文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、取り巻く環境の変化に適切に対応しながら経営を進めるため、当社グループの存在意義を改めて定義し、揺るがない経営の志とするために、2022年に当社グループパーパス「人と創造力をつなぐ。」を策定しております。
当社グループは、100年にわたり、筆記具を作り、販売することで、創造力の一端である「書く」を通じ、世界中の人々が思索し、記し、描き、伝え、残すことを支えてきました。これからも、「人と創造力をつなぐ。」のもと、「書く」だけでなく、「書く」以外の領域でも、製品、モノづくりだけにとどまらない、サービスや体験、コトづくり等の提供や新たな価値の創造に取り組んでまいります。
〈パイロットグループ パーパス〉

当社グループを取り巻く経営環境は、世界的なデジタル化の進展に伴い、消費者の購買チャネルが多様化する等、急激な変化に直面しております。さらに、世界的な紛争や自然災害の発生、材料費の高騰に伴う生産および物流のリスク等、サプライチェーンにおけるさまざまなリスクへの対策や社会的課題の解決も重要なテーマとして位置づけられており、これらの課題に対しての解決も求められております。このような経営環境の変化の中で当社グループを持続的に成長させるため、パーパスのもとで将来達成されるべき姿からバックキャストして2030年ビジョンを定め、この2030年ビジョンを実現するための中期経営計画を、創業の精神であり行動指針である社是を通じて実行しております。
① パーパスの浸透の取組み
当社グループは、世界中の従業員にパーパスを浸透させ、一体感を持って歩みを進めることが、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上のために重要と捉えております。
グループの中核である当社では、パーパスを体現している従業員を推薦し表彰する制度の運用、部門でのパーパスミーティングの実施等の取組みを行い、従業員自らがパーパスを中心に置いて、やってみたいことを考え、新しいことへ挑戦する風土改革を進めております。またグループ子会社のキーパーソンへのワークショップを実施し、グループ全体としても周知活動を実施しております。
今後も継続してパーパスの浸透を図り、当社グループの持続的な成長と環境、社会問題の解決に貢献する取組みを進めてまいります。
当社グループは、パーパス「人と創造力をつなぐ。」に基づいた将来達成されるべき姿からバックキャストし、2030年ビジョンを「世界中の書く、を支えながら、書く、以外の領域でも人と社会・文化の支えとなる」と定めております。

2030年ビジョンの実現に向けて、「2025-2027中期経営計画」を策定しております。
a.注力する経営課題
2025-2027中期経営計画においては、注力する経営課題を設定しております。

b.注力する経営課題に対する主なアクション

c.2025年の総括
2025年度の売上高は、各地域で期初の想定を下回り、目標に対して66億円の未達となりました。営業利益率およびROEについても、売上未達の影響等により目標を下回りましたが、株主還元については、総還元性向の目標を上回りました。
・経営課題のサマリー
経営課題における主なアクションに対し、2025年度は下記のとおり取組みを進めております。

d.財務目標
中期経営計画における財務目標につきましては、事業環境の変化を踏まえ、目標達成時期を改めるとともに、2026年度・2027年度の売上高、営業利益率、ROEの数値目標を再設定いたします。一方、総還元性向の目標を70%以上に引き上げます。

e.資本コストについての認識
株主資本コストは、6.5~7.5%と認識しております。ROEとのスプレッドを拡げるべく、資本効率改善等の取組みを進めてまいります。
f.キャッシュアロケーション
ROE向上を目標に、自己資本の圧縮及び財務の健全性を考慮の上、外部資金の活用も進めてまいります。成長投資は、伊勢崎工場の設備投資計画の見直しを受け、縮小いたします。株主還元は、配当及び自己株式取得により強化を継続してまいります。

当社グループは、2030年ビジョンの実現に向けて、筆記具事業のグローバルマーケットでの伸長が最優先の課題と認識しております。また、新たな事業を創出するために、非筆記具事業の体制を強化いたします。これらの遂行には、アライアンスパートナーの開拓と持続可能なグループ経営の推進が重要と判断し、注力してまいります。
また、バランスシートに関して、2010年代と比して現金及び預金は高水準に、棚卸資産は回転期間が長くなっていると認識しております。人財確保のための労務費の上昇、高水準が続く設備投資、海外市場での低調な消費需要等の厳しい収益環境は当面継続する見込みであることから、販管費率の抑制、キャッシュの適正ポジジョンへの調整、在庫水準の削減を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティに関する考え方
当社グループは、主力事業である筆記具の展開自体が教育や文化を通じて社会貢献につながっていると考え、この事業のグローバル展開を強化することが事業を通じた社会課題の解決への貢献であると認識しております。そのうえで、さらに現在の社会や環境の変化に伴い、事業活動を通じて、グローバルな視点から様々なサステナビリティの課題解決に取り組むことが重要であると認識しております。なお、当社グループは、パーパス「人と創造力をつなぐ。」を基に、パイロットグループ及び社会のサステナビリティに資する取組みを進めていくための「パイロットグループサステナビリティ方針」を2025年1月に定めました。
・パイロットグループサステナビリティ方針
「私たちは「人と創造力をつなぐ。」というパーパスの基に、事業活動を通じて、人が人らしく生活し、創造力を発揮できる環境を創るとともに、社会課題の解決に取組み、持続可能な社会の実現に貢献します。」
当社は、担当執行役員のリーダーシップのもと、気候変動を含む環境への取組み等、サステナビリティに係る各取組みを推進しております。取締役会では、サステナビリティに係る各取組みに関して、担当執行役員あるいは各部門から報告がなされ、サステナビリティに配慮した事業活動の進捗状況に対する監督が適切になされる体制を整備しております。

② リスク管理
当社は、「経営リスク管理規程」及びこれに付帯して定めた細則やマニュアルに従い、組織横断的なリスク状況の監視を行い、経営上の重要事項に係るリスクに対応いたします。
また、必要に応じて関連する細則やマニュアル等の社内ルールの見直しを行い、社員に周知して危機管理の徹底とモラルの向上が実践できる体制の構築・整備に務めております。今後も継続して、サステナビリティ全般の取組みを推進してまいります。
当社グループの持続的な成長と、環境・社会問題の解決に貢献するために、当社グループは「気候変動」と「人的資本」をサステナビリティの重要な要素として捉え、以下の取組みを実施してまいります。
(2) 気候変動
当社グループは、事業活動を通じてグローバルな視点から様々な環境課題の解決に取り組むことが重要であると認識し、事業活動のあらゆる面において環境への影響を低減するとともに、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。当社グループは、「気候変動への対応」をサステナビリティ重要課題の一つとして特定し、気候変動対策に取り組んでおり、2023年3月、気候関連財務情報タスクフォース(TCFD)提言に賛同を表明いたしました。
当社は、各拠点において気候変動を含む環境への取組みを推進しております。気候変動に関わる取組みの進捗状況は、中期経営計画の進捗状況と併せて、取締役会に対して各部門から定期的に報告を行っており、その適切性を審議すること等、取締役会で監督しております。
② 戦略及びリスク管理
a. 気候変動関連リスク・機会の特定、シナリオ分析
気候変動関連リスク・機会は、TCFD提言で示された事例や筆記具業界におけるリスク・機会の情報を収集し、当社にとっての気候変動関連リスク・機会を特定いたしました。特定されたリスク・機会のうち、発生可能性と事業への影響の2軸で重要度を評価いたしました。重要度が高いと評価したリスク・機会は以下のとおりであります。なお、リスク・機会の整理において考慮した時間軸は、短期:0~1年、中期:1~3年、長期:3年以上です。
また、気候変動関連リスク・機会が事業にもたらす影響を考察するために、当社の国内筆記具事業を対象に、シナリオ分析を実施いたしました。分析対象年は当社グループの「2030年ビジョン」と合わせて2030年としております。分析においては、「脱炭素社会シナリオ(産業革命以前に比べて平均気温が1.5℃~2℃上昇)」と「成り行き社会シナリオ(同4℃上昇)」の2つのシナリオを設定いたしました。各シナリオの社会像の設定においては、2030年以降の社会動向に関するメガトレンドレポートやIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の気温上昇シナリオを参考にいたしました。
シナリオ分析の前提


b. 気候関連リスク・機会への対応策
シナリオ分析を通じて特定された重要度の高い気候関連リスク・機会について、以下のとおり対応策を検討いたしました。対応策を推進・管理し、リスクの低減と事業機会の獲得を実現していきたいと考えております。


③ 指標及び目標
a. 温室効果ガス排出量の削減目標
当社では、2023年2月に気候変動関連の目標として、2030年までの温室効果ガス排出量の削減目標を取締役会の承認を経て新たに策定いたしました。なお、目標の対象範囲は、提出会社としております。
b. 温室効果ガス排出量の実績(スコープ1・2)
当社では、温室効果ガス排出量について、スコープ1・2の算定を行っております。
[スコープ1・2排出量(2021年~2025年)]
(対象範囲:提出会社)
当社グループは、人的資本をグループの持続的な成長のための重要な要素の1つと考えております。2030年ビジョン「グローバル筆記具市場No.1」「非筆記具事業を第2の柱として成長」「環境・社会・従業員への価値提供」を実現するためには、多様な人財が伝統や技術を受け継ぎつつ創造力や自律性を伸ばし、他者と協働しながら生き生きと活躍することが必要不可欠と考えております。そこで、当社グループは、DE&I推進を軸とした意識改革と4つの人財戦略に基づく制度改革に取り組むことで、「自律・挑戦・協働」のカルチャーへの変革を進め、パーパスを組織文化として体現することを目指しております。
<パイロットグループ 目指す人財像>
・自律できる人財 高い規範意識のもと自ら学び自分の考えを大切にして発信できる人財
・挑戦できる人財 変化の兆しを感じ取り変化を恐れず行動できる人財
・協働できる人財 異なる価値観を受入れ尊重し周囲と連携できる人財
<パイロットグループ 人財戦略>
・多様な人財の獲得
・世界で活躍できる自律的で創造力に富んだ人財の育成
・従業員エンゲージメントの向上
・心身ともに健康に働ける環境の整備
<パイロットグループ 人財投資額>
2025年実績 193百万円
(注)1 採用費と教育研修費を合わせた金額であります。
2 提出会社及び連結子会社のうちパイロットインキ株式会社、Pilot Corporation of America、
Pilot Corporation of Europe S.A.S.、Pilot Pen(Shenzhen)Co.,Ltd.を含めた実績値で
あります。
<パイロットグループの人的資本経営>

② 指標及び目標
a.DE&I(多様性・公平性・包括性)の推進
当社グループでは、多様な背景を持つ人財を受け入れ、尊重することが、イノベーションの源泉であり、持続的成長の基盤であると認識しております。
2024年に当社に設置したダイバーシティ推進室を中心として、DE&I浸透を認知・理解・納得・行動の4つのフェーズに分け、2025年は「認知」のフェーズとして、主に国内グループを対象にDE&Iの知識やその意味を知る機会を作り、各種施策に取り組みました。具体的には、役員や従業員を対象としたDE&I研修の実施、ファミリーデイ(家族参観日)や女性従業員向けキャリアイベントの開催等を行いました。役員向けのDE&I研修では、国内グループ役員が一堂に会し、外部講師による経営戦略としての多様性についての講義を受けた後、グループ討議を行うことで、各自が自分事として捉え、担当領域での今後のアクションにつなげることを目指しました。また、ファミリーデイでは、家族の職場見学を通じて従業員と家族、従業員同士のコミュニケーションを促進し、キャリアイベントでは、女性従業員がキャリア形成の過程で直面しやすい課題や環境を踏まえ、同年代の従業員による対話や女性マネージャーの経験談を通じて、キャリアやリーダーシップについて主体的に考える機会を提供いたしました。
その結果、こういった取組みが認められ、当社は2025年に初めて「女性活躍推進企業」として厚生労働大臣によるえるぼし認定(3段階目)を取得することができました。
今後も、DE&I浸透が進むよう、理解・納得・行動の次なるフェーズにつながる取組みを実施してまいります。
(対象範囲:提出会社)
(注)1 7月1日時点の実績であります。
2 ()内は、提出会社及び国内連結子会社を含めた実績値であります。
3 ()内は、提出会社及び連結子会社のうちパイロットインキ株式会社、Pilot Corporation of America、Pilot Corporation of Europe S.A.S.、Pilot Pen(Shenzhen)Co.,Ltd.を含めた実績値であります。
ただし、2022年及び2023年の実績値については集計していないため記載を省略しております。
4 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、目標を設定しております。
b.多様な人財の獲得
当社グループでは、グローバル化が進む社会で新たな価値を生み出し続けるために、性別や年齢、国籍等を問わず、多様な人財を確保していくことが重要と考えております。
当社においては、会社の成長や年齢構成のアンバランス解消、技術・技能継承の観点から、新卒・キャリア採用を計画的に行っております。特に、技術・開発系においては、1日仕事体験の拡充や職種別選考の実施等を行うことで、新卒採用者の入社後のミスマッチを防ぎ、より長く前向きに働けるよう努めております。今後は、SX化による業務効率化を加味した採用計画の再設計を実施する予定であります。
また、定年再雇用制度では、2025年の定年到達者のうち87.5%の従業員が制度を活用し、引き続き当社で活躍しております。さらに、退職者復職制度では、配偶者の転勤帯同やスキルアップ等の理由で当社を離れることになった従業員に当社で再び力を発揮できる機会を残しており、2025年は30.4%の自己都合退職者が登録しております。その他、障害者雇用については法定雇用率を維持しており、他の従業員とともに自らの力を発揮しやすい環境づくりを、専門家にもご助言をいただきながら進めております。
今後も引き続き多様な人財の獲得に積極的に取り組んでまいります。
(対象範囲:提出会社)
(注)1 厚生労働省の雇用動向調査の定義に基づく数値であります。
2 ()内は、提出会社及び国内連結子会社を含めた実績値であります。
3 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、目標を設定しております。
4 当事業年度末現在において目標を検討中の指標であります。
5 目標を設定していない指標であります。
c.世界で活躍できる自律的で創造力に富んだ人財の育成
当社グループでは、従業員一人一人の自律性や創造力を伸ばしていくことで、世界の予測困難な変化にも柔軟かつ適切に対応することができると考えております。
当社においては、業務の中で行うOJTに加えて、入社年数や役職に応じた研修や特定の能力向上を目的とした研修を実施しておりますが、2025年においては、若手社員研修や他部門で業務を経験する社内留学のバージョンアップを行いました。若手社員研修では、問題解決能力・対人関係能力・実務完遂能力・情報収集力・情報理解力・専門知識の中から自身の成長に必要だと感じる分野を自ら選択して受講する仕組みとし、社内留学では、対象を新任管理職から、入社後一定年数以上の正社員・再雇用社員の希望者に拡大することで、より多くの従業員が視野の拡大や新たな気付きを得られる機会を設けました。
また、自己啓発メニューとして、人財育成に向けたコミュニケーションスキルの向上や、AI活用・ITリテラシー向上を目的とした講座ラインナップを充実させ、マネジメントスキルの習得や業務効率の向上を促しております。
さらに、グローバルマインドセットの醸成にも注力しており、アジア新興国で短期間に複数のミッションを遂行する挑戦型体験プログラムや、新興国のNGOや社会的企業の組織の一員として現地で社会課題の解決に挑む海外越境プログラムがあるグローバルリーダーシップ育成研修を中心に、様々な施策を展開しております。
加えて、経営幹部候補の育成に向け、役員サクセッションプランの運用プロセスを策定し、積極的に推進しております。2025年には、経営候補者向けの育成プログラムに加え、次世代層を対象とした育成プログラムも開始いたしました。
今後も従業員の自律性や創造力の向上に向けた施策を実施してまいります。
(対象範囲:提出会社)
(注)1 2025年から定義を常用労働者1人当たりの教育研修費に変更いたしました。
2 ()内は、提出会社及び国内連結子会社を含めた実績値であります。
3 2023年から開始した研修であるため、2022年の実績はありません。
4 目標を設定していない指標であります。
d.従業員エンゲージメントの向上
当社グループでは、従業員のエンゲージメントを高めることが、グループ全体の活性化、ひいては生産性の向上につながると考えております。
エンゲージメントの向上には、企業活動の根幹であるパーパスを全従業員と共有することが最重要であると考え、2025年には、パーパス浸透促進のためのワークショップの開催やパーパスを体現した事例紹介動画の配信、パーパスを体現する行動を称える表彰等を実施いたしました。引き続きグループ全体でパーパスの浸透に努めてまいります。
また、当社においては、従業員の主体的なキャリア形成を支援するため、2024年から取組みを進めております。2025年には、部門長以上を対象にワークショップを開催し、その内容を自部門の管理職と共有して課題やアイデアを議論してもらうことで、支援体制づくりを行いました。希望する部署に異動できるキャリアチャレンジについても継続しており、今後はキャリアプランシートの作成と上司によるキャリア面談を実施する予定であります。
一方、人事制度については、2030年ビジョンを実現できる組織にふさわしい、新しい制度のあり方の検討を開始いたしました。確定拠出企業型年金においては、ファイナンシャルプランナーによる個別相談や継続投資教育を実施し、従業員の金融リテラシー向上に努めております。
さらに、本年度から、従業員満足度調査に代えて、グループ全体でエンゲージメントサーベイを導入することにいたしました。初回は2026年3月に実施予定であり、今後は現場と事務局で課題を共有し対話を重ねてPDCAサイクルを回すことで、従業員の働き甲斐・働きやすさの向上や会社との信頼関係の醸成を図ってまいります。
今後も、従業員の仕事に対する誇りややりがい、熱意を高める取組みを推進してまいります。
(対象範囲:提出会社)
(注)1 2024年から開始した取組みであるため、2022年及び2023年の実績はありません。
2 目標を設定していない指標であります。
e.心身ともに健康に働ける環境の整備
当社グループでは、従業員に能力を最大限に発揮してもらうためには、心身ともに健康に働ける環境を整備することが不可欠と考えております。
2025年にはグループとして健康経営宣言を行い、当社では代表取締役 社長執行役員を責任者として、人事部、健康保険組合、産業医・保健師、安全衛生委員会、各支店・営業所の責任者、労働組合が一体となって、従業員やその家族の心身の健康を増進するための健康経営推進体制を構築いたしました。この体制のもと、フレックスタイム制を活用した柔軟な働き方や在宅勤務の推進、年次有給休暇や育児休業の取得促進、ハラスメント・メンタルヘルス対策を進めるとともに、2025年においては、朝食摂取キャンペーン、女性の健康セミナー、仕事と子育て両立ランチミーティング、仕事と介護の両立セミナー等の新たな施策を実施いたしました。参加者からは、今後に活かしたいとの声が寄せられる等、好評を得ております。
一方、製造現場においては、安全衛生対策を強化しております。主な製造拠点である平塚工場や伊勢崎工場では、安全衛生委員会の下部組織として各種委員会を設置し、個別課題の検証を継続しております。さらに、整理・整頓・清掃・清潔・システム(仕組み)・安全(セーフティ)の6S活動を推進し、発表会の開催等を通じて、労働環境の改善と生産効率の向上を図っております。
今後も、健康問題や事故・災害を未然に防ぎつつ、より働きやすい環境の整備を進めてまいります。
(対象範囲:提出会社)
(注)1 算定期間は、対象年の3月21日から翌年3月20日であります。2025年実績値につきましては、後日、女性活躍推進企業データベースで公表予定であります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の定義に基づく数値であります。
3 前々事業年度中に子供が生まれ、出生後1年以内に育児休業等を取得した従業員について集計しております。
4 派遣社員の発生件数を含みます。不休業災害及び通勤災害は含めておりません。
5 研修に参加した延べ人数であります。
6 ()内は、提出会社及び国内連結子会社を含めた実績値であります。
7 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、目標を設定しております。
8 「次世代育成支援対策推進法」(平成15年法律第120号)の規定に基づき、目標を設定しております。
9 目標を設定していない指標であります。
当社は、グループの事業に係るリスクを適切かつ一元的に管理することを目的にリスクマネジメント委員会を設置し、優先すべきリスクから対応策を講じることで、グループへのリスク低減とリスク顕在化時の損失の最小化を図っております。様々な想定をもとに特定したリスクを、顕在化した場合の影響度と発生の可能性により評価を行った結果、有価証券報告書に記載した事業の状況や経理の状況等に関する項目のうち、経営者が連結会社の財政状態や経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識したリスクは以下のとおりであります。
なお、本事項の文中に将来に関する事項が含まれておりますが、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)市場の変化に関連するリスク
当社グループの主たる事業であるステイショナリー用品事業においては、各国及び地域の市場における競合他社との競争激化、流通・販売チャネルの再編や寡占化等により、当社製品の市場シェアが低下した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社製品群が陳腐化するような著しい成長可能性を有する製品やサービスが出現した場合、販売の減少による影響に加え、それに伴う棚卸資産の評価損が計上される可能性があります。
当社グループでは、付加価値の高い製品の開発や販路の整備を通じた企業価値及びブランド力の向上に取り組むとともに、製品及びサービスの革新を実現するため、研究開発投資を継続的に行っております。また、世界各市場の動向を的確に把握するため、マーケティング機能の強化に努めております。しかしながら、市場動向を十分に把握できなかった場合や、競合環境の変化に適切に対応できなかった場合は、売上高の減少や研究開発投資の回収遅延等により、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替相場の変動に関連するリスク
当社グループは、事業をグローバルに展開しており、連結売上高に占める海外セグメントの割合は全体の4分の3程度と非常に高くなっております。連結財務諸表の作成にあたっては、在外連結子会社の外貨建財務諸表を円に換算しているため、為替レートの変動が当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、グループ内外の取引において外貨建て決済も行われており、為替相場の変動が事業の推進に影響を与えます。
当社グループでは、外貨建ての決済金額に応じた為替変動リスクのヘッジを行っておりますが、外貨に対して想定の範囲を超えて為替相場に変動が生じた場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)投資資本に関連するリスク
当社グループは、技術獲得や効率的な新規事業開発、又は事業の競争力強化を目的として、企業買収、第三者との合弁、資本的支出及びその他の戦略的出資を行う可能性があります。これらの投資においては、買収コストや統合費用の発生、想定したシナジーが実現しないこと、期待された収益の創出とコスト改善が達成されないこと、主要人員の喪失や債務の引き受け等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、第三者と合弁会社を設立する場合や戦略的パートナーシップを構築する場合には、パートナーとの戦略又は文化の相違、利害の対立、シナジーが実現しないことに加え、合弁会社やパートナーシップの維持に必要となる追加出資や債務保証、合弁パートナーからの持分買取義務、当社グループが保有する合弁持分の売却義務又はパートナーシップの解消義務、不十分な経営管理、特許技術やノウハウの流出、減損損失、及び合弁会社の行為又は事業活動に起因する風評被害により、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、重要な投資や経営判断を行うにあたり、取締役会及び経営執行会議等において、社外取締役や監査等委員の意見を含めた議論を行い、多様な視点や専門知識を取り入れた意思決定に努めております。また、当該判断は、経済的合理性や経営戦略上の目標に加え、法令、経営の基本方針及びパーパスに基づく基準に則って行っております。しかしながら、事業環境の急激な変化や想定を超えた事態が発生した場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 国際税務に関連するリスク
当社グループは、グローバルに事業を展開しており、またグループ内でも相互に取引を行っていることから、その事業の推進には移転価格税制等の国際税務リスクが伴います。
当社グループでは、各国の税法に準拠した適切な納税を行うため、海外現地スタッフ及び国際税務に精通した専門家と連携し、情報を共有することでリスクの低減に努めております。しかしながら、各国の税務当局との見解の相違等により予期せぬ税負担が発生し、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 自然災害に関連するリスク
当社グループは、事業をグローバルに展開していることから国内外に多くの拠点を構えており、大規模地震等予測不能の自然災害によって販売拠点、生産拠点、物流拠点に甚大な被害を受けた場合、製品の生産、販売及び物流サービス等に遅延や停止が生じる可能性があります。対応策として、社屋施設の耐震強化や安全性の高い物件への移転、災害備蓄の確保、事業継続計画や緊急時における体制の整備を行っております。また、生産設備につきましては経年施設の建替え、主要製品生産設備の拠点分散を進めておりますが、災害による被害の程度によっては、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 原材料等調達に関連するリスク
当社グループの製品の主要原材料である金属及び樹脂等の購入価格は、当該資源を取り巻く様々な環境、国内及び海外の市況並びに為替相場の変動等の影響を受けております。これらに予期せぬ異常な変動が生じ長期化した場合は、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、一部の製造機械や原材料の調達においては、効率的かつ安定的に調達するために特定の調達先に依存する部分があり、国際情勢、サプライチェーン上の大規模な自然災害、事故、又は法令遵守の状況等の影響によってその供給に支障をきたした場合は、当社の生産活動に影響が生じる可能性があります。
当社グループでは、原材料価格が高騰する中においても更なる生産効率の向上等による原価の抑制を進めつつ、重要度が高い原材料については調達先を複数社に設定する等、供給の安定度を向上させております。調達先企業とは原材料調達の安定性に関する情報交換並びに、法令遵守、国際規範の尊重等について状況確認を行い、相互の社会的な責務の履行に取り組んでおります。しかしながら、原材料供給の源流付近における自然災害、紛争、暴動等、サプライチェーンに対する被害が甚大な場合は、原材料供給の断絶又は大幅な遅延により当社の生産活動も大きく阻害され、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 事業展開に関連するリスク
当社グループは、日本、米州、欧州、アジア等、190以上の国と地域で事業を展開しており、主要販売国である日本、米国、欧州主要国、中国及びその他の国と地域における政治及び経済環境の変動、関税や環境規制を含む各種法的規制の強化、戦争・暴動・テロ等による社会的混乱、感染症の流行等の予測不能な事態が発生した場合には、事業活動上の制約や新たな義務が生じ、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、販路の多様化を通じてリスク分散と事業の安定性向上に努めております。また、法規制や環境規制等については、情報の早期収集及び社内共有を行い、迅速な対応策の策定を図っており、また、海外の政治・紛争・災害等によるリスクについては、海外現地スタッフ等との連携によりリスク予測を行っております。なお、戦争・暴動・テロ等の緊急事態の発生を認識したとき又は発生する蓋然性が相当程度高いと判断したときは適切かつ迅速な対応にて経営への影響を最低限に抑えることに努めておりますが、想定を超える事態が突然発生した場合は、当該エリアの事業活動に支障をきたし、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)情報システムに関連するリスク
当社グループの事業展開においては、各拠点間のコンピューターシステムを結ぶ通信ネットワークに大きく依存しております。従って、予測不能な災害等の事由によりネットワークの機能が停止した場合は、生産及び販売活動に多大な影響が出ることが予想されます。
当社グループでは、データの遠隔地バックアップや冗長化によってデータの損失や中断を防ぎ、セキュリティリスクを最小限に抑えるための基盤を整えております。サイバー攻撃に対しては適切なツールの導入により、攻撃の監視や検知、迅速な対応が可能となっております。関連する規程類は最新のセキュリティ基準に合わせて更新されておりますが、合わせて社内教育を定期的に実施し、従業員のセキュリティ意識を高めております。しかしながら、悪意を持って外部から不正な手段によりコンピューターシステム内に侵入され、ホームページの改ざんや個人情報等重要なデータの詐取、破壊がなされた場合、あるいはランサムウェアへの感染等により当社の情報システムに大規模な障害が発生した場合は、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼし、また、タイミングによっては決算開示の遅延等につながる可能性があります。
(9) 人財の確保や育成及び退職に関するリスク
日本国内の労働市場においては、労働者の不足が恒常的な問題となっております。人財の流動化は今後も進んで行くものと考えられますが、一方で雇用の長期化と、当社における従業員の高齢化の側面もあり、当面の間は見込みを超えた従業員数の増減があることを想定しております。これらの情勢を考慮し、当社においては「今後も求人難が続き、退職者が増加する」ことを前提に、新卒者並びに必要に応じたキャリア採用を行っております。当社グループにおいては、人財は成長の源泉であると捉えております。当社では、自らの挑戦を促す制度づくりや働きやすい環境の整備に取り組むことで着実な人財確保を目指しており、従業員一人ひとりが、自身が思い描いたキャリアでより高いパフォーマンスを発揮していけるように、自律的な成長機会の提供と育成支援を行っております。しかしながら、計画どおりに人財の確保・育成ができなかった場合は事業戦略の達成が阻害され、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 製品の品質管理及び製造物責任に関連するリスク
当社グループは、企業理念を実践する活動の一環として、製品の企画からアフターサービスに至るすべての活動の質を高めることを目的とした、品質方針を定めております。また、製品の企画と生産にあたっては、当社独自の品質管理基準の設定により品質の維持向上に努めるとともに、販売先の各国及び地域の法令及び規制に基づく製造や販売により、市場投入後の品質に係る問題や欠陥発生のリスクの低減を図っております。しかしながら、急速な事業環境の変化及び法規制の制定により対応しきれなかった場合は、製造物責任に関するリスクが高まり、製品回収やアフターサービス等に多額の費用が発生する可能性があります。同時に、当社グループの既存の製品及びサービスについて、顧客満足が維持できない可能性や、需要の減少、競争力の低下あるいはレピュテーションの悪化を招き、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 知的財産権の保護及び訴訟に関連するリスク
当社グループは、他者の知的財産権を尊重するとともに、自社の知的財産権についても適切に保護・活用することを基本方針としております。当社グループは、製品開発に伴って多くの知的財産権を取得し、重要な経営資源の一つとして保有する等、知的財産権の維持や保護について最善の努力で臨んでおります。製品の企画や販促物等の作成に際しては知的財産の調査を徹底した上で承認していくフローを組み込んでおり、知的財産権に関する問題を発生させる可能性の低減に努めております。また、他者による知的財産権の侵害については、グループスタッフによる市場監視によって問題を早期に発見し、知的財産部が中心となり適切な措置をとることで損失の最小化に努めております。このように、当社グループは知的財産権の取得・保護・活用を一体的に推進する体制を構築しておりますが、万一、当社グループの知的財産権を他者が無断使用すること等に起因して提訴に至った場合、あるいは、当社グループが競合他社等から知的財産権を侵害したとして提訴された場合は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 環境規制に関連するリスク
当社グループは、国内及び海外におけるエネルギー、温室効果ガス、大気、水、土壌汚染、有害化学物質、製品、電池、容器包装材のリサイクル、廃棄物等、様々な環境に関する法令及び規制等の適用を受けております。今後、気候変動抑制のため、世界的規模でのエネルギー使用量の大幅な削減や地球温暖化対策が求められた場合、これらの規制の強化に伴う新たな税負担、事業活動における諸資材・燃料の変更、設備の変更等の対応費用が増加する可能性があります。また、消費者の環境に関する意識が高まり、当社製品が消費者の購買志向に合致しなくなった場合は販売計画に乖離が生じ、売上及び利益計画に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは「パイロットグループ環境方針」に基づき、法規制への対応、環境に配慮した製品作り、環境負荷の軽減等、様々な活動を行っております。漸増する国内外の環境に関連する法規制への適合とそれに付随して高まる費用については、各地域のスタッフやサプライヤー等と連携し、情報収集と対応の早期化を図っております。また、環境配慮製品については今後も各市場や消費者のニーズを的確に把握し、環境課題解決に貢献できる製品の開発を継続してまいります。しかしながら、規制強化への対応に関する費用が莫大であった場合は、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13)コンプライアンスに関連するリスク
当社グループは、事業をグローバルに展開していることから各国及び地域の様々な法令及び規制等の適用を受けております。そのため当社グループでは、法規制を遵守し社会倫理に基づいた事業活動を実現することを目的に、「内部統制基本方針」に基づく「コンプライアンス基本規程」をはじめとした各種規程類や内部通報制度を整備し定期的な社員教育等による周知徹底を図っております。しかしながら法令及び規制の違反、又は不適切な行為・不作為が発生した場合には社会的な信用が大きく低下し、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 固定資産に関連するリスク
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。経営環境の著しい悪化等により、固定資産の収益性が低下した場合は減損損失を認識する必要が生じ、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
2025年12月期からの3年間を対象とする2025-2027中期経営計画では、主力事業である筆記具事業の海外展開強化と、新たな事業を創出し、当社グループ「2030年ビジョン」の実現に向けて、「変化に適応するグループ経営基盤の強化」を進めるフェーズと定め、「絶え間なき進化」を図ってまいります。
当連結会計年度(2025年1月1日~2025年12月31日)における経済環境は、国内においては、物価高を背景に個人消費に足踏みも見られましたが、所得環境の改善に支えられ、景気は緩やかに回復しております。
海外においては、欧米における物価高の継続や長引く中国経済の低迷に加え、米国の関税政策の影響等もあり、世界経済の先行きは依然不透明な状況が続いております。
このような環境の下、当期間の連結売上高は1,263億91百万円(前期比100.2%)となりました。国内外別では、国内市場における連結売上高は293億53百万円(前期比96.8%)、海外市場における連結売上高は970億37百万円(前期比101.2%)となりました。
また、損益につきましては連結営業利益が166億49百万円(前期比93.5%)、連結経常利益が178億55百万円(前期比88.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は120億64百万円(前期比79.5%)となりました。
各セグメント別の状況は以下のとおりです。
なお、セグメント利益については、セグメント間取引消去前の金額で記載しております。
(日本セグメント)
ステイショナリー用品事業において、国内では、ゲルインキボールペン「ジュースアップ」シリーズが好調な販売成果を収めたほか、ボードマーカー等の売上が通販チャネルを中心として好調に推移しました。また、蛍光ペン「KIRE-NA(キレーナ)」も高い人気を集め、年間出荷計画を大幅に上振れました。
しかしながら、ОEМ向け筆記具等の売上が減少したことから、国内市場は減収となりました。
また輸出においても、減収となりました。これは主に、Pilot Pen(Malaysia)Sdn.Bhd.及びPPIN Private Limited(2025年9月26日付でPILOT PEN & STATIONERY COMPANY (INDIA) PRIVATE LIMITEDに商号変更)を新たに連結の範囲に含めたことに伴い、従来、日本セグメントに含まれておりましたマレーシア及びインド向けの売上が、アジアセグメントに含まれたことによるものです。
玩具事業においては、主力商品である「メルちゃん」シリーズは堅調に推移しましたが、4月からの値上げの影響が残り、減収となりました。
産業資材・その他事業においては、産業資材事業の主力であるセラミックス製品の受注が伸長し、増収となりました。
セグメント利益は、主に労務費、減価償却費等の増加により減益となりました。
以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は374億56百万円(前期比94.7%)、セグメント利益は118億15百万円(前期比87.0%)となりました。
また、当セグメントにおける主要な事業の売上高につきましては、ステイショナリー用品事業は298億96百万円(前期比92.8%)となり、玩具事業は40億9百万円(前期比96.1%)、産業資材・その他事業は35億50百万円(前期比112.8%)となりました。なお、ステイショナリー用品事業の内訳は、筆記具が261億73百万円(前期比91.9%)、文具・その他が37億23百万円(前期比99.5%)となりました。
(米州セグメント)
米州地域につきましては、米国市場において、ゲルインキボールペン市場でトップシェアを維持している主力製品「G-2(ジーツー)」の販売数量が順調に推移しましたが、景気低調なメキシコでの売上が減少したことに加え、円高の影響もあり、減収となりました。セグメント利益は、主に原価、広告費等の減少により増益となりました。
以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は380億80百万円(前期比97.9%)、セグメント利益は25億18百万円(前期比131.2%)となりました。
(欧州セグメント)
欧州地域につきましては、依然として個人消費の本格的な回復には至っておりませんが、フランスを中心に再生プラスチックを使用した「フリクションボール+(プラス)」と多色ボールペン「フリクションボール4(フォー)」が順調に販売本数を伸ばしたことに加え、円安の影響もあり増収となりました。セグメント利益は、主に原価、労務費等の増加により減益となりました。
以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は274億31百万円(前期比101.9%)、セグメント利益は12億92百万円(前期比72.5%)となりました。
(アジアセグメント)
アジア地域につきましては、中国において景気低調は継続しておりますが、中国市場での主力製品であるゲルインキボールペン「ジュース」シリーズは好調に推移しました。また、Pilot Pen(Malaysia)Sdn.Bhd.及びPILOT PEN & STATIONERY COMPANY (INDIA) PRIVATE LIMITEDを新たに連結の範囲に含めたことに伴い、従来、日本セグメントに含まれておりましたマレーシア及びインド向けの売上が、アジアセグメントに含まれたことにより増収となりました。セグメント利益は、主に、原価の減少により増益となりました。
以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は234億22百万円(前期比112.5%)、セグメント利益は9億8百万円(前期比255.0%)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ32億4百万円増加し、1,799億6百万円(前期比101.8%)となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ19億50百万円増加し、1,102億45百万円(前期比101.8%)となりました。これは主に、「受取手形及び売掛金」が6億59百万円、棚卸資産(「商品及び製品」、「仕掛品」、「原材料及び貯蔵品」)が12億99百万円それぞれ増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ12億53百万円増加し、696億60百万円(前期比101.8%)となりました。これは主に、有形固定資産が21億93百万円、「退職給付に係る資産」が20億72百万円それぞれ増加した一方、「投資有価証券」が8億44百万円、「繰延税金資産」が20億48百万円それぞれ減少したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ12億95百万円減少し、338億26百万円(前期比96.3%)となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ54億53百万円減少し、272億94百万円(前期比83.4%)となりました。これは主に、「未払法人税等」が15億35百万円、「その他」に含まれる設備関係支払手形が27億8百万円、「その他」に含まれる未払金が13億61百万円それぞれ減少したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ41億58百万円増加し、65億32百万円(前期比275.2%)となりました。これは主に、「長期借入金」が38億33百万円増加したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ44億99百万円増加し、1,460億79百万円(前期比103.2%)となりました。これは主に、「利益剰余金」が73億84百万円、「為替換算調整勘定」が24億99百万円それぞれ増加した一方で、2025年5月9日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得等により、「自己株式」が58億97百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5億31百万円減少し、385億81百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、169億99百万円(前連結会計年度は227億27百万円の増加)となりました。収入の主な内訳は、「税金等調整前当期純利益」185億45百万円、「減価償却費」64億7百万円であり、支出の主な内訳は、「仕入債務の減少額」14億50百万円、「法人税等の支払額」66億58百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、111億25百万円(前連結会計年度は110億54百万円の減少)となりました。これは主に、「有形固定資産の取得による支出」112億59百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、80億15百万円(前連結会計年度は110億39百万円の減少)となりました。これは主に、「長期借入れによる収入」40億円、「自己株式の取得による支出」59億99百万円、「配当金の支払額」47億58百万円によるものであります。
(生産、受注及び販売の実績)
当社グループにおきましては、「日本」セグメントが当社の生産活動の中心となっております。
(注) 1 上記の金額は工場出荷価格によっております。
2 上記の金額には外部への製造委託を含めております。
3 当社グループの生産は、当社、連結子会社であるパイロットインキ(株)及びパイロットファインテック(株)でその大半を占めているため、上記の金額は日本セグメントの金額を表示しております。
見込生産を主体としており、受注生産は僅少であるため、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主要な販売先については、総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はないため、記載を省略しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
連結財務諸表の作成におきましては、当社グループにおける過去の実績等を踏まえ合理的に見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
当社グループは、棚卸資産の評価基準として原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しており、期末における正味売却価額が取得原価を下回っている場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。棚卸資産の収益性の低下、滞留、陳腐化が生じた場合、将来において追加の評価損の計上が必要となる可能性があります。
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
退職給付に係る負債、退職給付に係る資産及び退職給付費用は、数理計算上使用される前提条件に基づいております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率等の要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の連結売上高は前期比0.2%増加し1,263億91百万円となりました。
主力のステイショナリー用品事業においては、アジアにおいてPilot Pen(Malaysia)Sdn.Bhd.及びPILOT PEN & STATIONERY COMPANY (INDIA) PRIVATE LIMITEDを新たに連結の範囲に含めたこと、欧州においてフランスを中心に販売を伸ばしたこと及び為替が円安に推移したことが増収要因となりました。
一方、日本国内におけるОEМ向け筆記具等の売上減少、米州における景気低調なメキシコでの売上減少、中国市場において景気低調の影響を受けたことが減収要因となりました。
これらの増収減収要因が入り交じった結果、ステイショナリー用品事業の外部顧客への売上高は、前期比0.0%減少し1,188億20百万円となりました。
また、玩具事業及びその他事業の売上高は、前期比3.3%増加し75億70百万円となりました。主な要因は玩具事業においては、4月からの値上げの影響が残り減収となった一方、産業資材事業の主力であるセラミックス製品の受注が伸長し、増収となったことによるものであります。
当連結会計年度の連結営業利益は前期比6.5%減少し166億49百万円となり、連結売上高営業利益率は前期より低下し13.2%となりました。主に設備投資に伴う減価償却費の増加による原価増加、国内外における人財確保のための労務費の増加、研究開発費等の増加による販売費及び一般管理費の増加から減益となりました。
当連結会計年度の連結経常利益は前期比11.2%減少し178億55百万円となり、連結売上高経常利益率は14.1%となりました。営業外収益は、受取利息が増加した一方で、為替差益が減少いたしました。営業外費用は、主に米国における短期借入金減少に伴い支払利息が減少した一方で、為替差損が増加しました。これらにより、経常利益は減益となりました。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前期比20.5%減少し120億64百万円となりました。これは主に、連結経常利益に加え、特別利益として投資有価証券売却益、退職給付制度終了益を計上した一方、環境対策費を特別損失として計上したことによるものであります。
当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(経営成績等の状況の概要)(2) 財政状態の状況」をご参照ください。
なお、連結ベースの財政状態に関する主な指標のトレンドは下記のとおりであります。
(注)流動比率 : 流動資産/流動負債
固定比率 : 固定資産/自己資本
有利子負債自己資本比率 : 有利子負債/自己資本
・各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
・有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(経営成績等の状況の概要)(3) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
なお、連結ベースのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
(注)自己資本比率 : 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産
債務償還年数 : 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い
・各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
・株式時価総額は、期末株価数値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
・有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
・営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び設備投資のほか、株主各位への配当金支払や株主還元の一環としての自己株式の取得等であります。
運転資金につきましては主に自己資金により充当しており、必要に応じて金融機関からの短期借入金による調達も行っております。設備投資資金につきましては自己資金及び金融機関からの長期借入金による調達を基本としております。配当金支払及び自己株式取得等の株主還元の原資につきましては主に自己資金を充当しております。
重要な設備投資の予定及びその資金の調達源につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1) 重要な設備の新設等」をご参照ください。
なお、資金の流動性を維持するため、主要取引金融機関と特定融資枠契約(コミットメントライン)及び当座貸越契約を締結しております。
株主還元につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。
当社グループは、2030年ビジョンの実現に向け、2025-2027中期経営計画において掲げた経営課題に取り組んでまいります。掲げた財務目標を達成するため、資本収益性の改善、株主還元の強化をし、更なる企業価値向上と持続可能な社会の実現を目指してまいります。
2025-2027中期経営計画において設定した経営課題、取組み内容、財務目標は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 中長期的な会社の経営戦略・目標とする経営指標」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループは、「人と創造力をつなぐ。」企業として筆記具を中心に、独自性を追求した新製品と品質重視の製品開発を行っております。
ステイショナリー用品事業においては、お客様が「書く」ことを通じて、より「創造力」を発揮して高める事ができるよう、各種筆記具を中心とした開発を進めております。当社グループが長年開発・製造してきた技術を更に深化させ、万年筆のペン先素材及び加工技術、ボールペンのチップ加工技術(コーン、パイプ、シナジーチップ)を強化しております。また、インキ技術においては、ゲルインキやフリクションインキの性能向上を図り、マーカーでは、当社グループ独自のペン先と速乾インキを使用した蛍光マーカー「KIRE-NA(キレーナ)」や、書きやすさを追求した油性ペン「おなまえ上手」等のラインナップを強化しております。さらに、シャープ芯等の固形芯の開発技術や、新規素材、組成の探索にも注力しており、高品質で付加価値の高い筆記具の開発を進めております。これらの筆記具は、安全性と環境配慮も重要視しております。
その他事業においては、筆記具の開発と製造で培った基礎技術をもとに、当社グループ独自のクロミック技術を応用した新しい玩具の開発や、万年筆の加工技術で培った貴金属加工技術を活かした宝飾リング製品の開発、筆記具設計技術を応用した他社との共創によるデジタルペン開発、更には、シャープ芯製造で培った技術を基にした高精度な微細孔・多孔のセラミックスの産業資材の開発を行っております。このセラミックス材料は、小型化が進む自動車部品や半導体製造装置等の市場に向けた付加価値の高い産業資材として、お客様にご愛顧いただいております。また、保有技術を応用した分析機器用途、医療分野向けの機材開発も開始しております。
なお、当社グループは日本国内においてのみ研究開発を行っており、当連結会計年度の研究開発費の総額