第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)経営方針

当社グループは「生活環境の保全に貢献する」、「たゆまざる努力と先端技術の開発とによって卓越したテクノロジーを提供する」、「社会の信頼を基盤として企業の発展と社員の福祉増進を追求する」を会社の基本理念としております。この基本理念に基づいて、安全・安心・安定的な水の供給、公共用水域の水質改善、資源・エネルギー循環の形成、経営基盤の強化、DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した維持管理情報サービスなどを通じて、人々の生活に不可欠な上下水道インフラの持続・発展の支援事業を軸に、地域社会やSDGs(国連で定められた持続可能な開発目標)の達成への貢献を目指すとともに、企業業績と従業員満足度の向上及び株主価値の増大を図ることを基本方針としております。

  

(2)経営環境

政府予算、顧客である地方公共団体財政と当社事業内容に対する認識

当社グループの主要なビジネスターゲットである上下水道事業は、高度成長期に集中的に整備された上下水道施設の多くが耐用年数を経過しており、老朽化した施設の計画的な改築・更新や、度重なる豪雨災害や地震被害を軽減する対策についてのニーズも高まっています。

2025年3月に可決・成立した我が国の令和7年度予算のうち、当社の事業と関わりの深い国土交通省が明らかにした配分総額は、下水道が約4,719億円、水道が約325億円、上下水道一体が約36億円となっております。上下水道事業の実施主体である全国の地方公共団体の予算も発表されております。

上下水道施設の老朽化対策・耐震化、下水道未普及解消、内水氾濫対策、広域化・共同化、雨天時浸入水対策、下水汚泥等の未利用資源の有効活用などによる脱炭素化等、地方公共団体の上下水道事業関連予算は概ね予算通りに執行されました。

2024年は元日に能登半島地震が発生し、国、地方公共団体、民間企業が結集して、早期の被災地復興に向けて、災害復旧に尽力しました。当社においても、被災した長期間にわたり能登半島の市町や地震により地盤が液状化した新潟市の上下水道施設の災害査定資料作成を行いました。2025年度では、能登6市町における上下水道の本復旧に向けた取り組みが進められており、当社では珠洲市の上下水道管路の本復旧工事に向け、詳細設計業務を担当しております。また、同年1月28日には、埼玉県八潮市において埼玉県が管理する流域下水道管(管径4.75m、昭和58年(1983年)整備(経過年数42年))の破損に起因して、大規模な道路陥没事故が発生しました。国土交通省では、同種・類似の事故の発生を未然に防ぐため、大規模な下水道の点検手法の見直しをはじめ、大規模な道路陥没を引き起こす恐れのある地下管路の施設管理のあり方などを専門的見地から検討しております。このような流れを受けて、国は令和7年度上下水道関係補正予算で、上下水道施設の耐震化・老朽化対策等(防災・安全交付金等)で約1,304億円を計上しております。

こうした社会のニーズに応えるため、豊富な経験を積んだエンジニアが継続して自己研鑽に励むとともに、若手人材の育成にも取り組みました。また、当社のDX推進部が主導して、長年に亘り開発・蓄積したICT技術を活用した上下水道情報デジタル化サービスの深化やグループインした日本技術サービス株式会社やその他のビジネスパートナーとの協業を通じて、主力とする上下水道分野を軸として、社会課題の解決に努めて参ります。

  

(3)対処すべき課題

第64期の受注残高は前期よりも増加傾向で推移し、受注残高は過去5期で最高額になっております。全般的に受注が好調であり、今まで少なかった上水道案件の受注額が伸びております。

官公庁の会計年度の関係上、納期が集中する年度末に向けて、今まで以上に細心の注意を払い、各受注案件の予算、工程、外注、品質を適切に管理して成果品の納品に努めるとともに従業員の健康に留意した労務管理を徹底いたします。その上で、引き続き以下の項目を重点課題として外部環境の変化に対応した事業戦略を実施し、持続的に企業価値の向上を実現してまいります。

 

① 我が国の上下水道事業、政府予算方針、地方公共団体の財政政策に即した営業活動を基軸に、社会課題の解決に向けた受注の拡大を図ります。

② 総合原価を低減し、利益率の向上を図ります。

③ 市場のニーズに合わせた先端的サービスの開発・客先提案により、提供サービスの付加価値の向上を図ります。

④ 執行体制が脆弱な中小自治体の上下水道持続確保に対して加速する広域化・共同化について、民間企業としての信頼性と柔軟性を高めて、官民連携事業等に積極的に取り組みます。

⑤ 国内外の産官学とのネットワークやグループインしたシステム開発企業の株式会社クラックスシステムの開発力を活用し、DX推進関連事業への積極的な営業活動を展開します。

⑥ テレワーク、生成AIの積極的な活用と社員の希望する居住地で働くことができるカスタムメイド勤務制度など、多様な選択肢を備えたウェルビーイング経営を推進し、社員が健康増進に取り組み、新たに働く仲間が次々と増える企業を目指します。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

当社グループでは、当社グループが永続的に存続するためにいかに社会的責任を果たしていくかという視点に立ち、サステナビリティの方針を定め経営と一体となって取り組んでいます。具体的には、ESG(環境:Environment、社会:Social、ガバナンス:Governance)の取り組み強化を当社の持続的発展の基盤と位置づけ、各領域の取り組みをグローバルに加速させています。

当社グループは、ステークホルダーからの信頼に応えるとともに持続的社会の実現に貢献する企業であり続けるために、サステナビリティ課題をSDGs(持続可能な開発目的)」と関連づけて抽出し、3つのテーマ、7つのマテリアリティ(環境を考慮した技術による地球温暖化防止及び循環型社会の形成、社会インフラの強靭化、地域社会の発展への貢献、培ってきた技術の伝承、人材の確保と育成、多様な人材が生き生きと活躍する環境づくり、持続的成長につながる事業基盤の確立)として策定しました。これらマテリアリティの実践により、そして、公正かつ透明性の高い企業経営のもとで、持続可能な社会の発展に貢献するべく、サステナビリティ経営を推進してまいります。

 

(1)ガバナンス

当社グループは、企業価値の増大と株主利益の向上を図るため、効率的で透明性のある経営活動が行える体制を構築していくことを基本方針としております。当社にとって株主様をはじめとするステークホルダーは事業継続・発展のための良きパートナーと考えています。ステークホルダーとの信頼関係を築いていくため、法令遵守を徹底してまいります。

これらの取組みを円滑に進めるため、当社役員、執行役員等により構成する「サステナビリティ委員会」を適宜開催し、サステナビリティに関するマテリアリティの目標達成に向けて審議・議論を重ねて、社内に浸透を図ります。

 

(2)戦略

当社グループは、魅力ある会社にするため、ワークライフバランスと多様な働き方を実現します。また、これまでに培った社員一人ひとりのスキル・ノウハウを組織としての総合力へと発展させます。既存分野においては、従前からのSDGsへの取り組みに引き続き配慮しながら、周辺業務や事業提案・新規案件開拓の強化を行い、さらには周辺分野などの新規分野へも果敢にチャレンジすることによって、ビジネス領域の拡充を図るとともに、水関連業務におけるワンストップサービスを目指し“水関連コンサルティングファーム”への進化を目指し実行します。

社員一人ひとりの能力アップと組織としての総合力のボトムアップに向けた仕組みづくりに取り組みます。

①人材の育成に関する方針

・若手への技術継承に向けた育成体制強化(例:若手への教育方針明確化、育成計画の水平展開、教育対象者の選定)

・管理職候補となる中堅職員の育成強化(例:管理職の役割の明確化、育成計画の策定、対象者となる中堅職員の選定)

・管理職のマネジメント力アップへの注力(例:管理職のマネジメント力向上と職務環境の改善)

・ゼネラリスト/コンサルタントの育成(例:育成計画の策定、育成に向けた仕組みづくり、社員が定着し人が育つ仕組みづくり)

②社内環境整備に関する方針

・個人個人に合わせた柔軟な働き方の実現(例:個人に合わせたワークライフバランスの確保)

・インセンティブなどの改善策に関する立案および実行(例:表彰制度・評価制度のさらなる改善)

・社会的なプレゼンス向上を目指したコミュニケーションの強化(例:SDGsの取り組みの対外発信、ステークホルダーに向けた広報活動)

 

(3)リスク管理

当社グループは、投資者への適時・適切な会社情報の開示が健全な証券市場の根幹をなすものであることを十分に認識するとともに、投資者の視点に立った迅速、正確な会社情報の開示を行うことを基本方針としております。

このような方針に基づき、当社は、法令遵守と企業倫理に則った企業活動の徹底を図るため「OECグループ企業行動規範」を作成し、当グループの役員及び従業員に配布しております。この規範は遵守すべき基本的な行動基準を定めたものであり、一人ひとりの行動が会社に対する信頼を左右することの重大性を常に自覚し、関係法規及び本規範等を遵守して行動するよう周知したものであり、会社情報の適時開示への取り組みに関する事項やインサイダー取引の防止に関する事項についても記載されております。また、代表取締役は適時開示体制整備の一環として、会社情報の適切な把握のため社内組織の見直しを適時行い、重要な開示情報の迅速な集約に努めております。

 

(4)指標及び目標

当社では、「(2)戦略」において記載しております、人材育成方針及び社内環境整備方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

指 標

目標

実績(当事業年度)

ストレスチェック受診率

95以上

75.2

女性の育児休暇取得率

100

100

女性育児休業後復職率

95以上

100

 

なお、新たな企業がグループインすることに伴い順次、指標や目標を整備して、人材育成及び社内環境整備を進めて参ります。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と認識している主要なリスクは、以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。

 

(1) 公共事業分野の受注比率

当社グループの公共事業分野の主要な発注者は、上下水道施設を所有し、それらの事業を運営する地方公共団体及び関連団体です。また、上下水度事業や廃棄物行政を所管し、関連法の整備や政策形成を行う、国土交通省、環境省などの政府機関及び関連団体などが発注者となることもあります。民間事業分野では、受注比率は少ないものの、製造事業所の工場新設に関わる排水管路の設計なども行っております。

従って、地方公共団体が発注する公共事業の受注比率が高い割合を占めており、地方公共団体の税収、財政支出及び国庫補助金や地方交付税交付金など国土交通省や総務省など政府の予算編成動向により、当社の受注ターゲットとなる予算は変動するため、受注高、完成業務高及び利益に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、北海道から九州・沖縄地区まで全都道府県に配置した国内の営業網に加えて、幅広い業務実績、提案力を活用して、主力である上下水道分野の既存顧客への深掘りと新規顧客の開拓も展開することにより、安定した受注額を確保する方針です。海外部門の受注においては、水インフラに関する対象国が、政治・社会・経済・財政・為替等、ほとんどの点で我が国よりもカントリーリスクが高いため、国際協力機構(JICA)など本邦政府関連機関からの受注活動を基本とすることでリスク低減に心掛けております。

また、長きにわたる全国の地方公共団体での元請受注実績、数多くの地方公共団体での入札参加資格をもとにした営業アプローチ力を活用した、上下水道以外の領域でのビジネス創出も検討して参ります。

 

(2) 成果品に対する契約不適合責任について

当社グループは、公共事業分野で毎年数百件に及ぶ受注案件があり、これらの成果図書の品質の確保及び質的向上を行うため、業務委託契約書に基づく照査体制に加えて品質保証の国際認証システムISO9001を導入して万全のチェック体制を構築しております。しかしながら、数多くの職種に渡り専門知識を要する検討項目が幾重にも輻輳するプロジェクトもあり、成果図書の品質に不備が発生した場合、修補対応が必要となり、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、成果図書の品質確保を更に向上させる仕組みとして、業務経験豊富なシニアエンジニアにより、業務リスクの高いと想定されるプロジェクトのキックオフ時点から、定期的に審査するミーティングを開催し、設計瑕疵の防止に努めております。

 

(3) 自然災害等によるリスク

当社グループは、全国で事業展開を行っており、地震、津波、洪水等の自然災害や予測不能な事故等の事由による被害を受けた場合、事業活動が制限され、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社では災害に直面した場合の、事業継続計画(BCP計画)を策定し、定期的に計画を更新して、災害等のリスクに備えております。

当社グループにとって人材の次に大切なコンサルティング業務に関するデータは、東京と大阪に2拠点それぞれにデータサーバーを設置して、双方で定期的にデータをバックアップし、危機対応しております。また、事業拠点であるオフィスが被災した場合でも事業活動が継続できる対策として、全社9割以上の社員がスマートフォンとノートパソコンを日常的に使用して社内サーバーにアクセスできるテレワーク環境を整えています。チャット、ウェブ会議の活用が定着してきており、テレワークリテラシーが向上、危機対応力が強化されております。

 

(4) 人材の確保・育成について

当社グループは、知的好奇心の高い高度で専門性を有するエンジニアによって、顧客が求める付加価値を生み出しており、競合他社に負けないサービスを提供できる優秀な人材の確保・育成が重要な課題となります。しかしながら、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少に伴い、人材獲得は年々厳しくなっており、人材の確保、後進の育成が計画に満たない状況が続くと、生産体制が脆弱化して事業活動において支障をきたし、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社では、このリスクに対して、就業環境や福利厚生の充実、インターンシップの活用、広報活動の強化、意欲ある新卒社員の採用、競争力のある処遇を提示した即戦力人材の採用を推進し、人材の確保に努めております。また、新入社員研修プログラムの充実、二年次研修、専門技術研修、EQ研修、キャリアデザイン研修、管理職研修、DX推進研修、コンプライアンス研修等、社員個人の能力と組織力の双方の強化に努めております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度及び前連結会計年度末との比較分析は行っておりません。また、当社グループは、2025年1月に株式会社クラックスシステムの全株式及び2025年7月に日本技術サービス株式会社の全株式(自己株式を除く)を取得し、2社が当社グループに加わりました。

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社が判断したものです。

(1)経営成績等の状況の概要

① 業績

我が国の上下水道インフラ資産は、約130兆円との内閣府の試算があり、セクター別で道路に次ぐストックがあります。このうち、上水道の普及率は令和5年度末時点で98.2%、国内の全管路延長は約74万kmに達していますが、管路の年間更新率は全国平均で0.64%と低く、管路をすべて更新するのに約130年かかる計算となっています。水道管路は法定耐用年数40年とされていますが、その多くが高度成長時代の1970年代に集中的に整備されたものであり、施設の老朽化や管路の耐震化の遅れ(令和5年度末の基幹管路の耐震適合率は43.3%)、人口減少等による料金収入の減少という課題に直面し、また多くの水道事業者が小規模で経営基盤が脆弱であり、計画的な更新のための備えが不足している状況となっています。長らく厚生労働省が所管していた水道整備・管理行政が、令和6年4月から施設の管理・整備は国土交通省へ、水質・衛生面は環境省に移管されました。これにより、令和6年度の水道事業予算要求には、上下水道で一体的に取り組む施策を支援するための上下水道一体効率化・基盤強化推進事業の創設や水道施設整備事業調査費の拡充等が盛り込まれております。

下水道分野については、全国の汚水処理人口普及率が93.7%(2024年度末)となっていますが、そのうち下水道によるものが81.8%にとどまり、未だに約780万人が汚水処理施設を利用できない状況にあり、普及促進の加速が求められています。施設の新設のニーズは減少の一途を辿っていますが、高度成長期に急速に整備した上下水道施設は毎年大量に耐用年数を迎え、安心・安全で文化的生活を送るために不可欠なこれらのインフラ資産を維持、更新していくことが求められています。また、近年頻発する集中豪雨、大型台風による風水害などから人命や資産を守る浸水対策や地震が発生してもトイレが使えるなどの耐震化、津波に強い下水道施設の補強対策、脱炭素・循環型社会への転換を図る「グリーンイノベーション下水道」に向けた取り組みなどのニーズも高まっています。

2025年3月に可決・成立した我が国の令和7年度予算のうち、当社の事業と関わりの深い国土交通省が明らかにした配分総額は、下水道が約4,719億円、水道が約325億円、上下水道一体が約36億円となっております。上下水道事業の実施主体である全国の地方公共団体の予算も発表されております。

当社は、このような事業環境のもと、国土交通省上下水道グループの掲げるテーマを念頭に、上水道分野では新水道ビジョンに則ったアセットマネジメント関連業務、下水道分野では主要7大テーマ、「震災復旧・復興の支援の強化と全国的な安全・安心対策の実施」、「未普及地域の早期解消」、「水環境マネジメントの推進」、「施設管理・運営の適正化」、「下水道経営の健全化」、「低炭素・循環型社会への取組推進」及び「国際展開と官民連携による水ビジネスの国際展開」に沿った受注活動を展開しております。

国内市場の受注活動をまとめると、既存顧客である地方公共団体の施設整備状況や事業課題を熟知する当社の優位性を背景に、きめ細かい技術提案、柔軟な顧客サービスの提供を通じたリピート率の高い受注活動とともに、積み上げた業務実績を基に新規開拓営業も展開しております。

新規事業領域への進出については、グループインした2社と当社のスタッフが一堂に会して、新規事業開発ワークショップ「イノベーションMTG」を開催してビジネスプランを検討しております。

他方、社内の就労環境については、全社9割以上の社員にスマートフォンとノートパソコンを支給し、オフィスではフリーアドレスで、在宅勤務や外出先・移動中でも必要に応じてウェブ会議まで可能なフレキシブルなワークスタイルが定着、残業時間の削減に繋がっております。

生産性や働きやすさの向上に向けた取り組みとしては、社内の各階層やグループでの迅速な情報共有・チャットの活用、部署別の経営目標の随時確認による部署課題へのスピーディな対応、受注プロジェクトの適切な実行予算・工程・進捗・外注管理、社内エンジニアのスキル向上、キャリアデザイン研修の開催、総務・人事部に採用グループを新設して新卒・キャリア採用強化、残業時間の削減、希望する社員全て(社員の約4割)にアップルウォッチを支給して自発的な健康増進に活用(ウェルビーイング経営の促進)、時差出勤制度、産休・父親育休制度や有給休暇の取得促進、社員一人ひとりの事情に応じた勤務地で就労可能なカスタムメイド勤務など、社員目線を重視した社内制度を提供しています。自社開発で長年に亘り機能拡充しながら運用中の社内業務管理システムにおいては、調査・設計等の業務の受注から、着手、実行予算作成・変更、完了に至るまでの各業務ワークフローの承認機能の電子化を図り、予算管理の迅速化と精度の高い月次決算を可能としております。これらにより、生産性向上と原価低減を図り、社員還元と収益の拡大に努めております。

この結果、当連結会計年度の受注高は91億1千1百万円となりました。一方、完成業務高は85億1千5百万円、営業利益は9億2千1百万円、経常利益は9億3千4百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は5億4千1百万円となりました。

 

当社グループにおけるセグメント別の業績は、次のとおりであります。

当社グループの報告セグメントは従来「建設コンサルタント事業並びにこれらに付帯する業務」の単一セグメントとしておりましたが、株式会社クラックスシステムの子会社化に伴い事業セグメントの区分方法を見直し、報告セグメントを「建設コンサルタント事業」と「情報処理サービス事業」の2つに変更しております。

[建設コンサルタント事業]

建設コンサルタント事業につきましては、能登半島地震に関係した災害復旧支援業務、国土強靱化計画や施設老朽化対策を背景に増加している業務を進めてまいりました。

この結果、受注高は80億2千2百万円となりました。一方、完成業務高は75億6百万円、セグメント利益は10億3千万円となりました。

[情報処理サービス事業]

情報処理サービス事業につきましては、スケールメリットの獲得と管理機能強化、外注売上比率増加を推進し、継続的な受注拡大の基盤を構築してきました。

この結果、受注高は10億8千9百万円となりました。一方、完成業務高は10億8百万円、セグメント利益は1千7百万円となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、35億4千8百万円になりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は6億4百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上、売上債権の増加によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は14億9千5百万円となりました。これは主に企業結合に伴う子会社株式の取得によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により獲得した資金は13億7百万円となりました。これは主に企業結合に伴う長期借入によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

イ 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

 至 2025年12月31日)

 

前年同期比(%)

建設コンサルタント事業

7,506,494

情報処理サービス事業

1,008,715

合計(千円)

8,515,210

 

(注) 当社グループの業務は、業務の性格上生産として把握することが困難であるため販売実績を記載しています。

 

ロ 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

 

受注残高(千円)

 

前年同期比(%)

前年同期比(%)

建設コンサルタント事業

8,022,228

6,023,305

情報処理サービス事業

1,089,578

174,346

合計

9,111,807

6,197,652

 

 

ハ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2025年1月1日
 至 2025年12月31日)

 

前年同期比(%)

建設コンサルタント事業

7,506,494

情報処理サービス事業

1,008,715

合計(千円)

8,515,210

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

 当連結会計年度

(自 2025年1月1日

  至 2025年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

官公庁

 

 

日本下水道事業団

1,618,205

21.9

その他

5,772,936

76.6

小計

7,391,142

98.6

民間

 

 

その他

1,124,067

1.4

小計

1,124,067

1.4

合計

8,515,210

100.0

 

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度における流動資産は、72億6千3百万円となりました。これは主に「現金及び預金」、業務代金の未収分である「完成業務未収入金及び契約資産」によるものであります。

(固定資産)

当連結会計年度における固定資産は、46億9千3万円となりました。これは主に企業結合によって発生した「顧客関連資産」及び「のれん」によるものであります。

(流動負債)

当連結会計年度における流動負債は、16億8千5百万円となりました。これは主に未完了業務の業務代金の入金である「未成業務受入金」、「未払法人税等」によるものであります。

(固定負債)

当連結会計年度における固定負債は、23億7千2百万円となりました。これは主に企業結合のための「長期借入金」によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度における純資産は、78億9千8百万円となりました。これは主に「利益剰余金」によるものであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績の分析

(完成業務高)

当連結会計年度における完成業務高は、完成業務高は85億1千5百万円となりました。当初予定に見込んでいなかった能登半島地震に関係した災害復旧支援業務の対応が加わった他、期初より多くの案件で概ね予定通りに業務進捗を進めることができました。これに加えて、当時にグループインした株式会社クラックスシステムと日本技術サービス株式会社の月次決算を、それぞれ2025年3月と同年10月から取り込んだことによります

(営業利益)

当連結会計年度における営業利益は、9億2千1百万円となりました。

個々の受注案件の予算配分、実行予算の作成、月次売上の管理を徹底して、従業員一人ひとりの利益確保意識の下、作業内容に応じた内製化とアウトソーシングを適切に判断して取り組んでおります。

(経常利益)

当連結会計年度における経常利益は、9億3千4百万円となりました。これは主に保有する金融資産の配当の受け取りによる「受取配当金」などが寄与しています。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、5億4千1万円となりました。

 

経営成績に重要な影響を与える主な要因は、国及び地方公共団体の会計年度毎の予算計上、適正な利潤が得られる業務価格での受注、不採算案件の発生を防ぐプロジェクト管理、中長期的人材の確保・育成による着実な技術伝承、社会のニーズに合った技術研究開発などであります。

 

③ キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

当社の運転資金需要のうち主要なものは、完成業務原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。

資金需要に対しましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金で賄うことを基本とし、資金調達を行う場合には、経済情勢や金融環境を踏まえ、当社にとって最良の方法で行いたいと考えております。

 

⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の採用や、資産・負債及び収益・費用の計上および開示に関する経営者の見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績などを勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。