文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、当社の経営理念である「お客さまの視点に立った企業活動を通じ、より快適な生活と豊かな社会の実現に貢献いたします。」の実現に向けて、エネルギーの安定供給と保安の確保に努めるとともに、お客さま満足の向上に努めることにより、お客さまから選ばれる企業を目指すことを基本方針としている。
(2) 中長期的な経営戦略及び対処すべき課題
現在、気候変動、自然災害の激甚化、脱炭素化の加速、エネルギー価格の高騰、デジタル技術の進化など、経営環境は大きく変化している。
こうした状況のなか、当社グループは「中期経営計画2025-2027」に定めたありたい姿である「都市ガスの安定供給・保安確保という社会的使命を担い続けるとともに、新しい価値を広くご提供することで、お客さまの“期待に応える”存在となる」の達成に向け、3つの事業領域の成長と経営基盤のさらなる強化に取り組む。
「エネルギー領域」では、都市ガスの安定供給、保安の確保に加えレジリエンスの強化を第一に、業務の効率化を推進していく。併せて、ガス事業の収支向上および電力小売事業の収支改善に向けた取り組みを継続的に強化していく。また、収益性の向上を念頭に、脱炭素化の推進および再生可能エネルギー開発等の将来に向けた投資についても、引き続き取り組んでいく。
「ライフサービス領域」では、お客さま接点の拡大・強化、リフォーム事業やくらしサポートサービスの強化、業務用サービスの拡大に取り組み、対面接点とデジタル技術を活用しながら、お客さまに多様なサービスをご提供することで、お客さまの“くらしのかかりつけ”を目指していく。
「リアルエステート領域」では、リーフシティ市川(*)の開発を計画通りに進め、地域活性化と収益最大化に向けた取り組みを推進していく。
そして、これら3つの事業領域を支える「経営基盤の強化」では、ガス事業の効率化やコスト削減、生産性向上を進めるとともに、将来を見据えた新規事業投資を加速し、DX推進などのデジタル投資を積極的に展開していく。
また、2025年2月に、東京証券取引所における上場市場の再編にあたり示された上場維持基準への適合を達成した。今後も本基準に適合した状態を継続的に維持できるよう、企業価値とガバナンスの向上に取り組む。
(*)当社市川工場跡地開発事業におけるエリア愛称。
(3) 目標とする経営指標
当社は、「中期経営計画2025-2027」において、経営目標を以下のとおり設けている。
※1 京葉ガス事業所のガス・電気のエネルギー使用、社用車の走行により排出するCO2
※2 都市ガス販売量に占める割合
※3 累計地点数
※4 ガス(都市ガス・LPG)・電気・その他サービスにおける利用者数
※5 当社ガス事業における設備の故障などに起因する人身事故・大規模供給停止、当社が原因となるガスに起因する爆発事故、お客さま先でのガス機器使用に伴う死亡事故
※6 2025-2027年の累計投資額
※7 2024年比
※8 ガス事業にかかわる一人当たりのお客さま件数(取付ガスメーター数)
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)サステナビリティの基本的な考え方
当社グループは、当社の経営理念「私たちはお客さまの視点に立った企業活動を通じ、より快適な生活と豊かな社会の実現に貢献いたします。」に基づく事業活動を実践している。
「安全・安心の取り組みの強化」「低炭素・脱炭素社会への貢献」「地域社会の価値創造」「人的資本経営の推進」「CX・DXの推進」を重点取組項目とし、「長期経営ビジョン2030」に掲げる2030年のありたい姿「“つぎの「うれしい!」”をご提供することで、お客さまの“期待を超える”存在となる」を目指して、「中期経営計画2025-2027」を推進している。
また、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、「カーボンニュートラルチャレンジ2050」を策定し、地域の脱炭素化に取り組んでいる。
さらに、「人的資本経営の推進」に向けて、「人」に対する投資が持続的に企業価値を高めていくという「人的資本経営」の考え方を基に「人財戦略2025」を策定し、従業員一人ひとりの力を最大限に活かすための具体的な取り組みを設定した。
当社グループはこれらの取り組みを通じて、社会の持続的発展に貢献できるものと考えている。
当社グループにおけるサステナビリティ経営に関するガバナンスは、主に以下の当社の機関が担っている。
① 取締役会
取締役会は、経営上のサステナビリティ関連のリスク及び機会を含む重要事項の決定と、業務執行の監督について責任を負う機関である。取締役会の構成については
② 執行役員会
執行役員会は、サステナビリティに関する取り組みも含めた重要な業務執行にかかわる協議・報告を実施している。執行役員会の構成、活動状況は
③ 監査役会
監査役会は、会社法等諸法令や定款・諸規程等に基づき、サステナビリティに関する取り組みも含めて、取締役の意思決定の過程や職務執行状況の監査を実施している。監査役会の構成、活動状況は
④ 環境委員会
当社は、環境保全を経営上の重要な活動と位置づけ、社長を委員長とする環境委員会を設置して全社での活動を推進している。
環境委員会では、2022年4月、オール京葉ガスとして“持続可能な社会”を実現するために「カーボンニュートラルチャレンジ2050」を策定し、カーボンニュートラル社会の実現に向けた指標と目標を設定した。
〈カーボンニュートラル実現に向けた取り組み〉
当社グループを取り巻く環境や時代のニーズは脱炭素やDXなどにより目まぐるしく変化しており、そのニーズに応え、推進していく取り組みが求められている。その中で、低炭素・脱炭素社会の実現への貢献に向けて、最終消費先でのCO2排出抑制や再生可能エネルギー電源の拡大、カーボンオフセット都市ガスの導入に取り組む。
また、当社グループは、「カーボンニュートラルチャレンジ2050」において2050年のカーボンニュートラルを実現するため、3つの“Challenge”に取り組む。
※1 電力・ガス会社による省エネに関する情報提供やサービスの充実度、取組状況を基に経済産業省が5段階で評価・公表する「省エネコミュニケーション・ランキング制度」において、当社は都市ガス・電気の2部門で4年連続最高評価の五つ星を獲得(2022年度から2025年度)
※2 オール京葉ガスの事務所のガス・電気・エネルギーの使用、社用車の走行によるCO2排出(クレジット活用含む)
〈人財の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略〉
人的資本経営の考え方を基本に、「変化を恐れず、成長とチャレンジを続ける」「学びと多様な価値観への受容の姿勢を持ち、新たな発想を行動につなげる」といった人財の育成・確保を目指して以下の人財戦略を実行していく。「人財戦略2025」の取り組みを通じて、行動変容を促し、従業員自ら成長する意識やチャレンジする意識を醸成することで、従業員の働きがいを高めていく。
a) エンゲージメントの把握・向上
エンゲージメントを高めていくことで、より成長意識や能力の発揮度を高めていく。
・エンゲージメント把握のための従業員意識調査(毎年)
・当該調査の設問の見直し
b) 個の能力の最大化
生産性を高めるとともに新たな事業領域で活かせる能力を習得させていく。
・新規事業の発展に資する能力の獲得・学習機会の拡充
・発揮能力に応じた処遇の実施
・マネジメント能力向上
・職場で役立つ能力の見える化
c) 自律的なキャリアの形成
自身のキャリアを上長と共有した上で、それに準じたキャリアを選べるようにすることで、学習意欲につなげられるようにする。
・自律的キャリア形成支援制度の整備
・キャリアや育成ビジョンの上司部下間での共有
・従業員の能力の見える化
d) ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの強化
多様性を尊重した働き方や、心理的安全性を高める取り組みを推進し、多様な考え方が融合することで、より強い組織をめざす。
・各種ライフイベント対応時の処遇の見直し
・心理的安全性の向上
・アンコンシャスバイアスの解消
・時間や場所に捉われない働き方の推進
e) 健康経営の推進
健康意識レベルを向上させ、全ての従業員が健康に活き活きと働くことで生産性の向上を図っていく。
・ヘルスリテラシーの向上
・外部評価の活用
・健康改善活動の実施
f) 人財の確保
経営戦略実行に必要な人財を確保していく。
・採用手段の多様化
・キャリア採用者の定着
・65歳以降の活躍機会の提供
・魅力ある職場環境の維持向上
・事業展開に応じた専門人財の確保
当社グループの事業活動において生じる可能性のあるサステナビリティ関連のリスクを含む様々なリスクに適切に対応するため、経営計画の策定にあたってこれらを総合的に評価し、各リスクに係る施策を決定し、遂行する。
当社グループの事業活動に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクについては、その発生を防止し、または、発生時における迅速かつ適切な対応を行うため、社長、役付執行役員または各本部長を担当する執行役員を最高責任者とする管理体制を構築し、必要な施策を講じる。また、その他のリスクについては、それぞれについて規程・マニュアル等を整備し、また、必要な施策を講じることにより、これを管理する。
なお、当社グループが認識する事業等のリスクに関する詳細は、
〈カーボンニュートラル実現に向けた指標及び目標〉
当社グループは、「カーボンニュートラルチャレンジ2050」において以下の目標を、2030年目標として設定した。
※1 オール京葉ガスの2013年CO2排出量の約48%に相当
※2 国内外における電源開発、FIT電源、調達等を含む
また、当社グループでは、低炭素・脱炭素社会の実現への貢献に向けて「中期経営計画2025-2027」において目標を定めている。詳細は、
〈人財の育成及び社内環境整備に関する指標及び目標〉
当社は、「人財戦略2025」において以下の目標を、2030年目標として設定した。
※1 対2025年比
※2 ガス事業にかかわる一人当たりのお客さま件数(取付ガスメーター数)、対2021年比
※3 対2023年比
なお、当社は、「長期経営ビジョン2030」および「中期経営計画2025-2027」に基づき、経営戦略の早期達成に資する人財を確保(育成・採用)すべく、以下の取り組みを推進した。
■女性活躍推進
①新卒採用における女性の応募者数※、採用割合共に30%以上を維持する。
※エントリーシートを提出した人数
②管理職の増加に資する、女性役職者の割合を2030年末までに10%以上とする。
※出向先役職者を含む。
※2025年から行動目標に掲げている。
※役職者に占める女性割合が低い要因としては、以下が挙げられる。
・1999年まで労働基準法で女性の夜間勤務が禁止されており夜間工事への立ち会いが不可能であったため女性の採用人数が少なかったこと。
・当時は一般事務に従事する女性が多く、役職者に就くにあたり十分な経験を積めていない女性社員が多いこと。
・近年は上記のような制限は撤廃され、女性社員も男性同様の業務に従事することが増えている。従って、今後は役職者に占める女性社員が増加することが見込まれる。
③女性のキャリア形成をサポートするために、男女問わず働きやすい環境を整備する。
■男性育児休業取得推進
次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画を策定し、男性の育児と仕事の両立支援の取り組みを推進する。
(注)「人財の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略」及び「人財の育成及び社内環境整備に関する指標及び目標」については、当社グループに属する全ての会社で実施されているものではなく、連結子会社における記載が困難であることから、提出会社単体で記載している。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
ガスの製造・供給に関する重大な漏洩・爆発事故等が発生した場合、お客さまへの安定供給に支障を及ぼす可能性がある。さらに、お客さまの身体・財産等に被害を与えてしまった場合には、訴訟・損害賠償費用の発生や社会的信頼の喪失等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
このため、ガス製造・受入設備の定期整備、ガス導管の経年対策など、ガス事故や供給支障の防止に取り組むとともに、保安に携わる社員に対する教育・訓練を通じた人財育成を積極的に行っている。また、365日24時間の保安体制を構築し、安全の確保に努めている。
当社グループの事業基盤は千葉県北西部に集中しているため、同地区に大規模な地震等の自然災害が発生した場合、導管等の供給設備やお客さまのガス設備に重大な被害が発生し、都市ガスの供給に支障を及ぼす可能性がある。また、その復旧対応に伴う費用が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
このため、ガス導管の耐震化などの設備対策や、災害発生時に該当地区のガス供給を停止することによる二次災害の防止、早期復旧のための災害対応業務及び優先度の高い通常業務を発災直後から適切に実施するための基準整備などを実施している。また、大規模な地震を想定した全社的な訓練を定期的に実施しており、発災時の対応能力の強化に努めている。
ガス小売自由化等に伴う競争の激化による、お客さまの流出やガス販売価格の値下げ圧力などが、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
このため、お客さまのくらしをより便利に・豊かにするくらしサポートサービスの拡販や、業務用のお客さまに対して環境性・経済性等の向上に寄与する提案を推進するなど、新規のお客さまの獲得やお客さまの流出防止に努めている。
ガスの製造・供給監視、ガス料金や電気料金の計算等を行う基幹情報システムに重大な支障が発生した場合やサイバー攻撃を受けた場合、お客さまへの安定供給や円滑なサービスの提供が損なわれ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
このため、耐災害性に優れた堅牢な建物への設置、冗長化による耐障害性の高い通信及びシステム、機能維持のための適切な保守及び各種セキュリティ対策、インシデント対応訓練、従業員へのセキュリティ教育や標的型攻撃メール訓練の実施等により、システムの安定稼働の実現やサイバー攻撃に備えた対策を実施している。
コンプライアンスの徹底については日頃より万全を期しているが、万一、ガス事業法その他の法令等に照らして不適切な行為や、企業倫理に反した行為等が発生した場合には、社会的信頼を喪失し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
このため、社長を委員長とするコンプライアンス委員会を設置しコンプライアンスに関する施策を検討・実施するとともに、年2回の教育研修などを通じ、コンプライアンス意識を着実に浸透させている。
公益事業者として、大勢のお客さまの個人情報等の管理には万全を期しているが、万一お客さま情報が社外に流出した場合には、社会的信頼を喪失するとともに、損害賠償費用等が発生する可能性がある。
このため、情報システム利用、情報システムセキュリティ対策及び個人情報保護に関する規程を策定し、事業活動において取り扱う情報の適正な保護・管理、漏洩防止に努めている。また、お客さま情報を取り扱う委託先全箇所に対し、情報の取り扱いに関する順守状況等の確認を定期的に実施しており、当社・委託先双方の個人情報保護に関する意識の向上を図っている。
ガス事業におけるガスの販売量は、気温・水温によって増減するため、暖冬や猛暑等の気候変動により、大きく変動する可能性がある。
また、お客さまのエネルギー消費行動の変容(節約意識の高まり等)が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
このため、工業用などの気温・水温の影響を受けにくい需要や、ガス販売量が低下する夏場の需要を押し上げる効果のあるガス空調需要の拡大に努めるとともに、ガス機器の拡販等によるガス需要の拡大やお客さまの新規獲得に努めている。
都市ガスの原料であるLNG等は、その価格が原油価格や為替相場等の変動の影響を受けており、その変動によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
また、国際情勢の変化などにより当社の原料調達先におけるLNG輸入に不測の事態が生じた場合、当社の安定的な原料調達に支障を及ぼす可能性がある。
このため、調達先の多様化を実施するとともに、原油価格や為替相場の推移などから最適な原料調達に努めている。なお、原料価格変動の影響については、原料費調整制度の適用によりガス販売価格に反映させることができるが、反映までのタイムラグにより、決算期を越えて業績に影響を及ぼす可能性がある。
(9) 卸電力取引所の取引価格の変動
電力小売事業において、卸電力取引所における取引価格の変動は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
このため、電力調達の多様化やデリバティブ取引の活用などにより、収支変動リスクの抑制に努めている。
ガス消費機器・設備は維持管理責任を伴うお客さまの資産であるが、当社の責めによる重大なトラブルが発生し、お客さまの身体・財産等に被害を与えてしまった場合には、訴訟・損害賠償費用の発生や社会的信頼の喪失等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
このため、法令に基づく頻度でお客さま宅を訪問し、ガス消費機器の安全に関する調査やご説明を実施し、お客さまのガス保安の強化に努めている。また、保安業務の担当者に対しては、教育・訓練のための専門施設にて、社内資格制度に基づく資格講習や定期的な保安教育を実施することで、保安人財の育成に努めている。
不動産開発投資、システム開発投資、再生可能エネルギー事業や新規事業等に向けた出資など大規模な投資を実施した場合、その後の経済情勢の変化等により所期の成果を生み出せず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。また、投資回収が長期に渡る案件については、投資初期に費用が偏在することで、短期的には収支に悪影響を及ぼす可能性がある。
このため、案件ごとに投資目的や効果、事業性、採算性、リスク等の評価を実施した上で、取締役会や執行役員会などに諮るなど、総合的な判断の上で慎重な投資判断を行っている。
新型インフルエンザ等感染症が流行した非常時において、ガス事業の継続が困難となる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
このため、新型インフルエンザ等感染症対策に関する業務計画及び事業継続計画を策定し、非常時においても都市ガスの供給を維持するよう対策を実施している。
世界的に脱炭素化に向けた議論が進められ、国内においても、政府が「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言している。国のエネルギー政策変更や新たな環境政策が実施され、競争の激化や当社グループを取り巻く環境が大きく変化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
このため、カーボンオフセット都市ガスの供給、カーボンフリーでんきの導入や再生可能エネルギー電源の開発を進めている。また今後の社会動向を注視するとともに、その動向に合わせた対策を検討・実施していく。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
当連結会計年度の我が国経済は、景気の緩やかな回復が見られるものの、今後の物価動向や米国の通商政策をめぐる動向などの景気を下押しするリスクに留意する必要がある。また、エネルギー業界においては、国際情勢によるLNG供給の不安定化、DX・GX進展に伴う電力需要増加、脱炭素と経済成長の両立を求める潮流など、難しい状況にある。
このような状況のなか、当社グループは、持続的成長を目的として策定した「中期経営計画2025-2027」にて掲げている「都市ガスの安定供給・保安確保という社会的使命を担い続けるとともに、新しい価値を広くご提供することで、お客さまの"期待に応える"存在となる」の達成に向け、「エネルギー」、「ライフサービス」、「リアルエステート」からなる3つの事業領域の成長と経営基盤の強化に取り組んできた。
当連結会計年度の売上高については、電力小売事業における販売量増加、リアルエステート事業における売上高増加などにより、前連結会計年度に比べ1.7%増加の117,665百万円となった。売上原価については、原料価格下落の影響でガス原材料費が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ0.8%減少の80,052百万円となった。この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ167.6%増加の3,839百万円、経常利益は104.5%増加の4,635百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ97.8%増加の3,210百万円となった。
セグメント別の業績は、次のとおりである。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載している。
<エネルギー>
売上高は、電力小売販売量が増加したことなどにより前連結会計年度に比べ1.8%増加の109,085百万円となった。営業費用は、ガス原料価格の下落等により前連結会計年度に比べ0.4%減少の103,243百万円となった。セグメント利益は、電力調達コストの低減などによる電力小売収支の改善やガス事業でのスライドタイムラグによる増益影響(*)などにより、前連結会計年度に比べ70.5%増加の5,842百万円となった。
(*)ガス原料価格の変動が、原料費調整制度に基づくガス販売単価に反映されるまで一定の時間差があることで、一時的な増減益要因となる。
ガス
当連結会計年度末の都市ガスお客さま件数は前連結会計年度末に比べ1.2%増加し、1,074,418件となった。当連結会計年度のガス販売量は、家庭用については、気温水温が低めに推移したことやお客さま件数が増加した影響などにより前連結会計年度に比べ2.0%増加した。また、業務用については、お客さま設備の稼働が増加したことなどにより0.3%増加した。この結果、ガス販売量合計では、前連結会計年度に比べ1.1%増加の672,166千㎥となった。
電力小売
電力小売販売量は、お客さま件数が増加した影響などにより、前連結会計年度に比べ14.7%増加の628,720千kWhとなった。
<ライフサービス>
売上高は、ガス機器販売などが減少したことに伴い、前連結会計年度に比べ5.6%減少の6,673百万円となった。営業費用は6.4%減少となった結果、セグメント利益は2.1%増加の700百万円となった。
<リアルエステート>
売上高は、リーフシティ市川における不動産賃貸収入が増加したことなどにより前連結会計年度に比べ21.8%増加の2,172百万円となった。営業費用は、リーフシティ市川における賃貸住宅竣工に伴う初期費用の発生等により67.8%増加の1,279百万円となった結果、セグメント利益は12.5%減少の893百万円となった。
(注) 本報告書でのガス量はすべて1m3当たり45メガジュール(MJ)換算で表示している。
総資産は、前連結会計年度末に比べ9,802百万円増加の178,053百万円となった。これは、退職給付に係る資産の増加などにより固定資産が7,682百万円増加したことや、現金及び預金の増加などにより流動資産が2,120百万円増加したことによるものである。
負債は、前連結会計年度末に比べ4,143百万円増加の73,517百万円となった。これは、長期借入金の増加などにより固定負債が5,228百万円増加した一方、支払手形及び買掛金の減少などにより流動負債が1,085百万円減少したことによるものである。
純資産は、前連結会計年度末に比べ5,659百万円増加の104,535百万円となった。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が2,404百万円増加したことや、その他有価証券評価差額金が1,625百万円増加したことによるものである。
この結果、自己資本比率は56.8%となった。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ3,691百万円増加の13,699百万円の収入となった。これは、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度に比べ2,402百万円増加したことなどによるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ3,438百万円支出増加の13,089百万円の支出となった。これは、定期預金の純増減額が前連結会計年度に比べ4,470百万円増加となった一方、有形及び無形固定資産の取得による支出が前連結会計年度に比べ1,826百万円減少したことなどによるものである。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入による収入が前連結会計年度に比べ3,925百万円増加したことなどにより、前連結会計年度の1,022百万円の支出から2,280百万円の収入に転じた。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,905百万円増加の16,399百万円となった。
当社グループにおいては、ガス事業が生産及び販売活動の中心となっている。
このため、以下はガス事業における生産及び販売の状況について記載している。
最近2連結会計年度におけるガスの生産実績は、次のとおりである。
ガスについては、その性質上受注生産を行わない。
ガスは、導管を通じて直接お客さまに販売している。
最近2連結会計年度におけるガスの販売実績は次のとおりである。
(*) 都市ガスお客さま件数:取付ガスメーター数
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの販売活動の中心であるガス事業において、その販売量は気温・水温の変動により影響を受ける。家庭用ガス販売の主な用途は暖房・給湯需要であるため、暖冬の場合には販売量が減少し、減益要因となる。さらに、家庭用以外のガス販売では、商業施設やホテル向けを含む商業用や、学校や官公庁向けを含むその他用において、暖房・冷房用の需要が冬場・夏場の気温の変動の影響を受けるため、販売量が増減する。
また、当社グループが供給するガスの原料であるLNG等の価格は、原油価格や為替相場等の変動の影響を受ける。原料価格の変動は原料費調整制度によりガスの販売価格に反映され、中長期的には回収されるが、その反映までにタイムラグが生じることにより、連結会計年度末時点において経営成績等に影響を及ぼすことがある。
さらに、電力小売事業において、電力調達先かつ供給余力を活用した電力の販売先である卸電力取引所における取引価格は、電気の需要と供給のバランス等により決定されており、需給バランスの状態によっては大きく価格変動する可能性があり、その変動によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
(6) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、ガス導管を中心とした設備投資資金であり、そのための資金調達については、自己資金及び金融機関からの借入れを基本としている。
なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は33,647百万円、現預金残高は22,033百万円である。
(7) 目標とする経営指標の実績
中期経営計画(2025-2027)の、当社の経営指標の実績は以下のとおりである。
※1 京葉ガス事業所のガス・電気のエネルギー使用、社用車の走行により排出するCO2
※2 2020年比
※3 都市ガス販売量に占める割合
※4 累計地点数
※5 ガス(都市ガス・LPG)・電気・その他サービスにおける利用者数
※6 当社ガス事業における設備の故障などに起因する人身事故・大規模供給停止、当社が原因となるガスに起因する爆発事故、お客さま先でのガス機器使用に伴う死亡事故
※7 2024年比
※8 ガス事業にかかわる一人当たりのお客さま件数(取付ガスメーター数)
(8) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されている。この連結財務諸表の作成にあたり見積りが必要な事項については、入手可能な情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づき、会計上の見積りを行っている。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載している。
該当事項はない。
当社グループにおける研究開発活動は、主に当社が、都市ガスの安定供給と保安の確保、業務効率化・品質向上等に資する技術開発・調査研究に取り組んでいる。
当連結会計年度の主な活動状況としては、ガス事業における供給技術の開発として、「ガス工事のコストダウン・環境負荷低減に寄与する非開削工法」の開発や「超高層住宅のパイプスペースにおけるガスメーター設置方式」の調査・研究、「屋外用ガスメーター自立固定金具」の改良を行っている。
なお、当連結会計年度における研究開発費は全額エネルギーセグメントに関するものであり、その金額は