当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針及び経営戦略等
当社グループは、2025年3月、グループ全社員にとって意思決定の拠り所や行動の起点となる企業理念体系「Our Philosophy」を具現化するべく、2035年に向けた成長の道筋を示す長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」を策定しました。
当社グループの強みである「ゴム・解析技術力」と、グローバルで統一された「DUNLOP」ブランドをはじめとする複数のブランドを創造・育成してきた「ブランド創造力」をいかし、モビリティ、スポーツ、医療、暮らしの様々な領域において、お客様に喜ばれる価値を提供してまいります。
2035年に目指す姿として、「ゴムから生み出す“新たな体験価値”をすべての人に提供し続ける」ことを掲げており、「ブランド経営強化」「ゴム起点のイノベーション創出」「変化に強い経営基盤構築」の3つの成長ドライバーのもと、目指す姿の実現を図ってまいります。
長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」 ロードマップ
また、当社グループは、中期計画(2023年~2027年)に基づき、2025年をターニングポイントと位置づけ、既存事業の選択と集中、成長事業の基盤づくりを進めてまいりました。
既存事業の選択と集中については、約10の構造改革対象事業・商材すべての目途づけが完了しました。成長事業についても、既存事業での取り組みに加え、欧州・北米・オセアニア地域における四輪タイヤのDUNLOP商標権取得や、車両部品の故障予知で実績のある米国Viaduct,Inc.(以下「Viaduct社」)の買収など、基盤強化を進めております。
2026年は、長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」に基づく新中期計画(2026年~2030年)を策定し、新たな成長ステージへの移行を図ってまいります。
さらに、2025年12月、欧州・北米・オセアニア地域における四輪タイヤのDUNLOP商標権に加え、マレーシア・シンガポール・ブルネイにおけるDUNLOP商標使用権も取得し、グローバルで「DUNLOP」ブランドを展開する体制を整備しました。2026年より、「DUNLOP」ブランドを軸としたブランド経営を推進してまいります。
「DUNLOP」は130年以上にわたり、世界初の技術や商品を創出し、常に挑戦を続けてきました。当社グループは「ONE DUNLOP」のもとで全社員が結束し、これまでの歴史で培った革新性と信頼性を礎に、世界中のお客様へ新たな価値を提供し続けることで、プレミアムブランドとしての地位確立に取り組んでまいります。
また、当社グループは、「未来をひらくイノベーションで最高の安心とヨロコビをつくる。」という「Our Philosophy」のもと、サステナビリティ経営を推進し、事業を通じた社会課題の解決に向けて価値創造につながる活動を展開しております。
基幹ブランド「DUNLOP」のもと、新しいブランドステートメント「TAKING YOU BEYOND」を掲げ、これまでにない体験をステークホルダーの皆様へお届けすることを約束しております。このステートメントを達成するため、事業活動における環境や社会への責任を果たすとともに、当社グループが提供する価値の最大化を目指し、サステナビリティへの取り組みを一層推進してまいります。
[Environment(環境)]
当社の環境に対する取組みについては、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ全般」に記載のとおりであります。
[Social(社会)]
当社グループでは、「多様な個性をもつ仲間とともに成長する企業」の実現に向けて、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進を重要な要素として位置づけております。多様性を尊重するとともに、多様性を組織の力に変えるインクルージョンの実践を重視し、多様な力を人的資本経営に取り込み、組織の持続的な成長につなげてまいります。
また、社長コミットメントのもと、2025年4月には、長期経営戦略を支える人的資本経営の実行に向け、全取締役がDE&Iトップコミットメントを策定し公開しました。個人の能力や強みを存分に発揮できる組織風土を育み、組織と個人がともに成長を続けることで、企業価値および社会的価値の向上につなげてまいります。
なお、詳細については「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)人的資本」に記載のとおりであります。
[Governance(ガバナンス)]
当社グループは、顧客・サプライヤー・投資家をはじめとする多様なステークホルダーの皆様に支えられております。社会環境の激しい変化に対応し得る、強く柔軟な経営基盤を築き、企業倫理の徹底を通じて、これからもステークホルダーの皆様の信頼に応えてまいります。
当社では、取締役会の機能を向上させ、ひいては企業価値を高めることを目的として、取締役会の実効性につき、自己評価・分析を毎年実施しております。2025年は、2024年に引き続き、第三者機関によるアンケートを実施し、その集計結果をもとに取締役会にて分析・議論を行いました。今回のアンケート結果では、取締役会の構成に関する項目(員数・多様性・社内外比率)や、指名・報酬委員会における審議時間の確保に関する項目などで、評価の改善が確認されました。一方で、中長期経営計画のフォローアップ、サステナビリティ関連テーマの議論、内部統制や子会社モニタリングのあり方などについては、改善の余地があるとの回答もみられました。これらの結果を踏まえ、中長期経営計画の進捗状況のモニタリング強化、サステナビリティ領域を含む議論機会の充実など、取締役会の機能向上に向けた取り組みを今後も継続し、実効性のある取締役会運営を進めてまいります。
また当社では、任意の委員会として指名・報酬委員会を設置しており、その委員長は社外取締役が務め、委員の過半数を社外役員としております。2025年の委員会においては、委員構成の見直しに加え、役員報酬について固定報酬の比率が相対的に高い点を踏まえ、中長期的な企業価値向上に資する報酬体系のあり方(報酬構成・評価指標等)について見直しを行いました。今後も、中期計画達成に向けて取締役がグループ全体を主導できる体制づくりを支えるべく、指名・報酬の透明性・客観性の向上に向けた取り組みを継続してまいります。
加えて当社は、コンプライアンスの確保に向け、内部通報制度(企業倫理ヘルプライン)を運用しております。企業倫理ヘルプラインは、社内・社外の相談窓口から構成され、通報者保護の徹底を図るとともに、その利用状況については、社長を委員長とする企業倫理委員会へ定期的に報告し、取締役会にも報告しております。2025年は、「Bad News First/Fast」の考え方について、グループ全体で改めて周知徹底を図る研修を実施し、早期の報告・相談を促す取り組みを進めました。海外子会社においては、海外拠点の従業員が母国語で利用可能な社外通報窓口の設置を進め、概ね整備を完了しました。今後は、グループ全体で通報制度の周知・利用促進および適切な運用の徹底を図り、制度の運用の充実に取り組んでまいります。
(2)経営環境及び対処すべき主な課題
当社グループを取り巻く情勢は、今後も様々な変化が想定され、グローバルでの競争激化やサステナビリティへの社会的要請の高まりなど、対処すべき課題は多岐にわたります。
このような情勢のもと、当社グループは、「R.I.S.E. 2035」および新中期計画(2026年~2030年)、さらにはサステナビリティ長期目標への取り組みを通じて、企業の経済的価値・社会的価値の向上を目指し、次のような課題に取り組んでまいります。
(タイヤ事業)
「DUNLOP」を基幹ブランドとし、当社独自の新技術であるアクティブトレッドを搭載した商品の拡販と、成長事業の柱であるセンシングコアの事業化を引き続き進めてまいります。
当社の強みである「ゴム・解析技術力」から生まれたアクティブトレッド技術を搭載した商品「SYNCHRO WEATHER」を2024年10月、国内市場で発売しました。2025年にはサイズ拡大も行い、販売は順調に推移しております。アクティブトレッド技術は、様々な路面に適応し、ゴム自ら性質が変化する画期的な技術です。2027年には欧米での新商品展開を計画しております。今後もオールシーズン・オールウェザータイヤ、SUV・ピックアップトラック向け大外径タイヤなど、同技術を搭載した新商品の開発・展開を進め、プレミアム商品の拡販による収益向上を図ってまいります。
欧州・北米・オセアニア地域における「DUNLOP」タイヤ販売は、2026年より本格化いたします。2025年より販売開始した北米・オセアニア地域に続き、欧州でも2026年1月から販売を開始しており、順調な立ち上がりとなっております。今後も「DUNLOP」ブランドの新商品を順次発売し、プレミアム商品を中心に拡販を図るとともに、グローバルで「DUNLOP」ブランドの価値向上に向けた活動を展開し、事業拡大につなげてまいります。
車輪の回転速度からタイヤ周りの状態・状況を検知するセンシングコアは、将来のモビリティ社会に貢献できる当社独自の技術であり、当社グループの成長事業の柱として取り組んでおります。2025年には、他社に先駆けて大型商用車向けに車輪脱落予兆検知システムが本格採用されました。また、同年8月には、車両部品の故障予知で実績のある米国「Viaduct社」の買収契約を締結し、膨大なデータを独自のアルゴリズムで解析することにより、異常の早期発見や予測、さらには原因特定まで可能とする高い汎用性を備えたAI技術を取得しました。すでに大手顧客での実績を重ねており、今後は自動車分野にとどまらず、様々な分野への事業展開を視野に入れております。
(スポーツ事業)
ゴルフ用品では、世界最大市場である北米においてマーケティングおよび営業体制を強化するとともに、日米2拠点での開発体制により、市場ニーズを踏まえ、他社と差別化した魅力のある商品を投入することで、一層の拡販と新たな価値創出につなげてまいります。
テニス用品では、全豪オープンとのオフィシャルパートナー契約やATPツアーとのグローバルパートナーシップ契約の継続、全米大学テニス協会とのオフィシャルパートナー契約、世界有数のアカデミーとの協業による若手育成およびトッププロ選手との契約強化を通じた「DUNLOP」ブランドの価値向上施策を基盤に、ボールやラケットのシェア拡大を図ってまいります。
また、今般のタイヤ事業における「DUNLOP」のグローバル展開に伴うクロスマーケティングなど、シナジー創出につながる取り組みも強化してまいります。
今後もスポーツ関連用品やサービスを通じて、お客様に感動と「ヨロコビ」を、引き続き提供してまいります。
(産業品他事業)
これまでに既存事業の選択と集中、構造改革で強化してきた収益基盤をいかし、今後は海外展開による事業拡大と新商品の継続的な上市により、持続的な成長を目指してまいります。アジア・欧米を中心に、国内で高いシェアを有する既存商品の展開と販売チャネルを強化すること、並びに海外生産拠点の事業拠点化を進めるとともに、高付加価値を追求した共感商品の開発を加速してまいります。
また、制振事業では用途拡大や品揃えの充実による多角化を進め、医療用ゴム製品事業では市場拡大が見込まれる領域での製品拡充を図ってまいります。
これらの取り組みにより、今後も多様な社会課題の解決に貢献し、企業価値の一層の向上を目指します。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります。なお、本項に記載するサステナビリティに関する情報には、将来の見通し、目標、計画等が含まれており、これらは、作成時点で入手可能な情報および合理的と考えられる前提に基づいています。実際の結果は、事業環境の変化、規制動向、技術革新その他の要因により、これらの見通し等と異なる可能性があります。
当社グループのサステナビリティ関連財務開示は、サステナビリティ開示基準(サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が開発した基準をいう。)の構成や考え方を踏まえ、当社グループの実態に即して作成しています。本サステナビリティ関連財務開示の報告期間は、当連結会計年度(2025年1月1日から2025年12月31日まで)としています。
当社グループはサステナビリティ関連財務開示に向けて、体制整備及び情報収集を進めています。
(1)サステナビリティ全般
①ガバナンス
基本理念
当社グループは、「未来をひらくイノベーションで最高の安心とヨロコビをつくる。」というPurposeに基づき、サステナビリティ経営を推進し、事業を通じた社会課題の解決に向けて価値創造につながる活動を展開しています。
ガバナンス機関
当社グループ全体のサステナビリティ関連のリスク及び機会については、取締役会が監督責任を負っています。
取締役会は、サステナビリティ推進委員会による定期的な報告及び必要に応じた随時の報告を受け、必要な監督及び指示を行っています。
当社グループは、企業理念「Our Philosophy」の実現とサステナビリティ経営の推進及び事業計画の遂行のために、取締役及び監査役が備えるべき専門性をスキルマトリックスとして整理・明示しています。このうち、「企業経営・ 経営戦略」の項目は、サステナブルな成長戦略を描くことができ、企業におけるマネジメント経験・経営実績を有することを重視しています。これにより、事業変革や成長戦略の策定に資する知見を持つ人材を取締役会に迎え、経済的・社会的価値の最大化に向けた意思決定を支えています。
サステナビリティ推進委員会
サステナビリティ経営を推進するにあたり、当社はサステナビリティ推進委員会を設置しています。サステナビリティ統括役員を委員長、各部門担当役員を委員として年2回開催し、全社方針の徹底、重要施策の進捗確認等を実施しています。サステナビリティ推進委員会で議論された内容は、取締役会へ報告されています。
サステナビリティ推進ワーキンググループ
部門を横断した活動が有効なテーマについては、サステナビリティ推進委員会のもとに部会を設置しており、これらの部会をサステナビリティ推進ワーキンググループと総称しています。各部会は統括部門と参画部門で構成され、活動の企画・推進およびサステナビリティ推進委員会や経営層への報告等を行います。
現在設置されているワーキンググループは以下のとおりです。
・カーボンニュートラル部会
・サーキュラーエコノミー部会(TOWANOWA部会)
・生物多様性部会
・TRWP(6PPD-Q)関連部会
・環境マネジメントシステム部会
・人権部会
・はたらきたい未来の工場PJ
・DE&I部会
サステナビリティ・アドバイザリーボード
サステナビリティ経営の推進を目的として、2025年1月に社外ステークホルダーと経営層との対話の機会である「サステナビリティ・アドバイザリーボード」を設立しました。不確実性が高まる外部環境のもとで当社が持続的に成長していくため、社外の有識者を招き、当社グループのサステナビリティ戦略について意見交換を行っています。当社からは社外取締役、サステナビリティ統括役員及び各事業担当役員が参加しています。
サステナビリティ推進担当者
サステナビリティに関する業務の推進及び情報の共有のために、関連各部に「サステナビリティ推進担当者」を配置しています。
②戦略
当社グループでは、バリュー・チェーン全体のリスクと機会を踏まえ、マテリアリティ(重要課題)を特定しています。マテリアリティの特定にあたっては、「当社事業が社会に与える影響(インパクト)」と「社会が当社事業に与える影響(リスクと機会)」の2つの観点から評価・分析を行う、ダブルマテリアリティの考え方を採用しています。事業を通じて社会課題の解決に貢献することを目的に、以下の7つの項目をマテリアリティとして定めて、当社の「ありたい姿」を明確化するとともに、取り組みの方向性や事業が及ぼす影響について「当社の意志」としてまとめています。
|
マテリアリティ項目 |
ありたい姿 |
当社グループの意志 |
|
社会課題解決に向けたイノベーション |
ゴム素材の可能性を信じて、新たな価値提供に挑戦する企業 |
当社グループは最先端のゴム技術とそこから広がる新たな技術やサービスを提供しています。ヨロコビあふれる健やかで豊かな社会の実現を目指し、常に新しい価値の提供に挑戦します。 |
|
気候変動 |
CO₂排出量の削減を推進する企業 |
当社グループの事業活動は多くの温室効果ガスを排出しています。脱炭素化社会の実現に向けてサプライチェーン全体の排出量の削減を進め、2050年のカーボンニュートラル達成を目指します。 |
|
循環型経済 |
資源循環に貢献する製品・サービスを提供する企業 |
当社グループは多くの資源を活用するものづくり企業です。限りある資源を持続的に活用するため、調達から廃棄までのすべての過程において資源循環を推進します。 |
|
生物多様性 |
天然ゴムなど自然資源への依存と影響を自覚し、周辺の生態系と共存する企業 |
当社グループの事業は自然資源や化学物質の利用および製品使用の過程で生態系に影響を与えるリスクがあります。生態系と自然資源の恩恵を将来世代につなげるため、事業による負の影響を小さくし、生物多様性の保全と回復に努めます。 |
|
人権 |
当社グループにかかわるすべての人の人権を尊重する企業 |
当社グループの事業は、顧客やサプライヤーおよび拠点周辺の地域社会など多くの人々の生活につながっています。人々に安心とヨロコビを提供し続けるため、当社グループは人権に関する理解を深め人権尊重の取り組みを推進します。 |
|
多様な人材 |
多様な個性をもつ仲間とともに成長する企業 |
当社グループは多様な従業員が集まるグローバル企業です。互いに認め高め合える職場環境を実現し、チームの総合力を企業価値の向上につなげます。 |
|
ガバナンス・企業倫理 |
ステークホルダーと誠実に向き合い、信頼に応える企業 |
当社グループは顧客やサプライヤーおよび投資家など多くの皆様に支えられています。社会の激しい変化に対応できる強く柔軟な経営基盤を築き、多様なステークホルダーからの信頼に応えてまいります。 |
以下の図は、製品のバリュー・チェーン上で当社グループが各マテリアリティ項目に特に深く関わるプロセスを示したものです。当社グループは部門間の連携を強化し全社体制でマテリアリティに関連する課題の解決に取り組みます。
レジリエンス
• シナリオ分析(気候変動・自然)
気候変動および生物多様性は、当社グループのマテリアリティであり、より詳細なリスクを把握するために、シナリオ分析を実施しています。自然関連のシナリオ分析においては、当社グループにとって特に重要度の高いコモディティである天然ゴムを対象に自然共生シナリオと成り行きシナリオの2つのシナリオを設定し、事業影響を評価しました。
気候シナリオ及び自然シナリオは成熟度や構成要素が異なる点もありますが、物理的リスクがより大きい「4℃シナリオ」と「成り行きシナリオ」、移行リスクがより大きい「1.5/2℃シナリオ」と「自然共生シナリオ」で基本的な前提条件を共有しています。
なお、シナリオ分析には将来に関する見通し、期待及び判断などが含まれています。この将来予測に基づく記載は、気候変動及び自然への影響度合いによる自然環境の変化、国際社会及び事業を展開する各国の政策方針の変化、市場環境の変化、並びにその他のリスクや不確定要素を含みます。当社グループの報告に含まれる全ての将来的予測に基づく記載は、報告日時点で入手可能な情報に基づいており、実際の結果が当社グループの想定とは異なる可能性があります。
分析に使用した気候シナリオ
|
シナリオ |
概要 |
主な参照シナリオ |
|
4℃シナリオ(物理シナリオ) |
• 今世紀末までに平均気温が産業革命時から3.2~5.4℃上昇し、極端な気象現象(洪水、干ばつ、熱波、暴風雨など)が頻発する世界を想定 • 気温上昇と極端な気象条件に対応できる製品が求められる • 脱炭素化への動きは限定的で政策・規制は緩やか |
• IEA:Stated Policies Scenario(STEPS)Current Policies Scenario • IPCC:RCP 8.5 |
|
1.5℃/2℃シナリオ(移行シナリオ) |
• 今世紀末の平均気温の上昇を2.3~1.5℃未満に抑えるために、脱炭素化の取り組みが進展する世界を想定 • 環境への配慮が進む中で、環境に配慮した製品への需要が増加し、関連する技術のビジネスチャンスも拡大する • 炭素価格の導入、強化が進むとともに、CO₂排出規制の強化によりエネルギー転換も進む |
• IEA:Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE) • IPCC:RCP 2.6 |
分析に使用した自然シナリオ
|
シナリオ |
概要 |
|
成り行きシナリオ |
• 移行リスク小(自然を軽視する社会) • 物理的リスク大(生態系が劣化) • 自然共生社会は実現せず、生態系にインパクトがあるが、規制も進まない • 企業はリスクマネジメントとして生態系の変化を踏まえた戦略が求められる |
|
自然共生シナリオ |
• 移行リスク大(自然を重視する社会) • 物理的リスク中(生態系はある程度保全) • 自然共生社会が実現するとともに、社会的な意識にも浸透し、生物多様性の保全を踏まえた事業活動が求められる |
• 4℃・成り行きシナリオ
4℃・成り行きシナリオでは、社会全体が自然を軽視し限定的な脱炭素・ネイチャーポジティブ政策が選択されることで、物理的リスクが顕在化することが予想されます。平均気温の大幅な上昇や生態系サービスの大幅な劣化により、豪雨や洪水などの極端な自然災害が増加すると共に、気温上昇による労働環境の悪化が予測されます。また、水ストレスの増加により、生産活動に影響を及ぼす水資源の不足が懸念されます。
当社グループへの財務的な影響として、グリーンインフラの劣化や異常気象の激甚化により、事業停止に伴う売上の減少や、対策・復旧コストの増加、サプライチェーン断絶による生産停止等のリスクが予測されます。また、生態系サービスの大幅な劣化や平均気温の大幅な上昇が天然ゴム収量や小農家・加工場の労働生産性に影響を与える可能性があり、天然ゴム価格の上昇が懸念されます。また慢性的なかつ大幅な気温上昇は、天然ゴム収量や生産地の変化に伴う調達コストの増加や労働環境の悪化による生産性の低下、冬用タイヤや屋外スポーツ商品の需要減少を引き起こす可能性があります。
一方、顧客や金融機関、地域社会等といったステークホルダーの脱炭素、ネイチャーポジティブへの関心の高まりは緩やかになると予想されるため、ステークホルダー要求に関するリスクは軽微なものになると考えられます。しかしながら、環境NGOから周辺生態系や先住民族等の地域住民への悪影響に対して批判されるリスクは依然として残っているため、レピュテーション低下や訴訟による賠償金の発生が考えられます。
政策については、既に導入が検討されている森林破壊防止に関する法規制等といったネイチャーポジティブに関連する法規制は拡大しないと予測され、成り行きシナリオにおいて法規制リスクは限定的になると予測されます。
• 1.5/2℃・自然共生シナリオ
自然共生の考え方が社会的な意識に浸透し、脱炭素化やネイチャーポジティブの取り組みが進展する世界を想定する1.5/2℃・自然共生シナリオでは、GHG排出に対する課税やEUDR等の規制の強化が進むことで、設備投資の必要性やサプライチェーンの再構築、代替原料の研究開発コストの増加、エネルギーコストの増加といった移行リスクが顕在化することが予想されます。 一方で、環境への配慮が進む中で、環境負荷の低い製品やサービスへの需要が高まり、関連する技術やソリューションに新たなビジネスチャンスが拡大すると見込まれます。
政策では、既存製品・サービスに対する規制強化や、GHG排出削減要請の拡大、森林破壊防止やプランテーション開発の制限等といった脱炭素・ネイチャーポジティブ実現に向けた法規制導入が拡大し、法規制対応コストの発生や法規制に対応した製品の開発・製造やトレーサビリティが確保された天然ゴム需要の増加に伴う原材料価格上昇等のリスクが予測されます。
また、顧客や地域社会における脱炭素・ネイチャーポジティブへの関心の高まりにより、環境配慮製品の需要増加等といった消費者行動の大幅な変化への対応が求められると考えられます。加えて、周辺生態系や先住民族等への悪影響に対する環境NGOや市民団体からの批判は苛烈になると想定され、レピュテーション低下や訴訟による賠償金の発生リスクが高まると考えられます。さらに、金融機関の投融資判断基準に脱炭素・ネイチャーポジティブの要素が組み込まれることも想定され、資金調達力の低下が懸念されます。
一方、生態系サービスや気象パターンの変化は限定的であると予測されることから、自然環境の変化に伴う天然ゴムをはじめとする原材料の供給量及び価格や自然災害による直接操業への影響は軽微なものになると考えられます。
これらの移行リスク・物理的リスクを低減し、機会を最大化するために、当社グループでは気候変動の緩和及び適応、並びに資源保全等を目的とした取り組みを実施しています。主な取り組みとしては、省エネルギーの推進、太陽光発電の導入、水素に関する実証実験と製造プロセスへの活用、コージェネレーション設備の追加などによる事業活動におけるCO₂排出量の削減に加えて、バイオマス原材料およびリサイク原材料の活用、転がり抵抗の低減、ロングライフ化、リトレッドタイヤの生産能力拡大といった製品ライフサイクル全体での資源の最小化、環境負荷低減を実施しています。またこうした施策の実効性の確保に向けて、サプライヤーとの連携強化にも取り組んでいます。
③リスク管理
当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす恐れのあるサステナビリティに関するリスクを含めた全ての経営リスクについては、当社グループ全体のリスク管理について定めるリスク管理規定に基づき、それぞれの担当部署及び各子会社において事前にリスク分析、対応策を検討し、当社の経営会議等で審議しています。当社グループ横断的なリスクについては、当社管理部門の各部が、それぞれの所管業務に応じ関連部署及び各子会社と連携しながら、グループ全体としての対応を行っています。リスク管理委員会は、当社グループ全体のリスク管理活動を統括し、リスク管理体制が有効に機能しているか適宜調査及び確認をしています。また当社グループ及びグローバルサプライチェーンにおいて、社会や環境に与える負荷の低減に向けて特に重要と考えるテーマについては、サステナビリティ推進委員会において経営層によるモニタリング及びレビューを行っています。サステナビリティ推進委員会での議論は、取締役会に報告されています。
④指標及び目標
• 指標
気候関連
温室効果ガス(GHG)の算定は、GHG算定及び報告において国際的に広く用いられている「GHGプロトコル(2004年)」に基づいて実施しています。集計範囲については、実務上の影響力を適切に反映するために、経営支配力アプローチを採用しています。算定においては、実測データに加えて、国及び業界の統計値や標準排出係数を用いており、その性質上、一定の不確実性を含んでいます。2025年度のCO₂排出量は、現在、算定および第三者保証の手続きを進めているため、本報告には2024年度の実績を記載しています。2025年度実績については、算定及び第三者保証が完了次第、当社ウェブサイトにて公表する予定です。
• 2024年度の温室効果ガス排出量(スコープ1およびスコープ2、単位:tCO₂e)
|
項目 |
数値 |
|
スコープ1排出量 |
|
|
スコープ2排出量(ロケーション基準) |
|
|
スコープ2排出量(マーケット基準) |
|
当社グループにおけるスコープ1排出の主な発生要因は、タイヤ製造における加硫工程で使用する燃料(蒸気ボイラー向け燃料等)です。加硫工程では、高温・高圧の蒸気を大量に必要とするため、燃料消費量が多くなっています。スコープ1排出量の測定は活動量(燃料使用量)に排出係数を乗算することによる見積もりによって行われています。
スコープ2排出の主な発生要因はタイヤ製造における混合工程で使用する電力です。混合工程では、天然ゴム・合成ゴムやその他原材料を混合する際に、電力を大量に消費しています。スコープ2排出量についても、算定はスコープ1と同様に見積もりによって行われており、使用した電力量に排出係数を乗算することにより算定しています。ロケーション基準においては拠点の所在国等に基づいて設定した排出係数を用い、マーケット基準においては購入先電力会社の提供する排出係数を用いて算定しています。
• 2024年度の温室効果ガス排出量(スコープ3、単位:tCO₂e)
|
項目 |
数値 |
|
カテゴリ1 購入した製品・サービス |
4,454,962 |
|
カテゴリ2 資本財 |
198,463 |
|
カテゴリ3 スコープ1、2に含まれない燃料及びエネルギー活動 |
123,003 |
|
カテゴリ4 輸送、配送(上流) |
364,144 |
|
カテゴリ5 事業から出る廃棄物 |
19,111 |
|
カテゴリ6 出張 |
4,939 |
|
カテゴリ7 雇用者の通勤 |
15,930 |
|
カテゴリ8 リース資産(上流) |
該当なし |
|
カテゴリ9 輸送、配送(下流) |
36,103 |
|
カテゴリ10 販売した製品の加工 |
該当なし |
|
カテゴリ11 販売した製品の使用 |
28,379,864 |
|
カテゴリ12 販売した製品の廃棄 |
778,880 |
|
カテゴリ13 リース資産(下流) |
1,033 |
|
カテゴリ14 フランチャイズ |
該当なし |
|
カテゴリ15 投資 |
該当なし |
当社のスコープ3排出量の詳細については、全15カテゴリのうち、排出量が特に多い以下のカテゴリを中心に記載します。スコープ3排出量の測定は活動量に排出係数を乗算することによる見積もりによって行われています。
• カテゴリ1 購入した製品・サービス
主な排出要因は原材料の購入です。当社グループにおける原材料使用量または購入金額を活動量として、これに排出係数を乗算して算定しています。
• カテゴリ4 輸送、配送(上流)
原材料の輸送および当社グループが荷主となる完成品の輸送を主な算定対象としています。海上・陸上・鉄道・航空など輸送形態別に、輸送量および輸送距離を活動量として、これに排出係数を乗算して算定しています。
• カテゴリ11 販売した製品の使用
当社グループの製造したタイヤを装着した車両の走行時に発生する排出量のうち、転がり抵抗などが燃費または電費に与える影響を反映して排出量を算定しています。排出量は当社グループのタイヤ販売本数に、排出係数を乗算して算定しています。
• カテゴリ12 販売した製品の廃棄
主な排出要因は使用済みタイヤの廃棄です。排出量の算定は、タイヤ重量を活動量として、排出係数は日本自動車用タイヤ協会(JATMA)の「タイヤのLCCO₂算定ガイドライン Ver.3.0」およびTire Industry Projectの「Tire Industry Project releases 2019 Global End-of-Life-Tire Management report」に基づいたELT(廃タイヤ)の地域別処理状況をもとに設定し、活動量に乗算して算定しています。
内部炭素価格
適用方法(投資判断、移転価格及びシナリオ分析など)
1.5℃目標達成に向けたシナリオ分析を踏まえ、内部炭素価格(ICP)を事業意思決定に組み込んでいます。CO₂排出量に影響する全投資案件を対象として、CO₂排出量を金額換算し、投資採算性評価に反映することで、脱炭素投資を促進しています。内部炭素価格設定は、欧州の外部炭素価格や同業他社のICP水準を参考に、2022年に8,000円/t-CO₂で導入し、現在はEUR 75.00/t-CO₂に設定しています。価格は年1回、外部規制や市場動向を考慮して見直しを実施し、事業計画や投資判断に反映されます。
温室効果ガスの排出に係るコストの評価に用いている内部炭素価格
EUR 75.00/t-CO₂
サステナビリティ全般・気候変動に関する役員報酬
詳細は、「
• 目標
サステナビリティ長期目標「はずむ未来チャレンジ」
当社グループでは、サステナビリティに関する長期目標「はずむ未来チャレンジ」を設定しています。「はずむ未来チャレンジ」はマテリアリティに基づいて策定しており、当社グループのありたい姿を実現させるための挑戦を加速させる長期的な取り組みを体系的に整理したものであり、経営会議において承認され、経営レベルで推進しています。また、各目標の進捗についてはサステナビリティ推進委員会が定期的にモニタリングと評価を行っています。
具体的な取り組みの企画及び推進は、事業部並びにサステナビリティ推進ワーキンググループが中心となって実行しており、全社横断の組織体制で活動を進めています。さらに、目標達成に向けた実効性を高めるため、重要なKPI等を主管役員の目標および報酬と連動させています。目標達成に向けた取り組みの進捗は、当社ウェブサイト等を通じてステークホルダーの皆様に開示しています。
気候変動
中期目標(2030年、SBT):
|
目標の概要 |
中期目標1 |
中期目標2 |
|
対象となっているスコープ |
スコープ1,スコープ2 |
スコープ3 カテゴリ1 |
|
目標値 |
55%減 |
25%減 |
|
基準年 |
2017年 |
2021年 |
|
目標年 |
2030年 |
2030年 |
|
目標の種類 |
絶対目標・総量削減 |
絶対目標・総量削減 |
|
目標を設定するために用いる指標 |
GHG排出量 |
GHG排出量 |
|
目標の適用範囲 |
連結 |
連結 |
目標の目的
当社グループのGHG削減目標は、排出削減によって気候変動に対して与える当社の負のインパクトを抑えることによる、気候変動の緩和を主な目的としています。また、バリュー・チェーン全体の脱炭素化を進めることで適応の負担軽減にも寄与します。
対象となるGHG
削減の対象には、二酸化炭素(CO₂)のほか、メタン(CH₄)、一酸化二窒素(N₂O)、ハイドロフルオロカーボン(HFCs)、パーフルオロカーボン(PFCs)、六フッ化硫黄(SF₆)および三フッ化窒素(NF₃)を含みます。
国際協定の反映
当社グループのGHG排出削減目標は、世界的な気温上昇を産業革命以前比で2℃より低く、1.5℃に抑える努力を追求するという国際的な枠組みであるパリ協定の長期目標および日本のNDCに整合しています。また、当社の中期GHG削減目標および設定の方法論は、Science Based Targets(SBT)認定を取得しており、科学的根拠に基づいた2030年までの削減目標を設定することで、国際的な気候変動緩和に貢献しています。
セクター別脱炭素アプローチ
当社グループの主要な事業内容は、各種タイヤ・チューブ、工業用・医療用ゴム製品およびスポーツ用品の製造と販売であり、セクター別脱炭素アプローチの特定セクターには該当しません。そのため、科学的根拠に基づく業種横断的な削減率を用いて目標の設定を行っています。
進捗のレビュー
基準年度比のGHG排出削減率および、毎年度設定している排出量目標との差異を用いて、年次で進捗を把握・モニタリングしています。主要な排出源である生産拠点からは月次で排出データを収集し、四半期ごとにレビュー結果を工場へフィードバックすることで継続的な改善を促します。年次の進捗確認の際に、必要に応じて目標の妥当性についても検討しています。
長期目標:
当社グループは2050年までにスコープ1・2のカーボンニュートラル達成を目指しています。またスコープ3についても、主要カテゴリでの削減を通じて全体の排出量低減に取り組みます。
社会課題解決に向けたイノベーション
→ アクティブトレッド技術をはじめとする最先端技術を活用した高機能商品の拡充による安全なモビリティ
社会の実現
→ 従来のセンシングコア技術に加え、AI技術を活用した体験価値の提供による安全なモビリティ社会の実現
→ 先進技術と人の感性が融合したスポーツギアを通して競技の魅力を高めることによるプレーヤーの健康増
進と成長
→ あらゆる年齢層への体験機会の提供を通した生涯スポーツの浸透と健康寿命の延伸
→ 多様な社会ニーズに寄り添い応えられる、品質・競争力に優れる商品提供を通じた、安全・安心・快適な
暮らしや街づくりの実現
→ 社会課題や潜在顧客のニーズを出発点に、ゴムの分析・解析・設計・可視化の技術を軸とした事業の創出
による新たな価値の提供
→ 挑戦する人材の拡充と挑戦を支える体制の強化、そして多様なパートナーとの共創を通したイノベーショ
ンを生み出す基盤づくり
循環型経済
→ サステナブル原材料比率について2030年までに40%、2050年までに100%を達成
→ サステナブル商品認定制度を運用し2030年までにスタンダード認定率100%、うちゴールド認定率30%を達
成
→ リトレッドタイヤの販売本数について2030年までに2019年比190%を達成
生物多様性
→ 持続可能な天然ゴムの調達率について2050年までに100%を達成
→ 水リスク拠点の水使用のリサイクル率について2050年までに100%を達成
→ タイヤ・路面摩耗粉じん(TRWP)の環境影響に関する研究調査と緩和に向けた取り組み
→ 人工芝由来マイクロプラスチックの環境影響に関する研究調査と流出抑制に向けた取り組み
人権
→ 重篤災害ゼロの継続
→ 国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づくグリーバンスメカニズムの設置・運用と定期的な見
直し
→ 人権デュー・ディリジェンスにおけるリスクの特定、対応、評価及び開示の継続的な実施
多様な人材
→ 「Our Philosophy」に関する従業員の共感率を2030年までに80%(KPI)(連結)
→ 従業員エンゲージメントスコアを2030年までに58%、2035年までに65%(KPI)(単体)
→ 女性管理職比率を2030年までに12%(KPI)(単体)
ガバナンス・企業倫理
→ 多様なスキルや属性を有する役員で取締役会を構成
→ 外部機関による取締役会実効性評価の実施および機関投資家との意見交換の実施
→ 国際課税ルールを踏まえた税務コンプライアンス業務の推進と税務リスクに応じた事前確認制度(APA)の
活用
(2)人的資本
①基本的な考え方
当社は、「Our Philosophy」の「Purpose」である「未来をひらくイノベーションで最高の安心とヨロコビをつくる。」の体現のため、「Vision」として組織としてのありたい姿「多様な力をひとつに、共に成長し、変化をのりこえる会社になる。」を実現すべく人的資本経営を進めています。
多様な人材が総力を結集し、社員一人ひとりが持つ強みを活かして価値を生み出すことで、これからの新しい時代にもイノベーションを通じて最高の安心とヨロコビをステークホルダーの皆様に提供することができると確信しています。
②ガバナンス
当社は、人的資本を企業価値の重要な要素と位置付け、持続的な成長を実現するためのガバナンス体制を構築しています。
(意思決定のプロセス)
人事総務部門担当取締役が委員長となり、社内取締役により組織される人事委員会を設置し、後継者候補の継続的把握や、主要ポストへの任用可否の審議を行い、取締役会での報告・決議を社内規定に即して実施しています。また、社外取締役・社外監査役も参加する指名報酬委員会では、取締役の任免および報酬の決定を行っています。
(データ活用)
2025年より外部ベンダーによるエンゲージメントサーベイを導入し、グループ横断で標準化された指標・分析手法に基づく客観的な把握・評価を実施しています。結果は地域・部門ごとの重点課題の特定と改善計画に反映し、継続的にモニタリングします。製造現場においては「はたらきたい未来の工場プロジェクト」を通じ、職場単位での対話・改善活動を強化し、エンゲージメントの底上げに取り組んでいます。
(透明性の確保)
年次レポートやサステナビリティサイトで人的資本の指標を開示し、透明性を確保しています。また、えるぼし認定やPRIDE指標ゴールドなどの社外認定を取得し、活動の評価を受けています。
③人的資本の戦略
当社は、長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」のもと、「ゴムから生み出す新たな体験価値をすべての人に提供し続ける」ことを掲げ、事業ポートフォリオ変革と持続的な価値創出に向けた取り組みを進めています。これらの戦略を実現するうえで、当社の強みである「ゴム・解析技術力」と「ブランド創造力」を発揮し、①ゴム起点のイノベーション創出、②ブランド経営の強化、③変化に強い経営基盤の構築を担う人材の確保・育成は、重要な経営課題と位置づけています。
2025年には、プレミアムタイヤの拡販や次世代オールシーズンタイヤ「SYNCHRO WEATHER」のラインアップ拡充など、技術とブランド力を生かした取り組みが事業成果に寄与しました。また、外部環境の変化に対しては、価格対応やコスト効率化など組織横断の取り組みを進めることで、変化に左右されない事業運営に取り組んでいます。これらを支えるのは、専門性を持ち、変化に応じて最適な判断を行う人材一人ひとりの力です。
さらに、欧州・北米・オセアニア地域における四輪タイヤのDUNLOP商標権等の取得により、グローバルで統一されたブランド運営体制を整えました。今後は、地域横断で価値提供を最適化し、新領域の成長を加速させるためにも、多様な市場でリーダーシップを発揮できるグローバル経営人材の育成が一層重要となります。
こうした経営戦略を人的資本の観点で捉え直すと、持続的な価値創出には、①グローバルで一貫した意思決定と収益責任を担うリーダー、②ゴム・材料・センシング等の技術を基点に新たな価値を創出するイノベーション人材、③データドリブンで業務・収益を最適化するデジタル革新人材の確保・育成が不可欠です。また、多様な価値観を尊重し、挑戦を後押しする制度・風土に加え、ウェルビーイングと安全を基盤とした働く環境の整備を、組織能力強化の前提と考えています。
そのため当社は、人的資本戦略を経営戦略と不可分のものとして位置づけ、①成長を導くリーダーの確保・育成(グローバル経営・イノベーション・デジタル革新を担う層の強化)、②個の成長の支援(リーダーシップ向上サイクル、エンゲージメント・ウェルビーイングの向上)、③基盤整備(挑戦を評価する人事制度、DE&I推進、企業理念浸透)を三位一体で推進しています。
これらの取り組みにより、技術・ブランド・人材を結びつけた一貫性のある価値創造プロセスを強化し、外部環境の変化に対応しながら、2035年に向けた持続的成長の基盤確立を目指してまいります。
具体的には次の3つの戦略を掲げています。
(戦略1:成長を導くリーダーの確保・育成)
事業環境の不確実性が高まる中、当社は、グローバルで一貫した意思決定を推進し、持続的な成長を牽引できるリーダー層の強化を最重要課題のひとつと位置づけています。
主要ポストに対する後継者プールの整備、計画的人材育成、全社横断でのタレントマネジメントを通じ、経営・事業リーダーの早期育成を図っています。
イ. グローバル経営人材の育成
当社グループは、急速に変化するVUCA環境において、柔軟で迅速な意思決定と、地域横断で組織を導くリーダーシップを備えたグローバル経営人材の育成を重視しています。役員層には外部専門家によるエグゼクティブコーチングを継続的に実施し、意思決定の質とリーダーとしての行動力を高めています。また、次世代経営人材に対する育成プログラムを提供するとともに、幹部役職に対するグローバル統一基準の職務評価を進めており、役割基準に基づく公正な登用につなげています。
さらに、世界各地域の幹部が戦略を共有する「タイヤグローバルサミット」や、後継者プールやハイポテンシャル人材を審議するタレント会議を通じ、グローバル全体で一貫した後継計画と人材配置を可能とする体制を整備しています。
ロ. イノベーション人材の育成
当社は創業以来、ゴム技術を基盤に新たな価値を創出してきました。現在も「Smart Tyre Concept」「水素エネルギーを活用したタイヤ製造」「高減衰ゴムを用いた制振技術」など、多様な革新技術を生み出しています。こうした価値創造を継続するため、当社はイノベーション人材の育成強化に取り組んでいます。
具体的には、「イノベーション人材育成プログラム」および「イノベーションアカデミー2025」を通じて技術・発想・事業化スキルを体系的に学ぶ機会を提供し、スペシャリストコースやフェロー制度により高度専門人材を明確に評価・活用しています。特に研究開発においては、産学連携と社内育成を両輪としたイノベーション人材育成を進めています。世界的研究者との共同研究・議論を継続し、若手を含む研究担当者が直接海外研究者と交流する仕組みを整備したことで、国際的な技術動向へのアクセスと研究者の成長を促しています。さらに技術革新や社会価値創出に寄与した取り組みの表彰制度など、挑戦する文化の醸成にも取り組んでいます。
ハ. デジタル革新人材の育成
ビジネスモデルや業務プロセスの変革を実現し、データに基づく高度な意思決定を全社で行うためには、デジタル技術の知識に加えて、ビジネスへの応用力や価値創出力、変化に対応するリーダーシップが不可欠です。当社は、こうしたデジタル革新人材の育成に向け、基礎から実践まで体系的な育成体制を整備しています。
全社的なDXリテラシー教育を強化し、DXに必要な3領域(ビジネスコア・プロフェッショナル・データエンジニア)に対応した育成体系を構築しました。2024年末までにスタッフ系全従業員約3,500名が研修を受講し、全社の基礎デジタル能力を底上げしました。2024年5月からは知識・スキル・経験を証明する「オープンバッジ」を導入し、e-learningに加えて実践機会を広げることで、社員同士の学び合いや社内講師の育成を促進し、学習と挑戦が循環する仕組みづくりを進めています。
取り組み事例の詳細はウェブサイト「継続的成長を支える人材の育成」をご参照ください。
「継続的成長を支える人材の育成」のページ
https://www.srigroup.co.jp/sustainability/social/dei.html
(戦略2:個の成長支援)
社員一人ひとりの「個の成長」を、持続的な価値創出の重要な要素と捉えています。当社の人的資本経営では、「成長支援施策」と「エンゲージメント向上施策」を両輪とし、個々の成長を押し上げる仕組みを整備しています。
成長支援施策としては、階層・職種に応じた体系的な学習機会や、実務に直結する課題解決型の学習、デジタルスキル向上の取り組み、社内コミュニティーによる学び合いなどを通じて、能力向上と挑戦行動を後押ししています。一方、エンゲージメント向上施策としては、外部ベンダーのサーベイによる客観的な職場課題の把握と対話の促進により、働きがいを高める職場環境を整備しています。 さらにウェルビーイング向上施策として、健康経営の推進に加え、安全な設備づくり・人づくりを軸とした労働安全衛生の取り組みにより、社員が安心して能力を発揮できる土台を整えています。
これらの施策が相互に作用し、個人の成長実感と貢献意欲を高めることで、挑戦が生まれる組織風土の醸成と、将来のリーダー層の育成につながることを目指しています。
イ. リーダーシップ向上サイクル
組織のマネジメント品質向上、管理職をはじめとする管理監督職のリーダーシップ行動の内省、成長支援、そして、健全な組織風土醸成による従業員エンゲージメント向上のため、360度フィードバックを毎年実施しています。360度フィードバック結果は、重要ポストへの任用時の参考情報としても活用しています。現在、住友ゴム本体と一部の国内/海外関係会社で実施していますが、多面的に人材を見て、将来の幹部人材を任用していく仕組みの構築を目指し、海外拠点でのさらなる拡大を進めていきます。
また、2025年より 後述のエンゲージメントサーベイ結果とのクロス分析も実施し、各管理職の発揮するリーダーシップと社員エンゲージメントの関係性を紐解き、組織全体の活性化に繋げていきます。
ロ. 組織健康度と従業員エンゲージメントの向上
2020年より組織体質アンケートを定期的に実施し、その結果を従業員に開示するとともに、改善に向けた取り組みを継続してまいりました。一方で、事業環境の変化や人材の多様化が進む中、組織風土の状態把握に加え、従業員一人ひとりの意欲・貢献意識・成長実感といった「個人のエンゲージメント」を起点に、職場単位の課題をより明確に特定し、施策の優先順位付けと効果検証につなげる必要性が高まっております。2025年度からは従来の社内調査を見直し、外部ベンダーのエンゲージメントサーベイへ移行しました。これにより、設問設計や分析手法の標準化を通じて、統計的な観点からの因果分析・ドライバー分析等を含む、より客観的かつ多面的な把握が可能となります。また、国内外で共通の枠組みで測定することで、グループ横断の比較・課題抽出を行うとともに、社外ベンチマークにより当社の位置付けを把握し、エンゲージメント向上に向けた施策の実効性を一層高めてまいります。製造拠点を中心とした「はたらきたい未来の工場プロジェクト」や各部門の取り組みを通じ、働きがいを実感できる組織風土の醸成を進めるとともに、2026年以降は国内外のグループ会社へ展開し、グローバルでのエンゲージメント向上を図ります。
取り組み事例の詳細はウェブサイト「人材パフォーマンスを高める施策の実行」をご参照ください。
「人材パフォーマンスを高める施策の実行」のページ
https://www.srigroup.co.jp/sustainability/social/engagement.html
ハ.健康経営の推進
当社では、社員およびその家族の心身の健康が一人ひとりの幸せ、そして会社の持続的な成長や発展に不可欠であると考え、健康経営を推進しています。2017年に健康管理室を設置、2022年7月には会社、従業員、労働組合、健康保険組合が協力し、全社をあげて健康経営を実現するため、2018年に制定した全社の「健康経営宣言」を企業理念体系「Our Philosophy」に基づいた宣言に改訂しました。
健康管理室と健康保険組合は、健康施策について協議するコラボヘルス会議を定期的に実施するなどコラボヘルス体制を強化するとともに、健康管理部門(本社および各拠点)、健康保険組合、労働組合が参加する健康会議も実施しています。
取り組み事例の詳細、社外からの認定・評価はウェブサイト「健康経営の推進」をご参照ください。
「健康経営の推進」のページ
https://www.srigroup.co.jp/sustainability/social/health.html
ニ.労働安全衛生
当社グループは、全社員が幸せで安全に働ける職場の実現を目指し「安全衛生は全てに優先する」というスローガンのもと、「安全な設備づくり」と「安全な人づくり」を軸に活動を進め、これを支える健康的で快適な衛生環境の整備を推進しています。また、全員が参加できる安全文化を育てることで、事業の発展と社会的責任の両立を図り、変化する環境にも柔軟に対応しながら、継続的な改善を続けています。
取り組み事例の詳細はウェブサイト「労働安全衛生」をご参照ください。
「労働安全衛生」のページ
https://www.srigroup.co.jp/sustainability/social/safety.html
(戦略3:基盤整備)
挑戦が日常的に生まれ、多様な人材が力を発揮できる組織を実現するためには、制度・環境・価値観を一体で整える基盤づくりが重要と考えています。制度面では、役割・成果に根差した公平な運用へと見直しを進め、自律的なキャリア選択や社内公募・越境機会などの仕組みにより、挑戦の機会を広げています。環境面では、ダイバーシティ(D:多様性)、エクイティ(E:公平性)&インクルージョン(I:包摂)を浸透させ、多様な人材が個々に能力を最大限発揮し、互いに尊重しながら力を結集できるよう、環境整備や柔軟な働き方の拡充などの基盤を構築しています。さらに価値観の面では Our Philosophy のグローバル浸透により、共通の判断基準を共有し、挑戦を後押しする文化を育みます。
これら制度・環境・価値観の3つの基盤が相互に機能することで、「挑戦を評価する文化」と「能力を発揮できる環境」を両立させ、個人と組織の持続的成長を下支えします。
イ. 人事制度改定によるイノベーション基盤の構築
多様な人材が公平だと感じ、挑戦を促す人事制度改革を段階的に進めています。2021年には管理職の人事制度を刷新し、従来の職能資格制度から役割等級制度へ移行し、仕事基準の処遇を導入しました。キャリアパスを「マネジメント職」と「スペシャリスト職」に分け、専門性を活かしたキャリア形成を可能にしました。
さらに、2025年にスペシャリストコースの上位に「フェロー」を設置、2名を任用しました。高度専門人材を戦略的に評価・活用し、イノベーションの創出に繋げます。
加えて、2025年10月には一般層の人事制度も大きく見直しました。広く経験をすることで仕事の基礎を形成していくことと、専門性を高め職責・成果に応じた公平な処遇を実現することを両立するため、オフィス業務従事者(企画系・技術系・実務系)の一部に管理職同様に役割等級の仕組みを導入しました。これまでの年功的な運用から転換し、早期抜擢を可能とし、挑戦と成果に応じて処遇を適切に行うことで社員の一層の挑戦を促しています。
ロ. ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)
当社グループが掲げる7つのマテリアリティのうちの1つに「多様な人材」があります。「多様な個性をもつ仲間とともに成長する企業」を実現するためにDE&Iの取り組みを力強く進めています。多様性を尊重することはもちろん、多様性を力に変えるインクルージョンの実践も重視しています。社長の確固たるトップコミットメントのもと、多様な力を人的資本経営に取り込み、全員が大切な戦力として組織の持続的な成長につなげる施策を打ち出しています。2025年4月には、長期経営戦略を支える人的資本経営の実行に向け、全取締役がDE&Iの重要性を認識し、担当範囲のありたい姿を実現するためDE&Iトップコミットメントを策定し、公開しました。個人が能力や強みを存分に発揮し、互いを尊重し合える組織風土を育み、果敢に挑戦し続ける取り組みをますます活性化させています。組織と個人がともに成長し続けることで、組織の企業価値と社会的価値を相乗的に引き上げてまいります。
取り組み事例の詳細、社外からの認定・評価はウェブサイト「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」をご参照ください。
「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」のページ
https://www.srigroup.co.jp/sustainability/social/dei.html
ハ. Our Philosophyのグローバル浸透活動
2020年に策定した「Our Philosophy」を、認知・理解・共感・実践の4フェーズで浸透させています。2030年までにフェーズ3「共感」達成率80%、全従業員が理念を体現する状態を目指し、オンラインセミナーやワークショップを継続的に実施し、着実に浸透を進めています。
グローバルでの浸透は、世界各拠点が同じ価値観を共有し、一体感を持って迅速に意思決定できる体制を築くために不可欠です。2025年には海外拠点の浸透度調査と浸透担当者へのインタビューを実施し、課題を把握したうえでワークショップを開催しました。今後は、国内外の人事担当者が情報共有や議論を行うコミュニケーション基盤「Global HR Hub」を活用し、企業理念を基盤とした意思決定の質向上や現場での行動変革を促す取り組みを拡充していきます。
④リスク管理
当社は、人材流出による知識・技術の損失、労働市場の変化による採用競争激化、労働問題発生、レピュテーションリスクを人的資本経営におけるリスクと捉え、リスク低減に努めています。具体的には以下のようなリスク管理を行っています。
まず、人材確保の観点からは個の成長に向けた各種研修体系の整備や、魅力ある職場の実現のため職場環境・組織体質の改善を通じて、離職防止に努めています。また、キャリアを自律的に考え、挑戦する人材を育てるためのキャリア支援制度を提供しています。これらの活動により、従業員のエンゲージメント向上を図り、職場環境の改善を通じて働きやすい環境を整備しています。
さらに、採用プロセスの見直しを行い、多様な人材を確保するためにコース別採用、インターンシッププログラム、従業員紹介制度(リファラル採用)などを導入しています。これにより、優秀な人材の確保と育成を図り、2025年は定期昇給に加えて賃金改善(ベースアップ)も実施することで、報酬の競争力の確保に努めています。
サステナブルな組織運営のためには主要ポストでの後継者の持続性が重要だと捉えており、一部の部長級ポストでタレントプールを可視化し、社内取締役で組織している人事委員会で人材の充足状況を把握しています。今後は対象範囲を拡大しHR Techと組み合わせることでより中長期的な人材配置と育成計画を可視化し組織知としていく計画です。
労働問題発生によるレピュテーションリスクの抑制については、四半期に一度開催される企業倫理委員会を設置し、労働時間管理・コンプライアンス案件の共有を徹底することで、労働問題の発生を未然に防ぐ取り組みを行っています。これにより、企業の信頼性を維持し、レピュテーションリスクの抑制に努めています。
⑤指標及び目標
当社グループの人的資本の価値を拡大する人的資本戦略は、サステナビリティ長期方針「はずむ未来チャレンジ2050」で設定した多様な人材の目標達成を目指して活動、目標達成に向けたアクションプランの計画と実践、その実効性の検証を行っています。
項目により取り組みの範囲が異なるため、海外を含むグループ全体の計測が困難な項目については住友ゴム工業単体またはグループ国内のみの数値を記載しています。
またそのほかの重要な指標についても当社ウェブサイトに公開しています。
https://www.srigroup.co.jp/sustainability/search_index.html
|
項 目 |
|
|
|
多様な人材
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
※1 エンゲージメントスコア
エンゲージメントスコアは、エンゲージメント・継続勤務意向・総合体験・インクルージョン・ウェルビーイングの5つの結果指標を用いたで従業員アンケートを実施し、外部ベンダーによる分析からパーセンテージでスコア化をしています。今後、海外を含む当社グループ全体に対象を拡大予定です。
当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす恐れのある経営リスクについては、「リスク管理規定」に基づき、それぞれの担当部署及び各子会社において事前にリスク分析、対応策を検討し、経営会議等で審議しております。リスク分析・対応策の検討にあたっては、必要に応じて外部の専門家に助言・指導を求めております。経営リスクのうち、組織横断的リスクについては、当社管理部門の各部が、それぞれの所管業務に応じ関連部署と連携しながら、全社的対応を行っております。
また、「リスク管理規定」に基づき社長を委員長とする「リスク管理委員会」を設置しており、年2回開催する同委員会にて当社グループのリスク管理活動を統括し、リスク管理体制が有効に機能しているか適宜調査・確認しております。
当社グループにとって重大なリスクが顕在化し、又は顕在化が予想される場合には、「危機管理規定」に基づき、社長が危機管理本部を設置します。
このようなリスク管理体制のもと、グローバルに展開する当社の事業活動も考慮のうえ、当社グループの財政状態及び経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクを次のとおり記載しております。ただし、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載以外のリスクも存在し、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社グループは、これらのリスクを認識し、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
(自然災害のリスク)
当社グループは、グローバルに事業を展開しており、地震、津波、台風、豪雨等の影響を直接的又は間接的に受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、阪神・淡路大震災や東日本大震災といった巨大地震、集中豪雨、大型台風等により被害を受けた経験を踏まえ、大規模自然災害が発生した際も重要業務を継続し、迅速な復旧を図るため、事業継続計画(BCP)の策定と、国内外の拠点で災害を想定しBCPに基づいて事業継続のために対応する実践訓練を行うなど、従来より対策を講じております。また、各事業所で地震、火災等を想定して防災避難訓練及び安否確認訓練を実施するなど、有事の際に被害を最小限に抑えるよう従業員の防災意識を高めるための活動を実施しております。
(情報セキュリティに係るリスク)
当社グループは、事業活動を通じて、営業秘密、ノウハウ、データ等の機密情報のほか、顧客情報や従業員の個人情報も電子情報として保有・管理し、また商品企画、研究、開発、製造、販売等の様々なプロセスにおいて、情報システムやネットワークを活用しております。コンピューターウイルス感染や不正アクセスなどのサイバー攻撃のほか、災害や人為的な要因により情報システムに障害が発生した場合、機密情報・個人情報の漏えいのほか、重要な業務や製造の停止といったインシデントが発生し、社会的信用の失墜、ブランドイメージの低下、生産停止による機会損失など、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、機密情報や個人情報等の秘密保持については、社内規定の整備と運用の徹底、情報機器へのセキュリティ対策などソフト面、ハード面での対策を実施し、リスクを最小化するよう取り組んでおります。
(労働災害・火災等のリスク)
当社グループは、日本、アジア、欧州等に製造拠点を有しており、各製造拠点において負傷、疾病等の労働災害、火災、爆発等の産業事故や環境汚染が発生し、工場の操業や地域社会に大きな影響を及ぼした場合、社会的信用の失墜、被災者への補償、復旧費用、生産活動停止による機会損失、顧客に対する補償など、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、労働災害、産業事故を予防するため、点検と対策を計画的に進め、事故の発生防止対策を実施しております。また、定期的に海外製造拠点を含め監査を実施し、対策の点検と評価を行い、各拠点の活動強化を図っております。環境面でも環境汚染防止のための設備対策やモニタリングを実施するなど、環境に配慮した事業運営を実施しております。
また、重要設備の停止による生産活動への影響を最小限に抑えるために、日常的及び定期的な設備保全を行う一方、老朽化更新を計画的に進めております。
(サステナビリティ経営に係るリスク)
当社グループは、サステナビリティ経営を推進しておりますが、ESG投資に関する非財務情報の不十分な開示や、SDGs等の社会的要請に対する対応の遅れ等が発生した場合、信用・評判の失墜など、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、「未来をひらくイノベーションで最高の安心とヨロコビをつくる。」という「Our Philosophy」のPurposeを体現すべく、事業活動を通じて環境問題、社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会の実現を目指しております。サステナビリティ経営の推進にあたっては、サステナビリティ統括役員を委員長、各部門担当役員を委員とする「サステナビリティ推進委員会」を開催し、各種テーマごとに設置された部会において実施している活動を継続的にフォローし、リスクを最小化するように取り組んでおります。
また、2025年1月より外部ステークホルダーと経営層とが対話する「サステナビリティ・アドバイザリーボード」を設置し、ステークホルダーとの連携を深め、社会的要請に対する対処を適切に実施しております。
(製品の品質管理に係るリスク)
当社グループは、所定の品質基準に基づき、製品の品質確保に万全の対策を講じておりますが、製品の欠陥やクレームが発生する可能性があります。
当社グループは、欠陥が発生した場合又は裁判等により欠陥が認定された場合に備え、欠陥に起因する損害賠償等の諸費用に対する損害保険を付保しておりますが、保険で補償されない費用が発生する可能性があります。また、クレームに対する処理費及び製品の回収・交換による費用が発生する可能性があります。これらの事態が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、品質保証本部を中心に品質保証体制の強化や過去の不適切事案を教材としたケーススタディ研修、部門間・拠点間のコミュニケーション向上やグループガバナンスの強化につながる諸施策を継続的に進めております。引き続き、「Our Philosophy」に掲げる「信用と確実」の遵守を徹底し企業風土改革を推進するとともに、Bad News First/Fastも徹底していくことで、不適切な事案が再発しない体制づくりを進めてまいります。
(人権侵害に係るリスク)
当社グループは、グローバルに事業を展開しており、サプライチェーン上で強制労働等の人権問題が発生する可能性があります。これらの事象が発生した場合、法令に基づく処罰、訴訟の提起及び信用・評判の失墜など、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、「人権」をマテリアリティの1つとしており、顧客やサプライヤーおよび拠点周辺の地域社会など、当社の事業とつながっている人々への人権尊重の責任を果たすため、全社横断組織である人権部会を立ち上げ、主管部門に加え、海外拠点を含む各関係部門が参画し、各部門のリスク調査と対応状況をフォローできる体制の整備、「サステナビリティ推進委員会」並びに経営層への報告を定期的に行っております。
また、人権リスクが高いと考えられる現場の実態を把握するため、外部の専門家にもアドバイスをいただきながら、部会メンバーが天然ゴム農園、国内外の製造拠点を含むグループ会社の視察や労働者との対話を実施し、より実践的な人権リスクの特定・予防・是正の活動に努めています。今後も部会会合の開催に加え、継続的に現場視察やステークホルダーとの対話を行いながら、人権の保護・尊重の取組みを進めてまいります。
(政治経済情勢等に係るリスク)
当社グループは、タイヤ事業、スポーツ事業及び産業品他事業をグローバルに展開しており、事業活動を行っている各国の政治情勢や経済環境の変化により、影響を受けることがあります。アジア・大洋州、欧州・アフリカ、米州の各地域を統括する組織を設置し、必要に応じて弁護士やコンサルタント等の専門家と契約するなどして現地特有の法規制、商習慣、リスク等を踏まえ現地拠点の経営について協議する等、リスク管理の面からも各地域における関係会社の支援を行っております。
また、当社グループは、連結売上収益に占める、国内外の自動車用タイヤの割合が大きく、自動車産業の景況が悪化した場合、自動車用タイヤの需要減少や大口顧客との取引減少など、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
このほか、各市場において、輸入規制や関税率の引き上げ等により、売上が減少、もしくは原価率が悪化するリスク、各国の国内及び国際間取引に係る租税制度の変更や移転価格税制等により税金コストが増加するリスクなど各市場における法律・規制変更が当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(人材獲得に係るリスク)
当社グループは、グローバルに事業を展開しており、事業の優位性を確保し持続的な成長を実現するためには、多様な人材の安定的な確保及び育成が重要であります。特に、デジタル革新人材(DX人材)、海外事業を担うグローバル経営人材等の高度専門人材は、当社グループの技術力及び競争力の維持・向上において重要な役割を担っております。
しかしながら、少子高齢化に伴う労働人口の減少や採用競争の激化、働き方や価値観の多様化、各国の労働市場環境の変化等により、当社グループが必要とする人材を十分に確保できない可能性があります。また、競争環境の変化等により、当社グループの中核人材や高度専門人材が流出した場合には、技術・ノウハウの流出、事業運営の停滞、事業機会の損失等が生じる可能性があります。さらに、人材確保のための採用費用や人件費の増加等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、このようなリスクに対応するため、多様な人材が活躍できる組織風土の醸成に取り組んでおります。その一環として、2025年より従来の組織体質アンケートを見直し、エンゲージメントの要因分析や社外ベンチマークとの比較が可能なエンゲージメントサーベイへ移行しております。当該サーベイを定期的かつ継続的に実施することにより、客観的なデータに基づく職場課題の把握と改善を図り、心理的安全性の向上及び従業員エンゲージメントの向上に努めております。
採用面では、主としてスタッフ系新卒採用においてインターンシップ制度や職種別採用を取り入れるなど、入社時の希望と配属先のミスマッチ低減に努めております。スタッフ系キャリア採用では、将来的な採用ニーズを見据えたタレントプールの構築や、当社退職者との継続的な関係維持を通じたアルムナイ採用を行うことで、必要な人材への機動的なアプローチを可能とする体制整備を進めています。加えて、全採用区分を意識して当社の魅力を対外的に発信することで求職者の拡大を目指しております。
なお、これらの取り組みの詳細については、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)人的資本」において、その概要を記載しております。
(コンプライアンスに係るリスク)
当社グループは、グローバルに事業を遂行するにあたり、国内外の各種法令の適用を受けております。これらの法令に違反する行為、企業倫理に反する行為などにより、法令に基づく処罰、訴訟の提起及び信用・評判の失墜など、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、「住友の事業精神」をベースに制定した「Our Philosophy」に基づき、コンプライアンスを基盤とした事業運営が実践できるよう取り組んでおります。組織としては、社長を委員長とする「企業倫理委員会」を設置し、年4回の委員会開催を通じ当社グループのコンプライアンス体制の強化を図っております。併せて、企業倫理ヘルプライン(相談窓口)として、社長直轄の「コンプライアンス相談室」を設置し、当社グループ内で問題が発見された場合には、相談者が不利益を被らないよう十分配慮したうえで、事実関係の調査を進める体制を整えております。また、必要に応じて顧問弁護士の助言を得るなど、適法性にも留意しております。さらに、コンプライアンスに関するべからず集である「企業行動基準」を作成し、国内従業員に配布するほか、英語版や当社グループが所在する地域のその他の言語版も作成し、毎年10月の法令遵守・企業倫理月間において浸透活動を行うなど、グローバルでのコンプライアンス強化を図っています。
(知的財産に係るリスク)
当社グループは、特許権、商標権等の知的財産権の取得により自社の知的財産権保護を行っておりますが、他社からの知的財産権侵害等により競争優位性が損なわれるなど当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社が開発する製品及び技術については当社が保有する知的財産権による保護に努めているほか、他社の知的財産権に対する侵害のないよう細心の注意を払い、リスク管理を徹底しております。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減率 |
|
|
|
百万円 |
百万円 |
% |
|
|
売上収益 |
1,211,856 |
1,207,061 |
△0.4 |
|
|
|
タイヤ事業 |
1,046,394 |
1,043,683 |
△0.3 |
|
|
スポーツ事業 |
125,650 |
125,574 |
△0.1 |
|
|
産業品他事業 |
39,812 |
37,804 |
△5.0 |
|
事業利益 |
87,941 |
90,786 |
3.2 |
|
|
|
タイヤ事業 |
76,181 |
79,812 |
4.8 |
|
|
スポーツ事業 |
7,878 |
6,831 |
△13.3 |
|
|
産業品他事業 |
3,725 |
4,159 |
11.7 |
|
|
調整額 |
157 |
△16 |
- |
|
営業利益 |
11,186 |
82,584 |
638.3 |
|
|
親会社の所有者に 帰属する当期利益 |
9,865 |
50,379 |
410.7 |
|
(注)事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
為替レートの前提
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
|||
|
1米ドル当たり |
152 |
円 |
150 |
円 |
△2 |
円 |
|
1ユーロ当たり |
164 |
円 |
169 |
円 |
5 |
円 |
当社グループは2023年から2027年を対象とした中期計画を着実に実行してきました。この中期計画では2025年をターニングポイントと位置付けており、構造改革と成長事業の基盤づくりに注力しました。1月に欧州・北米・オセアニア地域の四輪タイヤのDUNLOP商標権等の譲受契約を締結、5月7日に本取引をクロージングし、まずは北米・オセアニア地域にてDUNLOPビジネスをスタートしました。また、3月には2035年に向けた長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」を発表しました。「R.I.S.E. 2035」では、ゴムから生み出す"新たな体験価値"をすべての人に提供し続けることを想いとして込め、タイヤのプレミアム化を推進するとともに、新たな収益の柱を構築することを目指しています。その一環で、8月にはAIソリューションを提供する米国ベンチャー企業「Viaduct社」の買収契約を締結しました。12月には"DUNLOPブランド戦略発表会"を開催し、130年を超える歴史を持つDUNLOPブランドを軸にしたブランド経営推進について皆様にお伝えしました。
当連結会計年度のタイヤの販売本数については、グローバルでの競争激化やインフレ等の影響による市況停滞に加え、一部の低採算品を下市したこともあり、前期を下回りました。事業利益については、米国関税影響や人件費等のコスト上昇はあったものの、値上げや様々な内部努力に加え米国タイヤ工場閉鎖効果もあり対前期で増益となりました。
この結果、当社グループの連結業績は、売上収益は1,207,061百万円(前期比0.4%減)、事業利益は90,786百万円(前期比3.2%増)、営業利益は82,584百万円(前期比638.3%増)となり、税金費用を計上した後の最終的な親会社の所有者に帰属する当期利益は50,379百万円(前期比410.7%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(タイヤ事業)
タイヤ事業の売上収益は、1,043,683百万円(前期比0.3%減)、事業利益は79,812百万円(前期比4.8%増)となりました。
国内新車用タイヤは、前期に一部自動車メーカーにおいて減産があったことに加え、当期は自動車生産が堅調であったこともあり販売本数は前期を上回りました。
国内市販用タイヤは2024年秋に廉価品を下市した影響に加え、オフテイク品の受注減が影響し、前期を下回りました。
海外新車用タイヤについては中国を中心にアジア圏における自動車メーカー向けが大きく減少しました。
海外市販用タイヤは、アジア・大洋州地域においては消費者の節約志向が一段と高まるとともに、中華系大手メーカーが価格攻勢を強める中、当社グループは収益性を重視した販売に注力したこともあり前期よりも販売本数が減少しました。欧州地域においてはオールシーズンタイヤをはじめFALKENブランドタイヤを拡販できた一方で、英国の市況悪化による販売減もあり、欧州全体としての販売は若干減少しました。米州地域においては、北米では二輪用タイヤの市況悪化や、一時的要因による売上減に加え、関税影響の販売価格への転嫁を積極的に行ったことなどにより対前期で販売本数が減少しました。DUNLOPブランドタイヤの北米での販売は6月から予定通り開始しており、12月には自社生産の商品を発売しました。
南米においては市況が上向かない中で販売代理店と緊密に連携しながら拡販を進めたことなどにより販売本数を伸ばすことができました。
以上の結果、タイヤ事業の売上収益は前期を下回りましたが、事業利益は増益となりました。
(スポーツ事業)
スポーツ事業の売上収益は、125,574百万円(前期比0.1%減)、事業利益は6,831百万円(前期比13.3%減)となりました。
ゴルフ用品は、主力のSRIXONブランドのゴルフクラブ・ボールの販売が好調だったことや、日本で11月に発売したXXIO14が好調に推移したことなどで、韓国の市況悪化の影響による減収をカバーし、売上収益は前期を上回りました。
テニス用品は主要市場である日本や欧州で増収となったことから、売上収益は前期を上回りました。
ゴルフスクール・テニススクールを除くウェルネス事業について対象会社の全株式を2024年12月上旬に新たな株主へ譲渡したこともありスポーツ事業の売上収益は前期並みの水準となりました。事業利益については収益性が高い韓国での販売減少が響き減益となりました。
(産業品他事業)
産業品他事業の売上収益は、37,804百万円(前期比5.0%減)、事業利益は4,159百万円(前期比11.7%増)となりました。
OA機器用ゴム部品および手袋事業の販売が減少したことに加え、3月末をもってガス管事業から撤退したこと、さらに前期に欧州の医療用ゴム製品製造・販売子会社の株式譲渡を実施したことなどが影響し、売上収益は前期を下回りました。事業利益は医療用ゴム製品の国内向け販売および制振ダンパー事業の販売好調に加え、OA機器用ゴム部品の構成良化などにより前期を上回る結果となりました。
②財政状態の状況
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
|
|
百万円 |
百万円 |
百万円 |
|
資産合計 |
1,341,123 |
1,459,932 |
118,809 |
|
負債合計 |
665,313 |
723,622 |
58,309 |
|
資本合計 |
675,810 |
736,310 |
60,500 |
|
親会社の所有者に 帰属する持分 |
656,134 |
716,080 |
59,946 |
|
親会社所有者帰属 持分比率(%) |
48.9 |
49.0 |
0.1 |
|
ROE(%) |
1.5 |
7.3 |
5.8 |
|
ROA(%) |
6.7 |
6.5 |
△0.2 |
|
有利子負債 |
331,218 |
406,629 |
75,411 |
|
D/E レシオ(倍) |
0.5 |
0.6 |
0.1 |
|
1株当たり親会社 所有者帰属持分 |
2,494円54銭 |
2,724円44銭 |
229円90銭 |
(注)ROAは連結ベースの事業利益に基づき算出しております。
当連結会計年度末の資産合計は、1,459,932百万円と前連結会計年度末に比べて118,809百万円増加しました。その他の流動資産などの増加により流動資産が9,552百万円増加しました。また、無形資産の増加などにより非流動資産は109,257百万円増加しました。
当連結会計年度末の負債合計は、723,622百万円と前連結会計年度末に比べて58,309百万円増加し、有利子負債残高は、406,629百万円と前連結会計年度末に比べて75,411百万円増加しました。
当連結会計年度末の資本合計は736,310百万円と前連結会計年度末に比べて60,500百万円増加しました。うち親会社の所有者に帰属する持分は716,080百万円と前連結会計年度末に比べて59,946百万円増加しました。この結果、親会社所有者帰属持分比率は49.0%、1株当たり親会社所有者帰属持分は2,724円44銭となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,740百万円減少し、当連結会計年度末には98,642百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、150,427百万円(前連結会計年度比46,102百万円の収入の増加)となりました。
これは主として、法人所得税の支払16,916百万円などの減少要因があったものの、税引前利益の計上77,789百万円、減価償却費及び償却費の計上78,669百万円などの増加要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、186,556百万円(前連結会計年度比121,897百万円の支出の増加)となりました。
これは主として、無形資産の取得による支出120,177百万円、有形固定資産の取得による支出58,900百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出15,137百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、30,880百万円(前連結会計年度は35,623百万円の資金の減少)となりました。
これは主として、社債償還及び長期借入金の返済による支出22,271百万円、配当金の支払額16,821百万円、リース負債の返済による支出16,479百万円を行ったものの、社債発行及び長期借入による収入で87,271百万円増加したことなどによるものであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
タイヤ事業 |
854,376 |
97.6 |
|
スポーツ事業 |
65,631 |
102.4 |
|
産業品他事業 |
25,891 |
92.4 |
|
合計 |
945,898 |
97.8 |
|
(注)1.金額は、販売価格によっております。 |
||
|
|
||
②受注実績
当社グループの製品は、大部分が見込生産であり、ごく一部の製品(防舷材等)についてのみ受注生産を行っております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
タイヤ事業 |
1,043,683 |
99.7 |
|
スポーツ事業 |
125,574 |
99.9 |
|
産業品他事業 |
37,804 |
95.0 |
|
合計 |
1,207,061 |
99.6 |
|
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 |
||
|
|
||
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。
連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、会計上の見積りや前提が必要となりますが、当社グループは、過去の実績、又は各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。
当社グループが採用している会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの中期計画における数値目標は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針及び経営戦略等」に記載のとおりですが、当連結会計年度の経営成績に重要な影響を与えた主なものは、販売数量減少による減益と販売価格の改善であります。
主力のタイヤ事業において、販売面では低採算品の下市を積極的に実施したことや、競争環境の厳しい市場で採算重視での販売を行ったことなどもあり、販売本数が前年から減少しました。セグメント別にみますと、新車用タイヤについては、国内において前連結会計年度は自動車メーカー各社による減産の影響を受け販売数量が減少したものの、当連結会計年度は自動車生産が堅調に推移したことから、国内向け販売数量は前連結会計年度を上回りました。一方、海外においては、中国を中心としたアジア圏において自動車メーカー向け供給が減少したことにより、販売本数は前連結会計年度を下回りました。市販用タイヤについては、国内においては昨年下期に低採算品を戦略的に減らした影響に加え、オフテイク品の受注減が影響したことから、販売数量は前連結会計年度を下回りました。海外においては、北米では自動車部品関税に対応するための値上げが影響したことなどにより販売本数が減少しました。また、アジアや欧州といったその他の主要な地域でも採算重視で販売を行った結果、販売本数が減少したことから、海外市販全体でも販売本数は前連結会計年度を下回りました。コスト面においては、北米工場閉鎖による生産性改善や固定費の圧縮に加え、部門横断で取り組んだコスト削減プロジェクトの成果もあり、それぞれ増益要因となりました。一方で原材料では天然ゴム価格の上昇、経費では人件費の増加によりそれぞれ減益要因となりました。為替については、円高傾向に推移したため、減益要因となりました。米国関税影響は大きなマイナスとなりましたが、タイヤ価格の値上げに加え、経費の節減等に努めた結果、ほぼ相殺することができました。
この結果、前連結会計年度に対し、販売価格で約253億円、固定費で約70億円、直接原価で約42億円がそれぞれ増益要因となったものの、数量・構成他で約253億円、経費で約60億円、為替で約9億円、原材料で約7億円の減益要因となり、タイヤ事業全体で事業利益は前連結会計年度に比べ約36億円の増益となりました。
スポーツ事業及び産業品他事業の分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度 事業利益の増減要因
以上の結果、売上収益は1,207,061百万円と前連結会計年度に比べ4,795百万円(△0.4%)の減収、事業利益は90,786百万円と前連結会計年度に比べ2,845百万円(3.2%)の増益となり、事業利益率は前連結会計年度に比べ0.2ポイント上昇し、7.5%となりました。
その他の収益及び費用では、減損損失や事業再構築費用の減少等により、前連結会計年度に比べ68,553百万円の増益となりました。
この結果、営業利益は82,584百万円と前連結会計年度に比べ71,398百万円(638.3%)の増益となり、営業利益率は前連結会計年度に比べ5.9ポイント上昇し、6.8%となりました。
金融収益及び費用では、前連結会計年度での為替差益が為替差損に転じたことにより、前連結会計年度に比べ9,908百万円の減益となりました。
以上の結果、税金費用を計上した後の最終的な親会社の所有者に帰属する当期利益は50,379百万円と前連結会計年度に比べ40,514百万円(410.7%)の増益となりました。
中期計画における目標達成に向けて、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針及び経営戦略等」に記載の施策に取り組んでまいります。
③キャッシュ・フローの状況の分析、資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリーキャッシュ・フローは36,129百万円のマイナスとなり、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」に記載の方針に基づき、配当金の支払16,821百万円を行いました。
今後、主に世界各地での増販に合わせた高機能タイヤの生産能力増強のための設備投資を引き続き行っていきますが、販売数量の増加と採算性の改善により営業活動によるキャッシュ・フローの拡大を実現しながら、必要に応じ金融市場や金融機関からの調達も活用するなど、「成長」と「流動性の確保並びに財務体質の向上」との両立を図りながら、2023年2月14日公表の中期計画で目標としているD/Eレシオ0.6の達成を目指す中で、当連結会計年度ではD/Eレシオ0.6を前倒しで達成しました。なお、当社と国内子会社、当社と一部の海外子会社との間でCMS(キャッシュマネジメントシステム)による資金融通を行っており、当社グループ内での資金効率向上を図っております。
また、当連結会計年度末現在において、日本格付研究所(JCR)より「A+(長期)、J-1(短期)」の信用格付を取得しております。
当社は、2025年1月8日に、The Goodyear Tire & Rubber Company(本社:アメリカ合衆国オハイオ州)より、欧州・北米・オセアニア地域における四輪タイヤのDUNLOP商標権等を取得することについて取締役会の決議を行い、譲渡契約を締結しました。その後、2025年5月7日の取得取引のクロージングにより、商標権、契約上の権利等及び顧客移行等に係る対価として631百万米ドルと初期在庫の買取りの対価として104百万米ドル(今後、在庫の確認を行い、必要に応じて価格調整を実施予定)を支払うとともに、関連する無形資産等を取得しました。
当社グループにおいては、当社の研究開発組織・施設を核として世界各地に所在する子会社・関連会社群との密接な連携のもと、タイヤ・スポーツ・産業品他事業、幅広い領域・分野で研究開発を推進しております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、
セグメント別の主要な研究開発活動は、次のとおりであります。
(1)タイヤ事業
当社グループのタイヤ技術研究開発は、神戸本社に隣接したタイヤテクニカルセンターを中心に、欧州・米国・中国のテクニカルセンターと連携して「地球環境と安全を守るために」をテーマに、「製品イノベーション」「カーボンニュートラル」「資源循環/持続可能な原材料」をチャレンジ目標に掲げ商品の開発に取り組んでおります。
また、当社はCASE/MaaSなどの自動車業界の変革に対応するためのタイヤ開発及び周辺サービス展開において「スマートタイヤコンセプト」を掲げております。例えば、タイヤの摩耗や経年による性能低下を抑制し、新品時の性能を長く持続させる「性能持続技術」、水や温度などの外部環境にシンクロしてゴムの性質がスイッチする独自の技術である「アクティブトレッド」、そしてタイヤや車両、路面状態のデータを検知する独自のセンサーレスのセンシング技術「センシングコア」が挙げられます。さらにサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現に向けて、当社独自の循環型経済構想「TOWANOWA」の中で、使用済みタイヤをリサイクル原材料として活用することに取り組んでおり、2025年11月からは当社宮崎工場で初めて資源循環型カーボンブラックを一部乗用車向け量産タイヤに採用しております。
①ゴム起点のイノベーション創出
当社は2035年に向けた長期経営戦略「R.I.S.E.2035」において「ゴムから生み出す“新たな体験価値”をすべて
の人に提供し続ける」を目指す姿として掲げ、その実現に向けて「ゴム起点のイノベーション創出」を推進しております。当社の強みであり研究開発の根幹となるゴムの可視化技術力を強化し、ゴム素材の可能性を徹底追求するため、研究プロセスの高度化、研究施設の強化、研究人材育成、外部連携強化を図り、新たな価値を生み出す高機能ゴムの開発に取り組んでおります。研究主導によるイノベーション創出力の強化のため、国内に新たなイノベーションセンターを2028年までに設立予定です。
外部連携強化においては日本電気株式会社と戦略的パートナーシップを締結し、世界で競争力のある研究開発基盤の構築およびビジネスの早期実現に向けて活動しています。先行的な取り組みとして、タイヤ材料分野に関する実証を実施し、タイヤ材料分野へのAI活用が開発プロセスの高度化・効率化を加速する可能性を確認しました。2030年までにAIで高度化された研究開発スタイルを構築するとともに、社会課題の解決につながる新たな事業やイノベーション創出を目指します。
また、京都大学化学研究所との協働プロジェクトにより、破壊に繋がるゴム内部構造の分布の違いを三次元的に可視化することに成功しました。この研究成果を活かし、耐摩耗性能を高めたタイヤの開発を進めていきます。2025年4月には国立大学法人東北大学に「次世代シンクロサイエンス共創研究所」を設置、また2025年8月には国立大学法人北海道大学内に新たな共創型研究拠点として「住友ゴム イノベーションベース・札幌」を開設しました。当社の研究者と大学の研究者・学生が協働して最先端技術の研究と実用化に取り組み、ものづくりの未来を切り拓く技術革新を推進していきます。
今後はさらに、企業・自治体・研究機関など多様なパートナーとのオープンイノベーションを推進し、新規事業の開拓や持続的な競争力強化・価値創出に努めてまいります。
②アクティブトレッド技術
2024年10月に発売の「SYNCHRO WEATHER」に搭載された「アクティブトレッド」は、ゴムの中に路面状態の変化に反応する「水スイッチ」及び「温度スイッチ」を組み込むことでポリマーの動きをコントロールし、ドライ、ウエット、雪上、氷上といったあらゆる路面で高い性能を発揮する、当社独自の技術です。このアクティブトレッド技術は2025年3月にドイツで開催された「Tire Technology Expo 2025」内で開かれた「Tire Technology International Awards for Innovation and Excellence」において「R&D Breakthrough of the Year」を受賞しました。また、2025年5月には第37回日本ゴム協会賞を受賞しております。2027年には、進化したアクティブトレッド技術を搭載したオールシーズン・オールウェザータイヤを欧米へ展開予定であり、「水」や「温度」に続く第3のスイッチは超高性能スポーツおよびピックアップトラック、SUVカテゴリーへの投入に向けて着実に開発を進めております。今後は環境に応じた性能に変化する次世代スイッチの開発などアクティブトレッド技術の進化に加え、摩耗抑制技術や経年劣化抑制技術と融合させることにより、高性能で環境負荷の少ないタイヤの開発に取り組んでいきます。
③センシングコア
センシングコアは、タイヤの回転により発生する車輪速データと車輪に流れるCANデータ(車輪制御情報)を解析することで、タイヤの空気圧、摩擦状態、荷重や路面状態、車輪脱落予兆などを検知する当社独自のソフトウェア技術です。今後、新車に装着するスタンドアローン型と、クラウド上で他の情報と合わせて活用するクラウドインストール型の2つのビジネスモデルを展開していきます。国内では2025年10月に国内自動車メーカーより発売する大型トラックに車輪脱落予兆検知機能が標準装備として初めて採用されております。
また、AIを活用した車両故障予知ソリューションサービスを提供する米国のベンチャー企業であるViaduct社(2024年1月に出資)を2025年10月に買収し、Viaduct社が保有する高いAI技術と当社のタイヤの知見およびセンシングコアとの融合によりさらなる事業の拡大およびグローバル展開の加速に取り組んでおります。海外では2025年10月から北米でフリート車両向け故障予知サービスを展開しており、フリート事業者が抱えるダウンタイムの削減やメンテナンスコスト削減といった課題の解決に加えて、走行時の安全性向上や車両の稼働率向上に貢献しております。
今後は自動運転や法人・団体が所有する車両を効率よく管理するフリートマネジメント向けのソリューションビジネスを拡大し、センシングコアを当社の主要事業の1つとして成長させていきます。
当事業に係る研究開発費は
(2)スポーツ事業
当社スポーツ事業では、「お客様のスポーツライフをもっと豊かに。」を掲げ、高い技術力による高機能な製品の提供を通じて、お客様の心身の健康と豊かな暮らしに貢献すべく、ゴルフ・ラケットスポーツ用品を中心に開発を行っています。
日本および米国に研究開発部門を設置し、科学的根拠に基づく開発体制を構築しているほか、兵庫県丹波市の「ゴルフ科学センター」「テニス科学センター」において、プレーヤーの身体動作やフィーリングの領域まで踏み込んだ解析を行い、実打データと組み合わせることで、性能だけでなく打ちやすさや爽快な打球音といった感性価値にもこだわった製品開発を推進しています。
研究開発活動の成果として、ゴルフクラブでは素材・構造・空力設計の適正化により反発性能とヘッド挙動の安定性を高め、爽快な打球音と従来以上の大きな飛びを実現したゼクシオシリーズの最新モデル「XXIO14」、ゴルフボールでは新開発のソフトアイオノマーカバーと新開発ディンプルにより飛びとスピンのトータルパフォーマンスを進化させた最新モデル「XXIO HYPER RD」、テニスラケットでは新たなフレーム形状と波型形状のグロメット搭載により飛びとスピードを追求したパワー系ラケットダンロップ「FX」シリーズなどの新モデルをそれぞれ発売しました。いずれも当社の開発力を反映した主力製品で、幅広いプレーヤーのニーズに応える商品であり、事業収益に貢献しています。
また、環境配慮型製品の開発にも注力しており、サステナブル原材料を82%使用したサステナブルゴルフボール「スリクソン Z-STAR+e80」(非売品)の開発や、テニス用品ではストリングの紙パッケージ化など、環境負荷低減に向けた取り組みを進めています。これらの活動を通じ、中長期的なブランド価値の向上と、市場における競争優位性の一層の強化を図ってまいります。
当事業に係る研究開発費は
(3)産業品他事業
当社の産業品事業では、高減衰ゴムを用いた制振部材、医療用ゴム製品、防舷材をはじめとする産業用資材など、安心・安全・快適をテーマとする事業活動に積極的に取り組んでおります。
2025年11月には、スポーツ施設用床材において、選手のニーズに応えるスポーツ用人工芝『ハイブリッドターフREX(レックス)』を発売いたしました。本製品は筑波大学との共同研究に基づき開発したもので、サッカー選手が評価するプレー性能への影響が大きい『ショートパスのしやすさ』に着目しており、今後もプレーヤーズファーストの視点での製品開発を進めてまいります。
医療用ゴム製品を取り扱うメディカルラバー事業では、バイオ医薬品向け製品の拡充に向けた開発を進めております。また、高減衰ゴムを用いる制振ダンパー事業では、寺社仏閣やリフォーム向けの制振ダンパーの開発を行うなど、製品ラインアップの強化と新たな市場ニーズへの対応を図っていきます。
今後も、より多くのお客様に共感いただける製品づくりを軸に、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現など社会課題の解決を目指し、安心・安全・快適な暮らしに貢献する商品の研究開発を進めていきます。
当事業に係る研究開発費は