当社は、3カ年の計画を策定し、毎期見直しを行っております。それに基づき事業の拡大と経営基盤の強化を目的とした施策を推進しております。会社の経営の基本方針、中長期的な経営戦略、経営環境及び対処すべき課題は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社及びその企業グループとしての経営の基本方針は次のとおりであります。
a.経営理念
『従業員の幸せを追求すると共に、価値ある製品づくりに真心で挑み、世界の発展に貢献します。』
企業活動の主体である社員の質の向上こそが、当社の基盤です。社員の真の満足は、仕事のやりがいと達成感にあると思われます。
会社は社員の期待に応えるため、皆がスキルアップできる環境をつくり、意欲を持って仕事に取り組むことができるようサポートしていきます。
また、新たな課題に対しても果敢にチャレンジする社風を築き、いつも精一杯、真心込めて製品の価値の向上に努め、お客様の満足を第一に、ひいては世界中の人々へ喜びと幸せをもたらす事業を追求してまいります。
b.行動指針
「常にスピードを重視します。」
IT技術の進歩により、あらゆるものの価値が急速に変化していく現代。新しい情報をいち早くキャッチし、迅速な意思決定力と実行力で躍動感ある対応を心がけます。
「常にスキルアップに努めます。」
社員一人ひとりが、一日の中で少しでも進歩できるように考えること。そして、会社はそのための環境づくりを心がけます。
「常に先を読んで行動します。」
公共事業費の削減等により、当社グループも既存事業にばかり頼ることはできません。企業として安定した成長を維持するためにも、短期的な視野ではなく、常に5年先、10年先を見据えて行動します。
「常にチャレンジ精神を大切にします。」
批判されることを気にしていては、結局何もできません。常に新しいことを考える意識、失敗を恐れず積極的にチャレンジする精神を大切にし、社員一人ひとりのやる気に応えます。
「常に技術革新を目指します。」
事業の持続的成長の鍵は、技術革新にあります。既存の製品に満足することなく、常にお客様のニーズをくみ、新しい技術の開発に取り組みます。
「常に地球環境を大切にします。」
地球の温暖化は、この星に生きるすべての生命にとって切実な問題です。当社グループも地球の一市民として、環境保全活動を重要課題として取り組みます。
(2)中長期的な経営戦略
a.当社は、継手事業、防災・工事事業、自動車・ロボット事業、介護事業という4つの事業があり、景気動向や国内外のマーケット変動に対し、変動幅の大小、変動のタイミング等が相互にカバーする事業ポートフォリオとして展開しております。
b.事業環境としては、AI、自動化の中の半導体、フィジカルAIマーケット、クリーンエネルギーとしての水素、原子力マーケット、老朽化インフラや気候変動災害増加対応のマーケット等拡大するマーケットでの成長を目指しております。
c.事業環境の変化の中で、特に、海外での半導体、水素関連事業の拡大が目覚ましく、従来、海外生産の大半が国内販売されていた商流から、海外販売の比率を高めることで為替変動への抵抗力も増しております。
d.事業展開における設備投資も積極的に行い、2024年4月に増設竣工した千葉工場は、一部海外から製造ラインを移設し稼働開始しており、使用していない場所については、新規のビジネスのマーケティング等を行い、収益性の高いビジネス展開を考えております。
e.経営戦略の基本としては効率経営を目指し、グループ各社の従業員あたりの利益を指標とし、財務面では、金利リスクを抑えるため変動金利型の借入圧縮を進める等、財務の健全性を追求しております。
f.祖業である継手事業は、防災を目的とした製品を扱い、加わった事業も安全・安心をコンセプトに持つ事業が多く、今後とも、周辺分野含め、積極的にM&Aを行う方針です。
g.その方向性は、近年、地球規模での課題であるサステナビリティに関わる事業展開ともなり、多面的な企業価値を追求いたします。
h.また、内部統制システムの基本方針に沿って、内部管理体制を整備し、実効性のあるガバナンス体制の実現に取り組んでまいります。
(3)経営環境及び対処すべき課題
当社グループを取り巻く経営環境は、半導体、AI・ロボティクス、クリーンエネルギー(原子力・水素)、社会インフラ更新といった複数の成長市場が並存する一方で、個別市場ごとの景気循環や地政学リスク、原材料価格・為替動向など、不確実性も併存する局面にあります。このような環境下において、当社グループは事業ポートフォリオの分散と、成長分野への経営資源の重点配分を通じて、持続的な成長と企業価値向上を目指しております。
a.継手事業
継手事業を取り巻く環境は、国内外の半導体関連設備投資、クリーンエネルギー分野(原子力・水素)、老朽化した社会インフラの更新需要など、複数の成長市場に支えられております。特に半導体分野では、短期的には投資サイクルによる変動があるものの、AI・データセンター需要の拡大を背景に、中長期的には設備投資需要の拡大が見込まれております。また、水素分野では、液化水素の輸送・貯蔵・利用といったサプライチェーン全体で設備投資が進展しており、原子力分野においても、既存原子力発電所の再稼働や長寿命化対応、新型炉開発に向けた動きが見られます。当事業の課題は、これら成長マーケット、特に海外市場における需要拡大の波を確実に捉え、販売・生産・品質管理体制を一体的に強化していくことにあります。海外売上高比率は上昇傾向にあり、今後も為替リスクを適切に管理しつつ、海外向け高付加価値製品の拡販と供給能力の最適化を進めてまいります。
b.防災・工事事業
防災・工事事業は、半導体関連工事、防災・消火設備工事、社会インフラ更新工事など、多様な市場環境に支えられております。2025年12月期においては、先端半導体工場向けの関連工事が業績を牽引しました。一方で、本事業は特定案件の進捗や投資タイミングの影響を受けやすく、特に半導体市場の投資サイクルによる業績変動が課題となります。当社グループとしては、半導体関連工事に依存し過ぎない受注構造の構築、施工体制の効率化、原材料価格や人件費上昇分の適切な価格転嫁を通じて、収益の安定化と利益率の維持・向上に取り組んでまいります。
c.自動車・ロボット事業
自動車市場は比較的安定的に推移している一方、ロボット市場は短期的な変動を伴いながらも、AI・ロボティクスの進展や世界的な人手不足を背景に、中長期的には拡大が見込まれる成長市場であります。2025年12月期には、主要顧客の在庫調整が解消し、当事業は黒字転換を果たしました。今後の課題は、AI・ロボティクスという大きな技術トレンドの中で、顧客ニーズを的確に捉えた製品開発と供給体制を構築し、成長機会を逃さないことにあります。当社グループは、金属塑性加工技術を核とした軽量化・高精度部品の開発を進め、ロボット用途を中心とした付加価値の高い分野への展開を強化してまいります。
d.介護事業
介護事業を取り巻く環境は、高齢化の進展を背景に、中長期的に安定した需要が見込まれる市場であります。一方で、労働集約型であることから、人材確保や店舗運営効率が収益性に影響を与える事業特性があります。当社グループにおける課題は、地域密着型のリテール営業力の強化、店舗運営の効率化、ならびに付加価値の高いサービス・商品の提供を通じて、安定的な収益基盤を確立することにあります。引き続き、顧客満足度向上と収益性の両立を図ってまいります。
(4)資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応
当社グループは、3ヶ年の中期経営計画を策定し、毎年見直しを行っております。その中で、企業価値向上のために、財務基盤を強化し事業投資に対する適正な評価と最適な資本構成を実現し、徹底した経営効率の改善により、資本効率を更に高め、経営の安定性及び株主還元を重視することで、ROE及び連結配当性向の向上に努めてまいります。
現状分析は、ROEと共にPER及びPBRを指標として用い、結果を取締役会で報告しております。これら指標の最近5連結会計年度の推移及び目標は、下記表の通りです。
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指標 |
2021年12月期 |
2022年12月期 |
2023年12月期 |
2024年12月期 |
2025年12月期 |
目標 |
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株価収益率 (PER) |
11.56倍 |
7.64倍 |
20.64倍 |
15.24倍 |
12.79倍 |
18.00倍以上 |
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株価純資産倍率 (PBR) |
0.98倍 |
0.82倍 |
0.89倍 |
0.86倍 |
1.56倍 |
1.20倍以上 |
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自己資本利益率 (ROE) |
8.8% |
11.4% |
4.3% |
5.7% |
12.7% |
8.0%以上 |
また、現状分析の結果及び目標達成のための取組は、下記の通りです。
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現状分析の結果 |
目標達成のための取組 |
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・ 当連結会計年度は、ROEとPBRが目標を達成しました。 ・ PERが目標未達であり、成長性について理解を促す必要を確認しました。 |
・ ROEとPBRは、引き続き利益の増加と資本の効率化に努め、目標達成の維持を目指します。 ・ 開示資料等で成長戦略について説明を行い、当社グループの将来に対する期待感を高める。 |
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティに関する共通の考え方及び取組
① 考え方
当社グループのサステナビリティに関する考え方は、持続可能な社会の実現への貢献、すなわち、経済、社会、環境が持続可能になるように企業活動そのものを変えていこうというものです。気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労務環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適切な取引、自然災害への危機管理など、サステナビリティに関する課題への対応は、リスクの減少のみならず、当社グループの提供する製品・サービスが、社会のサステナビリティの課題解決への貢献と捉え、事業を展開しております。
② ガバナンス
当社グループのサステナビリティに関する課題の認識、戦略の検討、リスク管理、目標設定とそのフォローにつきましては、リスク管理委員会を中心に行っております。リスク管理委員会は、業務執行取締役、監査等委員取締役及び内部監査室を含む委員で構成され、毎月開催しております。
③ リスク管理
当社グループがサステナビリティに関するリスク及び機会を認識した際には、リスク管理委員会に報告され、リスク管理委員会で識別・評価を行います。重要なリスク及び機会については、取締役会に報告され、取締役会の判断に基づき、リスク管理委員を中心に対処いたします。
(2)気候変動
① ガバナンス
当社グループの気候変動に関するガバナンスは、リスク管理委員会を中心に、戦略検討・リスク評価・目標設定および進捗管理を行う体制を整備しております。リスク管理委員会は毎月開催し、重要事項については取締役会へ報告し、経営判断に反映しております。
② 戦略
当社グループは、気候変動が事業に与える影響を重要な経営課題と認識し、国際動向や他社事例、当社グループのデータ分析に基づき施策を検討しております。特に中期的には、以下の取組を進めることで温室効果ガス(CO₂)排出量削減を図ります。
a.海外工場で製造していた国内向け製品の一部を千葉工場へ移管し、
・長距離輸送に伴うCO₂排出量の削減
・発電効率の高い国内での生産比率向上
を実現する。
b.高効率設備の導入(老朽設備の更新を含む)によるエネルギー効率向上。
c.将来的な再生可能エネルギー導入(太陽光発電の実装検討など)。
※ 千葉工場は太陽光パネル設置を前提とした構造で建設済み。
また当社グループの事業自体が、原子力・水力・地熱向け配管継手、水素発電機向け継手、水素ステーション用継手、EV向け軽量部品など、社会全体のCO₂削減に資する領域へ貢献しています。
③ リスク管理
気候変動により想定される事象(需要変動、供給網への影響、エネルギー価格の変動など)について、リスク管理委員会にて識別・評価を行い、その影響度を分析しています。重要なリスクは取締役会で議論し、経営戦略へ反映します。
④ 指標及び目標
当社グループでは、Scope1およびScope2の温室効果ガス(CO₂)排出量を全社的に把握し、「2050年までに排出量ネットゼロ」を長期目標として掲げております。直近期における当社グループの排出量は以下のとおりです。
当社グループの温室効果ガス排出量(単位:t-CO2)
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Scope1 |
Scope2 |
合計 |
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2024年12月期 |
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2025年12月期 |
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※ 排出量の実績値は、各期末の翌3月に算出した値です。
排出量は国内外工場の操業状況、製品ミックス、海外拠点の電力事情(特に中国・ベトナムの発電効率)により変動しますが、売上拡大の中でも単位当たり排出量の改善や、増加要因の説明責任を果たすための開示を強化してまいります。
(3)人的資本(人材の多様性を含む)
① ガバナンス
当社グループの人的資本に関するガバナンスは、上記の(1)サステナビリティに関する共通の考え方及び取組② ガバナンスに記載の通りです。
② 戦略
人的資本に関する戦略は、人材の育成や働きやすい環境の整備等であるが、スキルアップ、公正・適切な処遇、多様で柔軟な働き方、出産・育児サポート、介護サポート等の具体化を検討中であります。当社グループの人材の多様性については、1988年の中国への進出、1994年のベトナムへの進出以来、アジアの人材の活躍を実現しております。
なお、現在、当社が定める目標達成のための戦略については、下記の④ 指標及び目標の中で、目標ごとの戦略を記載しております。
③ リスク管理
人的資本(人材の多様化を含む)に関するリスク管理として、アジア人材の活躍の基盤として人権の尊重が位置付けられるが、取締役向け勉強会にて採り上げ、当社グループの人権意識を高める努力を、リスク管理委員会を中心に行っております。
④ 指標及び目標
人的資本関係では、社内環境整備の一環として、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出した値を、人的資本に関する戦略における指標としております。なお、当期の実績値については、第1[企業の概況] 5[従業員の状況] 「(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。
また当社では、下記の通り、人的資本関係で2つの目標と、それぞれの戦略を定めております。
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1. |
目 標 |
従業員の平均勤続年数を15年以上にする。 |
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戦 略 |
従業員全員が女性活躍推進法に関する理解を深め、平均勤続年数を向上させるため、環境・支援体制を整える。 |
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2. |
目 標 |
育児休業の取得率を男性取得者1名以上、女性取得率90%以上にする。 |
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戦 略 |
育児休業制度の周知や情報提供を行う。 |
なお、経営環境の変化をふまえ、より人材育成の観点での検討が必要と考え、「人材育成」「健康経営の実践」等の課題につきましても、人的資本に関する戦略における具体的な指標及び目標を、検討してまいります。
有価証券報告書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のものがあり、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。これらのリスクについては、その発生可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、文中の将来に関するリスクについては、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性のあるすべての事項を網羅するわけではありません。
(1)市場の変動に係るリスク
当社グループの主要製品である管継手及び同関連製品の売上は、景気変動や国内外の設備投資の動向、特に建設投資の動向に影響を受けます。当社グループでは継手事業においては産業別の需要動向に応じて製品等の供給を行い、その関連分野としての防災・工事事業、自動車・ロボット事業、介護事業という成長マーケットを含んだ事業へと事業ポートフォリオを拡大してまいりましたが、想定以上に関連業界の設備投資が落ち込んだ場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)海外生産に係るリスク
当社グループは、生産拠点の集中リスクを回避するため、グローバル(中国、ベトナム)な生産体制を展開しておりますが、海外生産におきましては、イ.予期しない法律または規制の変更、ロ.人件費・物価等の大幅な上昇、ハ.ストライキ等による生産活動への支障、ニ.その他の経済的、社会的及び政治的混乱等のリスクが潜在しております。当社グループは、それらの法規制、社会情勢の変化等の情報収集を行い、変化への対応、リスクの回避に努めておりますが、予期せぬ事象が発生した場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)為替、金利の変動に係るリスク
当社グループは、海外子会社3社及び当社において、外貨(中国元、アメリカドル)建て資産及び負債があります。当社グループは取締役会によって定めた方針に基づき、為替変動等のリスクヘッジ対策を講じてまいりますが、予期せぬ事象が発生した場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、金融機関からの借入により資金調達を行っておりますが、金利が上昇した場合、支払利息が増加し、当社グループの業績または財務状況が影響を受けます。
(4)原材料価格の変動に係るリスク
当社グループは、主要原材料としてステンレス鋼を使用しております。ステンレス鋼は市況商品であることからその価格が上昇した場合、製品価格に反映させることを基本方針としておりますが、急騰により製品価格への転嫁が遅れた場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)製品の欠陥に係るリスク
当社グループは、ISO9001に準拠して製品の品質管理を行っておりますが、全ての製品について欠陥が発生しないという保証はありません。そのため、欠陥に伴う製造物賠償責任リスクを軽減するため、PL保険に加入しておりますが、保険でカバーできない多額のコストが発生した場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)棚卸資産の廃棄、評価損に係るリスク
当社グループは、在庫管理に充分留意しておりますが、市場動向、技術革新、製品のライフサイクル等の急激な変化により、製品の評価を見直す必要が発生し、棚卸資産の廃棄損または評価損を計上する場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7)資産の減損に係るリスク
当社グループは、固定資産の減損に関する会計基準を適用しております。将来、当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、減損損失が発生した場合には、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)知的財産権に係るリスク
当社グループは、知的財産管理規程にて知的財産保護を定めるとともに、知的財産に係るトラブルを回避するため事前調査を行なっております。また、知的財産の保護やその侵害に関するリスクについては、リスク管理項目の対象としリスク管理委員会で対応策を検討し、必要に応じて弁理士に相談した上で、早急且つ適切な対応ができるよう努めております。しかしながら万が一、訴訟等に巻き込まれた場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9)大規模災害等に係るリスク
当社グループは、生産拠点の分散化等により、一部の地域で大規模災害が生じた場合においても一定の製商品の供給を継続できる体制の構築に努めておりますが、複数の生産拠点地区において、大規模自然災害または火災等の事故が発生し生産設備及び物流機能が被害を受け、操業中止または出荷遅延等が生じた場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10)情報管理に係るリスク
当社グループは、事業活動においてITシステムやネットワークを広範に利用しており、サイバー攻撃や情報漏えいのリスクに常に晒されています。近年、攻撃手法は高度化・巧妙化しており、ランサムウェアやサプライチェーンを経由した侵入など、従来の防御策では完全に防ぐことが困難な事象が増加しています。
万が一、当社または取引先のシステムが侵害された場合、業務の一時停止、顧客情報の流出、社会的信用の失墜、法的責任の発生、ならびに多額の損害が生じる可能性があります。当社は、最新のセキュリティ技術導入、監視体制強化、従業員教育を継続的に実施しておりますが、サイバー攻撃の進化により、これらの対策をもってしてもリスクを完全に排除することはできません。
(11)保有資産の価値下落によるリスク
当社グループでは、保有資産価値の維持、保全に努めておりますが、保有する不動産や有価証券等の時価が著しく下落した場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12)製品競争力に係るリスク
当社グループは、他社製品との差別化を図るため、製品・技術等に関連する特許等の知的財産権を取得し、または海外企業との技術提携によるライセンスの供与を受けておりますが、海外の特定地域において、当社グループの模倣製品が製造・販売された場合、またはライセンス契約の更新が困難となった場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13)M&Aに係るリスク
当社グループは、当社グループの事業に関連する有力な技術等を保有する企業の買収によって、事業の拡大と成長を推進してまいりました。今後も、事業の成長を加速させるために有効と考えられる場合や、既存事業との大きな相乗効果が見込める場合などに、積極的にM&Aを検討していく方針です。
M&Aの実施に際しては、業界動向等を慎重に見定めるとともに、買収対象企業に対して十分なデューデリジェンスを行ったうえで実施する予定でありますが、市場環境の急激な変化や、買収企業の競争力の低下等、予期せぬ事態が生じた場合には、投下資本の毀損が生じ、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14)訴訟等に係るリスク
当社グループは、内部統制システムの整備・運用を適切に行っておりますが、取引先や第三者との間で予期せぬトラブルにより損害賠償請求等が発生し、訴訟等に至った場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(15)法令及び公的規制に係るリスク
当社グループは、事業を展開する国内及び海外の全ての地域において、建設業法や介護保険法等、さまざまな法令及び公的規制の適用を受けており、これらの法令及び公的規制を遵守するため、内部統制の整備を図っておりますが、万が一、遵守していないと判断された場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(16)ストック・オプションの行使等による株式価値希薄化について
当社は、当社グループの役職員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとしてストック・オプションを付与しているほか、今後も優秀な人材確保のためストック・オプションを発行する可能性があります。現在付与されている、または今後付与するストックオプションの行使が行われた場合、発行済株式数が増加し、1株当たりの株式価値は希薄化し、株価形成に影響を与える可能性があります。2025年12月末現在、これらのストック・オプションによる潜在株式数は74,000株であり、発行済株式総数21,360,000株の0.35%に相当しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、雇用・所得環境の改善等が緩やかな回復を支えることが期待されるものの、物価動向や米国の通商政策をめぐる動向等の景気を下押しするリスクに留意する必要があり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループでは、継手事業において前年度に引き続き海外市場が好調であったこと、国内市場では利益率の高い真空機器の案件があったこと、防災・工事事業において北海道の先端半導体工場案件の関連事業が好調を維持し、売上が大幅に増加したこと等により、その他以外の全ての事業セグメントにおいて増収増益となりました。さらに、当社の大阪営業所移転に伴う、旧同営業所の土地・建物の売却益(特別利益)655百万円を計上いたしました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高26,025百万円(前期比18.1%増)、営業利益3,919百万円(前期比78.4%増)、経常利益3,924百万円(前期比83.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,123百万円(前期比137.9%増)となりました。
各セグメントの経営成績については、以下のとおりであります。
(継手事業)
前年度に引き続き海外市場が好調であったことに加え、国内市場では利益率の高い真空機器の案件があったこと等により、増収増益となりました。
その結果、当事業の売上高は15,125百万円(前期比14.0%増)、セグメント利益は2,830百万円(前期比36.0%増)となりました。
(防災・工事事業)
主に北海道の先端半導体工場案件の関連事業が好調を維持し、売上が大幅に増加したこと等により、大幅な増収増益となりました。
その結果、当事業の売上高は6,799百万円(前期比34.8%増)、セグメント利益は1,512百万円(前期比137.0%増)となりました。
(自動車・ロボット事業)
前年度影響の大きかった大口顧客の在庫調整がひと段落したこと等により売上が増加、増収増益となり、当事業は黒字回復いたしました。
その結果、当事業の売上高は2,092百万円(前期比12.8%増)、セグメント利益は97百万円(前期は52百万円のセグメント損失)となりました。
(介護事業)
福祉用具販売およびレンタルの売上が増加、販管費は増加したものの福祉用具レンタル用資産の減価償却が進んだことによる原価削減等により、増収増益となりました。
その結果、当事業の売上高は1,906百万円(前期比7.2%増)、セグメント利益は126百万円(前期比19.3%増)となりました。
(その他)
不動産賃貸事業は、業績に特段の変化は見られませんでした。
その結果、当事業の売上高は101百万円(前期比0.0%減)、セグメント利益は42百万円(前期比18.6%増)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産については、主に現金及び預金2,763百万円の増加、電子記録債権を含む売上債権658百万円の増加、仕掛品262百万円の増加、未収消費税を含むその他流動資産450百万円の減少、有形固定資産合計196百万円の減少等により、前連結会計年度末と比較して3,103百万円増加し、38,995百万円となりました。
負債については、買掛金647百万円の増加、短期借入金1,000百万円の減少、1年内返済予定の長期借入金168百万円の増加、未払法人税等557百万円の増加、未払消費税等を含むその他流動負債814百万円の増加、長期借入金512百万円の減少等により、前連結会計年度末と比較して774百万円増加し、13,307百万円となりました。
純資産については、主に親会社株主に帰属する当期純利益3,123百万円、配当支払い989百万円による利益剰余金2,133百万円の増加、為替換算調整勘定125百万円の増加等により、前連結会計年度末と比較して2,329百万円増加し、25,688百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して2,763百万円増加し、7,868百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、5,219百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益4,555百万円、減価償却費1,144百万円により資金が増加したものの、法人税等の支払額708百万円により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、193百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1,010百万円により資金が減少したものの有形固定資産の売却による収入897百万円により資金が増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2,332百万円となりました。これは主に長期借入れによる収入500百万円により資金が増加したものの、短期借入金の純増減額1,000百万円、長期借入金の返済による支出844百万円、配当金の支払額989百万円により資金が減少したことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
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生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
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継手事業 |
9,236,343 |
110.2 |
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防災・工事事業 |
1,216,624 |
248.9 |
|
自動車・ロボット事業 |
1,626,534 |
100.2 |
|
合計 |
12,079,503 |
115.1 |
(注)1.金額は製造原価により表示しております。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.介護事業は生産活動を行っておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
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受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
|
|
継手事業 |
7,608,304 |
122.4 |
2,271,255 |
114.9 |
|
防災・工事事業 |
3,978,938 |
100.0 |
7,698,854 |
93.0 |
|
合計 |
11,587,242 |
113.7 |
9,970,110 |
97.2 |
(注)1.防災・工事事業は、消防設備の設計、施工、管理の金額となっております。
2.介護事業は、受注生産を行っておりません。
3.自動車・ロボット事業は、各納入先より生産計画の提示を受け、これに基づき生産能力を勘案して生産計画を立てており、見込生産であるため該当事項はありません。
4.セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
|
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
継手事業 |
15,125,913 |
114.0 |
|
防災・工事事業 |
6,799,116 |
134.8 |
|
自動車・ロボット事業 |
2,092,291 |
112.8 |
|
介護事業 |
1,906,300 |
107.2 |
|
その他 |
101,380 |
100.0 |
|
合計 |
26,025,002 |
118.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主要顧客(総販売実績に対する割合が10%以上)に該当する相手先はありません。
3.上記のうち、株式会社テクノフレックスの製品売上高及び商品売上高の合計は、11,525,612千円であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等は、(1)経営成績等の状況の概要 「① 経営成績の状況」及び「② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金需要のうち主なものは原材料の仕入等の製造費用や販売費及び一般管理費等であり、投資等の資金需要は、設備投資等によるものであります。
これらの資金につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか金融機関からの借入により必要な資金を調達しております。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 「(4)資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に記載のとおりであります。経営指標については適宜各種会議体において共有され、必要に応じて経営環境、財政状態及び業界環境等を総合的に勘案したうえで、対応策の検討を行い、必要な施策をタイムリーに実施してまいります。
なお、当社グループは目標とする経営指標等として、PER、PBR及びROEを掲げております。PERは目標を18.00倍以上にしており、2025年12月期におけるPERは12.79倍となっております。PBRは1.20倍以上を目標としており、2025年12月期におけるPBRは1.56倍となっております。ROEは目標8.0%以上に対し、2025年12月期は12.7%となっております。
今後、企業価値向上のために、財務基盤を強化し事業投資に対する適正な評価と最適な資本構成を実現し、徹底した経営効率の改善により、資本効率を更に高め、経営の安定性及び株主還元を重視してまいります。
しかしながら、これらの経営指標の目標数値においては、様々なリスクや将来の経済状況の変化等の不確実性を有しており、その達成を保証するものではありません。
該当事項はありません。
当社グループは、「顧客により付加価値の高いものをより安価に提供すること」を研究開発の基本方針として、さまざまな角度から新製品の開発並びにその製造設備及び製造手法の開発に取り組んでおります。
継手事業のマーケットにおいては、競争プレイヤーは少なく、技術革新も盛んではないため、既存マーケットは顧客ニーズ対応のための研究開発となり、既存マーケットの拡大のため、加工素材の範囲拡大や海外規格の認証取得に関する研究開発を中心に行っております。
自動車・ロボット事業においては、金属塑性加工技術を新たな産業分野へ応用するための研究開発を中心に行っております。
介護事業においては、介護用品、福祉用具の商品開発を中心に行っております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は
当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
(1)継手事業
マーケット拡大のため、フレキシブル継手等の開発を行い、研究開発費は
(2)防災・工事事業
研究開発費の計上はありませんでした。
(3)自動車・ロボット事業
金属塑性加工技術を新たな産業分野へ応用するための研究開発を継続しており、金属塑性加工の新技術の開発に係る研究開発費は
(4)介護事業
新商品の開発に係る研究開発費は