第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社は、経営理念として「夢現 -夢を現実に-」を掲げ、お客さまの夢を実現することで企業としての成長を遂げ、ひいては株主・投資家の皆さまを含むすべてのステークホルダーの価値向上に貢献することを目指しております。

この理念のもと、当社は『不動産に新たな価値を創造し、すべての人の豊かな暮らしと夢に挑戦する』というミッションを掲げ、事業活動を通じて地球温暖化や少子高齢化、空き家問題、住宅ストックの老朽化など、不動産業界が直面する社会課題の解決に取り組んでおります。これにより、持続的な企業価値の向上を図り、長期的な成長を実現してまいります。

また、このミッションの実現に向け、『速さを追求』『あくなき挑戦』『多様な連携』『先を見通す』『貫く責任』の5つのバリューを行動指針とし、企業の競争力を高めてまいります。

そして、2030年に向けた長期ビジョンとして「不動産事業を通じた持続可能な経済価値・社会価値の創造」を掲げております。この目標を達成するため、2025年12月期から始まる第3次中期経営計画において、「資本コストと株価を意識した経営」と「サステナビリティ経営」の2軸を経営方針として据え、企業価値の更なる向上に努めてまいります。

 

(2)経営環境と中期的な会社の経営戦略

[経営環境]

当社グループが属する不動産業界におきましては、日本銀行による金融政策の正常化を背景に金利水準が長期にわたる低金利環境から上昇局面へ転じた結果、住宅ローン金利や事業用資金の借入金利の上昇により、不動産の取得・投資に際しては立地条件や価格の妥当性、将来の収益性等をより重視する傾向が見られます。一方で、賃料水準の上昇やインフレ環境を背景とした実物資産としての不動産の相対的な価値は引き続き認識されており、居住用・投資用を問わず引き続き堅調な需要が維持されております。
 居住用不動産につきましては、インバウンド需要の増加を背景に、商業地や観光地を中心に地価の上昇が顕著となっております。また、継続する円安基調や労働需給の逼迫・資材価格の上昇による建築コストの高止まりにより、新築不動産の価格は上昇圧力が継続しております。こうした環境下、リノベーション技術の高度化により新築と遜色ない品質を備えた中古不動産の供給が増加し、価格優位性を背景に中古不動産への需要シフトが一段と進展しております。都市部においては、中古マンション価格も高止まりする状況が続いているものの、依然として新築マンションとの価格差は大きく、取得価格と居住価値のバランスを重視する選好が強まっております。

投資用不動産につきましては、金利上昇局面にあるものの、円安や不動産市場の安定性を背景に、国内外の投資家からの関心は引き続き高い水準を維持しております。特に首都圏及び主要都市のオフィス市場では、オフィス回帰の進展により空室率の低下が継続、賃料は上昇傾向が確認されるなど、安定的な収益性が期待される環境が整っております。加えて、政府による財政出動やインフレ対策が景気の下支え要因となることが見込まれており、これらの政策動向は不動産市場の投資マインドを一定程度支える要因になるものと考えられます。

一方で、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスク、物価上昇の長期化、建築費の高止まり、金融資本市場の変動に加え、政府による外国人の不動産取得に関する制度見直しの動向等、不動産市場に影響を及ぼし得る不確実性も存在しております。当社グループといたしましては、これらのリスク要因を注視しつつ、国内外の需給動向や政策・制度環境の変化を的確に捉え、柔軟かつ慎重な事業運営を進めてまいります。
 

[中期的な会社の経営戦略]

当社グループは、2025年12月期を初年度とする3カ年の第3次中期経営計画を発表しております。

第3次中期経営計画では「資本コストと株価を意識した経営」「サステナビリティ経営」を経営方針として掲げ、「事業領域の拡大」と「新たな価値創造」の2つを事業戦略の軸とおき、更なる企業価値の向上に取り組みます。事業によって創出された利益は株主の皆さまへ適切に還元するとともに、人材・DXへの投資や新規事業創出・M&Aにも配分し、既存事業の更なる成長につなげる好循環を生み出します。

主力の買取再販事業は、営業生産性の向上と営業エリア拡大で組織力の向上を図るとともに、営業チャネル及び取り扱うアセットタイプを拡充することで、事業の更なる成長を推進してまいります。

不動産開発事業及び不動産特定共同事業は、仕入・販売力の強化や両事業部の連携強化で事業領域を拡大するとともに、物件価値の向上・アセットタイプの多様化を図ることで、事業を大きく成長させてまいります。

 

(3)目標とする経営指標

第3次中期経営計画では、事業の「成長性」「資本効率性」「財務健全性」「株主還元」を重要な経営指標としております。経営指標の詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。また、第3次中期経営計画の2年目である2026年12月期の連結業績見通しにつきましては、足元の事業環境及び在庫状況を鑑みて、計画数値の見直しを行っており、売上高は792億86百万円(前期比16.1%増)、営業利益は123億98百万円(同12.2%増)、経常利益は110億58百万円(同11.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は75億95百万円(同14.1%増)を予想しております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境と中期的な会社の経営戦略 [経営環境] 及び [中期的な会社の経営戦略] 」に記載の経営方針及び中期的な会社戦略を実行する上で、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。

 

 不動産売買事業における新規物件の取得

当社グループは、2025年から開始した3カ年の第3次中期経営計画において、主力事業である不動産買取再販事業の更なる強化と成長を最重要テーマとして掲げております。同計画のもと、営業生産性の向上、営業チャネルの拡充、アセットタイプの多様化、並びに継続的な営業エリアの拡大を通じて、新規物件の取得を一層加速させる体制の構築を進めております。投資用不動産需要が底堅く推移している市場環境を踏まえ、収益性の高い大型物件の取得を推進するとともに、需要の高いアセットを厳選した仕入を徹底することで、事業規模及び収益力の向上を図ってまいります。

不動産開発事業につきましては、市場ニーズ及び事業採算性の双方を重視し、開発用地の取得を慎重に検討するとともに、取り扱うアセットタイプの多様化を図ってまいります。不動産特定共同事業につきましては、継続して組成商品の多様化を進めるとともに、地域特性を活かした商品の仕入を推進し、投資家ニーズに応える魅力的な商品ラインアップの拡充に取り組んでおります。

 

② 販売用不動産の在庫回転率の向上

当社グループが属する不動産業界では、旺盛なインバウンド需要を背景に、国内外の投資家からの需要は引き続き底堅く推移し、不動産市況は総じて安定的に推移することが見込まれております。一方で、金利上昇や資材価格の高止まりに伴う建築コストの増加に加え、米国の政策動向等、国内外の経済・金融環境を巡る不透明な要素も多く、不動産市場においては先行きの見極めが重要な局面にあると認識しております。このような環境下において、当社グループは、不動産の保有期間を適切に管理し、在庫回転率の向上を図ることで、市場環境の変化に対して迅速かつ柔軟に対応できる事業運営体制の構築が重要であると考えております。

当社グループでは、一昨年に工事部門を子会社から当社へ移管することで、施工体制の強化を図ってまいりました。これにより、内外装工事の工期短縮を実現し、販売用不動産の早期商品化を可能とする体制を構築しております。また、仲介会社向け物件紹介サイトの機能拡充に加え、不動産テックを活用した販売活動の効率化や、顧客の購入判断を支援する情報提供の強化を進めており、投資家・エンドユーザー双方に対して、迅速かつ的確な情報提供が可能な環境整備を進めております。これらの取り組みを通じて、販売スピードの向上及び在庫回転率の改善を図り、安定的かつ持続的な収益創出につなげてまいります。

 

 

③ 工事原価削減による収益性の向上

円安基調の継続による資材価格の高騰に加え、一昨年以降、運輸業及び建設業における人員不足を背景とした労務費の上昇により、工事原価は増加傾向にあります。これらの外部環境の変化は、今後も一定期間継続することが想定されており、収益性の確保に向けた原価管理の重要性は一段と高まっております。

このような状況のもと、当社グループでは、資材調達先及び工事協力会社の拡充を継続的に進めることで、調達コストや委託費用の適正化に取り組んでおります。加えて、業務オペレーションの見直しによる労務費単価の抑制、価格及び品質の標準化を通じたコスト削減、並びに工期短縮の実現等、多角的な施策を講じることで工事原価の抑制を推進しております。これらの取り組みを通じて、外部環境の変動に左右されにくい収益構造の構築を図り、利益率の維持及び改善に努めてまいります。

 

成長を支える安定収益の拡大

当社グループは、主力の不動産売買事業が連結売上高及びセグメント利益全体の90%以上を占めており、将来的な不動産市況の変化に備えるための安定収益の確保が課題となっております。

そのため、長期・安定的な収益確保の機会として、優良資産の取得と管理戸数の増加に取り組んでおります。優良資産の取得に関しましては、不動産動向を見極めた上で、各年度のキャッシュ・フローや手元資金の水準を考慮し取得を決定しております。管理戸数の増加に関しましては、当社保有不動産の売却時にアセットオーナーからの受託を得られるよう営業部門と連携し、契約獲得に取り組んでおります。加えて、2025年に立ち上げた不動産アセットマネジメント事業においては、運用資産残高の拡大を通じて安定収益の確保に努めてまいります。

 

既存事業及び新規事業への積極的な投資

当社グループは、主力事業である不動産買取再販事業へこれまで以上に積極的な投資を行うとともに、外部環境の変化を踏まえた成長分野への新規参入を慎重かつ積極的に行うことにより、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築することを目指しております。

足許では、成長事業である不動産開発事業・不動産特定共同事業の収益を拡大させて、新たな事業の柱として構築することを目指してまいります。不動産開発事業は、資材高騰や工賃の上昇などにより収益性を確保することが難しい状況が続いておりますが、立地の選定や品質の向上だけではなく、環境に配慮したプランニングを行い、付加価値の高い商品開発に取り組んでまいります。不動産特定共同事業につきましては、顧客に対して魅力ある投資商品の組成を重視しつつ、組成商品の多様化や組成スキームの高度化、出口戦略の拡充、並びに販売ネットワークの拡大を図ることで、年間組成数の増加及び組成枠の拡大に取り組んでまいります。

不動産アセットマネジメント事業は、今後数年間で段階的に私募ファンドを組成し運用資産残高の拡大に取り組んでまいります。

新規事業に関しましては、全てを内製化して単独での事業推進に固執することなく、事業化や収益化までの期間を考慮し、他社との業務提携やM&Aなどの戦略的投資も併せて活用しながら推進してまいります。

 

サステナビリティ経営の強化と推進

当社グループは、持続可能な成長の実現に向けて、気候変動をはじめとする環境課題への対応、人材の採用・育成、組織力の強化が重要であると認識しております。第3次中期経営計画ではサステナビリティ経営を経営方針として推進していくことで、社会やステークホルダーの皆さまからの信頼を高めるとともに、中長期的な企業価値向上につなげていくことを目指しております。

環境課題への対応としては、脱炭素社会への移行に伴う規制動向や市場環境の変化が、当社の事業運営やコスト構造に影響を及ぼす可能性があることを踏まえ、環境に配慮した事業活動への取り組みを推進してまいります。具体的には、再生可能エネルギーの利用促進や建物の省エネルギー性能向上を進め、環境負荷の低減と同時に中長期的な競争力の維持・向上を図ってまいります。また、金融安定理事会(FSB)により設立されたTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同し、TCFD提言に基づく透明性の高い情報開示を通して、気候関連リスク及び機会が当社経営に与える影響についての透明性向上に努めております。

人材・組織力の強化については、人材の確保・育成が当社グループの持続的成長を支える重要な経営基盤であるとの認識のもと、新卒及びキャリア採用の強化に加え、社内外の教育研修プログラムの充実やOJTを活用した中核人材の育成、専門スキルの取得支援を通じて、従業員の生産性向上を図っております。また、ダイバーシティの推進や多様な人材が能力を最大限に発揮できる環境の整備を進め、組織としての生産性や変化対応力の向上に取り組んでおります。これらの取り組みの進捗や効果については、エンゲージメントサーベイ等を通じて継続的に把握し、従業員の声を反映させながらエンゲージメントの向上にも努めております。

 

コーポレート・ガバナンスの強化

当社グループは、企業価値の最大化を図るために、経営の透明性と健全性を確保するとともに、事業環境の変化に迅速かつ適切に対応できる体制を構築することが重要であると認識しております。コーポレート・ガバナンスはその重要な経営課題の一つと位置付けており、業務執行に対する監督・牽制の強化、適切な情報開示による透明性の確保、並びに業務執行の管理体制の整備を通じて、ガバナンス機能の向上に取り組んでおります。

2021年11月に設置した任意の指名・報酬委員会をはじめ、2022年1月には執行役員制度の導入、同年7月にはサステナビリティ委員会を設置するなど、社外取締役による監督や牽制の強化、経営の意思決定の迅速及び機動的な業務執行の実現、並びに持続可能な社会の実現に向けたサステナビリティ課題への対応を図ることで、コーポレート・ガバナンス体制をより一層充実させ、中長期的な企業価値向上に努めております。

取締役会の構成については、ジェンダー、国際性、職歴、年齢等の多様性を確保することが、実効性の高い監督機能の発揮につながるものと認識しております。また、独立社外取締役の選任については、コーポレートガバナンス・コードの趣旨を踏まえ、当社にとって適切な人数及び構成の確保に努めております。加えて、政府が示す「女性活躍・男女共同参画の重点方針(女性版骨太の方針)」において、プライム市場上場会社に対し女性役員比率の目標が掲げられていることも踏まえ、多様な視点や価値観を経営に取り入れる重要性を認識しております。

当社は、役員の選任にあたり、優れた人格、見識、能力、豊富な経験を有していることを選任の基準としております。そのうえで、上記基準に適う女性役員の積極的な登用を行い、女性の社外監査役及び社外取締役の選任を進めるなど、取締役会の多様性向上に向けた取り組みを進めております。今後も、ジェンダーや国際性及び知識・経験・能力のバランスに留意し、多様性の確保に努めてまいります。

当社は2022年4月の市場区分見直しにより、プライム市場を選択いたしました。その後、上場維持基準の適合状況等を踏まえた検討の結果、2023年10月にスタンダード市場を選択しております。今後は、プライム市場再上場を目標に、業績の向上、IR活動の推進、株主への利益還元及びコーポレート・ガバナンスの強化を図ることで、上場維持基準の安定的な充足を目指してまいります。

 

資本効率の改善

当社グループは、事業規模の拡大と高い財務健全性を維持しつつ、主力事業及び成長事業への投資を実行するとともに、株主還元の充実を図ることを経営戦略の基本方針としております。また、「資本コストと株価を意識した経営」に向けた対応として、資本コストや資本収益性の改善、株主との対話の推進が求められております。

資本収益性の改善策として、環境変化に対応するための財務余力を確保しつつ、資本と負債のバランスを意識しながら、株主資本コストを上回るROEの持続的な向上に取り組んでまいります。また、市場評価の改善策として、PBR1倍超を持続的に達成することを目標に株主・投資家への適切な情報開示と、積極的な対話を進めてまいります。

 

金利の上昇

2025年は、日本銀行による政策金利の引き上げが段階的に実施され、1月に0.25%から0.5%へ引き上げた後、12月には0.5%から0.75%へ引き上げられました。

当社グループのビジネスモデルにおいて金利の上昇は、物件仕入資金の借入コスト増加、住宅ローン等の金利上昇による顧客の購入意欲の低下、不動産市場の需要低下等が想定されます。現時点で追加利上げによる大きな影響は見込まれておりませんが、金利の動向を注視するとともに、資金調達の多様化、需要動向を注視した価格設定の見直し、在庫回転率の向上等を図り事業の安定性を確保してまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献するとともに、中長期的な企業価値の向上を図ることを基本的な考え方として、サステナビリティに関する取り組みを推進しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ共通

① ガバナンス

当社グループは、サステナビリティを重要な経営課題の一つとして位置付け、代表取締役社長を委員長とした「サステナビリティ委員会」を設置しております。

同委員会は環境課題や人材に関する課題をはじめとするサステナビリティに関する重要事項について、部門横断的な検討を行う場として機能しており、原則として年に2回以上開催するものとし、当社グループを取り巻く環境や社会動向を踏まえ、サステナビリティに関する方針及び活動計画の立案、各施策の進捗状況のモニタリング、ならびに達成状況の評価を行っております。

また、サステナビリティ委員会にて審議された重点課題及び対応方針については、取締役会にその推進状況を報告し、取締役会は当該内容を踏まえ、事業戦略や中長期的な経営方針との整合性の観点から監督を行っております。こうした報告・監督の枠組みを通じて、サステナビリティ課題を個別施策としてではなく、経営上の意思決定に関わる重要事項として位置付け、ガバナンスの枠組みの中で対応しております。当社グループの取締役会については、豊富な経験、サステナビリティに関する高い見識や専門性を有する人物が参画しており、サステナビリティに関する重要な判断及び監督を行っております。

 

 

サステナビリティ推進体制


 

当事業年度では、サステナビリティ委員会で以下の議題に関して審議・検討を行い、取締役会に付議・報告しております

開催月

議題

2025年2月

2024年度GHG排出量実績報告(Scope1~3)

2024年度CDPの結果報告

人的資本調査を含む外部調査の結果報告

女性活躍推進を含む人材戦略に関する検討

2025年9月

環境方針策定に向けた検討

女性活躍推進施策及び社会貢献活動の取組状況報告

2025年12月

環境方針の策定に関する協議

環境認証導入プロジェクト発足についての報告

人材関連計画の策定に関する協議

2025年度女性活躍推進施策に関する活動報告

 

 

② 戦略

当社グループは、不動産事業を通じて環境・社会の課題解決に取り組むサステナビリティ経営を推進し、これらの課題への対応を中長期的な企業価値向上及び持続的成長につなげることを基本方針として、ステークホルダーの皆さまとともに持続可能な社会の実現を目指してまいります。また、当社グループが持続的成長を遂げるため、経営重要課題となるマテリアリティを5項目特定しております。「持続可能な未来の実現」をマテリアリティの主軸に据え、「企業価値向上」「不動産の再生」「ダイバーシティ&インクルージョン」「ガバナンス」をその中核に位置づけ、更なる価値創出に取り組んでおります。
 また、サステナビリティに関するリスク及び機会を踏まえ、当社グループの事業戦略及び経営方針と整合するように当社グループのサステナビリティ戦略を策定し、経営判断及び各種施策の検討における基盤として活用しております。

 

 

当社のマテリアリティ


マテリアリティ

取り組み方針

 

持続可能な未来の実現

企業価値向上

・企業価値の向上とステークホルダーへの還元

・顧客満足度の追求

・DXの推進

不動産の再生

・環境に配慮した事業活動

・良質な不動産の提供

・不動産再生事業を通じた社会貢献

・地域社会との共生

ダイバーシティ&インクルージョン

・誰もが活躍できる組織風土の構築

・優秀な人材の確保と育成

・良好な労働環境の構築と従業員の健康促進

ガバナンス

・人権の尊重

・コーポレート・ガバナンスの強化

・不正・違反行為の防止とコンプライアンスの強化

 

 

各マテリアリティに対する取り組み内容

<企業価値向上>

・企業価値の向上とステークホルダーへの還元

自社の利益を追求するだけでなく、すべてのステークホルダーに対して適正な利益の還元が重要と認識しており、継続的に実現することが企業価値の向上につながります。

・顧客満足度の追求

顧客の要望を真摯に受け止め、商品とサービスの質を向上させ、顧客満足度を高めるよう努力してまいります。

・DXの推進

デジタル技術を積極的に取り入れることで、競争力の向上・顧客満足度の向上・社会課題の解決を図れるよう、業務の変革を推進してまいります。

 

<不動産の再生>

・環境に配慮した事業活動

環境への負荷を減らす積極的な取り組みを行い、不動産の再生事業を通して環境問題に対する社会的な責任を果たします。

・良質な不動産の提供

顧客への信頼構築や社会的責任を果たすため、事業を通じて物件の価値向上に寄与し、快適で心地よい不動産の提供に注力してまいります。

・不動産再生事業を通じた社会貢献

社会の多様なニーズを捉え、不動産再生事業を通じて環境問題などの社会課題の解決に貢献してまいります。

・地域社会との共生

不動産の再生を通じて地域の魅力を高め、雇用創出や地域の活性化に寄与してまいります。

 

<ダイバーシティ&インクルージョン>

・誰もが活躍できる組織風土の構築

すべての人々が活躍できる組織を構築するために、多様なバックグラウンドや経験を持つ個人を尊重し、公平に評価することが重要と認識しており、様々な意見・視点が活かされる職場環境を醸成してまいります。

・優秀な人材の確保と育成

競争力の強化とイノベーションを促進するために、優秀な人材の採用と育成が重要と認識しております。従業員の能力を最大限に活かし、企業価値の向上のみならず、社会課題解決にも寄与してまいります。

・良好な労働環境の構築と従業員の健康促進

従業員の健康と安全を大切にし、快適な職場環境を提供してまいります。また、各従業員が自身の健康維持に積極的に取り組めるようサポートすることで、業務の生産性を高め、働きやすい環境を実現します。

 

<ガバナンス>

・人権の尊重

人権尊重は社会的責任を果たし、ステークホルダーとの信頼関係を築く上で重要な役割を果たすと認識しております。すべての人々の権利と尊厳を尊重し、差別や虐待、その他不当な取り扱いを行うことを容認しません。

・コーポレート・ガバナンスの強化

コーポレート・ガバナンスや内部統制を強化し、公正で透明な経営を行うことで、すべてのステークホルダーの期待に応える経営を目指します。

・不正・違反行為の防止とコンプライアンスの強化

事業運営において、如何なる理由があろうとも不正・違反行為を容認しません。コンプライアンスを強化し、従業員の教育を継続的に実施し、事業の透明性と公正さを維持してまいります。

 

③ リスク管理

当社グループにおけるリスク管理は「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。サステナビリティに起因するリスクについては「サステナビリティ委員会」にて、各部門よりリスクを抽出し、定性・定量の両面から評価を行った上、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会に報告を行うことで、当社グループ全体のリスクマネジメントに統合をしております。

 

サステナビリティに起因するリスク管理体制図

 


 

(2)気候変動関連

近年、気候変動は大きな社会経済リスク及び機会をもたらす要因となっており、世界各国で脱炭素化の動きが広がっています。

当社グループの主力事業である買取再販事業は、中古不動産の再生・流通を促し、今ある資源を有効活用する環境に優しいビジネスモデルであります。一方で、水害など気候変動によるさまざまな影響を受ける可能性もあり、気候変動への対応が事業の持続可能性に不可欠であると認識しております。持続可能な社会の実現のため、環境に配慮した事業活動への取り組みの一環として、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、気候変動に起因する事業等のリスク・機会の把握と適切な情報開示を行ってまいります。

 

① ガバナンス

気候変動に関するガバナンスは「(1)サステナビリティ共通 ① ガバナンス」をご参照ください。

 

② 戦略

TCFD提言では、気候変動に起因する事業への影響を考察する為、複数の気候関連シナリオに基づき検討を行う「シナリオ分析」を行うことが推奨されており、当社グループでも不確実な将来に対応した戦略立案・検討を行うため、下記のようにシナリオ分析を実施いたしました。

当社グループでは、2050年時点を想定し、現状を上回る気候変動対策が行われず、異常気象の激甚化が想定される「4℃シナリオ」と、脱炭素に向けて野心的な気候変動対策の実施が想定される「1.5℃シナリオ」を参考に、定性・定量の両面から考察を行いました。

 

■4℃シナリオ(脱炭素社会への移行に伴うリスク:小  異常気象などの物理的なリスク:大)

2100年時において、産業革命時期比で3.2℃~5.4℃(約4℃)の平均気温上昇が想定されるシナリオ。

気候変動問題を軽減するための積極的な政策・法規制等は敷かれず、異常気象の激甚化が顕著に表れる。「参考シナリオ」IEA Stated Policies Scenario、RCP8.5

 

■1.5℃シナリオ(脱炭素社会への移行に伴うリスク:大  異常気象などの物理的なリスク:小)

2100年時において、産業革命時期比で1.5℃未満の平均気温上昇が想定されるシナリオ。

カーボンニュートラル実現を目指し、気候変動問題を抑制するために現状以上の厳しい政策・法規制等が敷かれる。「参考シナリオ」IEA Net Zero Emissions by 2050、Sustainable Development Scenario、RCP2.6

 

分析の結果、いずれのシナリオにおいても、気候変動起因による主なリスクとして、洪水や高潮による保有資産への物理的な被害が想定されております。これらのリスクについては、事業継続性への影響を踏まえ、ハザードマップを考慮した不動産の立地選定を通じて、事業のレジリエンス向上に向けた対応を講じてまいります。

一方、機会として1.5℃シナリオにおいては、脱炭素社会への移行に伴うZEB・ZEH化による再エネ・省エネ関連のリフォーム工事の需要増加や、中古不動産の環境価値向上による事業収益機会の増加が想定されております。当社グループでは、環境に配慮した不動産の再生・流通を通じて、脱炭素社会への貢献を行うとともに、気候変動の抑制に寄与してまいります。

当社グループに想定される気候関連リスク及び機会の詳細につきましては、下記のとおりとなります。なお、想定される発生期間及び財務影響は、以下の定義により区分・評価しております。

想定される発生期間長期:11年~30年後  中期:4年~10年後  短期:3年以内

財務影響評価大:1億円超  中:1,000万円超~1億円以内  小:1,000万円以内

 

「脱炭素社会への移行に伴い発生するリスク」

想定される事象
 想定される発生期間

当社事業への影響
 及び対応

財務影響評価

4℃

1.5℃

事業活動に伴うGHG排出量に対する、炭素税や排出権取引などのカーボンプライシングの公布
 
 (中期~長期)

当社事業への影響
 当社事業活動に伴うGHG排出量(Scope1・2)に対して、カーボンプライシングが発生し、操業コストが増加
 対応
 社有車の電気自動車への変更を検討、建物の省エネ化・再生可能エネルギー由来の電力メニューへの変更を進め、GHG排出量を削減

再エネ政策やエネルギーミックスの変化による電力価格の増加
 
 (中期~長期)

当社事業への影響
 再エネ需要の高まりに伴った電力価格の増加による、操業コストの増加
対応
 固定資産物件において、照明のLED化や日照センサーを導入し、省エネを推進

省エネルギー政策によるZEB及び、ZEH-Mに関する規制強化
 
 (中期~長期)

当社事業への影響
 開発事業において、建築物の省エネ性能に対する規制が強化もしくは義務化された場合、工事コストが増加
対応
 環境に関連する行政動向や関連技術の把握、及び工事コストの最適化を進めるとともに、ZEB・ZEH-M基準を満たす物件の開発を検討

 

 

 

 

想定される事象
 想定される発生期間

当社事業への影響
 及び対応

財務影響評価

4℃

1.5℃

プラスチック規制や建築リサイクル法の強化による資材コストの変化
 
 (中期~長期)

当社事業への影響
 資源循環に関する規制強化により、施工に用いる資材の価格高騰や、環境負荷が高い建築材料のコストが増加
対応
 使用資材について、環境配慮型資材への転換を検討

不動産・建築業に関する脱炭素技術の進展
 
 (中期~長期)

当社事業への影響
 環境性能に優れた建築材料や技術を導入しない場合、ステークホルダーからのサービス需要が低下
対応
 環境に配慮した事業活動の継続と適切な開示

脱炭素社会に伴う顧客の行動変化
 
 (中期~長期)

当社事業への影響
 ZEH-M以外の環境性能に優れていない物件の需要が減少し、空室の発生や賃料の減少が発生
対応
 環境性能に配慮した物件づくり、及び仕入

ステークホルダーのESG/サステナビリティに起因する評判変化
 
 (短期~長期)

当社事業への影響
 気候変動を含むESGへの取り組みが不十分である場合、顧客や投資家からのレピュテーションが低下する
対応
 環境に配慮した事業活動の継続と適切な開示

 

 

「気候変動起因で発生する物理的なリスク」

想定される事象
 想定される発生期間

当社事業への影響
 及び対応

財務影響評価

4℃

1.5℃

異常気象の激甚化による物理的被害の増加
 
 (短期~長期)

当社事業への影響
 台風や高潮などの発生頻度や強度が強まることで、自社拠点及び保有資産への物理的被害が発生。また、自社及びサプライチェーンの営業停止により収益機会の損失が発生
対応
 保有資産のうち、災害関連を起因として物理的被害の発生可能性について、適切な情報を開示

海面の上昇及び水害リスクの増加
 
 (中期~長期)

当社事業への影響
 沿岸部や水害ハザードマップの該当地域に位置する在庫物件の資産価値が減少
対応
 不動産の立地選定基準強化及び保有資産の災害対策強化

平均気温の上昇
 
 (中期~長期)

当社事業への影響
 平均気温の上昇により、店舗運営における空調コストが増加。また、屋外作業可能時間の短縮など、労働・施工条件への影響が発生
対応
 気象パターンの変化に配慮した働き方・労働条件の検討

 

 

「機会」

想定される事象
 想定される発生期間

当社事業への影響
 及び対応

財務影響評価

4℃

1.5℃

脱炭素政策に伴う、関連施工及び物件の需要増加
 
 (中期~長期)

当社事業への影響
 省エネ政策の強化に伴い、関連のリフォーム工事需要が増加。また、環境性能に優れた物件(ZEB、ZEH-M)の需要も増加
対応
 環境に関連する行政動向や、関連技術の把握及び導入の検討

脱炭素社会への移行に伴う、買取再販事業の需要増加
 
 (中期~長期)

当社事業への影響
 新築不動産の建設と比較し、買取再販が資源保全や産廃及びGHG排出量が削減されることから需要が増加
対応
 環境性能に配慮した物件づくり、及び仕入

平均気温の上昇
 
 (中期~長期)

当社事業への影響
 温度上昇の抑制に寄与する保水タイル設置物件の販売機会増加や室内の断熱性を高めるリフォームの需要が増加
対応
 買取再販事業及び開発事業での物件工事の際に、「環境に優しい設備の設置」を推進

 

 

③ リスク管理

リスク管理体制は、「(1)サステナビリティ共通 ③ リスク管理」をご参照ください。

気候変動に起因するリスクについては「サステナビリティ委員会」にて、各部門よりリスクを抽出し、発生可能性及び事業への影響度等の観点から、定性・定量の両面で評価を行っております。これらの評価結果は、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会に報告を行うことで、当社グループ全体のリスクマネジメントに統合しております。

 

④ 指標及び目標

当社グループでは、自社事業活動におけるGHG排出量(Scope1・2)を指標とし、環境に配慮した事業活動を推進してまいります。

Scope1・2に関しては中期的な削減目標として、2030年度に排出原単位(事業活動に伴う温室効果ガスの排出量を、連結売上高にて割った数値)で46%削減(2021年度比)を掲げております。長期的な目標として、パリ協定の目標を参考に2050年度カーボンニュートラルを目指してまいります。Scope3については、事業活動に関連する排出量として継続的な把握に努めるとともに、今後の事業展開や外部環境の変化を踏まえ、管理手法や削減方法の在り方について検討を進めてまいります。

今後、事業の成長や新規事業への参入に伴い、GHG排出量の増加が見込まれる一方で、当社は引き続き、エネルギー効率の向上等を通じた排出削減の取り組みを継続的に実施し、環境に配慮した事業活動の推進を通じて、GHG排出量の管理及び削減に取り組んでまいります。

 

2025年度のScope1排出量は13.8t-CO2と前年度から減少し、排出原単位は2021年度比で73.6%減となりました。カーシェアリングやシェアサイクルの利用が社内に浸透したことで社用車の利用頻度が低下し、ガソリン消費量が減少した事が排出量の低減へと結びついております。

 

 

Scope1

 

排出量(t-CO2)

排出原単位

(t-CO2/億円)

2021年度比

2021年度

25.9

0.076

2022年度

27.1

0.087

+13.8%

2023年度

24.7

0.048

△37.3%

2024年度

20.9

0.034

△55.9%

2025年度

13.8

0.020

△73.6%

 

 

2025年度のScope2排出量は158.7t-CO2となり、前年度比でわずかに上回る結果となりました。一方、排出原単位は0.232t-CO2/億円となり、2021年度比で52.7%の削減を達成しております。

排出量の増減は、事業所の新設・移転・閉鎖や保有固定資産の増減等の影響を受けて変動いたします。当社では本社照明の省エネルギー化等の施策を進め、電力使用の効率化に継続的に取り組んでまいりましたが、使用電力に適用される排出係数の上昇の影響により、排出量としては前年度比で微増となりました。

 

Scope2

 

排出量(t-CO2)

排出原単位

(t-CO2/億円)

2021年度比

2021年度

166.8

0.491

2022年度

215.5

0.690

+40.5%

2023年度

145.9

0.282

△42.5%

2024年度

153.1

0.246

△49.9%

2025年度

158.7

0.232

△52.7%

 

 

 

 

(3)人的資本・多様性

① ガバナンス

人的資本・多様性に関するガバナンスは「(1)サステナビリティ共通 ① ガバナンス」をご参照ください。

 

② 戦略

当社グループは、「不動産に新たな価値を創造し、すべての人の豊かな暮らしと夢に挑戦する」というミッションの実現に向け、付加価値の源泉である人材の確保及び育成を、経営上の最重要課題の一つと位置づけています。

この考えのもと、当社グループでは「人材ビジョン」及び「求める人物像」を策定し、事業拡大を支える人材基盤の構築を推進しております。具体的には、人的資本を6つのカテゴリに分類し、それぞれの「あるべき姿」を人材ポリシーとして明確化するとともに、当社グループの経営方針に組み込んでおります。

2025年2月14日に発表いたしました2025年12月期を初年度とする第3次中期経営計画では、事業ポートフォリオの高度化及び付加価値創出力の強化を見据え、これまでに採用した人材の早期戦力化及び能力発揮を重視するフェーズへと移行し、人材戦略の方針を「サステナビリティ経営の実現に向けた多様な人材の獲得と育成を強化」と掲げております。具体的には、専門性を持つ多様な人材の採用強化、マネジメント層の育成や次世代リーダーの早期発掘に向けたプログラムの充実、戦略的人材配置による最適な人材ポートフォリオの構築により、従業員が目標や夢に向かって挑戦できる環境を整備してまいります。さらに、多様性を活かした組織作りを目指し、女性社員やグローバル人材のキャリア形成支援を推進することで、従業員のエンゲージメント向上及び人的資本の価値最大化を図り、中長期的な企業価値の向上につなげてまいります。

 

「人材ビジョン」

ムゲンエステートグループの原動力は、自ら構想し、挑戦し、変化に対応できる人の力です。

多様な価値観を認め合い、誠実に、粘り強く、強い覚悟を持つ人材を輩出することで、社会に新たな価値を創造し、提供してまいります。

 

 

求める人物像

 


 

 

「人材ポリシー」

「人材ビジョン」の達成と「求める人物像」の採用・育成を実行するために、人的資本に係るカテゴリーを6項目に分け、それぞれの「あるべき姿」を人材ポリシーとして策定し企業方針として定めております。この方針に基づき、多様な従業員が働きがいを持ち、一人ひとりの能力を最大限に発揮できる環境づくりに取り組んでまいります。

 

人材ポリシー

 


 

 

また、人的資本の強化・人材戦略を支える3つの柱として「人材獲得の強化」「人材育成の強化」「リテンションの強化」を据えています。当社グループに必要なスキルを特定し、計画的に人材の「獲得」「育成」「リテンション」のための施策を展開してまいります。

 

「人材獲得の強化」

当社グループでは、必要な人材の質と量を充足するため新卒・中途を含む積極的な採用を通じて、人材基盤の拡充を進めてまいりました。併せて、事業基盤の強化及び営業力の向上を重要なテーマと位置付け、複数の採用手法を組み合わせた人材獲得に取り組んでおります。

その一環として、2023年8月に「社員紹介制度」を導入し採用チャネルの多様化を図ってまいりました。本制度を通じた中途採用は、過去3年間の中途採用者数に対して約15%を占めており、地方エリアにおいても一定の採用実績を上げるなど、各拠点の実情に即した人材獲得に寄与しております。

また、第3次中期経営計画期間の初年度である2025年には制度を一部改訂し、より社員が紹介を行いやすい環境を整備するとともに、新卒採用にも対象を拡大しております。これにより、企業理解度の高い人材の獲得を通じて、採用後のミスマッチの抑制につなげております。さらに、採用チャネルの拡大と、人材を見極める採用者の精度向上を図り、組織体制の更なる強化を図ってまいります。

今後は、採用の考え方を量的拡大から中長期的な活躍可能性を重視する方向へと段階的に移行し、顕在的な転職市場に限らず、潜在的な人材層へのアプローチも含めて、当社グループのカルチャーとの親和性や、将来的な成長性を見極めた採用を進めてまいります。

 

 

ⅰ 知・経験のダイバーシティ&インクルージョン

当社グループは、多様な人材の発想が価値創出及び持続的な成長を支える重要な基盤であると認識しており、ダイバーシティの推進を重要な経営戦略の一つとして位置付けております。

当社グループが成長していくためには、変化し続ける社会や多様な価値観に柔軟に対応し、潜在的な市場を発掘できる新たな価値の創出が必要となってきます。それには従業員の多様な価値観、ジェンダー、世代、民族、言語、文化、障がいの有無、ライフスタイルなどを活かした視点や発想を組織として取り入れ、事業活動や意思決定に反映できる組織風土を醸成することが重要であると認識しております。

当社グループでは多様な人材が個性や能力を発揮できる機会と環境の整備に取り組んでおり、役割と成果、能力に応じた公正な評価に基づいて役職や処遇が決定されております。

 

ⅱ 女性活躍推進

当社グループでは、女性活躍推進を重要な経営課題の一つと位置付け、社長直下の体制のもと、社内横断的な施策を継続的に推進しております。現在は、女性活躍に関する意識醸成や環境整備の段階を経て、女性管理職及び次世代リーダーの育成・定着を重視する成長フェーズへと移行しており、マネジメント層における意識改革やキャリア形成支援を通じて、組織全体の持続的な成長につなげる取り組みを進めております。

また、キャリア研修やリーダーシップ研修の実施、従業員同士のコミュニティ形成の支援などを通じ、女性が能力を十分に発揮できるようなキャリア支援を実施しております。これらの取り組みを通じて人的資本の充実及び組織力の向上を図ってまいります。

 

「人材育成の強化」

当社グループの企業理念である『夢現 -夢を現実に-』に込められた思いを実現するため、人材を重要な経営資本と位置付け、計画的かつ体系的な人材育成を推進しております。多様な人材がそれぞれの役割に応じて能力を発揮し、継続的に成長・活躍できるよう、キャリア自律を後押しする取り組みを拡充し、強靭な組織力の構築や企業価値の向上につなげてまいります。

 

当社グループの研修体系は、「階層別研修」「人材育成研修」「目的別研修」「職能別研修」の4つで構成されており、従業員の職責や成長段階に応じた育成機会を提供しております。新卒・中途を含む積極的な採用により人員構成が拡大したことを踏まえ、新しい人材の早期戦力化を重要な課題として位置付け、若手社員を中心に基礎的な知識やスキルの習得から実務能力の向上までを段階的に支援する育成体系の整備を進めてまいりました。特に、新卒を含む新人営業社員については、実践的な営業スキルの習得を重視した育成体制を整備し、早期に事業へ貢献できる仕組みを構築しております。

2025年12月期を初年度とする第3次中期経営計画期間においては、事業戦略の遂行を支える人材基盤の強化を重要な施策の一つとして、役割階層に応じた人材育成を一層重視しております。管理職については、経営戦略に基づく組織運営、及び部下育成を担う中核人材として位置付け、求められる役割及び能力の明確化を進めるとともに、アセスメントの活用を通じてマネジメント能力の向上に取り組んでおります。また、日常的な対話を通じた部下育成を促進する観点から、1on1ミーティングの活用を推進し、管理職の育成力向上及び組織運営力の強化を図っております。

さらには、将来の管理職候補となり得る人材の育成を見据え、非管理職層を含めた人材育成にも取り組んでおります。チームや組織を支えるために必要となるリーダーシップや基礎的なマネジメント能力の向上を通じて、一段階上の役割を担う人材の裾野を広げ、計画的な人材ポートフォリオの構築につなげるとともに、新たに社員の自律的なキャリア形成の支援を目的としたキャリアチャレンジ制度を導入し、社内人材の最適配置やモチベーション向上、戦力人材の円滑な登用を促進しております。

これらの取り組みを通じて、従業員が主体的に能力開発に取り組むことのできる環境を整備し、持続的な成長を支える組織基盤の構築を進めております。

 

研修分類

内容

階層別研修

各階層の従業員で必要となる知識・スキルを習得するため、キャリアに合わせた研修プログラムを受講します

人材育成研修

主に配属部署でのOJT(On the job training)を中心に行われます。携わる業務について目標設定・振返りを実施することによって職務遂行の過程で取り組み姿勢等を指導してまいります。また各階層で選択・選抜型研修を構築し、経営幹部や従業員のリスキリング研修機会を提供しております

目的別研修

全従業員が受講する研修プログラムです。業務遂行の基盤となるコンプライアンス、ハラスメントについて遵守すべき規程やサステナビリティ課題について学んでまいります

職能別研修

配属部門で必要となる専門知識を習得し、会社経営へ貢献できるプロフェッショナルを目指す研修となります

 

 

「リテンションの強化」

当社グループが、変化の激しい事業環境・社会情勢の中で企業価値を向上させていくには、多様な価値観を持つ従業員一人ひとりが、当社グループのミッションを共通の価値観とし、仲間やパートナーと連携して挑戦を続けることが重要であると認識しております。企業理念の浸透と実践の機会を通じて、従業員が成長を実感し、エンゲージメントを高めることで、人材の定着及び組織の安定的な運営につなげてまいります。

 

ⅰ 多様な働き方の推進

多様な人材の活躍を実現するためには、従業員の働き方改革や様々な両立支援の取り組みが重要であると認識しております。当社グループでは、妊娠(配偶者の妊娠を含む)・出産・育児・介護・疾病治療など、ライフステージの様々な変化に左右されることなく、多様で柔軟な働き方のもとで能力を発揮できる環境整備に取り組んでおります。

育児と仕事の両立については両立支援面談などの実施等を通じて、出産・育児休業後の円滑な復帰支援や、男性育児休業取得促進に向けた社内醸成の強化を図っております。その結果、2025年度の育児休業取得率は女性100%、男性87.5%となっており、男女ともに高い取得水準となっております。また、育児休業を取得した従業員の全員が復職しております。

こうした高い水準の両立支援体制が評価され、当社は2025年8月に「プラチナくるみん認定」を取得しております。今後も更なるワークライフバランスの向上を目指し、育児・介護休業法で定められた短時間勤務の対象年齢の拡充等の制度整備に加え、制度の運用定着及び職場環境づくりを通じて、従業員の定着ならびに中長期的な人材基盤の安定化につなげてまいります。

 

ⅱ エンゲージメント向上への取り組み

企業価値向上のためには、一人ひとりがやりがいを持って活き活きと働き、個々の能力を最大限発揮していくことが重要だと認識しております。そのためには組織と個人が共に成長・貢献し合う信頼関係が必要不可欠であります。

当社グループでは、2022年より従業員エンゲージメントサーベイを定期的に行っており、従業員が仕事に対してどの程度の関心を持っているか、どの程度満足しているかなどを定量的に把握し、組織のパフォーマンスの向上、生産性の向上、従業員のモチベーションの向上、離職率の低減などにつなげております。

さらには、強い組織づくりとモチベーション向上のため1on1ミーティングなどの対話を通じ理念の浸透や組織風土の醸成、上長と部下のコミュニケーション促進、自己成長や健康に配慮し従業員エンゲージメントの向上につなげております。

これらの結果を踏まえて人材の確保や定着に関するリスクを適切に把握することで、従業員の活力と会社の業績向上、事業の持続的な成長を支える優秀な人材の定着へと結び付けております。

また、タウンホールミーティングを定期的に開催し、経営陣と従業員が直接対話できる場を設けております。社長を含む経営陣が現場の声をダイレクトに聴き、素早く経営に反映させることを目的とするとともに、経営陣と現場の円滑なコミュニケーションの場として活用されております。

 

 

③ リスク管理

リスク管理については、「(1)サステナビリティ共通 ③ リスク管理」をご参照ください。

 

④ 指標及び目標

当社グループでは、上記「② 戦略」において記載した人材の採用・育成に関する方針、及び社内環境整備に関する方針について次の指標を用いております。当該指標に関する主要な目標及び実績は次のとおりでございます。目標については、当社グループの事業運営状況や社会環境の変化に応じて、検討及び目標の設定を進めてまいります。

指標

実績

2023年度

2024年度

2025年度

新卒採用比率

34.4

42.1

25.0

キャリア採用比率

65.6

57.9

75.0

女性社員採用比率

44.7

38.1

32.6

離職率

9.5

12.1

11.6

男性管理職比率

95.9

97.8

95.7

女性管理職比率

4.1

2.2

4.3

女性育児休業取得率

100.0

100.0

100.0

男性育児休業取得率

66.7

44.4

87.5

有給取得率

91.7

89.1

57.3

平均残業時間時間

17

19

16

 

 

3 【事業等のリスク】

[基本方針]

当社グループでは、物理的・経済的若しくは信用上の損失又は不利益を生じさせる要因となりうる事象をリスクと特定し、経営への影響度と発生可能性で評価し、アセスメント結果を基に当社グループとしての重要リスクを決定しております。その中でも、リスクが顕在化した場合に事業に重大な影響を及ぼすものをモニタリング対象リスクとして特定し、リスク対策の進捗などを重点的にモニタリングすることで、全社的なリスク対策の強化を図っております。

経営戦略を実行する上で、潜在するリスクが顕在化しないよう、適切な対応を定めるリスクマネジメント体制を構築するとともに、重大なリスクが発現した場合の損失を最小限に抑えるクライシスマネジメント体制も整えております。

 

[リスク管理体制]

当社グループのリスクマネジメントの推進にあたっては、管理本部長を委員長とし、各部門及びグループ会社の責任者が出席する「リスクマネジメント・コンプライアンス委員会」を当連結会計年度中に5回開催し、同委員会において、外部環境、事業戦略、業務プロセス、法務・コンプライアンスの各項目にリスクを分類し、各分類から抽出されたリスクを影響度と発生可能性の観点から評価し、リスクアセスメントを実施しております。その中でも、企業活動に重大な影響が想定され、かつ当年度重点的に取り組むべきと評価したリスク項目をモニタリング対象リスクとして特定しております。その上で、特定したモニタリング対象リスクごとに関連部門から担当責任者が任命され、委員会下部にある分科会においてリスク対応策を検討・実行しております。進捗状況は、四半期ごとにモニタリングを通じて確認され、必要に応じた是正・改善が行われ、取締役会に報告しております。

 

 

[リスク管理体制図]

 


 

 

[主要なリスクとして認識している事項]

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)経済動向・社会・制度等の変化に関するリスク

外部環境

●リスクシナリオ

当社グループの事業は、不動産という社会インフラ、税や各種規制といった法制度、株式市場などの経済動向、海外投資家への販売増加に伴う各国の法規制や外国人の不動産取得に関する制度見直しの動向など、様々な要因の影響下にあります。これらに変化が生じた場合、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

●リスク対策

当社グループは、多様な不動産関連商品・サービスを提供し、特定の事業に依存しないポートフォリオを構築することで、負の影響が生じた場合のリスクを最小化するのみならず、経済動向等の変化を事業成長の機会にも積極的に繋げていけるよう取り組みを進めております。

2025年2月14日に策定した第3次中期経営計画においては、「資本コストと株価を意識した経営」「サステナビリティ経営」を経営方針として掲げ、「事業領域の拡大」と「新たな価値創造」の2つを事業戦略の軸とおき、更なる企業価値の向上に取り組んでおります。また、2025年からは新たにアセットマネジメント事業を立ち上げ、運用資産残高の拡大を通じた安定収益の確保にも努めております。

 

 

(2)不動産小口化商品に係る税制見直しに関するリスク

外部環境

●リスクシナリオ

当社グループの事業は、各種税制度や法的規制の見直しの影響下にあるところ、2025年12月19日に公表された令和8年度税制改正大綱においては、不動産小口化商品に関する相続税評価方法の見直しの方針が明記されております。かかる税制の見直しにより投資家のニーズが変化した場合には、不動産小口化商品の販売機会が損なわれ、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

●リスク対策

当社グループは、不動産小口化商品にかかる投資家のニーズを的確に捉え、相続税評価方法の変化に関わらず、安定した需要の獲得に努めております。今後は、節税効果にとらわれず、分散投資のメリットを最大限訴求できる組成商品や組成スキームの多様化、出口戦略の拡充、販売ネットワークの拡大をより一層強化してまいります。また、同税制改正に伴う影響を適切に伝達するため、投資家に対するリスク説明を強化し、投資家への情報提供の充実を図っております。

 

 

(3)仕入・販売に関するリスク

外部環境

●リスクシナリオ

当社グループの主力事業である不動産売買事業は、首都圏1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)を中心に展開しており、居住用不動産の買取再販については参入障壁も低いため、各社との競争環境が厳しくなっております。投資用不動産に関しましても大手不動産会社が新たに事業参入するなど、競争環境は年々厳しさを増しており、当社グループが目標とする利益率の確保が行えない環境となり、計画どおりの仕入・販売が行えない場合には、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

●リスク対策

当社グループは、幅広いアセットタイプや価格帯を取り扱うこと、スピード感のある契約・決済手続きを行うことに加えて、2023年からは地方への営業所の展開も開始することで、不動産仲介会社及びアセットオーナーの幅広いニーズに応え、競合他社との差別化を図っております。他社では仕入が困難な物件でも、当社グループが長年培った経験及びデータに基づき、その立地・エリアの特性に合わせた物件に再生することで、厳しい条件下においても幅広く仕入・販売が行えるよう努めております。

 

 

 

(4)有利子負債への依存と金利変動に関するリスク

事業戦略

●リスクシナリオ

当社グループは、不動産売買事業における中古不動産の買取資金を主に金融機関からの借入金によって調達しており、当連結会計年度末における有利子負債依存度は58.8%となっております。このため、今後、金融情勢の変動によって金利上昇や金融機関の融資姿勢が変化した場合には、支払利息の増加や仕入計画の変更等により当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

●リスク対策

有利子負債依存度に関しましては、その数値を65%以下とすることを財政健全性の一つの指標としており、自己資本比率やネットD/Eレシオを含めた指標を常に管理することで、財政状態を強化しております。加えて、当社グループは特定の金融機関に依存することなく、個別案件毎に販売計画の妥当性を分析したうえで借入金の調達を行うことで、取引金融機関との円滑な取引関係を構築しております。

 

 

(5)財務制限条項に関するリスク

事業戦略

●リスクシナリオ

当社は、2025年3月14日開催の取締役会決議に基づき8行の金融機関とシンジケートローン契約を締結しております。この契約には、財務制限条項が付されており、これらの条項に抵触した場合、期限の利益を喪失し、当社の財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

●リスク対策

当社グループにおいては、第3次中期経営計画において、自己資本比率、ネットD/Eレシオ等の財務指標を重要な経営指標(KPI)として設定しております。

財務制限条項への抵触を防止する観点も踏まえて、これらの指標に基づき財務状況の推移を取締役会にてモニタリングし、健全な財務体質の維持・向上に努めております。また、一定の現預金水準の確保により、流動性リスクの低減も併せて図っております。

 

 

(6)販売用不動産の評価損に関するリスク

事業戦略

●リスクシナリオ

当社グループが保有する販売用不動産については、「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号 2019年7月4日改正分)を適用しております。期末に保有している販売用不動産のうち、投資用不動産については、減価償却を考慮した簿価と正味売却価額を比較し、正味売却価額が簿価を下回っている場合には商品評価損を計上することとしております。また、販売用不動産のうち、区分所有マンション、戸建等の居住用不動産については、取得価額と正味売却価額を比較し、正味売却価額が取得価額を下回っている場合には商品評価損を計上することとしております。今後、経済情勢や不動産市況の悪化等により、当初計画どおりに販売が進まない場合、販売用不動産が在庫として滞留する可能性があり、滞留期間が長期化した場合等は、期末における正味売却価額が簿価または取得価額を下回り、商品評価損を計上することも予測され、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

●リスク対策

当社グループでは、不動産売買市場の動向を常に注視し、業績への影響の把握と事業の進捗管理や精度の向上に努めており、販売用不動産の保有中に市況変動があった場合でも適切に利益が確保できるよう、仕入価格を厳正に精査し決定しております。買取再販事業は仕入から販売まで短期間のサイクルではありますが、仮に長期在庫となった場合でも、正味売却価額の低下を極力抑制できるよう適切なリフォーム計画と賃料設定による投資利回りの改善・向上に努めています。

 

 

 

 

(7)法的規制に関するリスク

法務・コンプライアンス

●リスクシナリオ

当社グループの属する不動産業界は、「宅地建物取引業法」「建設業法」「不動産特定共同事業法」「建築基準法」「都市計画法」「国土利用計画法」「借地借家法」「不当景品類及び不当表示防止法」「不動産の表示に関する公正競争規約」「金融商品取引法」等の各種法的規制を受けております。今後、これらの法的規制の改廃や新たな法的規制が設けられる場合には、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループでは、法的規制の遵守を徹底しておりますが、将来何らかの理由により法令違反の事象が発生し、監督官庁より業務の停止や免許の取消し等の処分を受けた場合には、当社グループの事業活動に支障をきたすとともに当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

●リスク対策

当社グループでは、法務コンプライアンス部門が中心となって各種法的規制に対応し、従業員へのコンプライアンス研修やセミナーなどを実施して法令遵守・コンプライアンス意識を高めるとともに、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会の運営により、リスクマネジメント及びクライシスマネジメントの観点から、当社グループ全体の主要リスクに対する対応策の検討や、コンプライアンス違反の未然防止策の制定等を行っております。各種法的規制に改正がある場合などには、社内弁護士、外部機関、及び顧問弁護士とも連携して最新の情報を把握するよう努め、当社グループ内での周知徹底を図っております。

なお、法的規制に関して、許認可等の有効期間が関係法令により定められているものは下表のとおりであります。

(当社)

許認可等の名称

許認可

(登録)番号

有効期間

関係法令

許認可等の取消又は
更新拒否の事由

宅地建物取引業者免許

国土交通大臣

(4)第7987号

2025年5月14日から

2030年5月13日まで

宅地建物取引業法

同法第5条及び第66条

一級建築士事務所登録

東京都知事登録

第51257号

2025年7月20日から

2030年7月19日まで

建築士法

同法第26条

不動産特定共同事業者許可

東京都知事

第105号

不動産特定共同事業法

同法第36条

特定建設業許可

国土交通大臣

第028616号

2024年10月1日から

2029年10月1日まで

建設業法

同法第29条、第29条の2

 

(株式会社フジホーム)

許認可等の名称

許認可

(登録)番号

有効期間

関係法令

許認可等の取消又は
更新拒否の事由

宅地建物取引業者免許

東京都知事

(6)第75654号

2022年10月4日から

2027年10月3日まで

宅地建物取引業法

同法第5条及び第66条

マンション管理業者登録

国土交通大臣 (01)第034574号

2021年6月25日から

2026年6月24日まで

マンション管理業法

同法第47条

賃貸住宅管理業者登録

国土交通大臣

(01)第0002623号

2021年11月17日から

2026年11月16日まで

賃貸住宅管理業法

同法第6条

 

(株式会社ムゲンアセットマネジメント)

許認可等の名称

許認可

(登録)番号

有効期間

関係法令

許認可等の取消又は
 更新拒否の事由

宅地建物取引業者免許

東京都知事

(1)第112095号

2025年3月22日から

2030年3月21日まで

宅地建物取引業法

同法第5条及び第66条

第二種金融商品取引業

投資助言・代理業登録

関東財務局長

(金商)第3500号

金融商品取引法

同法第52条

 

 

 

 

(8)情報セキュリティ等に関するリスク

法務・コンプライアンス

●リスクシナリオ

当社グループでは、各事業において個人情報をはじめとする多くの機密情報を取り扱っております。これらの機密情報に関しては、「個人情報の保護に関する法律」をはじめ、関連する諸法令の遵守と適正な取り扱いの確保に努めておりますが、情報セキュリティインシデント発生等の不測の事態により、万一、機密情報が外部へ漏えいした場合、社会的信用の低下等により、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、サイバー攻撃等により情報システム障害その他の損害が発生した場合、当社グループの事業継続に重大な影響が生じる可能性があります。

●リスク対策

当社グループにおいては、情報システム部門及び法務コンプライアンス部門を中心に、機密情報や個人情報等の取扱いに関する啓蒙活動や研修を実施することで、人為的ミスによる情報漏洩の未然防止に努めております。また、情報の取扱いに関する規程の策定及び見直しを行い、情報セキュリティに関するガバナンス強化を図っております。

万が一、サイバー攻撃を含む情報セキュリティインシデント等の事象が発生した場合においても、リスクを適切にコントロールし事業活動へ与える負の影響を最小化するよう、情報システムに係る体制基盤の強化に努めております。

 

 

(9)契約不適合責任・訴訟等に関するリスク

法務・コンプライアンス

●リスクシナリオ

当社グループでは、販売する中古再生不動産について、民法及び宅地建物取引業法の規定に基づき、引渡し後最低2年間の契約不適合責任を負っております。また、販売する新築住宅については、民法及び住宅の品質確保の促進等に関する法律の規定に基づき、住宅の構造耐力上主要な部分等の瑕疵について、引渡後10年間の担保責任を負っております。そのため、販売した物件に契約不適合があった場合には、当該不適合部分の補修や損害賠償、契約の解除等により予定外の費用を負担せざるを得ないことがあります。

また、販売した物件について、現時点で業績に直接影響を及ぼす重要な訴訟を提起されている事実はありませんが、業務手続に適法性や適切性を欠いた場合にはクレーム等を受け、それらの係争に起因する訴訟が発生する可能性があります。

今後上記のような事態が発生した場合、その内容及び結果によっては、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

●リスク対策

当社グループにおいては、品質管理を徹底するために、リフォーム工事の施工前及び完了時に独自のチェックリストを用いて品質のチェックを行うことで、品質の確保に努めております。また、対象となる居住用不動産については、保証書を発行し、引渡し後6か月の時期に点検を行い不具合等の修補を行うことで、アフターサービスの強化を図っております。さらに、このような訴訟・係争ないしは請求が生じることのないよう、クレーム低減に向けた施策を講じる等、社内体制の整備に努めております。

万が一訴訟・係争ないしは請求が発生した際には、社内弁護士を中心として迅速に事案を把握し対応を行う体制を構築することにより、リスクの最小化に努めております。

 

 

(10)自然・人為的災害に関するリスク

外部環境

●リスクシナリオ

当社グループは、首都圏1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)を中心に、全国の各地方都市にも不動産買取再販事業を展開しており、取り扱う中古不動産も全国に所在しております。日本各地において、地震・火災・水害等の自然災害、大規模な事故やテロ等の人為的災害が発生した場合、当社グループの役職員の安全が脅かされ、当社グループの事業継続が困難となる可能性や、当社グループの所有する中古不動産が滅失、毀損または劣化し販売価値や賃貸収入が著しく減少する可能性があります。

●リスク対策

当社グループにおいては、自然災害や人為的災害等の緊急事態に遭遇した際に損害を最小限に抑え、重要な業務を継続し、早期復旧を図れるよう、災害発生時における事業継続に関する行動計画(BCP)を策定しております。

また、保有する不動産の選定及び管理に関して、旧建築基準法適用時に建設された物件の保有を控え、保有した場合でも耐震性に関する診断を厳密に行うことで、大規模な地震発生時の影響の最小化を図っております。

 

 

(11)人材の確保に関するリスク

業務プロセス

●リスクシナリオ

当社グループは、様々な経営課題克服のため、優秀な人材を継続的に確保・育成していくことが最重要課題であると認識しております。従って、今後も優秀な人材の中途採用、優秀な学生の新卒採用及び教育・研修制度の充実を図り、当社グループの経営理念を理解した責任ある社員の育成を行っていく方針であります。しかしながら、当社グループの求める人材の確保・育成が想定どおりに進まない場合には、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

●リスク対策

当社グループにおいては、多角的な採用チャネルを選定し、当社グループのカルチャーやバリューに沿った能力を発揮出来る見込みのある潜在層へのアプローチを積極的に図り、優良人材の獲得に努めております。また、若年層の従業員及び新卒採用社員に対する教育プログラムを充実化させ、積極的かつ効果的に研修を実施することで、早期の戦力化を図っております。さらに、離職率低下を目的として、中途採用・新卒採用を問わず、入社後のフォローアップを行う等、社員が定着しやすい就業環境の整備に努めております。

 

 

(12)開発行為における取引先倒産等に関するリスク

外部環境

●リスクシナリオ

当社グループにおいて、販売用の一棟建物を建設する場合は、外部の建設業者へ発注しております。そのため、当社グループの選定基準に合致する建設業者を十分に確保できなかった場合や、発注先建設業者の経営困難又は労働者不足により工期遅延並びに外注価格の上昇が生じた場合には、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

●リスク対策

当社グループでは、外部建設業者とのネットワークの拡充を図ることで、特定の建設業者に依存することのない施工体制の構築に努めております。社員や取引先等の関係者を通じて建設業者を紹介していただくなど、積極的な新規開拓に取り組むことで協力業者の確保に努めるとともに、既存建設業者との良好な関係の維持・強化も図っております。

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、米国の通商政策による影響が一部の産業に見られるものの、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により緩やかに回復しております。一方で、米国の政策動向や物価上昇の継続がわが国の景気を下押しするリスクに加え、金融資本市場の変動による影響など、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。

当社グループが属する不動産業界におきましては、日本銀行による政策金利の引き上げが実施され、金利水準としては約30年ぶりの高さに到達しておりますが、不動産市場への影響は限定的にとどまっております。こうした中、不動産投資市場は回復・活発化の動きを見せており、投資用不動産の需要は依然として高い状況が継続しております。居住用不動産についても底堅い需要が維持されており、市場全体として引き続き堅調に推移しております。

東日本不動産流通機構(東日本レインズ)によれば、2025年における首都圏の中古マンション成約件数は49,114件(前年比31.9%増)で、3年連続で前年を上回りました。成約平米単価は82.98万円(同7.9%増)で、13年連続の上昇となり、この13年で117.3%上昇しております。また、成約価格においても5,200万円(同6.3%増)と成約平米単価と同様に13年連続で上昇しました。成約物件を価格帯別に見ると、1億円超の成約件数、構成比率ともに拡大しており、首都圏全体の1割以上を占めています。12月の在庫件数は、43,381件と前年同月比で3.6%減少しました。

このような事業環境の下、当社グループの主力事業である不動産買取再販事業は、円安及び低金利環境を背景に国内外投資家からの需要が堅調に推移し、投資用不動産及び居住用不動産ともに売上高・売上総利益が前年を上回って着地しております。特に、収益性を重視した販売により、粗利率は計画を上回る水準で推移しました。仕入面は、地方エリアも含めて投資用不動産の大型物件を中心に積極的な仕入活動を推進し、投資用不動産の仕入額は292億82百万円(前期比57.9%増)と大きく伸長しております。また、ホテルやヴィラ等の新たなアセットを取り扱うことで、事業領域の拡大を図ってまいりました。

不動産開発事業は、当社オリジナルブランドである「サイドプレイス」シリーズの竣工を進め、当期は1棟竣工となりました。販売においては、リーシング・販売活動の強化を進めた結果、1棟売却しております。

不動産特定共同事業は、「令和8年度税制改正大綱」の公表に伴い、不動産小口化商品の販売動向に一部慎重さが見られ、「荻窪プロジェクト」は当期中の完売には至りませんでした。そのため、12月に第一期募集を終了し、組成を実施しております。第二期募集につきましては、2026年1月より募集を開始しております。

以上の結果、当連結会計年度における売上高は682億62百万円(前期比9.8%増)、営業利益は110億49百万円(同14.8%増)、経常利益は99億51百万円(同12.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は66億59百万円(同9.4%増)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

(不動産売買事業)

不動産買取再販事業におきましては、投資用不動産の販売が224件(前期比47件増)、平均販売単価は1億37百万円(同9.8%減)となり、売上高は308億66百万円(同14.1%増)となりました。また、居住用不動産の販売は、419件(前期比62件減)、平均販売単価は77百万円(同33.2%増)となり、売上高は324億38百万円(同16.0%増)となりました。

不動産開発事業は、販売が1件(前期比4件減)、売上高は6億32百万円(同74.8%減)となりました。

不動産特定共同事業は、プロジェクト2件の組成と荻窪プロジェクトの第一期募集が終了し、売上高は13億1百万円(前期比39.2%減)となりました。

以上の結果、売上高は653億27百万円(前期比9.3%増)、セグメント利益(営業利益)は133億90百万円(同18.8%増)となりました。

 

 

(賃貸その他事業)

賃貸その他事業におきましては、不動産賃貸収入が27億35百万円(前期比23.2%増)となりました。

以上の結果、売上高は29億35百万円(前期比20.9%増)、セグメント利益(営業利益)は7億12百万円(同3.2%減)となりました。

 

(注)「投資用不動産」は、一棟賃貸マンション及び一棟オフィスビル等の賃貸収益が発生する物件を購入者が主に投資用として利用する不動産として区分し、「居住用不動産」は、区分所有マンションを中心に購入者が居住用として利用する不動産、及び土地等も含まれております。

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末における財政状態は、総資産は1,066億98百万円(前期比21.9%増)、総負債は708億96百万円(同27.9%増)、純資産は358億2百万円(同11.6%増)となりました。

(資産)

総資産の主な増加要因は、販売用不動産(仕掛販売用不動産も含む)が152億56百万円、有形固定資産が31億56百万円、投資有価証券が11億70百万円増加した一方、現金及び預金が12億97百万円減少したことによるものであります。

(負債)

総負債の主な増加要因は、長期借入金(1年内返済予定を含む)が109億17百万円、短期借入金が29億7百万円増加したことによるものであります。

(純資産)

純資産の主な増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が66億59百万円増加した一方、利益剰余金の配当により34億72百万円減少したことによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ13億27百万円減少し、191億73百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動の結果、使用した資金は、67億56百万円(前連結会計年度は、26億円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益99億47百万円の計上があった一方、棚卸資産の増加額156億5百万円、法人税等の支払額34億6百万円があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動の結果、使用した資金は、49億75百万円(前連結会計年度は、3億12百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入18億97百万円があった一方、有形固定資産の取得による支出38億27百万円、定期預金の預入による支出19億27百万円、投資有価証券の取得による支出11億70百万円があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動の結果、獲得した資金は、104億3百万円(前連結会計年度は、8億25百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入371億28百万円、社債の発行による収入40億57百万円、短期借入金の純減額29億7百万円があった一方、長期借入金の返済による支出262億10百万円、社債の償還による支出39億99百万円、配当金の支払額34億72百万円があったことによるものであります。

 

④ 仕入及び販売の状況

(生産実績)

当社グループは、中古不動産の売買事業及び賃貸その他事業を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、該当事項はありません。

(受注実績)

当社グループは、受注生産を行っていないため、該当事項はありません。

 

(販売実績)

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

区分

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

 

 

 

セグメントの名称

 販売件数

前年同期比

(%)

 販売高(百万円)

前年同期比

(%)

不動産売買事業

647

97.1

65,327

109.3

賃貸その他事業

2,935

120.9

合計

647

97.1

68,262

109.8

 

(注) セグメント間取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

① 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比較して60億75百万円増加682億62百万円(前連結会計年度比9.8%増)となりました。これは、不動産売買事業の売上高が55億68百万円増加653億27百万円(同9.3%増)となったことによります。この不動産売買事業の内、投資用不動産は、円安及び低金利環境を背景に、国内外の投資家への販売が好調に進捗し、売上高は38億22百万円増加の308億66百万円(同14.1%増)と前期を上回る結果となりました。居住用不動産につきましても、新築不動産価格の高騰を背景とした中古不動産への需要の高まりを受け、高価格帯物件を中心に販売が堅調に推移し、売上高は44億80百万円増加の324億38百万円(同16.0%増)と前期を上回る結果となりました。

賃貸その他事業の売上高は、5億6百万円増加29億35百万円(同20.9%増)となりました。賃貸その他事業の売上高の殆どを占める賃貸収入は、投資用不動産の仕入から販売までの保有期間中、及び当社が固定資産として保有する物件から計上されます。当連結会計年度において、投資用不動産の在庫及び固定資産が前期比で増加したことから、賃貸その他事業の売上高は前期を上回る結果となりました。

詳しくは「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照ください。

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度と比較して33億12百万円増加489億34百万円(前連結会計年度比7.3%増)となりました。また、売上総利益は前連結会計年度と比較して27億63百万円増加193億28百万円(同16.7%増)となりました。なお、売上総利益率は、1.6ポイント上昇して28.3%(前連結会計年度は26.6%)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して13億37百万円増加82億78百万円(前連結会計年度比19.3%増)となりました。これは主に、人員採用に伴う人件費が7億2百万円、販売用不動産の仕入に伴う租税公課が5億69百万円増加したことによります。営業利益は不動産買取再販事業において高い収益性を確保できたことから、14億26百万円増加110億49百万円(同14.8%増)となりました。なお、売上高営業利益率は0.7ポイント上昇して16.2%(前連結会計年度は15.5%)となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

営業外収益は、前連結会計年度と比較して45百万円増加1億32百万円(前連結会計年度比53.1%増)となりました。これは主に受取利息が26百万円、雑収入が12百万円増加したことによります。

営業外費用は、前連結会計年度と比較して3億78百万円増加12億29百万円(同44.5%増)となりました。これは主に、仕入に係る借入金の増加により、支払利息が1億94百万円、支払借入手数料が1億71百万円増加したことによります。

以上の結果、経常利益は、前連結会計年度と比較して10億93百万円増加99億51百万円(前連結会計年度比12.3%増)となりました。なお、売上高経常利益率は0.3ポイント上昇して14.6%(前連結会計年度は14.2%)となりました。

(特別利益、親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して5億73百万円増加の66億59百万円(前連結会計年度比9.4%増)となりました。なお、売上高当期純利益率は0.03ポイント減少して9.8%(前連結会計年度は9.8%)となりました。

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

また、当社グループにおける重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、不動産買取再販事業に係る販売用不動産の仕入れであります。販売用不動産の仕入れは、個別の販売用不動産を担保とした金融機関からの借入金及び販売活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金によって行っております。当該販売用不動産は一年以内を目途に販売することとし、借入金は、月例約定返済を織り込みつつ、販売用不動産の販売時に一括返済することを基本方針としており、資金の流動性は十分に確保されております。

また、上記のほか資金調達の手段として、社債の発行、不動産特定共同事業の運営及びクラウドファンディングを活用したファンドの組成等を行い、資金調達の補助的な役割を担っております。これらで得た資金については、事業拡大のための投資資金及び安定した賃貸家賃収入を獲得するための長期保有目的不動産の購入等に充てられております。

 

④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

2025年12月期を初年度とする第3次中期経営計画を策定し、以下のとおりの計画数値・経営指標を掲げております。

 

第3次中期経営計画の経営指標(2025年12月期~2027年12月期)

2025年12月期は、成長性を示す売上高成長率(CAGR)及びEPS成長率(CAGR)、資本効率性を示すROEは目標を下回る結果となりました。一方で、財務健全性を示す自己資本比率は目標の範囲内であり、株主還元は、計画のとおり中間配当を実施し、配当性向においても目標を達成しました。

主力事業である不動産買取再販事業の仕入が進んだことにより、有利子負債は増加したものの、ネットD/Eレシオは目標レンジを若干下回る程度であり、今後の事業規模の拡大に向け、財務の健全性にも留意しながら、最適な資金調達を行ってまいります。

2026年12月期も引き続き、財務健全性の維持や株主還元の充実を図りつつ、成長性及び効率性指標である売上高の拡大及び利益の確保を行う計画としております。

 

 

経営指標

目標数値

当連結会計年度

成長性

売上高成長率(CAGR)(注)1

20.0%以上

9.8%

EPS成長率(CAGR)(注)2

15.0%以上

9.9%

資本効率性

ROE

20.0%以上

19.7%

財務健全性

自己資本比率

30.0~35.0%

33.5%

ネットD/Eレシオ

1.2倍~1.5倍

1.2倍

株主還元

配当性向

40%以上

40.0%

中間配当の実施

中間・期末の年2回の実施を基本方針とする

中間配当45円 実施

期末配当69円 予定

 

 (注)1.売上高成長率は、2024年度の売上高を基準年度としております。

    2.EPS成長率は、2024年度のEPSを基準年度としております。

 

 

5 【重要な契約等】

(社債に付される財務上の特約)

当社は、以下のとおり、財務上の特約が付された第1回期限前償還条項付無担保社債を発行いたしました。

 

1.社債の発行日

 2025年6月30日

 

2.社債の期末残高

 3,600百万円

 

3.償還期限

 2028年6月30日

 

4.担保・保証の内容

 担保及び保証は付されておらず、特に留保されている資産はありません。

 

5.特約の内容
(1)担保提供制限

当社が国内で発行した、または当社が国内で今後発行する他の無担保社債のために担保権を設定する場合には、同順位の担保権を設定する。

 

(2) 純資産額の維持

当社の連結の中間期及び通期の貸借対照表に示される純資産合計を、直前の連結会計年度末日における連結の通期の貸借対照表に示される純資産合計の75パーセントに相当する金額以上に維持しなければならない。

 

(3) 利益維持

当社の連結の中間期及び通期の損益計算書に示される経常損益の金額が、2期連続して損失とならないように維持しなければならない。

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。