第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが入手し得る情報に基づいて判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループの主な事業は、「人材紹介業」(Recruitment Consultancy)であります。 当社グループ は、世界の各国で企業の発展を担う人材を数多くつなぐ(紹介する)ことで、人と企業と経済と社会をつなぎ、その成長に貢献し続けていきます。

それらの人材の活躍によって、企業が躍進し、それが経済の発展につながる。経済が発展し、それが社会の発展につながる。また、それらが地球環境の保全に貢献する。そのサイクルを継続して推進していくことが当社のミッションであると考えています。

当社グループはこの基本的な考え(Our Mission)に基づき、常に以下の企業目標を持って会社経営に取り組んでいます。

1.ハイクオリティを重視し、意識の高い仕事をすること 

2.企業、求職者両者の満足度が最高水準である仕事をすること 

3.常に改善、改革をスピーディーに行う会社であること 

4.常にプロフェッショナルを志し、利益率と利益成長率において優良会社として

    成長し続け、 株主・顧客・従業員が満足できる「魅力的」な企業を目指すこと 

 

(2) 経営環境

当社グループの各報告セグメントの経営環境についての認識は次のとおりであります。

 

(国内人材紹介事業)

わが国における中間管理職やスペシャリストの流動化は、欧米諸国に比較すると低い水準にあるとされてきました。しかし近年では、日系企業の海外進出などのグローバル化、さらには政府による人材流動化の推進、及び人的資本経営の促進等により即戦力となる人材の中途採用が進み、人材紹介業が果たすべき役割も急速に拡大してまいりました。当社グループでは、「専門性が高いポジション」「ミドルマネージメントからエグゼクティブポジション」「グローバル人材のポジション」を中心として、市場シェア拡大に引き続き努めてまいります。

 

(国内求人広告事業)

当社グループの株式会社キャリアクロスと当社は、人材関連事業においてグローバル領域に注力している点を共通とし、求人広告と人材紹介という異なる事業モデルを展開していることから、相互補完によるビジネスシナジーを発揮できる関係にあります。当社は今後も、同社との事業連携を深めながらグローバル領域における人材集客力の強化を図ってまいります。

 

(海外事業)

アジア各国の人材紹介市場は、欧米企業を中心とした採用抑制などの影響を受け、厳しい状況が続いております。このため、当社グループでは、求人意欲の高い日系企業の採用マーケットに注力していくことを基本として、特に年収水準が高く日系企業の進出も目覚ましい米国等での事業拡大を推進していくことで売上総利益の増加を図ります。

 

(3) 中長期的な経営戦略と目標

当社は、長期的な経営ビジョン「JAC as No.1」の中で、人材紹介のプロフェッショナル集団としてサービス品質と収益性の両面で世界一になることを掲げています。その実現に向け、当社はサービス品質の向上に不可欠な人的資本の充実を中心とした成長投資を積極的に実施しています。収益性と成長性を併せ持つ日本国内のホワイトカラー人材紹介市場におけるシェア拡大を軸としつつ、グローバルでも「No.1」を目指し、海外各地においても人材紹介事業を展開してきています。

また、当社は、資本コストを上回る資本収益性を上げることは経営として必須の要件であると認識し、高い資本収益性を維持、向上させることによって市場評価を獲得することを目指しています。

当社は、加重平均資本コスト(WACC)により算出される7.6%を資本コストとして認識しております。これに対し、2025年度末における自己資本利益率(ROE)は41.5%と、資本コストを大きく上回っています。また、2025年度末における株価純資産倍率(PBR)は7.55倍と、高い水準を維持しています。

設備投資の資金需要が少ない人材紹介事業を中核ビジネスとし、有利子負債がほぼなく、資本コストがもっぱら株主資本コストで構成されている当社が今後も高水準のROE、さらにはPBRを維持・向上させていくためには、営業利益率と当期純利益の成長率が最も重要な財務指標になると認識しております。当社は、高い配当性向を維持し次なる成長に向けた事業投資のための内部留保は一定確保しつつ、それによる自己資本の拡大を上回る利益成長に取り組んでいます。また、当社は人材系ビジネス全体を一つの事業ポートフォリオとして捉えており、事業投資にあたっては資本コストを上回る投資利益率(ROI)を実現できることを最低限のハードルレートとし、現状の資本効率を維持できる水準を判断基準の一つにおいて検討しています。

今後についても、非財務資本の充実に向けた取り組みがもたらす社会的インパクトの開示をさらに進め、株主価値の拡大(エクイティスプレッドの拡大)に努めてまいります。

また、各報告セグメントの目標を次のように定めております。

 

(国内人材紹介事業)

国内人材紹介事業につきましては、コンサルタントとマネージメントの増員と教育に取り組み、戦略子会社である株式会社JAC Internationalとのシナジーを活かしつつ、継続的な拡大成長を目指してまいります。

 

(国内求人広告事業)

株式会社キャリアクロスが取り組む国内求人広告事業につきましては、前課金型から成功報酬型のビジネスモデルへの転換をはじめとする事業構造の見直しを進めることで、売上の拡大を目指してまいります。

 

(海外事業)

JOOを軸とする海外事業につきましては、現地日系企業を軸に据えた注力マーケットの再構築と経営体制の強化を進めることで、収益性の改善に取り組んでまいります。

 

中期経営計画の数値目標

 

2025年実績

2026年見通し

2027年目指す姿

2028年目指す姿

連結売上高

460億円

532億円

612億円

704億円

連結営業利益

116億円

126億円

145億円

173億円

連結当期純利益

84億円

86億円

99億円

119億円

 

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

2026年度の当社グループは、引き続き中長期的な事業拡大を目指して人的資本の充実に取り組みます。特に、優秀なコンサルタントの増員及びその教育、そしてマネジメント体制の整備には組織としての成長に相応しいリソースを投下して、従業員エンゲージメントの高い企業風土の醸成を進めてまいります。

当社グループの人材紹介事業は、「Face to Face」の直接的なコミュニケーションを重視したコンサルティングを全社的に徹底して成約率を向上させるとともに、さらなる競合他社との差別化を進めます。国内においては、注力領域である高額年収帯を中心に、エグゼクティブ領域、金融、コンサルティングのプロフェッショナル職などを担当する部署の強化を継続する一方、地方マーケットにおいても高額年収帯比率を高めていくことで、収益性向上と事業規模拡大の両立を目指します。

海外事業と国内求人広告事業は、ともに国内人材紹介事業との連携強化「Integration」を軸に、事業の再構築を進めます。

海外事業は、国内人材紹介事業と各国の連携によるグローバル・アカウントマネージメントを拡大して求人意欲の高い日系企業の採用マーケットに注力していくことを基本に、事業成長の加速を図ります。

国内求人広告事業は、国内人材紹介事業との連携強化によって求人・求職者の登録拡大を進めるとともに、顧客企業によるダイレクト・リクルーティングにも注力することで、売上の拡大を図ってまいります。

また、当社グループ全体でミドル・バックオフィスの業務効率化を進めるとともに先行投資に対するROI管理を強化し、売上総利益に対する各コストの割合を低減することで、2026年度も引き続き利益率の向上に取り組みます。

 

(5) 次期の見通し

国内人材紹介事業では、当社の注力領域である高額年収帯において旺盛な求人需要が続いています。特に高額年収帯や海外関連、外資系企業等の領域での強みに、海外事業、国内求人広告事業を連携させる形で、グループ全体の事業シナジー強化「Integration」に取り組んでまいります。

 

 

 

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)サステナビリティ全般

当社グループは、「人と企業と経済と社会をつなぎ、その成長に貢献し続ける」というミッションのもと、最適な人材を最適なポジションにご紹介することで、ご紹介した人材が生き生きと活躍し、紹介先の企業の発展と社会課題の解決、ひいては持続的な社会の発展に寄与することを目指しています。この実現に向け、当社が取り組むべき優先課題(マテリアリティ)を特定し、リスクと機会を分析したうえで、事業を通じた課題解決と社内の取り組みによる対応を行っています。

 


なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが入手し得る情報に基づいて判断したものです。

 

①ガバナンス

当社は、サステナビリティ関連のリスクと機会を評価・管理する上での経営の役割を以下のとおりに定め、ガバナンス体制を構築しています。

 


②戦略

当社では、国連の掲げるSDGsに賛同し、当社の事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献していきたいと考えています。社会の発展の。社会の発展のための地球規模の課題のうち、当社グループとステークホルダーの双方にとっての重要性を勘案し、人材紹介業の事業を通じて貢献すべき4つの社会課題(「人材の最適配置の実現」「公平な社会の実現」「人々の健康の実現」「地球の環境保全の実現」)と主に事業を支える基盤となる一つの分野(「組織のレジリエンス」)を加え、当社が取り組むべき優先課題(マテリアリティ)として選定しました。各マテリアリティについて、目指すべき方向性を定め、事業を通じた取り組みと社内での取り組みを立案し、それぞれのKPIを設定して取り組むことを通じて、当社事業の持続的成長を実現するとともに社会課題の解決達成にも貢献していきます。

マテリアリティの選定のステップや選定理由、各マテリアリティに関する取り組み事例等につきましては、「JACグループ統合報告書」をご参照ください。

 


 ③リスク管理

当社では、各優先課題(マテリアリティ)に関連して想定される環境変化や社会ニーズと、そこから想定される当社事業に対するリスクと機会を洗い出し、その影響度について時間軸を勘案して評価しています。また、このリスクと機会に対応すべく、事業を通じた取り組みと社内での取り組みを策定し、事業戦略の中に取り込んで推進しています。

リスクと機会の分析の詳細については、「JACグループ統合報告書」をご参照ください。

 

④指標および目標

各優先課題(マテリアリティ)に関する取り組みおよび指標・目標のうち、社内での取り組み(「地球の環境保全の実現」⇒「(2)気候変動への対応」、「公平な社会の実現」「人々の健康の実現」⇒「(3)人的資本・多様性に関する取り組み」)については、下記のとおりです。

その他の取り組みおよびKPI等については、「JACグループ統合報告書」をご参照ください。

 

(2)気候変動への対応

気候変動は、人間を含むあらゆる生命の生存を脅かす可能性があり、当社の事業にも影響を及ぼす重要な社会課題の1つです。当社グループでは、自らの事業活動で生じる直接的な環境負荷を抑えるだけでなく、植林活動にも積極的に取り組み、GHGの吸収量の増加と森の再生による生物多様性の保護にも貢献しています。

 

①ガバナンス

当社では、気候変動のリスクと機会を評価、管理する上での経営の役割を下図のとおり定め、ガバナンス体制を構築しています。

 


②戦略

当社は、国際エネルギー機関(IEA)、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)などの外部機関が公表している4℃シナリオ、1.5℃シナリオを参考として、気候変動に関するリスクと機会の特定と評価を下表のとおり実施した上で、これに対応するための戦略を以下のとおり立案しています。

 

(リスクと機会)

シナリオ

リスク/機会

事象

財務上の影響

期間

4℃

リスク

自然災害増加に伴う企業業績悪化による求人減少

売上高の減少

長期

気候変動に伴う災害発生、生活コストの増加等による転職市場の衰退・停滞

自然災害の増加に伴う災害対策の強化

コストの増加

気温上昇に伴う空調設備の冷却効率悪化による光熱費の増加

気温上昇による生産性低下

1.5℃

リスク

化石燃料関連産業の雇用減少

売上高の減少

短期/中期

環境、エネルギー関連の人材不足による成約減少

省エネルギーとグリーン化の推進に伴う光熱費高騰

コストの増加

機会

全産業セクターにおける脱炭素化、省エネルギー化促進に伴うエネルギー関連人材の需要増加

売上高の増加

一部産業セクターにおけるカーボンネットゼロ達成に向けた企業方針の転換に伴う転職市場の活性化

 

 

(具体的な戦略)

イ. 植林活動を通じた地球環境保護 (気候変動リスクなどへの対応)

当社グループは2008年から、当社グループを通じて転職された方お一人につき一本の植林を行う活動「PPPプロジェクト」をインドネシアのバリ島とマレーシアのボルネオ島で実施しています。これまでに植林した累計17万本超の樹木は年間約610トンの温室効果ガスを吸収しており、この取り組みの結果、2022年12月期には、TCFD情報として開示が求められるScope1とScope2において当社グループは「カーボンネットゼロ」を達成しました。2024年7月には、Scope3のカーボンネットゼロを目標として、スギの10倍以上のCO2吸収力を持つモリンガの植樹によって森林の再生に取り組む「JACモリンガの森」プロジェクトをスタートさせ、さらなる地球温暖化対策に取り組んでいます。2025年は沖縄県宮古島市内に3,000本、タイで4,000本、マレーシアで3,900本のモリンガを植樹しており、これにより年間約700トンの温室効果ガスの吸収効果が得られているものと推計しています。2026年以降も「PPPプロジェクト」および「JACモリンガの森」プロジェクトに継続して取り組んでいく予定です。

 

ロ. 顧客ポートフォリオの分散 (売上減少リスクへの対応)

気候変動による影響は業種ごとに方向性も発生時期も異なることが予想されるため、顧客ポートフォリオを多様な産業に分散し、気候変動影響によって特定産業での求人が減少した場合にも、他の産業での求人の増加の機会をとらえて、当社事業への影響を最小化します。

 

ハ. 省エネ活動の促進 (コスト増リスクへの対応)

省エネ活動の強化により電力使用量を削減し、グリーンエネルギーの導入促進などに伴い電力料金が増加した場合のコスト増加の影響を抑制します。

 

ニ. SDGs人材の紹介強化 (ビジネス機会への対応)

人的資本の多様性確保、また脱炭素化・省エネ化等への取り組みを加速するため、SDGs関連のプロフェッショナル人材の中途採用が業界を問わず増加しています。当社は、この機会をとらえ、当該スキルを有する人材を発掘・確保し、ビジネス拡大に努めます。また、こうしたプロフェッショナル人材を必要とされる企業に紹介することを通じて、社会全体の脱炭素化、またダイバーシティ&インクルージョンの促進に貢献していきます。

 

③リスク管理

当社では、リスク管理を企業価値向上の重要な取り組みと位置づけ、代表取締役会長兼社長が議長を務めるリスクマネジメント委員会を設置し、当社が想定する各種リスクに対応しています。気候変動のリスクについても、当社グループの経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクのひとつとして、下図の枠組みに則って、重要リスクの絞り込み、モニタリングと再評価を実施しています。

 

(サステナビリティに関する会社のガバナンス体制)

2026年3月26日現在

 

 


 

 ④指標及び目標

当社グループの気候変動に関する指標及び目標は下表のとおりです。

 

指標

2025年実績 (暫定値)

目標

GHGネット排出量(Scope1-3合計)

623.4

t

0t(2030年)

 

(注) 1.Scope3はCategory2、3、5、6、7で算出

2.2025年の数値はソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社による第三者保証を取得予定です

GHG排出量および吸収量の詳細は、「JACグループ統合報告書」および弊社オフィシャルウェブサイトをご参照ください。

 

(3)人的資本・多様性に関する取り組み

当社は、不動産や設備といった有形資産を持たない人材紹介事業であるため、人的資本こそが企業価値創造の源泉であり、人的資本の質と量が売上成長をはじめとする企業成長に直結します。このため、社員一人ひとりが生き生きと活躍し、その能力を十分に発揮できる職場環境整備が当社の持続的な成長にとって最も重要な課題の一つです。

人的資本に関する戦略、取り組み、KPI等の詳細については、「JACグループ人的資本レポート」をご参照ください。

 

①ガバナンス

当社では、代表取締役社長が議長を務める経営戦略MTGにおいて、CHROの統括の下、人的資本の強化に関する戦略を立案し、その進捗状況を監督しています。また、社員を含むあらゆる人々が、属性や信条、経済的地位などによって差別されることなく、生き生きと暮らせる社会を実現するため、「人権方針」を定め、下記の推進体制のもと、取り組みを進めています。

 

(人権推進の取り組み体制)

2026年3月26日現在

 

 


②戦略

当社グループの強みは、企業顧客の課題解決に資する最適な人材を紹介できるプロフェッショナルなコンサルタントであり、その優秀なコンサルタントが相互に支えあい、チームワークで成果を達成する企業文化にあり、その文化を深く浸透させていくことがJACグループの人的資本戦略の基軸となります。そして、全ての優秀な人材が、それぞれの個性を発揮して活躍することができるように、魅力的な職場環境や人事制度・報酬制度などの整備に取り組んでいます。

また、あわせて当社では人的資本関連の各種指標の適切な開示にも努めており、2025年2月に「人的資本に関する情報開示の国際規格(ISO 30414)」を取得しています。

 

イ. 人材の育成に関する方針

当社グループは「人と企業と経済と社会をつなぎ、その成長に貢献し続ける」ことを「Our Mission」と定めており、当社グループのコアビジネスであり世界11ヵ国で展開している人材紹介業については、地球規模で人的資本の最適配分に貢献している社会的な意義の大きい事業であると考えています。この考え方に基づき、当社は、当社グループのコンサルタントとマネージメントの全員が到達するべき「JAC Standard」を設定して、階層ごとの「Mission & Duty」を明確化しています。また、その浸透を徹底して図るため、部長からメンバーまでの各階層向けに作成したトレーニングプログラムを用いて、サービス品質の向上に努めています。

 

ロ. 社内環境整備に関する方針

当社は、当社グループのすべての社員に常にFairなチャンスが与えられ、国籍、人種、年齢、性別、性自認、性的指向、障がいの有無、宗教、信条を問わず、プロフェッショナルとして活躍していける職場環境整備を、以下のとおり進めています。なお、本項の社内環境整備は当社単体の取り組みとなります。

 

a)女性管理職比率の向上

当社は、性別に関係なく個々の強みや能力が発揮できる組織を実現するため、管理職に占める性別比率も全社員の比率と同等であるべきと考えています。また、新しい発想を育み、イノベーションを生み出していくためには、マネージメント適性や意欲、そして可能性のある女性社員が生き生きと強みを発揮できる多様性のある組織であることが必要と考え、女性である当社代表取締役会長兼社長の指揮の下にWomen Empowerment Committeeを組織して、職場のアンコンシャス・バイアスに向き合い、心理的安全性を高めていく取り組みを推進しています。こうした取り組みが評価され、当社は2024年度、厚生労働省が定める女性活躍推進企業認定「えるぼし認定」の最高位である3つ星を取得しました。

 

b)障がい者雇用充足率の向上

当社は誰もが生き生きと働ける職場づくりを目指し、障がいのある方の雇用を促進しています。当社は、当社の事業拠点以外でも障がいのある方の雇用を拡大していくため、千葉県市原市、柏市、及び神奈川県横浜市に衛生的な都市型農園「JACわくはぴファーム」を開設しており、そこでは障がいのある社員が農作物の育成に取り組んでいます。2025年12月末現在で当社の障がい者雇用率は2.86%と、法定雇用率2.5%を0.36pt上回る達成状況となっており、今後も障がいのある方の雇用拡大に向けてあらゆる可能性を追求し、当該雇用充足率の向上に努めてまいります。

 

c)LGBTQ+に対する社内理解の促進

当社は、当社グループ社員のLGBTQ+に対する理解度を高めることによって、多様な社員のさまざまな意見やアイディアを活用することが可能となり、革新的な力が創造されると考えています。この考え方に基づき、当社グループは、性的指向や性自認にかかわらず、すべての社員が平等で自分らしくいられる職場環境を目指しています。また、多様性に理解をもったコンサルタントによる人材紹介を通じて、社会全体の多様性の向上にも貢献していきます。LGBTQ+に対する社内理解を促進するため、当社は、当社代表取締役会長兼社長の指揮の下にLGBTQ+ Committeeを組織して、社内意識アンケート調査や役員・管理・社員職向け研修、他社のLGBTQ+担当部署との意見交換会などを実施しています。また、「東京レインボープライド」や「関西レインボーフェスタ」へのブース出展や他社と連携した啓発イベントの開催、LGBQT+など、社外と連携した取り組みも強化しています。こうした取り組みが評価され、当社は任意団体work with Prideが策定するLGBTQ+などのセクシュアル・マイノリティへの取り組みに対する評価指標「PRIDE指標2025」において、最高評価である「ゴールド」を4年連続で受賞しました。

 

d)健康経営への継続的な取り組み

当社は、企業と人の成長に介在する意義のある存在であるためには、まず、我々自身が心身ともに健康であり、常に平常心を保って行動できることが必要と考えています。この考え方に基づき、当社は社員全員が自らの意思で健康の維持向上に努められるよう、4つの重点テーマ(①運動習慣②ワークライフバランスの確保③仕事と育児の両立④禁煙)を設けて健康経営に取り組んでいます。また、管理本部長を委員長とする「健康経営推進委員会」の下、人事労務担当部長、人事チーム、産業医、本社と各支店の衛生委員がそれぞれ連携して、毎年の健康課題を踏まえた目標を設定し、各施策を立案・実行しています。こうした全社を挙げた継続的な取り組みが評価され、当社は2018年から8年連続で、経済産業省と日本健康会議が主催する「健康経営優良法人」の認定を受けています。

 

③リスク管理

人材戦略は当社の事業戦略の中核にあり、人的資本に関するリスクと機会およびその対応策に関する議論は、経営会議にて行い、その結果は適宜取締役会に報告されます。また人的資本に関するリスクは、各対応所管部署にて課題の特定と対応計画を策定し、実施状況を半年ごとにリスクマネジメント委員会に報告し、リスクマネジメント委員会より取締役会に報告されます。

 

④指標及び目標

当社の人的資本に関する指標及び目標は下表のとおりです。

なお、下表の2025年実績及び目標は当社単体の数値です。

 

指標

2025年実績

目標

女性取締役比率

27.3

30%(2030年)

健康診断受診率

99.2

100

ストレスチェック受診率

98.1

100%(2025年)

特定保健指導実施率

70.3

25%(2025年)

運動習慣者比率

23.0

30%以上(2025年)

健康診断有所見者比率

22.0

20%(2025年)

有給休暇及び夏季特別休暇取得日数

13.1

11

 

(注) 健康診断受診率は2025年4月~2026年2月16日の実績、特定保健指導実施率は2024年4月~2025年3月の実績

 

 

3 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、当社グループとして必ずしも重要な事業上のリスクに該当しない事項についても、投資者の判断上、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要であると考えられるものについては、投資者に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社グループは、これらの事項が発生する可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があります。また、以下の記載は当社グループの事業もしくは当社株式への投資に関するリスクの全てを網羅するものではありませんのでご留意ください。

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、本項における将来に関する事項については、本書提出日現在において判断したものであります。

 

(1) 個人情報の管理について

当社グループは、人材紹介事業及び求人広告事業を行っているため、多数のご登録者(職業紹介希望者、求人案件応募者等)の個人情報を有しております。各規程等の遵守違反、不測の事態等により個人情報が外部に漏洩した場合、損害賠償請求や、社会的信用の失墜等により、当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、業績及び財務状況に大きな影響を与える可能性があります。

このリスクに対応するため、当社グループでは、人材関連事業に関わる企業の果たすべき責任として「個人情報保護に関する法令、規範」に基づき個人情報保護方針(プライバシーステートメント)を策定し、役員及び社員への徹底、技術面及び組織面における合理的な予防・是正措置を講じております。また、当社は2006年度に「個人情報保護マネジメントシステム-要求事項JIS Q15001」に基づくプライバシーマークを取得し、以後、2年毎に審査を受けて更新を実施しております。また、当社コンプライアンス担当部署が中心となって、会社関係者全員に対して定期的な教育・指導及び必要な対策を実施し、当社内部監査担当部署が随時管理状況をチェックしております。

 

(2) 公益財団法人Tazaki財団及び公益財団法人JAC環境動物保護財団との関係について

当社取締役最高顧問田崎忠良が理事長に就任している公益財団法人Tazaki財団、及び当社代表取締役会長兼社長田崎ひろみが理事長に就任している公益財団法人JAC環境動物保護財団と当社の取引は、以下のとおりであります。

 

・連結財務諸表提出会社と公益財団法人Tazaki財団との取引

  当連結会計年度(自  2025年1月1日  至  2025年12月31日)

種類

会社等の名称
又は氏名

所在地

資本金又
は出資金

事業の
内容又
は職業

議決権等の所有
(被所有)割合
(%)

関連当事者
との関係

取引の内容

取引金額
(百万円)

科目

期末残高
(百万円)

役員及びその近親者が代表理事を務める財団法人

公益財団法人
Tazaki
財団

東京都
千代田区

国際的人材育成の学習支援

施設利用料収入

3

経費立替

0

 

 

・連結財務諸表提出会社と公益財団法人JAC環境動物保護財団との取引

  当連結会計年度(自  2025年1月1日  至  2025年12月31日)

種類

会社等の名称
又は氏名

所在地

資本金又
は出資金

事業の
内容又
は職業

議決権等の所有
(被所有)割合
(%)

関連当事者
との関係

取引の内容

取引金額
(百万円)

科目

期末残高
(百万円)

役員及びその近親者が代表理事を務める財団法人

公益財団法人JAC環境動物保護財団 

東京都
千代田区

動物・自然保護団体への助成及び動物・自然環境保護促進のための啓蒙活動

寄附金の支出

10

施設利用料収入

3

出向者給与の立替

17

立替金

1

経費立替

3

立替金

0

 

 

(3) 特定人物への依存、及び株主、取締役としての影響力について

当社の取締役最高顧問である田崎忠良は当社グループの創業者であり、また、代表取締役会長兼社長である田崎ひろみは当社グループの中核事業である人材紹介事業の事業責任者を長年に渡って務めてまいりました。両氏は現在においても経営方針と事業戦略の決定、その実行等において重要な役割を果たしております。また当連結会計年度末現在、合計で当社株式の総議決権の33.57%を保有しており、当社の取締役の選任・解任、配当決定等の株主総会の承認を要する事項に大きな影響力を有しています。このため、何らかの理由により両氏が当社グループの業務を遂行することができなくなった場合には、当社グループの事業運営に大きな支障をきたす可能性があります。

このリスクに対応するため、当社は幹部社員の育成と情報共有、権限委譲を進め、2022年3月24日開催の第35期定時株主総会決議をもって監査役設置会社・監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行いたしました。当事業年度における経営上の意思決定については、東京証券取引所所定の独立役員4名を含む監査等委員でない取締役8名と、全員が同独立役員の監査等委員である取締役3名で構成される取締役会により、取締役会の意思決定等に関して恣意的な判断がされていないかどうか等を監視しております。

 

 

(4) 当社の海外展開について

JOOは有料職業紹介事業を主として、本報告書提出日現在においてはアジア諸国を中心に12ヶ国に連結子会社を展開しておりますが、今後、各国・地域の政治・経済情勢、及び法規制、外資規制、税制の変化等様々な要因により、計画した事業運営ができず、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。また、当社グループの収益は、主として外国為替相場における日本円と当社グループ各社が進出している国々の通貨の価格変動によって影響を受けます。当社グループの連結財務諸表は日本円で表示されるため、換算リスクという形で為替変動の影響を受けることになります。

このリスクに対応するため、当社は安全性と採算性の観点から各国における事業規模の縮小及び撤退について速やかに検討及び実行ができる体制を整えております。

なお、在外連結子会社の主要な事業内容等は以下のとおりであります。

2025年12月31日現在

 

名称

所在地

設立年月

主要事業内容

代表取締役

JAC
Recruitment Group

Agensi Pekerjaan JAC
Sdn Bhd

マレーシア
クアラルンプール

1986年5月

人材紹介事業

Stephen
Blundell

JAC Recruitment Pte
Ltd

シンガポール

1987年3月

人材紹介事業

Fahad Farook

JAC Recruitment
(Malaysia) Sdn Bhd

マレーシア
クアラルンプール

1994年3月

持株会社

Stephen
Blundell

PT JAC Indonesia

インドネシア
ジャカルタ

2002年6月

人材紹介事業

Asmarawaty Zaini

JAC Recruitment (UK)
Ltd

UK
ロンドン

2002年9月

人材紹介事業

渥美賢吾

JAC Personnel
Recruitment Ltd

タイ
バンコク

2004年5月

人材紹介事業

Waykin Hemmawannagoon

JAC Personnel
Eastern Seaboard Ltd

タイ
チョンブリ

2011年1月

人材紹介事業

Stephen
Blundell

JAC Recruitment
Korea Co., Ltd

大韓民国
ソウル

2011年6月

人材紹介事業

加藤将司

JAC Recruitment Hong
Kong Co., Ltd

中華人民共和国

香港特別行政区

2011年7月

人材紹介事業

Stephen
Blundell

JAC Recruitment
China (HK) Ltd

中華人民共和国

香港特別行政区

2011年11月

持株会社

Stephen
Blundell

JAC Recruitment

International Ltd

シンガポール

2012年3月

持株会社

Gan Hui Bian

PT JAC Consulting
Indonesia

インドネシア
ジャカルタ

2012年4月

コンサルティング事業

佐原賢治

JAC International Ltd

タイ
バンコク

2012年12月

人材紹介事業

Stephen
Blundell

JAC Recruitment
Vietnam Co., Ltd

ベトナム
ホーチミンシティ

2013年5月

人材紹介事業

廣大輝

JAC Recruitment
India Private Ltd

インド

グルグラム

2014年3月

人材紹介事業

小牧一雄

JAC Recruitment (Germany) GmbH i.Gr

ドイツ

デュッセルドルフ

2018年11月

人材紹介事業

草間明子

JAC Recruitment (US), Inc

アメリカ合衆国

ロサンゼルス

2022年10月

人材紹介事業

南健司

JAC Recruitment (Netherlands) B.V.

オランダ

アムステルダム

2024年4月

人材紹介事業

渥美賢吾

その他

PT JAC Business
Centre

インドネシア
ジャカルタ

2008年5月

アウトソーシング事業

Cyn

Olivia Hussy

 

(注)JAC Recruitment Hong Kong Co., Ltd、JAC Recruitment China (HK) Ltdについては清算手続き中であります。また、上海杰士人力资源有限公司については2025年5月に清算手続きを完了しております。

 

 

(5) 法的規制について

①事業運営に必要な許可について

当社グループは、国内における有料職業紹介事業者としての許可を、株式会社 ジェイ エイ シー リクルートメント、株式会社 JAC International、並びに株式会社キャリアクロスの各社がそれぞれに厚生労働大臣から受けております。当該許可の期限は、株式会社 ジェイ エイ シー リクルートメントが2030年9月30日、株式会社 JAC Internationalが2029年7月31日、株式会社キャリアクロスが2026年6月30日となっており、それ以降につきましては各社とも5年毎の許可更新が必要となります。また、当社グループの有している国内における有料職業紹介事業者の許可の取消については、職業安定法第32条の9に欠格事項が定められております。現時点において認識している限りでは、当社グループは法令に定める欠格事由(法人であって、その役員のうちに禁錮以上の刑に処せられている、成年被後見人もしくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの等に該当する者があるもの)に該当する事実を有しておりません。しかしながら将来、何らかの理由により許可の取消等が発生した場合には、当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、業績及び財務状況に大きな影響を与える可能性があります。

このリスクに対応するため、当社ではコンプライアンス担当部署と社員教育担当部署が中心となり企画・運営している各種コンプライアンス教育によって役職員の意識向上に努めております。また、当社では監査等委員会及び内部監査担当部署が中心となり、役職員の職務上の法令違反を常時監視する体制を整えております。

 

②法的規制の変化等について

当社グループは、国内においては職業安定法を遵守し有料職業紹介事業を行っております。当該法規の改正等により将来法的規制が強化された場合には、当社グループの事業に制限が加わる可能性があります。

このリスクに対応するため、当社では業界団体である一般社団法人日本人材紹介事業協会、一般社団法人人材サービス産業協議会、並びに当社の法律顧問である弁護士事務所等を通じて最新の情報収集に努めております。

 

(6)登録者数の確保について

人材紹介事業及び求人広告事業においては、その事業の性格上、ご登録者の確保が非常に重要であることから、当社グループでは、ご登録者をインターネット等による広告や、既登録者からの紹介等により募集しております。しかしながら、このような施策によりましても、国内における少子高齢化による将来の労働人口の減少、または労働市場の変化等によって、企業からの求人を満足させる人材が確保できない場合には、成約数の減少により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

このリスクに対応するため、当社はご登録者募集に関する専任部署を設置し、募集効率の改善をはじめ可能な限りの対策を講じております。

 

(7)紹介手数料について

人材紹介事業においては、当社グループから求人先企業にご登録者を紹介し、就業開始をもって手数料を請求・売上計上しております。求人先企業とはご登録者を紹介する前に契約書もしくは申込書により手数料率、自己都合退職による返金の取り決めを行っております。人材紹介事業における企業間競争の激化により、この手数料率、自己都合退職による返金の取り決めに関して大きな変更があった場合には、請求金額が変動し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

このリスクに対応するため、当社グループが展開する国内人材紹介事業においては、請求金額変動のリスクをより受けにくい中高額年収領域を注力分野としております。

 

(8)ご登録者の自己都合退職について

人材紹介事業においては、ご登録者が自己都合により入社後早期に退職した場合、コンサルティングフィーの一部を返金しております。将来的な雇用状況の変化等により早期自己都合退職の比率が増加した場合には、返金額の増加により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

このリスクに対応するため、当社グループの人材紹介事業においては、ご登録者の意向をもとに就業先を紹介し、求人内容、就業先の状況等を十分に説明した上で納得して就業していただけるよう心がけております。

 

(9)景気変動について

転職市場は景気変動に伴う採用動向の変化により影響を受けます。景気が想定を超えて下降した場合には、企業の人材採用意欲の低下による成約数の減少で当社グループの業績に負の影響を与える可能性があります。

このリスクに対応するため、当社グループが展開する国内人材紹介事業においては、景気変動のリスクをより受けにくい中高額年収領域を注力分野としております。

 

(10)退職者の同業他社への転職、同業の開始による影響

人材紹介事業においては、退職者が内密に当社グループ取引先企業及びご登録者と接触することで、当社グループの人材紹介事業を妨げる可能性があります。

このリスクに対応するため、当社グループでは、取引企業及びご登録者の当社グループ担当者を複数化すること及び退職時の業務引き継ぎ徹底により、営業上の損害が発生しない体制を取っております。

 

(11)労働時間・環境の管理について

労働時間・環境の管理についての労働基準監督署等の調査の結果、当社グループに違反等が認められ、当社グループが行政指導を受けた場合には、当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、業績及び財務状況に大きな影響を与える可能性があります。

このリスクに対応するため、当社では労務担当部署と毎月各拠点で開催される衛生委員会を中心に、また国内当社グループ全体においても内部監査担当部署による業務監査を通じて、過重労働、サービス残業の撲滅に取り組んでおります。

 

(12)情報システムについて

当社グループは、国内外の事業運営において情報システムと通信ネットワークを多用しているため、災害やハードウエア・ソフトウエアのシステム障害、悪意ある第三者による不正アクセス等が生じた場合には、当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、業績にも大きな影響を与える可能性があります。また、当社グループは情報システムと通信ネットワークのメンテナンスを社外に一部委託しているため、これらに不具合が発生した際は自身で対処できない可能性があります。

このリスクに対応するため、当社グループでは情報システムと通信ネットワークの冗長化構成と地理的分散に努めているほか、当社グループの情報システム全体を統括する当社情報システム担当部署の体制強化を推進しております。

 

(13)国内人口の減少について

当社グループは現状、収益の大半を国内関連事業で計上しておりますが、国内人口は今後継続的に減少していくことが見込まれ、これに伴い当社グループが事業を展開している国内市場も縮小していくことが予想されます。

このリスクに対応するため、当社は海外事業の拡大、国内関連事業の市場シェア向上及び収益性の改善等を通じて、さらなる成長に努めております。

 

(14)自然災害、有事及び未知の感染症等について

地震、台風、津波等の自然災害、または火災、停電、テロリズム、戦争、未知の感染症等が発生した場合には、外出制限による事業活動の停滞、従業員の全面的な在宅勤務への移行等で当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、業績にも大きな影響を与える可能性があります。

これらのリスクに対応するため、当社グループでは大規模災害に備えた防災マニュアルを整備し事業資産の地理的分散管理に努めているほか、在宅勤務移行時に必要となる情報システムの構築を完了し、維持しております。また、このような事態が発生した場合には、当社グループ社員とその家族並びに顧客各位の健康と安全の確保を第一優先として対応することを当社取締役会において確認しております。

 

(15)気候変動について

将来的な気候変動で気温の上昇、甚大な自然災害の発生が深刻化した場合には、顧客企業の求人需要や当社グループのコスト構造なども変化して、当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、業績にも大きな影響を与える可能性があります。

このリスクに対応するため、当社では気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づき、(1)ガバナンス体制の構築(2)リスクと機会の特定と評価による戦略立案(3)リスクの管理(4)指標と目標の策定、を実施しております。この詳細につきましては、本書「第2事業の状況、2サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。

 

(16)生成AIについて

生成AIがもたらす急速な技術革新は人材関連業界においても活用が進められており、人材紹介事業においても、将来的にはビッグデータを集積できる大量採用求人などの分野で、求職者の希望に対して精度の高い紹介を実現していく可能性があります。

このリスクに対応するため、当社では一職種あたりの募集人数が少なく生成AIの直接的な活用が難しい中高額年収帯の人材紹介に注力しております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における売上高は46,089百万円(前年同期比17.7%増)となりました。セグメント別売上高は、国内人材紹介事業が41,660百万円(同19.0%増)、国内求人広告事業が397百万円(同1.0%減)、海外事業が4,031百万円(同7.6%増)となっております。

利益面では、営業利益は11,683百万円(前年同期比28.5%増)、経常利益は11,709百万円(同28.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,400百万円(同49.7%増)となりました。セグメント別損益は、国内人材紹介事業が11,122百万円(同27.3%増)、国内求人広告事業が92百万円(同56.9%増)、海外事業が287百万円(前年同期は△447百万円)となっております。

当連結会計年度末における総資産は、のれんの減損損失の計上による減少113百万円等がありましたが、一方で現金及び預金4,261百万円の増加等があり、前連結会計年度末に比べて4,882百万円増加の30,895百万円となりました。

負債につきましては、未払消費税等259百万円の増加、未払費用179百万円の増加、未払金112百万円の増加等により、前連結会計年度末に比べて632百万円増加の8,549百万円となりました。

純資産につきましては、剰余金の配当4,151百万円等がありましたが、一方で親会社株主に帰属する当期純利益8,400百万円の計上により、前連結会計年度末に比べ4,249百万円増加の22,345百万円となり、自己資本比率は72.3%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて3,738百万円減少の15,312百万円となりました。各活動におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、9,566百万円の収入(前連結会計年度は8,119百万円の収入)となりました。主な要因といたしましては、税金等調整前当期純利益の計上11,502百万円、法人税等の支払額3,397百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、8,777百万円の支出(前連結会計年度は607百万円の支出)となりました。主な要因といたしましては、定期預金の預入による支出8,000百万円、敷金及び保証金の差

入による支出350百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、4,609百万円の支出(前連結会計年度は5,313百万円の支出)となりました。主な要因といたしましては、配当金の支払額4,146百万円、自己株式の取得による支出592百万円等によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績

当社グループは、国内人材紹介事業、国内求人広告事業、海外事業を行っているため、該当事項はありません。

 

b. 受注実績

当社グループは、国内人材紹介事業、国内求人広告事業、海外事業を行っているため、該当事項はありません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

売上高(百万円)

前年同期比(%)

国内人材紹介事業

41,660

119.0

国内求人広告事業

397

99.0

海外事業

4,031

107.6

合 計

46,089

117.7

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

なお、事業別・業界部門別に示すと、以下のとおりであります。

事業・業界部門

売上高(百万円)

前年同期比(%)

1.国内人材紹介事業

 

 

電気・機械・化学業界

14,927

115.8

消費財・サービス業界

9,377

118.7

メディカル・医療業界

6,657

123.3

IT・通信業界

5,799

125.8

金融業界

2,727

138.0

コンサルティング業界

2,130

97.5

その他

40

79.8

国内人材紹介事業  計

41,660

119.0

2.国内求人広告事業

 

 

国内求人広告事業  計

397

99.0

3.海外事業

 

 

海外事業  計

4,031

107.6

合 計

46,089

117.7

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。

 

当連結会計年度のわが国経済は、米関税政策の不透明感から輸出分野を中心に前半弱含みましたが、その後、日銀短観調査における大企業製造業の業況判断DIは、6月以降3期連続で改善しました。一方、大企業非製造業の同DIは同3期連続の横ばいで、訪日消費の減少や物価高継続などへの懸念から、先行きについては慎重な見方が強まりました。また、企業の人手不足は一段と進み、12月の同調査では、中堅企業(全産業)における雇用人員の不足感は34年ぶりの高水準になりました。

(国内人材紹介事業)

上記の状況の下、当社連結売上高の約9割を占める国内人材紹介事業では、米国関税問題による採用抑制の影響は一部にとどまり、一方で、当社が注力する金融、IT、ヘルスケアなどの分野では、その影響を上回る需要がありました。また、前年のような賃上げ期待による求職者の流動性鈍化も見られず、当社事業の中核をなすミドル・ハイクラス人材の動きは引き続き堅調でした。このため、当社の通期連結売上高は、8月に上方修正した業績予想にほぼ沿う形で過去最高を更新しました。

(国内求人広告事業)

国内求人広告事業は、国内人材紹介事業との連携強化、さらに顧客企業のダイレクト・リクルーティングに向けたサービス拡充などに努め、登録者数・成約数の拡大を図りました。

 

(海外事業)

海外事業は、アジア地域を中心に厳しい市況が続きましたが、執行役員の現地派遣による日系企業の高額年収帯開拓、当社グループ各社が一体となったグローバル・アカウントマネージメントの推進などにより、収益性の改善と再成長に向けた取り組みを継続しました。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要となる見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的と判断される基準に基づいて行っておりますが、当該見積り及び予測については不確実性が存在するため、将来生じる実際の結果はこれらの見積り及び予測と異なる場合があります。

また、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

国内人材紹介事業の売上高は、業績拡大に伴うコンサルタントの増員により、前年同期比19.0%増の41,660百万円となりました。

国内求人広告事業の売上高は、顧客企業のダイレクト・リクルーティングに向けたサービス拡充などに努めましたが成功報酬型広告の売上が伸びず、同1.0%減の397百万円となりました。

海外事業の売上高は、アジア地域を中心に厳しい状況が続きましたが、欧米などを中心に業績の回復が進み、同7.6%増の4,031百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は同17.7%増の46,089百万円となりました。

当連結会計年度の売上総利益は、国内人材紹介事業等の売上高増加により前年同期比17.9%増の42,720百万円となり、売上高総利益率は92.7%となりました。

販売費及び一般管理費は、業績拡大による人員増員に伴う人件費の増加を中心に同14.3%増の31,037百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は同28.5%増の11,683百万円となり、売上高営業利益率は、同2.1%増の25.3%となりました。

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、のれんを含む固定資産の減損損失112百万円及び関係会社清算損91百万円を計上しましたが、営業利益の増加を背景に前年同期比37.8%増の11,502百万円となりました。また、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額の合計は、同13.4%増の3,102百万円となり、税引前当期純利益に対する税負担割合は、27.0%と当社の法定実効税率である30.6%を下回りました。

以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は同49.7%増の8,400百万円となりました。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

当社グループの所要資金は大きく分けると、経常運転資金と設備投資資金となっております。これらについては、自己資金による調達を基本としております。

当連結会計年度の設備投資資金の主なものは、人材紹介等システムへの支出65百万円によるものであります。

 

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。