当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
当社グループは、「常に、チャレンジ精神と誇りをもってビジネスに取り組み、技術を磨き、生産の効率化を進め、世界中のお客様が心から満足し信頼できるパートナーとして、新たな価値創造に貢献する」ことを経営理念として掲げ、半導体のテストサービスを提供しております。
半導体市場は、今後も生成AI及びデータセンター向けを中心に堅調な需要が続くと見込まれており、その影響が周辺デバイスにも波及することで、市場全体の拡大が進むものと想定しております。これに伴い、製造プロセスの高度化・複雑化が進展し、高度なテスト技術及び高付加価値なテストソリューションの重要性が一層高まっています。
このような事業環境の下、当社グループは、最先端テクノロジーを積極的に取り込み、半導体テスト技術の高度化と生産性向上を同時に追求することで、付加価値の向上を図り、日本及び台湾において、世界中のお客様に対し、多様なテストソリューションを提供してまいります。これにより、お客様の事業に継続的に貢献するとともに、従業員が成長できる企業グループを目指し、ビジョンとして、「テクノロジーの進化とともに、日本、台湾から世界中へテストソリューションを届け、お客様と従業員が成長し続ける会社を目指す」を掲げております。
この経営理念とビジョンの下、当社グループは、AI及び先端デバイスを中心とする成長分野への積極投資や日台両拠点における生産体制の最適化、スマートファクトリー化の推進といった重点施策に取り組み、成長機会の確実な取り込みと事業基盤の強化を進めてまいります。
また、当社グループは、行動規範である「Tera Probe Code of Conduct」に、サステナビリティ、人的資本及び知的財産に関する基本方針を定め、設備運用の効率化を通じた環境負荷低減など、SDGsへの取り組みを推進しております。
さらに、従業員の成長とワーク・ライフ・バランスの実現が持続的成長の基盤であるとの認識の下、人材の維持・育成を重視し、人事評価制度の高度化や技術者育成への投資拡充を進めております。ワーク・ライフ・バランスに関する取り組みについては、熊本県「ブライト企業」及び横浜市「よこはまグッドバランス賞」の認定を受けており、引き続き、働きやすい職場環境づくりに取り組んでまいります。
当社グループは、創業以来培ってきた高度な半導体テスト技術を通じて、社会のあらゆる場面で使用される半導体製品の品質と信頼性を支え、安全で快適な社会の実現に貢献してまいります。
当社グループは、高い収益性の確保と企業価値の向上を目指しており、その指標として売上高営業利益率と自己資本利益率(ROE)を重視しております。さらに、限られた経営資源を有効に活用し、資本効率の向上を図るため、投下資本利益率(ROIC)も重要な経営指標として位置付けております。
売上高営業利益率については、20%台前半の水準を安定的に維持するとともに、さらなる向上を図ってまいります。ROEについては株主資本コスト、ROICについては加重平均資本コスト(WACC)をそれぞれ上回る水準を維持することを目標としております。
当社グループが属する半導体市場は、AI向け半導体を中心とした需要拡大を背景に、市場規模が一段と拡大しており、世界的に半導体生産能力の増強が進んでおります。
一方で、地政学リスクを背景としたサプライチェーン再編の動きは継続しており、生産拠点の多元化が進展しております。このような状況のもと、日本においても生産能力の拡充や先端半導体の生産基盤整備が進み、国内半導体市場のさらなる拡大が期待されております。
こうしたデバイスの微細化及び実装技術の進化が進む中、製品品質や信頼性を確保するためのテスト工程の重要性は一層高まっており、テストサービスに対する顧客の要求も多様化しております。
これらの事業環境を踏まえ、当社グループは、顧客の幅広いニーズに迅速かつ的確に応える体制を整備するとともに、品質・技術力の向上及び生産能力の強化を通じて顧客との信頼関係を一層深化させ、企業価値の向上を図るため、以下の①から④を特に優先的に対処すべき課題として取り組んでまいります。
当社グループは、AI及び先端デバイス分野を中心とした高付加価値領域における需要拡大を重要な成長機会と捉え、これらの分野におけるビジネス獲得を積極的に進めております。
また、顧客の需要動向を的確に把握しつつ、必要に応じた設備投資を継続的に実施することで、安定性と柔軟性を兼ね備えた生産体制の構築に取り組んでおります。
さらに、地政学リスクを背景としたサプライチェーン再編の動きに対応し、テストに関連する付加価値サービスの提供を通じて新たな需要の取り込みを図るとともに、日本国内における半導体投資拡大の流れを確実に捉え、国内需要の着実な獲得を進めております。
これらの施策により、継続的かつ安定的な業績の向上を目指してまいります。
② 生産性・品質の向上
当社グループは、スマートファクトリー化を推進し、オペレーションの自動化、データ活用、AI技術の導入を全社的に進めることで、生産能力の最大化と高品質かつ高効率な生産環境の構築に取り組んでおります。
これにより、設備稼働状況やテストデータの可視化・分析を通じて、歩留まりの改善、リードタイムの短縮、設備停止時間の低減等を実現し、生産活動の高度化を図っております。
さらに、高度な信頼性と迅速な対応が求められる先端製品分野や車載分野においても、先端技術を駆使したプロセス管理と品質保証体制の強化により、安定した品質と高い生産効率を両立させ、持続的な競争力の強化に取り組んでまいります。
③ 人材の確保・育成
半導体業界における人材不足が続く中、当社グループでは、エンジニアを中心とした専門人材の確保及び育成を、成長戦略を支える重要課題と位置づけております。
この課題に対応するため、計画的な教育プログラムの拡充や若手エンジニアの早期戦力化を進めるとともに、多様な人材が能力を最大限に発揮できる職場環境の整備を行っております。
また、業界全体で進められている人材育成の取り組みとも連携し、社内外の知見やリソースを活用することで、人材基盤の強化を図っております。
これらの取り組みを通じて、人材の定着を促進しつつ、将来を見据えた人材育成を継続してまいります。
④ 環境・社会・ガバナンス(ESG)への取り組み
半導体関連企業として、環境負荷の低減や責任あるサプライチェーンの構築は不可欠な課題であります。当社グループは、省エネルギー及び省資源活動を継続し、事業活動に伴う環境影響の低減に努めております。
また、当社グループの行動指針である「Tera Probe Code of Conduct」において、ESGに関する基本的な姿勢を定め、環境保全、社会貢献、人権尊重などへの取り組みを進めるとともに、ガバナンスの強化を通じて、持続可能な企業運営の実現を目指しております。
今後も、社会の信頼に応える企業として、ESGの各分野における取り組みを着実に推進してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方、及び取り組みは、次の通りです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、サステナビリティに関する取り組みを、中長期的な企業価値向上の観点から、経営の重要課題と認識しております。当社は、行動規範である「Tera Probe Code of Conduct」にサステナビリティ、人的資本、知的財産に関する基本方針を定めており、TPWを含む全従業員に対して内容の周知し及び定期的な教育を実施しております。また、環境方針、労働安全衛生方針、教育方針、人権方針などの各種方針を定め、それぞれに基づく取組みを推進しております。
サステナビリティに関連する取り組みや評価に関しては、環境管理委員会及び全社安全衛生委員会で審議するとともに、重要事項が発生した場合は、週1回開催の執行役が出席する経営会議で、報告、議論し、その中でも特に重要な事項は取締役会に報告しております。
(2) 戦略
① 気候変動に関する取り組み
当社グループの主たる業務である半導体テストでは、生産設備の稼働に多くの電力を要することから、地球環境への負荷低減を重要課題と位置づけ、省エネルギー・省資源の取り組みを通じて持続可能な社会の実現を目指しております。
こうした課題に対応するため、生産設備の稼働効率向上を柱に、低炭素型設備(省電力・高効率・省スペース)の導入や運用の最適化を進め、温室効果ガス排出量の削減に努めております。具体的には、お客様から中長期の生産計画をご提供いただき、効率性の観点から稼働設備を選定するとともに、未使用設備の通電停止を徹底するなど、電力使用の抑制を図っております。また、これらの取組みを科学的根拠に基づき進めるため、2025年5月に国際的な気候変動イニシアチブであるScience Based Targets initiative(SBTi)より、「NEAR-TERM SCIENCE-BASED TARGETS」の認定を取得いたしました。
今後も、エネルギー効率の向上を通じて環境負荷の低減に取り組んでまいります。
② 人材の育成及び社内環境整備に関する方針
当社グループは、国籍や性別等にとらわれることなく、優秀な人材を計画的に採用しております。人材の定着を図るため、成長度に連動した人事評価制度を導入するとともに、キャリアに応じた階層別研修及び職種・部署別研修の充実を進め、従業員の就業意欲の向上を図っております。また、各種休暇制度の運用及び在宅勤務が可能な環境の整備により、ワーク・ライフ・バランスに配慮した、多様な人材が働きやすい職場環境の構築を推進しております。
なお、当社は従業員の国籍や性別による採用基準の差異は設けておりませんが、女性技術者及び女性管理職の比率は依然として低い水準にあります。このため、新卒採用活動の見直し、次期管理職世代に対する教育の推進及び女性が活躍しやすい環境の整備等を進めてまいります。
また、九州事業所を置く熊本県では、半導体関連投資の拡大に伴い、人材獲得競争が激化しております。こうした事業環境を踏まえ、外国籍従業員の積極的な採用にも取り組んでおります。
(3) リスク管理
当社は、グループ経営に関するさまざまなリスクを審議するためのガバナンス体制を構築しており、サステナビリティ関連のリスク及び機会についても、その他経営上のリスク及び機会と一元的に管理しております。ガバナンス体制については、
その他、コンプライアンスヘルプラインの設置により、匿名で社内外の窓口へ通報できる制度を導入し、不祥事やハラスメント行為などのコンプライアンス違反の早期発見、未然防止、従業員の保護等のリスク対策を行っております。
(4) 指標及び目標
① 気候変動に関する目標及び実績
当社は、気候変動への対応を経営上の重要課題と位置づけております。上記のとおり、2025年5月にSBT認定を取得し、GHG排出量の削減を推進するとともに、その取り組み状況を適切に開示しております。
当社グループのGHG排出量削減目標
GHG排出量実績 (単位: tCO2)
当社は、事業拡大に伴う設備増強の影響を踏まえつつ、2025年よりGHG排出量削減の取り組みを本格化しております。設備稼働の最適化や各種省エネルギー施策の強化に加え、九州事業所においては太陽光発電設備の導入を予定しております。目標達成に向け、エネルギー使用の効率化を一層推進してまいります。
② 人材の育成及び社内環境整備に関する目標及び実績
現時点で具体的な目標数値は定めておりませんが、以下の指標も重要と認識しております。
(注) 1.2025年12月31日時点
2.275名中137名達成(2024年4月1日時点の在籍者数であり、パート従業員、期中の中途採用者及び退職者は除く)
なお、上記の指標及び目標について、現状海外子会社は含まれておりませんが、
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、各リスクが顕在化する可能性の程度及びその影響額につきましては、合理的な想定は困難ですが、当社グループは、これらのリスクの発生の回避及び発生した場合の対応に努めており、その対応策は以下に記載のとおりです。
なお、以下に記載した事項は、当社グループのすべてのリスクを網羅するものではありません。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 経済状況・市場環境について
当社グループが業務を受託する半導体製品は、スマートフォンなどのモバイル機器やPC、デジタル家電、車載用途、並びにAI関連機器など幅広い分野で使用されております。これらの最終製品の市場動向、顧客の生産動向、同業他社との競争、貿易摩擦、為替相場の変動といった当社グループを取り巻く経済状況の変化は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、今後も需要拡大が見込まれるAIや先端デバイスのビジネス獲得に積極的に取り組み、保有設備の安定稼働のさらなる向上を目指してまいります。また、スマートファクトリー化の推進やAI技術の活用を通じて、生産性の向上、業務の効率化及び費用削減に継続して取り組んでまいります。
② 資金について
当社グループの事業は、多額の設備投資を必要とする構造にあり、事業拡大に向けて継続的な設備投資を見込んでおります。また、設備投資に加え、借入金の返済やM&Aに係る資金需要が生じる可能性もあります。これらの資金需要に対し、経済環境の急激な変動等により必要な資金を確保できない場合や、資金調達コストが上昇した場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。現時点では当該リスクが顕在化する可能性は低いと認識しておりますが、引き続き一定水準の手元資金を維持するとともに、投資判断の慎重化を通じて財務の健全性確保に努めてまいります。
③ 技術革新の影響について
当社グループの属する半導体業界は、技術革新の速度が非常に速く、製品の高機能化や用途の多様化が急激に進展するという特徴があります。このため、新たな技術開発や製品仕様の変化がなされた場合、当社グループの保有する設備や技術が陳腐化する可能性があり、その場合、設備の処分や新規投資に伴う費用が発生するなど、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループでは、技術動向の的確な把握に努めるとともに、事業戦略に即した設備投資及び技術開発を推進してまいります。
④ 自然災害等について
当社グループの事業拠点は、主に神奈川県横浜市港北区、熊本県葦北郡芦北町及び台湾新竹縣湖口郷に立地しており、当地及びその周辺で地震、台風等の自然災害、事故、感染症の流行、又はその他当社グループがコントロールできない事象が発生した場合、操業の停止等様々な損害を受け、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループはBCM(事業継続マネジメント)活動に取り組んで損害の影響軽減に努めており、さらに損害保険にも加入しております。しかしながら、考えうる全ての損失について保険に加入しているわけではなく、当社グループの受ける損失の全てが保険により補填される保証はありません。なお、各事業拠点において、近年発生した地震、台風等の自然災害によって受けた被害は、一時的及び限定的なものです。
① 特定顧客への依存について
当社グループが業務を受託している大手顧客のいずれかが、当社グループへのテスト業務の委託等を大きく減少させた場合、又は何らかの理由により顧客の事業環境に大きな変化が生じた場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、顧客の多様化及び新規顧客の開拓に取り組んでおります。また、スマートファクトリー化やAI技術の活用を通じて生産性と品質の向上を図り、市場競争力の強化に努めております。さらに、先端製品分野及び車載分野におけるプロセス管理と品質保証体制の高度化を進めるとともに、単なるテスト受託にとどまらない高度な技術的ソリューションを提供することで付加価値を高め、顧客との中長期的な取引関係の維持・深化並びに継続的な受注の確保につなげてまいります。
② 海外事業について
当社グループは、台湾に拠点を有する連結子会社TPWの売上高が、グループ全体の約75%を占めております。台湾は世界的な半導体生産の中心地であり、顧客の自社工場や生産委託先も多数所在しております。そのため、世界的な保護主義の進展に伴う顧客の生産体制の見直し、地域紛争の発生、政治経済情勢の悪化、法令・規制の変更、治安の悪化等が生じた場合には、当社グループの事業活動に支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループでは、TPWとの緊密な連携のもと、現地の政治経済動向や法制度改正等に関する情報の収集及び共有に努めております。また、事業継続マネジメント(BCM)の一環として、グループ内におけるテストプラットフォームの共通化を推進し、TPWにおいて生産停止等の事態が生じた場合であっても、優先度に応じて九州事業所にて受託可能な体制を整備しております。
③ 減価償却費及び固定資産の減損について
当社グループは、半導体のテスト受託を主な事業としており、受託量や受託対象製品の増加に際しては、半導体検査装置等への投資が先行し、これを数年にわたり回収する事業構造となっております。このため、当該装置を中心に多額の固定資産を保有しており、固定的費用である減価償却費の費用全体に占める割合が高くなっております。顧客需要が低迷した場合には、売上高に応じて費用を機動的に削減することが難しく、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、固定資産の連結貸借対照表計上額については、会計基準に基づき、必要に応じて将来キャッシュ・フローを見積り、回収可能性を評価しております。稼働率の低下等により将来キャッシュ・フローの見込みや割引率(加重平均資本コスト)が変動し、十分な回収可能額が確保できないと判断された場合には、減損損失の認識が必要となり、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、投資判断を慎重に行うとともに、保有設備の稼働状況を継続的に確認し、その必要性を検証しております。需要減少により稼働率が著しく低下した場合には、他顧客の獲得により稼働改善を図り、それでも改善が見込まれない設備については、早期の売却等を検討し、投資回収の促進及び維持管理費の削減に努めてまいります。
④ 人材の確保について
当社グループの円滑な事業運営には、各分野における優秀な人材の確保が不可欠です。しかしながら、人材獲得競争の激化により、新規採用が計画どおり進まない場合や優秀な人材が流出した場合には、事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社日本拠点が所在する熊本県においては、半導体関連投資の拡大を背景に人材需給が逼迫しており、人材確保の難易度上昇や人件費の増加が見込まれます。当該リスクに対し、当社グループは、国籍や性別にとらわれない多様な人材の採用を進めるとともに、意欲ある人材を積極的に受け入れ、半導体分野に関する教育・研修の充実を通じて戦力化を図っております。あわせて、AI等の活用を推進し業務効率の向上を図ることで、生産性を高めるとともに必要人員の適正化にも取り組んでおります。さらに、各種休暇制度の整備や在宅勤務環境の構築など、働きやすい職場環境の整備を通じて人材の定着を図ってまいります。
⑤ 特定サプライヤーへの依存について
当社グループは、事業に使用する設備及び治工具等を多数の取引先から調達しております。しかしながら、その一部には特定の供給元からのみ入手可能なものが含まれているため、需給の逼迫による供給能力の不足、供給元における事故や操業停止、又は供給の中止等が生じた場合には、必要な設備及び治工具等を適時に確保できない可能性があります。また、調達が可能な場合であっても、調達価格の大幅な上昇等により事業活動に支障が生じ、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、供給元との継続的な情報共有及び関係強化を図るとともに、BCP(事業継続計画)の観点から、供給元が複数拠点で生産可能な体制を有しているかを確認するなど、調達リスクの低減に努めております。加えて、日台両拠点においてテストプラットフォームの共通化を推進しており、設備や治工具の相互活用を可能とする体制を構築することで、安定的な事業運営の確保を図ってまいります。
⑥ 顧客資産管理について
当社グループは、顧客の製品である半導体ウエハを預かって業務を行っており、また顧客の資産であるプローブカードや検査装置等を借用する場合があります。これらの製品並びにプローブカード及び検査装置等は高価であり、その取り扱いには細心の注意を払っておりますが、事故等によりこれらを破損した場合には、その損害を負担する可能性があります。当社グループでは保険を付すことにより一定の備えを行っておりますが、すべての損害が補償されるものではありません。また、顧客資産の破損により顧客からの信頼を損ない、業務の受託が減少する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、従業員への継続的な教育の実施やヒューマンエラーが発生しにくい作業環境の整備を進め、事故等の未然防止に努めております。また、万が一作業ミスや顧客資産の破損等が発生した場合には、速やかに事実関係を把握し顧客へ報告するとともに、分析及び原因究明を行い、必要な対策を講じております。さらに、その内容を社内で共有し再発防止を徹底することで、顧客からの信頼の維持・回復に努めております。
⑦ 情報管理について
当社グループは顧客からの業務受託にあたり、テストプログラムなど顧客の重要情報を取り扱っております。当社は、安定したサービスを提供し続けられる情報システムの構築と運用に努め、情報管理を徹底しておりますが、不正アクセスによる情報漏洩やシステム障害等が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループでは、社内規程の整備や従業員教育の実施等により、情報セキュリティ意識の向上及び侵入リスクの低減を図っています。加えて、システム面においても、ネットワークアクセスの制限、通信の暗号化、不審なプログラムの挙動を早期に検知・対処する仕組みの導入など、技術的な対策を講じております。また、すべての損害を補償するものではありませんが、サイバー攻撃等により生じる損害に備え、保険への加入を行っております。
⑧ 品質について
当社グループは顧客からの業務受託にあたり、要求された品質を満たすべく注力しております。しかしながら、万一これを満たせない事態が生じた場合には信用を失い、業務受託が減少し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループでは、作業の自動化や自動搬送ロボットの導入等によるスマートファクトリー化を推進し、作業ミスの防止と業務品質の継続的な向上に努めております。また、作業ミス等が発生した場合には、速やかに分析及び原因究明を行い、対策の検討やリスク検証を経て適切な措置を講じております。さらに、その内容を水平展開し、有効性を検証することにより、再発防止を図っております。
① 親会社グループとの関係について
当社の親会社はPowertech Technology Inc.(以下「PTI」といいます。)であり、PTIはグループ全体で当社株式の60.70%の議決権を保有しております。また、2025年12月31日時点において、同社グループの役職員3名が、当社の取締役を兼任しております。現状において、当社グループとPTIグループとの間で競合関係は生じておらず、当社顧客への営業その他の事業活動において、当社グループがPTIグループに依存する関係にはありません。しかしながら、PTIグループは当社の議決権の過半数を保有していることから、同グループによる当社株式の株主権の行使が、当社の他の株主の利益と一致しない可能性があります。当社では、独立社外取締役を含む取締役会において重要事項の審議・決定を行うことにより、経営の独立性及び少数株主の利益の保護に配慮した意思決定に努めております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績の状況
当連結会計年度において、一部顧客の車載向けロジック製品が低調に推移したものの、サーバー向け及びAI関連製品における旺盛な需要の継続に加え、特定顧客向けEV製品の取引拡大により、当社グループの売上高は前年同期を上回り、41,746百万円(前年同期比12.5%増)となりました。
費用面では、用力費や人件費などのコスト増があった中、売上の伸びがこれらを吸収し、営業利益は8,893百万円(前年同期比28.0%増)、経常利益は8,750百万円(前年同期比24.9%増)と、いずれも前年同期比で増益となりました。
一方、親会社株主に帰属する当期純利益については、前年同期に計上した固定資産売却益の減少や、法人税等の見直しの影響により、3,367百万円(前年同期比4.0%減)となりました。
なお、当連結会計年度において、法人税等2,871百万円、非支配株主に帰属する当期純利益3,584百万円を計上しております。
当社グループの当連結会計年度の売上高の製品別内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は100,572百万円となり、前連結会計年度末比25,215百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が2,681百万円、売掛金が1,512百万円、未収入金が1,323百万円、有形固定資産が19,211百万円それぞれ増加したことによるものです。
(負債)
負債は40,644百万円となり、前連結会計年度末比19,210百万円の増加となりました。これは主に、一年以内返済予定の長期借入金が4,439百万円、長期借入金が10,840百万円増加したことによるものです。
(純資産)
純資産は59,928百万円となり、前連結会計年度末比6,004百万円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益3,367百万円計上の一方で剰余金の配当1,000百万円を実施したこと等により利益剰余金が2,367百万円、為替換算調整勘定が682百万円、非支配株主持分が2,932百万円それぞれ増加したことによるものです。
① 生産実績
当社グループの生産品はその大部分が入庫後すぐに顧客のもとへ出荷されているため、生産実績は販売実績とほぼ同額となります。従いまして、生産実績の記載はしておりません。下記③販売実績をご参照ください。
② 受注実績
当社グループの取引形態においては、当月の受注のほとんどが、同月中に出荷完了しているため、受注実績は販売実績とほぼ同額となります。従いまして、受注状況の記載はしておりません。下記③販売実績をご参照ください。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメントの名称を半導体テスト事業として記載しております。
(注)1.当連結会計年度において、前年同期と比較して、半導体テスト事業の販売実績が著しく増加しております。これは、サーバー及びAI関連製品の旺盛な需要の継続及びEV向け製品の取引拡大によるものです。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
なお、当該割合が100分の10未満の場合は記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は12,171百万円となり、前連結会計年度末比3,481百万円の増加となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ2,672百万円増加し、20,140百万円の純収入となりました。これは主に、減価償却費の計上13,836百万円、税金等調整前当期純利益9,824百万円により資金が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ14,067百万円減少し、28,677百万円の純支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出29,780百万円により資金が減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ15,397百万円増加し、11,838百万円の純収入となりました。これは主に、借入金の返済による支出が長短合わせて4,758百万円、配当金の支払999百万円、非支配株主への配当金の支払1,309百万円により資金が減少した一方、既存借入金の借り換え及び返済として、借入金による収入が長短合わせて19,283百万円あったことにより資金が増加したことによるものです。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、半導体のテスト受託を主な事業としており、この事業は受託量の増加や受託対象製品の増加に際して、使用する検査装置等の投資が先行し、数年にわたって回収していく構造となっております。従って、所要資金の調達については、長期借入金等の長期安定的な調達方法を取ることに留意しております。この結果、キャッシュ・フローに関し、営業活動によるキャッシュ・フローにおいては減価償却費が、投資活動によるキャッシュ・フローについては新規設備投資による支出が、財務活動によるキャッシュ・フローにおいては長期借入金等の長期有利子負債の増減が、それぞれ主な構成要素及び変動要因となっております。
手許流動性、すなわち、現金及び現金同等物の水準については、業績の変動に対応するため、連結売上高の3ヶ月分以上の確保が望ましいと考えております。当連結会計年度末においては、現金及び現金同等物の残高は12,171百万円であり、当連結会計年度売上高の約3.5ヶ月分を確保しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たり用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上高営業利益率と自己資本利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)が重要であると認識しております。
当連結会計年度において、売上高営業利益率は21.3%、ROEは8.6%、ROICは8.1%(注1)となりました。株主資本コストは10.4%~12.4%(注2)、WACCは7.8%~9.2%と算出しており、ROEは株主資本コストを下回る水準、ROICはWACCと概ね同水準となっております。継続的な収益性の改善を通じて、ROE及びROICの向上を図ってまいります。
なお、過去5年間における売上高営業利益率、ROE及びROICの推移は、下記のとおりです。
(注)1.ROICは下記の計算式で算出しています。
(経常損益 + 支払利息) × (1 - 実効税率) / (有利子負債 + 純資産)
2.株主資本コストの算出に用いた各数値は下記のとおりです。
リスクフリー・レート:2.0%、ベータ:1.4~1.7、市場リスクプレミアム:6.0%~6.1%
当社グループの売上高は、半導体のテスト受託を中心としており、顧客の生産動向により経営成績が影響を受ける可能性があります。詳しくは「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
なお、当社グループにおける研究開発活動は、テスト受託業務に関連した事項が中心であり、事業活動に密接に関わる内容であるため、これらの研究開発に係る費用は売上原価として処理しております。