当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社が判断したものであります。
当社は、「健康で、明るく、楽しい食文化の提供によって社会に貢献する」という経営理念の実践のため、2030年に向けて「高付加価値創造企業」への変革と持続的な収益拡大ならびに企業価値向上の実現を目指して活動しております。
わが国経済は、雇用や所得環境の改善が見られるものの、不安定な国際情勢による地政学リスクや気候変動等による物価上昇の影響に加えて、為替の変動等による企業業績の下振れリスクなど景気の先行きは依然として不透明な状況が見込まれます。
食品業界におきましては、原材料価格や人件費等の高騰により食品など生活必需品の相次ぐ値上げから消費の停滞が懸念されます。
このような市場環境のもと、当社グループといたしましては、中長期経営方針「ビジョン2030」高付加価値創造企業への変革に向けて2025年1月からの3年間を対象とした「中期経営計画2027」に基づく事業成長戦略および基盤強化戦略を通じ、収益拡大と企業価値の向上に取り組むとともに、各種サステナビリティ活動等を通じ、プライム市場上場企業に求められる高度且つ持続的なコーポレート・ガバナンス体制の強化に努めてまいります。さらに、ナッツ事業においてミツヤグループと資本・人材等の経営資源の共有および新たな市場開拓や海外事業の拡大など様々なシナジーを生み出すことにより成長戦略を推進してまいります。
株主の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。
当社グループのサステナビリティに対する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当社が有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により異なる可能性があります。
(1)サステナビリティ全般
私たち六甲バターは「健康で、明るく、楽しい食文化の提供によって社会に貢献する」という経営理念の実現を目指しており、そのためにはこれから未来に向けて、社会や環境が持続していくための活動をしていかなければならないと考えております。そのための活動方針として、“「おいしい」で未来を健康に”をスローガンとした「六甲バター サステナビリティ宣言」を策定し、「生活者・地球環境・従業員・地域社会」という当社の4つのステークホルダーに対して、それぞれのアクションプランに沿った行動を継続してまいります。
なお、当社グループにおけるサステナビリティに関する活動方針やアクションプランについては現在検討中です。
・各ステークホルダーへの具体的な活動内容に関しては当社HPにて随時更新してまいります。
① ガバナンス
当社はサステナビリティ経営を推進するため、2023年11月に代表取締役社長兼CEOを委員長とするサステナビリティ委員会を新設しました。経営企画部長を責任者とした事務局は、環境対策室や人事総務部と気候変動や人的資本に関する課題を共有しながら、特に当社にとっての重要課題である気候変動に関する項目を中心に現状の分析・対応の取りまとめを行っております。サステナビリティ委員会において分析結果の報告並びに、シナリオ分析に基づいたリスクと機会の特定、その対応策について議論しており、委員会にて決議された内容は取締役会へと報告され、取締役会の監視体制のもと、当社の中長期経営方針へ反映してまいります。
② リスク管理
気候変動並びに人的資本に関するリスクに関してはサステナビリティ委員会にて議論しております。現在、気候変動によるリスクについては、事業への影響度や発生頻度によるリスクレベルを総合的に評価している最中であり、今後結果をもとに特に重要な項目を中心にリスクの低減を図ってまいります。委員会で決議された内容や対策は取締役会に報告し、リスク管理体制の強化に努めます。
(2)気候変動への対応
気候変動はプロセスチーズの製造販売を行う当社にとって、特に原料調達の面において大きな影響を与える可能性があるという観点から重要課題と認識しており、「六甲バター サステナビリティ宣言」においても地球環境は重要なステークホルダーだと考えております。サステナブルな経営を行うため、気候関連リスクや機会の分析を進め、その結果を今後の経営方針等へ反映し、「豊かな自然環境を次世代へ」引き継ぐためのアクションを続けつつ、当社のグループ各社についても気候変動への対応を検討してまいります。なお、当社のTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示は当社HPにて行っております。
① ガバナンス
気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティ全体のガバナンスに組み込まれております。詳細については「
② 戦略
気候変動による中長期の事業リスクと機会の特定にあたり、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)などが発表する「世界の平均気温が4℃以上上昇する」4℃シナリオ、「世界の平均気温がパリ協定で合意した2℃未満の上昇に抑える」2℃シナリオの2つのシナリオで、当社にとっての重要度が高いものを中心にリスク対応策や機会の活用を実践するべく、シナリオ分析を実施しました。各項目が当社の事業に与える影響度については現在算出中ではありますが、結果をもとに今後経営戦略へと反映し事業継続リスクの低減に努めてまいります。
・当社にとってのリスクと対応策
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大分類 |
小分類 |
リスク項目 |
事業への影響 |
リスク対応策 |
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移行 リスク |
政策や規制など |
炭素税の導入 |
▶炭素税の導入により、工場や商品の輸送に使用される燃料に税金が課されるようになり、製造・輸送コストが増加し、売上原価が増加する可能性がある。 |
▶GHGの把握、CO2削減目標を設定し、SCOPE1・2の削減を推進。 ▶商品の包装資材の軽量化・薄肉化による省資源化、プラスチック使用量の削減。 ▶工場、オフィスで再生可能エネルギーの導入を拡大。(太陽光発電、風力発電など) ▶製造設備を中心とした省エネ設備の積極的な導入によるエネルギー効率化の推進。 ▶包装資材をバイオマス素材など環境配慮素材へ変更することで脱プラスチックを推進。 |
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省エネ政策の強化 |
▶省エネ政策の強化により省エネ対応に伴う設備投資のコストが増加する可能性がある。 |
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使用包材の規制 |
▶石油由来のプラスチックの使用が規制され、包材のコストが増加し、売上原価が増加する可能性がある。 |
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市場環境の変化 |
消費者行動の変化 |
▶消費者が環境負荷の高い乳製品や加工食品を買い控えたり、気候変動対策に積極的な企業の製品を購入するようになり、売上高の増減につながる可能性がある。 ▶平均気温の上昇により、消費者の嗜好が変化する可能性がある。 |
▶環境に配慮した持続可能な製品の開発。 ▶植物性製品など乳に頼らない製品や新規事業の開拓。 ▶消費者の購買行動の把握と的確な商品の提案。 |
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物理的 リスク |
急性 |
異常気象の増加 |
▶気候変動がもたらす自然災害は、製造拠点や物流網に被害をもたらし、操業中止や配送停止の可能性があり、販管費の増加、損失などの発生につながる可能性がある。 |
▶異常気象を想定したBCP対策の強化。 ▶原材料調達地の分散化。 ▶販売チャネル・販路・販売地域の拡大。 |
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慢性 |
平均気温の上昇 |
▶平均気温の上昇によってチーズの原材料である生乳の生産量が減少するため、原材料コストが増大する恐れがあり、原価の増加につながる可能性がある。 |
▶原材料調達地の分散化、新規調達地の開拓。 ▶サプライヤーとの信頼関係の深耕、構築。 ▶乳に頼らない製品の開発。 |
・当社にとっての機会
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大分類 |
小分類 |
機会項目 |
機会 |
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移行機会 |
政策や規制など |
炭素税の導入 |
▶太陽光発電等の再生可能エネルギーの活用によるコスト低減。 ▶省エネ設備導入によるエネルギーコストの低減。 ▶環境配慮包材の使用を促進し、消費者ニーズに対応することによる売上の増加。 |
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省エネ政策の強化 |
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使用包材の規制 |
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市場環境の変化 |
消費者行動の変化 |
▶環境配慮した持続可能な製品の販売で消費者ニーズをとらえ、売上が増加。 ▶サステナビリティ活動を推進することでブランドイメージが向上し、資金調達や原材料調達、人材確保の面でのメリット。 ▶乳に頼らない製品の開発により、技術力の向上が見込まれ、新規市場の開拓による売上が増加。 |
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物理的 機会 |
急性 |
異常気象の増加 |
▶BCP対策の強化により、投資対象や原料供給メーカーとしての評価が向上し、資金調達や新規取引先の選定の面でのメリット。 |
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慢性 |
平均気温の上昇 |
▶気温上昇によって冷たい商品がより好まれるようになり、当社製品のうちアイスなどのニーズが高まることで売上が増加。 |
※ 参照したシナリオ
2℃未満:IPCC「第6次評価報告書(SSP1~2.6)」、IEA「World Energy Outlook 2022(発表誓約シナリオAPS)」
4℃ :IPCC「第6次評価報告書(SSP5~8.5)」、IEA「World Energy Outlook 2022(現行政策シナリオSTEPS)」
③ リスク管理
気候変動に関するリスク管理は、サステナビリティ全体のリスク管理に組み込まれております。詳細については「
④ 指標及び目標
当社は、気候変動リスクを緩和するため、2030年に2020年度比でGHG(SCOPE1+2)の排出量を30%削減することを「2030年環境目標」として発表いたしました。目標の達成に向け、引き続き各拠点におけるエネルギー使用量の管理の徹底並びに、省エネ機器の積極的な導入を検討するなど具体的な対策を推進してまいります。2025年1月には、弊社神戸工場にて大規模な太陽光発電設備を導入しており、再生可能エネルギーの積極的活用によるGHG排出量の削減に貢献します。この指標による当社事業への影響度は現在算出中です。
(3)人的資本・多様性
当社では、人的資本・多様性に関する「戦略」及び「指標と目標」に関し具体的に取り組んでいるものの、全てのグループ会社での取り組みとはなっていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の「戦略」及び「指標と目標」は、提出会社のものを記載しております。
① 戦略
当社は、「健康で、明るく、楽しい食文化の提供によって社会に貢献する」という経営理念の実現に向け、従業員が個性と能力を発揮し、新しいことへ挑戦し続ける開発先導型人間となることが、食文化の創造と組織の成長へ寄与すると考え、以下の[人材育成方針]及び[社内環境整備方針]に沿って活動しております。
[人材育成方針]
「従業員を大切な経営資本と位置付け、一人ひとりの個性・能力を発揮させる、引き出す、あるいは発掘することによって継続的な人材育成を行い、経営理念の実現に資する人材を供給します。」
事業成長戦略に合わせた多様な人材を育成するためにジョブ型要素を取り入れた65歳までの定年延長によるシニア層の活性化、非正社員から限定正社員(就業地域等を限定する正社員)への登用による人材の活用について取組を開始しております。
小組織ごとに部門別採算管理体制を敷くことで、管理会計の基礎的知識を習得し、収益向上に対する当事者意識の強化を図っております。
将来のキャリアプランについて聞き取りを行い、組織運営方針や育成計画に加え、従業員の希望を考慮した人員配置を実施しております。
自己成長の実感や新たな分野への挑戦を支援することで、従業員の働きがいを高めるために、実務力向上や自己啓発を対象とした資格取得支援制度を導入し、動画学習の導入に向けた仕組みの構築に着手しております。
[社内環境整備方針]
「個性の尊重と公正な処遇によって、安全安心と働きやすさを提供し、従業員が仕事と生活の調和を図り自身の能力を積極的に発揮できる環境を整備します。」
柔軟な働き方を実現するために仕事と育児の両立支援制度および短時間勤務制度を導入し、働きやすさを推進しております。
毎年、定期的に従業員満足度調査を行い従業員の要望と会社の取組課題を結び付けることで、組織の一体感を醸成することに取り組んでおります。
また、安全衛生と品質に対し絶え間なく改善を続けるため、教育研修、マニュアルの整備に取り組んでおります。
② 指標及び目標
中長期経営方針「ビジョン2030」高付加価値創造企業への変革に向け「中期経営計画2027」人的資本目標として以下3項目を掲げております。これらの活動を通して「事業成長への人的資本確保・育成」及び「従業員満足度の向上とエンゲージメントの醸成」を図ります。
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指標 |
目標 |
実績 (当事業年度) |
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男性従業員の育児休業取得率 |
2027年度までに70%以上 |
30% |
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非正社員から正社員への登用人数 |
2027年度までに合計10名以上 |
計4名 |
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自己啓発支援/実務力向上支援の単年度制度利用率 |
2027年度までに70%以上 |
2.5% |
③ 企業集団としての取組
ナッツ事業において、ミツヤグループと人材等の経営資源を共有することでシナジーを生み出し、中期経営計画に掲げる成長戦略を推進してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)主要原材料の市況変動について
当社グループが生産する製品の主原料でありますナチュラルチーズ・ナッツ類はその大半を海外から調達していることから、海外生産地における気候や国際的な需給等の条件によって、価格が変動することがあり、その価格動向が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、購入契約の方法、時期等を十分検討して対処しております。
(2)為替相場の変動について
当社グループが生産する製品の主原料でありますナチュラルチーズ・ナッツ類はその大半を海外から調達していることから、為替相場の変動の影響を受けます。為替レートが円安に進行した場合には原価の上昇要因となり当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは為替相場の変動によるリスクをヘッジするため、外貨建債務等の一部について為替予約取引等のデリバティブ取引を行うことがありますが、すべてのリスクを回避するものではありません。
(3)市場競合について
当社グループは、事業を展開する多くの市場において厳しい競争に直面しております。そのため、当社グループでは競争優位を得るべく新製品の開発、発売に努めておりますが、厳しい価格競争は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、WTO(世界貿易機関)農業交渉やTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、FTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)等の交渉および発効において乳製品の関税水準が引き下げられた場合、原料チーズ調達の面ではメリットになりますが、販売市場において海外からの直接輸入が進行し、市場競争等が激化した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)食品の安全性について
昨今、消費者の食の安全・安心に対する関心は一層高まっております。当社グループでは、食の安全性については最重要課題と位置づけ、当社グループの全ての工場で「食品マネジメントシステムFSSC 22000」を認証取得し、原材料・製品の自主検査体制や原材料の調達から製造工程に至る履歴確認等を行い、品質管理の強化に努めております。しかしながら、当社グループ固有の品質問題のみならず社会全般にわたる一般的な品質問題が発生した場合や、食品業界に対する風評などによって当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)自然災害等について
地震等の大規模な自然災害の発生で当社グループの生産拠点が損害を被り長期間操業を停止する等製品供給に支障をきたした場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症に代表される未知の感染症が流行した場合、経済活動が悪化し景気が停滞することで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)退職給付債務及び費用について
当社グループにおいて、当社は退職金規定に基づく退職一時金制度、確定給付型の企業年金制度及び確定拠出型の企業年金制度を、連結子会社では退職金規定に基づく退職一時金制度を採用しております。確定給付型の企業年金につきましては、その年金資産の運用成績、資産の評価あるいは制度の帰趨等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)設備投資について
当社グループは、生産能力拡大や製品の競争力向上を目指し、2025年11月にベトナムにチーズの製造販売を行うQBB ASIA COMPANY LIMITEDを設立し、大規模な設備投資を実施する予定であります。今後、市況や事業環境の悪化により想定しているような生産数量の規模拡大を図れない場合には、減価償却費を主とした製造固定費の負担による利益率の低下等が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、既存設備の遊休化や稼働率の低下等により、保有資産から得られる将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合、固定資産の減損会計の適用による減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)特定の取引先への依存
当社グループは、製品の販売において特定の取引先に依存しておりますが、当該販売先との取引関係は安定的に推移しております。また、主要な原材料の仕入においても特定の取引先に依存しておりますが、これは原材料の効率的・安定的調達を図ることを目的としたものであり、当該仕入先との取引関係は安定しております。しかし、当該取引関係に急激な変化が生じた場合や契約条件に大幅な変更が生じた場合には、販路・仕入経路の変更や、取引数量及び取引価格の変動等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(9)情報システムについて
当社グループは、社内情報システムのセキュリティ強化のために、情報管理体制の徹底、システム障害等に対する保守、保全、ウイルス対策等セキュリティ対策を講じておりますが、不測の事態によりシステム障害が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、インバウンド需要の堅調な推移に加えて、雇用や所得環境の改善が見られたことから緩やかに経済活動は回復基調となりました。しかしながら、物価上昇や不安定な為替の変動及び米国の関税措置への懸念など景気の先行きは依然不透明な状況となりました。
食品業界におきましては、原材料価格や人件費等の高騰により様々な食品の値上げが実施されたことから消費者の節約志向が高まり、厳しい環境が続きました。また、当社グループの主力分野であるチーズ業界におきましては、国際的な乳製品の需給動向を反映して乳製品価格は上昇傾向となりました。
このような市場環境のもと、当社グループといたしましては、当連結会計年度にスタートした「中期経営計画
2027」に基づく事業成長戦略及び基盤強化戦略を通じ、収益拡大と企業価値の向上に取り組んできました。さらに、原材料価格高騰への対応として4月にチーズ製品の価格改定を実施するとともに、購買を動機付けるプロモーションの強化に取り組んできました。
その結果、当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりとなりました。なお、当連結会計年度は連結財務諸表作成初年度であるため、前年度との比較は行っておりません。
a.財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における「資産の部」の残高は60,942百万円となりました。主な内訳は、「売掛金」19,005百万円、「建物及び構築物」10,756百万円及び「土地」5,634百万円であります。
(負債の部)
当連結会計年度末における「負債の部」の残高は、27,616百万円となりました。主な内訳は、「短期借入金」6,756百万円、「未払費用」6,209百万円及び「買掛金」6,129百万円であります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における「純資産の部」の残高は33,325百万円となりました。主な内訳は、「利益剰余金」27,839百万円であります。
b.経営成績
売上高につきましては、主にチーズ製品の販売が増加したことから43,293百万円となりました。利益につきましては、主に4月からのチーズ製品の価格改定効果があったものの、大阪・関西万博関連等の経費が増加したことから営業利益は、1,435百万円となり、経常利益は1,327百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,485百万円となりました。
セグメントごとの売上高及び利益又は損失につきましては、次のとおりであります。
(チーズ事業)
売上高は42,102百万円となりました。また、セグメント利益は1,463百万円となりました。
(ナッツ事業)
売上高は641百万円となりました。また、セグメント利益は2百万円となりました。
(その他事業)
売上高は549百万円となりました。また、セグメント損失は△30百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは1,667百万円の支出となりました。主な要因は税金等調整前当期純利益1,922百万円及び減価償却費1,984百万円の計上があった一方で、売上債権の増加額4,866百万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは2,173百万円の支出となりました。主な要因は定期預金の預入による支出870百万円及び連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出825百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは1,579百万円の収入となりました。主な要因は短期借入金の返済1,000百万円があった一方で、長期借入金の借入による収入3,000百万円があったことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、3,915百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
|
チーズ |
39,812,834 |
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前期比については記載しておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの商品仕入実績は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
|
チーズ |
3,580,544 |
|
ナッツ |
482,537 |
|
その他 |
263,964 |
|
合計 |
4,327,046 |
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前期比については記載しておりません。
3.セグメント間取引については相殺消去しております。
c.受注実績
当社グループは市場動向の予測に基づく見込生産を行っており、受注生産は行っておりません。
d.販売実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
|
チーズ |
42,102,221 |
|
ナッツ |
641,330 |
|
その他 |
549,796 |
|
合計 |
43,293,346 |
(注)1.当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前期比については記載しておりません。
2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
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相手先 |
金額(千円) |
割合(%) |
|
㈱日本アクセス |
21,185,396 |
48.9% |
3.セグメント間取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載しております。
2)経営成績の分析
経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの経営者は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、それらに対して継続して評価を行っております。当社グループでは特に以下の会計上の見積り及び見積りに用いた仮定が重要であると考えております。
a.有価証券の減損
当社グループは、取引関係の維持・強化のために取引先の株式を保有しております。これらの株式には上場株式と非上場株式が含まれております。上場株式は期末時点における時価が帳簿価額と比べ50%以上下落した場合および、期末における下落率が2期連続して30%以上の場合、期末時点で減損処理を行っております。
非上場株式については、非上場会社の決算書を基に利益の推移、株式の評価額を算出し「合理的に算定された価額」により評価し見積っております。
b.固定資産の減損
当社グループは、市場価格、営業活動から生ずる損益等から減損の兆候が識別された場合、将来の事業計画等を考慮して、減損損失の認識の判定を行い、必要に応じて回収可能価額まで減損処理を行うこととしております。
c.棚卸資産の評価
棚卸資産の評価を行うに当たっては、正味売却価額に基づき収益性の低下を検討しております。また、一定期間を超えて在庫として滞留する棚卸資産についても、簿価を切り下げております。
d.貸倒引当金の計上
一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。顧客の財政状態が悪化した場合には、追加引当が必要となる可能性があります。
e.退職給付債務の認識
退職給付費用および退職給付債務は、割引率など数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。
f.繰延税金資産の計上
当社グループは、繰延税金資産について将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し、回収可能見込額を計上しております。しかし、繰延税金資産の回収可能見込額に変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩し又は追加計上により利益が変動する可能性があります。
g.未払販売促進費の見積り
未払販売促進費は卸売業者ごと、製品ごとに見積った割戻単価に、当社グループが当連結会計年度に販売した製品のうち、当連結会計年度末時点で卸売業者が保管する製品の数量を乗じて算定しております。しかし、当該販売施策等に著しい変動が生じた場合、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、当連結会計年度において重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(1) 製造委託契約
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相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
|
㈱福岡ミツヤ (現㈱ミツヤ) |
日本 |
ナッツ |
2011年5月1日 |
製造委託契約 |
2011年5月1日~2012年4月30日(但し期間満了6ヶ月前までに申し出のない場合は1年間延長される。以後も同様。) |
(2) 合弁契約
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契約締結先 |
契約内容 |
出資比率 |
合弁会社名 |
設立年月 |
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三菱商事㈱ |
インドネシアにおいてプロセスチーズ、チーズ加工品の製造・販売を行うための合弁契約 |
当社 49% 三菱商事㈱ 51% |
PT EMINA CHEESE INDONESIA (資本金328,000百万インドネシアルピア) |
2017年5月17日 |
(3) 事業用定期借地権設定予約契約
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契約締結先 |
所在地 |
契約締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
|
㈱マルアイ店舗保有 |
兵庫県加古郡稲美町国岡260-1 (代表地番) |
2025年4月24日 |
稲美工場閉鎖に伴い、土地の効率的運用を図るための事業用定期借地権設定契約締結を前提とした予定契約 |
2025年4月24日~事業用定期借地権設定契約締結日まで(2026年6月頃予定) |
(4) タームアウト型リボルビング・クレジット・ファシリティ契約
当社が締結している財務制限条項が付された借入金契約の契約に関する内容等は、以下のとおりです。
なお、財務上の特約の内容につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結貸借対照表関係)」に記載しているため、記載を省略しております。
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契約締結日 |
相手方の属性 |
極度額 |
期末残高 |
コミットメント期間 |
担保の 有無 |
|
2023年3月28日 |
都市銀行 |
7,000,000千円 |
6,000,000千円 |
2023年3月31日~2026年3月31日 |
無 |
(5) 取得による企業結合
当社は、2025年8月29日開催の取締役会において、株式会社ミツヤグループ本社の株式の51%を追加取得し、完全子会社化することについて決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。
なお、2025年11月10日に本株式取得を実施いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
(6) その他の重要な契約
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相手方の名称 |
国名 |
契約締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
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三菱商事㈱ |
日本 |
2024年12月20日 |
関連会社の借入に対する債務保証 |
保証委託契約の終了日 |
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三菱商事㈱ |
日本 |
2024年12月20日 |
関連会社の売買に対する債務保証 |
保証委託契約の終了日 |
(注)1.契約内容の借入に対する債務保証は、三菱商事㈱による借入債務保証78,885百万インドネシアルピアのうち当社持分(49%)について再保証したものであります。
2.契約内容の売買に対する債務保証は、三菱商事㈱による売買債務保証4,823百万インドネシアルピアのうち当社持分(49%)について再保証したものであります。
3.契約期間の保証委託契約は、借入債務保証2024年5月1日付、売買債務保証2024年3月7日付で三菱商事㈱とPT EMINA CHEESE INDONESIAとの間で締結したものであります。
当社は「健康で、明るく、楽しい食文化の提供によって社会に貢献する」を基本方針として、お客様の満足に応えるべく顧客志向に徹した価値ある商品を提供できるよう研究開発に取り組んでおります。この中で目標達成のために、おいしさの追求、新技術への挑戦、安全の確保、健康への対応、コストの低減、環境保全への対応に留意して活動しております。技術開発部門は適確且つ迅速な顧客ニーズ、ウォンツの発掘から生み出される商品開発並びに斬新且つ創造的な技術シーズに基づいた素材開発の両面から業務に取り組んでおります。また、営業、技術開発、生産の各部門が一体となって新製品開発、技術開発に取り組んでおります。当連結会計年度の主な新製品として「Q・B・Bベビーチーズ」シリーズで「炙り明太子風味」「ゆず胡椒入り」、「チーズデザート6P」シリーズで「白桃&アールグレイ」など数々の新製品を発売いたしました。
当連結会計年度の研究開発費の総額は