第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「ベンチャースピリット溢れる企業集団を目指す。」を企業理念に掲げ、自らの行動を変革し、新しい事業創出に挑戦することで、「安全・安心」また「快適」で「高効率」な社会を作り出すことを目指しております。これらを通じて持続可能な社会の創出に寄与するとともに、社員一人一人の自己実現の場として、人と企業がともに成長していくことが当社グループの基本方針です。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループが目標とする経営指標は、「連結売上高10%伸長」、「営業利益率15%以上」、「ROE15%以上」の水準を目線に、企業価値の持続的な向上を目指しております。このために各事業会社が推進する基幹事業の更なる成長と、全体最適視点で経営資源の有効活用を図りつつ、新規事業の育成や事業領域の拡大を図ってまいります。絶えず創意工夫を重ねながら収益の拡大に挑戦し続けるとともに、間接業務の効率化を行い、生産性の向上を意識して営業利益率の向上を図ることで経営指標の継続的な実現を目指しております。

 

※財務指標は提出日現在の経営目標であり、その実現を保証あるいは約束するものではありません。

 

(3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

当社グループを取り巻く事業環境は、原材料・資源価格の高騰や物流コストの高止まり、地政学リスクの拡大などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。こうした環境変化に対応するため、当社グループは柔軟かつ迅速な経営判断を行い、持続的な成長を目指してまいります。また、米国政府による関税措置の強化は、海外事業におけるコスト増加要因となる可能性があり、収益性への影響が懸念されています。このため、調達先の分散化や価格転嫁の交渉を進めるとともに、為替変動を含めたリスク管理を強化し、サプライチェーンの再構築を通じて安定的な供給体制の確保に取り組んでまいります。

一方、持続可能な社会の実現に向けて世界の流れが加速し、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティへの取り組みが一層注目されており、様々な社会・産業分野での省エネ、自動化、省人化に貢献できる当社グループの製品や技術への需要は高まっております。

このような中、当社グループでは、得意とするセンシング、光学技術などを駆使して、「安全・安心・快適」な社会や産業に貢献していくことを目標に事業を展開し、世の中に存在する様々な不安や不快、不便から「不」を取り除く仕事と位置付けた「ふとるビジネス」の拡大を推し進めてまいりました。さらに、これまでのハードウェアとしての「モノ売り」から、お客様にトータルなソリューション(課題解決策)をご提供する「ソリューション提案ビジネス」への移行を効果的に進め、様々な社会課題の解決と企業価値の最大化を中長期の経営戦略としております。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、持続的成長と企業価値最大化に向け、事業ポートフォリオの最適化を軸とした経営を推進します。持株会社としてのグループ本社機能を一層充実させ、全体最適の視点から事業評価と経営資源配分を行い、収益性と成長力の向上を図ります。

各事業会社では、既存事業の競争力強化とともに選択と集中を徹底し、成長性・収益性を重視したポートフォリオマネジメントを推進します。あわせて、「ソリューション提案ビジネス」への転換、グループシナジーの創出、新規事業やM&Aの活用を通じて付加価値を高めます。また、財務基盤の強化と資本効率の向上により株主価値の持続的成長を目指すとともに、生産性向上を通じて従業員の処遇と働きがいの向上につなげ、人と企業がともに成長する好循環を実現します。

環境問題への取り組みについては、代表取締役社長を委員長とする「グループコンプライアンス推進委員会」の下部組織である「グループ気候変動対応分科会」において、温室効果ガスの測定や再生可能エネルギーの活用などによる温室効果ガス削減策を検討、実施するとともに、サステナビリティ推進部門との連携によりモニタリング機能を強化し、グループ全体で2030年までにCO₂排出量を30%(2019年比 Scope1,2)削減という目標達成に向けてグループ内各社と連携し実効性を高めてまいります。さらに、気候変動に関する国際的な枠組みや開示動向を踏まえ、リスクと機会の分析及び情報開示を行うことで、社会的責任を果たしてまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、創業時より得意のセンシング技術を駆使して「安全・安心・快適」な社会や産業に貢献していくことを目標に事業を展開してまいりました。世の中に存在するさまざまな不安や不快、不便から「不」を取り除く仕事(=ふとるビジネス)を拡大させることで、「グローバルニッチNo.1」のセンサーメーカーを目指してまいりました。

今後もこの「ふとるビジネス」を推進することにより、環境問題や社会問題の解決に貢献すると同時に、各事業の拡大、企業価値の向上に繋げていくことができるものと確信しております。

その上で、当社グループでは以下のサステナビリティ基本方針を策定し、この方針に基づく活動を推進することで、社会の持続的な発展への貢献と企業価値の向上を目指してまいります。

(サステナビリティ基本方針)

・あらゆるステークホルダーとの関係を強化し、社会の持続可能な成長に貢献します。

・環境に配慮した製品の供給を通じて、循環型事業経営を実現することを目指します。

・社員のエンゲージメント向上を通して、グループ各社の持続的な成長と発展を目指します。

 

(1)ガバナンス

当社グループでは、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、サステナビリティを推進する体制を強化しており、代表取締役社長がサステナビリティ課題に関する経営判断の最終責任を有しております。

代表取締役社長を委員長とする「グループコンプライアンス推進委員会」を取締役会の直轄組織として設置し、サステナビリティに関する重要課題を審議するとともに、取り組み内容を取締役会に報告しております。同委員会は主要グループ各社の代表メンバーで構成されており、国内外のグループ会社と連携しながらサステナビリティに関する課題と改善案の議論を通じてグループ全体の理解の深化を図っております。

また、2024年1月からはサステナビリティ推進部門を設置し、各部門及びグループ会社の状況を把握しグループ全体でサステナビリティ活動を推進する体制を構築しております。

なお、気候変動については、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った情報開示を進めるためにグループコンプライアンス推進委員会の下部組織として「グループ気候変動対応分科会」を設置し、重要な気候関連リスク・機会の特定、これらの対応に係る方針策定と展開、進捗管理等を行っております。

サステナビリティに関する取り組み内容については、当社ウェブサイトを参照ください。

https://www.optexgroup.co.jp/esg/

 

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(2)戦略

(気候変動)

当社グループは気候変動への対応を重要課題と捉え、2023年1月にTCFD提言への賛同を表明しました。あらゆるステークホルダーとの関係を強化し、社会の持続可能な成長に貢献するべくTCFDのフレームワークに基づき情報開示に取り組んでおります。

当社グループが認識している気候変動に関するリスク(移行リスク及び物理的リスク)と機会は以下のとおりです。

移行リスクとしては、炭素税導入による部品及び原材料のコスト増加、環境取り組みと訴求の不足によるステークホルダーからの不支持が想定されます。物理リスクとしては、異常気象等による自社工場の稼働停止、従業員のアクセスの寸断等が想定されます。

一方、機会としては、低炭素排出量製品の需要拡大や省エネ製品の要求加速、防災関連製品の需要拡大による事業機会の増大が期待できると認識しております。また、環境配慮型製品の開発、生産性向上に繋がる高性能製品の拡販、冠水モニタリングシステム、災害予知保全システムなどの開発が期待できると認識しており、この機会を最大化するための取り組みを進めております。

今後も様々な世界観を想定したリスク・機会の分析を定期的に実施し、重要度の見直しと開示内容の充実化に尽力してまいります。

リスクと機会及び当社グループとしての対応策の詳細は、当社ウェブサイトに開示しております。

https://www.optexgroup.co.jp/pdf/risk-opportunity-list.pdf

 

(人的資本)

当社グループは、「ベンチャースピリット溢れる企業集団を目指す」という企業理念を掲げ、人と組織の能力・活力・効率を高めグループ全体の企業価値を最大化することを目指しております。人材に関する考え方として、グループ全社員が安心して快適に働ける職場環境の整備はもとより、多様な人材がそれぞれの能力を高めあい活躍できるように、ダイバーシティ推進にも力を入れております。また、ワーク・ライフバランスと生産性向上の両立を目指した働き方改革にも取り組んでおります。

また、当社グループでは人材育成に力を入れており、新入社員研修やトレーニー制度、階層別研修、語学研修などを実施しております。また、育児休業後の復職者数や育児時短勤務者数、有給休暇取得率など、社員のワーク・ライフバランスの改善にも取り組んでおります。さらに、定年後再雇用者数や従業員持株会制度など、ベテラン層の活用や個人資産形成の支援にも力を入れております。

以上のように、当社グループは、人材育成方針や社内環境整備方針に関して、多角的な取り組みを行っております。

人材育成の取り組みの詳細は、当社ウェブサイトに開示しております。

https://www.optexgroup.co.jp/esg/human-resources.html

 

(3)リスク管理

当社グループは、取締役会の管理・監督の下、グループの横断的なリスク管理体制として「グループコンプライアンス推進委員会」を設置し、同委員会において気候変動関連を含めたリスクマネジメントを推進及び統括しております。「グループコンプライアンス推進委員会」は、年2回以上リスクの特定と評価を実施した上で必要に応じてリスクマネジメントの包括的な見直しを行っております。また、特定したリスクと評価の結果は「リスクマップ」に明記し、対応方針と合わせて取締役会に諮った上で全グループに展開しております。また、安全保障輸出管理、ITセキュリティ、気候変動対応関連については専門の分科会を設置し、リスクの洗い出し、対策の点検や評価を実施、活動進捗については定期的に取締役会に報告、協議することで実効性を確保しております。

 

(4)指標及び目標

(気候変動)

当社グループは環境に配慮した製品の供給を通じて、循環型事業経営を実現することを目指しております。当社グループの製品は単体の電力消費は非常に少なく、様々な企業活動の中に組み込むことで、企業活動全体での温室効果ガス削減に大きく貢献することができると考えております。

また、地球環境の保護を企業の社会的責任の一つと認識し、全従業員に「オプテックスグループ行動規範」の周知を図り、環境関連の各種法令や規格などを遵守し、環境に配慮した事業運営を行っています。

気候変動対応として「2030年までに2019年度比CO2排出量(スコープ1、2)を30%以上削減する」という中長期目標を設定し、今後の経営計画に反映しております。

確実な推進を図るため、代表取締役社長の直轄で全グループを対象にしたプロジェクト発足を含め、低炭素で持続可能な未来に必要な行動と投資を活発化させております。

なお、当社グループの2019年度から2024年度のスコープ1、2の温室効果ガス排出量の詳細、当社ウェブサイトに開示しております。

https://www.optexgroup.co.jp/esg/environment-impact.html

 

(人的資本)

当社グループでは、社員のエンゲージメント向上を通して、グループ各社の持続的な成長と発展を目指しております。

人的資本への投資及び人材の多様性の確保については、当社グループの事業環境及び各人材の就労状況を踏まえ、その時点で最適な方法を選択する方針であるため、現時点では、特段の指標及び画一的な目標は設定しておりません。しかしながら、管理職については能力、将来性などを総合的に判断し男女の隔てなく登用しております。また、当社グループの製品開発及び拡販において、必要とされる技術職や営業職についても、性別・国籍を問わない採用を強化しております。

詳細は当社ウェブサイトに開示しております。

https://www.optexgroup.co.jp/esg/human-resources.html

 

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済状況について

当社グループは世界各地で事業を展開しております。このため製品を販売している国又は地域の経済状況によって経営成績及び財務状況に悪影響を受ける可能性があります。

これに対して海外主要地域には自社の拠点を設置するなど、現地の状況を常に把握するとともに、マクロとミクロの視点で経済情勢及び市場の変化を掌握し、主要事業会社の責任者が毎月集まって、情報交換のうえで戦略の変更や状況に応じた対応が迅速に取れるように対策を行っています。

 

(2) 為替変動によるリスクについて

当社グループは積極的に海外市場に進出しており、連結売上高の約6割は海外での売上となっております。米ドル、ユーロ、英ポンド、人民元などの主要通貨に加え、新興国を含む各国通貨の急激な円に対する為替レートの変動が長期に及んだ場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは為替変動による損益への影響を限定する目的で、外貨建資産・負債額の一定比率に対して為替ヘッジ策を講じるとともに、海外生産を一定比率保って海外調達比率を向上する等、外貨建支出の維持による収支上の為替バランスを改善することで、為替変動に強い収益構造作りに取り組んでおります。

 

(3) 海外活動にかかるリスク、法的規制の変更・強化について

当社グループは、日本及び諸外国・地域の法規制に従って事業を行っております。当社グループが事業進出している国又は地域において、法令又は規制の重要な変更、税制又は税率の大幅な変更、為替政策の変化、輸出又は輸入に関する法規制、その他経済的、社会的及び政治的変動などがあった場合、経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは「(1) 経済状況について」において説明のとおり、グローバルでの状況の変化を注意深く見守り、事業会社間で情報を共有しつつ、状況に応じた迅速な対応が取れるよう対策を行っております。

また、コンプライアンス違反や昨今の労働環境規制の強化等、企業の法令違反に係るリスクが多様化する中、役職員の教育と法令順守意識の徹底を図っております。

 

(4) M&Aについて

当社グループでは中長期的な事業ポートフォリオ戦略を踏まえ、既存事業に関連した新しい分野への進出も視野に入れたM&Aをグローバルに検討し、積極的に実行することで、企業価値の向上を目指しております。M&Aにあたっては、買収前に十分な調査を行い、価値評価を慎重に検討したうえで実施しておりますが、買収後における想定外の事態の発生や、市場動向の大きな変動等が原因で、買収事業が所期の目標通りに推移せず、場合によってはのれん等無形固定資産の減損処理等による財務状況への悪影響が生じる可能性があります。

 

(5) 生産用部材等の調達について

当社グループが生産する製品の部材等は、グローバルなサプライチェーンを通じて、国内外の仕入先から調達しております。経済状況の変動や、国際状況の変化あるいはサプライチェーンのトラブル等により、これら部材等の入手が困難な状況が発生したり、購入価格が高騰した場合、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

直近では、世界的に半導体を中心とした電子部品の需給が逼迫している状況となっており、これら電子部品の需給逼迫の長期化につきましては、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、紛争鉱物への対応や、環境への配慮など、ESG観点からもより高度な対応が求められております。部材等の仕入先に対応不備があれば、部材等の調達や製品の販売に影響を与えるだけでなく、当社グループの社会的評価が悪影響を受ける可能性もあります。

当社グループでは、グローバルな経済情勢を注視し、調達環境の変化を把握するよう努めております。また代替部材の検討や、仕入先の複数化を進め、安定的な調達を図っております。さらには仕入先とのコミュニケーションを充実させ、仕入先の経営状況把握を行いつつ、管理体制の強化に協力することで顧客や社会の要求に対応しております。

(6) 資金調達について

当社グループは、M&A等の大きな資金需要が生じた場合には、金融情勢、マクロ環境、当社の状況などを総合的に勘案し、必要な資金を調達することといたしております。このため、金融市場の不安定化が生じた場合などには、資金調達コストが増加することにより、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 気候変動について

当社グループは気候変動などの環境問題への対応を重要な課題の一つと捉え、気候変動に対する政策及び法規制、市場の要求を踏まえ、環境配慮型製品の開発に取り組んでおりますが、これらの規制が予測を超えて厳しくなった場合、コストの増加や販売機会損失等により、当社グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、気候変動による物理的変化のリスクとして、近年増加傾向にある台風・豪雨等の異常気象、地震などの大規模自然災害等が発生した場合、当社グループの事業活動が制限され、経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 感染症拡大に伴うリスク

当社グループは、新型コロナウイルスや新型インフルエンザ等の感染症の流行等大規模な感染拡大が発生した場合には、市況の悪化及び営業活動の停滞に伴い経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。感染症が流行した場合に備え、当社グループは地域のお客様や役職員の安全を第一に考え、政府の方針等を踏まえて在宅勤務や時差出勤体制の整備に取り組むとともに、ITを活用した非接触型の営業活動の確立に取り組んでおります。また、感染症拡大予防策の浸透などにより事業を伸ばしている業界もあるため、伸びている業界に注力するよう機動的に対応しております。

 

(9) その他

上記に掲げたリスク要因は、当社グループの事業展開その他に関するリスクのすべてを網羅しているものではありません。その他、知的財産権に係る法的リスク、情報漏洩に係る情報セキュリティリスク、顧客の信用リスク、人材育成・確保に係るリスクなども発生する恐れがあり、当社グループの事業、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは「オプテックスグループ行動規範」(2003年1月初版制定、以後随時改定)を、日本語・英語にて作成し、当社グループ全世界の役職員に配布することで、各国法令・社内規則はもとより、社会規範・倫理規範に則った職務の遂行を促し、企業風土の醸成と役職員の教育・啓発に努めております。また、様々な観点でリスクを認識し、対応策を講じるため、代表取締役社長を委員長とする「グループコンプライアンス推進委員会」においてリスクマネジメントを推進及び統括し、定期的な見直しと検討を進めております。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績の状況

当連結会計年度(2025年1月~2025年12月)における世界経済は、米国の関税強化や政策不確実性の影響等により一時的な減速がみられたものの、需要動向は総じて堅調に推移し、年後半にかけて緩やかな回復基調を示しました。

このような状況の中、当社グループは、「ベンチャースピリット溢れる企業集団を目指す。」を企業理念とし、収益性の向上と持続的成長を目指し、今年度は「ソリューション提案事業」への移行を効果的に進めることを重点施策として取り組みを強化してまいりました。また、当社グループの「サステナビリティ基本方針」に基づき、事業を通じて様々な社会・環境課題を解決することで、社会の持続的な発展への貢献と企業価値の最大化に向け邁進してまいりました。

当連結会計年度の経営成績は、IA(インダストリアルオートメーション)事業の自動化装置関連が低調に推移したものの、SS(センシングソリューション)事業が順調に推移したこと等により、売上高は658億78百万円と前年度に比べ4.1%の増収となりました。利益面につきましては、人件費の増加等があったものの、高収益製品の販売増等による売上総利益の増加がこれらを吸収した結果、営業利益は81億53百万円(前年度比14.5%増)、経常利益は80億00百万円(前年度比3.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は投資有価証券売却益による特別利益の計上等により65億95百万円(前年度比15.9%増)となりました。

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりです。

なお、当連結会計年度より、組織再編等に伴い、報告セグメントの区分及び報告セグメント内における収益の分解情報の名称を変更しております。以下の前年度比較については、変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載しております。

 

(SS事業)

SS事業は、米国の関税政策の影響を受けたものの、売上高は310億44百万円(前年度比9.4%増)、営業利益は、ソリューション提案事業が奏功し、高収益製品の販売増による原価率の低減等により48億88百万円(前年度比24.9%増)となりました。

防犯関連は、売上高199億24百万円(前年度比9.3%増)となりました。国内では大型重要施設向けソリューション販売が堅調に推移し、海外でも米国のデータセンター等の大型重要施設向けソリューション販売が好調に推移した結果、前年度実績を上回りました。

自動ドア関連は、売上高71億82百万円(前年度比3.1%増)となりました。海外ではヨーロッパ向けの自動ドアセンサーの販売が軟調に推移しました。一方、国内では自動ドアセンサーの販売が軟調に推移したものの、遠隔モニタリングソリューションや客数情報カウントシステムの販売が順調に推移した結果、前年度実績を上回りました。

社会・環境関連は、国内及び米国での駐車場管理システム向け車両検知センサー・ソリューション販売が好調に推移しました。さらに、国内の水質センサー・ソリューション販売も好調に推移した結果、売上高は39億37百万円(前年度比23.7%増)となりました。

 

(IA事業)

IA事業は、売上高337億34百万円(前年度比0.0%減)、営業利益は38億27百万円(前年度比1.7%増)となりました。

FA関連は、国内では米国の関税政策の影響により半導体、電気・電子部品向けの販売が軟調に推移したものの、年後半には回復需要を取り込みました。海外でもヨーロッパにおける顧客の在庫調整の一巡や、中国における市況回復により、自動化・省人化用センサーの販売が堅調に推移した結果、売上高は90億1百万円(前年度比7.8%増)となりました。

検査用照明関連は、国内では米国の関税政策の影響により半導体、電気・電子部品向けの販売が軟調に推移しました。一方、海外では米国及びアジア向けの販売が堅調に推移した結果、売上高は147億74百万円(前年度比3.6%増)となりました。

 

産業用PC関連は、SS事業防犯関連とのシナジーによりグループ内向けの販売は好調に推移したものの、半導体製造装置向けの販売が低調に推移した結果、売上高は46億89百万円(前年度比4.8%減)となりました。

自動化装置関連は、電気自動車(EV)向けの設備投資需要が一巡してきたことにより、二次電池製造装置の受注案件が伸び悩んだ結果、売上高は52億69百万円(前年度比15.1%減)となりました。

 

(EMS事業)

EMS事業における外部顧客への売上高は、生産受託案件が低調に推移したことにより9億96百万円(前年度比4.4%減)となりました。営業損益はグループ内製品の製造量が減少した結果、32百万円の営業損失(前年度は1億20百万円の営業損失)となりました。

 

b.財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は769億39百万円となり、前連結会計年度末に比べ40億88百万円増加しました。

流動資産は594億88百万円となり、14億62百万円増加しました。これは主に、前渡金等のその他流動資産が2億59百万円減少したものの、現金及び預金が18億18百万円増加したことによるものであります。

固定資産は174億51百万円となり、26億25百万円増加しました。これは主に、子会社における工場用地及び建物の取得に伴い土地並びに建物及び構築物等の有形固定資産が20億75百万円増加したことに加え、投資有価証券等の投資その他の資産が2億70百万円増加したことによるものであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は207億90百万円となり、前連結会計年度末に比べ19億76百万円減少しました。これは主に、短期借入金及び1年内返済予定の長期借入金等の流動負債が16億8百万円減少したことに加え、長期借入金等の固定負債が3億67百万円減少したことによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は561億49百万円となり、前連結会計年度末に比べ60億65百万円増加しました。これは主に、利益剰余金が49億90百万円、為替換算調整勘定等のその他の包括利益累計額が9億96百万円それぞれ増加したことによるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して18億18百万円増加し、228億84百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は94億49百万円(前年同期は76億96百万円の獲得)となりました。これは主に法人税等の支払(23億91百万円)により資金が減少したものの、税金等調整前当期純利益の確保(88億61百万円)により資金が増加したものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は37億77百万円(前年同期は8億67百万円の使用)となりました。これは主に有価証券並びに投資有価証券の売却及び償還による収入(10億14百万円)があったものの、有形固定資産の取得による支出(32億25百万円)、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出(6億56百万円)、無形固定資産の取得による支出(5億45百万円)により資金が減少したものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は44億22百万円(前年同期は38億27百万円の使用)となりました。これは主に長期借入れによる収入(6億円)があったものの、長期借入金の返済による支出(18億41百万円)、配当金の支払(16億1百万円)、短期借入金の減少(12億円)により資金が減少したものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

対前年度比増減率(%)

SS事業(百万円)

27,331

8.9

IA事業(百万円)

29,595

2.1

EMS事業(百万円)

635

△6.6

その他(百万円)

合計(百万円)

59,189

4.9

 

b.商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

対前年度比増減率(%)

SS事業(百万円)

1,656

87.0

IA事業(百万円)

3,553

14.2

EMS事業(百万円)

その他(百万円)

0

△87.8

合計(百万円)

4,432

39.8

(注)2025年1月1日付で、当社連結子会社である株式会社スリーエースの株式の全部を、当社連結子会社であるオプテックス株式会社に譲渡したことに伴い、従来「その他」に区分していた同社事業を当連結会計年度より「SS事業」に含めております。対前年度比増減率は変更後の区分に基づき算定しております。

 

c.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

対前年度比増減率(%)

SS事業(百万円)

362

19.6

IA事業(百万円)

21,806

△15.3

EMS事業(百万円)

734

△15.7

その他(百万円)

合計(百万円)

22,903

△14.9

(注)1.当社グループ(当社及び連結子会社)の一部の事業では、見込み生産を行っております。

2.2025年1月1日付で、当社連結子会社である株式会社スリーエースの株式の全部を、当社連結子会社であるオプテックス株式会社に譲渡したことに伴い、従来「その他」に区分していた同社事業を当連結会計年度より「SS事業」に含めております。対前年度比増減率は変更後の区分に基づき算定しております。

 

 

d.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

対前年度比増減率(%)

SS事業(百万円)

31,044

9.4

IA事業(百万円)

33,734

△0.0

EMS事業(百万円)

996

△4.4

その他(百万円)

103

△0.7

合計(百万円)

65,878

4.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

3.2025年1月1日付で、当社連結子会社である株式会社スリーエースの株式の全部を、当社連結子会社であるオプテックス株式会社に譲渡したことに伴い、従来「その他」に区分していた同社事業を当連結会計年度より「SS事業」に含めております。対前年度比増減率は変更後の区分に基づき算定しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、連結会計年度末における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りや仮定を使用する必要があるため、過去の実績や法制度の変更など様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.当連結会計年度の経営成績等

売上高は658億78百万円となり、前連結会計年度に比べ26億9百万円増加しました。これは主に、IA事業の自動化装置関連において二次電池製造装置の受注案件が低調に推移したものの、SS事業の防犯関連において国内及び米国における大型重要施設向けの防犯ソリューション販売が伸長したことに加え、社会・環境関連において駐車場管理システム向け車両検知センサー・ソリューション販売が好調に推移したことによるものです。

営業利益は81億53百万円となり、前連結会計年度に比べ10億32百万円増加しました。これは主に、防犯ソリューションなど高収益製品の販売増により、売上原価率が1.7%ポイント低減したことによるものであります。

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ9億5百万円増加し、65億95百万円となりました。

b.経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりです。

c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

イ.キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

ロ.資本の財源及び資金の流動性の分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料、製商品の仕入れのほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、事業拡大のための生産設備増強などの設備投資、新製品開発、製造のための金型投資、グループ基盤強化のためのM&A投資等であります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、大型の投資案件や長期運転資金につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本に、調達規模や市場環境に応じて柔軟に調達手段を選択していく方針です。

なお、当連結会計年度末における借入金残高は64億54百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は228億84百万円となっております。

d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、連結売上高10%伸長、連結営業利益率15%以上、ROE15%水準を経営指標としております。当連結会計年度は、売上高4.1%増、営業利益率12.4%、ROE12.5%となり、主要な各事業において経営指標を上回る売上高伸長を達成できませんでしたが、着実に収益力の向上を進めております。

今後も「ソリューション提案ビジネス」へ事業モデルを転換し、ポートフォリオ経営を強化することで、グループ全体の持続的な成長と収益力の向上に積極果敢に挑戦することにより、経営指標の達成に取り組んでまいります。

 

5【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループは、「見えないものを、見るしごと。」の実現を果たすために、世の中の様々な課題やニーズに対してその解決方法を提案し、顧客満足度の向上を目指して研究開発を進めております。

センシング技術に加え、照明技術やさまざまな要素技術を取り入れ、変化や状態を「見る」、見えないものを「視る」、観察し判断する「観る」を包含した「見る」技術を進化させ、多様化するお客様に価値ある提案を行い、新たなソリューションを創造してまいります。

当連結会計年度の研究開発費の総額は3,760百万円であり、対売上高比率は5.7%となっております。

 

<SS事業>

(1) 防犯関連

近年、地政学的リスクの高まりや社会インフラの高度化を背景に、データセンター、発電所、空港、政府関連施設などの重要インフラを対象としたセキュリティ対策の重要性が一層高まっております。これらの施設では、侵入を確実に検知する性能に加え、警備が途切れない高い信頼性や、誤警報を抑えた安定的な運用が求められております。

このような重要インフラ特有の要求に対応するため、当社グループは、屋内外の警戒用途に適した複数のセンシング技術を活用した、高精度かつ継続性の高い侵入検知ソリューションの研究開発を重点的に推進しております。特に、施工や運用の負担を抑えながら、長期間に渡り安定した警備を実現する製品の提供を目指しております。

当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。

 

① レーザースキャン侵入検知センサー「REDSCAN Lite」シリーズ

屋内向けレーザースキャン侵入検知センサー 「REDSCAN Lite」シリーズを開発し、グローバル市場に向けてリリースいたしました。本シリーズは、レーザーを用いた検知方式により人や物体の動きを高精度に捉え、誤警報を抑えながら侵入検知を可能とする製品です。

本製品は、1台で最大10m×10mの警戒エリアをカバーでき、データセンターや研究施設、倉庫など、高い安全性が求められる屋内空間での利用を想定しております。従来の高性能センサーと比較し、設置を簡易化する設計により、施工負担を軽減いたしました。

また、周囲環境に応じて検知エリアを自動的に最適化する機能を備えることで、導入後の調整作業を最小限に抑えるとともに、長期間にわたり安定した検知性能の維持を可能としております。本シリーズは、重要インフラ向け屋内セキュリティ分野における当社グループの競争力を高める戦略製品として位置づけております。

 

② ポイント・ロケーション侵入検知システム「Point Defender PD500」

重要施設向け外周警備市場におけるニーズの高度化に対応するため、周辺フェンス侵入検知システム「Point Defender PD500」を開発、リリースいたしました。

本製品は、フェンスに沿って設置したセンサーケーブルを用い、侵入が発生した位置を約1メートル単位で特定することが可能です。また、妨害や破壊を受けて設備の一部に損傷が生じた場合でも検知を継続できる構造を採用しているほか、システムの一部に不具合が生じた場合も、他の機器が検知機能を引き継ぐことで警備全体が停止するリスクを低減しております。加えて、フェンス全域で検知性能を自動的に均一化することにより、設置環境の差による検知のばらつきを抑え、不要な警報の低減を実現しております。空港、発電設備、データセンターなど、警備の中断が許容されない外周警備用途において、高い信頼性と実用性を備えたソリューションとなっております。

今後も、上記の屋内向けレーザースキャン方式と外周向けフェンス侵入検知を組み合わせた重要施設向け侵入検知ソリューションをさらに強化し、グローバル市場における防犯分野での競争力向上を図ってまいります。

 

(2) 自動ドア関連

自動ドア関連におきましては、公共施設、オフィス、店舗や工場施設などで人々が安全・安心・快適に通行できる自動開閉扉用センサーを開発、販売しております。創業以来培ってきた独自のセンシング技術で業界最高水準の安全性と、あらゆる設置環境下でも安定したパフォーマンスを発揮すべく研究開発を行っております。

現在、国内においては、自動ドアセンサー分野は約5割、工場や倉庫の高速シャッターセンサー分野は約7割と、当社グループは高い市場シェアを保持し、海外においては、開口部周辺の安全要求が各地域の法令として定義されるなか、各地域特性に応じた製品を開発し、北米、欧州、アジア地域での市場シェアも順調に伸長しております。

 

また、自動ドア関連事業において進めている「モノ売り」から「コト売り」への事業拡大に関しても、システム開発やアプリ開発を積極的に進め、2025年には不動産ディベロッパー各社とスマートエントランスサービスの提供を開始しました。

得意とする光技術に加え、二酸化炭素排出量削減や新しい付加価値創造を実現するための技術開発をさらに積極的に進め、より快適な社会環境の実現に貢献してまいります。

当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。

 

① 日本市場向け シートシャッター用センサー「OAM-EXPLORER(J)・LINK-BT2」

工場や倉庫において、夏季の暑熱環境の悪化に加え、冷暖房の効いた空気が外部に流出することによる空調効率の低下により、作業環境の悪化が加速しており、遮熱対策及び熱中症対策の重要性が高まっております。このような現場に向けて、シートシャッター用センサー「OAM-Explorer(J)」とシャッター起動用の信号を発信する小型の無線リモコン「LINK-BT2」を組み合わせた暑さ対策ソリューションを展開しております。

本ソリューションは、移動中の人や車両を捉えるマイクロウェーブ方式と、静止している対象を捉える近赤外線反射方式を装備したハイブリッド検知が特長である「OAM-EXPLORER(J)」と、無線リモコン「LINK-BT2」を組み合わせております。これにより、無駄な開閉を抑制し必要時のみシャッターを開放することが可能となりました。開閉数を最適化することで、空調効率の低下を抑制し、作業環境の改善及び安全性の向上に貢献しております。

今後もカーボンニュートラルなど、社会課題に対応したセンサーソリューションを提供してまいります。

 

② OMNICITY「スマートエントランス」

日本市場において自動ドアセンサーを活用した情報シェアリングサービス「OMNICITY(オムニシティ)※」を開始し、Bluetooth機能を搭載した自動ドアメディアセンサー「OAB-215シリーズ(以下、OAB-215)」を市場投入して順調にビジネスを拡大しております。特にオートロックのアクセスコントロールを実現する「スマートエントランス」は国内大手ディベロッパーと連携し、マンション共用エントランスへの導入が進んでおります。

また、スマートフォンアプリに加えてエレベーターやロボットなどの多様なハードウェアと連携することで、オートロックの解錠のみならず、ロボットが荷物を専有部まで配達するなど、人手不足の解消に貢献する取り組みを開始いたしました。現在は日本国内のみでの導入となりますが、北米、欧州、アジア市場での立ち上げに向けて準備を進めております。

今後もスマートエントランスの拡販を進めるとともに、連携可能なデバイス・サービスを拡充し、スマートフォンと自動ドアセンサーを活用した新たなサービス及びアプリケーションの構築に取り組んでまいります。

※OMNICITY:出入り口に設置された自動ドアセンサーにBluetooth機能を搭載することで、通行者に商品情報やクーポンの配信、病院やホテルなどで自動チェックイン・アウトが可能となるプラットフォーム

 

③ 客数情報カウントシステム

客数情報カウントシステムの分野では、クラウドサービスのプラットフォーム「パッサークラウド(PASSER-Cloud)」におけるセンサー及び位置情報データの処理基盤強化に向けたシステム開発を継続してまいりました。小売業界では、リテールメディア※による店舗集客や購買促進のDX化が進んでおり、店舗マネジメントの基礎データとなる客数情報システムにおいてもクラウドサービスへの移行が加速しております。

センサーによる客数計測に加え、無線通信でスマートフォンなどの位置情報を取得できる「パッサービーコン」をセンサーに内蔵し、店内購買利用での導線分析や来店時のクーポン発行などの購買促進にも活用できるなど、多様な店舗DXの施策に寄与するセンサーとパッサークラウドでのデータ分析が評価され契約数が増加いたしました。

また、画像処理AIを用いて人・車両(二輪・四輪)を識別し計測するセンサー・システムを開発し、施設内のみならず、屋外の人流や来店手段など、より広域かつ詳細な分析を実現しました。これにより、近隣居住者や最寄り駅利用者などの来店属性に応じた広告展開や販売促進の効率化など、顧客の課題に対しセンサーとデータによる店舗DXのソリューションに、より貢献することが可能になりました。

今後はセンシング技術の高度化及び有益なデータの拡充を進めるとともに、セキュリティ対策を強化し、安全かつ便利なセンサー・クラウドサービスを継続してまいります。

※リテールメディア:小売企業が保有する店舗・アプリ・ECサイトなどにおける顧客の購買・来店・行動データをもとに、最適な情報発信や販促を行う仕組み。

 

(3) 社会・環境関連

社会・環境関連におきましては、駐車場などで車を検知する車両検知用センサーと、液体の色や濁りを素早く正確に測定する水質計測用センサーの開発を行っております。

車両検知用センサーの分野では、「人」を無視(キャンセル)し、車のみを確実に検出できるセンシング技術が求められております。この分野では長年、特殊な電線を地中に埋設する「ループコイルセンサー」が世界に普及し、駐車場業界における標準となっており、施工時の作業コストや環境への負荷が大きい点が指摘されております。その課題を解決すべく、業界でいち早く、マイクロウェーブを活用した高精度かつ地上設置が可能なエリアセンサーを開発し、全世界へ訴求・提案を進めてまいりました。その結果、世界的にループコイルセンサーからエリアセンサーへの転換が加速しつつあります。また、センサー端末販売のみならず大型施設向け駐車場への車両誘導システムの導入を推進し、利用者の駐車待ち時間・ストレスの軽減や交通誘導員不足の解消など、社会課題の解決に注力しております。

水質計測用センサーの分野では、安全・品質・衛生管理の特殊な計測ニーズに対応した製品の開発を行っており、DXを活用した計測ニーズに対応し、顧客の意思決定の根拠となる高精度なデータを提供できる様々なセンサー製品の開発に取り組んでまいります。

当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。

 

① 車両検知用センサー「OVS-02GTシリーズ」

2023年に発売したOVS-02シリーズは人キャンセル性能の大幅向上、検知エリアの拡大、スマートフォンアプリによるきめ細かな機器設定や施工性の向上など、様々な顧客要望を取り入れてまいりました。その結果、ループコイルセンサーから当社グループ製品への置き換えが進み、北米のオフィスや集合住宅向けセキュリティゲートの開閉用途を中心に全世界で継続的に販売数量が増加いたしました。今後は欧州地区でのさらなる拡販を目指すべく、欧州安全規格に対応したOVS-02GT派生モデルの市場投入を予定しております。

 

② 車路管制システム(車両誘導システム)

大型商業施設や公共向け駐車場へ、車両検知センサー、誘導灯(招き灯)、表示機器、制御システム及び表示用ソフトウェアから構成される車両誘導システムの提案を推進いたしました。これにより、宮崎空港をはじめとする様々な公共施設や商業施設への導入が実現しました。

今後も交通誘導員不足などの社会課題を背景に、同分野の需要は継続すると見込んでおります。

 

③ 水質モニタリングサービス「WATER it」

計測データを含むソリューションを提供する簡易水質測定システム「WATER it」に、当社グループの環境防災機器を接続することが可能となりました。これにより、水環境と設備の異常の有無を同一システム上で把握することができます。本システムは、DXを活用し現場の負担を大幅に削減できるソリューションとして、近年、利用件数が順調に増加しております。

これは水質管理市場において同システムの認知度が向上してきたことに加え、ワンストップで遠隔モニタリングを迅速に利用できるという利点が評価を受けていることによるものです。今後も継続して市場への普及を目指してまいります。また気候変動による災害においては、社会的及び制度的課題として取り上げられた地下駐車場の冠水事故の影響から、当社グループの冠水センサーについて多数のお問い合わせがあり、実案件に向けた動きも見られました。引き続き「WATER it」の普及のため、市場の防災ニーズへの高まりを注視し、水質管理及び環境防災機器のモニタリング機能の充実を図ってまいります。

 

<IA事業>

(1) FA関連

FA関連におきましては、さまざまな製造業の工場における製造ラインの自動化・省力化に不可欠なFA用センサー(産業用センサー)の製品開発、研究に取り組んでおります。可視光や赤外光を用いた光電センサーのみならず、距離を計測する変位センサー、カメラを用いた画像センサー、LED照明機器、非接触温度計などのセンサー、さらに産業IoT(IIoT)※、環境の構築に貢献するIO-Link※製品など、幅広く開発しております。

当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。

※産業IoT(IIoT):Industrial Internet of Thingsの略で、産業用機械や装置・設備・システムなどをネットワークで相互接続し、現場作業の効率化や見える化などを実現するもの

※IO-Link:センサーと制御システムの間で各種データ交換を行う通信技術のこと。設備の予知保全などに役立つ

 

① 防塵防水(IP67)の高輝度センシングバー照明「OPB-X-IPシリーズ」

従来からの独自技術であるセンシング照明を進化させた新技術「FALUX sensing +」を搭載したセンシングLED照明シリーズにおけるバー照明(OPB-Xシリーズ)の防塵防水タイプとなります。

バー照明は特に水や粉塵が舞う過酷な環境下での使用用途が多いため、標準のOPB-Xシリーズと同等の明るさなどの照明性能に加え、防塵防水性能を有したモデルを追加いたしました。

 

② 高輝度センシングリング照明「OPR-X 32-10サイズ」

新技術「FALUX sensing +」を搭載したセンシングLED照明シリーズとして、バー照明(OPB-Xシリーズ)に続く第2弾となるリング照明をラインナップに追加いたしました。本製品では、Φ32サイズの小型リング照明に対応したローアングル用アタッチメントレンズを新たに開発し、傷などの欠陥が検出しやすい暗視野照明への対応を可能としました。

 

③ LED照明用電源「OPPXシリーズ」EtherNet/IPモデル追加

好評を頂いているLED照明用電源「OPPXシリーズ」に、EtherNet/IP※に対応したモデルを追加いたしました。これまでEtherNet/IPに対応したLED照明用電源は、標準的な電源とは別モデルの位置付けであり、製品仕様も異なっておりましたが、今回のOPPXシリーズでは標準電源仕様そのままにEtherNet/IPに対応しているため、ユーザーの利便性向上に貢献いたします。

※EtherNet/IP : 基本的なEthernet技術をベースに、産業用共通プロトコル(CIP)を組み合わせて使用する産業用ネットワーク規格のこと。

 

④ IO-Linkデバイス「UR-DS8RTD」白金測温抵抗体モデル追加

白金の電気的特性を利用して温度を測定するセンサーである白金測温抵抗体を接続し、-200℃~+1000℃の温度データをIO-Link通信に変換するユニットです。8本分の白金測温抵抗体を同時に接続することが可能です。

他のデバイスユニットと合わせて、各種データをIO-Link通信にてやり取りすることで、製造現場における温度管理の見える化をさらに推進する製品となっております。

 

⑤ 超小型レーザー変位センサー「CD2Sシリーズ」

超小型筐体の高精度変位センサーを開発いたしました。上位機種で採用している独自開発のイメージセンサー「ATMOS」を搭載し、堅牢な金属筐体で安定した検出性能を提供いたします。表示部には上位機種と同様のOLEDディスプレイ※を採用し、より分かりやすく直感的な操作が可能です。インターフェースはセンサー類で採用が広がるIO-Linkに対応するとともに、従来の工業用アナログ電流・電圧出力も装備しております。限られた設置スペースでも安定した測定を実現し、搭載装置の小型化及び高密度化に貢献いたします。

※Organic Electro light Luminescence Diode (有機ELダイオード)ディスプレイ

 

⑥ OLEDディスプレイ搭載ローコストファイバーセンサー「D12Rシリーズ」

シンプルな機能構成及び低価格を追求しながら、OLEDディスプレイの採用により直感的な操作を可能にしたデジタルファイバーセンサーD12Rを開発いたしました。上位機種と統一感のあるデザイン、操作性を維持しつつ、機能を絞り込むことで低価格を実現しております。一方で、50μsの高速応答や、異周波設定により最大4台まで同一センサーを近接設置しても誤作動しない干渉防止機能に加え、豊富な外部入力機能も装備し、利便性にもこだわりました。

 

⑦ IO-Link対応高機能デジタルファイバーセンサー「D4RFシリーズ」近距離・高精度タイプ追加

超高速応答(16μs)、高機能デジタルファイバーセンサーD4RFシリーズに新たな機種を追加いたしました。近距離での検出でも光量過多になることなく、スクリーンファイバ(帯状に広がる光)を使用した際に、微小な物体の通過による僅かな光量の変化を検出することが可能です。本機種は小型電子部品や錠剤の落下検出などの用途を想定しております。また、同シリーズの従来機種と同様に、高速応答やOLEDディスプレイによる可読性、操作性も備えております。

 

(2) 検査用照明関連

検査用照明関連におきましては、お客様の困り事を解決するために光を軸としたソリューション提案を磨くことで、お客様の検査品質向上に努めてまいりました。さらに、市場規模が拡大している半導体ウェハや二次電池部材などの検査需要にお応えするため、カメラ、レンズ、画像処理ソフト、装置、産業ロボットなどを活用した検査・計測のトータルソリューションへ活動の幅を広げております。

そして、高度化・多様化しているお客様の課題を解決すべく、従来からの照明や関連機器の高性能化・高機能化のみならず、生成AI、レーザー光源などの先進技術の積極的な利用や、光学・制御に関する研究開発、当社グループ企業間の技術連携によるシナジー効果の発現にも力を入れております。

当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。

 

① 業界最高クラスの明るさを実現したラインスキャンカメラ用照明「LN2シリーズ」の開発

独自の光学設計(特許出願済)と放熱設計により、ラインスキャンカメラ用照明にて自然空冷方式で業界最高クラスの明るさを出力する製品「LN2シリーズ」を開発いたしました。

二次電池向けの電極シートやフィルムシート市場の成長に伴い、ラインスキャンカメラを用いた検査の高精細化・高速化が求められておりますが、従来製品では明るさが不足するという課題がありました。この課題を解決すべく、光学設計を改良することで明るさを向上させるとともに、検査物の特徴に適した配光を3種類ラインナップいたしました。これにより、様々なシートやフィルムの検査シーンにて、高精度・高速化の需要に対応しております。

 

② 照明制御機能を拡充したデジタル電源「PD4-Aシリーズ」の開発

2022年度に発売した「PD4シリーズ」に、多彩な照明点灯制御機能などを追加した「PD4-Aシリーズ」を開発いたしました。

近年ではフォトメトリックステレオ法※などを代表とした、一回の検査において複数の照明を制御する検査ニーズが増加しており、電源においてもよりフレキシブルな点灯制御が可能となる機能の追加が求められておりました。今回の開発では、複数の照明を制御することに特化したシーケンス制御機能において多様な検査に応えるように機能を拡充いたしました。従来は使用する照明の点灯・消灯を切り替えるのみでしたが、それに加え調光値や点灯時間の設定、外部からの動作指示信号の選択、点灯順序の変更を可能とし、より細かな設定ができるようになりました。

また、検査装置の多くは電源を制御するためにプログラマブルロジックコントローラ(以降PLC)が使用され、電源と通信が行われております。PLC専用の通信機能(PLCCOM通信機能)においても利便性をさらに向上させる機能を拡充いたしました。今までは通信用のコマンド理解がユーザーに必要でしたが、それを不要とする簡単設定モードを追加し、照明制御やデータの読み取りや書き取りを容易にしております。

このように、制御及び機器接続の利便性を高めることで、複雑化・高度化する検査需要に対応してまいります。

※フォトメトリックステレオ法:検査対象物へ複数方向から照射し、撮像した画像の差分によって検査対象物の情報を抽出する手法

 

③ 3次元計測技術の進展

検査物の欠陥有無の検出にとどまらず、定量的に欠陥の寸法を計測できる「二光束干渉法※を用いた3次元計測装置」の開発に取り組んでまいりました。

二光束干渉法に特化した独自の光学設計により光の可干渉性(干渉のしやすさ)を高め、様々な表面状態の検査対象物にも対応が可能となりました。また、駆動部と画像処理部も自社開発することで、ミクロンからミリオーダーまでの幅広い高さ領域の計測を実現いたしました。さらに、産業用カメラにおける標準規格であるCマウントのカメラが使用可能であり、レンズ倍率や高さ分解能(測定の細かさの限界)などもカスタマイズでき、お客様の幅広い検査ニーズにも対応できます。

本技術は今後ラインカメラへの応用も検討しており、二光束干渉法を用いた高速かつ広視野な3次元計測の実現に向け、引き続き検討を進めてまいります。

※二光束干渉法:一つの光を二つの光に分離し重ね合わせ、両者の光路差(距離の差)を干渉縞の強度として検出する手法。

 

(3) 産業用PC関連

産業用PC関連におきましては、様々な産業分野向けとして、高い品質と長期供給性を追求した組み込みボード製品の製造や、生産ライン、社会インフラ向けのシステムを構築し、CPUボード、I/Oボード、コントローラー装置など組み込み用コンピュータ構築に必要なプラットフォーム提供からアプリケーション・システムの構築、さらには最新のセンシングや制御装置・ロボットの提供など、幅広くお客様のニーズに対応しております。

 

① 消防ロボット

2022年より、当社グループ会社のサンリツオートメイション㈱・愛知県豊田市消防本部・愛知工業大学と共同開発を進めてまいりました、火災及び災害現場における遠隔調査が可能な消防用ロボット(製品名:高温下作業用クローラロボットARTHUR-FireFighter <アーサー・ファイアーファイター>)が、豊田市消防本部へ導入されました。中核市での消防用ロボットの導入は全国初であり、地方においても、火災や特殊な災害現場での要救助者捜索などで、本製品の活躍が期待されております。

また、本製品の検証や改良を継続的に推進できる体制を構築するため、豊田市と「消防用ロボットの能力開発の協力に関する協定」を締結いたしました。協定を通じて、より広く活用ができ、より救命・防災・減災に役立つロボットとして、多くの自治体・機関での社会実装に向けて活動してまいります。

 

② 屋内マップ生成機能付き無線環境測定ツール

屋内のWi-Fiなどの無線通信は、部屋の構造や設置物の影響を受けやすく、同じ建物内でも位置によって通信品質にばらつきが生じます。エンドユーザーに通信環境をレポートするためには、屋内の構造が分かるマップを作成したうえで、電波状況をマップ上にプロット(記録・表示)する必要があり、作業に多くの時間を要します。

そこで、屋内構造のマップ作成と無線状況のプロットを同時に行うシステムの研究を行い、自動マップ生成機能を有した無線環境測定ツールを開発しました。

現状は無線研究者向けのツールとなりますが、屋内を歩いて無線の状態を計測するだけで、屋内のマップを自動作成しながら電波強度・電波混雑率をマップにプロットすることが可能となりました。

今後は、一般ユーザーでも容易に操作できる屋内マップ生成機能付き無線環境測定ツールの研究・開発を進めてまいります。

 

(4) 自動化装置関連

自動化装置関連におきましては、電動自動車用などの二次電池製造装置や、電気・電子・医薬品などの多様な産業分野向け自動化装置及び画像処理検査装置・非接触3次元形状測定機などを開発・製造・販売しております。高度なメカトロ技術※や画像処理技術により、ものづくりの現場の生産性向上と品質向上に貢献しております。

当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。

※メカトロ技術:メカトロニクス技術の略称で、機械工学(メカニクス)と電子工学(エレクトロニクス)を融合させた技術分野のこと

 

① 3次元形状測定機向け紙図面自動読み込みソフトウェア

非接触3次元形状測定機「DMS-800」のオプションとして、AIを用いて部品や製品の紙図面・PDFデータを読み込み、実測データと比較できるソフトウェアを世界で初めて※開発・発売いたしました。

これまでCADデータ(コンピューター上で制作した設計図)を読み込み、実測データと比較する機能は多くの測定装置に採用されておりました。しかし、設計元が外部の加工会社に製造委託する際は、データ改ざん防止及び機密保持の観点からCADデータを提供できず、PDFデータや紙図面で発注されるケースが多数あります。この場合、加工会社が図面に記載された寸法情報などを目視で確認し、装置に手動入力した上で、実測データと比較する必要がありました。

本ソフトウェアは複数のAIエンジンを組み合わせて使用することで、図面の寸法や、設計値に対して許容される寸法の範囲を示す「公差」を、高精度かつ自動で読み込むことが可能です。これにより、検査測定箇所の図面寸法入力の時間を大幅に短縮し、生産効率向上に貢献いたします。

今後も中小規模の部品加工メーカーや、多種多様な取引先から受託する加工メーカーが効率よく検査測定を行えるよう、ユーザー視点で差別化した機能拡充を図り、さらなる事業拡大を目指してまいります。

※ミツテック㈱調べ(2025年7月24日時点、非接触3次元形状測定機向けに同様の機能を有する製品として)