当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「世界中の人々が安心安全に使えるサイバー空間を創造する」という経営理念のもと、前中期経営計画で掲げた目標(売上高50億円・営業利益10億円)を達成し、現在は次の成長フェーズに移行しております。AI時代の到来をかつてない追い風と捉え、アプリケーションセキュリティ領域における圧倒的なNo.1ポジションの確立を目指します。
(2)経営環境及び中長期的な経営戦略
サイバーセキュリティ業界は、AIの社会実装に伴い劇的な構造変化の渦中にあります。AIエージェントによる業務遂行の普及により通信量が急拡大し、人間のみでは対応不可能な複雑なサイバー空間へと変容しています。このような環境下、当社グループは2030年度を最終年度とする新中期経営計画において、以下の4つの戦略を推進してまいります。
①プロダクトラインの拡充
従来の主戦場であったWAF(Web Application Firewall)を起点に、アプリケーション領域内での事業ドメインを拡張します。コア領域からバリューチェーン全域へ提供価値を広げ、顧客の多様なニーズに一気通貫で応える体制を構築します。
②プロダクト×運用による提供価値の深化
プロダクト単体の提供に留まらず、「CloudFastener」を中心とした運用サービスを統合した高付加価値モデルを確立します。これにより、顧客単価の向上とLTV(顧客生涯価値)の最大化を同時に推進します。
③AIセキュリティへの集中投資
「AIの安全を守る」および「新たな脅威をAIで守る」という次世代の防衛市場において、AIセキュリティへの集中的な投資を行います。AIエージェントの挙動監視やプロンプトインジェクション防御など、AI特有のリスクに対応するプロダクト開発により、先行者優位の実現を目指します。
④M&Aによる全体成長の加速
売上高200億円の早期達成に向け、M&Aを重要な成長レバーと位置づけています。戦略的適合性と財務規律を両立させながら、顧客基盤の獲得や専門性の強化を図り、当社グループの事業成長モデルとのシナジーを創出します。
(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な経営指標
当社グループは、高い成長性と収益性の両立を重視しており、2030年度に向けた財務目標として売上高200億円、営業利益40億円を掲げております。その達成に向け、「LTV(顧客生涯価値)の最大化」を成長モデルの軸に据え、コア事業における導入企業数の拡大とクロスセルによる単価の向上を重視してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
(研究開発)
サイバー攻撃の手法が年々高度化していることから、サイバー攻撃を防御する側でも新たな技術の活用が求められております。当社グループでは、攻撃者の動機・目的・手口・行動などの分析を行う脅威インテリジェンスの活用や、当社グループが保有する膨大なデータをAIに学習させることで、様々なアクセスの中から未知のサイバー攻撃の可能性が高いアクセスを発見・検知することなど、最新のセキュリティ対策のための研究開発に取り組んでまいります。
(サービス開発への積極的な投資)
今日のサイバー攻撃は多種多様化し、新たな脅威に対する対策が求められております。当社グループ事業の根幹となるサービス開発に対する投資は、より強固なサイバーセキュリティを実現し、結果として安心安全に使える信頼性のあるサービス開発へつながるのみならず、サービスの高付加価値化から更なる当社グループ業域の拡大を目指すものであります。
(人材の確保と育成)
当社グループが中長期にわたって成長するにあたり、技術者を中心とした優秀な人材確保と育成が重要となっております。
成長性のあるセキュリティ市場の中でも、導入実績国内No.1のWebセキュリティメーカーとしての優位性があるため、現時点では優秀な人材が集まる環境が実現できておりますが、引き続き従業員が能力を最大限発揮できる体制を構築し、優秀な人材の採用と併せて育成を進めてまいります。
(サービスの認知度向上、新規ユーザーの獲得)
当社グループが今後も高い成長率を持続していくためには、当社グループサービスの認知度を向上させ、新規ユーザーを獲得することが必要不可欠であると考えております。従来、積極的な広報活動に加え、インターネットを活用したマーケティング、大手企業との提携等により認知度向上に向けた取り組みを行ってまいりましたが、今後、これらの活動をより一層強化・推進してまいります。
(セキュリティ対策の認知向上)
多くの企業では、Webセキュリティ対策としての「WAF」が未だ導入されておりません。当社グループの経営理念である「世界中の人々が安心安全に使えるサイバー空間を創造する」を実現するためには、Webアプリケーションを取り巻く脅威の内容及びそれに対する対策の必要性を正しく理解していただくことが重要であると考えております。そのため当社グループは、通常の営業活動に加え、Webセキュリティに関するセミナーをはじめとしたWebセキュリティ対策に関する啓発活動、当社グループが所持するデータに基づく統計情報などの発信により、正しいWebセキュリティ対策の認知向上と適切な対策を促す活動に取り組んでおります。
(海外展開)
海外のサイバーセキュリティ市場規模は日本と比べても非常に大きい一方で、市場全体における日本発の製品シェアは少なく、海外製品が多くを占めております。当社グループの経営理念実現に向けた中長期的な成長を見据え、日本国内だけでなくグローバルをターゲットとしながら、営業活動の推進及び開発体制強化により事業拡大を図ってまいります。また、世界各国の金融政策の動向や地政学的リスクの高まりにより、為替相場が急激に変動する可能性があります。為替予約の検討等により、適正な利益の確保に努めてまいります。
(内部管理体制の強化)
当社グループは成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。当社グループは監査役会の設置、社外取締役の選任、内部監査の強化などを通じて、コンプライアンス強化に努めております。内部統制の実効性を高め、当社グループのコーポレート・ガバナンス体制をより一層整備してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営環境及びサステナビリティに関する考え方
当社グループは「世界中の人々が安心安全に使えるサイバー空間を創造する」という経営理念を掲げ、サイバーセキュリティに関する社会課題を解決し、社会へ付加価値を提供すべく事業に取り組んでおります。当社グループが持続的に高品質なサービスを提供しながら企業価値を向上させていくためにも、サステナビリティを重視した経営を実践しております。事業を通じてサイバーセキュリティ対策の推進を図り、社会全体の持続的な発展に貢献することができると考えております。
当社のコーポレート・ガバナンス体制は、
(2)ガバナンス体制及びリスク管理
当社グループのサステナビリティ上の重要な課題やリスクについては、リスク管理の基礎として定める「リスクコンプライアンス規程」に基づき、当社及びその子会社におけるリスクを管理するため、代表取締役社長CEOを委員長とする「リスクコンプライアンス委員会」を設置し、リスクマネジメント活動を推進しております。同委員会は原則として四半期に1回開催し、各業務執行部門において日常業務を通じて洗い出したサステナビリティ関連のリスク及び機会について、全社的な観点から影響度や発生可能性を評価し、優先順位付けを行っております。評価された重要なリスク及び機会の対応状況や進捗については、定期的に取締役会へ報告され、取締役会がサステナビリティに関する方針や実行計画について実効性のある監督を行う体制としております。
具体的なガバナンス体制図については、
(3)人的資本戦略について
当社グループにおける人材育成に関する方針及び社内環境整備に関しては、以下の通り取組を行っております。なお、現時点において気候変動に関するリスク及び機会が、当社の企業価値等に与える影響度は低く重要性が乏しいと判断しているため、気候変動に関する「戦略」の記載を省略しております。
・人材の育成方針
当社グループは、多様な個性と専門性を備えた人材が「世界中の人々が安心安全に使えるサイバー空間を創造する」というミッションのもとに結集したプロフェッショナル集団です。お客様の事業成功をともに実現する「Security Agent for Success」をバリューとし、特に「高度な専門性の育成」と「ダイバーシティの推進(女性の活躍推進)」を人的資本戦略の柱として、以下の取り組みを通じて人材の育成と定着を図っております。
1. 専門性の強化と学習環境の整備
変化の激しいサイバーセキュリティ業界において高い付加価値を提供し続けるため、職種を問わず全従業員の専門性強化に注力しております。日々の高度な実務を通じたスキルの習得をベースとしつつ、書籍購入補助や各種資格取得支援を通じて、個人の自己研鑽を会社として積極的に後押ししております。さらに、専門性を高める社内外のトレーニングプログラムへの参加機会を継続的に提供し、自律的に学び、成長し続けるプロフェッショナル組織を構築しております。
2. 入社後の定着・活躍支援
テレワーク制度等を活用した柔軟な働き方が浸透する中においても、新入社員が孤立することなく組織に馴染めるよう、意図的なコミュニケーションの場を創出しております。入社時のウェルカムランチやメンター制度を通じて社内の人的ネットワーク構築を積極的に支援し、多様なバックグラウンドを持つ人材が安心して能力を発揮し、長期的なキャリアを築ける土壌を醸成しております。
3. ダイバーシティの推進と女性のキャリア形成支援
多様な視点を持った組織を構築するため、女性従業員の採用と定着に注力しております。ライフイベントを見据えた中長期的なキャリアプランの構築をサポートするとともに、次世代のリーダー候補となる女性従業員への育成支援を通じて、女性管理職の継続的な輩出に取り組んでおります。
・社内環境の整備
当社グループの経営理念の実現に向けて、プロフェッショナルが結束し、成果を創出し続けるための基盤となる人事制度を構築しております。多様な人材がライフイベントと業務を両立し、長期にわたってやりがいを持って働き続けられる基盤づくりに努めております。具体的には、市場水準を上回る処遇の提供に加え、フレックスタイム制度やテレワーク制度を活用した柔軟な働き方の推進、男女ともの育児休業取得の促進(復職支援を含む)など、仕事と家庭を両立しやすい環境の整備を進めております。これらの取り組みの結果、女性活躍推進法に基づく「えるぼし認定(2つ星)」を取得しております。
(4)指標及び目標
当社グループは、「Security Agent for Success」というバリューを体現する人材・組織の成長を人的資本戦略の根幹と位置づけ、個人と組織の成長が循環できるよう設計・運用しております。特に、上記の人材育成方針及び社内環境整備の成果を測る重要な指標として「多様性の確保(女性の活躍推進)」に関する指標を重点的にモニタリングしております。
具体的には、多様な視点を持った組織構築のため「社員に占める女性比率」を、また、意思決定層における多様性確保のため「管理職に占める女性比率」を指標として設定し、以下の通り目標の達成に向けて施策を継続的に推進しております。
なお、当連結会計年度においては管理職に占める女性比率に関しましては、2028年度目標である12%以上を達成いたしました。家庭生活や育児を両立させる制度や職場環境を継続的に充実させていくことにより、今後も時間経過とともに女性管理職比率は上昇していくと想定しております。
(目標及び実績)
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2024年実績 |
2025年実績 |
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29.7% |
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10.3% |
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(注)1.人材育成・社内環境整備は連結子会社でも行われておりますが、規模の違いから人材の大多数が所属する提出会社単体について記載しております。
2.(3)に記載の通り、当社グループの事業活動が気候変動等のサステナビリティに直接的な影響を及ぼす可能性は限定的と考え、気候変動に関する指標及び目標は定めておりません。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業環境に関するリスク
(事業環境の変化について)
当社グループが属するサイバーセキュリティの市場は、日々発生する新たな脅威や技術革新等による環境変化に伴い、ニーズが変化しやすい特徴があります。サイバーセキュリティに対する脅威の複雑化・多様化を背景に市場は今後拡大していくものと見込んでおりますが、市場の黎明期であるため不確定要素も多く、市場の成長スピードが当社グループの想定と異なる可能性があります。
このような中、当社グループは研究開発担当者による新技術の開発や、各種メディアへの情報発信などの取り組みにより、当社グループ製品及びサービスの競争力の維持向上に努めております。しかし、新たなサイバーセキュリティに関する技術や、サイバー攻撃の脅威に対する当社グループ製品及びサービスの開発が追い付かなかった場合を含め、当社グループを取り巻く事業環境の変化に有効な対抗策を講じる事ができなかった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(競争について)
当社グループが属するサイバーセキュリティの市場は、成長市場として注目され、市場が拡大傾向にあります。当社グループでは、これまで培ってきたサイバーセキュリティに関するノウハウと当社グループの保有するデータや技術を活かし、引き続き顧客のニーズを汲んだサービスの提供をできるよう進めていく方針であります。しかし、競合企業の新規参入や、競合企業が優れたサイバーセキュリティ機能を無償または安価でサービス提供した場合、当社グループの競争力が低下する可能性があります。また、このような競合企業の同機能が当社グループの各サービスの機能より劣っていたとしていても、ユーザーはより低い価格を求めて当該競合企業の製品を選択する可能性があり、そのような場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(海外展開について)
当社グループは、2018年9月に米国子会社、2024年5月に星国子会社(シンガポール)を設立し、海外展開を進めておりますが、海外展開に際しては現地の法令・規制の変更、社会情勢、為替相場の変動、当社グループのサービスが市場に受け入れられない可能性等の様々な潜在的リスクが存在しております。それらのリスクに対処できなかった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業内容及び当社グループのサービスに関するリスク
(セキュリティサービスの提供について)
当社グループのサービスは、サイバーセキュリティというサービスの性質上、サイバー攻撃の技術向上その他の原因により、第三者からのあらゆる不正なアクセスを当社グループのサービスにより遮断できるものではなく、当該サイバーセキュリティの目的が100%実現することを保証するものではありません。当社グループのサービスの利用約款や契約には免責事項及び当社グループの責任の及ぶ範囲についての条項を明記しておりますが、顧客の情報資産に対するサイバー攻撃や情報資産漏洩等のセキュリティインシデントが生じた場合、当社グループの責に帰すべき事由の有無に関わらず、当社グループのサービスに対する信頼性の喪失や、何らかの事情による損害賠償責任の追及を受ける可能性を否定できず、この場合には当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループのサービスの一部には、当社グループ以外の第三者がその著作権等を有する複数のオープンソースソフトウェア(以下「OSS」という。)を組み込んでおります。当社グループでは、サービスにOSSを組み込む場合、各OSSライセンスに則って組み込むほか、開発元によるアップデート情報の収集、代替となるソフトウエアの利用や自社開発の検討等の対応を行っております。しかし、各OSSライセンスの内容が大幅に変更されたり、利用するOSSが第三者の権利を侵害するものであることが発見された場合、プログラムの瑕疵(バグ)があった場合には、当該プログラムの修正や、かかる第三者への対応による費用負担の発生、当社グループサービスの提供が困難となることにより、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(当社グループが提供するサービスの瑕疵について)
サービスを提供する際には、開発過程におけるプログラムのバグや欠陥の有無の検査、ユーザーの使用環境を想定した動作確認などの品質チェックを行い、サービス提供におけるトラブルを未然に防ぐ体制をとっております。しかしながら、サービスの特性上、これらを完全に保証することは難しいものとなっております。
万が一、プログラムにバグや欠陥が発見された場合の対策として、当社グループではプログラムの修正対応や、サービスの利用約款への免責条項の設定などにより損失を限定する体制をとっておりますが、これらの対策はリスクを完全に回避するものではなく、バグや欠陥の種類、発生の状況によっては補償費用が膨らみ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(システム障害について)
当社グループの事業はインターネット通信網に依存しており、ホスティングサービス業者のサーバを利用しております。当社グループでは、システム障害の発生防止のために、システムの冗長化、脆弱性検査、不正アクセス防御等の対策を講じておりますが、これらの対策を講じているにも関わらず、ホスティングサービス業者に障害が生じ、代替手段の調達ができずにサービスが長時間にわたり中断する等の事象が発生した場合や、自然災害、事故、不正アクセス等によって通信ネットワークの切断、サーバ等ネットワーク機器に作動不能等の障害が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(サイバーセキュリティ事業に特化していることによる影響について)
当社グループは、サイバーセキュリティ事業に特化したサービス提供をしております。今後、経済環境の悪化その他の要因により、サイバーセキュリティ事業の需要が低迷した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(解約について)
当社グループのサービスを継続利用することで生じる月額課金額につきましては、顧客満足度を高めることで解約率を低く維持するための施策を行っておりますが、顧客企業の利用状況や経営環境の変化などの理由により、毎年一定の解約が発生しております。当社グループの予算及び経営計画には、実績を基に一定の解約を見込んでおりますが、競合他社に対する競争力の低下や、トラブル等の何らかの要因により当社グループの想定を超える解約が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(研究開発について)
当社グループでは、最新のサイバー攻撃の脅威に対応するべく、システム開発におけるセキュリティのニーズやシーズ把握のための基礎研究を進めております。しかしながら、研究開発には多くの不確実性が伴い、当初想定した研究開発による成果が得られない場合、又は成果が十分に収益に繋がらない場合も想定されます。当社グループでは研究開発の成果とのバランスを鑑みながら、費用が大きく増加するリスクを低減しておりますが、研究開発が計画どおりに推移しない場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)組織体制に関するリスク
(情報管理体制について)
当社は、情報セキュリティマネジメントの国際規格である「ISO/IEC 27001」の認証を取得しており、顧客、役員及び従業員の個人情報をも含めた社内の情報管理には十分な注意を払っております。また、セキュリティ管理策の実施と従業員のモラル教育の徹底、セキュリティシステムの導入、ネットワークやデータベースへのアクセス制御やログ管理、サイバー攻撃や当社グループ従業員による情報漏洩等の情報セキュリティインシデントの未然防止などの管理策を実施しております。
このような対策にも関わらず当社グループにおいて、サイバー攻撃による被害発生、情報漏洩への関与または当社グループ技術の犯罪行為等への悪用等が行われた場合、漏洩した機密情報を使用されることによる損害や、適切な対応を行うための相当なコストの負担、当社グループの信用が失墜するなどにより、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(小規模組織であることについて)
当社グループは小規模な組織であり、現在の人員構成において最適と考えられる内部管理体制や業務執行体制を構築しております。当社グループは、今後の業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、人員の増強、内部管理体制及び業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(人材の確保について)
当社グループが開発するサービスは、従業員(エンジニア)の技術力に拠るところが大きく、優秀なエンジニアを安定的に確保することが重要と認識しております。当社グループは継続的に従業員の採用及び教育を行っておりますが、従業員の採用及び教育が計画通りに進まないような場合や人材流出が進むような場合には、サービスの円滑な提供及び積極的な受注活動が阻害され、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)法的規制及び知的財産等に関するリスクについて
(法的規制について)
当社グループは企業活動に関わる各種法令の規制を受けておりますが、当社グループの事業継続に著しく重要な影響を及ぼす特有の法的規制は、本書提出日時点において存在しないと考えております。しかしながら、今後、既存法令等の改正や新たに当社グループ事業を規制する法的規制が適用されることになり、当社グループの事業展開が制約を受けたり、対応措置をとる必要が生じたりする場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(知的財産権について)
当社グループによる第三者の知的財産権侵害の可能性につきましては、専門家と連携しながら調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社グループの事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社グループが認識せずに第三者の知的財産権を侵害してしまう可能性があります。この場合、使用料の請求や損害賠償請求等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループに対する知的財産権の使用料の請求や損害賠償請求等が発生することや、当社グループが保有している知的財産権が第三者により侵害された場合には、法的措置を含めた対応を要するなど、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)その他のリスク
(配当政策について)
当社は、株主の皆様への利益還元を経営上の重要課題として認識しております。従来は成長過程にあることから、将来の事業展開に向けた内部留保の充実を優先してまいりましたが、強固な経営基盤が構築されたと判断し、2024年12月期より利益還元を開始し、2025年12月期においても1株当たり5.00円の配当を予定しております。
今後の配当政策につきましては、2030年度の財務目標(売上高200億円、営業利益40億円)達成に向けた成長投資やM&Aのための内部留保を確保しつつ、安定した剰余金の配当を継続して実施していくことを基本方針としております。
しかしながら、当社は依然として成長投資による企業価値向上を重視するフェーズにあり、急激な事業環境の変化や予期せぬ投資機会の発生、あるいは業績の変動等により、配当方針に基づいた安定的な配当の実施が困難となる、もしくは配当金額が減少する可能性があります 。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループはサイバーセキュリティ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
①財政状態の状況
(資産)
連結会計年度末における流動資産は4,680,965千円となり、前連結会計年度末に比べ2,468,718千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が2,316,235千円、売掛金が125,098千円増加したことによるものであります。固定資産は1,152,171千円となり、前連結会計年度末に比べ347,970千円増加いたしました。これは主に無形固定資産が310,819千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、5,833,137千円となり、前連結会計年度末に比べ2,816,689千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,212,720千円となり,前連結会計年度末に比べ192,716千円増加いたしました。これは主に未払金が48,006千円、未払法人税等が47,957千円増加したことによるものであります。固定負債は198,910千円となり、前連結会計年度末に比べ91,162千円減少いたしました。これは主に長期借入金が98,556千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,411,630千円となり、前連結会計年度末に比べ101,553千円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は4,421,506千円となり、前連結会計年度末に比べ2,715,135千円増加いたしました。これは主に資本金が923,080千円増加、資本剰余金が732,499千円増加、利益剰余金が794,307千円増加、自己株式が288,700千円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は75.6%(前連結会計年度末は55.3%)となりました。
②経営成績の状況
当社グループが属するサイバーセキュリティ業界を取り巻く環境は、生成AIの普及によりサイバー攻撃が増加し複雑化しております。依然として、システムの脆弱性を突いたサイバー攻撃は後を絶たず、不正アクセスによる個人情報の漏えいや、業務停止など企業活動に多大な影響を与えています。このような状況の中、当社グループは「世界中の人々が安心安全に使えるサイバー空間を創造する」という経営理念を掲げ、サイバーセキュリティに関する社会課題を解決し、社会への付加価値提供に注力しております。
当連結会計年度においては、パブリッククラウドWAF自動運用ツール「WafCharm」およびフルマネージドセキュリティサービス「CloudFastener」の受注、2024年10月に連結子会社化した株式会社ジェネレーティブテクノロジーにおける受託案件が堅調に推移いたしました。さらに、2025年2月に連結子会社化した株式会社DataSignの個人情報同意管理ツール「webtru」等が業績に寄与いたしました。
加えて、国内外のAWS主催カンファレンスへの出展を強化し、特にAWSが主催する「AWS re:Invent」には3年連続で出展いたしました。世界中のユーザーに対して積極的なプロモーションを行った結果、新規ユーザーの獲得や販売代理店との提携など、一定の成果を上げることができました。
この結果、各プロダクトの新規受注が堅調に推移し、当社グループのARR(注1)は4,997,633千円(前年同期比22.0%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の当社グループの経営成績は、売上高5,084,678千円(前期比31.8%増)、営業利益1,102,708千円(前期比42.5%増)、経常利益1,092,120千円(前期比31.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益821,903千円(前期比42.9%増)となりました。
なお、当社グループはサイバーセキュリティ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略して
おります。
(注)1.Annual Recurring Revenueの略称。各期末月のMRR(注2)(Monthly Recurring Revenue)を12倍して
算出
2.Monthly Recurring Revenueの略称。対象月の月末時点における継続課金ユーザー企業に係る月額
料金の合計額(一時収益は含まない)
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ2,316,235千円増加し、3,983,645千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は1,004,149千円(前連結会計年度は633,515千円)となりました。その主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,131,285千円の計上、株式報酬費用84,727千円の計上、売上債権の増加額81,619千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は426,423千円(前連結会計年度は175,923千円)となりました。その主な内訳は、
無形固定資産の取得による支出72,355千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出334,468千円、長期貸付けによる支出19,600千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1,707,810千円(前連結会計年度は595,267千円の支出)となりました。その主な
内訳は、新株の発行による収入1,846,160千円、長期借入金の返済による支出133,515千円であります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をサービス別に示すと次のとおりであります。
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サービスの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
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販売高 |
前年同期比(%) |
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攻撃遮断くん(千円) |
1,683,449 |
104.88 |
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WafCharm(千円) |
1,663,073 |
136.39 |
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その他(千円) |
1,738,154 |
168.21 |
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合計(千円) |
5,084,678 |
131.80 |
(注)1.当社グループはサイバーセキュリティ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。上記ではサービス別の販売実績を記載しております。
2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や状況に応じて合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4 会計方針に関する事項」に記載しております。
②経営成績の分析
a.売上高
当連結会計年度の売上高は、5,084,678千円となり、前連結会計年度に比べ1,226,949千円増加いたしました。これは主に、重点施策を遂行し、マーケティング活動による当社サービスの認知度向上や、新規顧客開拓に努めた結果、各プロダクトの受注が好調に推移したためであります。
b.売上原価、売上総利益
当連結会計年度における売上原価は、1,751,070千円となり、前連結会計年度に比べ413,913千円増加いたしました。この結果、売上総利益は3,333,608千円となり、前連結会計年度に比べ813,035千円増加いたしました。
c.販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、組織拡大のため、中途採用を積極的に行ったことによる採用費、人件費の増加及び積極的な広告宣伝活動による広告宣伝費の増加などにより、2,230,900千円となり、前連結会計年度に比べ483,929千円増加いたしました。
この結果、営業利益は1,102,708千円となり、前連結会計年度に比べ329,105千円増加いたしました。
d.営業外損益、経常利益
当連結会計年度における営業外収益は、受取利息やキャッシュバック収入などにより、6,470千円となりました。
当連結会計年度における営業外費用は、株式交付費などの計上により、17,058千円となりました。
この結果、営業外損益は10,587千円の損失となり、経常利益は1,092,120千円となりました。
e.特別損益、当期純利益
当連結会計年度における特別利益は、39,164千円となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は1,131,285千円となりました。また、法人税、住民税及び事業税348,577千円、法人税等調整額を△39,196千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は821,903千円となりました。
③財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」をご参照下さい。
④キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照下さい。
⑥資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、通信費、人件費、広告宣伝費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、既存プロダクト運用や機能拡張の開発支出等によるものであります。
当社グループは、事業活動に必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、運転資金及び投資資金は、自己資金及び金融機関からの借入により調達しております。また、財務状況を勘案しながら、当社が保有する自己株式の処分、第三者割当増資、新株予約権の行使等の手段により必要な資金調達を行っていく予定です。
なお、当連結会計年度末における借入金残高は276,494千円となっております。また、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は3,983,645千円であり、流動性を確保しております。
⑦経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループの経営者は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループが今後さらなる成長を遂げるためには、様々な課題に対処する事が必要であると認識しております。
それらの課題に対応するために、経営者は常に事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施しさらなる事業拡大を図ってまいります。
該当事項はありません。
サイバーセキュリティ製品の開発は、今までの専門家の知識をもとにした製品開発だけでなく、新規技術を活用した製品開発を進めることが重要になっております。そのため当社グループでは、日々収集される大量のデータを活用するAIの活用や、システム開発におけるセキュリティのニーズやシーズ把握のための基礎研究を進めております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は、
① データ・AIを起点としたセキュリティ精度の向上および次世代WAFの研究
膨大かつ高品質な攻撃データを活用した強固なデータ基盤を構築し、AIを用いたサイバー攻撃の検知精度向上および生成AIによるサイバー攻撃に対応する適応型検知エンジン(AI対応型次世代WAF)等に関する研究開発を行いました
② クラウドセキュリティおよびシステムに関連する要素技術の研究
クラウド化やAPI化の加速に伴う防御対象の急増に対応するため、コンテナ技術やオーケストレーション環境下におけるセキュリティ対策のほか、APIに関連する通信の脆弱性検知・アクセス制御(APIセキュリティ)や、自社サービスの運用自動化・高度化(プロダクトと運用の統合モデル)に向けた研究開発を行いました。
③ 新たな脆弱性のリサーチ及びAI時代のサイバー脅威に関する基礎研究
攻撃の自動化や高速化といったAIによる新たな脅威に対応するため、新たな脆弱性情報をいち早く収集し、AIが発見する脆弱性に対する検知・パッチ適用の高速化(ゼロデイ高速対応)に関する研究開発を行いました。
④ データ活用・連携およびプライバシー保護・ガバナンスに関する調査研究
当社グループが保有する攻撃データと他データとの連携による分析の高度化に加え、グループに参画した企業の技術を活かしたプライバシー保護やデータ活用、世界各国のAI規制(EU AI Act等)に対応したガバナンス・コンプライアンスに関する研究開発を行いました。