当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「経営とAIをデザインする」という経営戦略のもと、自らの業務プロセスに最先端のAIを深く統合し、生産性の劇的な向上と自己変革を加速させています。自ら体現した「AIによる圧倒的な付加価値」の還元によりビジネスや地域経済の本質的な課題を解決し、未来価値を最大化することが当社グループのミッションです。この基本方針をもとに、これまで培ってきたITに関する知見やノウハウにAIを組み合わせたオリジナルサービスを提供することで事業の拡大に取り組んでおります。
また、以下の経営理念を制定することで、当社グループの基本方針を全社員で共有し、理解に努めております。
<経営理念>
■ 科学・技術を愛し、経営変革・社会変革に貢献する。また、自らも変革し続ける。
■ 「足りていないこと」に恐れず、ひるまず、自らの創意工夫と情熱で不可能に挑戦する。
■ 向上心を持ち続け、個人力を不断の研鑽で高めることを大切にするとともに、個人の力の限界を知り、
仲間の力を有機的に結合し、より大きな課題を解決する。
■ 実力主義、成果主義ではあるが、礼節とTPOをわきまえ、温かでユーモアのある組織運営をする。
■ 楽しい時に驕らず、苦しい時に希望を忘れない。
■ 歴史に学び、相互理解に努め、国際交流・協調する。
各セグメントの基本方針・経営戦略は以下のとおりです。
〔ITコンサルティング&サービス事業〕
単なるITによる目先の機能実現を目指すのではなく、経営戦略・業務改革・システム改革の3領域を見据えながら、最新のITを活用することによって、顧客のビジネスの改革の実現に貢献することを目指しています。そのために、現在だけでなく未来も見据えて、更に部分だけでなく全体の最適を考慮した解決策を顧客に提供することに努めています。
オープンシステムに特化することで、ハードウエアベンダーやソフトウエアベンダーに依存しない中立の立場を保持し、既成概念や製品の制約にとらわれることのない最適化を追求しています。それにより、常に顧客の隣に座る社外CIOのような立場から顧客の利益の最大化を図ります。
コンサルティングフェーズからシステムの設計、アプリケーションソフトウエア開発、ハードウエア・ソフトウエアプロダクトの選定・調達、システムの導入、保守・運用フェーズまで一貫したサービスを提供し、コンサルティングの結果を概念の提示で終わらせることなく、それをシステムの形に具体化し、顧客の実利用に供し、業務上の成果としての実感につなげることにより、顧客の未来価値の増大に努めています。
多くの企業で旧来のITシステムがブラックボックス化し、仕様書・マニュアルが存在しないために、システムの改善が困難であることから、ビジネスの変化に対応できないばかりか、現状維持のための運用コストも高止まりしている事例が見られると言われています。これに対し、既存の大規模システムを科学的に分析する手法(Future Formula)を用いて刷新・再構築し、同時に自社製コンポーネントをもとに、単品ごとの売上・損益情報などのリアルタイムな処理を可能にするITシステムの提供を行っており、今後とも、高品質かつ高スピードなサービス提供により、顧客の業務革新をサポートしてまいります。
〔ビジネスイノベーション事業〕
当社グループが今まで培ってきたITの知見・ノウハウ等を利用し、ウェブ関連企業が持つサービス運営ノウハウや出版・メディア企業が持つコンテンツ制作力とも融合しながら、革新的なビジネスやオリジナルサービスを提供することにより、イノベーションの創出を目指してまいります。
当社グループは、科学・技術を大切にし、企業の経営変革と社会変革に貢献することを企業理念に掲げ、お客様の未来価値を最大化するとともに、自らも新しい価値を創造することをミッションとしております。そのために、健全な利益と成長を実現し、企業価値を持続的に向上させることと社会貢献の両立が重要と考えております。
中長期的な事業環境においては、生成AIを始めとしたAI及びロボティクスの進展により業種・業界の事業環境を根底から覆すような変化が起こる可能性があります。こうした中、企業のDX投資のあり方も変革が求められると考えられます。
当社グループとしましては、AIによる顧客の抜本的な経営改革を支援することに加え、グループ各社の機能を掛け合わせた共同での営業や提案などグループシナジーを発揮しながら多面的、積極的に顧客を支援することで、一層高い支持が得られるよう努めてまいります。また、自社の設計開発プロセスをAI駆動型に刷新するなど、AIの徹底的な活用を通じて、自社の生産性の大幅な向上に取り組んでまいります。加えて、グループとしての知的財産の有効活用や、M&Aも含めた機動的な戦略投資を行うことで、ビジネスモデルの進化を図り、次期以降の更なる成長につなげるとともに、継続的な人材採用、教育、研究開発への投資といった将来の成長に資する事業基盤の整備を進めてまいります。
人材採用については、2026年度新卒採用にて想定年収を引き上げるほか、2024年より開始しているバリュー採用(新卒であっても高度ITスキル・ビジネス知識を持つ人材に対しては能力に応じた報酬を提供)の報酬体系も引き上げるなど採用競争力強化に努めています。また、社会人ドクター支援制度「Future PhD Support Program」の導入により社員の博士号取得を支援し、AIなどの先端領域で働きながら研究・修学できる環境を提供し、最先端の技術知識を備えた人材育成を加速させるとともに、採用市場での魅力向上にもつなげていきます。
併せて、グループ内のコミュニケーション強化、品質管理精度の更なる向上等、グループガバナンスの強化を実施してまいります。
当社グループは、ITコンサルティング&サービス事業とビジネスイノベーション事業の2way戦略でテクノロジーをベースとしたビジネスを展開しております。ITコンサルティング&サービス事業において蓄積してきたテクノロジーやノウハウをグループ全体の競争力の源泉としながら、ビジネスイノベーション事業で、新規事業も含めた事業の拡大を図り、両事業による深化と探索を通じてグループの持続的成長を図ってまいります。
このため、ITを通じて経営改革を推進する企業のグループシナジーを発現させながら支援するとともに、知的財産の有効活用、アントレプレナーシップを発揮した新規事業への挑戦、機動的な戦略投資によりビジネスモデルを進化させてまいります。
また、人材の採用及び育成、研究開発といった将来の成長に資する事業基盤整備を進め、併せて、グループ内のコミュニケーション強化、品質管理精度の更なる向上等、グループガバナンスの強化を実施してまいります。
ITコンサルティング&サービス事業においては、AIをはじめとするテクノロジーの活用を前提に顧客と経営改革を実行する中長期的なパートナーシップを構築し、顧客の未来価値の継続的な向上を図ってまいります。これに加え、当社知財によるソリューションを、知見を蓄積してきた業界へ展開いたします。更に、グループシナジーを発揮し、ITの戦略的活用を通じて多様化する企業ニーズへの価値提供力を高め、企業の経営変革へ貢献することを目指します。
ビジネスイノベーション事業は、各社の様々な取組みのもとで全体として黒字基調に転じています。今後とも各種改革を実行するとともにグループ各社間のシナジー創出を加速させ、継続的な成長を図ってまいります。
当社グループでは従来より、プロジェクト品質管理について積極的に取り組んでまいりましたが、過去の高難度案件、低採算案件から得られた知見と教訓をもとに、リスクの早期検知、プロジェクト状況の可視化、フェーズごとのレビュー運営、適材適所のアサイン、稼働判定プロセスの厳格化といった品質管理のプロセスを一層強固なものとし、引き続きプロジェクト品質管理の高度化を推進してまいります。
当社グループの企業価値向上にあたって人材は必要不可欠です。動画による企業紹介や、オウンドメディアでのカルチャーの発信等を充実させる取組みのほか、新卒採用において、学生時代に培った経験・スキルに応じた「バリュー採用」による、想定年収をアップした新たな報酬体系を採用しております。また、採用情報の発信強化など様々な取組みを行うことで、グループで質の高い人材を採用してまいります。更に、新人研修・FutureSchool等の育成プログラムや、評価制度改定に伴う報酬見直し等の社内制度を充実させることで、人材育成に向けたサポート体制を強化しております。加えて、グループ各社での事業開発、経営ポストへの任命といった、グループ内の積極的な人材交流による、全体の活性化、底上げを行ってまいります。
当社グループでは、企業価値向上の観点から、強固な内部統制体制の構築・運用を重要課題と認識しております。このため、当社の行動規範であるFutureWayを社員全員が共有するとともに、ビジネスコンダクトガイドラインを定め、併せて、コンプライアンス教育の実施等を通じて管理体制強化に取り組んでまいります。
当社グループでは、働き方の変化やESG・SDGs等の社会的要請を強く意識し、時代をリードする企業グループであり続けられるよう、これらの課題に積極的に取り組んでまいります。持続可能性の観点からも最適なITインフラのデザインや、効率的なソースコードの作成、更にAI、IoT、ロボティクス等を活用した効率化・省資源化に資するソリューションの提供などを通じて、経済社会の環境負荷を低減させます。併せて、省エネや機器のリサイクルなどを通して自らの事業活動の省資源化を進めます。ESGに関する重点分野は「マテリアリティ(重要課題)」として明記します。
当社における「マテリアリティ(重要課題)」は当社ホームページ(以下リンク)をご覧ください。
( https://www.future.co.jp/sustainability/PDF/materiality.pdf )
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
フューチャーグループは、企業価値の継続的な向上のためには、実効性のあるガバナンス体制の確立と実践が不可欠です。当社グループは創業以来、経営戦略とIT戦略の両軸で経済社会のDXを推進してきました。近年重要性が増しつつあるESGやSDGsの視点も踏まえ、グループ内における実効力のあるコーポレート・ガバナンス体制の構築と運営に努めています。
フューチャー株式会社取締役会の直下に「ESG&SDGs推進委員会」を2022年に設置しました。また同委員会のもとにグループ横断的な「ESG&SDGs推進グループ連絡会」を組織し、グループ全体で環境やサステナビリティに関する問題意識を共有し、一丸となって推進する体制を整えました。
フューチャーグループは上述のとおりガバナンス体制を構築し、環境及び気候変動対応を含むサステナビリティ全般に関して取締役会を最高決定機関とする経営陣が責任を負い、主体的に取り組むことを明らかにしています。更には主要な方針等を取締役会にて議論し、決定しています。
また、フューチャー株式会社取締役のうち1名を、グループ全体の環境やサステナビリティ関連の取組みを統括する「最高サステナビリティ責任者(CSO)」に任命し、活動の推進・実行においても経営陣が主体的な役割を果たすことを明確にしています。経営陣主導のもと、環境に関連するリスクと機会の評価及び対応を進めています。
金融安定理事会(Financial Stability Board、FSB)により設置された気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures,TCFD)では、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4分野にわたる11の項目について開示を推奨しています。また、東京証券取引所のプライム市場上場企業には、このTCFD提言やこれと同等の枠組みに基づく情報開示が求められています。
フューチャーグループは、IT技術を通じて社会変革に貢献していくうえで、環境及び気候変動対応を経営の最重要課題の一つと認識しています。更に、IT技術は、環境への影響のアセスメントや環境負荷がより小さい経済活動の支援、環境対応に資するインフラや市場の整備など気候変動対応にも大きく貢献するものと考えています。
東証プライム上場企業としての責務を果たすという観点から、フューチャーグループはTCFD提言の項目に沿った環境及び気候変動対応への取組みを開示します。今後も内容を深化させ情報開示を積極的に行うとともに、気候変動に関するガバナンスを強化し、事業の持続的な成長を図っていきます。
以下では、フューチャーグループの環境対応・気候変動対応の取組みを、TCFD提言に沿いながら記載いたします。
上述のサステナビリティに関するガバナンス体制のもと、フューチャーグループとしての環境対応・気候変動対応に関する方針や取組みは適時適切に当社取締役会に報告され、共有されています。また、重要な事項につきましては取締役会で審議し、決議しております。このように、フューチャーグループの環境対応・気候変動対応の取組みは、当社取締役会がオーナーシップを持つ形で、最重要課題の一つとして進められています。
ESG&SDGs推進委員会において、技術開発や経営戦略、対外広報、財務、人事などに至る幅広い知見を結集し、気候変動に関連するリスクや機会を特定し、評価を行っております。
グループ内の知見とノウハウを集約・活用しながらシナリオ分析を行いました。
フューチャーグループはITコンサルティングを主要事業としています。事業の性質から短期的には環境への対応を求められる広範な企業の行動変化に伴うリスクと機会に特に留意すべきと評価しました。中長期的には上述のリスクに加えて、環境価値を巡る取引制度や税制などの法規制が変化するリスクがあると考えます。また、シナリオを実現していく過程では、環境及び気候変動対応への取組みが十分でないと評価された企業のレピュテーションの低下が、当社グループのマーケティングや採用にマイナスに作用するリスクが考えられます。更に、環境及び気候変動対応を巡る技術開発競争の激化により、求められるテクノロジーが高度化することで、対応に遅れをとった企業のプレゼンスが低下するというリスクも考えられます。
フューチャーグループは、COVID-19の感染症拡大の前からリモートワークが可能な環境や働く場所を自由に選べる「ロケーションフリー制度」を整備し、社員が柔軟に働ける環境づくりを推進してきました。こうした施策によって、TCFD提言に例示されている「2℃以下シナリオ」(*)のもとでの自然災害の増加などが、当社グループの業務の継続性などに及ぼすリスクは大きくないものと想定しています。
(*)2081-2100年の世界平均気温が、1986-2005年と比べて1.1-2.6℃(平均1.8℃)上昇するシナリオ。
環境や気候変動への対応がますます重要な課題となる中、温室効果ガスの排出量を減らすために多くの企業が効率的な業務運営を目指すことが見込まれます。
フューチャーグループは、AIやIoT、クラウド等の最新テクノロジーの活用や効率的なソースコードの作成を通じて、お客様に環境負荷の低いシステムやソリューションを幅広く提供しています。過剰な設備を抱え込まずに最適な資源配分が可能になるため、効率的な業務運営や温室効果ガスの排出量の削減に資すると考えています。省資源、環境負荷低減を実現する効率的なシステムやソリューションの提供によって、環境及び気候変動対応を機会として積極的に捉えていくことも可能になると考えており、こうした考え方を事業戦略や運営にも活かしています。
また、広報・IR活動の一環として、メタバース空間にオフィスの一部を再現した「フューチャー・サステナトピア」を制作しました。仮想空間を散策しながらグループ各社のサステナビリティへ活動を紹介しています。
このようにITコンサルティング企業としての特性を活かした、環境及び気候変動対応の取組みの周知に努めています。
TCFD提言はパリ協定の目標に基づき作成された「2℃以下シナリオ」を含める分析を推奨しています。フューチャーグループはこの推奨を踏まえ、2℃以下シナリオに基づく「シナリオ分析」を行っています。対象企業は持株会社であるフューチャー株式会社と主要子会社であるフューチャーアーキテクト株式会社とし、技術革新のスピードが速い分野を主な事業領域としていることから、ターゲットを2030年としています。
シナリオ分析の結果、上述の2社はITコンサルティングを主要事業としていること、リモートワークやロケーションフリーなど時間や場所にとらわれない社員の働き方を推進していることなどから、台風、洪水、高温化、海面上昇などの気候変動リスクに関する事業や戦略への影響は小さいと想定しました。
環境や気候変動への対応が企業に求められる中、今後はより電力消費の少ない効率的なITインフラへのニーズが高まると予想されます。更には、デジタル技術を活用した配送システムや在庫管理の効率化、ペーパーレス化といった省資源化、脱炭素化へのニーズがより一層高まると思われます。
フューチャーグループは創業以来、AIやIoT、ロボティクス等の最新テクノロジーを駆使して効率的で環境負荷の低いシステムやソリューションを提供し、企業や社会全体のDX推進をサポートしてきました。事業活動の拡大とともに、技術開発やイノベーションの創出により一層取り組むことで、気候変動対応を機会としていくことが可能と考えています。
フューチャーグループは、上述のESG&SDGs推進委員会を中心に社内の知見を結集し、環境対応・気候変動対応に係るさまざまなリスクを洗い出すとともに、これらの管理に努めております。
フューチャーグループは、グループ最高サステナビリティ責任者の監督のもと、毎年、ESG&SDGs推進委員会及びESG&SDGs推進グループ連絡会が中心となり、気候関連リスクの特定を行っています。上述の推進委員会自らのリスク特定に加えて、連絡会を通じてグループ会社から意見を募り、列挙された意見をグループ内に還元して再度意見交換する形で、特定すべきリスクの選定を行っています。
このようなプロセスの結果、2024年度はフューチャーグループの戦略変更を要するような重要なリスクはないとの結論に至りました。なお2023年度については、シナリオ分析の結果、戦略の変更に係る重要なリスクがないことを確認しています。
上述のプロセスを経て特定されたリスクは、グループ内の関連部門、具体的には経営戦略や法務、IR、広報などの部門において対応が進められます。
上述のような各種リスクに対する所管部門の対応は、ESG&SDGs推進グループ連絡会を通じて集約され、ESG&SDGs推進委員会にて管理されます。そのうえでリスク管理のために追加的なリソースが必要となれば、ESG&SDGs推進委員会が関連部門に要請する形で、全社的な対応を行います。
全社的なリスク管理の取組みは適宜取締役会に報告・共有され、内容に応じて指示が行われます。更にフューチャー株式会社における代表取締役直下の内部監査室は、フューチャーグループ全体のリスク管理の状況を独立した立場から検証し、適宜取締役会に報告します。このようなプロセスを通じて、環境・気候変動関連のリスクは、フューチャーグループが直面する他のリスクとあわせて全グループ的に管理され、必要な対応が進められます。
フューチャーグループは温室効果ガスについて、2021年度よりScope1(自らによる温室効果ガスの直接排出)、Scope2(他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出)、Scope3(当社の事業活動に関連する他社の排出)に該当するグループ全体の排出量の公表を開始しました。また、企業の成長と気候変動対応の両立を図りつつ2050年までの実質カーボンニュートラル化への道筋をモニタリングするという観点から、「社員一人あたりの温室効果ガス排出量」を有益な指標として捉えています。
フューチャーグループは、気候変動が及ぼすリスクと機会を把握するため、温室効果ガス(Scope1、Scope2、Scope3)の算出と公表をグループベースで行っています。長年培ってきたITコンサルティングの知見とノウハウを活かして、排出量を自社で算出しており、特に算出が困難とされるリモートワークにおける排出量も社員のパソコンの稼働時間や社内ネットワークへの接続状況等の各種データをもとに数値化しています。
当社グループの2024年度の排出量及び社員一人あたりの排出量は以下のとおりです。
排出量算出に際して排出係数の見直しなど算出方法の一段の精緻化を実施しました。
なお、当社グループの事業活動における温室効果ガス排出量は、オフィス活動によるものが中心であり、自社でのデータセンター運営は行っておりません。そのため、Scope1及びScope2の排出量は他業種と比較して限定的です。
当社グループは、企業の成長と気候変動対応を両立させるという観点から、モニタリングの対象として「社員一人あたりの排出量」を重視し、積極的な業務の効率化などにより温室効果ガス削減に努めるとともに、効率的なITインフラの提供などを通じて経済社会全体の温室効果ガス排出量の削減に貢献していきます。
フューチャーグループは2022年中、日本政府のカーボンニュートラルに関するコミットメントも踏まえ、2050年までにScope1、2、3の合計での温室効果ガス排出量を実質ゼロとする目標を設定しました。この目標のもと、自社の省エネルギー化を進めるとともに再生可能エネルギーの利用を積極的に検討しています。
また、この目標に到達する過程をモニタリングする指標として、「社員一人あたりの排出量」を重視しています。企業のDX推進や社会のデジタル化が重要な課題であるなか、ITインフラを提供する企業には「成長」が求められること、この中で日本のカーボンニュートラル化は、より優れた環境対応・気候変動対応を進める企業や産業に人的資源が移動する形で達成されていくという考え方があるからです。
更に、フューチャーグループでは、最新テクノロジーを活用した環境負荷の低いシステムやソリューションの提供を通じて、顧客企業の業務効率化や省資源化、脱炭素化、省エネルギー化をサポートし、経済社会全体のカーボンニュートラル化に寄与していく考えです。
当社は、「経営とAIをデザインする」の経営戦略のもと、経営・業務・システムを三位一体で改革し、中立のポジションから一気通貫でサービスを提供することで、顧客の未来価値を高めることを経営戦略としております。この経営戦略において、当社の成長の源泉である人的資本の価値最大化は、戦略を実行するうえで中核を成すものと位置づけております。顧客が直面するさまざまな課題を深く理解し、ビジネスの変革を実現することにより顧客の未来価値を高めていくためには、高い付加価値を提供できる人材を育成し、人材のダイバーシティを兼ね備えることが前提となります。
当社は、フューチャーグループにおける人材戦略の重要なテーマとして「① 魅力的なカルチャーの理解と実践」「② 経営変革・社会変革を牽引できる人材の成長環境」「③ 多様な人材の活躍」「④ 健康戦略経営」を掲げ、人的資本の価値最大化を図っております。これらの人材戦略を通じて当社は、競争の激しい採用市場において、高い付加価値を提供できる多様な人材から選ばれ続ける会社として、社内環境の整備に取り組み続けてまいります。
創業期より当社の経営のコアエンジンとして大切にしているカルチャーを、全社員が理解し一人ひとりのミッションの中で実践をしていくことを目指し、さまざまな取組みを通してカルチャーへの共感を高める仕組みをデザインしています。
◆Best Project of the Year(BPY)
当社では業界初または業界の新機軸となる、前例がないプロジェクトを多数手がけております。こうしたプロジェクトを一人ひとりの創意工夫とチームワークによる成果の最大化を通じて推進しています。それらのプロジェクトの顧客や社会への貢献を称え、広く全社にプロジェクト事例を共有するための機会として、年に一度「Best Project of the Year」(以下、BPY)を全社で開催しています。BPYは、社内に多数あるプロジェクトの中からエントリーされた数十チームのプロジェクトの活動を紹介し、全社員による投票で予選を行い選出された上位10組のプロジェクトが、決勝の会場において活動内容及び顧客あるいは社会への貢献等の成果についてプレゼンテーションを行います。プレゼンテーションは社員全員が会場で視聴し、投票によりその年の最も素晴らしいプロジェクトを選出します。当社社員は、BPYを通じて当社のDNAとなるカルチャーを共有し、その理解を深めています。
◆個人プレゼンテーション
当社では年に一度、一般社員から社長まで全員が「個人プレゼンテーション」を実施しております。「個人プレゼンテーション」では、一年間の業務実績及び顧客貢献、来期に向けたコミットメントを同僚の前で発表し、同僚や評価者よりダイレクトなフィードバックを得て自身の一年を振り返る機会としています。更に、社内の人材マネジメントシステム内で同僚や業務上の関係者から360度アセスメントを受け、客観的な評価を認識したうえで、行動の改善点等を意識し、来期に向けた取組みを決定し、より高い成果を出すための糧としています。
◆インフォーマル活動の推進
当社の社員は、一人ひとりが自身のミッションや役割に応じた業務に従事する以外に、有志が自発的に立ち上げたさまざまなタスクフォース活動への参画を通して経営貢献に寄与しています。フォーマルな業務とインフォーマルな活動を並行して行うことで、リーダーシップやアントレプレナーシップの発揮、更にはタスク遂行力の向上にもつなげています。
難度の高い課題を解決し、経営変革や社会変革を牽引できる人材を育成するため、ハイレベルな知識の習得と実践ができるプログラムを推進しています。
◆FutureMBA
ITコンサルタントのレベルアップと次世代経営幹部の育成を目的とし、MBAの代表的な科目を総合的に学び、実業務において高度に活用するための「FutureMBA」研修を行っております。社外のMBA教育サービスを受講し、知識を身に付けたうえで、社内におけるグループワークを通じたアウトプットに重点を置いた研修体系を採っております。グループワークにおいては、実際の顧客企業をターゲットとし、当社経営陣や先輩コンサルタントがレビュワーとして受講生の指導にあたり、最終的に顧客に提案できるレベルまで研修の成果物を洗練させていきます。経営戦略などの知識を覚えるだけでなく、知識を活用して顧客企業の今後の成長シナリオを描き、提言をまとめるまでの実践を重要視しています。
◆AI研修
自社でAIの認定プログラムを開発し、コンサルタントのみならずスタッフ部門も含め全社員が受講し、AIの理論と実践の基本理解を進めています。4段階の到達レベルを設定し、実業務での活用から顧客への提案・実装、先端アルゴリズムの学習など、個々人が目指したいレベルに応じたプログラムを用意しています。
◆長期的な人材育成プログラム
新人・キャリア入社研修、OJT終了後、育成プログラムとして、プロジェクトでの学びが最大化出来るように、必要な人が必要な時に学習できるカフェテリア形式で体系的・網羅的なトレーニングコンテンツを提供しており、学びを通した会社全体のレベルアップを目指します。
当社では、多様な人材確保と多様な人材の活躍環境の整備に向けてDE&I推進に力を入れております。
◆DE&I推進体制
取締役が推進役として「DE&I推進委員会」を率い、経営陣がオーナーシップを持って取組みを進めています。更にグループ各社の経営陣とも事例を共有し、女性正社員採用比率や女性管理職比率等の数値を定期的にモニタリングし、グループ全体で施策の不断の見直しや拡充を図っています。

◆DE&Iタスクフォース
当社の環境改善を行うタスクフォースを立ち上げ、有志社員が活動しております。健康、介護、ライフイベント、コミュニティ形成といったカテゴリに分かれて、情報共有や理解促進を目的としたイベントやマイノリティの悩みを共有するための座談会などを開催しております。
当社では、2020年より心理的安全性の高い健康的な職場作りを目指し「ウェルネスサポートチーム」を組織化するとともに、グループ社員が活き活きと働き続けられるよう、施策に関する情報発信や学びの場を提供しています。
◆健康経営推進体制及び健康経営推進指標
参照:https://www.future.co.jp/sustainability/well-being/
◆従業員代表による健康促進に向けた取組み
毎年選出される当社の従業員代表は、通常従業員代表に求められる役割にとどまらず、自ら会社の課題を捉えて解決に向けて推進していくタスクフォース型組織でもあります。健康リテラシの向上に向けたセミナーやマネーリテラシを高めるための講座などを年間通じて複数回実施しています。
当社では、多様な人材の確保及び雇用環境の整備に向けて以下の戦略指標と目標を掲げております。
※フューチャー株式会社及び主要子会社のフューチャーアーキテクト株式会社を合算した指標となります。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主な事項を以下に記載しています。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しています。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努めております。
なお、文中における将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確定な要素を含んでおります。また、本記載は、発生し得る全てのリスクを網羅したものではなく、当社グループの事業その他に関するリスクは本記載に限られるものではありません。
ITコンサルティング&サービス事業では、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載したとおり、最新のITを活用して顧客の未来価値を高めることを経営戦略として複数の業界の顧客と長期的なパートナー関係を構築することで、特定の業界の市況に左右されない顧客構成とし、当社グループの業績の安定性を図っております。しかしながら、今後の国内外の景気動向、外国為替相場及び税制の変更等の外部環境により企業全体のITへの投資金額が急激に減少する場合等には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ビジネスイノベーション事業では、景気動向、価格競争の激化、異常気象及び風評被害等の外的要因により、インターネットによるスポーツ・アウトドア用品のネット販売や雑誌・インターネットでの広告売上等が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、後記の「6 研究開発活動」に記載のとおり、専門の部署を設置して、顧客ビジネスにイノベーションをもたらす最先端技術の研究開発に力を入れております。特に近年では、AI、IoT、ビッグデータといった最先端の技術に関し、グローバルな規模で研究開発競争や実際のビジネスへの適用が盛んに行われており、当社グループでも、積極的な取組みを行っております。しかし、これらの技術革新への対応や研究開発活動が不調に終わる場合は、当社グループの優位性に影響を及ぼし、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの事業の発展にとって、優秀な人材の確保やその後の育成が最も重要であると認識しており、そのために様々な採用活動を展開するほか、プロフェッショナルな人材を育てる研修や教育にも注力し、当連結会計年度において、採用費として1,325百万円、研修費として781百万円をそれぞれ計上しています。今後も人材の確保及び育成を重視していく方針ですが、これが不調に終わった場合には、当社グループの成長性が阻害される可能性があります。また、人員の増加に伴い固定的な人件費等も増加する可能性があり、固定的費用の増加を上回る受注を獲得できない場合には当社グループの業績が悪化する可能性があります。
当社グループは、自社の人材の確保及び育成に注力しておりますが、一方で、プロジェクトの各局面に応じてタイムリーに適切なパートナー会社を確保することも必要と考えております。そのため、パートナー会社との関係を強化し、柔軟に事業規模の拡大が図れるような仕組み作りに取り組んでおり、かつ当社グループの設計・開発手法やセキュリティ管理に関わる教育研修を受けていただくこと等により、品質や生産性が向上するよう努めております。
しかしながら、プロジェクトに対するパートナー会社の関与割合が高まった場合には、顧客の満足する品質水準に達するまでに、契約時点では予見不能な追加コストが発生する可能性や、当社グループの方針に同意するパートナーが集まらないことでプロジェクトが遅延する可能性があります。
当社グループでは、プロジェクト・コントロール強化のために、品質管理の経験豊富な技術者によるプロジェクトレビュー体制やコアテクノロジー部門に所属する技術者によるアーキテクチャーレビュー体制を強化しています。また、自社開発したプロジェクト情報共有・可視化システムを利用して、プロジェクトの活動状況をリアルタイムで監視し、早期に問題を発見するとともに、プロジェクトにおける活動や成果物を全てデータベース化し、プロジェクト進捗のモニタリングと成果物の品質チェックを自動化する科学的なプロジェクト運営を推進しております。
以上のように、品質管理やプロジェクトマネジメントの強化を進めておりますが、予見できないトラブルの発生等により、当社グループのプロジェクトマネジメントがうまく機能せず、作業工数の増加、納品の遅延及び品質改善のための追加作業が起こった場合には、プロジェクトの採算が悪化し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
大規模プロジェクトに対しては経験豊富なプロジェクトリーダーを配置し、プロジェクトの重要な進捗段階毎で専門分野別のレビュー責任者から構成されるフェーズレビューを重点的に実施することで、問題点を早期に把握して対処するよう努めております。しかしながら、予見できないトラブルの発生や見積りと実際工数の差異による追加コストの発生及び仕様変更等を含む種々の要因による納期のリスケジュールが発生した場合に、中小規模のプロジェクトに比べて、期間の売上及び利益に大きな影響を与えると同時に、人員の追加投入により大きな機会損失が発生する可能性があります。
また、大規模プロジェクト終了時には多数のコンサルタントのアサイン変更が集中することから、タイムリーなアサイン変更ができない可能性もあり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、顧客の満足する品質水準を保証するという観点より、契約時ないし決算時には予見不能であった問題解決のための役務を無償で顧客に提供することがあります。そこで、売上計上後の追加原価の発生に備えるため、過去の実績に基づき算出した将来の原価発生見積額を引当計上する品質保証引当金を設定しております。また、進行中のプロジェクトのうち、損失が発生すると見込まれ、かつその金額を合理的に見積もることが可能な特定のプロジェクトについては、翌連結会計年度以降の損失見込額を引当計上するプロジェクト損失引当金を設定しております。状況によってはこの金額を超えて実際の損失が発生する可能性があり、その場合、当社グループの業績に影響を及ぼすことがあります。
当社グループのITコンサルティング&サービス事業は、大型プロジェクトが社内外の人材投入のピークとなる開発フェーズに移行した場合等に、一時的に売上全体に占める特定顧客への売上高依存割合が高まる場合があります。当社グループは、顧客の業種やプロジェクトのフェーズが分散されるように留意し、既存顧客との関係を強化して継続的に受注を獲得するとともに、新規顧客の獲得にも注力しておりますが、特定顧客の経営状況の変化やIT投資の方針の変更が、当社グループの業績に影響を一時的に及ぼす可能性があります。
当社グループでは、経営情報の充実化・業務効率化等のため、自社利用目的のソフトウエア開発を行うことがあります。当該ソフトウエアは、業務効率化による将来の費用削減効果を期待して資産計上する場合がありますが、技術の潮流の変化や業務の大幅な変更等による急激な機能の陳腐化により減損対象となる可能性があります。
また、業種に特化したクラウド型又はテンプレート型のソフトウエア等、顧客へのサービス提供のためのソフトウエアの開発を行っており、これらのソフトウエア制作原価は、将来の受注獲得見込あるいは販売可能見込を合理的に見積もったうえで資産計上する場合がありますが、マーケット状況の急激な変化や技術トレンドの変化等により見込販売収益が著しく減少した場合には、減少部分を一時の費用又は損失として処理する可能性があります。
ビジネスイノベーション事業においては、インターネットによる販売を行っており、販売する商品を需要予測に基づき発注しております。しかしながら、実際の受注は天候や景気その他様々な要因に左右されるため、実際の受注が需要予測を上回った場合には販売機会を失うこととなり、また、需要予測を下回った場合には、過剰在庫が発生し、資金繰りへの影響や商品評価損が発生する可能性があります。また、当該事業では、デジタルコンテンツをあらかじめ自社で作成する場合がありますが、実際のウェブサービスへの申し込みや広告収入の獲得について、当初の見込みを下回った場合、制作原価を回収できない可能性があります。これらの場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、システムの開発等に際しては、第三者の特許等の知的財産権を侵害することが無いように留意しております。また、当社グループの知的財産権を保護するために必要に応じて特許の出願等を行っています。
これらの施策にも関わらず、当社グループの製品やサービスが第三者の知的財産権を侵害した場合や、第三者が当社グループの知的財産権を侵害した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、技術情報はもとより経営に関する情報まで、クライアントが保有する様々な機密情報の開示を受けます。そのため、当社グループは「情報管理」を経営の最重要事項と位置付け、セキュリティ委員会の設置等、当社グループ内の情報管理体制の強化、情報管理に対する社内啓発、教育、意識向上等の活動を推進する等、様々な角度から機密情報の漏洩防止策を採っています。また、個人情報については、当社グループの役職員やパートナー会社に対する啓蒙活動等を通じて個人情報の取扱いの重要性を周知徹底しています。連結子会社の一部では、プライバシーマークやISMS認証を取得しております。
このように、情報管理体制は万全を期しておりますが、コンピューターウイルス、外部からの不正な手段によるコンピューターネットワークへの不正侵入、役職員・パートナー会社の故意又は過誤等により、機密情報や個人情報が漏洩した場合やプログラムやデータの改ざん等が発生した場合には、顧客からの信頼を失い、訴訟や発注の停止等の処置を受ける場合もあります。その結果によっては、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループは、事業上の結びつきの強化、将来的な提携又は新規事業の開拓を視野に入れて有価証券への投資やM&Aを行う場合がありますが、投資先の事業の失敗等に伴い投資額相当の損失を被る可能性があります。更に、投資先企業の業績によっては、減損対象となることにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループが事業を行っていくうえで顧客・取引先・投融資先等との間で訴訟又は訴訟に至らない損害賠償請求やクレーム等を受ける可能性があります。現在審理中の訴訟及び将来生じうる訴訟等に関する裁判所等の最終判断は、現時点では予測不可能でありますが、これらの内容及び結果によっては当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、損害賠償に加えて、弁護士等の費用や当該案件に関わる社内リソースの投入に係る費用が発生する可能性もあります。
更に、これらの訴訟等の結果にかかわらず、訴訟に関する批判的報道その他により、当社グループの信用・評判が下がり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、普段より非常時への対応を行っておりますが、大規模な災害や感染症の流行等が発生した場合には、当社グループの従業員及び当社グループの事業所等やそのシステムに被害が及ぶ可能性があり、その復旧費用・事業中断による機会損失、プロジェクトの中止又は延期等により当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのビジネスイノベーション事業において、インターネット上の複数の主要ショッピングモールに通信販売の店舗を出店しております。これらのショッピングモール運営会社の事業に不測の事態が生じること等により、ショッピングモールに出店できなくなったり、当該モール自体の人気が低下したりした場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのビジネスイノベーション事業はECビジネス等のウェブサービスを行っておりますが、ウェブサービスの業界においては、小規模ベンチャー企業・個人事業者でも容易に新規参入が可能である一方、国内の大企業が資金力を背景にウェブサービス業界に参入することや海外企業が新しいサービスを開始することも想定されることなど、今後も一層激しい競争が続くものと考えております。ウェブサービス業界における競合企業の動向によっては、当初グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのビジネスイノベーション事業においては、新サービス・新規事業を導入することにより、メディアやインターネットの領域におけるオリジナルサービスの提供の拡大に取り組んでまいります。これによりソフトウエア開発や広告宣伝費等の追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、これら新サービスや新規事業の進捗が見通しどおりに進まない場合、先行投資を回収できないこと等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、コンプライアンス体制の整備を進め、国内外の法令、規制及び社内の規則を遵守することに取り組んでおります。このような取組みにも関わらず、当社グループにおいて法令違反が発生した場合に、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年3月25日)現在において判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度の連結業績は、
となりました。
当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ及び中東地域における地政学リスクの長期化に加え、米国トランプ政権による保護主義的な貿易政策や自国利益を優先した孤立主義的な対外政策が一段と鮮明になったことなどから、不確実性の高い状況が続いております。国内経済においては、物価上昇及び段階的な金利上昇、円安及び人手不足により原材料・人件費等のコストが増加しております。
こうした経済環境下でも、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)による業務改革、生産性の向上による深刻な人手不足への対応、国際情勢を踏まえたBCP(事業継続計画)の観点からの企業全体のサプライチェーンの見直し等、ITを通じた経営改革や業務改善の動きは引き続き旺盛であり、活発なIT投資が続いています。また、AI(生成AIを含む)を活用した新たなデジタルサービスの開発や業務効率化の動きも加速しています。
このような状況のもと、フューチャーアーキテクト株式会社は、金融機関向けクラウド型基幹系業務システム「次世代バンキングシステム」を、7月に第2行目(島根銀行)において安定稼働を開始させました。また、新規で3行(仙台銀行、きらやか銀行、東和銀行)の導入が決定し、設計を開始しております。(*)
これに加えて、前連結会計年度第2四半期から損益を連結した株式会社リヴァンプの業績が、共同営業等によるシナジーの発現から成長しているほか、ITコンサルティング&サービス事業の各社が堅調に成長いたしました。
これらの結果、売上高、営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で増収増益となりました。
(*)2026年1月30日付当社プレスリリースのとおり、SBI新生銀行への「次世代バンキングシステム」の導入が決定いたしました。詳しくは、以下のプレスリリースをご確認ください。https://www.future.co.jp/press_room/PDF/PressRelease_JisedaiBankingSystem_260130.pdf
各セグメントの業績(売上高・営業利益)については以下のとおりとなります。
フューチャーアーキテクト株式会社(フューチャー株式会社のテクノロジー部門を含む)では、政府が主導する医療DXに関連するシステム構築のプロジェクトのほか、小売業、食品卸、金融等様々な業界のDXに関する大規模プロジェクトが立ち上がり、順調に進捗しております。
当社の中長期的な成長に資する、知財を活用した案件については、「次世代バンキングシステム」の新規導入に加えて、金融機関向け融資支援システム「FutureBANK」についても、新規導入が進んだほか、生成AIを活用した生産性向上を実現する新機能を実装いたしました。また、アパレル向け基幹プラットフォームシステム「FutureApparel」導入の大型プロジェクトにおける開発フェーズも順調に進捗しております。これら知財の展開に加えて、当社がDX戦略パートナーとなる長期的な取引を見据えた顧客との新規取引を獲得し、複数のプロジェクトが立ち上がりました。これらの結果、売上高及び営業利益は前期比で増収増益となりました。
フューチャーインスペース株式会社は、定常的な保守運用サービスに加え、既存顧客のシステム基盤更改及びクラウド移行案件の開発が引き続き好調に推移したものの、大型の開発案件が終了した影響により、前期比で減収減益となりました。
FutureOne株式会社は、強みであるオリジナルのパッケージソフトウエア「InfiniOne」の販売において、鉄鋼業など業界特化型の営業展開による新規受注の拡大に加え、既存顧客への業務改善提案に伴うシステム開発案件の受注が拡大し、前期比で増収増益となりました。
フューチャーアーティザン株式会社は、PLM事業への本格参入による新規大型案件の獲得や、DXコンサルティング案件の価値訴求が売上に寄与し、前期比で増収となったものの、グループ間での事業移管の影響やソフトウエア償却負担の増加などから、営業利益は前期比で概ね横ばいとなりました。
フューチャーセキュアウェイブ株式会社は、ビジネスモデルの変革に伴い通信機器やセキュリティ関連商材の新規販売が減少したものの、新規のセキュリティサービス案件の受注が増加したことなどから、前期比で増収増益となりました。
株式会社リヴァンプは、様々な企業の経営実務を支援する経営マーケティング事業、基幹システム刷新や全社構造改革コンサルティングを行うDX事業がともに計画を上回りました。加えて、経営マーケティング事業において、支援先の企業価値向上に伴う成功報酬売上を計上しました。同社は、前連結会計年度第2四半期から新規に損益を連結しております。当連結会計年度より業績が通期寄与するほか、フューチャーアーキテクトとの共同営業の推進によるグループシナジーを発現し、新規案件を獲得したことなどから連結後の前年同期比で増収増益となりました。
この結果、本セグメントの売上高は67,515百万円(前期比10.9%増)、営業利益は16,381百万円(同12.7%増)となり、前期比で増収増益となりました。
株式会社YOCABITOは、経営改革の施策実行に伴うナショナルブランドの販売品目絞り込み等から前期比で減収となったものの、粗利率の高いプライベートブランド商品の販売が好調だったことや固定費の削減などにより、前期比で営業損失は縮小しました。
東京カレンダー株式会社は、コンテンツ事業における広告売上や積極的なイベント開催による収益に加え、「東カレデート」等のネットサービスによる収益が好調に推移したことで前期比で増収増益となりました。
ライブリッツ株式会社は、アマチュア向け分析サービス「FastBall for Personal」での生成AIを活用したデータ分析レポートの提供や「デジタル野球教室」の開催など、スポーツ界でのDXを推進したものの、一部案件の品質向上にリソースを割いた結果、前期比で減収となりました。一方、販管費等のコストを適切にコントロールしたことで前期比で増益となりました。
株式会社キュリオシティは、腕時計・鞄など複数の海外ラグジュアリーブランドのストアデザインが完了したものの、前期に完了したジュエリーブランドの大型ストアデザインの反動減により前期比で減収減益となりました。
この結果、本セグメントの売上高は8,486百万円(前期比6.1%減)、営業利益は178百万円(同53.2%減)となり、前期比で減収減益となりました。
(注) 上記のセグメントの業績数値は、セグメント間の内部売上高又は振替高を調整前の金額で記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
当連結会計年度の財政状態の分析は、以下のとおりです。
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ6,583百万円増加の57,370百万円、固定資産は1,140百万円減少の40,120百万円、総資産は5,442百万円増加の97,491百万円となりました。その主な要因は、のれんの減少(前連結会計年度末比△694百万円)及び顧客関連資産が減少(同△720百万円)した一方で、当社ビルの増床及び改修により建物及び構築物が増加(同+1,376百万円)したことや、受取手形、売掛金及び契約資産が増加(同+6,498百万円)したこと等によるものです。
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,180百万円増加の17,054百万円、固定負債は3,003百万円減少の17,681百万円、負債合計は1,823百万円減少の34,736百万円となりました。その主な要因は、未払金が増加(前連結会計年度末比+806百万円)した一方で、返済により長期借入金が減少(同△2,856百万円)したこと等によるものです。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ7,265百万円増加し、62,755百万円となりました。その主な要因は、保有株式の売却によりその他有価証券評価差額金が減少(前連結会計年度末比△635百万円)した一方で、利益剰余金が増加(同+7,811百万円)したこと等によるものです。
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等は以下のとおりです。
当社グループでは、企業価値の持続的な向上のためには、事業の「稼ぐ力」の指標である営業利益に最も注目し、加えて、売上高営業利益率の上昇を目標としております。
具体的には、他社との差異化を図り、成長を維持するために必要な「研究開発」、「教育・研修」及び「採用」などの戦略的投資項目には重点的に経営資源を配分しつつ、ITコンサルティング&サービス事業に関しては、売上高営業利益率20%以上を目指すとともに、ビジネスイノベーション事業に関しては、売上高営業利益率10%以上を目指すこととしています。
当連結会計年度においては、連結の営業利益は+16,176百万円となり、前期比で10.3%増加しました。売上高営業利益率は、ITコンサルティング&サービス事業で24.3%(前期は23.9%)となり、ビジネスイノベーション事業は2.1%(前期は4.2%)となりました。連結の営業利益率は、21.3%となりました。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりです。
税金等調整前当期純利益17,259百万円の計上や減価償却費2,395百万円及びのれん償却額1,024百万円による資金留保等から法人税等の支払額5,936百万円等を差し引き、営業活動によるキャッシュ・フローは全体で8,664百万円の収入(前連結会計年度は10,683百万円の収入)となりました。
投資有価証券の売却による収入1,125百万円があった一方、有形固定資産の取得による支出1,648百万円があったこと等から、投資活動によるキャッシュ・フローは全体で1,391百万円の支出(前連結会計年度は20,406百万円の支出)となりました。
配当金の支払額3,900百万円や長期借入金の返済による支出2,856百万円があったこと等により、財務活動によるキャッシュ・フローは、6,885百万円の支出(前連結会計年度は13,812百万円の収入)となりました。
これら営業活動、投資活動、財務活動による現金及び現金同等物の増加額は425百万円となり、現金及び現金同等物の期末残高は32,800百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりです。
当社グループの運転資金需要は、主に従業員の給料や賞与やパートナー会社への外注費であり、その他に採用費や研修費など人材獲得や教育に関する費用、オフィスの賃貸料及び一般管理費等があります。また、投資資金需要としては、M&Aに必要な資金、販売目的や自社利用のためのソフトウエアの制作のための資金及びAI等の最先端技術の研究開発のための資金があります。
当社グループにおきましては、①の運転資金や投資資金の需要に対して、安定した営業キャッシュ・フローを反映した自己資金でまかなうことを原則としています。将来的にM&A等により大型の投資資金が必要となった場合は、財務健全性を考慮しながら借入を行うことも検討してまいります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、ITコンサルティング&サービス事業については原価及びハードウエア等調達品の仕入価格、ビジネスイノベーション事業については原価及び商品仕入価格によっております。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.受注高には為替レート変動に伴う金額調整分を含めております。
(注) 金額は、セグメント間の内部売上高又は振替高を除いた外部顧客に対する売上高によっております。
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しています。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2024年3月25日締結の金銭消費貸借契約)
(1) 金銭消費貸借契約の締結日
2024年3月25日
(2) 本契約の相手方の属性
銀行
(3) 本契約に係る債務の期末残高及び弁済期限並びに当該債務に付された担保の内容
債務の期末残高 7,501百万円
弁済期限 2031年3月25日
担保の内容 無担保
(4) 財務上の特約の内容
本契約には以下の財務制限条項が付されており、これに抵触し、貸付人から請求があった場合には期限の利益を喪失し、直ちにその債務全額を返済するものとする。
① 2024年12月決算を初回とする各年度決算期の末日における借入人の連結の貸借対照表において、株主資本の合計額を2023年12月決算期の年度決算期の末日における株主資本の合計額又は前年度決算期の末日における株主資本の合計額のいずれか大きい方の75%以上に維持すること。
② 2024年12決算期を初回とする各年度決算期の末日における借入人の連結の損益計算書において、経常損益の金額を2期連続して0円未満としないこと。
(2024年3月25日締結の金銭消費貸借契約)
(1) 金銭消費貸借契約の締結日
2024年3月25日
(2) 本契約の相手方の属性
銀行
(3) 本契約に係る債務の期末残高及び弁済期限並びに当該債務に付された担保の内容
債務の期末残高 7,499百万円
弁済期限 2031年3月25日
担保の内容 無担保
(4) 財務上の特約の内容
本契約には以下の財務制限条項が付されており、これに抵触し、貸付人から請求があった場合には期限の利益を喪失し、直ちにその債務全額を返済するものとする。
① 2024年12月期以降、各事業年度の末日における借入人の報告書等に含まれる連結の損益計算書に記載される経常利益を2回連続で損失としないこと。
② 2024年12月期以降、各事業年度の末日における借入人の報告書等に含まれる連結の貸借対照表に記載される株主資本の金額を2023年12月期の末日における借入人の報告書等に含まれる連結の貸借対照表に記載される株主資本の金額以上に維持し、かつ直前の事業年度の末日における借入人の報告書等に含まれる連結の貸借対照表に記載される株主資本の金額の75%以上に維持すること。
当社グループでは、過度に人材に依存することなく、高い品質や生産性を安定的に実現できるよう、システム設計構造の共通化や共通コンポーネントの整備、及びプロジェクトの品質管理に注力しています。また高度データ解析手法とビッグデータ処理基盤の研究開発や、既存システムの分析手法及びプロジェクトに共通の設計・開発技法についての研究開発、またAI/IoT、ビッグデータ処理基盤といった新しいサービス提供に向けた研究開発にも力を入れています。当連結会計年度の研究開発費の総額
大量トランザクション・大量データを扱う分散処理基盤として整備を継続して行っており、通信処理の性能向上にも取り組んでおります。このフレームワークの特徴は、業務イベントに直結したリアルタイム処理、最小単位での情報粒度による負荷分散化、サービスの非同期連携による負荷平準化、業務プロセスの可視化、大規模システム、クラウドに適応したスケールアウト構造にあります。また、④の運用管理コンポーネントや③の画面・帳票短期開発フレームワーク&コンポーネントと連携した機能向上にも取り組んでいます。
ファイル転送やデータベース連携による、システム間のデータ連携を容易に構築し、企業システム全体の変化対応力の向上、運用の効率化を実現するためのコンポーネント群です。分散処理構成に対応し、大量のトランザクション処理、高信頼性、高可用性を実現することが可能となっています。これまでの導入・運用から得たノウハウを活用し、当期は効率化を追求した管理画面へ刷新し、運用管理機能を更に向上させています。クラウド環境での機能も実現しており、更に広範囲での活用に向けた開発を進めています。
Webアプリケーションにおけるユーザー・インターフェイスの短期開発を実現するフレームワークを複数のプロジェクトに導入し改善を続けております。また、JavaScriptによるエンタープライズ向け高速描画ライブラリやその周辺ツールを自社内で開発・オープンソース化することによりOSSコミュニティへの貢献をしながら、複数のプロジェクトへ導入しています。更にクラウドの案件増加に伴い、クラウド最適化、コンテナ技術を前提に置いたフレームワークへと進化をさせております。
分散されたシステムの運用及びアプリケーションの性能情報、障害情報を一元管理するためのコンポーネント群です。システム全体の状況把握から処理単位の詳細な性能分析まで、精度の高い情報を迅速に取得することにより、高品質なシステム運用を実現することが可能となっています。特にアプリケーションと連携した性能分析、ログ解析機能を向上させており、各プロジェクトでの活用が進んでいます。
プロジェクトに関わる全情報をデータベース化し、科学的な設計・開発・マネジメントを実現しています。単なるツールではなく、ツールの使い方まで含めた一連の仕組みを提供しています。ツールの使い方には、過去のベストプラクティスを踏まえたノウハウが詰まった使い方を定めているので、経験の少ないメンバーが使っても、最初から高いレベルでの設計・開発・マネジメントを可能とします。社外からの引き合いも多く、社外へのクラウドサービス提供と設計開発プロセス改善のコンサルテーションの提供も行っています。更に、AIを活用した設計・開発・マネジメントの高度化にも取り組んでいます。
近年の業界再編に伴う企業統合により、システムの統合・刷新のニーズが増加しておりますが、こうしたプロジェクトにおいては、既存システムの仕様書がない、設計時の担当者が不在等の要因により、顧客自身もシステムの全体像を把握していないケースがあります。これに対し、当社では、ソースコード・ログ・システム定義情報を科学的に分析し、分析結果を一元管理・可視化する仕組みを用いることでシステムの全体像を明らかにし、網羅性・確実性の高い移行計画を策定してプロジェクトを推進するアプローチを採っております。現在、AIを活用した分析の効率化・高度化に取り組むとともに、将来的なサービス化を視野に入れた技術開発を推進しております。
高度解析手法、データ可視化手法の確立を目指して研究を行っております。研究成果は複数のプロジェクトへ横展開し、最適な需要予測を組み込んだ先端システムの顧客への提供を進めてまいります。また、製・配・販が連携した品揃えや価格設定の最適化の研究にも着手しており、流通全体でのビッグデータ活用に取り組んでまいります。
ディープラーニング等を活用した画像解析、時系列データ解析、自然言語解析の研究を行っております。証票認識、ユーザーの行動解析、企業に蓄積する文書の解析など、従来手法を超えた認識精度を実現することで、AIの業務への適用を促進していきます。銀行との実証実験では融資判断で審査担当者と概ね同水準に至っており、更なる高度化と利活用方法を検討しております。また、最先端研究分野では、国内大学の医学部とワクチン用抗原探索に関する共同研究及び海外大学と農業分野での作物の病害や生育に関する共同研究に取り組んでおり、産学連携による技術高度化も進めてまいります。
IoTによりセンサーデバイスから発生する膨大なデータをリアルタイムに処理するためのエッジコンピューティング、ストリーミング処理、並列分散処理について研究を行っております。また、高品質、高可用性、高信頼性を担保するための具体的なプロダクトを選定、全体最適なソフトウエアアーキテクチャーをデザインし、いくつかのプロジェクトで実際に稼働に向けて導入が始まっています。
企業の情報システムに関連する内外の様々な脅威から保護するため、情報セキュリティに関する研究を行っております。最新技術や製品の調査・研究だけでなく、脆弱性スキャナーをゼロから開発してオープンソース化し、オープンソースと当社のノウハウを組み合わせたSIEM(Security Information and Event Management)の開発を行うなど、技術開発も積極的に進めております。特に、脆弱性スキャナーについては、スキャンした後どのように管理し、脆弱性を如何に日々の運用でなくし、リスクを低減できるかについて、現実の業務への適用に向けた取組みを実施しており、NICTやOWASPなどのセキュリティ団体とも連携しながら、推進しております。