文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、2025年2月、従来のローリング方式による中期経営計画に替えて、2030年のありたい姿(長期ビジョン)「Vision 2030:先端素材とソリューションで持続可能な社会の実現に貢献する」を公表し、「抜本的な構造改革」、「成長市場へのコミット」、「サステナブルな価値創出」の3つの取り組みを進めております。
当連結会計年度における当社グループを取り巻く環境は、米国の関税政策や中国経済の先行きなどの不確実性や地政学リスク、為替の変動などにより、不安定な状況が続きました。カーボンブラック事業は米国子会社がアジアからの安価な輸入タイヤの影響を受け、ファインカーボン事業においてはEVの成長鈍化に伴うSiCパワー半導体市況の低迷が続きました。また、スメルティング&ライニング事業において競合との競争が激化し、黒鉛電極事業においても鉄鋼市況の低迷と価格競争の激化に見舞われました。
このような環境下、当社は、既存事業の収益性の改善やコスト削減を着実に進め、未来に向けた成長基盤を強化すべく、カーボンブラック事業のタイ拠点への投資やファインカーボン事業の米国加工子会社の再編・統合等を行いました。
当期の業績は、当初想定しておりました売上高3,410億円、営業利益233億円に対して、売上高3,229億6千万円、営業利益258億5千万円の減収増益になりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、政策保有株式売却による特別利益の計上等もあり、200億7千8百万円の大幅な増益となりました。
(Vision 2030の取り組み)
当社は黒鉛電極事業の構造改革を推し進め、国内生産体制集約とドイツ子会社売却を2025年半ばまでに完遂しました。さらに、スメルティング&ライニング事業については、同事業を経営企画部直轄とし欧州事業拠点に役員を派遣するなど、ガバナンス体制を強化した上で、抜本的な構造改革案の策定に取り組みました。
中長期的な成長が期待できるファインカーボン事業では、米国加工子会社を再編・統合し事業効率性と競争力を強化するとともに、国内での増産投資を完了させ、将来の半導体市場の拡大に対応可能な生産体制を構築しています。
長期的取り組みであるサステナブルな価値創出に向けては、産官学連携によるカーボンブラックのリサイクルプロジェクトやカーボンナノチューブの代替となるカーボンニュートラルな導電性カーボン材の開発・実証を進め、持続可能な社会に貢献する素材や製品の開発を推し進めています。
(対処すべき課題)
当社は、「抜本的な構造改革」、「成長市場へのコミット」、「サステナブルな価値創出」の3つの取り組みにより、長期ビジョンである「先端素材ソリューションで持続可能な社会に貢献する」の達成を目指します。
「抜本的な構造改革」に関しては、黒鉛電極の構造改革効果を最大化するための取り組みを進め、スメルティング&ライニング事業においては収益改善に向けた抜本的な構造改革策を可及的速やかに固めた上で、ただちにこれに取り組みます。「成長市場へのコミット」に関しては、カーボンブラック事業の中長期的な成長に不可欠な設備投資を行い、半導体市場とともに成長が見込まれるファインカーボン事業と工業炉事業は生産能力の拡大と新規用途の開発など市場の開拓に努めます。「サステナブルな価値創出」に関しては、持続可能な社会の実現のためのソリューションの提供を当社のコアバリューと位置づけ、喫緊のカーボンニュートラル対応を推進する一方、価値創出の源泉である人的資本への投資を拡充し、多様な人材が活躍できる組織風土の醸成に取り組みます。
これらの取り組みを通じ、2030年のありたい姿として、売上高5,000億円、EBITDA20%、ROIC12%を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは次の通りです。
なお、文中の将来に関する記載事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
東海カーボングループは、ステークホルダーとの「信頼の絆」を基本理念に掲げ、企業活動を行っています。ステークホルダーからの信頼に確実に応えるべく、ESG(環境、社会、ガバナンス)に十分に配慮して経営戦略を立案し、事業を通じて社会課題の解決に取り組むことで、持続的な企業価値向上を図るとともに持続可能な社会の実現に貢献します。
①ガバナンス
2022年1月、取締役会の任意の諮問委員会としてサステナビリティ推進委員会を設置しました。社長を委員長とし、総務・法務部管掌、経営企画部管掌、人事部管掌、開発戦略本部長、技術本部長、主要事業部長等で構成され、原則四半期毎に開催することとしています。同委員会は、サステナビリティに関する重要事項について討議し、取締役会に付議・報告するほか、統合報告書作成等のサステナビリティに関する情報開示の統括も担っています。
また、気候変動に関しては、2022年1月に、社長を委員長として新設されたカーボンニュートラル推進委員会が、当社カーボンニュートラル対応の司令塔として、全社方針・計画を起案するとともに、産官学連携による社外第三者との共創も活用した取り組み状況をモニタリングし、取締役会に付議・報告を行っております。
②リスク管理
当社グループは、取締役会の任意の諮問委員会としてリスク・コンプライアンス委員会を設置しています。同委員会では、顕在化する可能性と顕在化した際の財務影響の観点から、気候変動リスクを含む重要リスクを評価・選定した上で、当該重要リスクへの対応状況を含めて、取締役会に報告しております。
サステナビリティ推進体制図

サステナビリティの取り組みのうち、特に中長期で当社グループの経営方針・経営戦略に影響を与える可能性のある気候変動と生物多様性、及び人的資本の取り組みを重要事項と位置づけ、「(1)TCFD *1及びTNFD*2提言に沿った情報開示」「(2)人的資本に関する情報開示」に記載しております。
*1 TCFD:気候関連財務情報開示タスクフォース
*2 TNFD:自然関連財務情報開示タスクフォース
①TCFD及びTNFD提言に沿った情報開示
当社グループは地球環境保全を経営における最重要課題の一つと認識し、企業活動と環境の調和に努めています。2021年11月、取締役会決議を以てTCFDへの賛同を表明するとともに、TCFDに沿って気候変動が当社事業に及ぼす影響を開示しました。また、2024年にはTNFDが提唱するアプローチに則り、当社事業における自然資本・生物多様性への依存・影響を分析の上、開示しております。
a. 気候変動に関する戦略
当社グループの気候変動におけるリスクと機会をより適切に把握するため、2020年12月にTCFD提言の要求項目であるシナリオ分析によるビジネスインパクトの初回の算定を実施し、2023年5月に見直しを実施しました。気候変動が事業に及ぼす影響を特定し、対策を進めています。
(シナリオ分析)
(4℃シナリオ)物性リスクは大きく、移行リスクは相対的に小さい
(1.5℃シナリオ)移行リスクは大きく、物理リスクは相対的に小さい
b. 生物多様性に関する戦略
2024年11月、「東海カーボングループ 生物多様性方針」を制定し、当社事業における自然資本・生物多様性への依存・影響を把握するために、TNFDが提唱するアプローチに則り、分析を実施しました。
(分析対象の選定)
各事業の自然資本・生物多様性への依存度・影響度を、自然リスク評価ツール(ENCORE)を活用し、評価した結果、カーボンブラック事業が依存度・影響度ともに相対的に高いことが確認されました。また、当社のバリューチェーンは、水資源に関連する生態系サービスへの依存度・影響度が高いことが判明しました。
(依存・影響、リスク・機会の特定)
カーボンブラック事業の生産拠点から、生物多様性への配慮の必要性が高い2拠点を優先地域として特定し、同事業の製造プロセスに関連する依存・影響、リスク・機会、対応策を、TNFDが提唱するアプローチに則って分析しました。分析結果は以下の通りです。
[自然資本への依存・影響]
[自然資本に関連するリスクと機会]
(対応策)
リスクへの対応として、CO2排出量削減に加え、水使用量の削減や汚染物質排出量の削減等を通じて、当社事業活動が生物多様性に与える負の影響を回避・低減していきます。
c. 気候変動における指標と目標
(目標)
当社グループは、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、2030年までにCO2排出量25%削減(2018年比)を目指します。

(実績)
東海カーボングループの2025年GHG排出量は、再生可能エネルギーの活用や環境負荷の低い燃料への転換等により、2018年比約37%削減となりました。カーボンブラック事業においては、使用済タイヤからカーボンブラックを再生させる共同技術プロジェクトが進行しております。本プロジェクトはGI基金(※1)の助成を受け、研究開発・実証から社会実装までを目指します。また、機能性固体炭素製造技術の開発・実証も開始しており、本プロジェクトは、環境省が公募した令和7年度「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」に採択されました。更に検討を進めている開発や革新技術導入、お客様・お取引先様・業界団体等との協働等を加速させ、目標達成に向け取り組んでいきます。
(※1) GI基金:グリーンイノベーション基金。NEDOに創設された総額2兆円を超える基金で、カーボンニュートラル実現に向けた企業等に取り組みに対して、最長10年間の継続的な支援を行うもの
単位:千tCO2e
(※2)2025年実績は、速報値。第三者保証取得後の値については、2026年6月頃、統合報告書およびホームページにて掲載予定。
[対象範囲]
[集計対象期間]
1月~12月
[算出方法]
CO2、CH4、N2Oの各ガスの地球温暖化係数を用いてCO2相当の排出量を計算している。HFCs、PFCs、SF6は排出量が微量であるため、集計対象外としている。
Scope1:企業活動による温室効果ガスの直接排出量とし、エネルギー起源GHG排出量および非エネルギー起源GHG排出量(工業プロセスによる排出)を集計。なお、非エネルギー起源GHG排出量は、原則として原料・副資材の使用量と製品・廃棄物の収支より算出。
Scope2:
• 企業活動のエネルギー利用にともなうCO2間接排出量。
• GHG プロトコルのマーケット基準手法を採用。国内は地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく電気事業者別の排出係数を利用。海外は電気事業者が公表している排出係数(但し、一部の工場はIEAまたは国・地域で公表している最新の排出係数)を利用。
d. 生物多様性における指標と目標
※rCB(recovered Carbon Black):使用済タイヤ等のゴムを含む高分子製品から取り出された再生カーボンブラック
②人的資本に関する情報開示
a.人的資本に関する戦略
(人材の育成に関する方針)
当社グループの企業理念は「信頼の絆」、行動指針は「誠実」「変革」「挑戦」「共創」「スピード」です。
当社グループは、これら企業理念や行動指針に共鳴頂ける人材を採用し、加速度的に変化する時代の中で、社内外の、多様な価値観やバックグラウンドを持つ仲間たちと積極的に協働して、スピード感を持って果敢に変革に挑戦することによって、持続可能な社会の実現に貢献できる人材を育成していきます。
(社内環境整備に関する方針)
当社グループは、長期ビジョン「先端素材とソリューションで、持続可能な社会の実現に貢献する」に向けて、多様な価値観やバックグラウンドを持つ社員が切磋琢磨し成長していける、自由闊達で風通しのよい組織・カルチャーを醸成していきます。
働き方改革を推進し、多様な人材を惹きつける、適切な人事制度・競争力のある処遇を実現する一方、社員の成長をサポートすべく、社員のステージや特性・希望を踏まえた、様々な研修プログラムを用意しています。社員の人権を最大限尊重し、ハラスメントは許しません。「東海カーボン健康経営宣言」を踏まえ、社員とその家族の健康を重視した経営に努めるとともに、年金制度や従業員持株会制度を通じて、社員の資産形成もサポートしていきます。
b.人的資本における指標と目標
当社グループは人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針について、目標を設定し進捗を管理しています。2025年度の目標および2025年度の実績は次の通りです。
業務運営上の損失の危険を回避するため、経理・財務管理、取引先管理、輸出管理、環境・防災管理、品質管理、情報管理及び投資管理等に関連する規程・規則に則り、日常的なリスク管理を各担当部署が実施するとともに、原則四半期毎に開催されるリスク・コンプライアンス委員会にてリスク及びコンプライアンスに関する重要事項について討議し、その結果を踏まえ、関係室部等に対する助言、取締役会他経営に対する報告・提言を行うことにより、リスクの把握と改善に努めております。また、子会社管理規程に基づき、当社及び当社グループ会社に著しい損害を及ぼす可能性のある事項が当社関係部署及び当社監査役に報告される体制を構築しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、主として次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年3月26日)現在において当社グループが判断したものであります。
大地震、津波、台風、洪水等の自然災害や感染症の流行、戦争・テロ行為等は、当社事業の継続に影響を及ぼしかねない重大なリスクです。当社グループでは、これらの影響を低減するため、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)策定をはじめとする事業継続マネジメントに取り組み、適切な保険を付保するとともに、各国の情勢や安全に関する情報収集等を進めておりますが、こうした取り組みが奏功しない、もしくは不十分である場合には、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
2016年開催の国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)において「パリ協定」が採択、各国で批准されたことを機に、気候変動や地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの排出削減を目的とした取り組みが世界的に進められ、既に、一部の国・地域では、炭素税等の温室効果ガス排出量削減策が導入されております。当社グループは、2022年1月にカーボンニュートラル推進委員会を設立し、当社グループカーボンニュートラル対応の司令塔として、全社方針・戦略を起案するとともに、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、課題や取り組みを可視化し一元的に管理していますが、当社グループの温室効果ガス排出量削減の取り組みが奏功しない、もしくは不十分である場合には、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、日本のみならず、アジア、欧米において事業活動を展開しておりますので、世界経済の動向は当社グループ業績に影響を及ぼします。ウクライナ危機の長期化や中東情勢の不安定化、中国経済の減速、保護主義的通商政策の拡がりとサプライチェーンの分断、気候変動対応を巡る混乱等、トランプ大統領再選も相俟って、世界経済を巡る不確実性が顕在化していますが、これらが一層悪化する場合には、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、原材料の輸入、製品輸出等、国際的な事業活動を行っており、その取引において外国通貨を用いていることから、為替レートの変動が当社グループ業績に影響を与えます。また、当社の海外における連結子会社・持分法適用関連会社の収益や費用については期中平均相場により円換算されており、為替相場の変動が、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループにおいて、特に影響の大きい、米ドル・ユーロに対する円高は、グループ業績に悪影響を及ぼし、円安は好影響を及ぼす傾向にあります。
なお、為替レートの変動リスクについては、VaR(Value at Risk)を用いて、統計的な手法による最大損失額を定期的に計量し、モニタリングしております。
当社グループは、当社グループとして必要な資金を金融機関からの借入の他、社債、コマーシャル・ペーパーの発行により調達しております。資金調達に際しては金融市場の動向を睨みながら資金繰り管理や安定的な資金確保に努めております。しかしながら、金融環境の急激な悪化により、資金調達の安定性が損なわれたり、著しく不利な資金調達を余儀なくされたりする局面においては、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、市場金利の変動リスクについては、VaR(Value at Risk)を用いて、統計的な手法による最大損失額を定期的に計量し、モニタリングしております。
当社グループは、事業機会の創出・維持や取引・協業関係の構築・維持・強化等を通じ、中長期的な企業価値向上が図れると判断した場合に、取引先等の株式を取得・保有することがあり、定期的にその効果検証を行うことにより、保有方針を見直すこととしております。しかしながら、かかる有価証券には、市場性のある株式も含まれるため、内外経済及び株式市場の環境悪化や投資先の経営状況悪化により株価が下落した場合には、保有株式に評価損が発生する可能性があります(「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (5) 株式の保有状況」参照)。
なお、投資有価証券の価格変動リスクについては、VaR(Value at Risk)を用いて、統計的な手法による最大損失額を定期的に計量し、モニタリングしております。
当社グループは、各事業分野において、様々な企業との厳しい競争環境下にあり、この結果、多くの製品は価格低下圧力に晒されております。当社グループとしては、市場ニーズの把握、技術力の追求、品質管理の徹底、原価低減や効率性の向上等の努力を重ねていきますが、十分な成果が上がらない場合には、マーケットシェアの低下、販売価格の引き下げ等による売上高と利益率の低下を通じ、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、海外市場での事業拡大を戦略の一つとしておりますが、国際的な事業展開においては、経済・為替の不確実性や政情不安、法制・規制の想定外の変更、宗教・文化の相違、現地での労使問題等、国内事業と異なる様々なリスクが伴います。当社グループがこのようなリスクに適切に対処できない場合には、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにとって、良質な原材料をタイムリーかつ安定的に入手することが不可欠であることから、当社グループは、信頼のおけるサプライヤーを複数選定するとともに、新規サプライヤーの開拓を継続して行っています。しかし、災害、事故、戦争・テロ、感染症の流行等の不測の事態等により、供給が不足または中断した場合には、当社グループの生産に悪影響が生じ、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、需給の逼迫や投機目的の売買等により、当社グループが調達している原材料の価格が高騰し、生産性向上等の内部努力や売価への転嫁等により吸収できない場合には、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、持続的な企業価値向上のためには研究開発活動は不可欠との認識の下、富士研究所を中心に、次世代に向けた新製品や新規技術の開発を進めております。また、既存事業の製品については、顧客ニーズに適合する新品種の開発や、さらなる品質の向上、画期的なコストダウン等を各事業部の研究所を中心に推進しております。しかしながら、市場トレンドの変化によるニーズの衰退や脱炭素対応の失敗、同業他社の技術革新に対抗できる技術を速やかに開発できなかった場合には、当社グループの成長性や収益性を低下させ、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、成長戦略の一環として、企業買収、業務提携、戦略的投資につき、積極的に取り組む方針としております。過去に実施した大型M&Aのシナジー現出に向け、生産技術の共有、人材の交流、現地経営陣の監督徹底等に取り組み、経営統合を進めております。しかしながら、経営環境・前提条件の変化等の理由により、当初想定した結果が得られない可能性もあり、予測される将来キャッシュ・フローの低下により、のれんの減損が必要になる等、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの売上の多くは、自動車業界、半導体業界、鉄鋼業界に集中しております。こうした特定業界に依存する体質を改善するため、主にアルミニウム市場を対面業界とする炭素黒鉛製品メーカー2社を買収し、ポートフォリオの分散化を図っております。しかしながら、当社グループの対面業界の景況が大幅に悪化し、ポートフォリオの分散化が十分に機能しないような場合には、売上高と利益率の低下等を通じ、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの競争力と将来性は、マネジメントはもちろん、研究開発、技術、製造、販売、企画、管理等、各部門における専門的知識や技能を持った有能・多様な人材の確保・育成、定着が重要な課題となります。しかしながら、近年は人材の流動化、少子高齢化による労働人口の減少等により人材の確保に係る競争も厳しくなっております。当社グループは多様な人材の積極的な採用、働き方の柔軟性・多様性を前提とした職場環境の整備、人事制度の見直し、新たな研修制度の導入、実施等を通じて有能・多様な人材の確保・育成、定着に取り組んでおりますが、想定どおりに進まない場合や人材の社外流出を防げないような場合には、業務遂行に制約を受けることにより、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは国内外において、各種の法令・規制に則り、事業活動を行っております。グループ全体として法令遵守の徹底を図っておりますが、法規制には、商取引法、独占禁止法、労働法、証券関連法、知的財産権法、環境法、税法、輸出入関連法、刑法等に加えて、事業活動や投資を行うために必要とされる様々な政府の許認可規制等があります。今後、新たな法規制の導入や法規制の想定外の変更により、事業活動に対する制約、コストの増加等を通じ、当社グループ業績に悪影響を与える可能性があります。
また、当社グループは、法令遵守が事業活動の基盤であることを認識し、国内外の役員・従業員に対し、様々な形で法務・コンプライアンス教育を実施しておりますが、当社グループがこれらの法規制に抵触したと当局が判断した場合には、課徴金等の行政処分、刑事処分、訴訟等の対象となり、当社グループの社会的評価が低下し、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが事業活動を行う国において、会計制度や税制が大きく変更され、または当社グループに不利な解釈や適用がなされたりした場合には、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、知的財産を重要な経営資源と位置付け、知的財産管理に関する専門部署を設け、第三者からの知的財産権侵害の発見と保有する知的財産権の管理保護に努めております。しかしながら、見解の相違等の理由により、第三者が特許等への抵触を理由とした差止訴訟や損害賠償請求訴訟等を提起した場合や、第三者による知的財産権侵害により当社グループの競争優位性が脅かされた場合には、係争に多額の費用等が必要となる可能性や当社グループの評判、優位性を損ねる可能性があり、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、製造業の基本である労働安全と設備事故防止に注力し、全拠点で安全最優先での事業活動に努めております。労働災害は、労働者の健康や人命に関わる重大なリスクであり、当社グループは、安全活動をグローバルで推進し、拠点毎に具体的、継続的かつ自主的な活動を安全衛生計画として組み込み、労働災害の防止と労働者の健康増進、快適な職場環境の形成等、安全衛生水準の向上に努めております。製造設備の停止や製造設備に起因する事故等の発生は、事業活動に支障をきたす重大なリスクであり、潜在的なマイナス要因を最小化するため、すべての製造設備において定期的な点検・メンテナンスを行っております。しかしながら、不測の事態や不慮の事故等により、操業の中断・縮小、施設等の損害、多額の復旧費用等により、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、主要な生産拠点において、品質マネジメントシステム(ISO9001)を取得し、品質管理に関する規定、規格及び作業標準等を定め、品質チェック体制を構築し、品質監査を行う等グループをあげて品質向上を継続的に取り組み、製品の品質に万全を期すよう努めております。製造物責任賠償及び一部製品の製品瑕疵に起因して被る損害については保険に加入しておりますが、予測し難い原因により重大な製品欠陥や製造物責任訴訟の提起等が発生した場合には、多額のコスト増大や、当社グループの社会的評価の低下とそれによる売上収益の減少が予想されることから、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、デジタル技術活用による製品やサービス、ビジネスプロセスの変革と、新たな価値の創出に取り組んでおります。しかし、取り組みの遅延やIoT、AI等の急速なデジタル技術の進歩に適切に対応できない場合には、当社グループの競争力が低下し、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、事業遂行に当たり様々なシステムを構築、運用するとともに、生産技術・研究開発・調達・販売等の機密情報を保有し、その重要性は非常に高まっております。当社グループでは、IT、情報システム及び情報通信ネットワークを厳格に管理し、漏洩や紛失を未然防止する対策及びセキュリティインシデント発生時に影響を最小限に抑える対策を講じております。特に、2025年に発生した個人情報漏えい事案を受け、不正ログイン防止機能導入等の情報セキュリティ強化を図り、再発防止の徹底を図っております。しかしながら、災害、ランサムウェアなどの巧妙化するサイバー攻撃等、外的要因や人為的要因等により、障害等が生じると、重要な業務やサービスの停止、機密情報・データや個人情報の盗取や漏洩等のインシデントを引き起こし、事業活動の継続に支障をきたす等、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」をいう。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行ったため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(2025年1月1日から2025年12月31日まで)の世界経済は、米国を中心にAI(人工知能)関連投資の拡大が継続し、景気の下支え要因となりましたが、年初の米政権交代に伴う大幅な関税引き上げや通商政策の転換により、保護主義と分断化が加速しました。主要国では、インフレ圧力が再燃する中で金融引き締めの長期化や景気減速感が強まり、地政学リスクの常態化も相まって、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような情勢下、当社グループにおいては2025年2月に、2030年のありたい姿とそこに到達するための取り組みを示した長期ビジョン「Vision 2030」を公表いたしました。2030年のありたい姿として、売上高5,000億円、EBITDAマージン20%、ROIC12%の実現を目指し、「抜本的な構造改革」「成長市場へのコミット」「サステナブルな価値創出」の3つの取組みに注力する方針を掲げ、黒鉛電極事業では国内生産拠点の統合や欧州子会社の売却といった構造改革を完遂し、収益基盤の強靭化に向けたコスト改善等を推進いたしました。また、スメルティング&ライニング事業については、同事業を経営企画部直轄組織とした上で、欧州事業拠点に複数名の執行役員を派遣するなど、ガバナンス体制を強化し、抜本的な構造改革案の策定を加速させております。中長期的な成長やサステナビリティの観点からは、主力のカーボンブラック事業において、タイの生産拠点移転プロジェクトを推進する一方、株式会社ブリヂストンより、タイのカーボンブラック生産拠点の買収を行ったほか、使用済タイヤ等からカーボンブラックを再生させるプロジェクトを着実に進めております。また、新規事業分野においても、環境省の助成を得て、炭素循環型社会の構築に向けた機能性固体炭素製造技術の開発・実証に取り組んでおります。
この結果、当連結会計年度の売上高は前期比7.8%減の3,229億6千万円となりました。営業利益は前期比33.3%増の258億5千万円と減収増益となりました。経常利益は前期比16.5%増の263億1千2百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は200億7千8百万円(前期純損失は564億8千5百万円)となりました。
なお、2025年12月期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、2024年12月期に係る各数値については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。
セグメント別の経営成績は下記のとおりです。
当社の主要顧客であるタイヤメーカーにおいて生産調整等が実施されたことにより販売数量減となり、売上高・営業利益ともに前期比で減少しました。
この結果、当事業の売上高は前期比6.2%減の1,470億9千3百万円となり、営業利益は前期比39.5%減の131億3千5百万円となりました。
[ファインカーボン事業]
メモリ半導体市場向け主要製品ソリッド SiC フォーカスリングの販売数量が前期比で増加したことに加え、米国・黒鉛加工会社の KBR, Inc.と MWI, Inc.の全株を取得し連結子会社化(孫会社化)した影響もあり、売上高は前期比で増加しました。一方で、パワー半導体市場の成長減速、中国市場での競争激化、および連結子会社化に伴うのれん等の償却費の増加が影響し、営業利益は前期比で減益となりました。
この結果、当事業の売上高は前期比3.9%増の559億6千9百万円となり、営業利益は前期比38.1%減の77億4百万円となりました。
アルミニウム製錬炉の改修需要の回復遅れと取引先の在庫調整が継続しており、アルミ電解炉用カソードの販売数量は減少しましたが、コスト削減の推進や昨年度に実施した減損処理に伴う償却費負担軽減により、営業損益は前期比大幅に改善し、黒字転換致しました。
この結果、当事業の売上高は前期比4.3%減の617億5千1百万円となり、営業利益は15億3百万円(前期営業損失は137億1百万円)となりました。
[黒鉛電極事業]
インド・米国を除く主要地域での生産減速により、世界の鉄鋼生産は総じて低迷しました。また、中国からの過剰な製鋼材輸出が周辺市場の重石となっており、これに伴い電極市況も低調に推移しました。
当事業は、構造改革の一環として、日本では滋賀工場での生産を終了し、防府工場への生産集約を行いました。また、当社完全子会社であるTOKAI ERFTCARBON GmbH社の株式譲渡を行い、2025年4月より同社は当社連結から除外されております。
この結果、当事業の売上高は前期比23.0%減の375億7千3百万円となり、営業利益は23億8千9百万円(前期営業損失は35億2千9百万円)となりました。
工業炉及び発熱体の主要市場であるエネルギー関連業界、電子部品業界における設備投資は引き続き停滞しました。
この結果、当事業の売上高は前期比34.1%減の107億2千8百万円となり、営業利益は前期比31.4%減の22億6千8百万円となりました。
摩擦材
鉱山向けは期末にかけて国内および東南アジアにおける需要減少の影響を受けたものの、建機向けはスポット受注が増加し、二輪車向けも堅調に推移しました。
この結果、摩擦材の売上高は前期比0.1%増の79億8千4百万円となりました。
ESS(Energy Storage System)向けの需要は低迷しているものの、スポット需要が発生しました。
この結果、負極材の売上高は前期比1.6%増の17億3千1百万円となりました。
不動産賃貸等その他の売上高は、前期比1.5%減の1億2千7百万円となりました。
以上により、当事業の売上高は前期比0.4%増の98億4千3百万円となり、営業利益は前期比52.9%増の6億1千7百万円となりました。
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末比205億1千5百万円増の6,640億3千3百万円となりました。
流動資産は、棚卸資産や売掛金等の減少により、前連結会計年度末比117億3千7百万円減の2,588億2千8百万円となりました。固定資産は、有形固定資産等の増加により、前連結会計年度末比322億5千3百万円増の4,052億4百万円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末比75億9千万円減の3,111億8千7百万円となりました。流動負債は、コマーシャル・ペーパーや事業再編引当金等の減少により、前連結会計年度末比214億1千1百万円減の1,267億2千6百万円となりました。固定負債は、長期借入金や繰延税金負債等が増加したことにより、前連結会計年度末比138億2千1百万円増の1,844億6千万円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、利益剰余金や為替換算調整勘定等の増加により、前連結会計年度末比281億6百万円増の3,528億4千6百万円となりました。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末比3.0ポイント増の47.9%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比8億8百万円減の643億2千7百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、558億7千2百万円の収入(前期比85億9千8百万円の収入の減少)となりました。
これは主として、税金等調整前当期純利益や、減価償却費等によるものであります。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、510億5千2百万円の支出(前期比197億2千5百万円の支出の減少)となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出によるものであります。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、76億8千9百万円の支出(前期は94億1千万円の収入)となりました。
これは主として、コマーシャル・ペーパーの償還や、配当金の支払等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、工業炉及び関連製品については、受注生産を行っております。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況による分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度の売上高は、黒鉛電極事業のドイツ拠点売却、カーボンブラック事業における販売価格の低下や販売数量の減少等により、前期比7.8%減の3,229億6千万円となりました。売上原価率は、スメルティング&ライニング事業におけるコスト削減の推進、並びに黒鉛電極事業における生産拠点の集約といった構造改革による操業効率の向上等により、1.7%ポイントダウンの75.3%となりました。
販売費及び一般管理費はスメルティング&ライニング事業における前連結会計年度の減損処理に伴う減価償却費やのれん償却額の減少等により、前期比12.0%減の538億9千万円となりました。この結果、営業利益は前期比33.3%増の258億5千万円となりました。
営業外収益については、為替差益の減少や持分法適用会社の連結子会社化に伴い持分法による投資利益が消失したこと等により、前期比31.9%減の44億9千4百万円となりました。営業外費用については、支払利息の増加等により、前期比18.3%増の40億3千2百万円となりました。
特別利益については、資本効率及び資産効率の向上を目的とした政策保有株式の売却等に伴う投資有価証券売却益41億9千9百万円や事業再編引当金戻入額9億3千8百万円を計上しております。特別損失については、連結子会社において減損損失3億4千8百万円を計上しております。この結果、税金等調整前当期純利益は309億1千8百万円(前期は税金等調整前当期純損失473億9千5百万円)となりました。
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計は、前期比44.1%増の76億4千4百万円となり、また、非支配株主に帰属する当期純利益に31億9千5百万円を計上しました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は200億7千8百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失564億8千5百万円)となりました。
また、当連結会計年度末の総資産については、流動資産は棚卸資産や売掛金等の減少により、前連結会計年度末比117億3千7百万円減の2,588億2千8百万円となり、固定資産は有形固定資産等の増加により、前連結会計年度末比322億5千3百万円増の4,052億4百万円となりました。
キャッシュ・フローの状況については、 (1) ③ キャッシュ・フローに記載のとおりであります。
当社グループは、持続的な成長と株主価値の向上を目指し、資本効率の向上、財務健全性の維持、流動性の確保、及び金融費用の抑制を基本方針としております。
資本効率を高めつつ、事業成長を支える強固な財務基盤を確保する最適な資本構成の下でハードル・レートを考慮した資本配分を行い、収益拡大を図ります。
グループ全体の資金調達は本社が一括して行い、GCMS(グローバル・キャッシュ・マネジメント・システム)を活用することで、手元資金の効率化を追求しております。資金調達は、事業により生み出される営業キャッシュ・フローと手元資金を基本とし、これを超える投資などの外部資金需要が生じた場合には、金融機関からの借入や社債発行など負債調達を基本に、市場環境に応じた最適な調達手段を選択することとしております。
また、金利変動リスクや流動性リスクについては、リスク量のモニタリングと分析に基づき適切にコントロールし、金融費用の抑制を図っております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社は、企業の持続的な成長と中長期的な価値向上のために、研究開発活動は重要な取り組みの一つと位置付けております。
そのため、当社グループ(当社及び当社の関係会社)では、当社の開発・技術部門と連携のもと、富士研究所、茅ヶ崎研究所、知多研究所、田ノ浦研究所が主体となり、基礎研究をベースにした環境負荷低減を含めた新製品の開発、生産技術研究及び既存製品の高性能化、品質改良等諸研究開発を積極的に推進しております。また、自社の技術や製品の保護と他社技術に対する抵触回避という観点から、開発戦略本部の傘下に知的財産部を置き、関係部署間の迅速な情報共有と技術的なシナジーの発現により、研究開発活動を支えています。研究開発活動の内容は、定期的に取締役会に報告する仕組みとしております。なお、当社グループの研究開発活動の内容及び金額は、特定のセグメントに関連付けることが困難であるため、一括して記載しております。
(主な研究開発の内容)
当社において、成長分野に位置するファインカーボン、ファインセラミックスは優れた材料特性を有し、用途は多岐にわたりますが、近年、エネルギー関連、半導体、エレクトロニクス、環境分野への伸びが著しく、これらのハイテクニーズに合った製品の開発を行っております。
東海高熱工業㈱においては、電子部品及び二次電池関連向けに高性能工業炉及び炭化けい素製品の商品開発を進めております。
また、“先端素材とソリューションで持続可能な社会の実現に貢献する”という長期ビジョンであるカーボンニュートラルに関連する特許出願にも注力しており、特許登録件数の割合は増しております。
当連結会計年度の研究開発費は