文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
Our Vision: A world safe for exchanging digital information.
私たちのビジョン:デジタルインフォメーションを安全に交換できる世界の実現
インターネットを中心とするITインフラは、個人及び企業また国を問わず、情報化社会における世界的ライフラインとして必須のものになりました。
今日、ネットワーク上の脅威として挙げられるコンピュータウイルス、ランサムウェア、迷惑メール、Webサイトの改ざん、情報漏洩等の多くは、事前にそれを予測し、絶対的な対策を立てられるような性質のものではありません。情報詐取、金銭的利益、破壊行為などの目的で、標的に特化した様々な手を用いて執拗に特定の組織を狙う標的型攻撃の増加においては企業や公共団体、国家機関がその攻撃対象となる他、個人においてもスマートフォンやタブレットなどの多機能携帯端末が当たり前のものとなりました。AIをはじめとする新しいIT技術やサービスの誕生・普及に伴いそれらもまた新たな攻撃対象となっており、セキュリティ対策も、もはや企業や個人にとって必須となりました。
当社グループはクラウドコンピューティングやAI等のIT技術によってビジネスや生活の質を高めていくデジタル化の進展を背景に加速度的に拡大する世界的ITインフラを守るという大きな責務に対し、顧客に適時適切な解決策を提供することにより、情報化社会のさらなる発展に寄与していきたいと考えております。
当社は現在、ARR(Annual Recurring Revenue)の継続的増加を図っております。
一方で、同時に利益率の向上も図ってまいります。現在、2028年12月期において営業利益率25%~27%を目標としており、売上高の増加と営業利益率向上の両面を図ってまいります。当社のビジネス構造は基本的に資本集約的ではありません。従い、その結果としてROE(株主資本利益率)の向上に繋がるものと考えております。
今日、ITインフラは我々の社会や生活の根幹となっています。パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットなどの多機能携帯端末他、IoTやAI等新しいテクノロジーの出現に伴いスマート家電やコネクテッドカーも誕生し、インターネットに繋がる様々なデジタルデバイスやアプリケーション、ユーザの使用目的が多様化したことで、すべての環境に適する単一なセキュリティソリューションはもはや存在しなくなりました。ネットワーク環境におきましても、クラウドコンピューティングやAIが、ビッグデータへのアクセスやデータ解析をより簡単、速く、手頃なものにし、益々デジタル情報の交換方法に変革を起こしていくことが予想されます。上記のようなIT技術の進化の流れは、企業や個人に関わらず、行き交う情報量を爆発的に増大させると共に、従来のように予防だけでなく侵入を前提としたセキュリティ対策の需要も生み出しており、利便性と引き換えにリスクは増大し情報セキュリティの重要性が今後も益々増大することは必至です。
当社グループはこのような環境変化を踏まえ、AI技術を活用したセキュリティ製品及びサービスを従来から幅広く展開してきた強みを生かした統合セキュリティプラットフォーム:Vision Oneを提供しております。Vision Oneにより、従来のような各端末の防御や、ネットワーク環境下を各領域に分けて守る対策だけではなく、AIで脅威を予測し、侵入後の対策も含む幅広いソリューションを展開し、広範囲にわたるサイバー攻撃をより迅速に把握、適切な対処を積極的に提供することでサイバーリスクをプロアクティブに軽減して参ります。また、お客様の環境の多様化においても価値提供を継続できるよう、SaaS型/オンプレミス型の双方に対応するハイブリッド構成の提供を推進し、多くのお客様の利用環境・要件に応えてまいります。
当社グループは今後もより一層デジタル化が進むビジネスや社会、そしてユーザの生活を守るために、企業と個人といった垣根なく安心できるセキュリティソリューションを一層強化して「デジタルインフォメーションを安全に交換できる世界」というビジョンを実現して参ります。
-課題認識
当社グループの属するサイバーセキュリティ業界は、既存ベンダー間の競争に加え、国内外を問わず他業種からのM&Aや新規参入が急増し、競争は一層激化しています。
こうした業界再編や新規参入は市場構造の変化を予測しにくくし、今後の展開を不透明にさせる要因となっています。
さらに、AIなどの技術革新は加速度的に進んでおり、攻撃者は新たな脆弱性を狙った手法や生成AI・ディープフェイクを悪用した高度で巧妙な詐欺を次々に開発しています。これにより、攻撃対象領域(アタックサーフェス)は多様化・拡大し、攻撃はより複雑かつ迅速、そして広範囲に及ぶようになっています。
世界的な紛争や地政学的リスク、分断、そして複雑化するサプライチェーンなどの環境要因も、サイバー脅威の拡大を後押ししています。こうした背景から、法人・個人を問わずインターネット利用者を狙う攻撃は増加の一途をたどっています。
このような課題を受け、当社グループは以下のような取り組みを行っております。
-個人向けソリューションの拡充
個人のお客様が抱えるリスクも増大している中、守備範囲をサイバー脅威だけでなく、詐欺電話やネット詐欺といった物理的な脅威にまで拡大し、デジタルライフ全体の脅威に備えたい個人のお客様の需要に応えております。
-法人向け統合セキュリティ基盤「Trend Vision One™」の展開
法人のお客様のサイバーセキュリティ対策は、予防策だけではなく、万一障害が起きた際の対応や復旧策などの事後対策、更には未知の脅威への対策が、すべてのネットワークとそこに存在する膨大なデータに対して迅速に求められます。
そのような広範囲のセキュリティ対策が日々求められる法人のお客様の需要に応え、当社グループはAIで脅威を予測・防御する法人向け統合セキュリティ基盤:Trend Vision One™(以下、Vision One)を中心とした幅広いセキュリティ製品及びサービスを展開しております。
Vision Oneは、プラットフォームとして複数領域に導入される当社グループのセキュリティ製品を連携することで、広範囲に渡るサイバー攻撃をより迅速に把握し、リアルタイムで検出/収集した脅威や侵入の痕跡情報を相関的に分析し、適切な対処を提供します。
更にVision Oneの中核機能であるCyber Risk Exposure Management(CREM)が、組織全体の攻撃表面を詳細に可視化、継続的に監視し、見つかったリスクを評価し対応優先度の設定を行うことで、セキュリティ運用効率を向上、新たな脅威や脆弱性にスピード対応します。
Vision Oneはこれら軽減策の自動化により、サイバーリスクを積極的に軽減することで、セキュリティ対策を受け身から先手を打つ対策に変革し、万一の時は被害を抑え、早期に復旧できる体制を作るためのソリューションとなっております。また、AI技術を搭載することでセキュリティの専門知識が十分でない運用担当者を支援し、高度なセキュリティ対策と運用負荷軽減の両立も実現します。
-株主の皆さまへの価値提供
こうした取り組みにより、当社グループは急速に変化するサイバー脅威環境に機動的かつ戦略的に対応し、個人・法人双方に信頼性の高いセキュリティを提供し続けます。
安全の提供は当社の社会的使命であると同時に、持続的な収益成長の基盤です。今後も市場機会を捉え、事業拡大と企業価値向上を実現してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは次のとおりであります。
なお文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、サイバーセキュリティのグローバルリーダーとして、デジタルとフィジカルの両面から世界をより良く、より安全な場所にすることを目指しています。サステナビリティは、私たちの企業ビジョンとコアバリューの一部であり、社員がより良い未来を築きたいと考え続けるようにすることを通じて、私たちの日々の業務に組み込まれるよう努めています。
当社グループは、持続可能なサイバーセキュリティ会社として企業価値を向上させるため、サステナビリティに関する基本方針ならびに、環境、倫理、労働と人権、および持続可能な調達にかかる個別の方針・目標を取締役会で決定しております。
各方針については以下
https://www.trendmicro.com/ja_jp/about/corporate-social-responsibility/sustainability-policy.html
サステナビリティに関する当社グループのリスクおよび課題を統括する機関として、当社の代表取締役副社長を委員長とする「コンプライアンス・セキュリティ・サステナビリティ委員会」を設置しています。当該委員長は、取締役会により当社グループのサステナビリティ担当役員に選定されており、サステナビリティ関連業務の執行を統括する責任を負っています。
当委員会は委員長および取締役副社長の他、各部門の代表者が委員として出席し、原則として半期に1度開催されます。委員会では、環境、社会およびガバナンスに関する課題など、サステナビリティに関するリスクと機会を特定、評価し、その審議内容および対応方針について、委員長は、年に1回以上取締役会に報告します。
取締役会は、これらの報告に基づき、サステナビリティに関する経営戦略や重要事項について審議・決議するとともに、当社グループのサステナビリティの個別目標の進捗状況などを監督し、実効性を確保しています。
これらを通じて、取締役会はサステナビリティ関連のリスクおよび機会に対する監視・監督機能を果たし、適切な管理体制を構築しております。
サステナビリティにかかる当社グループの機会とリスクにつきましては、コンプライアンス・セキュリティ・サステナビリティ委員会にて継続的に協議・評価を行っております。
直近では、2025年11月の委員会において、当社グループの戦略や外部環境の変化を踏まえたサステナビリティの機会とリスクの再評価を実施しました。その結果、従前に特定されていたサステナビリティの機会とリスクに加え、以下の事項を財務的影響を伴う可能性がある重要性の高い機会およびリスクとして特定し、対応方針を協議しました。
• サステナビリティに関する顧客の関心の高まりに伴うビジネス損失リスク
• 当社グループの変革によるAI技術推進に伴う新たな機会とリスク
当該内容は当社の重要なサステナビリティ課題であると認識され、同年12月の取締役会に報告・付議され、当社グループとしての対応が承認されました。当社グループは、これらの重要課題に対する取り組みを推進し、企業価値の向上に努めてまいります。
当社は、人的資本を企業価値創造の基盤と位置づけています。私たちは、イノベーションを促進し、社員一人ひとりが自らの可能性を最大限に発揮できる組織づくりに取り組んでいます。
当社はボーダレスなトランスナショナル企業として、地理的な制約にとらわれません。市場の人材供給と事業ニーズに基づき、戦略的にグローバルで人材を惹きつけ、配置しています。
例えば、台湾およびオタワの主要な製品開発拠点では、高等教育機関との強固なパートナーシップと確立された人材パイプラインを活用し、意欲の高い開発プロフェッショナルを継続的に確保しています。
同様に、サイバー脅威はデジタルインフラの変化や利用者の行動変容に伴って進化するため、当社は世界各地域の攻撃者動向に合わせて脅威研究者を配置しています。
営業チームは、顧客行動や商習慣への適合を確保するため、当社がサービスを提供する各市場にローカルで配備しています。
当社のリーダーシップチームは、人的投資に対して包括的なアプローチを取り、人材供給、事業要件、運営効率のバランスを図りながら、持続的な成長を推進しています。
インクルーシブな採用と組織設計
当社の人材哲学は、「Be Yourself, Be the Best Part of Yourself」です。
採用においては、職務に求められる情熱・スキル・コンピテンシーに基づき、公正に候補者を評価します。人種、民族、国籍、ジェンダー・アイデンティティ、年齢、宗教などの属性にかかわらず、公平性を保って選考します。
私たちは、役職にかかわらず全社員がリーダーシップを発揮し価値を創出できる、フラットでネットワーク型、かつアジャイルな組織をめざしています。
とりわけ生成AIの台頭により外部環境の変化が加速していることを認識しており、トップダウンの統制に過度に依存する階層構造は、イノベーションと即応性を阻害すると考えています。
透明性の高い情報共有、権限委譲、専門性に基づく意思決定を通じて、当社は適応力とアジリティを継続的に強化しています。
継続的な学習とAIへの備え
当社は、研修、職務アサインメント、ネットワーキング、メンタリング、フィードバックなどを通じて、専門性を深める多様な学習機会を提供しています。
さらに、全社員がAIリテラシーとAI活用能力を備えることを目標に、継続的なAIハッカソンなどの取り組みを続け、人材の成長を促進し、当社の競争優位性を強化しています。
私たちの人材哲学とグローバル人材戦略は、持続可能な成長と革新を追求する中で、サステナビリティにかかる重要なリスク要因にも対応しています。
当社グループの変革におけるAI技術の推進は、リスクと機会の両方を生み出しています。この変化に適応するため、全社員に向けた継続的な学習とAIへの備えにより、組織全体のアジリティを向上させ、変化する市場環境に迅速に対応できる体制を整えています。
また近年、顧客のサステナビリティへの関心が高まっており、これに伴うビジネス損失リスクを軽減するために、既にGHG排出量の算出を行っている当社に加え、主要な子会社においても算出を開始することを決定しました。この取り組みは、環境に配慮した企業としての信頼性を向上させ、持続可能な人材を惹きつける効果が期待されます。
なお、人的資本を含めサステナビリティ関連については、現時点で特定の数値目標は設定しておりません。国内の女性管理職比率などは既に高水準であり形式的な目標設定は不要と考えております。また当社は人材をグローバルに最適配置しており、文化と制度により成果を維持しているため固定目標は設けず、必要に応じてモニタリングし、将来必要な場合に見直します。
下記リスクのいずれかが発生すると、当社グループの事業または財務状態、経営成績に損害が与えられる恐れがあります。そのような場合、当社の株価が下落し、投資額の全部または一部が失われる恐れがあります。現時点で、当社グループが認識していない、または重要ではないと考えるリスク及び不確定要因も当社グループの事業に重要な影響を与える可能性があります。なお文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1. 単一の事業領域に依存していることによる影響とリスクの可能性について
多くの製品群を持つようなソフトウエア企業と違い、当社グループはその事業領域をウイルス対策分野を中心とするサイバーセキュリティ事業に集中し、連結売上高のほとんどをウイルス対策やその他のセキュリティ製品、サービスの販売に依存しています。当面はそのような状態が続くものと考えられる中、当社グループが属するサイバーセキュリティ業界は市場競争が激化しており、他の企業と手を組み新たなセキュリティ製品、サービスを提供するための戦略的提携に積極的な姿勢や、事業領域拡大のために他企業の買収を検討することで変化の激しい事業環境に備えています。
当社グループは単一の事業領域に依存していることにより次のような多くのリスク要因や不確定要因が生じる可能性があります。
・多くの費用及びその他経営資源を製品開発、マーケティングプロモーション、保守サポート等に費やした結果、当社グループの海外市場だけでなく当社グループ最大の売上高構成を占める日本市場にも売上高やマーケットシェアが低下する等事業戦略に影響が出る可能性
・戦略的提携や買収から期待通りの収入が得られない可能性
・収入が得られる前に様々な要因により提携や買収が解消される可能性
・ 買収先企業の顧客、仕入先、その他重要な業務上の関係者との既存の関係を維持できない可能性
・ 買収先企業のオペレーションシステム、情報システムを効率的、効果的に統合できない可能性
・ 当社グループのマネジメントリソースの分散化、希薄化
・ 買収により取得した営業権等の資産の評価減により、利益が減少する可能性
・ 企業買収の際に当社株式の新株発行を伴うような買収手段を採った場合、既存株主の持分が希薄化する可能性
2. 技術革新や業界の変化により当社グループの各種製品及びサービスが陳腐化してしまう可能性について
当社グループが属しているサイバーセキュリティ業界は次のような特徴があります。
・ 技術革新のスピードが速い
・ 次々と新たなタイプのコンピュータウイルスやインターネット上の脅威が発生する
・ 頻繁に製品のアップデートを行う必要がある
・ ユーザニーズが変化しやすい
・ 市場競争が急速に変化している
これらの特徴は競業先企業が革新的な技術に基づき当社グループにおける各種製品及びサービスより優れたものを開発する可能性や、またはユーザが機能よりも低価格を求めて彼らの製品を選択する可能性、それによって当社グループの競争力が低下する可能性、当社グループの各種製品及びサービスが市場に受け入れられなくなる可能性の他、新しいコンピューティングやセキュリティ技術等が出現することで事業環境が変化する可能性があります。
当社グループが速やかに且つ適切にそのような変化に対応できない場合には当社グループの事業、財政状態、経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
3. ハードウエア製品の製造リスク、在庫リスクについて
当社グループのハードウエア製品は、ISO等、世界的に認められている品質管理基準に従って各種製品の設計・製造をしている特定の製造業者にその製造を委託していますが、製造を委託していることにより当社グループが製造工程を適切にコントロールできない可能性や、当社グループの期待する生産体制を築けない可能性、委託製造業者が当社グループの注文通りに製品を生産できない可能性があります。
当社グループではこうしたサプライチェーンリスクに対し、過去の販売実績及び将来の販売予想を慎重に分析し、十分なバッファを設けて製品の在庫を準備する等、継続的な供給を保証するための対策をはかっておりますが、上記の要因によりユーザからの注文キャンセル等による機会損失や、また、当社グループ製品の製造に必要な部品が調達できないときも同様の理由により機会損失が発生する可能性があり、そのような場合、当社グループの財政状況、経営成績に影響を与える可能性があります。
4. 信頼の失墜について
当社グループは、ネットワークへの不正アクセス、サイバー攻撃、データ搾取、改竄破壊等を行う者によって引き起こされるサイバーセキュリティリスクや、当社グループの技術情報や個人情報等を当社グループ関係者が持ち出し流失または不正利用する可能性、当社グループの各種セキュリティ製品による誤検知または検知不可等のシステムリスク、加えて、当社グループの各種製品のバグや脆弱性を含む欠陥等により顧客に損害を与える可能性等により、他の会社よりも特に信用面において重大な影響を受けることが考えられます。また、これらの影響により当社グループの売上や事業の成長に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは情報セキュリティガバナンスを統括するチーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー(CISO)を設置し、セキュリティインシデントに対応する組織としてCSIRT(Computer Security Incident Response Team:コンピュータセキュリティインシデント対応チーム)を構築・運用している他、リスクレベルが全世界に関わる事象においてはグローバルの危機管理体制と連携しながら全社を挙げて危機対応を行う体制を敷いており、日本本社においてはSWATといわれるクライシスマネジメント体制など包括的にリスクを可視化し、定期的に経営層でレビューし適切な対応が迅速に取れる体制を構築しております。
また、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO27001」及び「JIS Q 15001」(プライバシーマーク)を取得し、業務委託先または従業員との間で機密保持目的の契約の締結、情報管理規定の整備、社員及び委託先への教育や周知徹底、インフラのセキュリティ強化、社内情報システムへの外部からの侵入防止対策も講じる等、管理の強化・徹底と漏洩の防止に努める他、提供する製品やサービスには事前に適切なテストを行っているだけでなく、FIPS 140-2やPCI DSS、FedRAMPをはじめ各種外部機関による認証・認定を取得した製品・サービスを提供しています。
加えて当社グループでは、コンプライアンス、セキュリティおよびサステナビリティにかかる当社のリスクおよび課題等を統括する組織として、当社の代表取締役を委員長とする「コンプライアンス・セキュリティ・サステナビリティ委員会」を設置しており、半期に1度以上、また、必要に応じ臨時に開催することで、リスクや課題について協議しております。
しかしながらこれらの措置をとっていても上記リスクを防げない可能性があります。
このような事態が発生した場合、当社グループの信用が著しく失墜するだけでなく、当社グループのウイルス対策やその他セキュリティ製品の導入を後退させる可能性や、技術上のトラブルの解決等に要するコストが発生する可能性、更に当社グループの企業秘密の漏洩、損壊等の損失を被る可能性の他、信用回復するまでの間、事業が停滞する可能性があります。加えて当社グループに対して訴訟が提起され巨額の損害賠償請求が認められた場合には、当社グループの事業に重大な影響を及ぼす他、当社グループの財政状態、経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
5. 当社グループの各種製品及びサービスを取り扱う中間販売業者に関連するリスクについて
当社グループの各種製品及びサービスの多くは、競合先企業の製品及びサービスも同時に取り扱っている中間販売業者を経由して販売されており、当社グループの各種製品及びサービスの販売に注力してもらうよう努力をしていますが、競合先企業の製品販売に注力する可能性がある他、中間販売業者は当社グループの各種製品及びサービスを返品する可能性があります。
また、当社グループは中間販売業者の財政状態や売掛金の回収可能性について定期的にレビューを行い、貸倒引当金を計上していますが、中間販売業者自体の財政状態が悪化した場合、その状態によっては実際の貸倒額が引当金の額を超過する等、当社グループの売掛金回収に悪影響を及ぼす可能性があります。そのような場合には当社グループの財政状況や経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
6. 事業の成長に対する経営管理体制の対応について
当社グループの事業領域は拡大をしており、その成長を支えるマネジメントや従業員等の人的リソースは限られるため、今後も成長を持続させていくために次の点について増強、整備しております。
・ 新たな人材の獲得、確保並びに従業員に対する教育研修、業務に対する動機づけ
・ 新たな従業員を当社グループのオペレーションに効果的に融合させること
・ オペレーションシステム、会計システム等の情報システムの整備
・ 経営及び管理体制の有効活用
今後、事業の拡大に対し、当社グループの組織体制や管理体制が不十分なものになる可能性があり、そのような場合には次のようなリスクがあります。
・ ユーザにタイムリーな製品の開発及び効果的なサービスを提供できない可能性
・ 適切な会計情報システム、会計管理システムが構築できない可能性
・ 新たなマーケットへの進出や市場競争に対する対応が適切に行えない可能性
7. 人材について
当社グループが属するサイバーセキュリティ業界は市場競争が激化しています。そのような中、優秀な人材の確保は競合各社とも技術革新を支える重要な課題となっており、同時に人材の流出についても対策が必要となっています。
当社グループでは今後も事業の成長を持続させていくために新たな人材の獲得、確保並びに従業員に対する教育研修、業務に対する動機づけについて増強、整備しております。また全ての従業員との間で機密保持及び競業避止目的の契約を締結し、人材や技術情報等の流出の対策を図っております。
しかしながらこれらの措置をとっていても主要な技術者並びに人材が流出する可能性や当社グループの技術や戦略等の重要な情報が流出することを防げない可能性や、当社グループの技術と類似した技術の開発を防ぐことができない可能性、また、当社グループにおける想定以上の離職や人材採用において計画通りの人員採用ができない場合は、業務が遂行できず当社グループの事業を停滞させる可能性があります。加えて、現在、当社グループの従業員の54.1%は新興諸国を含めたアジア圏で構成されています。
これらの地域におけるインフレや賃金上昇は当社グループの人件費を急激に増加させる可能性があり、当社グループの事業、経営成績、財政状態に影響を与える可能性があります。
8. AI活用に関するリスク
AIの活用拡大に伴い、当社グループのデータセンタ等における電力消費量及び水使用量が増加し、温室効果ガス(GHG)排出量が増大する可能性があります。かかる場合、当社グループにおいて、環境対応に係るコストの増加、環境規制等への対応負担の増加、並びに社会的評価の低下等が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、AIに関する専門知識を有する人材の継続的な確保及び育成は、競合各社においても重要な課題となっており、当社グループを取り巻く採用環境は一層競争が激化しております。加えて、当社グループにおける人材の流出防止も重要な課題となっております。これらにより、必要な人材の採用・育成が計画どおりに進捗しない場合、当社グループの中長期的な競争力の低下を通じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
一方で、当社グループは、事業領域の拡大及び技術革新への対応等を通じて事業の継続的な成長を実現するため、従前より機械学習及びAIの活用・導入を進めております。AI技術の進展は著しく、そうした革新的技術を活用することで当社グループのセキュリティに関する知見及び技術を活用した製品・ソリューションの提供を通じた売上拡大を図ると共に、ユーザにおけるセキュリティ対策の高度化及び電力消費量の低減を含む効率化に資する取り組みを推進しております。
9. 当社グループの四半期決算数値の変動が株価に与える影響について
当社グループの四半期決算数値のトレンドは、本リスク情報に挙げたあらゆる要因によって、中長期的な経営成績のトレンドと異なる傾向を示したり、当社グループの四半期決算の数値が変動したりする可能性があります。また当社グループの四半期決算の数値は、アナリスト等が予想した期待値を下回る可能性があり、そのような場合には当社株価は下落する可能性があります。
10. 為替並びに金融市場の変動が当社グループの経営成績に与える影響について
当社グループの連結決算の報告通貨は日本円ですが、海外子会社の事業活動はそれぞれの地域の通貨を使用しており、当社グループの連結売上高及び費用の多くの部分は、USドル、ユーロ、アジア諸通貨等、日本円以外の通貨から成ります。今後当社グループが日本以外の地域で連結売上高を拡大した場合は、これらの通貨と日本円との為替レートの変動の影響がより大きくなり、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
また、当社グループは、効率的な資金運用の目的から有価証券・投資有価証券を保有しており、それらの中には外貨建の有価証券も一部含まれているため、為替相場の変動による影響と併せて金融市場が大幅に変動した場合も、それら保有有価証券の価値に影響を受ける可能性があり、相応の評価損を計上する等、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
11. 主要な経営陣について
当社グループはCEOのエバ・チェンを始めとする主要な経営陣に多くを依存しています。今後もこれらの経営陣が当社グループに在籍し続けるという保証はありません。もしこれらの経営陣が当社グループを離れた場合には、当社グループの事業、経営成績、財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社グループの役職員や関係者が法令違反を行った場合、当社グループの信用が毀損され当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
12. 法令違反または法令等の改正による影響について
当社グループが行う事業は、それぞれの国において各種法令等による規制を受けます。これらの法令等が遵守されなかった場合、行政指導、罰則等の適用を受け、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。更に、法令等の改正により、当社グループの製品またはサービスに関して規制や制限が強化され、当該対応による費用がかかる可能性があり、当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
13. 当社グループのユーザについて
当社グループの各種製品やサービスの購入は、企業ユーザにとっては資本的支出になるものと考えられます。企業ユーザによっては当社グループの各種製品やサービスの購入は緊急を要するものではない場合があり、企業ユーザの業績見通しの悪化や経済状況の悪化等により、当社グループの各種製品やサービス購入のキャンセルや時期の延期等が発生する可能性があります。このようなキャンセルや購入時期の延期は当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
企業ユーザにかかわらず、当社グループの全ユーザにとって当社グループの製品及びサービスは、ネットワークやコンピュータを不正プログラムやインターネット上の脅威から守ることを目的としていますが、仮に当社グループ製品及びサービスを使用していたにも関わらず、ユーザが上記のような脅威により何らかの被害を受けた場合や、それら製品及びサービスが明示している機能を果たさなかった場合は、返品および返品に伴う返金が発生する可能性、損害賠償の訴えが提起される可能性があります。
また、当社グループは各種製品の出荷もしくは、パターンファイルの提供に際し、事前に適切なテストを行っておりますが、当社グループの各種製品のバグや脆弱性を含む欠陥、不完全なパターンファイルの提供等によりユーザのコンピュータやネットワーク環境、各種端末等に障害が発生した場合、または、ハードウエア製品の欠陥等により、人の生命、身体又は財産に損害が及んだ場合には、当社グループの判断により、製品を回収する可能性や当該ユーザからの訴えが提起される可能性があります。
当社グループの各種製品の使用規約やライセンス契約には免責事項及び当社グループの責任の及ぶ範囲についての条項を明記し、また、製造物責任賠償については保険に加入していますが、国や地域、状況によってはこれらの条項が有効とされない場合もあります。当社グループに対して、訴訟が提起され、裁判所において、損害賠償請求、慰謝料等が認められた場合、また当社グループの判断により、製品を回収する場合には、当社グループの事業の他、財政状況や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
14. 知的財産権に関する影響について
当社グループの事業は、当社グループが所有する知的財産権に多くを依存しています。当社グループがこれらの権利を保護できず、競合先企業が当社グループの技術を使用した場合には、当社グループの事業に影響を与える可能性があります。今後これ以上特許数が増加しない可能性や、これらの特許を有効に保護できない可能性があります。
ユーザとの間では知的所有権に関する条項の入ったライセンス契約をし、全ての従業員との間では機密保持及び競業避止目的の契約をそれぞれ締結し、当社グループの高度機密情報にはアクセス制限を行う等、技術や戦略等の重要な情報の流出や類似した技術の開発を防ぐよう可能な限りの対策をとっております。しかしながらこれらの措置をとっていても当社グループの技術の不正使用を防げない可能性や、当社グループの技術と類似した技術の開発を防ぐことができない可能性があります。
また、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合、製品またはサービスの販売差し止め、損害賠償金の支払い、ライセンス契約の締結に伴うロイヤルティの支払いが生ずる可能性があります。その他、従業員の職務発明に対する対価に関して、従業員から訴訟の提起を受ける可能性があり、敗訴した場合には、当該従業員に対して、さらなる対価の支払いが発生する可能性があります。
15. 電力不足、地震等の自然災害、地政学的リスク、感染症ウイルス等による影響について
当社グループでは、特定の地域、顧客、サプライチェーン、商品やサービス等に依存しない経営体制によってリスクの分散に努め、更にサービス提供基盤については事業継続マネジメントのもとリカバリー対策(事業継続マネジメント)を取っており、計測性を維持するための仕組みとプロセスを導入した上で定期的な訓練を実施し安定的に事業を継続できるよう対策しておりますが、当社グループの事業は、電力不足、地震等の自然災害、地球温暖化等に起因する豪雨、洪水、森林火災等の気候変動による災害、地政学的リスク、感染症ウイルス等により多大な損失を被る可能性があります。これらの事象は予測が困難であり、当社グループの設備、施設等に対する被害額を推測することは出来ず、また万全な対策を講じても、被害を限定させることは出来ない可能性があるため、当社グループの業務を停止せざるを得なくなる可能性や当社グループの事業に重大な影響を与える可能性があります。
更に感染症ウイルスの蔓延や、テロ行為その他の地政学的リスク等は、当社グループが活動を展開している国や地域の経済情勢に影響を与える可能性があります。
このような状況が続いた場合には、当社グループの財政状態、経営成績に影響を与える可能性があります。
16. 当社株式の投資家が投資損失を被る可能性や当社株式を売却できない可能性があることについて
当社株式は東京証券取引所プライム市場に上場されております。近年の日本の証券市場の株価及びその取引高は大きく変動しておりますが、一般にハイテク企業、インターネット関連企業の株価は特に大きく変動する傾向にあり、当社株式の株価及び出来高もまた大きく変動し、今後も当社株価は大きく変動する傾向が続く可能性があります。
また、同市場では値幅制限があるため、投資家が株式を売却する意向を持っていても制限幅を超えるような株価での売却はできない可能性があります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)における世界経済は、米国の通商政策等が不透明感を高め、各国の金融政策が景気へ与える影響不安や地政学的リスクのあるなか推移いたしました。新たな地政学リスクの発生や金融資本市場の変動等による不確実性も高まっており、今後の世界経済の見通しはより不透明になりつつあります。
情報産業につきましては、クラウドコンピューティングやAIが引き続き浸透し、2026年の世界におけるAI支出は前年比44%増の2.5兆ドルになると予測されています。加えてこうしたAIがソフトウェアをはじめとする企業のIT投資を牽引することによって、2026年の世界におけるIT支出額は前年比9.8%増の6.08兆ドルと、初の6兆ドル超えに達すると見込まれています。
セキュリティ業界におきましては、AIの進化、地政学的リスクやグローバリズムの分断、サプライチェーンの複雑化などにより攻撃の速度や規模が更にまして行く中、引き続き国家機関等を狙ったサイバー攻撃、企業の機密情報の漏洩の被害、暗号資産の流出等をはじめとする特定の企業や組織を狙う標的型攻撃や、ランサムウェア等のサイバー攻撃が目立った他、AIの普及に伴う新たなセキュリティリスクも顕在化しはじめ、企業や個人において高いセキュリティ意識が一層問われる状況となっています。
このような環境下、当社グループの経営状況は、以下のようなものでありました。
日本地域につきましては、法人向けビジネスはプラス成長となりました。セキュリティプラットフォームTrend Vision One™(以下、Vision One)を背景に、AI活用次世代SOC関連セキュリティが大きく伸長した他、ネットワーク関連セキュリティも伸長し同地域の法人向けビジネスを牽引しました。個人向けビジネスは携帯電話ショップでの販売は成長継続しましたがPC向けセキュリティは低調でした。その結果、同地域の売上高は87,840百万円(前年同期比2.4%増)と増収となりました。
アメリカズ地域につきましては、法人向けビジネスは現地通貨ベースでは前年比フラットとなりました。米国の関税政策をめぐる先行き不透明感の高まりに起因する新たなセキュリティ投資への抑制傾向の他、米国の政府効率化省(DOGE)の取り組みや政府機関の一時閉鎖による影響を受けるなど一年を通して全般的に不調でした。一方、個人向けビジネスは新たなECビジネスパートナーへの変更に伴う影響等によりマイナスとなりました。加えて円高影響も大きく受け、その結果、同地域の売上高は55,187百万円(前年同期比6.2%減) と減収となりました。
欧州地域につきましては、クラウド関連セキュリティやエンドポイント関連セキュリティは振るわなかったものの、Vision Oneを背景にAI活用次世代SOC関連セキュリティは伸長しました。加えて円安の影響も受け、その結果、同地域の売上高は61,439百万円(前年同期比4.9%増)と増収となりました。
アジア・パシフィック地域につきましては、Vision Oneを背景にAI活用次世代SOC関連セキュリティが特に大きく貢献したほかメール関連セキュリティも伸長しました。一方で個人向けビジネスは新たなECビジネスパートナーへの変更に伴う影響等によりマイナスとなりました。地域的には中東、台湾、シンガポールが同地域の売上を牽引しました。円高影響を大きく受けたものの、同地域の売上高は71,516百万円(前年同期比2.9%増)と増収となりました。
その結果、当社グループ全体の当連結会計年度における売上高は275,984百万円(前年同期比1.2%増)と増収となりました。
一方費用につきましては、人件費をはじめ外注費が大きく減少する等、全般的に抑制できた結果、売上原価並びに販売費及び一般管理費の合計費用は218,207百万円(前年同期比2.8%減)と減少し、当連結会計年度の営業利益は57,777百万円(前年同期比20.1%増)と増益となりました。
また、期初予想数値に対しては、売上高はアジア・パシフィック地域やアメリカズ地域が想定を大きく下回る結果となりました。一方、 営業利益につきましては、費用面においても人件費や外注費を中心に全般的に想定を大きく下回ったことから、売上高の下ブレを相当程度カバーでき、若干の下ブレに留めることができました。
当連結会計年度の経常利益は前年の大きな為替差益に比し、逆に大きな為替差損が発生するなどの営業外損益の悪化がありましたが53,980百万円(前年同期比2.2%増)と増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は法人税、住民税及び事業税は大幅に減少したものの、持分変動利益がなくなったことに加え、退職給付費用があったこと等により、34,523百万円(前年同期比0.5%増)と微増益になりました。
当社がこれまで重要な経営指標として意識していたPre-GAAP(繰延収益考慮前売上高)ベースの営業利益は80,799百万円となり、前年同期に比べ3,163百万円増加(前年同期比4.1%増)となりました。これは法人向けビジネスにおけるアメリカズ地域の低調と、個人向けビジネスにおける新たなECビジネスパートナーへの変更に伴う影響等を背景としたPre-GAAPは微減だったものの、売上原価並びに販売費及び一般管理費の合計費用が全般的に抑制されたことによるものです。
当連結会計年度末の現金及び預金の残高は220,092百万円となり、前連結会計年度末に比べ50,035百万円と大幅に増加いたしました。
有価証券が大きく減少したものの、主に現金及び預金が大幅に増加したこと等により、当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ21,922百万円増加の422,238百万円となりました。
当連結会計年度末の負債は繰延収益が大幅に増加したこと等により前連結会計年度末に比べ10,241百万円増加の291,111百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、自己株式の取得による大幅な自己株式の増加のほか、配当金の支払いがあったものの、利益剰余金の大幅な増加並びに為替換算調整勘定の増加等により前連結会計年度末に比べ11,680百万円増加の131,126百万円となりました。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して、17,855百万円収入が増加して64,637百万円のプラスとなりました。これは主に、未払金及び未払費用が増加したことによるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して、4,284百万円収入が減少して759百万円のプラスとなりました。これは主に、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入が減少したことによるものであります。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して、103,433百万円支出が減少して27,467百万円のマイナスとなりました。これは主に、配当金の支払額が減少したことによるものであります。
これらの増減に現金及び現金同等物に係る換算差額を加えた結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の残高は230,458百万円となり、前連結会計年度末に比べて43,066百万円増加しました。
当社グループの短期的な資金の主たる源泉は営業活動から得られる現金及び現金同等物です。現在の現金及び現金同等物の残高、営業活動から得る現金及び現金同等物は今後12ヶ月間に必要な運転資金、資本的支出をまかなうのに十分であると考えます。
当連結会計年度末における現金及び預金、有価証券の合計額は231,030百万円でありました。現金及び預金は、米ドル、ユーロ等の外国通貨及び円貨からなり、有価証券は信用度の高い取引金融機関の債券等からなります。
なお、当連結会計年度末において流動負債に計上される繰延収益は236,085百万円であり、これらの繰延収益は契約期間に応じて翌連結会計年度以降、収益として認識される見込みです。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、財政状態及び経営成績に影響を与える会計上の見積りを行う必要があります。当社はこの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
金額が些少であること、生産活動のための製造過程を保持していないこと等により、記載を省略しております。
受注実績につきましては、金額的重要性が極めて低いため、その記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める 相手先がないため、記載はありません。
当社は、資本関係の再構築以前のグループ親会社であったTrend Micro Incorporated(台湾)との間で、同社が所有していた、これまでのソフトウェアに関する研究開発の成果(著作権等)を691百万円で譲り受ける契約を1996年11月に締結しました。
また2010年1月に、当社、子会社であるTrend Micro Incorporated(米国)、Trend Micro Australia Pty. Ltd.(オーストラリア)及びTrend Micro Ireland Limited(アイルランド)の4社間で、2009年までに構築された重要な無形資産(旧無形資産)の使用権を当社が当社以外の3社にライセンスし、2010年1月以降発生する重要な無形資産の構築に係る費用及びそれに付随する費用を4社間で分担し、当社だけが所有していた重要な無形資産について、実質的、経済的に4社が保有する形とする旨のコストシェアリング契約を締結しております。
当社は上記コストシェアリング契約の参加者を代表し、Trend Micro Incorporated(台湾)、Trend Micro Canada Technologies, Inc.,(カナダ)等との間で研究開発作業を委託する旨の契約を、それぞれ1996年11月、2009年6月に締結しております。
当社及びTrend Micro Incorporated(米国)は、1997年12月に米国IBM社との間で、1998年4月に米国シマンテック社との間で、2000年5月にネットワークアソシエイツ社(現マカフィー社)との間でそれぞれ、互いの特許をライセンスする旨のクロスライセンス契約を締結しております。
当社グループの研究開発活動は、世界中の情報機器を結ぶネットワーク環境において、重要な課題となる情報セキュリティの確保(情報セキュリティ管理)に資する目的で、コンピュータセキュリティ対策ソフトウエアの開発を主として取り組んでおります。
開発製品は、主にコンピュータセキュリティ対策ソフトでありますが、基礎及び応用技術等を含めた製品の研究開発活動は、当社並びにTrend Micro Incorporated(米国)、Trend Micro Australia Pty. Ltd.(オーストラリア)及びTrend Micro Ireland Limited(アイルランド)において行っております。また一部の研究開発活動につきましては、Trend Micro Incorporated(台湾)、Trend Micro Canada Technologies, Inc.,(カナダ)等に業務委託をしております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は