第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものです。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は、「夢が溢れる世界のために、人のあらゆる可能性を切り拓きます。- all the possibilities -」というMissionに基づき、その世界の実現のために、あらゆる人のあらゆる可能性を信じ、それを切り拓くサポートをする存在であることを経営の基本方針としており、様々な業界、企業で活躍する人材を人材育成事業によって支援しております。

 

(2)中長期的な経営戦略、経営環境および対処すべき課題等

(中長期的な経営戦略、経営環境)

当社グループは「アジア人材育成No.1となる、 事業創造と人づくりで継続成長するグローバル企業」というVisionを掲げ、アジアでの人材育成No.1となり、「価値を創り出す意思」と「人」を根幹に、お客様に支持される事業によって継続的に成長する企業であることを目指しております。

当社サービスを取り巻く人材育成業界の市場規模は、これまで多くの企業において人材育成の必要性は認知されてはいるため、安定的ではあるものの、投資対効果が見えづらいために、急拡大を見込める市場ではないものの、労働人口の長期的な減少を背景とした、労働生産性向上のニーズの高まりや、AI技術の革新による人の付加価値向上ニーズによって人材育成業界への期待は高まっています。

このような中、当社は後述の「対処すべき課題」に記載のとおり、法人向け教育研修、etudesともに、より単価を向上させることに注力することで売上規模の拡大を図ってまいります。また、当社とのシナジーが認められる事業領域でのM&Aを積極的に検討することで、当社の競争力向上に資するものへの投資を加速させてまいります。

以上の取り組みをとおし、当社は顧客の組織課題の解決のため、当社の熟達した社員の関与を増やしながら顧客組織へのトータルコンサルティングを行うことで、売上高の拡大並びに利益創造に邁進してまいります。

 

(対処すべき課題)

当社グループは、「夢が溢れる世界のために、人のあらゆる可能性を切り拓きます。- all the possibilities -」というMissionに基づき、様々な業界、企業で活躍する人材を人材育成事業によって支援しております。
多くの企業において人材育成の必要性は認知されており、市場規模は安定的ではあるものの、投資対効果が見え辛いために、大きく成長する市場ではありませんでした。しかし、労働人口の長期的な減少を背景とした、労働生産性向上のニーズの高まりや、AI技術の革新による人の付加価値向上ニーズによって人材育成業界への期待は高まっています。この期待に応えるには『育成の成果』を明らかにし、より大きな投資に見合うサービスであるという認知の獲得が必要と考えております。また、昨今は勤務形態においてオフィス回帰の流れがある一方、在宅・テレワークについても継続して推進されており、オンラインでの研修実施やeラーニングの利用が促進され、定着してきております。

そのような状況下で、当社の中長期でのさらなる事業成長や利益の創出により企業価値を向上させていくことは大変重要な課題であると認めております。

以上のことから対策として以下の施策を実施してまいります。
 
1.etudes事業の拡大

現在、これまでの同業他社にとどまらず異業種からの参入が相次いでいるeラーニング、ラーニングマネジメントシステム(LMS)市場においては、当社の得意な分野での優位性をしっかりと発揮しながら競争に勝ち抜いていく必要があると考えております。そのため当社のクラウド型eラーニングシステム「etudes」を提供しているetudes事業においては、大きく2つの方針を柱に、事業活動の拡大を図っていきたいと考えております。まず1つ目の柱として、法人向け教育研修の顧客層である国内の大企業法人へ向けたソリューションを強化し、法人向け教育研修営業や顧客人事とも連携しながら組織課題の解決に向けたソリューションのひとつとして、事業規模の拡大を図っていく方針です。また2つ目の柱としては、中堅中小企業向けにeラーニング等を提供するベンダーが利用できるLMSのプラットフォームとして当社の「etudes」の利用を促進することにより事業拡大を推進してまいります。最低取引価格の導入によるetudes事業の売上高および利益の拡大は当連結会計年度より徐々に効果を出すことができており、この取り組みを継続しながら、2本の柱の施策をそれぞれ加速していくことで、etudes事業の成長拡大に邁進してまいります。
 
2.顧客単価の向上

当社は、国内の大企業法人が主要な顧客層であり、個別最適化されたソリューションを提供しながら顧客単価の向上を図ることで、事業の成長拡大を継続してまいりました。この取り組みにより既存の顧客基盤がこれまでより充実したことから、新規の顧客を獲得することによる事業規模の拡大に注力してまいりました。

当面の課題としては、大型案件の獲得および受注率の向上にあると考えており、吸収合併した株式会社エナジースイッチや子会社のクインテグラル株式会社のノウハウを今後に生かしながら、営業強化施策を展開し、当社熟達者の関与を深めることで、個々の研修実施にとどまらない組織課題の解決に向けた総合的なソリューションを提供し、顧客単価の最大化に努めてまいります。

以上の取り組みを通し当社は、事業規模の拡大を図り利益水準の向上に邁進してまいります。
 
3.M&Aの推進

当社グループでは、2024年に株式会社エナジースイッチならびにクインテグラル株式会社、2025年にはQUINTEGRAL PHILIPPINES, INC.の株式取得を行い、M&Aによる事業拡大を行ってまいりました。今後については、これらの会社が持つ強みと、当社が持つ顧客基盤やコンテンツ開発力を活かして、グループでのシナジー効果を最大化するよう努めてまいります。

また、人材育成領域はもちろんのこと、当社のMissionに関連する人材育成の周辺の事業領域においてもM&Aの機会を探索し、非連続な事業成長を目指してまいります。
 
4.内部管理体制の強化とコーポレート・ガバナンスの充実

当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上のため、内部管理体制の充実が不可欠であると認識しており、役職員のコンプライアンス意識の向上、当社連結子会社並びに各事業の取引態様に即した内部管理体制を構築するなど、コーポレート・ガバナンス体制の強化に取り組んでまいります。

今後は、認証を取得済みのISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)運用を通じ、データを安全で効率的に管理する体制の強化をさらに進めてまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは、「夢が溢れる世界のために、人のあらゆる可能性を切り拓きます。- all the possibilities -」というMissionに基づき、その世界の実現のために、あらゆる人のあらゆる可能性を信じ、それを切り拓くサポートをする存在であることを経営の基本方針としており、様々な業界、企業で活躍する人材を人材育成事業によって支援しております。

この Mission のもと、人的資本に関する取組はもとより、人材育成を通して人のあらゆる可能性を切り拓き、企業や社会に継続的に貢献することにより持続可能な社会の実現へ貢献してまいります。

 

(1)ガバナンス

当社グループは、人材育成の側面から、様々な企業課題や社会課題の解決を促す事業活動を推進し、当社グループの継続的な成長を通し幅広く社会に貢献することで社会の持続的な発展につながると考えております。

当社グループにおいてサスティナビリティに関する事項は、代表取締役社長を中心に事業部、バックオフィスの区別のない体制を整備しながら、内容に応じ取締役会やリスク・コンプライアンス等委員会等と連携し、取り組みを推進しております。

目まぐるしく経営環境の変化が起こる中においても、永続的な発展と成長、持続的な企業価値の最大化を目指し株主をはじめとする全てのステークホルダーからの期待に応えるため、当社グループは、経営の健全性や効率性や透明性を確保すべく、最適な経営管理体制の構築に努めております。

 

(2)戦略 (人的資本経営)

当社グループは、個人のエネルギーの湧出と会社の方向性に向けて協働することが両立されている状態により、お客様への提供価値を高めていくことを人的資本経営の基本戦略とし、人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針を下記の通り定めております。

 

人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

①個々人と組織としての仕事の熟達

 一人ひとりの意思や強みを最大限に発揮し、熟達を深めることができる場を創る

②長く働ける環境づくり

 一人ひとりが物心両面で安心して働ける環境づくりを進める

③組織ぐるみで育てる文化づくり

 成熟と熟達をテーマとした成長と育成の文化を醸成する

④チームとして価値創造する文化づくり

 一人ひとりの個性をお互いに受容することによって多様性のあるチームになると共に、会社の目指すものを共

 有することにより一つの組織としての連帯感を持つことができている

 

(3)リスク管理

当社グループは、数多く想定される全社的なリスク・機会を特定し的確に対応するため、原則四半期に一度、その他必要に応じてリスク・コンプライアンス等管理委員会を開催しており、リスク・機会の分析、事前予防や発生時の損害最小化、再発防止に関して議論するとともに、その結果を取締役会に報告しています。

サスティナビリティに関するリスク・機会の認識や、対応の優先順位につきましては、年に一度多様な観点から分析を実施し想定発生頻度や事業やその運営に与える影響を勘案しリスク・コンプライアンス等管理委員会にて決定され、当該年度の優先的に対応すべきリスク・機会として全社的にその課題の解消に向け取り組んでおります。

 

(4)指標及び目標

当社グループは、(2)戦略(人的資本経営)において記載した、個人のエネルギーの湧出と会社の方向性に向けて協働することが両立されている状態により、お客様への提供価値を高めていくことを人的資本経営の基本戦略としており、それに関する指標については「人的企業価値」と呼称し下記の通りとしております。なお、当社グループにおいては、関連する指標の管理とともに、具体的な取り組みが行われておりますが、連結グループに属するすべての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難です。このため、次の指標に関する実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。なお、本報告書提出日現在においては、当該指標についての目標は設定しておりません。今後、関連する指標のデータの収集と分析を進め、目標を設定し、その進捗に合わせて開示項目を検討してまいります。

 

人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた実績

 

 

第20期

第21期

第22期

第23期

指標

2022年12月

(実績)

2023年12月

(実績)

2024年12月

(実績)

2025年12月

(実績)

人的企業価値a×b×c(千円)

13,204,380

14,605,931

14,329,207

17,881,997

a.単体正社員数)

149

158

152

153

b.一人当たり売上高(千円)

17,724

18,126

17,787

20,151

c.平均勤続年数()

5.0

5.1

5.3

5.8

 

 

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある と考えられる事項を下記に記載しておりますが、当社グループの事業等のリスクは以下の事項に限定されません。当社グループは、リスクを認識した上で、発生の回避及び発生した場合には当該事象による影響が最小限となる対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の事業等のリスク及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、記載事項における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境について

当社グループは、大手企業を主要顧客とし、法人を対象とした人材育成事業を提供しております。現在、景気回復による労働市場の活況に伴い、企業が新卒採用を積極的に行う中、当社の主力領域である「新人・若手領域」で展開している新入社員向け研修は、堅調に推移しております。しかしながら、今後、若年労働人口及び新卒採用動向の変化により新卒採用数が減少した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 人材の確保と育成について

今後の事業拡大及び業務内容の多様化に対応すべく、優秀な人材の確保が必要となります。しかしながら、当社グループが求める人材が適切な時期に確保、育成できなかった場合、また、社外流出等何らかの事由により既存の人材が業務に就くことが困難になった場合、業務運営及び成長戦略に支障をきたし、当社グループの事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 競合について

社会人を対象とした人材育成や教育研修事業に関しては、他の研修会社やコンサルティング会社等、多数の企業が参入しており、今後より一層、品質や価格に係る競争が激化するものと認識しております。当社の競争優位性として認識しております、顧客との関係構築を通じたニーズに合わせたカスタマイズ力や、アセスメント等を通じた現場での育成成果の定着支援において、他社に対する優位性が維持できなくなった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 海外でのサービス展開について

① 海外関連サービスにおける外部環境の変化に係るリスクについて

当社の海外派遣研修及び語学研修「ALUGO BOOT CAMP」における派遣先国は、インド、フィリピン等、アジア方面が中心であります。海外派遣研修等を提供するにあたっては、参加者及び当社従業員の安全確保を第一に考え、常時、安全情報の入手、外務省の海外安全情報に基づく全社共通の催行基準に従って対応しております。また、当社子会社の実施する海外教室型研修は、中国並びにシンガポールにて実施しております。これらのサービスの実施に際しましては、外部機関と連携し、様々なリスクを想定した危機管理体制及び万一のトラブル・事故発生時に適切かつ迅速に対応できる体制を構築しております。

しかしながら、所在国における、テロの発生、感染症の流行、自然災害等の外部環境の変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 海外関連サービスにおける現地法律に係るリスクについて

当社グループの海外子会社において実施しております海外教室型研修は、所在国の政治、経済、社会情勢の変化に起因して生じる事態、関連する法令改正及び新法令の制定並びに諸規則等により所在国における事業継続が困難となるリスクを有しております。当社本社において、各海外子会社を統括、管理する部門を設置するとともに、社内外に構築してきた危機管理体制により、リスクに対応できる体制を整備しておりますが、このようなリスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) システム障害について

当社の法人向け「ALUGO」及びクラウド型eラーニングシステム「etudes」は、社内システム及びサーバ等並びにインターネットに依存しております。また、サービスはインターネットを介して行われるため、通信事業者が運営する通信ネットワークに依存しております。そのため、当社グループは、サービスの安定供給に向けて、コンピューターウイルスへの感染、ネットワークへの不正侵入、サイバー攻撃等によるシステムダウン、電力不足や自然災害等に伴うシステム障害等、顧客へのサービス提供を妨げられるようなトラブルを回避するために、外部業者によるシステムサーバの管理・監視体制の構築やセキュリティ対策等により未然防止策を講じております。また、当社の社内業務は、システム化を進めており、情報システム及びインターネット技術と密接に関連しているため、ハッキングやコンピューターウイルス被害等を予防するためのセキュリティ対策を講じております。

しかしながら、何らかの障害により、顧客へのサービス提供が不可能となった場合、当社グループの社会的信用の低下や損害賠償請求等が発生する可能性があります。また、障害の規模によっては、サービス提供の中断や修復費用の増加等により、当社グループの事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 講師・コーチの確保について

① 教室型研修の講師について

講師の品質は、当社が提供する人材育成施策の成果を左右する一つの要素であります。企業の人材戦略に応じて求められる研修テーマや育成施策が多様化する中、顧客のニーズに応え、高品質の研修を実施するためには、スキル、知識、経験を兼ね備えた講師の確保が必要であります。しかしながら、将来において、当社が求める要件を備えた講師を確保できず、主力サービスである教室型研修の提供に支障が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 「ALUGO」のコーチについて

当社の法人向け「ALUGO」の英会話レッスンは、マンツーマンレッスンであり、ビジネスで通用する英会話の指導ができる高品質のコーチが不可欠となります。また、当社の英会話レッスンのコーチは、主にフィリピン在住のフィリピン人であり、当社子会社ALUE PHILIPPINES INC.において、コーチの管理を行っております。しかしながら、フィリピンの社会情勢、感染症の流行による情勢の変化、景気変動に伴う雇用情勢の変化等による報酬水準の上昇や関連する法令改正及び新法令の制定、諸規則等により、コーチの確保、法人向け「ALUGO」のサービス提供に重大な支障が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7) 法的規制等について

① 旅行業法について

当社の海外派遣研修及び語学研修「ALUGO BOOT CAMP」は、旅行業法における一定の事業に該当するため、当社は第1種旅行業者(観光庁長官登録旅行業 第1930号)として登録し、旅行業法に則りサービスを提供しております。しかしながら、当社が旅行業法に定める登録拒否事由に該当し、登録更新を行うことができない場合、または、旅行業法上の取消事由に該当し取消処分等を受けた場合は、登録の取消又はサービス提供の停止等を命じられる可能性があります。現時点において登録更新拒否や取消し事由に該当する事実はないと認識しておりますが、何らかの理由によりこれらの事由が生じた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 個人情報保護法について

当社は、事業運営に際し、顧客企業、従業員等その他の関係者の個人情報及び機密情報を保有しております。当社では、個人情報を適切に取り扱う体制の整備にあたりプライバシーマークを取得しております。また、個人情報及び機密情報の取扱いに関する規程を定め、情報管理を徹底するための部署を設置し、定期的に情報管理に関する教育を実施する等、情報管理体制の構築、運用の徹底に努めております。しかしながら、第三者による不正アクセス、システム運用における人的過失、従業員の故意等により、個人情報や機密情報の漏洩、不正使用等の事態が生じた場合は、当社グループの社会的信用の低下や損害賠償請求等の発生により、当社グループの事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 知的財産権について

当社の事業においては、自社開発・設計によるオリジナルコンテンツを中心に顧客へ提供しております。そのため、第三者に帰属する著作権等の知的財産権、肖像権等を侵害しないよう、事前に権利関係を調査する等、細心の注意を払っております。また、当社グループの資産の保護、保全に向けて、商標権の取得や著作権の明示、自社開発した技術の特許取得を行っております。しかしながら、当社の知的財産権等に関する調査、管理が完全である保証はなく、当社が認識せずに第三者に帰属する著作権等の知的財産権、肖像権等を侵害した場合、当社に対する損害賠償や使用差し止め等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 組織体制について

① 代表取締役社長への依存について

当社の代表取締役社長である落合文四郎は、当社の創業者であり、創業以来代表取締役社長を務めております。現在においても、経営方針や事業戦略の決定から新サービスの開発等の各業務分野に至るまで、当社の事業活動全般において重要な役割を果たしております。このため当社では、取締役会や経営会議等における情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、現時点においては、何らかの理由により同氏が当社グループの業務遂行を継続することが困難になった場合、当社グループの財政状態及び経営成績並びに今後の事業推進に影響を及ぼす可能性があります。

② 内部管理体制について

当社は、小規模組織による運営でありますが、当社の継続的な企業価値の向上と発展を遂げていくために、コーポレート・ガバナンス体制の強化は重要な課題の一つであると認識しております。現在、財務報告の信頼性、業務の有効性及び効率性、事業活動に関わる法令等の遵守、資産の保全を実現するために、内部統制が有効に機能する体制を構築し運用に努めておりますが、今後、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築、運用を促進できない場合、適切な業務運営が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(10) 四半期ごとの収益変動について

当社の収益の大半を占める法人向けサービスは、顧客の人材育成計画と連動しております。特に、当社が強みとしている新入社員育成については、顧客の新入社員受入れに伴う研修の実施が4月に集中いたします。その一方、月ごとの変動の小さい人件費等の固定費は継続して発生することから、第2四半期(4~6月)の売上高及び利益は大きくなる傾向にあり、第1四半期(1~3月)及び第3四半期(7~9月)の売上高及び利益は小さくなる傾向にあります。したがって、第2四半期において当社グループの経営成績が不調となる場合には、当社グループの通期の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 講師、コーチの不祥事、風評等のリスクについて

当社グループは、講師やコーチが、事故、事件、不祥事等を起こした場合、又は巻き込まれた場合、風評及び報道がなされた場合等には、当該講師、コーチの研修への登壇中止等の措置が必要となるため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの発生事象に対し、当社グループの対応等に関わらず、投資家、マスメディア、インターネット、その他を通じて社会全般に広まった場合において、当社グループへの悪影響により社会的信用が損なわれ、事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下の通りです。

なお、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)(企業結合に係る暫定的な会計処理の確定)」をご参照ください。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国の経済は、雇用や所得の環境が改善するに伴い、国内での物価上昇を背景と した個人消費の伸び悩みがみられるものの、緩やかに回復の兆しを見せております。

一方で、米国の通商政策に代表される政治・経済状況や金融市場の変動等による景気予測の困難さを受け、先行きが不透明な状況が続いております。

また、急速な進化を見せる生成AIの活用の波は、当社が属する人材育成業界においても確実に波及しており、生成AIを用いたこれまでの枠にとらわれない新しい人材育成にかかわるサービス提供が求められております。

このような環境の中、当社グループでは、昨年度M&Aにて取得し子会社化したクインテグラル株式会社の利益貢献の最大化を図る取り組みや、期中に吸収合併した株式会社エナジースイッチとの人材面および営業面でのシナジー創出に取り組むとともに、当期特に注力してきたマーケティングや納品体制の投資見直し並びにコスト削減効果の最大化を図ってまいりました。

また、営業面においても、国内大手法人顧客向けのサービス提供における新人導入研修の大型案件の獲得や受注率の改善に取り組み、「夢が溢れる世界のために、人のあらゆる可能性を切り拓きます。- all the possibilities -」というMissionのもと、利益創出構造への転換に尽力してまいりました。

なお、当社グループは、人材育成事業の単一の報告セグメントでありますが、経営成績の概況についてはセグメントに代えてサービス別に記載しております。

 

1.法人向け教育

<教室型研修/グローバル人材育成>

法人向け教育の当連結会計年度における売上高は、教室型研修において新人導入研修の納品が例年通り進んだことに加え、大型案件の受注や納品があったことで従前の売上高が伸長したほか、株式会社エナジースイッチやクインテグラル株式会社の連結による影響で売上高の増加もあり、好調に推移しました。

以上の結果、法人向け教育の売上高は、3,060,306千円(前年同期比20.6%増)となりました。

 

2.etudes

<etudes>

クラウド型eラーニングシステム「etudes」の当連結会計年度における売上高は、昨年より取り組んでいる最低価格導入により、一時的な利用企業数の減少があったものの、利用企業数の減少は底を打ち安定してきております。また、顧客単価向上の効果によりARPU(Average Revenue Per User)が大きく伸びたことや、エンタープライズ向けコンテンツ支援施策による売上高の上乗せも手伝い、etudes売上高は好調に推移しました。

以上の結果、etudesの売上高は、436,573千円(前年同期比18.9%増)となりました。

 

3.その他

<海外教室型研修>

当社の海外子会社が現地法人向けに提供している海外教室型研修の当連結会計年度における売上高は、中国子会社及びシンガポール子会社において、積極的な営業活動をとってまいりましたが、前年と同規模の案件受注を達成出来なかったことが影響し、海外連結子会社である中国子会社、シンガポール子会社ともに低調に推移しました。

以上の結果、海外教室型研修の売上高は、140,963千円(前年同期比23.6%減)となりました。

これらの結果、当社グループの当連結会計年度における売上高は、3,637,843千円(前年同期比17.8%増)と前年同期に比べ548,823千円増加いたしました。

当連結会計年度の利益面においては、法人向け教育の中で教室型研修の受注や納品が好調に推移し、期初計画以上に売上高が拡大したことに加え、株式会社エナジースイッチやクインテグラル株式会社のグループインによって各社の売上高が連結売上高へ反映されたことで、売上高が伸長したことに加え、当期注力してまいりました、利益創出構造への転換の取り組みの成果が見え始めたことにより外注費や労務費が減少し、売上総利益率が向上しております。その結果、売上総利益は2,278,363千円(前年同期比24.3%増)と前年同期に比べ444,842千円増加いたしました。

当社グループは、前連結会計年度までは新規顧客の獲得強化やetudesへの事業投資などを重点投資項目として位置づけ、人材の獲得や販売促進活動の強化、次世代etudesの開発に注力し積極的な投資を進めてまいりましたが、当連結会計年度においては利益創出構造への転換を図るべく、事業成長に必要な投資のみに絞り込み投資活動を実施いたしました。

販売費及び一般管理費においては、上記取り組みを機動的に実施した結果、前述のクインテグラル株式会社のグループインや、株式会社エナジースイッチの合併による費用の増加はあったものの、マーケティング費用の削減や営業活動に起因する旅費交通費等の削減の効果があり、販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比べ微増となりました。

 

これらの結果、当社グループの当連結会計年度における営業利益は354,035千円と前年同期と比べ418,592千円の増加、経常利益は357,823千円と前年同期と比べ425,033千円の増加、親会社株主に帰属する当期純利益は242,210千円と前年同期と比べ315,916千円の増加となりました。

当社グループは単一の報告セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

 財政状態については、当連結会計年度末では以下のとおりとなりました。

(単位:千円)

 

前連結会計年度

2024年12月31日

当連結会計年度

2025年12月31日

増減

流動資産

1,367,037

1,930,742

563,705

固定資産

534,698

471,527

△63,171

資産合計

1,901,736

2,402,270

500,534

 

 

 

 

流動負債

548,330

851,816

303,486

固定負債

168,562

135,202

△33,360

負債合計

716,892

987,018

270,126

 

 

 

 

純資産合計

1,184,843

1,415,251

230,408

 

 

 

 

負債純資産合計

1,901,736

2,402,270

500,534

 

 

 

主な変動理由は以下の通りです。

流動資産

当連結会計年度における流動資産残高は、1,930,742千円となり、前連結会計年度に比べて563,705千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が474,386千円増加し、売掛金が86,663千円増加したこと等によるものです。

 

固定資産

当連結会計年度における固定資産残高は、471,527千円となり、前連結会計年度に比べて63,171千円の減少となりました。これは主に、ソフトウェアが19,449千円減少し、長期前払費用が43,708千円減少したこと等によるものです。

 

流動負債

当連結会計年度における流動負債残高は、851,816千円となり、前連結会計年度に比べて303,486千円の増加となりました。これは主に、運転資金の新規借り入れにより、短期借入金が100,000千円増加、未払法人税等が109,584千円増加したこと等によるものです。

 

固定負債

当連結会計年度における固定負債残高は、135,202千円となり、前連結会計年度に比べて33,360千円の減少となりました。これは、長期借入金が33,360千円減少したことによるものです。

 

純資産

当連結会計年度における純資産残高は、1,415,251千円となり、前連結会計年度に比べ230,408千円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益242,210千円を計上したことによるものです。

 

 ② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、1,243,230千円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動により獲得した資金は、539,647千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が356,730千円となったこと、未払消費税等の増減額による収入が55,950千円となったこと等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、69,926千円となりました。

これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が61,677千円、無形固定資産の取得による支出が5,119千円となったこと等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動により獲得した資金は、1,540千円となりました。

これは主に、短期借入金の純増減額が100,000千円、および長期借入金の返済による支出が81,812千円となったこと等によるものです。

 

 

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の状況

イ.生産実績

当社グループは、人材育成事業の単一の報告セグメントであり、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載をしておりません。

 

ロ.受注実績

当連結会計年度における受注実績は、次のとおりです。

 

区分

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

受注高
 (千円)

前年同期比
 (%)

受注残高
 (千円)

前年同期比
 (%)

法人向け教育

3,035,736

117.9%

890,167

98.8%

etudes

440,864

118.8%

11,617

158.6%

海外教室型研修

104,794

57.3%

6,615

15.5%

合計

3,581,395

114.5%

908,400

95.5%

 

(注) 1.当社グループは単一の報告セグメントであるため、サービス別に記載しております。

 

ハ.販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

 

区分

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

法人向け教育

3,060,306

120.6%

etudes

436,573

118.9%

海外教室型研修

140,963

76.4%

合計

3,637,843

117.8%

 

(注) 1.当社グループは単一の報告セグメントであるため、サービス別に記載しております。

2.総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、主な相手先別の販売実

  績等の記載は省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表及び財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載の通りであります。

また、当社の財務諸表作成で採用する重要な会計方針は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載の通りです。

この連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、不確実性が内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。

 

② 経営成績の分析

当連結会計年度における経営成績の分析につきましては、「4  経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1)経営成績等の状況の概要  ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。

 

③ 財政状態の分析、キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度末における財政状態の分析ならびに当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況、②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要は、運転資金に加え、若手・中堅社員向けの研修テーマや管理職・経営層向けの研修テーマ、グローバルリーダー向けの研修テーマの拡充のための投資があります。また、eラーニングコンテンツ数の拡大などへの投資、etudesサービスの機能追加及びUXの向上への投資など、当社デジタル教材の充実のための投資についても経営環境を見極めながら行っていく方針です。これらの資金需要に対して、主に自己資金を充当し、必要に応じて金融機関からの借入により調達する方針としております。

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1,243,230千円となっており、当社グループの事業活動を推進していくうえで十分な流動性を確保していると考えております。

 

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループが今後も持続的に成長していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載した課題に対応していくことが必要であると認識しております。現在当社が置かれている環境を鑑み、経営者は外部環境の変化についての情報入手及び分析を継続的かつ迅速に行い、適切な対応策を策定し実施していく方針であります。

当社グループは、現状においては事業拡大フェーズにあると考えており、一定の収益性を確保しながら売上高を成長させていくことが重要であると考えています。したがって、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としては、売上高、売上高成長率、営業利益ならびに営業利益率を重視しています。当連結会計年度においては、利益創出構造への転換を図るべく、事業成長に必要な投資のみに絞り込み投資活動を実施してまいりました。その結果、当連結会計年度において営業利益および経常利益ならびに親会社株主に帰属する当期純利益が黒字となったことで、今後はマーケティング活動による新規顧客獲得の取り組みを強化してまいります。また、当社グループのクインテグラル株式会社およびクインテグラルフィリピンの2社との連携強化を進め連結子会社化しグループ全体での事業規模の拡大に取り組むことで売上高や利益のさらなる成長を図ってまいります。

以上のことから、これら指標の当連結会計年度の実績および翌連結会計年度の計画は以下の通りとなっております。

 

 

 

前連結会計年度

(実績)

当連結会計年度

(実績)

翌連結会計年度

(計画)

売上高

(百万円)

3,089

3,637

3,934

売上高成長率

(%)

2.0

17.8

8.2

営業利益

(百万円)

△64

354

409

営業利益率

(%)

9.7

10.4

 

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。