当社グループは「チームワークあふれる社会を創る」という企業理念のもと、情報共有の基盤となるソフトウェアを提供することを主な事業領域としております。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
各製品のクラウドサービスの売上が堅調に増加している中、将来の収益力をより一層高めるため、引き続き、パートナーとの連携を強化しながら、エンタープライズ市場も含めた新規顧客の獲得と既存顧客の全社利用推進、AI機能の開発、グローバル展開等に取り組んでまいります。
○新規顧客の獲得及び既存顧客の全社利用推進
価格改定や最小契約ユーザー数引き上げの影響等により、2025年は売上高や顧客の平均売上単価ともに増加傾向にある一方で、新規顧客の獲得社数は緩やかな推移となりました。
「kintone」は中小・中堅企業を中心に導入を拡大してまいりましたが、更なる事業成長のためには、エンタープライズ市場における新規顧客の獲得や既存顧客の全社利用推進が重要であると認識しております。また、マーケティング施策においても、従来の認知獲得・維持を目的とした広告に加え、全社利用を訴求する取り組みも進めております。
今後も、中小企業から大企業までの新規獲得に注力するとともに、既存顧客の全社利用推進の両面に取り組むことで、更なる事業成長を目指してまいります。
○パートナー連携の強化
当社は、パートナー企業とともにお客様への提供価値を高めるパートナービジネスを重視しており、長年にわたりエコシステムの拡大・強化に取り組んでまいりました。パートナー社数やパートナー企業が提供するプラグイン・連携サービス、パートナー経由販売比率も年々増加しており、当社事業の重要な強みの一つとなっております。
今後も当社パートナープログラム「Cybozu Partner Network」やイベント開催等を通じて協業を推進し、より強固なエコシステムの構築と顧客価値の最大化に取り組んでまいります。
○AIへの取り組み
生成AIをはじめとしたAI技術の普及により、業務におけるAI活用への関心が高まっております。当社は、AI技術の活用を通じてお客様の業務改善やデータ活用を加速させることを目的として、AI機能の開発及び各サービスへの搭載を優先度高く進めてまいりました。
引き続き、全社的にAI開発体制を強化するとともに、今後も、技術動向を素早くキャッチアップし、お客様の幅広いニーズに応えるAI機能を提供してまいります。
○グローバル展開
当社は、北米・中南米、中華圏、APACを中心にグローバル展開しております。いずれの地域においても、現地の事業環境に即した販売体制の構築や認知度向上が共通の課題です。引き続き、事業成長につながる投資機会を見極めながら、機動的に対応し、中長期的な視点でグローバル展開を推進してまいります。
○組織・体制の強化
当社では、「チームワークあふれる社会を創る」という企業理念の実現に向けて、我々自身が大切にしている5つのカルチャ―(「理想への共感、多様な個性を重視、公明正大、自主自律、対話と議論」)を体現し、チームの生産性とメンバー(従業員)の幸福がともに高い状態の組織であることを目指しております。そのために、当社では、従業員について「100人100通りのマッチング」を重視し、多様な個性を活かす柔軟な働き方の選択肢を提示し、従業員一人ひとりのスキルや希望をマッチングさせるための基盤づくりに取り組んでおります。また、そのうえで、従業員一人ひとりの多様な個性や強みが最大限に発揮され、更なる挑戦と成長につながるよう、各種タレントマネジメントの仕組みを整備するとともに、効果的かつ効率的に意思決定及び業務執行が行える役割分担や組織構造の構築にも注力しております。中長期の事業戦略を加速させるため、これらの仕組みや基盤の強化を図るとともに、引き続き積極的な人材採用を行ってまいります。
さらに、当社では、自社製品である「kintone」や「Garoon」を活用し、インサイダー情報やプライバシー、取引先との契約に基づく守秘義務等に配慮したうえで、経営会議や取締役会の議事を含む経営に関するあらゆる情報を、公明正大に全社へ共有しております。このような情報共有を通じて、情報格差を最小限にし、役員及び従業員一人ひとりが主体的に判断し、質問責任を果たせる環境を整えています。また、経営陣が説明責任を果たし、対話と議論が日常的に行われる組織風土を醸成することにより、組織全体としてのガバナンス強化を目指してまいります。
○クラウドサービス事業者として信頼される内部統制システムの整備
クラウドサービス事業を推進するに当たり、情報セキュリティを含む内部統制システムへの信頼性確保の重要性が高まっております。
そのような中で、当社グループは、海外拠点を含め、「公明正大」の考え方のもと、内部統制の仕組み化(ルール化、見える化、効率化)をより一層強化し、引き続き株主、ユーザー、パートナー企業、その他ステークホルダーの皆様からの信頼を確保すべく、内部統制システム体制の整備に注力してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「チームワークあふれる社会を創る」という企業理念のもとで、事業活動を通して世界中にチームワークを普及させることが社会に対する責任を果たすことになると考えております。
また、人的資本への投資や気候変動・環境への対応が経営上の重要課題と認識しており、事業活動を通じて社会課題解決に取り組むことで、事業成長とサステナブルな社会への貢献を実現してまいります。
(1) ガバナンス
サステナビリティに関する諸課題については、プロジェクトチーム等が各事業部門と連携し、各部門の分掌に沿って、サステナビリティ関連リスクと機会、業務執行への影響について協議し、経営会議での協議・承認の後、取締役会に報告します。
取締役会はサステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任を有しております。経営会議で協議・決定された内容の報告を受け、当社グループのサステナビリティのリスク及び機会への対応方針や実行計画等についての審議・監督を行っております。
(2) 戦略
当社グループでは、人的資本への投資や気候変動・環境への対応について、以下のような取組を推進しております。
○人材育成に関する取組
「チームワークあふれる社会を創る」という共通の想いを持って当社に集まったメンバーは、一人ひとり多様であり、それぞれの個性、価値観を持っています。当社では、それぞれが多様であることを前提に、一人ひとりと対話し、チームの生産性とメンバーの幸福が両立するマッチングを目指しています。
・入社後のオンボーディング
入社から約半年間(新卒採用の場合は1年間)をオンボーディング期間と定め、スムーズに組織に馴染み、早期に活躍できるように、新卒入社、キャリア入社それぞれで研修プログラムを提供しています。企業文化の理解や社内メンバーとのコミュニケーションの促進を図りつつ、定期的にマネジャーと期待値を調整し、振り返りを行う仕組みを整えています(オンボーディングプラン/サーベイ)。多様な働き方のメンバーがいる中でも、働き方にかかわらず、すべてのメンバーが定着、活躍できるような土台づくりを進めています。
・自律的なキャリア開発支援
「チームの生産性とメンバーの幸福の両立」のために、メンバー一人ひとりが自分自身の価値観と向き合い、自律的主体的に選択すること、またその選択に責任を持ち、貢献や成長を実感して働くことを支援する制度や仕組みづくりを進めています。自分自身のできること(経験やスキルなど)、やりたいこと(今後の希望など)を周囲に伝える「MyキャリNEXT」、社内公募中のポジションを見える化する「ジョブボード」、期間限定で他部署の業務を体験できる「大人の体験入部」、メンバーの自主的な学びに対し、年間12万円まで支援するSelf-learning Program制度など、さまざまな施策を実行しています。
○働く場所・環境整備に関する取組
当社では2007年から短時間勤務制度を、2010年からテレワークを導入しました。現在、社員の出社率は約2割となっております。
メンバー一人ひとりが、チームの生産性を最大化する場所を主体的に考え、どこで働いても最大限の成果を発揮できるよう、オフィス環境、リモートワークの環境整備を行っております。
東京日本橋オフィスをチームワークの中心拠点であるBig Hubと据え、グループウェアも活用しながら、国内外複数の拠点や自宅、さらには多くのパートナー企業と協働できる環境づくりを行っています。現在執務フロアのリニューアルの検討を進めており、さらに効果的・効率的に活動できるオフィスづくりに取り組んでいきます。
○オーナーシップの醸成(持株会)に関する取組
サイボウズの理想に共感し、その実現に向けて集まったメンバーが、オーナーシップを持って主体的に業務に取り組めることを目的に、無期雇用だけでなく有期雇用のメンバーに対しても、奨励金100% (拠出金額と同額) で運用しています。2025年12月末時点の国内従業員持株会加入率は89.1%となっています。
また、2023年からはグローバル拠点でも持株制度を開始し、2025年12月末時点で対象者の69.7%が加入しています。
○気候変動・環境に関する取組
当社は、持続可能な社会の実現に向けた取り組みの一環として、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づき気候関連情報の開示を推進しております。今年度は新たに、2030年度末までにカーボンニュートラル(Scope1+Scope2)を達成し、2050年度末までにネットゼロ(Scope1+Scope2+Scope3)を目指す目標を設定しました。Scope1およびScope2の削減に向けては、再生可能エネルギー由来の電力の導入等を進めるとともに、Scope3の削減に向けては、再生可能エネルギーを利用しているデータセンターの積極的な活用、リモートワークを基本とした新しい働き方の推進、自社製品を活用した業務効率化の推進などに取り組んでいきます。
これらの活動および情報開示を通じたステークホルダーとの対話を重ねることで、気候関連リスクの低減と、マーケットの変化に応じた事業機会の獲得を図り、企業の持続的な成長につなげてまいります。
(3) リスク管理
全社的なリスク管理プロセスに基づき、サステナビリティ関連リスクへのリスク管理を実施しています。リスクは、プロジェクトチーム等が識別し、影響度を評価します。対応が必要と判断されたリスクは、プロジェクトチーム等が伴走しながら、各事業部門によってリスク対応が行われます。また、リスクへの対応状況は経営会議で協議・承認された後、取締役会へ報告されます。取締役会は、経営会議よりリスク管理の状況と対応について報告を受け、監督します。
(4) 指標及び目標
○人的資本への投資
2025年の女性管理職比率は28.7%でしたが、当社では女性社員比率と近い割合が自然だと考えており、まずは30%以上の維持・向上を目指しています。
(注) 1.社員数は正社員(無期雇用)の人数、管理職数は副部長以上の役職者の人数として算出しております。
2.「男性労働者の育児休業取得率」「労働者の男女の賃金の差異」については、「
○気候変動・環境への対応
当社では、気候変動・環境への対応に関する評価指標として温室効果ガス排出量(CO2)を算定しております。Scope1、Scope2、Scope3の排出量はそれぞれ以下の通りです。
目標
実績推移
※2025年度実績につきましては速報値であり、正式な数値については当社Webサイトにて開示させていただきます。
以下、当社グループの事業等において、リスクの要因となる主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しております。当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に対する投資判断は本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の事項においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
1. 事業環境に関するリスク
市場環境の変化について
[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:大 ]
当社グループが製品、サービスの開発において利用している技術(Web、インターネット、クラウドコンピューティング、AI・機械学習等)は技術革新の進歩が速く、それに応じて業界標準及び利用者のニーズも急速に変化しています。このような変化に対応するため、新製品、サービスも相次いで登場しています。これらの新たな技術革新や利用者ニーズへの対応が遅れた場合、当社グループの提供する製品、サービス及びクラウドサービス環境等が陳腐化し、競合他社に対する競争力の低下を招く可能性があり、当社グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。
2. 事業の拡大・海外展開に関するリスク
① 事業拡大及び投資について
[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中~大 ]
(a) 人材の採用・育成
今後の業容の拡大を図る中で、各事業において、専門性を有する人材の採用・育成は不可欠であると認識しております。現時点では人材の採用・育成に重大な支障が生じることは無いものと認識しておりますが、今後各事業において人材獲得競争が今以上に激化し、優秀な人材の採用がさらに困難となる場合や在職している人材の社外流出が大きく生じた場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(b) 関係会社等への投資に関わるリスク
当社グループが投資を行っている関係会社等について、経営環境の変化等を要因として回収可能性が低下する可能性があり、また、投資の流動性の低さ等を要因として当社グループが望む時期や方法で事業再編が行えない可能性があります。そのため、投資の全部又は一部が損失となる、あるいは、追加資金拠出が必要となる等、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 海外事業展開について
[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中 ]
当社グループはグローバルな事業展開を進めておりますが、海外市場への事業進出には、各国政府の予期しない法律又は規制の変更、社会・政治及び経済情勢の変化又は治安の悪化、戦争、為替制限や為替変動、輸送・電力・通信等のインフラ障害、各種税制の不利な変更、移転価格税制による課税、保護貿易諸規制の発動、異なる商習慣による取引先の信用リスク、労働環境の変化及び人材の採用と確保の困難度、疾病の発生等、海外事業展開に共通で不可避のリスクがあります。そのほか、投下資本の回収が当初の事業計画どおり進まない可能性や、撤退等の可能性があります。
3. サービスに関するリスク
① システム障害について
[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:大 ]
当社グループはインターネットへの接続環境を有するユーザーを対象に製品・サービス開発を行っており、営業活動・クラウドサービスその他のサービス提供においてもインターネットに依存しています。そのため、自然災害、停電、戦争、テロ、事故、その他通信インフラの破壊や故障、マルウェアや不正アクセス等により、当社グループのシステムあるいはインターネット全般のシステムが正常に稼動しない状態、いわゆるシステム障害が発生した場合に、当社グループのクラウド事業に極めて重大な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループ製品・サービスの提供等においてインターネット環境に依存する部分は大きく、システム障害が発生した場合に、代替的な営業・サービス提供のルートを完全に確保することは困難な場合もあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 知的財産の保護及び侵害
[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:低~中 ]
当社グループは、商標及び特許出願等、営業活動等に必要な範囲において可能な限り知的財産権等の防衛を図る所存でありますが、当社グループ、とりわけビジネスソフトウェア製品のコンセプト、ユーザーインターフェース及び操作性については、第三者による模倣を防止する手段は限定されていると考えられます。当該模倣が発生すると、当社の営業活動等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、いずれの製品、サービスも単一の特許又は関連する技術に依存しているとは考えておりませんが、このような知的財産が広範囲にわたって保護できないこと、あるいは広範囲にわたり当社グループの知的財産権が侵害されることによって、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが海外展開を進めるにあたり、中国その他のアジア地域を中心として横行している違法コピーや模倣品の流通といった知的財産権侵害や、諸外国での当社ブランド等に関する他社の商標登録が発生した場合、当社グループの販売活動、業績及び財務活動に多大な影響を及ぼす可能性があります。
さらに、当社のプログラム製品の一部には、当社以外の第三者がその著作権等を有するオープンソースソフトウェア(以下、「OSS」という。)を組み込んでおります。当社は、製品・サービスにOSSを組み込む場合、各OSSライセンスに則って組み込んでおりますが、当該ライセンス内容が大幅に変更された場合及びかかるOSSが第三者の権利を侵害するものであることが発見された場合等は、当該プログラム製品の交換・修正・かかる第三者との対応等により、提供・販売・流通等に影響を及ぼす可能性があります。
4. コンプライアンスに関するリスク
① 法的規制等について
[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中 ]
現在日本国内や海外においては、クラウドサービスに関するセキュリティ、個人情報保護、知的財産保護のあり方等について、法制度の整備がなされています。これらの法制度の中には、当社グループが提供するインターネットを利用する製品及びサービスにも適用される可能性のある法律等が制定されているものの、その解釈についてはまだ確立されているとはいえません。
また、ソフトウェアの知的財産保護や、インターネット上の知的財産権保護の他、ソフトウェアの使用許諾又はクラウドサービス提供における約款の取扱いに関して、引き続き議論がされるとともに、法改正も進んでいるところです。これらの法制度の整備をきっかけに、事業者の責任範囲の拡大や事業規制がなされることによって、事業が制約される可能性があります。
② 情報セキュリティについて
[発生可能性:低~中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中~大 ]
当社グループの営業秘密、顧客情報等の管理につきましては、十分留意していく所存でありますが、当該情報の漏洩等が発生した場合には、当社グループの信用が損なわれることとなり、その後の事業展開、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、個人情報保護法への対応強化及び消費者保護のための情報提供義務への対応が世界的に強く求められていることにより、このような対応に不備が出てしまった場合当社グループの事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。
特に、クラウドサービスにつきましては、データの安全性確保のための当社セキュリティレベル向上とその情報開示の他、クラウドサービス業務の委託先に対する必要かつ適切な監督や委託先の内部統制の有効性評価等に努めておりますが、クラウドサービス上のデータの破壊、紛失、漏洩などが不測の事情により発生してしまうことにより、当社グループの事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。
③ 訴訟ないし法的権利行使の可能性について
[発生可能性:低~中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中 ]
当社グループの製品、技術又はサービスに対する知的財産権を含む各種権利等の侵害を理由とする販売差し止めや損害賠償の訴訟が提起される可能性があり、当社グループの販売活動や業績等に影響を及ぼす可能性があります。
この点、2025年7月18日に開示したとおり、当社製品が特許を侵害したとして、損害賠償請求訴訟が提起されていますが、当社は当該請求には理由がないものと考えており、代理人弁護士を通じて適切に対応しております。当該訴訟による当社の業績への影響等、開示すべき事項が判明した場合は、速やかに開示いたします。
また、システム障害や情報漏洩等が発生した場合、当社グループの製品及びサービスの利用者に一定の損害を与えることがあり、特に、クラウドサービスに関しては、サービス停止、クラウド上の情報漏洩、インシデントの原因追究(契約上の責任追及)とその影響範囲内での損害賠償請求訴訟等が提起される可能性があります。
当社グループが海外展開を進めていく中で、特に米国等においては訴訟が提起される可能性が比較的高く、また、訴訟コストや損害賠償額等が高額となる国において訴訟が提起された場合には、当社グループの財政状態及び業務に多大な影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
2011年11月に提供を開始したクラウドサービスは、ご利用いただいている契約社数が70,000社、契約ユーザーライセンス数が360万人を突破し堅調に推移しております。
このような状況下において、当連結会計年度の連結業績につきましては、クラウドサービスの売上が引き続き積み上がり、価格体系改定等による影響もあり、連結売上高は37,430百万円(前期比26.1%増)となりました。このうち、クラウド関連事業の売上高は34,485百万円(前期比28.7%増)となっております。利益項目につきましては、クラウドサービスの運用費等の売上原価が増加、昇給や中期ターゲットである2028年12月期の連結売上高509億円の達成に向けた特別賞与の設定等により人件費が増加、積極的な広告宣伝投資を継続していることにより広告宣伝費が増加、グローバルを見据えた新規事業の創出を目的として長期的な研究開発活動を活性化していることにより研究開発費が増加した影響等から、営業利益は10,101百万円(前期比106.4%増)、経常利益は10,325百万円(前期比93.5%増)となりました。また、法人税等計上後の親会社株主に帰属する当期純利益は7,081百万円(前期比99.2%増)となりました。
なお、当社グループ(当社及び連結子会社)の報告セグメントは「ソフトウェアの開発・販売」のみであり、その他の事業セグメントは開示の重要性が乏しいため、セグメントごとの記載を省略しております。
主力製品である「kintone」は、2025年12月末時点の国内契約社数が39,000社と堅調に推移し、売上高は連結ベースで21,689百万円(前期比33.9%増)となりました。2024年10月に実施した価格改定の影響等により、売上高の増加に加えて、顧客の平均売上単価も増加傾向にあります。解約率も低位に抑えられている一方で、最小契約ユーザー数引き上げの影響もあり、新規顧客の獲得社数は緩やかな推移となりました。
「kintone」は中小・中堅企業を中心に導入を拡大してまいりましたが、従業員数1,000名以上の大企業向けの活動にも注力するため、当期1月にエンタープライズ事業本部を設立し、新規顧客へのソリューション提案や既存顧客へのアップセル提案等に取り組んでまいりました。
また、マーケティング施策においても、従来の認知獲得・維持を目的とした広告に加え、部門間の連携を通じて会社全体の業務効率化を描いたTVコマーシャル等、全社利用を訴求する取り組みも進めております。
さらに、「kintone」の導入は自治体においても拡大しており、2025年12月末時点の自治体導入数は約460となりました。また、導入拡大に伴い、当期9月には自治体での「kintone」の活用アイデアを共有するイベント「kintone hive government」も初開催し、多くの自治体関係者にご参加いただきました。
今後も、中小企業から大企業までの新規獲得に注力するとともに、既存顧客の全社利用推進の両面に取り組むことで、更なる事業成長を目指してまいります。
中小企業向けグループウェア「サイボウズ Office」では、2025年12月末時点の国内累計導入社数が83,000社、売上高については連結ベースで6,832百万円(前期比18.7%増)となり、売上高の91.8%がクラウドサービスとなりました。中堅・大規模組織向けグループウェア「Garoon」では、2025年12月末時点の国内累計導入社数が8,400社、売上高については連結ベースで6,213百万円(前期比12.2%増)、売上高の73.5%がクラウドサービスとなりました。また、メール共有サービス「メールワイズ」では2025年12月末時点の国内累計導入社数が16,000社、売上高については連結ベースで1,112百万円(前期比25.9%増)、売上高の98.3%がクラウドサービスとなりました。
いずれのサービスも売上高に占めるクラウドサービス比率が年々増加しております。引き続き、クラウドサービスへの移行を推進し、安定的な収益基盤の強化を図ってまいります。
当社は、パートナー企業とともにお客様への提供価値を高めるパートナービジネスを重視しており、長年にわたりエコシステムの拡大・強化に取り組んでまいりました。2025年12月末時点におけるパートナー社数は約560社、パートナー企業が提供するプラグイン・連携サービスは500サービス以上と年々増加しております。
現在、クラウド関連事業の国内売上高の66.0%にあたる21,956百万円がパートナー経由の売上となっており、パートナー販売比率も年々増加しております。また、販売チャネルの拡大に向けて、2025年12月末時点で全国20行以上の地方銀行と協業し、実働約8年間で地方銀行のコンサルティングにより約900社に当社サービスを導入いただいております。
当期は、BizteX株式会社よりOEM提供を受け、オプション機能「連携コネクタ」のβ版を提供開始する等、「kintone」の自ら作れる範囲を広げ、ユーザーの利用用途の拡大に向けた取り組みを実施しました。
今後も当社パートナープログラム「Cybozu Partner Network」やイベント開催等を通じて協業を推進し、より強固なエコシステムの構築と顧客価値の最大化に取り組んでまいります。
生成AIをはじめとしたAI技術の普及により、業務におけるAI活用への関心が高まっております。当社は、AI技術の活用を通じてお客様の業務改善やデータ活用を加速させることを目的として、AI機能の開発及び各サービスへの搭載を優先度高く進めてまいりました。
「kintone」では、「kintone AIラボ」として検索AIやアプリ作成AI等、合計5つの機能を当期4月より順次提供してまいりました。これらは主に市民開発や蓄積データの活用を支援する機能です。また、「Garoon」及び「サイボウズ Office」においても、要約AIや校正AI等の機能を提供し、各サービスにおけるAI活用を推進しております。
引き続き、全社的にAI開発体制を強化するとともに、今後も、技術動向を素早くキャッチアップし、お客様の幅広いニーズに応えるAI機能を提供してまいります。
当社は、クラウド関連事業を開始した2011年より、自社でクラウド基盤の開発と運用を継続しております。当期においても、自社開発の新クラウド基盤「NECO」への移行を進める等、信頼性強化に重点を置き、セキュリティ向上に対する継続的な投資を行っております。
当社のクラウドサービスは、「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)」において、政府が求めるセキュリティ要求を満たすサービスとして認定されております。また、海外向けに提供する「kintone」については、「SOC2 Type1保証報告書」及び「SOC2 Type2保証報告書」を受領していることに加え、当期は米国の医療情報保護法「HIPAA」にも対応いたしました。これにより、機密性の高い情報を取り扱う企業・団体における導入機会の損失を防ぎ、顧客基盤の拡大に寄与すると考えております。
今後も国際基準を満たす内部統制及びセキュリティ脅威への対応に継続して取り組み、安心・安全なクラウドサービスの提供を推進してまいります。
当社は、北米・中南米、中華圏、APACを中心にグローバル展開しております。2025年12月末時点における導入社数は、米国で910社、中華圏で1,430社、APACで760社となりました。
北米・中南米では、MSP(Managed Service Provider)を中心とした販売体制の整備を図るとともに、直販での販売活動の強化にも取り組んでまいりました。中華圏では、現地の事業環境等を踏まえながら、日系企業を中心とした提案活動に注力しております。APACでは、タイの売上・導入実績は堅調に推移しております。今後はマレーシアでも積極的なプロモーション活動を実施してまいります。
当期9月には「kintone Days Global 2025」をバンコク、深圳、上海、台北の4都市で開催し、各地域における認知拡大及び顧客・パートナーとの接点強化を図りました。
今後も認知の拡大や販売体制の強化に取り組み、事業成長につながる投資機会を見極め、中長期的な視点でグローバル展開を推進してまいります。
当社では、「チームワークあふれる社会を創る」という企業理念のもと、社会課題の解決や地域のDX推進に向けた取り組みを実施しております。
社会課題への取り組みとしては、主に非営利団体向け支援や地方創生支援、教育現場の働き方改革支援、災害時のICT活用支援等に取り組んでおります。当期は「地域クラウド交流会」を全国で27回開催したほか、大雨で被災した3県にて、「kintone」を活用した災害支援を実施いたしました。
地域DXへの取り組みとしては、当期6月に株式会社エヒメスポーツエンターテイメントとの資本業務提携契約の締結、及び同社の第三者割当増資引受により、同社を子会社化いたしました。同社が運営するプロバスケットボールチーム「愛媛オレンジバイキングス」の更なる成長を支援するとともに、「kintone」の導入・活用を通じて地域のDX推進を後押しし、当社創業の地である愛媛のまちづくりへの貢献を目指してまいります。
今後も当社のチームワーク向上のノウハウを活かし、社会課題の解決や地域のDX推進に向けた活動を継続してまいります。
当社グループ(当社及び連結子会社)の報告セグメントは「ソフトウェアの開発・販売」のみであり、その他の事業セグメントは開示の重要性が乏しいため、記載を省略しております。
当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。
(注) 金額は、製造原価とソフトウェアのうち自社開発分(資産計上分)の合計により算出しております。
当社グループ(当社及び連結子会社)は受注開発を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)の報告セグメントは「ソフトウェアの開発・販売」のみであり、その他の事業セグメントは開示の重要性が乏しいため、ソフトウェア事業に含めて記載しております。
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、総販売実績の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
資産合計につきましては、現金及び預金や売掛金が増加、クラウドサービス用のサーバー増設等により工具、器具及び備品が増加、上場株式の株価上昇により投資有価証券が増加した影響等から、前連結会計年度末に比べ9,052百万円増加し、30,140百万円となりました。
負債合計につきましては、未払法人税等や契約負債が増加した影響等から、前連結会計年度末に比べ2,870百万円増加し、12,324百万円となりました。
純資産合計につきましては、剰余金配当1,386百万円を実施した一方、親会社株主に帰属する当期純利益7,081百万円の計上により利益剰余金が増加した影響等から、前連結会計年度末に比べ6,181百万円増加し、17,815百万円となり、自己資本比率は59.1%となりました。
なお、当社グループ(当社及び連結子会社)の報告セグメントは「ソフトウェアの開発・販売」のみであり、その他の事業セグメントは開示の重要性が乏しいため、記載を省略しております。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より6,104百万円増加し、11,694百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
当連結会計年度における営業活動による資金収支は、10,676百万円の収入となりました。これは法人税等の支払いがあった一方、税金等調整前当期純利益10,325百万円や減価償却費の計上等によるものです。
当連結会計年度における投資活動による資金収支は、3,102百万円の支出となりました。これはクラウドサービス投資の一環としてサーバー等を取得したことに伴う固定資産取得による支出があったこと等によるものです。
当連結会計年度における財務活動による資金収支は、1,388百万円の支出となりました。これは配当金支払いによる支出があったこと等によるものです。
当社グループの運転資金及び設備投資等資金は、主として営業活動キャッシュ・フローである自己資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入を実施することを基本方針としております。今後の資金需要のうち、主なものは、運転資金の他、国内外でのクラウドサービス認知度を向上させるための広告宣伝及び国内のクラウドサービス用サーバー機材増設等の設備投資であります。これらの資金についても、基本方針に基づき、自己資金により充当しつつ、必要に応じて金融機関からの借入を実施する等、負債と資本のバランスに配慮しつつ、必要な資金を調達してまいります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)の報告セグメントは、「ソフトウェアの開発・販売」のみであり、その他の事業セグメントは、開示の重要性が乏しいため、セグメントごとの記載を省略しております。
インターネット関連技術は技術革新の進歩が速く、また、それに応じて業界標準及び利用者ニーズが急速に変化するため、新技術・新製品も相次いで登場しております。そこで、当社グループの研究開発活動は、顧客満足度の向上に資するため、これらの新技術等への対応を、開発部門を中心に随時進行しております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は、
新規事業の創出を目的として2022年10月1日付で「New Business Division」を新設しており、新本部として、国内外のメンバー増員など組織基盤を強化するとともに、グローバルを見据えた長期的な研究開発活動を活性化しております。