販売逓減をカバーしております。したがって毎年投入する新商品による売上高構成比を重要な指標の一つとしています。

 また、経営理念に掲げる独創的な商品の提供を目指し、お客様から高い支持を得られる、他社と差別化された付加価値の高い商品により利益を確保し、営業利益率10%以上を目標としています。

 捻出した利益は、新たな商品開発への再投資を行い、また、M&Aなどの大きな投資による借入金の増加などにも備え、自己資本比率をしっかりと確保しながら効率的に資本を活用するため自己資本利益率も重要な経営指標と捉え、この向上に努めております。

 中長期的には、バイク文化の創造企業として、世界のライダーに支持されるブランドを持つグループ企業を目指すとともに、これまで培った「発想」「評価」「改善」能力を活用し、環境変化に対応した商品・サービスを提供することで社会貢献を推進してまいります。

 

 

(4)会社の対応すべき課題

 国内市場においては、エネルギー価格や原材料価格の高止まりに加え、為替相場の変動等の影響により、当社グループを取り巻く経営環境は引き続き先行き不透明な状況が続くものと想定されます。

 このような状況下において、当社グループは、従来より重点課題としている新商品・リニューアル商品の開発強化・拡充をはじめ、新サービスの市場投入、安全・安心なモノづくり、サステナビリティへの取り組みの推進、海外市場への展開、新規チャネル・新規顧客の開拓、さらには新たなビジネスモデル構築への取り組みを

継続し、二輪事業における競争力の強化を図りながら、永続的な成長を目指してまいります。

 

① 海外市場の展開

 海外市場においては、成長余地の大きいアセアン地域を中心とした事業展開を継続し、既存拠点における販売体制の強化および商品投入スピードの向上を進めてまいります。併せて新規販売チャネル・新規顧客の開拓に加え、現地市場特性に応じた物流・運用体制の整備を通じて、安定的な収益基盤の拡充を図ってまいります。

 インドネシア子会社においては、既存商品の販売強化に加え新商品の投入を継続し、商品ラインアップの拡充による売上成長を目指してまいります。今後は販路拡大と商品投入スピードの向上を両立させるとともに、事業規模拡大に対応したガバナンス体制および内部統制の一層の強化を進め、安定した事業運営基盤の構築に取り組んでまいります。

 フィリピン子会社においては、大手ディストリビューターとの取引を基盤に、小売店向け販路の拡充およびブランド認知度の向上を重点施策として推進してまいります。インドネシアで展開している商材やノウハウを活用しながら、商品投入の強化、オンライン販売の活用、各種イベントへの出展等を通じて販売基盤の拡大を図り、早期の収益基盤確立を目指してまいります。

 

② 国内市場における商品力、ブランド力の強化

 当社グループの主体である国内二輪車用品市場においては、ユーザー支持率No.1ブランドの確立が最も重要な施策です。

 人口減少や物価高騰の影響により消費行動の変化が進む中、永続的な成長を実現するためには、商品力・ブランド力の一層の強化と市場シェアの拡大が不可欠であります。

 新商品開発および既存商品のリニューアルをこれまで以上に経営資源を投下し、より魅力ある商品を市場へ投入してまいります。

 また、営業活動においては、オンラインチャネルの活用強化、動画・SNSを通じた情報発信の充実、ユーザーコミュニティサイトの運営などにより、ユーザーとの接点拡大とブランド認知度の向上を図ってまいります。さらに、EC販路における運用体制の高度化を進め、変化する市場環境に柔軟に対応できる販売基盤の構築に取り組んでまいります。

 

③ 新規事業投資と事業化の推進

 国内の人口減少等に伴う二輪車関連需要の縮小に備え、既存二輪事業に次ぐ収益の柱を確立することは、当社グループの中長期的な重要課題であります。中期では当社の売上構成比の9.8%程度、将来的には当社の売上構成比の25%程度を二輪車アフターパーツ以外で構成できるよう投資をしてまいります。

 アウトドア事業、特機事業、リユース事業等の新規事業の強化に加え、M&Aによる新たな事業への参入も積極的に推進してまいります。

 

④ 持続可能な社会の実現に向けた取り組み

 近年、ESG・サステナビリティといった社会課題に対する注目が一層高まっており、中長期的な企業価値向上のためには業績の拡大のみならず、社会課題への取り組みが不可欠であると認識しております。将来にわたり二輪車を楽しめる豊かな自然環境や社会の実現は、当社グループの永続発展にも資する重要な取り組みです。

 今後もコーポレートガバナンス・コードやSDGsを指針とした経営体制の整備を進め、社会から信頼される企業グループの構築を目指してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 当社グループは、サステナビリティ全般に関する課題を重要なテーマと捉え、中長期的な企業価値向上のためには業績拡大のみならず、これらの社会問題への取り組みが一層重要になると考えております。

 当社グループのサステナビリティの基本方針は、以下のとおりです。

① 地球環境

 当社は、自社太陽光発電設備により使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄う取り組みを推進しています。また、化石燃料使用量軽減、パッケージの脱プラスチックへの推進、あるいは、化石燃料の代替エネルギーの研究により、環境への貢献とそれを実用化するための商品開発を行っています。

 自社太陽光発電設備では、環境価値が付随した電力を安定して需要先に供給することや、自社設備を大規模停電時後に起こる地域復興時の電力源として活用するための検討も進めています。

 そして、2032年には、FITが終了する当社本社の太陽光発電設備を継続運用することにより、発電した電力で直接本社電力を賄う「本社電力オフグリッド」を目指しています。

 

② 従業員

 働く者一人ひとりの健康と安全が成長の源であり、人権を尊重し多様性を認めて、公正な立場での活躍の機会と成長のチャンスを提供します。

・教育方針

  社会の一員、そして仕事のプロフェッショナルとして真の人材となる教育、訓練を実施していきます。

・雇用制度の充実

  すべての従業員に対し、公正な立場での活躍の機会と成長のチャンスを提供します。

 

③ お客様

 経営理念に則り、期待に応える独創的かつ高品質な製品とサービスを開発・提供してまいります。

 企業責任において各種の法令を遵守し明示した合法商品の提供、そして安心して購入していただける商品保証制度を継続して実施いたします。

 お客様の不満、要望に速やかに対応した商品、サービスを通してお客様との信頼関係を構築していきます。

迅速、誠実なクレーム対応を基本とし、頂いたクレームを次の商品開発、情報サービスに活用しクレーム発生率を低減させていきます。

 

④ 取引先

 共存共栄の実現を目指して、関連する諸法令を遵守のうえ自由かつ公正な取引を行います。

 

⑤ 株主(含投資家)

 正確かつ公正な情報開示を行い、長期的かつ安定的な成長を通じて企業価値の向上を目指します。

 

⑥ 地域社会

 地域社会の一員として地域の活性化と調和に努めます。

 当社は、特定の地域を定めず、各市町村の観光協会と観光パートナー協定を結び、相互のプロモーション活動に当たり、相互支援協力し、地域の活性化を図るとともに、バイクライダーへの情報発信、当社が掲げるバイク文化の創造を周知することを目標に以下の取り組みを推進しております。

・バイク事故の削減に向け、バイクライダーへのマナー向上、安全安心な商品情報を発信します。

・持続可能な観光業を促進の一助となる、バイクライダーからの情報発信を促す活動を進めます。

・関係を密に情報発信することで、都市部から農村部への良好なつながりを支援いたします。

 

 当社グループは、事業活動を通じて社会の持続可能な発展に貢献することが、当社グループに期待されているサステナビリティ(持続可能性への取り組み)と考えています。

 詳細は以下当社HPに掲載しております。

https://corporate.daytona.co.jp/sustainability/

 

 

ガバナンス

 当社グループにおけるサステナビリティ推進体制は、さまざまな社会課題解決に対する企業への期待・要請に適宜・適切に対応するべく、実効性のある推進体制を構築しています。

 また、サステナビリティ関連も含めた当社のリスク管理は、当社のリスクマネジメント規程の下、適宜・適切に管理・対応しております。

 

戦略

 人的投資につきましては、企業事業の継続および持続的な成長を実現するため、新規事業領域における人材確保を積極的に行うとともに、次世代幹部育成のための中堅若手社員への教育等において、外部専門家の活用を行っております。

 再生可能エネルギーの活用に関しましては、2032年以降「本社電力オフグリッド」による自社の太陽光発電施設からの電力で、本社電力を賄っていきます。

 

リスク管理

 当社では、社長を委員長とする「リスクマネジメント・コンプライアンス委員会」を設置し、事業リスクの低減と倫理・遵法、環境、人命・地域の安全確保、品質問題など社会的に大きな影響を与えるリスクの根絶を目指し、リスクの早期発見とその対策に取り組んでいます。

 気候変動に関連する重要なリスクなどについては、全社リスクマネジメント管理のプロセスと同様に、リスクマネジメント委員会がサステナビリティの基本方針をもとに経営会議による分析を経て、その影響度や管理状況について適宜取締役会への報告を行っています。

 

指標及び目標

 当社グループは、SDGs(持続可能な開発目標)につきまして、具体的には「自社太陽光発電設備から環境への取り組み」「脱炭素エネルギー・化石燃料の代替燃料として水素生成装置開発の取り組み」「バイクライダーのマナー向上やライダーが集える場所の提供を目的に、各市町村の観光商会とのパートナー協定の推進」等について取り組んでおります。

 また、当社グループは、「再エネ100宣言RE Action(アールイー・アクション)」を実現すべく、2021年11月に気候変動テックで脱炭素社会に貢献する非化石証書仲介業者と連携いたしました。現在もデイトナ太陽光発電所の発電電力をトラッキングされたFIT非化石証書をe-dash社より購入し、当社グループで使用される電力の脱炭素化を実現しております。

 2025年度は当社グループ企業の使用電力は、再生可能エネルギー100%を実現しました。2032年にFIT(再生可能エネルギーの普及を目的とした固定価格買取制度)が終了するデイトナ本社の太陽光発電設備を継続運用することにより、「本社電力オフグリッド」を目指し、脱炭素社会に貢献します。今後もコーポレート・ガバナンスコードやSDGsを指針に社会貢献に取り組んでまいります。

 

 人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標

 当社は従業員に対して、男性・女性関係なく社会の中で生き生きと活躍できるように様々な取り組みを行っています。

 「社会の一員、そして仕事のプロフェッショナルとして真の人材となる教育、訓練の実施」を教育方針に掲げ、①次世代育成研修、②リーダー研修、③プレゼンテーション研修、④インナーブランディング研修を実施しております。

 また、雇用制度においては、すべての従業員に対し、公正な立場での活躍の機会と成長のチャンスを提供しており、子育て女性・男性への育休制度、育休後のグループ内サポート、時短勤務制度、時差出勤制度、リモート勤務制度、デイトナ人事制度、FA制度、ブーメラン制度、セカンドキャリア制度、イノベーション研修(新規事業創出)、ならびに英会話教室等を実施しております。

 また、当社グループでは、グループ会社間(海外子会社)と短期間研修を行っております。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、ここで記載する内容は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

(1)天候による影響

 当社グループ商品は、バイクライダーが早春から初冬のシーズン中にレジャー・ツーリング等で利用されるものが多く、シーズン最盛期の降雨等の天候不順や異常気象等により売上高が減少し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)為替の変動による影響

 国内卸売事業およびアジア拠点卸売事業における外貨建て取引は外国為替相場の変動リスクがあります。主要な取引は必要に応じて為替予約などのリスクヘッジをいたしますが、完全に回避することができず、急激な為替変動により業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)減損会計を適用した場合のリスクについて

 当社グループは固定資産を保有しておりますが、この中で地価の下落やこれらの資産を利用した事業の収益性に低下があった場合、減損会計に基づき損失として計上することが必要となり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)個人情報について

 当社グループは、二輪車部品・用品のインターネット販売を行っており、多くの個人情報を保有しております。当社は、「個人情報の保護に関する法律」を遵守し、厳格な個人情報の管理の徹底を図っております。しかしながら、これら個人情報が漏洩した場合、社会的信用の失墜、事故対応による多額の経費発生等により、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(5)感染症について

 2020年に流行しました新型コロナウイルス感染症は、2023年5月より「5類感染症」に分類され、行動制限が解除されました。当社グループにおきましても、行動制限時には衛生管理の徹底や感染者数の多い地域への出張者に対しては在宅勤務の期間を設けてから出社するよう感染防止対策を実施しておりましたが、現在は当該規制も解除しております。

 今後も新型コロナウイルス感染症に関わらず、各種感染症等により出荷・荷受関係者に感染が広がった場合には、商品出荷業務の遅延による販売機会損失が発生し、売上高の減少が一定期間続く可能性があります。

 また、海外での感染症の流行により、海外商品において調達先国の工場稼働の停止や原材料の供給不足による製造遅延、船便のコンテナ不足による配送遅延やそれに伴う輸送コストの上昇懸念等で当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

 

(6)棚卸資産の評価について

 棚卸資産は、一定期間の販売状況、在庫回転期間などに基づき、四半期ごとに適切な評価を行っておりますが、急激な市場の変化により商品需要が経営者のコントロール不能な要因によって大きく変動した場合、保有している商品に滞留が生じます。その結果、過剰在庫の評価方針が実態と乖離した場合、棚卸資産の評価が下がり商品評価損の増大で利益が減少するリスクがあります。

 

(7)のれんの減損

 当社では2017年10月に取得した関係会社株式について、のれん6億50百万円を10年間で償却を進めております。現在、8年経過しのれんの残高は1億30百万円となっております。今後の子会社の業績の動向により、取得時に策定した事業計画を下回った場合にはのれんの残高が減損処理となるリスクがあります。

 

(8)自然災害に関するリスク

 当社グループの国内拠点卸売事業の事務所兼倉庫等の物流拠点は、静岡県と愛知県にあります。地震や風水害等の自然災害により当社グループの事業継続計画(BCP)の想定を超える被害が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を受ける恐れがあります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)業績の概要

① 経営成績等の概要

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、海外情勢の不透明感に加え、米国の関税政策の影響、物価高騰による個人消費の抑制、為替相場の円安基調、国内経済政策の動向等により、企業活動を取り巻く環境は依然として先行き不透明な状況が続いております。

 国内の二輪車業界においては、新車販売台数は概ね前年並みで推移しており、コロナ前と比較しても引き続き高い水準を維持しております。これにより、国内の二輪車保有台数は安定的に増加傾向となっております。

 海外の二輪車市場においては、連結子会社のあるインドネシアでは期中に発生した大規模デモの影響により一時的に経済活動が停滞しましたが、その後は沈静化とともに回復基調で推移しております。また、フィリピンにおいては二輪車販売台数が前年を上回る水準で推移し、市場は堅調に推移しております。

 このような状況のもと、当社グループでは中期経営方針として「変革と成長」を掲げ、支持率No.1ブランドの獲得に向けて、収益構造の見直しとともに、商品力・ブランド力の強化を図るべく、主に新商品の企画・開発及び既存製品のリニューアル開発に注力してまいりました。

 なお、当連結会計年度におきましては、インドネシア子会社が決算期変更により、9カ月間の損益計上となったため、前連結会計年度に対して減収減益となりました。

 この結果、当連結会計年度の連結売上高は143億76百万円(前期比1.4%減)、営業利益は16億10百万円(前期比6.1%減)、経常利益は16億58百万円(前期比4.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は11億48百万円(前期比4.9%減)となりました。また、連結における自己資本比率は80.1%、自己資本当期純利益率については12.9%となりました。

 

[国内拠点卸売事業]

 国内拠点卸売事業においては、市場環境は概ね安定的に推移いたしました。当社グループでは新商品の継続的な投入や販売施策の強化に取り組み、当連結会計年度を通じて堅調に推移いたしました。

 商品ジャンル別には、ライディングウェア、シューズ、ヘルメット等のライディングギアが好調に推移するとともに、補修消耗品であるバッテリー、充電器、ボディカバー等の売上が伸長いたしました。また、二輪車関連事業に加え、新規事業であるアウトドア用品部門についても売上が拡大し、全体では前連結会計年度を上回る売上となりました。

 利益面では、為替相場の円安基調による仕入れコスト増に加え、オフロードジャンル商品の販売減少の影響が大きく、前連結会計年度を下回りました。

 この結果、国内拠点卸売事業の売上高は104億90百万円(前期比0.8%増)、セグメント利益は10億52百万円(前期比2.7%減)となりました。

 

[アジア拠点卸売事業]

 アジア拠点卸売事業におけるインドネシア子会社では、既存商品に加え、当期投入したキャストホイールや補修系商材等が好調に推移し、新商品の売上が全体の15%以上を占めるなど、販売面では一定の成果が見られました。一方で、決算期変更に伴い当連結会計年度での対象期間が9か月間となったことから、売上高および利益面では前年同期を下回る結果となりました。

 2024年2月に設立したフィリピン子会社では、大手ディストリビューターとの取引契約が順調に推移しており、フィリピンのほぼ全土をカバーする販売体制が整いました。これにより小売店への販路は約600店舗まで拡大しております。また、ソーシャルメディアを活用したマーケティング活動や、各種イベントへの出店を積極的に行い、デイトナブランド認知度の向上に努めました。さらに、オンライン販売も堅調に推移するなど、販売基盤の構築が大幅に進展いたしました。

 この結果、インドネシア子会社の決算が9か月間となったこともあり、売上高は15億54百万円(前期比7.9%減)、セグメント利益は3億39百万円(前期比18.0%減)となりました。

 

[小売事業]

 小売事業では、コロナ後のライフスタイル多様化による趣味嗜好の分散や、社会・経済活動の再活性化に伴う消費行動の変化により、来店客数は前年同期比で減少となりました。加えて、物価高騰による消費者の節約志向の高まりの影響もあり、高価格帯商品の販売は減少傾向が見られます。

 一方で、車検・修理・タイヤ交換といったPITサービスに対する需要は堅調に推移しており、リアル店舗ならではの専門性と即時対応力を活かしたサービスの強化に注力してまいりました。また、店舗ごとの業績管理やサービス提供の最適化を通じて、効率的な運営体制の構築を進めてまいりました。

 この結果、売上高は21億41百万円(前期比5.6%減)、セグメント利益は1億33百万円(前期比10.6%増)となりました。

 

[その他]

 その他事業の太陽光発電事業では、安定的な日照時間の確保により発電量が堅調に推移し、売上高・利益ともに前連結会計年度を上回りました。

 リユース販売事業では、注力している仕入れリソースの開拓が進展しているものの、商品調達が伸び悩んだことにより販売数量が減少し、売上・利益ともに前連結会計年度を下回りました。今後は、調達先のさらなる拡充を重点施策とし、取扱商品の安定確保と収益性向上の両立を図ってまいります。

 この結果、その他事業における売上高は2億96百万円(前期比5.7%減)、セグメント利益は46百万円(前期比13.0%減)となりました。

 

② 財政状態の分析

(流動資産)

 流動資産は、前連結会計年度末に比べ10.0%増加し、92億75百万円となりました。これは、現金及び預金が2億5百万円、棚卸資産が5億37百万円増加したことなどによります。

 

(固定資産)

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ4.8%減少し、23億74百万円となりました。これは、有形固定資産が50百万円、無形固定資産が64百万円減少したことなどによります。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ7億19百万円増加し、116億50百万円となりました。

 

(流動負債)

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ3.4%増加し、20億78百万円となりました。これは、買掛金が94百万円増加したことなどによります。

 

(固定負債)

 固定負債は、前連結会計年度末に比べ54.8%減少し、1億30百万円となりました。これは、長期借入金が1億71百万円減少したことなどによります。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ89百万円減少し、22億8百万円となりました。

 

(純資産)

 純資産合計は、前連結会計年度末に比べ9.4%増加し、94億41百万円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ86百万円増加の21億95百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 法人税等の支払額による支出が5億3百万円となりましたが、税金等調整前当期純利益が16億68百万円、減価償却費の計上が1億69百万円となったことにより、当連結会計年度における営業活動により得られた資金は8億37百万円(前連結会計年度に得られた資金は14億25百万円)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 定期預金の払戻による収入が1億3百万円となりましたが、定期預金の預入による支出が2億22百万円、有形固定資産の取得による支出が78百万円、無形固定資産の取得による支出が34百万円となったことにより、当連結会計年度における投資活動により使用された資金は2億26百万円(前連結会計年度に使用された資金は2億52百万円)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 長期借入金の返済による支出が1億89百万円、配当金の支払額が3億6百万円となったことにより、当連結会計年度における財務活動により使用された資金は5億2百万円(前連結会計年度に使用された資金は5億76百万円)となりました。

(仕入及び販売の状況)

(1)仕入実績

 当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前連結会計年度増減率

(%)

国内拠点卸売事業

7,308,330

5.8

アジア拠点卸売事業

1,271,648

6.1

小売事業

975,327

5.7

合計

9,555,306

5.8

(注)セグメント間取引については、相殺消去しておりません。

 

(2)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前連結会計年度増減率

(%)

国内拠点卸売事業

10,385,055

0.8

アジア拠点卸売事業

1,554,243

△7.9

小売事業

2,141,542

△5.6

その他

296,119

△5.7

合計

14,376,961

△1.4

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な販売先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

アマゾンジャパン合同会社

2,324,256

16.0

2,593,449

18.0

株式会社山城

2,118,351

14.6

1,918,282

13.3

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討の内容

 当連結会計年度における国内拠点卸売事業は、支持率№1ブランドの獲得を旗印のもと、新商品やリニューアル商品の開発強化に加え、ユーザーのバイクライフの充実を支援するユーザーコミュニティサイトの運営やSNSによる情報発信を積極的に実施してまいりました。この結果、売上高は前期並みを確保いたしましたが、利益面では円安等によるコスト上昇もあり減益となりました。

 アジア拠点卸売事業においては、インドネシア子会社の業績が順調に推移している一方で、当期は決算期変更により9か月分の損益計上となったことから、前期に比して減収減益となりました。また、フィリピン子会社においては、販売網の構築に邁進するとともに、マーケティング活動や各種イベントへの出店を積極的に行い、デイトナブランドの認知度向上に邁進いたしました。

 この結果、連結売上高は前期比1.4%減の143億76百万円、利益面では国内市場の利益減少をアジア拠点が補完する形となり、営業利益は前期比6.1%減の16億10百万円となりました。

 自己資本利益率は12.9%となり前期の15.0%からは減少となりましたが、目安としている8%以上を達成しております。

 連結財政状態では、事業投資やM&Aに備えて重視している自己資本比率は80.1%となり、前期の78.0%から2.1ポイント上昇いたしました。1株当たり純資産は、3,921円31銭となり、前期末の3,592円87銭から向上しております。株価純資産倍率については、利益の積み上げによる純資産の増加がありましたが、期末株価が2024年期末の3,630円に対し2025年期末は3,865円となったことで0.99倍となりました。株価純資産倍率が1倍程度である要因について分解し分析した結果、株価収益率が8.0倍程度であり、前期末の7.1倍からは若干の改善がみられるものの東証上場企業の平均値からは乖離が大きいところです。当社および当社業界の認知度や将来の成長への期待値が低いことが大きな要因の一つであると思われることから、当社の理解を深めるためのIR活動に力を入れることとし、自社ホームページのコーポレートサイトのリニューアル、決算発表後の補足資料の提供、個人投資家向け説明会の開催など、引き続き理解を深める活動を継続し、また業績面では中期経営計画の成長施策の実現により成長期待値の向上に努めてまいります。

 その他、当社単体において重視している新商品投入について、2025年度は代替品を除く新商品1,184点(前期1,184点)を投入し当社売上高全体に占める構成比は7.2%(前期7.2%)となり前期を上回りました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(a)キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)業績の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(b)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金需要の主なものは、商品および資材のほか販売費及び一般管理費などの運転資金、有形・無形固定資産などの購入による設備投資資金であります。

 当社グループは、運転資金につきましては自己資金および金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資につきましては自己資金および金融機関からの長期借入金を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金を含む有利子負債の残高は8億52百万円であります。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は21億95百万円となっております。

 

項目

2021年

2022年

2023年

2024年

2025年

自己資本比率

65.7%

69.0%

73.2%

78.0%

80.1%

時価ベースの自己資本比率

89.9%

85.9%

68.8%

78.8%

78.9%

キャッシュ・フロー対有利子負債

1.7年

-年

1.0年

0.7年

1.0年

インタレスト・カバレッジ・レシオ

70.6倍

-倍

130.7倍

181.5倍

106.7倍

(注)1.いずれも連結ベースの財政数値により計算しております。

2.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。

3.有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

4.2022年度12月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率およびインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会社上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5【重要な契約等】

 (1) 提出会社と株主間のガバナンスに関する合意

 該当事項はありません。

 (2) 提出会社と株主間の株主保有株式の処分・買増し等に関する合意

 該当事項はありません。

 (3) 財務上の特約が付された金銭消費貸借契約又は社債

 該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

 当社グループにおける研究開発活動は、国内拠点卸売事業及びアジア拠点卸売事業において行われており、主に顧客ニーズの変化に対応し、快適さや便利さなど、品質・機能・価格のバランスに優れた新商品開発と既存商品の改良をするための研究開発活動を行っております。

 当連結会計年度における研究開発費の総額は72百万円であり内65百万円は国内拠点卸売事業、7百万円はアジア拠点卸売事業であります。

 セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。

〔国内拠点卸売事業〕

 フェンダーレスキット、ドライブレコーダーの開発、バイクガレージのオプション品の充実、ライディングジャケット、ツーリンググッズ等の既存商品のリニューアル等を行っております。

 

〔アジア拠点卸売事業〕

 消耗部品、電装部品、マフラー等の開発を行っております。