文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
先行きが不透明で将来の予測が困難であるVUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)の時代では、当社グループを取り巻く社会課題は多様化・複雑化しており、今後10年先を見据えると、社会環境や社会構造の変化、テクノロジーの進化などによって、事業環境は大きく変化していくものと想定されます。
このような状況の中、当社グループでは、安定的な経営の実現と持続的な成長を遂げていくために、2024年12月に当社が優先して取り組むべき7つのマテリアリティ(重要課題)を以下のとおり特定いたしました。また、2035年に目指す姿を「革新的な技術と多様なプロフェッショナルの共創により、人と地球の未来を創る総合コンサルティング企業」と定めました。
7つのマテリアリティ(重要課題)
〔事業活動におけるマテリアリティ〕
1)未来を支えるレジリエントなインフラ整備と地域共創
2)持続可能な脱炭素・循環型社会への貢献
3)地球環境の保全と自然共生社会の実現
4)人々の健やかで安全・安心な暮らしへの貢献
〔組織活動におけるマテリアリティ〕
5)チャレンジ精神あふれる多様な人財の確保・育成と魅力ある職場づくり
6)ガバナンスの高度化と経営基盤の強化
7)イノベーションと組織連携強化による成長基盤の形成
このマテリアリティに対応し、2035年に目指す姿を実現するために、2025年から3か年の第6次中期経営計画を策定し、「DX推進と共創による新たな価値創造に向けた変革への挑戦」をスローガンに掲げ、以下の5つの戦略を成長戦略の大きな柱として設定し、全社一丸となってそれぞれの具体的施策に取り組んでおります。
①事業戦略
重点事業分野に経営資源を投入し、DXの推進等によるビジネスモデルの変革と社内外の多様なプロフェッショナルの共創によりイノベーションを創出してまいります。また、IoT・ロボット・AI等の先端技術の利活用を通じて新たな価値を創造し、独自性・優位性を確立するとともに、民間・個人向けサービスやものづくりにおいても取り組みを強化し、市場プレゼンス(受注、売上、認知度など)の拡大を目指してまいります。
②DX戦略
AI関連の技術開発やデジタル技術の利活用を積極的に推進し、新規事業の創出や市場展開の加速、社内外の共創を通じて、ビジネスモデルの変革を進めてまいります。また、DX人財の確保・育成や社内業務・人財情報の統合的な活用を進め、業務の生産性向上や組織の最適化、適材適所の人財配置、企業文化や組織風土の変革を推進してまいります。
③人事戦略
経営戦略に沿った適正な人財の配置や、人財の確保・育成などの人的資本投資を通じて、戦略的・機動的な生産体制を構築してまいります。また、多様な人財が自身の専門性や強みを活かして活躍できる社員一人ひとりが働きがいのある職場環境を整備し、ウェルビーイングの向上を図ることで、組織と社員がともに成長し続けられる会社を目指してまいります。
④財務戦略
各戦略を果敢に実行していくための新規事業及び事業拡大に向けた技術開発や調査・分析機器の整備など、成長・注力分野に向けた投資のほか、基幹系システムやサイバーセキュリティ対策に関するIT基盤整備など、経営基盤強化に向けた投資を積極的に実施してまいります。また、事業部門における事業分野の選択と集中及び資本効率の向上にも取り組んでまいります。
⑤サステナビリティ戦略
サステナビリティ経営の推進における重点的な取り組みとして、ガバナンス体制及び内部統制の高度化による経営基盤の強化やIR・SR活動の充実に注力するとともに、カーボンニュートラルの実現に向けたCO2排出量削減や資源循環など環境負荷低減の取り組みを推進してまいります。これらを通じて、ステークホルダーとのより深い信頼関係を構築し、持続可能な社会への貢献と企業価値の向上に取り組んでまいります。
また、当社グループは、社会基盤整備や環境保全に関わる「企画、調査、分析・解析、予測・評価から計画・設計、対策・管理」にいたる全ての段階において、ワンストップでお客様のニーズに合わせたサービスを迅速に提供できる特色を強みに、技術力の総合化・多様化・差別化を図り、社会の要請にこたえてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) サステナビリティに関する考え方
当社グループの経営ビジョン「安全・安心で快適な社会の持続的発展と健全で恵み豊かな環境の保全と継承を支えることを通じて社会に貢献する」は、日々の事業活動を通じて「自然と社会とが調和した未来」を目指すという、企業としての使命や将来に向けての意思を表現しており、当社グループが考えるサステナビリティは、この経営ビジョンそのものと考えています。
当社グループでは実効性・透明性の高いガバナンスをもとに、中長期的な視点で社会や環境に関わる課題に向き合い、様々な課題を解決していくことにより、持続可能な社会や自然環境のもたらす恵みを将来世代に引き継ぐことが責務であり、その取り組みがSDGs達成にも貢献すると考えています。
この考え方に基づき、当社グループではサステナビリティ推進委員会が事務局となり、当社が優先的に取り組むべき7つのマテリアリティ(重要課題)を特定いたしました。これに対応するため、第6次中期経営計画では5つの成長戦略に取り組むことで持続的な社会への貢献と企業価値の向上を目指しております。
(2) ガバナンス
当社グループでは、気候変動や人的資本をはじめとするサステナビリティに関する課題に取り組むため、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」を設置しています。同委員会では、サステナビリティに関する基本方針や施策などについて議論し、その結果は取締役会に報告がなされ、優先的に取り組むべき事項などの議論を行います。
ガバナンス体制

(3) リスク管理
サステナビリティ推進委員会では、当社グループが持続的成長と中長期的な企業価値向上を図っていくために、サステナビリティに関する課題(①気候変動、②生物多様性など環境関連、③人財の育成・確保、ダイバーシティ、人権などの人的資本など)への対応について検討します。これらのテーマに関するリスクや機会の検討を含む同委員会の活動の内容は、中期経営計画や長期的な経営戦略に反映するために取締役会において報告することとしています。
なお、組織横断的リスク状況の監視及び全社的対応は、内部統制本部の組織下に常設しているリスク管理委員会が行っており、重要なリスク情報についてはリスク管理委員会の委員長である取締役がその内容について取締役会に報告しています。
(4) 重要なサステナビリティ項目
本項目における、「1)気候変動」及び「2)人的資本 ②戦略 b社内環境整備 <健康経営>、④指標及び目標」については、提出会社の取り組み内容を記載しております。
1) 気候変動
① ガバナンス
上記「(2)ガバナンス」において記載した体制に基づき、気候変動への対応に関わるサステナビリティの取り組みを推進します。
② 戦略
気候変動に伴い将来生じる可能性があるリスク・機会について、確からしさと影響の大きさの2つの視点から、重要度の高い項目について整理しました。
このうち、「炭素税導入」と「自然災害(洪水・高潮被害)」に対しては、公的機関の将来予測結果をもとに1.5℃・2℃・4℃上昇を想定したシナリオ分析を行い、財務影響を試算しました。
a 気候変動に伴うリスクと対応
特定されたリスクについては、中期経営計画における具体的施策として、影響を受ける部門・拠点において、リスクを低減・回避するための対応を行っています。
b 気候変動に伴う機会と対応
特定された機会については、中期経営計画の重点事業分野と連動し、各事業部門が一体となって取り組みを実施しています。とくに、機会をとらえるための対応策として、関連技術の開発や実装を進めるとともに、人財の確保・育成及び営業部門・技術部門が一体となった受注活動の強化を推進しています。
c インパクト評価
重要度の高いリスクのうち「炭素税導入」と「洪水・高潮被害」に対しては、公的機関の将来予測結果をもとに財務影響を算定し、影響が最大になるシナリオにおいても、当社の財務に与える影響は軽微と判断しました。
③ リスク管理
当社では、各部門が参加するワークショップを実施し、気候変動に関するリスクと機会の特定を行いました。特定した事項は、温室効果ガス排出量の経年推移を含めモニタリングを実施しています。さらに、リスクと機会の重要度を確からしさと影響の大きさの視点で評価し、重要度が高い項目は中期経営計画における具体的施策として取り入れる等の対応を行っています。また、重要度の高いリスクに対しては、管理本部、各拠点、各事業部門、リスク管理委員会が対応を行っています。
④ 指標及び目標
温室効果ガス排出量の算定対象範囲を、事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(Scope1)と他社から供給された電気の使用に伴う間接排出(Scope2)とし、国際基準である温室効果ガス(GHG)プロトコルに準拠して算定した結果、2024年の温室効果ガス排出量は、3,222t-CO2(ロケーション基準)、3,332t-CO2(マーケット基準)となり、事業所・研究所における電気使用が約80%を占めました。
当社は研究所や化学分析室を複数所有するコンサルタント業であり、売上や従業員の増加に伴う研究施設や設備の増設により排出量も増加しやすい特徴がありますが、省エネ設備の導入等により2024年は2013年と比較して約14%削減しました(Scope2の電気はマーケット基準)。
なお、自社事業の活動に関連する他社の排出(Scope3)についても算定を行い、2024年の温室効果ガス排出量は、22,245t-CO2となりました。
温室効果ガス排出量の削減目標は、いであ単体におけるScope1とScope2の合計を2030年に2013年比30~40%削減、2050年にネットゼロと定めています。
今後についても、省エネ設備(LED照明、高効率エアコン等)の導入による電力の使用削減、事業所屋上への太陽光発電設備導入による再生可能エネルギーへの切り替え及び既存設備の更新、再生可能エネルギー由来の電力への切り替え、電気自動車及びハイブリッド車導入による燃料の使用削減等に取り組みます。
TCFD提言に基づく情報開示の詳細については、当社の
(https://www.ideacon.co.jp/sustainability/esg/environment/climate/)
2) 人的資本
① ガバナンス
上記「(2)ガバナンス」において記載した体制に基づき、人的資本への対応に関わるサステナビリティの取り組みを推進します。
② 戦略
当社グループでは「人材」を「人財」と考え、事業を行う上での重要な経営資本の一つとして位置付けています。変化する事業環境の中で企業が持続的に成長していくためには、多様な専門性や強みを持つ「人」の確保と企業を構成する「人」の成長、そして、「人」が持てる能力を最大限に発揮し、挑戦できる環境が欠かせないと考えています。このため、優先して取り組むべきマテリアリティ(重要課題)の一つとして「チャレンジ精神あふれる多様な人財の確保・育成と魅力ある職場づくり」を特定しました。
この課題への取り組みとして、専門知識・技術の習得やイノベーションを創造するための課題発見力・解決力、実行力の向上、さらには、自己啓発意欲の醸成等の「技術者としての成長」に加え、論理的思考力や倫理観・責任感、コミュニケーション能力、リーダーシップなどを基礎とした人間力の向上等の「人としての成長」を目指して、公正な人事考課制度と研修制度により人財育成を行っています。
また、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現に向けて、社員一人ひとりが情熱とやりがいをもって仕事に取り組み、組織と社員がともに成長し続けられることを目指して、社内の環境整備を推進しています。
a 人財育成
当社グループは、第6次中期経営計画の成長戦略の一つである人事戦略として、新入社員の定着と早期戦力化のための制度や研修、人事考課制度を通じた社員の成長機会創出のための人財配置、成長段階や専門分野に応じた各種研修、資格取得等の自己啓発支援、AI、DX、BIM/CIM※等に関するリスキリングプログラム、業務知識や経験をさらに深く研究し、社会貢献に繋げるための社会人大学院制度等のリカレント教育を実施し、人財育成を行っています。
これらの人財育成は、山中湖にある富士研修所(Fuji Innovation Center)を活用した研修、時間や場所に捉われないeラーニング等、目的や状況に適した受講体制を整えています。
また、人事考課制度と連動して、年1回、社員自身が仕事の現状認識や将来的なキャリア希望、その他会社に対する要望等を申告する機会を設け、その内容をもとに年2回の面談を上長と実施することで、社員のキャリア設計を支援するとともに、人事異動や職場環境の向上等に活用しています。
※Building/Construction Information Modeling, Management:建設生産プロセスのあらゆる段階で3次元モデルを活用し、全体的な生産性向上や品質向上を目指す取り組み
人材育成に関する主な制度・研修
b 社内環境整備
当社グループは、多様なプロフェッショナルの共創が企業を活性化し、社業の発展につながるものと考えています。性別や年齢に関係なく社員がその能力を最大限に発揮し、組織と社員がともに成長し続けられるように「働きやすい労働環境の整備」と「健康経営」を推進しています。
これらの取り組みの推進により、人的資本の強化・最大化を目指すとともに、ウェルビーイングの向上と生産性の向上を図っています。
<働きやすい労働環境の整備>
当社グループは、環境コンサルタント事業、建設コンサルタント事業、情報システム事業、海外事業、不動産事業の5事業で構成され、不動産事業を除く12部門と経営企画部門、技術営業部門、管理部門に多様な専門分野の社員を配置し、多様な働き方をしています。
これらの多様な専門分野の人財の定着・活躍に向けた働き方改革の施策として、業務実施体制の見直し、DXの推進等による労働生産性の向上、時差出勤や時間単位有給休暇制度の運用、在宅勤務やサテライトオフィスの活用、育児・介護・傷病等に関する休暇制度の新設・見直し、独自の育児休業制度等、柔軟な働き方がしやすい環境の整備を進めています。
また、経営トップが富士研修所で実施する集合研修や全国の研究所・支社・支店で開催する職場懇談会等において、会社の方針や現在の状況・課題等について共有し、意見交換を行うなど、経営層と社員のコミュニケーションを強化することで、組織の成長や社員の成長、チャレンジを促す組織風土の醸成、職場環境の向上等を促進しています。
なお、これらの取り組みにより当社では以下の認定を受けています。
・子育て支援に関する「くるみん」認定(厚生労働省)
・女性活躍推進に関する「えるぼし」認定(厚生労働省)
<健康経営>
当社では、「いであ健康経営宣言」を制定し、社員一人ひとりが健康で、安心して長く働ける職場づくりを通して、ウェルビーイングの向上と生産性の向上を図るため健康経営に取り組んでいます。
健康経営責任者である代表取締役社長のもと、健康経営事務局を主体として産業医を含む各事業所の安全衛生委員会と社内連携を図り、また、健康保険組合とも連携を取りながら健康経営活動を実施しています。
定期健康診断受診の徹底やストレスチェック実施に基づく社員の健康管理を中心に、受診後のフォローとして再検査や特定保健指導の受診促進、ストレスチェック集団分析結果の活用等の施策を展開しています。また、これらの施策に加え、ウォーキングイベント、健康チェックイベント、社内サークル活動支援等、社員の積極的な参加を促す健康管理・増進のための様々な取り組みを実施しています。
健康経営に関するその他の取り組みや実績については、当社の
(https://www.ideacon.co.jp/sustainability/esg/social/employees/kenkokeiei/)
なお、これらの取り組みにより2020年から継続して健康経営優良法人認定を受けています。
③ リスク管理
上記「(3)リスク管理」において記載のとおり、対応を行っています。
④ 指標及び目標
上記「②戦略」の記載について、人的資本に係る当社の指標及び目標は次のとおりです。
(注)1 技術士、博士、RCCM、港湾海洋調査士、土木施工管理技士(1級・2級)、環境計量士、気象予報士、環境アセスメント士、生物分類技能検定(1級・2級)の取得者数(延べ)
2 経済産業省・情報処理推進機構が策定したデジタルスキル標準に準拠した社内研修プログラムを修了した社員数(2025年のプログラムは2026年3月に終了予定)
3 2025年1月から2025年12月の復職者の実績
4 実績値はそれぞれの指標の最新の集計
当社グループの事業の状況、経理状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、以下のようなものがあります。あわせて、必ずしもそのようなリスクと考えていない事項につきましても、投資家の判断にとって重要であると当社が考える事項につきましては、積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社グループはこれらリスクの発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載は当社株式への投資に関する全てのリスクを網羅するものではないことにご留意ください。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 官公庁及び公益法人への高い受注依存
当社グループは主として社会基盤の形成と環境保全の総合コンサルタントとして、環境コンサルタント事業、建設コンサルタント事業、情報システム事業、海外事業、不動産事業を営んでおります。
売上高を顧客で分類した場合、官公庁及び公益法人からの受注によるものが8割以上を占めることから、公共事業関係費全体や当社グループ関連技術分野に係る予算の増減もしくは予算執行の制約により、受注額、ひいては売上額が増減し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 主要拠点の災害による事業活動への影響
当社グループの主要拠点(札幌、仙台、福島、高崎、東京、横浜、新潟、静岡、名古屋、大阪、広島、高知、福岡、那覇)の中には、大規模地震到来の危険性が指摘されている地域が含まれております。当社グループはこのような自然災害に備えて防災管理体制を強化しておりますが、災害の規模によっては、主要設備、試料、データの損傷等により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 成果品に関する瑕疵(契約不適合)
当社グループでは、品質保証システムISO9001を導入するとともに定期的かつ厳格な照査等を実施することにより、常に品質の確保と向上に努めております。また、万が一瑕疵(契約不適合)が発生した場合に備えて、建設コンサルタント損害賠償責任保険に加入しております。しかしながら、当社グループの成果品に瑕疵(契約不適合)が発生し、多額の賠償請求を受けた場合や指名停止等となった場合には、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 法的規制
当社グループは事業活動を行う上で、独占禁止法、中小受託取引適正化法、個人情報保護法等の様々な法規制の適用を受けております。これらの法規制の遵守を徹底するため、すべての役員及び従業員が、企業行動規範の基本原則である「法令の遵守」の精神を理解し、公正で透明な企業風土の構築に努めております。また、取締役を委員長とするコンプライアンス委員会を常設して、社内規程・マニュアルや運用体制を整備し、当社グループ全体での厳格な運用に努めております。しかしながら、万が一これらの法規制を遵守できなかった場合には、社会的な信用や評価等が低下することにより、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、主務官庁から建設コンサルタント登録や計量証明事業所登録をはじめとして、様々な許認可を受けて事業を行っていることから、許認可の根拠となる各法令等を遵守し、許認可等の更新に支障が出ないよう、役職員の教育等に努めております。しかしながら、役員が罰金以上の刑に処されることその他何らかの理由により許認可が取消されるもしくは更新ができない状態が発生した場合または関連法規が改廃されるもしくは新たな法的規制が設けられる場合には、当社グループの事業展開に制約が生じ、経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、現時点において、当社グループは以下の登録取消事由に抵触しておりません。
⑤ 情報セキュリティ
当社グループは公共性の高い事業活動を行っているため、個人情報等様々な機密情報を取り扱っております。当社グループでは「情報管理規程」を制定するとともに「情報管理委員会」を設置し、全社的な情報管理体制を構築しておりますが、情報漏洩等の事故が生じた場合には、当社グループの社会的な信用や評価等が低下することにより、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 専門性の高い人材の確保
当社グループは技術部門において専門性の高い優秀な人材を採用し、養成することにより、競争優位性を確保することができると考えております。しかしながら、専門性の高い優秀な人材は限られていることから、人材の採用及び確保の競争は激化しております。当社グループの技術力や生産性の維持・向上には、このような人材の採用・養成・維持が不可欠であり、この状況によっては、技術力や生産性の低下により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループから、専門性の高い優秀な人材が競合他社に移籍した場合には、加えてその者が有する当社グループの知識やノウハウの流出により、競争力が相対的に低くなるおそれがあり、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 感染症等のパンデミックによる事業活動への影響
感染症等のパンデミックが想定を超える規模で発生し、国や地方公共団体の予算編成・執行において公共事業費の配分変更または規模縮小がなされる場合や、感染症拡大により行政機関から事業活動の一時停止等の要請がなされる場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や設備投資に持ち直しの動きがみられるなど、景気は緩やかな回復基調となりました。一方で、不安定な国際情勢や米国の通商政策、物価の上昇、金融資本市場の変動等の影響により、景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。
当社グループを取り巻く市場環境は、令和6年度の政府補正予算と令和7年度の政府予算において、防災・減災、国土強靭化対策が引き続き推進されるとともに、脱炭素社会の実現、循環経済の構築、自然資本の維持・回復・充実等の当社グループが強みを活かせる分野に重点配分されており、比較的堅調に推移いたしました。
このような状況の中、当社グループは、安全・安心で持続可能な社会の実現、コンサルタントとしての技術力の総合化・多様化・高度化、さらにはサステナビリティ経営の実現や企業価値の向上を目標に事業を推進してまいりました。
また、当社グループは、2025年から3か年の第6次中期経営計画を策定し、「DX推進と共創による新たな価値創造に向けた変革への挑戦」をスローガンに掲げ、①事業戦略、②DX戦略、③人事戦略、④財務戦略、⑤サステナビリティ戦略の5つの戦略を成長戦略の大きな柱として設定し、それぞれの具体的施策に取り組んでおります。
当連結会計年度における連結業績は、受注高は大規模な海洋環境調査やAUVの設計製作・運用支援業務等の受注が増加したことにより、前年同期比3億2百万円増加の251億2千3百万円(前年同期比1.2%増)となりました。また、売上高は再生可能エネルギー関連の環境アセスメントやAUVの設計製作・運用支援業務等の売上が増加したことにより、同3億5百万円増加の246億1千6百万円(同1.3%増)となりました。
営業利益は人的資本投資の強化による人件費等の増加に加え、将来の事業拡大に向けた重点事業分野への投資による売上原価の増加及びDX推進に関する投資等により、前年同期比6千7百万円減少の31億8千6百万円(前年同期比2.1%減)となりました。また、経常利益は同5千6百万円減少の33億6千6百万円(同1.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は同5百万円増加の23億8千1百万円(同0.2%増)となりました。なお、受注高、売上高については、それぞれ過去最高を更新いたしました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。(セグメント間取引を含んでおります。)
(環境コンサルタント事業)
同事業では、国・地方自治体等において厳しい受注競争が続いているものの、大規模な海洋環境調査や再生可能エネルギー関連の環境アセスメント、AUVの設計製作・運用支援業務や東日本大震災等からの復興に関する調査等、当社グループの強みを活かせる業務を受注することができました。
売上高は前年同期比2億2千9百万円増加の159億6千万円(前年同期比1.5%増)となりましたが、セグメント利益は人的資本投資の強化による人件費等の増加に加え、将来の事業拡大に向けた重点事業分野への投資による売上原価の増加及びDX推進に関する投資等により、同7千1百万円減少の19億8百万円(同3.6%減)となりました。
同事業の部門別業績は次のとおりであります。(外部売上高を記載しております。)
環境アセスメント及び環境計画部門におきましては、環境アセスメント分野では、港湾・空港・河川・ダム・道路等の建設に関する環境アセスメント業務を実施いたしました。また、陸上・洋上風力発電等の再生可能エネルギーの環境アセスメント関連業務、海域環境保全等に関する業務などを実施いたしました。
環境計画分野では、自然地域・都市地域における環境保全・水辺利用計画の策定、河川・湖沼・海域・湿地・森林等の自然再生、生物多様性や自然共生、ネイチャーポジティブに関する調査・検討、地域トランジション・地域脱炭素支援、多面的な水環境モニタリング及び水環境保全・利活用に関する業務を実施いたしました。また、TCFD・TNFD・水リスク等の民間企業向けのコンサルティングサービスを提供いたしました。
港湾インフラマネジメント分野では、岸壁、防波堤等の港湾施設や海岸保全施設における耐震及び津波・高潮高波対策の機能強化を目的とした基本設計・実施設計・耐震照査に関する業務を実施いたしました。
農業環境資源分野では、有明海・諫早湾等の再生に関する業務、東日本大震災関連のため池の放射性物質に関する調査業務、農業農村整備事業に係る環境調査業務、営農計画・経済効果等に関する業務、農業水利施設等の調査・計画・設計業務等を実施いたしました。
ライフケア事業分野では、「お部屋の健康診断」ビジネスや養蜂事業等を展開し、個人顧客や民間企業向けにサービスや製品を提供いたしました。
売上高は前年同期比2億6千4百万円増加の43億9百万円(前年同期比6.5%増)となりました。
環境生物部門におきましては、水域生物分野では、河川、湖沼等の陸水域から、干潟、藻場、サンゴ礁、沿岸・外洋域を対象に、魚類、底生動物、サンゴ、海草・藻類等の分布状況や生息環境の特性、生態系の構造に関する調査・解析業務を実施いたしました。環境アセスメントに関する業務として、ダムの調査・影響予測を実施いたしました。自然再生関連業務や環境DNAを用いた調査等を行いました。漁業関連業務として水産資源調査、漁業影響調査、漁業補償関連調査を実施いたしました。また、海底鉱物資源開発計画に係る外洋域の生物分析、生物・生態影響評価等の業務を実施いたしました。
陸域生物分野では、里山から山地帯、河川・海岸・離島等を対象に、植物、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、昆虫類等の分布状況や生息環境の特性、生態系の構造に関する調査・解析業務を実施いたしました。希少生物・生態系の保全業務として、クマタカ等の希少猛禽類や希少植物の調査・保全対策等を実施いたしました。外来種の駆除業務として、特定外来植物の調査・駆除を実施いたしました。環境アセスメントに関する業務として、陸上風力発電の調査・影響予測を実施いたしました。また、自然環境の3次元情報管理、衛星画像を活用した生物生息環境の調査・解析、AIを使った画像解析やゲームエンジン等の新しい技術を取り入れることにより、成果品の品質向上と業務の効率化を図りました。
生物飼育実験分野では、希少魚類の繁殖業務、スラグ材の海域生物影響実験、環境DNA技術を用いた生物調査・分析業務等を実施いたしました。
売上高は前年同期比2億3千万円減少の33億9千1百万円(前年同期比6.4%減)となりました。
数値解析部門におきましては、海域分野では、数値モデリングを用いて、閉鎖性海域及び離島沿岸域における流動・水質に関する環境アセスメント、水質・底質・生態系の物質循環、水産資源に関する予測・解析業務を実施いたしました。伊勢三河湾においては環境再生方策の検討に加え、水質環境基準の類型指定見直しのための水質予測業務を実施いたしました。また、港湾の検潮所等における海象観測データの整理・解析業務、沿岸漁業におけるスマート化推進のための漁場データ解析業務等を実施いたしました。
河川・湖沼分野では、指定湖沼及び各自治体等が管理している主な湖沼において、湖流、水質・底質、生物に関する数値モデリングを実施し、湖沼における水質保全計画策定や湖沼の流域を含む環境改善対策のための検討業務を実施いたしました。
気象解析分野では、レーダ雨量計を用いた検討業務、気候変動による河川計画見直しのための気候予測データセットの解析業務を実施いたしました。
売上高は前年同期比5千万円増加の4億9百万円(前年同期比13.9%増)となりました。
調査部門におきましては、水域調査分野では、港湾・空港・土砂処分場の整備に係る海域環境調査や発電施設に係る海域モニタリング調査、海域環境モニタリング施設の保守点検、防衛施設整備に伴う海域環境監視調査、河川の定期水質調査やダムの希少魚類に係る環境調査を実施いたしました。
海洋・水中ロボティクス分野では、AUVを用いた海底鉱物資源開発計画に伴う環境調査やAUVの研究開発・製作・運用支援業務を実施いたしました。
陸域調査分野では、ダム湖の陸域環境調査や陸上風力発電に係る環境調査等を実施いたしました。
廃棄物・土壌汚染調査分野では、自衛隊施設や自治体、民間企業の事業計画等に伴う土壌汚染、廃棄物等の調査・対策、環境リスクコンサルティングを実施いたしました。また、湖沼等の特定外来水生植物の駆除事業、未利用バイオマスの利活用調査を実施いたしました。
航空調査分野では、自社保有航空機を用いた大型海生生物調査を実施いたしました。
その他、東日本大震災に係る特定帰還居住区域の工事監督支援や中間貯蔵施設における環境監視調査、海岸保全施設・港湾施設のインフラ点検を実施いたしました。
売上高は前年同期比1億9千7百万円増加の46億5百万円(前年同期比4.5%増)となりました。
環境化学部門におきましては、環境化学分野では、水質、底質、大気質及び土壌等を対象とした環境基準項目や有害化学物質等の測定分析を中心に、ダイオキシン類や農薬等の極微量な残留性有機汚染物質(POPs)の存在状況調査、有機フッ素化合物(PFAS)の測定分析や分析法開発等を実施いたしました。また、「水銀に関する水俣条約」に関わる大気中形態別水銀の国内モニタリング及び国際支援(モニタリング技術の発展、技術者能力向上)に関する業務や脱炭素・炭素貯留関連業務を実施いたしました。
環境リスク分野では、子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)等の業務において、小児血液中重金属を測定するとともに、化学物質による人や生物への影響評価調査を実施いたしました。また、水生生物を用いた化学物質の内分泌かく乱作用のリスク評価及び試験法の開発や生態毒性試験等を実施いたしました。
食品・生命科学分野では、食品の機能性評価や成分分析、遺伝子解析、タンパク質の解析(プロテオーム解析)に加えて、糞便フローラDNA解析、希少疾患の医薬品承認のための医師主導型治験支援業務を実施いたしました。
売上高は前年同期比3千1百万円減少の28億3千3百万円(前年同期比1.1%減)となりました。
気象・沿岸部門におきましては、気象分野では、スマートフォンやナビゲーション、防災GISアプリ等への気象・海象情報やコンテンツの配信を行い、当社独自の気象予報や健康生活予報(バイオウェザー)に関する研究開発を実施いたしました。また、ダム管理降雨予測業務、道路雪氷予測業務、輸送船舶向け海象予測、プロ野球球団や工事現場、デジタルサイネージ等民間企業向けの気象情報配信を実施いたしました。
沿岸分野では、沿岸域での防災や港湾等の事業に関する解析・検討業務を実施いたしました。また、波浪・海岸変形の解析や航路埋没の対策検討、津波・高潮・高波の監視・観測・解析に関する業務を実施いたしました。
売上高は前年同期比1千6百万円減少の4億1百万円(前年同期比3.9%減)となりました。
(建設コンサルタント事業)
同事業では、国・地方自治体等において厳しい受注競争が続いているものの、防災・減災、国土強靭化などインフラ施設の計画・設計・維持管理等、当社グループの強みを活かせる業務を受注することができました。
売上高は前年同期比1千1百万円減少の73億1千5百万円(前年同期比0.2%減)となりましたが、セグメント利益は人的資本投資の強化による人件費等及びDX推進に関する投資等が増加したものの、前期に比べて外注費等の原価が減少したことにより、同2千8百万円増加の11億1千万円(同2.6%増)となりました。
同事業の部門別業績は次のとおりであります。(外部売上高を記載しております。)
河川部門におきましては、河川分野では、気候変動を考慮した河川整備基本方針・整備計画の見直し等の治水計画、特定都市河川指定や流域治水対策、洪水浸水想定、水害リスクマップ、AIを活用した洪水予測の高度化、ダムの流水管理や操作支援システムの構築、DX技術を活用した河川環境の保全を考慮した川づくりや河川の維持管理関連等に関する業務を実施いたしました。また、河川事業評価、総合土砂管理等に関する業務を実施いたしました。
海岸分野では、気候変動の影響を考慮した海岸保全施設の計画外力の見直し、維持管理の容易性や施設の長寿命化に配慮した海岸保全施設の計画、津波・高潮対策、海岸事業評価、海岸侵食対策等に関する業務を実施いたしました。
売上高は前年同期比1億3千万円増加の20億4千2百万円(前年同期比6.8%増)となりました。
水工部門におきましては、河川・海岸の堤防・護岸、水門、堰、樋門・樋管、排水機場、遊水地、放水路等の河川構造物の計画・設計、大規模地震に対する河川堤防の耐震性能照査、河川施設の長寿命化計画や維持管理計画等に関する業務、砂防堰堤設計や砂防基礎調査等の土砂災害対策に関する業務を実施いたしました。また、グリーンインフラの設計やかわまちづくりの計画・設計等を実施いたしました。
売上高は前年同期比3千2百万円増加の17億5千9百万円(前年同期比1.9%増)となりました。
道路部門におきましては、一般道路及び自動車専用道路の設計、標識や排水施設等の道路付属物設計、函渠・擁壁等の道路構造物の設計、交通事故対策、事業評価やデータ解析、整備効果検討等の交通計画業務を実施いたしました。また、道路空間の安全・安心や賑わいの創出に関連する無電柱化対策(電線共同溝)、交通安全対策、まちづくり関連業務、照明や標識等の道路施設点検業務、能登半島地震や奥能登豪雨による災害復旧業務を実施いたしました。その他、建設マネジメント業務等を実施いたしました。
売上高は前年同期比1億3千3百万円増加の16億7千7百万円(前年同期比8.7%増)となりました。
橋梁部門におきましては、鋼橋・コンクリート橋等の設計、維持管理・長寿命化計画、点検・診断・評価、補修・補強、大規模修繕工事・リニューアル工事関連の設計業務等を実施いたしました。また、インフラDX関連等のデジタル技術活用業務、市町村の橋梁長寿命化修繕計画、既設橋のモニタリング業務、民間企業からの設計業務等を実施いたしました。
売上高は前年同期比3億1千4百万円減少の18億2千7百万円(前年同期比14.7%減)となりました。
(情報システム事業)
システム構築業務では、渇水対策のためのAIによるダム低水管理支援システムの構築業務、カメラ画像解析による高度流量観測システムや土石流検知システム等のクラウドシステムの構築業務、さらに次世代スマート沿岸漁業支援システムサービス業務を実施いたしました。
システム開発分野では、カメラ画像による河川水位・流量計測システム及び土石流検知システムの精度向上に向けたAI画像処理高速化システムの開発や、これらシステムのクラウドサービスへの展開、さらにデジタルツインやAIを活用した各種防災関連システムの開発を実施して、業務に活用いたしました。
システム運用支援分野では、地球観測衛星の運用支援業務、通信会社のスマートフォンサービスの技術検証支援業務を実施いたしました。
売上高は前年同期比5千1百万円増加の6億5千1百万円(前年同期比8.6%増)となり、セグメント利益は同6百万円増加の6千4百万円(同11.0%増)となりました。
(海外事業)
環境保全・創出分野では、開発途上国における海洋ごみ等の廃棄物管理、水銀管理、湖沼の水質保全、海洋・沿岸環境の保全、気候変動対策としての海洋温度差発電・深層水利活用、自然を基盤とした社会課題解決策(NbS)及び開発事業に伴う環境社会配慮に関する業務を実施いたしました。
インフラマネジメント分野では、開発途上国における水資源・洪水管理、港湾関連インフラの整備、防災能力の強化等に関する業務を実施いたしました。
売上高は前年同期比5千5百万円増加の5億5千8百万円(前年同期比11.1%増)となりましたが、セグメント損失は7百万円(前年同期はセグメント利益0百万円)となりました。
(不動産事業)
同事業においては、赤坂のオフィスビル、旧大阪支社跡地等の不動産賃貸を行いました。
賃貸物件の一部を自社利用としたため、売上高は前年同期比3千1百万円減少の2億1千2百万円(前年同期比13.1%減)となりました。セグメント利益は同2千2百万円減少の1億1千1百万円(同17.1%減)となりました。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ8億4千7百万円減少の29億2千5百万円(前年同期比22.5%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は11億9千6百万円(前年同期は40億5百万円の獲得)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益34億円、非資金支出費用である減価償却費7億5千1百万円、売上債権及び契約資産の増加額5億4千4百万円、法人税等の支払額12億6千8百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は11億2千5百万円(前年同期は11億6千万円の使用)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出8億6千6百万円、投資有価証券の取得による支出4億3千万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、使用した資金は9億1千万円(前年同期は13億6千7百万円の使用)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出2億円、配当金の支払額7億1千2百万円によるものであります。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は受注契約金額で表示しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表作成にあたっては、資産・負債、収益・費用の計上について必要に応じて会計上の見積りを行っております。この会計上の見積りは、過去の実績や現在の状況に応じて合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性を有しているために実際の結果とは異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1. 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(2) 経営成績の分析
(売上高)
売上高については、再生可能エネルギー関連の環境アセスメントやAUVの設計製作・運用支援業務等の売上が増加したことにより、同3億5百万円増加の246億1千6百万円(同1.3%増)となりました。
環境コンサルタント事業では、大規模な海洋環境調査や再生可能エネルギー関連の環境アセスメント、AUVの設計製作・運用支援業務や東日本大震災等からの復興に関する調査等、当社グループの強みを活かせる業務を受注することができたこと等により2億2千9百万円増加の159億6千万円(前年同期比1.5%増)となり、建設コンサルタント事業では、同1千1百万円減少の73億1千5百万円(前年同期比0.2%減)となりました。また、情報システム事業では同5千1百万円増加の6億5千1百万円(前年同期比8.6%増)、海外事業では同5千5百万円増加の5億5千8百万円(前年同期比11.1%増)、不動産事業では同3千1百万円減少の2億1千2百万円(前年同期比13.1%減)となりました。
(営業利益)
営業利益については、人的資本投資の強化による人件費等の増加に加え、将来の事業拡大に向けた重点事業分野への投資による売上原価の増加及びDX推進に関する投資等により、前年同期比6千7百万円減少の31億8千6百万円(前年同期比2.1%減)となりました。
環境コンサルタント事業では、人的資本投資の強化による人件費等の増加に加え、将来の事業拡大に向けた重点事業分野への投資による売上原価の増加及びDX推進に関する投資等により、前年同期比7千1百万円減少の19億8百万円(前年同期比3.6%減)のセグメント利益を計上いたしました。建設コンサルタント事業では、人的資本投資の強化による人件費等及びDX推進に関する投資等が増加したものの、前期に比べて外注費等の原価が減少したことにより、同2千8百万円増加の11億1千万円(同2.6%増)のセグメント利益を計上いたしました。情報システム事業では同6百万円増加の6千4百万円(同11.0%増)、海外事業ではセグメント損失7百万円(前年同期はセグメント利益0百万円)、不動産事業では同2千2百万円減少の1億1千1百万円(同17.1%減)のセグメント利益を計上いたしました。
(経常利益)
経常利益については、前年同期比5千6百万円減少の33億6千6百万円(前年同期比1.7%減)を計上いたしました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益については、前年同期比5百万円増加の23億8千1百万円(前年同期比0.2%増)となり、売上高当期純利益率は9.7%となりました。
当社グループの収益確保の方針は、売上高の伸長や高付加価値業務の受注及び経営の効率化による諸経費の削減を行うことであり、組織の効率化、社内ネットワークを活用した情報の有効活用、資金及び施設の有効活用を実施してまいります。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4) 財政状態の分析
(資産)
資産合計は、前連結会計年度末と比べ3億8千5百万円増加の378億3千8百万円(前年同期比1.0%増)となりました。
流動資産につきましては、主に現金及び預金の減少8億4千8百万円、受取手形、営業未収入金及び契約資産が5億4千4百万円増加したことにより、前連結会計年度末と比べ2億7千万円減少の169億9千万円となりました。また、流動比率は396.3%(前年同期は309.8%)となりました。
固定資産につきましては、主に建物の減少1億9千6百万円、建設仮勘定の増加2億2千8百万円、投資有価証券の増加6億4千万円により、前連結会計年度末と比べ6億5千6百万円増加の208億4千7百万円となりました。また、固定比率は67.9%(前年同期は70.3%)となりました。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末と比べ16億円減少の71億2千6百万円(前年同期比18.3%減)となりました。
流動負債につきましては、主に支払手形及び営業未払金の減少3億3千3百万円、未払法人税等の減少2億5千2百万円、流動負債その他の減少6億6千9百万円により、前連結会計年度末と比べ12億8千4百万円減少の42億8千7百万円となりました。
固定負債につきましては、主に長期借入金の減少2億円、退職給付に係る負債の減少9千1百万円により、前連結会計年度末と比べ3億1千5百万円減少の28億3千8百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、主に利益剰余金の増加16億6千7百万円により、前連結会計年度末に比べ19億8千5百万円増加の307億1千1百万円(前年同期比6.9%増)となりました。また、ROEは8.0%(前年同期は8.6%)となりました。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当社グループに関わる市場環境においては、特に重点的に取り組むべき課題として、以下の事項が挙げられております。
・「大規模災害からの復旧・復興」「自然災害に備えた防災・減災」「インフラの老朽化対策」「経済成長、地域創生、生産性向上のためのインフラ整備」といった国土強靱化や社会基盤整備に関する課題
・「地球温暖化による気候変動への適応」「再生可能エネルギーの活用などの適切なエネルギーバランスの実現」「地域の資源を有効に活用した循環共生型社会の形成」などの脱炭素社会・循環型社会・自然共生社会の実現に向けた課題
・「大気・水環境等の環境質の保全」「希少種保全や生物多様性の確保」「持続可能な海洋資源の利活用」などの生活環境・自然環境の保全に向けた課題
・「化学物質による環境・健康リスクの低減」「感染症リスクへの対応」など人の健康リスクに関する課題
など、このような社会的課題の解決は、国際社会における持続可能な開発目標であるSDGsへの貢献や当社のサステナブルな事業の展開にもつながっていくと考えられます。
当社グループは、これらの課題を解決し、「安全・安心で快適な社会の持続的発展と健全で恵み豊かな環境の保全と継承を支えることを通じて社会に貢献する」という経営ビジョンを達成するため、長期的な経営戦略を次のように設定しております。
<事業戦略>
・一歩先を見据えた積極的な技術開発と新規事業分野・新市場への展開
・技術の総合化・多様化・差別化によるコア・コンピタンスの創出
・価格競争力の向上と営業力強化
・官公需の受注シェア向上と民間分野への積極的な営業展開
<人材・組織戦略>
・優秀な人材の確保・育成のための基盤整備
・社会ニーズや社会構造にマッチした組織・事業構造、事業領域への転換
・関連企業の育成とパートナーシップの強化
<財務戦略>
・財務健全性の確保と資本効率性の向上
・内部統制の強化
上記の経営戦略のもと、当社グループは、2025年から2027年までの第6次中期経営計画において、「DX推進と共創による新たな価値創造に向けた変革への挑戦」をスローガンに掲げ、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の重要な経営課題に取り組むことにより、強い経営基盤の構築と安定的な成長を目指しております。
(6) 資本の源泉及び資金流動性についての分析
① キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ8億4千7百万円減少(前年同期は14億7千9百万円の増加)し、29億2千5百万円(前連結会計年度末は37億7千3百万円)となりました。
詳細につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(キャッシュ・フロー指標の推移)
(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.各指標は、下記の基準で算出しております。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・ガバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式数を控除)により算出しております。
4.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
5.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている負債を対象としております。
6.利払いは、連結損益計算書に計上されている支払利息を使用しております。
7.2023年12月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率とインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
② 資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金需要として外注費、労務費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
③ 財務政策
当社グループの資金調達としては、運転資金に関しては、手許流動性資金を勘案の上、不足が生じる場合には短期借入金による調達で賄っております。設備資金に関しては、手許資金(利益等の内部留保金)、長期借入金及び社債による調達を基本としております。
ただし、設備資金の不足が生じる期間が短期間である場合には、短期借入金による調達で賄っております。
長期資金の調達に際しては、金利動向並びに発行費用等の調達コストも含めて総合的に検討し、銀行借入と比較して有利な条件になる場合に限り、社債発行を行うこととしております。
資金の流動性については、経理部が適時に資金繰り計画を作成・更新するとともに、手許流動性の維持等により、流動性リスクを管理しております。
該当事項はありません。
当社グループにおける研究開発活動は、当社のみで行っております。当連結会計年度における研究開発費用は
(環境コンサルタント事業)
同事業における主な研究開発は以下のとおりです。
環境アセスメント及び環境計画部門においては、外来水生植物防除後の枯死・滅容技術の開発などを、環境生物部門においては、代理親魚技術(借り腹生産)を活用した新規事業の開発などを行いました。数値解析部門においては、地下水を含めた統合水循環モデルの開発などを、調査部門においては、浮体式洋上風力発電施設点検に向けた試作AUV開発などを行いました。環境化学部門においては、土壌、食品中の有機フッ素化合物(PFAS)の分析手法の開発などを、気象・沿岸部門においては、沿岸域のモニタリングのためのカメラ画像解析技術の開発などを行いました。
同事業における研究開発費用は
(建設コンサルタント事業)
同事業における主な研究開発は以下のとおりです。
河川・水工部門においては、AIを用いたリアルタイム高潮予測モデルの構築や管渠検査ロボットの開発などを行いました。道路・橋梁部門においては、多様なモビリティの活用方法の検討及び実証や水陸両用3D点検ロボットの開発などを行いました。
同事業における研究開発費用は
(情報システム事業)
同事業においては、デジタルツインを目指したWebアプリの開発や4DLiDARを活用した画像解析精度向上手法の研究・開発などを行いました。
同事業における研究開発費用は